(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記測定体積(51)は、長尺状焦点で照明されて、前記測定体積(51)深度において所与の数量の焦点面(FE)を更に拡散させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
前記焦点面(FE)の拡散及び前記測定体積(51)深度の分解能増大は、前記長尺状焦点が前記試料(5)と前記回折光学系(15)との間のズーム対物レンズ(18)により調整されるという点で、選択的に調整することができることを特徴とする請求項9に記載の方法。
測定体積(51)から画像面(BE)への顕微鏡観測ビーム路(1)を定義し、顕微鏡対物レンズ(12)、照明系(2)を結合するビーム結合器(13)、及び前記画像面(BE)に配置されるアパーチャ(17)を有する光学系を有する共焦点蛍光走査顕微鏡であって、前記光学系は、前記観測ビーム路(1)の前記ビーム結合器(13)と前記画像面(BE)との間にあり、光ビームを異なる回折次数(BO)に沿ってビーム束に分割する回折光学系(15)であって、あらゆる回折次数(BO)の前記ビーム束に、他の回折次数(BO)と異なる球面位相を与える、回折光学系(15)と、検出器アレイ(33)の別個の検出器領域(31)に前記分割ビーム束を結像する検出光学系(16)とを備え、
前記検出器アレイ(33)は、回折次数(BO)の数量に対応する幾つかの別個に読み取り可能な検出器領域(31)を有し、それにより、関連付けられた回折次数(BO)において定義される焦点面(FE)から来る蛍光及び同じ回折次数(BO)での隣接焦点面(FE)からのクロストーク蛍光を前記検出器領域(31)において受信することができ、
前記検出器領域(31)の出力の下流に、同じ焦点面(FE)を起点とするが、異なる検出器領域(31)により受信される蛍光信号(34)を関連付ける評価・制御ユニット(4)が配置され、前記評価・制御ユニット(4)は、異なる信号成分を相関付け、前記測定体積(51)での蛍光染料の区別可能な明滅挙動に基づいて、相関する信号成分に、各事例で厳密に1つの焦点面(FE)を関連付ける手段(41)を備えることを特徴とする共焦点蛍光走査顕微鏡。
球面位相が、前記回折光学系(15)を通してあらゆる回折次数(BO)の前記光ビームに与えられ、前記球面位相は、各事例で整数倍だけ他の回折次数(BO)と異なることを特徴とする請求項14に記載の装置。
【背景技術】
【0002】
蛍光試料の評価効率を改善する様々な試みが、例えば、特許文献1における従来技術による共焦点蛍光走査顕微鏡法で既知である。
【0003】
これに関する解決策は、
a)走査順画像形成にも拘わらず、測定時間を短縮し、
b)光学セクションを通してぶれのない撮像、すなわち、共焦点アパーチャを通してピンぼけ蛍光を使用可能な焦点信号から分けること
に向けられる目的において様々である。
【0004】
さらに、光学切片化(ピンぼけ信号の抑制)及び高い柔軟性等のレーザ走査顕微鏡法(共焦点顕微鏡法)の既知の利点には、欠点及び制約が伴う。
1)順次データ取得での時間の消費、
2)焦点での高強度を通しての試料へのダメージ(例えば、退色)、及び
3)使用されないピンぼけ強度を通しての試料へのダメージ(例えば、退色)。
【0005】
本質が励起光の強度の増大にある、上述した方向性a)及びb)の両方に対する最も単純な解決策は、試料の望ましくない退色を伴うため、単一手法として実現不可能である。したがって、方向性a)が、例えば、測定の並列化(マルチスポットLSM、回転円板)、すなわち、複数の焦点を用いての試料の同時走査を通して選ばれ、次に、複数の焦点は、各自の共焦点ピンホール又は共有共焦点ピンホールを通して検出器要素又は検出器アレイ(カメラ、回転円板)に撮像される。したがって、記録速度が上がるか、又は同じ時間で走査される表面積が増大する。したがって、所与の画像捕捉率で、選択された焦点強度を並列化係数だけ低減することができるという点で、第2の欠点を低減することもできる。しかし、ピンぼけ光子の「無駄」(第3の欠点)に関しては何も変わらない。この最後の態様−試料への望ましくないストレスとは別−は、試料の多くの平面が照明されるが、統合励起出力があらゆる平面で同じであるにも関わらず、評価されないという点で、共焦点方法の基本的制限を表す。
【0006】
画像捕捉並列化を通しての試料のストレスを低減する可能性については、例えば、N個の別個の測定体積(簡潔にするために測定点と呼ぶ)が焦点面において同時に照明され測定される特許文献2又は特許文献3に記載されている。試料は、N点で同時に、照明ビーム毎により低い強度で測定することができる。照明強度は、係数1/Nで低減し、ピクセル滞留時間は、係数Nだけ長くなり、それにより、フレームレートは、個々の測定体積によるラスタ走査記録と同一であり、SNRは個々の測定体積によるラスタ走査記録と同等である。試料に入るエネルギー量は同じであるが、それは、試料にとって有害なピーク強度を照明点毎に低減することができるように空間的に分布される。
【0007】
多くの点で並行である、同じ利点を有する画像捕捉は、回転するニポー円板により、又は線形走査を用いて達成することもできる。
【0008】
代替の種類の並行化画像捕捉の本質は、軸方向多焦点撮像としても知られる、異なる画像面からの測定点の同時撮像にある。
【0009】
例えば、特許文献4から、互いから異なる距離にある試料面を起点する波面の異なる曲率を使用して、異なる回折次数で回折光学要素(DOE)を通して分布させ、個々の平面、好ましくは共焦点アパーチャ面で撮像するという点で、光学的に偏心された回折光学要素(DOE、例えば、位相格子)及びコレクタ光学系によりモノクロ共焦点顕微鏡法に基づいて顕微鏡対物レンズの光軸に沿って配置される複数の別個の測定体積の同時撮像を達成することが既知である。その場合、照明光以外の全ての波長は、共焦点アパーチャを用いて区別され、したがって、この多焦点撮像変形は、蛍光測定に適さない(ストークスシフト及び蛍光放射のスペクトル帯域幅により)。
【0010】
広視野顕微鏡法での多焦点撮像システムは、例えば、非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3により記載されるようなものと同じ原理で機能する。
【0011】
従来技術による蛍光顕微鏡法は、SOFI(超解像光学変動撮像)が特に言及される蛍光相関分析の方法も含む。この方法は以下の公開物に記載されている:
−特許文献5
−非特許文献4
−非特許文献5
−非特許文献6
【0012】
広視野蛍光検出(カメラによる試料平面の直接撮像)では、蛍光エミッタの変動は、定義された時間的相関を用いてSOFIにより評価されて、回折限度を超える分解能増大を有する傾向撮像を得る。分解能が増大する程度は、評価することができる相関関数の次数に依存する。そして、相関関数の次数は、変動系及び信号品質にかなり依存する。SOFI適用に必要な前提条件は:
−蛍光系(分子)が、少なくとも2つの区別可能な蛍光状態(例えば、オン/オフ)を有さなければならず、
−異なるエミッタ(分子)が、互いから独立して、且つこれらの状態間で確率的に変化又は「明滅」しなければならず、
−状態の切り替えは、画像センサ(面積検出器)により時間的に検出可能でなければならない。
【0013】
最初の2つの前提条件は原理上、多数の(基本的に全ての)蛍光分子(有機染料及びタンパク質)で満たされ、オフ状態は、例えば、三重項状態非特許文献7又は他の非放射活性減衰状態であることができる。波長を介して放射緩和経路を区別することができることも考えることができる。しかし、今日まで、SOFIは特定の蛍光系でしか実証されておらず、その理由は、三重項フ状態が生じる時間尺度が、利用可能な最高速の連続動作面積検出器(CMOS、CCD)の場合であっても短すぎるためである。対応する時間は、例えば、ヤブロンスキー図(J.Widengrenの前掲書中の
