(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6771352
(24)【登録日】2020年10月1日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】ドア開閉装置のスイッチ
(51)【国際特許分類】
B60R 16/02 20060101AFI20201012BHJP
E05F 15/655 20150101ALI20201012BHJP
E05F 15/611 20150101ALI20201012BHJP
B60J 5/06 20060101ALI20201012BHJP
【FI】
B60R16/02 630Z
E05F15/655
E05F15/611
B60J5/06
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-198457(P2016-198457)
(22)【出願日】2016年10月6日
(65)【公開番号】特開2018-58520(P2018-58520A)
(43)【公開日】2018年4月12日
【審査請求日】2018年4月9日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000148896
【氏名又は名称】三井金属アクト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089934
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 淳一郎
(72)【発明者】
【氏名】服部 大樹
(72)【発明者】
【氏名】一瀬 幹雄
【審査官】
菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−303575(JP,A)
【文献】
特開2007−182740(JP,A)
【文献】
特開2015−001088(JP,A)
【文献】
特開2004−082976(JP,A)
【文献】
特開2006−082613(JP,A)
【文献】
特開平06−055936(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0323471(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/02
B60J 5/06
E05F 15/611
E05F 15/655
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体(11)の乗降口(13)を開閉可能なスライド式ドア(10)と、車体側のストライカと係合することで前記ドア(10)を閉扉状態に保持するラッチユニットと、少なくともクローズスイッチ(C)とオープンスイッチ(O)を備えた開閉スイッチ部(23)と、前記開閉スイッチ部(23)に電気的に接続されて前記開閉スイッチ部(23)からの信号に基づいてモータ動力により前記ラッチユニットから前記ストライカを解放可能でありまた前記ドア(10)をモータ動力により開閉させ得る制御部(24)とを備えたドア開閉装置において;
前記ドア(10)の室内面には開扉や閉扉のための回転動作等は行わず前記ラッチユニットから前記ストライカを機械的連結手段を介して解放させる機能を備えていない持ち手としての内側ハンドルグリップ(21)を設け;
前記開閉スイッチ部(23)は前記ドア(10)の室内面又は前記車体(11)のセンターピラー(27)の室内面に配置し;
前記開閉スイッチ部(23)の前記クローズスイッチ(C)は前記センターピラー(27)に配置し、前記開閉スイッチ部(23)の前記オープンスイッチ(O)は前記ドア(10)の前記内側ハンドルグリップ(21)若しくは前記内側ハンドルグリップ(21)の近傍に分割配置したドア開閉装置のスイッチ。
【請求項2】
請求項1において、前記開閉スイッチ部(23)はモータ動力による前記ドア(10)の開閉を停止させる停止スイッチ(S)を備えたドア開閉装置のスイッチ。
【請求項3】
請求項1又は2のいずれか一項において、前記開閉スイッチ部(23)は座席シートの座面(29)より上方で、車両天井(30)より下方に配置したドア開閉装置のスイッチ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項において、前記ドア(10)の室内面に配置される前記開閉スイッチ部(23)は、前記ドア(10)の肘掛け(31)より上方でウインドウガラス(32)の露出した下面より下方に配置したドア開閉装置のスイッチ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項において、前記開閉スイッチ部(23)の各スイッチには前記ドア(10)の移動方向を示唆する図形やイラストを表記したドア開閉装置のスイッチ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項において、前記開閉スイッチ部(23)は、凹部(26)内に配置したドア開閉装置のスイッチ。
