特許第6771609号(P6771609)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6771609
(24)【登録日】2020年10月1日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/02 20060101AFI20201012BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20201012BHJP
   F25D 29/00 20060101ALI20201012BHJP
   E05F 15/611 20150101ALI20201012BHJP
【FI】
   F25D23/02 306M
   F25D11/00 101B
   F25D29/00 B
   E05F15/611
【請求項の数】12
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2019-52228(P2019-52228)
(22)【出願日】2019年3月20日
(62)【分割の表示】特願2016-570070(P2016-570070)の分割
【原出願日】2016年7月29日
(65)【公開番号】特開2019-132579(P2019-132579A)
(43)【公開日】2019年8月8日
【審査請求日】2019年7月24日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0108162
(32)【優先日】2015年7月30日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2015-0108163
(32)【優先日】2015年7月30日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【弁護士】
【氏名又は名称】小林 英了
(72)【発明者】
【氏名】ドンジョン キム
(72)【発明者】
【氏名】エヨン リ
(72)【発明者】
【氏名】ジュンジェ リ
(72)【発明者】
【氏名】ジンホ チャン
(72)【発明者】
【氏名】ジェホン シン
【審査官】 笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−258047(JP,A)
【文献】 特開2006−023040(JP,A)
【文献】 特開2001−101495(JP,A)
【文献】 特開2006−009400(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 11/00
F25D 23/02
F25D 29/00
E05F 15/611
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵庫であって
貯蔵室が形成されるキャビネットと、
前記貯蔵室を開閉するための冷蔵庫ドアと、
前記キャビネットと前記冷蔵庫ドアを連結するためのヒンジ軸を備えるヒンジアセンブリと、
前記冷蔵庫ドアを開放させるために初期位置からドア開放位置に移動できるプッシュロッドと、
前記プッシュロッドに動力を提供するためのモータとを備えるドア開放装置と、
前記プッシュロッドが前記ドア開放位置に移動した時の前記冷蔵庫ドアの開放角度より大きい基準角度以上に前記冷蔵庫ドアが開放されることを感知するためのドア開放感知部と、
前記モータを制御するコントローラと、を備えてなり、
前記コントローラは、前記冷蔵庫ドアを開放するために、前記プッシュロッドが前記ドア開放位置に移動するように前記モータを一方向に回転させ、
前記プッシュロッドが前記初期位置から前記ドア開放位置に移動する前に、前記ドア開放感知部で前記冷蔵庫ドアが前記基準角度以上に開放されることが感知されると、前記コントローラは、前記プッシュロッドが前記初期位置に復帰するように前記モータを他方向に回転させる、冷蔵庫。
【請求項2】
前記ドア開放感知部は、前記ヒンジ軸と隣接して位置するセンサを備えてなる、請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記ドア開放感知部は、前記ヒンジアセンブリと前記冷蔵庫ドアのいずれか一つに備えられる磁石を更に備え、
前記センサは、前記磁石の磁気を感知する磁気センサであり、前記ヒンジアセンブリと前記冷蔵庫ドアのうちの他の一つに備えられてなる、請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記ドア開放感知部は、前記ヒンジアセンブリと前記冷蔵庫ドアの何れか一つに備えられる磁石を更に備え、
前記センサは、前記冷蔵庫ドアが前記基準角度未満に開放されると、前記磁石によってオンされ、前記冷蔵庫ドアが前記基準角度以上に開放されると、オフされる磁石センサであり、前記ヒンジアセンブリと前記冷蔵庫ドアのうちの他の一つに備えられてなる、請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記センサは、前記ヒンジアセンブリと前記冷蔵庫ドアのいずれか一つに備えられるマイクロスイッチである、請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記ドア開放感知部は、前記ヒンジアセンブリと前記冷蔵庫ドアのうちの他の一つに備えられ、前記冷蔵庫ドアが前記基準角度だけ開放されるとき前記マイクロスイッチをオンさせるスイッチ操作部を更に備えてなる、請求項5に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記センサは、発光部と受光部とを備え、
前記冷蔵庫ドアが前記基準角度だけ回転すると、前記発光部から照射された光が前記受光部に到達し、前記受光部に光が到達すると、前記コントローラは、前記冷蔵庫ドアが前記基準角度だけ開放したと判断する、請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記発光部及び前記受光部は、前記冷蔵庫ドア及び前記ヒンジアセンブリのいずれか一つに配置される、請求項7に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
前記発光部は、前記冷蔵庫ドア及び前記ヒンジアセンブリの何れか一つに配置され、
前記受光部は、前記冷蔵庫ドア及び前記ヒンジアセンブリのうちの他の一つに配置される、請求項7に記載の冷蔵庫。
【請求項10】
前記プッシュロッドが前記ドア開放位置に移動した状態で一定時間が経過すると、前記コントローラは、前記プッシュロッドが前記ドア開放位置から前記初期位置に復帰するように前記モータを他方向に回転させる、請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項11】
前記プッシュロッドが前記ドア開放位置に停止した状態で前記一定時間が経過する前に、前記冷蔵庫ドアが前記基準角度以上に開放されることが感知されると、前記コントローラは、前記プッシュロッドが前記初期位置に復帰するように前記モータを他方向に回転させる、請求項10に記載の冷蔵庫。
【請求項12】
前記プッシュロッドは、前記モータの動力を受け取ることができる弧状のラックギヤを備えてなる、請求項1に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、冷蔵庫は、ドアによって遮蔽される内部の貯蔵室で飲食物を低温で保管できるようにする家電機器である。
【0003】
先行文献である韓国公開特許公報第2011−0040030号(2011年04月20日公開)には、冷蔵庫ドアの開放方法が開示される。
【0004】
先行文献の場合、冷蔵庫ドアにドアハンドルが備えられ、ドアハンドルに操作部が備えられる。そして、貯蔵空間を形成するキャビネットにドア開放装置が備えられる。ユーザが操作部を操作すると、前記ドア開放装置を構成するプッシュロッドがドアを押してドアを開放させる。
【0005】
前記プッシュロッドは、駆動モータから発生した駆動力を多数の歯車によって受け取り直線運動する。
【0006】
前記プッシュロッドは前進してドアを開放するための設定位置まで移動することができる。そして、位置感知部材が、前記プッシュロッドが設定位置に移動したことを感知する場合、駆動モータが逆回転してプッシュロッドが最初位置に復帰する。
【0007】
このような先行文献によれば、プッシュロッドが設定位置まで移動するまで持続的に駆動モータが動作するので、駆動モータが動作する過程で外力が前記冷蔵庫ドアに加わる場合、前記プッシュロッド及び歯車が破損したり、前記駆動モータの過負荷によって駆動モータが損傷する問題がある。
【0008】
また、プッシュロッドの移動時、ユーザがドアを開放するのか否かに関係なく前記プッシュロッドが設定位置まで移動するまで持続的に駆動モータが動作するので、プッシュロッドが前進して設定位置に移動する過程で、ユーザがドアの開放角度を増加させた後ドアを閉じる場合、ドアを閉じるための回転力がプッシュロッドを介して多数の歯車に伝達されて、プッシュロッド及び/又は歯車が破損する問題が発生することになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、ドアを開放するためのプッシュロッドがドア開放位置に移動するうち又はプッシュロッドがドア開放位置に移動した状態で、外部負荷の作用によってプッシュロッド及び/又はプッシュロッドに動力を伝達するための歯車が破損されることが防止される冷蔵庫及びその制御方法を提供することにある。
【0010】
また、本発明の目的は、プッシュロッドがドア開放位置に移動した状態で、ドアの開放状態が一定時間維持される冷蔵庫及びその制御方法を提供することにある。
【0011】
また、本発明の目的は、ドアが開放される過程でドアのがたつきが防止される冷蔵庫及びその制御方法を提供することにある。
【0012】
また、本発明の目的は、ドアを開放するためのプッシュロッドがドア開放位置に移動す
るうち又はプッシュロッドがドア開放位置に移動した後、初期位置に復帰する前に、ドアがユーザによって閉じられることによるプッシュロッド及び/又はプッシュロッドに動力を伝達するための歯車の破損が防止される冷蔵庫及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
一側面に係る冷蔵庫は、貯蔵室が形成されるキャビネットと、前記貯蔵室を開閉するための冷蔵庫ドアと、前記冷蔵庫ドアを開放させるために初期位置からドア開放位置に移動できるプッシュロッドと、前記プッシュロッドに動力を提供するためのモータとを備えるドア開放装置と、前記モータを制御するコントローラと、を含み、前記コントローラは、前記冷蔵庫ドアを開放するために、前記プッシュロッドが前記キャビネット又は前記冷蔵庫ドアに接触した状態で前記ドア開放位置に移動するようにし、前記プッシュロッドが前記ドア開放位置に移動した時間が一定時間維持されるように前記モータへの電圧供給を制御する。
【0014】
