(54)【発明の名称】少なくとも1種のアニオン性界面活性剤、少なくとも1種のノニオン性界面活性剤、少なくとも1種の両性界面活性剤、少なくとも1種のカチオン性ポリマーおよび少なくとも1種の両性ポリマーを含む組成物
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アニオン性界面活性剤が、その構造中に1つまたは複数の硫酸基および/またはスルホン酸基および/またはリン酸基を含むアニオン性界面活性剤、アルキルエーテルカルボン酸塩アニオン性界面活性剤、および/または、これらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
その構造中に1つまたは複数の硫酸基および/またはスルホン酸基および/またはリン酸基を含む前記アニオン性界面活性剤が、アルキル硫酸、アルキルアミド硫酸、アルキルエーテル硫酸、アルキルアミドエーテル硫酸、アルキルアリールエーテル硫酸、アルキルエーテルスルホコハク酸、アシルイセチオン酸およびメチルアシルタウレート、オレフィンスルホン酸、ならびに、これらの塩から選択され;
これらの種々の化合物のすべての前記アルキルまたはアシル基が、8〜24個の炭素原子を含有し、ならびに、前記アリール基が、フェニルまたはベンジル基を指すことを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
前記4ミリ当量/g以上の電荷密度を有するカチオン性ポリマーが、ジアルキルジアリルアンモニウムハライドホモポリマーから選択されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0030】
アニオン性界面活性剤
上記のとおり、組成物は、1種または複数種のアニオン性界面活性剤を含む。
【0031】
本発明の目的のために、「アニオン性界面活性剤」という用語は、イオン性基またはイオン化基として、アニオン基のみを含む界面活性剤を意味する。これらのアニオン基は、好ましくは、CO
2H、CO
2−、SO
3H、SO
3−、OSO
3H、OSO
3−、H
2PO
3、HPO
3−、PO
32−、H
2PO
2、HPO
2−、PO
22−、POHおよびPO
−の基から選択される。
【0032】
好ましくは、本発明に係る組成物において用いられるアニオン性界面活性剤は、その構造中に、1つまたは複数の硫酸基および/またはスルホン酸基および/またはリン酸基および/またはカルボキシレート基(カルボン酸塩基)、および/または、これらの基の組合せを含むアニオン性界面活性剤から選択される。
【0033】
優先的には、本発明に係る組成物は、1種または複数種のアルキルエーテルカルボン酸塩アニオン性界面活性剤を含む。
【0034】
より優先的には、本発明に係る組成物は、アニオン性界面活性剤、とりわけその構造中に1つまたは複数の硫酸基および/またはスルホン酸基および/またはリン酸基を含む1種または複数種のアニオン性界面活性剤と、1種または複数種のアルキルエーテルカルボン酸塩アニオン性界面活性剤との混合物を含む。
【0035】
その構造中に、1つまたは複数の硫酸基および/またはスルホン酸基および/またはリン酸基を含むアニオン性界面活性剤は、オキシエチレン化および/またはオキシプロピレン化されていてもよい。この場合、エチレンオキシド(EO)および/またはプロピレンオキシド(PO)基の合計平均数は、1〜50、とりわけ1〜10の範囲であり得る。
【0036】
その構造中に、1つまたは複数の硫酸基および/またはスルホン酸基および/またはリン酸基を含むアニオン性界面活性剤は、アルキル硫酸、アルキルアミド硫酸、アルキルエーテル硫酸、アルキルアミドエーテル硫酸、アルキルアリールエーテル硫酸、アルキルエーテルスルホコハク酸、アシルイセチオン酸およびメチルアシルタウレート、オレフィンスルホン酸、ならびに、これらの塩から選択され得;これらの種々の化合物のすべてのアルキルまたはアシル基は、好ましくは、8〜24個の炭素原子を含有し、ならびに、アリール基は、好ましくは、フェニルまたはベンジル基を指す。
【0037】
その構造中に1つまたは複数の硫酸基および/またはスルホン酸基および/またはリン酸基を含むアニオン性界面活性剤のうち、C
8〜C
14、より特定的にはC
12〜C
14アルキルエーテル硫酸塩、および/または、1つまたは複数のオレフィンスルホン酸塩から優先的に選択される1種または複数種のアニオン性硫酸塩界面活性剤を用いることが好ましい。
【0038】
好ましくは、その構造中に、1つまたは複数の硫酸基および/またはスルホン酸基および/またはリン酸基を含むアニオン性界面活性剤は、塩、特にアルカリ塩、とりわけ、ナトリウム塩、アンモニウム塩、アミノアルコール塩を含むアミン塩、および/または、マグネシウム塩の形態である。これらの塩は、好ましくは、2〜5のエチレンオキシド基を含む。
【0039】
これらの塩のうち、(C
12〜C
14)アルキル硫酸ナトリウム、トリエタノールアミン、マグネシウムもしくはアンモニウム、および/または、(C
12〜C
14)アルキルエーテル硫酸ナトリウム、アンモニウムもしくはマグネシウムであって、例えば1または2.2molのエチレンオキシドまたはオレフィンスルホン酸ナトリウムでオキシエチレン化されているものがより好ましく用いられる。
【0040】
より良くは、その構造中に、1つまたは複数の硫酸基および/またはスルホン酸基および/またはリン酸基を含む界面活性剤は、Cognis社からTexapon N702の名称で市販されている、2.2molのエチレンオキシドでオキシエチレン化された(C
12〜C
14)アルキルエーテル硫酸ナトリウム、アンモニウムまたはマグネシウムから選択される。
【0041】
その構造中に、1つまたは複数の硫酸基および/またはスルホン酸基および/またはリン酸基を含むアニオン性界面活性剤のうち、ラウリルエーテル硫酸ナトリウムもしくはアンモニウムまたはオレフィンスルホン酸ナトリウムを用いることが好ましい。
【0042】
本発明に従って用いられ得るアルキルエーテルカルボン酸塩アニオン性界面活性剤は、好ましくは、C
6〜C
24アルキル鎖を含む。
【0043】
アルキルエーテルカルボン酸塩アニオン性界面活性剤は、単独で、または、混合物として:
−(C
6〜C
24)アルキルエーテルカルボン酸、
−(C
6〜C
24)アルキルアリールエーテルカルボン酸、
−(C
6〜C
24)アルキルアミドエーテルカルボン酸、
−および、これらの塩
から選択され得る。
【0044】
アルキルエーテルカルボン酸塩アニオン性界面活性剤は、オキシアルキレン化、好ましくはオキシエチレン化および/またはオキシプロピレン化されていてもよい。この場合、アルキレンオキシド基の合計平均数は、好ましくは2〜50、特に2〜24、より良くは2〜15の範囲である。
【0045】
アルキルエーテルカルボン酸塩アニオン性界面活性剤がオキシアルキレン化されている場合、これらは、好ましくは、2〜50個のアルキレンオキシド基、特に2〜50個のエチレンオキシド(EO)基を含む。
【0046】
好ましくは、アルキルエーテルカルボン酸塩アニオン性界面活性剤は、1種または複数種の塩によって中和される。これらの塩は、特にアルカリ塩、とりわけナトリウム塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミンまたはモノエタノールアミン塩などのアミノアルコール塩を含むアミン塩、およびマグネシウム塩から選択される。
【0047】
より好ましく用いられるポリエトキシル化カルボン酸塩アニオン性界面活性剤は、以下の式(I)
R
1(OC
2H
4)
nOCH
2COOA (I)
(式中:
R
1は、直鎖もしくは分岐鎖C
8〜C
22アルキルもしくはアルケニル基またはこれらの基の混合、(C
8〜C
9)アルキルフェニル基、基R
2CONH−CH
2−CH
2−を表し、ここで、R
2は直鎖もしくは分岐鎖C
11〜C
21アルキルまたはアルケニル基を指し、
nは、2〜24および好ましくは2〜15の範囲であり得る整数または小数(平均値)であり、
Aは、H、NH
4、Na、K、Li、Mgまたはモノエタノールアミンもしくはトリエタノールアミン残基を指す。式(I)の化合物の混合物、特に基R
1が異なる混合物もまた用いられ得る)
に相当するものである。
【0048】
好ましくは、R
1は、C
12〜C
14アルキル、ココイル、オレイル、ノニルフェニルおよびオクチルフェニル基から選択される基または基の混合物を指し;Aは水素またはナトリウム原子を指し;ならびに、nは、2〜20および好ましくは2〜10の範囲である。
【0049】
さらにより優先的には、R
1がC
12アルキル基を指し、Aが水素またはナトリウム原子を指し、かつ、nが2〜10の範囲である式(I)の化合物が用いられる。
【0050】
