(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
薬学的に許容される塩が、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、炭酸塩、一水素炭酸塩、リン酸塩、一水素リン酸塩、二水素リン酸塩、硫酸塩、一水素硫酸塩、二水素硫酸塩、又は亜リン酸塩から選択され、例えば塩酸塩又は二水素硫酸塩から選択される、請求項6に記載の組合せ物。
第2の治療剤が、結核の処置用に承認を受けた又は推奨される治療剤であり、第2の治療剤が、イソニアジド、リファンピン、ピラジナミド、エタンブトール、モキシフロキサシン、リファペンチン、クロファジミン、ベダクイリン(TMC207)、ニトロイミダゾ-オキサジンPA-824、デラマニド(OPC-67683)、オキサゾリジノン(例えば、リネゾリド、テジゾリド、ラデゾリド、ステゾリド(PNU-100480)、又はポシゾリド(AZD-5847)から選択される)、EMBアナログであるSQ109、ベンゾチアジノン、ジニトロベンズアミド、及び抗レトロウイルス剤を含む抗ウイルス剤から独立して選択される、請求項6又は請求項7に記載の組合せ物。
抗レトロウイルス剤が、ジドブジン、ジダノシン、ラミブジン、ザルシタビン、アバカビル、スタブジン、アデホビル、アデホビルジピボキシル、ホジブジン、トドキシル、エムトリシタビン、アロブジン、アムドキソビル、エルブシタビン、ネビラピン、デラビルジン、エファビレンズ、ロビリデ、イムノカル、オルチプラズ、カプラビリン、レルシビリン、GSK2248761、TMC-278、TMC-125、エトラビリン、サクイナビル、リトナビル、インジナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、ホサンプレナビル、ブレカナビル、ダルナビル、アタザナビル、チプラナビル、パリナビル、ラシナビル、エンフビルチド、T-20、T-1249、PRO-542、PRO-140、TNX-355、BMS-806、BMS-663068及びBMS-626529、5-ヘリックス、ラルテグラビル、エルビテグラビル、GSK1349572、GSK1265744、ビクリビロック(Sch-C)、Sch-D、TAK779、マラビロク、TAK449、ジダノシン、テノホビル、ロピナビル、又はダルナビルであり、例えば、抗レトロウイルス剤が、GSK1349572、GSK1265744である、請求項8又は請求項9に記載の組合せ物。
疾患が、結核、ハンセン病、ジョーンズ疾患、Buruli若しくはBairnsdale潰瘍、クローン病、肺疾患又は肺感染、肺炎、滑液包、滑膜、腱鞘、限局性の膿瘍、リンパ節炎、皮膚及び軟組織の感染、レディーウィンダミア症候群、MAC肺疾患、伝播性マイコバクテリウム・アビウム・コンプレックス(DMAC)、伝播性マイコバクテリウム・アビウムイントラセルラーレ・コンプレックス(DMAIC)、ホットタブ肺、MAC乳腺炎、MAC化膿性筋炎、マイコバクテリウム・アビウム副結核、又は肉芽症から選択される、請求項11に記載の医薬製剤又は組合せ物。
疾患が、結核、ハンセン病、ジョーンズ疾患、Buruli若しくはBairnsdale潰瘍、クローン病、肺疾患又は肺感染、肺炎、滑液包、滑膜、腱鞘、限局性の膿瘍、リンパ節炎、皮膚及び軟組織の感染、レディーウィンダミア症候群、MAC肺疾患、伝播性マイコバクテリウム・アビウム・コンプレックス(DMAC)、伝播性マイコバクテリウム・アビウムイントラセルラーレ・コンプレックス(DMAIC)、ホットタブ肺、MAC乳腺炎、MAC化膿性筋炎、マイコバクテリウム・アビウム副結核、又は肉芽症から選択される、請求項17に記載の使用。
【発明を実施するための形態】
【0099】
表1は、置換ベンゾオキサボロールに対する、非マイコバクテリア株に対するMIC値を提供する。
【0100】
表2は、比較物の置換ベンゾオキサボロールに対するLeuRS阻害IC50値、結核菌標準株Mtb H37Rvに対するMIC値、ヒトHepG2細胞に対する毒性値、及び選択性の値を提供する。
【0101】
表3は、ある特定の例示された本発明の化合物に対するLeuRS阻害IC50値、結核菌標準株Mtb H27Rvに対するMIC値、ヒトHepG2細胞に対する毒性値、及び選択性の値を提供する。
【0102】
具体的な実施形態の詳細な説明
「動物」は、本明細書で使用する場合、多細胞生物(ウシ、ヒツジ、ヤギ、イヌ及びネコを含む家畜及びペット、又は免疫抑制を受けているヒトを含むヒトを含む)を含む、生物界(動物界)のいずれかを意味する。
【0103】
「本発明の化合物」は、本明細書で使用する場合、マイコバクテリア感染を処置する際に使用するものとして本明細書に記載されており、及び/又は特に、他の非マイコバクテリア株に対する活性と比較した場合に、マイコバクテリアに対する活性を有し、特に結核菌株を死滅させる選択性を有する化合物を指す。
【0104】
「本発明の組合せ」は、本明細書で使用する場合、本明細書に記載されている及び/又は例示されている化合物、並びにこれらの化合物の塩(例えば、薬学的に許容される塩)、プロドラッグ、溶媒和物及び水和物の組合せを指す。
【0105】
「ジアステレオマー」は、本明細書で使用する場合、他の立体異性体の鏡像ではない、一対の立体異性体の1つを指す。
【0106】
「鏡像異性体」は、本明細書で使用する場合、他の鏡像異性体の鏡像である、重なり合わせることができない、一対のラセミ化合物(ラセミ体)の1つを指す。鏡像異性体は、純粋な形態にある場合、偏光面を1つの方向又はもう一方の方向に回転する特性を有しているが、ラセミ混合物としては、この混合物は偏光面を回転しない。
【0107】
化合物、その組合せ又はその製剤の「有効」量は、その製剤の組合せを含めた、マイコバクテリア、特に結核菌の増加若しくは増殖を阻害し、又はこれを死滅させる活性剤である化合物の量であって、その量が、所望の局所又は全身効果をもたらすのに十分な量を意味する。「治療有効」又は「薬学的に有効な」量は、組合せ又はその製剤を含む化合物の、望ましい治療結果又は薬学的結果を実現するのに十分な量を指す。
【0108】
用語「薬学的に許容される塩」は、本明細書において記載されている化合物に見出される特定の置換基に応じて、比較的非毒性の酸又は塩基を用いて調製される、本明細書に記載されている化合物の塩を含むことが意図される。本明細書に記載されている化合物が、比較的酸性の官能基を含有する場合、塩基付加塩は、中性形態のそのような化合物に十分量の所望の塩基を、無溶媒又は適切な不活性溶媒中のどちらかで接触させることにより得ることができる。薬学的に許容される塩基付加塩の例として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ(コリン又はジエチルアミン、又はd-アルギニン、l-アルギニン、d-リシン又はl-リシンなどのアミノ酸など)若しくはマグネシウム塩、又は類似の塩が挙げられる。本明細書に記載されている化合物が、比較的塩基性の官能基を含有する場合、酸付加塩は、中性形態のそのような化合物に十分量の所望の酸を、無溶媒又は適切な不活性溶媒中のどちらかで接触させることにより得ることができる。薬学的に許容される酸付加塩の例として、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸、リン酸、一水素リン酸、二水素リン酸、硫酸、一水素硫酸、ヨウ化水素酸又は亜リン酸などのような無機酸から誘導されるもの、及び酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などのような比較的非毒性の有機酸から誘導される塩が挙げられる。同様に、アルギン酸塩などのアミノ酸の塩、グルクロン酸又はガラクツロン酸などのような有機酸の塩も含まれる(例えば、Bergeら、「Pharmaceutical Salts」、Journal of Pharmaceutical Science 66:1〜19 (1977)を参照されたい)。ある特定の本明細書に記載されている具体的な化合物は、塩基性官能基と酸性官能基の両方を含有し、これらの官能基により、化合物を塩基付加塩又は酸付加塩のどちらにも変換することが可能である。
【0109】
中性形態の化合物は、好ましくは、慣用的な方法で、塩に塩基又は酸を接触させて、親化合物を単離することにより再生成される。親形態の化合物は、極性溶媒における溶解度などの、ある特定の物理特性の点で様々な塩形態とは異なる。
【0110】
塩形態に加えて、本発明は、プロドラッグ形態にある化合物を提供する。本明細書に記載されている化合物のプロドラッグは、生理的条件下で、化学変化を容易に受けて、本明細書に記載されている化合物をもたらす。さらに、プロドラッグは、エクスビボの環境で、化学的又は生化学的方法によって本発明の化合物に変換することができる。
【0111】
ある特定の式III及び式IIIaの化合物は、1当量以上の酸と酸付加塩を形成することができる。本発明には、考えられる化学量論的形態及び非化学量論的形態の全てがその範囲内に含まれる。
【0112】
用語「
1H NMR構造」は、プロトン核磁気共鳴(
1H NMR)スペクトルから決定される構造を指す。
1H NMRスペクトルは、実施例に記載されている化合物など、炭素原子及び水素(プロトン)を有する任意の分子に関する
1H NMR分光法を行うことによって作成されてよい。
1H NMR分光法は、化合物がDMSO-δ6又はCD
3ODなどの十分に重水素化された有機溶媒に溶解される300-MHz又は400-MHzのNMR分光計を使用して行われる。
1H NMR分光法では、化学的に等価のプロトン(正確な化学環境及び電子環境を有するもの)は、
1H NMRスペクトルにおいて独特のシグナルを生じる。
1H NMRスペクトルにおける各プロトンシグナルの位置、つまりその化学シフトは、基準化合物であるテトラメチルシラン(TMS)に対して示され、ゼロ点からのデルタ、つまりTMSに対するプロトンシグナルとして測定される。プロトンシグナルの強度及び特性によって、分子におけるそれぞれ固有の且つそれぞれ化学的に等価のプロトンの環境についての情報、及びいくつのプロトンが特定のシグナルによって表されているかについての情報が得られる。分子のC、O、及び他の原子に結合しているプロトンに対するシグナルは、
1H NMR分光法を使用して当業者によって帰属させることができ、その帰属から、分子又は化合物に対する構造を決定することができる。以下に記載されている実施例では、プロトン核磁気共鳴(
1H NMR)スペクトルを記録し、化学シフトは内部標準のテトラメチルシラン(TMS)から低磁場側への百万分率(δ)として記録する。
1H NMRに対して使用された重水素化溶媒中に存在する、わずかな比率の十分に重水素化されていないプロトンからのシグナルを基準として使用する。NMRデータに関する略語は以下の通りである:s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、m=マルチプレット、dd=ダブレットのダブレット、dt=トリプレットのダブレット、app=明瞭、br=ブロード。
【0113】
したがって、例えば、以下の中間体1、a)の合成は、
1H NMRスペクトルは、DMSO-d
6に溶解された化合物に関して400 MHzで記録され、その結果、スペクトルは、単一の水素として帰属される8.47〜8.48におけるダブレットのピーク(8.47〜8.48(d, J = 4.4 Hz, 1H));単一の水素として帰属される8.77〜8.74におけるトリプレットのピーク(8.77〜8.74(t, J = 7.6 Hz, 1H));単一の水素として帰属される7.43〜7.41におけるダブレットのピーク(7.43〜7.41(d, J = 8.0 Hz, 1H));単一の水素として帰属される7.25〜7.22におけるダブレットのダブレットのピーク(7.25〜7.22(dd, J = 4.8 Hz, 1H));2つの水素として帰属される4.49〜4.38におけるダブレットのダブレットのピーク(4.49〜4.38(dd, J = 16.4 Hz, 2H)),単一の水素として帰属される2.46〜2.42におけるマルチプレットのピーク(2.46〜2.42 (m, 1H));2つの水素として帰属される1.97〜1.93におけるマルチプレットのピーク(1.97〜1.93 (m, 2H));単一の水素として帰属される1.84〜1.79におけるマルチプレットのピーク(1.84〜1.79 (m, 1H));単一の水素として帰属される1.71〜1.64におけるマルチプレットのピーク(1.71〜1.64 (m, 1H));2つの水素として帰属される1.33〜1.22におけるマルチプレットのピーク(1.33〜1.22 (m, 2H));3つの水素として帰属される0.93におけるシングレットのピーク(0.93 (s, 3H));3つの水素として帰属される0.92におけるシングレットのピーク(0.92 (s, 3H));及び3つの水素として帰属される0.73におけるシングレットのピーク(0.73 (s, 3H))を生じた。
【0114】
本明細書に記載されている式III及び式IIIaの置換ベンゾオキサボロールのいくつかは、ある特定の溶媒環境で、例えばH
2Oの存在下又は水性溶媒における場合、式II及び式IIaに示されている閉環体と、式III及び式IIIaに示されている開環体の間で平衡状態で存在し得る。さらに、本明細書に記載されている置換ベンゾオキサボロールのいくつかの
1H NMRスペクトルは、そのような化合物が、有機溶媒、例えばDMSO-δ6及びCD
3ODに溶解された場合、以下の合成例に示されている
1H NMRデータによって示されているように、閉環体で存在することを示している。
【0115】
対照的に、固体状態NMRスペクトルは、本明細書に記載されている置換ベンゾオキサボロールのいくつかが、式III及び式IIIaの開環体で、固体状態で存在することを示している。本出願全体を通して、本明細書に記載されている置換ベンゾオキサボロールは、式II及び式IIaの閉環体の
1H NMR溶液構造、又は式III及び式IIIaの開環体の固体状態の構造のいずれかを示す場合がある。有機溶媒に溶解された場合などのある特定の条件では、置換ベンゾオキサボロールは、式II及び式IIaの閉環体で存在する場合があり、一方、例えば水が存在するなどの他の条件では、本明細書に記載されている置換ベンゾオキサボロールは、式III及び式IIIaの開環体と式II及び式IIaの閉環体との間の平衡状態で存在する場合があることも理解される。固体状態で、本明細書に記載されている置換ベンゾオキサボロールのいくつかが、式III及び式IIIaの開環体で存在する場合があることも示されている。
【0116】
式III及び式IIIaの化合物は、結晶形態又は非結晶形態で調製されてよく、結晶である場合、例えば水和物として任意選択で溶媒和されていてよい。この発明は、その範囲内に、化学量論の溶媒和物(例えば水和物)及び可変量の溶媒(例えば水)を含有する化合物を含む。本明細書に記載されている式IIIの化合物及び式IIIaの化合物は、以下の式IVの又は式Ivaの構造による水和物として存在してよい:
【0118】
【化21】
(式中、R
1、R
2及びR
3は、本明細書に記載されている通りである)。
【0119】
主題となる本発明は、1個以上の原子が、自然界において最も一般に見出される原子量又は質量数とは異なる原子量又は質量数を有する原子によって置き換えられていること以外、式III及び式IIIaにおいて列挙されているものと同一である同位体標識化合物も含む。本明細書に記載されている化合物に取り込ませることができる同位体の例には、
3H、
11C、
14C、
18F、
123I又は
125Iなどの水素、炭素、窒素、酸素、フッ素、ヨウ素及び塩素の同位体が含まれる。
【0120】
上記の同位体及び/又は他の原子の他の同位体を含有している本発明の化合物、及び前記化合物の薬学的に許容される塩は、本発明の範囲内にある。本発明の同位体標識化合物、例えば
3H又は
14Cなどの放射活性同位体が取り込まれているものは、薬物及び/又は基質の組織分布アッセイに有用である。トリチウム化、すなわち
3H、及び炭素-14、すなわち
14Cの同位体は、特に、調製の容易さ及び可検出性のために好ましい。
11C及び
18F同位体は、PET(陽電子放射断層撮影法)に特に有用である。
【0121】
本明細書に記載されている式III及び式IIIaの化合物は、医薬組成物における使用が意図されているので、それらは各々が、実質的に純粋な形態、例えば少なくとも60%純度、より好適には少なくとも75%純度及び好ましくは少なくとも85%、とりわけ少なくとも98%純度(%は、重量基準に対する重量に基づいている)で好ましくは提供されることが、容易に理解されよう。化合物の不純物を含む調製物は、医薬組成物において使用されるさらに純粋な形態を調製するために使用することができる。
【0123】
【化22】
(式中、R
3は、-CH
3から選択され、R
1及びR
2は、それぞれ独立に、H、-CH
3、-CH
2CH
3、-CH
2CH
2CH
3、及び-CH(CH
3)
2である)による構造を有する置換ベンゾオキサボロール又はその塩を提供する。
【0124】
一実施形態は、R
3が、-CH
2CH
3であり、R
1及びR
2が、それぞれ独立に、H、-CH
3、-CH
2CH
3、-CH
2CH
2CH
3、及び-CH(CH
3)
2から選択される、その構造が式IIIを含む置換ベンゾオキサボロールを提供する。
【0125】
一実施形態は、R
3が、-CH
3であり、R
1及びR
2が、それぞれ独立に、H、-CH
3、及び-CH
2CH
3から選択される、その構造が式IIIを含む置換ベンゾオキサボロール又は薬学的に許容されるその塩を提供する。
【0126】
一実施形態は、R
3が、-CH
3であり、R
1及びR
2が、それぞれ独立に選択されH又は-CH
3である、その構造が式IIIを含む置換ベンゾオキサボロール又はその塩を提供する。
【0127】
一実施形態は、R
3が、-CH
3であり、R
1及びR
2が、独立に、H又は-CH
3である、その構造が式IIIを含む置換ベンゾオキサボロール又は薬学的に許容されるその塩を提供する。
【0128】
一実施形態は、その構造が以下に示す式III:
【0129】
【化23】
(式中、R
3は、-CH
3であり、R
1及びR
2は、それぞれ独立に、H又は-CH
3である)を含む置換ベンゾオキサボロール又は薬学的に許容されるその塩を提供する。
【0130】
一実施形態では、その構造が式III:
【0131】
【化24】
(式中、R
3は、-CH
3、-CH
2CH
3、-CH
2CH
2CH
3、-CH(CH
3)
2、フェニル、及びチオフェニルから選択され、R
1及びR
2は、それぞれ独立に、H、-CH
3、-CH
2CH
3、-CH
2CH
2CH
3、及び-CH(CH
3)
2から選択される)を含む化合物を提供する。
【0132】
別の実施形態は、その構造が式IIIa
【0133】
【化25】
(式中、R
3は、-CH
3であり、R
1及びR
2は、それぞれ独立に、H又は-CH
3である)を含む置換ベンゾオキサボロール、又は薬学的に許容されるその塩を提供する。
【0134】
一態様では、本発明は、その構造が式III又は式IIIaを含む置換ベンゾオキサボロール、又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物、及び1種以上の薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤を含む医薬組成物を提供する。
【0135】
本発明の別の態様はさらに、哺乳動物における、特にヒトにおける、マイコバクテリア感染の処置方法であって、そのような処置を必要とする哺乳動物に、有効量の、その構造が式IIIを含む化合物若しくはその構造が式IIIaを含む化合物、又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物である第1の治療剤を投与することを含む処置方法を提供する。関連実施形態はさらに、そのような処置を必要とする哺乳動物に、有効量の、その構造が式IIIを含む化合物若しくはその構造が式IIIaを含む化合物、又は薬学的に許容されるその塩である第1の治療剤を投与すること、任意選択で有効量の第2の治療剤と組み合わせて投与すること、任意選択で有効量の第3の治療剤と組み合わせて投与すること、任意選択で有効量の第4の治療剤と組み合わせて投与すること、任意選択で有効量の第5の治療剤と組み合わせて投与すること、任意選択で有効量の第6の治療剤と組み合わせて投与することを含む。