図1参照)の典型的な測定曲線から読み取ることができる。蛍光の3状態モデル及びFCS(蛍光相関分光法)は、J.Widengrenの前掲書中の
図1の(a)及び(b)にそれぞれ示されており、これらの図では、三重項状態の寿命t
Tはマイクロ秒範囲内にある。
【0014】
しかし、検出可能な特定のシステムの例は、略全ての時間尺度で明滅を示す量子ドット非特許文献8並びにエミッタの明滅挙動が、dSTORM法から既知の化学的環境及び励起条件の適合を通してカメラにより検出することができる時間間隔で生じるdSTORM非特許文献9である。したがって、SOFI法及びdSTORM法は、一般的な蛍光染料の広い適用には適さない。
【0015】
以下、「染料」という言葉は、内因性蛍光(自己蛍光)外因性蛍光の両方並びに本方法に必要とされる時間的挙動を示す蛍光タンパク質に使用される
【0016】
例えば、観測ビーム路のビーム結合器と画像面との間に配置され、光ビームを、互いとは異なる球面位相を有する異なる回折次数の光ビームに分割する第1の回折光学系と、第1の回折光学系を通して生成される色収差を補償する第2の回折光学系と、顕微鏡対物レンズの光軸に沿って配置される一連の異なるばらばらの測定体積が、画像面の物体側で同時に撮像される(回折光学系の異なる次数に沿って)ように、画像面においてビーム束を結像するコレクタ光学系とを有する、非先行公開の特許文献6による多共焦点レーザ走査顕微鏡の形態の蛍光走査顕微鏡に基づいて、光学深度分解能を用いて画像を取得する(切片化として知られる)ために、共焦点検出をあらゆるセンサで再び実行する必要がある上述したレーザ走査顕微鏡を用いての多共焦点検出には問題が残る。これに関して、光が物理的ピンホールを通るか、それともセンサ上の深度当たりのピクセル平面の利用を通して共焦点的に濾波されるかは問題ではない。しかし、この理由により、欠点として、検出がもはや、共焦点蛍光顕微鏡を用いての切片化の順次モードよりも光効率的ではないことが予期される。
【0017】
「光損失」は、光がチャープ格子を用いて分割されるとき、光が、「ピンぼけ」で撮像する回折次数でも進むことにより説明することができる。この種の影響は、例えば、非特許文献10、
図2により記載されるように、自然のスプリッタを使用する場合の影響に等しい。この場合、平面は、ビームスプリッタの分割比率により与えられる光の部分のみを用いて鮮鋭に撮像され、したがって、分割比率での入力強度は小さくなる。チャープ格子を用いての光の分割は、N個の異なる平面でのN個の自然なスプリッタを用いて観測される場合と全く同じように働く。これは多(共)焦点装置をより高速にする(Z方向での並行化)が、他の平面から各ピンホールにピンぼけして届く光は、センサ要素の共焦点検出で失われる。しかし、並行化構成の目標は、各共役センサ平面から(すなわち、各センサ要素により鮮鋭に撮像される試料の平面から)のエミッタの全ての光を評価することであるべきである。
【0018】
仮に、いわゆる長尺状焦点範囲内の励起及び検出PSF内に1つのみのルミネッセンス粒子しかない場合、信号には、ピクセル化センサを用いての全ての平面の同時非共焦点測定による試料内の正確な位置に関連付けることができる。
【0019】
このようにして、「準共焦点画像」は、効率を増大させて達成され、この画像は、測定3D配光が異なるセンサ間に分布する三次元デコンボリューションでの手順に基本的に対応するように生成される。しかし、実際の測定では、個々のルミネッセント粒子は実質的に決して仮定されず、したがって、実際の試料では、光軸の方向でオフセットされた平面からの信号は、センサセグメントで互いに重なり、事前に未知の試料構造の場合、平面にもはやはっきりとは関連付けられることはできず、その理由は、異なる平面からの信号の共焦点区別がないことに起因して、DOEシステムを通して分離される回折次数で検出器上に「ぶれて撮像」される平面からの信号の相当なクロストークがあるためである。さらに、PSFは通常、対称であり、したがって、更なる情報なしでは、「アップ」及び「ダウン」にデフォーカスされた部分を区別することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
したがって、本発明の目的は、束に分割する回折光学系により、あらゆる回折次数において束に、他の回折次数と異なる球面位相が与えられ、異なる焦点面からの、したがって別様に湾曲した波面が異なる回折次数に分割され、照明波長で排他的に検出される共焦点蛍光走査顕微鏡(例えば、独国特許第10 2014 002 328号明細書)を使用する場合、共焦点アパーチャ(ピンホール)において多数の蛍光光子を失わずに、共焦点顕微鏡のものに匹敵する高分解能及び深度区別(切片化として既知)で蛍光走査顕微鏡の信号を評価する可能性を提供することである。換言すれば、ぼやけて撮像された平面からZ方向において平行して来る(軸方向に)信号は、共焦点ピンホールを通して濾波されず(実際又は仮想的に)、むしろ、ピントが合った(共焦点的に)撮像された平面の必要信号に寄与する。
【課題を解決するための手段】
【0023】
共焦点レーザ走査顕微鏡法により試料の異なる焦点面における蛍光の同時励起及び検出を用いる蛍光走査顕微鏡法の信号を評価する方法において、
−少なくとも1つの照明ビームは、ビーム結合器により顕微鏡観測ビーム路に結合され、顕微鏡観測ビーム路は、画像面まで試料の測定体積により定義され、光軸に沿って、顕微鏡対物レンズ、照明ビームを結合するビーム結合器、及び画像面に配置される検出器アレイを有する、ステップと、
−照明ビームは、測定体積において顕微鏡対物レンズを用いて結像され、照明ビームは、照明瞳におけるビーム形成位相マスクを通過して、長尺状焦点を生成する、ステップと、
−測定体積において生成される蛍光は、顕微鏡対物レンズにより収集されコリメートされ、その結果生成される光ビームは、ビーム結合器と画像面との間に配置される回折光学系にルーティングされる、ステップと、
−測定体積において生成される光ビームは、回折光学系により、異なる回折次数のビーム束に分割され、異なる回折次数は、検出光学系により検出器アレイの別個の検出器領域で撮像され、回折光学系は、あらゆる回折次数の光ビームに、他の回折次数と異なる球面位相を与え、それにより、測定体積の異なる深度の焦点面からの蛍光は、異なる回折次数に関連付けられ、共焦点区別なしで別個の検出器領域に偏向され、別個の検出器領域により、測定体積の関連付けられた焦点面からの蛍光及び測定体積のピントがずれて撮像された隣接焦点面からの蛍光クロストークは、電子蛍光信号に変換させる、ステップと、
−測定体積の異なる焦点面を起点とし、クロストークが回折次数に沿って重ねられる蛍光信号には、測定体積での蛍光染料の区別可能な明滅挙動に基づいて、蛍光信号の相関に基づく関連付けにより、測定体積において定義される焦点面が関連付けられる、ステップと
を有する。
【0024】
焦点面との蛍光信号の関連付けは、有利なことに、隣接する回折次数の2つの検出器領域の信号シーケンスの二次相互相関を通して実行される。
【0025】
信号シーケンスの相互相関は、賢明には、染料の蛍光明滅に適合する時間期間にわたり実行される。
【0026】
0.1μs〜500μs、好ましくは1μs〜100μs、特に好ましくは5
μs〜50
μsの蛍光明滅のオフ状態持続時間を有する染料が、有利なことに、使用される。
【0027】
