【文献】
Alcatel-Lucent,Multi-Process Transmission Technique to Improve Uplink Coverage for LTE[online],3GPP TSG-RAN WG1#51b R1-080443,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_51b/Docs/R1-080443.zip>,2008年 1月18日
【文献】
Alcatel-Lucent,On the Time Duration Field in the Uplink Scheduling Grant[online],3GPP TSG-RAN WG1#51 R1-074991,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_51/Docs/R1-074991.zip>,2007年11月 9日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
[28] UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)は、ヨーロッパシステム、GSM(Global system for mobile communication)、及びGPRS(General Packet Radio Service)に基盤したWCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)で動作する3世代(3rd Generation、3G)非対称移動通信システムである。UMTSのLTE(Long―Term Evolution)は、UMTSを規格化する3GPPによって議論中にある。
【0016】
[29] 3GPP LTEは、高速パケット通信を可能にする技術である。ユーザ及び提供者の費用を減少させ、サービス品質を改善し、カバレッジ(coverage)及びシステム容量を拡張及び改善することを目的とするLTE課題のための多くの方法が提案された。3G LTEは、上位―レベル要求であって、ビット(bit)当たりの費用減少、増加したサービス可用性、周波数帯域の柔軟性、単純な構造、開放型インターフェース、及び端末の適切な電力消耗を要求する。
【0017】
[30] 以下で、添付の図面を参照して説明した本発明の各実施例により、本発明の構成、作用及び他の特徴が容易に理解され得るだろう。以下で説明する各実施例は、本発明の技術的特徴が3GPPシステムに適用された各例である。
【0018】
[31] 本明細書は、LTEシステム及びLTE―Aシステムを用いて本発明の各実施例を説明するが、これは例示に過ぎない。したがって、本発明の各実施例は、前記定義に該当するいずれの通信システムにも適用することができる。また、本明細書は、FDD方式を基準にして本発明の実施例に対して説明するが、これは例示であって、本発明の実施例は、H―FDD方式又はTDD方式にも容易に変形して適用することができる。
【0019】
[32]
図2Aは、E―UTRAN(Evolved―Universal Terrestrial Radio Access Network)網構造を示すブロック図である。E―UMTSは、LTEシステムと称することもできる。通信網は、IMS及びパケットデータを通じたVoIP(Voice over IP)などの多様なサービスを提供するために広く配置される。
【0020】
[33]
図2Aに示したように、E―UMTS網は、E―UTRAN(evolved UMTS terrestrial radio access network)、EPC(Evolved Packet Core)、及び一つ以上の端末を含む。E―UTRANは、一つ以上のeNB(evolved NodeB)20を含むことができ、複数の端末10が一つのセルに位置することができる。一つ以上のE―UTRAN MME(Mobility Management Entity)/SAE(System Architecture Evolution)ゲートウェイ30は、ネットワークの終端に位置し、外部ネットワークに接続することもできる。
【0021】
[34] 本明細書において、「ダウンリンク(downlink)」は、eNB20から端末10への通信を称し、「アップリンク(uplink)」は、端末10からeNB20への通信を称する。端末10は、ユーザによって運搬される通信装備を称し、また、移動局(Mobile Station、MS)、ユーザ端末(User Terminal、UT)、加入者ステーション(Subscriber Station、SS)又は無線デバイスと称することもできる。
【0022】
[35]
図2Bは、一般的なE―UTRANと一般的なEPCの構造を示すブロック図である。
【0023】
[36]
図2Bに示したように、eNB20は、ユーザ平面及び制御平面のエンドポイント(end point)をUE10に提供する。MME/SAEゲートウェイ30は、セッション及び移動性管理機能のエンドポイントをUE10に提供する。eNB20及びMME/SAEゲートウェイ30は、S1インターフェースを介して接続することができる。
【0024】
[37] eNB20は、一般にUE10と通信する固定局であって、基地局(BS)又はアクセスポイント(access point)と称することもある。一つのeNB20はセルごとに配置することができる。ユーザトラフィック又は制御トラフィックを送信するためのインターフェースをeNB20間で使用することができる。
【0025】
[38] MMEは、eNB20に対するNASシグナリング、NASシグナリング保安、AS保安制御、3GPP接続ネットワーク間の移動性のためのインター(inter)CNノードシグナリング、(ページング再送信の制御及び実行を含む。)遊休モード(idle mode)UE接近性(Reachability)、(遊休モード及び活性モード(active mode)のUEのための)トラッキング領域リスト管理、PDN GW及びサービングGW選択、MME変化が伴うハンドオーバーのためのMME選択、2G又は3G 3GPP接続ネットワークへのハンドオーバーのためのSGSN選択、ローミング、認証、専用ベアラ設定を含むベアラ管理、(ETWS及びCMASを含む)PWSメッセージ送信のためのサポートを含む多様な機能を行う。SAEゲートウェイホストは、パー―ユーザ(Per―user)ベースのパケットフィルタリング(例えば、深層パケット検査を使用)、適法なインターセプション(Lawful Interception)、UE IPアドレス割り当て、ダウンリンクでの送信(Transport)レベルパケットマーキング、UL及びDLサービスレベル課金、ゲーティング及びレート強化、APN―AMBRに基づいたDLレート強化を含む多様な機能を提供する。MME/SAEゲートウェイ30は、明確性のために、本明細書で単純に「ゲートウェイ」と称する。しかし、MME/SAEゲートウェイ30は、MME及びSAEゲートウェイの両者を全て含む。
【0026】
[39] 複数のノードは、eNB20とゲートウェイ30との間でS1インターフェースを介して接続することができる。各eNB20は、X2インターフェースを介して相互接続することができ、各隣接eNBは、X2インターフェースを有するメッシュネットワーク構造(meshed network structure)を有することができる。
【0027】
[40]
図2Bに示したように、eNB20は、ゲートウェイ30に対する選択、無線リソース制御(Radio Resource Control、RRC)活性化の間、ゲートウェイに向かうルーティング、ページングメッセージのスケジューリング及び送信、ブロードキャストチャネル(BCCH)情報のスケジューリング及び送信、アップリンク及びダウンリンクの全てにおける各UE10のための動的リソース割り当て、eNB測定の構成及び準備、無線ベアラ制御、無線承認制御(Radio Admission Control、RAC)、及びLTE_ACTIVE状態での接続移動性制御などの各機能を行うことができる。EPCにおいて、ゲートウェイ30は、ページング発信、LTE_IDLE状態管理、ユーザ平面暗号化、システム構造エボリューション(System Architecture Evolution、SAE)ベアラ制御、及び非―接続層(Non―Access Stratum、NAS)シグナリングの暗号化及び無欠性保護などの各機能を行うことができる。
【0028】
[41] EPCは、移動性管理エンティティ(Mobility Management Entity、MME)、サービング―ゲートウェイ(serving―gateway、S―GW)、及びパケットデータネットワーク―ゲートウェイ(Packet Data Network―Gateway、PDN―GW)を含む。MMEは、主に各端末の移動性を管理する目的で用いられる接続及び可用性に対する情報を有する。S―GWは、E―UTRANを終端点として有するゲートウェイであり、PDN―GWは、パケットデータネットワーク(PDN)を終端点として有するゲートウェイである。
