(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6771389
(24)【登録日】2020年10月1日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】監視対象の動作パラメータを用いて電気機器による消費電力のモニタリングを行う方法
(51)【国際特許分類】
H02J 13/00 20060101AFI20201012BHJP
G01R 11/00 20060101ALI20201012BHJP
【FI】
H02J13/00 301A
G01R11/00 A
G01R11/00 G
【請求項の数】25
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-565054(P2016-565054)
(86)(22)【出願日】2015年4月7日
(65)【公表番号】特表2017-514448(P2017-514448A)
(43)【公表日】2017年6月1日
(86)【国際出願番号】US2015024654
(87)【国際公開番号】WO2015167761
(87)【国際公開日】20151105
【審査請求日】2018年1月16日
(31)【優先権主張番号】14/263,297
(32)【優先日】2014年4月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513113895
【氏名又は名称】ランディス・ギア イノベーションズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LANDIS+GYR INNOVATIONS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100163050
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 眞由美
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】モヌリー エマニュエル
(72)【発明者】
【氏名】メレット パトリック
(72)【発明者】
【氏名】サラザール カルドーゾ ルーベン エミリオ
【審査官】
坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2013/073094(WO,A1)
【文献】
特開2010−169567(JP,A)
【文献】
特開2011−254586(JP,A)
【文献】
特表2013−528876(JP,A)
【文献】
特開2004−023966(JP,A)
【文献】
特表2013−518556(JP,A)
【文献】
特表2012−516133(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/130509(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0278272(US,A1)
【文献】
特開2013−50445(JP,A)
【文献】
特開2012−16270(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 13/00
G01R 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理装置によって監視対象の環境における総電気使用量についてモニタリングする工程であって、前記監視対象の環境は、複数の電気機器を有し、前記総電気使用量は、前記複数の電気機器の少なくとも一部により使用された電気使用量の合計を含む工程と、
前記複数の電気機器のうちのある電気機器による電気使用量が、監視対象の動作パラメータの変化に基づいて変化したことを判定する工程であって、前記監視対象の動作パラメータが、前記電気機器自体または近傍における物理的環境の変化を含むものであり、前記監視対象の動作パラメータの値が、電気を使用している前記電気機器に応じて動作を行っている前記電気機器により変化する工程と、
前記総電気使用量の変化が前記監視対象の動作パラメータの前記変化に関連していることを判定する工程と、
を含み、
前記総電気使用量の前記変化が、総有効電力の変化、総無効電力の変化および総第3電流高調波の変化であり、
前記総電気使用量の前記変化が前記監視対象の動作パラメータの前記変化に関連していることを判定する工程が、
前記処理装置によって、前記複数の電気機器の夫々の既知の電力プロファイルを記述するデータにアクセスする工程と、
前記処理装置によって、(a)第1の判定および(b)第2の判定を行う工程と、
前記処理装置によって、前記第1の判定および前記第2の判定に基づいて、前記総電気使用量の前記変化が、前記電気機器によるものであると判定する工程と、
を含み、
前記電力プロファイルは、前記電気機器を動作させることによって、(i)有効電力のプラスまたはマイナスの変化、(ii)無効電力のプラスまたはマイナスの変化および(iii)第3電流高調波のプラスまたはマイナスの変化の組み合わせを生じさせることを示すものであり、
前記第1の判定は、前記電気機器が電気を使用して前記動作を行うことによって生じる、(i)前記総有効電力の前記変化、(ii)前記総無効電力の前記変化および(iii)前記総第3電流高調波の前記変化の組み合わせが、前記電気機器に対応することを、前記電力プロファイルから判定するものであり、
前記第2の判定は、前記電気機器が、総有効電力の前記変化、総無効電力の前記変化および前記総第3電流高調波の前記変化が起きた期間に動作したという判定を、前記監視対象の動作パラメータの変化から判定するものである方法。
【請求項2】
前記総電気使用量の前記変化と前記監視対象の動作パラメータの前記変化との関連付けに基づいて、前記電気機器による電気使用量を判定する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電気機器と同じ位置に配置されたモニタリング装置により、前記監視対象の動作パラメータの前記値をモニタリングする工程と、
前記モニタリング装置により、前記監視対象の動作パラメータの前記値を示すデータを前記処理装置に提供する工程とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記監視対象の動作パラメータの前記値を示す前記データは、前記モニタリング装置の前記監視対象の動作パラメータの前記変化の検出に応答して、前記処理装置に提供される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記監視対象の動作パラメータの前記値を示す前記データは、前記監視対象の動作パラメータの前記値を含み、前記監視対象の動作パラメータの前記変化は、前記処理装置により判定される、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記監視対象の動作パラメータの前記変化は、前記モニタリング装置により判定され、前記監視対象の動作パラメータの前記値を示す前記データは、前記監視対象の動作パラメータの前記変化の通知を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記監視対象の動作パラメータは、前記電気機器の前記動作に関連する動きを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記動きは、前記電気機器の構成要素の振動を含み、この方法はさらに、モニタリング装置を用いて前記振動をモニタリングする工程を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記動きは、前記電気機器の構成要素により発生する音又は空気の動きを含み、さらに、モニタリング装置を用いて前記音又は前記空気の動きをモニタリングする工程を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記監視対象の動作パラメータは、(i)前記電気機器の構成要素及び(ii)前記電気機器に隣接する物質又は部材の少なくとも1つの温度を含み、
