特許第6771390号(P6771390)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6771390中空繊維モジュールの生産のための方法および中空繊維モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6771390
(24)【登録日】2020年10月1日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】中空繊維モジュールの生産のための方法および中空繊維モジュール
(51)【国際特許分類】
   B01D 63/02 20060101AFI20201012BHJP
   B01D 63/00 20060101ALI20201012BHJP
【FI】
   B01D63/02
   B01D63/00 500
【請求項の数】14
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-569973(P2016-569973)
(86)(22)【出願日】2015年4月11日
(65)【公表番号】特表2017-516650(P2017-516650A)
(43)【公表日】2017年6月22日
(86)【国際出願番号】EP2015000766
(87)【国際公開番号】WO2015180810
(87)【国際公開日】20151203
【審査請求日】2018年4月10日
(31)【優先権主張番号】102014107583.8
(32)【優先日】2014年5月28日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】507266912
【氏名又は名称】ザトーリウス ステディム ビオテーク ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(74)【代理人】
【識別番号】100151068
【弁理士】
【氏名又は名称】塩崎 進
(74)【代理人】
【識別番号】100135943
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 規樹
(72)【発明者】
【氏名】レクゥエート,ヴィルヘルム
(72)【発明者】
【氏名】ヘルヴィッヒ,ジェリード
(72)【発明者】
【氏名】ワートマイヤー,ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】アーペルト,ウルリッヒ
【審査官】 関根 崇
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2003/051495(WO,A1)
【文献】 特表2003−520617(JP,A)
【文献】 特開平05−007740(JP,A)
【文献】 特表昭60−500083(JP,A)
【文献】 特開平02−214527(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 63/00−02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空繊維モジュール(1、1’)の生産のための方法であって、
ここで、第1ステップ中に、中空繊維束(3)は、モジュールハウジング(2、2’)中へ挿入され、および、前記モジュールハウジング(2、2’)の少なくとも一端は、キャップ(17)によって閉じられ、
ここで、第2ステップ中に、スペーサを形成し、および固体状になり得る流体である第一構成要素(27)は、第一流入口(26)を経由して、中空繊維端(6、7)と前記キャップ(17)との間に配置される中間の空間中へ詰められ、ここで、前記中空繊維端(6、7)は、前記第一構成要素(27)中へ突き出て、第一構成要素(27)は前記中空繊維を閉じ、および、
第3ステップ中に、流体である硬化可能な第二構成要素(4)は、前記第一構成要素(27)の上流に導入され、第二流入口(28)を経由して、前記キャップ(17)から離れる方に向けられ、第一構成要素(27)および第二構成要素(4)の境界が端面(10)を形成し、ここで、前記第二構成要素(4)は、硬化された状態中のとき、前記中空繊維束(3)を埋め込み、および、隣接したモジュールハウジング壁(29、29’)に関してその中空繊維束(3)を密閉する密閉層(9)を形成し、前記キャップ(17)は除去可能なスプルーカバー(18、18’、18”)として構成されており、凝固した状態でプラグ(30)を形成する前記第一構成要素(27)および前記プラグ(30)中に埋め込まれる前記中空繊維端(6)を含むものであり、中空繊維端(6)は、前記第二構成要素(4)によって形成される前記層(9)の前記端面(10)の外に突き出るものであり、前記第二構成要素(4)の硬化の後、前記キャップ(17)が端面(10)において分離して除去されることを特徴とする、前記方法。
