(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記接地要素と前記放射素子との間に第1のギャップが規定され、第1のギャップは、前記接地要素と前記放射素子との間で変化する幅を有する、請求項1に記載のアンテナ。
前記給電素子は、第1のギャップを横切って延び、第1の導体は、前記接地要素の直線状エッジ部の略基端側に接続され、第2の導体は、前記結合部の直線状エッジ部の略基端側に接続される、請求項2に記載のアンテナ。
第1軸線と第3軸線との間に第1の角度が規定され、第1軸線と第2軸線との間に第2の角度が規定され、第2軸線と第3軸線との間に第3の角度が規定され、第1の角度は、5°よりも大きく15°未満であり、第2の角度は、80°よりも大きく100°未満であり、第3の角度は、75°よりも大きく100°未満である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のアンテナ。
各放射セグメントは、第2軸線に対して平行に測定される長さを規定し、1つの前記放射セグメントの長さは、他の前記放射セグメントの長さよりも大きい、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のアンテナ。
各放射セグメントは、第2軸線に対して平行に測定される長さを規定し、1つの前記放射セグメントの長さは、他の前記放射セグメントの長さに等しい、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のアンテナ。
各放射セグメントは、基端部と、対向する先端部とを規定し、前記基端部は、前記結合部に接続され、前記先端部は、切断される、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のアンテナ。
各放射セグメントは、基端部と、対向する先端部とを規定し、前記基端部は、前記結合部に接続され、前記放射セグメントの前記先端部は、接続部によって互いに接続される、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のアンテナ。
前記接地要素及び前記放射素子は、それぞれ、表面領域を規定し、前記接地要素の表面領域は、前記放射素子の表面領域よりも大きい、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のアンテナ。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図面を参照すると、同様の参照符号が、いくつかの図を通して対応する部品を示し、窓組立体が、
図1に参照符号10として概略的に示されている。
図1に示されるように、窓組立体10は、車両12用のアセンブリである。
図1に示されるように、窓組立体10は、リアウィンドウ(リアガラス)であってもよい。あるいはまた、窓組立体10は、車両12のフロントウィンドウ(フロントガラス)、屋根ウィンドウ(サンルーフ)、又は他のウィンドウであってもよい。典型的に、車両12は、開口部を規定し、窓組立体10は、この開口部を閉じる。開口部は、典型的には導電性である車両12の窓枠14により通常規定される。窓組立体10にアンテナ16を利用することによって、車両12の種々の電子システムへの通信機能を提供する。
【0008】
あるいはまた、窓組立体10は、車両12以外の用途であってもよい。例えば、窓組立体10は、航空機、又は住宅、ビル等の建築用途であってもよい。
【0009】
図面全体を通して示されるように、窓組立体10は、アンテナ16を含む。以下に詳細に説明するように、アンテナ16は、RF信号を送信するように構成される。代替的に又は追加的に、アンテナ16は、RF信号を受信するように構成される。アンテナ16は、広範囲の(マルチバンド)周波数に亘ってRF信号を送受信することが可能である。例えば、アンテナ16は、600メガヘルツ(MHZ)〜6ギガヘルツ(GHz)の範囲のRF信号を送受信することが可能である。アンテナ16は、グローバル移動体通信、LTE、及びISM無線帯域用途のRF信号を送受信するように構成される。アンテナ16の幾何学的形状、構成要素、及び特性に関する様々な詳細について、以下に示す。
【0010】
図面に示されるように、アンテナ16は、平面又は略平面である。換言すると、アンテナ16は、このアンテナ16が平面内に、例えば基板17の表面に実質的に置かれるように、実質的に平坦な構成又は低プロファイルを示す。平面又は略平面にすることによって、アンテナ16は、最小限のスペースを占め、且つ車両12の乗員に対して容易に見えないようにすることが可能である。アンテナ16は、基板17の表面上に又は基板17内に容易に配置することができる。当然ながら、アンテナ16は、完全に平坦ではないかもしれない。代わりに、アンテナ16は、窓組立体10上に又は内に容易に設置するのに十分な平面とすることができる。一例では、アンテナ16は、このアンテナ16が、0ミリメートル(mm)より大きく、3mm未満の厚さを有するような平面である。
【0011】
窓組立体10は、1つのアンテナ16又は複数のアンテナ16を含んでもよい。複数のアンテナ16のうちのいずれかは、本明細書に記載されるような適切な任意の構成を有してもよい。複数のアンテナ16は、同様の又は異なる構成を有してもよい。
【0012】
図1〜
図8を通して示されるように、窓組立体10は、基板17を含む。一実施形態では、基板17は、ガラスの入った窓枠(pane)である。ガラスの入った窓枠は、好ましくは、自動車用ガラスであり、より好ましくは、ソーダ石灰シリカガラスである。基板17は、非導電性である。一実施形態では、用語「非導電性」は、異なる電位の導体同士の間に配置されたときに、電流がこの材料を通って流れないか又は極僅かしか流れない絶縁体又は誘電体等の材料を一般的に意味する。
【0013】
基板17は、光に対して実質的に透明である。しかしながら、基板17は、着色又は色合いを付けてもよく、依然として光に対して実質的に透明とすることができる。一実施形態では、用語「実質的に透明」とは、60パーセントより大きな可視光透過率を有するものとして規定される。他の実施形態では、基板17は、プラスチック、ガラス繊維、又は他の適切な非導電性且つ実質的に透明な材料であってもよい。自動車用途のために、基板17は、厚さ4〜7mmの間等の適切な任意の厚さを有することができる。
【0014】
一実施形態では、
図2に示されるように、窓組立体10は、外面17aと内面17bとを有する単一の基板17を含む。設置したときに、外面17aは、車両12の外部に対向し、内面17bは、車両12の内部に対向する。
【0015】
あるいはまた、