【0029】
[42]
図3は、3GPP無線接続網規格を基盤にした端末とE―UTRANとの間の無線インターフェースプロトコルの制御平面及びユーザ平面の構造を示す図である。制御平面は、端末(User Equipment;UE)とネットワークがコールを管理するために用いる各制御メッセージが送信される通路を意味する。ユーザ平面は、アプリケーション層で生成されたデータ、例えば、音声データ又はインターネットパケットデータなどが送信される通路を意味する。
【0030】
[43] 第1層である物理層は、物理チャネル(Physical Channel)を用いて上位層に情報送信サービス(Information Transfer Service)を提供する。物理層は、上位にある媒体接続制御(Medium Access Control)層とは送信チャネル(Transport Channel)を介して接続されている。前記送信チャネルを介して媒体接続制御層と物理層との間にデータが移動する。送信側と受信側の物理層間には、物理チャネルを介してデータが移動する。前記物理チャネルは、時間と周波数を無線リソースとして活用する。具体的に、物理チャネルは、ダウンリンクでOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式で変調され、アップリンクでSC―FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)方式で変調される。
【0031】
[44] 第2層の媒体接続制御(Medium Access Control;MAC)層は、論理チャネル(Logical Channel)を介して上位層である無線リンク制御(Radio Link Control;RLC)層にサービスを提供する。第2層のRLC層は、信頼性のあるデータ送信をサポートする。RLC層の機能は、MAC内部の機能ブロックで具現することもできる。第2層のPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層は、帯域幅の狭い無線インターフェースでIPバージョン4(IP version 4、IPv4)パケットやIPバージョン6(IPv6)パケットのようなIP(internet protocol)パケットを効率的に送信するために不必要な制御情報を減少させるヘッダー圧縮(Header Compression)機能を行う。
【0032】
[45] 第3層の最下部に位置した無線リソース制御(Radio Resource Control;RRC)層は、制御平面のみで定義される。RRC層は、各無線ベアラ(Radio Bearer;RB)の設定(Configuration)、再設定(Re―configuration)及び解除(Release)と関連して論理チャネル、送信チャネル及び物理チャネルの制御を担当する。RBは、端末とネットワークとの間のデータ伝達のために第2層によって提供されるサービスを意味する。このために、端末とネットワークのRRC層は、互いにRRCメッセージを交換する。
【0033】
[46] eNBの一つのセルは、1.25MHz、2.5MHz、5MHz、10MHz、15MHz及び20MHzなどの各帯域のうち一つで動作するように設定することができ、帯域でダウンリンク又はアップリンク送信サービスを提供するように設定することができる。異なる各セルは、異なる各帯域を提供するように設定することもできる。
【0034】
[47] E―UTRANから端末への送信のためのダウンリンク送信チャネル(Downlink transport Channel)は、システム情報を送信するBCH(Broadcast Channel)、各ページングメッセージを送信するPCH(Paging Channel)、及びユーザトラフィック又は各制御メッセージを送信するためのダウンリンク共有チャネル(Shared Channel、SCH)を含む。ダウンリンクマルチキャスト又はブロードキャストサービスのトラフィック又は制御メッセージの場合、ダウンリンクSCHを介して送信することもでき、又は別途のダウンリンクMCH(Multicast Channel)を介して送信することもできる。
【0035】
[48] 端末からネットワークにデータを送信するアップリンク送信チャネルとしては、初期制御メッセージを送信するRACH(Random Access Channel)と、その他にユーザトラフィックや制御メッセージを送信するアップリンクSCH(Shared Channel)とがある。送信チャネルの上位にあり、送信チャネルにマップされる論理チャネルとしては、BCCH(Broadcast Control Channel)、PCCH(Paging Control Channel)、CCCH(Common Control Channel)、MCCH(Multicast Control Channel)、及びMTCH(Multicast Traffic Channel)などがある。
【0036】
[49]
図4は、E―UMTSシステムで使用する物理チャネル構造の一例を示した図である。物理チャネルは、時間軸上にある多数のサブフレームと、周波数軸上にある多数のサブキャリア(Sub―carrier)とで構成される。ここで、一つのサブフレーム(Sub―frame)は、時間軸上に複数のシンボル(Symbol)で構成される。一つのサブフレームは、複数のリソースブロック(Resource Block)で構成され、一つのリソースブロックは、複数のシンボル及び複数のサブキャリアで構成される。また、各サブフレームは、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、すなわち、L1/L2制御チャネルのために該当のサブフレームの特定シンボル(例えば、1番目のシンボル)の特定サブキャリアを用いることができる。
図4には、L1/L2制御情報送信領域(PDCCH)とデータ領域(PDSCH)を示した。一実施例において、10msの無線フレーム(radio frame)が使用され、一つの無線フレームは10個のサブフレーム(subframe)で構成される。また、一つのサブフレームは二つの連続するスロットで構成される。一つのスロットの長さは0.5msである。また、一つのサブフレームは多数のOFDMシンボルで構成され、多数のOFDMシンボルのうち一部のシンボル(例えば、1番目のシンボル)は、L1/L2制御情報を送信するために使用することができる。データ送信のための時間単位である送信時間間隔(Transmission Time Interval、TTI)は1msである。
【0037】
[50] 基地局と端末は、一般に特定制御信号又は特定サービスデータを除いては、送信チャネルであるDL―SCHを用いる物理チャネルであるPDSCHを介してデータを送信/受信する。PDSCHのデータがいずれの端末(一つ又は複数の端末)に送信されるもので、前記各端末がどのようにPDSCHデータを受信してデコード(decoding)しなければならないのかに対する情報などは、PDCCHに含まれて送信される。
【0038】
[51] 例えば、特定PDCCHが「A」というRNTI(Radio Network Temporary Identity)でCRCマスク(masking)されており、「B」という無線リソース(例えば、周波数位置)及び「C」という送信形式情報(例えば、送信ブロックサイズ、変調方式、コーディング情報など)を用いて送信されるデータに関する情報が特定サブフレームを通じて送信されると仮定する。この場合、セル内の端末は、自身が有しているRNTI情報を用いてPDCCHをモニタし、「A」RNTIを有している一つ以上の端末があると、前記各端末はPDCCHを受信し、受信したPDCCHの情報を通じて「B」と「C」によって指示されるPDSCHを受信する。
【0039】
[52]
図5は、本発明の実施例に係る通信装置のブロック図である。
【0040】
[53]
図5に示された装置は、上述したメカニズムを行うように適応されたユーザ装置(User Equipment、UE)及び/又はeNBであってもよいが、同じ作業を行う任意の装置であってもよい。
【0041】
[54]
図5に示したように、装置は、DSP(Digital Signal Processor)/マイクロプロセッサ110及びRF(Radio Frequency)モジュール(送受信機;135)を含むこともできる。DSP/マイクロプロセッサ110は、送受信機135に電気的に接続されて送受信機135を制御する。装置は、設計者の選択によって、電力管理モジュール105、バッテリ155、ディスプレイ115、キーパッド120、SIMカード125、メモリデバイス130、スピーカー145及び入力デバイス150をさらに含むこともできる。
【0042】
[55] 特に、
図5は、ネットワークから要求メッセージを受信するように構成された受信機135、及びネットワークに送/受信タイミング情報を送信するように構成された送信機135を含む端末を示してもよい。このような受信機と送信機は送受信機135を構成できる。端末は、送受信機(受信機及び送信機、135)に接続されたプロセッサ110をさらに含むこともできる。