この方法はさらに、モニタリング装置を用いて前記温度をモニタリングする工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記監視対象の動作パラメータは、前記電気機器に隣接する前記物質又は部材の前記温度を含み、前記物質又は部材は、熱を伝導する固体、液体、又はガスのうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記監視対象の動作パラメータは、前記電気機器の構成要素により発生する電磁エネルギーを含み、この方法はさらに、モニタリング装置を用いて前記電磁エネルギーをモニタリングする工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記電磁エネルギーは、可視光、無線周波数信号、紫外光、及び赤外光のうちの少なくとも一つを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記総電気使用量の前記変化と前記監視対象の動作パラメータの前記変化との関連付けは、前記総電気使用量の前記変化と前記電気機器による前記監視対象の動作パラメータの前記変化が共通の時間範囲に生じたことを判定する処理を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記電気機器による前記電気使用量の前記変化に対応する前記監視対象の動作パラメータの前記値を特定する工程と、
前記電気機器による前記電気使用量の別の変化に対応する前記監視対象の動作パラメータの別の値を特定する工程と、
前記電気機器による前記電気使用量の前記変化に対応する前記監視対象の動作パラメータの前記値と、前記電気機器による前記電気使用量の前記別の変化に対応する前記監視対象の動作パラメータの前記別の値との差に基づいて、前記電気機器の機能の低下を判定する工程とをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
処理装置と、
前記処理装置に通信可能に接続され、前記処理装置により実行可能な命令を記憶する非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体とを備え、
前記処理装置は、前記命令を実行することにより、
監視対象の環境での総電気使用量をモニタリングするモニタリング動作であって、前記監視対象の環境が、複数の電気機器を有し、前記総電気使用量が、前記複数の電気機器の少なくとも一部により使用された電気使用量の合計を含むものである、モニタリング動作と、
前記複数の電気機器のうちのある電気機器による電気使用量が、監視対象の動作パラメータの変化に基づいて変化したことを判定する判定動作であって、前記監視対象の動作パラメータが、前記電気機器自体または近傍における物理的環境の変化を含むものであり、前記監視対象の動作パラメータの値が、電気を使用している前記電気機器に応じて動作を行っている前記電気機器により変化するものである、判定動作と、
前記総電気使用量の変化が前記監視対象の動作パラメータの前記変化に関連していることを判定する動作と、
を行うように構成され、
前記総電気使用量の前記変化が、総有効電力の変化、総無効電力の変化および総第3電流高調波の変化であり、
前記総電気使用量の前記変化が前記監視対象の動作パラメータの前記変化に関連していることを判定する動作が、
前記処理装置によって、前記複数の電気機器の夫々の既知の電力プロファイルを記述するデータにアクセスする動作と、
前記処理装置によって、(a)第1の判定および(b)第2の判定を行う動作と、
前記処理装置によって、前記第1の判定および前記第2の判定に基づいて、前記総電気使用量の前記変化が、前記電気機器によるものであると判定する動作と、
を含み、
前記電力プロファイルは、前記電気機器を動作させることによって、(i)有効電力のプラスまたはマイナスの変化、(ii)無効電力のプラスまたはマイナスの変化および(iii)第3電流高調波のプラスまたはマイナスの変化の組み合わせを生じさせることを示すものであり、
前記第1の判定は、前記電気機器が電気を使用して前記動作を行うことによって生じる、(i)前記総有効電力の前記変化、(ii)前記総無効電力の前記変化および(iii)前記総第3電流高調波の前記変化の組み合わせが、前記電気機器に対応するということを、前記電力プロファイルから判定するものであり、
前記第2の判定は、前記電気機器が、総有効電力の前記変化、総無効電力の前記変化および前記総第3電流高調波が起きた期間に動作したという判定を、前記監視対象の動作パラメータの変化から判定するものであるシステム。
【請求項17】
モニタリング装置をさらに備え、前記モニタリング装置は、
前記監視対象の動作パラメータをモニタリングするように構成されたセンサと、
前記センサが前記監視対象の動作パラメータをモニタリングするのに適した位置で、前記モニタリング装置を前記電気機器と連結させるように構成された構造と、
前記監視対象の動作パラメータの前記値を示すデータを前記処理装置に通信するように構成された通信装置とを備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記監視対象の動作パラメータの前記値を示す前記データは、前記監視対象の動作パラメータの前記値を含む、請求項17記載のシステム。
【請求項19】
前記監視対象の動作パラメータの前記値を示す前記データは、前記電気使用量の前記変化についての通知を含む、請求項17記載のシステム。
【請求項20】
前記監視対象の動作パラメータは、前記電気機器の構成要素の振動を含み、前記構造は、さらに、前記モニタリング装置を前記電気機器の前記構成要素に連結するように構成されている、請求項17に記載のシステム。
【請求項21】
前記監視対象の動作パラメータは、前記電気機器の構成要素により発生する音を含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項22】
前記監視対象の動作パラメータは、前記電気機器の構成要素の温度又は前記電気機器に隣接する物質又は部材の温度を含み、さらに、前記構造は、ある温度値範囲に亘って、前記位置に前記モニタリング装置を保持するように構成されている、請求項17に記載のシステム。
【請求項23】
前記監視対象の動作パラメータは、前記電気機器の構成要素により発生する電磁エネルギーを含み、さらに、前記構造は、前記センサが光の少なくとも一部が進む経路内に配置されるような位置に前記モニタリング装置を連結するように構成されている、請求項17に記載のシステム。
【請求項24】
前記総電気使用量の前記変化と前記監視対象の動作パラメータの前記変化との関連付けは、前記総電気使用量の前記変化と前記監視対象の動作パラメータの前記変化が共通の時間範囲に生じたことを判定する処理を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項25】
処理装置により実行可能な命令を記憶する非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体であって、前記命令は、
監視対象の環境で総電気使用量をモニタリングするモニタリング命令であって、前記監視対象の環境が、複数の電気機器を有し、前記総電気使用量が、前記複数の電気機器の少なくとも一部により使用された電気使用量の合計を含むものである、モニタリング命令と、
前記複数の電気機器のうちのある電気機器による電気使用量が、監視対象の動作パラメータの変化に基づいて変化したことを判定する判定命令であって、前記監視対象の動作パラメータが、前記電気機器自体または近傍における物理的環境の変化を含むものであり、前記監視対象の動作パラメータの値が、電気を使用している前記電気機器に応じて動作を行っている前記電気機器により変化するものである、判定命令と、
