【実施例1】
【0027】
図1は、本願の介護情報システムの実施例1の全体のシステム構成を示した説明図である。
本願の介護情報システムは、
図1に示すように、システムを運営する運営会社などに設置された運営者端末103、介護施設のスタッフが所持し介護・看護の実施状況や利用者のバイタルサインなどの各種の入力をするスタッフ端末104、介護施設の事務部門に設置された施設事務端末105、介護施設の利用者の診察等を行う医療機関に設置された医療機関端末106、利用者の家族の自宅に設置または家族により所持されているパーソナルコンピュータやスマートフォンなどの家族端末107が、通信ネットワーク102を介してデータセンターなどに設置された運営管理サーバ101と接続されている。
なお、
図1に示した介護情報システムにおいては、運営管理サーバ101、運営者端末103、スタッフ端末104、施設事務端末105、医療機関端末106、家族端末107は、いずれも1つとして示されているが、これらは各々複数あってもよい。
【0028】
スタッフ端末104や施設事務端末105が用いられる介護施設には、介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、介護付有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、健康型有料老人ホームなど様々な施設が含まれる。
また、スタッフ端末104には、介護施設内だけでなく、利用者宅を訪問して介護する訪問介護スタッフの端末や、運営管理サーバ101に記憶保存されている情報の内、利用者の家族へ開示して良い情報かどうかを判断できる所定の権限を有するスタッフの端末も含まれる。
【0029】
通信ネットワーク102は、インターネット、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)、WAN(広域ネットワーク)など、種々のネットワークを利用することが可能である。
【0030】
運営管理サーバ101は、図示しないが、CPUなどの制御部とRAMやROMなどの記憶部やインターネットなどとの通信を制御する通信部などを備えたコンピュータである。
そして、運営者端末103、スタッフ端末104、施設事務端末105、医療機関端末106、家族端末107は、図示しないが、CPUなどの制御部とRAMやROMなどの記憶部と液晶画面などの表示部やキーボードなどの入力部、インターネットなどとの通信を制御する通信部などを備えた情報処理機器であり、この中にはパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、PHS、PDA、専用端末などが含まれる。
なお、スタッフ端末104及び家族端末107は、音声情報及び動画情報を送受信することによって端末同士で通話をすることが可能なテレビ電話機能を有するものも含む。さらに、スタッフ端末104は、位置情報を取得できるGPS機能を有するものも含む。
【0031】
運営管理サーバ101は、各種の情報を管理する複数の情報管理部などを有する。
図2は、運営管理サーバ101の内部構成を示したブロック図である。
その具体的な内部構成は、介護施設の名称・住所・連絡先・責任者名、空きベッド数、所属するスタッフの氏名・担当・識別情報、並びにスタッフの評価情報やポイント情報などの介護施設に関する情報が記憶保存されている施設情報管理部201、介護施設を利用している利用者の氏名・住所・連絡先・識別情報、介護保険の番号・交付年月日・要介護状態区分・認定年月日などの保険情報、履歴情報、利用者の身体的及び精神的健康状態に関する情報、利用者の家族の氏名・住所・連絡先・識別情報などの利用者に関する情報が記憶保存されている利用者情報管理部202、利用者の診療を担当する医療機関の名称・住所・連絡先・主治医の氏名などの医療機関に関する情報が記憶保存されている医療機関情報管理部203、介護実施状況を記録した介護カルテなどの利用者の介護に関する情報が記憶保存されている介護情報管理部204、利用者毎に関係する家族及びスタッフ間で行われたチャット内容に関する情報が記憶保存されているチャット情報管理部205、介護施設を通所で利用する利用者の送迎を行う送迎車に関する情報が記憶保存されている送迎情報管理部206、介護施設についての利用者の家族へのアンケート内容や結果などに関する情報が記憶保存されているアンケート情報管理部207、情報開示に関する所定の権限を有するスタッフ、該権限の内容に関する情報、開示許可情報、情報の選択規準などの利用者の家族に開示する情報を選択するために必要な選択情報が記憶保存されている選択情報管理部208、利用者の家族のシステムの利用状況などに応じて算出される請求金額を含む請求情報が記憶保存されている請求情報管理部209、請求情報に基づくシステム利用などに関する請求処理、各スタッフへのポイント付与などを行うポイント処理、利用者の家族からの回答に基づくアンケートの集計処理、利用者の家族やスタッフ間で交わされるチャット処理などを実行する情報処理部210、運営者端末103、スタッフ端末104、施設事務端末105、医療機関端末106、または家族端末107などの各端末との各種の情報の送受信を実行する送受信部211、から構成されている。