【0043】
[56] また、
図5は、端末に要求メッセージを送信するように構成された送信機135、及び端末から送受信タイミング情報を受信するように構成された受信機135を含むネットワーク装置を示してもよい。送信機及び受信機は送受信機135を構成することもできる。ネットワークは、送信機及び受信機に接続されたプロセッサ110をさらに含む。このプロセッサ110は、送受信タイミング情報に基づいて遅延(latency)を計算することもできる。
【0044】
[57]
図6は、競合ベース送信を行うための図の例示である。
【0045】
[58] アンローディング又は部分ローディングネットワークにおける典型的なインターネットトラフィックに対するレイテンシ(latency)減少のための簡単でありながら効率的な一方法は、事前割り当て(Pre−allocation)である。事前割り当ては、UEがスケジューリング要求を送信せず、UEにULパケットを送信する機会を提供する事前スケジューリング(pre−scheduling)の形態である。同期化(in−sync)要求時にスケジューリング要求手順には10msが必要であり、これは、ULリソースが端末のために事前スケジュールされないと、LTEが元のLTE要求仕様25.913において定義された往復10ms(片道2×5ms)遅延の元来のRANレイテンシ要求事項を支援できなくする。
【0046】
[59] 事前割り当ては、これらのリソースブロックが他のUEからの実際トラフィックに使用されないとき、送信するものを有しているUEにリソースブロック承認を提供する。ネットワークのための一つの可能性は、UEからの或る肯定(acknowledgement)(例えば、ピング(Ping)又はTCP ACK)を必要とする可能性のある下りリンクパケットを用いて、ULリソースのかかる事前割り当てをトリガーすることである。また、より一般化した方式が考慮されてもよい。
【0047】
[60] 事前割り当ては半静的(Semi−persistent)スケジューリングなどの他の形態の事前スケジューリングと異なることに注意されたい。事前割り当ては、実際トラフィックによって使用されない時にPDCCHを用いてULリソースを承認(grant)する。これに対し、半静的スケジューリングは、PDCCH上における反復的なスケジューリング無しでUEに規則的な割り当てを提供する。
【0048】
[61] 一方、競合ベース(contention based(CB))送信の目標は、上りリンク同期化されたUEが、あらかじめスケジューリング要求を送らないで上りリンクデータを送信するようにすることにある。これは、レイテンシ及びシグナリングオーバーヘッドを減少させることができる。小さいデータパケットに対して、小さいパケットは、スケジュールされたチャネルよりもCBチャネル状でいっそう効率的に送信されるというトレードオフポイントが存在し得る。
【0049】
[62] CBチャネルの一般的な特性は、データパケットが互いに衝突し得ることからエラーレートが増加するということである。衝突は、チャネルの最大スループットを減少させ、スループットは、提供されるロード(load)に敏感になる。提供されたロードがチャネル容量を超えて増加するように許容されると、衝突可能性は急に増加し、システムは不安定になり、スループットは減少する。したがって、CB送信が無競合(contention free(CF))上りリンク送信と干渉しなく、eNBがCB送信のためにリソースを割り当てる効率且つ迅速な手段を有することが最も重要である。
【0050】
[63] 上述のことを達成するための一方法は、CF上りリンク送信のために残していない上りリンクリソースブロックでのみCB送信を許容することである。CB送信のための上りリンクリソースブロックの動的割り当ては、下りリンク物理制御チャネル(PDCCH)を使用することによって達成することができる。PDCCHを使用することによって、CB承認がサブフレームごとに使用されないリソースに割り当てられ、上りリンクCF送信のスケジューリングは影響を受けない。このような方式で、CBリソースの静的割り当ては避けることができ、CBリソースを上りリンクロードによって動的に割り当てることができる。
【0051】
[64] CB−RNTI(Contention Based Radio Network Temporary Identifiers)がPDCCH上でCB上りリンク承認を識別するために導入される。CB上りリンク承認はRel−8UEと同じフォーマットを有することができ、すなわち、上りリンクCB送信に用いられるリソースブロック、変調及びコーディング方式、及び伝送フォーマットを特定することができる。Rel−10 UEは、自身の専用C−RNTIにアドレスされた承認に加えて、それらのCB−RNTIにアドレスされたCB上りリンク承認を聴取する(listen)ことができる。セル内の利用可能なCB−RNTIはRRC接続セットアップの間にそれぞれのUEにブロードキャスト又はシグナルされ得る。この方式は、Rel−10以前のUEがCB−RNTIにアドレスされた承認をデコードできず、以前方式と互換が可能である。
【0052】
[65] 共通リソースが用いられることから、UEを識別するために固有のUE識別子がMAC PDUに必要である。C−RNTI MAC制御エレメントをCB上りリンクリソース上で送信されるそれぞれのMAC PDUに追加することができる。
【0053】
[66] UEは専用CF承認を持っておらず、CB上りリンク承認上でのみ送信するように許容されなければならない。UEは制限された数のサブフレームに対するCBリソースだけを使用するように許容され、これで衝突解決を改善する。CB送信と共に、UEはスケジューリング要求も送信して無競合リソースを要求することができる。しかし、単一キャリア上りリンク特性を維持すべく、それらが同じサブフレームで送信され得ないことに注意されたい。
【0054】
[67] 競合ベース送信方式は、
図6に示すとおりである。
【0055】
[68]
図6を参照すると、eNodeBはブロードキャスト又は専用シグナリングによって利用可能なCB−RNTIをUEに知らせる(A)。UEはCB−RNTIを受信し、利用可能なCB承認に対するPDCCHをモニタし始める(B)。eNodeBはPDCCH上でCB承認をスケジュールし(C)、UEはCB承認を検出して、送信されるデータのL2&L1プロセシングを行う(D)。UEはCB承認を用いてPUSCH上でデータを送信する(E)。
【0056】
[69] 提案された形態において、CB送信は同期化されたUEのためにのみ支援される。この形態において、現在の仕様への変更は小さいことが予想され、MAC及びRRC仕様に主に影響を与えることができる。セクション3に提示されたとおり、例えば、TCP性能において認知可能な利得が存在する。
【0057】
[70] 非同期化されたUEをカバーするために概念を拡張すると、物理層仕様に対する実質的な変更が必要である。非同期化されたUEに対して、送信はサブフレーム境界内で合わないことがあり、重複送信を避けるためにガード(guard)時間が必要であり得る。また、eNB受信機を同期化するために或る形態のプリアンブルが必要であってもよい。非同期化されたUEにCB送信を拡張することが利得においては小さいと予想される。同期化されたUEに対する利得は6ms差の反復からもたらされる。非同期化されたUEに対しては、これは、後でUEが同期化されることがあるため、単にトランザクション(transaction)ごとに一回発生し得る。したがって、非同期化されたUEからのCB送信は、価値のあるソリューションとして考慮しない。
【0058】
[71]
図7は、競合ベースSR手順を行うための図の例示である。
【0059】
[72] Rel−8において、SRリソース及びシーケンスはRRCシグナリングによってUEに割り当てられる。もちろん、より高いPUCCHリソース消費を犠牲してより短いSR周期性が得られる。理論的なSR容量はPRB当たりに18個のUEであり、180個のUEが支援されると、PRBの数は180/18=10である。1ms SR期間において10MHz帯域幅が想定されると、SRに20%のリソースが用いられるはずであり、これは重い制御チャネル負担である。したがって、一つより多いUEがSRリソースを共有することを考慮する。
【0060】
[73]
図7は、SRがどのように共有され得るかを示している。eNBはいくつかのUEのためにRRCシグナリングを用いて同じSRリソースを設定する(S701)。UEは、設定されたSRリソースを用いてSRをeNBに送信する(S703)。衝突SRがないと、eNBはPUSCH承認を割り当てる(S705)。UEはPUSCH上で上りリンクデータを送信する(S707)。
【0061】
[74] SRを共有するために2つのオプションを考慮することができる。
【0062】