【0136】
本実施形態の関連態様では、任意選択の第2、第3、第4、第5及び第6の治療剤は、抗マイコバクテリア剤である。関連態様では、第1の治療剤を投与すること、及び任意選択で第2、第3、第4、第5及び第6の治療剤を投与することは、同時に行われるか、又は第1の治療剤を投与すること及び任意選択で第2、第3、第4、第5及び第6の治療剤を投与することは、逐次、行われる。本発明の他の関連する態様では、第2、第3、第4、第5及び第6の治療剤のうちのいずれか1つは、抗微生物剤、抗ウイルス剤、抗感染剤、鎮痛剤、ビタミン、栄養補助食品、抗炎症剤、鎮痛剤及びステロイドから選択される。
【0137】
本発明はさらに、哺乳動物において、特にヒトにおいて、マイコバクテリア感染の処置に使用するための、その構造が式IIIを含む化合物、又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物を提供する。関連態様では、哺乳動物は、マイコバクテリア感染が結核菌感染である、ヒトである。他の態様では、結核菌感染しているヒトは、ヒト免疫不全ウイルスを含む、レトロウイルスにも感染している。
【0138】
本発明はさらに、哺乳動物において、特にヒトにおいて、マイコバクテリア感染の処置に使用するための医薬の製造における、その構造が式III若しくは式IIIaを含む化合物、又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物の使用を提供する。
【0139】
本発明は、哺乳動物において、特にヒトにおいて、マイコバクテリア感染の処置に使用するための、その構造が式III若しくは式IIIaを含む化合物、又は薬学的に許容されるその塩、若しくは溶媒和物、及び1種以上の薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤を含む医薬組成物も提供する。
【0140】
本発明は、哺乳動物において、特にヒトにおいて、マイコバクテリア感染の処置に使用するための、その構造が式III若しくは式IIIaを含む化合物、又は薬学的に許容されるその塩、若しくは溶媒和物、及び1種以上の薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤を含む医薬組成物も提供する。
【0141】
別の特定の実施形態では、組合せにおける置換ベンゾオキサボロールは、以下に示す構造:
【0142】
【化26】
又は薬学的に許容されるそれらの塩を含む固体状態NMR構造を有する。
【0143】
特定の一実施形態では、化合物は、以下に示す構造:
【0144】
【化27】
又は薬学的に許容されるそれらの塩を有する。
【0145】
特定の一実施形態では、化合物は、以下に示す構造:
【0146】
【化28】
又は薬学的に許容されるそれらの塩を含む。
【0147】
特定の一実施形態では、化合物は、以下に示す構造:
【0148】
【化29】
又は薬学的に許容されるそれらの塩を含む。
【0149】
本発明の実施形態は、閉環体が
3-メチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン;
(S)-(3-メチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン;
3,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン;
((2S)-3,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン;
(3,8,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン;
(S)-(3,8,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン
である置換ベンゾオキサボロール又は薬学的に許容されるその塩を提供する。
【0150】
本発明の実施形態は、開環体が
3-(アミノメチル)-7-(2-ヒドロキシエトキシ)-4-メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール-1(3H)-オール;
(S)-3-(アミノメチル)-7-(2-ヒドロキシエトキシ)-4-メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール-1(3H)-オール
3-(アミノメチル)-7-(2-ヒドロキシプロポキシ)-4-メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール-1(3H)-オール;
(3S)-3-(アミノメチル)-7-(2-ヒドロキシプロポキシ)-4-メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール-1(3H)-オール;
3-(アミノメチル)-7-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール-1(3H)-オール;
(S)-3-(アミノメチル)-7-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール-1(3H)-オールである置換ベンゾオキサボロールを提供する。
【0151】
一実施形態は、
図4に実質的に示されている固体状態NMRパターンを有する化合物、又は薬学的に許容されるその塩を提供する。
【0152】
別の実施形態は、本明細書に記載されている化合物及び少なくとも1種の賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0153】
別の実施形態は、結核菌を処置するための薬で使用するための本明細書に記載されている化合物を提供する。
【0154】
別の特定の実施形態では、マイコバクテリア感染又は状態の処置は、エディティング(editing)活性部位に結合することによって、アミノアシルtRNAシンテターゼのエディティングドメインの阻害により行われる。別の例示的な実施形態では、マイコバクテリア感染又は状態の処置は、アミノアシルtRNAシンテターゼのエディティングドメインの阻止により行われる。
【0155】
特定の実施形態では、マイコバクテリア感染及び/又は疾患は、本発明の組合せの経口投与により処置される。例示的な実施形態では、マイコバクテリア感染及び/又は疾患は、本発明の組合せの静脈内投与により処置される。
【0156】
医薬製剤
別の態様では、本発明は、(a)本明細書で開示されている化合物及びb)薬学的に許容される賦形剤、又は(a)本発明の組合せを含む医薬製剤である。別の態様では、医薬製剤は、(a)本明細書に開示されている化合物及び薬学的に許容される賦形剤、又は(b)本明細書に記載されている組合せを含む。別の態様では、医薬製剤は、(a)薬学的に許容される賦形剤、及び(b)本明細書に記載されている組合せ、又はその塩、プロドラッグ、水和物若しくは溶媒和物を含む。別の態様では、医薬製剤は、(a)薬学的に許容される賦形剤、及び(b)本明細書に記載されている組合せ、又はその塩、水和物若しくは溶媒和物を含む。別の態様では、医薬製剤は、(a)薬学的に許容される賦形剤、及び(b)本明細書に記載されている組合せ、又はその塩、水和物若しくは溶媒和物を含む。別の態様では、医薬製剤は、(a)薬学的に許容される賦形剤、及び(b)本明細書に記載されている組合せの塩を含む。例示的な実施形態では、この塩は、薬学的に許容される塩である。別の態様では、医薬製剤は、(a)薬学的に許容される賦形剤、及び(b)本明細書に記載されている組合せのプロドラッグを含む。別の態様では、医薬製剤は、(a)薬学的に許容される賦形剤、及び(b)本明細書に記載されている組合せを含む。例示的な実施形態では、医薬製剤は単位剤形である。例示的な実施形態では、医薬製剤は、単回単位剤形である。
【0157】
例示的な実施形態では、医薬製剤は、単位剤形である。例示的な実施形態では、医薬製剤は、単回単位剤形である。例示的な実施形態では、医薬製剤は、2回単位剤形である。例示的な実施形態では、医薬製剤は、3回単位剤形である。例示的な実施形態では、医薬製剤は、4回単位剤形である。例示的な実施形態では、医薬製剤は、5回単位剤形である。例示的な実施形態では、医薬製剤は、6回単位剤形である。例示的な実施形態では、医薬製剤は、第1の単位剤形、並びに第2、第3、第4、第5及び/又は第6の単位剤形を含む単回、2回、3回、4回、5回、6回又は7回単位剤形であり、第1の単位剤形は、a)治療有効量の本明細書に記載されている化合物及びb)第1の薬学的に許容される賦形剤を含み、第2、第3、第4、第5及び/又は第6の単位剤形は、c)治療上許容される量の追加の抗マイコバクテリア剤である治療剤、及びd)第2の薬学的に許容される賦形剤を含む。
【0158】
本発明の製剤において使用される賦形剤に関する情報は、参照により本明細書に組み込まれている、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第21版、Pharmaceutical Press(2011)に見出すことができる。
【0159】
組合せ
例示的な実施形態では、本発明は、a)本明細書に記載されている置換ベンゾオキサボロール又はその塩である第1の治療剤、b)第2の治療活性を提供する。ある特定の実施形態では、第2の治療剤は抗細菌剤であり、より具体的には抗結核剤であり、より具体的には抗結核菌剤である。
【0160】
例示的な実施形態では、本組合せ、本明細書に記載されている医薬製剤の一部である。そのような条件は、当業者に公知であり、具体的な条件は、本明細書に添付されている実施例に説明されている。
【0161】
組合せ
物の剤形
本発明の組合せ
物、例えば、本明細書に記載されている組合せ
物の個々の構成成分は、単位剤形で、同時又は逐次のどちらかで投与することができる。単位剤形は、単回又は多回単位剤形であってよい。例示的な実施形態では、本発明は、単回単位剤形の組合せ
物を提供する。単回単位剤形の一例は、カプセル剤であり、ここで、置換ベンゾオキサボロールと追加の治療剤の両方が、同一カプセル内に含有されている。例示的な実施形態では、本発明は、2回単位剤形の組合せ
物を提供する。2回単位剤形の一例は、置換ベンゾオキサボロールを含有する第1のカプセル剤及び追加の治療剤を含有する第2のカプセル剤である。したがって、用語「単回単位」又は「2回単位」又は「多回単位」とは、患者が服用する対象物を指すのであって、対象物の内部成分を指すのではない。置換ベンゾオキサボロールの適切な用量は、当業者により容易に認識されるであろう。その構造が式III又は式IIIaを含む化合物ではない追加の治療剤の適切な用量は、当業者により容易に認識されるであろう。特定の一実施形態では、置換ベンゾオキサボロールは、治療有効量で組合せ
物中に存在している。特定の一実施形態では、その構造が式III又は式IIIaを含む化合物ではない追加の治療剤は、結核菌を含む、置換ベンゾオキサボロールに曝されるマイコバクテリアを死滅させる、又はその存在、量若しくは増加率を低下させるのに十分な量で組合せ
物中に存在している。
【0162】
組合せ
物中の追加の治療剤
本発明の組合せ
物、例えば本明細書に記載されている組合せ
物は、1種以上の追加の治療剤も含んでもよい。したがって、本発明は、さらなる態様では、本明細書に記載されている置換ベンゾオキサボロール又は薬学的に許容されるその塩、及び少なくとも1種の追加の治療剤を含む組合せ
物を提供する。したがって、本発明は、さらなる態様では、本明細書に記載されている置換ベンゾオキサボロール又は薬学的に許容されるその塩、及び少なくとも1種の追加の治療剤を含む組合せ
物を提供する。例示的な実施形態では、追加の治療剤は、抗マイコバクテリア剤である。一態様では、本発明は、a)本発明の組合せ
物、及びb)少なくとも1種の追加の治療剤を含む。別の例示的な実施形態では、本発明は、a)本発明の組合せ
物、b)第1の追加の治療剤、及びc)第2の追加の治療剤を含む。別の例示的な実施形態では、本発明は、a)本発明の組合せ
物、b)第1の追加の治療剤、c)第2の追加の治療剤、及び第3の追加の治療剤を含む。第1の追加の治療剤又は第2の追加の治療剤又は第3の追加の治療剤は、本明細書に記載されている追加の治療剤から選択することができる。
【0163】
本組合せは、医薬製剤の形態で使用するよう提供されることが好都合なことがある。本発明のさらなる態様では、その構造が式IIIを含む化合物、又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物を、1種以上の追加の治療剤、及び1種以上の薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤と一緒に含む医薬組合せが提供される。そのような組合せの個々の構成成分は、任意の好都合の経路によって、個別に又は組合せ医薬製剤で、逐次又は同時のいずれかで投与することができる。
【0164】
追加の治療剤が、同一の疾患状態に対して、本明細書に記載されている組合せと共に使用される場合、各化合物の用量は、化合物が単独で使用される場合とは異なることがある。適切な用量は、当業者により容易に認識されるであろう。処置に使用するために必要な本明細書に記載されている化合物の量は、処置される状態の性質、並びに患者の年齢及び状態により様々となり、最終的には、担当医師又は獣医師の裁量になることが理解されよう。
【0165】
ホウ素含有化合物の調製
本発明で使用する化合物は、市販の出発材料、公知の中間体を使用し、又は本明細書に記載されている合成方法、又は米国特許第7,816,344号、同第8,461,364号、同第8,703,742号、同第9,243,003号並びにその継続出願及び分割出願、米国特許出願公開第20100292504号、同第20140315860号及びそれらから優先権を主張する出願、及びPCT国際特許出願第WO2008/157726号、同第WO2010080558号、同第WO2011127143号、同第WO2012/033858号及び同第WO2015/021396号並びにそれらから優先権を主張する出願などの本明細書で記載されている参照文献に公開されており、且つ参照により本明細書に組み込まれている合成方法を使用することによって調製することができる。式III及び式IIIaの化合物を合成するために使用される一般手順は、以下の反応スキームに記載されており、且つ本実施例中に例示されている。
【0166】
本明細書に記載されているようなある特定の置換ベンゾオキサボロールは、スキーム1に概略されているように調製されてよい。
【0168】
明確に示されていないが、スキーム1の化合物6、7、8、9及び10は、環境に依存して対応する開環構造との平衡状態で存在し得る。さらに、本明細書に開示されているある特定の置換ベンゾオキサボロール化合物は、ある特定の溶媒中でそのような平衡状態で存在し得る。そのような平衡状態は、以下の例によって示される:
【0170】
一実施形態では、本明細書に開示されているある特定の置換ベンゾオキサボロールは、固体状態で開環体で存在することが見出された。単一の
13C及び固体状態NMR分析の組合せにより、本明細書に開示されているある特定の置換ベンゾオキサボロールが、固体状態で開環体で存在することが確認される。液体状態NMR研究によっても、溶液に溶解させた場合、本明細書に記載されているある特定の置換ベンゾオキサボロール化合物が開環体と閉環体の間の平衡状態で存在すること、及び平衡状態のバランスは、使用される溶媒とH
2Oの存在によって影響を受けることが示される。
【0171】
本明細書に開示されている置換ベンゾオキサボロールは、閉環体で示されるか開環体で示されるかにかかわらず、DMSO及びCH
3OHなどの有機溶媒中では閉環体で存在し、H
2Oを含む環境では閉環体と開環体の間の平衡状態で存在し、固体状態では開環体で存在する場合があると理解される。
【0172】
組成物及び製剤
本明細書に記載されている化合物は、抗マイコバクテリア剤の製剤、又は他の抗結核剤の製剤と同様に、ヒト又は獣医向け薬において使用するための任意の好都合な方法で、投与用に製剤化することができる。
【0173】
本明細書に記載されている化合物は、必須ではないが、通常、患者への投与前に、医薬組成物に製剤化されることになる。一態様では、本発明は、その構造が式III若しくは式IIIaを含む化合物、又は薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象とする。別の態様では、本発明は、その構造が式IIIを含む化合物、若しくはその構造が式IIIaを含む化合物、又は薬学的に許容される塩、及び1種以上の薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤を含む医薬組成物を対象としている。担体、賦形剤又は希釈剤は、製剤の他の成分と共存可能である、及びそのレシピエントに有害でないという意味において、「許容」されなければならない。
【0174】
本明細書に記載されている医薬組成物は、経口、又は非経口使用に適合する形態にあるものを含み、ヒトを含む哺乳動物におけるマイコバクテリア感染の処置のために使用することができる。
【0175】
本明細書に記載されている医薬組成物は、経口、局所又は非経口使用に適合する形態にあるものを含み、ヒトを含む哺乳動物におけるマイコバクテリア感染の処置のために使用することができる。
【0176】
本組成物は、任意の好都合な経路による投与用に製剤化することができる。結核の処置用には、本組成物は、錠剤、カプセル剤、散剤、粒剤、ロセンジ剤、エアゾール剤又は経口用若しくは滅菌非経口用溶液剤若しくは懸濁剤などの液状調製物の形態とすることができる。
【0177】
経口投与用の錠剤及びカプセル剤は、単位用量の提供形態とすることができ、結合剤、例えばシロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカント、若しくはポリビニルピロリドン;充填剤、例えばラクトース、糖、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウム、ソルビトール若しくはグリシン;錠剤用滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール若しくはシリカ;崩壊剤、例えばバレイショデンプン;又はラウリル硫酸ナトリウムなどの許容される湿潤剤などの慣用的な賦形剤を含有していてもよい。錠剤は、通常の医薬実務で周知の方法によってコーティングすることができる。経口用液体調製物は、例えば、水性又は油性懸濁剤、溶液剤、エマルション剤、シロップ剤若しくはエリキシル剤の形態であってもよく、又は使用前に、水若しくは他の適切なビヒクルにより復元するための乾燥製品として提供されてもよい。そのような液体調製物は、懸濁化剤、例えばソルビトール、メチルセルロース、グルコースシロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル又は水素化食用油脂、乳化剤、例えばレシチン、モノオレイン酸ソルビタン、又はアカシア;非水性ビヒクル(これは食用油を含んでいてもよい)、例えばアーモンドオイル、油性エステル(グリセリン、プロピレングリコール、又はエチルアルコールなど);保存剤、例えばp-ヒドロキシ安息香酸メチル若しくはプロピル、又はソルビン酸、及び所望の場合、慣用的な着香剤又は着色剤などの慣用的な添加物を含有してもよい。
【0178】
座剤は、慣用的な座剤用基剤、例えばココアバター又は他のグリセリドを含有することになる。
【0179】
非経口投与の場合、液状単位剤形は、化合物及び滅菌ビヒクルを利用して調製され、水が好ましい。化合物は、使用されるビヒクル及び濃度に応じて、ビヒクル中に懸濁又は溶解することができる。溶液の調製の際には、本化合物は、注射用水に溶解して滅菌濾過した後、適切なバイアル又はアンプルに充填し、密封することができる。
【0180】