【0032】
介護情報管理部204で管理されている情報について、より具体的に説明すると、利用者の体温・脈拍・血圧などのバイタルサイン、食事・水分摂取量、排泄の時期・量・内容などの排泄状況、看護・介護記録、入浴の時期や種類(一般浴・機械浴・シャワー浴)などの入浴予定、レクリエーション・リハビリ予定、個別カルテ、要介護状態区分、医師オーダー、施行状況、日別介護状況、病名、などに関する情報が記憶保存されている。また、記憶保存される情報の形態は、テキスト情報に限られるものではなく、静止画や動画の情報も含まれる。
【0033】
介護情報管理部204に記憶保存される利用者の介護に関する情報の中には、利用者が施設内などで過ごしている様子を施設のスタッフがスタッフ端末104により静止画や動画で記録したものが含まれていても良い。そして、介護情報管理部204に記憶保存される静止画や動画の情報には、撮影された利用者の識別情報及び撮影したスタッフの識別情報が含まれているものとする。なお、利用者の識別情報は利用者情報管理部202、スタッフの識別情報は施設情報管理部201に記憶されている。この静止画や動画を見ることにより、利用者の家族は介護施設における利用者の様子を、より具体的に知ることができる。
また、静止画や動画の撮影に用いるスタッフ端末104は、メガネ型端末やタブレット型端末であっても良い。
【0034】
介護中に利用者の身体状況に異変が生じた場合など、状況に応じて介護施設と医療機関が情報連携することが求められる場合がある。
本実施例においては、利用者の診療を担当する医療機関に設置される医療機関端末106が通信ネットワーク102を介して運営管理サーバ101と接続されている。
そして、医療機関端末106から既往歴や病歴を含む利用者の医療に関する情報を受信して介護情報管理部204に記憶保存する。
【0035】
次に、本発明における運営管理サーバ101が有する機能について詳しく説明する。
図3は、運営管理サーバ101における介護情報の利用者の家族への送信に関する処理手順を示したフローチャート図である。
実施の開始後(ステップS101)、利用者の様々な介護に関する情報をスタッフ端末104から送受信部211により受信する(ステップS102)。
続いて、受信した利用者の介護に関する情報を介護情報管理部204に記憶保存する(ステップS103)。
次に、介護情報管理部204に記憶された介護情報の内、利用者の家族に開示する情報を選択するために必要な選択情報をスタッフ端末104から送受信部211により受信する(ステップS104)。
続いて、受信した選択情報を選択情報管理部208に記憶保存する(ステップS105)。開示する介護情報の選択は、選択情報管理部208に記憶保存されている、所定の権限を付与された複数のスタッフが所持するスタッフ端末104からの開示許可情報に基づいて開示する情報を選択し、かつ、この複数のスタッフには介護施設の施設長が含まれているものとする。これにより、利用者の家族に開示することが適切ではない情報が開示されるような事態の発生を防止することができる。
そして、介護情報管理部204に記憶保存した情報の内、利用者の家族に開示する介護情報を選択情報管理部208に記憶保存された選択情報に基づいて選択する(ステップS106)。
次に、家族端末107により、利用者の家族から介護情報の送信に関するリクエストがあるかどうかを判断する(ステップS107)。
もし、リクエストがあると判断されなかった場合は、ステップS107における判断結果は「No」となり、終了となる(ステップS109)。
一方、リクエストがあると判断された場合は、ステップS107における判断結果は「Yes」となり、ステップS106において選択された情報を送受信部211により家族端末107へ送信し(ステップS108)、終了となる(ステップS109)。
【0036】
次に、
図4は、運営管理サーバ101における請求に関する処理手順を示したフローチャート図である。
