(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御情報が前記端末によって前記第2の情報処理装置から取得できない場合に、前記第2の情報処理装置にログインする認証情報を入力する情報入力領域を前記端末に表示させる、
請求項1又は3に記載の情報処理システム。
前記制御部が、前記レコードの記録内容又は前記レコードに関連付けられたフラグに基づいて送信可能状況かを判断し、前記送信可能状況でない場合には前記端末の画面上に現在ステータス情報を表示させる、
請求項1又は3に記載の情報処理システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
たとえば特許文献1には、「ウェブシステム100は、端末14から画像を要求された場合に、ユーザの認証状況にしたがって異なる態様の画像を提供する認証サーバ10と、端末14からウェブページを要求された場合にコンピュータプログラムを提供するウェブサーバ12を備える。そのコンピュータプログラムは、認証サーバ10から画像を取得し、その画像の態様に応じて、認証サーバ10におけるユーザの認証状況を判定し、ユーザの認証状況に応じたウェブページを表示させるための処理を端末14に実行させる」構成が開示されている。
【0005】
異なるドメインをまたがる情報処理において、(端末と、第1の情報処理装置とは異なる第2の情報処理装置との間での)セッション確立の有無を判定することを以て利便性を向上させる情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、情報処理システム、及び、異なるドメインをまたがる(端末と、第1の情報処理装置とは異なる第2の情報処理装置との間での)情報処理において、ユーザに対してレコードを簡易な手順で送信させることのできる情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、情報処理システム、を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するために、第1の情報処理装置と、第2の情報処理装置と、端末とを有する情報処理システムであって、第1の情報処理装置は、レコードが記憶される記憶部と、端末からの要求に従って前記レコードを端末に送信する制御部と、を有し、第2の情報処理装置は、制御情報が記憶される記憶部と、端末からの要求に従って制御情報を前記端末に送信する制御部と、を有し、端末は、制御情報が前記端末によって第2の情報処理装置から取得できる場合に、第2の情報処理装置に対してレコードをボディ部に格納して送信する、情報処理システムを提供する。
【0007】
本発明の一実施形態において、制御情報は、ボディ部に格納して送信される情報であってもよい。また、本発明の一実施形態において、制御情報が端末によって第2の情報処理装置から取得できない場合には、端末が第2の情報処理装置に対して認証処理要求を行ってもよい。
【0008】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、制御部を有し、端末が制御情報を取得できる場合に、制御部が前記端末とのセッションが確立されていることを出力し、端末が制御情報を取得できない場合には、制御部が前記端末とのセッションが確立されていないことを出力する、情報処理装置を提供する。
【0009】
制御情報が端末によって情報処理装置から取得できない場合に、制御部が前記情報処理装置に対する認証情報を端末に送信する情報処理装置を提供する。
【0010】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、レコードが記憶される記憶部と、端末からの要求に従って前記レコードを端末に送信する制御部と、を有し、前記レコードは、制御情報が前記端末によって第2の情報処理装置から取得できる場合に、前記制御部が前記第2の情報処理装置に対してボディ部に格納して送信する情報処理装置を提供する。
【0011】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、レコードが記憶される記憶部と、端末からの要求に従って前記レコードを端末に送信する制御部と、を有し、レコードは、制御情報が前記端末によって第2の情報処理装置から取得できる場合に、前記端末が前記第2の情報処理装置に対してボディ部に格納して送信するものである、情報処理装置を提供する。
【0012】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、レコードが記憶される記憶部と、端末からの要求に従ってレコードを端末に送信する制御部と、を有し、レコードは、制御情報が端末によって第2の情報処理装置から取得できる場合に、端末から第2の情報処理装置に対してボディ部に格納して送信されるものであり、情報処理装置、を提供する。