信号シーケンスの相関は、蛍光明滅のオフ状態の10倍〜1000倍に対応するフレーム数にわたり実行される。信号シーケンスの相関は、賢明なことに、蛍光明滅のオフ状態の20倍〜50倍のフレーム数にわたり実行される。3Dデコンボリューションは、相互相関に加えて実行することができる。
【0028】
測定体積は、有利なことに、長尺状焦点で照明されて、測定体積深度において所与の数量の焦点面を更に拡散させる。
【0029】
これに関して、焦点面の拡散及び測定体積深度の分解能増大が、長尺状焦点が試料と回折光学系との間のズーム対物レンズにより調整されるという点で、選択的に調整することができることが有利であることが分かる。
【0030】
長尺状焦点は、有利なことに、顕微鏡対物レンズの入射瞳
より小さくなるようにビーム断面を低減するビーム形成を実行することにより調整することができる。これに関して、横方向分解能を増大させて試料の横方向平面で走査された蛍光信号の追加の相関が達成されて、顕微鏡対物レンズの入射瞳を
より小さくなるようにビーム断面を低減するビーム形成を実行することにより拡張される長尺状焦点で、蛍光信号の深度相関を補足する。
【0031】
深度相関に加えて、追加の相関は、賢明なことに、試料の横方向平面で走査される蛍光信号に対して実行することができる。
【0032】
さらに、測定体積から画像面への顕微鏡観測ビーム路を定義し、顕微鏡対物レンズ、照明系を結合するビーム結合器、及び画像面に配置されるアパーチャを有する光学系を有する共焦点蛍光走査顕微鏡において、上述した目的は、光学系が、観測ビーム路のビーム結合器と画像面との間にあり、光ビームを異なる回折次数に沿ってビーム束に分割する回折光学系であって、あらゆる回折次数のビーム束に、他の回折次数と異なる球面位相を与える、回折光学系と、検出器アレイの別個の検出器領域に分割ビーム束を結像する検出光学系とを備え、検出器アレイが、回折次数の数量に対応する幾つかの別個に読み取り可能な検出器領域を有し、それにより、関連付けられた回折次数において定義される焦点面から来る蛍光及び同じ回折次数での隣接焦点面からのクロストーク蛍光を検出器領域において受信することができ、検出器領域の出力の下流に、同じ焦点面を起点とするが、異なる検出器領域により受信される蛍光信号を関連付ける評価・制御ユニットが配置され、評価・制御ユニットは、異なる信号成分を相関付け、測定体積での蛍光染料の区別可能な明滅挙動に基づいて、相関する信号成分に、各事例で厳密に1つの焦点面を関連付ける手段を備えるという点で満たされる。
【0033】
回折光学系は、有利なことに、チャープ格子として構成される。
【0034】
球面位相が、回折光学系を通してあらゆる回折次数の光ビームに与えられ、球面位相が、各事例で整数倍だけ他の回折次数と異なることが特に有利であることが証明されている。
【0035】
顕微鏡対物レンズの入射瞳
より小さくなるようにビーム断面を低減するビーム形成を実行するズーム光学系は、賢明なことに、長尺状焦点を形成する手段として提供することができる。試料を励起させるレーザは、長尺状焦点を形成する特に好ましい手段として、ベッセルビーム又は他の非回折ビームを生成する手段を有する。
【0036】
両事例で、顕微鏡対物レンズの入射瞳
より小さくなるようにビーム断面を低減するビーム形成を実行するズーム光学系が提供されて、焦点面の距離を更に広げることが有利であることが証明されている。
【0037】
さらに、横方向走査手段を提供することができ、ピクセル毎に、様々な焦点面に関連付けられた信号成分の相互相関により捕捉される蛍光信号を含む異なる焦点面での横方向二次元走査フレームのスタックを生成するリンク手段を提供することができる。
【0038】
これに関して、各垂直隣接焦点面及びフレームの横方向隣接ピクセルからの蛍光信号を分析する相互相関器は、有利なことに、信号成分に厳密に1つの焦点面に関連付ける評価・制御ユニットに提供される。
【0039】
更なる構成では、各垂直隣接焦点面及びフレームの横方向隣接ピクセルからの蛍光信号を3Dデコンボルーションする処理ユニットが、信号成分に厳密に1つの焦点面に関連付ける評価・制御ユニットに提供される。
【0040】
本発明は、任意の場合で、試料の光損傷を有意に回避すべきとき、励起力を無差別的に増大させることができないことがあるため、共焦点レーザ走査顕微鏡(CLSM)を使用した蛍光走査顕微鏡法の信号のかなり高い光子効率(すなわち、放射光子数に対する検出蛍光光子数の比率)が、検出及び評価の更なる並行化を通してのみ達成可能であるという考慮事項に基づく。しかし、共焦点蛍光走査顕微鏡法では、信号記録の更なる並行化は、「ぶれた」焦点面を起点とし、共焦点区別を通して前に推定された信号成分がここで、検出器での信号形成に許可される場合、光軸の方向においてのみ可能である。当然ながら、これには、光軸の方向においてオフセットされた異なる平面からの信号が、検出器セグメントで互いと重なり、もはや、試料構造の知識なしでは、平面とはっきりと関連付けることができないという問題が伴う。
【0041】
(a)試料の光損傷を低減し、(b)所与の3Dボリューム(すなわち、厚い試料の場合)の捕捉時間を短縮するという意図される目標は、放射出力から生成される蛍光を全ての焦点面で同時に評価する必要があるだけであるように、放射出力が全ての焦点面で略一定であるという点でのみ実現することができる。そしてこれは、主焦点面を起点としない信号成分が、信号捕捉に受け入れられ、続けて正確に焦点面に関連付けられる場合のみ可能である。この問題は、検出器領域からの信号の相関を通して、本発明により解決される。様々なエミッタは、確率的に互いから独立して明滅する(すなわち、放射特性において異なる変動を有する)ため、隣接する検出器領域の相関蛍光信号を、特定されたエミッタに関連付けることが可能である。これは、略全てのエミッタに対して当てはまるが、変動のメカニズムひいては時間尺度は、異なる平面で異なり、それにより、異なる平面での蛍光エミッタは、光軸の方向において非相関放射挙動を有し、非相関放射挙動により、続けて分離することができる。
【0042】
本発明について、実施形態例及び図面を参照して以下により完全に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1に概略的に示される共焦点レーザ走査顕微鏡に基づいて知覚することができ、試料5の異なる焦点面FEでの蛍光の同時励起及び検出を用いる蛍光走査顕微鏡法の信号の評価を趣旨として有する本発明の基本フローは、以下のステップを含む:
−少なくとも1つの照明ビーム22は、ビーム結合器13により顕微鏡観測ビーム路1に結合され、顕微鏡観測ビーム路1は、画像面BEまで試料5の測定体積51により定義され、光軸11に沿って、顕微鏡対物レンズ12、ビーム結合器13、及び画像面BEに配置される検出器ユニット3を有する、ステップ、
−照明ビーム22は、測定体積51において顕微鏡対物レンズ12を用いて結像され、照明ビーム22は、照明瞳におけるビーム形成位相マスク23を通過して、長尺状焦点を生成する、ステップ、
−測定体積51において生成される蛍光は、顕微鏡対物レンズ12により収集されコリメートされ、その結果生成される光ビームは、ビーム結合器13と画像面BEとの間に配置される回折光学系15にルーティングされる、ステップ、
−測定体積51において生成される光ビームは、回折光学系15により、異なる回折次数BOのビーム束に分割され、異なる回折次数BOは、検出光学系8により検出器アレイ3の別個の検出器領域31で撮像され、回折光学系15は、あらゆる回折次数BOの光ビームに、他の回折次数BOと異なる球面位相を与え、それにより、測定体積51の異なる深度の焦点面FEからの蛍光は、異なる回折次数BOに関連付けられ、共焦点区別なしで、測定体積51の関連付けられた焦点面FEからの蛍光及び測定体積51のピントがずれて撮像された隣接焦点面FEからの蛍光クロストークを電子蛍光信号34に変換させる別個の検出器領域31に偏向される、ステップ、及び