図3に示されるように、窓組立体10は、外部基板18と、この外部基板18に隣接して配置された内部基板20とを含んでもよい。ここで、窓組立体10は、外部基板18及び内部基板20の組合せによって形成される。換言すれば、外部基板18及び内部基板20は、好ましくは、窓組立体10を形成するために一緒に接合される。
【0016】
設置したときに、外部基板18は、車両12の外部に隣接して配置され、内部基板20は、車両12の内部に隣接して配置される。外部基板18は、内部基板20から離間させることができ、それによって、基板18,20が、互いに接触しなくなる。あるいはまた、外部基板18は、内部基板20に直接的に当接してもよい。
【0017】
外部基板18及び内部基板20のそれぞれは、内面18a,20aと、外面18b,20bとを有する。設置したときに、外部基板18の外面18bは、車両12の外部に対向し、内部基板20の外面20bは、車両12の内部に対向する。外部基板18及び内部基板20の内面18a,20aは、窓組立体10を形成するために外部基板18及び内部基板20を一緒に接合する場合に、互いに対向する。
【0018】
必ずしも必要ではないが、
図3に示されるように、中間層22を、外部基板18及び内部基板20の内面18a,20a同士の間に配置してもよい。中間層22によって、外部基板18及び内部基板20が接合され、衝突時に窓組立体10が粉砕するのを防止することができる。中間層22は、光に対して実質的に透明であり、典型的には、ポリビニルブチラール(PVB)等のポリマー又は熱可塑性樹脂を含む。中間層22を実現するために他の適切な材料を使用してもよい。一実施形態では、中間層22は、0.5mm〜1mmの間の厚さを有する。当業者であれば、基板17は、本明細書に具体的に列挙した構成以外の様々な他の構成を有し得ることを理解するだろう。
【0019】
図2及び
図3に最も良く示されるように、アンテナ16は、基板17上に配置される。
図2に示されるように、アンテナ16は、基板17の内面17bに配置してもよい。アンテナ16を基板17の内面17bに配置して、車両12の外部に対する環境条件からアンテナ16を保護することができる。あるいはまた、アンテナ16は、基板17の外面17aに配置してもよい。
【0020】
窓組立体10が外部基板18及び内部基板20を含む場合には、
図3に示されるように、アンテナ16は、内部基板20の外面20bに配置してもよい。再び、アンテナ16を内部基板20の外面20bに配置して、車両12の外部に対する環境条件からアンテナ16を保護することができる。あるいはまた、アンテナ16は、外部基板18と内部基板20との間に配置してもよい。より具体的には、アンテナ16は、中間層22と、外部基板18の内面18aとの間に配置してもよい。さらに別の実施形態では、アンテナ16は、中間層22と、内部基板20の内面20aとの間に配置される。
【0021】
図1〜
図8に示されるように、アンテナ16は、窓組立体10の周辺エッジ部24に隣接して配置することができる。一例では、
図2に示されるように、アンテナ16は、周辺エッジ部24の近くに配置されるが、周辺エッジ部24から僅かに離間している。あるいはまた、
図3に示されるように、アンテナ16を周辺エッジ部24に接して配置してもよく、それによってアンテナ16は、周辺エッジ部24に直接的に配置される。アンテナ16をこのように配置することによって、窓組立体10を設置した後に、アンテナ16を見えないようにするのに役立つ。アンテナ16を目に付かないようにすることによって、審美的な魅力を大きくし、及び車両12の乗員の視野が阻害されるのを最小化する。
【0022】
図4〜
図8に境界が定められるような隠蔽層26が、アンテナ16を隠すために基板17に配置することができる。一実施形態では、隠蔽層26は、セラミックプリント62から形成される。隠蔽層26は、典型的には、内部基板18及び外部基板20の一方に貼り付けられる。隠蔽層26は、基板17のアンテナ16と同一又は異なる表面上に配置することができる。図面に示されるように、隠蔽層26は、窓組立体10の周辺エッジ部24から延びる。隠蔽層26は、適切な任意の厚さを有してもよい。隠蔽層26は、審美的な魅力を構成するためにアンテナ16及び給電素子40を隠す。アンテナ16は、窓枠14に沿って設置される車両用トリムによって隠してもよい。
【0023】
図1〜
図8では、アンテナ16は、周辺エッジ部24内に配置される。換言すれば、アンテナ16は、周辺エッジ部24を越えて物理的に延びていない。以下に説明するように、当然ながら、アンテナ16への電気接続は、通信システム、ラジオ、増幅器等の車両12の外部要素に到達するために、周辺エッジ部24を越えて延び得る。
【0024】
一実施形態では、アンテナ16は、光がアンテナ16を通過できないように、光に対して実質的に不透明である。不透明性は、アンテナ16の組成的な性質に由来するものでもよい。あるいはまた、アンテナ16は、半透明又は透明であってもよい。アンテナ16の半透明性又は透明性は、例えば、窓組立体10の設置後にアンテナ16の一部又は全体が車両12の乗員の視野内に曝され得るような状況において重要となり得る。
【0025】
アンテナ16の様々な実施形態が、
図4〜
図8を通して示されている。各実施形態に示されるように、アンテナ16は、接地要素30及び放射素子32を含む。接地要素30は、放射素子32から離間される。つまり、接地要素30は、放射素子32に直接的に接触又は当接していない。接地要素30は、放射素子32から第1のギャップ34だけ離間される。第1のギャップ34は、接地要素30と放射素子32との間に規定される。一実施形態では、非導電性基板17は、第1のギャップ34に亘って露出される。接地要素30は、アンテナ16の適切な動作のために、接地要素30と放射素子32との間を結合する静電容量を促進するために、放射素子32から離間させる必要がある。当然ながら、当業者であれば、接地要素30は、以下に詳細に説明するように、給電接続を介して放射素子32に間接的に接続してもよいことを理解するだろう。
【0026】
アンテナ16、より具体的には接地要素30及び放射素子32は、導電性である。接地要素30及び放射素子32は、適切な任意の導電体から形成してもよい。一例では、接地要素30及び放射素子32は、銅又は銀ペースト等の導電性ペーストを含む。別の例では、接地要素30及び放射素子32は、銅テープ等の導電性接着剤を含む。さらに別の例では、接地要素30及び放射素子32は、金属セグメントを含む。
【0027】
接地要素30及び放射素子32は、印刷、焼成、接着等の適切な任意の方法に従って、窓組立体10に適用することができる。また、接地要素30及び放射素子32は、基板17によって直接的に支持してもよい。換言すると、接地要素30及び放射素子32は、それぞれ、専用の構造的な支持要素又はハウジングを必要とせずにスタンドアロンとすることができる。例えば、接地要素30及び放射素子32は、プリント回路基板(PCB)等の他の方法を必要とせずに、基板17上に直接的に配置してもよい。