【0013】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、レコードが記憶される記憶部と、端末からの要求に従ってレコードを端末に送信する制御部と、を有し、レコードは、制御情報が端末の記憶部に存在する場合に、端末から第2の情報処理装置に対してボディ部に格納して送信されるものである、情報処理装置を提供する。
【0014】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、レコードが記憶される記憶部と、端末からの要求に従って前記レコードを端末に送信する制御部と、を有し、前記レコードは、制御情報が前記端末の記憶部に存在する場合に、前記制御部が第2の情報処理装置に対してボディ部に格納して送信するものである、情報処理装置を提供する。
【0015】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置において、記憶部には、さらに前記レコードに対する閲覧権限が記憶されてもよい。
【0016】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置において、レコードは閲覧権限を有する場合に前記ボディ部に格納して送信されてもよい。
【0017】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、レコードが記憶される記憶部と、レコードの内容を表示するレコード表示部と、セッションが保持されている端末による要求に対し制御情報を送信する制御情報送信部と、端末の画面上の情報入力領域に選択されたレコードの情報を送信する制御部と、を有し、レコードは、制御情報が端末の記憶部に存在する場合に、端末から第2の情報処理装置に対してボディ部に格納して送信される情報処理装置を提供する。
【0018】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、制御情報が端末によって第2の情報処理装置から取得できない場合に、第2の情報処理装置にログインする認証情報を入力する情報入力領域を端末に表示させる、情報処理装置を提供する。
【0019】
制御情報が端末によって第2の情報処理装置から取得できない場合に、情報処理装置に対する認証情報に関連付けられた第2の情報処理装置に対する認証情報を端末に送信する、情報処理装置を提供する。
【0020】
レコードが記憶される記憶部と、端末からの要求に従ってレコードを端末に送信する制御部と、を有する情報処理装置であって、レコードは、制御情報が端末によって情報処理装置と異なる他の複数の情報処理装置から取得できる場合に、端末から他の複数の情報処理装置夫々に対してボディ部に格納して送信されるものである、情報処理装置を提供する。
【0021】
複数個のレコード及び複数個のレコードに対する閲覧権限が記憶される記憶部と、閲覧権限を有する場合に端末からの要求に従って複数個のレコードから所定のレコードを端末に送信する制御部と、を有する情報処理装置であって、レコードは、制御情報が端末によって情報処理装置と異なる他の複数の情報処理装置から取得できる場合に、端末から他の複数の情報処理装置夫々に対してボディ部に格納して送信されるものであり、制御情報は、更新権限を有する場合に端末からの要求に従って他の複数の情報処理装置の夫々の記憶部から端末に送信されるものである、情報処理装置を提供する。
【0022】
制御情報が端末によって第2の情報処理装置から取得できない場合に、他の複数の情報処理装置夫々にログインする認証情報を入力する情報入力領域を端末に表示させる、情報処理装置を提供する。
【0023】
制御情報が端末によって他の複数の情報処理装置から取得できない場合に、情報処理装置に対する認証情報に関連付けられた他の複数の情報処理装置に対する認証情報を端末に送信する、情報処理装置を提供する。
【0024】
本発明の一実施形態において、制御部が、レコードの記録内容又はレコードに関連付けられたフラグに基づいて送信可能状況かを判断し、送信可能状況でない場合には端末の画面上に現在ステータス情報を表示させてもよい。
【0025】
制御情報が静的情報であってもよい。
【0026】
静的情報が画像であってもよい。
【0027】
制御情報が動的情報であってもよい。
【0028】
本発明の一実施形態に係る情報処理システムは、第1の情報処理装置と、第2の情報処理装置と、端末とを有する情報処理システムであって、第1の情報処理装置は、レコードが記憶される記憶部と、端末からの要求に従ってレコードを端末に送信する制御部と、を有し、第2の情報処理装置は、制御情報が記憶される記憶部と、端末からの要求に従って制御情報を端末に送信する制御部と、を有し、端末は、制御情報が端末の記憶部に存在する場合に、レコードを第2の情報処理装置に対してボディ部に格納して送信する情報処理システム、を提供する。