前記プッシュロッドは、前記モータの動力を受け取ることができる弧状のラックギヤを含むことができる。
【0015】
前記コントローラは、前記プッシュロッドを前記初期位置から前記ドア開放位置に移動させるために、前記モータが第1方向に回転するように前記モータに電圧を供給することができる。
【0016】
前記コントローラは、前記プッシュロッドが前記初期位置から前記ドア開放位置に移動する過程で、前記モータの回転速度が減少するように前記モータを制御することができる。
【0017】
前記コントローラは、前記モータが第1回転速度で回転するように前記モータを制御してから、特定時点で前記モータの回転速度が前記第1回転速度より低い第2回転速度になるように前記モータを制御することができる。
【0018】
前記コントローラは、前記モータの回転速度が前記第2回転速度に到達すると、前記プッシュロッドが前記ドア開放位置に到達するまで、前記モータの回転速度が前記第2回転速度を維持するように前記モータを制御することができる。
【0019】
前記モータの回転を感知するためのモータ回転感知部を更に含み、前記モータ回転感知部は、前記モータの回転過程でパルスを出力し、前記特定時点は、前記モータ回転感知部から出力されたパルスの個数が第1基準個数に到達する時点である。
【0020】
前記モータ回転感知部から出力されたパルスの個数が前記第1基準個数より大きい第2基準個数に到達する時点での前記モータの速度が前記第2回転速度である。
【0021】
前記モータの回転を感知するためのモータ回転感知部を更に含み、前記冷蔵庫ドアを開放するために前記モータが一方向に作動して、前記プッシュロッドが前記初期位置から前記ドア開放位置に移動する過程で、前記コントローラは、前記モータ回転感知部で感知される情報に基づいて前記冷蔵庫ドアが閉じられる方向に前記冷蔵庫ドアに外部負荷が作用するのか否かを判断する。
【0022】
前記冷蔵庫ドアに外部負荷が作用すると判断した場合、前記プッシュロッドが前記初期位置に復帰するように前記モータを他方向に回転させることができる。
【0023】
前記モータ回転感知部は、前記モータの回転過程でパルスを出力し、前記コントローラは、前記モータ回転感知部から単位時間当たり出力されるパルスの個数が負荷感知個数以下である場合、前記プッシュロッドが前記初期位置に復帰するように前記モータを他方向に回転させる。
【0024】
前記コントローラは、前記プッシュロッドが前記ドア開放位置に到達すると、前記モータを停止させ、前記コントローラは、前記プッシュロッドが前記ドア開放位置に到達した状態で、前記モータ回転感知部で感知される情報に基づいて前記冷蔵庫ドアが閉じられる方向に前記冷蔵庫ドアに外部負荷が作用するのか否かを判断する。
【0025】
前記冷蔵庫ドアに外部負荷が作用すると判断した場合、前記プッシュロッドが前記初期位置に復帰するように前記モータを他方向に回転させる。
【0026】
前記コントローラは、前記プッシュロッドが前記ドア開放位置に移動すると、前記モータを停止させ、前記モータが停止した状態で、前記プッシュロッドが前記ドア開放位置で停止した状態が維持されるように前記モータに電圧を供給することができる。
【0027】
前記モータの回転を感知するモータ回転感知部を更に含み、前記モータが回転すると、前記モータ回転感知部からパルスが出力され、前記コントローラは、前記モータに供給される電圧の周期を制御すると共に、前記モータ回転感知部からパルスが出力されないように電圧の周期を制御することができる。
【0028】
前記モータの回転が停止した時点から一定時間が経過すると、前記コントローラは、前記プッシュロッドが前記ドア開放位置から前記初期位置に復帰するように前記モータを他方向に回転させることができる。
【0029】
前記冷蔵庫ドアが基準角度以上に開放されることを感知するためのドア開放感知部を更に含むことができ、前記プッシュロッドが前記初期位置に復帰する前に、前記ドア開放感知部で前記冷蔵庫ドアが基準角度以上に開放されることが感知されると、前記コントローラは、前記プッシュロッドが前記初期位置に復帰するように前記モータを制御することができる。
【0030】
前記冷蔵庫ドアは、左右方向に配置される第1冷蔵庫ドアと第2冷蔵庫ドアとを含むことができる。前記プッシュロッドが前記ドア開放位置に移動した状態で、前記第1冷蔵庫ドアと第2冷蔵庫ドアのうち開放された冷蔵庫ドアの背面の少なくとも一部は、前記第1冷蔵庫ドアと第2冷蔵庫ドアのうち閉鎖された冷蔵庫ドアの前面より前方に位置する。
【0031】
他の側面に係る冷蔵庫は、貯蔵室が形成されるキャビネットと、前記貯蔵室を開閉するための冷蔵庫ドアと、前記冷蔵庫ドアを開放させるために初期位置からドア開放位置に移動できるプッシュロッドと、前記プッシュロッドに動力を提供するためのモータとを備えるドア開放装置と、前記モータを制御するコントローラと、を含み、前記コントローラは、前記冷蔵庫ドアを開放するために、前記プッシュロッドが前記初期位置から前記ドア開放位置に移動する過程で、前記モータの回転速度が減少するように前記モータを制御することができる。
【0032】
前記コントローラは、前記モータが第1回転速度で回転するように前記モータを制御してから、特定時点で前記モータの回転速度が前記第1回転速度より低い第2回転速度になるように前記モータを制御することができる。
【0033】
前記コントローラは、前記モータの回転速度が前記第1回転速度から前記第2回転速度
に線形的又は非線形的に減少するように前記モータを制御することができる。
【0034】
前記コントローラは、前記モータの回転速度が前記第2回転速度に到達すると、前記プッシュロッドが前記ドア開放位置に到達するまで、前記モータの回転速度が前記第2回転速度を維持するように前記モータを制御することができる。
【0035】
前記冷蔵庫は、前記モータの回転を感知するためのモータ回転感知部を更に含むことができる。
【0036】
前記モータ回転感知部は、前記モータの回転過程でパルスを出力し、前記特定時点は、前記モータ回転感知部から出力されたパルスの個数が第1基準個数に到達する時点である。
【0037】
前記モータ回転感知部から出力されたパルスの個数が前記第1基準個数より大きい第2基準個数に到達する時点での前記モータの速度が前記第2回転速度である。
【0038】
前記冷蔵庫は、前記モータの回転を感知するためのモータ回転感知部を更に含むことができる。
【0039】
前記冷蔵庫ドアを開放するために前記モータが一方向に作動して、前記プッシュロッドが前記初期位置から前記ドア開放位置に移動する過程で、前記コントローラは、前記モータ回転感知部で感知される情報に基づいて前記冷蔵庫ドアが閉じられる方向に前記冷蔵庫ドアに外部負荷が作用するのか否かを判断することができる。
【0040】
前記コントローラは、前記冷蔵庫ドアに外部負荷が作用すると判断した場合、前記プッシュロッドが前記初期位置に復帰するように前記モータを他方向に回転させることができる。
【0041】
前記モータ回転感知部は、前記モータの回転過程でパルスを出力し、前記コントローラは、前記モータ回転感知部から単位時間当たり出力されるパルスの個数が負荷感知個数以下である場合、前記プッシュロッドが前記初期位置に復帰するように前記モータを他方向に回転させることができる。
【0042】
前記コントローラは、前記モータが一方向に回転し、基準時間が経過した後に前記冷蔵庫ドアに外部負荷が作用するのか否かを判断することができる。
【0043】
前記コントローラは、前記プッシュロッドが前記ドア開放位置に到達すると、前記モータを停止させることができる。
【0044】
前記コントローラは、前記プッシュロッドが前記ドア開放位置に到達した状態で、前記モータ回転感知部で感知される情報に基づいて前記冷蔵庫ドアが閉じられる方向に前記冷蔵庫ドアに外部負荷が作用するのか否かを判断することができる。
【0045】
前記冷蔵庫ドアに外部負荷に作用すると判断した場合、前記プッシュロッドが前記初期位置に復帰するように前記モータを他方向に回転させることができる。
【0046】
さらに他の側面に係る冷蔵庫は、貯蔵室が形成されるキャビネットと、前記貯蔵室を開閉するための冷蔵庫ドアと、前記冷蔵庫ドアを開放させるために初期位置からドア開放位置に移動できるプッシュロッドと、前記プッシュロッドに動力を提供するためのモータとを備えるドア開放装置と、前記モータの回転を感知するためのモータ回転感知部と、前記
モータを制御するコントローラとを含むことができる。
【0047】
前記冷蔵庫ドアを開放するために前記モータが一方向に作動して、前記プッシュロッドが前記初期位置から前記ドア開放位置に移動する過程で、前記コントローラは、前記モータ回転感知部で感知される情報に基づいて前記冷蔵庫ドアが閉じられる方向に前記冷蔵庫ドアに外部負荷が作用するのか否かを判断することができる。
【0048】
前記冷蔵庫ドアに外部負荷が作用すると判断した場合、前記プッシュロッドが前記初期位置に復帰するように前記モータを他方向に回転させることができる。
【0049】
前記モータ回転感知部は、前記モータの回転過程でパルスを出力し、前記コントローラは、前記モータ回転感知部から単位時間当たり出力されるパルスの個数が負荷感知個数以下である場合、前記プッシュロッドが前記初期位置に復帰するように前記モータを他方向に回転させることができる。
【0050】
前記コントローラは、前記モータが一方向に回転し、基準時間が経過した後に前記冷蔵庫ドアに外部負荷が作用するのか否かを判断することができる。
【0051】
前記コントローラは、前記プッシュロッドが前記ドア開放位置に到達すると、前記モータを停止させ、前記プッシュロッドが前記ドア開放位置に到達した状態で、前記モータ回転感知部で感知される情報に基づいて前記冷蔵庫ドアが閉じられる方向に前記冷蔵庫ドアに外部負荷が作用するのか否かを判断することができる。
【0052】
前記コントローラは、前記冷蔵庫ドアに外部負荷が作用すると判断した場合、前記プッシュロッドが前記初期位置に復帰するように前記モータを他方向に回転させることができる。
【0053】
前記モータ回転感知部は、前記モータの回転過程でパルスを出力し、前記コントローラは、前記モータ回転感知部から単位時間当たり出力されるパルスの個数が負荷感知個数以上である場合、前記プッシュロッドが前記初期位置に復帰するように前記モータを他方向に回転させることができる。
【0054】
さらに他の側面に係る冷蔵庫は、貯蔵室が形成されるキャビネットと、前記貯蔵室を開閉するための冷蔵庫ドアと、前記冷蔵庫ドアを開放させるために初期位置からドア開放位置に移動できるプッシュロッドと、前記プッシュロッドに動力を提供するためのモータとを備えるドア開放装置と、前記モータを制御するコントローラと、を含み、前記コントローラは、前記冷蔵庫ドアを開放するために、前記プッシュロッドが前記初期位置から前記ドア開放位置に移動するように前記モータを一方向に回転させることができる。
【0055】
前記コントローラは、前記プッシュロッドが前記ドア開放位置に到達すると、前記モータの回転を停止させると共に、前記モータの他方向回転が防止されるように前記モータに電圧を供給することができる。