商業用生成物のうち、好ましく用いられ得るものは、KAO社によって、名称:
Akypo(登録商標)NP 70(R
1=ノニルフェニル、n=7、A=H)
Akypo(登録商標)NP 40(R
1=ノニルフェニル、n=4、A=H)
Akypo(登録商標)OP 40(R
1=オクチルフェニル、n=4、A=H)
Akypo(登録商標)OP 80(R
1=オクチルフェニル、n=8、A=H)
Akypo(登録商標)OP 190(R
1=オクチルフェニル、n=19、A=H)
Akypo(登録商標)RLM 38(R
1=(C
12〜C
14)アルキル、n=4、A=H)
Akypo(登録商標)RLM 38 NV(R
1=(C
12〜C
14)アルキル、n=4、A=Na)
Akypo(登録商標)RLM 45 CA(R
1=(C
12〜C
14)アルキル、n=4.5、A=H)
Akypo(登録商標)RLM 45 NV(R
1=(C
12〜C
14)アルキル、n=4.5、A=Na)
Akypo(登録商標)RLM 100(R
1=(C
12〜C
14)アルキル、n=10、A=H)
Akypo(登録商標)RLM 100 NV(R
1=(C
12〜C
14)アルキル、n=10、A=Na)
Akypo(登録商標)RLM 130(R
1=(C
12〜C
14)アルキル、n=13、A=H)
Akypo(登録商標)RLM 160 NV(R
1=(C
12〜C
14)アルキル、n=16、A=Na)
で市販されている生成物、または、Sandoz社によって、名称:
Sandopan DTC−酸(R
1=(C
13)アルキル、n=6、A=H)
Sandopan DTC(R
1=(C
13)アルキル、n=6、A=Na)
Sandopan LS 24(R
1=(C
12〜C
14)アルキル、n=12、A=Na)
Sandopan JA 36(R
1=(C
13)アルキル、n=18、A=H)、
で市販されている生成物、より特定的には、以下の名称:
Akypo(登録商標)RLM 45(INCI:ラウレス−5カルボン酸)
Akypo(登録商標)RLM 100
Akypo(登録商標)RLM 38
で市販されている生成物である。
【0051】
アルキルエーテルカルボン酸塩アニオン性界面活性剤のうち、好ましくは、ラウリルエーテルカルボン酸またはラウリルエーテルカルボン酸ナトリウムが用いられる。
【0052】
好ましくは、アニオン性界面活性剤は、硫酸塩アニオン性界面活性剤から選択され、とりわけ、C
8〜C
14アルキルエーテル硫酸塩およびアルキルエーテルカルボン酸塩界面活性剤から選択される。
【0053】
優先的には、本発明に係る組成物は、式(I)に相当する1種または複数種のアルキルエーテルカルボン酸塩界面活性剤を含む。
【0054】
より優先的には、本発明に係る組成物は、とりわけ、C
8〜C
14、より特定的にはC
12〜C
14アルキルエーテル硫酸塩から選択される硫酸塩アニオン性界面活性剤と、既述の式(I)に相当するアルキルエーテルカルボン酸塩界面活性剤との混合物を含む。
【0055】
アニオン性界面活性剤は、組成物の総重量を基準として、1重量%〜20重量%の範囲の総含有量で、好ましくは2重量%〜18重量%、より良くは4重量%〜15重量%の含有量で本発明に係る組成物中に存在し得る。
【0056】
ノニオン性界面活性剤
上記のとおり、組成物は、組成物の総重量を基準として少なくとも3重量%以上の総含有量で1種または複数種のノニオン性界面活性剤を含む。
【0057】
本発明に係る組成物中に存在するノニオン性界面活性剤は、例えば、Handbook of Surfactants,M.R.Porter,Blackie & Son(Glasgow and London),1991,pp.116−178において記載されている。
【0058】
記載され得るノニオン性界面活性剤の例としては、以下のノニオン性界面活性剤:
− オキシアルキレン化(C
8〜C
24)アルキルフェノール;
− 好ましくは1つまたは2つの脂肪鎖を含む、飽和もしくは不飽和である直鎖もしくは分岐鎖オキシアルキレン化またはグリセロール化C
8〜C
40アルコール;
− 飽和もしくは不飽和である直鎖もしくは分岐鎖オキシアルキレン化C
8〜C
30脂肪酸アミド;
− 飽和もしくは不飽和である直鎖もしくは分岐鎖C
8〜C
30酸およびポリエチレングリコールのエステル;
− 好ましくは、飽和もしくは不飽和である直鎖もしくは分岐鎖C
8〜C
30酸およびソルビトールのオキシエチレン化エステル;
− 脂肪酸およびスクロースのエステル;
− (C
8〜C
30)アルキル(ポリ)グルコシド(任意選択により、オキシアルキレン化されており(0〜10のオキシアルキレン単位)、かつ、1〜15のグルコース単位を含む)、(C
8〜C
30)アルケニル(ポリ)グルコシド(任意選択により、オキシアルキレン化されており(0〜10のオキシアルキレン単位)、かつ、1〜15のグルコース単位を含む)、(C
8〜C
30)アルキル(ポリ)グルコシドエステル;
− 飽和もしくは不飽和オキシエチレン化植物油;
− エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの縮合物;
− N−(C
8〜C
30)アルキルグルカミンおよびN−(C
8〜C
30)アシルメチルグルカミン誘導体;
− アルドビオンアミド;
− アミンオキシド;
− オキシエチレン化および/またはオキシプロピレン化シリコーン;
− ならびに、これらの混合物
が挙げられる。
【0059】
オキシアルキレン単位は、より特定的にはオキシエチレンまたはオキシプロピレン単位であり、または、これらの組み合わせ、好ましくはオキシエチレン単位である。
【0060】
エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドのモル数は、好ましくは、1〜250、より特定的には2〜100、より良くは2〜50の範囲であり;グリセロールのモル数は、特に1〜50、より良くは1〜10の範囲である。
【0061】
有利には、本発明に係るノニオン性界面活性剤は、オキシプロピレン単位を全く含まない。
【0062】
グリセロール化ノニオン性界面活性剤の一例として、好ましくは、1〜50molのグリセロール、好ましくは1〜10molのグリセロールを含むモノグリセロール化またはポリグリセロール化C
8〜C
40アルコールが使用される。
【0063】
この種の化合物の例としては、4molのグリセロールを含むラウリルアルコール(INCI名:ポリグリセリル−4ラウリルエーテル)、1.5molのグリセロールを含有するラウリルアルコール、4molのグリセロールを含有するオレイルアルコール(INCI名:ポリグリセリル−4オレイルエーテル)、2molのグリセロールを含有するオレイルアルコール(INCI名:ポリグリセリル−2オレイルエーテル)、2molのグリセロールを含むセテアリルアルコール、6molのグリセロールを含むセテアリルアルコール、6molのグリセロールを含むオレオセチルアルコール、および6molのグリセロールを含むオクタデカノールが挙げられ得る。
【0064】
グリセロール化アルコールのうち、より特定的には、1molのグリセロールを含有するC
8〜C
10アルコール、1molのグリセロールを含有するC
10〜C
12アルコール、および1.5molのグリセロールを含有するC
12アルコールを使用することが好ましい。
【0065】
本発明に係る組成物において用いられるノニオン性界面活性剤は、優先的には:
− 1〜100molのエチレンオキシド、好ましくは2〜50、より特定的には2〜40molのエチレンオキシドを含み、ならびに、好ましくは、1つまたは2つの脂肪鎖を含む飽和もしくは不飽和である直鎖もしくは分岐鎖オキシエチレン化C
8〜C
40アルコール;
− 1〜100、好ましくは2〜50molのエチレンオキシドを含む飽和もしくは不飽和オキシエチレン化植物油;
− 任意選択により、オキシアルキレン化(0〜10OE)されており、かつ、1〜15のグルコース単位を含む(C
8〜C
30)アルキル(ポリ)グルコシド;
− 1〜50molのグリセロール、好ましくは1〜10molのグリセロールを含むモノグリセロール化またはポリグリセロール化C
8〜C
40アルコール;
− 飽和もしくは不飽和である直鎖もしくは分岐鎖オキシアルキレン化C
8〜C
30脂肪酸アミド;
− 飽和もしくは不飽和である直鎖もしくは分岐鎖C
8〜C
30酸およびポリエチレングリコールのエステル;
− 好ましくは、飽和もしくは不飽和である直鎖もしくは分岐鎖C
8〜C
30酸およびソルビトールのオキシエチレン化エステル;
− ならびに、これらの混合物
から選択される。
【0066】
より優先的には、ノニオン性界面活性剤は、1〜100molのエチレンオキシド、好ましくは2〜50、より特定的には2〜40mol、または、さらには3〜20molのエチレンオキシドを含み、ならびに、少なくとも1つのC