前記総電気使用量の変化と前記監視対象の動作パラメータの前記変化とを関連付けることにより、前記電気機器による電気使用量を判定する命令と、
を含み、
前記総電気使用量の前記変化が、総有効電力の変化、総無効電力の変化および総第3電流高調波の変化であり、
前記総電気使用量の前記変化が前記監視対象の動作パラメータの前記変化に関連していることを判定する命令が、
前記処理装置によって、前記複数の電気機器の夫々の既知の電力プロファイルを記述するデータにアクセスする命令と、
前記処理装置によって、(a)第1の判定および(b)第2の判定を行う命令と、
前記処理装置によって、前記第1の判定および前記第2の判定に基づいて、前記総電気使用量の前記変化が、前記電気機器によるものであると判定する命令と、
を含み、
前記電力プロファイルは、前記電気機器を動作させることによって、(i)有効電力のプラスまたはマイナスの変化、(ii)無効電力のプラスまたはマイナスの変化および(iii)第3電流高調波のプラスまたはマイナスの変化の組み合わせを生じさせることを示すものであり、
前記第1の判定は、前記電気機器が電気を使用して前記動作を行うことによって生じる、(i)前記総有効電力の前記変化、(ii)前記総無効電力の前記変化および(iii)前記総第3電流高調波の前記変化の組み合わせが、前記電気機器に対応するということを、前記電力プロファイルから判定するものであり、
前記第2の判定は、前記電気機器が、総有効電力の前記変化、総無効電力の前記変化および前記第3電流高調波の前記変化が起きた期間に動作可能であったという判定を、前記監視対象の動作パラメータの変化から判定するものであるコンピュータ読み取り可能媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、ネットワーク及び計量に関し、特に、監視対象の動作パラメータを用いて電気機器による消費電力のモニタリングを行う方法に関する。
【背景技術】
【0002】
家屋、住居、又はその他の構造物に配置された電気機器は、電気を消費する。公益事業会社や消費者及びその他の個人又は団体は、このような電気の消費量を、電気が提供されている構造物又はその他の環境内の機器によってモニタリングすることができる。公益事業会社は、家屋での消費者による電気消費量をモニタリングすることで、電気分配の問題及びその他の問題を認識することが可能となる。また、家屋での消費者による電気消費量をモニタリングすることで、各電気機器による個別の電力消費量を記載した情報を消費者に提供することができ、これにより消費者は家屋でのエネルギー消費をより効果的に管理可能となる。
【0003】
公益事業会社又はその他の団体が、家屋内の個々の機器による電力消費量をモニタリングする場合もある。電気消費量をモニタリングする現在の方法としては、電力が供給される機器に対して直列に電力測定器を設置する方法がある。電力測定器は、この電力測定器のプローブ、タップ、又はその他の導体を、電力が供給される機器の電気端子、又はこの機器に電力を供給するために使用されるケーブルに接続することによって、電力が供給される機器に直列に設置することができる。この電力測定器は、電力が供給される機器に電気的接続部を介して流れる電流を測定することにより、この機器による電気消費量を判定する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
個別の電気機器毎に電気消費量をモニタリングする現在の方法は、不利な点もある。例えば、電力が供給される機器に直列に設置される電力測定器は、その機器の電気端子が不便な場所にある場合には設置しにくくなるおそれがある。また、電力測定器は、物理的に大きなサイズになる可能性もある。例えば、国内及び国際的な安全基準、ならびにその他の要求基準は、潜在的に危険な電気エネルギー源を含む電気機器に対して一定の保護のための物理的特性を有するハウジング又はその他の構造を備えることを要求することもあり、その結果、機器の外形がより大型化する可能性がある。また、電気機器の大型化は、電力が供給される機器の電気端子に対して直列に電力測定センサを設置することを妨げる可能性がある。また、このような物理的に大型で直列接続される電力測定器を用いると、その他の電気機器の同じ場所への設置、あるいは、監視対象の電気機器の交換をも妨げる可能性がある。
【0005】
このため、電気的接続部を介して電気機器に流れる電流を直接測定することなく、その電気機器による消費電力をモニタリングすることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
監視対象の動作パラメータを用いて電気機器による消費電力をモニタリングするシステム及び方法が開示される。いくつかの態様では、コンピューティング装置が、監視対象の環境における総電気使用量の変化を検出することができる。監視対象の環境は、複数の電気機器を含み得る。総電気使用量は、少なくともいくつかの電気機器により使用された電気量の合計を含むことが可能である。コンピューティング装置は、複数の電気機器のいずれかによる電気使用量が変化したことを判定することができる。このコンピューティング装置は、電気機器に提供された電力以外の監視対象の動作パラメータ(例えば、温度、振動など)の変化に基づいて、電気使用量が変化したことを判定することができる。監視対象の動作パラメータ値は、電気を用いる電気機器に対応して、この電気機器により実行された動作に基づいて変化し得る(例えば、電気機器の動作により生じる、電気機器における温度上昇など)。またコンピューティング装置は、総電気使用量の変化と、ある電気機器による電気使用量の変化とを関連付けることにより、その電気機器による電気使用量を判定することができる。
【0007】
これらの例示的な態様及び特徴は、本発明を限定又は定義することを意図しておらず、むしろ、本出願に開示の発明の概念を理解することを助ける例を提示しているにすぎない。本発明の他の態様、利点、及び特徴は、本出願全体を精査することにより明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示の上記及び他の特徴、態様、利点は、添付の図面を参照しながら、以下の詳細な説明により容易に明らかとなるであろう。
【0009】
【
図1】
図1は、監視対象の環境の電気機器の動作パラメータを用いて、監視対象の環境における消費電力をモニタリング可能とするモニタリングシステムの一例を示すネットワーク図である。
【
図2】
図2は、電気機器の監視対象の動作パラメータを用いてその電気機器による消費電力をモニタリングする方法の一例を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、監視対象の環境での総電気使用量を経時的に示すグラフである。
【
図4】
図4は、
図3に示した総電気使用量と関連付けられる、電気機器の温度を示す図である。
【
図5】
図5は、監視対象の環境の総電気使用量の変化に対応する、有効電力、無効電力、及び電流高調波の変化を示すグラフである。
【
図6】
図6は、
図1に示したモニタリングシステムで使用することができる、モニタリング装置及びコンピューティング装置の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
監視対象の動作パラメータを用いて電気機器による消費電力をモニタリングするシステム及び方法が提供される。監視対象の動作パラメータは、監視対象のの電気機器自体における、あるいはその近傍における物理的環境の変化を含み得る。例えば、電気機器を作動させること、あるいは電気機器のモードを変更することによって、電気機器が振動したり、熱を放射したり、発光したり、又は電気機器自体あるいはその近傍の物理的環境に変化を生じることがある。かかる物理的な環境の変化は、電気機器に取り付けられた、又は電気機器の近傍に配置されたセンサにより検出することができる。検出された物理的環境の変化は、検出された電力消費量の変化が監視対象のの電気機器に起因することを判定するのに用いることができる。