【0056】
前記冷蔵庫は、前記モータの回転を感知するモータ回転感知部を更に含み、前記モータが回転すると、前記モータ回転感知部からパルスが出力され、前記コントローラは、前記モータに供給される電圧の周期を制御すると共に、前記モータ回転感知部からパルスが出力されないように電圧の周期の制御することができる。
【0057】
前記モータの回転が停止した時点から一定時間が経過すると、前記コントローラは、前記プッシュロッドが前記ドア開放位置から前記初期位置に復帰するように前記モータを他
方向に回転させることができる。
【0058】
さらに他の側面に係る冷蔵庫は、貯蔵室が形成されるキャビネットと、前記貯蔵室を開閉するための冷蔵庫ドアと、前記冷蔵庫ドアを開閉するために、初期位置とドア開放位置との間で移動できるプッシュロッドと、前記プッシュロッドに動力を提供するためのモータとを備えるドア開放装置と、前記冷蔵庫ドアが基準角度以上に開放されることを感知するためのドア開放感知部と、前記ドア開放感知部で感知された情報に基づいて前記モータを制御するコントローラとを含む。
【0059】
前記プッシュロッドが初期位置に復帰する前に、前記ドア開放感知部で前記冷蔵庫ドアが基準角度以上に開放されることが感知されると、前記コントローラは、前記プッシュロッドが前記初期位置に復帰するように前記モータを制御することができる。
【0060】
前記基準角度は、前記プッシュロッドが前記ドア開放位置に移動した状態での前記冷蔵庫ドアの開放角度より大きい。
【0061】
前記プッシュロッドが前記初期位置から前記ドア開放位置に移動するうちに前記ドア開放感知部で前記冷蔵庫ドアが前記基準角度以上に開放されることが感知されると、前記コントローラは、前記プッシュロッドが前記初期位置に復帰するように前記モータを制御することができる。
【0062】
前記プッシュロッドが前記ドア開放位置に到達すると、前記モータは停止し、前記プッシュロッドが前記ドア開放位置に移動して前記モータが停止した状態で一定時間経過すると、前記コントローラは、前記プッシュロッドが前記ドア開放位置から前記初期位置に復帰するように前記モータを制御することができる。
【0063】
前記プッシュロッドが前記ドア開放位置に移動して前記モータが停止した状態で一定時間が経過する前に、前記ドア開放感知部で前記冷蔵庫ドアが前記基準角度以上に開放されたことが感知されると、前記コントローラは、前記プッシュロッドが前記初期位置に復帰するように前記モータを制御することができる。
【0064】
前記キャビネットと前記冷蔵庫ドアとを連結させるためのヒンジ軸を備えるヒンジアセンブリを更に含み、前記ドア開放感知部は、信号を出力し、前記ヒンジ軸に隣接して位置するセンサを含むことができる。
【0065】
前記ドア開放感知部は、前記ヒンジアセンブリと前記冷蔵庫ドアのいずれかに備えられる磁石を更に含むことができる。前記センサは、前記磁石の磁気を感知する磁気センサであり、前記ヒンジアセンブリと前記冷蔵庫ドアのうちの他の一つに備えられる。
【0066】
前記ドア開放感知部は、前記ヒンジアセンブリと前記冷蔵庫ドアのいずれかに備えられる磁石を更に含むことができる。
【0067】
前記センサは、前記冷蔵庫ドアが前記基準角度未満に開放されると、前記磁石によってオンされ、前記冷蔵庫ドアが前記基準角度以上に開放されると、オフされる磁石センサであり、前記ヒンジアセンブリと前記冷蔵庫ドアのうちの他の一つに備えられる。
【0068】
前記センサは、前記ヒンジアセンブリと前記冷蔵庫ドアのいずれかに備えられるマイクロスイッチである。
【0069】
前記ドア開放感知部は、前記ヒンジアセンブリと前記冷蔵庫ドアのうちの他の一つに備
えられ、前記冷蔵庫ドアが前記基準角度だけ開放されるとき前記マイクロスイッチをオンさせるスイッチ操作部を更に含むことができる。
【0070】
前記センサは、発光部と受光部とを含み、前記冷蔵庫ドアが前記基準角度だけ回転すると、前記発光部から照射された光が前記受光部に到達することになり、前記受光部に光が到達すると、前記コントローラは、前記冷蔵庫ドアが基準角度だけ開放したと判断することができる。
【0071】
前記発光部及び前記受光部は、前記冷蔵庫ドア及び前記ヒンジアセンブリのいずれかに配置される。
【0072】
前記発光部は、前記冷蔵庫ドア及び前記ヒンジアセンブリのいずれかに配置され、前記受光部は、前記冷蔵庫ドア及び前記ヒンジアセンブリのうちの他の一つに配置される。
【0073】
さらに他の側面に係る冷蔵庫の制御方法は、冷蔵庫ドアを開放するためにモータが一方向に作動して、プッシュロッドが初期位置からドア開放位置に移動するステップと、前記プッシュロッドが前記ドア開放位置に到達した後一定時間が経過したのか否かが判断されるステップと、前記一定時間が経過したと判断されると、前記プッシュロッドが前記初期位置に復帰するように前記モータが他方向に作動するステップとを含むことができる。
【0074】
前記プッシュロッドが初期位置からドア開放位置に移動する過程で、前記モータの一方向の回転速度が減少するように前記モータの回転速度が制御される。
【0075】
前記モータの一方向の回転速度が第1回転速度に維持されてから、前記第1回転速度より低い第2回転速度に到達するまで一定時間の間減少するように前記モータの回転速度が制御される。
【0076】
前記初期位置からドア開放位置に移動するステップは、コントローラが前記冷蔵庫ドアが閉じられる方向に前記冷蔵庫ドアに外部負荷が作用するのか否かを判断するステップと、前記冷蔵庫ドアに外部負荷が作用すると判断した場合、前記プッシュロッドが前記ドア開放位置に到達する前であっても前記初期位置に復帰するように前記モータを他方向に回転させるステップとを含むことができる。
【0077】
前記プッシュロッドが前記ドア開放位置に到達すると、前記モータの前記他方向回転が防止されるように、コントローラは前記モータに電圧を供給することができる。
【0078】
前記プッシュロッドが前記ドア開放位置に到達した場合、コントローラは、前記冷蔵庫ドアが閉じられる方向に前記冷蔵庫ドアに外部負荷が作用するのか否かを判断し、前記冷蔵庫ドアに外部負荷が作用すると判断した場合、前記プッシュロッドが前記初期位置に復帰するように前記モータを他方向に回転させることができる。
【0079】
さらに他の側面に係る冷蔵庫の制御方法は、冷蔵庫ドアを開放するためにモータが作動して、プッシュロッドが初期位置からドア開放位置に向けて移動するステップと、前記プッシュロッドが前記初期位置から前記ドア開放位置に到達する前に、ドア開放感知部で前記冷蔵庫ドアの開放が感知されたのか否かがコントローラによって判断されるステップと、前記ドア開放感知部で前記冷蔵庫ドアの開放が感知されたのか否かに基づいて、前記コントローラが前記モータを制御するステップを含む。
【0080】
前記コントローラが前記モータを制御するステップは、前記プッシュロッドが前記ドア開放位置に到達する前に、前記ドア開放感知部で前記冷蔵庫ドアが開放されたと判断され
ると、前記プッシュロッドが前記初期位置に復帰するように、前記コントローラが前記モータを制御するステップを含むことができる。
【0081】
前記コントローラが前記モータを制御するステップは、前記プッシュロッドが前記ドア開放位置に到達する前に、前記ドア開放感知部で前記冷蔵庫ドアが開放されなかったと判断されると、前記プッシュロッドが前記ドア開放位置に到達するように、前記コントローラが前記モータを制御するステップを含むことができる。
【0082】
さらに他の側面に係る冷蔵庫の制御方法は、冷蔵庫ドアを開放するためにモータが作動して、プッシュロッドが初期位置からドア開放位置に移動するステップと、前記プッシュロッドが前記ドア開放位置で停止した状態で、ドア開放感知部で前記冷蔵庫ドアの開放が感知されたのか否かがコントローラによって判断されるステップと、前記ドア開放感知部で前記冷蔵庫ドアの開放が感知されたのか否かに基づいて、前記コントローラが前記モータを制御するステップとを含むことができる。
【0083】
前記コントローラが前記モータを制御するステップは、前記プッシュロッドが前記ドア開放位置で停止した状態で一定時間が経過する前に、前記ドア開放感知部で前記冷蔵庫ドアの開放が感知されたと判断されると、前記プッシュロッドが前記初期位置に復帰するように、前記コントローラが前記モータを制御するステップを含むことができる。
【0084】
前記コントローラが前記モータを制御するステップは、前記プッシュロッドが前記ドア開放位置で停止した状態で一定時間経過するまで、前記ドア開放感知部で前記冷蔵庫ドアの開放が感知されなかったと判断されると、前記プッシュロッドが前記初期位置に復帰するように、前記コントローラが前記モータを制御するステップを含むことができる。
【発明の効果】
【0085】
提案される発明によれば、ドアを開放するためにプッシュロッドが移動する過程で、ドアが閉じられる方向にドアに外部負荷が作用することが感知されると、プッシュロッドが初期位置に復帰するようにモータを制御することによって、プッシュロッド及び/又は歯車の損傷が防止され、モータの過負荷によるモータの損傷が防止される。
【0086】
また、プッシュロッドがドア開放位置に移動した状態でモータに電圧を供給することで、ドア自体の荷重、ドアとキャビネットとを密着させるためのガスケットに備えられる磁石の磁力、ドアが自動で閉じられるようにするための自動閉鎖機構による閉鎖力のうちの一つ以上によって、プッシュロッドが初期位置に移動してドアが閉じられる現象を防止することができきる。
【0087】
また、前記プッシュロッドが初期位置からドア開放位置に移動する過程でモータの回転速度が減少し、これによってプッシュロッドの移動速度が減少することになり、プッシュロッドの移動速度が減少した状態でプッシュロッドがドア開放位置で停止するので、前記ドアの開放過程でがたつく現象が防止され、前記第1冷蔵室ドアの回転が滑らかに停止する。
【0088】
また、プッシュロッドがドア開放位置に移動するときのドアの開放角度より大きい基準角度以上にドアが開放されることを感知して、プッシュロッドを初期位置に復帰するようにすることで、プッシュロッドが初期位置に復帰する前にドアが閉じられることによってプッシュロッドが破損したり、プッシュロッドに動力を伝達するための歯車が破損することを防止することができる。
【0089】
また、ドア開放感知部がヒンジ軸に隣接して位置することで、ドアが基準角度以上に回
転することを正確に感知できる長所がある。
【0090】
また、ドア開放感知部がヒンジ軸に隣接して位置することで、ドア開放装置など他の構成との干渉が防止される。
【0091】
また、ドア開放感知部の一部がヒンジアセンブリに備えられる場合、ドア開放感知部を容易に組み立てることができ、前記ヒンジアセンブリを分離して、簡単に前記ドア開放感知部に接近することができるので、ドア開放感知部のサービスが容易な長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0092】
図1】本発明の第1実施例に係る冷蔵庫の斜視図である。
