特許第6771533号(P6771533)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6771533抵抗ベースのジョイント拘束を用いるロボットシステム、同ロボットシステムのためのブレーキジョイントアセンブリ、および関連する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6771533
(24)【登録日】2020年10月1日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】抵抗ベースのジョイント拘束を用いるロボットシステム、同ロボットシステムのためのブレーキジョイントアセンブリ、および関連する方法
(51)【国際特許分類】
   B25J 17/00 20060101AFI20201012BHJP
   B25J 3/00 20060101ALI20201012BHJP
   F16D 55/36 20060101ALI20201012BHJP
   F16D 65/16 20060101ALI20201012BHJP
   F16D 121/24 20120101ALN20201012BHJP
   F16D 125/28 20120101ALN20201012BHJP
【FI】
   B25J17/00 D
   B25J3/00 A
   F16D55/36 A
   F16D65/16
   F16D121:24
   F16D125:28
【請求項の数】47
【外国語出願】
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2018-226301(P2018-226301)
(22)【出願日】2018年12月3日
(65)【公開番号】特開2019-98520(P2019-98520A)
(43)【公開日】2019年6月24日
【審査請求日】2018年12月3日
(31)【優先権主張番号】15/835280
(32)【優先日】2017年12月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518429137
【氏名又は名称】サ−コス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】フレイザー エム.スミス
(72)【発明者】
【氏名】マーク エックス.オリバー
【審査官】 武市 匡紘
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭52−134985(JP,A)
【文献】 特表2016−539017(JP,A)
【文献】 特開2013−142445(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/148499(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00−21/02
F16D 49/00−71/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スレーブロボットシステムにおける力をマスタロボットシステムに移すための力逆送マスタロボットブレーキジョイントアセンブリであって:
前記マスタロボットシステムの第1のロボットリンクに関連付けられる第1のブレーキ構成要素と;
前記マスタロボットシステムの第2のロボットリンクに関連付けられる第2のブレーキ構成要素であって、前記第2のブレーキ構成要素は、前記第1のブレーキ構成要素に対して回転可能である、第2のブレーキ構成要素と;
前記スレーブロボットシステムによって感知された力に対応する制御信号に応じて、前記第1のブレーキ構成要素と前記第2のブレーキ構成要素との間にブレーキ力を発生するように、前記第1のブレーキ構成要素および前記第2のブレーキ構成要素に作用するように動作可能なアクチュエータと;
を有し、
前記第1のブレーキ構成要素は、上側圧縮ディスクのペアおよび下側圧縮ディスクのペアを有し、前記第2のブレーキ構成要素は、前記上側圧縮ディスクのペアの間に位置する上側圧縮ディスクおよび前記下側圧縮ディスクのペアの間に位置する下側圧縮ディスクを有し、前記第1のブレーキ構成要素の前記ディスクは、前記第2のブレーキ構成要素の前記ディスクに対して回転可能であり、前記アクチュエータは、前記第1のブレーキ構成要素の前記上側圧縮ディスクのペアと前記下側圧縮ディスクのペアとの間に配置され、これらに作用して、前記ブレーキ力を発生するよう前記第2のブレーキ構成要素の前記上側圧縮ディスクおよび前記下側圧縮ディスクのそれぞれを圧縮するように構成される、
ブレーキジョイントアセンブリ。
【請求項2】
前記ブレーキ力は可変である、
請求項1に記載のブレーキジョイントアセンブリ。
【請求項3】
前記ブレーキ力は可変ではない、
請求項1に記載のブレーキジョイントアセンブリ。
【請求項4】
前記ブレーキ力の大きさは可変であり、前記感知された力に対する前記ブレーキ力の比率は動的に制御可能である、
請求項1に記載のブレーキジョイントアセンブリ。
【請求項5】
前記アクチュエータは、モータおよび作動部材を有、前記作動部材は、前記ブレーキ力を発生させるために前記第1のブレーキ構成要素または前記第2のブレーキ構成要素の少なくとも1つに力を加えるように前記モータによって回転可能である、
請求項1に記載のブレーキジョイントアセンブリ。
【請求項6】
前記作動部材は、反対方向に延びるアームを有する剛性ボディを有し、第1のローラが、前記アームの一方に回転可能に結合され、第2のローラが、前記アームの他方に回転可能に結合され、前記ローラは、前記作動部材と前記第1のブレーキ構成要素および前記第2のブレーキ構成要素との間の摩擦を減らすように動作可能である、
請求項5に記載のブレーキジョイントアセンブリ。
【請求項7】
前記アクチュエータは、前記ブレーキ力を発生するように動作可能な誘電アクチュエータを含み、前記誘電アクチュエータは、電圧源に結合された電極のペアの間に配置された誘電材料を有する、
請求項1に記載のブレーキジョイントアセンブリ。
【請求項8】
前記アクチュエータは、ブレーキ力を発生するように動作可能な圧電アクチュエータを含み、前記圧電アクチュエータは、圧電構成要素のスタックを変位させるよう動作可能な電圧源に結合されるように構成された前記圧電構成要素のスタックを有する、
請求項1に記載のブレーキジョイントアセンブリ。
【請求項9】
前記アクチュエータは、ブレーキ力を発生するように動作可能な流体アクチュエータを含み、前記流体アクチュエータは、流体作動構成要素と、前記作動構成要素に流体結合された少なくとも1つのピストンとを有し、前記作動構成要素は、前記少なくとも1つのピストンから遠位に配置されるとともに前記少なくとも1つの流体ピストンを作動させて前記ブレーキ力を発生するように構成される、
請求項1に記載のブレーキジョイントアセンブリ。
【請求項10】
前記第1のブレーキ構成要素および前記第2のブレーキ構成要素は、前記ブレーキ力を発生するために圧縮可能な交互配置されたマルチディスク構成を有する、
請求項1に記載のブレーキジョイントアセンブリ。
【請求項11】
前記アクチュエータは、第1のバイアス構成要素および反対側の第2のバイアス構成要素を有し、前記第1のバイアス構成要素は、前記上側圧縮ディスクのペアの内側ディスクを選択的に付勢し、前記第2のバイアス構成要素は、前記下側圧縮ディスクのペアの反対側の内側ディスクを選択的に付勢する、
請求項1に記載のブレーキジョイントアセンブリ。
【請求項12】
前記アクチュエータは、前記上側圧縮ディスクのペアと前記下側圧縮ディスクのペアとの間で前記第1のブレーキ構成要素の支持部分に取り付けられる、
請求項1に記載のブレーキジョイントアセンブリ。
【請求項13】
前記アクチュエータは、前記上側圧縮ディスクのペアと前記下側圧縮ディスクのペアとの間に配置される、
請求項1に記載のブレーキジョイントアセンブリ。
【請求項14】
前記アクチュエータは、アクチュエータシャフトに固定して取り付けられたカム部材を有し、前記カム部材は、前記カム部材の回転運動を前記第1のブレーキ構成要素および前記第2のブレーキ構成要素内の並進運動に変換するように動作可能な偏心構成を有し、それによって前記第1のブレーキ構成要素および前記第2のブレーキ構成要素を一緒に圧縮する、
請求項1に記載のブレーキジョイントアセンブリ。
【請求項15】
前記制御信号を処理するプロセッサをさらに有する、
請求項1に記載のブレーキジョイントアセンブリ。
【請求項16】
スレーブロボットシステムの力をマスタロボットシステムに移すための力逆送ロボットシステムであって:
複数のスレーブジョイントを含むスレーブロボットシステムと、
複数のマスタブレーキジョイントを有するマスタロボットシステムであって、それぞれが前記マスタロボットシステムによって制御可能な前記スレーブジョイントのそれぞれ1つに対応する、マスタロボットシステムと、
を有し、
それぞれの前記マスタブレーキジョイントは、上側圧縮ディスクのペアおよび下側圧縮ディスクのペアを有する第1のブレーキ構成要素と、前記上側圧縮ディスクのペアの間に位置する上側圧縮ディスクおよび前記下側圧縮ディスクのペアの間に位置する下側圧縮ディスクを有する第2のブレーキ構成要素と、前記第1のブレーキ構成要素の前記上側圧縮ディスクのペアと前記下側圧縮ディスクのペアとの間に配置されるアクチュエータと、を有し、前記第1のブレーキ構成要素の前記ディスクは、前記第2のブレーキ構成要素の前記ディスクに対して回転可能であり、前記アクチュエータは、前記第1のブレーキ構成要素の前記上側圧縮ディスクのペアおよび前記下側圧縮ディスクのペアに作用して、前記スレーブロボットシステムによって感知された力に対応する制御信号に応じてブレーキ力を発生するために前記ブレーキ力を発生するよう前記第2のブレーキ構成要素の前記上側圧縮ディスクおよび前記下側圧縮ディスクのそれぞれを圧縮するように構成される、
システム。
【請求項17】
前記マスタロボットシステムは、人間型ロボットアセンブリ、外骨格ロボットアセンブリ、および人間が操作するロボットアセンブリのうちの1つを含む、
請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記マスタロボットシステムは、上半身外骨格および下半身外骨格の少なくとも1つを含み、それぞれは前記マスタブレーキジョイントの1つによって回転可能に一緒に結合された複数の外骨格リンクを有する、
請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記マスタロボットシステムは、前記マスタブレーキジョイントのぞれぞれに動作可能なコントローラを有し、前記コントローラは、それぞれの前記マスタブレーキジョイントに関連付けられる前記ブレーキ力を動的に制御するように動作可能なコンピュータを有する、
請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
それぞれの前記スレーブジョイントは、前記スレーブジョイントに関連付けられる位置データ、速度データ、力データ、または位置データ及び力データ両方を提供するように動作可能な1つまたは複数のセンサを有する、
請求項16に記載のシステム。
【請求項21】
前記アクチュエータは、前記マスタロボットシステムによって動的に制御可能であるとともに、二方向アクチュエータ、誘電アクチュエータ、圧電アクチュエータ、カムアクチュエータ、ボールランプアクチュエータ、電磁アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、または油圧アクチュエータを含む、
請求項16に記載のシステム。
【請求項22】
前記第1のブレーキ構成要素の前記ディスク及び前記第2のブレーキ構成要素の前記ディスクは、それぞれの前記マスタブレーキジョイントの回転の軸周りに互いに対して回転可能である、
請求項16に記載のシステム。
【請求項23】
スレーブロボットシステムの力をマスタロボットシステムに移す方法であって、前記マスタロボットシステムは、前記スレーブロボットシステムのスレーブジョイントに対応するマスタブレーキジョイントを有し、前記方法は:
力データ信号を前記スレーブロボットシステムから前記マスタロボットシステムに送信するステップと;
前記マスタブレーキジョイント内で前記力データ信号に対応するブレーキ力を発生させるステップと;
を含み、
前記マスタブレーキジョイントは、第1のブレーキ構成要素、第2のブレーキ構成要素、及びアクチュエータを有し、前記第1のブレーキ構成要素は、上側圧縮ディスクのペアおよび下側圧縮ディスクのペアを有し、前記第2のブレーキ構成要素は、前記上側圧縮ディスクのペアの間に位置する上側圧縮ディスクおよび前記下側圧縮ディスクのペアの間に位置する下側圧縮ディスクを有し、前記第1のブレーキ構成要素の前記ディスクは、前記第2のブレーキ構成要素の前記ディスクに対して回転可能であり、
前記アクチュエータは、前記第1のブレーキ構成要素の前記上側圧縮ディスクのペアと前記下側圧縮ディスクのペアとの間に配置され、前記第2のブレーキ構成要素の前記上側圧縮ディスクおよび前記下側圧縮ディスクのそれぞれを圧縮することによって前記ブレーキ力を発生するよう構成される、
方法。
【請求項24】
変化する大きさのブレーキ力を提供するように前記ブレーキ力を動的に制御するステップをさらに含む、
請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ブレーキ力を発生させるステップは、前記ブレーキ力を発生させるように前記マスタブレーキジョイント内で動作可能なアクチュエータを制御するステップを含む、
請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記マスタロボットシステムに送信されることになる力データを得るために前記スレーブジョイントの位置および力の一方または両方を感知するステップをさらに含む、
請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記マスタブレーキジョイントの位置および力の一方または両方を感知するステップをさらに含む、
請求項25に記載の方法。
【請求項28】
コンピュータシステムを介して前記マスタロボットシステムで送信された前記力データを受信するステップをさらに含み、前記力データは処理され、対応するブレーキ力が前記マスタロボットシステム内で発生する、
請求項26に記載の方法。
【請求項29】
スレーブロボットシステムにおける力をマスタロボットシステムに移す前記マスタロボットシステムであって:
複数のロボットリンクと;
前記複数のロボットリンクを回転可能に結合する複数のマスタブレーキジョイントであって、それぞれの前記マスタブレーキジョイントは、前記マスタロボットシステムによって制御可能な前記スレーブロボットシステムのそれぞれのスレーブジョイントに対応し、それぞれの前記マスタブレーキジョイントは:
前記複数のロボットリンクの第1のロボットリンクに結合される第1のブレーキ構成要素;