本発明の一態様では、局所麻酔剤、保存剤及び緩衝化剤などの薬剤をビヒクルに溶解することができる。安定性を向上させるために、本組成物をバイアル中に充填した後に凍結させ、真空下で水を除去することができる。次に、乾燥した、凍結乾燥粉末をバイアル中に密封し、使用前に液剤を復元するための付随する注射用水のバイアルを提供してもよい。非経口用懸濁剤は、化合物をビヒクル中に溶解させる代わりに懸濁させて、濾過による滅菌を行うことができないこと以外、実質的に同じ方法で調製される。化合物は、エチレンオキシドに曝露させることにより滅菌した後、滅菌ビヒクル中に懸濁させることができる。有利には、界面活性剤又は湿潤剤が本組成物中に含まれ、化合物の均一な分布を容易にする。
【0181】
本組成物は、投与方法に応じて、0.1重量%から、好ましくは10〜60重量%の活性物質を含有することができる。組成物が投与量単位を含む場合、各単位は、好ましくは、20〜1000mgの活性成分を含有することになる。成人のヒト処置用に用いられる投薬量は、投与の経路及び頻度に応じて、通常、1日あたり50〜300mg、例えば1日あたり150〜200mgの範囲となる。そのような投薬量は、1日あたり0.5〜5mg/kgに相当する。好ましくは、投薬量は1日あたり0.5〜2mg/kgであり、より好ましくは用量は1日あたり、1mg/kg未満である。
【0182】
その構造が式III、式IIIaを含む化合物、又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、本明細書に記載されている組成物における唯一の治療剤であってもよく、又は1種以上の追加の治療剤と組み合わされた形で製剤中に存在していてもよい。したがって、本発明は、さらなる態様では、その構造が式III又は式IIIaを含む化合物、又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物を、1種以上の追加の治療剤と一緒に含む組合せを提供する。
【0183】
1種以上の追加の治療剤は、例えば、哺乳動物における結核の処置に有用な薬剤である。そのような治療剤の例には、リファンピン、ピラジナミド、エタンブトール、モキシフロキサシン、リファペンチン、クロファジミン、ベダクイリン(TMC207)、ニトロイミダゾ-オキサジンPA-824、デラマニド(OPC-67683)、オキサゾリジノン(リネゾリド、テジゾリド、ラデゾリド、ステゾリド(PNU-100480)、及びポシゾリド(AZD-5847)など)、EMBアナログであるSQ109、ベンゾチアジノン、ジニトロベンズアミド、及び抗レトロウイルス剤を含む抗ウイルス剤、又はEBAの第IIa相臨床試験においてポジティブ応答を有するTBの処置用に開発されている任意のTB剤、又は結核のグローバルアライアンス(Global Alliance for Tuberculosis)によって開発中の任意のTB剤が含まれる。
【0184】
その構造が式III若しくは式IIIaを含む化合物、又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物が、1種以上の追加の治療剤と組み合わせて使用される場合、化合物又は薬剤の用量は、化合物又は薬剤が単独で使用される場合とは異なることがある。適切な用量は、当業者により容易に認識される。処置に使用するために必要な本明細書に記載されている化合物及び1種以上の追加の治療剤の量は、処置される状態の性質、並びに患者の年齢及び状態により様々となり、最終的には、担当医師又は獣医師の裁量になることが理解されよう。
【0185】
本組合せは、医薬製剤の形態で使用するために提供されることが好都合な場合がある。本発明のさらなる態様では、その構造が式III又は式IIIaを含む化合物、又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物を、1種以上の追加の治療剤、及び1種以上の薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤と一緒に含む医薬組合せが提供される。そのような組合せの個々の構成成分は、任意の好都合の経路によって、個別に又は組合せ医薬製剤で、逐次又は同時のいずれかで投与され得る。
【0186】
投与が逐次の場合、本発明の化合物又は1種以上の追加の治療剤のどちらか一方を最初に投与することができる。投与が同時の場合、組合せは、同一又は異なる医薬組成物中のどちらかで投与することができる。同一の製剤中で組み合わされている場合、化合物及び薬剤は安定であり、且つ互いに及び製剤中の他の構成成分と共存可能でなければならないことが理解されよう。これらが個別に製剤化される場合、当分野においてそのような化合物に公知のそのような方法で、都合よく、好都合な任意の製剤中で提供され得る。
【0187】
細菌の増加を阻害する方法又は細菌を死滅させる方法
本明細書で例示され、記載されている化合物及びその組合せは、マイコバクテリアに対する効力を示すことが期待され、したがって、マイコバクテリアを死滅させ及び/又はマイコバクテリアの複製を阻害する能力を有する。本明細書に記載されている組合せは、標準治療である抗マイコバクテリア剤に対する耐性を有するマイコバクテリアに対して効力を示すことが期待され、したがって、マイコバクテリアを死滅させる、及び/又はそのような「耐性」マイコバクテリアの複製を阻害する可能性を有する。本発明の態様では、本明細書に記載されている化合物は、MDR-TB(多剤耐性TB)及びXDR-TB(広範囲薬物耐性TB)の臨床分離株を含む、薬物に感受性の高いマイコバクテリア単離株の選択に対して顕著な活性を有しており、MIC値が<0.32μMを示し、その大部分が、探索した96株において、0.04〜0.08μMの間のMIC値を有する。
【0188】
本明細書に記載されている化合物は、マイコバクテリアを阻害するか又は死滅させるために使用されてよい。さらなる態様では、本発明は、ウシ、ヒツジ、ヤギ、イヌ及びネコを含む家畜及びペット、又は免疫抑制を受けているヒトを含むヒトなどの動物において、マイコバクテリアを死滅させる、及び/若しくはマイコバクテリアの複製を阻害する方法、又はマイコバクテリア感染を処置する方法であって、マイコバクテリアに、有効量の本明細書に記載されている化合物を接触させて、これにより、マイコバクテリアを死滅させ、及び/若しくはマイコバクテリアの複製を阻害すること、又はマイコバクテリア感染している動物に、治療有効量の本発明の医薬組成物を投与することを含み、医薬組成物が、その構造が式IIIを含む化合物、その構造が式IIIaを含む化合物又は薬学的に許容されるその塩を含む、方法を提供する。例示的な実施形態では、本組合せは、本明細書に記載されている医薬製剤の一部である。別の例示的な実施形態では、接触は、マイコバクテリアに組合せが侵入するのを可能にする条件下で行われる。
【0189】
さらなる態様では、本発明は、ウシ、ヒツジ、ヤギ、イヌ及びネコを含む家畜及びペット、又は免疫抑制を受けているヒトを含むヒトなどの動物において、マイコバクテリアを死滅させる及び/若しくはマイコバクテリアの複製を阻害する方法、又はマイコバクテリア感染を処置する方法であって、マイコバクテリアと、有効量の本明細書に記載されている化合物又は組合せとを接触させて、これによりマイコバクテリアを死滅させる及び/若しくはマイコバクテリアの複製を阻害すること、又はマイコバクテリア感染している動物に、治療有効量の本明細書に記載されている化合物若しくは組合せの医薬組成物を投与することを含み、医薬組成物は、その構造が式IIIを含む化合物若しくはその構造が式IIIaを含む化合物、又は薬学的に許容されるその塩を含む方法を提供する。例示的な実施形態では、組合せは、本明細書に記載されている医薬製剤の一部である。別の例示的な実施形態では、接触は、マイコバクテリアに上記組合せが侵入するのを可能にする条件下で行われる。
【0190】
例示的な実施形態では、本明細書に記載されている組合せの経口投与により、マイコバクテリアが死滅させられる、又はその複製が阻害される、又はマイコバクテリア感染が処置される。例示的な実施形態では、本明細書に記載されている組合せの静脈内投与により、マイコバクテリアが死滅させられる、又はその複製が阻害される、又はマイコバクテリア感染が処置される。例示的な実施形態では、本明細書に記載されている組合せの皮下投与により、マイコバクテリアが死滅させられる、又はその複製が阻害される、又はマイコバクテリア感染が処置され、この組合せは、その構造が式IIIを含む化合物若しくはその構造が式IIIaを含む化合物、又は薬学的に許容されるその塩を含む。
【0191】
例示的な実施形態では、任意選択で第2、第3、第4、第5及び第6の治療剤のいずれかに耐性を与える変異を有する耐性マイコバクテリアを含むマイコバクテリアの集団において、本明細書に記載されている組合せであって、その構造が式IIIを含む化合物若しくはその構造が式IIIaを含む化合物又はそれらの塩である第1の治療剤を含み、任意選択の第2、第3、第4、第5及び第6の治療剤を含む組合せとマイコバクテリアが接触させられるか、又はマイコバクテリア感染がそれにより処置される。関連実施形態では、任意選択の第2、第3、第4、第5及び第6の治療剤、又はその塩は、抗マイコバクテリア剤、特に公知の抗マイコバクテリア剤、より好ましくは標準治療の抗マイコバクテリア剤である。
【0192】
別の例示的な実施形態では、動物において疾患を引き起こすか若しくはそれに関連するマイコバクテリアを死滅させる及び/又はその複製を阻害する方法、あるいは動物においてマイコバクテリア感染を処置する方法であって、マイコバクテリアに有効量の、その構造が式III若しくは式IIIaを含む化合物又はその塩を接触させて、マイコバクテリアを死滅させる及び/若しくはその複製を阻止すること、又は動物に治療有効量の、その構造が式III若しくは式IIIaを含む化合物又はその塩を投与することを含み、マイコバクテリアが、結核菌、マイコバクテリウム・アビウム(亜種(subsp.)であるマイコバクテリウム・アビウム亜種アビウム、マイコバクテリウム・アビウム亜種ホミニススイス、マイコバクテリウム・アビウム亜種シルバティクム及びヨーネ菌を含む)、マイコバクテリウム・バルネイ(Mycobacterium balnei)、マイコバクテリウム・シェルリシイ(Mycobacterium sherrisii)、マイコバクテリウム・アフリカヌム、マイコバクテリウム・ミクロティ、マイコバクテリウム・シルバティクム(Mycobacterium silvaticum)、マイコバクテリウム・コロムビエンセ(Mycobacterium colombiense)、マイコバクテリウム・インディクスプラニイ(Mycobacterium indicus pranii)、マイコバクテリウム・ガストリ(Mycobacterium gastri)、マイコバクテリウム・ゴルドネ、マイコバクテリウム・ヒベルニアエ(Mycobacterium hiberniae)、マイコバクテリウム・ノンクロマゲニクム(Mycobacterium nonchromagenicum)、マイコバクテリウム・テルラエ(Mycobacterium terrae)、マイコバクテリウム・トリビアル(Mycobacterium trivial)、マイコバクテリウム・カンサシイ、マイコバクテリウム・マルモエンセ、マイコバクテリウム・シミアエ、マイコバクテリウム・トリプレクス(Mycobacterium triplex)、マイコバクテリウム・ゲナベンセ(Mycobacterium genavense)、マイコバクテリウム・フロレンティヌム(Mycobacterium florentinum)、マイコバクテリウム・レンティフラブム(Mycobacterium lentiflavum)、マイコバクテリウム・パルストレ(Mycobacterium palustre)、マイコバクテリウム・クビカエ(Mycobacterium kubicae)、マイコバクテリウム・パラスクロフラケウム(Mycobacterium parascrofulaceum)、マイコバクテリウム・ハイデルベルゲンセ(Mycobacterium heidelbergense)、マイコバクテリウム・インテルイェクツム(Mycobacterium interjectum)、マイコバクテリウム・スズルガイ、マイコバクテリウム・ブランデリ(Mycobacterium branderi)、マイコバクテリウム・コキエ(Mycobacterium cookie)、マイコバクテリウム・ケラツム(Mycobacterium celatum)、マイコバクテリウム・ボヘミクム(Mycobacterium bohemicum)、マイコバクテリウム・ハエモフィルム、鼡らい菌(Mycobacterium lepraemurium)、マイコバクテリウム・レプロマトシス(Mycobacterium lepromatosis)、マイコバクテリウム・ボトニエンセ(Mycobacterium botniense)、マイコバクテリウム・キマエラ(Mycobacterium chimaera)、マイコバクテリウム・コンスピクム(Mycobacterium conspicuum)、マイコバクテリウム・ドリクム(Mycobacterium doricum)、マイコバクテリウム・ホルシノゲネス(Mycobacterium forcinogenes)、マイコバクテリウム・ヘケスホルネンセ(Mycobacterium heckeshornense)、マイコバクテリウム・ラクス(Mycobacterium lacus)、マイコバクテリウム・モナケンセ(Mycobacterium monacense)、マイコバクテリウム・モンテフィオレンセ(Mycobacterium montefiorense)、マイコバクテリウム・ムラレ(Mycobacterium murale)、マイコバクテリウム・ネブラスケンセ(Mycobacterium nebraskense)、マイコバクテリウム・サスカチェワネネセ(Mycobacterium saskatchewanenese)、マイコバクテリウム・サクロフラセウム、マイコバクテリウム・シモイデル(Mycobacterium shimoidel)、マイコバクテリウム・ツスキアエ(Mycobacterium tusciae)、マイコバクテリウム・キセノピ、マイコバクテリウム・インテルメディウム(Mycobacterium intermedium)、マイコバクテリウム・ボルレッティイ(Mycobacterium bolletii)、マイコバクテリウム・フォーチュイタム、マイコバクテリウム・ホルイツム亜種アセタミドリチクム(Mycobacterium foruitum subsp. acetamidolyticum)、マイコバクテリウム・ボエニケイ(Mycobacterium boenickei)、マイコバクテリウム・ペリグリヌム(Mycobacterium perigrinum)、マイコバクテリウム・ポルキヌム(Mycobacterium porcinum)、マイコバクテリウム・セネガレンセ(Mycobacterium senegalense)、マイコバクテリウム・セプチクム(Mycobacterium septicum)、マイコバクテリウム・ネウォルレアンセンセ(Mycobacterium neworleansense)、マイコバクテリウム・ホウストネンセ(Mycobacterium houstonense)、マイコバクテリウム・ムコゲニクム(Mycobacterium mucogenicum)、マイコバクテリウム・マゲリテンセ(Mycobacterium mageritense)、マイコバクテリウム・ブリスバネンセ(Mycobacterium brisbanense)、マイコバクテリウム・コスメチクム(Mycobacterium cosmeticum)、マイコバクテリウム・パラフォーチュイタム、マイコバクテリウム・アウストロアフリカヌム(Mycobacterium austroafricanum)、マイコバクテリウム・ディエルンホフェリ(Mycobacterium diernhoferi)、マイコバクテリウム・ホディエリ(Mycobacterium hodieri)、マイコバクテリウム・ネオアウルム(Mycobacterium neoaurum)、マイコバクテリウム・プレデルキスベルゲンセ(Mycobacterium prederkisbergense)、マイコバクテリウム・アウルム(Mycobacterium aurum)、マイコバクテリウム・バッカエ、マイコバクテリウム・チタエ(Mycobacterium chitae)、マイコバクテリウム・ファルラクス(Mycobacterium fallax)、マイコバクテリウム・コンフルエンティス(Mycobacterium confluentis)、マイコバクテリウム・フラベンスケンス(Mycobacterium flavenscens)、マイコバクテリウム・マダガスカリエンセ(Mycobacterium madagascariense)、マイコバクテリウム・フレイ(Mycobacterium phlei)、マイコバクテリウム・スメグマティス(Mycobacterium smegmatis)、マイコバクテリウム・ゴオディエ(Mycobacterium goodie)、マイコバクテリウム・コリンスクイ(Mycobacterium colinskui)、マイコバクテリウム・テルモレシストビレ(Mycobacterium thermoresistbile)、マイコバクテリウム・ガディウム(Mycobacterium gadium)、マイコバクテリウム・コルモッセンセ(Mycobacterium kormossense)、マイコバクテリウム・オブエンセ(Mycobacterium obuense)、マイコバクテリウム・スファグニ(Mycobacterium sphagni)、マイコバクテリウム・アグリ(Mycobacterium agri)、マイコバクテリウム・アイキエンセ(Mycobacterium aichiense)、マイコバクテリウム・アルベイ(Mycobacterium alvei)、マイコバクテリウム・アルペンセ(Mycobacterium arupense)、マイコバクテリウム・ブルマエ(Mycobacterium brumae)、マイコバクテリウム・カナリアセンセ(Mycobacterium canariasense)、マイコバクテリウム・チュブエンセ(Mycobacterium chubuense)、マイコバクテリウム・コンセプチオネンセ(Mycobacterium conceptionense)、マイコバクテリウム・デュバリイ(Mycobacterium duvalii)、マイコバクテリウム・エレファンティス(Mycobacterium elephantis)、マイコバクテリウム・ギルブム(Mycobacterium gilvum)、マイコバクテリウム・ハッシアクム(Mycobacterium hassiacum)、マイコバクテリウム・ホルサティクム(Mycobacterium holsaticum)、マイコバクテリウム・イミュノゲヌム(Mycobacterium immunogenum)、マイコバクテリウム・マスシリエンセ(Mycobacterium massiliense)、マイコバクテリウム・モリオカエンセ(Mycobacterium moriokaense)、マイコバクテリウム・サイクロトレランセ(Mycobacterium psychrotoleranse)、マイコバクテリウム・ピレニボランス(Mycobacterium pyrenivorans)、マイコバクテリウム・バンバアレニイ(Mycobacterium vanbaalenii)、マイコバクテリウム・プルベリス(Mycobacterium pulveris)、マイコバクテリウム・アロシエンセ(Mycobacterium arosiense)、マイコバクテリウム・アウバグネンセ(Mycobacterium aubagnense)、マイコバクテリウム・カプラエ、マイコバクテリウム・クロロフェノリクム(Mycobacterium chlorophenolicum)、マイコバクテリウム・フルオロアンテニボランス(Mycobacterium fluoroanthenivorans)、マイコバクテリウム・クマモトネンセ(Mycobacterium kumamotonense)、マイコバクテリウム・ノボカストレンセ(Mycobacterium novocastrense)、マイコバクテリウム・パルメンセ(Mycobacterium parmense)、マイコバクテリウム・ホカイクム(Mycobacterium phocaicum)、マイコバクテリウム・ポリフェラエ(Mycobacterium poriferae)、マイコバクテリウム・ロデシアエ(Mycobacterium rhodesiae)、マイコバクテリウム・セオレンセ(Mycobacterium seolense)、マイコバクテリウム・トカレンセ(Mycobacterium tokalense)、マイコバクテリウム・キセノピ、マイコバクテリウム・サクロフラセウム、マイコバクテリウム・アブスセッスス、マイコバクテリウム・ケロナエ、マイコバクテリウム・ハエモフィルム、ライ菌、マイコバクテリウム・マリヌム、マイコバクテリウム・フォーチュイタム、マイコバクテリウム・ボビス、マイコバクテリウム・ウルセランス、マイコバクテリウム・シュードショットシイ(Mycobacterium pseudoshottsii)、マイコバクテリウム・ショットシイ(Mycobacterium shottsii)、マイコバクテリウム・イントラセルラーレ、結核菌コンプレックス(MTC)、マイコバクテリウム・アビウム・イントラセルラーレコンプレックス(MAIC)メンバー、及びマイコバクテリウム・アビウム・コンプレックス(MAC)メンバーから選択される、方法が提供される。