[75] オプション1は、UL承認が、共有UEのグループごとに設定される新しいSR−RNTI(共有SR RNTI)にアドレスされることである。オプション2は、PUCCHフォーマット1a及びフォーマット1bがSRに用いられることである。例えば、フォーマット1aが用いられると、2個のUEを識別することができ、フォーマット1bでは、4個のUEを識別することができる。eNBがフォーマット1a及び/又は1bを用いてSRを受信した後、識別されたUEに規則的なUL承認を割り当てることができる。
【0063】
[76] 次に、1つより多いUEがTTI(衝突)において同じPUCCH−SRリソースを使用する時のハンドリングについて説明する。
【0064】
[77] オプション1に対して、eNBはPUCCH−SR衝突がいつ起きるかを話すことができない;eNBはUL送信のためのリソースを承認(grant)し、1つより多いUEはそのリソースを使用する。PUSCH送信は失敗するはずである。eNBは、この場合、そのリソースを共有するそれぞれのUEのC−RNTIに承認を提供してもよく又は何にもしなくてもよい。SRを送った後にUL承認が受信されないと、UEはSRを再び送ることができるが、若干の(ランダム又はUE特定)遅延を適用し、同時にSRを送信した他のUEとの続く衝突を避ける必要がある。このようなソリューションの効率は、UL承認内の選択されたMCSのロバスト性(robustness)の度合及び衝突確率(collision probability)に依存する:(すなわち、MCSがかなり剛健であれば、第1非衝突送信はたびたびデコードに成功し、失敗した送信は衝突によって誘発されたものと想定できる)。
【0065】
[78] オプション2に対して、SR衝突はeNBにとってのDTX検出をもたらし、上りリンク承認が与えられないことがある。UE挙動はオプション1におけると類似であってもよい。eNBが衝突受信又は高い干渉受信を区別できれば、さらなる研究が可能である。eNBが区別できれば、衝突されたリソースを共有する全てのUEに対してそれぞれULリソースを割り当てることができ、これは、衝突後にバックオフ(backoff)によって誘発された遅延を減少させることに役立つ。
【0066】
[79] 上記分析に基づいて、オプション2はオプション1に比べてより簡単で且つよりリソース効率的なSR衝突処理メカニズムを提供する。また、オプション2では新しいSR−RNTIを必要としない。
【0067】
[80] これらのオプションはPUCCH−SR衝突が発生した場合には非効率的であるが、SR期間が短いと共に少ないUEがこれを共有すれば、衝突確率は低く維持される。
【0068】
[81] 共有PUCCH−SR手順はCB−PUSCHと比較され、CB−PUSCHはeNBがPUSCHリソースを使用しなかった時に最良の遅延性能を提供することと結論した。ネットワークがロードされると、共有SRが好ましい。
【0069】
[82]
図8は、競合ベース送信を行うための図の例示である。
【0070】
[83] UEが専用−SR(D−SR)を送信してeNBの応答を待つ必要がないため、競合ベースリソースがTTIごとに利用可能であるとの前提下に、競合ベース送信及び1ms SR期間の間に3ms差が存在し得る。専用の事前割り当てによって同じ性能を達成できるが、TTIごとに全UEに対する専用リソースを割り当てるには非常に多い費用がかかり得る。SR関連競合ベース送信は興味深い折衝(compromise)を提供するが、事前割り当てされたリソースは共有され、このリソースを用いるUEの識別はD−SRによって行われる。SR関連競合ベース送信の基本手順は、
図8に示す。
【0071】
[84] eNBはUEにD−SR及び共有リソースを設定する(S801)。ULデータが到達すると、UEは専用UL承認を待たないで共有されたリソース上で“同時に”SR及びTBを送信する(S803)。eNBは受信したSRに基づいて、競合ベースリソースを用いてUEを識別することができる。eNBが衝突発生を意味する同じリソースにリンクされた1つより多いSRを受信すると、正確にデコードされるか否かにかかわらずにTBをACKし、SRを送信したそれぞれのUEに専用承認を提供、すなわち、R8/9にフォールバック(fall back)する(ACKされたTBは衝突の場合にRLC再送信に依存できる。)。eNBが同じリソースにリンクされた一つのSRだけを受信すると、衝突が発生せず、TBが正確にデコードされないとNACKであり、そうでないとACKである。したがって、それぞれのUEから、正常R8/9 HARQは相変らず適用可能である(S805)。
【0072】
[85] 互いに異なるリソースを用いた適応的再送信は、競合ベースリソース上のロードを減少させるSRでUEが識別されるので、可能である(S807)。
【0073】
[86] 一方、非常に保守的な(conservative)MCSはカバレッジを保障するために用いられる必要があるため、リソース利用効率はPUSCH上の競合ベース送信において起きる主要関心事の一つである。RLCヘッダー(少なくとも1〜2バイト)+UEアイデンティティのために追加される一つ以上のバイト及び可能なBSR(2〜4バイト)を有するMACヘッダーを考慮した主に言及される典型的なTCP ACK使用ケースのTBに対する競合ベースリソースは、3〜4 PRB(最も保守的なMCSを有する一つのPRBに対する16ビットTBS)を必要としてもよいが、適切なMCSを有する専用承認である場合(一つのPRBに対するせいぜい712ビットTBS)、TBを収容するためにはより少ないリソースが必要である。衝突確率を減少させるためにいくつかの競合ベースリソースを残しておくと、専用承認のための容量は相当影響を受け、これは3msレイテンシ減少最適化をだいぶ費用のかかるものにする。
【0074】
[87] なお、正常HARQ動作はたぶん、上記デコード失敗が衝突によるものであれば、NACKを受信したUEからの再送信が役に立たないか又はその状況を悪くさえさせるため、働くことができず、また、eNBにとって、CBリソースで送信されるTBのソフトコンバイニングを作ることが困難(不可能でなければ)である。これに対し、他のUEに対してACKになり得るため、ACKはACKとして解釈され得ない。TBがセル境界UEに対する只一つの送信内でデコードされ得ることを保証するためにより多い保守的なMCSが要求されるはずなので、No HARQはリソース効率を悪くさせる。
【0075】
[88]
図9は、UE側におけるMAC構造の概要を示す図である。
【0076】
[89] MAC層は、論理チャネルマルチプレクシング、ハイブリッドARQ再送信、上りリンク及び下りリンクスケジューリングをハンドリングする。また、キャリアアグリゲーション(carrier aggregation)が用いられるとき、多数のコンポーネントキャリアにわたってデータマルチプレクシング/デマルチプレクシングを担当する。
【0077】
[90] MACはRLCに論理チャネルの形態でサービスを提供する。論理チャネルはそれが伝達する情報のタイプによって定義され、一般的に制御チャネルとして分類され、LTEシステムを動作させる上で必要な制御及び設定(configuration)情報の送信に用いられたり、トラフィックチャネルとしてユーザデータに用いられる。LTEのために特定された論理チャネルタイプのセットは、BCCH(Broadcast Control Channel)、PCCH(Paging Control Channel)、CCCH(Common Control Channel)、DCCH(Dedicated Control Channel)、MCCH(Multicast Control Channel)、DTCH(Dedicated Traffic Channel)、及びMTCH(Multicast Traffic Channel)を含む。
【0078】
[91] 物理層から、MAC層は伝送チャネルの形態でサービスを使用する。伝送チャネルは、情報がどのようにどんな特性を持って無線インタフェースを通じて送信されるかによって定義される。伝送チャネル上のデータは伝送ブロックとして組織される。それぞれの送信時間間隔(TTI)において、動的サイズのせいぜい一つの伝送ブロックが空間マルチプレクシングの不在時に端末に/から無線インタフェースを通じて送信される。空間マルチプレクシング(MIMO)の場合、TTIごとに2個までの伝送ブロックが存在してもよい。
【0079】
[92] 伝送フォーマット(TF)がそれぞれの伝送ブロックと関連付けられて、伝送ブロックが無線インタフェースを通じてどのように送信されるかを特定する。伝送フォーマットは、伝送ブロックサイズ、変調及びコーディング方式、及びアンテナマッピングに関する情報を含む。伝送フォーマットを変更することによって、MAC層は異なるデータレートを実現することができる。したがって、レート制御は伝送フォーマット選択として知られている。
【0080】