【0029】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置において、記憶部には、さらに前記レコードに対する閲覧権限が記憶されてもよい。
【0030】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置において、レコードは閲覧権限を有する場合に前記ボディ部に格納して送信されてもよい。
【発明の効果】
【0031】
本発明の一実施形態(実施形態1)によれば、異なるドメイン間における情報処理において、(端末と、第1の情報処理装置とは異なる第2の情報処理装置との間での)セッション確立の有無を判定することを以て、ドメイン毎のセッション確立の有無を確認しないで済み、利便性を向上させることのできる情報処理装置、情報処理プログラム、及び情報処理システムを提供することが可能である。
【0032】
また、本発明の一実施形態(実施形態2)によれば、異なるドメイン間における情報処理(情報の伝達等)において、端末が第2の情報処理装置から制御情報(たとえば、ごく小さなサイズの画像など)を取得できるかどうかを判定することを以て、(端末と第2の情報処理装置の間での)セッション確立の有無を判定するため、ユーザが端末と第2の情報処理装置との間のセッションの確立の有無を自ら調べる必要がない等の点で、情報処理の利便性が向上する。
【0033】
また、本発明の一実施形態(実施形態2)では、リダイレクトを行わず制御情報の有無を判別し、制御情報が第2の情報処理装置(実施の形態における情報処理装置60)から取得できることをトリガーとして、レコードが、情報処理装置(実施の形態における情報処理装置10)を介さずに、端末(実施の形態における端末20)から第2の情報処理装置(実施の形態における情報処理装置60)へポストメソッドによる送信が行われ、又は、レコードが情報処理装置(実施の形態における情報処理装置10)から第2の情報処理装置(実施の形態における情報処理装置60)へ送信されるため、ゲットメソッドによる送信の送信容量を超えたレコードを端末(実施の形態における端末20)の(情報処理装置60側のサービスで提供される)画面に貼りつけることが可能となる。たとえば、このような構成によって、連携先ドメインに対するポストメソッドによる送信をする際のユーザによる操作手順の削減という効果を奏する。
【0034】
また、本発明の一実施形態(実施の形態における変形例1)によれば、端末(実施の形態における端末20)1台に対して情報処理装置(実施の形態における情報処理装置10)1台、該情報処理装置と異なる他の情報処理装置(実施の形態における情報処理装置60)が複数台との構成により、クライアント端末を用いて、複数の遷移先サーバに対してドメイン間処理を行うことができる。たとえば、1つのサービスに登録されたレコードを複数の連係するサービスに登録することが可能となる。
【0035】
また、さらには、本発明の一実施形態(実施の形態における変形例2)によれば、レコードの記録内容又はレコードに関連付けられたフラグに基づいて送信可能状況かを判断し送信可能状況でない場合には前記端末の画面上に現在ステータス情報を表示させるとの構成により、異なるドメイン間における情報の共有等において(端末と第2の情報処理装置の間での)、情報の共有すべきでない場合に情報の共有をストップすることができるとともに、ユーザにその旨覚知させることができ、情報処理の利便性が向上する。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。以下に示す実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。なお、複数の図面において同一の符号は同一物を表し、その繰り返しの説明は省略する。
【0038】
(実施形態)
本発明の実施形態における情報処理装置、プログラム及びシステムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。まず、
図1は本発明の一実施形態に係る情報処理装置10、情報処理装置60、端末20、システム100の全体構成を示す図である。本発明のポイントは、実施形態1及び実施形態2にあるが、付随して追加的な構成を含めて全体構成を説明する。
【0039】