実施の開始後(ステップS201)、利用者の家族が本願発明に係る介護情報システムを利用しているかどうかを判断する(ステップS202)。
もし、システムを利用していると判断されなかった場合は、ステップS202における判断結果は「No」となり、終了となる(ステップS206)。
一方、システムを利用していると判断された場合は、ステップS202における判断結果は「Yes」となり、ステップS203へ進む。
次に、利用者の家族のシステムの利用状況に応じて請求金額を算出する(ステップS203)。なお、システム利用状況による具体的な請求金額の算出方法としては、利用者の家族によるシステム利用申込みの有無によって一律に算出するような場合に限られるものではなく、利用者の家族による介護情報へのアクセス回数やアクセス時間、あるいは利用者の家族が入手した介護情報の種類など、様々な条件によって算出することが可能である。
続いて、利用状況に関する情報と共に算出した請求金額を請求情報として、介護施設毎または介護施設の利用者の家族毎に請求情報管理部209に記憶保存する(ステップS204)。
そして、情報処理部210によって請求情報管理部209に記憶された請求情報に基づいて請求先への請求を処理し(ステップS205)、終了となる(ステップS206)。
なお、請求はシステム運営者から介護施設、システム運営者から利用者の家族、または介護施設から利用者もしくは利用者の家族への請求のいずれかである。例えば、システム運営者から介護施設への請求の場合は、請求情報管理部209に記憶保存されている介護施設毎の請求情報に基づいて、システム運営者から介護施設に請求する請求情報を該当する施設事務端末105に送受信部211により送信する。
システム運営者から利用者の家族への請求の場合は、請求情報管理部209に記憶保存されている利用者の家族毎の請求情報に基づいて、システム運営者から利用者の家族に請求する請求情報を該当する家族端末107に送受信部211により送信する。
介護施設から利用者もしくは利用者の家族への請求の場合は、請求情報管理部209に記憶保存されている利用者もしくは利用者の家族毎の請求情報に基づいて、介護施設から所定の請求情報を該当する家族端末107に送受信部211により送信する。ここで、利用者本人への請求の場合も該当する家族端末107へ送信するのは、介護関係においては請求名義が利用者本人であっても請求送付先が利用者の家族である場合があるためである。
【0037】
なお、請求の内容は、利用者の家族によるシステムの利用状況に基づくものに限られるものではなく、空きベッド数などを記載したホームページ上に介護施設などの広告を掲載して、その広告掲載者へシステム運営者が広告費を請求するものであっても良い。
【0038】
介護施設においては、事務部門の担当者が利用者情報やケアプランを入力した上で、実際の入浴等の介護やリハビリの実施状況を介護情報管理部204などに記憶保存されている情報を参照して単位を計算し、必要があれば保険請求情報の訂正を行ったりして、レセプトを作成する仕事を行っている。なお、レセプトとは、利用者が受けた介護サービスについて介護施設が保険者(市町村)に請求する介護サービス報酬の明細書を指す。
本実施例においては、介護施設の事務部門に設置される施設事務端末105が通信ネットワーク102を介して運営管理サーバ101と接続されている。
そして、運営管理サーバ101は、施設事務端末105からレセプトを含む利用者の保険に関する情報を受信して利用者情報管理部202に記憶保存する。
【0039】
介護施設の利用者には、入所ではなく、通所によるサービスの利用者も含まれる。より具体的には、デイサービス(通所介護)、デイケア(通所リハビリテーション)、ショートステイ(短期入所生活介護、短期入所療養介護)の利用などがあり、その際には、送迎担当のスタッフが介護施設のバスなどの自動車を用いて行う、送迎サービスを受ける利用者も数多くいる。そして、特にデイサービスやデイケアのような日帰りサービスの送迎においては、複数の利用者を1台の車で送迎することが通常のため、利用者の自宅への到着時間を事前に家族に通知することが難しく、当日に実際の送迎を行いながら送迎担当のスタッフが送迎車から利用者宅に「後10分程で到着する予定です。」と逐一電話連絡することが行われ、介護施設にとって少なからず負担となっている。
本実施例において、運営管理サーバ101は、介護施設への送迎を行う送迎車の位置情報、送迎車の送迎対象となる利用者の送迎順の情報、及び送迎車に既に乗車済みの利用者の情報をスタッフ端末104から受信して送迎情報管理部206に記憶保存する。