図2】本発明の第1実施例に係る第1冷蔵室ドアにドア開放装置が備えられる様子を示す斜視図である。
図3】本発明の第1実施例に係る冷蔵庫のブロック図である。
図4】本発明の第1実施例に係るドア開放装置を示す図である。
図5】本発明の第1実施例に係るドア開放装置が第1冷蔵室ドアに設置された様子を示す平面図である。
図6】本発明の第1実施例に係るドア開放装置の作動を説明するためのフローチャートである。
図7】本発明の第1実施例に係るドア開放装置の作動を説明するためのフローチャートである。
図8】ドアの開放過程でモータの回転速度を示すグラフである。
図9】本発明の第1実施例に係るプッシュロッドがドア開放位置に移動してドアが開放された状態を示す図である。
図10】本発明の第1実施例に係る第1冷蔵室ドアが基準角度だけ開放された状態を示す図である。
図11】本発明の第2実施例に係る第1冷蔵室ドアが閉じられた状態を示す図である。
図12】本発明の第2実施例に係るドア開放感知部が第1冷蔵室ドアの開放を感知した状態を示す図である。
図13】本発明の第3実施例に係る第1冷蔵室ドアが閉じられた状態を示す図である。
図14】本発明の第3実施例に係るドア開放感知部が第1冷蔵室ドアの開放を感知した状態を示す図である。
図15】本発明の第4実施例に係るドア開放装置の作動を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0093】
以下、本発明の一部実施例を例示的な図面を介して詳しく説明する。各図面の構成要素に参照符号を付するにあたって、同一の構成要素については他の図面上に表示されても、できるだけ同じ符号を有していることに留意すべきである。また、本発明の実施例を説明するにあたって、かかる公知構成又は技能に対する具体的な説明が本発明の実施例に対する理解を妨げると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0094】
さらに、本発明の実施例の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語が使用できる。これら用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものにすぎず、その用語によって該当構成要素の本質や順番又は順序などが限定されるものではない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「接続」又は「結合」されると記載された場合、その構成要素はその他の構成要素に直接的に連結又は接続できるが、各構成要素の間にさらに他の構成要素が「連結」、「結合」又は「接続」されるこ
とも可能であると理解されるべきである。
【0095】
図1は、本発明の第1実施例に係る冷蔵庫の斜視図であり、図2は、本発明の第1実施例に係る第1冷蔵室ドアにドア開放装置が備えられる様子を示す斜視図であり、図3は、本発明の第1実施例に係る冷蔵庫のブロック図である。
【0096】
図1乃至図3を参照すると、本発明の第1実施例に係る冷蔵庫10は、内部に貯蔵室が備えられるキャビネット11と、前記キャビネット11の前面に回転又は摺動可能に連結され、前記貯蔵室を選択的に開閉する冷蔵庫ドア12とを含むことができる。
【0097】
詳しくは、前記貯蔵室は、冷蔵室111と冷凍室112のうちの一つ以上を含むことができる。
【0098】
前記冷蔵室111は、冷蔵室ドア13によって開閉され、前記冷凍室112は、冷凍室ドア16によって選択的に開閉される。
【0099】
また、前記冷蔵室111を開閉する冷蔵室ドア13が回転式ドアである場合は、前記冷蔵室ドア13は前記キャビネット11の前面左側端と、右側端にそれぞれ回転可能に連結される一対のドア14、15を含むことができる。即ち、前記冷蔵室ドア13は、第1冷蔵室ドア14と第2冷蔵室ドア15とを含むことができる。
【0100】
前記冷凍室112を開閉する冷凍室ドア16が回転式ドアである場合には、前記冷凍室ドア16は前記キャビネット11の前面左側端と右側端にそれぞれ回転可能に連結される一対のドア17、18を含むことができる。
【0101】
又は、前記冷凍室ドア16が摺動方式で冷凍室を開閉する引き出し式ドアである場合には、多数の冷凍室ドアが上下方向又は左右方向に配列される。
【0102】
前記冷蔵庫10は、前記冷蔵庫ドア12を開放させるために作動するドア開放装置25を更に含むことができる。
【0103】
以下では、冷蔵庫ドア12のうち第1冷蔵室ドア14を、前記ドア開放装置25が自動で開放することを例に挙げて説明し、第1冷蔵室ドア14以外の他のドアも以下で説明される構造及び方式によって自動で開放される。
【0104】
前記ドア開放装置25は、開放が必要なドアに配置される。例えば、多数の冷蔵室ドアそれぞれを開放するために、多数の冷蔵室ドアそれぞれにドア開放装置25が備えられる。又は、一つの冷蔵室ドアが多数のドアを含む場合には、多数のドアのうちの一つ又は全部にドア開放装置25が備えられる。
【0105】
このとき、前記ドア開放装置25は、開放が必要なドアの上側部に位置する。
【0106】
また、冷凍室ドア16を開放するために、冷凍室ドア16にドア開放装置25が備えられることも可能である。
【0107】
他の例として、前記キャビネット11にドア開放装置25が備えられてもよい。このとき、前記ドア開放装置25は、冷蔵庫ドアの個数と同じ個数に備えられる。
【0108】
また、本実施例では、ボトムフリーザー型の冷蔵庫が開示されるが、ドアを開放するための思想はトップマウント型の冷蔵庫、サイド・バイ・サイド型の冷蔵庫、一つの貯蔵室
と一つのドアのみを備える冷蔵庫など、種類に制限なく様々な冷蔵庫に適用可能であることを明らかにしておく。
【0109】
前記第1冷蔵室ドア14は、ヒンジアセンブリ30によってキャビネット11に連結される。前記第1冷蔵室ドア14は、回転中心を提供するヒンジ軸(図4の32参照)によって回転する。前記ヒンジ軸(図4の32参照)は、前記第1冷蔵室ドア14及び/又は前記ヒンジアセンブリ30に備えられる。
【0110】
前記冷蔵庫10は、前記ドア開放装置25を構成するプッシュロッド(push ro
d;図4の27参照)の位置を感知するための位置感知部28と、前記プッシュロッド(図4の27参照)を作動させるための動力を発生するモータ261の回転を感知するモータ回転感知部290と、前記位置感知部28及び前記モータ回転感知部290で感知された情報に基づいて前記ドア開放装置25を制御するコントローラ20とを更に含むことができる。
【0111】
また、前記冷蔵庫10は、ドアが基準角度以上に開放されたことを感知するためのドア開放感知部40を更に含むことができ、前記コントローラ20は、前記ドア開放感知部40で感知された情報に基づいて前記ドア開放装置25を制御することができる。
【0112】
前記コントローラ20による前記ドア開放装置25の制御については後述する。
【0113】
前記冷蔵庫10は、ドア開放命令を入力するための入力部50を更に含むことができる。前記入力部50は、ユーザの接触によってオンされるスイッチ、又はユーザからの命令入力を受けるタッチスクリーン、又はユーザのジェスチャーを感知するセンサなど多様であり、本発明ではドア開放命令を入力するための構造及び方法には制限がないことを明らかにしておく。
【0114】
以下では、前記ドア開放装置25について詳しく説明する。
【0115】
図4は、本発明の第1実施例に係るドア開放装置を示す図であり、図5は、本発明の第1実施例に係るドア開放装置が第1冷蔵室ドアに設置された様子を示す平面図である。
【0116】
図4及び図5を参照すると、前記ドア開放装置25は、前記第1冷蔵室ドア14の上側部に位置する。前記第1冷蔵室ドア14の上側部には、前記ドア開放装置25を収容するための空間を形成するフレーム141が備えられる。前記フレーム141は、前記第1冷蔵室ドア14で断熱材(図示せず)が収容される空間と前記ドア開放装置25が収容される空間とを区画することができる。
【0117】
他の例として、前記ドア開放装置25は、前記第1冷蔵室ドア14の下側部に位置することも可能である。
【0118】
前記ドア開放装置25は、前記フレーム141内に収容されるハウジング250と、前記ハウジング250に設置され、駆動力を発生させるモータ261と、前記モータ261の駆動力を受け取って作動するプッシュロッド27と、前記プッシュロッド27に前記モータ261の駆動力を伝達する動力伝達機構とを含むことができる。
【0119】
前記ハウジング250は、制限的ではないが、第1ハウジング251と、前記第1ハウジング251に結合される第2ハウジング252とを含むことができる。
【0120】
前記第1ハウジング251には、衝撃又は振動を吸収できる緩衝部254が結合される
結合部253が備えられる。前記緩衝部254はホール255を備え、前記フレーム141には、前記緩衝部254のホール255に挿入される設置部142が備えられる。
【0121】
前記緩衝部254によって前記ドア開放装置25が前記フレーム141に結合されることによって、前記モータ261の作動時に発生する振動及び動力伝達機構の作動時に発生する振動が吸収されて騒音が減少し、前記モータ261及び動力伝達機構の振動が前記第1冷蔵室ドア14に伝達されることを防止することができる。
【0122】
前記動力伝達機構は、一つ以上の歯車262、263、264、265、266を含むことができる。
【0123】
本発明において、前記動力伝達機構が前記モータ261の動力を前記プッシュロッド27に伝達できる限り、歯車の個数には制限がなく、図5には、一例として動力伝達機構が多数の歯車を含むことが示される。
【0124】
前記プッシュロッド27が前記第1冷蔵室ドア14に位置する場合には前記プッシュロッド27の長さは制限的であるが、前記プッシュロッド27によって第1冷蔵室ドア14の開放角度が確保されるために、前記プッシュロッド27は曲線状のラックギヤ272を含むことができる。このとき、前記ラックギヤ272は多数の歯車262、263、264、265、266のうち最後番目の歯車と噛み合う。
【0125】
前記ラックギヤ272が曲線状に形成されることによって、要求される角度だけ前記第1冷蔵室ドア14を開放させようとするときの前記プッシュロッド27の長さを減少させることができる。
【0126】
したがって、前記プッシュロッド27を前記第1冷蔵室ドア14に配置しても前記プッシュロッド27によって前記第1冷蔵室ドア14の開放が可能になり、直線形態のラックギヤに比べて開放角度が増加する。
【0127】
前記ラックギヤ272が曲線状に形成されるによって、前記多数の歯車262、263、264、265、266のうち最後番目の歯車が回転するとき、前記プッシュロッド27は前記最後番目の歯車と相対回転することができる。
【0128】
即ち、前記プッシュロッド27は、前記モータ261の作動時、前記第1冷蔵室ドア14と一緒に前記ヒンジ軸32に対して回転することができるだけではなく、前記多数の歯車262、263、264、265、266に対して回転して、結果的に前記第1冷蔵室ドア14に対して相対曲線運動することができる。