銀行口座を有する顧客が、関連する金融機関の証券会社の口座を開くことがある。この場合、銀行口座を有する金融機関の情報処理装置(たとえば、暗号化されたレコードを閲覧するシステムを採用している)に、顧客の各種情報が記載されている。顧客からの要望等により、銀行の職員は、銀行の情報処理装置に登録されている情報に基づいて、証券会社に対して口座開設契約を申し込む場合、証券口座を解説するための情報(たとえば、漢字氏名、カナ氏名、住所、電話番号、生年月日、性別、銀行口座の店番号、銀行口座の口座番号、銀行口座の科目等)を準備し、それらを銀行の情報処理装置から証券会社の情報処理装置にアクセスし、入力機器を用いて入力する必要がある。
【0040】
(情報処理装置10)
情報処理装置10には、通信制御部30、制御部40、記憶部50が存在する。情報処理装置10は、端末20a、20b、20cに、ネットワーク23を介して接続され、相互に通信可能となっている(
図1)。
【0041】
端末20は、情報処理装置にアクセスするための端末であり、たとえば銀行の例であれば、銀行口座名義人がインターネットバンキング等で使用するパーソナルコンピュータや携帯端末等ではなく、銀行員が扱う行員用端末である。
【0042】
ネットワーク23としては、有線無線を問わない接続方法によるインターネットや、イーサネット(登録商標)等を利用したローカルエリアネットワーク等の公知のネットワーク接続方法を用いることができる。ネットワーク23はいわゆるイントラネットであってもよい。
【0043】
制御部40には、レコード制御部41と、閲覧権限情報制御部43と、更新権限情報制御部45とが含まれる(
図1)。「〜制御部」として説明するものは、夫々CPUによって対応するプログラムが読みだされ、CPUによって実行される各機能を意味する。
図1及び上記説明以外にも、レコードを検索するためのインデックスを制御するインデックス制御部(図示せず)や、レコードに関連する付加的な情報を制御する付加情報制御部(図示せず)等を含んでもよい。
【0044】
記憶部50には、レコード記憶部51と、閲覧権限情報記憶部53と、更新権限情報記憶部55と、が含まれる(
図1)。インデックス記憶部(図示せず)、付加情報記憶部(図示せず)を含んでいてもよい。
【0045】
(情報処理装置60)
情報処理装置60(第2の情報処理装置とも称する。)には、制御部80と、記憶部90とが含まれる。制御部80には、レコード制御部81と、制御情報制御部83と、更新権限制御部85と、が含まれる。記憶部90には、レコード記憶部91と、制御情報記憶部93と、更新権限記憶部95と、が含まれる(
図1)。制御情報制御部は、記憶されている制御情報に対してタイムスタンプを付すなどの機能を有していてもよい。これに加えて、(制御情報が動的情報である場合等には)制御情報生成部が含まれてもよい。
【0046】
情報処理装置60は、端末20a、20b、20cに、ネットワーク27を介して接続され、相互に通信可能となっている(
図1)。ここで、ネットワーク23と、27とで、ドメイン(ネットワークの管理単位)が異なることは本発明の特徴の一である。
【0047】
(端末)
端末20は、ユーザ(たとえば、銀行員)が入出力するためのクライアント端末であり、パーソナルコンピュータやワークステーション等にワークフローを利用するためのアプリケーション又はWEB環境と、通信機能と、演算機能と、を備えた情報処理端末装置等が挙げられる。また、情報処理装置10が提供する画面を表示する表示制御機能としてブラウザを備え、CPU、メモリ及び情報処理装置10との間の通信制御を遂行する通信制御部等を含む。さらにキーボード等の操作入力装置及びディスプレイ等の表示装置を備えることができる。
【0048】
(情報の構成)
図2を使用して、顧客情報であるレコードの構成等について説明する。
【0049】
(テーブル)
銀行の情報処理装置10には、顧客ごとにレコードが記録されている。レコードとは複数の要素をひとまとめにした1件分のデータのことであり、具体的なレコードの内容としては、たとえば、漢字氏名、カナ氏名、住所、電話番号、生年月日、性別、銀行口座の支店名、銀行口座の科目等、銀行口座の口座番号、店名店番号、ダイレクトメール送付の可否、特記事項(注意情報の有無等)、等が挙げられる(
図2)が、これに限定されるものではない。たとえば、さらに、専任担当者、現在の預金額、職業、年間の資金移動額、家族構成、与信スコア(与信業務において公知の手法によって算出されたスコア)を記録してもよい。
【0050】
レコード制御部41は、レコードを更新する、又はレコードを出力する際の情報処理を行う機能である。この中で特にレコードを端末の画面に表示させる機能をレコード表示部とも称する(図示せず)。閲覧権限情報制御部43は、レコードを閲覧する権限の有無を銀行員のログインID、パスワード等に基づいて確認する機能である。更新権限情報制御部45は、レコードを更新する権限を銀行員のログインID、パスワード等に基づいて確認する機能である。