【0028】
一実施形態では、接地要素30及び放射素子32は、一般的な材料から一体的に形成された後に分離される。あるいはまた、接地要素30及び放射素子32は、別個の材料から形成される、又は別々に形成してもよい。
【0029】
電流は、アンテナ16を通電する際に、接地要素30及び放射素子32を通って容易に移動可能である。当然ながら、アンテナ16は、接地要素30及び放射素子32を導電性にするために、通電する必要はない。つまり、接地要素30及び放射素子32は、それらが構成される導電性材料によって非通電状態で本質的に導電性である。
【0030】
接地要素30及び放射素子32は、それぞれ、表面領域を規定する。表面領域は、接地要素30及び放射素子32のそれぞれの幾何学的境界内に規定される。このように、接接及び放射素子30,32の表面領域は、有限である(無限又は理論上のものではない)。
【0031】
一実施形態では、接地要素30の表面領域は、放射素子32の表面領域よりも大きい。一例では、接地要素30の表面領域は、1000平方ミリメートル(mm
2)よりも大きく、2500mm
2未満であり、放射素子32の表面領域は、500mm
2よりも大きく、1500mm
2未満である。例えば、
図4では、接地要素30の表面領域は、約2164mm
2であり、放射素子32の表面領域は、約1367mm
2である。別の例では、接地要素30及び放射素子32の表面領域は、それぞれ、500mm
2よりも大きく、1000mm
2未満である。例えば、
図5では、接地要素30の表面領域は、約900mm
2であり、放射素子32の表面領域は、約715mm
2である。
【0032】
あるいはまた、接地要素30の表面領域は、放射素子32の表面領域未満であってもよい。当業者であれば、接地要素30及び放射素子32が、特定の用途に応じて、適切な任意の大きさの表面領域を有してもよいことを理解するであろう。
【0033】
図1〜
図9を通して示されるように、窓組立体10は、アンテナ16に通電するための給電素子40を含む。給電素子40は、アンテナ16に、より具体的には、接地要素30及び放射素子32に結合される。給電素子40は、アンテナ16、より具体的には、接地要素30及び放射素子32に通電するように構成されており、それによって、接地要素30及び放射素子32は、RF信号を送受信する。給電素子40は、接地要素30及び放射素子32が、RF波の励起又は受信するために能動(受動的ではない)アンテナ素子として動作するように接地要素30及び放射素子32に電気的に結合される。
【0034】
給電素子40は、接地要素30に結合される第1の導体42と、放射素子32に結合される第2の導体44とを有する。一実施形態では、
図2及び
図4に最も良く示されるように、給電素子40は、同軸線である。より具体的には、第1の導体42は、編組導体であってもよく、第2の導体44は、第1の導体42によって取り囲まれたコアワイヤであってもよい。絶縁部材46が、第1の導体42と第2の導体44との間に配置され、第1の導体42と第2の導体44との間の干渉を防止することができる。
【0035】
給電素子40は、電源、より具体的にはRF増幅器等のRFエネルギー源に結合される。第1の導体42は、増幅器のアース、車両のアース、又は窓枠のアース等の電気接地に結合される。第2の導体44は、RFエネルギー源に結合され、それによって、電磁エネルギーが、第2の導体44を通って伝搬される。
【0036】
他の実施形態では、給電素子40は、給電ストリップ、給電線、又はこれら両方の組合せを含んでもよい。また、給電素子40は、平衡線路又は不平衡線路であってもよい。例えば、給電素子40は、不平衡同軸ケーブル、マイクロストリップ、又は単一のワイヤ線であってもよい。給電素子40は、適切な任意の材料を含み、アンテナ16に通電するための適切な任意の構成を有してもよい。
【0037】
また、給電素子40は、アンテナ16によって送受信されるRF信号を制御するための適切な任意の給電ネットワークに接続される。
図1〜
図8に示されるように、給電素子40は、1つの供給点において接地要素30及び放射素子32のそれぞれに結合することができる。あるいはまた、給電素子40は、複数の給電点において接地要素30及び放射素子32のそれぞれに結合することができる。
【0038】
一実施形態によれば、
図2〜
図9に示されるように、給電素子40は、アンテナ16に当接し、且つアンテナ16と電気的に直接接続している。ここで、給電素子40は、アンテナ16に物理的に取り付けられた給電ストリップ又はワイヤ等の導電性材料によってアンテナ16に電流を直接的に渡す。例えば、
図4、
図6、
図8、及び
図9に示されるように、給電素子40は、アンテナ16に直接的に有線接続する、又はアンテナ16にはんだ付けすることができる。別の実施形態では、
図5に示されるように、給電素子40は、接地要素30及び放射素子32に電気的に接続されるコネクタ47とインターフェイス接続する。
図7に示されるように、給電素子40は、端子又はクリンプ等の保持機構によって保持してもよい。保持機構は、接地要素30、放射素子32、又はこれら両方に機械的且つ電気的に結合することができる。
【0039】
他の実施形態では、給電素子40は、アンテナ16から離間され、且つこのアンテナ16に容量的に結合される。このような場合に、給電素子40は、外部基板又は内部基板18,20及び/又は中間層22等の誘電体材料又は空気を介してアンテナ16に電流を誘導する。容量的に結合された場合に、給電素子40は、アンテナ16に有線接続されておらず且つアンテナ16に直接的に接触しておらず、アンテナ16と同一平面上に配置されない。例えば、給電素子40は、内部基板20の外面20bに配置され、中間層22と内部基板20の内面20aとの間に配置されたアンテナ16に容量的に結合してもよい。給電素子40は、本明細書に具体的に記載されていないいくつかの他の実施形態によって、アンテナ16から離間し、窓組立体10上のアンテナ16に容量的に結合してもよい。
【0040】
給電素子40は、様々な他の構成に係る窓組立体10及びアンテナ16に対して位置付けすることができる。例えば、
図2及び
図3に示されるように、給電素子40は、基板17の外面17a又は内面17bに直接的に配置してもよい。あるいはまた、給電素子40は、外部基板18と内部基板20との間に配置してもよい。給電素子40は、窓組立体10の周辺エッジ部24に沿って延びる電線やコネクタに接続され、それによって、この電線やコネクタは、車両12の乗員から見えないようにされる。
【0041】