−測定体積51の異なる焦点面FEを起点とし、クロストークが回折次数BOに沿って重畳される蛍光信号34には、測定体積51での蛍光染料の区別可能な明滅挙動に基づいて、
電子蛍光信号34の相関に基づく関連付けにより、測定体積51において定義される焦点面FEが関連付けられる、ステップ。
【0045】
本方法の目的は、主に超解像画像を生成することではなく、むしろ、後続ピクセル相関を通して、異なる蛍光エミッタの蛍光信号の分離及び関連付けを利用することであり、異なる蛍光エミッタは、空間(すなわち、試料体積深度)に配置され、光子効率を上げるために、意図的に、厳密には共焦点的に区別されない信号検出の結果として、多焦点LSMにおいて多焦点に重畳される。したがって、この方法は略してCPI(相関ピクセル撮像)と呼ばれ得る。このCPI手法がそもそも何故機能するかについての背景を以下の段落で詳述する。
【0046】
軸方向長尺状焦点領域、又は略して長尺状焦点は、以下で多数回、言及される。これにより、この焦点が、レーザを用いての拡張強度分布としてZ方向において通常、0.5
μs〜150
μs「拡大」される「通常の」焦点と比較して、約2倍〜約10倍延長可能なことが意味される。この長尺状焦点の長さは、X走査の所要深度又は調べる試料5の厚さに依存する。この種の長尺状焦点は、照明瞳内の位相マスク23を通して、回折光学系15(特定のDOE又は回折光学要素として)による検出中、生成することができる−
図1に従って。
【0047】
仮に長尺状焦点における厚い試料5に1つのみの発光粒子しかない場合、あらゆる平面からの信号成分には、適切な焦点、ひいては試料内の位置が関連付けられ、ピクセル化センサ(マトリックス検出器)を用いての全ての平面の同時非共焦点測定により後者に「追加」することができる。したがって、「準共焦点画像」が得られ、準共焦点画像は、厳密な共焦点検出を用いるLSMにより達成することができるよりも高い光子効率を有する。この手順は基本的に、三次元デコンボリューションに対応し、測定3D光分布は異なるセンサに分布する。しかし、これは実際の測定では実質的に決して当てはまらず、その理由は、実際の試料5を用いる場合、光軸の方向においてオフセットする平面からの信号が、検出器領域31上で互いに重なり、試料構造52が事前には未知である状態で、焦点面FEにもはや明確に関連付けることができないためである(
図4aの例参照)。
【0048】
信号成分の現実世界の事例は、Z方向においてオフセットされる3つの焦点面FEに関して
図2に概略的に示されている。異なる焦点面FEからの光学蛍光信号の共焦点区別がないことに起因して、別個の回折次数BOに割り振られた検出器領域31に、「ぶれて撮像された」焦点面FEからの信号の相当なクロストークがある。簡易化されて表されるこの場合、概略的にのみ示される回折光学系15は、個々の検出器32又は検出器アレイ33(
図3Cのみに示される)のセグメントと及び各検出PSFであることができる、異なる記号(三角形、円、正方形)で識別される3つの焦点面FEからの同時検出を生成する。これに関して、検出器ユニット3での蛍光と3つの選択された焦点面FEとの関連付けは、
図2では、太さが異なる破線及び追加のマージン記号により象徴されている。個々の検出器(
図2での個々の検出器32)の前のバーは、各焦点面FEからの信号成分を象徴している。しかし、各焦点面FEからの信号成分は、個々の検出器32により総和でのみ検出されるため、成分を焦点面に関連付ける可能性はない。
【0049】
個々の各検出器32の検出器信号は、時間にわたる強度信号を含む。この時系列は一定の遅延(時間ラグ)τと自動相関されて、ピンぼけ寄与を抑制する。自動相関信号は、以下として定義され、
【数1】
式中、ACは自動相関又は自動キュムラントであり、nは各焦点面FEでのXY平面である。
【0050】
これは、時間信号が、上記式にしたがって、時間ラグ後にそれ自体で乗算されることを意味する。次に、幾つかのこれらの測定値を統計学的に平均することができる(いわゆるアンサンブル平均であり、本プロセスに基づいて、時間平均として実行することができる)。相関振幅がピクセル信号(又はピクセル値)として使用される。代替的には、時系列の自動相関は、複数の(多くの)τにわたり実行することもでき、その場合、相関振幅はこの時間範囲にわたり積分(合算)される。理想的には、τ≠0は考慮に入れられず、その理由は、考慮に入れられない場合、ショットノイズが抑制されるためである。
【0051】
しかし、それでもなお、光子効率の増大は、
図2による信号処理では可能ではない。クロストーク信号成分は完全に失われる。
【0052】
しかし、この問題は、蛍光エミッタが異なる焦点面FEにおいて非相関発光挙動を有する場合、隣接検出器領域31からの蛍光信号34の相関を通して解消することができる。異なるエミッタが、確率的に互いから独立して「明滅」する(すなわち、発光特性において異なる変動を有する)場合、相関蛍光信号34を、特定されたエミッタに関連付けることが可能である。しかし、確率的明滅は略全てのエミッタに存在し、蛍光のメカニズムひいては時間尺度は、異なるエミッタで異なり、この属性を利用して、異なる焦点面FEを区別することができる。
【0053】
図3aは、
図2からの図を示すが、蛍光信号34の相互相関を用いて、Z方向での実際のピクセル位置での正確な信号成分を選び出している。そもそも、蛍光エミッタの異なる時間尺度、すなわち、蛍光エミッタの統計学的「明滅」を分解するという難しいセンサ技術問題を解消するために、検出方法の更なる利点、すなわち、測定値の準共焦点取得を利用する。
【0054】
本発明による測定方法は、準共焦点に機能し、高解像度カメラの使用に頼らず、むしろ、必要とされる検出器領域31の数の制限のおかげで、はるかに高速の検出器(SPADアレイ、PMTアレイ、ファイバ結合検出器構成、高速で読み出し可能な小さなプログラマブルピクセル領域を有するカメラ)を用いる。したがって、この方法は、量子ドット及びdSTORM染料等の特定の発光系に限定されない。逆に、1μs〜100μsの範囲の三重項寿命を有する略全ての標準染料もここで、本発明による方法と併用することができる。
【0055】
これには、「点」走査法(ここで、「点」は横方向X−Yラスタでの位置を指し、厳密に言えば、これは、「走査線」がZ方向に延びる線走査法である)も関わるため、この時間尺度が短く、可能な限り最短のピクセル滞留時間で、相関に必要な明滅サイクルを取得する場合、更に有利である。
【0056】
本方法で使用される個々の高速検出器及び小さな複数要素検出器(特に短い読み出し時間を有する)の結果として、100μm未満(特に1μm〜100μm)の三重項寿命の上記タイミングが提供され、したがって、本方法で、大きなクラスの染料を利用可能にする。「点走査」の時間尺度(ピクセル滞留時間)は、1ms未満に設定され、0.5μs〜500μsの範囲が、多変量染料を使用する場合、有利であると見なされる。好ましくは、「高速明滅」染料(特徴的な明滅時間τ≦10μsを有する)が使用されて、5μs〜50μsのピクセル滞留時間を達成し、したがって、横方向面走査を可能にし、すなわち、例えば、256×256ピクセルを有する25のフレームのスタックを数秒、例えば、1秒〜20秒で記録する。
【0057】
本方法では、相互相関又は相互キュムラントが形成され、以下の変形が可能である。
1)平面n+1は、平面n−1と相互相関されて、