【0051】
レコード記憶部51は、レコードを記憶する機能である。閲覧権限情報記憶部53は、銀行員のログインID、パスワード等を、閲覧権限の有無に関連付けて記憶する機能である(
図3)。更新権限情報記憶部55は、銀行員のログインID、パスワード等を、レコードを更新する権限に関連付けて記憶する機能である(
図4)。
【0052】
図2では、口座名義人:山田太郎、カナ氏名:ヤマダタロウ、住所:K県Y市C、電話番号9876−54−3210、生年月日X月X日、Y支店普通口座0000001、DM送付可、特記事項なし、とのレコードが記録されている。このように、M銀行の情報処理装置10のレコード記憶部には、M銀行に銀行口座を有する銀行口座名義人ヤマダタロウの上記レコードが既に記録されている。
図3では、ユーザID:1、氏名:A、社員番号:100、役職:研修中の行員にはレコード閲覧の権限がない状況、ユーザID:2、氏名:B、社員番号:50、役職:担当者にはレコード閲覧の権限がある状況、が記録されている。
図4では、ユーザID:1、氏名:A、社員番号:100、役職:窓口担当者にはレコード更新の権限がない状況、ユーザID:2、氏名:B、社員番号:50、役職:決裁者にはレコード更新の権限がある状況、が記録されている。
【0053】
なお、本明細書において「更新」とは、記憶部に記憶されている情報が変化することを意味する。たとえば、更新の一態様として、レコード情報の作成、改変、削除等を含む。
【0054】
インデックスは、検索の便宜から多様な観点から作成されてもよい。たとえば、潜在的な証券の顧客との観点から、現在の預金額が所定の金額以上であるか、年間の資金移動額が所定の金額以上であるか、与信スコアが所定の数値以上であるか、ダイレクトメール送付が可能か、といった観点からインデックスを付することができる。
【0055】
(実施形態1)
情報処理装置10の制御部は、端末が情報処理装置10から制御情報を取得できる場合において(なお、この場合には情報処理装置10には制御情報制御部が設けられることになる)、当該端末と情報処理装置10とのセッションが確立されていることを出力し、あるいは、取得できない場合には、セッションが確立されていないことを出力してもよい。そのほか、情報処理装置10の制御部は、端末が情報処理装置60から制御情報を取得できる場合において、当該端末と情報処理装置60とのセッションが確立されていることを出力し、あるいは、取得できない場合には、セッションが確立されていないことを出力してもよい。制御情報とは後述の通りセッションが確立しているかどうかを判定するための、ネットワークで伝送可能な情報を意味する。
【0056】
出力するとは、たとえば、端末の画面上に表示させることであってもよい。セッションが確立されていること、セッションが確立されていないことを出力するに限らず、単に取得できること、取得できないことを出力してもよい。そして、既に端末20と情報処理装置10とのセッションを確立している状況であっても、出力できない場合、すなわち端末20と情報処理装置60とのセッションが確立していない場合には、情報処理装置10が情報処理装置60のIDとパスワードを端末20に送信したり、情報処理装置10を介して情報処理装置60と端末20が通信を行ったりしてもよい。
【0057】
(実施形態2)
端末の画面上には、情報処理装置10及び60の提供するサービスを利用するためのアプリケーション又はWEB環境によって、情報入力領域に情報を入力するための入力フィールドが展開される。銀行員は操作入力装置を用いて、入力フィールドに所定事項を記入することができる。情報処理装置10の提供するサービスを利用するためには、情報処理装置10のログイン認証を経る必要がある(
図7)。情報処理装置60の提供するサービスを利用するためには、情報処理装置60のログイン認証を経る必要がある(
図8)。
【0058】
前提として、銀行側の新規顧客登録の場合、端末20aの画面上の情報入力領域から入力された銀行口座開設申請情報(テーブルにて後述する情報等)がネットワーク23を通じ情報処理装置10の通信制御部に送信され、CPU(図示せず)によって、レコード記憶部51に記憶される。
【0059】
本実施形態では、銀行口座名義人ヤマダタロウは、M銀行に銀行口座を有するため、M銀行の情報処理装置10のレコード記憶部には、銀行口座名義人ヤマダタロウの上記レコードが既に記録されている。
【0060】
銀行口座名義人ヤマダタロウについて、M証券に口座を開設するためには、銀行員の使用する端末の画面上において、M証券の証券口座開設の情報入力領域(以下、情報入力領域がWEBページである例を記述する。)に存在するブランクを埋めることになる。しかし、これでは、いちいち第2の情報処理装置60にログインしたうえで、WEBページに求められる情報の入力を行わなければならないという問題がある。