【0011】
このような動作パラメータを用いることによって、タップ又はその他の測定器を、電力が供給される装置への電力接続部に直列に設置することなく、電力消費量をモニタリングすることができる。例えば、温度、振動などの動作パラメータをモニタリングするのに用いるセンサは、動作パラメータの変化を検出するのに適した任意の場所に配置し得る。
【0012】
いくつかの態様では、監視対象の動作パラメータを用いて、電気機器による消費電力をモニタリングするモニタリングシステムが提供される。このモニタリングシステムは、コンピューティング装置と、監視対象の環境の各電気機器に対して連結され又は同じ場所に配置された複数のモニタリング装置とを備えることができる。監視対象の環境の例としては、これに限定されないが、家、集合住宅ユニットのアパート、又は電力が供給され得るその他の構造物を含む。コンピューティング装置は、監視対象の環境での総電気使用量の変化量を検出することができる。例えば、コンピューティング装置は、家屋又はその他の構造物による消費電力を測定するために使用される計量装置を備えることができるか、あるいは、計量装置と通信することができる。総電気使用量は、監視対象の環境において少なくともいくつかの電気機器(例えば、洗濯機、テレビなど)により使用された電気量の合計を含み得る。
【0013】
このモニタリングシステムのコンピューティング装置は、電気機器のいずれかによる電気使用量が変化したことを判定することもできる。例えば、コンピューティング装置は、モニタリング装置と通信可能に連結することができる。このコンピューティング装置は、モニタリング装置により監視される動作パラメータ(例えば、温度、振動など)及び監視対象の動作パラメータの値を識別することができる。監視対象の動作パラメータの値は、電気を使用している電気機器に対応して、その電気機器により実行された動作により少なくとも部分的に制御可能である。例えば、温度などの動作パラメータは、電気機器の電源をオン又はオフするのに対応して、その値が変化し得る。
【0014】
また、モニタリングシステムのコンピューティング装置は、総電気使用量の変化と、電気機器用の監視対象の動作パラメータの変化とを関連付けることで、電気機器による電力使用量も判定することができる。例えば、コンピューティング装置は、総電気使用量の変化が、監視対象のの電気機器の温度、振動、熱流束、発光、又はいくつかの他の適切な動作パラメータの変化の時と同時または該変化の時の近くで発生したことを判定することができる。コンピューティング装置は、総電気使用量と監視対象の動作パラメータの同時に起こる変化に基づいて、総電気使用量の変化を電気機器に起因するとみなすことができる。
【0015】
かかる監視対象の動作パラメータの使用により、電気機器の消費電力をモニタリングするための電力測定器を直列に設ける必要性をなくすことができる。直列に設置される電力測定器とは別のモニタリング装置の使用により、監視対象のの電気機器と同じ位置に他の電気機器を容易に設置することができる。また、直列に設置される電力測定器とは別のモニタリング装置の使用により、監視対象の電気機器の交換を容易にすることができる。
【0016】
モニタリングシステムは、様々な電気機器による電気使用量についての情報を、任意の適切な個人又は他の団体に提供することができる。いくつかの態様では、モニタリングシステムのコンピューティング装置が、電気使用量についての情報を、監視対象の環境におけるユーザ(例えば、家屋やその他の構造物の所有主)に出力することができる。情報の出力は、情報をグラフィカルインターフェイスで提示したり、その情報を他のコンピューティング装置(例えば、スマートフォン、タブレットなど)に送信することなどが挙げられる。他の態様では、モニタリングシステムのコンピューティング装置は、電気消費量についての情報を公益事業会社に送信することができる。例えば、モニタリングシステムのコンピューティング装置は、データネットワークを介して電力送配システムのヘッドエンド装置に通信可能に連結されてもよい。コンピューティング装置は、電力使用量に関する情報を、データネットワークを介してヘッドエンド装置へ送信することができる。
【0017】
ここで示す実施例は、本明細書を読む人に本細書にて議論される一般的な対象を紹介するものであって、開示した概念の範囲を限定することを意図しない。下記項目において、図面を参照しながら多様な追加的態様や実施例を述べる。これら図面においては、同様な要素には同様な符号を付している。
【0018】
図面を参照すると、
図1は、監視対象の環境102にて消費電力をモニタリングすることができるモニタリングシステム100の一実施例を示すネットワーク図である。監視対象の環境102は、複数の電気機器104a〜104cを含むことができる。一つ以上の電気機器104a〜104cは一つ以上の機械的機能又は他の機能を実行するために電力を消費する装置であってもよい。監視対象の環境102としては、これらに限定されないが、例えば、家、集合住居(例えば、アパート)、又は複数の電気機器104a〜104cが公益設備又はその他の配電システムとの接続部を共有できる他の構造物が挙げられる。監視対象の環境102における電気機器104a〜104cとしては、これらに限定されないが、例えば、給湯器、プールポンプ、エアコン、ユーザ器具(例えば、これらに限定されないが、テレビ、洗濯機、冷蔵庫)などが挙げられる。
【0019】
モニタリングシステム100は、1つ以上のモニタリング装置106a〜106cと、電力モニタリングモジュール110を実行することができるコンピューティング装置108とを含むことができる。いくつかの態様では、コンピューティング装置108は、監視対象の環境102に取り付けられた、又はさもなければ設置された、ユーティリティメータを備えるか、又は該メータと通信可能に接続され得る。また、アパートの建物やその他の集合住居などの環境によっては、コンピューティング装置108、あるいは、所定の住居にサービスを提供する他の装置が、当該サービスを受ける住居から遠隔な場所に設置されていてもよい。例えば、コンピューティング装置108が、監視対象の環境102の一端にあるユーティリティクローゼット公益設備の収納庫内に設置されて、監視対象の環境102の反対側の端部にある住居にサービスを提供してもよい。
【0020】
コンピューティング装置108は、監視対象の環境102内における消費電力をモニタリングするように構成された任意の適切な装置又はそのような装置群を備えることができる。いくつかの態様においては、コンピューティング装置108は、配電システム用のインテリジェントメータを備えることも可能である。インテリジェントメータは、監視対象の環境102での総電気消費量に関する情報をモニタリング及び収集することができる。他の態様では、コンピューティング装置108は、データネットワークを介してインテリジェントメータと通信可能な個別の装置とすることも可能である。このインテリジェントメータは、監視対象の環境102での総電力消費量に関する情報を、データネットワークを介してコンピューティング装置108に送信することができる。また、いくつかの態様では、コンピューティング装置108は、データネットワークを介して、サーバシステム、あるいは、配電システムにおけるその他のヘッドエンドシステムと通信可能である。
【0021】