8〜C
20、とりわけC
10〜C
18アルキル鎖を含む飽和もしくは不飽和である直鎖もしくは分岐鎖オキシエチレン化C
8〜C
40アルコールから選択され;とりわけ、4molのエチレンオキシドを含有するラウリルアルコール(INCI名:ラウレス−4)および12molのエチレンオキシドを含有するラウリルアルコール(INCI名:ラウレス−12)から選択される。
【0067】
それ故、ノニオン性界面活性剤は、優先的には、2〜50、特に3〜20molのエチレンオキシドを含むオキシエチレン化C
8〜C
20アルコールから選択される。
【0068】
好ましくは、ノニオン性界面活性剤は、3%〜20重量%の範囲の総含有量で、より優先的には、組成物の総重量を基準として、4%〜15重量%、より良くは4.5%〜12重量%の範囲の含有量で存在する。
【0069】
両性界面活性剤
上記のとおり、組成物は、組成物の総重量を基準として、少なくとも3重量%以上の総含有量である1種または複数種の両性界面活性剤を含む。
【0070】
特に、本発明に係る組成物において用いられる、好ましくは非シリコーン性である両性または双性イオン性界面活性剤は、とりわけ、任意選択により四級化された脂肪族第二級または第三級アミンの誘導体であり得、ここで、これらの誘導体において、脂肪族基は、8〜22個の炭素原子を含む直鎖もしくは分岐鎖であり、前記アミン誘導体は、少なくとも1種のアニオン基、例えばカルボキシレート基、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基またはホスホン酸基を有する。
【0071】
(C
8〜C
20)アルキルベタイン、(C
8〜C
20)アルキルスルホベタイン、(C
8〜C
20)アルキルアミド(C
3〜C
8)アルキルベタインおよび(C
8〜C
20)アルキルアミド(C
6〜C
8)アルキルスルホベタインが特に挙げられ得る。
【0072】
用いることが可能である第二級または第三級脂肪族アミンの任意選択により四級化された誘導体のうち、上記に定義されているとおり、以下のそれぞれの構造(II)および(III):
R
a−CONHCH
2CH
2−N
+(R
b)(R
c)−CH
2COO
−、M
+、X
− (II)
(式中:
−R
aは、好ましくは加水分解されたヤシ油中に存在する、酸R
aCOOH由来のC
10〜C
30アルキルまたはアルケニル基、または、ヘプチル、ノニルもしくはウンデシル基を表し;
−R
bはβ−ヒドロキシエチル基を表し;ならびに
−R
cはカルボキシメチル基を表し;
−M
+は、ナトリウムなどのアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属に由来するカチオン対イオン、アンモニウムイオン、または、有機アミンに由来するイオンを表し;ならびに
−X
−は、ハロゲン化物、酢酸塩、リン酸塩、硝酸塩、(C
1〜C
4)アルキル硫酸塩、(C
1〜C
4)アルキル−または(C
1〜C
4)アルキルアリールスルホン酸塩、特に硫酸ジメチルおよび硫酸ジエチルから選択されるものなどの有機または無機アニオン性対イオンを表し;または、代替的に、M
+およびX
−は不在である);
R
a’−CONHCH
2CH
2−N(B)(B’) (III)
(式中:
−Bは基−CH
2CH
2OX’を表し;
−B’は基−(CH
2)
zY’を表し、ここで、z=1または2であり;
−X’は、基−CH
2COOH、−CH
2−COOZ’、−CH
2CH
2COOH、−CH
2CH
2−COOZ’または水素原子を表し;
−Y’は、基−COOH、−COOZ’または−CH
2CH(OH)SO
3Hまたは基CH
2CH(OH)SO
3−Z’を表し;
−Z’は、ナトリウムなどのアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属に由来するカチオン対イオン、アンモニウムイオン、または、有機アミンに由来するイオンを表し;
−R
a’は、好ましくはヤシ油もしくは加水分解されたアマニ油中に存在する酸R
a’−COOHのC
10〜C
30アルキルまたはアルケニル基、または、とりわけC
17基、およびそのイソ形態、もしくは不飽和C
17基などのアルキル基を表す)
を有する化合物もまた挙げられ得る。
【0073】
これらの化合物は、CTFA dictionary,5th edition,1993において、ココアンホジ酢酸2ナトリウム、ラウロアンホジ酢酸2ナトリウム、カプリルアンホジ酢酸2ナトリウム、カプリロアンホジ酢酸2ナトリウム、ココアンホジプロピオン酸2ナトリウム、ラウロアンホジプロピオン酸2ナトリウム、カプリルアンホジプロピオン酸2ナトリウム、カプリロアンホジプロピオン酸2ナトリウム、ラウロアンホジプロピオン酸およびココアンホジプロピオン酸の名称で分類されている。
【0074】
一例として、Rhodia社によって、商品名Miranol(登録商標)C2M Concentrateで市販されているココアンホジ酢酸塩が挙げられ得る。
【0075】
式(IV)の化合物:
R
a’’−NHCH(Y’’)−(CH
2)
nCONH(CH
2)
n’−N(R
d)(R
e) (IV)
(式(IV)中:
−Y’’は、−COOH、−COOZ’’または−CH
2−CH(OH)SO
3Hまたは基CH
2CH(OH)SO
3−Z’’を表し;
−R
dおよびR
eは、相互に独立して、C
1〜C
4アルキルまたはヒドロキシアルキル基を表し;
−Z’’は、ナトリウムなどのアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属に由来するカチオン対イオン、アンモニウムイオン、または、有機アミンに由来するイオンを表し;
−R
a’’は、好ましくはヤシ油または加水分解されたアマニ油中に存在する、酸R
a’’−COOHのC
10〜C
30アルキルまたはアルケニル基を表し;
−nおよびn’は、相互に独立して、1〜3の範囲の整数を指す)
もまた使用され得る。
【0076】
式(II)の化合物のうち、CTFA dictionaryにおいてジエチルアミノプロピルココアスパルタミドナトリウムの名称で分類されており、Chimexにより、名称Chimexane HBで市販されている化合物が挙げられ得る。
【0077】
これらの化合物は単独で、または、混合物として用いられることが可能である。
【0078】
上記の両性または双性イオン性界面活性剤のうち、好ましくは、ココイルベタインなどの(C
8〜C
20)アルキルベタイン、コカミドプロピルベタインなどの(C
8〜C
20)アルキルアミド(C
3〜C
8)アルキルベタインおよびこれらの混合物、ならびに、ジエチルアミノプロピルラウリルアミノコハク酸のナトリウム塩(INCI名:ジエチルアミノプロピルココアスパルタミドナトリウム)などの式(IV)の化合物が用いられる。
【0079】
優先的には、両性または双性イオン性界面活性剤は、コカミドプロピルベタインなどの(C
8〜C
20)アルキルアミド(C
3〜C
8)アルキルベタインから選択される。
【0080】
好ましくは、両性界面活性剤は、組成物の総重量を基準として、3重量%〜20重量%の範囲の総含有量、より優先的には3.3重量%〜15重量%、より良くは3.5重量%〜10重量%の含有量で存在する。
【0081】
カチオン性ポリマー
化粧品組成物はまた、4ミリ当量/グラム(ミリ当量/g)以上のカチオン電荷密度を有する1種または複数種のカチオン性ポリマー、および、任意選択により、4ミリ当量/グラム未満のカチオン電荷密度を有する1種または複数種のカチオン性ポリマーを含む。
【0082】
ポリマーのカチオン電荷密度は、完全にイオン化された状態下におけるポリマーの単位質量当たりのカチオン性の電荷のモル数に相当する。これは、ポリマーの構造、すなわち、ポリマーを構成するモノマーの構造およびそのモル比率または重量割合が既知であれば計算により判定され得る。カチオン電荷密度はケルダール法によって実験的に測定することも可能である。
【0083】
本発明の目的のために、「カチオン性ポリマー」という用語は、カチオン基、および/または、カチオン基にイオン化されることが可能である基を含有するいずれかのポリマーを指す。
【0084】
好ましい4ミリ当量/g以上の電荷密度を有するカチオン性ポリマーと、存在する場合には、4ミリ当量/g未満のカチオン電荷密度を有するカチオン性ポリマーとは、主ポリマー鎖の一部を形成することが可能であるか、または、主ポリマー鎖に直接結合している側鎖置換基からもたらされることが可能である第一級、第二級、第三級および/または第4級アミン基を含む単位を含有するものから選択される。
【0085】
用いられるカチオン性ポリマーは一般に、およそ500〜5×10
6、好ましくは、およそ10
3〜3×10