【0061】
上記問題を解決する手段として、レコードを、リンク先のWEBページに自動で入力されるようにすることが考えられる。そこで、本実施形態では、M銀行に存在する銀行口座名義人ヤマダタロウの銀行口座に関するレコードを、M証券の証券口座を開設するために、レコードを、リンク先のURLに自動で入力されるようにする例を説明する。
【0062】
レコードを、リンク先のWEBページに自動で入力されるようにする手段として、たとえば、銀行の情報処理装置10と証券の情報処理装置60とは異なるドメインであるから、レコードをリダイレクトによって送信することが考えられる。しかし、現在代表的な通信プロトコルとなっているHTTPでは、リダイレクトによって端末20から第2の情報処理装置60へレコードを送信することが難しいという問題がある。以下、通信プロトコルとしてHTTPを例に説明をする。なお、本発明の技術思想は、HTTPという現在代表的な通信プロトコルに限定されるものではない。
【0063】
まず、リダイレクトとは、HTTPにおける、WEBサーバからクライアントへの応答であって、要求されたURLが変更されたことを知らせるものである。たとえば、端末上のWEBブラウザがHTMLデータを要求した場合に、WEBサーバが別のサーバにアクセスするように指示し、端末は該WEBサーバから受け取ったアクセス先にHTMLを改めて要求するというデータ伝送である。
【0064】
HTTPには、ゲットメソッドによる送信とポストメソッドによる送信という2つの送信方法がある。ゲットメソッドによる送信は、HTTP通信においてクライアント(たとえば、端末20上で動作するWEBブラウザなど)からWEBサーバ(たとえば、情報処理装置60)へ送るリクエストの種類の一つであり、特定のURLで指定したファイルの送信を要求するためのものである。ここで、サーバ(たとえば、情報処理装置60)に対してレコードを含む何らかの情報を通知したい場合にはURLのファイル名などの末尾に「?」マークを付け、続けて「パラメータ名、すなわち値」の形式で記述する。アンドマークを用いて区切りをつけることで、複数のパラメータを送信することもできる。これに対して、URLのファイル名ではなく、ボディ部にレコードを含む何らかの情報(ユーザデータともいう)を格納して送信するのがポストメソッドによる送信である。
【0065】
ゲットメソッドによる送信では、送信可能なデータ量に上限があり、証券口座を開設する際に送信される情報量としては十分でない。ポストメソッドによる送信によれば、ゲットメソッドによる送信での規定値よりも、相対的に大きな情報を送信することが可能である。したがって、ポストメソッドによる送信を選択せざるを得ない。
【0066】
しかしながら、一般にリダイレクトの性質上、ポストメソッドによる送信の場合にはHTMLのボディ部に記載された情報を引き継ぐことができない。これは、先の例でいえば、WEBサーバが端末に対して別のサーバにアクセスするように指示する際に、HTTPのヘッダ部に、転送先のURLを記述するためである。そのため、リダイレクトを利用してポストメソッドによる送信をするという手法では、レコードを証券側の画面上の情報入力領域に自動で入力されるようにすることができないとの問題が発生する。
【0067】
そこで、本発明の一実施形態においては、端末20は、端末20と第2の情報処理装置60とのセッションが維持されている状況を確認した上で、端末20と当該ドメインとの間のセッションが既に有効に確立している場合には、銀行の情報処理装置10を介さず第2の情報処理装置60(連携先ドメイン)に対するポストメソッドによる送信(すなわち、ボディ部に本実施形態におけるレコードが収容される送信)を行い(
図5、
図6)、他方、前記セッションが有効に確立していないと判別されたときには、第2の情報処理装置60(連携先ドメイン)へのリダイレクトはしない(その場合、認証サーバに認証処理要求をしてもよい。これにより、レコードを、リンク先のURLに自動で入力されるようにすることができる。また、ブラウザと当該ドメインとの間のセッションが既に有効に確立している場合には連携先ドメインに対するポストメソッドによる送信を行い、他方、前記セッションが有効に確立していないと判別されたときには、連携先ドメインへのリダイレクトはせず、(たとえば、認証サーバに認証処理要求をするから)、レコードを第2の情報処理装置60へ伝送する際のユーザによる操作手順の削減という効果を奏する。
【0068】
本実施形態では、銀行の情報処理装置10を介さないため、リダイレクトをする必要がない。ポストメソッドによる送信によって、情報処理装置10に記憶され端末20に送信されたレコードが、証券会社の仲介申し込みシステムの画面上の情報入力領域に貼けられる。