そして、送迎情報管理部206に記憶保存された情報を送迎車の送迎対象となる利用者の家族からのリクエストに応じて、スマートフォンなどの家族端末107に送受信部211により送信する。ただし、送信する情報において、送信先となる家族端末107を所持する家族に関係しない利用者の情報については、個人が特定されないようにしている。
これにより、利用者の家族にとっては、冬の寒い時期や雨の日などに送迎車の到着を待つために高齢である利用者が屋外にいる時間を短縮することができる。また、送迎車にとっても利用者の居宅前に到着したにもかかわらず、利用者が出ていないために待機しなければならないという事態を減らすことができ、時間を有効に使える。
また、この送迎情報の配信サービスは、台風の接近、降雪、地震の発生などの異常事態の発生のために、予定されていた送迎時間を変更せざるを得ない事態が発生した場合の連絡にも活用することができ、介護施設にとっては大きな負担軽減となる。
【0040】
デイサービス(通所介護)、デイケア(通所リハビリテーション)、ショートステイ(短期入所生活介護・短期入所療養介護)の利用に当っては、利用者の家族と介護施設との間で、事前または事後も含めて種々の情報の連絡が行われているのが通常である。
まず、利用者の家族から介護施設への事前の連絡としては、利用者の健康状態、食事状態、最後の排便や入浴の時期、薬の変更、特記事項などについての伝達が行われている。宿泊を伴うショートステイの場合は、さらに衣服・洗面用具・車椅子などの利用者の持参物について、その内容、数量、色・柄等の特徴について一つ一つ記載したリストの提出が紛失防止のために求められることも多い。
次に、介護施設から利用者の家族への利用後の報告としては、利用者の体温・血圧・脈拍数などの身体状況、主食や副食を何割摂取したかなどの食事摂取の状況、入浴の有無や機械浴・シャワー浴などの実施状況、リハビリの有無や実施した機能訓練の具体的状況、イベントなどの活動状況、通所中の様子、並びに看護師による健康状態や特記事項について記載された看護記録などについての伝達が行われている。なお、介護施設から利用者の家族へ開示する情報について、所定の権限を付与された複数のスタッフが所持するスタッフ端末104からの開示許可情報に基づいて開示する情報を選択し、かつ、この複数のスタッフには介護施設の施設長が含まれているものとしても良い。
さらに、介護施設から利用者の家族へ特記事項として医療機関における受診を進められた場合などは、その後の状況について、利用者の家族から介護施設へ報告のための伝達が行われることもある。
本実施例において、運営管理サーバ101は、家族端末107及びスタッフ端末104から情報を受信して利用者の健康状態等については利用者情報管理部202、介護施設における介護サービスの実施状況等については介護情報管理部204に記憶保存する。そして、関係者がこれらの情報にアクセスすることにより、介護施設とその利用者の家族との間で、利用者に関して双方向で迅速かつ正確な情報共有をすることが可能となる。
【0041】
次に、本実施例におけるチャット機能について説明する。
介護サービスを利用する利用者については、サービス担当者会議を開催して関係するサービス担当者が介護サービスに関する目標などを話し合うことが義務付けられている。そして、このサービス担当者会議には、サービスに携わるスタッフのみでなく、利用者の家族も参加する。現在、このサービス担当者会議に所用で欠席した者に対しては電話などで、その会議の内容について連絡し、承認をもらったりすることが行われている。しかし、サービス担当者会議関係者のグループによるチャットを行うとサービス担当者会議の内容の記録が残るので、同意形成の経緯が明確になるなど、欠席者への連絡や承認の過程がわかりやすくなる。また、サービス担当者会議に関する書類作成にかかる負担も軽減される。なお、スタッフには、利用者のケアマネージャー、介護スタッフ、看護師、栄養士、機能訓練員などが含まれるものとする。
具体的には、運営管理サーバ101は、情報処理部210によって利用者毎に関係する家族及びスタッフが家族端末107及びスタッフ端末104を用いて行うチャットを処理する。そして、情報処理部210によって行われたチャットの内容を家族端末107及びスタッフ端末104から送受信部211によって受信してチャット情報管理部205に記憶する。なお、情報処理部210によるチャットの処理においては、各メッセージの既読状況がわかるように処理され、チャット情報管理部205には各メッセージの既読者に関する情報も併せて記憶するものとする。サービス担当者会議関係者のグループによるチャットにおいて、各メッセージについて該グループ内の誰が既読であるかどうかが明確になり、未読者への督促などによりサービス担当者会議の進行を効率的に進めることが可能になる。既読者に関する情報としては、サービス担当者会議関係者であるスタッフの氏名・識別情報及び利用者の家族の氏名・識別情報などが挙げられる。