[93] 優先順位ハンドリングを支援するために、多数の論理チャネルはMAC層によって一つの伝送チャネルにマルチプレクシングされてもよく、それぞれの論理チャネルは自身のRLCエンティティを有する。受信機において、MAC層は順次的(in−sequence)伝達及びRLCによってハンドリングされる他の機能のために対応するデマルチプレクシングをハンドリングし、RLC PDUをそれぞれのRLCエンティティに伝達する。受信機においてデマルチプレクシングを支援するために、MACが利用される。それぞれのRLC PDUには、MACヘッダー内に関連したサブヘッダーが存在する。サブヘッダーはRLC PDUが由来した論理チャネル(LCID)のアイデンティティ及びPDUのバイト長を含む。最後のサブヘッダーであるかどうかを示すフラグも存在する。MACヘッダーと共に、一つ又はいくつかのRLC PDU、及び、必要時には、スケジュールされた伝送ブロックサイズを満たすためのパディングが、物理層に伝達される一つの伝送ブロックを形成する。
【0081】
[94] 互いに異なる論理チャネルのマルチプレクシングに加えて、MAC層は、いわゆるMAC制御エレメントを、伝送チャネルを介して送信される伝送ブロックに挿入することもできる。MAC制御エレメントはインバンド制御シグナリング、例えば、タイミング−アドバンスコマンド及びランダムアクセス応答に用いられる。制御エレメントはLCIDフィールド内の留保された(reserved)値で識別され、LCID値は制御情報のタイプを示す。
【0082】
[95] また、サブヘッダー内の長さフィールドは、固定長を有する制御エレメントのために除去される。
【0083】
[96] MACマルチプレクシング機能はまた、キャリアアグリゲーションの場合、多数のコンポーネントキャリアのハンドリングを担当する。キャリアアグリゲーションのための基本原理は、制御シグナリング、スケジューリング及びハイブリッド−ARQ再送信を含む物理層におけるコンポーネントキャリアの独立したプロセシングであるが、キャリアアグリゲーションはRLC及びPDCPには見えない。このため、キャリアアグリゲーションは主にMAC層において見え、任意のMAC制御エレメントを含む論理チャネルはマルチプレクシングされて、自身のハイブリッドARQエンティティを有するそれぞれのコンポーネントキャリアを有するコンポーネントキャリアごとに1つの(空間マルチプレクシングの場合には2つ)伝送ブロックを形成する。
【0084】
[97] 既に有効承認を持っている端末は確実に上りリンクリソースを要求する必要がない。しかし、スケジューラが未来のサブフレームでそれぞれの端末に承認するリソースの量を決定するように許容するために、上述したように、バッファ状況及びパワー利用可能性に関する情報が有用であってもよい。この情報はMAC制御エレメントを通じて上りリンク送信の一部としてスケジューラに提供される。一つのMACサブヘッダー内のLCIDフィールドは、バッファ状態報告の存在を示す留保された値に設定される。
【0085】
[98] BSR(Buffer Status Reporting)手順は、UEのULバッファ内の送信に利用可能なデータ(data available for transmission)の量に関する情報をサービングeNBに提供するために用いられる。RRCは、2個のタイマーであるperiodicBSR−Timer及びretxBSR−Timerを設定(configure)し、それぞれの論理チャネルに対して、論理チャネルをLCG(Logical Channel Group)に割り当てる論理チャネルグループを選択的にシグナリングすることによってBSR報告を制御することができる。
【0086】
[99] BSR手順に対して、UEは中断していない全ての無線ベアラーを考慮し、中断しているベアラーを考慮することができる。BSRは、次のようないずれかのイベントが発生する場合にトリガーされ得る:i)伝送バッファ内に現在存在するものに比べてより高い優先順位のデータが到着した場合、すなわち、現在送信されているものに比べてより高い優先順位を持つ論理チャネルグループ内のデータが到着した場合。これは、スケジューリング決定に影響を与えることができる(すなわち、LCGに属する論理チャネルに対するULデータがRLCエンティティ又はPDCPエンティティにおける送信に利用可能となり、そのデータが任意のLCGに属し、データが送信に既に利用可能な論理チャネルの優先順位より高い優先順位で論理チャネルに属したり、LCGに属する論理チャネルのいずれかに対する送信に利用可能なデータがない場合)。
図10は、上りリンク承認受信に対する概念図である。
【0087】
[100] UL−SCH上で送信するために、MACエンティティは(非適応HARQ再送信を除いて)PDCCH上で又はランダムアクセス応答で動的に受信したり半静的に設定され得る有効上りリンク承認を持たなければならない。要求された送信を行うために、MAC層は下位層からHARQ情報を受信する。物理層が上りリンク空間マルチプレクシングのために設定されると、MAC層は下位層から同じTTIの間に2個までの承認(HARQプロセスごとに1個)を受信することができる。
【0088】
[101] UEがサブフレームN上でサブフレームN+Kの間に上りリンクデータを送信するための有効上りリンク承認を受信すると、UEは上りリンク承認を用いてサブフレームN+K上で上りリンクデータを送信する。その後、UEはサブフレームN+K+I上で上りリンクデータの伝送のためのACK/NACKフィードバックを受信し、UEがNACK指示を受信すると、UEはサブフレームN+K+I+J上でULデータを再送信しなければならない。
【0089】
[102] 具体的に、MACエンティティがC−RNTI、半静的スケジューリングC−RNTI、又は一時的なC−RNTIを有すると、MACエンティティは、それぞれのTTI、実行するtimeAlignmentTimerを有するTAGに属するそれぞれのサービングセル及びこのTTIにおいて受信されたそれぞれの承認のために、すなわち、このTTI及びこのサービングセルに対する上りリンク承認がMACエンティティのC−RNTI又は一時的なC−RNTIのためにPDCCH上で受信されたり、このTTIに対する上りリンク承認がランダムアクセス応答で受信されると、上りリンク承認がMACエンティティのC−RNTIに対するものであり、同じHARQプロセスに対するHARQで伝達された以前の上りリンク承認がMACエンティティの半静的スケジューリングC−RNTI又は設定された上りリンク承認のために受信された上りリンク承認であれば、NDIの値にかからずに対応するHARQプロセスに対してトグルされたものと見なし、上りリンク承認及び関連したHARQ情報をこのTTIにおいてHARQエンティティに伝達する。
【0090】
[103] 上りリンクが設定されたそれぞれのサービングセルに対するMACエンティティに一つのHARQエンティティが存在し、これは以前送信の成功又は失敗した受信に対するHARQフィードバックを待ちながら継続して送信が発生するようにする多数の並列HARQプロセスを維持する。
【0091】
[104] 与えられたTTIにおいて、TTIの間に上りリンク承認が指示されると、HARQエンティティは、送信の発生すべきHARQプロセスを識別する。また、物理層によってリレーされた受信されたHARQフィードバック(ACK/NACK情報)、MCS及びリソースを適切なHARQプロセスにルーティングする。
【0092】
[105] それぞれのTTIの間に、HARQエンティティは、このTTIと関連したHARQプロセスを識別し、それぞれの識別されたHARQプロセスの間に、MACエンティティはMAC PDUを受け取り、Msg3バッファにMAC PDUが存在し、上りリンク承認がランダムアクセス応答で受信されると、Msg3バッファから送信し、MAC PDU及び上りリンク承認及びHARQ情報を、識別されたHARQプロセスに伝達し、上りリンク承認がPDCCH上で受信されると、識別されたHARQプロセスが新しい送信をトリガーするように指示する。
【0093】
[106] それぞれのHARQプロセスはHARQバッファと関連付けられる。
【0094】
[107] それぞれのHARQプロセスは、バッファで現在MAC PDUに対して発生する送信数を示す状態変数CURRENT_TX_NB、及びバッファで現在MAC PDUに対するHARQフィードバックを示す状態変数HARQ_FEEDBACKを維持することができる。HARQプロセスが確立されると、CURRENT_TX_NBは0に初期化されるはずである。
【0095】
[108] リダンダンシーバージョンのシーケンスは、0、2、3、1である。変数CURRENT_IRVは、リダンダンシーバージョンのシーケンスへのインデックスである。この変数は、アップデートされたモジューロ4である。
【0096】
[109] リソース上で新しい送信が行われ、MCSはPDCCH又はランダムアクセス応答上で指示される。適応的再送信はリソース上で行われ、提供される場合、MCSがPDCCH上で指示される。非適応的再送信が同じリソース上で最後に行われる送信の試みに用いられたものと同じMCSで行われる。
【0097】