【0193】
関連態様では、マイコバクテリアは、結核菌である。他の態様では、マイコバクテリアは、マイコバクテリウム・アビウム、マイコバクテリウム・カンサシイ、マイコバクテリウム・マルモエンセ、マイコバクテリウム・シミアエ、マイコバクテリウム・スズルガイ、マイコバクテリウム・キセノピ、マイコバクテリウム・サクロフラセウム、マイコバクテリウム・アブスセッスス、マイコバクテリウム・ケロナエ、マイコバクテリウム・ハエモフィルム、ライ菌、マイコバクテリウム・マリヌム、M.フォーチュイタム、マイコバクテリウム・ボビス、M.ボビスBCG、M.アフリカヌム、M.カネッティイ、M.カプラエ、M.ミクロティ、M.ピンニペディ、ライ菌又はマイコバクテリウム・ウルセランスである。関連実施形態では、マイコバクテリアは、マイコバクテリウム・アビウムの亜種(subsp.)(マイコバクテリウム・アビウム亜種アビウム、マイコバクテリウム・アビウム亜種ホミニススイス、マイコバクテリウム・アビウム亜種シルバティクム及びヨーネ菌を含む)である。別の関連実施形態では、マイコバクテリアは、マイコバクテリウム・イントラセルラーレである。さらなる関連実施形態では、マイコバクテリアは、結核菌コンプレックス(MTC)、マイコバクテリウム・アビウム・コンプレックス(MAC)又はマイコバクテリウム・アビウム・イントラセルラーレコンプレックス(MAIC)のメンバーである。関連実施形態では、マイコバクテリアは、マイコバクテリウム・アビウム・コンプレックス、マイコバクテリウム・ゴルドネ分岐群、マイコバクテリウム・カンサシイ分岐群、マイコバクテリウム・ケロナエ分岐群、マイコバクテリウム・フォーチュイタム分岐群、マイコバクテリウム・パラフォーチュイタム分岐群及びマイコバクテリウム・バッカエ分岐群を含む、非結核コンプレックス又は分岐群である。関連実施形態では、マイコバクテリアは、結核菌である。
【0194】
例示的な実施形態では、本明細書に記載されている方法におけるマイコバクテリアは、耐性マイコバクテリア、特に耐性結核菌又は多耐性結核菌を含む。例示的な実施形態では、耐性マイコバクテリアは、本明細書に記載されているマイコバクテリアの変異体である。
【0195】
疾患の処置方法及び/又は予防方法
本発明の組合せは、マイコバクテリアに対して効力を示し、したがって、ヒトを含む動物において、治療的有効性を実現する可能性を有する。
【0196】
本明細書に記載されている化合物、及び/又は本明細書に記載されている製剤はマイコバクテリアに対する効力を示し、したがって、ヒトを含む動物において、治療的有効性を実現する可能性を有する。
【0197】
別の態様では、本発明は、疾患を処置及び/又は予防する方法を提供する。この方法は、動物に、疾患の処置及び/又は予防に十分な、治療有効量の本発明の組合せを投与することを含む。例示的な実施形態では、本発明の組合せは、ヒト又は獣医学的な医療的治療において、特に、マイコバクテリアに関連する疾患の処置又は予防において使用することができる。例示的な実施形態では、本組合せは、本明細書に記載されている。
【0198】
別の態様では、本発明は、疾患を処置及び/又は予防する方法を提供する。この方法は、動物に、疾患の処置及び/又は予防に十分な、治療有効量の本明細書に記載されている化合物、又は本明細書に記載されている製剤を投与することを含む。例示的な実施形態では、本発明の組合せは、ヒト又は獣医学的な医療的治療において、特に、マイコバクテリアに関連する疾患の処置又は予防において使用することができる。例示的な実施形態では、本組合せは、本明細書に記載されている。
【0199】
別の例示的な実施形態では、動物は本明細書で定義されている通りである。別の例示的な実施形態では、疾患は全身性疾患又は皮膚疾患である。別の例示的な実施形態では、疾患は呼吸器疾患である。
【0200】
略語
本発明の説明の際には、化学元素は、元素の周期表に従って特定される。本明細書で利用される略語及び記号は、化学分野の当業者による、そのような略語及び記号の一般的な使用法に従う。以下の略語が本明細書において使用される:
AcOH 酢酸
Ac
2O 無水酢酸
AIBN 2-2'-アゾイソブチロニトリル
BOC N-tert-ブトキシカルボニル
BOC無水物 ジ-tert-ブチルジカーボネート
B
2pin
2ビス(ピナコラト)ジボロンジボロン、4,4,4',4',5,5,5',5'-オクタメチル-2,2'-ビ(1,3,2-ジオキサボロランとしても知られている
Celite(登録商標) 酸洗浄済み珪藻土からなる濾過助剤(Manville Corp.、Denver、Coloradoの商標)
CTAB 臭化セチルトリメチルアンモニウム
CD
3OD 重水素化メタノール
DCM ジクロロメタン
DIAD ジイソプロピルアゾジカルボキシレート
DIBAL-H 水素化ジイソブチルアルミニウム
DME ジメトキシエタン
DCE ジクロロエタン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO-d6 重水素化ジメチルスルホキシド
DMSO ジメチルスルホキシド
ESI エレクトロスプレーイオン化
ES MS エレクトロスプレー質量分析法
Et
2O ジエチルエーテル
EtOH エタノール
EtOAc、EA 酢酸エチル
h 時間
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
KOAc 酢酸カリウム
LCMS 液体クロマトグラフィー質量分光法
mCPBA メタ-クロロ過安息香酸
MeNO
2 ニトロメタン
MeOH メタノール
NBS N-ブロモスクシンイミド
NCS N-クロロスクシンイミド
NIS N-ヨードスクシンイミド
NXS N-ハロスクシンイミド
NaBH(OAc)
3 トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム
NMR 核磁気共鳴分光法
PE 石油エーテル
PPh
3 トリフェニルホスフィン
rt又はr.t. 室温
RT 保持時間
SFC 超臨界流体クロマトグラフィー
t-BuOMe メチルt-ブチルエーテル
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
uv 紫外線
【0201】
[実施例]
以下の実施例は、本発明を説明する。これらの実施例は、本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、むしろ本発明の化合物、組成物、及び方法を準備及び使用するための指針を当業者に提供することを意図する。本発明の具体的な実施形態が記載されている一方で、当業者は、様々な変化及び改変を行うことができることが理解されよう。他の準備の一般的な方法と同様の方式で又はその方法によって行われる準備についての言及には、時間、温度、精製作業条件、試薬量の小さな変化など、定型のパラメーターのバリエーションが包含され得る。
【0202】
プロトン核磁気共鳴(
1H NMR)スペクトルを記録し、完全に重水素化されていない残留溶媒を参照として使用して、テトラメチルシラン(TMS)のプロトンシグナルから低磁場側への百万分率(δ)として、化学シフトを記録した。NMRデータに関する略語は以下の通りである:s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、m=マルチプレット、dd=ダブレットのダブレット、dt=トリプレットのダブレット、app=明瞭、br=ブロード。エレクトロスプレー(ES)イオン化手法を使用して、質量スペクトルを取得した。全ての温度を、摂氏度にて記録した。
【0203】
構造決定
開いた形態
13C NMR及び
1H NMRを使用して、G26-CH
3に溶液相NMRを実施した。同種核デカップリング(100kHz DUMBO)を用いた
1Hスペクトル。化学シフトスケーリングについて修正したスペクトル。
【0204】
13C共鳴の帰属を、類似体化合物G4-Clの他のNMRデータによって確認した。C8の共鳴は、隣接する四極子11B核とのJカップリングを示し、4本線として観察された。59.9ppmでのC16の化学シフトは、開環形態に一致する。G26-CH3の閉環形態は、C16について約69ppmの化学シフトを与えるものと予想される。このことは、
図3BのC4 H類似体を、
図3AのG26-CH
3のC16について示されるものと比較することによって見てとることができる。この同じ化学シフト(
図3C及び
図3D)はまた、G26-CH
3にあるようなCH
3というよりも、むしろベンゾオキサボロール環の4位にClを有するG4-Cl類似体の溶液相NMRスペクトルに、実験的に観察された(
図3A、
図3B、
図3C、及び
図3Dのスペクトルの陰影の付いたピークを比較されたい)。
固体状態NMRをG26-CH
3にも実施した。
【0205】
固体状態NMRデータ(
図4を参照)は、開環構造を指す。
13C CPスペクトルでは、炭素C16の共鳴は、約60ppmの化学シフト値を有し、この値は開環構造に一致する。さらに得た
1H-11B HETCORスペクトル(
図5を参照)は、高ppm値でB1プロトンとOHプロトンとの間の強い相関を示した。これはまた、B1の近傍に-OHプロトンを有する開環構造に一致する。11Bのスペクトルの四極子の二次線形のフィッティングによって、類似の開環構造の文献値と同様な値がもたらされた。
【0206】
水素化リチウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを含む、水素化金属を含む反応は、別段に特定のない限りアルゴン下で行う。
【0207】
合成
中間体1 (S)-tert-ブチル((7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メチル)カルバメート
a)(Z)-1-(ピリジン-2-イル)-N-((1R)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イリデン)メタンアミン
【0209】
(+)-カンファー(371g、2.44mol)、ピリジン-2-イルメタンアミン(277g、2.56mol)、及びBF
3.Et
2O(17g、0.12mol)のトルエン(3.7L)中混合物を、ディーン・スターク・トラップ、還流凝縮器、温度計、及び窒素注入口を取り付けた5L丸底フラスコ内に装入した。混合物を加熱し、水を共沸除去しながら20時間還流した。混合物を15℃に冷却し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(2.5L)でクエンチし、有機相を分離して水で洗浄し(1.25L×2)、次いで混合物を真空下で2Lに濃縮した。残渣を精製せずに次のステップに使用した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): 8.47-8.48 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 8.77-8.74 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.43-7.41 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.25-7.22 (dd, J = 4.8 Hz, 1H), 4.49-4.38 (dd, J = 16.4 Hz, 2H), 2.46-2.42 (m, 1H), 1.97-1.93 (m, 2H), 1.84-1.79 (m, 1H), 1.71-1.64 (m, 1H), 1.33-1.22 (m, 2H), 0.93 (s, 3H), 0.92 (s, 3H), 0.73 (s, 3H). LCMS: [M+H]
+ = 243.
b)(1R)-1,7,7-トリメチル-N-(ピリジン-2-イルメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン
【0211】
5%Pt/C(40g)を5L圧力容器内に装入し、続いて(Z)-1-(ピリジン-2-イル)-N-((1R)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イリデン)メタンアミン(2.44mol)のトルエン(2L)溶液を装入した。100psiの水素を用いて、容器を12時間加圧した。固体をセライト(登録商標)に通して濾過し、ケークをトルエン(1L)で洗浄した。濾過物を真空下で濃縮して、所望の生成物(2ステップにわたって435gを取得、総収率:73%)を薄黄色の油として取得した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): 8.49-8.48 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.75-7.71 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.40-7.38 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.24-7.21 (dd, J = 5.2 Hz, 1H), 3.79-3.64 (dd, J = 14.4 Hz, 2H), 2.53-2.49 (m, 1H), 1.99 (s, 1H), 1.68-1.42 (m, 5H), 1.05 (s, 3H), 0.87 (s, 3H), 0.78 (s, 3H), LCMS: [M+H]
+ = 245.
c)3-(2-(ベンジルオキシ)エトキシ)ベンズアルデヒド
【0213】
3-ヒドロキシベンズアルデヒド(2.90kg、23.75mol)及び((2-ブロモエトキシ)メチル)ベンゼン(4.26kg、19.79mol)のDMF(9.3L)溶液に、K
2CO
3(3.83kg、27.70mol)を添加した。反応混合物を室温で24時間攪拌した。反応混合物に水(15L)及びtert-ブチルメチルエーテル(23L)を添加した。有機相を分離し、1N NaOH(2×15L)及び水(15L)で連続的に洗浄し、次いで、最小限になるまで濃縮した。エタノール(23L)を添加し、溶液を真空下で濃縮して、所望の生成物(4.7kg、93%)を無色の油として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): 9.98 (s, 1H), 7.55-7.52 (m, 2H), 7.46 (s, 1H), 7.36-7.34 (m, 4H), 7.32-7.26 (m, 2H), 4.57 (s, 2H), 4.25-4.22 (t, J = 4.4 Hz, 2H), 3.80-3.78 (t, J = 4.4 Hz, 2H). LCMS: [M+Na]
+ = 279.
d)(S)-1-(3-(2-(ベンジルオキシ)エトキシ)フェニル)-2-ニトロエタノール
【0215】
酢酸銅(II)(167g、0.92mol)、(1R)-1,7,7-トリメチル-N-(ピリジン-2-イルメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン(269g、1.10mol)のエタノール(19L)中混合物を室温で1時間攪拌し、次いで3-(2-(ベンジルオキシ)エトキシ)ベンズアルデヒド(4.70kg、18.34mol)のエタノール(5L)溶液を添加した。反応混合物を-30℃から-40℃の間の温度範囲に冷却し、次いで、-30℃を下回る温度を保ちながらニトロメタン(9.9L、183.40mol)を滴下添加した後、ジイソプロピルエチルアミン(285g、2.20mol)を添加した。反応物を-30℃で24時間攪拌し、次いで、トリフルオロ酢酸(314g、2.75mol)でクエンチした。結果として得られた溶液に、1N HCl(24L)及びTBME(47L)を添加した。分離した有機相を水(24L)で洗浄し、次いで、真空下で濃縮した。残渣を石油エーテル/酢酸エチル=5:1(10L)の混合物に添加した。次いで、黄色の固体を沈殿させて、ブフナー漏斗を用いた濾過により採集し、真空下、40℃で6時間乾燥して、所望の生成物(5.00kg、86%)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): 7.38-7.25 (m, 6H), 7.03 (s, 1H), 7.01-6.99 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.90-6.87 (dd, J = 8.0 Hz, 1H), 6.09-6.08 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 5.26-5.22 (m, 1H), 4.86-4.82 (dd, J = 12.4 Hz, 1H), 4.57-4.51 (m, 3H), 4.15-4.13 (m, 2H), 3.78-3.76 (t, J = 4.8 Hz, 2H). LC-MS: [M+Na]
+ = 340.
e)(S)-1-(3-(2-(ベンジルオキシ)エトキシ)フェニル)-2-(ジベンジルアミノ)エタノール塩酸塩
【0217】
10%Pd/C(800g)及び10%Pt/C(200g)を圧力容器に装入した後、(S)-1-(3-(2-(ベンジルオキシ)エトキシ)フェニル)-2-ニトロエタノール(5.00kg、15.76mol)のエタノール(50L)溶液を装入した。容器を100psiの水素で、室温にて12時間加圧した。固体をセライト(登録商標)に通して濾過し、ケークをエタノール(5L)で洗浄した。濾過物にK
2CO
3(4.80kg、34.67mol)及び臭化ベンジル(5.93kg、34.67mol)を順次添加した。反応混合物を室温で24時間攪拌した。固体を濾過し、エタノール(1L)で洗浄した。濾過物を水(20L)で希釈し、次いで50℃に加熱した。溶液を50℃で30分間攪拌し、次いで濃HCl(1.5L)を1時間にわたって滴下添加した。混合物を0℃に冷却して、0℃でさらに30分間保持した。生成物を濾過し、20%水性エタノール(1L)で洗浄して、所望の生成物の塩酸塩(5.00kg、2ステップにわたって63%)を無色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): 10.67 (s, 1H), 7.72-7.68 (m, 4H), 7.47-7.45 (m, 6H), 7.38-7.26 (m, 5H), 7.25-7.21 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 6.86-6.84 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.77 (s, 1H), 6.77-6.75 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 6.36 (s, 1H), 5.04-5.02 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 4.58 (s, 2H), 4.51-4.38 (m, 4H), 4.09-4.07 (t, J = 4.0 Hz, 2H), 3.77-3.75 (t, J = 3.2 Hz, 2H), 3.13-2.96 (m, 2H). LC-MS: [M+H]
+ = 468.