【請求項7】
車体(11)の乗降口(13)を開閉可能なスライド式ドア(10)と、車体側のストライカと係合することで前記ドア(10)を閉扉状態に保持するラッチユニットと、少なくともクローズスイッチ(C)とオープンスイッチ(O)を備えた開閉スイッチ部(23)と、前記開閉スイッチ部(23)に電気的に接続されて前記開閉スイッチ部(23)からの信号に基づいてモータ動力により前記ラッチユニットから前記ストライカを解放可能でありまた前記ドア(10)をモータ動力により開閉させ得る制御部(24)とを備えたドア開閉装置において;
前記ドア(10)の室内面には開扉や閉扉のための回転動作等は行わず前記ラッチユニットから前記ストライカを機械的連結手段を介して解放させる機能を備えていない持ち手としての内側ハンドルグリップ(21)を設け;
前記開閉スイッチ部(23)は、メイン開閉スイッチ部(23A)とサブ開閉スイッチ部(23B)とを備え;
前記メイン開閉スイッチ部(23A)は、前記クローズスイッチ(C)と、停止スイッチ(S)と、前記オープンスイッチ(O)とを備えると共に、前記クローズスイッチ(C)は前記車体(11)のセンターピラー(27)に単独配置し、前記停止スイッチ(S)および前記オープンスイッチ(O)は前記クローズスイッチ(C)とは分割して前記ドア(10)の室内面の前方側に配置し;
前記サブ開閉スイッチ部(23B)はサブ用停止スイッチ(S)およびサブ用オープンスイッチ(O)とを備えると共に、前記ドア(10)の室内面の後部側に前記メイン開閉スイッチ部(23A)から前後に大きく離して配置したドア開閉装置のスイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種ドアの
開閉装置のスイッチに関するものであり、特に、モータ等の動力により開閉作動可能
な自動車の乗降ドア
用のスイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一昔前、自動車に乗り込むには、キープレートを乗降ドアのキーシリンダー孔に差し込んでからアンロック回転させてドアロックを解除し、キープレートおよびキーシリンダーをニュートラルに戻してからキープレートを抜き去り、ドアの外側開扉ハンドルに手を掛け開扉操作してドアラッチを解放させてドアを開け、開いた乗降口から車内に乗り込みドアの内側ハンドル(グリップ)等を持ってドアを閉じる、という一連の動作を行っていた。
その後、キープレートに代えて携帯発信器による遠隔操作でロック・アンロック操作を行なえるようにして操作性を向上させたり、車両所有者に認証キーコード発信器を携帯させることで、ドアへのキーシリンダーの設置を省略して操作性の一層の向上とキーシリンダーの防盗性に対する脆弱性を克服したりしていた。
また、自動車のスライド式ドアや建築物ドアでは、開閉をモータ動力で行なうことが主流になったものもあり、例えば、ドア(車体)の外面に接触スイッチを配置し(特許文献1、2)、所望する動作用の接触スイッチに触れることで、モータ動力でドアの開閉を行なえるようにしたものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−079353号公報
【特許文献2】特開2015−001088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1、2に記載された発明では、接触スイッチは車体(ドア)の外表面に配置されると共に、接触スイッチは「附属的操作部」の範疇として取扱われていて、ドアの開閉の「主操作部」はあくまでもドアの外面に配置された「ハンドルグリップ」であり、従来から伝統的に「外側
操作ハンドル」
等と表現されていた操作部品をそのままドアに残した設計思想になっている。
そこで、本発明では、ドア開閉用の接触スイッチを使用するに際し、まず、接触スイッチをドアの「内側
操作ハンドル」に相当する操作部材として採用し、従来必要とされていた「内側
操作ハンドル」とドアの「ラッチ装置」との間の機械的な連結手段(ロッド・ワイヤー等)を省略して、ドアの製造工程の簡素化・ドアの軽量化をもたらし、ドアの「外側
操作ハンドル」についても、単なるグリップとして使用できる環境をもたらすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
よって、