前記複数のロボットリンクの第2のロボットリンクに結合される第2のブレーキ構成要素であって、前記第2のブレーキ構成要素は、前記第1のブレーキ構成要素に対して回転可能である、第2のブレーキ構成要素;並びに
前記スレーブロボットシステムによって感知された力に対応する制御信号に応じて、前記第1のブレーキ構成要素と前記第2のブレーキ構成要素との間にブレーキ力を発生するように、前記第1のブレーキ構成要素および前記第2のブレーキ構成要素に作用するように動作可能なアクチュエータ;
を有する、マスタブレーキジョイントと;
を有し、
前記第1のブレーキ構成要素は、上側圧縮ディスクのペアおよび下側圧縮ディスクのペアを有し、前記第2のブレーキ構成要素は、前記上側圧縮ディスクのペアの間に位置する上側圧縮ディスクおよび前記下側圧縮ディスクのペアの間に位置する下側圧縮ディスクを有し、前記第1のブレーキ構成要素の前記ディスクは、前記第2のブレーキ構成要素の前記ディスクに対して回転可能であり、前記アクチュエータは、前記第1のブレーキ構成要素の前記上側圧縮ディスクのペアと前記下側圧縮ディスクのペアとの間に配置され、これらに作用して、前記ブレーキ力を発生するよう前記第2のブレーキ構成要素の前記上側圧縮ディスクおよび前記下側圧縮ディスクのそれぞれを圧縮するように構成される、
マスタロボットシステム。
【請求項30】
前記ブレーキ力は可変である、
請求項29に記載のマスタロボットシステム。
【請求項31】
前記ブレーキ力は第1の大きさのみを有する、
請求項29に記載のマスタロボットシステム。
【請求項32】
前記ブレーキ力の大きさは可変であり、前記感知された力に対する前記ブレーキ力の比率は動的に制御可能である、
請求項29に記載のマスタロボットシステム。
【請求項33】
前記アクチュエータは、モータおよび作動部材を有、前記作動部材は、前記ブレーキ力を発生させるために前記第1のブレーキ構成要素または前記第2のブレーキ構成要素の少なくとも1つに力を加えるように前記モータによって回転可能である、
請求項29に記載のマスタロボットシステム。
【請求項34】
前記アクチュエータは:
前記ブレーキ力を発生するように動作可能な誘電アクチュエータであって、前記誘電アクチュエータは、電圧源に結合された電極のペアの間に配置された誘電材料を有する、誘電アクチュエータ;
前記ブレーキ力を発生するように動作可能な圧電アクチュエータであって、前記圧電アクチュエータは、圧電構成要素のスタックを変位させるよう動作可能な電圧源に結合されるように構成された前記圧電構成要素のスタックを有する、圧電アクチュエータ;または
前記ブレーキ力を発生するように動作可能な油圧アクチュエータであって、前記油圧アクチュエータは、油圧作動構成要素と、前記油圧作動構成要素に流体結合された少なくとも1つの油圧ピストンとを有し、前記油圧作動構成要素は、前記少なくとも1つの油圧ピストンから遠位に配置されるとともに前記少なくとも1つの油圧流体ピストンを作動させて前記ブレーキ力を発生するように構成される、油圧アクチュエータ;
のうちの1つを含む、
請求項29に記載のマスタロボットシステム。
【請求項35】
前記第1のブレーキ構成要素は、上側圧縮ディスクのペアおよび下側圧縮ディスクのペアを有し、前記第2のブレーキ構成要素は、前記上側圧縮ディスクのペアの間に位置する上側圧縮ディスクおよび前記下側圧縮ディスクのペアの間に位置する下側圧縮ディスクを有し、前記第1のブレーキ構成要素の前記ディスクは、前記第2のブレーキ構成要素の前記ディスクに対して回転可能であり、前記アクチュエータは、前記第1のブレーキ構成要素の前記上側圧縮ディスクのペアと前記下側圧縮ディスクのペアとの間に配置され、これらに作用して、前記ブレーキ力を発生するよう前記第2のブレーキ構成要素の前記上側圧縮ディスクおよび前記下側圧縮ディスクのそれぞれを圧縮するように構成される、
請求項29に記載のマスタロボットシステム。
【請求項36】
前記アクチュエータは、第1のバイアス構成要素および反対側の第2のバイアス構成要素を有し、前記第1のバイアス構成要素は、前記上側圧縮ディスクのペアの内側ディスクを選択的に付勢し、前記第2のバイアス構成要素は、前記下側圧縮ディスクのペアの反対側の内側ディスクを選択的に付勢する、
請求項35に記載のマスタロボットシステム。
【請求項37】
前記アクチュエータは、前記上側圧縮ディスクのペアと前記下側圧縮ディスクのペアとの間に配置される、
請求項35に記載のマスタロボットシステム。
【請求項38】
前記アクチュエータは、アクチュエータシャフトに固定して取り付けられたカム部材を有し、前記カム部材は、前記カム部材の回転運動を前記第1のブレーキ構成要素および前記第2のブレーキ構成要素内の並進運動に変換するように動作可能な偏心構成を有し、それによって前記第1のブレーキ構成要素および前記第2のブレーキ構成要素を一緒に圧縮する、
請求項29に記載のマスタロボットシステム。
【請求項39】
前記マスタロボットシステムは、人間型ロボットアセンブリ、外骨格ロボットアセンブリ、および人間が操作するロボットアセンブリのうちの1つを含む、
請求項29に記載のマスタロボットシステム。
【請求項40】
前記マスタロボットシステムは、前記マスタブレーキジョイントのぞれぞれに動作可能なコントローラを有し、前記コントローラは、それぞれの前記マスタブレーキジョイントに関連付けられる前記ブレーキ力を動的に制御するように動作可能なコンピュータを有する、
請求項29に記載のマスタロボットシステム。
【請求項41】
前記マスタロボットシステムは:手;腕;腕と手;腕と胴;腕と手と胴;脚;複数の脚;複数の脚と胴;複数の脚と複数の腕と胴;複数の脚と複数の腕;もしくは胴と複数の手;又はこれらの任意の組み合わせ;のうちの少なくとも1つと関連付けられる、
請求項29に記載のマスタロボットシステム。
【請求項42】
スレーブロボットシステムにおける力をマスタロボットシステムに移すための力逆送マスタロボットブレーキジョイントアセンブリであって:
前記マスタロボットシステムの第1のロボットリンクに関連付けられる第1のブレーキ構成要素と;
前記マスタロボットシステムの第2のロボットリンクに関連付けられる第2のブレーキ構成要素であって、前記第2のブレーキ構成要素は、前記第1のブレーキ構成要素に対して回転可能である、第2のブレーキ構成要素と;
前記スレーブロボットシステムによって感知された力に対応する制御信号に応じて、前記第1のブレーキ構成要素と前記第2のブレーキ構成要素との間にブレーキ力を発生するように、前記第1のブレーキ構成要素および前記第2のブレーキ構成要素に対して回転するように動作可能な回転アクチュエータと;
を有する、
ブレーキジョイントアセンブリ。
【請求項43】
前記第1のブレーキ構成要素及び前記第2のブレーキ構成要素は、前記ブレーキ力を発生するように圧縮可能な交互配置されたマルチディスク構成を有する、
請求項42に記載のブレーキジョイントアセンブリ。
【請求項44】
前記第1のブレーキ構成要素は、圧縮ディスクのペアを有し、前記第2のブレーキ構成要素は、前記圧縮ディスクのペアの間に位置する圧縮ディスクを有し、前記第1のブレーキ構成要素の前記ディスクは、前記第2のブレーキ構成要素の前記ディスクに対して回転可能であり、前記アクチュエータは、前記ブレーキ力を発生するよう前記圧縮ディスクのペアによって前記圧縮ディスクを圧縮するように構成される、
請求項42に記載のブレーキジョイントアセンブリ。
【請求項45】
スレーブロボットシステムの力をマスタロボットシステムに移すための力逆送マスタロボットシステムであって:
複数のスレーブジョイントを有するスレーブロボットシステムと、
それぞれが前記マスタロボットシステムによって制御可能な前記スレーブジョイントのそれぞれ1つに対応する複数のマスタブレーキジョイントを有するマスタロボットシステムと、
を有し、
それぞれの前記マスタブレーキジョイントは、第1のブレーキ構成要素と、前記第1のブレーキ構成要素に対して回転可能である第2のブレーキ構成要素と、前記スレーブロボットシステムによって感知された力に対応する制御信号に応じて、前記第1のブレーキ構成要素と前記第2のブレーキ構成要素との間にブレーキ力を発生するように、前記第1のブレーキ構成要素および前記第2のブレーキ構成要素に対して回転するように動作可能な回転アクチュエータと、を有する、
力逆送マスタロボットシステム。
【請求項46】
前記第1のブレーキ構成要素及び前記第2のブレーキ構成要素は、前記ブレーキ力を発生するように圧縮可能な交互配置されたマルチディスク構成を有する、
請求項45に記載の力逆送マスタロボットシステム。
【請求項47】
前記第1のブレーキ構成要素は、圧縮ディスクのペアを有し、前記第2のブレーキ構成要素は、前記圧縮ディスクのペアの間に位置する圧縮ディスクを有し、前記第1のブレーキ構成要素の前記ディスクは、前記第2のブレーキ構成要素の前記ディスクに対して回転可能であり、前記アクチュエータは、前記ブレーキ力を発生するよう
前記第1のブレーキ構成要素の前記圧縮ディスクのペアの間の前記第2のブレーキ構成要素の前記圧縮ディスクを圧縮するように構成される、
請求項45に記載の力逆送マスタロボットシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
遠隔操作アプリケーションにおいてマスタ制御システムを利用することは、様々な課題を提起する。例えば、人間のオペレータがマスタ制御システム(例えば、外骨格、バーチャルリアリティコントロールなど)を用いてスレーブシステム(例えば、非人間型(non-humanoid)ロボット、人間型(humanoid)ロボット、ハンドロボット、仮想アバター/ロボットなど)を遠隔制御するとき、人間の運動学的構成へのマスタ制御システムの非擬人的運動学的構成(non-anthropomorphic kinematic arrangement)の運動学的マッピングを考慮する必要がある。さらに、スレーブシステムが、例えば、質量を押すこと又は物体にぶつかることに起因して様々な力を受けるとき、特定の作業のためにスレーブシステムをより良く制御するために、人間のオペレータがこれらの力を知覚できることがしばしば望ましい。したがって、ロボットシステムは、スレーブが受けた力がマスタ制御装置を介してユーザによって本質的に「感じられる」「力逆送(force-reflection)」と呼ばれるものを利用するように構成されることができる。
【0002】
力逆送を達成するために使用される従来の解決策は、大きい空気圧式または油圧式のアクチュエータを、ロボットシステムのマスタ制御装置に組み込むことを含み、これらのアクチュエータは、マスタ制御装置のジョイントを介して、人間のオペレータに力逆送値を提供するように制御され、このマスタ制御装置は、ある場合には、例えば、オペレータが着用する上側ロボット外骨格を含むことができる。しかし、そのような解決策は、コスト、複雑さ、重量、制御性の悪さなどの様々な欠点を有する。
【発明の概要】
【0003】
本明細書で開示されるのは、スレーブロボットシステムにおける力をマスタロボットシステムに移す(translating)ためのマスタロボットシステムである。マスタロボットシステムは、複数のロボットリンクと、複数のロボットリンクを回転可能に結合する複数のマスタブレーキジョイントとを有する。各マスタブレーキジョイントは、マスタロボットシステムによって制御可能なスレーブロボットシステムのそれぞれのスレーブジョイントに対応する。各マスタブレーキジョイントは、複数のロボットリンクの第1のロボットリンクに結合された第1のブレーキ構成要素と、複数のロボットリンクの第2のロボットリンクに結合された第2のブレーキ構成要素とを有し、第2のブレーキ構成要素は、第1のブレーキ構成要素に対して回転可能である。各マスタブレーキジョイントは、スレーブロボットシステムによって感知された感知力(sensed force)に対応する制御信号に応じて、第1のブレーキ構成要素と第2のブレーキ構成要素との間にブレーキ力(braking force)を発生するように、第1のブレーキ構成要素および第2のブレーキ構成要素に作用するように動作可能なアクチュエータをさらに有する。
【0004】
いくつかの例では、ブレーキ力は可変である。いくつかの例では、ブレーキ力は第1の大きさのみを有するか、言い換えれば、可変ではない。いくつかの例では、ブレーキ力の大きさは可変であり、感知力に対するブレーキ力の比率(proportionality)は動的に制御可能である。
【0005】
いくつかの例では、アクチュエータは、モータおよび作動部材を有する双方向アクチュエータを有し、作動部材は、ブレーキ力を発生させるために第1のブレーキ構成要素または第2のブレーキ構成要素の少なくとも1つに双方向力(bi-directional force)を加えるようにモータによって回転可能である。
【0006】
いくつかの例では、アクチュエータは:ブレーキ力を発生するように動作可能な誘電アクチュエータであって、誘電アクチュエータは電圧源に結合された電極のペアの間に配置された誘電材料を有する、誘電アクチュエータ;ブレーキ力を発生するように動作可能な圧電アクチュエータであって、圧電アクチュエータは、圧電構成要素のスタックを変位させるよう動作可能な電圧源に結合されるように構成された圧電構成要素のスタックを有する、圧電アクチュエータ;またはブレーキ力を発生するように動作可能な流体もしくは油圧アクチュエータであって、流体もしくは油圧アクチュエータは、作動構成要素と、流体もしくは油圧作動構成要素に流体結合された(fluidly coupled)少なくとも1つの流体ピストンとを有し、作動構成要素は、少なくとも1つの流体ピストンから遠位に配置されるとともに少なくとも1つの流体ピストンを作動させてブレーキ力を発生するように構成される、流体もしくは油圧アクチュエータ;のうちの1つを有する。
【0007】
いくつかの例では、第1のブレーキ構成要素および第2のブレーキ構成要素は、ブレーキ力を発生するために圧縮可能な交互配置されたマルチディスク構成(interleaved multi-disk configuration)を有する。
【0008】
本明細書で開示されるのは、スレーブロボットシステムの力をマスタロボットシステムに移すための力逆送ロボットシステムであって、力逆送ロボットシステムは、複数のスレーブジョイントを含むスレーブロボットシステムと、複数のマスタブレーキジョイントを有するマスタロボットシステムであって、それぞれがマスタロボットシステムによって制御可能なスレーブジョイントのそれぞれ1つに対応する、マスタロボットシステムとを有する。各マスタブレーキジョイントは、スレーブロボットシステムによって感知された感知力に対応する制御信号に応じてブレーキ力を発生するように動作可能なアクチュエータを有する。
【0009】