【請求項2】
スプルーカバー(18、18’、18”)が除去されるとき、中空繊維(5)が、第一構成要素(27)および第二構成要素(4)によって形成される境界層中に切断されることにおいて特徴づけられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
スプルーカバー(18、18’、18”)が、回転し、引く動きで除去されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
第2ステップと第3ステップとの間に、モジュールハウジング(2、2’)中の第一構成要素(27)が、遠心分離機中で遠心分離されて平らな層を形成することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
モジュールハウジング(2、2’)中の第二構成要素(4)が、第3ステップ中の第一構成要素の凝固(27)の後、および、第二構成要素(4)の硬化の前に、遠心分離されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
第1ステップの前に、中空繊維束(3)が、支持ファブリックを提供されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
第1ステップの前に、中空繊維束(3)が、前もって指定された長さへ切られることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
シリコーンが、第一流体構成要素(27)としてモジュールハウジング(2、2’)中へ詰められ、および、ポリウレタンは、第二流体構成要素(4)としてモジュールハウジング(2、2’)中へ詰められることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法によって生産される中空繊維モジュール(1、1’)であって、モジュールハウジング(2、2’)中に配置される中空繊維束(3)を有し、中空繊維モジュールの端部に長手方向を横切って、硬化した第二構成要素(4)で作られる、少なくとも1つの密閉層(9)を有し、ここで、前記密閉層(9)は、前記中空繊維束(3)を埋め込み、および、隣接したモジュールハウジング壁(29、29’)に関してその中空繊維束(3)を密閉し、中空繊維端(7)、および前記中空繊維端(7)に面する前記密閉層(9)の端面(10)が、その中で中空繊維(5)のルーメン(11)が自由にアクセス可能である共通の平面を形成すること、および前記密閉層(9)の前記端面(10)が、前記モジュールハウジング(2、2’)の隣接した開放端(13、13’)の端面(12)に関して、前もって指定可能な距離(14)によって凹みにされることを特徴とする、前記中空繊維モジュール。
【請求項10】
モジュールハウジング(2)が、剛塑性ハウジングとして設計されることを特徴とする、請求項9に記載の中空繊維モジュール。
【請求項11】
モジュールハウジング(2’)が、可撓管として設計されることを特徴とする、請求項9に記載の中空繊維モジュール。
【請求項12】
モジュールハウジング(2’)の開放端(13’)が、管コネクタ(16)へ直接接続され得ることを特徴とする、請求項11に記載の中空繊維モジュール。
【請求項13】
請求項9〜11のいずれか一項に記載の中空繊維モジュール(1、1’)を生産するためのスプルーカバー(18、18’、18”)としての使用のためのキャップ(17)であって、前記スプルーカバー(18、18’、18”)が、モジュールハウジング(2 2’)の開放端(13、13’)中へ挿入される外周カラー(19、19’、19”)を有し、外周カラーは挿入される際に中空繊維束(3)の開放した中空繊維端(6)を受け入れること、前記カラー(19、19’、19”)が、端壁(25)によって、前記中空繊維束(3)から離れて面するその端上で閉じられること、および前記スプルーカバー(18、18’、18”)が、第一流体構成要素(27)のための第一流入口(26)を有することを特徴とする、前記キャップ。