本発明は、車体11の乗降口13を開閉可能なスライド式ドア10と、車体側のストライカと係合することで前記ドア10を閉扉状態に保持するラッチユニットと、少なくともクローズスイッチCとオープンスイッチOを備えた開閉スイッチ部23と、前記開閉スイッチ部23に電気的に接続されて前記開閉スイッチ部23からの信号に基づいてモータ動力により前記ラッチユニットから前記ストライカを解放可能でありまた前記ドア10をモータ動力により開閉させ得る制御部24とを備えたドア開閉装置において;前記ドア10の室内面には開扉や閉扉のための回転動作等は行わず前記ラッチユニットから前記ストライカを機械的連結手段を介して解放させる機能を備えていない持ち手としての内側ハンドルグリップ21を設け;前記開閉スイッチ部23は前記ドア10の室内面又は前記車体11のセンターピラー27の室内面に配置し
;前記開閉スイッチ部23の前記クローズスイッチCは前記センターピラー27に配置し、前記開閉スイッチ部23の前記オープンスイッチOは前記ドア10の前記内側ハンドルグリップ21若しくは前記内側ハンドルグリップ21の近傍に分割配置したドア開閉装置のスイッチとしたものである。
また、本発明は、車体11の乗降口13を開閉可能なスライド式ドア10と、車体側のストライカと係合することで前記ドア10を閉扉状態に保持するラッチユニットと、少なくともクローズスイッチCとオープンスイッチOを備えた開閉スイッチ部23と、前記開閉スイッチ部23に電気的に接続されて前記開閉スイッチ部23からの信号に基づいてモータ動力により前記ラッチユニットから前記ストライカを解放可能でありまた前記ドア10をモータ動力により開閉させ得る制御部24とを備えたドア開閉装置において;前記ドア10の室内面には開扉や閉扉のための回転動作等は行わず前記ラッチユニットから前記ストライカを機械的連結手段を介して解放させる機能を備えていない持ち手としての内側ハンドルグリップ21を設け;前記開閉スイッチ部23は、メイン開閉スイッチ部23Aとサブ開閉スイッチ部23Bとを備え;前記メイン開閉スイッチ部23Aは、前記クローズスイッチCと、停止スイッチSと、前記オープンスイッチOとを備えると共に、前記クローズスイッチCは前記車体11のセンターピラー27に単独配置し、前記停止スイッチSおよび前記オープンスイッチOは前記クローズスイッチCとは分割して前記ドア10の室内面の前方側に配置し;前記サブ開閉スイッチ部23Bはサブ用停止スイッチSおよびサブ用オープンスイッチOとを備えると共に、前記ドア10の室内面の後部側に前記メイン開閉スイッチ部23Aから前後に大きく離して配置したドア開閉装置のスイッチとしたものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の請求項1に係る発明にあっては、ドア10の室内面に設けた内側ハンドルグリップ21は持ち手として機能するだけで、開閉操作用の開閉スイッチ部23は別途設けてあるため、内側ハンドルグリップ21を各種ドアラッチユニットに機械的に連結する作業を省略でき、ドア10の組立性が格段に向上する。
また、クローズスイッチCをセンターピラー27に設置できるため、身体を無理に動かさずともクローズスイッチCにタッチして閉扉を行えるため、閉扉の際の操作性が格段に向上する。
本発明の請求項
2に係る発明にあっては、停止スイッチSを備えているため、モータ動力による前記ドア10の開閉を停止させられる。
本発明の請求項
3に係る発明にあっては、開閉スイッチ部23と制御部24とはハーネスにより接続できるため、前記開閉スイッチ部23は原則として設置位置に制限なく自由に設計でき、従って、操作性・視認性に優れた座席シートの座面29より上方で、車両天井30より下方に容易に取り付けできる。
本発明の請求項
4に係る発明にあっては、開閉スイッチ部23と制御部24とはハーネスにより接続できるため、前記開閉スイッチ部23は原則として設置位置に制限なく自由に設計でき、従って、操作性・視認性に優れたドア10の肘掛け31より上方でウインドウガラス32の露出した下面より下方に容易に取り付けできる。
本発明の請求項
5に係る発明にあっては、前記開閉スイッチ部23の各スイッチには前記ドア10の移動方向を示唆する図形やイラストを表記してあるので、操作性・視認性に優れ、反対に誤操作を低減できる。
本発明の請求項
6に係る発明にあっては、前記開閉スイッチ部23は、凹部26内に配置したため、意図せぬスイッチへの接触による誤操作を低減できる。
本発明の請求項
7に係る発明にあっては、ドア10に配置されるメイン開閉スイッチ部23Aとサブ開閉スイッチ部23Bとは前後に互いに大きく離して配置され、後方に設けたサブ開閉スイッチ部23Bは、3列シート型自動車において、第3列シートからの操作性向上が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施例に基づく開閉スイッチ部を備えたスライド式ドアと車体の一部側面図である。
【
図2】各ラッチユニットおよびパワースライド装置を制御する制御部と、開閉スイッチ部のブロック回路図である。
【
