(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る炊飯器の外観斜視図、
図2は
図1に示す炊飯器の断面図、
図3は
図1に示す炊飯器の平面図、
図4は本発明の実施の形態1に係る炊飯器の概略構成を示すブロック図である。
【0010】
本実施の形態1に係る炊飯器1は、
図1および
図3に示すように、炊飯器本体2と炊飯器本体2の上部を開閉自在に覆う蓋体3とで構成される。蓋体3の上面には、炊飯キー4、選択キー5、切/保温キー6、表示窓8、表示窓8の両側に配置された複数の設定キー7等により構成される操作パネル9が設けられている。設定キー7は、炊飯条件を設定する静電容量式のスイッチで、例えばお米キー、メニューキー、予約キー等で構成される。炊飯キー4は、機械式のスイッチである。また、蓋体3の上面には、炊飯時に発生する蒸気を排出する蒸気口10が設けられている。炊飯器本体2の前面には、蓋体3を開閉する蓋開閉ボタン2aが設けられている。
【0011】
炊飯器本体2の内部には、
図2に示すように、筒状に形成された遮熱板21と、その遮熱板21の下に設置されたほぼ深皿形状のコイル台22とが設けられている。遮熱板21とコイル台22とにより有底筒状の内ケースが形成される。この内ケースに内釜11が取り出し自在に収容される。この内釜11は、上部外周面に内釜11と一体に成型されたリング形状の鍔部11aが設けられている。
【0012】
前述の遮熱板21の外周面には、胴ヒーター23が密着して取付けられている。胴ヒーター23は、炊飯時および保温時に通電されて発熱する。なお、胴ヒーター23に代えて、誘導加熱コイルを遮熱板21の外周面に設けてもよい。コイル台22の外面(底部およびコーナー部)には、誘導加熱コイルにより構成される加熱手段24が設けられている。この加熱手段24は、通電により交番磁界を発生し、内釜11を電磁誘導により加熱する。また、コイル台22の中心部には、内釜11の底部に当接して内釜11の温度を検知する例えばサーミスタにより構成される温度検知手段25が設けられている。
【0013】
炊飯器本体2の後部側の内部には、電源基板26が設置されている。電源基板26は、半田面(裏面)側に設置された基板ホルダー26aに固定されている。電源基板26は、加熱手段24に電力を供給するスイッチング素子、その他の電子部品等が実装されている。また、前述の電源基板26には、スイッチング素子に当接された放熱器27が取り付けられている。放熱器27は、一定の間隔で整列された複数の放熱フィンを有し、熱伝導性のよいアルミニウム合金により形成されている。放熱器27の下側には、冷却ファン28が設置されている。
【0014】
蓋体3の内側には、内蓋12が取り付けられている。内蓋12の周縁部には、例えばシリコンゴムにより形成されたリング状のパッキン12aが取り付けられている。この内蓋12は、蓋体3が閉じられた際に、内釜11の開口の周縁部にパッキン12aが当接して内釜11の開口を密閉状態で閉塞する。
【0015】
また、内蓋12の表面には、おねば受容器15が着脱自在に密接して装着されている。おねば受容器15は、沸騰時に発生する内釜11内の炊飯物の蒸気を取り込んで蒸気に含まれるおねばを分離し、内釜11内の圧力が低下したときにおねばを内釜11内に戻すように構成されている。おねば受容器15は、蓋体3の内側に設けられた蒸気案内部14と連通している。この連通により、おねば受容器15からの蒸気は、蒸気案内部14を介して蒸気口10から排出される。
【0016】
また、蓋体3の内側には、操作基板13が取り付けられている。操作基板13には、温度検知手段25の温度検知に応じて胴ヒーター23および加熱手段24への通電を制御する制御手段を包含するマイコン(図示せず)、その他の電子部品等が実装されている。また、蓋体3の操作基板13上の位置に、前述の操作パネル9が設けられている。
【0017】
次に、本実施の形態1の炊飯器におけるブロック構成について
図4を用いて説明する。
蓋開閉検知手段16は、例えば、蓋体3が閉じられたときにONするリミットスイッチにより構成されている。なお、リミットスイッチに代えて、ホールICを用いても良い。この場合、炊飯器本体2の上部に磁石を設け、蓋体3の磁石と対向する位置にホールICを設ける。このホールICが磁石の磁気を検知したときに蓋体3の閉を検知する。
【0018】
前述の制御手段31は、静電容量式の設定キー7により設定された炊飯条件に基づいて炊飯制御プログラムを実行し、温度検知手段25の温度検知に応じて加熱手段24を制御する。炊飯制御プログラムの実行は、機械式の炊飯キーがONされたときに行う。また、制御手段31は、設定キー7の入力許可を蓋開閉検知手段16が蓋体3の閉を検知している期間に有効とする。
【0019】
ここで、本実施の形態1における制御手段31の動作について
図5を用いて説明する。
図5は
図4のブロック構成における制御手段の動作を示すフローチャートである。
制御手段31は、先ず蓋体3が閉じているかどうかを判断する(S1)。制御手段31は、蓋体3が開いているときには設定キー7からの入力を禁止し(S2)、蓋体3が閉じているときには設定キー7からの入力を許可する(S3)。制御手段31は、設定キー7からの入力を許可したときには、炊飯キー4がON(炊飯開始の指示)されたかどうかを判断する(S4)。
【0020】
制御手段31は、炊飯キー4がONされていないときには、ステップS1に戻って再び蓋体3が閉じているかどうかの判断に入る。制御手段31は、設定キー7からの入力を許可した後に、炊飯キー4がONされたときには、設定キー7により設定された炊飯条件に基づいて炊飯制御プログラムを実行し炊飯を行う(S5)。なお、設定キー7からの入力がなく、炊飯キー4がONされたときには、前回の炊飯条件に基づいて炊飯制御プログラムを実行する。
【0021】
以上のように本実施の形態1によれば、蓋体3が開いている間は設定キー7の入力を禁止し、蓋体3が閉じている期間では設定キー7の入力を許可するようにしている。このように、蓋体3が閉じている状態のときに、設定キー7による炊飯条件の入力を受け付けるので、設定キー7の不用意な設定による炊飯条件の誤設定がなくなり、炊飯キー4における誤操作の受け付けを低減できる。
【0022】
実施の形態2.