6の数平均分子量を有する。
【0086】
カチオン性ポリマーのうち、より特定的には、ポリアミン、ポリアミノアミドおよびポリ第四級アンモニウム系のポリマーが挙げられ得る。
【0087】
これらは公知の生成物である。これらは、とりわけ、仏国特許第2 505 348号明細書および仏国特許第2 542 997号明細書に記載されている。前記ポリマーのうち以下が挙げられ得る。
【0088】
4ミリ当量/g以上のカチオン電荷密度を有するカチオン性ポリマーと、4ミリ当量/グラム未満のカチオン電荷密度を有するカチオン性ポリマーとは、以下のファミリーから選択され得る:
(1)アクリルもしくはメタクリル酸エステルまたはアミドから誘導され、かつ、以下の式(IX)、(X)、(XI)または(XII)
【化1】
(式中:
R
3は、同じであっても異なっていてもよく、水素原子またはCH
3基を指し;
Aは、同じであっても異なっていてもよく、1〜6個の炭素原子、好ましくは2もしくは3個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖アルキル基、または、1〜4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基を表し;
R
4、R
5およびR
6は、同じであっても異なっていてもよく、1〜18個の炭素原子またはベンジル基を含有するアルキル基、好ましくは1〜6個の炭素原子を含有するアルキル基を表し;
R
1およびR
2は、同じであっても異なっていてもよく、1〜6個の炭素原子を含有するアルキル基、または、水素を表し、好ましくは、メチルまたはエチルを表し;
Xは、メトサルフェートアニオンなどの無機酸または有機酸から誘導されるアニオン、または、塩化物または臭化物などのハロゲン化物から誘導されるアニオンを指す)
の単位を少なくとも1つ含むホモポリマーまたはコポリマー。
【0089】
特に、エチルトリメチルアンモニウムメタクリレートクロリドホモポリマーが挙げられ得る。
【0090】
ファミリー(1)のポリマーはまた、窒素において、低級(C
1〜C
4)アルキル、アクリルもしくはメタクリル酸またはこれらのエステル、ビニルピロリドンもしくはビニルカプロラクタムなどのビニルラクタム、および、ビニルエステルで置換されている、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミドおよびメタクリルアミドのファミリーから選択され得るコモノマーから誘導される1つまたは複数の単位を含有していることが可能である。
【0091】
それ故、これらのファミリー(1)のポリマーのうち、以下が挙げられ得る。
−アクリルアミドおよびジメチル硫酸またはハロゲン化ジメチルで四級化されたジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー、
−アクリルアミドおよびメタクリロイルオキシエチルトリメチル塩化アンモニウムのコポリマー、
−アクリルアミドおよびメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメトサルフェートのコポリマー、
−四級化された、または、四級化されていないビニルピロリドン/ジアルキルアミノアルキルアクリレートまたはメタクリレートコポリマー。
【0092】
これらのポリマーは仏国特許第2 077 143号明細書および仏国特許第2 393 573号明細書に詳述されている。
−ジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドンターポリマー、
−ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピルジメチルアミンコポリマー、
−四級化ビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドコポリマー、
−塩化メチルで四級化されたジメチルアミノエチルメタクリレートのホモ重合により、または、アクリルアミドと塩化メチルで四級化されたジメチルアミノエチルメタクリレートとの共重合により得られるポリマーなどのメタクリロイルオキシ(C
1〜C
4)アルキルトリ(C
1〜C
4)アルキルアンモニウム塩の架橋ポリマー(このホモ重合または共重合に、オレフィン性不飽和化合物、特にメチレンビスアクリルアミドによる架橋が続く)。より特定的には、前記コポリマーを鉱油中に50重量%で含有する分散体の形態である架橋アクリルアミド/メタクリロイルオキシエチルトリメチル塩化アンモニウムコポリマー(重量で20/80)を使用し得る。この分散体は、Salcare(登録商標)SC 92の名称でCiba社により市販されている。鉱油中または液体エステル中におよそ50重量%のホモポリマーを含むメタクリロイルオキシエチルトリメチル塩化アンモニウムの架橋ホモポリマーもまた使用され得る。これらの分散体は、Salcare(登録商標)SC 95およびSalcare(登録商標)SC 96の名称でCiba社により市販されている。
【0093】
(2)鎖の主構成成分として、式(XIII)または(XIV)
【化2】
(式中、式kおよびtは0または1に等しく、k+tの和は1に等しく;R
9は水素原子またはメチル基を指し;R
7およびR
8は、相互に独立して、1〜6個の炭素原子を含有するアルキル基、アルキル基が好ましくは1〜5個の炭素原子を含有するヒドロキシアルキル基、もしくは、低級(C
1〜C
4)アミドアルキル基を指し、または、R
7およびR
8は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、ピペリジルもしくはモルホリニルなどの複素環基を指し得;R
7およびR
8は、相互に独立して、好ましくは、1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基を指し;Y
−は、臭素イオン、塩素イオン、酢酸イオン、ホウ酸イオン、クエン酸イオン、酒石酸イオン、重硫酸イオン、重亜硫酸イオン、硫酸イオンまたはリン酸イオンなどのアニオンである。これらのポリマーは、特に、仏国特許第2 080 759号明細書およびその追加特許第2 190 406号明細書に記載されている)に相当する単位を含むホモポリマーまたはコポリマーなどのアルキルジアリルアミンまたはジアルキルジアリルアンモニウムのシクロポリマー。
【0094】
上記に定義されているポリマーのうち、より特定的には、Merquat 100の名称で、Nalco社により市販されているジメチルジアリル塩化アンモニウムホモポリマー(および、低重量平均分子量のその同族体)が挙げられ得る。
【0095】
(3)式(XV)
【化3】
(式(XV)中において:
R
10、R
11、R
12およびR
13は、同じであっても異なっていてもよく、1〜6個の炭素原子もしくは低級ヒドロキシアルキル脂肪族基を含有する脂肪族、脂環式またはアリール脂肪族基を表し、または、代替的に、R
10、R
11、R
12およびR
13は、一緒になって、もしくは、個別に、これらが結合している窒素原子と共に、複素環であって、任意選択により窒素以外の第2のヘテロ原子を含有する複素環を構成し、または、代替的に、R
10、R
11、R
12およびR
13は、ニトリル、エステル、アシルもしくはアミド基または基−CO−O−R
14−Dもしくは−CO−NH−R
14−D(式中、R
14はアルキレンであり、Dは第4級アンモニウム基である)で置換された直鎖もしくは分岐鎖C
1〜C
6アルキル基を表し;
A
1およびB
1は、直鎖もしくは分岐鎖であると共に飽和もしくは不飽和であり得、主鎖に結合されるか、または、主鎖に挿入されて、1つもしくは複数の芳香族環、または、1つもしくは複数の酸素または硫黄原子、または、スルホキシド、スルホン、ジスルフィド、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシル、第4級アンモニウム、ウレイド、アミドもしくはエステル基を含有し得る、2〜8個の炭素原子を含有するポリメチレン基を表し、ならびに
X
−は、無機酸または有機酸から誘導されたアニオンを指し;
A
1、R
10およびR
12は、これらが結合している2個の窒素原子と共に、ピペラジン環を形成可能であり;加えて、A
1が、直鎖もしくは分岐鎖の飽和もしくは不飽和アルキレンまたはヒドロキシアルキレン基を指す場合、B
1は、基−(CH
2)n−CO−D−OC−(CH
2)n−をも指すことが可能であり、式中、Dは:
a)式:−O−Z−O−のグリコール残基(式中、Zは、直鎖もしくは分岐鎖炭化水素系基、または、以下の式:
−(CH
2−CH
2−O)x−CH
2−CH
2−
−[CH
2−CH(CH
3)−O]y−CH
2−CH(CH
3)−
(式中、xおよびyは、定義された固有の重合度を表す1〜4の整数を指し、または、平均重合度を表す1〜4のいずれかの数字を指す)