【0129】
前記ラックギヤ272は弧状に形成される。このとき、前記ラックギヤ272は前記ヒンジ軸32から遠ざかる方向に突出するように配置される。
【0130】
前記プッシュロッド27が前記第1冷蔵室ドア14に対して相対曲線運動するとき、前記プッシュロッド27が前記キャビネット11の前面と接触した状態を維持できるように、曲線状の前記ラックギヤ272の中心は前記ヒンジ軸32と一致する。
【0131】
前記プッシュロッド27が安定的に移動できるように、前記ハウジング250と前記プッシュロッド27のいずれかには、一つ以上のガイドリブ257が備えられ、他の一つには、前記一つ以上のガイドリブ257が収容される一つ以上のガイド溝273、274が備えられる。
【0132】
このとき、前記一つ以上のガイドリブ275及び前記一つ以上のガイド溝273、274は曲線状に形成される。又は前記一つ以上のガイドリブ257は円形又は長方形に形成され、一つ以上のガイド溝273、274が曲線状に形成されることも可能である。
【0133】
図4の一例として、前記ハウジング250に前記一つ以上のガイドリブ257が備えられ、前記プッシュロッド27に前記一つ以上のガイド溝273、274が備えられることが示される。
【0134】
制限的ではないが、前記プッシュロッド27の第1面(図面を基準に上面)及び第1面と対向する第2面(図面を基準に下面)にそれぞれガイド溝273、274が備えられ、前記第1ハウジング251及び前記第2ハウジング252それぞれにガイドリブ257が備えられる。
【0135】
前記ガイド溝273、274は弧状に形成される。このとき、前記ガイド溝273、274は前記ヒンジ軸32から遠ざかる方向に突出するように配置される。そして、前記ガイド溝273、274の弧の中心は前記ヒンジ軸32である。
【0136】
一方、前記プッシュロッド27は、前記ヒンジ軸32に隣接して位置する。前記プッシュロッド27が前記ヒンジ軸32に隣接して位置するほど、前記ドア開放装置25が簡単になり、コンパクト化が実現され、前記プッシュロッド27の長さを減少させることができる。
【0137】
前記ヒンジ軸32は、前記第1冷蔵室ドア14の上面に位置する。前記第1冷蔵室ドア14は、第1側面14aと、前記第1側面14aと対向する第2側面14bとを含むことができ、前記ヒンジ軸32は第1側面14aに近く位置する。
【0138】
即ち、前記第1側面14aと第2側面14bとの間の間隔を二等分する仮想線Lを基準に、前記ヒンジ軸32は前記仮想線Lと前記第1側面14aとの間の領域と対応する領域に位置する。
【0139】
そして、前記プッシュロッド27は、前記モータ261と前記ヒンジ軸32との間に位置する。また、前記プッシュロッド27は、前記仮想線Lと前記第1側面14aとの間の領域と対応する領域に位置する。このとき、前記プッシュロッド27は、前記仮想線Lと前記ヒンジ軸32との間に位置する。
【0140】
したがって、本発明によれば、前記プッシュロッド27が前記ヒンジ軸32に隣接して位置することで、短い長さのプッシュロッド27を利用して前記第1冷蔵室ドア14の開放角度を増加させることができる。
【0141】
前記モータ261の一方向回転によって、前記多数の歯車262、263、264、265、266が正方向回転し、これによって、前記プッシュロッド27がドアを開放するために前記第1冷蔵室ドア14から引き出される方向に移動することができる。
【0142】
反面、前記モータ261の他方向回転によって、前記多数の歯車262、263、264、265、266が逆方向回転し、前記プッシュロッド27は前記第1冷蔵室ドア14に引き込まれる。
【0143】
このとき、ドアの開放過程又はドアの開放完了後、前記プッシュロッド27が初期位置に復帰する前に、前記プッシュロッド27に加わる外力によって、前記多数の歯車262、263、264、265、266それぞれが前記逆方向に回転できるように、前記多数
の歯車262、263、264、265、266それぞれは平歯車である。
【0144】
したがって、前記プッシュロッド27に外力が作用しても前記多数の歯車262、263、264、265、266が逆方向に回転可能になり、前記多数の歯車262、263、264、265、266及びプッシュロッド27の破損が防止される長所がある。
【0145】
又は、前記多数の歯車のうちの一部又は全部は直径が異なる二つの歯車ボディを有する多段平歯車であってもよい。
【0146】
一方、前記位置感知部28は、第1位置センサ281及び第2位置センサ282を含むことができる。前記第1位置センサ281及び前記第2位置センサ282は、例えば前記ハウジング250に配置される。
【0147】
そして、前記プッシュロッド27に磁石275が備えられる。前記第1位置センサ281及び前記第2位置センサ282は、前記磁石275の磁気を感知するための磁気感知センサである。
【0148】
本明細書において、前記第1位置センサ281が前記磁石275を感知するときの前記プッシュロッド27の位置又は前記第1位置センサ281が前記磁石275と対向するときの前記プッシュロッド27の位置を初期位置とすることができる。
【0149】
前記第2位置センサ282が前記磁石275を感知するときの前記プッシュロッド27の位置又は前記第2位置センサ282が前記磁石と対向するときの前記プッシュロッド27の位置をドア開放位置(又は最終位置)とすることができる。
【0150】
本実施例では、前記プッシュロッド27が前記初期位置から前記ドア開放位置に移動する過程で前記第1冷蔵室ドア14が開放する。
【0151】
本明細書において、「ドアが開放」されることは、前記ドアが開閉する貯蔵室が前記冷蔵庫の外部と連通することを意味する。
【0152】
前記コントローラ20は、前記各位置センサ281、282で感知される情報に基づいて前記モータ261を制御することができる。一例として前記コントローラ20は、前記モータ261を一方向に回転させることができ、前記プッシュロッド27が前記ドア開放位置に移動したことが感知されると、前記モータ261を停止させることができる。
【0153】
前記コントローラ20は、前記プッシュロッド27が前記ドア開放位置に移動して前記モータ261が停止した状態で一定時間が経過すると、前記プッシュロッド27が前記初期位置に復帰するように前記モータ261を他方向に回転させることができる。
【0154】
本実施例により、前記モータ261が停止した後、一定時間が経過した後に前記モータ261を他方向に回転させる理由は、前記第1冷蔵室ドア14が開放された状態が維持されるようにするためである。
【0155】
即ち、前記プッシュロッド27がドア開放位置に移動し、停止した状態を維持せずにすぐ初期位置に復帰する場合、前記第1冷蔵室ドア14自体の荷重(第1冷蔵室ドア14に保管された飲食物の荷重を含む)、前記第1冷蔵室ドア14と前記キャビネット11とを密着させるためのガスケット(図示せず)に備えられる磁石の磁力、前記ヒンジアセンブリ30に備えられてドアが自動で閉じられるようにするための自動閉鎖機構(図示せず)による閉鎖力のうちの一つ以上によって、前記第1冷蔵室ドア14がすぐに閉じられる問
題が発生する。
【0156】
しかし、本発明のように、前記モータ261が停止した後、一定時間経過した後に前記モータ261を他方向に回転させる場合、前記第1冷蔵室ドア14が前記一定時間の間開放された状態を維持することができるので、ユーザが手動で前記第1冷蔵室ドア14の開放角度を容易に増加させることができる。
【0157】
他の例として、前記第1位置センサ281及び前記第2位置センサ282は光センサである。そして、前記プッシュロッド27には溝又は突出部が備えられ、前記各位置センサ281、282は溝又は突出部を感知することができる。本実施例では、前記プッシュロッド27の位置を感知するための構成には制限がないことを明らかにしておく。
【0158】
一方、前記ドア開放感知部40は、前記第1冷蔵室ドア14と前記ヒンジアセンブリ30のいずれかに備えられる磁石420と、前記第1冷蔵室ドア14と前記ヒンジアセンブリ30のうちの他の一つに備えられ、前記磁石420の磁気を感知する感知センサ410とを含むことができる。
【0159】
図5には、一例として前記感知センサ410が前記ヒンジアセンブリ30に配置されることが示される。
【0160】
前記感知センサ410が前記ヒンジアセンブリ30に備えられる場合、前記感知センサ410の組立及びサービスが容易である。即ち、前記第1冷蔵室ドア14を分離せず、前記ヒンジアセンブリ30を分離して前記感知センサ410に接近することができる。
【0161】
前記感知センサ410及び前記磁石420は、前記ヒンジ軸32に隣接して配置される。したがって、前記感知センサ410が前記第1冷蔵室ドア14の回転過程で前記第1冷蔵室ドア14の磁石420の磁気を直接感知することができるので、前記第1冷蔵室ドア14が基準角度だけ回転したことを正確に感知することができる。
【0162】
また、前記感知センサ410及び前記磁石420が前記ヒンジ軸32に隣接して位置することで、周辺の他の構成と干渉なくドアの開放を感知することができる。
【0163】
前記第1冷蔵室ドア14の開放過程で、前記磁石420が前記感知センサ410に下方に位置すれば、前記感知センサ410が前記磁石420の磁気を感知することになり、前記コントローラ20は、前記プッシュロッド27が初期位置に復帰するように前記モータ261を制御することができる。
【0164】
一方、前記モータ回転感知部290は、前記モータ261の軸の回転を感知することができる。例えば、前記モータ261の軸には回転板が連結される。前記回転板には、多数のスリットが円周方向に離隔して配列される。
【0165】
前記モータ回転感知部290は、例えば前記回転板の一側方に位置する発光部と、回転板の他側方に位置する受光部とを含むことができる。
【0166】
したがって、前記モータ261の回転時、回転板が一緒に回転すると、前記モータ回転感知部290は前記回転板が回転するときのスリットの個数を感知することができる。即ち、前記モータ回転感知部290は、スリットを感知するたびにパルスを出力し、前記コントローラ20は、前記モータ回転感知部290から出力されるパルスに基づいて前記モータ261の回転速度(rpm)を把握することができ、前記プッシュロッド27の移動距離を判断することができる。
【0167】
以下では、前記ドア開放装置の作動について説明する。
【0168】
図6及び図7は、本発明の第1実施例に係るドア開放装置の作動を説明するためのフローチャートであり、図8は、ドアの開放過程でモータの回転速度を示すグラフであり、図9は、本発明の第1実施例に係るプッシュロッドがドア開放位置に移動してドアが開放された状態を示す図であり、図10は、本発明の第1実施例に係る第1冷蔵室ドアが基準角度だけ開放された状態を示す図である。
【0169】
図1乃至図9を参照すると、前記冷蔵庫10の電源がオンされる(S1)。
【0170】