[110] MACエンティティは、RRCによってHARQ送信の最大数及びMsg3 HARQ送信の最大数に設定され、それらはそれぞれ、maxHARQ−Tx及びmaxHARQ−Msg3Txである。Msg3バッファに保存されたMAC PDUの送信を除いて全てのHARQプロセス及び全ての論理チャネル上の送信のために、送信の最大数はmaxHARQ−Txに設定される。Msg3バッファに保存されたMAC PDUの送信のために、送信の最大数はmaxHARQ−Msg3Txに設定される。
【0098】
[111] このTBに対するHARQフィードバックが受信されると、HARQプロセスはHARQ_FEEDBACKを受信された値に設定する。
【0099】
[112] HARQエンティティが新しい送信を要求すると、HARQプロセスはCURRENT_TX_NBを0に設定し、CURRENT_IRVを0に設定し、関連したHARQバッファにMAC PDUを保存し、HARQエンティティから受信された上りリンク承認を保存し、HARQ_FEEDBACKをNACKに設定し、後述するように送信を生成する。
【0100】
[113] HARQエンティティが再送信を要求すると、HARQプロセスはCURRENT_TX_NBを1増加させる。HARQエンティティが適応的再送信を要求すると、HARQプロセスは、HARQエンティティから受信された上りリンク承認を保存し、CURRENT_IRVをHARQ情報から提供されるリダンダンシーバージョン値に対応するインデックスに設定し、HARQ_FEEDBACKをNACKに設定し、後述するように送信を生成する。HARQエンティティが非適応的再送信を要求すると、HARQ_FEEDBACK=NACKであれば、HARQプロセスは後述するように送信を生成する。
【0101】
[114] 送信を生成するために、HARQプロセスは物理層でCURRENT_IRV値に対応するリダンダンシーバージョンを有する保存された上りリンク承認によって送信を生成するように指示し、MAC PDUがMsg3バッファから得られると、CURRENT_IRVを1増加させたり;送信時に測定ギャップがない場合及び再送信の場合、再送信はこのTTIにおいてMsgバッファから得られたMAC PDUに対する送信と衝突しない。
【0102】
[115] この送信のために、HARQフィードバック時に測定ギャップが存在する場合及びMAC PDUがMsg3バッファから得られない場合、HARQプロセスはこの送信に対するHARQフィードバック受信時にHARQ_FEEDBACKをACKに設定する。
【0103】
[116] 上記動作を行った後、CURRENT_TX_NB=送信最大数−1であれば、HARQプロセスはHARQバッファをフラッシュ(flush)する。
【0104】
[117] LTEにおいて、上りリンクデータを送信するために、UEはeNBから上りリンク承認を得なければならない。効率的な上りリンクリソーススケジューリングのために、UEはバッファ内のデータの量を報告しなければならず、eNBは報告されたバッファサイズに基づいて上りリンク承認を提供する。この手順は、専用上りリンクリソースがUEに与えられてUE間の衝突を避け得るようにする。しかし、UEは、データが送信に利用可能になった後、上りリンクデータを送信するためにしばらく待たなければならない。また、バッファサイズを報告するための上りリンクリソースがない場合、UEは上りリンク送信において追加の遅延をきたすSR又はRA手順を始めることができる。
【0105】
[118] DL送信において、eNBがDLデータ、例えば、TCPをUEに送信すると、eNBはUEから対応するULデータ、例えば、TCP ACK/NACKを受信することを期待する可能性がある。UEがULデータを送信する正確なタイミングをeNBが知らなくても、eNBは、UEがDLデータに対応するULデータをeNBに送信する時をヒストリーから概略的に予想したり学習することができる。その後、eNBは、レイテンシを減少させるために、予想されるULデータ送信のための上りリンクリソースを事前割り当てをしたり又はすることを所望することができる。
【0106】
[119] しかし、同期UL HARQプロセスであることから、UEがサブフレームN上でeNBから上りリンク承認を受信すると、UEはそのサブフレームに対応するHARQプロセスを用いてサブフレームN+k上で上りリンクデータを送信する。例えば、kはFDDにおいて4である。すなわち、上り承認の受信時に、UEは特定サブフレームと関連している特定HARQプロセスを用いてUL送信を行わなければならず、ここで、特定サブフレームは上りリンク承認の受信タイミングにマップされる。
【0107】
[120] DLデータに対応するULデータは発生の際に正確に知られていないため、i)UE側においで、ULデータが送信に利用可能になる前に上りリンクリソース要求に対するバッファサイズを報告し、ii)eNB側において、正確なタイミングは知らないが、近い未来に発生し得るUL送信に用いられる少なくとも一つのサブフレームに対する上りリンク承認を提供するために新しいメカニズムが必要である。
【0108】
[121]
図11は、本発明の実施例によって無線通信システムにおいてバッファ状態報告をトリガーするための概念図である。
【0109】
[122] UL承認の迅速な取得のために、送信される任意のULデータ無しで、UEはバッファ状態報告(BSR)をeNBに送信して、予想されるULデータの送信のためのUL承認を要求する。
【0110】
[123] 好ましくは、所定の期間内でUEによって生成されると予想される上りリンクデータは“仮想データ”といい、仮想データに対するUL承認を要求するBSRは“仮想BSR”という。
【0111】
[124] 具体的に、送信に利用可能な上りリンクデータが現在存在しなくても、UEは、所定の期間内に生成される上りリンクデータがあると予想すれば、仮想BSRをトリガーすることができる(S1101)。
【0112】
[125] UEは受信したDLパケットに基づいてUL仮想データを予想することができる。例えば、UEは、TCPパケットを含むPDCP PDUを受信すると、近い未来に上りリンクで送信されるべきTCP ACKパケットがあると予想できる。
【0113】
[126] 具体的に、UEのPDCPエンティティがMACエンティティに、近い未来に仮想データがある旨を指示すると、MACエンティティは仮想データに対する仮想BSRをトリガーする。
【0114】
[127] UEはまた、ULデータを周期的に生成するプロトコルが存在すると、UL仮想データを予想することができる。例えば、UE PDCP内のROHC(Robust Header Compression)プロトコルは、UEによって予想可能なROHC初期化及びリフラッシュ(IR)パケットを周期的に生成することができる。
【0115】
[128] 仮想BSRをトリガーするために、UEはPDCP又はRLC又はMACエンティティで仮想データを生成することができる。eNBはTCPパケットのN番目の受信ごとにTCP ACKパケットに対するBSRをUEがトリガーするようにUEを設定する。
【0116】
[129] 仮想BSRがトリガーされる時、UL承認がないと、UEはスケジューリング要求(SR)をトリガーする(S1103)。SRは、SRが仮想BSRによってトリガーされるという指示を含むことができる。
【0117】
[130] 仮想BSRがトリガーされる時、UL承認があると、UEは仮想BSRを送信する(S1105)。
【0118】
[131] 仮想BSRは仮想データのサイズを含む。
【0119】
[132] 仮想BSRは、BSRが仮想データのサイズを報告するとの指示、又はトリガーされたBSRが仮想データに対するものであるとの指示を含むことができる。
【0120】
[133] eNBがUEから仮想データ送信のためのBSR又はSRを受信すると、eNBはUL承認をUEに割り当てる(S1107)。
【0121】
[134] 仮想データに対するUL承認は、i)このUL承認が仮想データに対するものであるとの指示、ii)仮想データに対するUL承認が有効である持続時間(time duration)、又はiii)UEがこのUL承認を用いて送信に使用するHARQプロセスID、を含むことができる。
【0122】
[135] UEがeNBから仮想データに対するUL承認を得ると(S1107)、UEは、実際データが生成される時までUL承認を保存する。UEは、実際データが生成されると、受信されたUL承認上で実際データを送信する(S1109)。
【0123】
[136] 実際データが生成されないと、UEは、仮想データに対するUL承認を廃棄したりUL承認上で仮想BSRを送信する(S1111)。
【0124】
[137] 仮想データに対するUL承認が有効である持続時間は、RRCシグナリングを用いてeNBによって設定されたり、仕様において固定される。また、UL承認がeNBから受信される時にUL承認に持続時間が含まれる。
【0125】
[138]
図12は、本発明の実施例によって無線通信システムにおいてバッファ状態報告をトリガーする例を示す図である。
【0126】
[139] 送信に利用可能になると概略的に予測可能なデータ、例えば、TCP ACKの送信のためのUL承認について詳しく説明する。
【0127】