の1つに相当する基を指す);
b)ピペラジン誘導体などのビス−第二級ジアミン残基;
c)式:−NH−Y−NH−のビス−第一級ジアミン残基(式中、Yは、直鎖もしくは分岐鎖炭化水素系基、そうでなければ、二価基
−CH
2−CH
2−S−S−CH
2−CH
2−を指す);
d)式:−NH−CO−NH−のウレイレン基
を指す)に相当する繰返し単位を含有する第4級ジアンモニウムポリマー。
【0096】
好ましくは、X
−は、塩素イオンまたは臭素イオンなどのアニオンである。
【0097】
これらのポリマーは、一般に、1000〜100000の数平均分子量を有する。
【0098】
この種のポリマーは、とりわけ、仏国特許第2 320 330号明細書、仏国特許第2 270 846号明細書、仏国特許第2 316 271号明細書、仏国特許第2 336 434号明細書および仏国特許第2 413 907号明細書、ならびに、米国特許第2 273 780号明細書、米国特許第2 375 853号明細書、米国特許第2 388 614号明細書、米国特許第2 454 547号明細書、米国特許第3 206 462号明細書、米国特許第2 261 002号明細書、米国特許第2 271 378号明細書、米国特許第3 874 870号明細書、米国特許第4 001 432号明細書、米国特許第3 929 990号明細書、米国特許第3 966 904号明細書、米国特許第4 005 193号明細書、米国特許第4 025 617号明細書、米国特許第4 025 627号明細書、米国特許第4 025 653号明細書、米国特許第4 026 945号明細書および米国特許第4 027 020号明細書に記載されている。
【0099】
より特定的には、以下の式(XVI):
【化4】
(式中、R
10、R
11、R
12およびR
13は、同じであっても異なっていてもよく、およそ1〜4個の炭素原子を含有するアルキルまたはヒドロキシアルキル基を指し、nおよびpはおよそ2〜8の範囲の整数であり、ならびに、X
−は無機酸または有機酸から誘導されたアニオンである。特にChimex社により市販されているMexomer POが挙げられ得る)に相当する繰返し単位から形成されるポリマーを使用することが可能である。
【0100】
(4)式(XVII)
【化5】
(式中、pはおよそ1〜6の範囲の整数を指し、Dは存在しないか、または、基−(CH
2)
r−CO−(式中、rは4または7に等しい数字を指す)を表し得、X
−はアニオンである)の繰返し単位から形成されるポリ第四級アンモニウムポリマー。
【0101】
このようなポリマーは、米国特許第4 157 388号明細書、米国特許第4 702 906号明細書および米国特許第4 719 282号明細書に記載の方法に従い調製し得る。これらは、とりわけ、欧州特許出願公開第A
122 324号明細書に記載されている。
【0102】
これらのポリマーのうち、Miranol社により市販されている製品Mirapol A
15、Mirapol AD1、Mirapol AZ1およびMirapol 175が例として挙げられ得る。
【0103】
(5)ビニルピロリドンおよびビニルイミダゾールの第4級ポリマー。
【0104】
本発明の文脈中において用いられ得る他のカチオン性ポリマーは、ポリアルキレンイミン、特にポリエチレンイミン、ビニルピリジンまたはビニルピリジニウム単位を含有するポリマー、ポリアミンおよびエピクロロヒドリンの縮合物、ポリ第四級ウレイレンおよびキチン誘導体である。
【0105】
従って、本発明に係るカチオン性ポリマーは、4ミリ当量/g以上のカチオン性電荷密度を有し、上記のファミリー(1)〜(5)に属するポリマーから優先的に選択される。
【0106】
本発明の文脈において用いられ得るすべてのカチオン性ポリマーのうち、アルキルジアリルアミンまたはジアルキルジアリルアンモニウム(2)のシクロポリマーのファミリーのポリマーを用いることが好ましい。
【0107】
好ましくは、カチオン性ポリマーは、式(XIII)または(XIV)に相当する単位を鎖の主構成成分として含むホモポリマーまたはコポリマーなどのアルキルジアリルアミンまたはジアルキルジアリルアンモニウムのシクロポリマーから選択される。
【0108】
優先的には、4ミリ当量/g以上のカチオン電荷密度を有するカチオン性ポリマーは、ジアルキルジアリルアンモニウムハライドホモポリマー、より特定的には、Merquat(登録商標)100の名称でNalco社より市販されているジアルキルジアリルアンモニウムクロリドホモポリマー(INCI名:ポリクオタニウム−6)から選択される。
【0109】
優先的には、4ミリ当量/g未満のカチオン電荷密度を有するカチオン性ポリマーは、Merquat(登録商標)550またはMerquat 7SPR(INCI名:ポリクオタニウム−7)の名称でNalco社より市販されている、ジメチルジアリル塩化アンモニウムおよびアクリルアミドのコポリマー(INCI名:ポリクオタニウム−7)から選択される。
【0110】
4ミリ当量/g以上の電荷密度を有するカチオン性ポリマーの含有量は、組成物の総重量を基準として、0.05重量%〜5重量%の範囲であり得、組成物の総重量を基準として好ましくは0.1重量%〜3重量%、より優先的には0.2重量%〜1.5重量%の範囲であり得る。
【0111】
一実施形態において、本発明に係る組成物中におけるカチオン性ポリマーの総含有量は、組成物の総重量を基準として0.05重量%〜5重量%の範囲であり得、好ましくは、組成物の総重量を基準として0.1重量%〜3重量%、より優先的には0.2重量%〜2重量%の範囲であり得る。
【0112】
特に、組成物が4ミリ当量/g以上のカチオン電荷密度を有する1種または複数種のカチオン性ポリマーと、4ミリ当量/g以下のカチオン電荷密度を有する1種または複数種のカチオン性ポリマーとを含む場合:
− 4ミリ当量/g以上のカチオン電荷密度を有する本発明に係るカチオン性ポリマーは、組成物の総重量を基準として、0.01%〜5重量%の範囲の含有量、好ましくは、0.05%〜3重量%、より良くは0.1%〜1.5重量%の範囲の含有量で存在し得、ならびに
− 4ミリ当量/g未満のカチオン電荷密度を有する本発明に係るカチオン性ポリマーは、組成物の総重量を基準として、0.01%〜5重量%の範囲の含有量、好ましくは、0.05%〜3重量%、より良くは0.1%〜1.5重量%の範囲の含有量で存在する。
【0113】
両性ポリマー
化粧品組成物はまた、1種または複数種の両性ポリマーを含み得る。
【0114】
本発明に従って用いられ得る両性(または双性イオン性)ポリマーは、ポリマー鎖中に無作為に分布されている単位BおよびCを含むポリマーから選択され得、ここで、Bは、少なくとも1個の塩基性窒素原子を含むモノマーに由来する単位を指し、Cは、1つまたは複数のカルボン酸基もしくはスルホン酸基を含む酸モノマーに由来する単位を指し、または、代替的に、BおよびCは、カルボキシベタインもしくはスルホベタイン双性イオン性モノマーに由来する基を指し得;BおよびCはまた、第一級、第二級、第三級もしくは第4級アミン基を含むカチオン性ポリマー鎖を指し得、ここで、少なくとも1個のアミン基は炭化水素系基を介して結合したカルボン酸基もしくはスルホン酸基を有し、または、代替的に、BおよびCは、エチレン−a,b−ジカルボキシル単位を含有するポリマー鎖の一部を形成し、ここで、カルボン酸基の1つは1つもしくは複数の第一級もしくは第二級アミン基を含むポリアミンと反応するよう形成されている。
【0115】
好ましくは、本発明に従い用いられ得る両性ポリマーは:
(i)アクリルアミド−タイプモノマー由来の1種または複数種の単位、
(ii)アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウム−タイプモノマー由来の1種または複数種の単位、
(iii)(メタ)アクリル酸タイプのモノマーに由来する1種または複数種の単位
の繰り返しを含む。
【0116】
好ましくは、両性ポリマーにおけるアクリルアミドタイプのモノマーに由来する単位は、以下の構造(XVIII):
【化6】
(式中:
− R
1はHまたはCH
3を指し、
− R
2はアミノ、ジメチルアミノ、t−ブチルアミノもしくはドデシルアミノ基または−NH−CH
2OHから選択される)
を有する単位である。
【0117】
好ましくは、本発明の両性ポリマーは、式(XVIII)の単位1種のみの繰り返しを含む。
【0118】
R
1がHを指し、R
2がアミノ基である式(XVIII)のアクリルアミドタイプのモノマーに由来する単位が特に好ましい。これは、それ自体がアクリルアミドモノマーに相当する。
【0119】
また、好ましくは、両性ポリマーにおけるアクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムタイプのモノマーに由来する単位は、以下の構造(XIX):