【請求項14】
外周カラー(19、19’、19”)が、中空繊維束(3)に面するその内表面(20、20’、20”)上にプロファイリング(21)または抵抗要素(22、23)を有することを特徴とする、請求項13に記載のキャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野
本発明は、中空繊維モジュールの生産のための方法に関し、ここで、第1ステップ中に、中空繊維束は、モジュールハウジング中へ挿入され、および、モジュールハウジングの少なくとも一端は、キャップによって閉じられ、ここで、第2ステップ中に、スペーサを形成し、固体状になり得る流体である第一構成要素は、第一流入口を経由して、中空繊維端とキャップとの間に配置される中間の空間中へ詰められ、ここで、中空繊維端は、第一構成要素中へ突き出て、および、ここで、第3ステップ中に、流体である硬化可能な第二構成要素は、第二流入口を経由して、キャップから離れる方に向けられて第一構成要素の上流に導入され、ここで、硬化された状態における第二構成要素は、中空繊維束を埋め込み、および、隣接したモジュールハウジング壁に関してその中空繊維束を密閉する密閉層を形成する。
【0002】
本発明はさらに、その縦方向を横切るように端部において、硬化した構成要素で作られた、少なくとも1つの密閉層を有するモジュールハウジング中に配置された中空繊維束を備える中空繊維モジュールに関し、ここで、密閉層は、中空繊維束を埋め込み、および、隣接したモジュールハウジング壁に関してその中空繊維束を密閉する。
【0003】
先行技術
中空繊維モジュールの生産のための方法は、WO 00/06357 A1から知られている。ここで、第1ステップにおいて、中空繊維束は、モジュールハウジング中へ挿入され、および、モジュールハウジングの少なくとも一端は、キャップによって閉じられる。第2ステップにおいて、スペーサを形成し、および、固体状にもなり始め得る、流体である第一構成要素は、中空繊維端とキャップとの間に据えられる中間の空間中へ、第一流入口を経由して詰められ、ここで、中空繊維端は、第一構成要素中へ突き出る。第3ステップにおいて、流体である硬化可能な第二構成要素は、第二流入口を経由し、キャップから離れる方に向けられて、第一構成要素の上流に導入される。硬化された状態における第二構成要素は、中空繊維束を埋め込み、および、隣接したモジュールハウジング壁に関してその中空繊維束を密閉する密閉層を形成する。
【0004】
知られている方法の不利な点は、キャップが統合された部分であり、および、除去され得ないことである。したがって、第一構成要素は、中空繊維モジュールから除去されなければならない。第一構成要素が凝固した場合、溶媒で、または、温度を高めることによって、液体の状態に戻さなければならない。さらに不利な点は、第一構成要素の除去の後、中空繊維端が、第二構成要素によって形成される層を突き出ること、および、ことによるとちぎれ得ることである。加えて、望ましくない汚染は、清潔な端上で起き得る。
【発明の概要】
【0005】
本発明が解決しようとする課題
本発明が解決しようとする課題は、中空繊維モジュールの生産のための方法を提供すること、および、一方で製造するのにより簡単かつより高価でなく、他方で、中空繊維束の中空繊維端がちぎれることから保護される中空繊維モジュールを提供することの課題である。
【0006】
本発明の説明
方法に関する課題は、請求項1のプリアンブルの構成と共に、第二構成要素の硬化に続いて、凝固したプラグを形成する第一構成要素と一緒に除去可能なスプルー(sprue)カバーとして設計されるキャップ、および、プラグ中に埋め込まれ、第二構成要素を形成する層から突き出る中空繊維端が、モジュールハウジングから除去されることによって、解決される。
【0007】
スプルーカバーとして構成されているキャップが、凝固したプラグを形成する第一構成要素、および、プラグ中に埋め込まれている中空繊維端と一緒に除去されるので、とても時間のかかる第一構成要素を溶かし、吸い出すことを行う必要はもはやない。加えて、第二構成要素の硬化した層を突き出た、ちぎれとれるかもしれない繊維端は、存在しない。
【0008】
さらに、本発明の方法は、中空繊維モジュールの設計のためのより大きな自由を作り出す。特に、中空繊維端は、前もって指定可能な距離だけモジュールハウジングの開放端面から奥まった、平らな端面において終端とすることができる。この場合において、難しく、時間のかかる内部の準備は、必要ではない。加えて、後で取り付けられ得るキャップは、よりシンプルな設計を有し得る。