【0069】
セッションが確立しているかどうかの判定は、上記の機能1同様に、制御情報が取得できるかどうかによって判別する。なお、本実施形態の変形例として、取得した制御情報がWEBブラウザのキャッシュに存在するかどうかによって判定してもよい。
【0070】
本発明において、制御情報とはネットワークで伝送可能な情報を意味する。制御情報をセッションが確立されていることの判定に使用することから、ネットワークの負荷を減らすために制御情報はファイルサイズの小さい情報である必要がある。ネットワークに負荷をかけるような大容量の情報は適さない。制御情報としては、動的情報(経時的に変化する情報)、静的情報(文字、画像等)のいずれであってもよい。制御情報はボディ部に格納されて送信されるデータであることが望ましい。たとえば、ごく小さな画像(4ピクセル×4ピクセルの画像ファイル等)を使用する。ここで、制御情報のファイル名は、連番で定められてもよいし、経時的に定められるもの等、アクセスした時刻ごとに固有のものであってもよい。ファイル名をそれぞれ別の名前とすることで、過去にダウンロードした同名の画像がブラウザのキャッシュ内に残っていたことによる、制御情報取得ができた旨の誤判定を防ぐことができる。
【0071】
このほか、上記誤判定を防ぐために、ブラウザのキャッシュに保存された同URLの画像を、端末20が定期的に削除するようなスクリプトを情報処理装置10又は60が提供してもよい。
【0072】
(実施形態2のフロー)
ユーザ(銀行員)から見た画面遷移を交えつつフローを説明する。銀行員の使用する端末において、WEBブラウザ上で暗号化されたレコードを閲覧する画面が表示される。端末20の制御部がブラウザのキャッシュに制御情報(たとえば所定の画像)が取得できるか判定し(
図5のS101、画像取得可能に対応する)、取得できない場合には、情報処理装置60は端末20がログイン未済であると判断し、ログインウィンドウを表示する(
図5のS102、認証処理要求に対応する。
図6の「制御情報取得失敗」に対応する。)。
【0073】
端末20から、このログインウィンドウにアクセスすると、セキュアな認証が行われる。ユーザ(銀行員)は端末20の画面上のログインウィンドウの情報入力領域にログインIDとパスワードとを入力し、情報処理装置60へログインさせる。ログイン認証がなされると、情報処理装置60と端末20との間でセッションが確立する。
【0074】
証券会社の情報処理装置60とのセッションが確立できている場合、証券会社の情報処理装置60から制御情報を取得することができる(
図6の「制御情報取得成功」に対応する。)。そして、画像が取得できる場合には、ログイン済みであると判断できる(
図5のS101:YESに対応する)ことから、端末20から証券会社の情報処理装置60へとレコードをポストメソッドによる送信する(
図5のS103、
図6の「ポスト送信」に対応する)。これにより、端末20には既にレコードに記録された情報が反映された証券仲介支援システムの即日口座開設画面が表示される。なお、
図6のフローのうち、「GET送信とリダイレクトによりシングルサインオン」の箇所は、実施形態の必須の構成ではない。
【0075】
銀行と証券の例を挙げたが、これに限定されず、たとえば、遷移元情報処理装置において、遷移先情報処理装置へのポストメソッドによる送信を行う際に、遷移元情報処理装置から端末に送信される制御情報(たとえば、画像)が入手できれば、遷移元情報処理装置とのセッションが確立されていることになり、これをトリガーとしてポストメソッドによる送信することができる。また、レコードを端末から第2の情報処理装置へポストメソッドによる送信することに代えて、第1の情報処理装置から第2の情報処理装置に送信するようにしてもよい。
【0076】
以上の実施形態2の画面遷移を説明するのが、
図9〜13である。
図9は、M銀行のWEBアプリケーション上で、ヤマダタロウという人物のレコードを検索する画面である。ここでは予め仲介申し込み希望者が決まっている場合を説明するため個人情報から本人のレコードを検索する画面を表示している。
【0077】
図10は、検索ボタンを押した場合の結果であり、ヤマダタロウのレコードを表示する画面である。画面には仲介開設ボタンがあり、このボタンを押すことで、仲介開設確認画面(
図11)へ進む。
図11には「送信」ボタン21があり、この送信ボタン21を押すと、
図5のフローチャートが開始される。すなわち、制御情報(たとえば、画像)が取得できるかを判定し、取得できればポストメソッドによる送信を行うというフローである。
図12はポストメソッドによる送信を行った画面であり、(M銀行ではなく)M証券の、WEBアプリケーション上での画面上の情報入力領域を表示したものである。