f)(S)-7-(2-(ベンジルオキシ)エトキシ)-3-((ジベンジルアミノ)メチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール-1(3H)-オール
【0219】
N
2雰囲気下での(S)-1-(3-(2-(ベンジルオキシ)エトキシ)フェニル)-2-(ジベンジルアミノ)エタノール塩酸塩(3.85kg、7.64mol)の-30℃の乾燥トルエン(39L)溶液に、6時間にわたってn-BuLi(15.3L、38.20mol)を滴下添加した。添加後、混合物を-30℃でさらに1時間攪拌し、次いで-70℃に冷却した。-60℃を下回る温度に保ちながら、ホウ酸トリメチル(3.97kg、38.20mol)を滴下添加した。添加後、反応混合物を室温にまで温まるようにして、一晩攪拌した。反応を5%水性NaHCO
3(20L)でクエンチし、15分間激しく攪拌した。結果として得られた懸濁液を濾過し、濾過物を分離した。有機層を水(20L×3)で洗浄して真空下で濃縮し、石油エーテル/酢酸エチル=5:1で溶出するゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、所望の生成物(1.80kg、48%)を黄色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): 8.81 (s, 1H), 7.39-7.22 (m, 16H), 6.82-6.80 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.72-6.70 (d, J = 7.6 Hz , 1H), 5.34-5.31 (dd, J = 7.6 Hz, 1H), 4.60 (s, 2H), 4.22-4.19 (t, J = 4.4 Hz, 2H), 3.80-3.72 (m, 6H), 2.88-2.84 (dd, J = 13.6 Hz , 1H), 2.47-2.45 (dd, J = 10 Hz, 1H). LC-MS: [M+H]
+ = 494.
g)(S)-(7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン塩酸塩
【0221】
10%Pd/C(180g)を圧力容器に装入した後、(S)-7-(2-(ベンジルオキシ)エトキシ)-3-((ジベンジルアミノ)メチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール-1(3H)-オール(1.80kg、3.65mol)のメタノール(18L)、トルエン(3.6L)、及び1N HCl(4L)溶液を挿入した。容器を100psiの水素で12時間の間、50℃で加圧した。固体をセライトに通して濾過し、ケークをメタノール(1L)で洗浄した。濾過物を真空下で濃縮し、残渣を2-プロパノール(3.6L)で処理して、室温で30分間攪拌した。結果として得られた固体を濾過により採集し、2-プロパノール(500mL)で洗浄し、真空下、50℃で6時間乾燥して、所望の生成物(680g、77%)を薄黄色の粉末として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): 8.38 (s, 3H), 7.52-7.48 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.17-7.15 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.92-6.90 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.55 (m, 1H), 4.71-4.68 (m, 1H), 4.38-4.22 (m, 3H), 3.53-3.50 (m, 1H), 2.91-2.86 (m, 1H). LC-MS: [M+H]
+ = 206.
h)(S)-tert-ブチル((7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メチル)カルバメート
【0223】
(S)-(7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン塩酸塩(390g、1.62mol)及びEt
3N(163.4g、4.85mol)のDCM(4.6L)溶液に、(Boc)
2O(353.0g、1.62mol)を、室温で2時間にわたって滴下で添加した。添加後、反応混合物を室温でさらに3時間攪拌した。反応を1N HCl(4L)でクエンチして、有機相を分離し、水(4L)で洗浄して真空下で濃縮し、所望の生成物(460g、93%)を青白い固体として取得した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): 7.46-7.42 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.07 (s, 1H), 7.02-7.00 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 6.87-6.85 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.27 (m, 1H), 4.68-4.65 (m, 1H), 4.34-4.18 (m, 3H), 3.41(s, 1H), 3.14-3.08 (m, 1H), 1.38 (s, 9H). LC-MS: [M-55] = 250.
【0224】
[実施例2]
(S)-(3-メチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン(G26-CH
3)
【0225】
【化40】
a)(S)-tert-ブチル((3-ブロモ-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メチル)カルバメート
【0227】
(S)-tert-ブチル((7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メチル)カルバメート(3g、9.81mmol)及びNBS(1.92g、10.8mmol)のジクロロエタン50mL溶液を、55℃で24時間攪拌した。次いで、混合物を水150mL中に注いで、酢酸エチル(150mL)で抽出し、水(100mL)及びブライン(100mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥して濾過し、真空内で濃縮した。酢酸エチル及び石油エーテル(1:4)の混合物により溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製し、標題化合物(3.5g、93%)を淡黄色の油として得た。LC-MS:384[M+H]+。
b)(S)-tert-ブチル((3-メチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メチル)カルバメート
【0229】
(S)-tert-ブチル((3-ブロモ-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メチル)カルバメート(500mg、1.31mmol)、テトラメチルスタンナン(0.822g、4.57mmol)及びPd(Ph
3)
4(151mg、0.131mmol)のDMF 10mL溶液を、N
2で6回脱気した。次いで、混合物を90℃で16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、次いで、混合物を水25mL中に注いで、酢酸エチル(25mL)で抽出し、水(15mL)及びブライン(15mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥して濾過し、真空内で濃縮した。酢酸エチル及び石油エーテル(1:6)の混合物により溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製し、標題化合物(150mg、36%)を淡黄色の油として得た。LC-MS:320[M+H]+。
c)(S)-(3-メチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン塩酸塩
【0231】
化合物(S)-tert-ブチル[(3-メチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メチル]カルバメート(150mg、0.47mmol)及びTFA(0.6mL)のDCM 5mL溶液を、室温で2時間攪拌した。溶媒を減圧下、40℃で蒸発させて、残渣をEt
2O中2M HClで処理し、次いでEt
2O(10mL)で洗浄して、標題化合物(13.6mg、11%)を白色の固体として得た。LC-MS: 220.1 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CD
3OD): δ 7.30 (d, 1H, J=8), 6.87 (d, 1H, J=8), 5.54 (brs, 1H), 4.67 (brs, 1H), 4.46-4.17 (m, 3H), 3.68 (brs, 1H), 2.99-2.93 (m, 1H), 2.33 (s, 3H).
【0232】
[実施例3]
(S)-(3-メチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン(G27-フェニル)
【0233】
【化44】
a)(S)-tert-ブチル[(3-フェニル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メチル]カルバメート
【0235】
化合物(S)-tert-ブチル((3-ブロモ-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メチル)カルバメート(400mg、1.04mmol)、トリブチル(フェニル)スタンナン(1.68g、4.58mmol)及びPd(Ph
3)
4(151mg、0.131mmol)のDMF 10mL溶液を、N
2で6回脱気した。次いで、混合物を90℃で16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、次いで、混合物を水20mL中に注いで、酢酸エチル(15mL)で抽出し、水(10mL)及びブライン(10mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥して濾過し、真空内で濃縮した。酢酸エチル及び石油エーテル(1:6)の混合物により溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製し、標題化合物(140mg、35%)を淡黄色の油として得た。LC-MS:382[M+H]+。
b)(S)-(3-フェニル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン塩酸塩
【0237】
化合物(S)-tert-ブチル((3-フェニル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メチル)カルバメート(140mg、0.37mmol)及びTFA(0.5mL)のDCM 5mL溶液を、室温で2時間攪拌した。溶媒を減圧下、40℃で蒸発させて、残渣をEt
2O中2M HClにより処理し、次いで、Et
2O(10mL)で洗浄して、標題化合物(45mg、39%)を白色の固体として得た。LC-MS: 282.1 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ8.17-7.86 (m, 3H), 7.49-7.38 (m, 5H), 7.05 (d, 1H, J=8), 6.01 (brs, 1H), 4.78-4.68 (m, 1H), 4.46-4.24 (m, 3H), 3.32 (brs, 1H), 3.01-2.84 (m, 1H).
【0238】
[実施例4]
(S)-(3-(チオフェン-2-イル)-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン(G28-チエニル)
【0239】
【化47】
a)(S)-tert-ブチル((3-(チオフェン-2-イル)-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メチル)カルバメート
【0241】
化合物(S)-tert-ブチル((3-ブロモ-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メチル)カルバメート(400mg、1.04mmol)、トリブチル(チオフェン-2-イル)スタンナン(1.37g、3.66mmol)及びPd(Ph
3)
4(120mg、0.104mmol)のDMF 10mL溶液を、N
2で6回脱気した。次いで、混合物を90℃で16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、次いで、混合物を水20mL中に注いで、酢酸エチル(12mL)で抽出し、水(10mL)及びブライン(10mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥して濾過し、真空内で濃縮した。酢酸エチル及び石油エーテル(1:5)の混合物により溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、標題化合物(160mg、40%)を淡黄色の油として得た。LC-MS:388[M+H]+。
b)(S)-(3-(チオフェン-2-イル)-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン塩酸塩
【0243】
化合物(S)-tert-ブチル((3-(チオフェン-2-イル)-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メチル)カルバメート(160mg、0.41mmol)及びTFA(0.6mL)のDCM 5mL溶液を室温で2時間攪拌した。溶媒を減圧下、40℃で蒸発させて、残渣をEt
2O中2M HClにより処理し、次いで、Et
2O(10mL)で洗浄し、標題化合物(38.2mg、29%)を白色の固体として得た。LC-MS: 288.1 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ7.99 (brs, 3H), 7.67 (d, 1H, J=8), 7.57 (d, 1H, J=8), 7.29 (d, 1H, J=4), 7.18 (d, 1H, J=4), 7.03 (d, 1H, J=12), 6.02-5.96 (m, 1H), 4.72-4.68 (m, 1H), 4.41 (brs, 2H), 4.29-4.18 (m, 1H), 3.00-2.93 (m, 1H), 2.65-2.52 (m, 1H).
【0244】
[実施例5]
((2S)-3,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン
【0245】
【化50】
a)2-ブロモ-3-(2-ヒドロキシプロポキシ)ベンズアルデヒド
【0247】
2-ブロモ-3-ヒドロキシベンズアルデヒド(6.0g、29.85mmol)、1-クロロプロパン-2-オール(8.46g、89.55mmol)及びK
2CO
3(8.24、59.7mmol)のDMF(100mL)溶液を、100℃で一晩攪拌した。次いで、水(4L)を添加することによって反応混合物をクエンチし、次いで、EtOAc(3×1.5L)で抽出した。合一した有機層をブライン(250mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥し、真空内で濃縮乾固した。シリカゲル上カラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=5:1から2:1まで)によって残渣を精製して、標的の粗製化合物(8.77g)を得た。MS(ESI)m/z=259/261[M+H]
+。
b)3-(2-ヒドロキシプロポキシ)-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンズアルデヒド
【0249】
2-ブロモ-3-(2-ヒドロキシプロポキシ)ベンズアルデヒド(8.77g、34mmol)4,4,4',4',5,5,5',5'-オクタメチル-2,2'-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(17.27g、68mmol)、Pd(dppf)Cl
2(2.49g、3.4mmol)及びKOAc(9.99g、102mmol)のジオキサン(200mL)溶液を、100℃で一晩攪拌した。次いで、水(200mL)を添加することによって反応混合物をクエンチし、次いで、EtOAc(3×200mL)で抽出した。合一した有機層をブライン(250mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥し、真空内で濃縮乾固した。シリカゲル上カラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=5:1から1:1)によって残渣を精製して、標的の粗製化合物(6g)を得た。MS(ESI)m/z=307[M+H]
+。
c)8-メチル-2-(ニトロメチル)-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン
【0251】
NaOH(261.4mg、6.54mmol)の水(8mL)溶液に、ニトロメタン(1.2g、19.6mmol)を5〜10℃で添加した。5〜10℃で15分間攪拌した後、CTAB(0.19g、0.52mmol)を反応混合物に添加し、続いて5〜10℃で3-(2-ヒドロキシプロポキシ)-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンズアルデヒド(2.0g、6.54mmol)を添加した。反応混合物を室温で5時間攪拌した。希塩酸を使用して反応混合物をpH=1に酸性化し、室温で一晩攪拌した。反応混合物を濾過して、標的化合物(541mg、33%)を得た。
d)(8-メチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン酢酸塩
【0253】
8-メチル-2-(ニトロメチル)-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン(541mg、2.173mmol)及び水酸化パラジウム(300mg)の酢酸(10mL)溶液を、H
2雰囲気下、室温で一晩振盪した。混合物をセライトのベッドに通して濾過し、濾過物を真空内で濃縮して、粗製化合物(350mg)を得た。MS(ESI)m/z=220[M+H]
+。
e)tert-ブチル((8-メチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メチル)カルバメート
【0255】
0℃で、粗製化合物(8-メチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン酢酸塩(3.0g、10.75mmol)及びトリエチルアミン(6.5g、64.5mmol)のジクロロメタン(100mL)中混合物に、ジ-tert-ブチルジカーボネート(3.5g、16.13mmol)を添加し、混合物を室温で2時間攪拌した。反応を飽和NaHCO
3(15mL)でクエンチして、結果として得られた混合物をEtOAc(3×80mL)で抽出し、合一した有機層を無水Na
2SO
4上で乾燥し、真空内で濃縮した。水/アセトニトリル(0.05%TFA)勾配により溶出される、Daisogel 10μ C18カラム(250×50mm)を使用した調製用HPLCによって、残渣を精製し、生成物(700mg)を得た。MS (ESI) m/z = 264 [M-56]
+.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ 7.44-7.39 (m, 1H), 7.01-6.98 (m, 2H), 6.88-6.85 (m, 1H), 5.24 (m, 1H), 4.52-4.44 (m, 2H), 4.18-4.00 (m, 1H), 3.39-3.36 (m, 1H), 3.15-3.06 (m, 1H), 1.42-1.09 (m, 15H).
f)tert-ブチル((3-ブロモ-8-メチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メチル)カルバメート
【0257】
tert-ブチル((8-メチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メチル)カルバメート(180mg、0.564mmol)及び1-ブロモピロリジン-2,5-ジオン(120mg、0.677mmol)のCH
3CN(20mL)溶液を、2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオニトリル(9.2mg、0.056mmol)に添加し、混合物を90℃で2時間攪拌した。次いで、反応混合物を高真空で濃縮し、水/アセトニトリル(0.05% TFA)勾配により溶出されるGemini(登録商標)5u C18カラム(150×21.2mm)を使用した調製用HPLCによって残渣を精製し、生成物(60mg)を得た。MS(ESI)m/z=342/344[M-56]
+。
g)tert-ブチル((3,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メチル)カルバメート
【0259】
tert-ブチル((3-ブロモ-8-メチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メチル)カルバメート(1当量)、テトラメチルスタンナン(およそ3.5-4.5当量、およそ3.9当量)及びPd(Ph
3)
4(およそ0.01から0.5当量、およそ0.1当量)のDMF溶液をN
2で脱気することができる。次いで、混合物を約50℃から150℃の間で(例えば約90℃)約4時間から24時間の間(例えば約16時間)、加熱することができる。反応混合物を室温に冷却することができ、次いで、混合物を水中に注ぐことができ、酢酸エチルで抽出することができ、水及びブラインで洗浄することができる。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥して濾過し、真空内で濃縮することができる。酢酸エチル及び石油エーテルの混合物により溶出されるシリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製し、標題化合物を得ることができる。
h)(3,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン塩酸塩
【0261】
tert-ブチル((3,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メチル)カルバメート及びTFAのDCM 5mL溶液を、室温で2時間攪拌することができる。溶媒を減圧下で蒸発させることができ、残渣をエーテル中2M HClで処理することができ、次いでエーテルで洗浄して標題化合物を得ることができる。
【0262】
[実施例6]
(3,8,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン
【0263】
【化59】
a)2-ブロモ-3-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)ベンズアルデヒド
【0265】
2-ブロモ-3-ヒドロキシベンズアルデヒド(7.5g、37.3mmol)、1-クロロ-2-メチルプロパン-2-オール(9.4g、85.6mmol)及びNa
2CO
3(6.7g、63.2mmol)のDMSO 70mL溶液を、140℃で3時間攪拌した。次いで、混合物を室温に冷却し、水300mLに注いで、酢酸エチル(600mL)で抽出し、水(300mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を減圧下、40℃で蒸発させて、酢酸エチル及び石油エーテル(1:3)の混合物により溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、標題化合物(9.2g、90.3%)を無色の油として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ 10.43 (s, 1H), 7.54 (dd, 1H, J1=3.0, J2=7.5), 7.40〜7.34 (m, 1H), 7.54 (dd, 1H, J1=3, J2=7.5), 3.90 (s, 2H), 1.42 (s, 6H).