前記冷蔵庫10の電源がオンされると、前記コントローラ20は、前記プッシュロッド27が初期位置に位置するのか否かを判断する(S2)。
【0171】
ステップS2で判断した結果、前記プッシュロッド27が初期位置に位置していない場合には、前記コントローラ20は、前記プッシュロッド27が初期位置に移動するように前記モータ261を作動させる(S3)。
【0172】
前記プッシュロッド27が初期位置27に位置した状態では、前記第1位置センサ281が前記プッシュロッド27の磁石275を感知している状態である。
【0173】
前記プッシュロッド27が初期位置に位置した状態で、前記コントローラ20は、入力部50を介してドア開放信号が入力されたのか否かを判断する(S4)。
【0174】
ステップS4で判断した結果、ドア開放信号が入力されたと判断されると、前記プッシュロッド27を初期位置からドア開放位置に移動させるために、前記コントローラ20は、前記モータ261が一方向に回転するように前記モータ261を制御する(S5)。
【0175】
即ち、前記コントローラ20は、前記プッシュロッド27を前記初期位置から前記ドア開放位置に移動させるために、前記モータ261が第1方向に回転するように前記モータ261に電圧を供給することができる。
【0176】
前記モータ261が一方向に回転すると、前記多数の歯車262、263、264、265、266が正方向に回転して、前記プッシュロッド27が前記キャビネット11を押し、これに対する反作用として前記第1冷蔵室ドア14が回転することになる。
【0177】
前記モータ261が一方向に回転するうちに、前記コントローラ20は、前記第1冷蔵室ドア14が閉じられる方向に前記第1冷蔵室ドア14に外部負荷が作用するのか否かを判断する(S6)。
【0178】
具体的に、前記モータ261が回転すると、前記モータ回転感知部290からパルスが出力される。このとき、外部負荷が前記第1冷蔵室ドア14に作用すると、前記モータ261の回転速度が減少し、これによって、前記モータ回転感知部290から出力される単位時間当たりパルスの個数が減少することになる。
【0179】
したがって、前記コントローラ20は、単位時間の間出力されるパルスの個数が第1負荷感知個数以下であれば、前記外部負荷が前記第1冷蔵庫ドア14に作用すると判断することができる。
【0180】
但し、前記モータ261の作動初期には前記モータ回転感知部290から出力される単
位時間当たりパルスの個数が第1負荷感知個数以下であることがあるので、外部負荷が感知されるのか否かの判断は、前記モータ261が一方向に作動し、基準時間が経過した後に遂行される。
【0181】
もし、前記モータ回転感知部290から単位時間の間出力されるパルスの個数が第1負荷感知個数以下である状態で、前記モータ261が動作し続ける場合、前記プッシュロッド27及び/又は歯車が損傷したり、前記モータ261の過負荷によって前記モータ261が損傷する。
【0182】
したがって、本実施例では、前記第1冷蔵室ドア14に外部負荷が作用すると判断されると、前記コントローラ20は、前記プッシュロッド27が初期位置に復帰するように前記モータ261を他方向に回転させる(S14)。
【0183】
一方、ステップS6で判断した結果、外部負荷が感知されなかったと判断されると、前記コントローラ20は、前記ドア開放感知部40がドアの開放を感知したのか否かを判断する(S7)。
【0184】
本明細書において、前記モータ261が一方向に回転するうちに前記ドア開放感知部40がドアの開放を感知する場合は、ユーザが前記第1冷蔵室ドア14が開放される方向に前記第1冷蔵室ドア14を回転させる場合である。
【0185】
このとき、前記ドア開放感知部40がドアの開放を感知したときの前記第1冷蔵室ドア14の開放角度(θ2)は、前記プッシュロッド27がドア開放位置に移動したときの前記第1冷蔵室ドア14の開放角度(θ1)より大きい。
【0186】
前記第1冷蔵室ドア14が開放のために回転する過程で、前記基準角度以上回転すると、前記ドア開放感知部40がドアの開放を感知することができる。
【0187】
前記モータ261が一方向に回転するうちには、前記第1冷蔵室ドア14からの前記プッシュロッド27の突出長さが増加する。もし、前記プッシュロッド27が前記第1冷蔵室ドア14から突出した状態で前記第1冷蔵室ドア14の開放角度が増加した後に前記第1冷蔵室ドア14が閉じられると、前記プッシュロッド27は前記キャビネット11と衝突することになり、前記プッシュロッド27が損傷したり、前記動力伝達機構を構成する歯車が損傷する問題がある。
【0188】
このとき、前記第1冷蔵室ドア14の開放角度が大きいほど、前記第1冷蔵室ドア14が閉じられるとき前記プッシュロッド27に加わる衝撃力が大きい。また、前記第1冷蔵室ドア14からの前記プッシュロッド27の突出長さが長いほど、前記プッシュロッド27の破損可能性が増加する。
【0189】
本実施例では、前記モータ261が一方向に回転するうちに、ユーザによって前記第1冷蔵室ドア14が開放された後閉じられることによって、前記プッシュロッド27及び/又は前記動力伝達機構を構成する歯車が損傷することを防止するために、前記ドア開放感知部40でドアの開放が感知される場合、前記コントローラ20は、前記プッシュロッド27が初期位置に復帰するように前記モータ261を他方向に回転させる(S14)。
【0190】
本実施例によれば、前記モータ261が一方向に動作して前記プッシュロッド27が初期位置からドア開放位置に移動する過程で、ドア開放感知部40がドアの開放を感知した場合、前記プッシュロッド27が前記ドア開放位置に移動する前であっても前記モータ261を他方向に回転させることによって、前記プッシュロッド27が初期位置に復帰可能
になる。
【0191】
したがって、前記第1冷蔵室ドア14が前記基準角度以上に回転した後、再び閉じられる方向に回転する過程で、前記プッシュロッド27が初期位置に移動するので、前記プッシュロッド27と前記キャビネット11との衝突による前記プッシュロッド及び前記歯車の損傷を防止することができる。
【0192】
一方、ステップS7で判断した結果、前記モータ261が一方向に回転するうちに、前記ドア開放感知部40でドアの開放が感知されない場合、前記コントローラ20は、前記プッシュロッド27がドア開放位置に到達したのか否かを判断することができる(S8)。
【0193】
即ち、前記プッシュロッド27が初期位置に位置した状態で、前記モータ261が一方向に回転すると、前記プッシュロッド27が移動することになり、この過程で、前記第1位置センサ281で前記プッシュロッド27の磁石275が感知されない。そして、前記プッシュロッド27の移動過程で、前記第2位置センサ282で前記プッシュロッド27の磁石275が感知されると、前記コントローラ20は、前記プッシュロッド27がドア開放位置に到達したと判断することができる。
【0194】
ステップS8で判断した結果、前記プッシュロッド27がドア開放位置に到達したと判断されると、前記コントローラ20は、前記モータ261を停止させる(S9)。
【0195】
前記モータ261が一方向に回転して前記プッシュロッド27が初期位置からドア開放位置に移動するとき、前記モータ261の回転速度が一定である場合、前記プッシュロッド27がドア開放位置に到達して前記モータ261が停止する過程で、前記第1冷蔵室ドア14が滑らかに停止できず、がたつくことになる。この場合、ユーザの感性不満を引き起こす。
【0196】
したがって、本実施例は、前記モータ261が一方向に回転して前記プッシュロッド27が初期位置からドア開放位置に移動する過程で、前記モータ261の回転速度が可変されるようにする。
【0197】
具体的に、図8を参照すると、前記コントローラ20は、前記モータ回転感知部290で感知されるパルスの個数が第1基準個数に到達するまで、前記モータ261が第1基準速度で回転するように前記モータ261を制御することができる。
【0198】
そして、前記モータ回転感知部290で感知されるパルスの個数が第1基準個数に到達すると、前記コントローラ20は、前記モータ回転感知部290で感知されるパルスの個数が前記第1基準個数より大きい第2基準個数に到達するまで、前記モータ261の回転速度が減少するように前記モータ261を制御することができる。
【0199】
このとき、前記コントローラ20は、前記モータ261の回転速度が線形的又は非線形的に減少するように前記モータ261の回転速度を制御することができる。
【0200】
そして、前記モータ261の回転速度が第2基準速度に到達すると、前記コントローラ20は、前記モータ261の回転速度が第2基準速度を維持するように前記モータ261を制御することができる。そして、前記モータ261の回転速度が第2基準速度を維持するうちに前記第2位置センサ182が前記プッシュロッド27の磁石275を感知すると、前記コントローラ20は前記モータ261を停止させることができる。
【0201】
したがって、本実施例によれば、前記プッシュロッド27が初期位置からドア開放位置に移動する過程で、前記プッシュロッド27の移動速度が減少し、速度が減少した状態で、ドア開放位置で停止するので、前記第1冷蔵室ドア14の開放過程でがたつく現象が防止され、前記第1冷蔵室ドア14が滑らかに停止する。
【0202】
このとき、前記モータ回転感知部290から出力されるパルスの個数が第1基準個数に到達する地点は、プッシュロッド27の初期位置とドア開放位置との間の距離を二等分する地点とドア開放位置との間の一地点である。
【0203】
前記モータ261の回転速度が速いほどドア開放時間が減少する。
【0204】
本発明のように、前記モータ回転感知部290から出力されるパルスの個数が第1基準個数に到達する地点が、プッシュロッド27の初期位置とドア開放位置との間の距離を二等分する地点とドア開放位置との間の一地点である場合、前記モータ261の高速回転時間が十分に確保されるので、ドアの開放時間が減少し、ドアの開放時にドアのがたつきを防止することができる。
【0205】
一方、前記プッシュロッド27がドア開放位置に到達した場合、前記第1冷蔵室ドア14の背面14cの少なくとも一部は、前記第2冷蔵室ドア15の前面15aより前方に位置し、これによって、前記第1冷蔵室ドア14の背面14cの一側端部と前記第2冷蔵室ドア15の前面15aの一側端部との間に一定距離のギャップが形成される。
【0206】
前記ギャップは、ユーザの両手が不自由な場合に、ユーザの肘又は足を挿入可能な程度に設定される。
【0207】
制限的ではないが、前記ギャップは40mm以上である。即ち、開放された前記第1冷蔵室ドアの背面と、閉じられている第2冷蔵室ドアの前面との最小水平距離は40mmである。
【0208】
前記ギャップが40mm以上になるために、前記プッシュロッド27がドア開放位置に到達した位置で前記第1冷蔵室ドア14の開放角度(θ1)は19度以上30度未満である。
【0209】
本実施例によれば、前記プッシュロッド27が曲線状のラックギヤ272を含み、ヒンジ軸32に隣接して位置するので、前記プッシュロッド27の突出長さが減少しながらも前記プッシュロッド27がドア開放位置に到達した位置で前記第1冷蔵室ドア14の開放角度(θ1)が確保される。