[140] UEがTCPパケットを含むPDCP PDUを受信すると(S1201)、UEは、近い未来に上りリンクで送信されるべきTCP ACKパケットがあるということを予想するだろう。
【0128】
[141] この場合、UEは仮想BSRをトリガーして送信する(S1203)。UEが持続期間に仮想BSRに対する上りリンク承認を受信する時(S1205)、UEが持続期間に実際データ(すなわち、TCP ACK)を生成できれば、UEは仮想データに対する上りリンク承認を用いてTCP ACKを送信することができる(S1207)。実際データが生成されないと、UEは仮想データに対するUL承認を廃棄したり、UL承認上で仮想BSRを送信する。
【0129】
[142]
図13は、本発明の実施例によって無線通信システムにおいて多数のサブフレームで上りリンク承認を設定するための概念図である。
【0130】
[143] “LTEに対するレイテンシ減少技術に対する研究”という研究項目において、TCPスループット改善は、レイテンシ減少のためのプロトコル向上の予想結果の一つである。TCPスループット改善のために、事前スケジューリングによるゼロ遅延を持っているにもかかわらず上りリンク承認を提供する方が有利であるということはかなり明らかである。
【0131】
[144] 事前スケジューリングを達成するには2つの方法がある、すなわち、i)eNBは1msの間隔を有するSPS UL承認を設定し(方法1)、及びii)eNBはUEからBSRを受信しないで多数サブフレームに対する多数のUL承認を提供する(方法2)。
【0132】
[145] 方法1において、UEは、eNBからSPS設定を受信し、SPS C−RNTIによってアドレスされた PDCCHの受信時にSPS UL承認を初期化(活性化)し、RLC/PDCPエンティティにおける送信に利用可能なデータがないと上りリンク送信をスキップする。
【0133】
[146] 方法1では、SPS UL承認が一応設定及び初期化(活性化)されると、いなかる追加的なシグナリング無しに解除(release)されるまで、設定されたSPS UL承認をUEが使用することができる。しかし、UEは多数の段階を経てのみSPS UL承認を利用できるが、すなわち、eNBはSPS設定を提供した後にSPS UL承認を初期化(活性化)する。したがって、SPS UL承認が設定されるや否や初期化される必要がある場合にも、eNBは別の段階を行う必要がある。これは、SPS UL承認を使用するにあたって遅延を発生させる。そして、UEはただ一つのSPS設定、すなわち、一つの間隔で設定され得る。VoIPトラフィック及びTCP ACKはその特性において異なるため、一つのSPS設定でVoIPトラフィック及びTCP ACKを提供することは非効率的であり得る。したがって、eNBは、予想されるトラフィックによって頻繁にSPS UL承認を設定/解除する必要があり得る。
【0134】
[147] 方法2において、eNBはUEからBSRを受信しないでULデータ送信を予測し、UEがULデータを送信できる多数のサブフレームに対する多数のUL承認を提供する。UE UL承認を含むPDCCHを受信する時、RLC/PDCPエンティティにおける送信に利用可能なデータがない場合、UEは上りリンク送信をスキップする。
【0135】
[148] この場合、SPS UL承認と同様に、UL承認を使用する追加の段階、すなわち、設定/初期化がなく、スケジュールされた柔軟性をTCP ACK予測可能性、セルロードなどによって動的を達成することができる。しかし、eNBが、例えば、ULデータの予測不可能性のことから、多数のサブフレームに対する動的UL承認を提供することを所望すると、eNBはPDCCHを多数回送信しなければならない。これは自然的にシグナリングオーバーヘッドを増加させる。
【0136】
[149] 上記の2つの方法は既に支援されており、仕様をすこし変更して用いることができる。しかし、上記で説明したとおり、これら2つの方法はシグナリングオーバーヘッド(方法1及び2)及びUL承認を使用する際における遅延(方法1)においてあまり効率的でない。
【0137】
[150] このような問題に基づいて、有効であり且つ設定された多数のサブフレームに利用可能な、デューレーションの長いUL承認を導入する必要がある。
【0138】
[151] 本発明は、多数のUL承認に対する多数のPDCCHの送信を避けるためのものである。これは、UL承認が有効な期間(多数のサブフレーム)を提供することによって実現することができる。送信に利用可能になる時に概略的にしか予測できないデータ、例えば、TCK ACKに対するシグナリングオーバーヘッドを減少させるという利点がある。
【0139】
[152] インターネットの優勢な使用ケースの一つであるTCK ACKに対するレイテンシ減少がTCPのスループット改善を招くとすれば、動的UL承認の改善を討論してみる価値があると見なされる。また、これは、仕様において適当な変化だけを要求する。すなわち、eNBは、スケジューリングポリシー又はデータ発生の予測可能性を考慮することによって、UL承認が有効である期間を提供する。
【0140】
[153] eNBは特定持続期間に有効であるUL承認をUEに送信し、UEは特定持続期間においてUL承認が有効であると見なす(S1301)。したがって、UEは、実際データが生成されるまでUL承認を保存する。
【0141】
[154] 特定持続期間において実際データが生成されると、UEは上りリンク承認を用いてデータを送信する(S1303)。特定の持続期間が過ぎるまで実際データが生成されないと、UEは上りリンク承認を廃棄したり(S1305)、UL承認上で仮想BSRを送信する。
【0142】
[155] 好ましくは、特定持続期間はRRCシグナリングを用いてeNBによって設定されたり、事前設定されたり上りリンク承認と共に受信される。
【0143】
[156] 好ましくは、上りリンク承認は、UEが生成されると予想したデータ(すなわち、仮想データ)に対するものであり、上りリンク承認は、UEが上りリンク承認が生成されると予想したデータに対するものであるとの指示を含む。
【0144】
[157] 好ましくは、仮想データに対するUL承認は、i)このUL承認が仮想データに対するものであるとの指示、ii)仮想データに対するUL承認が有効である持続期間、又はiii)このUL承認を用いてUEが送信に使用するHARQプロセスID、を含むことができる。
【0145】
[158] 好ましくは、UEは、送信のために利用可能な上りリンクデータが現在存在しない場合にも特定の持続期間内に生成される上りリンクデータがあると予想すれば、仮想BSRをトリガーすることができる。
【0146】
[159] 特定の持続期間が過ぎても特定持続期間においてUEがUL承認を用いてデータを送信すると、UEは上りリンク承認を廃棄することができる(S1307)。
【0147】
[160] 好ましくは、特定の持続期間は2つ以上のサブフレームを含む。
【0148】
[161]
図14は、本発明の実施例によって無線通信システムにおいて多数のサブフレームで上りリンク承認を設定するための概念図である。
【0149】
[162] UEは、上りリンク承認が有効である特定の持続期間をカウントするタイマーを維持することができる。
【0150】
[163] UEがUL承認を受信すると(S1401)、UEはタイマーTimerVを起動する(S1403)。UEはTimerVが実行される間にVUL承認が有効であると見なし、UEは、実際データが生成されるまでUL承認を保存する。好ましくは、タイマーの値はRRCシグナリングを用いてeNBによって設定されたり、事前設定されたり、上りリンク承認と共に受信され、タイマーの値は2個のサブフレームより大きいか等しい。
【0151】
[164] TimerVが実行される間に、ULデータが送信に利用可能になると、UEはUL承認を用いてULデータを送信する(S1405)。UEは、UL承認上でUL送信が行われるサブフレームにマップされるHARQプロセスを利用する。
【0152】
[165] そして、UEは、UL承認上で実際データが送信される時にタイマーを中止する(S1407)。この場合、タイマーが満了しなくても、タイマーが実行される間にUEが上りリンク承認を用いてデータを送信した後にUL承認を廃棄することができる(S1409)。TimerVが実行される間に、送信に利用可能になるULデータがないと、TimerVが満了した後にUEがVUL承認を廃棄したり(S1411)、UL承認上で仮想BSRを送信する。
【0153】
[166] 好ましくは、上りリンク承認は、UEが生成されると予想したデータ(すなわち、仮想データ)に対するものであり、上りリンク承認は、上りリンク承認が、生成されるはずとUEが予想したデータに対するものであるとの指示を含む。
【0154】
[167] 好ましくは、仮想データに対するUL承認は、i)このUL承認が仮想データに対するものであるとの指示、ii)仮想データに対するUL承認が有効な持続期間、又はiii)このUL承認を用いてUEが送信に使用するHARQプロセスIDを含むことができる。
【0155】