図3】本願発明の第1実施例に基づく、開閉スイッチ部とドアの関係を示した側面図。
【
図4】開閉スイッチ部と取付部の凹部を示した断面図。
【
図5】本願発明の第2実施例に基づく、開閉スイッチ部とドアの関係を示した側面図。
【
図6】本願発明の第3実施例に基づく、開閉スイッチ部とドアの関係を示した側面図。
【
図7】本願発明の第4実施例に基づく、開閉スイッチ部とドアの関係を示した側面図。
【
図8】本願発明の第5実施例に基づく、開閉スイッチ部とドアの関係を示した側面図。
【
図9】本願発明の第6実施例に基づく、開閉スイッチ部とドアの関係を示した側面図。
【
図10】座席シートとドアとの相対位置関係を示した側面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明によるドア
開閉装置のスイッチについて図により説明する。開閉スイッチが適用されるドアは、モータ等の動力により開閉作動可能
な自動車の乗降ドアであり、特に適したものは、自動車のスライド式ド
アである。
【0009】
図1には、ドア開閉装置を備えた自動車のスライド式のドア10が示されており、車体11又はドア10内には、モータ動力でスライド式ドア10を前後方向に開閉移動させるパワースライド装置12を設けている。
【0010】
車体11の乗降口13の前端には前側ストライカ14を設け、スライド式ドア10の前端には前側ストライカ14と係合する閉扉用フロントラッチユニット15を設ける。また、乗降口13の後端には後側ストライカ16を設け、スライド式ドア10の後端には後側ストライカ16と係合する閉扉用リアラッチユニット17を設ける。これらのラッチユニットは周知のようにラッチ及びラチェットを備え、ストライカとの係合によりスライド式ドア10を閉扉状態に保持する。
【0011】
また、スライド式ドア10には、ラッチ及びラチェットを備えた開扉用ラッチユニット18が設けられ、開扉用ラッチユニット18はスライド式ドア10が開扉スライドにより所定の全開位置まで移動すると、車体11に固定した全開ストライカ19と係合して、スライド式ドア10を開扉位置に保持する。
【0012】
前記スライド式ドア10の外面側には、従来の「外側
操作ハンドル」に相当する外側ハンドルグリップ20が設けられ、スライド式ドア10の内面側には、従来の「内側
操作ハンドル」に相当する内側ハンドルグリップ21が設けられる。本願における外側ハンドルグリップ20および内側ハンドルグリップ21のうち、少なくとも、内側ハンドルグリップ21には、従来の「外側
操作ハンドル」や「内側
操作ハンドル」のような開扉操作機能、つまり、前側ストライカ14を閉扉用フロントラッチユニット15から機械的連結手段を介して解放させる機能は備えておらず、また、通常のドアの「持ち手」としてのみ機能し、開扉や閉扉のための回転動作等は行わない。
【0013】
スライド式ドア10のドア内部空間には、リモートコントロール部と称される操作中継装置22が配設される。従来では、開扉操作機能を備えた「外側
操作ハンドル」および「内側
操作ハンドル」は、機械的連結手段を介して操作中継装置22に連結されると共に、操作中継装置22からロッド・ワイヤー等の機能連結手段を経由してフロントラッチユニット15、リアラッチユニット17、および開扉用ラッチユニット18に連結され、「外側
操作ハンドル」および「内側
操作ハンドル」の開扉操作力が、各ラッチユニットに伝達され、ドア10の開扉が行われていた。
【0014】
これに対して、本願発明では、外側ハンドルグリップ20および内側ハンドルグリップ21のうち、少なくとも、内側ハンドルグリップ21には、従来のような開扉操作機能は備えず、それに
代えて、ドア10をモータ動力で開閉作動させるための開閉スイッチ部23を設けている。
【0015】
また、ドア10の開閉制御部24は、人などの挟み込み回避制御や、各ラッチユニットの解放タイミングに対する同期制御や、坂道(傾斜地)での開閉のような過負荷制御等の安全上や、操作性において必要ないくつもの制御を備えており、これらの制御を司る制御部24に対して開閉スイッチ部23はハーネス25で連結するだけ組み付けが完了する。また、制御部24は、その設置場所を自由に設定できるため、ハーネス25での連結も至極容易となり、ドア10の生産性も格段に向上する。
【0016】
これに対して、従来のように「外側
操作ハンドル」や「内側
操作ハンドル」の動きを検知してこれを制御部24に通知する構成はスマートではなく、加えて、「
操作ハンドル」の検出センサーの設置連結が必要となり、更には、「外側
操作ハンドル」や「内側
操作ハンドル」から操作中継装置22若しくは制御部24に至る連結接続作業も面倒であるから、ドアの組立作業性が劣ることになる。
【0017】