【化7】
(式中:
− R
3はHまたはCH
3を指し、
− R
4は(CH
2)
k基(kは1〜6、好ましくは2〜4の範囲の整数である)を指し;
− R
5およびR
6およびR
7は、同じであっても異なっていてもよく、各々は、1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基を指し;
− Y
−は、臭素イオン、塩素イオン、酢酸イオン、ホウ酸イオン、クエン酸イオン、酒石酸イオン、重硫酸イオン、重亜硫酸イオン、硫酸イオンまたはリン酸イオンなどのアニオンである)
を有する単位である。
【0120】
アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムタイプのモノマーに由来するこれらの単位のうち、メタクリルアミドプロピルトリメチル塩化アンモニウムモノマーに由来するものが好ましく、ここで、R
3はメチル基を指し、kは3に等しく、R
5、R
6およびR
7はメチル基を指し、ならびに、Y
−は塩素アニオンを指す。
【0121】
好ましくは、本発明の両性ポリマーは、式(XIX)の単位1種のみの繰り返しを含む。
【0122】
最後に、両性ポリマーにおける(メタ)アクリル酸タイプのモノマーに由来する単位は、優先的には、式(XX)の単位:
【化8】
(式中:
− R
8はHまたはCH
3を指し、
− R
9は、ヒドロキシル基または基NH−C(CH
3)
2−CH
2−SO
3Hを指す)
から選択される。
【0123】
好ましい式(XX)の単位は、アクリル酸、メタクリル酸および2−アクリルアミノ−2−メチルプロパンスルホン酸モノマーに相当する。
【0124】
好ましくは、(メタ)アクリル酸タイプのモノマーに由来する単位はアクリル酸に由来するものであり、ここで、R
8は水素原子を指し、R
9はヒドロキシル基を指す。
【0125】
好ましくは、本発明の両性ポリマーは、式(XX)の単位1種のみの繰り返しを含む。
【0126】
本発明の好ましい実施形態によれば、両性ポリマーは、少なくとも30mol%のアクリルアミドタイプのモノマーに由来する単位を含む。
【0127】
好ましくは、両性ポリマーは、30mol%〜70mol%のアクリルアミドタイプのモノマーに由来する単位、より好ましくは40mol%〜60mol%を含む。
【0128】
アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムタイプのモノマーに由来する単位の含有量は、有利には以下のとおりであり得る:10mol%〜60mol%、優先的には、20mol%〜55mol%。
【0129】
(メタ)アクリル酸タイプのモノマーに由来する単位の含有量は、有利には以下のとおりであり得る:1mol%〜20mol%、優先的には、5mol%〜15mol%。
【0130】
本発明の好ましい実施形態によれば、両性ポリマーは:
− 30mol%〜70mol%のアクリルアミドタイプのモノマーに由来する単位、より好ましくは40mol%〜60mol%、
− 10mol%〜60mol%、優先的には、20mol%〜55mol%のアクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムタイプのモノマーに由来する単位、
− 1mol%〜20mol%、優先的には、5mol%〜15mol%の(メタ)アクリル酸タイプのモノマーに由来する単位
を含む。
【0131】
本発明に係る両性ポリマーは、アクリルアミドタイプ、アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムタイプ、および(メタ)アクリル酸タイプのモノマーに由来する単位以外の追加の単位を含んでいてもよい。
【0132】
本発明の好ましい実施形態によれば、両性ポリマーは、(i)アクリルアミドタイプのモノマー、(ii)アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムタイプのモノマー、および(iii)(メタ)アクリル酸タイプのモノマーに由来する単位のみからなるものである。
【0133】
特に好ましい両性ポリマーの一例としては、アクリルアミド/メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム/アクリル酸ターポリマーが挙げられ得る。このようなポリマーは、CTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary,10th edition 2004に、ポリクオタニウム53として列挙されている。相当する生成物は、とりわけ、Merquat 2003の名称でLubrizol社により市販されている。
【0134】
本発明に係る両性ポリマーは、当業者に公知である技術に従い、その種々のモノマーから開始される重合、とりわけラジカル重合によって簡便に調製され得る。
【0135】
両性ポリマーは一般に、組成物の総重量を基準として、0.05%〜5重量%、好ましくは0.1%〜3重量%、より特定的には0.2%〜1.5重量%の量で本発明に係る組成物中に存在している。
【0136】
好ましい実施形態によれば、本発明に係る組成物は:
− 1種または複数種のアニオン性界面活性剤、
− 組成物の総重量を基準として少なくとも3重量%の総含有量の1種または複数種のノニオン性界面活性剤、
− 組成物の総重量を基準として少なくとも3重量%の総含有量の1種または複数種の両性界面活性剤、
− 4ミリ当量/g以上のカチオン電荷密度を有する1種または複数種のカチオン性ポリマー、および
− 1種または複数種の両性ポリマー
を含む。
【0137】
特定の実施形態によれば、本発明に係る組成物は:
− 1種または複数種のアルキルエーテルカルボン酸塩アニオン性界面活性剤であって、好ましくは上記に定義されている式(I)のもの、
− 2〜50molのエチレンオキシドを含み、好ましくは少なくとも1つのC
8〜C
20アルキル鎖を含む1種または複数種のオキシエチレン化C
8〜C
40アルコールを含む、組成物の総重量を基準として少なくとも3重量%の総含有量の1種または複数種のノニオン性界面活性剤、
− (C
8〜C
20)アルキルベタイン、(C
8〜C
20)アルキルスルホベタイン、(C
8〜C
20)アルキルアミド(C
3〜C
8)アルキルベタインおよび(C
8〜C
20)アルキルアミド(C
6〜C
8)アルキルスルホベタインから選択される1種または複数種の界面活性剤を含む、組成物の総重量を基準として少なくとも3重量%の総含有量の1種または複数種の両性界面活性剤、
− ジアルキルジアリルアンモニウムハライドホモポリマーから選択される4ミリ当量/g以上のカチオン電荷密度を有する1種または複数種のカチオン性ポリマー、および
− (i)アクリルアミドタイプのモノマー、(ii)アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムタイプのモノマー、および(iii)(メタ)アクリル酸タイプのモノマーに由来する単位のみからなる1種または複数種の両性ポリマー
を含む。
【0138】
第2の特定の実施形態によれば、本発明に係る組成物は:
− 硫酸塩アニオン性界面活性剤から、とりわけ、C
8〜C
14アルキルエーテル硫酸塩およびアルキルエーテルカルボン酸塩界面活性剤から選択される1種または複数種のアニオン性界面活性剤、
− 2〜50molのエチレンオキシドを含み、かつ、少なくとも1つのC
8〜C
20アルキル鎖を含むオキシエチレン化C
8〜C
40アルコールから選択される、組成物の総重量を基準として少なくとも3重量%の総含有量の1種または複数種のノニオン性界面活性剤、
− (C
8〜C
20)アルキルベタイン、(C
8〜C
20)アルキルスルホベタイン、(C
8〜C
20)アルキルアミド(C
3〜C
8)アルキルベタインおよび(C
8〜C
20)アルキルアミド(C
6〜C
8)アルキルスルホベタインから選択される組成物の総重量を基準として少なくとも3重量%の総含有量の1種または複数種の両性界面活性剤、ならびに
− ハロゲン化ジアリルジアルキルアンモニウムホモポリマーから選択される4ミリ当量/g以上のカチオン電荷密度を有する1種または複数種のカチオン性ポリマー、ならびに
− (i)アクリルアミドタイプのモノマー、(ii)アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムタイプのモノマー、および(iii)(メタ)アクリル酸タイプのモノマーに由来する単位のみからなる1種または複数種の両性ポリマー
を含む。
【0139】
この第2の実施形態によれば、この組成物は、優先的には、とりわけC
8〜C
14、より特定的にはC
12〜C