コンピューティング装置108は、各通信リンク112a〜112cを介してモニタリング装置106a〜106cと通信するように電力モニタリングモジュール110を実行することができる。通信リンク112a〜112cは、RFリンク、又はコンピューティング装置108とモニタリング装置106a〜106cとの間の有線又は無線通信プロトコルを使用した他の適切な通信リンクとしてもよい。通信リンク112a〜112cを確立する適切な無線通信プロトコルとしては、これらに限定されないが、例えば、ZIGBEE(登録商標)、Wireless Meter−Bus(「M−Bus」)、Z-wave等が挙げられる。また、通信リンク112a〜112cを確立する適切な有線通信プロトコルとしては、これらに限定されないが、例えば、HOMEPLUG GREEN PHY
TM,G3−PLC,PRIME,IEEE1901.2などが挙げられる。
【0022】
図2は、監視対象の動作パラメータを用いて電気機器104a〜104cによる消費電力をモニタリングするための方法200の一例を示すフローチャートである。例示的な目的のため、本方法200は、
図1に示したシステム実装を参照しながら説明する。なお、他の実施も可能である。
【0023】
本方法200は、ブロック210に示すように、電気機器104a〜104cを備える監視対象の環境102において、総電気使用量の変化を検出することを含む。この総電気使用量は、電気機器104a〜104cの少なくともいくつかにより使用される電気量の合計とすることができる。例えば、コンピューティング装置108の処理装置は、電力モニタリングモジュール110を実行可能である。電力モニタリングモジュール110は、監視対象の環境102での総電気使用量をモニタリングすることができる。また、この電力モニタリングモジュール110は、総電気使用量を経時的に把握したデータを、適切なコンピュータ読み取り可能媒体に記憶することができる。電力モニタリングモジュール110は、第1の期間中の総電気使用量が第2の期間中の総電気使用量とは異なることを判定することによって、総電気使用量が変化したことを検出することができる。
【0024】
本方法200はさらに、ブロック220に示すように、電気機器104a〜104cの少なくともいずれかによる電気使用量が変化したことを、当該電気機器の監視対象の動作パラメータの変化に基づいて判定することを含む。例えば、モニタリング装置106a〜106cは、それぞれ電気機器104a〜104cと接続され、さもなければこれら機器と同じ場所に配置される。各モニタリング装置106a〜106cは、各電気機器104a〜104cのそれぞれの動作パラメータの値をモニタリングすることができる。また、モニタリング装置106a〜106cは、コンピューティング装置108又はその他の適切な処理装置に、監視対象の動作パラメータの値を示すデータを提供することができる。提供されたデータは、モニタリング装置の識別子を含むこともでき、これにより電力モニタリングモジュール110が、動作パラメータの所定の値をモニタリング装置106a〜106cの所定のいずれかと関連づけることが可能となる。
【0025】
いくつかの態様では、モニタリング装置106a〜106cにより提供されるデータは、モニタリング装置106a〜106c内のセンサにより検出された動作パラメータの各値を含むことができる。コンピューティング装置108又はその他の適切な処理装置は、異なる時間の所定の動作パラメータ値同士を比較し、これにより、所定の動作パラメータ値が変化したことを判定するように、電力モニタリングモジュール110を実行することができる。追加又は代替の態様では、1つ以上のモニタリング装置106a〜106cが、監視対象の動作パラメータの変化を識別することができる処理装置を備え得る。このモニタリング装置は、異なる時期の所定の動作パラメータ値同士を比較し、これにより、所定の動作パラメータ値が変化したことを判定することができる。モニタリング装置は、動作パラメータが変化された旨の通知をコンピューティング装置108に送信することができる。例えば、モニタリング装置は、監視対象のの電気機器が電源をオン又はオフされたということ、あるいは動作モードの変更があったことをコンピューティング装置108に通知することができる。
【0026】
いくつかの態様では、モニタリング装置106a〜106cは、監視対象の動作パラメータ値を示すデータをコンピューティング装置108に継続的に(例えば、毎分、30秒毎、など)提供することができる。他の態様では、モニタリング装置106a〜106cは、1つ以上の電気機器104a〜104cの状態が変化したこと(例えば、装置の電源がオン又はオフになること)をコンピューティング装置108に通知することができる。このようにすることで、電気機器104a〜104cに対して何ら状態の変化が生じていない時期には、通信リンク112a〜112cを通したデータ通信量を低減することができる。他の態様では、モニタリング装置106a〜106cは、コンピューティング装置108からの照会に応答して、監視対象の動作パラメータ値を示すデータをコンピューティング装置108に提供することができる。ある限定されない実施例では、コンピューティング装置108は、繰り返し、モニタリング装置106a〜106cに照会してもよい。他の限定されない実施例では、コンピューティング装置108は、総電気使用量の変化の検出に応答してモニタリング装置106a〜106cに照会してもよい。また他の限定されない実施例では、モニタリング装置106a〜106cは、監視対象のパラメータの変化の検出に応答して、コンピューティング装置108と通信することができる。例えば、モニタリング装置106a〜106cのうちの1つが温度変化を検出した場合、モニタリング装置は、温度変化を示すメッセージをコンピューティング装置108に送信するようにしてもよい。監視対象のパラメータの変化に対応してコンピューティング装置108に通知メッセージを送信することは、モニタリング装置106a〜106cによる消費電力を低減することができ、モニタリング装置106a〜106cのエネルギー効率を向上し、及び/又はバッテリー寿命を延ばすことができる。
【0027】
いくつかの態様においては、監視対象の動作パラメータは、監視対象のの電気機器の1つ以上の構成要素の振動などの動きを含んでいてもよい。ある限定されない実施例では、洗濯機、皿洗い機、デスクトップコンピュータなどの装置は、これら電気機器内の機械的構成要素の動作に起因して作動中に異なる量の振動発生し得る。モニタリング装置は、装置において振動を発する構成要素、あるいは振動に影響を受ける構成要素に取り付けることができる。例えば、振動センサを、洗濯機や振動する他の装置の外面に取り付けることができる。振動センサは、振動量をモニタリングすることができる。
【0028】
追加又は代替の態様では、監視対象の動作パラメータは、監視対象のの電気機器の1つ以上の構成要素により発生あるいは放射される音あるいは空気の他の動きを含むことができる。限定されない実施例では、テレビ、ステレオ、洗濯機、皿洗い機などの装置が、作動中に異なる音量の音や異なるタイプの音を発生し得る。音検出器などのモニタリング装置は、監視対象のの電気機器に取り付けることができ、あるいは、発生した音を検出するのに適した位置に配置されることが可能である。モニタリング装置は、監視対象のの電気機器の作動中に発生した音をモニタリングすることができる。
【0029】
追加的又は代替的な態様では、監視対象の動作パラメータは、電気機器の構成要素の温度(例えば、電気機器の外側筐体の温度)や、電気機器に隣接する物質や材料の温度(例えば、電気機器の周りの空気の周辺温度)を含んでもよい。具体的には、乾燥機、エアコン、コンピューティング装置などの装置は、作動中に熱を発生することがある。この発生した熱は、電気機器の構成要素の温度や電気機器近辺に位置する物質や材料(空気など)の温度も変える可能性がある。温度センサなどのモニタリング装置は、温度変化を経験する監視対象のの電気機器の構成要素に取り付けられるか、あるいは、電気機器近辺の物質や材料の温度変化に対し適した位置に配置することができる。モニタリング装置は、監視対象のの電気機器の構成要素の温度や、監視対象のの電気機器の近辺の物質や材料の温度をモニタリングすることができる。いくつかの態様では、この温度は、物質や材料が熱を伝導可能である場合、電気機器に隣接する物質や材料、あるいは電気機器と共に配置された物質や材料を用いて、モニタリングすることができる。このような物質や材料としては、これに限られないが、例えば、伝熱性の固体、液体、ガスが挙げられる。