[168] 好ましくは、UEは、送信のために利用可能な上りリンクデータが現在存在しない場合にも特定の持続期間内に生成される上りリンクデータがあると予想すれば、仮想BSRをトリガーすることができる。UEは、持続期間をカウントするタイマーを維持することができる。UEは、仮想データに対するUL承認が受信されるとタイマーを起動し、UL承認上で実際データが送信されるとタイマーを中止する。タイマーが満了すると、UEがVUL承認を廃棄したり、UL承認上で仮想BSRを送信する。
【0156】
[169]
図15及び
図16は、本発明の実施例によって無線通信システムにおいて多数のサブフレームで上りリンク承認に基づいてACK/NACK指示を行うための概念図である。
【0157】
[170] “UL承認+持続期間”を“VUL承認”とし、“持続期間(time duration)”を“Td”とする。Tdをカウントするタイマーは“TimerV”とする。
【0158】
[171]
図15で、eNBがVUL承認をUEに与えると(S1501)、UEはタイマーTimerVを起動し(S1502)、eNBは持続期間(Td)の間にVUL承認上のUEからのULデータを待つ(S1503)。
【0159】
[172] UEはeNBからVUL承認を受信し、UEはTdの間にVUL承認が有効であると見なす。
【0160】
[173] 好ましくは、Tdの値はRRCシグナリングを用いてeNBによって設定されたり、事前設定されたり上りリンク承認と共に受信され、タイマーの値は2個のサブフレームより大きいか等しい。
【0161】
[174] 好ましくは、VUL承認は、UEが生成されると予想したデータに対するものであり、VUL承認は、上りリンク承認が生成されるとUEが予想したデータに対するものであるとの指示を含む。好ましくは、Tdの値は2個のサブフレームより大きいか等しい。
【0162】
[175] TimerVが実行される間に、VUL承認上でULデータを送信した後(S1504)、UEはサブフレーム上で送信されるデータに対するACK指示又はNACK指示をモニターしてeNBからのフィードバックの受信を待つ。
【0163】
[176] eNBは直ちにACKをUEに送信し、UEからVUL承認を解除する(S1505)。
【0164】
[177] 送信されるデータに対するACK指示がサブフレーム上で受信されなかったり、サブフレーム上で送信されるデータに対するNACK指示が受信されると、UEはTimerVが実行されるかを確認する。
【0165】
[178] TimerVが実行される時、UEが行われる送信に対するACKを受けないか又はNACK指示を受けると、UEは同じVUL承認を用いてRLCエンティティ又はMACエンティティでULデータを再送信することができる(S1506)。
【0166】
[179] eNBがTdの間にVUL承認上でいかなるULデータも受信できないと、eNBはTdが過ぎた後にNACKをUEに送信する(S1507)。
【0167】
[180] TimerVが満了するまでUEがACKを受信できないと、UEはUL承認を廃棄し(S1508)、RLCエンティティ又はMACエンティティでULデータを維持し、BSRをトリガーしてULデータに対するUL承認を要求する(S1508)。
【0168】
[181]
図16で、eNBがVUL承認をUEに与えると(S1601)、UEはタイマーTimerVを起動し(S1602)、eNBは持続期間(Td)の間にVUL承認上のUEからのULデータを待つ(S1603)。
【0169】
[182] UEはeNBからVUL承認を受信し、UEはTdの間にVUL承認が有効であると見なす。
【0170】
[183] 好ましくは、Tdの値は、RRCシグナリングを用いてeNBによって設定されたり、事前設定されたり上りリンク承認と共に受信され、タイマーの値は2個のサブフレームより大きいか等しい。
【0171】
[184] 好ましくは、VUL承認は、生成されるとUEが予想したデータに対するものであり、VUL承認は、上りリンク承認が生成されるとUEが予想したデータに対するものであるとの指示を含む。好ましくは、Tdの値は2個のサブフレームより大きいか等しい。TimerVが実行される間に、VUL承認上でULデータを送信した後(S1604)、UEはRLCエンティティ又はMACエンティティでULデータを維持する。UEはTimerVが実行される間に、同じUL承認を用いてRLCエンティティ又はMACエンティティでULデータを再送信することができる(S1606)。
【0172】
[185] eNBがTdの間にVUL承認上でULデータを受信すると、ACKをUEに送信したり、Tdの間にVUL承認上でいかなるULデータも受信できないと、Tdが過ぎた後にNACKをUEに送信する(S1607)。
【0173】
[186] eNBの挙動によって、TimerVが満了すると、UEはeNBからのフィードバックをモニタする。フィードバックはVUL承認を用いて行われるUL送信に対するものである(S1608)。VUL承認に対するフィードバックをUEがモニタするサブフレームはeNBによって設定される。
【0174】
[187] ACKが受信されると、UEはVUL承認上のULデータの送信に成功したと見なす(S1609)。一方、NACKが受信されたりACKが受信されないと、UEはVUL承認上のULデータの送信に失敗したと見なし、BSRをトリガーしてULデータに対するUL承認を要求する(S1610)。
【0175】
[188] 本発明を本発明の特徴又は範囲を逸脱しない範囲で他の特定の形態として具体化できることが、当業者には明らかである。したがって、本発明の範囲は、添付した請求項の合理的解釈によって決定されるべきであり、本発明の同等な範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。以上説明した実施例は、本発明の構成要素と特徴が所定形態で結合したものである。各構成要素又は特徴は、別の明示的言及がない限り、選択的なものとして考慮される必要がある。各構成要素又は特徴を他の構成要素や特徴と結合しない形態で実施することができる。また、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成することもできる。本発明の実施例において説明される動作の順序は変更されてもよい。ある実施例の一部の構成や特徴が他の実施例に含まれてもよく、又は他の実施例の対応する構成又は特徴に取り替わってもよい。特許請求の範囲において明示的な引用関係にない請求項を結合して実施例を構成したり、出願後の補正によって新しい請求項として含めてもよいことは明らかである。
【0176】
[189] 本発明の実施例において、基地局(BS)によって行われると説明した特定動作は、上位ノードのBSによって行われてもよい。明らかに、BSを含む複数のネットワークノードにおいて、MSとの通信のために行われる様々な動作が基地局によって行われたり、基地局以外の他のネットワークノードによって行われ得ることは明らかである。‘eNB’という用語は、‘固定局(fixed station)’、‘NodeB、‘基地局(BS)’、アクセスポイントなどに言い換えてもよい。
【0177】
[190] 上述した実施例は、例えば、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はそれらの組み合わせのような様々な手段によって具現されてもよい。
【0178】
[191] ハードウェア設定において、本発明の実施例に係る方法は、一つ以上のASIC(application specific integrated circuit)、DSP(digital signal processor)、DSPD(digital signal processing device)、PLD(programmable logic device)、FPGA(field programmable gate array)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって具現することができる。
【0179】
[192] ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は、以上で説明した機能又は動作を行うモジュール、手順、関数などの形態によって具現することができる。ソフトウェアコードはメモリーユニットに保存され、プロセッサによって駆動することができる。上記メモリーユニットは上記プロセッサの内部又は外部に位置し、既に公知の様々な手段によって上記プロセッサとデータをやり取りすることができる。
【0180】
[193] 本発明は、本発明の特徴を逸脱しない範囲で他の特定の形態として具体化できるということが当業者には明らかである。したがって、上記の詳細な説明はいずれの面においても制限的に解釈されてはならず、例示的なものとして考慮されなければならない。本発明の範囲は、添付した請求項の合理的解釈によって決定されるべきであり、本発明の同等な範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。