【0210】
したがって、前記第1冷蔵室ドア14が一定角度(θ1)回転した状態で前記ギャップに肘又は足を挿入して、前記第1冷蔵室ドア14の開放角度を手動で増加させることができる。
【0211】
一方、前記プッシュロッド27がドア開放位置に到達して前記モータ261が停止した状態で、前記コントローラ20は、前記プッシュロッド27がドア開放位置で停止した状態を維持するように前記モータ261に電圧を供給する(S10)。
【0212】
即ち、前記コントローラ20は、前記プッシュロッド27がドア開放位置に移動すると、前記モータ261を停止させ、前記モータ261が停止した状態で、前記プッシュロッド27が前記ドア開放位置で停止した状態が維持されるように前記モータ261に電圧を供給する。
【0213】
上述したように、前記第1冷蔵室ドア14自体の荷重、前記第1冷蔵室ドア14と前記キャビネット11とを密着させるためのガスケット(図示せず)に備えられる磁石の磁力、前記ヒンジアセンブリ30に備えられてドアが自動で閉じられるようにするための自動閉鎖機構(図示せず)によって発生する閉鎖力のうちの1つ以上によって、前記プッシュロッド27が初期位置に向かって押される。この場合、前記モータ261が他方向に回転する現象が発生しうる。
【0214】
しかし、本実施例によれば、前記プッシュロッド27がドア開放位置で停止した状態を維持するように前記モータ261に電圧を供給するので、前記プッシュロッド27が移動せずに停止した状態を維持することになり、これによって、前記モータ261の他方向回転が防止される。
【0215】
但し、前記モータ261に供給される電圧の供給周期は、前記プッシュロッド27に作用する外力の大きさに基づいて設定される。
【0216】
即ち、前記モータ261に電圧が供給されても、前記プッシュロッド27に作用する外力によって前記モータ261の軸は回転せず、前記プッシュロッド27は停止した状態を維持することができる。したがって、前記モータ261に電圧が供給されても、前記回転感知部290ではパルスが出力されない。
【0217】
本実施例において、前記モータ261の回転速度は、前記モータ261に供給される電圧のデューティ(duty)によって可変される。一定大きさの電圧が周期的に前記モータ261に供給され、前記モータ261に供給される電圧の供給周期が短いほど(又は、デューティが短いほど)前記モータ261の回転速度が速い。
【0218】
本実施例において、前記モータ261が第2基準速度を維持するときの前記モータ261に供給される電圧の供給周期より前記プッシュロッド27がドア開放位置に到達したときの前記モータ261に供給される電圧の供給周期が長い。
【0219】
前記モータ261が停止した状態で、前記コントローラ20は、第1冷蔵室ドア14が閉じられる方向に前記第1冷蔵室ドア14に作用する外部負荷が感知されたのか否かを判断する(S11)。
【0220】
具体的に、前記モータ261が停止した状態では前記モータ回転感知部290からパルスが出力されない。しかし、前記第1冷蔵室ドア14に外部負荷が作用すると、前記モータ261が他方向に回転するので、前記モータ回転感知部290からパルスが出力される。
【0221】
したがって、前記コントローラ20は、単位時間の間出力されるパルスの個数が第2負荷感知個数以上であれば、外部負荷が前記第1冷蔵室ドア14に作用すると判断する。前記モータ261が停止した状態でユーザが前記第1冷蔵室ドア14を強制に閉じる場合、前記プッシュロッド27及び/又は歯車が損傷する恐れがある。
【0222】
したがって、本実施例では、前記プッシュロッド27がドア開放位置で停止した状態で外部負荷が前記第1冷蔵室ドア14に作用すると判断されると、前記コントローラ20は、前記プッシュロッド27が初期位置に復帰するように前記モータ261を他方向に回転させる(S14)。
【0223】
一方、ステップS11で判断した結果、外部負荷が作用しないと判断されると、前記コ
ントローラ20は、前記ドア開放感知部40がドアの開放を感知したのか否かを判断する(S12)。
【0224】
前記プッシュロッド27がドア開放位置に到達した状態で前記ドア開放感知部40がドアの開放を感知する場合は、ユーザが前記第1冷蔵室ドア14の開放角度を増加させる場合である。
【0225】
上述したように、前記プッシュロッド27がドア開放位置に到達した状態での前記第1冷蔵室ドア14の開放角度(θ1)は、前記ドア開放感知部40が前記第1冷蔵室ドア14の開放を感知するときの前記第1冷蔵室ドア14の開放角度(θ2)より小さい。
【0226】
したがって、前記プッシュロッド27が前記ドア開放位置に到達した状態で前記第1冷蔵室ドア14の開放角度が増加する場合、前記ドア開放感知部40がドアの開放を感知することになる。
【0227】
ステップS12で判断した結果、前記ドア開放感知部40がドアの開放を感知したと判断されると、前記コントローラ20は、前記プッシュロッド27が初期位置に復帰するように前記モータ261を他方向に回転させることができる(S14)。
【0228】
前記プッシュロッド27が前記ドア開放位置で停止した状態で、前記第1冷蔵室ドア14が前記基準角度以上に回転した後、再び閉じられる方向に回転される場合にも前記プッシュロッド27及び/又は前記歯車が損傷しうる。
【0229】
本実施例によれば、前記プッシュロッド27が前記ドア開放位置に位置した状態で一定時間が経過する前であっても、前記ドア開放感知部40でドアの開放が感知されたと判断されると、前記コントローラ20は、前記プッシュロッド27が初期位置に復帰するように前記モータ261を他方向に回転させることによって、前記プッシュロッド27及び/又は前記歯車の損傷を防止することができる。
【0230】
ステップS12で判断した結果、前記ドア開放感知部40でドアの開放が感知されなかったと判断されると、前記コントローラ20は、前記プッシュロッド27がドア開放位置に到達した後又は前記モータ261が停止した後一定時間が経過したのか否かを判断することができる(S13)。
【0231】
前記プッシュロッド27がドア開放位置に到達した後一定時間経過したら、前記コントローラ20は、前記プッシュロッド27を初期位置に復帰させるために、前記モータ261が他方向に回転するように前記モータ261を制御することができる(S14)。
【0232】
前記モータ261が他方向に回転するうちに、前記コントローラ20は、前記プッシュロッド27が初期位置に到達したのか否かを判断することができる(S15)。
【0233】
前記プッシュロッド27が初期位置に到達したと判断されると、前記コントローラ20はモータ261を停止させることができる(S16)。
【0234】
上記実施例ではドア開放感知部が磁気センサと磁石とを含むと説明したが、これとは異なり、ドア開放感知部が光センサを含むことができる。
【0235】
一例として、前記光センサは、前記ヒンジアセンブリと前記第1冷蔵室ドアのいずれかに備えられる発光部と、他の一つに備えられる受光部とを含むことができ、前記第1冷蔵室ドアが基準角度だけ回転すると、前記発光部から照射された光が受光部に到達するよう
にすることができる。そして、前記受光部に光が到達すると、前記プッシュロッドが初期位置に復帰できるように、前記コントローラが前記モータを制御することができる。
【0236】
又は、前記ヒンジアセンブリと第1冷蔵室ドアのいずれかに発光部と受光部とが備えられ、他の一つには反射板が備えられてもよい。そして、前記第1冷蔵室ドアが基準角度だけ回転すると、前記発光部から照射された光が反射板によって反射されて、受光部に到達するようにすることができる。そして、前記受光部に光が到達すると、前記コントローラは、プッシュロッドが初期位置に復帰するようにモータを制御することができる。
【0237】
また、上記実施例では、位置感知部を利用してプッシュロッドの位置を感知し、これを基に前記モータを制御したが、これとは異なり、前記モータの作動時間を基に前記モータの作動を制御することができる。例えば、ドアを開放するためにモータが作動し、第1基準時間が経過したら、モータを停止させることができる。また、プッシュロッドが初期位置に復帰するためにモータが作動し、第2基準時間が経過したら、モータを停止させることができる。
【0238】
図11は、本発明の第2実施例に係る第1冷蔵室ドアが閉じられた状態を示す図であり、図12は、本発明の第2実施例に係るドア開放感知部が第1冷蔵室ドアの開放を感知した状態を示す図である。
【0239】
本実施例は他の部分においては第1実施例と同一であり、但し、ドア開放感知部において異なる。したがって、以下では、本実施例の特徴的な部分についてのみ説明する。
【0240】
図11及び図12を参照すると、本発明の第2実施例に係るドア開放感知部50は、前記第1冷蔵室ドア14が基準角度だけ回転すると、オンされるマイクロスイッチ510を含むことができる。
【0241】
前記マイクロスイッチ510は、前記ヒンジアセンブリ30及び前記第1冷蔵室ドア14のいずれかに備えられる。
【0242】
前記ドア開放感知部50は、前記ヒンジアセンブリ30及び前記第1冷蔵室ドア14のうちの他の一つに備えられ、前記第1冷蔵室ドア14が基準角度だけ回転するとき前記マイクロスイッチ510をオン動作させるためのスイッチ操作部520を更に含むことができる。
【0243】
前記マイクロスイッチ510と前記スイッチ操作部520の配置に応じて、前記第1冷蔵室ドア14が前記基準角度未満に回転する場合には、前記マイクロスイッチ510がオフされた状態を維持し、前記マイクロスイッチ510が前記基準角度以上回転すると、前記スイッチ操作部520によって前記マイクロスイッチ510がオンされた状態を維持することができる。
【0244】
又は、前記マイクロスイッチ510と前記スイッチ操作部520の配置に応じて、前記第1冷蔵室ドア14が前記基準角度未満に回転する場合には、前記マイクロスイッチ510がオフされた状態を維持し、前記マイクロスイッチ510が前記基準角度だけ回転すると、前記スイッチ操作部520によって前記マイクロスイッチ510がオンされ、前記マイクロスイッチ510が前記基準角度を超過して回転すると、再び前記マイクロスイッチ510がオフされる。
【0245】
いずれの場合も、前記第1冷蔵室ドア14が基準角度だけ回転すると、前記マイクロスイッチ510がオンされ、前記マイクロスイッチ510のオン状態が感知されると、前記
コントローラ20は、前記プッシュロッド27がドア開放位置に移動するうち又は前記ドア開放位置で停止した状態で、前記プッシュロッド27が初期位置に復帰するように前記モータ261を制御することができる。
【0246】
本実施例において、前記マイクロスイッチ510は、前記ヒンジ軸32に隣接した位置に配置される。
【0247】
前記マイクロスイッチ510が前記第1冷蔵室ドア14に配置される場合には前記ヒンジ軸32を中心に前記第1冷蔵室ドア14が回転するとき、前記マイクロスイッチ510の回転半径が小さいので、前記スイッチ操作部520の長さを最小化することができる。