【0009】
好ましい態様は、従属請求項の主題である。
本発明の1つの好ましい態様によると、スプルーカバーが除去される場合、第一構成要素および第二構成要素によって形成される境界層中の中空繊維は、切断される。中空繊維端と共通の平面表面を形成する第二構成要素の端面は、この場合におけるいずれのさらなる処理も受け入れる必要はない。中空繊維のルーメン(lumen)は、さらなる準備なしに、自由にアクセス可能である。この場合におけるスプルーカバーは、好ましくは、回転し、引く動作で除去される。回転のために、境界表面の中空繊維端−すなわち、第二構成要素の硬化した層の端面中に−は、せん断されて離断し、引く動作によって、スプルーカバーは、第一構成要素のプラグ中に埋め込まれた中空繊維端と一緒に、除去される。
【0010】
本発明の1つの好ましい態様によると、モジュールハウジングは、第2ステップと第3ステップとの間で、遠心分離機中で遠心分離される。さらに好ましい態様によると、第一構成要素の凝固の後および第二構成要素の硬化に先立って、モジュールハウジングは、好ましくは、もう一度遠心分離される。このようにして、平らな層は、第一構成要素および第二構成要素のそれぞれから相対的に短時間中に形成され得る。
【0011】
本発明の1つの好ましい態様によると、第1ステップの前に、中空繊維束は、支持ファブリック(support fabric)を装えつけられる。このようにして、中空繊維束は、より簡単にモジュールハウジング中へ挿入され得る。第1ステップすなわち、モジュールハウジング中への中空繊維束の挿入−の前に、中空繊維束は、前もって指定された長さへ適当に切られる。
【0012】
本発明のさらに好ましい態様によると、シリコーンが、第一流体構成要素としてモジュールハウジング中へ詰められ、および、第二流体構成要素として、ポリウレタンが、モジュールハウジング中へ詰められる。スプルーカバーが回転されるとき、シリコーンプラグが比較的簡単に−すなわち、過剰な力なしに−第一構成要素と第二構成要素との間のインターフェースで分離するように、シリコーンは、ある弾性を有し、および、硬化したポリウレタンとの固い接着を確立しない。しかしながら、同時に、それは、第一構成要素と第二構成要素との間のインターフェースでその中空繊維端をせん断し、切断する。
【0013】
本発明の他の1つの態様において、シリコーンが、第一流体構成要素としてモジュールハウジング中へ詰められ、および、第二流体構成要素として、エポキシ接着剤が、モジュールハウジング中へ詰められる。代替的に、1:1、1:2または1:3の比率におけるシリコーンおよびポリウレタンの混合物は、第一流体構成要素として使用され得、および、ポリウレタンは、第二流体構成要素として使用され得る。
特に、本発明による方法において、第二構成要素によって形成される硬化した層の位置および厚さは、変わり得る。
【0014】
中空繊維モジュールに関する課題は、請求項9のプリアンブルと共に、中空繊維端、および中空繊維端に面する密閉層の端面が、その中で中空繊維のルーメンが自由にアクセス可能である共通の平面を形成し、および、密閉層の端面が、モジュールハウジングの開放端の端面に対して相対的に、あらかじめ定めた距離だけ奥まった位置にされることによって、解決される。
【0015】
中空繊維端、および中空繊維端に面する密閉層の端面が、中空繊維のルーメンが自由にアクセス可能となる共通の平面を形成するため、後の処理によって中空繊維端を開ける必要はない。加えて、ちぎれ得る密閉層から突出して、ちぎれるかもしれないような遊離端はない。端面は、モジュールハウジングの開放端から、あらかじめ定めた距離だけ奥まっているため、中空繊維モジュールは、比較的に広範な応用を有し得る。凹みにされる端面によって生産される空間は、いずれの曝された中空繊維端によってもブロックされないため、他の目的のために使用され得る。
【0016】
本発明の1つの好ましい態様によると、モジュールハウジングは、剛塑性ハウジングとして設計される。 この場合において、異なるコネクタまたは端キャップは、例として、溶接され得、または、接着され得る。
本発明のさらに好ましい態様によると、モジュールハウジングは、可撓管として設計される。可撓管としての設計は、モジュールハウジングの開放端が、例えば管クリップとして設計される管コネクタへ直接接続されることを可能にする。