一実施形態では、アンテナ16は、単一部品として一体化することができる。接地要素30、放射素子32、及び給電素子40を含む単一部品は、窓組立体10から容易に取り外し及び取り付けることができる。単一部品は、この単一部品が内部基板18と外部基板20との間に容易に挟み込まれるように略平面の構成を有することができる。単一部品は、車両12の電気システム等の対応する電気システムに接続するための嵌合コネクタを含んでもよい。
【0042】
図4〜
図9に示されるように、接地要素30は、直線状エッジ部48を規定する。直線状エッジ部48は、第1軸線A1に沿って延びる。図面では、直線状エッジ部48は、完全に直線状に表示される。しかしながら、当業者であれば、直線状エッジ部48は実用上の制限等のために完全に真っ直ぐでなくてもよいことを理解するだろう。つまり、直線状エッジ部48の特定の部分は、不完全点、ノッチ、窪み等を含み得る。このように、直線状エッジ部48は、人間の目で観察したときに、直線状エッジ部48の殆どの部分が目に見えて第1軸線A1に沿って延びるような直線部だけを必要とする。一実施形態では、直線状エッジ部48の90%以上が、第1軸線A1に沿って延びるように目に見える。別の実施形態では、直線状エッジ部48の95%以上が、第1軸線A1に沿って延びるように目に見える。さらに別の実施形態では、直線状エッジ部48の99%以上が、第1軸線A1に沿って延びるように目に見える。
【0043】
当然ながら、図面に示されるように、第1軸線A1は、直線状エッジ部48の幾何学的な基準方向のための数学的ツールとして提供される。実際には、第1軸線A1は、表示又は存在しなくてもよい。しかしながら、第1軸線A1は、定規等の別の直線状エッジ部を直線状エッジ部48と位置合せすること、及び定規の直線状エッジ部に沿って線を描くことにより第1軸線A1を定めることによって、容易に識別することができる。
【0044】
図4〜
図9に示されるように、放射素子32は、2つの放射セグメント50a,50bを含む。2つの放射セグメント50a,50bは、第2軸線A2に沿って互いに略平行に延びる。第2軸線A2は、第1軸線A1を横断して延びる。つまり、第2軸線A2は、図面に示されるように、第2軸線A2が、第1軸線A1と最終的に交差するように、第1軸線A1と非平行にされる。
【0045】
第1軸線A1と同様に、第2軸線A2は、定規等の直線状エッジ部を2つの放射セグメント50a,50bと平行に位置合せすること、及び定規の直線状エッジ部に沿って線を描くことにより第2軸線A2を定めることによって、容易に識別することができる。
【0046】
アンテナは、マルチバンド動作を含むアンテナ16を提供するために、2つの放射セグメント50a,50bを含む。つまり、各放射セグメント50a,50bは、送受信中に、所望の周波数又は周波数範囲を捕えるためのその幾何学的形状により構成される。2つの放射セグメント50a,50bが存在するので、組み合わされた場合に、周波数範囲は、以下に説明する結果に示されるように、広い周波数範囲をまとめてカバーする。
【0047】
図6に示されるようないくつかの実施形態では、アンテナ16は、2つ以上の放射セグメント50a,50bを含んでもよい。例えば、
図6では、アンテナ16は、第3の放射セグメント50cを含む。第3の放射セグメント50cは、第2軸線A2に沿って他の2つの放射セグメント50a,50bに対して略平行に延びる。2つの放射セグメント50a,50bの向う側の追加の各放射セグメント50は、追加の又はより平衡の取れた周波数範囲のカバレッジを提供することができる。しかしながら、追加の放射セグメント50は、特定の用途のために特定の所望の周波数範囲を重視するように調整することができる2つの放射セグメント50a,50bの性能に影響を及ぼし得る。
【0048】
当業者であれば、アンテナ16が、2つの放射セグメント50a,50bの向う側の適切な数の追加の放射セグメント50を含み得ること、そのような追加の放射セグメント50が、本発明の範囲内の適切な任意の構成を有し得ることを理解するだろう。
【0049】
各放射セグメント50a,50bは、第2軸線A2に対して垂直に測定される幅「W」を規定する。説明の簡略化のため、一方の放射セグメント50aの幅のみについて、説明する。当然ながら、他方の放射セグメント50bの幅は、同様に測定される。
【0050】
一方の放射セグメント50a,50bの幅は、他方の放射セグメント50a,50bの幅よりも大きい。一方の放射セグメント50a,50bの幅は、他方の放射セグメント50a,50bの幅よりも「N」倍大きくてもよい。一実施形態では、各放射セグメント50a,50bの幅は、0mmより大きく、10mm未満である。例えば、
図5に示されるように、放射セグメント50aの幅は1mmであり、放射セグメント50bの幅は6mmである。このように、
図5では、放射セグメント50aの幅は、放射セグメント50bの幅よりも6倍大きい。別の実施形態では、各放射セグメント50a,50bの幅は、15mmより大きく、25mm未満である。例えば、
図4に示されるように、放射セグメント50aの幅は約16.8mmであり、放射セグメント50bの幅は約20.6mmである。このように、
図4では、放射セグメント50aの幅は、放射セグメント50bの幅の約80%である。当業者であれば、各放射セグメント50a,50bが、本明細書に具体的に記載されていない適切な任意の幅を有してもよいことを理解するだろう。
【0051】
放射セグメント50a,50bの幅は、改善されたインピーダンス整合及び同調機能を含むアンテナ16を提供するために互いに異なっている。従って、放射セグメント50a,50bの幅は、特定の用途又は所望の送受信周波数に応じて調整することができる。一例では、放射セグメント50の幅が大きくなると、所望の周波数が低下し、その逆も同様である。
【0052】
一実施形態では、放射セグメント50a,50bの幅は、放射セグメント50a,50bのリアクタンス値(すなわち、インダクタンス/キャパシタンスに関係するインピーダンスの虚部)を規定する。インダクタンス/キャパシタンス値は、アンテナ16の帯域幅、インピーダンス整合及び同調機能に関して密接な関係がある。例えば、各放射セグメント50a,50bのキャパシタンス値は、各放射セグメント50a,50bの幅が増大すると、増加する。同様に、各放射セグメント50a,50bのキャパシタンス値は、各放射セグメント50a,50bの幅が減少すると、減少する。一方、各放射セグメント50a,50bのインダクタンス値は、各放射セグメント50a,50bの幅が増大すると、減少する。各放射セグメント50a,50bのインダクタンス値は、各放射セグメント50a,50bの幅が減少すると、増大する。放射セグメント50a,50bは、帯域幅、インピーダンス整合、及びアンテナ16の審美性、製造等の他の制約を考慮に入れる同調プロセスのため異なる幅となる。
【0053】