本明細書で開示されるのは、スレーブロボットシステムの力をマスタロボットシステムに移す方法であって、方法は:マスタロボットシステムおよびスレーブロボットシステムを動作させるステップであって、マスタロボットシステムは、スレーブロボットシステムのスレーブジョイントに対応するマスタブレーキジョイントを有する、ステップと;力データ信号をスレーブロボットシステムからマスタロボットシステムに送信するステップと;力データ信号に対応するマスタブレーキジョイント内のブレーキ力を発生させるステップと;を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の特徴および利点は、例として本発明の特徴を一緒に説明する添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0011】
図1A】本開示の例による少なくとも1つのマスタブレーキジョイントを有するマスタロボットシステムの斜視図を示す。
図1B】本開示の例による図1Aのマスタロボットシステムによって制御可能なスレーブロボットシステムの斜視図を示す。
図2】本開示の例によるマスタブレーキジョイントの等角図を示す。
図3A】係合した構成の図2のマスタブレーキジョイントの側面図を示す。
図3B】係合解除した構成の図3Aのマスタブレーキジョイントの側面図を示す。
図4】本開示の例によるマスタブレーキジョイントの側面図を示す。
図5】本開示の例によるマスタブレーキジョイントの側面図を示す。
図6】本開示の例によるマスタブレーキジョイントの側面図を示す。
図7A】本開示の例によるマスタブレーキジョイントの等角図を示す。
図7B】係合解除した状態の図7Aのマスタブレーキジョイントの概略側面図を示す。
図7C】係合した状態の図7Aのマスタブレーキジョイントの概略側面図を示す。
図8】本開示の例による少なくとも1つのマスタブレーキジョイントを有する協調マスタロボットシステムを概略的に示す。
図9】本開示の例によるモバイルロボットリフト支援システムのための例示のオペレータ制御スキームの図形表現を示す。
図10】本開示の例によるマスタロボットシステムにスレーブロボットシステムの抵抗力を移す方法の図形表現を示す。
【0012】
ここで、図示された例示的な実施形態を参照し、特定の言語を用いてこれを説明する。それにもかかわらず、本発明の範囲の限定がそれによって意図されるものではないことを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書で使用される場合、用語「実質的に」は、動作、特徴、特性、状態、構造、アイテム、または結果の完全またはほぼ完全な範囲または程度を指す。例えば、「実質的に」囲まれた物体は、物体が完全に囲まれているかまたはほぼ完全に囲まれていることを意味する。絶対的な完全性からの逸脱の正確な許容可能な程度は、特定の状況に依存する場合もある。しかし、一般的に言えば、完了の近さは、絶対且つ完全な完了が得られたかのように(構造的および/または機能的に)同じ全体的結果を有するようになるものである。「実質的に」の使用は、動作、特徴、特性、状態、構造、アイテム、または結果の完全またはほぼ完全な欠如を指すために否定的な意味で使用される場合にも同様に適用可能である。
【0014】
本明細書で使用される場合、「隣接する」とは、2つの構造または要素の近接を指す。特に、「隣接する」と識別される要素は、当接または接続されていてもよい。このような要素は、必ずしもお互いに接触することなく互いに近くにあるまたは接近していてもよい。近接の正確な程度は、特定の状況に依存する場合もある。
【0015】
技術の実施形態の最初の要約が上記で提供され、次に特定の技術の実施形態が以下でさらに詳細に説明される。この最初の要約は、読者が技術をより迅速に理解するのを助けることを意図しているが、技術の重要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、また、請求項に記載される主題の範囲を限定することを意図するものではない。
【0016】
当業者であれば、ブレーキ力が、本明細書で説明するブレーキジョイントの任意の回転方向に加えられ得るまたは除去され得ることを理解するであろう。言い換えれば、各ブレーキジョイントは双方向に動くことができ、ブレーキ力はいずれの方向にも加えられることができる。
【0017】
図1Aおよび1Bは、マスタロボットシステム104にスレーブロボットシステム102の力逆送を移すためのシステム100を示す。一般に、マスタロボットシステム104は、スレーブジョイント108で受ける力をマスタブレーキジョイント106に反映する(reflecting)ためにスレーブロボットシステム102の対応するスレーブジョイント108に関連付けられた少なくとも1つのマスタブレーキジョイント106を有することができる。例えば、マスタブレーキジョイント106aは、人間の肘に対応する自由度(DOF)(屈曲/伸展)を有し、これは、制御されるスレーブジョイント108a(スレーブエルボジョイント)に対応し、スレーブジョイント108a内で受けた力は所望の比率でマスタブレーキジョイント106に反映されることができる。この例では、人間のオペレータは、外骨格ロボットアセンブリ(例えば、上側および/または下側外骨格)としてマスタロボットシステム104を装着することができる。マスタロボットシステムは、人間によって操作される(例えば、いくつかの例では持ち運び、装着される)システムまたはインタフェースを有することができることに留意されたい。例えば、マスタロボットシステムは、外骨格ロボットシステム、非人間型ロボットシステム(例えば、マスタコントロールアーム)、バーチャルリアリティマスタロボットシステム(ヘッドセットまたは他のユーザが装着した周辺機器とペアにされていてもよい)、および当業者には明らかである他のものを含むことができる。スレーブロボットシステムは、当業者には明らかであるように、任意のタイプの遠隔操作ロボット、無人地上ロボット、空中ロボット、人間型ロボット、ロボット脚、アームまたはハンド、仮想ロボット、仮想アバターロボット、その他を含むことができることにさらに留意されたい。
【0018】
本明細書で提供される例では、論じられるブレーキベースのジョイントは、スレーブロボットシステムを制御するように動作可能なマスタロボットシステムの一部としての入力装置に設けられる。任意の特定のマスタブレーキベースジョイントアセンブリは、以下でさらに論じるように、ブレーキベースのジョイントの1又は複数の自由度(DOF(s))に関連付けられ、スレーブロボットシステムのスレーブジョイントの対応するDOFを制御するのに使用される、位置センサおよび荷重センサを有することができる。
【0019】
具体的には、力逆送に関して、スレーブジョイント108aが抵抗力を受けるか、または制限された移動ゾーンを突破する若しくは突破しようとするとき(例えば、右のスレーブアームが壁に接触するか、質量を持ち上げるか、所与のポイントを超えて延びるなど)、抵抗力が、スレーブジョイント108aに関連付けられる荷重および/または位置センサ(例えば、図9参照)によって感知される。感知された抵抗力は、例えば、質量を保持または持ち上げることによってスレーブジョイントに加えられる重力の結果であり得る。いくつかの例では、抵抗力は、推進力のある物体、戦う兵士、落下する物体などのような、外力がスレーブロボットシステム102に作用するときのような衝撃力であり得る。いずれのシナリオにおいても、スレーブロボットシステム102は、スレーブロボットシステム102によって感知された力に対応する力逆送データ(例えば、制御信号)をマスタロボットシステム104(または他の制御システム)に送信する。次に、マスタロボットシステム104は、ブレーキジョイント106aに、スレーブジョイント108aを介してスレーブロボットシステム102が受ける抵抗力に対応する力逆送としてブレーキ力を発生させる(加えるまたは解放する)(すなわちコントローラを介して)。この力逆送は、比例するように構成されてもよいし、そうでなくてもよい。したがって、マスタロボットシステム104は、少なくともある程度、スレーブロボットが「感じる」ことを「感じる」ことができ、そのような力逆送は、(外骨格の例では)オペレータまたは例えば人間型ロボットに対する抵抗力として移動または移されることができる。マスタロボットシステム内で発生するブレーキ力は、以下にさらに説明される。特に、当業者には明らかであるように、図1Aのマスタブレーキジョイント106は、以下に論じられ且つ図2−7Bに示される例示のブレーキジョイントのいずれか、それらのいずれかの均等物、または当業者に明らかであろう他の任意のものを含み得る。
【0020】
一般に、外骨格タイプのマスタ制御装置のように、力逆送では、オペレータは、例えば(例えば、右の)マスタ制御アーム(図1A)により、(例えば、右)スレーブアームを操作するための感覚入力(sensory input)を提供される。スレーブアームがスレーブアームの経路にある可能性がある障害物に関係なくマスタアームからの位置指令を実行するように動作する位置制御とは異なり、力逆送は、スレーブアームが受けている荷重を示すために、マスタ制御アームを介してオペレータに比例フォースフィードバック(proportional force feedback)を提供する。例えば、スレーブアームが、マスタアームからの位置指令を実行している間に障害物に直面する場合、スレーブアーム上の荷重センサは、マスタ制御アームに伝達される荷重情報を提供することができ、マスタ制御アーム内で動作可能なブレーキジョイント(複数可)は、受信した荷重情報に基づいてオペレータに比例荷重を適用することができる。そのような比例荷重は、特定の動作環境およびオペレータに適用されることが望まれるものに応じて、変化してもよいし、異なっていてもよい。このようなフォースフィードバックによって、オペレータは、それが日常生活の中でオペレータ自身の体を操作するオペレータの経験により近く似ているので、動作環境においてスレーブアームをより直感的に制御することができる。例えば、物体の重さが500ポンド(227kg)である場合(それによって、重力のためにスレーブジョイントに力を加える)、オペレータが受ける比例力逆送荷重(proportional force reflected load)(すなわちブレーキ力を介して)は10ポンド(4.5kg)になる可能性がある。
【0021】
特定の態様では、力逆送の実施は、スレーブアームが衝撃事象を受けた、マスタ制御アームによってオペレータに生成される負荷の増大を含むことができる。言い換えれば、荷重センサによって感知された衝撃は、力逆送のための通常の比例設定に不相応な荷重の過渡スパイクとしてマスタ制御アームを介してユーザに反映されることができる。例えば、スレーブアームが壁に衝突するとき、スレーブアームの荷重センサが衝撃を感知する。作業者に衝撃が発生したことを警告するために、マスタ制御アームは、オペレータに衝撃を効果的に示すことができる短期間の現在の比例力逆送設定に対して、不釣合いに大きい荷重をユーザに生じさせることができる。例えば、衝撃時に生成されたオペレータへの力は、オペレータがマスタアームをさらに動かすことができないほど不釣合いに大きくなるので、ユーザの強さや既存の勢いに関係なく、マスタ制御アームのハードストップ(hard stop)を効果的に生成する。したがって、力逆送は、ロボットシステムの安全機能を提供することができる。このような動作を達成する例は、図2−9の例に関して以下でさらに論じられる。
【0022】
図1Aの外骨格の例では、マスタロボットシステム100は、各ブレーキジョイント106のセンサおよびアクチュエータのような様々な構成要素に電力を供給するように構成されたエネルギ貯蔵装置(例えば、バッテリ)を有するバックパック120を有することができる。エネルギ貯蔵装置は、一次電源、または(バックパックが外部電源に接続されている)バックアップ電源としての機能を果たすことができる。バーチャルヘッドセット122は、バックパック120に電気的に結合されることができる(または外部コンピュータシステムに通信可能に結合されることができる)。ヘッドセット122は、例えば、スレーブロボットシステム102上のカメラおよび他のセンサから送信されたリアルタイムビデオおよび他の情報を表示するように構成されることができる。代替的にまたは同時に、ヘッドセット122は、拡張現実世界または環境内で動作する特定のスレーブロボットシステムのレンダリングを含む拡張現実または仮想3次元環境を表示することができる。この方法では、スレーブロボットまたはスレーブインタフェースに関連する位置および力データが仮想世界内で決定され、次に関連したマスタブレーキジョイントの力逆送の目的でマスタロボットシステムに送信される。バックパック120は、以下にさらに説明するように、信号を受信し、処理し、送信するための様々な電気部品を有するマスタコンピュータを有することができる。
【0023】
本明細書で論じたブレーキベースのジョイント拘束機構およびシステムは、人間型ロボットのような任意のロボットアセンブリ、システム若しくは装置、または本明細書に参照による援用される2011年12月20日に出願された米国特許出願第13/332,165号に記載されたロボットアセンブリのジョイントに組み込まれることができ、この場合、オペレータに着用される外骨格は必ずしも必要ではなく、むしろオペレータはその中で教示されるように1つまたは複数のマスタ制御コントロールを操作することができるとともに、1つまたは複数のマスタ制御アームに設けられた1つまたは複数のブレーキジョイントを介してスレーブアームからの力逆送を受けることができる。基本的には、本開示は、本明細書で教示するように、抵抗またはブレーキベースのジョイント拘束機構またはシステムが、1つのロボット装置(例えば、スレーブ)からの力逆送がある割合でオペレータ(例えば、マスタ制御装置を操作するオペレータ)に転送されることを所望される、あらゆるタイプのロボットまたはロボット装置で用いられることができることを想定している。
【0024】
図2、3A、および3Bは、上で説明され、図1Aおよび1Bに示されるような、マスタロボットシステムを通じてオペレータに抵抗力を伝達するように動作可能なマスタブレーキジョイント200(または「ブレーキアセンブリ」)の一例を示し、力はスレーブロボットシステムからの力逆送に対応する。図2はマスタブレーキジョイント200を示しており、図3Aは、係合構成Eのブレーキジョイント200の側面図を示し、図3Bは、非係合構成Dを示す。
【0025】
ブレーキジョイント200は、第1のロボットリンク203a(例えば、ジョイントを介して移動可能な第1の支持部材)と関連付けられ且つ動作可能な第1のブレーキ構成要素202aと、第2のロボットリンク203b(例えば、ジョイントを介して第1の支持部材に対して移動可能な第2の支持部材)に関連付けられ且つ動作可能な第2のブレーキ構成要素202bを有することができる。第1および第2のロボットリンク203aおよび203bは、図1Aの外骨格タイプのマスタロボットシステムの支持部材のような、マスタロボットアセンブリの剛性支持部材(例えば、アルミニウム、鋼など)または他のタイプの支持部材(例えば、ばねタイプ)であることができる。第1および第2のロボットリンク203aおよび203bは、それぞれ第1および第2のブレーキ構成要素202aおよび202bに堅固に取り付けられているものとして一般的に示されている。当業者であれば、様々な中間のまたはアダプタロボット支持部材インタフェース構成要素のような追加構成要素、または(例えば、以下に論じられる図7Aと同様の)ブレーキジョイント200を収容するハウジングを介するなどの任意の適切な手段を使用して結合または接合されることができることを認識するであろう。