図3aに示される平面nへの既存の寄与を特定し、
2)平面nは平面n+1と相関されて、中間平面n+1/2(別個に図示せず)を生成し、及び
3)平面n+1及びn−1並びに平面n及びn+1の相互相関は、
図3bからの総合結果を与える。
【0058】
大まかに言えば、
XC
2(n
i,n
j,τ)=A
ijΣ
i,j〈δI(n
i,t+τ)*δI(n
j,t)〉
t (2)
であり、式中、XCは相互相関又は相互キュムラントであり、n
iは平面iであり、A
ijは加重係数である。
【0059】
i=j(
図2を参照して説明したような自動相関に対応する)の場合、ここでも、ショットノイズが、τ≠0のときのみ抑制されることが当てはまり、i≠jの場合、τ=0のときもこれが当てはまり、その理由は、隣接平面/検出器要素のショットノイズが非相関であるためである。したがって、τ=0は−又はτ=0のみであっても−、相互相関中に評価することができる。後者は、ピクセル値の高速「オンライン」計算を促進することができる(FPGA、原理上、アナログ電子的にも)。
【0060】
上記と同様に、この相関は、一定の時間ラグτ又は多くのτにわたり実行することができる。相関増幅又は相関増幅の和はここでも、ピクセル情報として読み出される。したがって、その結果生成される画像は、試料の蛍光標識を直接示さず、むしろ、その空間分解輝度及び試料内のエミッタの相関強度を示す。
【0061】
平面にわたり相互相関する場合、平面からの寄与の加重をなお、実行しなければならない。等距離平面が相関するこの事例での好ましい場合、加重は単に、距離比率を介して実行され、すなわち、この場合でも好まれる隣接平面の場合、加重係数は1/2に単純化される。
【0062】
本発明の有用性の本質は、かなり高い光子効率(放射光子に対する検出蛍光光子の比率)並びにこの結果としての、所与の3Dボリュームでの捕捉時間の短縮、光損傷の低減、及び退色の低減にある。
【0063】
蛍光の3D捕捉では、好ましくは2つの座標方向X及びYのデカルトラスタで実行される横方向での走査ステップが、本発明により実現されるZ線走査に追加される。矩形X−Yラスタでの横方向走査中、本発明によるZ線走査が、あらゆる走査位置で実行され、それにより、Z方向での関連付けられた焦点面記録を伴う横方向走査ステップの編成スタックを所与として、Z方向で上下に配置される(X,Y)フレームのピクセルデータの3Dスタックが生成される。ここで、「フレーム」という用語は、(横方向)X−Y走査を用いた従来のデカルト2Dピクセル構成を意味する。この種のフレームは、多(共)焦点3D走査において、n平面での個々の各焦点面FEで同時に、ピクセルフィールドとして得られ、スタックとして記憶される。
【0064】
サブピクセル構造を有する検出器への拡張
この時点まで、検出器3は検出器のアレイとして見なされ、その検出器領域31が通常、個々のセンサ要素として解釈され、焦点面FEに関連づけられる。
【0065】
しかし、多くのピクセル又は高速カメラシステムを有する高速検出器アレイの場合、複数のピクセルを有する検出器アレイの領域に各焦点面FEを関連づけることも可能である。焦点面FEが関連づけられたアレイの検出器領域31からのこれらのピクセルの信号を合算することができ、それにより、検出器領域31は点検出器のように挙動し、上記考慮事項は全て同様に適用される。これは
図3cに示される場合であり、この場合、評価は基本的に、
図3bと同じように実行され、検出器アレイ33が結合されるか、平均されるか、それとも個々のピクセルとして更に処理されるかを区別するだけでよい。
【0066】
焦点面FE毎に十分に多くのピクセルが利用可能な場合、あらゆる焦点面FEのPSFは、横方向でも分解することができる。これまでの場合と同様に、異なる焦点面FEの寄与は、相関(XC又はAC)により分離されなければならない。しかし、続けて、あらゆる焦点面FEでの横方向強度分布の追加情報を利用することもできる。これは、局所デコンボリューションを通して、又は測定3D強度分布での局所蛍光分布の局所モデルに基づく適合を通して実行することができ、ここで、「測定」は、既に述べたように、相関により既に関連付けられた検出器信号を意味する。
【0067】
焦点面毎の横方向検出器信号の信号品質及び分解能は更に、焦点面FE内のピクセルの横方向相互相関を通して増大させることができる。
【0068】
この時点まで、二次の相関が常に仮定されていた。より高次の相関では、より低次の混合項が生じる。これらの混合項は、中心積率を特定すべき測定では必要とされない。したがって、キュムラントは、特定された次数のキュムラントで、より低次のモーメントの寄与が消えるように定義される。例えば、Biman Das and Nicolas Lyga(2001).“Cumulant−like cross−correlation functions to determine temporal behavior of two signals”,Bulgarian Journal of Physics 28(3/4):120−127参照。本発明にとって特に重要である二次及び三次の場合、キュムラントは相関関数と同一である。この区別は、より高次でのみ重要になる。
【0069】
図4は、
図1を参照して説明した方法によるシミュレーションの結果を示す。X−Z平面において4点を有する仮想構造の蛍光信号34が、本明細書に提示される方法を用いて、対応する焦点面FEにトレースバックすることができることが分かる。位置が試料5のX−Z平面での空間構造52として
図4aに概略的に示される4つの確率的に変動するエミッタを、15のZ平面(異なる焦点面FE)を用いた同時観測下でシミュレートした。シミュレーションデータは、100のフレームの時系列を含み、三重項寿命は2フレームに達した。
図4bでは、全ての検出器領域31の蛍光信号34に、Zでの各位置が関連付けられたが、ぶれて撮像された焦点面FEからの蛍光のクロストークに起因して、信号を分離して、4重構造52を分離することが不可能なように重なる。右側の図である
図4cは、Z平面の二次の相互相関からの蛍光信号34を示す。相関は、異なるZ平面間でのみ形成されるが、横方向では形成されなかった。したがって、X−Z平面のラスタ内の回折次数BOの走査点の信号のみが相関付けられ、互いに隣接の2つの回折次数に関連付けられた全ての検出器領域31の蛍光信号34が使用される。
【0070】
図4cに示される場合、これは、15の異なるZ平面の標的である分離のみならず、Z方向での分解能の増大も(Zでの効率的な中間ピクセルの増大も)生じさせる。推定上、増大した横方向分解能に対する信号関連付けのプラスの効果も留意され、構造52の隣接する2点をここで、分離することができ、その理由は、顕微鏡の横方向分解力が増大したからではなく、これらの2点の蛍光信号34がもはや、上下に配置された他の2点のピンぼけ寄与により重畳されないためである。排他的に異なるZ平面(異なる検出器領域での回折次数BO)間での各X−Z走査点での相関が計算に含まれたことにもう一度明示的に留意する。方法は、(非)相関が、Z方向並びにX方向及びY方向で評価されるように拡大することができる。
【0071】
図5a及び
図5bは、典型的なLSM構造で実現される本発明による方法を示す。
【0072】
この場合、5つの異なる回折次数BOを生成する。例えば光学格子の形態の回折光学系15が、
図5aにおいて仮定される。このために、蛍光の同時励起及び検出を用いるレーザ21を有する照明系2は、Z方向での深度走査が通常のCLSM(共焦点LSM)で必要であるような厚さを有する試料5に向けられる。本発明はこれを利用しない。この場合、深度分解(Z方向)は、長尺状PSF及びエミッタ位置の分離による蛍光の励起を通してである。