各放射セグメント50a,50bは、第2軸線A2に対して平行に測定される長さ「L」を規定する。説明の簡略化のため、一方の放射セグメント50aのみの長さについて、説明する。当然ながら、他方の放射セグメント50bの長さは、同様に測定される。
【0054】
一実施形態では、
図4に示されるように、例えば、一方の放射セグメント50aの長さは、他方の放射セグメント50bの長さに略等しい。あるいはまた、
図5に示されるように、例えば、一方の放射セグメント50a,50bの長さは、他の放射セグメント50a,50bの長さよりも大きい。
【0055】
一実施形態では、各放射セグメント50a,50bの長さは、0mmより大きく、15mm未満である。例えば、
図4に示されるように、放射セグメント50a,50bのそれぞれの長さは、約12mmである。別の実施形態では、各放射セグメント50a,50bの長さは、40mmより大きく、100mm未満である。さらに、一方の放射セグメント50a,50bの長さは、他方の放射セグメント50a,50bの長さよりも「N」倍大きくてもよい。例えば、
図5に示されるように、放射セグメント50aの長さは約93mmであり、放射セグメント50bの長さは約43mmであり、放射セグメント50aの長さは、放射セグメント50bの長さの2倍以上大きい。当業者であれば、各放射セグメント50a,50bが、本明細書に具体的に記載されていない適切な任意の長さを有するように構成し得ることを理解するだろう。
【0056】
放射セグメント50a,50bは、帯域幅、インピーダンス整合、及びアンテナ16の審美性、製造等の他の制約を考慮に入れる同調プロセスのため、異なる長さであってもよい。
【0057】
放射セグメント50a,50bの長さは、改善されたインピーダンス整合及び同調機能を含むアンテナ16を提供するように構成することができる。従って、放射セグメント50a,50bの長さは、特定の用途又は所望の送受信周波数に応じて調整することができる。放射セグメント50a,50bの長さは、アンテナ16の動作周波数に影響を与える。一例では、放射セグメント50の長さが増大すると、所望の周波数が減少し、及びその逆も同様である。放射セグメント50a,50bの長い方の長さは、より低い周波数に向けて動作周波数をシフトする。放射セグメント50a,50bの短い方の長さは、より高い周波数に向けて動作周波数をシフトする。
【0058】
いくつかの実施形態では、
図4に示されるように、各放射セグメント50a,50bの幅は、各放射セグメント50a,50bの長さよりも大きい。つまり、各放射セグメント50a,50bは、その長さよりも広い幅となっている。あるいはまた、
図5〜
図8に示されるように、各放射セグメント50a,50bの長さは、各放射セグメント50a,50bの幅よりも大きい。つまり、各放射セグメント50a,50bは、その幅よりも長い長さを有する。
【0059】
上述したように、放射セグメント50a,50bは、アンテナ16によって送受信される所望の周波数を捕えるように動作する。放射セグメント50a,50bの長さ、幅、及び位置付けは、送受信される周波数に影響を及ぼし得る。
【0060】
放射セグメント50a,50bは、アンテナ16のインピーダンスをケーブルや回路のインピーダンスに一致させることにより、インピーダンス整合を提供するようにさらに動作することができる。ケーブルは、例えば、アンテナ16に通電する給電素子40に接続される同軸ケーブル等のケーブルであってもよい。回路は、例えば、ケーブル又はリード線を介してアンテナ16に接続された増幅器又は他の回路であってもよい。放射セグメント50a,50bの長さ、幅、及び位置付けは、整合目的のために、アンテナ16のインピーダンスに影響を及ぼし得る。
【0061】
放射セグメント50a,50bは、アンテナ16によって送受信される無線信号の方向を変えることによって、放射パターンを変更するようにさらに動作することができる。より具体的には、放射セグメント50a,50bは、放射パターン(複数可)が高い無指向性を示すように、送受信される無線信号の方向を変更することができる。放射セグメント50a,50bの長さ、幅、及び位置付けは、放射パターンがどの様に変更されるかについて影響を及ぼし得る。
【0062】
より高い周波数では、一方の放射セグメント50a,50bは、他方の放射セグメント50a,50bと比較して、放射パターンの交番に重要な役割を果たすことができる。より低い周波数では、一方の放射セグメント50a,50bは、他方の放射セグメント50a,50bに比べて、インピーダンス整合で重要な役割を果たすことができる。例えば、
図5のアンテナ16について、放射セグメント50bは、放射セグメント50aと比較して、より低い周波数についてのインピーダンス整合に大きな影響を与える。
【0063】
図4〜
図9に示されるように、結合部60によって、放射セグメント50a,50bを接続する。各放射セグメント50a,50bは、結合部60に接続される。このように、放射素子32は、放射セグメント50a,50b及び結合部60の組合せから構成される。放射セグメント50a,50bと同様に、結合部は、導電性である。
【0064】
結合部60は、接地要素30の直線状エッジ部48に対向する直線状エッジ部62を含む。結合部60の直線状エッジ部62は、第1軸線A1を横断する第3軸線A3に沿って延びる。換言すれば、結合部60の直線状エッジ部62は、接地要素30の直線状エッジ部48を横断する。第3軸線A3は、図面に示されるように、第3軸線A3が第1軸線A1と最終的に交差するように、第1軸線A1に非平行にされる。
【0065】
接地要素30の直線状エッジ部48と同様に、結合部60の直線状エッジ部62は、図面で完全に真っ直ぐに表示される。しかしながら、当業者であれば、直線状エッジ部62が、実用上の制限等のために完全に真っ直ぐでなくてもよいことを理解するだろう。つまり、直線状エッジ部62の特定の部分は、不完全点、ノッチ、窪み等を含み得る。このように、直線状エッジ部62は、人間の目で観察したときに、直線状エッジ部62の殆どの部分が目に見えて第3軸線A3に沿って延びるように直線部だけを必要とする。一実施形態では、直線状エッジ部62の95%以上が、第3軸線A3に沿って延びるように目に見える。別の実施形態では、直線状エッジ部62の99%以上が、第3軸線A3に沿って延びるように目に見える。
【0066】
当然ながら、図面に示されるように、第3軸線A3は、直線状エッジ部62の幾何学的な基準方向のためのツールとして提供される。実際には、第3軸線A3は、表示しなくてもよい。しかしながら、第3軸線A3は、定規等の直線状エッジ部を結合部60の直線状エッジ部62と位置合せすること、及び定規の直線状エッジ部に沿って線を描くことにより第3軸線A3を定めることによって、容易に識別することができる。
【0067】