【0026】
上述したように、本明細書で論じられる例示的なブレーキジョイントは、入力マスタブレーキジョイントを含むことができ、これは、それらが、抵抗ベースのブレーキ機構を介してマスタロボットシステム内にジョイント拘束機能を提供することができるとともに、マスタスレーブシステムのための入力機能を(同時に)提供することができることを意味する。したがって、ブレーキジョイント200は、ブレーキジョイント200および/またはそれと共に動作可能な支持部材もしくはリンク内で動作可能な位置センサおよび/または荷重センサを有することができる。
【0027】
第1および第2のブレーキ構成要素202aおよび202bは、並行してトルクをもたらすマルチディスク構成(例えば、一種の交互配置されたシートブレーキ構成(interleaved sheet brake configuration)を形成する複数のディスク)を有することができる。より具体的には、第1のブレーキ構成要素202aは、内側cチャネル部材204aおよび外側cチャネル部材204b(各々がcチャネル構成を有する)を有することができる。内側のcチャネル部材204aは、上側圧縮ディスク206aと下側圧縮ディスク206bとの間に延びる内側中央支持部209の周りに一緒に形成された、上側圧縮ディスク206aおよび下側圧縮ディスク206bを有することができる。同様に、外側cチャネル部材204bは、上側圧縮ディスク210aと下側圧縮ディスク210bとの間に延びる外側中央支持部211の周りに一緒に形成された上側圧縮ディスク210aおよび下側圧縮ディスク210bを有することができる。内側中央支持部209および外側中央支持部211は、内側cチャネル部材204aと外側cチャネル部材204bとが固定され且つ互いに対して移動不能であるように、(例えば、接着剤または他の固定手段によって)一緒にしっかりと固定されることができる。図示されているように、圧縮ディスク206a、206b、210aおよび210bが、それらの外周輪郭に沿っておよび軸Aの周りに互いに実質的に整列するように、内側cチャネル部材204aは外側cチャネル部材204b内に入れ子にされることができ、圧縮ディスク206a、206b、210aおよび210bは、同様のサイズおよび構成である。
【0028】
圧縮ディスク206aおよび210aは、一対の上側圧縮ディスク214a(上側圧縮ディスク214aのペア)を集合的に有し、圧縮ディスク206bおよび210bは一対の下側圧縮ディスク214b(下側圧縮ディスク214bのペア)を集合的に有する。内側及び外側cチャネル部材204a及び204bは、一対の上側圧縮ディスク214aが上側ギャップ216a(図3A)を画定し、一対の下側圧縮ディスク214bが下側ギャップ216bを画定するように、寸法決めされるとともに構成される。上側および下側ギャップ216aおよび216bは、互いに実質的に平行であることができる(例えば、ギャップは、図3Aに見られるようにそれぞれの平行な水平面の周りに位置する)。
【0029】
第2のブレーキ構成要素202bは、それぞれが中央支持部213の周りに支持された、空間的に分離され互いに平行な上側圧縮ディスク208aおよび下側圧縮ディスク208bを有する単一のcチャネル部材を有することができ、ロボットリンケージ203bは、中央支持部213に結合されるか、さもなければ接合される。
【0030】
第1および第2のブレーキ構成要素202aおよび202bのそれぞれは、(商標名Tufram(登録商標)またはTiodize(登録商標)またはHardtufの下で提供されるような)テフロン(登録商標)含浸アルミニウム(Teflon impregnated aluminum)で構成されることができる。複合材(例えば、PTFE−PTFE、FEP−FEP、PFA−PFA、PTFE−PEEK)のような他の材料を使用することができる。荷重下の摩耗速度、摩擦係数対荷重、静止摩擦係数と動摩擦係数との間の相対的な差、およびコスト節減の最良の全体的な組み合わせを有する材料が望ましい。
【0031】
第1および第2のブレーキ構成要素202aおよび202bは、ブレーキジョイント200を形成するために互いに嵌合するように、およびブレーキジョイント200とともに動作可能な第1および第2のロボットリンク203a、203bの相対的な動きを拘束するブレーキ機能を提供するよう一緒に機能するように、寸法決めされるとともに構成される。具体的には、第2のブレーキ構成要素202bの上側圧縮ディスク208aは、上側平行ギャップ216a内に摩擦的に(frictionally)および(回転軸Aの周りに)回転可能に配置され、第2のブレーキ構成要素202bの下側圧縮ディスク208bは、下側平行ギャップ216b内に摩擦的におよび(回転軸Aの周りに)回転可能に配置される。以下でさらに説明するように、第1の方向(図3A)のアクチュエータ218の作動時に、第1のブレーキ構成要素202aの一対の上側圧縮ディスク214aは、第2のブレーキ構成要素202bの上側圧縮ディスク208aを「はさむ(pinch)」または圧縮させられ、同時に第1のブレーキ構成要素202aの一対の下側圧縮ディスク214bは、第2のブレーキ構成要素の下側圧縮ディスク208bをはさむまたは圧縮させられ、これは、(ブレーキジョイント200の回転方向に関係なく)ブレーキジョイント200内に抵抗ベースのブレーキ力を共同で発生させ、ブレーキ力は、第2のロボットリンク203bに対する第1のロボットリンク203aの動きを拘束する。特に、図示の例のように、第1および第2のブレーキ構成要素202aおよび202bの圧縮ディスクは、それぞれの大きさに対して比較的薄い(すなわち、薄型(thin profile)設計を有することができる)cチャネル部材を有することができ、それぞれは丸みを帯びたコーナ移行部を有する単一のアルミニウム片から形成される。したがって、圧縮ディスクは、抵抗ベースのブレーキ力を容易にもたらす(facilitate)ために(作動時に)僅かに屈曲(flex)または反る(deflect)ことができる。もちろん、当業者であれば、第2のブレーキ構成要素が第1および第2のcチャネル部材を有し、第1のブレーキ構成要素が、第2のブレーキ構成要素の第1および第2のcチャネル部材によって形成される上側および下側ギャップ内に嵌合するように動作可能な単一のcチャネル部材を有するように、第1および第2のブレーキ構成要素を逆の態様で構成することができることを認識するであろう。加えて、当業者であれば、圧縮ディスクは様々な異なる方法で構成されることができ、これらを様々な異なる方法で互いに支持されることができることを認識するであろう。このように、図面に示され、本明細書で論じられるそれらの特定の例は、決して限定することを意図しない。
【0032】
一例では、アクチュエータ218は、支持ハウジング222に結合された電気モータ220を有することができる。モータ220はまた、第1のブレーキ構成要素202aの上側圧縮ディスク206aおよび下側圧縮ディスク206bのいずれかから離れて(すなわち、接触していない)モータ220およびハウジング222を空間的に位置決めする方法で、第1のブレーキ構成要素の内側cチャネル部材204aの内側中央支持部209に固く結合されることができる(図3A参照)。支持ハウジング222は、電気モータ220によって提供される回転運動を減速する伝動部品(図示せず)を収容することができる。アクチュエータは、電気モータ220(または伝動装置)がアクチュエータシャフト224に回転運動を伝達するように構成されることができる。アクチュエータシャフト224は、ブレーキ力の発生を容易にする(すなわち、発生するブレーキ力の量を増減させる)とともに、ブレーキ力の除去を容易にするように、アクチュエータシャフト224の中心軸X周りに電気モータ220により双方向に回転されることができる。アクチュエータシャフト224の双方向回転は、ブレーキジョイントがジョイントの任意の回転方向にブレーキ力を適用/除去するように任意の方向に回転されることに適用されることができる。別の例では、バネのような弾性要素が、アクチュエータシャフト224を時計方向(すなわち、「オフ」位置)に回転付勢する(rotatably biases)よう方法でアクチュエータシャフト224に結合されることができるので、電気モータ220が作動力を解放または除去するとき、弾性要素はそれに応じてアクチュエータシャフト224を自動的に付勢または移動させる。
【0033】
作動部材226は、アクチュエータシャフト224に固定して取り付けられることができる。作動部材226は、アクチュエータシャフト224の少なくとも一部を受け入れるための開口を内部に有するブロック状または他の剛性ボディ構造228を有することができ、それによって、アクチュエータシャフト224への作動部材226の結合を容易にする。作動部材226の剛性ボディ(rigid body)228は、開口部およびアクチュエータシャフト224から反対方向に伸びる第1および第2のアームをさらに有することができ、アームの各々は、第1および第2のブレーキ構成要素202a、202bの一方または両方と解放可能に係合する(すなわち係合および解放する)とともにその一方または両方と相互作用する(interface with)ように構成された端部を有する。動作中、アクチュエータシャフト224の第1の方向(例えば反時計回り方向(図3Aの矢印B))の回転は、作動部材226を同様に回転させる。十分に回転すると、作動部材226の剛性ボディ228のアームは、第1のブレーキ構成要素202aの上側圧縮ディスク206aおよび下側圧縮ディスク206bに同時に係合し、力を加える。このような回転作動は、第2のブレーキ構成要素202bの上側および下側圧縮ディスク208aおよび208bを、圧縮ディスクの上側および下側の対214a、214bそれぞれの間で圧縮することによってジョイントブレーキ力を発生させる。この圧縮ブレーキ構成は、図3Aに示され、ブレーキジョイント200は係合した構成にある。係合した構成では、ブレーキジョイント200は、少なくとも部分的にブレーキを掛けられ、対応する力をオペレータに伝達することができ、オペレータは、操作されるマスタロボットシステムが動作される中である程度の抵抗を経験することができる。
【0034】
逆に、図3Bに示すように、作動部材226を第2の反対方向(例えば、矢印Cで示す時計回り方向)に回転させることは、作動部材226が第1のブレーキ構成要素202aの上側および下側圧縮ディスク206aおよび206bを解放または係合解除しその圧縮ディスク206aおよび206bから離れて回転するにつれて加えられるブレーキ力を減少させ、最終的に除去する方向に作動部材226の剛性ボディ228のアームを移動させる。言い換えれば、この方向の回転は、第1および第2のブレーキ構成要素202a、202bの様々な圧縮ディスクが、作動部材226の回転の程度に応じて実質的に圧縮を減らされる(decompressed)ようにする。図3Bの圧縮ディスクは例示の目的で互いに分離して示されているが、実際には、隣接するディスクは互いに摺動可能に係合されることができ、ブレーキ力が作用しない場合やロックブレーキ力が作用しない場合のような、それらの間に摺動可能な回転を提供する。様々な圧縮ディスクは、ブレーキジョイントを通常のジョイントとして機能することを可能にするために、互いに対して摺動可能であることが意図されている。一態様では、圧縮ディスクは、例えばテフロン含浸アルミニウムから形成される結果として、比較的低い摩擦係数を有することができる。したがって、隣接するディスクは、互いにある程度の接触を有する可能性が高いため、アクチュエータ218は、ブレーキ力を加える/増加させるおよび/または低減/除去するために作動部材226がディスクを非常に遠くに(例えば、直線的に数ミリメートル)移動させることを必要としないように構成されることができる。例えば、圧縮ディスク206aと206bとの間の距離、および作動部材226のアームの長さは、作動部材226が比較的大きいブレーキ力を与えるよう数度以上だけ回転される必要があるように、設計され且つ調整されることができる。この1つの利点は、作動部材226を作動させ、ブレーキジョイント200内に十分なまたは所望のブレーキ力を加えるために、少量の電気エネルギしか必要とされないので、電力要求が最小にされることができることである。この構成は、各ブレーキジョイントの消費電力を最小化するのに貢献し、これは、マスタロボットシステム全体の電力要件を最小限に抑え、これにより、たとえばバッテリまたは別の減少型の電源で動いている場合に、モバイルマスタロボット外骨格が操作されることができる時間が増加する。
【0035】
モータ220は、モータ220およびブレーキジョイント200のオペレータ制御を容易にするために、マスタロボットシステム(例えば、図1および9)のコンピュータまたはプロセッサに電気的におよび通信可能に(無線でまたは直接有線で)結合されることができる。例えば、オペレータは、上述のようにアクチュエータシャフト224および作動部材226の回転方向、トルク、および速度を制御して、対応するスレーブジョイントが受ける力逆送に対応する特定の可変のブレーキ力を達成することができる。さらに、作動部材226の回転の程度、速度および大きさを制御することによって、ブレーキジョイント200は、スレーブジョイントにおける力およびマスタロボットシステムが受けるその結果生じた力逆送が、スレーブジョイントのマスタ制御中に、または必要に応じて若しくは要望通りに、変化するときのように、動的ブレーキ力を発生するように動的に制御されることができる。換言すれば、スレーブジョイントにおける所与の力に対して、ブレーキジョイント内で発生するブレーキ力の大きさは、オペレータが異なる程度の抵抗を経験することができるように、制御および変更されることができる。ブレーキジョイント内で発生することができるブレーキ力は、ブレーキ力が印加されていない状態と、ブレーキジョイントがある程度の抵抗で依然として回転することが許容される抵抗ブレーキ力と、ブレーキジョイントに完全にブレーキをかけそれをロックする間の範囲であることができる。
【0036】