【0030】
追加又は代替の態様では、監視対象の動作パラメータとしては、電気機器内の1つ以上の構成要素から放射される電磁エネルギー(例えば、可視光、無線信号、紫外線、赤外線など)が挙げられる。例えば、ランプ、テレビ、コンピューティング装置などの機器は、異なる動作モードでは、異なるレベルの光を放射し得るものである。光センサなどのモニタリング装置は、監視対象のの電気機器の構成要素に取り付けることができ、又は光センサが放射光の光路に位置するように電気機器の近辺に配置することができる。モニタリング装置は、監視対象のの電気機器内の1つ以上の構成要素により放射された光をモニタリングすることができる。
【0031】
本方法200は、さらに、ブロック230に示すように、総電気使用量の変化と監視対象の動作パラメータの変化とを関連付けることにより、電気機器による電気使用量を判定することを含む。例えば、コンピューティング装置180の好適な処理装置は、監視対象の環境102における総電気使用量をモニタリングするように、電力モニタリングモジュール110を実行することができる。電力モニタリングモジュール110は、監視対象の動作パラメータの値の経時的に示すデータを、適切なコンピュータ読み取り可能媒体に記憶することができる。電力モニタリングモジュール110は、例えば、共通の時間範囲内において総電気使用量の変化と監視対象の動作パラメータの変化とを判定することにより、これら総電気使用量の変化と監視対象の動作パラメータの変化とを関連付けることができる。これにより、電力モニタリングモジュール110は、総電気使用量の変化がこの関連付けに基づき、電気機器に起因するものと判定することができる。電力モニタリングモジュール110は、総電気使用量のどのぐらいの変化量が監視対象のの電気機器による電気使用量に対応するかを判定することができる。
【0032】
図3及び
図4は、電気機器104a〜104cのうちの一つによる電気使用量を判定するために電力モニタリングモジュール110によって使用可能である例であって、電力使用量とそれに対応する温度変化の例を、これには限定されないが、示している。
【0033】
図3は、監視対象の環境102における経時的な総電気使用量を示すグラフである。
図3に示すように、監視対象の環境102において消費される電力は24時間に亘って変化し得る。時間302にて、総電気使用量のある変化が生じ、時間304にて総電気使用量の別の変化が生じる。
【0034】
図4は、監視対象の環境102における電気機器104a〜104cの1つの温度を経時的に示している。
図4に示すデータは、モニタリング装置106a〜106cの1つにより収集可能であり、通信リンク112a〜112cの各々を介してコンピューティング装置108に送信される。コンピューティング装置108は、電力モニタリングモジュール110を動作させて、時間402及び404にてモニタリングされた温度が上昇していることを判定することができる。例えば、モニタリング装置106a〜106cの1つは、温度変化を検出し、その温度変化をコンピューティング装置108に通知することができる。コンピューティング装置108は、上記温度変化と総電気使用量の変動とを関連付けるように、電力モニタリングモジュール110を動作させることができる。加えて、あるいはその代わりに、モニタリング装置106a〜106cの1つは、温度測定値を継続して報告することができる。コンピューティング装置108は、報告された温度測定値の間の変化を判定し、当該温度変化と総電気使用量の変動とを関連付けるように、電力モニタリングモジュール110を動作させることができる。加えて、あるいはその代わりに、コンピューティング装置108は、総電気使用量の変化を検出することができる。コンピューティング装置108は、モニタリングされた温度変化が生じているか否かについて、1つ以上のモニタリング装置106a〜106cに照会することができる。照会されたモニタリング装置106a〜106cからの応答に基づいて、コンピューティング装置108は、電力モニタリングモジュール110を動作させ、上記温度変化と総電気使用量の変動とを関連付けることができる。
【0035】
電力モニタリングモジュール110は、時間402におけるモニタリングされた温度上昇が時間302での総電気使用量の増加と関連付けられること、及び時間404におけるモニタリングされた温度上昇が時間304での総電気使用量の増加と関連付けられることを判定することができる。時間302と402との関連付け、及び時間304と404との関連付けに基づいて、電力モニタリングモジュール110は、時間302及び304での監視対象のの電気機器による電気使用量が時間402及び404での総電気使用量の増加分であると判定することができる。
【0036】
追加又は代替の態様では、電力モニタリングモジュール110は、1つ以上の電気機器104a〜104cのパフォーマンスの低下を判定することができる。例えば、電力モニタリングモジュール110は、電気機器による電気使用量の変化に対応する、監視対象の動作パラメータの複数の数値を経時的に把握し記憶することができる。これら記憶された数値は、各々のタイムスタンプと関連付けることができる。電力モニタリングモジュール110は、ある監視対象の動作パラメータ値の経時的に出る差異に基づいて、電気機器の機能低下を判定することができる。例えば、監視対象の動作パラメータ値の経時的な変化は、監視対象のの電気機器による電気使用量が経時的に異なることを示している可能性がある。電力管理モジュール110は、第1の期間中の電気機器による第1の電気使用量が、第2の期間中の電気機器による第2の電気使用量と相当異なることを判定することができる。このような電気使用量の相違に基づいて、電力モニタリングモジュール110は、電気機器が誤作動しているか、あるいは、稼働寿命の終焉に近づいているかもしれないということを示す警告又はその他の通知を出力することができる。
【0037】
いくつかの態様では、モニタリング装置106a〜106cは、電気機器104a〜104cが設置されている家屋やその他の構造物内において、潜在的に危険な状態を検出するために使用することができる。例えば、1つ以上のモニタリング装置106a〜106cは、電気機器104a〜104cの対応するいずれかの温度をモニタリングし、その温度が閾値を超えたことを判定することができる。モニタリング装置は、温度が閾値を超えたと判断したことに応答して、コンピューティング装置108に警報を送信することができる。また、コンピューティング装置108は、例えば、緊急サービスに通知したり、火災警報器を作動させたりすることによって、この警報に応答することができる。
【0038】
いくつかの態様では、電力モニタリングモジュール110は、同じ時間範囲の間に、電源スイッチがオンとなっている可能性のある、あるいは動作モードを変更している可能性のある電気機器104a〜104cを識別することができる。例えば、電力モニタリングモジュール110は、総電気使用量が監視対象の環境102にて増加する第1の期間中に、2つの電気機器104a、104bが各動作パラメータの変化を経ているかを判定することができる。また、電力モニタリングモジュール110は、電気使用量の減少する第2の期間中に、電気機器104a(ただし電気機器104bではなく)が監視対象の動作パラメータの変化(例えば、温度の降下)を経たと判定するものであってもよい。また、電力管理モジュール110は、電気機器104aの監視対象の動作パラメータの変化から、電気機器104aが第2の期間中にオフとなったこと、あるいはその動作モードを変更したことを判定することができる。電力モニタリングモジュール110は、第1の期間中の電気機器104aによる電気使用量が、第2の期間中における総電気使用量の低減量に相当することを判定することができる。また、電力モニタリングモジュール110は、第1の期間中の電気機器104bによる電気使用量が、第1の期間中の電気機器104aによる電気使用量と第2の期間中における総電気使用量の増加量との差に相当することを判定することができる。