第1軸線A1と第3軸線A3との間の横断関係、及び実用的には、結合部60の直線状エッジ部62と接地要素30の直線状エッジ部48との間の横断関係は、アンテナの機能に重要である。横断関係は、アンテナ16によって送受信される所望の周波数を捕えるためにアンテナ16を同調させるのに役立ち得る。第3軸線A3を第1軸線A1に対して横断させることにより、アンテナ16のインピーダンス整合を提供するのに役立ち、アンテナ16によって送受信される無線信号の方向を変化させるのに役立ち得る。横断関係によって、ユニークな幾何学的構成を含むアンテナ16を提供することができる。これらの幾何学的構成によって、例えば、アンテナ16を、以前では可能でなかった窓組立体10の特定の領域に配置することを可能にすることができる。
【0068】
第1軸線A1と、第2軸線A2と、第3軸線A3との間のそれぞれの幾何学的関係が、
図4〜
図8を通して示されている。図示されるように、第1の角度θ
1が、第1軸線A1と第3軸線A3との間に規定される。より具体的には、第1の角度θ
1は、接地要素30の直線状エッジ部48と結合部60の直線状エッジ部62との間に規定される。第2の角度θ
2が、第1軸線A1と第2軸線A2との間に規定される。より具体的には、第2の角度θ
2は、接地要素30の直線状エッジ部48と放射セグメント50a,50bの方向との間の関係を規定する。第3の角度θ
3が、第2軸線A2と第3軸線A3との間に規定される。より具体的には、第3の角度θ
3は、結合部60の直線状エッジ部62と放射セグメント50a,50bの方向との間の関係を規定する。
【0069】
一実施形態では、第1角度θ
1は、3°よりも大きく、45°未満である。例えば、
図8の第1の角度θ
1は、約35°である。別の実施形態では、第1の角度θ
1は、5°よりも大きく、15°未満である。例えば、
図4の第1の角度θ
1は、約8°であり、
図7の第1角度θ
1は、約9°であり、
図5の第1角度θ
1は、約10°である。一般的には、第1の角度θ
1は、第2軸線A2又は第3軸線A3のいずれかを第1軸線A1と平行にする(もはや横断しない)ような角度にはできない。
【0070】
アンテナ16の性能は、結合部60の直線状エッジ部62と接地要素30直線状エッジ部62との間の横断関係によって影響を受ける。第1の角度θ
1の大きさは、結合部60の直線状エッジ部48と接地要素30の直線状エッジ部48との間を結合する容量に影響を及ぼす。主に、第1の角度θ
1の大きさが増大すると、アンテナ16の動作周波数は、低周波数からより高周波数に向けてシフトする。
【0071】
第1の角度θ
1の大きさは、アンテナ16よって送受信される周波数、アンテナ16の放射パターン特性、アンテナ16のインピーダンス整合特性、及びアンテナ16の幾何学的形状にも影響を及ぼし得る。
【0072】
一実施形態では、第2の角度θ
2は、45°よりも大きく、135°未満である。例えば、
図8の第2の角度θ
2は、約127°である。別の実施形態では、第2の角度θ
2は、80°よりも大きく、100°未満である。例えば、
図7の第2の角度θ
2は、約81°であり、
図4の第2の角度θ
2は、約95°であり、
図5及び
図6のそれぞれの第2の角度θ
2は、約90°である。
図5及び
図6では、第2の角度θ
2は、放射セグメント50a,50bが接地要素30の直線状エッジ部48に対して略垂直に延びるように90°である。
【0073】
第2の角度θ
2の大きさは、アンテナ16によって送受信される周波数、アンテナ16の放射パターン特性、アンテナ16のインピーダンス整合特性、及びアンテナ16の幾何学的形状に影響を及ぼし得る。
【0074】
一実施形態では、第3の角度θ
3は、75°よりも大きく、100°未満である。例えば、
図6の第3の角度θ
3は、約75°であり、
図7の第3の角度θ
3は、約78°であり、
図7の第3の角度θ
3は、約78°である。他の実施形態では、第3の角度θ
3は、放射セグメント50a,50bが結合部60の直線状エッジ部62に対して略垂直に延びるように約90°である。
【0075】
第3の角度θ
3の大きさは、アンテナ16によって送受信される周波数、アンテナ16の放射パターン特性、アンテナ16のインピーダンス整合特性、及びアンテナ16の幾何学的形状に影響を及ぼし得る。
【0076】
図4〜
図9に示されるように、第1のギャップ34が、接地要素30の直線状エッジ部48と結合部60の直線状エッジ部62との間に具体的に規定される。第1のギャップ34は、第3軸線A3が第1軸線A1に対して横断するため、直線状エッジ部48,62の間で変化する幅を有する。
【0077】
いくつかの実施形態では、給電素子40は、第1のギャップ34を横切って延びる。より具体的には、
図5〜
図8に示されるように、給電素子40の第1の導体42は、接地要素30の直線状エッジ部48に隣接して、又は略近位に接続することができる。第2の導体44は、結合部60の直線状エッジ部62に隣接して、又は略近位に接続することができる。第1の導体42及び第2の導体44を直線状エッジ部48,62に隣接して配置することによって、アンテナ性能及び容易な組立性を向上させることができる。給電素子40は、接地要素30の直線状エッジ部48又は結合部60の直線状エッジ部62に沿った適切な任意の位置で第1のギャップ34を横切って延びることができる。
【0078】
あるいはまた、給電素子40は、この給電素子40が第1のギャップ34を横切って延びないように位置付けされた接地要素30及び放射素子32に結合することができる。例えば、給電素子40は、第1のギャップ34から離れた位置から接地要素30及び放射素子32に到達することができる。
【0079】
結合部60は、第1端部60aと、この第1端部60aの反対側の第2端部60bとを含む。多くの実施形態では、第1端部60aは、給電素子40の基端側にあり、一方の放射セグメント50bは、第2端部60bに接続される。
【0080】
結合部60及び放射セグメント50a,50bは、一般的な材料から一体的に形成することができる。あるいはまた、結合部60及び放射セグメント50a,50bは、放射素子32を形成するために、別々に形成され、後で組み合わされる。
【0081】
各放射セグメント50a,50bは、基端部66と、反対側の先端部68とを規定する。各放射セグメント50a,50bの基端部66は、結合部60に接続される。
【0082】
一方の放射セグメント50a,50bの基端部66は、第1端部60aと第2端部60bとの間の適切な任意の位置で結合部60に接続することができる。そのような例では、放射セグメント50a,50bは、結合部60の第1端部60a及び第2端部60bの一方から延びていない。例えば、
図4〜
図7に示されるように、放射セグメント50aは、第1端部60aと第2端部60bとの間のほぼ中間位置で結合部60から延びる。