b)3-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンズアルデヒド
【0267】
2-ブロモ-3-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)ベンズアルデヒド(9.2g、33.7mmol)、Pin
2B
2(17.1g、67.4mmol)、KOAc(9.9g、101.1mmol)、及びPd(dppf)Cl
2(2.5g)の1,4-ジオキサン240mL溶液を、N
2で6回脱気した。次いで、反応を窒素下、99
oCで16時間攪拌した。反応物を冷却し、濾過し、次いで減圧下40℃で蒸発させて、酢酸エチル及び石油エーテル(1:5)の混合物により溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製し、de-Br副産物(さらに精製せずに次ステップに直接的に使用した)を含む、標題化合物(10g、粗製物)を得た。
c)8,8-ジメチル-2-(ニトロメチル)-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン
【0269】
3-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンズアルデヒド(10g、31.3mmol)及びCH
3NO
2(5.7g、93.8mmol)のTHF 100mLの攪拌溶液を、NaOH(1.25 g、31.3mmol)の水60mL溶液に室温で添加した。次いで、反応を室温で16時間攪拌した。次いで、反応物を、濃HClにより0℃でpH=1に酸性化して、室温で1時間攪拌した。混合物を酢酸エチル(100mL)で抽出し、水(30mL)と次いでブライン(30mL)で洗浄して、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を減圧下、40℃で蒸発させて、酢酸エチル及び石油エーテル(1:10)の混合物により溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製し、標題化合物(3g、36.5%)を無色の油として得た。
d)(8,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン酢酸塩
【0271】
8,8-ジメチル-2-(ニトロメチル)-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン(1g、3.8mmol)及びPd(OH)
2(10%,0.2g)の酢酸20mL溶液を、1atmのH
2で16時間、室温で水素化した。次いで、混合物を濾過し、溶媒を減圧下、40℃で蒸発させて、標題化合物(0.9g、粗製物)を油(酢酸塩)として得た。LC-MS:234.1[M+H]
+。
e)tert-ブチル((8,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メチル)カルバメート
【0273】
0℃に冷却した(8,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン酢酸塩(0.7g、2.39mmol)のCH
2Cl
2 70mL攪拌溶液に、Et
3N(0.61g、6.0mmol)を添加した。次いで、Boc
2O(0.98g、4.5mmol)をひとかたまり添加して、反応物を室温で16時間攪拌した。混合物を0.3N HCl(30mL)、水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を減圧下、40℃で蒸発させて、酢酸エチル及び石油エーテル(1:4)の混合物により溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製し、標題化合物(0.63g、79%)を油として得た。LC-MS:234.1[M+H-100]
+。
f)tert-ブチル((3-ブロモ-8,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メチル)カルバメート
【0275】
tert-ブチル((8,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メチル)カルバメート(232g、0.70mmol)、NBS(143mg、0.80mmol)及びAIBN(20mg)のアセトニトリル30mL溶液を、還流で1時間攪拌した。溶媒を減圧にて、40℃で蒸発させ、酢酸エチル及び石油エーテル(1:4)の混合物により溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、標題化合物(260mg、88.6%)を固体として得た。LC-MS:312.0/314.0[M+H-100]
+。
g)tert-ブチル((3,8,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メチル)カルバメート
【0277】
tert-ブチル((3-ブロモ-8,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メチル)カルバメート(1当量)、テトラメチルスタンナン(およそ3.5〜4.5当量、およそ3.9当量)及びPd(Ph
3)
4(およそ0.01から0.5当量、およそ0.1当量)のDMF溶液を、N
2で脱気することができる。次いで、混合物を約50℃から150℃の間(例えば約90℃)で約4時間から24時間の間(例えば約16時間)、加熱することができる。反応混合物を室温に冷却することができ、次いで混合物を水中に注ぐことができ、酢酸エチルで抽出することができ、水及びブラインで洗浄することができる。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥して濾過し、真空内で濃縮することができる。酢酸エチル及び石油エーテルの混合物により溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、標題化合物を得ることができる。
h)(3,8,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン塩酸塩
【0279】
tert-ブチル((3,8,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メチル)カルバメート及びTFAのDCM溶液を、室温で2時間攪拌することができる。溶媒を減圧下にて蒸発させることができ、残渣をエーテル中2M HClで処理することができ、次いでエーテルで洗浄して、標題化合物を得ることができる。
【0280】
[実施例7]
(S)-(3,8,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン
【0281】
【化68】
a)(S)-tert-ブチル((3-ブロモ-8,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メチル)カルバメート
【0283】
tert-ブチル((8,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メチル)カルバメート(5.5g、16.5mmol)及びNBS(3.2g、18.2mmol)のジクロロエタン100mL溶液を、50℃で18時間攪拌した。溶媒を減圧下、40℃で蒸発させて、酢酸エチル及び石油エーテル(1:10)の混合物により溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製し、標題化合物(5.9g、86.5%)を油として得た。SFC[キラルカラムCHIRAL PAK AD-H、EtOH(20%)及びCO
2(80%)で溶出]を介して、ラセミ化合物を分離し、2.2gの(S)-異性体(第1の溶出異性体、RT=3.0分)、及び2.2gの(R)-異性体(第2の溶出異性体、RT=4.1分)を得た。LC-MS:312.0/314.0[M+H-100]
+。
b)tert-ブチル(S)-((3,8,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メチル)カルバメート
【0285】
tert-ブチル(S)-((3-ブロモ-8,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メチル)カルバメート(1当量)、テトラメチルスタンナン(およそ3.5〜4.5当量、およそ3.9当量)、及びPd(Ph
3)
4(およそ0.01から0.5当量まで、およそ0.1当量)のDMF溶液を、N
2で脱気することができる。次いで、混合物を約4時間から24時間の間(例えば約16時間)、約50℃から150℃の間(例えば約90℃)で加熱することができる。反応混合物を室温に冷却することができ、次いで、混合物を水中に注ぐことができ、酢酸エチルで抽出することができ、水及びブラインで洗浄することができる。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥して濾過し、真空内で濃縮することができる。酢酸エチル及び石油エーテルの混合物により溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、標題化合物を得ることができる。
c)(S)-(3,8,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン塩酸塩
【0287】
tert-ブチル(S)-((3,8,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メチル)カルバメート及びTFAのDCM溶液を、約10分間から10時間の間、例えば約2時間、室温で攪拌することができる。溶媒を減圧下で蒸発させることができ、残渣をエーテル中2M HClで処理することができ、次いで、エーテルで洗浄して、標題化合物を得ることができる。
【0288】
[実施例8]
(S)-(3-エチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン
【0289】
[実施例9]
(S)-(3-ビニル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン
【0290】
[実施例10]
(S)-(3-プロピル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン
【0291】
[実施例11]
(S)-(3-イソプロピル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン
【0292】
[実施例12]
(S)-(3-アリル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン
【0293】
[実施例13]
(S)-(3-シクロプロピル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン
【0295】
実施例2、すなわち(S)-(3-メチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミンに記載されたプロセスを利用し、実施例18のステップb)のスズ化合物テトラメチルスタンナンを以下のスズ化合物に置換して、実施例8〜13を合成することができる:実施例8 テトラエチルスタンナン又はエチルトリ(n-ブチル)スタンナン、実施例9 テトラビニルスタンナン又はビニルトリ(n-ブチル)スタンナン、実施例10 テトラプロピルスタンナン又はプロピルトリ(n-ブチル)スタンナン、実施例11 テトライソプロピルスタンナン又はイソプロピルトリ(n-ブチル)スタンナン、実施例12 テトラアリルスタンナン又はアリルトリ(n-ブチル)スタンナン、及び実施例13 テトラシクロプロピルスタンナン又はシクロプロピルトリ(n-ブチル)スタンナン。
【0296】
[実施例14]
((2S)-3-エチル-8-メチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン
【0297】
[実施例15]
((2S)-3-ビニル-8-メチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン
【0298】
[実施例16]
((2S)-3-プロピル-8-メチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン
【0299】
[実施例17]
((2S)-3-イソプロピル-8-メチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン
【0300】
[実施例18]
((2S)-3-アリル-8-メチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン
【0301】
[実施例19]
((2S)-3-シクロプロピル-8-メチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン
【0303】
実施例5、すなわち((2S)-3,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミンに記載されたプロセスを利用し、実施例5のステップg)のスズ化合物テトラメチルスタンナンを以下のスズ化合物に置換して、実施例14〜19を合成することができる:実施例14 テトラエチルスタンナン又はエチルトリ(n-ブチル)スタンナン、実施例15 テトラビニルスタンナン又はビニルトリ(n-ブチル)スタンナン、実施例16 テトラプロピルスタンナン又はプロピルトリ(n-ブチル)スタンナン、実施例17 テトライソプロピルスタンナン又はイソプロピルトリ(n-ブチル)スタンナン、実施例18 テトラアリルスタンナン又はアリルトリ(n-ブチル)スタンナン、及び実施例19 テトラシクロプロピルスタンナン又はシクロプロピルトリ(n-ブチル)スタンナン。
【0304】
[実施例20]
(S)-(3-エチル-8,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン
【0305】
[実施例21]
(S)-(3-ビニル-8,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン
【0306】
[実施例22]
(S)-(3-プロピル-8,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン
【0307】
[実施例23]
(S)-(3-イソプロピル-8,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン
【0308】
[実施例24]
(S)-(3-アリル-8,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン
【0309】
[実施例25]
(S)-(3-シクロプロピル-8,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン
【0311】
実施例7、すなわち(S)-(3,8,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミンで記載されたプロセスを使用し、実施例20のステップb)のスズ化合物テトラメチルスタンナンを以下のスズ化合物に置換して、実施例20〜25を合成することができる:実施例21 テトラエチルスタンナン又はエチルトリ(n-ブチル)スタンナン、実施例22 テトラビニルスタンナン又はビニルトリ(n-ブチル)スタンナン、実施例23 テトラプロピルスタンナン又はプロピルトリ(n-ブチル)スタンナン、実施例24 テトライソプロピルスタンナン又はイソプロピルトリ(n-ブチル)スタンナン、実施例25 テトラアリルスタンナン又はアリルトリ(n-ブチル)スタンナン、及び実施例26 テトラシクロプロピルスタンナン又はシクロプロピルトリ(n-ブチル)スタンナン。
【0312】
[実施例27]
((2S,8R)-2-(アミノメチル)-3-メチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-8-イル)メタノール
【0313】
【化75】
a)(S)-5-((2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メトキシ)-2-メチルベンズアルデヒド
【0315】
5-ヒドロキシ-2-メチルベンズアルデヒド(1当量、13.6mmol)、(R)-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル4-メチルベンゼンスルホネート(およそ1.1当量)及びK
2CO
3(およそ1.25当量)のDMSO溶液を、約4時間から24時間(例えば約16時間)、約50℃から150℃の間(例えば約70℃)で攪拌することができる。次いで、混合物を水中に注ぐことができ、酢酸エチルで抽出することができ、水及びブラインで洗浄することができ、無水硫酸ナトリウム上で乾燥することができる。溶媒を減圧下で蒸発させることができ、酢酸エチル及び石油エーテルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、生成物を得ることができる。
b)(S)-1-(5-(((S)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メトキシ)-2-メチルフェニル)-2-ニトロエタン-1-オール
【0317】
酢酸銅(II)(1当量)、(1R)-1,7,7-トリメチル-N-(ピリジン-2-イルメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン(1.1当量)のエタノール中混合物を、室温でおよそ1時間攪拌することができ、次いで、(S)-5-((2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メトキシ)-2-メチルベンズアルデヒド(10当量)のエタノール溶液を添加することができる。反応混合物を約-35℃から約-40℃の間に冷却することができ、次いで、約-35℃を下回る温度に維持しながらニトロメタン(100当量)を滴下添加した後、ジイソプロピルエチルアミン(2.2当量)を添加した。反応物を-35℃で24時間攪拌することができ、次いで、トリフルオロ酢酸(2.2当量)でクエンチすることができる。結果として得られた溶液に、EtOAcを添加することができる。分離した有機相を水で洗浄し、次いで、真空下で濃縮することができる。酢酸エチル及び石油エーテルにより溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製し、生成物を入手ことができる。
c)(S)-2-アミノ-1-(5-(((S)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メトキシ)-2-メチルフェニル)エタン-1-オール
【0319】
(S)-1-(5-(((S)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メトキシ)-2-メチルフェニル)-2-ニトロエタン-1-オール及びPd/Cのメタノール溶液を1atmのH
2の下、室温で約48時間、水素化することができる。次いで、それをセライトのベッドに通して濾過することができ、濾過物を減圧下で濃縮して、粗生成物を得ることができる。さらに精製せずに、それを次のステップに直接的に使用することができる。
d)(S)-2-(ジベンジルアミノ)-1-(5-(((S)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メトキシ)-2-メチルフェニル)エタン-1-オール
【0321】
(S)-2-アミノ-1-(5-(((S)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メトキシ)-2-メチルフェニル)エタン-1-オール(1当量)のEtOH攪拌溶液に、K
2CO
3(2当量)及びBnBr(2当量)を添加することができる。反応混合物を室温で一晩攪拌することができる。溶媒を減圧下で除去することができ、酢酸エチル及び石油エーテルにより溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、生成物を得ることができる。
e)(S)-3-((ジベンジルアミノ)メチル)-7-(((S)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メトキシ)-4-メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール-1(3H)-オール
【0323】
N
2雰囲気下、約-30℃の(S)-2-(ジベンジルアミノ)-1-(5-(((S)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メトキシ)-2-メチルフェニル)エタン-1-オール(1当量)の乾燥トルエン溶液に、n-BuLi(ヘキサン中2.5M、7当量)を約30分間にわたって滴下で添加することができる。添加後、混合物を約0℃でさらに約2時間攪拌することができ、次いで、約-70℃に冷却することができる。約-50℃を下回る温度を保ちながら、ホウ酸トリメチルを滴下で添加することができる。添加後、反応混合物を約3時間、約-40℃にまで温まるようにして、次いで、室温に温め、一晩攪拌することができる。反応を5%水性NaHCO
3でクエンチして、約15分間、激しく攪拌することができ、結果として得られた懸濁液を濾過することができ、濾過物を分離することができる。有機層を水で洗浄することができ、真空中で濃縮して粗生成物を得ることができる。
f)標題化合物
【0325】
(S)-3-((ジベンジルアミノ)メチル)-7-(((S)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メトキシ)-4-メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール-1(3H)-オール(1当量)及びPd/C(10%)の濃HCl 2mLを含むメタノール溶液を、1atmのH
2の下、室温で約48時間、水素化することができる。次いで、それをセライトのベッドに通して濾過することができ、濾過物を減圧下で濃縮して油を得ることができる。Daisogel 10μ C18カラム(250×50mm)を使用した調製用HPLCによって粗生成物を精製することができ、水/アセトニトリル(0.05%TFA)の勾配で溶出することができる。採集した画分を減圧下で濃縮することができる。残渣をエーテル及びエーテル中飽和HCl(g)に溶解することができ、混合物を室温で約1時間攪拌することができる。固体を濾過によって採集し、エーテルで洗浄して、標題化合物を得ることができる。
【0326】
[実施例28]
((2S,8R)-2-(アミノメチル)-3,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-8-イル)メタノール
【0327】
[実施例29]
((2S,8S)-2-(アミノメチル)-3,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-8-イル)メタノール
【0328】
【化82】
a)((2-メチルアリルオキシ)メチル)ベンゼン
【0330】
メトアリルアルコール(80g、1.1mol)のTHF(100mL)溶液を、アルゴン下25℃で、NaH(66g、1.65mol)のTHF(800mL)懸濁液に、滴下で添加した。1時間後、臭化ベンジル(207g、1.2mol)のTHF(100mL)溶液をゆっくりと添加して、反応混合物を室温で12時間攪拌した。反応混合物を飽和NH
4Cl溶液(200mL)でクエンチして、酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。合一した有機層を水(100mL)及びブライン(100mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥した。溶媒を減圧下で除去した。残渣を蒸留して、所望の生成物(134g、74%)を無色の油として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 7.40 - 7.29 (m, 5H), 5.05 (s, 1H), 4.97 (s, 1H), 4.54 (s, 2H), 3.98 (s, 2H), 1.82 (s, 3H).
b)(2-(ベンジルオキシメチル)-2-メチルオキシラン
【0332】
((2-メチルアリルオキシ)メチル)ベンゼン(41.5g、256mmol)をDCM(1200mL)に溶解して、0℃に冷却した。m-CPBA(69.7g、384mmol)を添加して、混合物を一晩12時間、室温で攪拌した。白色の沈殿を濾過で除いた後、濾過物を飽和Na
2CO
3溶液(200mL)、H
2O(200mL)、及びブラインで洗浄した。溶媒を減圧下で除去した後、粗残渣を酢酸エチル及び石油エーテル(1:20)により溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、純粋な生成物(20g、44%)を無色の油として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 7.40 - 7.29 (m, 5H), 4.60 (q, J = 12.0 Hz, 2H), 3.61 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 3.48 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 2.78 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 2.66 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 1.43 (s, 3H).
c)3-(3-(ベンジルオキシ)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-2-ブロモベンズアルデヒド
【0334】
(2-(ベンジルオキシメチル)-2-メチルオキシラン(26g、145.9mmol)のDMF(700mL)溶液に、K
2CO
3(42g、304.3mmol)を添加した後、2-ブロモ-3-ヒドロキシベンズアルデヒド(30g、149.3mmol)を添加した。懸濁液を90℃で6時間攪拌し、混合物を室温に下げて冷却し、ブラインで希釈して酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。有機溶媒を真空下で除去し、酢酸エチル及び石油エーテル(1:20)により溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、純粋な生成物(27g、49%)を淡黄色の油として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 10.29 (s, 1H), 7.512 - 7.41 (m, 3H), 7.31 - 7.23 (m, 5H), 4.91 (s, 1H), 4.53 (dd, J
1= 12.4 Hz, J
2 = 17.2 Hz, 2H), 4.06 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 3.91 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 3.54 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 3.47 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 1.27 (s, 3H).