【0073】
さらに、照明系2は、試料5の測定体積51により画像面BEまで定義される顕微鏡観測ビーム路1に、ビーム結合器13により結合される少なくとも1つの照明ビーム22を生成するレーザ21を有し、光軸11に沿って、顕微鏡対物レンズ12、ビーム結合器13、及び画像面BEに配置される検出器ユニット3を備え、CLSMにおいて以下の一連のステップを可能にする:
−照明ビーム22は、測定体積51において顕微鏡対物レンズ12を用いて結像され、照明ビーム22は、照明瞳においてビーム形成位相マスク23を通過して、長尺状焦点を生成する、ステップ、
−測定体積51において生成される蛍光は、顕微鏡対物レンズ12により収集されコリメートされ、その結果生成される光ビームは、ビーム結合器13と画像面BEとの間に配置される回折光学系15にルーティングされる、ステップ、
−測定体積51において生成される光ビームは、回折光学系15により、異なる回折次数BOのビーム束に分割され、異なる回折次数BOは、検出光学系8により検出器アレイ3の別個の検出器領域31で撮像され、回折光学系15は、あらゆる回折次数BOの光ビームに、他の回折次数BOと異なる球面位相を与え、それにより、測定体積51の異なる深度の焦点面FEからの蛍光は、異なる回折次数BOに関連付けられ、共焦点区別なしで別個の検出器領域31に偏向され、別個の検出器領域31により、測定体積51の関連付けられた焦点面FEからの蛍光及び測定体積51のピントがずれて撮像された隣接焦点面FEからの蛍光クロストークは、電子蛍光信号34に変換される、ステップ、及び
−測定体積51の異なる焦点面FEを起点とし、クロストークが回折次数BOに沿って重畳される
電子蛍光信号34には、測定体積51での蛍光染料の区別可能な明滅挙動に基づいて、
電子蛍光信号34の相関に基づく関連付けにより、測定体積51において定義される焦点面FEが関連付けられる、ステップ。
【0074】
本方法の目的は、主に超解像画像を生成することではなく、むしろ、後続ピクセル相関を通して、異なる蛍光エミッタの蛍光信号の分離及び関連付けを利用することであり、異なる蛍光エミッタは、空間(すなわち、試料体積深度)に配置され、光子効率を上げるために、意図的に、厳密には共焦点的に区別されない信号検出の結果として、多焦点LSMにおいて多焦点に重畳される。したがって、この方法は略してCPI(相関ピクセル撮像)と呼ばれ得る。このCPI手法がそもそも何故機能するかについての背景を以下の段落で詳述する。
【0075】
幾つかの時間尺度についてこれより、多共焦点信号の評価の並列化を示すために考慮する。
【0076】
1μsフレーム時間を有する相関分析の50のサイクル(フレーム)は、例えば、25のピクセル平面を同時に、50μsで取得するとともに、それに対応して、25
*256
*256ピクセルを有するスタックを約3秒で取得することを可能にする。これは、それぞれ0.12秒の25の「通常」LSM走査に対応するが、相関に基づく多共焦点蛍光走査顕微鏡法では、光子効率の増大が達成されるか、又は同じSNRで、必要とされる電力はより低い。
【0077】
しかし、これを超えて、この例示的な考慮事項はやはり、「通常」LSM走査により必要とされる順次測定中のZ平面毎に約100msの圧電調整時間を考慮に入れず、したがって、これにより、本発明による多共焦点検出を用いる場合、25重フレームスタックで2.5秒の追加の時間利得に繋がる。
【0078】
したがって、本発明の大きな利点は、特に生細胞撮像でのダイナミクスを示すための深度測定及び光子効率の改善が同時であることである。
【0079】
暗状態の寿命への影響
三重項状態又は他の暗状態の寿命は、多くの要因に依存し、変化する化学的環境による影響も受け得る。暗状態を長くして、カメラにより検出可能なタイミングに変動をシフトさせる既知の従来技術(例えば、S.Geissbueher et al.(2011).“Comparison between SOFI and STORM),Biomed.Opt Express 2:408−420又はDertinger et al.(2010).“Superresolution optical fluctuation with organic dyes”,Angewandte Chemie 122(49):9631−9633参照)とは対照的に、変動を短縮して、十分な相関間隔を所与として、ピクセル滞留時間を可能な限り短く保つことが本発明では有用でさえある。一例として、これは適用スペクトルを拡大し、その理由は−上述したように−最も一般的な染料の三重項寿命が、いずれの場合でも数μsの範囲内であるためである。しかし、これを超えて、変動を更に短縮することも可能である(Zheng,Quinsi et al.(2012).“On the mechanisms of cyanine fluorophore photostabilization”,The Journal of Physical Chemistry Letters 3(16):2200−2203)参照)。この公開物では、特に、トロロクス等の典型的な退色防止試剤が、Cy5の三重項寿命を、例えば、約60μsから1μsに低減することが示されている。これは、本発明による方法への二重の利得を表す:第1に、画像捕捉時間を短縮することができ、第2に、光退色を更に低減することができる。
【0080】
EDOF(焦点深度拡張)とZ分解能増大の調整
提案される方法は、Z方向での分解能を増大させる潜在性を有する。しかし、ここでの主な目的は、並行記録されるZ平面の分離である。それにも関わらず、需要に応じて2つの効果を調整することもできる。例えば、長尺状焦点(アンダーフィル瞳又はEDOF)を有するPSFは、Z方向での分解能(回折制限撮像)の実際の増大を犠牲にして、所与の数量の検出器領域31を用いて調整して、走査で同時に取得される試料深度を増大させることができる。焦点面分割の所要隔たりは、例えば、チャープ格子として構成される、スキャナ6と回折光学系15との間のズーム光学系18により達成される。代替的には、回折光学系15の格子を置換することもできる。2つの(異なる)中継光学系14が、スキャナ6と併せて使用される場合、スキャナ6と回折光学系15との間に配置される中継光学系14は、ズーム光学系18の機能を引き継ぐこともできる。
【0081】
横方向分解能の増大
検出器領域31の数量及び密度又は検出器アレイ33のサイズ(ピクセル数)に応じて、変動分析を通して(各染料の高速検出器による)、横方向分解能の増大を実行することもできる。そして、この属性は、高速試料節約3D撮像の最適化に利用することができる。例えば、目的が、可能な限り最大のZ領域を並行して取得することである場合、可能な限り「長い」照明PSFが選択される。照明PSFが、対物レンズ瞳
より小さくなるようにビーム断面を低減するビーム形成の実行により実現される場合、これは、横方向分解能の低減に繋がる。しかし、信号の横方向相関を通して、より小さな焦点に対応する分解能に頼ることができる。
【0082】
方法と数値デコンボリューションとの組合せ
上述したように、本発明による方法は本質的に、一種のデコンボリューションに繋がる。当然ながら、既知の方法の1つを用いてのデータの再加工も考慮可能である。数値デコンボリューションのデータは、有利なことに、精密に生成することができ、その理由は、Z方向における互いに隣接にある平面が本発明による方法を用いて捕捉されるためである。さらに、デコンボリューションの使用を通しての焦点面FE毎の複数の横方向ピクセルの測定は、PSF(恐らくは前に測定された)を用いてデータを直接、非相関化及びデコンボリューションするステップをなくす可能性を提供する。方法を最適に利用するために、観測ビーム路1の全体光学系はそれに対応して構成されるべきである。回折光学系15の下流に配置される適切な検出光学系16は、全ての分割回折次数BOを、従来のCLSM内の受信機の前に配置される共焦点アパーチャ17(