図12の登録ボタンを押すことで、簡易に証券口座を開設可能である。
【0078】
以上の通り、本発明の一実施形態(実施形態1)では、異なるドメイン間における情報処理において、(端末と第2の情報処理装置の間での)セッション確立の有無を判定することを以て利便性を向上させる情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、情報処理システムを提供することができる。
【0079】
また、本発明の一実施形態(実施形態2)では、異なるドメイン間における情報処理において、(端末と第2の情報処理装置の間での)セッション確立の有無を判定することを以て異なる2つのドメイン間での情報の共有を簡易に行うことができる。
【0080】
たとえば、ブラウザと当該ドメインとの間のセッションが既に有効に確立していると判別されたときには、遷移元ドメイン上のデータを遷移先にポストメソッドによる送信で連携させ、一方で、前記セッションが有効に確立していないと判別されたときには、連携先ドメインへのリダイレクトはせず、認証サーバに認証処理要求をすることになり、相異なるドメイン間において連携元ドメインにおけるデータを連携先ドメインに対してポストメソッドによる送信をする際のユーザによる操作手順の削減が達成される。
【0081】
また、本発明の一実施形態(実施形態2)では、リダイレクトを行わず制御情報の有無を判別し、制御情報が取得できることをトリガーとして情報処理装置10を介さずに、端末20から情報処理装置60へポストメソッドによる送信を行うため、ゲットメソッドによる送信の送信容量を超えたレコードを端末20の(情報処理装置60側のサービスで提供される)画面に貼りつけることが可能となるため、コスト面で大いに有利である。
【0082】
(変形例1)
上記実施形態では、クライアント端末1台に対して、遷移元の情報処理装置1台、遷移先の情報処理装置1台で実施形態としている。もっとも、クライアント端末1台に対して遷移元の情報処理装置1台、遷移先の情報処理装置(第2の情報処理装置60)が複数台でも構わない。この場合、遷移先の複数台の情報処理装置がそれぞれ異なるドメインである場合には、それぞれに対して端末20から複数台の情報処理装置に対してポストメソッドによる送信を行うことになる。また、クライアント端末1台に対して遷移元の情報処理装置複数台、遷移先の情報処理装置複数台でも構わない。
【0083】
とくに、クライアント端末1台に対して遷移元の情報処理装置1台、遷移先の情報処理装置複数の場合、クライアント端末を用いて、複数の遷移先サーバに対してドメイン間処理を行うことができる。これによって、1つのサービスに登録されたレコードを複数の連係するサービスに登録することが可能となる。
【0084】
(変形例2)
レコード内に情報(たとえば、注意情報)が記録されている場合、または、レコードに関連付けられたフラグが存在し、該フラグは1が正常で0が異常である場合において0が記録されている場合等において、制御部が、端末20に対して端末20の画面上に、ポストメソッドによる送信を行う画面(
図10)に代えて、現在ステータス情報(たとえば警告画面)を表示させる情報を送信してもよい。
【0085】
たとえば、レコード内の注意情報として当該口座について、死亡届が提出されているか、本人確認が済んでいるかなどの情報を含んでもよい。死亡届が提出されている場合、本人確認が済んでいない場合には、証券口座が開設できないよう、ポストメソッドによる送信を行う画面(
図10)に代えて警告画面を表示させてもよい。異なるドメイン間における情報の共有等において(端末と第2の情報処理装置の間での)、情報の共有すべきでない場合に情報の共有をストップすることができるとともに、ユーザにその旨覚知させることができ、情報処理の利便性が向上する。
【0086】
(変形例3)
上述の実施形態に加えて、さらに登録補助機能を提供する。M銀行の行員がWEB上の銀行員用システムにログインし、顧客仲介候補検索ボタンを押すと、M証券に口座を開設していない顧客を、現在の預金額が高い順、職業スコアが高い順、年間資金移動額が高い順等にそれぞれソートすることができる。ソートは、レコードを検索するためのインデックスを制御するインデックス制御部によって付されたインデックスを用いて行う。このとき、画面上には、顧客の氏名と、ソートされたスコア(たとえば、預金額、職業スコア、年間資金移動額の少なくとも一の数値、またはその合計)を表示させてもよい。ソートされた検索結果のうち、ダイレクトメール受け取り可の顧客のみをフィルタリングして抽出し、顧客に証券口座開設のダイレクトメールを送付してもよい。このダイレクトメールに対して開設希望がある場合には、顧客の同意有として送信部が前述のポストメソッドによる送信を行い、口座開設仲介手続を行うことができる。