【0039】
追加又は代替の形態においては、電力管理モジュール110は、総電気使用量の多様な力率特性を用いて、監視対象の環境102内の異なる電気機器104a〜104cの動作を識別することができる。例えば、
図5は、監視対象の環境102における総電気使用量の変化に対応する、有効電力、無効電力、及び第3電流高調波における変化を示すグラフである。監視対象の環境102における総電気使用量の変化により生じる、有効電力の変化(ΔP)は、
図5中の第一軸上に示される。また、監視対象の環境102における総電気使用量の変化により生じる、無効電力の変化ΔQは、
図5中の第二軸上に示される。また、監視対象の環境102における総電気使用量の変化により生じる、第3電流高調波の変化は、
図5中の垂直軸上に示される。
【0040】
電力管理モジュール110は、電気機器104a〜104c用の既知の電力プロファイルに基づいて、総電気使用量の変化を、特定の電気機器104a〜104cと関連付けることができる。例えば、電力管理モジュール110は、第1の電気機器(例えば、白熱電球)用の第1の電力プロファイルと、第2の電気機器(例えば、コンピュータ)用の第2の電力プロファイルとを記述するデータにアクセスすることができる。第1の電力プロファイルは、電球をオンにすることが有効電力のプラスの変化と関連し、電球をオフにすることが有効電力のマイナスの変化と関連することを示し得る。また、第1の電力プロファイルは、電球をオン又はオフにすることが無効電力や第3電流高調波を変化させないことも示し得る。第2の電力プロファイルは、コンピュータをオンにすることが有効電力、無効電力、及び第3電流高調波と関連することを示し得る。また、第2の電力プロファイルは、コンピュータをオフにすることが有効電力、無効電力、及び第3電流高調波のマイナス変化と関連することも示し得る。
【0041】
図5に示すように、変化502は、監視対象の環境102に対する有効電力のプラス変化ΔPを示し、また、監視対象の環境102に対する無効電力の変化ΔQ又は第3電流高調波の変化がないことを示している。変化504は、監視対象の環境102に対する有効電力のマイナス変化ΔPを示し、また、監視対象の環境102に対する無効電力の変化ΔQ又は第3電流高調波の変化がないことを示している。電力管理モジュール110は、第1の電力プロファイルに基づいて、変化502、504が電球の動作(例えば、電球をオンする、電球をオフする)に対応することを判定することができる。また、電力管理モジュール110は、電球用監視対象の動作パラメータ(例えば、光の変化、放射熱など)に基づいて、電球がオン又はオフになったことも判定することができる。したがって、電力管理モジュール110は、これら変化502、504が電球により消費された電力の変化に対応することを判定することができる。
【0042】
電力管理モジュール110は、
図5の値に基づいて、コンピュータの動作モードの変化を判定することもできる。例えば、変化506は、監視対象の環境102に対して有効電力の変化ΔP、無効電力の変化ΔQ、及び、第3電流高調波のプラスの変化を示している。変化508は、監視対象の環境102に対して有効電力の変化ΔP、無効電力の変化ΔQ、及び、第3電流高調波のマイナスの変化を示している。電力管理モジュール110は、第2の電力プロファイルに基づいて、変化506及び508がコンピュータの動作(例えば、コンピュータをオンする、及びコンピュータをオフする)に対応することを判定することができる。電力管理モジュール110は、コンピュータ用の監視対象の動作パラメータ(例えば、振動や温度の変化など)に基づいて、コンピュータをオン又はオフしたことも判定することができる。したがって、電力管理モジュール110は、変化506及び508がコンピュータにより消費された電力変化であることを判定することができる。
【0043】
電力モニタリングシステム100を実現するには、任意の適切な装置を用いることができる。例えば、
図6は、
図1に示したモニタリングシステム100を実現するために用いられる、モニタリング装置106及びコンピューティング装置108の実施例を示したブロック図である。
【0044】
モニタリング装置106及びコンピューティング装置108は、それぞれ処理装置602、612を備えることができる。処理装置602,612の実施例は、これらに限定されないが、マイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、ステートマシーン、又はその他の適切なプロセッシングデバイスを含むものである。各処理装置602及び612は、それぞれ1を含む任意の数のプロセッシングデバイスを備え得る。いくつかの態様において、処理装置602が、モニタリング装置106から省略されることもある。処理装置602、612は、メモリ装置604、614などのコンピュータ読み取り可能な媒体に通信可能に連結することができる。処理装置602、612は、メモリ装置604、614にそれぞれ記憶された、コンピュータ実行可能なプログラム命令を実行するか、及び/又はこれらにそれぞれ格納された情報にアクセスすることができる。
【0045】
メモリ装置604及び614のうちの一方又は両方は命令を格納することができ、該命令は、処理装置602及び612により動作させられた時、処理装置602及び612の対応するいずれかに該命令に記述された動作を実施させるものである。メモリ装置604及び614のそれぞれは、コンピュータ読み取り可能な媒体であるとよい。これは、(ただし、限定されないが)、電子的、光学的、磁気的、又はその他の記憶装置などであり、処理装置にコンピュータ読み取り可能な命令を提供可能とするものである。電子的、光学的、磁気的、又はその他の記憶装置としては、これらに限定されないが、例えば、読み取り専用(「ROM」)デバイス(複数可)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)デバイス(複数可)、磁気ディスク(複数可)、磁気テープ(複数可)又はその他の磁気記憶装置、メモリチップ(複数可)、ASIC、構成プロセッサ(複数可)、光記憶装置(複数可)、又はコンピュータプロセッサが命令を読み取ることができる任意のその他の媒体が挙げられる。命令は、任意の適切なコンピュータプログラミング言語で書かれたコードからコンパイラ及び/又はインタプリタによって生成された、プロセッサ固有の命令を含んでもよい。適切なコンピュータプログラミング言語は、これらに限定されないが、例えば、C、C++、C#、Visual Basic(登録商標),Java(登録商標)、Python(登録商標)、Perl(登録商標)、JavaScript(登録商標)、ActionScript(登録商標)、などが挙げられる。
【0046】
図6に示すモニタリング装置106及びコンピューティング装置108は、それぞれバス606及び616を備える。バス606及び616のそれぞれは、モニタリング装置106及びコンピューティング装置108のいずれか一つにおいて、1つ以上の構成要素を通信可能に接続することができる。
【0047】
なお、処理装置602及び612、メモリ装置604及び614、ならびにバス606及び616は、それぞれ互いに通信可能な個別の構成要素として
図6に図示されているが、他の実施形態も可能である。例えば、処理装置602及び612、メモリ装置604及び614、ならびにバス606及び616は、モニタリング装置106及び/又はコンピューティング装置108に配置されプログラミングコードを格納及び実行可能な各プリント回路基板、又はその他の適切な装置の各構成要素とすることも可能である。
【0048】