図5bのみに示される)の開口部に集束させるように構成される。この共焦点アパーチャ17は、本発明による方法では、広く開かれている。したがって、様々な回折次数BOの全てのビーム束は、検出器領域31に偏向され、検出器領域31は、ビーム束が、検出器ユニット3に衝突するまで、少なくとも、個々の検出器領域31同士の間隔に対応する距離だけ逸れるように、アパーチャの背後のある距離のところに配置される。代替的には、検出器領域31は、更なる共役画像面に配置することができる。
【0083】
非相関時間に基づく染料の分離
非相関時間は染料固有であるため、エミッタの種類も蛍光明滅統計から推測することができる。したがって、多チャネル画像が、検出器を用いて、検出路での色分割せずに可能であるか、又は2つの方法は恐らく結合することができる(非相関時間にわたるフィルタ及び追加の色分離を介する従来の色分離)。したがって、使用され、同時に測定されるべき染料の数量は、対応する組み合わせ論により増大させることができる。例えば、放射スペクトルが重複する染料は、それらの非相関時間がはっきりと異なる場合、同時に使用することができる。これにより、蛍光評価の更なる並行化を可能にし、更なる並行化はここで、スペクトル分析に利用することができる。
【0084】
染料のスペクトル特性に基づく染料の分離と同様に、カラーチャネル間にクロストークが存在する可能性がある。これは、放射スペクトルの重複に起因するものではなく、信頼区間の重複に起因するものである。
【0085】
方法を実行する装置
多共焦点LSMのビーム路を
図5に概略的に示す。レーザ光は、照明ビーム路2に沿って案内されて、レーザ21によりコリメートされ、ダイクロイックビームスプリッタとして構成することができるビーム結合器13において試料5の方向に偏向される。スキャナ6(好ましくはガルバノメータ又はMEMS)は、試料5にわたり横方向にレーザ21の照明ビーム22を走査する。顕微鏡対物レンズ12は照明フォーカスを生成し、照明フォーカスは、スキャナ6の走査ミラーの平面又は観測ビーム路1においてスキャナ6の前及び後に配置される中継光学系14を介して検出瞳又は照明瞳において、対物レンズ瞳を撮像する。試料の深度寸法(Z方向)において長尺状焦点を生成する位相マスク23が、照明瞳に挿入される。位相マスク23は立方位相マスクであることができる。代替的には、ベッセルビーム又は他の非回折ビーム(自己再構築ビームと呼ばれることがある)を生成するリングダイアフラムを挿入することもできる。
【0086】
さらに、位相マスク23の代わりに、ビーム半径は、長尺状焦点が顕微鏡対物レンズ12の瞳
より小さくなるようにビーム断面を低減するビーム形成を実行することにより生成されるように、照明ビーム2内のズーム光学系18を通して調整可能で
あってもよい。焦点に沿って生成される蛍光は、顕微鏡対物レンズ12を通して収集され、観測ビーム路1を逆方向に通る。蛍光放射は、ビーム結合器13内のダイクロイックビーム分割を通して送られる。一定のデフォーカスを各回折次数BOに与える二次元チャープ格子が、回折光学系15として検出瞳に挿入される。検出光学系16は、各回折次数BOを検出器アレイ33のそれ自体の検出器領域31で撮像する。したがって、試料5の測定体積51での異なる焦点面FEに、各検出器領域31が関連付けられ、焦点面FEは画像面BEでの検出器領域31で鮮鋭に撮像される。
【0087】
考慮されている焦点面FE間の距離は、ズーム光学系18を通して調整可能であり、評価・制御ユニット4により制御される。信号データは、検出器アレイ33から評価・制御ユニット4に送信され、評価・制御ユニット4において、信号は、上記説明に従って
各相関分析及び/又は3D重畳について評価される。そうするに当たり、ピンぼけ信号成分に、相関付けられた明滅挙動に基づいて、測定体積51での起点平面が関連付けられる。その結果、共焦点区別を通してピンぼけ信号成分の除外が発生しないことにより、本発明により、格子効率が増大する。
【0088】
本発明による方法が、
図5bに示されるような従来の共焦点走査顕微鏡(CLSM)を用いて実施される限り、CLSMでのピンホールとして共焦点弁別器を構成する検出器アパーチャ17は、検出器3の方向においてカラースプリッタとして構築されるビーム結合器13の下流に提供される。しかし、この場合、中継光学系として構成される2つの検出器光学系16間の中間画像面に配置されるこの検出器アパーチャ17は、単に散乱光を大まかに区別するように機能する−広く開いた状況で。
【0089】
図5bに示されるCLSMの形態の測定装置の感度は、使用される染料の輝度のみならず、横方向走査速度にも依存し、横方向走査速度は−染料の明滅統計(オン/オフ時間尺度)の時間的挙動により−考慮中の染料の非相関時間の関数であるべきである。
【0090】
したがって、
図6のフローチャートから分かるように、画像捕捉中、走査速度を適応的に調整することが有利であり得る。X、Yスキャナ6の速度は、記録データの品質に応じて試料5に調整される。染料系の三重項寿命(又は広く言えば、特徴的な明滅時間)により速度が決まる。三重項時間が長いほど、及び/又はSNRが不良であるほど、走査をよりゆっくりと実行して、より長いピクセル滞留時間を通して十分な数の相関サイクルを取得する必要がある。以下の考慮事項がこれに関して極めて重要である。
【0091】
第1の評価:
三重項時間τ=3μsの場合、「相関点」の必要数量としての50の明滅時間測定点が、ピクセル滞留時間150μs中、取得される。しかし、三重項時間量がτ=10μsである場合、同じ50の測定点に対して必要なピクセル滞留時間は500μsである。
【0092】
第2の評価:
10の測定点という相関信号の品質は、検出器領域38の蛍光信号34の確実な相関には十分ではなく、三重項明滅の少なくとも20の測定点が必要とされる。したがって、スキャナ6の速度を低減しなければならない:すなわち、X、Y走査を半分のみの速度で実行することができる。
【0093】
走査速度を調整するために、賢明なことに、FCS測定が、画像捕捉前又は小面積の撮像と一緒の時点で行われて、フレームスタックのパラメータを特定する。このテスト測定も同様に、
図6のフローチャートから見ることができる。
【0094】
照明PSF長及び検出面Z間隔を別個に調整可能なことは、並行化Z走査の平面の広きに相対するZ分解能の柔軟な調整に有用である。
【0095】
以下の調整パラメータ及び調整代替が照明ビーム22に適用される:
−単一光子励起又は多光子励起、
−ガウス分布、瞳
より小さくなるようにビーム断面を低減するビーム形成の実行(ビーム形成要素、例えば、位相マスク23又はビーム結合器13(通常、商用CLSMでの主カラースプリッタ)の前の振幅アポダイゼーションマスク(変更デバイスを用いても可能)を通して調整可能、
−ベッセルビーム(又は同等に作用する非回折ビーム)によるEDOF PSFの生成であって、DOFは、ビーム結合器13後、適応光学系(例えば、ズーム光学系18又は中継光学系14)を通して調整可能である、生成、
−最適明滅挙動に向けたレーザ強度の調整(幾つかの場合、明滅は強度にかなり依存する)。
【0096】
Z方向でのマルチスポット分割は、以下のようにプラスの影響を受け得る。