【0017】
加えて、本発明は、請求項9〜11のいずれか一項に記載の中空繊維モジュールの生産におけるスプルーカバーとしての使用のためのキャップに関し、ここで、スプルーカバーは、モジュールハウジングの開放端中へ挿入され得、および、挿入されるとき、中空繊維束の開放した中空繊維端を受け入れる周辺のカラー(collar)を有し、ここで、カラーは、端壁によって中空繊維束から離れて面するその端上で閉じられ、ここで、スプルーカバーは、第一流体構成要素のための第一流入口を有する。このことは、流入口がスプルーカバーの端壁中に配置される場合に生産をよりシンプルにするため、好ましい。
【0018】
本発明の好ましい態様によると、周辺のカラーは、中空繊維束に面するその内表面上にプロファイリングまたは抵抗要素(profiling or resistive element)を有する。プロファイリングおよび/または抵抗要素は、スプルーカバー中に形成されるプラグがスプルーカバーへ相対的に回転し得ないように、キャップ中へ給送される第一構成要素と一緒に、その凝固の後に、完全に合った(positive-fit)接続を形成する。これは、回転−すなわち、キャップの回転−の間、繊維端が実際にせん断されることを確実にする。
本発明のさらなる特質および利点は、続く具体的な説明および図面から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図面の簡潔な説明
図1図1は、スケッチされた横断面における中空繊維モジュールの側面図を示す;
図2図2は、まだ流体構成要素のない、取り付けられるキャップを備えた中空繊維モジュールの、スケッチされた横断面における側面図を示す;
図3図3は、中に詰められた第一構成要素を備える、図2中の中空繊維モジュールの、スケッチされた横断面における側面図を示す;
【0020】
図4図4は、中に詰められた第二構成要素を備える、図3中の中空繊維モジュールの、スケッチされた横断面における側面図を示す;
図5図5は、プラグを包含し、第一構成要素から引き出されたスプルーカバーを備え、および、はさみ切られた中空繊維端を備える、図4中の中空繊維モジュールの、スケッチされた横断面における側面図を示す;
図6図6は、管クリップ中へ差し込まれるさらなる中空繊維モジュールの、スケッチされた横断面における側面図を示す;
【0021】
図7図7は、カラーおよびプロファイリングを有する内表面を備える、スプルーカバーとして設計されるキャップの平面図を示す;
図8図8は、カラーおよび抵抗要素を有する内表面を備える、スプルーカバーとして設計されるキャップの平面図を示す;
図9図9は、カラーおよび抵抗要素を有する内表面を備える、スプルーカバーとして設計されるキャップの平面図を示す;および
図10図10は、X−X線に沿って切られる、図8中のキャップの横断面中の側面図を示す。
【0022】
好ましい態様の説明
中空繊維モジュール1は、実質的に、モジュールハウジング2、中空繊維束3および第二構成要素4を含む。
【0023】
図1〜5中に示される態様において、モジュールハウジング2は、相対的に剛塑性のシリンダとして設計される。
中空繊維束は、初期状態において中空繊維端6を、および、仕上がった状態において中空繊維端7を備えた、複数の中空繊維5からなる。
【0024】
第二構成要素4は、中空繊維モジュール1の縦の軸8に対して横の層9を形成し、硬化したときに中空繊維端7を埋め込み、および、モジュールハウジング2に関して中空繊維束3を密閉する。仕上がった状態において、層9は、中空繊維端7と一緒に、共通の平面を形成する端面10を有し、そこにおいて中空繊維5のルーメン11が自由にアクセス可能である。密閉層9の端面10は、あらかじめ定めた距離14の分だけモジュールハウジング2の開放端13の端面12から奥まっている。
【0025】
図6中に示される態様において、モジュールハウジング2’は、可撓管15として設計される。モジュールハウジング2’の開放端13’は、図6中のように、管コネクタ16へ直接接続され得る。
【0026】