モニタリング装置106及びコンピューティング装置108は、各通信装置608及び618をも備えることができる。これら通信装置608及び618は、通信リンク112を確立するように構成可能である。通信装置608及び618としては、これらに限定されないが、例えば、電力線トランシーバ、マイクロ波トランシーバ、イーサネット(登録商標)トランシーバなどが挙げられる。
【0049】
図6に示すように、モニタリング装置106はまた、バス606に通信可能に連結されたセンサ607と、モニタリング装置106のハウジングと連結又は一体化可能な構造体609と、メモリ装置604に格納された電力状況モジュール610とを備える。センサ607は、電気機器の動作パラメータをモニタリングすることができる。センサ607は、これらに限らないが、例えば、温度センサ、振動センサ、熱流束センサ、光センサ、音響センサなどが挙げられる。センサ607は、例示用として1つだけ記載しているが、このセンサ607は、複数のセンサを備え、これらを用いて異なる動作パラメータを検出したり(例えば、振動及び温度の両方のモニタリング)、及び/又は監視対象のの電気機器に対して異なる位置で同一の動作パラメータを検出したりすること(例えば、電気機器の表面での温度と当該電気機器から若干離れた所での周辺温度の検出)が可能である。電力状況モジュール610には、センサ607を用いてモニタリング装置106により監視対象の動作パラメータに関するデータを、サンプリングし、収集し、集約し、処理し、さもなければ利用する処理装置602を構成することができる。
【0050】
構造体609は、モニタリング装置106を電気機器に連結したり、あるいは電気機器の動作パラメータをセンサーが測定するのに適した位置にモニタリング装置106を配置するのに用いることができる、任意の構成要素又は構成要素の集合体を備えることができる。構造体609は、これらに限られないだろうが、例えば、磁石、接着面、ブラケット、クランプ機構などが挙げられる。
【0051】
図6はまた、コンピューティング装置108のメモリ装置614内に格納された電力モニタリングモジュール110を示している。処理装置612は、モニタリング装置106が取り付けられているか、あるいはモニタリング装置106が同じ位置に配置されている電気機器について、その電気機器による電気使用量をモニタリングするための1つ以上の動作を行うように、電力モニタリングモジュール110を実行することができる。例えば、電力モニタリングモジュール110は、本方法200に対して、上述した動作を実施することができる。
【0052】
全般的な考察
本明細書では、特許請求の範囲の対象が完全に理解されるように、多くの具体的な詳細について記載している。ただし、当業者であれば、これらの特定の詳細事項がなくても、特許請求の範囲の対象が実施され得ることを理解するであろう。他の例では、特許請求の範囲の対象を曖昧にしないように、いずれかの当業者により知られている方法、装置、又はシステムについては、詳細は説明を省いている。
【0053】
本明細書にて議論されている特徴は、任意の特定のハードウエアアーキテクチャ又は構成に限定されない。コンピューティング装置は、1つ以上の入力を条件に結果を生じる任意の適切な構成要素の配置を備えることができる。適切なコンピューティング装置は、多目的マイクロプロセッサベースのコンピュータシステムを備えている。このコンピュータシステムは、汎用演算装置から、本発明の対象の1つ以上の態様を実施する特定のコンピューティング装置までを対象として、当該コンピュータシステムをプログラミング又は構築する格納されたソフトウエアにアクセスするものである。任意の適切なプログラミング、スクリプト記述、又はその他の種類の言語や言語の組み合わせを用いて、コンピューティング装置をプログラミング又は構築するのに用いるソフトウエア内で本明細書の教示内容を実行するようにしてもよい。
【0054】
コンピュータメモリなどの演算システムメモリ内に格納されたデータビットや2値デジタルシグナルに基づいた操作を、アルゴリズムや記号表現で表記する部分もいくつか存在する。これらのアルゴリズム記述又は表記は、データ処理技術の当業者が同じ分野の他の当業者に対して自分の仕事の内容を伝えるのに用いる技術の例である。アルゴリズムは、所望の結果につながる、一連の首尾一貫した操作又は類似処理である。これに関連して、操作又は処理は、物理量の物理的な操作を含む。典型的には、必ずしも必要ではないが、このような物理量は、記憶、送信、組み合わせ、比較、又はさもなければ操作され得る電気又は磁気的な信号の形態をとることができる。主に、一般的な用法という理由で、ビット、データ、値、要素、記号、符号、用語、数、数値などの形態でこのような信号を参照することは時として便利であると証明されている。しかしながら、これらのすべてや類似用語は、適切な物理量と関連されるべきであり、単なる便利なラベルにすぎないことを理解すべきである。特段記述しない限り、本明細書全体を通して、「処理」、「演算」、「計算」、「判定」、「識別」などの用語を用いて論ずるのは、1つ以上のコンピュータや類似の電子計算機器などのコンピューティング装置の動作や処理に言及していることは明らかである。ここで、これらコンピューティング装置は、物理的、電子的、又は磁気的な量として表現されたデータを、演算プラットフォームのメモリ、レジスタ、又はその他の記憶装置、送信装置、又は表示装置内において操作又は変換するものである。
【0055】
本明細書にて論じたシステム(又は複数のシステム)は、任意の特別なハードウエアアーキテクチャや構成に限定されない。コンピューティング装置は、1つ以上の関数呼び出しを条件に結果を提供する任意の適切な構成要素の配置を備えることができる。適切なコンピューティング装置は、多目的マイクロプロセッサベースのコンピュータシステムを備えている。このコンピュータシステムは、汎用コンピューティング装置から、本発明の対象の1つ以上の態様を実施する特定のコンピューティング装置までを対象として、当該コンピュータシステムをプログラミング又は構築する格納されたソフトウエアにアクセスするものである。任意の適切なプログラミング、スクリプト記述、又はその他の種類の言語や言語の組み合わせを用いて、コンピューティング装置をプログラミング又は構築するのに用いるソフトウエア内で本明細書の教示内容を実行するようにしてもよい。
【0056】
本明細書に開示の複数の方法の態様は、このようなコンピューティング装置の動作で実行されるようにしてもよい。上記本実施例に示したブロックの順番は、変形することもでき、例えば、ブロックを並び替えたり、組み合わせたり、及び/又は分割してサブブロックにすることも可能である。一定のブロック又は処理は、並行して実行することができる。
【0057】
本明細書では、「となされる(adapted to)」や「構成される(configured to)」といった用語の使用は、追加的な仕事や工程を実行するようになされた、又は構成された装置を除外しないことを意味し、これらの表現は、オープンランゲージであって、他の構成要素を含み得ることを意図する表現である。加えて、「〜に基づく」という用語の使用は、オープンであって他の構成要素を含み得ることを意図しており、1つ以上の引用した条件や値に「基づいた」処理、工程、計算、又はその他の行動が、実際には、引用を超えた追加の条件や値に基づくこともあり得ることを意味している。本明細書に含まれる見出し、リスト、番号付けは、説明を容易にするためのみのものであり、限定するものではない。
【0058】
本発明の対象は、その特定の態様に関して詳細に説明してきたが、当業者は、上記の理解を得る際に、容易にこのような態様に改変や変形を施したり、均等物を生成したりし得ることは理解されるであろう。したがって、本開示内容は、限定よりもむしろ実施例の目的のために提示されており、本対象にこのような改変、変形、及び/又は追加を含めることは、当業者にとって非常に自明であり、除外されないことは理解されるべきである。