−ビーム結合入力の前の観測ビーム路1の外部に配置される、照明系2を結合する光学系により、照明体積の寸法のみ、すなわち、顕微鏡対物レンズ12の(物体側)焦点深度(焦点寸法)のみが長くなるが、照明体積の様々なポイントでの測定体積51は影響されない。軸方向分解能力はこのように低減されるが、このようにして拡大される照明体積の焦点深度(EDOF又は長尺状被写界深度)により出力される同一光を用いて、より多く測定陽性器が同時に励起する。
−拡大焦点深度を生成する光学系は、顕微鏡対物レンズの瞳面に共役する平面にそれぞれ配置される位相板23、特に立方位相変調マスク若しくはベッセルビームを生成する手段を含むか、又は特にコリメート光のビーム断面を低減するビーム形成を通して顕微鏡対物レンズの瞳をアンダーフィルするように構成される。拡大焦点深度を生成する立方位相変調マスクは、例えば、Dowski/Cathey,“Extended depth of field through wave−front coding”,Applied Optics 34(11):1859に記載されている。瞳をアンダーフィルする光学系は、例えば、瞳内のビーム断面を低減するビーム形成器であることができる。瞳
より小さくなるようにビーム断面を低減するビーム形成の実行は、乏しい軸方向分解能力ΔZを生じさせる照明の開口数の低減に繋がる。
−軸方向に長い照明体積を生成するために、Y.Lin,“Experimental investigation of Bessel beam characteristics”Applied Optics 31:2708に記載のように、任意の他の既知のEDOF型光学系を使用して、ベッセルビームを生成することもでき、又はこれもまたApplied Optics 34(11):1859に記載のように、照明光に立方位相特性を与えていることもできる。さらに、例えば、参照番号11を有する独国特許第103 56 416号明細書に記載されるように、光源又は測定体積51に対応する点列を軸方向において定義する光源の下流に配置される光学系も有利であることができる。この利点の本質は、あらゆる軸方向焦点面FEでの分解能の改善にあり、その理由は、この場合、完全な共焦点性を達成することができるためである(欠点の本質は、対応するより高いストレスでの試料5の拡大照明にある)。
−焦点深度を拡大する(長尺状焦点)ズーム光学系18は、軸方向寸法が横方向寸法の少なくとも4倍、特に10倍を超える、好ましくは少なくとも20倍であり、及び/又は所定の励起波長、顕微鏡対物レンズ12の所定の開口数、所定の共焦点アパーチャサイズ、及び浸漬媒体の所定の屈折率での顕微鏡の少なくとも2つの光学セクション厚に対応する照明体積を生成する。したがって、回折光学系15は、従来技術と比較して、十分な軸方向距離を光学分離に提供するように構成することができる。
−照明のビーム形成の光学要素(位相板23又は回折光学系15)は、好ましくは、所定の励起波長、顕微鏡対物レンズ12の所定の開口数、共焦点アパーチャ17の所定のサイズ、及び浸漬媒体の所定の屈折率での隣接の軸方向測定体積51の中間点が、LSMの2つを超える光学セクション厚だけ互いから分離されるように構成される。しかし、回折光学系15の格子パラメータによる軸方向分割の調整を通しての測定体積51の所要軸方向分離は、所与の顕微鏡対物レンズ12内の対応する構成の回折要素により達成することができる。
−長尺状焦点を増大させる光学系は、有利なことに、画像面BEで撮像される全ての測定体積51が長尺状焦点内にあるように、すなわち、試料5内の長尺状焦点(EDOF)を有する照明系2が、検出手段によりカバーされる面積(測定体積51)に適合されるように構成される。このようにして、照明ビーム22の励起光を効率的に利用して、試料5を保存することができる。このために、検出ビーム路内の回折光学系15の所与の格子を用いて、照明ビーム路2内の照明光学系(ズーム光学系18若しくは位相マスク23)は、測定体積51が完全に照明されるように構成することができ、又は検出ビーム路内の試料5において所与の光分布の場合、回折光学系15は、照明されたエリアが完全に撮像される(及び検出される)ように構成することができる。
【0097】
画像再構築では、以下の選択肢がある。
・画像再構築は、横方向走査を介して実行される(任意選択的に、追加の機械的Z走査と併せて、ここで、横方向走査(X,Y)を用いる本発明による方法では、多(共)焦点Z走査により−従来のLSMとは対照的に−、3D試料体積は既に撮像され、試料5の更に拡大した測定体積51を撮像する必要がある場合、「Z捕捉範囲」のみを更に増大することができる。
−ガルバノメータスキャナ、MEMSスキャナ、音響光学レンズ(AOL)、音響光学変調器(AOM)、EOスキャナ等の走査技術の使用。
【0098】
検出の場合、調整及び制御に以下の変形がある。
−従来のCLSMピンホール(検出器アパーチャ17として)は、以下の動作モードと共に使用することができる:
・標準CLSMとしての従来の標準共焦点検出の場合、小さなピンホール(直径0...10AUで切り替え可能)、
・記載される本発明を使用する場合、最適な検出のために大きなピンホール、又は
・散乱光に起因して、本発明のいくらか劣った用途では、ピンホールなし。
−回折光学系15は、以下のように構成することができる:
・偏心した個々の回折光学要素(個々のDOE)の形態で、
・DOE変更器の形態で、
・上流拡大光学系(ズーム光学系18又は光学変更器)を有する固定DOE。
−スペクトル記録を実現することができる(例えば、最長明滅時間が「ピクセル滞留時間」を決めるという点で、染料の異なる明滅サイクルを考慮に入れるために。ここで、明滅サイクルの分離は通常、スペクトルフィルタにより実行される)。
−以下のセンサアレイを検出器ユニット3において使用することができる:
・SPADアレイ(単一光子アバランシェダイオードアレイ)、
・センサジオメトリ上で強度分布を再分布させる手段、例えば、ファイバ、FOPS、CMOSカメラあり/なしのPMTアレイ(光電倍増管アレイ)、
・画像増幅器(例えば、多チャネル板又はマイクロチャネル板)を有するCMOSカメラ、
・高読み出しレートで低ピクセル数を有するEMCCD(電子倍増CCD)、
・sCMOSカメラ。
【0099】
上述した多くの可能な変形では、本発明による方法の実施に必要な事前条件は、信号データが相関分析(例えば、二次相互相関)又は3Dデコンボリューションの数値方法を用いて処理されるという点で、ピンぼけ信号を元の平面に割り当てるデータの数値分析/計算と組み合わせた、上述したようなDOEによるビーム分割を用いるCLSMの多共焦点動作モードである。
【0100】
このために、
図6は、上述した調整可能性が考慮に入れられるフローチャートを示す。特に、焦点面FEの深度分解能の増大の異なる適合は、検出のための平面分割の調整ステップを通しての機械光学的Z走査、照明PSFのZ方向、及び機械的/光学的Z走査の所要範囲の調整と交互にされる。十分なフレームサイクルが相関に利用可能であるように所要ピクセル滞留時間を調整するための更なる相互調整選択肢は、可能な染料間で最適が探される相関時間の決定、FCSテスト測定の結果、及び染料の実際の明滅時間である。
【0101】
個々の焦点面FE(及び中間平面がある場合、中間平面)に関連付けられた信号成分の相関付けられた割り振り並びに共焦点3D結果画像としての記憶フレームの順序付きスタックへの記憶又は表示の前、適切な信号対雑音比(SNR)を取得するために、X−Y走査(恐らくはZ走査に加えて)の更なる可能性が存在する。
【0102】
方法は、更なる並行化、ひいては追加の横方向並行化での複数のビーム束を用いての試料スループットの更なる増大に向けて実行することができる。複数のビームの使用は、所与のフレームレートでの染料の明滅統計へのより包括的な適合を可能にするという利点を提供する。