図6では、両方の放射セグメント50a,50cは、第1端部60aと第2端部60bとの間の位置から延びる。
【0083】
あるいはまた、一方の放射セグメント50a,50bは、結合部60の第1端部60a及び第2端部60bの一方から延びてもよい。例えば、
図4〜
図8に示されるように、放射セグメント50bは、第2端部60bから延びる。また、
図8では、放射セグメント50aは、第1端部60aから延び、両方の放射セグメント50a,50bは、結合部60の反対側のそれぞれの第1端部60a,60bから延びる。放射セグメント50a,50bが結合部60に対して延びる位置は、アンテナ16の審美的目的のために、又はアンテナ16の性能に影響を与える目的のために選択することができる。例えば、放射セグメント50a,50bが結合部60に対して延びる位置は、放射電流の向きを放射セグメント50a,50bに沿って調整することにより、放射パターンに影響を与えるように選択することができる。
【0084】
給電素子40は、結合部60に接続することができる。具体的には、給電素子40の第2の導体44は、適切な任意の位置で結合部60に接続することができる。例えば、
図4〜
図8に示されるように、第2の導体44は、結合部60の第1端部60aの略基端側に接続される。第2の導体44は、第1端部60aと第2端部60bとの間の適切な任意の位置に接続してもよい。あるいはまた、第2の導体44は、結合部60の第2端部60bの略基端側に接続してもよい。
【0085】
図4〜
図8の放射セグメント50a,50bは、第2軸線A2に沿って共通の方向に延びる。つまり、放射セグメント50a,50bは、直線状エッジ部62の反対側にある結合部60の外側エッジ部64から延びる。放射セグメント50a,50bは、この放射セグメント50a,50bを、同じ方向に沿って電流を伝えるように近接して配置することができるように、この側面(外側エッジ部)から及びこの方向(直線状エッジ部の反対側)に延ばすことができる。これは、放射セグメント50a,50bの放射フィールドが、互いに構築され、及び互いに破壊しないことを保証する。
【0086】
あるいはまた、放射セグメント50a,50bは、一般的に、結合部60の直線状エッジ部62から延びることができる。さらに別の実施形態では、一方の放射セグメント50a,50bは、結合部60の外側エッジ部64から延びることができる一方、他方の放射セグメント50a,50bは、結合部60の直線状エッジ部62から延びる。当然ながら、これらの実施形態のいずれかでは、放射セグメント50a,50bは、依然として、それら放射セグメントが延びる結合部60の側面に拘わらず、第2軸線A2に沿って互いに平行に延びる。
【0087】
一実施形態では、
図4〜
図7に示されるように、例えば、放射素子50a,50bの少なくとも一方の先端部68は、切断される。換言すれば、先端部68は、自由にフローティングしており、他の導電部に電気的に接続していない。
図4〜
図7では、両方の放射セグメント50a,50bの先端部68が、切断される。自由にフローティングする先端部68は、寄生負荷(parasitic
loading)する機能を有する。切断された先端部68と接地面との間の距離は、効果的により深い共振を形成し、それによって良好なインピーダンス整合したアンテナを提供する。
【0088】
あるいはまた、
図8に示されるように、放射セグメント50a,50bの先端部68は、接続部70によって互いに接続される。このように、閉ループが、結合部60と、放射セグメント50a,50bと、接続部70との間に形成される。当業者であれば、アンテナが3つ以上の放射セグメント50を有する場合に、1つ又は複数の放射セグメント50の先端部68が切断される一方、他の放射セグメント50の先端部68は、閉ループ(複数可)を形成することを理解するだろう。
【0089】
図4〜
図8の放射セグメント50a,50bは、それぞれ、実質的に直線状である。換言すれば、放射セグメント50a,50bは、屈曲又は折り畳まれていない。このように、
図4〜
図8では、各放射セグメント50a,50bの全体の長さは、第2軸線A2に対して略平行に延びる。
図7の接続部70は、この接続部が第2軸線A2に対して略平行に延びない場合に、放射セグメント50a,50bの1つとみなされない。
【0090】
図9は、
図4によるアンテナ16の接地要素30と放射素子32との間のインターフェイス接続の拡大図を提供する。
図9では、接地要素30は、接地要素30の第1の直線状エッジ部48に対して平行に延びる第2の直線状エッジ部74を規定する。第1の直線状エッジ部48及び第2の直線状エッジ部74は、同じ線又は同一線上に配置されていない。第2の直線状エッジ部74は、放射素子32に対向する。
【0091】
図9では、放射素子32は、結合部60に接続され且つ結合部60から延びる給電受取り部80をさらに含む。給電受取り部80は、給電素子40の第2の導体44を受容するように構成される。
【0092】
図9では、給電受取り部80は、第3軸線A3を横断する第1の方向に結合部60から延びる。放射セグメント50a,50bは、第1の方向と反対側の第2の方向に結合部60から延びる。
図9では、給電受取り部80は、結合部60の第1端部60aにおいて結合部60からさらに延びる。あるいはまた、給電受取り部80は、第1端部60aと第2端部60bとの間の位置において結合部60から、又は第2端部60bから直接的に延びてもよい。給電受取り部80は、結合部60の一部として一体的に形成してもよく、又は別個の構成要素としてもよい。
【0093】
図9に示されるように、給電受取り部80は、接地要素30の第2の直線状エッジ部74に対して平行に延び且つこの第2の直線状エッジ部74に対向する第1の直線状エッジ部82を規定する。第2のギャップ84が、接地要素30の第2の直線状エッジ部74と、給電受取り部80の第1の直線状エッジ部82との間に規定される。第2のギャップ84は、略一定の幅を有する。第1のギャップ34は、第2のギャップ84に通じている。第2のギャップ84は、適切な任意の幅を有することができる。
図9の実施形態では、第2のギャップ84の幅は、約1mmである。
図9では、第2のギャップ84の幅は、第1のギャップ34の幅未満である。
【0094】
この実施形態の一変形例では、給電受取り部80の第1の直線状エッジ部82は、接地要素30の第2の直線状エッジ部74を(平行ではなく)横断して延びることができる。このような場合に、第2のギャップ84の幅は、可変であってもよい。
【0095】
一実施形態では、給電素子40は、第1のギャップ32ではなく、第2のギャップ84を横切って延びることにより、放射素子32に接続される。そのような場合に、第1の導体42は、接地要素30の第2の直線状エッジ部74の略基端側に接続することができる。第2の導体44は、給電受取り部80の第1の直線状エッジ部82の略基端側に接続することができる。