いくつかの例では、「可変」ブレーキ力は、バイナリのブレーキ力の適用および除去(すなわち、「オン」または「オフ」のいずれか)を効果的に含むことができることが理解されるべきである。言い換えれば、可変ブレーキ力を加えることができるシステムでは、単一のまたは第1の大きさを有するブレーキ力のみが加えられ、その後除去されることができることを必要とされない。具体的には、ゼロブレーキ力が特定のブレーキジョイントによって達成されることができ(すなわち、ゼロの力がアクチュエータによって加えられる)、またはフル/最大ブレーキ力が前記ブレーキジョイントによって経験される(すなわち、アクチュエータが動作又は出力の最大範囲まで完全にかけられ、ブレーキジョイントが完全にロックされる)。したがって、ブレーキ力は、第1の大きさを有することができる、または、可変でないことができる。他の例では(または同じバイナリの例と併せて)、「可変」ブレーキ力を有する特定のブレーキジョイントは、ブレーキ力がゼロブレーキ力から最大ブレーキ力まで(ゼロブレーキ力と最大ブレーキ力を含む)の範囲内で変化することができることを意味する、このようなブレーキ力は、スレーブロボットシステムの動作中に特定のスレーブジョイントが変わる/変化する力を受けるようにリアルタイムで変化することができる。ブレーキ力を変化させることにより、達成可能な複数の大きさのブレーキ力をブレーキジョイントに与えることができる。
【0037】
一態様では、作動部材226は、上述したような剛性ボディ228を有することができ、さらに、剛性ボディ228の反対に延びるアームのそれぞれの端部に回転可能に結合または他の方法で支持される第1または上側ローラ230aおよび第2または下側ローラ230bを有することができる。剛性ボディ228は、スチール、アルミニウム、チタンなどのような金属からなる細長い丸い矩形形状のボディとして構成されることができる。各ローラ230aおよび230bは、作動部材226をモータ220により回転させると、ローラ230aおよび230bが、それらがそれぞれ上側圧縮ディスク206aおよび下側圧縮ディスク206bと接触するときそれぞれ上側圧縮ディスク206aおよび下側圧縮ディスク206bの表面の周りを自由に転がるまたは回転するように、ピン留め具(図示せず)によってアクチュエータボディ228の端部に回転可能に結合されることができる。この「転がり(rolling)」構成は、ブレーキジョイント200が操作されるときに、作動部材226と第1および第2のブレーキ構成要素のディスク206a、206bとの間の摩擦を低減するという利点を提供し、この低減された摩擦は、作動部材226(およびディスク)の摩耗を最小にするようにも機能する。この摩擦の減少は、第1および第2のブレーキ構成要素の周りに接触して摺動するが、ローラを全く伴わない、同様に反対に延びるアームを有する作動部材によって生成される摩擦に対する減少を示す。
【0038】
別の態様では、作動部材226はローラなしで構成され得る。実際には、ローラ230a、230bは必要ではないが、これらがなければ、作動された作動部材226は、同じディスク表面の周りを摺動するようにされ、増加した量の表面摩擦が発生し得る。作動部材226の時間および繰り返された作動により、ローラを組み込んだ作動部材と比較して、様々な部品の摩耗がより大きくなる可能性がある。これはまた、ローラを有する作動部材の使用と比較して、存在しないか、または低減され得るいくつかの非効率をもたらす可能性がある。
【0039】
さらに別の態様では、他のタイプの摩擦低減部材が、作動部材226のアームの端部の周りに形成または結合されることができ、これは、作動部材226とディスクとの間の低減された摩擦を提供または促進する。例えば、これは、作動部材226の剛性ボディ228を構成する材料の静止摩擦係数より小さい静止摩擦係数を有する材料で形成された静止摩擦低減インサートを含むことができる。したがって、ローラまたは他の何らかの摩擦低減部材を使用することによって、作動部材226の寿命を最大にすることができ、これによりブレーキジョイント200の寿命を延ばすことができる。1つのテストでは、ブレーキジョイント200の動作寿命は全負荷で10,000サイクル以上であった。特に、アクチュエータシャフト224の中心軸Xは、ブレーキジョイント200の中心線に沿って近接して配置され、これは、モータの軸受荷重を低減するのに役立つ。
【0040】
ブレーキジョイント200は、ローラ230aおよび230bが、ブレーキジョイント200の回転軸Aに近接してまたはその回転軸Aに、上側圧縮ディスク206aおよび下側圧縮ディスク206bそれぞれの特定の表面位置に接触するように構成されることができる。言い換えると、そのような面接触位置は、第1および第2のブレーキ構成要素202aおよび202bの外周部分より回転軸Aに近くなるようにされることができる。しかし、ブレーキジョイントがオペレータの手に関連付けられている場合、ブレーキジョイントは、指の間の限られたスペースのために、指(digits)/指(fingers)の周りまたは上に配置されることができる。本明細書で説明する他のアクチュエータのそれぞれは、それぞれのブレーキジョイントの回転軸に近接してまたは回転軸に配置されることもできる。
【0041】
図2に示すように、合計6つのディスクがブレーキジョイント200に組み込まれ、各ディスクの表面積は比較的大きい(実際上、ブレーキジョイント全体の外側境界を画定する)。この構成では、アクチュエータ220によってディスクに加えられる圧縮荷重は、ディスクの各表面の広い領域にわたって分散させることができる。また、テフロン含浸アルミニウムまたはPTFEグラファイト複合材からなるブレーキ構成要素202aおよび202bを実施する場合、一例では、摩耗指数は約5×10−9から10−8mm/Nであり、10ブレーキディスクについては約5マイクロメートル/ディスクのオーダーである。
【0042】
第1および第2のブレーキ構成要素202aおよび202bが低摩擦材料からなる場合、ブレーキジョイントは、発生するブレーキ力の量に対して非常に軽量であることができる。さらに、作動部材226によって与えられる複動(double acting)または双方向(bi-directional)の並列ブレーキ力(parallel braking force)は、一方向アクチュエータに比べて総ブレーキ力およびトルクを2倍(またはそれより多く)だけ効果的に増加させることができる。例えば、肩屈曲/伸展DOF用のマスタブレーキジョイントでは、可動域(ROM)は約240−270度を目標とすることができる。肩ブレーキジョイント(例えば、ブレーキジョイント200に類似するジョイント)は、テフロン含浸アルミニウム(または複合材)で形成することができ、直径約2インチ(5センチ)、高さ1インチ(2.5センチ)であり、約60グラムの重さとすることができる。ブレーキトルクの最大値は約30N−mであり、ブレーキトルクの最小値(例えば、ブレーキ力が加えられていないジョイントが「フリースイング(free swing)」モードにある状態)は、約0.2−0.4N−mであることができる。閉ループトルク帯域幅は、−3dBで約20から30Hzであることができる。最終的に、トルク対重量比は約500N−m/kgであることができ、これはわずか60グラムの重さの直径2インチのマスタ入力ブレーキジョイントにとって非常に大きい。理解されるように、ブレーキジョイント200(および本明細書で論じられる他のもの)は、コンパクトで低コストで低出力のパッケージにおいて非常に高いトルク対重量比を有することができる。
【0043】
図4、5および6は、図2−3Bの一対の上側および下側圧縮ディスク214aと214bとの間に配置することができる動的制御アクチュエータの他の例示的なタイプを示す。
【0044】
例えば、図4を参照すると(及び図2−3Bに示される特徴を同時に参照すると)、圧電アクチュエータ400が、ブレーキジョイント402に関してブレーキ力を発生するように動作可能である。圧電アクチュエータ400は、図2−3Bの作動部材226を効果的に置換することができる。図2−3Bに示すブレーキジョイント202の他の同様のまたは類似の構成要素および要素の多くは、図示されているように、この例に含まれており、圧電アクチュエータ400と共に動作可能であるが同様の方法で機能することができる。このように、ブレーキジョイント402は、本明細書では、図5、並びに圧電アクチュエータ400および圧電アクチュエータ400を作動させるためのソースは別として同様の構成要素および要素を含む図5の例とともに、図2−3Bを参照して論じられる。圧電部材404は、第1のブレーキ構成要素202aによってしっかりと支持されているハウジング422によって構造的に支持されることができる(ハウジング422は全体的な支持ハウジングであるが、ハウジング222と形状および機能が類似し得る)。他の適切な支持構造手段が実装されることができる。圧電部材404は、圧電部品406のスタックと、上側バイアス部品408aおよび下側バイアス部品408bとを有することができる。
【0045】
圧電部品406のスタックは、電圧源407に電気的に結合された複数のセラミック圧電デバイスであることができ、この電圧源は、ブレーキジョイント402によって支持された局所バッテリまたは、マスタロボットシステムのもののような遠位に配置された電源のいずれかであることができる。スタック406に電界が印加されると、それは印加された電界にほぼ比例した変形を受けることができる。ブレーキジョイント402に実装されることができる様々なタイプの圧電アクチュエータがある。例えば、決して限定することを意図するものではなく、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)のような圧電セラミックをベースとする圧電アクチュエータは、大きな応力性能(stress capabilities)(約40MPa)を有し、高周波(100kHz以上)で動作可能であり、誘発された応力に耐えるために無視できるまたは最小限の電力しか必要としない。それらはまた、低い最大歪み(〜10−3)を有しながらナノ変位位置ステージに非常に適するようにする、非常に高い変位分解能を有する。いくつかの利用可能な圧電アクチュエータは、ピエゾスタック増幅機構を提供するPI Ceramic CompanyおよびCedrat Technologies社によって製造されるもののような、低歪みおよび高いブロッキング力を有する。したがって、圧電アクチュエータ400は、低減された力能力(force capability)を有するそのような運動増幅機構をさらに有することができる。他のタイプの圧電アクチュエータは、電界によって作動されるときディスク間の摩擦力を増加させる1つまたは複数のディスクを変形させるように動作されることができる表面実装圧電アクチュエータを含むことができる。他の構成は、材料片をより厚くするように締め付け、それによってディスクに対してブレーキ力を発生するように動作可能な圧電アクチュエータの組み込みを含む。例えば、ゴムのシートが、圧電アクチュエータに結合され、圧電アクチュエータの作動時にその平面に沿って収縮するような方法で、対向するディスクの近くにまたはそれに接して配置され、この圧電アクチュエータは、平面に垂直にゴムシートを変形させ、それによって、このように収縮するときより厚くなる。別の例では、圧電素子のスタックが、対向するディスクの間に螺旋状に配置されることができ、その全長は、その螺旋形状の固有の機械的利点によって変化し得るので、スタックが生成する小さい変形は、ディスクの圧縮を引き起こすように機械的に効果的に増幅される。
【0046】
図4に示すように、スタック406に所定の電界が印加されると、上側バイアス部品408aは、上側圧縮ディスク206aに力を加えるように(例えば、電界に比例する距離)変位する一方、下側バイアス部品408bは、下側圧縮ディスク206bに力を加えるように反対方向に同時に(例えば、電界に比例した距離)変位する。図2−3Bに関して説明したように、そのような複動または双方向の並列作動は、圧縮ディスクの上側の対214aに上側圧縮ディスク206aを摩擦圧縮させ、圧縮ディスクの下側の対214bに下側圧縮ディスク206bを摩擦圧縮させるので、回転に際し、この動作がブレーキジョイント402内にブレーキ力を発生させ、このブレーキジョイントは、ブレーキ力が、第1のロボットリンク203aと第2のロボットリンク203b(例えば、図2)との間に加えられるように、ロボットジョイントに組み込まれることができ、このブレーキ力は、対応するスレーブジョイントから発生し反映(逆送)される力に対応することができる。
【0047】
逆に、電界を所定量減少/切替え(または除去)することは、スタック406を、印加された電界の量に比例して互いの方向に縮めさせるまたは「収縮」させる。その結果、上側および下側バイアス部品408aおよび408bは互いに向かって移動し、それによって、ブレーキジョイント402に関するブレーキ力が低減または除去する。
【0048】
図5は、ブレーキジョイント502に関してブレーキ力を発生するように動作可能な誘電アクチュエータ500を有するブレーキジョイント502のためのアクチュエータの別の例を示している。誘電アクチュエータ500は、図2−3Bのアクチュエータ218を効果的に置換することができる。図2−3Bに示すブレーキジョイント202の他の同様のまたは類似の構成要素および要素の多くは、図示されているように、この例に含まれており、誘電アクチュエータ500と共に動作可能であるが同様の方法で機能することができる。このように、ブレーキジョイント502は、本明細書では、図5、並びに誘電アクチュエータ500および誘電アクチュエータ500を作動させるためのソースは別として同様の構成要素および要素を含む図5の例とともに、図2−3Bを参照して論じられる。
【0049】
誘電アクチュエータ500は、第1のブレーキ構成要素202aの中央支持部分209によってしっかりと支持されることができるハウジング522によって構造的に支持される誘電部材504を有することができる(ハウジング522は、全体的な支持ハウジングであるが、形状および機能はハウジング222と同様であり得る)。誘電部材504は、図示のように、第1の可撓性電極507aと第2の可撓性電極507bとの間に配置された誘電性エラストマー部材506(例えば、カーボンブラックとグラファイト材料で形成されたもの)を含むことができる。第1のバイアス部品508aおよび第2のバイアス部品508bはそれぞれ、パッケージ化された誘電性エラストマー部材506並びに電極507aおよび507bの端部に固定されることができる。第1および第2のバイアス部品508aおよび508bは、例えば、摩擦を低減し、重量を低減する異なる適切な形状および形態のような、様々な異なる構成を有することができる。
【0050】
誘電アクチュエータ500は、誘電アクチュエータ500を作動させるように動作可能な電圧源505をさらに有する。第1と第2の電極507aと507bとの間に電界が印加されるとき、それらは互いに引き付けられ、印加された電界の電圧に比例する内方へ横方向の距離(すなわち、互いに向かって)動かされる。このような内方への移動は、誘電性エラストマー部材506を伸張させて膨張させ、それにより上側バイアス部品508aを(電界に比例した距離)変位させて、上側の圧縮ディスク206aに力を加えて付勢させる一方、下側バイアス部品508bは、同時に、反対方向に(電場に比例した距離)変位して、下側圧縮ディスク206bに力を加えて付勢する。具体的には、図2−3Bに関して同様に説明したように、このような複動または双方向の作動は、圧縮ディスク214aの上側の対に上側圧縮ディスク206aを摩擦圧縮させ、圧縮ディスク214bの下側の対に下側圧縮ディスク206bを摩擦圧縮させるので、回転に際し、この動作は、ブレーキジョイント502内にブレーキ力を集合的に発生させ、このブレーキジョイントは、ブレーキ力が、対応するスレーブジョイント(例えば、図1Bのスレーブジョイント108を参照)から発生し反映(逆送)される力に対応するように第2のロボットリンク(例えば、図2の第2のロボットリンク203bを参照)に対して第1のロボットリンク(例えば、図2の第1のロボットリンク203aを参照)の間に加えられるように、ロボットジョイントに組み込まれることができる。