d)3-(3-(ベンジルオキシ)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンズアルデヒド
【0336】
3-(3-(ベンジルオキシ)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-2-ブロモベンズアルデヒド(21.3g、56.2mmol)、Pin
2B
2(28.6g、112.4mmol)、KOAc(6.1g、61.9mmol)、PdCl
2(dppf)
.DCM(1.23g、1.7mmol)のDMF(150mL)溶液を、窒素で3回脱気した。混合物を90℃で16時間加熱した。反応物を酢酸エチル及びブラインで予備精製した後、酢酸エチル及び石油エーテル(1:20)により溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、所望の生成物(15.3g、64%)を淡黄色の油として得た。LC-MS:367.1[344+Na]
+。
e)(3-(ベンジルオキシ)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-3-(ニトロメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール-1(3H)-オール
【0338】
3-(3-(ベンジルオキシ)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンズアルデヒド(18.8g、44.1mmol)のTHF氷冷溶液に、NaOH(1.76g、44.1mmol)の水(100mL)溶液を添加した。15分間攪拌した後、CH
3NO
2(3.3g、53mmol)を添加して、混合物を室温で15時間攪拌した。反応溶液をAcOHでpH3〜5に酸性化した。懸濁液を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合一した有機層を真空下で蒸発させて、酢酸エチル及び石油エーテル(1:10)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製し、純粋な生成物(6.8g、40%)を無色の油として得た。LC-MS:386.0[M-1]
-。
f)(2-(アミノメチル)-8-メチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-8-イル)メタノール酢酸塩
【0340】
Pd(OH)
2/C(200mg)を、7-(3-(ベンジルオキシ)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-3-(ニトロメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール-1(3H)-オール(1g、粗製物)のAcOH(20mL)溶液に添加した。溶液をH
2で3回脱気し、室温で12時間攪拌した。反応混合物をセライトに通して濾過し、濾過物を真空下で濃縮して、粗生成物(1g、粗製物)を黄色の固体として得た。
g)tert-ブチル((8-(ヒドロキシメチル)-8-メチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メチル)カルバメート
【0342】
NaHCO
3(437mg、5.2mmol)を、(2-(アミノメチル)-8-メチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-8-イル)メタノール酢酸塩(650mg、2.1mmol)のt-BuOH(10mL)及びH
2O(10mL)溶液に室温で添加した。15分間攪拌した後、(Boc)
2O(854mg、3.9mmol)を添加して、反応混合物を室温で2時間攪拌した。混合物をAcOHでpH6〜7に酸性化し、DCM(30mL×3)で抽出した。合一した有機層を真空下で蒸発させて、酢酸エチル及び石油エーテル(1:3)により溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製し、所望の生成物(400mg、55%)をコース(courses)の油として得た。LC-MS:294.1[M-55]
+。
h)tert-ブチル((3-ブロモ-8-(ヒドロキシメチル)-8-メチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メチル)カルバメート
【0344】
tert-ブチル((8-(ヒドロキシメチル)-8-メチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メチル)カルバメート(200mg、0.57mmol)のACN(10mL)溶液に、NBS(102mg、0.57mmol)を添加して、溶液を90℃で1時間攪拌した。反応をNH
4Cl溶液でクエンチして、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。有機層をブラインで洗浄してNa
2SO
4上で乾燥し、真空中で濃縮した。酢酸エチル及び石油エーテル(1:3)により溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによって粗製残渣を精製して、生成物(230mg、粗製物)を淡色の固体として得た。LC-MS:328.1[M-Boc+H]
+。
i)tert-ブチル((8-(ヒドロキシメチル)-3,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メチル)カルバメート
【0346】
tert-ブチル((3-ブロモ-8,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メチル)カルバメート(1当量)、テトラメチルスタンナン(およそ3.5〜4.5当量、およそ3.9当量)、及びPd(Ph
3)
4(およそ0.01から0.5当量まで、およそ0.1当量)のDMF溶液を、N
2で脱気することができる。次いで、混合物を約4時間から24時間(例えば約16時間)、約50℃から150℃の間(例えば約90℃)で加熱することができる。反応混合物を室温に冷却することができ、次いで、混合物を水中に注ぐことができ、酢酸エチルで抽出することができ、水及びブラインで洗浄することができる。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥して濾過し、真空内で濃縮することができる。酢酸エチル及び石油エーテルの混合物により溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、標題化合物を得ることができる。
j)標題化合物
【0348】
tert-ブチル((3,8,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メチル)カルバメート(粗製物)を、TFAのDCM溶液(およそ1:2から約1:20、例えば1:10)に溶解することができる。室温で約10分間から10時間、例えば1時間、溶液を攪拌することができ、次いで、真空中で濃縮することができる。Daisogel 10μ C18カラムを使用して、粗生成物を調製用HPLCによって精製することができ、水/アセトニトリルの勾配(0.05%TFA)で溶出することができる。採集した画分を減圧下で濃縮して、標題化合物を得ることができる。
【0349】
In Vitroアッセイ
[実施例30]
マイコバクテリアに対するMICの決定
各試験化合物について、結核菌(M. tuberculosis)株に対する最小発育阻止濃度(MIC)の測定を、96ウェル平底ポリスチレンマイクロタータープレート中、終体積100uLで実施した。50mMで始まる薬物の10段階の2倍希釈を、無溶媒DMSOで実施した。薬物溶液をMiddlebrook 7H9培地(Difco)に添加して、イソニアジド(INH)(Sigma Aldrich)を陽性対照として使用し、160ug/mLで始まるINHの2倍希釈液を用いた。種菌をおよそ1×10
7cfu/mLに標準化し、Middlebrook 7H9ブロス(Difco)に100分の1希釈した。この種菌(100uL)をプレート全体に添加し、一方、G-12ウェル及びH-12ウェルを空の対照として使用した。全プレートを密閉した箱に置いて周縁のウェルからの乾燥を防ぎ、37℃、無攪拌で6日間、インキュベートした。レサズリン(乳試験用レサズリン錠;Ref 330884Y' VWR International Ltd)1錠を滅菌PBS(リン酸緩衝生理食塩水)30mLに溶解することによって、レサズリン溶液を調製した。この溶液のうち25uLを各ウェルに添加した。48時間後に蛍光を測定して(Spectramax M5 Molecular Devices、励起530nm、発光590nm)、MIC値を決定した。
【0350】
[実施例31]
総抗菌活性アッセイ
米国臨床検査標準委員会(CLSI)の推奨する手順、すなわち文書M7-A7「好気的に増加する細菌についての希釈感受性試験の方法」を使用して、ブロスを微量希釈することにより、全細胞抗菌活性を決定した。
【0351】
表1は、表4に示される比較化合物(C1〜C15)について、及びG26-CH
3について、細菌株K12、大腸菌(E.coli)K12 tolC/Tn10、アシネトバクター・バウマニ(A. baumannii)ATCC17978、及びシュードモナス・エルギノーサ(P. aeruginosa)PA01に対するMIC値を提供する。表1に見られるように、比較化合物は概して、いくつかの病原性グラム陰性細菌にわたって、また排出ポンプ欠損大腸菌に対し著しい活性を持たない。同様に、化合物G26-CH
3(実施例2)は、これらのグラム陰性細菌に対する活性に乏しい。
【0352】
表1は、置換ベンゾオキサボロール化合物について、非マイコバクテリア株に対するMIC値を提供する。
【0354】
[実施例32]
LeuRSの発現及び精製
生化学的分析のため、N末端に6個のヒスチジンのタグを付した、ヒトのミトコンドリア及び細胞質並びに結核菌由来のLeuRSを、大腸菌(Escherichia coli)コドンを最適化した大腸菌(GenScript、ピスカタウェイ、ニュージャージー州、米国)で過剰発現した。Novagen(マディソン、ウィスコンシン州、米国)により、大腸菌BL21(DE3)T7 RNAポリメラーゼ過剰発現株を使用して、N末端に6個のヒスチジンのタグを付したLeuRSタンパク質を過剰発現して精製した。
【0355】
[実施例34]
アミノアシル化アッセイ
実験は、50mM HEPES-KOH(pH8.0)、30mM MgCl
2、30mM KCl、13μM L-[
14C]ロイシン(306mCi/mmol、Perkin-Elmer)、15uM大腸菌総tRNA(Roche、スイス)、0.02%(w/v)BSA、1mM DTT、0.2pM LeuRS、及び4mM ATPを含有する反応混合物80μLを30℃で使用して、96ウェルマイクロタイタープレートで実施した。4mM ATPを添加することによって反応を始めた。7分後、反応をクエンチして、10%(w/v)TCA 50μLを添加することによりtRNAを沈殿させて、96ウェルニトロセルロース膜フィルタープレート(Millipore Multiscreen HTS、MSHAN4B50)に転写した。次いで、各ウェルを5%TCA 100μLで3回洗浄した。次いで、フィルタープレートを加熱ランプ下で乾燥して、Wallac Micro Beta Triluxモデル1450液体シンチレーションカウンター(Perkin Elmer、ウォルサム、マサチューセッツ州、米国)を使用して、沈殿していたL-[
14C]ロイシンtRNA Leuを、液体シンチレーションのカウント計測により定量した。ビール酵母から単離されたtRNA(Roche Diagnostics GmbH)を使用した際に、唯一の違いは、ヒト細胞質のLeuRSにあった。
【0356】
[実施例35]
IC
50の決定
阻害濃度、すなわち酵素活性を50%低減する濃度(IC
50)を決定するために、濃度を増加させた化合物(Anacor Pharmaceuticals Inc.、パロアルト、カリフォルニア州、米国)を、LeuRS酵素、tRNA、及びL-ロイシンと共に20分間インキュベートした。4mM ATPの添加によって、反応を開始した。7分後に反応を止め、次いで、沈殿させ、カウントを計測して放射活性を定量した。Graphpad Prismソフトウェアパッケージ(Graphpad Software Inc.(ラホヤ、カリフォルニア州、米国)を使用して、IC50値を決定した。
【0357】
[実施例36]
HepG2細胞毒性アッセイ
プレートの二次培養の前日に、HepG2細胞(HB-8065)に、新鮮培地(5%ウシ胎児血清及び2mM L-グルタミンを補充したイーグル最小必須培地、EMEM)を供給した。プレートの播種の日に、100,000細胞個/mLの培養培地中細胞懸濁液を調製した。コラーゲン被覆された透明底の黒色96ウェルマイクロプレート(Becton Dickinson)の各ウェルに、カラム11以外には細胞懸濁液(100uL)を添加し、カラム11には培養培地100uLのみを分注した。プレートを24時間インキュベートした。100%DMSO中のストック溶液から1:2の希釈系列を調製することによって10通りの用量の範囲の試験物質を作製し、終濃度0.5%のDMSOを達成するよう各用量の培地中1:200希釈液を作製した。24時間後、培養培地をプレートから除去して、試験化合物の希釈液150uLを2連のレプリカに添加し、0.5%DMSOを含む培養培地150uLをカラム11及び12(空の対照)に添加した。プレートを37℃、5%CO2、95%相対湿度で48インキュベートした。次いで、培地を除去し、新鮮な培養培地200uLを添加して、各ウェルにレサズリン溶液50uLを添加して、1時間半インキュベートした。プレートをインキュベーターから取り出して、室温で15分間、光から保護して蛍光を安定化させた。本発明者らは、細胞の生存率の読み取りのために、レサズリン(BDH)を使用した。レサズリンは、代謝活動に応答して比色変化及び蛍光シグナルを生ずる酸化還元標示物質として使用した。細胞が増加するのにつれて、代謝活動の結果として、非蛍光の青色から還元された蛍光ピンクの形態への変化によって標示されるレサズリンの化学的還元が生じる。そのため、レサズリンの蛍光の程度は、培養系中の生細胞数の標示となる。マイクロプレートリーダー1420 Multilabel HTSカウンターVictor2(Wallac)にて、励起波長515nm及び発光波長590nmで、蛍光を測定した。
【0358】
絶対値からバックグラウンド値(カラム11の平均)を差し引くことによって、各ウェルの蛍光値を修正する。DMSO対照のウェル(カラム12の平均)に対する阻害の百分率を計算する。各化合物について、IC50(Tox50)を計算するために、2連分の試料の平均値を計算して、曲線をシグモイド用量応答(可変勾配)非線形回帰曲線調整(Graph Pad)にフィッティングさせる。
【0359】
[実施例37]
結核菌(Mycobacterium tuberculosis)に対する本明細書に記載の化合物の効果
置換ベンゾオキサボロール比較物C1〜C14を、結核菌種に対する抗細菌活性について試験し、また、ヒトの肝細胞毒性についてHepG2細胞を使用して試験した。本発明の化合物例G26-CH
3を、表3と比較して表2に示されるような比較化合物C1-HからC14-Brまでと比較した。
【0360】
表2は、いくつかの置換ベンゾオキサボロールについて、LeuRSの阻害のIC50値、結核菌標準株Mtb H37Rvに対するMIC値、ヒトHepG2細胞に対する毒性値、及び選択性の値を提供する。
【0362】
表3は、本発明のいくつかの例示的な化合物について、LeuRSの阻害のIC50値、結核菌標準株Mtb H27Rvに対するMIC値、ヒトHepG2細胞に対する毒性値、及び選択性の値を提供する。
【0364】
実施例2の表3に見られるように(G26-CH
3)、G26-CH
3について、ヒト HepG2 細胞への毒性に対する結核菌の増加の阻害の点で、比較化合物に比べて大きな選択性の上昇が観察された。
【0365】
表2及び表3は、ベンゾオキサボロール環上の様々な位置にハロゲン又はアルキルの置換を持つ及び持たないいくつかの置換ベンゾオキサボロール比較化合物(閉じた形態で示される)、ベンゾオキサボロール環構造の4位にハロゲン又はアルキルの置換を持つ及び持たないいくつかの置換ベンゾオキサボロール(閉じた形態で示される)、並びにいくつかの他の置換ベンゾオキサボロール化合物の比較を示す。結核菌H37RvのMIC値(B)、及びHepG2細胞の48時間でのTox
50値(A)から、これらの化合物について、ヒト細胞の阻害(毒性)に対する結核菌の阻害の選択性を決定することができる(表2及び表3の右カラムから2番目を参照)。
【0366】
選択性指標320及び363をそれぞれ示す最も良好な比較化合物C4-Br及びC6-Clに比べて(表2を参照)、実施例2由来の化合物G26-CH
3は、結核菌に対する選択性指標(SI)4853を有すること(表3を参照)が見出された。さらに、表3に見られるように、結核菌に対するG26-CH
3のIC
50値は、マイクロモルを下回り、0.53マイクロモルであることが見出された。結核菌に対する実施例2のG26-CH
3の選択性指標(SI)は、表2の他の置換ベンゾオキサボロールを上回って予想外に向上した。実施例2のG26-CH
3は、ベンゾオキサボロール環のC-4位にメチル置換基を、ベンゾオキサボロール環のC3位にアミノメチル置換基を有する置換ベンゾオキサボロールであり、アミノメチル置換基を含む立体中心のCに「(S)」の相対立体化学を有し、これらの特徴のいくつかを欠いた他の置換ベンゾオキサボロールについてのヒト細胞の阻害(毒性)に比べた場合に、結核菌に対する活性についてこれらの化合物よりも驚くほど高い選択性を有している。さらに、結核菌H37Rv株に対する実施例2のG26-CH
3のMIC値は0.2μMであり、比較されている他の置換ベンゾオキサボロールとは対照的である。
【0367】
そのため、表3に見られるように、驚くべきことに、実施例2の化合物G26-CH
3は、結核菌に対し4853のSIを有することが見出された。このSI値は、表2に記載のどの比較化合物よりも予想外に良好である。
【0368】
このように、ベンゾオキサボロール環のC4にアルキル置換基を付加することは、ベンゾオキサボロール環のC4にアルキルを持たない他の置換ベンゾオキサボロールに比べて、選択性指標の上昇をもたらす。表3は、本発明の置換ベンゾオキサボロールについて、LeuRSの阻害のIC50値、結核菌標準株Mtb H37Rvに対するMIC値、ヒトHepG2細胞に対する毒性値、選択性指標(SI)値、及び哺乳類細胞でのタンパク質合成の阻害値を提供し、ここでは、化合物(G26-CH
3、閉じた三環の形態で示される)は、ベンゾオキサボロール環のC4にメチルを、ベンゾオキサボロール環のC3位にアミノメチル置換基を有し、ベンゾオキサボロール環の立体中心に「(S)」相対立体化学を有する。
【0369】
表3に見られるように、G26-CH
3はまた、結核菌由来のロイシルtRNAシンターゼに対し良好な活性を有することが見出され、哺乳類細胞性のタンパク質の合成への影響が低いことを示した。
【0370】
驚くべきことに、ある種の溶媒条件で開いた形態と閉じた形態との間で平衡状態で存在することが可能であり、且つ閉じた形態の化合物がベンゾオキサボロール環の1位及び7位を含む第3環を有する、いくつかの置換ベンゾオキサボロールは、予想外の選択性指標の上昇を示すことが見出されている。C4-Br、すなわち、ベンゾオキサボロール環のC4位にBrを持つ置換ベンゾオキサボロール比較化合物の(S)鏡像異性体は、水性溶媒中で開いた形態と閉じた形態との間で平衡状態で存在することができず、320のSIを有する。一方、C6-Cl、すなわち、C-4位にClを持つ置換ベンゾオキサボロールの(S)鏡像異性体もまた、水性溶媒中で開いた形態と閉じた三環形態との間で平衡状態で存在することができず、363のSIを有する。これは、実施例2のG26-CH
3、すなわち、C-4位に-CH
3を持つ置換ベンゾオキサボロールの(S)鏡像異性体が、水性溶媒中で開いた形態と閉じた形態との間で平衡状態で存在することが可能であり、4850超のSIを有することとは全く対照的である。
【0371】
実施例2のG26-CH
3のSIを、C5-H、すなわち、ベンゾオキサボロール環のC4位にHを持つ置換ベンゾオキサボロール比較化合物の(S)鏡像異性体のSIと比較した場合、C4にメチル置換基を持たないそのような化合物のSIは3に過ぎないことを見てとることができ、このことは、そのような化合物が、ヒト細胞を死滅させるのに比較して、結核菌を阻害するための選択性をほとんど持たないことを示している。これに対して、実施例2のC26-CH
3、すなわち、ベンゾオキサボロール環のC4位に-CH
3を持つ化合物は、水性溶媒中で開いた形態と閉じた形態との間で平衡状態で存在することが示されており、4850超の選択性指標(SI)を有する。
【0372】
置換ベンゾオキサボロールのいくつかの置換は、ある種の環境で、開いた形態と閉じた形態との間で平衡状態で存在することが可能であり、それゆえ予想外の選択性指標の上昇をもたらす。これに対して、比較化合物C9-Cl(C4にクロロ置換基を、7員環のR
3及びR
4に-CH
3置換を持つ、三環性ベンゾオキサボロール化合物)及びC10-H(C4に水素を、7員環のR
3及びR
4に-CH
3置換を持つ、三環性ベンゾオキサボロール化合物)は、SI指標が10である。このことは、ほぼ間違いなく、R
3位及びR
4位の置換が、これらの特定の化合物についての結核菌対ヒト細胞の阻害(毒性)のための選択性になじまないことを示す。また、ベンゾオキサボロール環のC4位のハロゲンの存在(C9-Clを参照)は、R
3/R
4位での7員三環のR
3及びR
4の両方におけるメチル置換の負の効果を克服するには充分ではないことが示唆される。
【0373】
このように、本発明の置換ベンゾオキサボロール、特に実施例2のG26-CH
3は、結核菌対ヒト細胞についての同様の置換ベンゾオキサボロールのSIに比べて、驚くほど高いSIを示す。
【0374】
本発明は、本明細書に記載されている態様と他の適切な全ての態様及び/又は例示的な実施形態との全ての組合せを包含することが理解されよう。本発明はまた、本明細書に記載されている例示的な実施形態と他の適切な全ての態様及び/又は例示的な実施形態との全ての組合せを包含することが理解されよう。
【0375】