中空繊維モジュール1、1’を生産するために、第1ステップ中に、中空繊維束3は、モジュールハウジング2、2’中へ挿入される。挿入をしやすくするために、中空繊維束3は、示されない支持ファブリックを提供され得る。その開放端13、13’上に、モジュールハウジング2、2’は、除去可能なスプルーカバー18として設計されるキャップ17によって閉じられる。スプルーカバー18は、それが開放した中空繊維端6を受け入れ、その内表面20で中空繊維束3を包囲するような仕方でモジュールハウジング2の開放端13中へ挿入され得る外周カラー19を含む。スプルーカバー18のカラー19は、内部空間24を包囲する、その内表面20上に、プロファイリング21を有し得る(図7を参照)。図8および図10中のように、スプルーカバー18’は、空洞24’を包囲する、その内表面20’上に、輻肋(radial ribs)の形態における抵抗要素22も有し得る。図9によると、スプルーカバー18”は、内部空間24”を取り囲むカラー19”の内表面20”上に、内部空間24”中へ弧状に突き出る抵抗要素23を有し得る。スプルーカバー18、18’、18”は、中空繊維束3から離れて面するカラー19、19’、19”のその端上で、端壁25を有する。第一構成要素27のための第一流入口26は、端壁25中に配置される。
【0027】
モジュールハウジング2がキャップ17によってその開放端上に密閉された後、第2ステップ中に、流体である第一構成要素27は、キャップ17および/またはスプルーカバー18の第一流入口26を経由して、中空繊維端6とキャップ17との間に配置される中間の空間中へ詰められ、ここで、中空繊維端6は、第一構成要素27中へ突き出る(図3を参照)。任意で、続く第3ステップに先立って、および、第一構成要素27の凝固の前に、モジュールハウジング2は、挿入される中空繊維束3を備え、およびスプルーカバー18を備え、およびそのモジュールハウジング2中へ詰められる第一構成要素27を備えて、図示されない遠心分離機中で遠心分離され得る。第3ステップ中に、流体の第二構成要素4は、モジュールハウジング2中に配置される第二流入口28(図4を参照)を有する。 任意で、第一構成要素27の凝固の後、および第二構成要素4の硬化に先立って、モジュールハウジング2は、中空繊維束3およびキャップ7を備えて、再び遠心分離される。硬化したとき、第二構成要素4は、層9を形成し、中空繊維束3を埋め込み、および、隣接したモジュールハウジング壁29に関して密閉を作り出す。
【0028】
第二構成要素4の硬化の後、プラグ30中に埋め込まれる中空繊維端6と一緒に凝固したプラグ30を形成する第一構成要素27を包含し、その中空繊維端6が第二構成要素4によって形成される層9の端面10から突出するスプルーカバー18は、除去される。スプルーカバーは、回転し、引く動作中に除去される。回転する動作のため、中空繊維端6は、せん断され、および、スプルーカバー18は、プラグ30および埋め込まれた中空繊維端6を備えて引き出され得る。
【0029】
態様によると、シリコーンは、第一流体構成要素27としてモジュールハウジング2中へ詰められ、および、ポリウレタンは、第二流体構成要素4としてモジュールハウジング2中へ詰められる。図示されない本発明の他の1つの態様において、シリコーンは、第一流体構成要素としてモジュールハウジング中へ詰められ、および、第二流体構成要素として、エポキシ接着剤は、モジュールハウジング中へ詰められる。代替的に、1:1、1:2または1:3の比率におけるシリコーンおよびポリウレタンの混合物は、第一流体構成要素として使用され得、および、ポリウレタンは、第二流体構成要素として使用され得る。
【0030】
もちろん、具体的な説明中に議論され、および、図中に示される態様は、本発明の例示の態様を表すだけである。本開示は、広い一連のバリエーションの選択肢を当業者に提供する。
【0031】
参照番号のリスト
1、1’ 中空繊維モジュール
2、2’ モジュールハウジング
3 中空繊維束
4 第二構成要素
5 中空繊維モジュール
6 中空繊維端(初期状態)
7 中空繊維端(仕上がった状態)
8 1の縦の軸
9 4の層
10 9の端面
11 5のルーメン
12 2の端面
13、13’ 2/15の開放端
14 距離
15 2の管
16 管接続
17 キャップ
18、18’、18’’ スプルーカバー
19、19’、19’’ 18のカラー
20、20’、20’’ 19の内表面
21 プロファイリング
22 抵抗要素
23 抵抗要素
24、24’、24’’ 内部空間
25 端壁
26 第一流入口
27 第一構成要素
28 2の第二流入口
29 2のモジュールハウジング壁
30 27のプラグ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10