【0051】
逆に、電界を所定量減少/切替えまたは除去することは、誘電アクチュエータ500を、印加電界に比例して、またはその非存在下で、縮めさせるまたは「収縮」させる。その結果、第1および第2のバイアス部品508aおよび508bは、互いに向かって移動し、それによって、ブレーキジョイント502内に存在するブレーキ力を低減または除去する。
【0052】
誘電アクチュエータは、ストローク当たりの単位体積当たりの大きな仕事(式Wc、Vによって提供されるような〜3.4MJ/m)が可能となり、歪みが100%を超える可能性があるため、有利であり得る。すなわち、歪みは、基準長さに対するボディ内の粒子間の変位を表す変形の尺度であるため、誘電アクチュエータは、元の100%の基準長さを超えて歪むことができる。さらに、所与の荷重を支えるためには無視できる電力が必要である。例えば、Parker Hannifin Corporationは、この例に従うブレーキジョイントを提供するのに適した誘電アクチュエータを市販している。
【0053】
別の例は、電気の供給に際し、それらがより厚くなり、それによって対向するディスクを付勢してディスクの周りにブレーキ力を発生させるように、シート状構成に一緒に配置された誘電体材料の複数のシートまたは層を有する誘電アクチュエータである。
【0054】
図6は、ブレーキジョイント602に関してブレーキ力を発生するように動作可能な油圧アクチュエータ600(または空気圧ガスアクチュエータのような他の流体アクチュエータ)の形態のアクチュエータの別の例を示す。油圧アクチュエータ600は、図2−3Bの作動部材226を効果的に置換することができる。図2−3Bに示すブレーキジョイント202の他の同様のまたは類似の構成要素および要素の多くは、図示されているように、この例には含まれており、油圧アクチュエータ600と共に動作可能であるが同様の方法で機能することができる。このように、ブレーキジョイント602を図6、並びに油圧アクチュエータ600および油圧アクチュエータ600を作動させるためのソースは別として同様の構成要素および要素を含む図6の例とともに、図2−3Bを参照して論じられる。一例では、油圧アセンブリ604は、第1のブレーキ構成要素202aの中央支持部分209によってしっかりと支持されることができるハウジング622によって構造的に支持されることができる。油圧アセンブリ604は、作動油圧流体(または空気流体)を収容するハウジング605を有することができる。上側ピストン608aおよび下側ピストン608bは、(図示のように)ハウジング605の対向する端部またはその周りに移動可能に支持され、位置決めされることができる。
【0055】
油圧作動機構620(または、空気圧ガス機構のような他の流体作動機構)は、圧力ライン622を介してハウジング605に作動流体を供給するために、ハウジング605に流体的に結合されることができる。油圧作動機構620は、コンパクトなマスタシリンダ構成を有することができる。したがって、油圧作動機構620のボールネジとともに動作可能なコンパクトな電気モータがハウジング605内の液圧を制御するために操作されることができる。例えば、油圧作動機構620は、ハウジング605に所定の流体圧を加えるように構成されることができ、ハウジング605内の流体圧力は、上側ピストン608aを(加えられた流体圧力に比例した距離)変位させて、上側圧縮ディスク206aに力を加えるとともに付勢する一方、下側ピストン608bを(加えられた流体圧力に比例した距離)変位させて、下側圧縮ディスク206bに力を加えるとともに付勢する。
【0056】
図2−3Bに関して説明したように、このような双方向作動は、圧縮ディスク214aの上側の対に上側圧縮ディスク206aを摩擦圧縮させ、圧縮ディスク214bの下側の対に下側圧縮ディスク206bを摩擦圧縮させるので、回転に際し、この動作は、ブレーキジョイント602内にブレーキ力を集合的に発生させ、このブレーキジョイントは、ブレーキ力が、(例えば、図1Aおよび図1Bのように)対応するスレーブジョイントに発生し、スレーブジョイントから逆送(反映)される力に対応するように、第2のロボットリンク203b(図2)に対する第1のロボットリンク203aに関して印加されるように、ロボットジョイントに組み込まれることができる。逆に、流体圧を所定量減少または除去することは、ピストン608aおよび608bを、減少または除去される流体圧力に比例して互いに近づくように後退させ、それによってブレーキジョイント602内に存在するブレーキ力を低減または除去する。
【0057】
一例では、油圧作動機構620は、ブレーキジョイント602から遠位にまたは離れて配置されることができる。例えば、マスタロボット外骨格の中央制御領域または他の構造のように、ロボットアセンブリ上の異なる位置に離れて配置されることができる。この配置は、オペレータによって操作されるマスタアーム上の遠位重量を非常に低く保ちながら、比較的大きな力を発生する手段を提供することができる。
【0058】
アクチュエータのいくつかの例が上に開示され議論されているが、これらは決して限定することを意図するものではない。実際、さらに他のタイプのアクチュエータが、圧縮ディスクの上側および下側の対214aおよび214bの間に配置されることができ、図2−6を参照して上で論じられた例と同様の適切に構成されたブレーキジョイント内でブレーキ力を発生するように、構造的に支持されて作動されることができることが想定される。これらは、本明細書で詳述されていないが、当業者であれば、このようなアクチュエータのタイプがブレーキジョイント内にブレーキ力を加えるために実現されることができることを認識するであろう。いくつかの例が以下に示される。
【0059】
一例では、磁歪材料のロッドの周りに巻かれたコイルのようなデバイスによって発生する印加磁場にさらされたときに形状が変化する磁歪アクチュエータが実施されることができる。例えば、TERFENOL−D(Tb0.3Dy0.7Fe1.92)は、すべての合金の最も高い報告された歪み(〜2×10−3)を有することで注目に値する。磁歪アクチュエータは、比較的低い電圧で動作することができるという点で、圧電アクチュエータに優る利点を有する。
【0060】
別の例では、形状記憶合金(SMA)がアクチュエータとして組み込まれることができ、SMAは、高温相(オーステナイト相)と低温相(マルテンサイト相)の2つの安定相の間で熱誘起相転移を受けると形状を変える。妥当なコスト、非毒性、非常に大きな発生応力(〜200MPa)、および無負荷歪み(〜0.04)のために、ニッケルチタン合金NiTi合金を使用することができる。
【0061】
さらに別の例では、Ni−Mn−Ga合金のような磁気形状記憶合金(MSMA)が、アクチュエータとして組み込まれることができる。これらは、適度に高い応力、動作周波数、および長いサイクル寿命で、大きな可逆磁場誘起歪みを提供する。
【0062】
さらに別の例では、コイルを形成するようにねじられた導電性ナイロン縫い糸を含む様々な材料から製造することができるアクチュエータとして超螺旋(super-coiled)ポリマー(SCP)が組み込まれることができる。コイルの長さは、加熱および冷却によって制御されることができる。いったん(繰り返される加熱と冷却サイクルにより)適切に前処理されれば、SCPアクチュエータは、ねじられた糸を流れる電流(したがって熱)を制御することによって、制御された方法で収縮および伸張させることができる。
【0063】
図7A−7Cは、図1Aおよび1Bに関して説明したようなスレーブロボット装置又はシステムで発生した力に対応するように、マスタロボットシステム(例えば、オペレータが着用するか、またはその他の方法でオペレータとインタフェースする)に力逆送を提供するように動作可能なブレーキジョイント700(または「ブレーキアセンブリ」)の別の例を示す。図7Aは、ブレーキジョイント700の等角図を示す。図7Bは、係合した構成または状態のブレーキジョイント700の一部の側面図を示し、図7Cは、係合解除された構成または状態のブレーキジョイント700の一部を示す。
【0064】
ブレーキジョイント700は、第1のロボットリンク703aに関連付けられる第1のブレーキ構成要素702aと、第2のロボットリンク703bに関連付けられる第2のブレーキ構成要素702bとを有することができる。第1および第2のロボットリンク703aおよび703b(一般に示されている)は、図1Aのマスタロボット装置(例えば、外骨格タイプのロボット装置)内のオペレータの腕の周りの上側および下側支持部材のような、ロボットアセンブリの剛性支持部材(例えば、アルミニウム、鋼、複合材など)であることができる。ロボットリンク703aおよび703bは、代わりに、第1および第2のロボットリンク703a、703bがジョイントの周りに互いに回転可能である任意の考えられるタイプのロボット装置内の支持部材を有することができる。
【0065】
図7Aに示すように、第1および第2のロボットリンク703aおよび703bは、それぞれ上側ハウジング705aおよび下側ハウジング705bに堅固に取り付けられ、結合され、接合されまたは一体的に形成されることができ、第1および第2のロボットリンク703aおよび703bは、ブレーキジョイント700の軸Yの周りに互いに相対的に回転するように構成されるとともに動作可能である(例えば、第1および第2のロボットリンク703a、703bのうちの一方または両方は回転することができ、回転は相対的である)。第1のブレーキ構成要素702aは上側ハウジング705aに堅固に取り付けられることができ、第2のブレーキ構成要素702bは下側ハウジング705bに堅固に取り付けられることができる。上側および下側ハウジング705aおよび705bは、以下でさらに説明するように、ブレーキジョイント700の構成要素を収容するブレーキジョイントハウジングを集合的に形成することができる。
【0066】
第1のブレーキ構成要素702aおよび第2のブレーキ構成要素702bは、交互配置されたマルチディスク構成を有することができ、これらは、ブレーキジョイント700内でブレーキ力を発生するように圧縮されることができる。より具体的には、第1のブレーキ構成要素702aは、図7Aおよび7Bに示されるように、平面状の平行な構成で互いに空間的に分離されている3つの圧縮ディスク708a、708b、708cのセットを有することができる。第2のブレーキ構成要素702bは、3つの圧縮ディスク708a−cの空間的分離によって画定されるとともにそれらの圧縮ディスクの間に形成されたそれぞれのギャップ内にそれぞれ入れ子状にされた(nested)圧縮ディスク710aおよび710bの対を有することができる。したがって、圧縮ディスク708a、708b、708cに対して配置されるとき、圧縮ディスク710aおよび710bのそれぞれは、圧縮ディスク708a−cによって画定されるそれぞれの平行な隙間内でおよびそれらの圧縮ディスク708a−cに対して(Y軸まわりに)回転するように構成されるとともに動作可能である。言い換えれば、圧縮ディスク708a−c(これらは上側ハウジング705aによっておよびそれの周りに支持されている)と圧縮ディスク710a−b(これらは下側ハウジング705bによって及びそれの周りに支持されている)は、ブレーキジョイント700の回転可能な作動によって互いに対して回転可能である。圧縮ディスク708a−cおよび710a−bは、当業者によって認識される任意の適切な材料から構成されることができる。例えば、決して限定することを意図するものではないが、圧縮ディスクは、(Tufram(登録商標)またはTiodize(登録商標)またはHardtufの商品名で提供されるような)テフロン含浸アルミニウムから構成されることができる。複合材料(例えば、PTFE−PTFE、FEP−FEP、PFA−PFA、PTFE−PEEK)のような他の材料もまた使用が想定される。圧縮ディスクを形成するために使用できるさらに他のタイプの材料は、当業者には明らかであろう。
【0067】
支持ベースまたはブロック711が、アクチュエータによって加えられるブレーキ力(アクチュエータおよびブレーキ力以下で説明する)に対する反作用付勢力(counter-acting biasing force)を提供するために、圧縮ディスク708a−cの下のようなブレーキジョイントハウジングの内側に配置されることができる。支持ブロック711は、圧縮ディスク708c、下側ハウジング705b、またはこれらの両方に取り付けられることができる。図2−3Bの例と同様に、アクチュエータ718の作動に際し、圧縮ディスク708a−cは、圧縮ディスク710aおよび710bを「挟む(pinch)」または圧縮することを引き起こされることができ、それにより、それが動くとき(例えば、図7C参照)ブレーキジョイント700内でブレーキ力を発生させブレーキ力を掛ける(例えば、対応する力逆送(例えば、スレーブロボット装置で発生した力に比例するもの)が、オペレータが感じられるようにするためにマスタロボット装置で発生させられるように、ブレーキ力は、スレーブロボット装置で発生した力に応じて加えられる)。反対に、圧縮ディスクは、スレーブロボット装置から反映(逆送)された力に基づいてブレーキ力を減少/解放するように操作されることができる(図7B参照)。上述したように、ブレーキジョイント700内で加えられるブレーキ力は、第2のロボットリンク703bに対する第1のロボットリンク703aの間の回転を拘束または抵抗(または完全にロック)させ、したがって、オペレータがそのような力を経験することができるようにそのような力をオペレータに伝える(transferring)。
【0068】
一例では、アクチュエータ718は、ブレーキジョイントハウジングに取り付けられたまたはブレーキジョイントハウジング内にその他の方法で支持された、電気モータ720を有することができる。一態様では、電動モータ720は、上側ハウジング705aの周りに支持される(例えば、結合される)ことができる。別の態様では、モータ720は、圧縮ディスク708Aの周りに支持される(例えば、結合される)ことができる。モータ720は、アクチュエータシャフト724を双方向に回転させて、ブレーキジョイント700内でブレーキ力を発生させるとともにこれを低減/除去するように構成されるとともに動作可能であることができる。双方向動作は、任意の方向に回転するブレーキジョイントに適用されることができる。このように、アクチュエータ718は、スレーブロボット装置内で発生する力又は複数の力に対応するとともにそれに基づく信号を処理するように動作可能な1つまたは複数の信号プロセッサまたはコンピュータと通信することができ、モータ720は、動作コマンドを受信する。いくつかの例では、モータは、伝動構成要素を伴って動作可能であることができる。別の例では、バネのような弾性要素が、アクチュエータシャフト724を時計方向(すなわち、「オフ」位置)に回転可能に付勢する方法でアクチュエータシャフト724に結合することができるので、電動モータ720が作動力を解放または除去するとき、弾性要素はアクチュエータシャフト724をそれに応じて自動的に付勢または移動させる。