【0042】
次に、本実施例におけるアンケート機能について説明する。
これは、ISOに定められた顧客意見の集約及び分析を行うために、介護施設に対する顧客満足度調査などを目的として利用者の家族に対してアンケートを行うものである。アンケート項目としては、例えば、「職員の言葉遣いや対応で、不愉快な思いをされたことがありますか。」「現在の居室位置に満足していますか。」「お部屋の清掃や整理整頓はいかがですか。」「入浴サービスはいかがですか。」「トイレは使いやすく、プライバシーは守られていますか。」「施設での食事はおいしく召し上がられていますか。」「季節の行事は楽しく参加できていますか。」「あなたの要望などに職員は、すぐ対応してくれますか。」「金銭などの管理を安心して任せられますか。」「施設内で危険と感じる場所はありますか。また、それはどこですか。」などが挙げられ、これらに対して、例えば「非常に満足」「満足」「普通」「不満」の4段階から選択するようにする。
具体的には、運営管理サーバ101は、利用者の身体的及び精神的健康状態を利用者情報管理部202に記憶する。そして、利用者が利用している介護施設に関するアンケートを家族端末107に送受信部211によって送信する。次に、アンケートに対する回答を家族端末107から受信してアンケート情報管理部207に記憶し、記憶された回答に基づいて情報処理部210によってアンケートの回答結果の集計処理を行う。
なお、アンケートの集計処理において、利用者情報管理部202に記憶されている利用者の身体的及び精神的健康状態に応じて回答結果に与える重み付けを変化させる。例えば、介護施設の利用者の実際の食事内容は、同じメニューであっても利用者の身体的及び精神的健康状態に応じて「通常食」「きざみ食」「ミキサー食」「ソフト食」などに分かれている。そこで、「食事はおいしいか?」という質問に対する回答であっても、介護施設では一律に評価することが適切でない場合がある。具体的には、利用者の身体的及び精神的健康状態により食事がミキサー食の利用者の場合は、本アンケート項目に関しては通常食の利用者よりも重み付けを軽くする。
同様に、「トイレは使いやすく、プライバシーは守られていますか。」という質問に対する回答についても、利用者の身体的及び精神的健康状態により、ベッド上で排泄介助を受けながら排泄しなければならない利用者もいる。このような利用者とトイレまで自力歩行して自力で排泄できる利用者の回答を、同じ重み付けとすることは必ずしも適切ではないので、排泄介助が必要な利用者の回答について本アンケート項目に関しては重み付けを軽くする。
【0043】
次に、本実施例におけるポイント付与機能について説明する。
入所者の身体状況や生活状況がわかる静止画や動画を撮影するために、撮影するスタッフには相応の作業時間が発生する。一方、現在、福祉業界においては介護施設で働くスタッフの待遇改善などが問題となっている。そこで、スタッフの働く意欲を少しでも向上させるためにポイント制を導入し、静止画や動画を撮影したスタッフに対してポイントを付与する。そして、一定期間毎にポイントを集計して、介護者・看護者であるスタッフへ金銭等の利益や人事考課の対象項目とするなどしてフィードバックする仕組みを構築するものである。
具体的には、運営管理サーバ101は、介護情報管理部204によって記憶されている静止画・動画情報を視聴した利用者の家族によって入力された該情報についての評価情報を家族端末107から送受信部211によって受信して施設情報管理部201に記憶する。なお、介護情報管理部204に記憶保存される静止画・動画情報には、撮影された利用者の識別情報及び撮影したスタッフの識別情報が含まれているものとする。例えば、5段階評価にして、ある静止画・動画情報が利用者の家族にとって大変有益だった場合は5と評価して家族端末107に入力して、該情報を運営管理サーバ101へ送信する。ただし、評価の方法は5段階評価などの評価点の入力に限られるものではなく、視聴した家族によるクリック数による評価など様々な方法による評価が可能である。