本明細書に記載されている例及び実施形態は、説明の目的のためのものに過ぎないこと、並びに、その観点での様々な改変又は変形は、当業者に示唆されるものとなり、且つ本願の趣旨及び権限並びに添付の特許請求の範囲の内に含まれるものとなることを、理解されたい。本明細書で引用された刊行物、特許、及び特許出願は全て、その全体をあらゆる目的のために参照によりここに組み入れられる。
(付記)
(付記1)
式III:
【化93】
(式中、R
3は、-CH
3、-CH
2CH
3、-CH
2=CH
2、-CH
2CH
2CH
3、-CH(CH
3)
2、-CH
2CH
2=CH
2、及びシクロプロピルから選択され、
R
1及びR
2は、それぞれ独立に、H、-CH
3、-CH
2CH
3、-CH
2CH
2CH
3、及び-CH(CH
3)
2から選択される)で示される構造を有する化合物又はその塩。
(付記2)
R
3は、-CH
3であり、R
1及びR
2は、それぞれ独立に、H、-CH
3、-CH
2CH
3、-CH
2CH
2CH
3、及び-CH(CH
3)
2から選択される、付記1に記載の化合物又はその塩。
(付記3)
R
3は、-CH
3であり、R
1及びR
2は、それぞれ独立に、H又は-CH
3である、付記1に記載の化合物又はその塩。
(付記4)
R
3は、-CH
3であり、R
1は、Hであり、R
2は、Hである、付記1に記載の化合物又はその塩。
(付記5)
R
3は、-CH
3であり、R
1は、-CH
3であり、R
2は、Hである、付記1に記載の化合物又はその塩。
(付記6)
R
3は、-CH
3であり、R
1は、-CH
3であり、R
2は、-CH
3である、付記1に記載の化合物又はその塩。
(付記7)
式IIIa:
【化94】
(式中、R
3は、-CH
3、-CH
2CH
3、-CH
2=CH
2、-CH
2CH
2CH
3、-CH(CH
3)
2、-CH
2CH
2=CH
2、及びシクロプロピルから選択され、
R
1及びR
2は、それぞれ独立に、H、-CH
3、-CH
2CH
3、-CH
2CH
2CH
3、及び-CH(CH
3)
2から選択される)で示される構造を有する化合物又はその塩。
(付記8)
R
3は、-CH
3であり、R
1は、Hであり、R
2は、Hである、付記7に記載の化合物又はその塩。
(付記9)
R
3は、-CH
3であり、R
1及びR
2は、それぞれ独立に、H、-CH
3、-CH
2CH
3、-CH
2CH
2CH
3、及び-CH(CH
3)
2から選択される、付記7に記載の化合物又はその塩。
(付記10)
R
3は、-CH
3であり、R
1及びR
2は、それぞれ独立に、H又は-CH
3である、付記7に記載の化合物又はその塩。
(付記11)
R
3は、-CH
3であり、R
1は、-CH
3であり、R
2は、Hである、付記7に記載の化合物又はその塩。
(付記12)
R
3は、-CH
3であり、R
1は、-CH
3であり、R
2は、-CH
3である、付記7に記載の化合物又はその塩。
(付記13)
その構造が:
【化95】
である、付記1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
(付記14)
その構造が:
【化96】
である、付記13に記載の化合物又はその塩。
(付記15)
その構造が:
【化97】
である、付記13に記載の化合物又はその塩。
(付記16)
その構造が:
【化98】
である、付記13に記載の化合物又はその塩。
(付記17)
その構造が:
【化99】
から選択される、付記7に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
(付記18)
その構造が:
【化100】
である、付記17に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
(付記19)
その構造が:
【化101】
である、付記17に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
(付記20)
その構造が:
【化102】
である、付記17に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
(付記21)
その構造が:
【化103】
を含む化合物、(S)-(3-メチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン又は薬学的に許容されるその塩。
(付記22)
その構造が:
【化104】
を含む化合物、((2S)-3,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン又は薬学的に許容されるその塩。
(付記23)
その構造が:
【化105】
を含む化合物、(S)-(3,8,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン又は薬学的に許容されるその塩。
(付記24)
その構造が:
【化106】
である、付記17に記載の化合物又は薬学的に許容されるその塩を含む組成物。
(付記25)
その構造が:
【化107】
である、付記17に記載の化合物又は薬学的に許容されるその塩を含む組成物。
(付記26)
その構造が:
【化108】
である化合物の薬学的に許容される塩であって、塩酸塩(HCl)又は硫酸二水素(H
2SO
4)塩である塩。
(付記27)
その構造が:
【化109】
である、付記17に記載の化合物又は薬学的に許容されるその塩を含む組成物。
(付記28)
その構造が:
【化110】
を含む化合物、(S)-(3-メチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミンを、薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される賦形剤と一緒に含む医薬組成物。
(付記29)
構造:
【化111】
を有する化合物、((2S)-3,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミンを、薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される賦形剤と一緒に含む医薬組成物。
(付記30)
その構造が:
【化112】
である化合物、(S)-(3,8,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミンを、薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される賦形剤と一緒に含む医薬組成物。
(付記31)
3-メチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン;
(S)-(3-メチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン;
3,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン;
((2S)-3,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン;
(3,8,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン;
(S)-(3,8,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン;
3-(アミノメチル)-7-(2-ヒドロキシエトキシ)-4-メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール-1(3H)-オール;
(S)-3-(アミノメチル)-7-(2-ヒドロキシエトキシ)-4-メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール-1(3H)-オール
3-(アミノメチル)-7-(2-ヒドロキシプロポキシ)-4-メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール-1(3H)-オール;
(3S)-3-(アミノメチル)-7-(2-ヒドロキシプロポキシ)-4-メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール-1(3H)-オール;
3-(アミノメチル)-7-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール-1(3H)-オール;及び
(S)-3-(アミノメチル)-7-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール-1(3H)-オール
からなる群から選択される開環体及び閉環体を有する置換ベンゾオキサボロール又は薬学的に許容されるその塩。
(付記32)
閉環体が、
3-メチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン;
(S)-(3-メチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン;
3,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン;
((2S)-3,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン;
(3,8,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン;及び
(S)-(3,8,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン
からなる群から選択される、付記31に記載の置換ベンゾオキサボロール又は薬学的に許容されるその塩。
(付記33)
開環体が、
3-(アミノメチル)-7-(2-ヒドロキシエトキシ)-4-メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール-1(3H)-オール;
(S)-3-(アミノメチル)-7-(2-ヒドロキシエトキシ)-4-メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール-1(3H)-オール
3-(アミノメチル)-7-(2-ヒドロキシプロポキシ)-4-メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール-1(3H)-オール;
(3S)-3-(アミノメチル)-7-(2-ヒドロキシプロポキシ)-4-メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール-1(3H)-オール;
3-(アミノメチル)-7-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール-1(3H)-オール;及び
(S)-3-(アミノメチル)-7-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール-1(3H)-オール
からなる群から選択される、付記31に記載の置換ベンゾオキサボロール又は薬学的に許容されるその塩。
(付記34)
薬学的に許容される塩が、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、炭酸塩、一水素炭酸塩、リン酸塩、一水素リン酸塩、二水素リン酸塩、硫酸塩、一水素硫酸塩、二水素硫酸塩、又は亜リン酸塩から選択される、付記1から33のいずれかに記載の化合物。
(付記35)
薬学的に許容される塩が、酢酸塩、プロピオン酸塩、イソ酪酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、安息香酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、フマル酸塩、グルクロン酸塩、ガラクツロン酸塩、乳酸塩、マンデル酸塩、フタル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トリルスルホン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、又はメタンスルホン酸塩である、付記1から33のいずれかに記載の化合物。
(付記36)
薬学的に許容される塩が、アルギン酸塩又はリシン酸塩を含むアミノ酸の塩である、付記1から33のいずれかに記載の化合物。
(付記37)
薬学的に許容される塩が、塩酸塩又は二水素硫酸塩である、付記34に記載の化合物。
(付記38)
付記1から37のいずれかに記載の化合物である、第1の治療剤、又は薬学的に許容されるその塩、
任意選択で第2の治療剤、
任意選択で第3の治療剤、
任意選択で第4の治療剤、
任意選択で第5の治療剤、及び
任意選択で第6の治療剤
を含む組合せであって、任意選択の第2、第3、第4、第5及び第6の治療剤は、その構造が式III又は式IIIaを含む化合物ではない組合せ。
(付記39)
任意選択の第2、第3、第4、第5及び第6の治療剤が、イソニアジド、リファンピン、ピラジナミド、エタンブトール、モキシフロキサシン、リファペンチン、クロファジミン、ベダクイリン(TMC207)、ニトロイミダゾ-オキサジンPA-824、デラマニド(OPC-67683)、オキサゾリジノン、EMBアナログであるSQ109、ベンゾチアジノン、ジニトロベンズアミド、及び抗レトロウイルス剤を含む抗ウイルス剤から独立して選択される、付記38に記載の組合せ。
(付記40)
オキサゾリジノンが、リネゾリド、テジゾリド、ラデゾリド、ステゾリド(PNU-100480)、又はポシゾリド(AZD-5847)である、付記39に記載の組合せ。
(付記41)
任意選択の第2、第3、第4、第5及び第6の治療剤が、結核の処置用に承認を受けた又は推奨される治療剤から選択される、付記38に記載の組合せ。
(付記42)
抗レトロウイルス剤が、ジドブジン、ジダノシン、ラミブジン、ザルシタビン、アバカビル、スタブジン、アデホビル、アデホビルジピボキシル、ホジブジン、トドキシル、エムトリシタビン、アロブジン、アムドキソビル、エルブシタビン、ネビラピン、デラビルジン、エファビレンズ、ロビリデ、イムノカル、オルチプラズ、カプラビリン、レルシビリン、GSK2248761、TMC-278、TMC-125、エトラビリン、サクイナビル、リトナビル、インジナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、ホサンプレナビル、ブレカナビル、ダルナビル、アタザナビル、チプラナビル、パリナビル、ラシナビル、エンフビルチド、T-20、T-1249、PRO-542、PRO-140、TNX-355、BMS-806、BMS-663068及びBMS-626529、5-ヘリックス、ラルテグラビル、エルビテグラビル、GSK1349572、GSK1265744、ビクリビロック(Sch-C)、Sch-D、TAK779、マラビロク、TAK449、ジダノシン、テノホビル、ロピナビル、又はダルナビルである、付記39に記載の組合せ。
(付記43)
治療有効量の、付記1から37のいずれかに記載の化合物である第1の治療剤、若しくは薬学的に許容されるその塩、又は付記38から42のいずれかに記載の組合せ、及び薬学的に許容される賦形剤、アジュバント又は希釈剤を含む医薬製剤。
(付記44)
第2の治療剤をさらに含む、付記43に記載の医薬製剤。
(付記45)
動物において疾患を引き起こすマイコバクテリアを死滅させる及び/又はマイコバクテリアの複製を阻害する方法であって、マイコバクテリア又はマイコバクテリアに感染した動物と、治療有効量の付記1から37のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩とを接触させて、マイコバクテリアを死滅させる及び/又はマイコバクテリアの複製を阻止する方法。
(付記46)
マイコバクテリアが結核菌である、付記45に記載の方法。
(付記47)
疾患が結核である、付記45に記載の方法。
(付記48)
動物がヒトである、付記45に記載の方法。
(付記49)
動物においてマイコバクテリア感染を処置する方法であって、(i)治療有効量の付記1から37のいずれかに記載の化合物若しくは薬学的に許容されるその塩、(ii)治療有効量の付記38から42のいずれかに記載の組合せ、又は(iii)治療有効量の付記43から44のいずれかに記載の医薬製剤のうちのいずれか1つを動物に投与して、動物におけるマイコバクテリア感染を処置することを含む方法。
(付記50)
マイコバクテリア感染が、結核菌、マイコバクテリウム・アビウム(亜種(subsp.)であるマイコバクテリウム・アビウム亜種アビウム、マイコバクテリウム・アビウム亜種ホミニススイス、マイコバクテリウム・アビウム亜種シルバティクム、及びヨーネ菌を含む)、マイコバクテリウム・カンサシイ、マイコバクテリウム・マルモエンセ、マイコバクテリウム・シミアエ、マイコバクテリウム・スズルガイ、マイコバクテリウム・キセノピ、マイコバクテリウム・サクロフラセウム、マイコバクテリウム・アブスセッスス、マイコバクテリウム・ケロナエ、マイコバクテリウム・ハエモフィルム、ライ菌、マイコバクテリウム・マリヌム、マイコバクテリウム・フォーチュイタム、マイコバクテリウム・パラフォーチュイタム、マイコバクテリウム・ゴルドネ、マイコバクテリウム・バッカエ、マイコバクテリウム・ボビス、マイコバクテリウム・ボビスBCG、マイコバクテリウム・アフリカヌム、マイコバクテリウム・カネッティ、マイコバクテリウム・カプラエ、マイコバクテリウム・ミクロティ、マイコバクテリウム・ピンニペディ、ライ菌、マイコバクテリウム・ウルセランス、マイコバクテリウム・イントラセルラーレ、結核菌コンプレックス(MTC)、マイコバクテリウム・アビウム・コンプレックス(MAC)、マイコバクテリウム・アビウム・イントラセルラーレコンプレックス(MAIC)、マイコバクテリウム・ゴルドネ分岐群、マイコバクテリウム・カンサシイ分岐群、マイコバクテリウム・ケロナエ分岐群、マイコバクテリウム・フォーチュイタム分岐群、マイコバクテリウム・パラフォーチュイタム分岐群、及びマイコバクテリウム・バッカエ分岐群から選択されるマイコバクテリアの感染である、付記49に記載の方法。
(付記51)
マイコバクテリアが結核菌である、付記49に記載の方法。
(付記52)
疾患が結核である、付記49に記載の方法。
(付記53)
動物におけるマイコバクテリア感染に起因する疾患の処置に使用するための、付記1から37のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
(付記54)
マイコバクテリア感染が結核菌感染である、付記53に記載の化合物。
(付記55)
疾患が、結核、ハンセン病、ジョーンズ疾患、Buruli若しくはBairnsdale潰瘍、クローン病、肺疾患又は肺感染、肺炎、滑液包、滑膜、腱鞘、限局性の膿瘍、リンパ節炎、皮膚及び軟組織の感染、レディーウィンダミア症候群、MAC肺疾患、伝播性マイコバクテリウム・アビウム・コンプレックス(DMAC)、伝播性マイコバクテリウム・アビウムイントラセルラーレ・コンプレックス(DMAIC)、ホットタブ肺、MAC乳腺炎、MAC化膿性筋炎、マイコバクテリウム・アビウム副結核、又は肉芽症から選択される、付記53に記載の化合物。
(付記56)
疾患が結核である、付記55に記載の化合物。
(付記57)
動物がヒトである、付記53に記載の化合物。
(付記58)
動物においてマイコバクテリア感染を処置するための医薬の製造における、その構造が付記1から37のいずれかに記載の式III若しくは式IIIaを含む化合物、又は薬学的に許容されるその塩の使用。
(付記59)
マイコバクテリア感染が結核菌感染である、付記58の使用。
(付記60)
動物がヒトである、付記59の使用。
(付記61)
哺乳動物において、マイコバクテリア感染に起因する疾患を処置する方法であって、そのような処置を必要とする哺乳動物に、有効量の付記1から37のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩を投与することを含む方法。
(付記62)
マイコバクテリア感染が結核菌感染である、付記61に記載の方法。
(付記63)
疾患が、結核、ハンセン病、ジョーンズ疾患、Buruli若しくはBairnsdale潰瘍、クローン病、肺疾患又は肺感染、肺炎、滑液包、滑膜、腱鞘、限局性の膿瘍、リンパ節炎、皮膚及び軟組織の感染、レディーウィンダミア症候群、MAC肺疾患、伝播性マイコバクテリウム・アビウム・コンプレックス(DMAC)、伝播性マイコバクテリウム・アビウムイントラセルラーレ・コンプレックス(DMAIC)、ホットタブ肺、MAC乳腺炎、MAC化膿性筋炎、マイコバクテリウム・アビウム副結核、又は肉芽症から選択される、付記61に記載の方法。
(付記64)
疾患が結核である、付記61に記載の方法。
(付記65)
動物がヒトである、付記61に記載の方法。
(付記66)
動物において、特に哺乳動物において、マイコバクテリア感染を処置する方法であって、そのような処置を必要とする動物に、有効量の付記1から37のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩を投与することを含む方法。
(付記67)
マイコバクテリア感染が結核菌感染である、付記66に記載の方法。
(付記68)
動物がヒトである、付記66に記載の方法。
(付記69)
式II:
【化113】
を含む閉環体構造を有し、
式III
【化114】
を含む開環体を有し、式中、R
3は、-CH
3、-CH
2CH
3、-CH
2=CH
2、-CH
2CH
2CH
3、-CH(CH
3)
2、-CH
2CH
2=CH
2、又はシクロプロピルから選択され、R
1及びR
2は、それぞれ独立に、H、-CH
3、-CH
2CH
3、-CH
2CH
2CH
3、及び-CH(CH
3)
2から選択される、置換ベンゾオキサボロール、又は薬学的に許容されるその塩を含めたその塩。
(付記70)
H
2Oの存在下で、式IIの閉環体構造及び式IIIの開環体の間で平衡状態で存在する、付記69に記載の置換ベンゾオキサボロール。
【化115】
(付記71)
化合物又はその塩が、式III:
【化116】
(式中、R
3は、-CH
3であり、R
1及びR
2は、それぞれ独立に、H、-CH
3、-CH
2CH
3、-CH
2CH
2CH
3、及び-CH(CH
3)
2から選択される)の構造を有する、付記69に記載の置換ベンゾオキサボロール、又は薬学的に許容されるその塩。
(付記72)
図4に実質的に示されている固体状態NMRパターンを有する化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
(付記73)
付記1から37のいずれかに記載の化合物及び少なくとも1種の賦形剤を含む、医薬組成物。
(付記74)
結核菌の処置のための薬における使用のための、付記1から37のいずれかに記載の化合物。