【0069】
アクチュエータは、アクチュエータシャフト724に固定して取り付けられたカム部材726をさらに有することができる。カム部材726は、カム部材726の回転運動を第1および第2のブレーキ構成要素702aおよび702b内の並進運動に変換するように動作可能な偏心構成を有するカムを有することができ、これは回転に際し可変制御されるブレーキ力を発生するのを助ける。実際、第1の方向(例えば、図7Cに示すように時計回り方向)のアクチュエータシャフト724の回転は、カム部材726を回転させて圧縮ディスク708a−cを圧縮ディスク710a、710bに係合させる力をかけるような方向への圧縮ディスク708aの並進移動を容易にし、これにより、ブレーキディスク700の内部に回転に際しブレーキ力を発生させ、ブレーキ力は、図7Cに示されるように、圧縮ディスク間に発生する摩擦力の結果である。
【0070】
逆に、図7Bに示すように、アクチュエータシャフト724を反対方向に(例えば、反時計回りの方向に)回転させることは、カム部材726を回転させて、(カム部材726の制御された回転運動の量に依存して)ブレーキを低減(または除去)するような方向の圧縮ディスク708aの並進移動を容易にする。
【0071】
一例では、カム部材726は、ブレーキジョイント700の回転軸Yまたはその近くで圧縮ディスク708aに接触するように配置されることができる。すなわち、このような接触位置は、第1および第2のブレーキ構成要素702aおよび702bの外周部分より回転軸Yに近い。この配置構成の1つの利点は、人間の運動学的構成への非擬人的(non-anthropomorphic)運動学的構成の運動学的マッピングの必要の排除である。オペレータの手に関連付けられるブレーキジョイントのような他の例では、ブレーキジョイントは、指の間の限られたスペースのために、指(digits)/指(fingers)の頂部に配置されることができる。
【0072】
モータ720は、マスタロボットシステムで動作可能なもののようなコンピュータシステムのコントローラ721に通信可能に(無線でまたは直接有線で)結合されることができる。したがって、アクチュエータシャフト724の回転方向、トルク、および速度は、本明細書で説明するように、対応するスレーブジョイントの力逆送に対応する特定のブレーキ力をもたらすように制御されることができる。さらに、コントローラを介してカム部材726の回転特性を制御することにより、ブレーキジョイント700は、スレーブジョイントの力逆送が動的に変化する場合や、必要に応じて動的なブレーキ力を発生させるように動的に制御されることができる。
【0073】
本明細書では、図4−6に関して上述したアクチュエータのいずれかが、図7A−7Cのハウジングおよび圧縮ディスクの配置内に組み込まれることができる。例えば、圧電アクチュエータは、図7Aのモータの位置と同様に、圧縮ディスク708a(または上側ハウジング705a)に取り付けられた支持ベースを有することができる。そのような圧電アクチュエータは、カム部材726の動作および位置と同様に、可変制御されたブレーキ力を発生するように圧縮ディスク708aを下方に付勢する単一の作動部材を有することができる。
【0074】
本明細書で論じられるブレーキジョイントアクチュエータは、(ポリマーアクチュエータを除いて)約10−5から10−1の最大歪みを有することができ、これは、伝統的な力逆送作動技術(例えば、油圧アクチュエータ、サーボ空気圧アクチュエータなど)の歪みよりはるかに小さい。例えば、空気圧および油圧アクチュエータは、約10−1から10−0の最大作動歪みを有することができる。本開示で達成される最大歪みの例として、本明細書で論じられる圧電アクチュエータは、10−5から10−1、または約0.1%(または1,000マイクロ歪み)の最大歪みを有することができる。したがって、圧電アクチュエータを本明細書の例示的なブレーキジョイントアクチュエータに組み込むことの前述の機械的増幅の利点のため、最大歪みは約1mmに過ぎない。これは、圧電アクチュエータが対向するディスクに隣接して配置されており、上下のディスクの配置が互いに摩擦係合しているためであるので、比較的小さい作動力(例えば、1mmの歪みに起因する)は、ディスクを圧縮させることができる。
【0075】
また、本明細書で説明するブレーキジョイントアクチュエータは、非常に高い動作周波数を有することができる。例えば、圧電及び磁歪アクチュエータは、ある用途では0から100kHz及びさらに高い範囲で動作することができる一方、他のものは非常に高い最大応力を有する(例えば、形状記憶合金及び磁歪アクチュエータに関して、これは約90から700MPaであることができる)。このような動作周波数範囲および応力範囲は、従来の力逆送作動技術の最大動作周波数および応力値よりも相対的に大きい。例えば、従来の空気圧アクチュエータは、50から300Hzの最大動作周波数、および0.5から0.9MPaの最大応力で動作することができる(一方、油圧アクチュエータは20から70MPaの最大応力で動作する)。
【0076】
力逆送入力ブレーキジョイントに組み込まれることができるブレーキジョイントアクチュエータの他の例は:圧電ポリマーデバイス;熱膨張デバイス;磁歪デバイス;形状記憶合金デバイス;可動コイルトランスデューサ;ソレノイドデバイス;ボールランプ(ball ramp)デバイス;電磁アクチュエータ;オフセットカムアクチュエータ;および空気圧デバイス;を含む。例えば、プレートの1つまたは複数が強磁性材料で構成されてもよく、電磁アクチュエータがプレートに隣接して結合されることができるので、電磁アクチュエータへの電界の印加に際し、電界は、強磁性プレートを移動させ、隣接するプレートを圧縮させ、それによってブレーキ力を発生させる。
【0077】
図8は、複数の力逆送入力ブレーキジョイント804a−kを有するロボットシステム802を示す。図示のいくつかのブレーキジョイントは、本明細書で論じた例示的なタイプのブレーキジョイントのいずれか1つで構成されることができることに留意されたい。実際、ロボットシステム802は、同一または異なるタイプのブレーキジョイントを有することができる。図8は、オペレータの腕、手首および指の自由度の1つまたは複数に対応する1つまたは複数の自由度を有するロボットシステム802を示す。一態様では、ロボットシステム802は、(図1Aに示すような)右腕/肩上に人間のオペレータによって装着可能な外骨格マスタロボット装置の右腕部分を表すことができる。別の態様では、遠隔操作ロボットシステムの一部としてのオペレータ制御ロボット装置を表すことができる。さらに別の態様では、それは人間型ロボットの一部を表すことができる。
【0078】
ロボットシステム802内で、固定ベース806は、(例えば、図1Aの外骨格の例のように)オペレータが装着するバックパック制御モジュールのような支持構造に結合されることができる。肩甲骨ブレーキジョイント804aが、固定ベース806に回転可能に結合されることができ、所与の可動域(例えば、120度までの可動域)を有することができる。屈曲/伸展ブレーキジョイント804bが、肩甲骨ブレーキジョイント804aに回転可能に結合されることができ、所与の可動域(例えば、210度までの可動域)を有することができる。外転/内転ブレーキジョイント804cが、屈曲/伸展ブレーキジョイント804bに回転可能に結合されることができ、所与の可動域(例えば180度までの可動域)を有することができる。上腕骨回転ブレーキジョイント804dが、外転/内転ブレーキジョイント804cに回転可能に結合されることができ、所与の可動域(例えば、180度までの可動域)を有することができる。上側長さ調整部808が、右腕ロボットアセンブリの長さを調整するために、上腕骨回転ブレーキジョイント804dと共に動作可能であることができる(例えば、3インチ(7.6センチ)までの調整長さを提供する)。肘ブレーキジョイント804eが、上腕骨回転ブレーキジョイント804dに回転可能に結合されることができ、所与の可動域(例えば、135度までの可動域)を有することができる。第1の下部パッシブジョイント810aが、肘ブレーキジョイント804e及びオペレータ前腕インタフェース812に回転可能に結合されることができ、第2の下部パッシブジョイント810bが、第1の下部パッシブジョイント810aに回転可能に結合されることができる。手首回転ブレーキジョイント804fが、第2の下部パッシブジョイント810bに回転可能に結合されることができ、所与の可動域(例えば、180度までの可動域)を有することができる。手首外転/内転ブレーキジョイント804gが、手首回転ブレーキジョイント804fに回転可能に結合されることができ、所与の可動域(例えば、90度までの可動域)を有することができる。手首屈曲/伸展ブレーキジョイント804hが、手首外転/内転ブレーキジョイント804gに回転可能に結合されることができ、所与の可動域(例えば、135度までの可動域)を有することができる。親指展開ブレーキジョイント804iが、手首屈曲/伸展ブレーキジョイント804hに回転可能に結合されることができ、ある可動域(例えば、38度までの可動域)を有することができる。親指ブレーキジョイント804jが、親指展開ブレーキジョイント804iに回転可能に結合されることができ、所与の可動域(例えば、60度までの可動域)を有することができる。両方の親指ジョイントは、ブレーキジョイントを含んでも、含まなくてもよいし、ブレーキ構成要素と関連づけられても、関連付けられなくてもよい。親指リング814が、親指ブレーキジョイント804jに結合されることができ、親指で操作可能に構成されることができる。フィンガブレーキジョイント804kは、手首屈曲/伸展ブレーキジョイント804hに回転可能に結合されることができ、所与の可動域(例えば、90度までの可動域)を有することができる。フィンガリング816が、フィンガブレーキジョイント804kに結合されることができ、指で操作可能に構成されることができる。ブレーキジョイント804a−kのそれぞれは、全ての自由度またはいくつかの自由度で動作可能であり得る。
【0079】
手首及びフィンガジョイントは、参照により本明細書に組み込まれる、2012年10月21日に出願された米国特許出願第13/665,697号の「Hand Control Device for Controlling a Peripheral System」内に具体化することができる。すなわち、このようなハンド制御装置は、図1Aの外骨格および本明細書で論じられているブレーキジョイントのいずれかと共に使用するために組み込まれることができる。
【0080】
本明細書で論じるマスタブレーキジョイントは、接触がスレーブロボットシステムによって物体となされる(トルク過渡現象+振動)ときのような、触覚フィードバックをオペレータに提供するために使用される振動発生器をさらに有することができる。いくつかの例では、ハンドの各マスタブレーキジョイントに関連付けられたまたは結合された振動発生器は、スレーブロボットが物体に衝突したり、物体をつかんだりするなどの現実的な模倣を提供することができ、なぜなら、振動発生器は、オペレータに、スレーブロボットが経験するイベントに依存する可変の振動感覚を感じさせるこおができるからである。例えば、スレーブロボットフィンガまたはグリッパが壁のような物体に沿って滑っているとき、対応する振動刺激が、マスタロボットシステムを装着しているオペレータの手によって感じられる。これは、オペレータが物体に(例えば、スレーブロボットのハンド/グリッパによって発動可能な最大の力よりも大きい)過大な力を及ぼしていることのオペレータへの有効な触覚指示として、または物体がスレーブロボットのハンド/グリッパから抜け出していることを指示するために使用されることができる。
【0081】
いくつかの例では、本開示は、マスタロボットシステムまたはインタフェースのオペレータとの運動学的等価物(kinematic equivalence to the operator)、およびマスタロボットシステムまたはインタフェースとスレーブロボットシステムの運動学的等価物を提供することに留意されたい。いくつかの例では、マスタロボットシステムおよびスレーブロボットシステムは両方、手のみ、腕、腕および手、腕および胴、腕/手/胴、脚、複数の脚、複数の脚および胴、複数の脚/複数の腕/胴、複数の脚及び複数の腕、並びに胴及び複数の手、又はこれらの任意の組み合わせに関連付けられ得る。
【0082】
図9は、スレーブロボットシステム902(例えば図1Bにおけるような、スレーブロボット装置を含む)の制御における(例えば図1Aにおけるようなマスタリング装置を含む)マスタロボットシステム900の例示的な制御システムの図形表示を示す。一態様では、上述したように、マスタロボットシステム900は、マスタブレーキジョイント904aおよび904bのような1つまたは複数のマスタブレーキジョイントを有することができる。各ブレーキジョイントは、本明細書で説明するように構成することができ、ブレーキ構成要素およびアクチュエータのような、本明細書で説明する様々な構成要素または要素を有することができる。ブレーキジョイントは、1つまたは複数の位置センサおよび/または1つまたは複数の力/荷重センサをさらに有することができる。マスタロボットシステム900は、汎用中央処理装置(CPU)を有するマスタコンピュータ906を有することができる。代替的には、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)または他のタイプのプロセッサが使用されてもよい。マスタコンピュータ906は、有線または無線技術または手段を使用して、各マスタブレーキジョイント904aおよび904bのアクチュエータ、位置センサ、および力センサと通信することができる。
【0083】