次に、運営管理サーバ101は利用者の家族が評価した静止画・動画情報の撮影者であるスタッフを該情報に含まれているスタッフの識別情報によって識別して、施設情報管理部201に記憶されている該スタッフに関する情報として、その評価情報を記憶する。次に、施設情報管理部201によって記憶されている評価情報に基づいて静止画・動画情報を撮影したスタッフに情報処理部210によってポイントを付与する。なお、情報処理部210によるポイントの処理において、利用者の介護レベルに応じて付与するポイントを変動させる。例えば、利用者の症状が重く、介護レベルが高い場合は相対的に付与するポイントも高くする。介護施設のスタッフの実際の負担は、介護対象である利用者の介護レベルによって変動するからである。そして、付与されたポイントはスタッフ毎に施設情報管理部201に記憶するものとする。
このように、視聴者である利用者の家族による評価や撮影された利用者の介護レベルが高いほど付与されるポイントも高くなるので、スタッフの撮影に関するインセンティブになると共に、結果としてどのような静止画・動画情報を利用者の家族が望んでいるのかが明確になり、介護施設が利用者の家族へ提供する静止画・動画情報の質の向上にも資することになる。
【0044】
なお、本発明の目的は、上記の実施例1の機能を実現するソフトウェアのプログラムをシステムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータが記憶媒体に記録されたソフトウェアのプログラムを読出し実行することによっても達成される。
【0045】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、当該プログラムやそれを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0046】
ソフトウェアのプログラムを記録するための記憶媒体としては、例えば、ハードディスク、USBメモリ、SDメモリカード、光ディスク、光磁気ディスク、ブルーレイディスク、DVD、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0047】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムが、システムまたは装置のコンピュータに挿入された機能拡張用のボードやコンピュータに接続された機能拡張用のユニットに備えられたメモリに書き込まれた後、当該プログラムの指示に基づき、その機能拡張用のボードやユニットに備えられたCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって上記の機能が実現される場合も含まれる。
【0048】
本実施例による効果について、説明する。
第1に、介護施設の利用者の家族が、自分のスマートフォンなどを利用して運営管理サーバ101にアクセスするだけで、介護施設における利用者の現在の生活状況に関する正確な情報を把握することができる。
第2に、介護施設の利用者の家族によるシステムの利用状況に応じて、介護施設側が家族へシステムの利用に関する請求を運営管理サーバ101が行うので、介護施設側にとっては面倒な請求処理をすることなく、家族へのシステム利用に関する請求を行うことができる。
第3に、介護施設の利用者に関するデータの一元管理が可能となり、医師、看護師、介護者、介護に携わる者が入力した情報を共通で利用できることにより円滑な情報伝達が実現する。
第4に、利用者の介護に関して記載する介護カルテについて、面倒な転記作業等をすることなく、食事・水分摂取量、血圧測定、排泄状況等々数値情報などを入力するだけでカルテの記入が完了するので、介護者や看護者が利用者への直接的なケアを行うという本来の仕事に専念することができる。
第5に、介護施設を通所で利用している利用者の家族が、自分のスマートフォンなどを利用して運営管理サーバ101にアクセスするだけで、介護施設の送迎車の位置情報などを正確に知ることができるので、利用者が屋外で送迎車の到着を待っている時間を短くすることができる。また、送迎車にとっても到着したのに利用者の乗車準備ができていないためにただ待機しているという無駄な時間を減らすことができ、介護施設側にとっても効率的な送迎が実現できる。
第6に、介護施設の通所利用者の家族から介護施設へは家族端末107により利用者の薬を含む持参物や最後の排便時期などに関する情報を入力して送信したり、介護施設から通所利用者の家族へはスタッフ端末104により介護施設における利用者の食事、入浴、排泄などに関する情報を入力して送信したりすることができるので、相互に簡単な入力で正確な利用者に関する情報を双方向で共有することができる。
第7に、利用者の家族に開示される情報は、開示許可情報に基づいて開示する情報を選択し、かつ、複数のスタッフには前記介護施設の施設長が含まれていることを条件としており、利用者の家族に開示することが適切ではない情報が開示されるような事態の発生を防止することができる。