【0096】
図9では、給電受取り部60は、給電受取り部60の第1の直線状エッジ部82に接続され且つこの第1の直線状エッジ部82に対して垂直に延びる第2の直線状エッジ部86も規定する。接地要素30は、接地要素30の第2の直線状エッジ部74に接続され且つこの第2の直線状エッジ部74に対して略垂直に延びる第3の直線状エッジ部88を含む。この実施形態では、接地要素の第3の直線状エッジ部88は、給電受取り部80の第1の直線状エッジ部82を越えて延びる。
図9では、第3の直線状エッジ部88は、第2の直線状エッジ部74に対して略平行に延びる。
【0097】
第3のギャップ90が、接地要素30の第3の直線状エッジ部88と、給電受取り部80の第2の直線状エッジ部86との間に規定される。第3のギャップ90は、略一定の幅を有する。第2のギャップ84は、第3のギャップ90に通じている。第3のギャップ90は、適切な任意の幅を有することができる。
図9の実施形態では、第3のギャップ90の幅は、約1mmであり、第2のギャップ84と同じである。
【0098】
この実施形態の一変形例では、接地要素30の第3の直線状エッジ部88は、給電受取り部80の第2の直線状エッジ部86を(垂直ではなく)横断して延びることができる。このような場合に、第3のギャップ90の幅は、可変であってもよい。
【0099】
別の実施形態では、
図9に示されるように、給電素子40は、第3のギャップ90を横切って延びる。このような場合に、第1の導体42は、接地要素30の第3の直線状エッジ部88の略基端側に接続することができる。第2の導体44は、給電受取り部80の第2の直線状エッジ部86の略基端側に接続することができる。
【0100】
接地要素30の直線状エッジ部48,74,88及び給電受取り部80の直線状エッジ部82,86は、実用的な制限等によって完全に真っ直ぐでなくてもよい。つまり、直線状エッジ部48,74,82,86,88のいずれかの特定の部分は、不完全点、ノッチ、窪み等を含み得る。上述したように、直線状エッジ部48,74,82,86,88のそれぞれは、人間の目で観察したときに、各直線状エッジ部48,74,82,86,88の殆どの部分が、目に見えて線に沿って延びるような直線部だけを必要とする。
【0101】
図7に示されるように、アンテナ16は、接地要素30に隣接して配置された寄生接地セグメント94を含んでもよい。寄生接地セグメント94は、金属のプリント配線等の導電性材料から形成することができる。寄生接地セグメント94は、(
図7に示されるような)矩形の形状、L字形状、T字形状等の適切な任意の形状を有してもよい。寄生接地セグメント94は、アンテナ16から、より具体的には、接地要素30から離間される。寄生接地セグメント94は、アンテナ16から電気的に切断され、給電素子30から直接的に通電されない。アンテナ16は、接地要素30に対して寄生接地セグメント94を所定の位置に保持するのに適した任意の非導電性部材を含むことができる。一実施形態では、
図7に示されるように、接地要素30及び寄生接地セグメント94は、それぞれ、第1軸線A1に対して垂直に規定された幅を有する。接地要素30の幅は、寄生接地セグメント94の幅と実質的に同じである。寄生接地セグメント94は、間接的に通電され、メリットを変える放射パターンを提供することにより、アンテナ16を微調整するのに役立つ。
【0102】
さらに、
図7に示されるように、接地要素30は、この接地要素30から一体的に延びる第1の接地セグメント96a及び第2の接地セグメント96bを含むことができる。この実施形態では、第1の接地セグメント96a及び第2の接地セグメント96bは、接地要素30の直線状エッジ部48を横断して、より具体的には、この直線状エッジ部48に対して垂直に延びる。第1の接地セグメント96a及び第2の接地セグメント96bは、互いに平行に延び、共通の長さ及び幅を有する。当然ながら、放射セグメント50a,50bと同様に、第1の接地セグメント96a及び第2の接地セグメント96bは、異なる長さ及び幅を有してもよい。第3の接地セグメント96cが、第1の接地セグメント96a及び第2の接地セグメント96bに接続することができる。
図7では、第3の接地セグメント96cは、第1の接地セグメント96a及び第2の接地セグメント96bの先端部を互いに接続する。このように、閉ループが、接地セグメント96a,96b,96cと、接地要素30の直線状エッジ部48との間に形成される。
図7の接地セグメント96a,96b,96cは、それぞれ、実質的に直線状である。接地セグメント96a,96b,96cは、改善されたインピーダンス整合特性を接地要素30に提供し、アンテナ16を同調するのに役立ち得る。
【0103】
図10は、
図4のアンテナ16についての周波数−利得チャートである。より具体的には、
図10は、LTEの通信帯域を表す、すなわち0.5〜3.0GHzの間の周波数スペクトルについて、dBで測定された反射係数を比較する。図示されるように、アンテナ16は、LTEの通信帯域の大部分に亘って優れた(−7dB以下の)反射係数を示す。約1.75〜2.75GHzの広帯域の間で、アンテナ16は、一貫して−20dB以下の反射係数を示す。さらに、反射係数は、約0.7GHzでスパイクする。こうして、
図10は、アンテナ16の有利なマルチバンド動作を示す。
図10は、
図4のアンテナ16の性能を示すが、
図5〜
図8の実施形態のいずれかは、本明細書に記載されるようにそれらの類似性によって、このような性能を同様に発揮することができる。
【0104】
図11〜
図13は、
図4のアンテナについての遠距離場利得パターンを示す。
図11では、遠距離場利得は、840MHzで測定された。
図12では、遠距離場利得は、1940MHzで測定された。
図13では、遠距離場利得は、2500MHzで測定された。測定されたスペクトルの広範な周波数(すなわち、840〜2500MHzの間)にも拘わらず、遠距離場利得は、
図11〜
図13のそれぞれにおいて非常に類似している。つまり、
図11〜
図13のそれぞれでは、遠距離場利得は、水平方向の90/270°の線に関して対称であり、角度範囲(0〜360度)の殆どの部分について、一貫して−10〜−20dBiの間である。従って、アンテナ16は、広い周波数範囲に亘って実質的に無指向性を示す。
図11〜
図13は、
図4のアンテナ16の性能を示すが、
図5〜
図8の実施形態のいずれかは、このような性能を同様に発揮することができる。
【0105】
本発明について、例示的な態様で本明細書に記載している。使用される用語は、制限ではなく、明細書の言葉の本質を意図するように理解すべきである。明らかに、本発明の多くの修正及び変形が、上記の教示に照らして可能である。本発明は、添付の特許請求の範囲に具体的に記載した以外の方法で実施し得る。