スレーブロボットシステム902は、(破線で示すように)それぞれのマスタジョイント904aおよび904bに対応するスレーブジョイント908aおよび908bのような1つまたは複数のスレーブジョイントを有することができる。各スレーブジョイント908aおよび908bは、図示のように、アクチュエータ、位置センサ、および力/荷重センサを有することができる。スレーブロボットシステム902は、汎用中央処理装置(CPU)を含むスレーブコンピュータ910を有することができる。代替的には、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、または他のタイプのプロセッサが使用されてもよい。スレーブコンピュータ910は、有線または無線技術または手段を使用して、各スレーブジョイント908aおよび908bのアクチュエータ、位置センサ、および力センサと通信することができる。スレーブロボットシステム902は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2011年12月20日に出願された米国特許出願第13/332,165号のスレーブロボットに関して論じられた特徴のいくつかまたはすべてを有することができる。
【0084】
代替的には、スレーブコンピュータは、各スレーブジョイントがマスタコンピュータと直接通信する例では、必要ない場合がある。例えば、各スレーブジョイント908aおよび908bの位置センサ及び力センサは、それぞれのスレーブジョイント908aおよび908bに関連付けられるデータを処理するためにマスタコンピュータ906に直接(無線送信機を介して)信号を送信することができる。別の例では、各スレーブジョイント908aおよび908bの位置センサおよび力センサは、マスタコンピュータ906にデータを送受信する外部またはリモートコンピュータに通信可能に結合される。
【0085】
上述したように、マスタロボットシステム900は、マスタロボットシステムの様々なDOF内でユーザ/オペレータから加えられた荷重を(位置センサおよび/または荷重センサを介して)感知することができ、次にマスタロボットシステム900の動きに対応するスレーブロボットシステム902(例えば、1つまたは複数のスレーブアーム)の動きを制御するために、スレーブロボットシステム902にそのような加えられた荷重に関連付けられる対応するデータを送信することができる。本明細書で使用するとき、「荷重」は、力および/またはモーメントを含むことができる。したがって、荷重センサは、力および/またはモーメントを感知することができる。荷重センサは、特定のジョイント(マスタおよび/またはスレーブ)の複数のDOFにおける荷重を感知し、荷重値の出力をもたらすように構成されることができる。荷重センサは、例えば、スレーブロボットアームに作用するリニア荷重および/または回転荷重を検出することができる。例えば、6自由度の荷重センサのような多軸荷重センサは、センサのx、y、z軸に沿った3つの力成分、および軸の周りに作用する3つのモーメント成分を測定することができる。したがって、スレーブジョイントに関連付けられる荷重センサは、スレーブアームが障害物に強く接触しているか、または物体を持ち上げることによって力を受けているかを検出することができる。そうである場合、スレーブコンピュータは、スレーブジョイントに関連付けられる力逆送データ(例えば、制御信号)をマスタコンピュータ(または中央制御システム)に送信するように構成されることができる。したがって、マスタコンピュータは、スレーブジョイントが受ける力に対応するブレーキ力データとしてマスタブレーキジョイントのアクチュエータに力逆送データを送信するように構成されることができる(例えば、マスタ肘ジョイントはスレーブ肘ジョイントに対応する)。ブレーキ力データは、スレーブジョイントが受ける力に比例し得るブレーキジョイントへの発生ブレーキ力の量を制御するために、特定の印加電圧として(例えば、電気アクチュエータに)伝達されることができる(図1Aおよび図1Bの「持ち上げる」例を参照)。
【0086】
荷重センサは、ひずみゲージ、薄膜センサ、圧電センサ、抵抗負荷センサなどを含むが、これに限定されない任意のタイプの適切な荷重センサを含むことができる。例えば、使用され得る荷重センサは、Sensotecによって製造されたロードセル、P/N AL311CRまたはP/N AL31DR-1A-2U-6E-15C、Futekによって製造されたロードセル、P/N LCM375-FSSH00675、またはP/N LCM325-FSH00672を含む。
【0087】
一態様では、図9に示すように、各マスタブレーキジョイント904aおよび904bに関連付けられる各DOFならびにスレーブジョイント908aおよび908bの各DOFのための1つの位置センサがある。各位置センサは、ジョイントの各々またはその近傍に配置されることができ、角度位置を測定するように構成されることができる。一態様では、位置センサは、マスタロボットシステム900の様々なジョイントおよび支持部材の位置の変化を検出し、位置値の出力をもたらすことができる。この位置の変化は、スレーブロボットシステム902の対応するDOFの位置に比例した変化を生じさせるために使用されることができる。位置センサは、各ジョイント(マスタまたはスレーブ)の絶対位置がいつでも決定されることを可能にする絶対位置センサであることができる。代替的には、位置センサは、相対位置センサであってもよい。位置センサは、エンコーダ、回転ポテンショメータ、および他のタイプの回転位置センサを含むがこれに限定されない、各ジョイントの回転を測定するための任意のタイプの適切な位置センサを含むことができる。使用できる位置センサの一例は、Gurley Precision Instrumentによって製造された、製造業者モデル番号P/N AX09178のエンコーダディスクである。このようなエンコーダディスクは、マスタおよびスレーブロボットアセンブリの各ジョイントに結合されることができる。Gurley Precision Instrumentによって製造されたエンコーダリーダ、モデル番号P/N 7700A01024R12U0130Nが、エンコーダディスクを読み取り、各ジョイントで絶対位置読み取り値を提供するために使用されることができる。
【0088】
マスタロボットシステム900は、各マスタブレーキジョイントの各DOFに関連付けられる汎用DOFコントローラ(GDC)(図示せず)を含むことができる。一例では、別個のGDCが各マスタブレーキジョイントで動作可能であり得る。GDCは、各ブレーキジョイントに配置された荷重センサおよび位置センサのようなセンサと通信することができ、センサはブレーキインターフェイスを含むブレーキジョイントのどこかに含めることができる。GDCは、各マスタブレーキジョイントにおけるアクチュエータと通信することもできる。各GDCは、選択したブレーキジョイントの位置とトルクを監視および調整するために使用されることができる。関連付けられるまたは対応するスレーブジョイントの位置、トルク、および力逆送に関して、GDCで情報が受信されることもできる。各スレーブジョイントでのトルク測定に関する情報は、関連付けられるまたは対応するマスタブレーキジョイントのGDCに伝達されることができる。次いで、GDCは、スレーブロボットシステムとその環境および/またはスレーブロボットシステムによって持ち上げられる荷重との相互作用に関する力フィードバックを提供するためにブレーキ力を発生するようにアクチュエータにコマンド(または電圧)を出力することができる。
【0089】
一例では、マスタロボットシステム900上の各DOFのGDCは、対応するスレーブジョイントに関してスレーブロボットシステム902の動きを制御するために使用される計算を実行するために、所望のセンサと通信するように構成された1つまたは複数のマイクロプロセッサを含むコンピュータカードであることができる。例えば、GDCは、汎用中央処理装置(CPU)を含むことができる。代替機には、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、または他のタイプのプロセッサが使用されてもよい。GDCは、有線または無線技術または手段を使用してセンサと通信することができる。GDCは、特定のジョイントのハウジング内に配置され得る。
【0090】
スレーブロボットシステム902はまた、スレーブジョイントの各DOFに関連付けられるGDCを含むことができる。一例では、別々のGDCが、スレーブロボットシステム902のDOFのそれぞれに関して動作可能であり得る。スレーブロボットシステム902のGDCは、マスタロボットシステム900のGDCと同様であり、同じ目的を果たすことができる。
【0091】
図9を続けて参照すると、スレーブジョイント908aおよび908bの各アクチュエータは、位置および/またはスレーブジョイントに作用する力(またはトルク)の両方を決定することができる対応する位置センサおよび/または荷重センサを有することができ、スレーブジョイントのそれぞれはDOFを有することができる。スレーブロボットシステム902の各GDCは、例えば、信号に変換されてマスタロボットシステムに送信される力を計算するために、関連付けられるDOFにおいて特定のトルクを加えるように対応するブレーキジョイントのアクチュエータを特定のブレーキ力で作動させるために、各スレーブジョイント908aおよび908bに関連付けられた位置センサおよび荷重センサからの入力を使用することができる。加速度計または他の速度検出装置が、速度データを測定し、送信するために、各スレーブジョイント(および/またはマスタジョイント)に関連付けられ得る。
【0092】
ユーザがマスタ制御アームのマスタブレーキジョイントを動かす度(degree)毎に、マスタ位置コマンドが、スレーブアーム内の対応する動きを所望の比率で提供するように設定されることができる。典型的な比は1:1であることができ、スレーブアームがマスタ制御アームと同じ速度で動くことを可能にする。しかし、2:1、3:1またはそれより大きい比率が、スレーブアームに2から3倍さらに動かすように命令しながら、ユーザがマスタアームにおいて比較的小さな動きを行うことを可能にするために、選択されることができる。これは、ユーザの疲労を軽減するためにユーザの動きの量を制限することによって、繰り返しの動きを実行するときにユーザにとって有用となり得る。逆に、ユーザが繊細な作業を行っているときは、比率を1:2、1:3またはそれより低く設定されることができる。比率を減らし、スレーブアームの対応する動きよりもユーザがさらに動かすことを要求することにより、ユーザは細かい作業に対してより細かいモータ制御を行うことができる。実際の比率は、システムおよびシステムオペレータのニーズと用途に基づいてマスタ位置コマンドを調整することによって設定されることができる。
【0093】
上述したように、スレーブロボットシステムは、非人間型ロボット、人間型ロボット、ハンドロボット、仮想ロボット、仮想アバターロボットなどであることができ、一方、ブレーキジョイント(複数可)を有するマスタ制御システムは、外骨格ロボットアセンブリ、非人間型ロボット、人間型ロボット、仮想現実制御システムなどであることができる。したがって、本明細書で論じるマスタブレーキジョイント構成は、幅広い産業上、軍事上、物流上、ファーストレスポンダ、消費者および他の用途を有する。
【0094】
例えば、VRヘッドセット及び上側外骨格を装着したオペレータは、例えば、外骨格内の複数のブレーキジョイントを介して、それらの仮想ロボットがリアルタイムで感じることを感じることができる。このタイプの仮想プラットフォーム制御は、オペレータが仮想プラットフォームに表示された特定の動作を制限されている場合、トレーニング、ゲームプレイ、運動/カルー、ウェイトリフティングなどのようなさまざまな目的に有用であることができる。例えば、ボディビルダーは、ボディビルダーが装着した外骨格のブレーキジョイントが、カールを実行しながらボディビルダーへの調整され且つ比例する力逆送を提供することができるので、典型的にはダンベルで行われるカールを、ダンベルを所有/使用する必要なしに行うことができる。
【0095】
本明細書に記載されたブレーキジョイントは、シミュレートされた環境における戦闘訓練のための重要な追加物であり得る。例えば、Virtual Battlespace 2(VBS2)のようなVRのシミュレートされた環境では、戦闘チームが迅速かつコスト効率良く、装甲車両、UAV、回転翼航空機、降りた兵士のような複数の資産を含む協調行動を必要とする複雑なミッションを計画し、予行演習し、訓練し、事後検討を行うことを可能にする。実際、複数の兵士が徒歩でこのような仮想世界に物理的に没頭することができ、そこでは、彼らは、都市環境、ジャングル、その他の複雑な地形で、模擬ミッションを行うことができる。
【0096】
図10は、図1A−9のシステムを参照して説明したような、マスタロボットシステムにスレーブロボットシステムの力を移す方法950を示す。動作952は、マスタロボットシステムおよびスレーブロボットシステムを提供することを含み、マスタロボットシステムは、スレーブロボットシステムのスレーブジョイントに対応するマスタブレーキジョイントを含む(例えば、図1Aおよび図1B)。動作954は、図9に関してさらに説明されたように、力データを決定するためにスレーブジョイントの位置および/または力を感知することを含む。動作956は、図9に関してさらに説明されたように、スレーブロボットシステムからマスタロボットシステムに力データ信号(例えば、制御信号)を送信することを含む。動作958は、図1A−9に関してさらに説明されたように、力データ信号に対応するマスタブレーキジョイント内のブレーキ力を発生させることを含む。動作960は、スレーブジョイントが受ける変化する力に応じて、または必要に応じて、または所望に応じて、ブレーキ力を動的に制御することを含む。例えば、(図2−9の)アクチュエータに印加される電気入力は、変えられることができ、それによってブレーキジョイント内のブレーキ力を変化させる。
【0097】
図面に示されている例が参照され、特定の言葉を用いてこれを説明した。それにもかかわらず、技術の範囲の限定はそれによって意図されないことが理解されるであろう。本明細書に例示される特徴の変更およびさらなる修正、並びに本明細書で示される例のさらなる適用は、説明の範囲内にあるとみなされるべきである。
【0098】
さらに、記載された特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の例において任意の適切な方法で組み合わせることができる。前述の説明では、記載された技術の例の完全な理解を提供するための様々な構成の例のような、多くの特定の詳細が提供された。しかし、この技術は、特定の詳細の1つ若しくは複数なしに、または他の方法、コンポーネント、デバイス用いて実施され得ることが認識されるであろう。他の例では、良く知られた構造または動作は、技術の態様を不明瞭にすることを避けるために詳細には図示または記載されていない。
【0099】
本主題は、構造的特徴および/または動作に特有の言語で記載されているが、添付の特許請求の範囲に定義された主題は、必ずしも上記の特定の特徴および動作に限定されないことが理解されるべきである。むしろ、上記の特定の特徴および動作は、請求項を実施する例示的な形態として開示されている。記載された技術の精神および範囲から逸脱することなく、多数の修正および代替の構成が考え出されることができる。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10