【0248】
前記マイクロスイッチ510が前記ヒンジアセンブリ30に配置される場合には前記スイッチ操作部520は前記ヒンジ軸32に隣接して位置する。この場合にも、前記ヒンジ軸32を中心に前記第1冷蔵室ドア14が回転するとき、前記スイッチ操作部520の回転半径が小さいので、前記スイッチ操作部520の長さを最小化することができる。
【0249】
また、本実施例によれば、前記第1冷蔵室ドア14が基準角度以上回転すると、前記マイクロスイッチ510がオンされるので、前記第1冷蔵室ドア14が基準角度以上回転することを正確に感知することができる。
【0250】
また、前記マイクロスイッチ510及び前記スイッチ操作部520が前記ヒンジ軸32に隣接して位置することで、周辺の他の構成と干渉なくドアの開放を感知することができる。
【0251】
図13は、本発明の第3実施例に係る第1冷蔵室ドアが閉じられた状態を示す図であり、図14は、本発明の第3実施例に係るドア開放感知部が第1冷蔵室ドアの開放を感知した状態を示す図である。
【0252】
本実施例は他の部分においては第1実施例と同一であり、但し、ドア開放感知部において異なる。したがって、以下では、本実施例の特徴的な部分についてのみ説明する。
【0253】
図13及び図14を参照すると、本発明の第3実施例に係るドア開放感知部60は、前記第1冷蔵室ドア14が基準角度だけ回転すると、オフされる磁石センサ610と、前記磁石センサ610に磁力を提供できる磁石620とを含むことができる。
【0254】
前記磁石センサ610は、一定大きさの磁力が作用する場合、接点がついてオンされた状態を維持し、一定大きさ未満の磁力が作用する場合、接点が離れてオフされるセンサとして、公知のセンサが使用されるので、詳しい説明は省略する。
【0255】
前記磁石センサ610は、前記ヒンジアセンブリ30及び前記第1冷蔵室ドア14のいずれかに備えられ、前記磁石620は、前記ヒンジアセンブリ30及び前記第1冷蔵室ドア14のうちの他の一つに備えられる。
【0256】
前記第1冷蔵室ドア14が基準角度未満に回転する場合、前記磁石620の磁力によって前記磁石センサ610はオンされた状態を維持し、前記第1冷蔵室ドア14が基準角度以上に回転する場合、前記磁石センサ610はオフされる。
【0257】
このとき、磁石620の磁力の強さが大きくなくても、前記第1冷蔵室ドア14が基準角度以上に回転する場合にのみ前記磁石センサ610がオフされるようにするために、前記磁石センサ610及び前記磁石620は前記ヒンジ軸32に隣接して位置する。
【0258】
また、前記磁石センサ610及び前記磁石620が前記ヒンジ軸32に隣接して位置することで、周辺の他の構成と干渉なくドアの開放を感知することができる。
【0259】
上記実施例において、磁気センサ、マイクロスイッチ、光センサ、磁石センサを総称して、冷蔵庫ドアが基準角度以上回転する場合、これに対応する信号を出力するセンサと呼ぶことができる。
【0260】
図15は、本発明の第4実施例に係るドア開放装置の作動を説明するためのフローチャートである。
【0261】
本実施例は他の部分においては第1実施例と同一であり、但し、第1実施例のドア開放装置の制御方法より簡素化したドア開放装置の制御方法を提案する。したがって、以下では、本実施例の特徴的な部分についてのみ説明する。
【0262】
図15を参照すると、前記第1冷蔵室ドア14が冷蔵室111を閉じた状態で、前記プッシュロッド27は初期位置に位置する。前記初期位置では前記第1位置センサ281が前記プッシュロッド27の磁石275を感知している状態である。
【0263】
前記プッシュロッド27が初期位置に位置した状態では、前記プッシュロッド27は前記キャビネット11の前面と接触した状態又は前記キャビネット11の前面と離隔した状態である。
【0264】
ドア開放信号が入力されたと判断されると、前記コントローラ20は、前記モータ261が一方向に回転するように前記モータ261を制御する(S21)。
【0265】
前記モータ261が一方向に回転すると、前記多数の歯車262、263、264、265、266が正方向に回転して、前記プッシュロッド27が前記キャビネット11を押し、これに対する反作用として前記第1冷蔵室ドア14が回転することになる。
【0266】
前記モータ261が一方向に回転するうちに、前記コントローラ20は、前記ドア開放感知部40がドアの開放を感知したのか否かを判断する(S22)。
【0267】
本明細書において、前記モータ261が一方向に回転するうちに前記ドア開放感知部40がドアの開放を感知する場合は、ユーザが前記第1冷蔵室ドア14が開放される方向に前記第1冷蔵室ドア14を回転させる場合である。
【0268】
このとき、前記ドア開放感知部40がドアの開放を感知したときの前記第1冷蔵室ドア14の開放角度(θ2)は、前記プッシュロッド27がドア開放位置に移動したときの前記第1冷蔵室ドア14の開放角度(θ1)より大きい。
【0269】
前記第1冷蔵室ドア14が開放のために回転する過程で、前記基準角度以上回転すると、前記ドア開放感知部40がドアの開放を感知することができる。
【0270】
本実施例では、前記モータ261が一方向に回転するうちに、ユーザによって前記第1冷蔵室ドア14が開放された後閉じられる過程で、前記プッシュロッド27及び/又は前記動力伝達機構を構成する歯車が損傷することを防止するために、前記モータ261が一方向に回転するうちに前記ドア開放感知部40でドアの開放が感知される場合、前記コントローラ20は、前記プッシュロッド27が初期位置に復帰するように前記モータ261を他方向に回転させる(S27)。
【0271】
本実施例によれば、前記モータ261が一方向に動作して前記プッシュロッド27が初期位置からドア開放位置に移動する過程で、前記ドア開放感知部40がドアの開放を感知した場合、前記プッシュロッド27が前記ドア開放位置に移動する前であっても前記モータ261を他方向に回転させることによって、前記プッシュロッド27が初期位置に復帰できるようになる。
【0272】
したがって、前記第1冷蔵室ドア14が前記基準角度以上に回転した後、再び閉じられる方向に回転する過程で、前記プッシュロッド27が初期位置に移動するので、前記プッシュロッド27と前記キャビネット11との衝突による前記プッシュロッド及び前記歯車の損傷を防止することができる。
【0273】
一方、ステップS22で判断した結果、前記モータ261が一方向に回転するうちに前記ドア開放感知部40でドアの開放が感知されない場合、前記コントローラ20は、前記プッシュロッド27がドア開放位置に到達したのか否かを判断することができる(S23)。
【0274】
即ち、前記プッシュロッド27が初期位置に位置した状態で前記モータ261が一方向に回転すると、前記プッシュロッド27が移動することになり、この過程で、前記第1位置センサ281で前記プッシュロッド27の磁石275が感知されない。そして、前記プッシュロッド27の移動過程で、前記第2位置センサ282で前記プッシュロッド27の磁石275が感知されると、前記コントローラ20は、前記プッシュロッド27がドア開放位置に到達したと判断することができる。
【0275】
ステップS23で判断した結果、前記プッシュロッド27がドア開放位置に到達したと判断されると、前記コントローラ20は前記モータ261を停止させることができる(S24)。
【0276】
前記プッシュロッド27がドア開放位置に到達した場合、前記第1冷蔵室ドア14の背面14cの少なくとも一部は、前記第2冷蔵室ドア15の前面15aより前方に位置し、これによって、前記第1冷蔵室ドア14の背面14cの一側端部と前記第2冷蔵室ドア15の前面15aの一側端部との間に一定距離のギャップが形成される。
【0277】
前記ギャップは、ユーザの両手が不自由な場合に、ユーザの肘又は足を挿入可能な程度に設定される。
【0278】
したがって、前記第1冷蔵室ドア14が一定角度(θ1)回転した状態で前記ギャップに肘又は足を挿入して、前記第1冷蔵室ドア14の開放角度を手動で増加させることができる。
【0279】
一方、前記プッシュロッド27が最終位置に到達して前記モータ261が停止した状態で、前記コントローラ20は、前記ドア開放感知部40がドアの開放を感知したのか否かを判断することができる(S25)。
【0280】
前記プッシュロッド27がドア開放位置に到達した状態で前記ドア開放感知部40がドアの開放を感知する場合は、ユーザが前記第1冷蔵室ドア14の開放角度を増加させる場合である。
【0281】
上述したように、前記プッシュロッド27がドア開放位置に到達した状態での前記第1冷蔵室ドア14の開放角度(θ1)は、前記ドア開放感知部40が前記第1冷蔵室ドア1
4の開放を感知するときの前記第1冷蔵室ドア14の開放角度(θ2)より小さい。
【0282】
したがって、前記プッシュロッド27が前記ドア開放位置に到達した状態で前記第1冷蔵室ドア14の開放角度が増加する場合、前記ドア開放感知部40がドアの開放を感知することになる。
【0283】
ステップS25で判断した結果、前記ドア開放感知部40がドアの開放を感知したと判断されると、前記コントローラ20は、前記プッシュロッド27が初期位置に復帰するように前記モータ261を他方向に回転させることができる(S27)。
【0284】
前記プッシュロッド27が前記ドア開放位置で停止した状態で、前記第1冷蔵室ドア14が前記基準角度以上に回転した後、再び閉じられる方向に回転しても前記プッシュロッド27及び/又は前記歯車が損傷する。
【0285】
したがって、本実施例では、前記プッシュロッド27が前記ドア開放位置で位置した状態で一定時間が経過する前であっても、前記ドア開放感知部40でドアの開放が感知されたと判断されると、前記コントローラ20は、前記プッシュロッド27が初期位置に復帰するように前記モータ261を他方向に回転させることによって、前記プッシュロッド27及び/又は前記歯車の損傷を防止することができる。
【0286】
ステップS25で判断した結果、前記ドア開放感知部40でドアの開放が感知されなかったと判断されると、前記コントローラ20は、前記プッシュロッド27がドア開放位置に到達した時点又は前記モータ261が停止した時点から一定時間が経過したのか否かを判断することができる(S26)。
【0287】
前記プッシュロッド27がドア開放位置に到達した時間が一定時間経過したら、前記コントローラ20は、前記プッシュロッド27を初期位置に復帰させるために、前記モータ261が他方向に回転するように前記モータ261を制御することができる(S27)。
【0288】
前記モータ261が他方向に回転するうちに、前記コントローラ20は、前記プッシュロッド27が初期位置に到達したのか否かを判断することができる(S28)。
【0289】
前記プッシュロッド27が初期位置に到達したと判断されると、前記コントローラ20は前記モータ261を停止させることができる(S29)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15