図3は、スライド式ドア10の室内面に開閉スイッチ部23を配置した第1実施例を示しており、好適には、内側ハンドルグリップ21の近傍位置に配置している。この実施例の開閉スイッチ部23は、中央の四角形状の停止スイッチSと、その両側に配置したオープンスイッチOと、クローズスイッチCとを備えている。オープンスイッチOと、クローズスイッチCは三角形状を呈していて、ドアの移動方向を視覚的に認識できるようにしてあり、また、スイッチの表面にドアの移動方向を直感的に示唆する図形やイラストを表記してもよい。
【0018】
また、開閉スイッチ部23に対する意図しない接触を防止するために、
図4に示したように、ドアパネルに僅かな凹部26を形成して、そこに開閉スイッチ部23を配置してもよい。
【0019】
図5は、スライド式ドア10の室内面に開閉スイッチ部23を配置した第2実施例を示しており、第2実施例では、内側ハンドルグリップ21に開閉スイッチ部23を配置している。この場合も、開閉スイッチ部23に対する意図しない接触を防止するために、内側ハンドルグリップ21に僅かな凹部を形成して、そこに開閉スイッチ部23を配置してもよい。
【0020】
図6に示した第3実施例では、開閉スイッチ部23を、ドア10のクローズスイッチCと、停止スイッチSおよびオープンスイッチOとの2つに分割形成し、クローズスイッチCは、車体11の上方に起立するセンターピラー27の室内面に単独配置し、停止スイッチSおよびオープンスイッチOは上記と同様に、ドア10の室内面に配置している。クローズスイッチCを、車体11のセンターピラー27に配置した場合、スイッチの操作性の向上が期待できる(ドア10を開いた状態では、ほとんどの場合、内側ハンドルグリップ21は座席より後方に位置するため、クローズスイッチCを内側ハンドルグリップ21の近傍に設置する場合、スイッチ操作のために身体を大きくねじってスイッチを押すことが想定される)。
【0021】
図7に示した第4実施例では、開閉スイッチ部23を、センターピラー27の室内面に配置するクローズスイッチCと、ドア10の室内面に配置するオープンスイッチOとの2つに分割形成し、停止スイッチSは省略してある。停止スイッチSの機能は、制御部24のプログラムにより処理し、クローズスイッチCやオープンスイッチOの二度押しや、反対方向へのスイッチ操作等の検知により対応する。
【0022】
図8に示した第5実施例では、開閉スイッチ部23を、メインとサブの2種類とし、メイン開閉スイッチ部23Aは、第3実施例と同じように、ドア10のクローズスイッチCと、停止スイッチSおよびオープンスイッチOとの2つに分割形成し、クローズスイッチCは、車体11のセンターピラー27の室内面に単独配置し、停止スイッチSおよびオープンスイッチOはドア10の室内面の前方側に配置している。サブ開閉スイッチ部23Bは、停止スイッチSおよびオープンスイッチOとを備え、ドア10の室内面の後部側に配置している。このため、ドア10に配置される2つの開閉スイッチ部23A、23Bは前後に大きく離して配置される。後方に設けたサブ開閉スイッチ部23Bは、3列シート型自動車において、第3列シートからの操作性向上を目的としている。
【0023】
図9は、ヒンジ式ドア10に対応させた開閉スイッチ部23の第6実施例を示している。第6実施例では、開閉スイッチ部23を、ドア10のクローズスイッチCと、停止スイッチSおよびオープンスイッチOとの2つに分割形成する。クローズスイッチCは、車体11のフロントピラー28に、より好適には、フロントピラー28のルーフ側に傾斜した部分の室内面に配設し、停止スイッチSおよびオープンスイッチOは内側ハンドルグリップ21の近傍位置に配置する。フロントピラー28に取り付けられたクローズスイッチCは、座席上の乗員が無理に身体を動かすことなく容易にタッチ操作でき、ドア10が大きく開いて内側ハンドルグリップ21に届かないような状態でも、良好な操作性を提供できる。なお、ヒンジ式ドア10の開閉用駆動モータは周知であり、図示は省略してある。
【0024】
以上において、開閉スイッチ部23の各スイッチは、
図9に示したように、座席シートの座面29より上方で、車両天井30より下方に配置し、また、ドア10の室内面に配置される開閉スイッチ部23の各スイッチは、ドア10の肘掛け31より上方でウインドウガラス32の露出した下面より下方に配置する。
【符号の説明】
【0025】
10…ドア、11…車体、12…パワースライド装置、13…乗降口、14…前側ストライカ、15…閉扉用フロントラッチユニット、16…後側ストライカ、17…閉扉用リアラッチユニット、18…開扉用ラッチユニット、19…全開ストライカ、20…外側ハンドルグリップ、21…内側ハンドルグリップ、22…操作中継装置、23…開閉スイッチ部、23A…開閉スイッチ部、23B…開閉スイッチ部、24…制御部、25…ハーネス、26…凹部、27…センターピラー、28…フロントピラー、29…座面、30…天井、31…肘掛け、32…ウインドウガラス。