14アルキルエーテル硫酸塩から選択される硫酸塩アニオン性界面活性剤と、上記において定義されている式(I)に相当するアルキルエーテルカルボン酸塩界面活性剤との混合物を含む。
【0140】
これらの2つの特定の実施形態によれば、両性界面活性剤は、好ましくは、(C
8〜C
20)アルキルアミド(C
3〜C
8)アルキルベタインから選択される。
【0141】
これらの2つの特定の実施形態によれば、4ミリ当量/g以上の電荷密度を有するカチオン性ポリマーは、ジアルキルジアリルアンモニウムクロリドホモポリマー、特にジアリルジメチル塩化アンモニウムホモポリマーから選択され得る。
【0142】
他の実施形態によれば、本発明に係る組成物は:
− 1種または複数種のアニオン性界面活性剤、
− 組成物の総重量を基準として少なくとも3重量%の総含有量の1種または複数種のノニオン性界面活性剤、
− 組成物の総重量を基準として少なくとも3重量%の総含有量の1種または複数種の両性界面活性剤、
− 4ミリ当量/g以上のカチオン電荷密度を有する1種または複数種のカチオン性ポリマー、および
− 4ミリ当量/g未満のカチオン電荷密度を有する1種または複数種のカチオン性ポリマー
を含む。
【0143】
特定の実施形態によれば、本発明に係る組成物は:
− 1種または複数種のアルキルエーテルカルボン酸塩アニオン性界面活性剤であって、好ましくは上記に定義されている式(I)のもの、
− 2〜50molのエチレンオキシドを含み、かつ、少なくとも1つのC
8〜C
20アルキル鎖を含む1種または複数種のオキシエチレン化C
8〜C
40アルコールを含む、組成物の総重量を基準として少なくとも3重量%の総含有量の1種または複数種のノニオン性界面活性剤、
− (C
8〜C
20)アルキルベタイン、(C
8〜C
20)アルキルスルホベタイン、(C
8〜C
20)アルキルアミド(C
3〜C
8)アルキルベタインおよび(C
8〜C
20)アルキルアミド(C
6〜C
8)アルキルスルホベタインから選択される1種または複数種の界面活性剤を含む、組成物の総重量を基準として少なくとも3重量%の総含有量の1種または複数種の両性界面活性剤、
− ジアルキルジアリルアンモニウムハライドホモポリマーから選択される4ミリ当量/g以上のカチオン電荷密度を有する1種または複数種のカチオン性ポリマー、ならびに
− ジアリルジメチルアンモニウムハライドおよびアクリルアミドのコポリマーから選択される、4ミリ当量/g未満のカチオン電荷密度を有する1種または複数種のカチオン性ポリマー
を含む。
【0144】
第2の特定の実施形態によれば、本発明に係る組成物は:
− 硫酸塩アニオン性界面活性剤から、とりわけC
8〜C
14アルキルエーテル硫酸塩およびアルキルエーテルカルボン酸塩界面活性剤から選択される1種または複数種のアニオン性界面活性剤、
− 2〜50molのエチレンオキシドを含み、かつ、少なくとも1つのC
8〜C
20アルキル鎖を含むオキシエチレン化C
8〜C
40アルコールから選択される、組成物の総重量を基準として少なくとも3重量%の総含有量の1種または複数種のノニオン性界面活性剤、
− (C
8〜C
20)アルキルベタイン、(C
8〜C
20)アルキルスルホベタイン、(C
8〜C
20)アルキルアミド(C
3〜C
8)アルキルベタインおよび(C
8〜C
20)アルキルアミド(C
6〜C
8)アルキルスルホベタインから選択される組成物の総重量を基準として少なくとも3重量%の総含有量の1種または複数種の両性界面活性剤、ならびに
− ハロゲン化ジアリルジアルキルアンモニウムホモポリマーから選択される4ミリ当量/g以上のカチオン電荷密度を有する1種または複数種のカチオン性ポリマー、ならびに
− ハロゲン化ジアリルジアルキルアンモニウムおよびアクリルアミドのコポリマーから選択される、4ミリ当量/g未満のカチオン電荷密度を有する1種または複数種のカチオン性ポリマー
を含む。
【0145】
この第2の特定の実施形態によれば、この組成物は、優先的には、とりわけC
8〜C
14、より特定的にはC
12〜C
14アルキルエーテル硫酸塩から選択される硫酸塩アニオン性界面活性剤と、上記において定義されている式(I)に相当するアルキルエーテルカルボン酸塩界面活性剤との混合物を含む。
【0146】
これらの2つの特定の実施形態によれば、両性界面活性剤は、好ましくは、(C
8〜C
20)アルキルアミド(C
3〜C
8)アルキルベタインから選択される。
【0147】
これらの2つの特定の実施形態によれば、4ミリ当量/g以上のカチオン電荷密度を有するカチオン性ポリマーは、ジアルキルジアリルアンモニウムクロリドホモポリマー、特にジアリルジメチル塩化アンモニウムホモポリマーから選択され得、かつ、4ミリ当量/g未満のカチオン電荷密度を有するカチオン性ポリマーは、ジアリルジメチル塩化アンモニウムおよびアクリルアミドのコポリマーから選択され得る。
【0148】
他の実施形態によれば、本発明に係る組成物は:
− 1種または複数種のアニオン性界面活性剤、
− 組成物の総重量を基準として少なくとも3重量%の総含有量の1種または複数種のノニオン性界面活性剤、
− 組成物の総重量を基準として少なくとも3重量%の総含有量の1種または複数種の両性界面活性剤、
− 4ミリ当量/g以上のカチオン電荷密度を有する1種または複数種のカチオン性ポリマー、および
− 4ミリ当量/g未満のカチオン電荷密度を有する1種または複数種のカチオン性ポリマー、および
− 1種または複数種の両性ポリマー
を含む。
【0149】
本発明に係る組成物は、水を含み得、または、エタノール、イソプロパノール、t−ブタノールもしくはn−ブタノールなどのC
1〜C
4低級アルコール;グリセロール、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコールなどのポリオール;ならびに、これらの混合物から選択される1種もしくは複数種の化粧用として許容可能な溶剤と水との混合物を含み得る。
【0150】
本発明に係る組成物のpHは、一般に、3〜10、好ましくは3.5〜7、より良くは4〜5.5の範囲である。
【0151】
本発明に係る組成物はまた、天然もしくは合成増粘剤または粘度調整剤;C
12〜C
30脂肪族アルコール;セラミド;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸セチルおよびステアリン酸ステアリルなどの脂肪族エステル;α−オレフィンまたはアボカド油、ナタネ油、杏仁油、カメリナ油または液体石油ゼリーなどの鉱油、植物油または合成油;ビタミンまたはプロビタミン;ノニオン性またはアニオン性ポリマー;pH安定剤、防腐剤;染料;芳香剤または防フケ剤などの、技術分野において周知である1種または複数種の標準的な添加剤を含み得る。
【0152】
増粘剤は、セルロース系増粘剤(例えばヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース)、グアーガムおよびその誘導体(例えばRhodia社からJaguar HP 105の参照記号で市販されているヒドロキシプロピルグアー)、微生物性由来のガム(キサンタンガムおよびスクレログルカンガムなど)、合成増粘剤(例えば、架橋アクリル酸またはアクリルアミドプロパンスルホン酸ホモポリマー、例えばカルボマー、ノニオン性、アニオン性、カチオン性または両性結合ポリマー、例えば、Goodrich社によりPemulen TR1またはTR2の名称で、Ciba社によりSalcare SC90の名称で、Roehm & Haas社によりAculyn 22、28、33、44または46の名称で、ならびに、Akzo社によりElfacos T210およびT212の名称で市販されているポリマーなど)から選択され得る。
【0153】
当業者は、任意選択の添加剤およびその量を、本発明の組成物の特性が損なわれることがないように注意して選択することとなる。
【0154】
これらの添加剤は、一般に、本発明に係る組成物中において、組成物の総重量を基準として0〜20重量%の範囲の量で存在する。
【0155】
本発明に係る組成物は、毛髪を洗浄およびコンディショニングするための洗髪剤として用いられ得る。本発明に係る組成物はこの場合、好ましくは、洗浄に効果的な量で濡れた毛髪に適用され、次いで、手でマッサージまたはこすることにより形成された泡が、任意選択の放置時間後に、水ですすぐことにより除去され得、この作業がおそらくは1回または複数回反復される。
【0156】
本発明に係る方法および使用
本発明の他の主題は、ケラチン繊維、特にヒトケラチン繊維、例えば毛髪などを洗浄およびコンディショニングするための方法であって、前記繊維に上記に定義されている本発明に係る組成物を適用する工程を含む方法に関する。
【0157】
好ましくは、ケラチン繊維、特にヒトケラチン繊維、例えば毛髪などを洗浄およびコンディショニングするための方法は:
− 1種または複数種のアニオン性界面活性剤、
− 組成物の総重量を基準として少なくとも3重量%の総含有量の1種または複数種のノニオン性界面活性剤、
− 組成物の総重量を基準として少なくとも3重量%の総含有量の1種または複数種の両性界面活性剤、
− 4ミリ当量/g以上のカチオン電荷密度を有する1種または複数種のカチオン性ポリマー、および
− 1種または複数種の両性ポリマー
を含む組成物を前記繊維に適用する工程を含む。
【0158】
好ましくは、ケラチン繊維、特にヒトケラチン繊維、例えば毛髪などを洗浄およびコンディショニングするための方法は:
− 1種または複数種のアニオン性界面活性剤、
− 組成物の総重量を基準として少なくとも3重量%の総含有量の1種または複数種のノニオン性界面活性剤、
− 組成物の総重量を基準として少なくとも3重量%の総含有量の1種または複数種の両性界面活性剤、
− 4ミリ当量/g以上のカチオン電荷密度を有する1種または複数種のカチオン性ポリマー、および
− 4ミリ当量/g未満のカチオン電荷密度を有する1種または複数種のカチオン性ポリマー
を含む組成物を前記繊維に適用する工程を含む。
【0159】
好ましくは、ケラチン繊維、特にヒトケラチン繊維、例えば毛髪などを洗浄およびコンディショニングするための方法は:
− 1種または複数種のアニオン性界面活性剤、
− 組成物の総重量を基準として少なくとも3重量%の総含有量の1種または複数種のノニオン性界面活性剤、
− 組成物の総重量を基準として少なくとも3重量%の総含有量の1種または複数種の両性界面活性剤、
− 4ミリ当量/g以上のカチオン電荷密度を有する1種または複数種のカチオン性ポリマー、および
− 4ミリ当量/g未満のカチオン電荷密度を有する1種または複数種のカチオン性ポリマー、および1種または複数種の両性ポリマー
を含む組成物を前記繊維に適用する工程を含む。
【0160】
本組成物は、濡れているかまたは乾燥した毛髪に適用され得、好ましくは、濡れているかまたは湿った毛髪に適用され得る。
【0161】
本組成物は、好ましくは、鋭敏化された毛髪に適用される。
【0162】
一実施形態によれば、本方法は、ケラチン繊維に、有効量の本発明に係る組成物を適用する工程、任意選択により繊維をマッサージする工程、任意選択により組成物を繊維上で放置する工程、およびすすぐ工程からなる。
【0163】
ケラチン繊維上への組成物の放置時間は、数秒間〜15分間、好ましくは30秒間〜5分間であり得る。組成物は一般に水ですすがれる。
【0164】
ケラチン繊維を乾燥させる任意選択の工程を行ってもよい。
【0165】
本発明はまた、ケラチン繊維、特にヒトケラチン繊維、例えば毛髪などを洗浄およびコンディショニングするための既述の本発明に係る組成物の使用に関する。
【0166】
以下の実施例は本発明を例示するためのものであるが、しかしながら、限定をするものではない。
【実施例】
【0167】
実施例1.
本発明に係る化粧組成物を、以下の表に記載の処方成分から調製する。処方成分の量は、組成物の総重量を基準とした重量百分率として表記する。
【0168】
【表1】
【0169】
組成物を、中度に鋭敏化された毛髪(SA20)の房に、0.37gの組成物/毛髪1グラムの使用量で適用する。次いでこれらを、指を使って5回処理し、次いで蛇口の下において、4l/分の流量の38℃の水で10回すすぐ。
【0170】
5人の専門家の調査員団が、比較配合物で処理したものと比して、配合物A〜Hで処理した頭髪の濡れた毛髪における感触およびもつれの解消の容易さを比較した。
【0171】
すべての専門家が、比較配合物と比して、組成物A〜Hについて、より良好な化粧品の感触の質、およびより良好なもつれの解消の容易さを指摘した。
【0172】
本発明に係る組成物を、以下の表に記載の処方成分から調製する。処方成分の量は、組成物の総重量を基準とした重量百分率として表記する。
【0173】
【表2】
【0174】
組成物を、中度に鋭敏化された毛髪(SA20)の房に、0.37gの配合物/毛髪1gの使用量で適用する。
【0175】
次いで、これらを指を使って5回処理し、次いで、蛇口の下において、4l/分の流量の38℃の水で10回すすぐ。
【0176】
5人の専門家の調査員団が、比較配合物(参照例1/参照例2)で処理したものと比して、配合物Aで処理した房の濡れた毛髪における感触、およびもつれの解消の容易さを比較した。
【0177】
II.実施例−A2対参照例3/4
a.組成物の調製
以下の組成物を、以下の表に記載の処方成分から調製する。処方成分の量は、組成物の総重量を基準とした重量百分率として表記する。
【0178】
【表3】
【0179】
組成物は、製造時(t=t0)に、室温で清透な外観を有している。
【0180】
組成物を、中度に鋭敏化された毛髪(SA20)の房に、0.37gの配合物/毛髪1gの使用量で適用する。
【0181】
次いで、これらを指を使って5回処理し、次いで、蛇口の下において、4l/分の流量の38℃の水で10回すすぐ。
【0182】
b.結果
5人の試験官からなる調査員団が、比較組成物(参照例3/参照例4)で処理したものと比して、配合物A2で処理した房の濡れた毛髪における感触を比較した。
【0183】
各試験者が、比較組成物(参照例3/参照例4)および本発明に係る組成物(組成物A2)で処理した房の各々を分類することにより感触を評価した。
【0184】
【表4】
【0185】
本発明に係る組成物(組成物A2)は、比較組成物(参照例3/参照例4)よりも処理した毛髪の房に滑らかな感触を与えると、試験官の調査員団によって系統的に分類された。
【0186】
III.実施例−A3対参照例5/6
以下の組成物を、以下の表に記載の処方成分から調製する。処方成分の量は、組成物の総重量を基準とした重量百分率として表記する。
【0187】
【表5】
【0188】
組成物は、製造時(t=t0)に、室温で清透な外観を有している。
【0189】
組成物を、中度に鋭敏化された毛髪(SA20)の房に、0.37gの配合物/毛髪1gの使用量で適用する。
【0190】
次いで、これらを指を使って5回処理し、次いで、蛇口の下において、4l/分の流量の38℃の水で10回すすぐ。
【0191】
c.結果
5人の専門家からなる調査員団が、比較組成物(参照例5/参照例6)で処理したものと比して、配合物A3で処理した房の濡れた毛髪における感触を比較した。
【0192】
各専門家が、比較組成物(参照例5/参照例6)および本発明に係る組成物(組成物A3)で処理した房の各々を分類することにより、感触を評価した。
【0193】
【表6】
【0194】
本発明に係る組成物(組成物A3)は、比較組成物(参照例5/参照例6)よりも処理した毛髪の房に滑らかな感触を与えると、試験官の調査員団によって系統的に分類された。
【0195】
IV.実施例−A4対参照例7/8
以下の組成物を、以下の表に記載の処方成分から調製する。処方成分の量は、組成物の総重量を基準とした重量百分率として表記する。
【0196】
【表7】
【0197】
組成物は、製造時(t=t0)に、室温で清透な外観を有している。
【0198】
組成物を、中度に鋭敏化された毛髪(SA20)の房に、0.37gの配合物/毛髪1gの使用量で適用する。
【0199】
次いで、これらを指を使って5回処理し、次いで、蛇口の下において、4l/分の流量の38℃の水で10回すすぐ。
【0200】
d.結果
5人の試験官からなる調査員団が、比較組成物(参照例7/参照例8)で処理したものと比して、配合物A4で処理した房の濡れた毛髪における感触を比較した。
【0201】
各試験者が、比較組成物(参照例7/参照例8)および本発明に係る組成物(組成物A4)で処理した房の各々を分類することにより、感触を評価した。
【0202】
【表8】
【0203】
本発明に係る組成物(組成物A4)は、比較組成物(参照例7/参照例8)よりも処理した毛髪の房に滑らかな感触を与えると、試験官の調査員団によって系統的に分類された。
【0204】
V.実施例−A5
以下の本発明に係る組成物を、以下の表に記載の処方成分から調製する。処方成分の量は、組成物の総重量を基準とした重量百分率として表記する。
【0205】
【表9】
【0206】
VI.実施例−A6対参照例9/10
以下の組成物を、以下の表に記載の処方成分から調製する。処方成分の量は、組成物の総重量を基準とした重量百分率として表記する。
【0207】
【表10】
【0208】
組成物を、中度に鋭敏化された毛髪(SA20)の房に、0.37gの組成物/毛髪1グラムの使用量で適用する。次いで、これらを指を使って5回処理し、次いで、蛇口の下において、4l/分の流量の38℃の水で10回すすぐ。
【0209】
5人の専門家の調査員団が、比較組成物で処理したものと比して、配合物Aで処理した房の濡れた毛髪における感触、およびもつれの解消の容易さを比較した。