図6は本発明の実施の形態2に係る炊飯器の概略構成を示すブロック図である。なお、実施の形態1と同様の部分には同じ符号を付している。
本実施の形態2における制御手段32は、設定キー7の設定により入力された炊飯条件を解除する炊飯条件解除手段32aを備えている。入力された炊飯条件の解除は、設定キー7の入力を許可した後に、蓋開閉検知手段16が蓋体3の閉を検知したときに行われる。この制御手段32は、先ず設定キー7からの入力を許可し、次いで炊飯キー4からの炊飯開始の指示を検知しなかったときに、開いていた蓋体3が閉じると、許可した設定キー7の設定(炊飯条件)を解除する。この解除とは、掃除や水滴等で不用意に変更されてしまった設定内容(炊飯条件)を削除し、制御手段32に予め設定されている設定内容に戻すことである。あるいは前回の炊飯時の設定内容(炊飯条件)に戻しても良い。
【0023】
次に、本実施の形態2における制御手段32の動作について
図7を用いて説明する。
図7は
図6のブロック構成における制御手段の動作を示すフローチャートである。
制御手段32は、先ず設定キー7からの入力を許可し(S11)、次いで炊飯キー4がON(炊飯開始の指示)されたかどうかを判断する(S12)。制御手段32は、設定キー7の入力許可を出した後に(S11)、炊飯キー4のONを検知したときには、蓋体3が閉じているかどうかを判断する(S17)。制御手段32は、蓋体3が閉じていると判断したときには、設定キー7により設定された炊飯条件に基づいて炊飯制御プログラムを実行し炊飯を行う(S13)。また、制御手段32は、蓋体3が閉じていないと判断したときには、ステップS15に進む。なお、設定キー7からの入力がなく、炊飯キー4がONされたときには、前回の炊飯条件に基づいて炊飯制御プログラムを実行する。
【0024】
また、制御手段32は、ステップS12において、炊飯キー4のONを検知しなかったときには、蓋開閉検知手段16により蓋体3の閉が検知されたかどうかを判断する(S14)。制御手段32は、蓋開閉検知手段16により蓋体3の閉が検知されたときには、ステップS11に戻って再び設定キー7からの入力を許可する。制御手段32は、蓋体3が閉じているときに、炊飯キー4のONを検知すると、前述したように、設定キー7により設定された炊飯条件に基づいて炊飯制御プログラムを実行し炊飯を行う(S17、S13)。この場合も、設定キー7からの入力がなく、炊飯キー4がONされたときには、前回の炊飯条件に基づいて炊飯制御プログラムを実行する。
【0025】
制御手段32は、炊飯キー4のONを検知していないときに(S12)、蓋体3が開いていた場合には(S14)、蓋体3が閉じたかどうかを判断する(S15)。制御手段32は、蓋体3が開いていたときには、蓋体3が閉じるまでステップS15で待機する。制御手段32は、炊飯キー4のONを検知していないときに(S12)、開いていた蓋体3が閉じたとき(S14、S15)、あるいはステップS11〜ステップS14を繰り返し実行しているときに炊飯キー4のONを検知し(S12)、蓋体3が開いていたときには(S17)、蓋体3が開状態のときに設定キー7より入力された炊飯条件を解除する(S16)。
なお、設定キー7の設定の解除を、炊飯器1の動作状態が待機モードであるときに行われるようにしても良い。また、炊飯キー4のONを検知していないときに、蓋体3が閉じているとき、あるいは蓋体3が開いているときに設定キー7の入力を許可するようにしているが、蓋体3が閉じているときのみに設定キー7の入力を許可するようにしても良い。待機モードとは商用電源が通電されているのみで、炊飯や保温等の加熱動作がされていない状態を言い、取消状態や取消モードとも言う。また、炊飯キー4のONを検知していないときに、蓋体3が閉じているとき、あるいは蓋体3が開いているときに設定キー7の入力を許可するようにしているが、蓋体3が閉じているときのみに設定キー7の入力を許可するようにしても良い。
【0026】
以上のように本実施の形態2においては、炊飯キー4のONを検知していないときに、開いていた蓋体3が閉じたときには、蓋体3が開状態のときに設定キー7より入力された炊飯条件を解除するようにしている。これにより、前回の炊飯から現在までの間に設定キー7の誤検出による炊飯条件の誤設定が有ったとしても、前回の炊飯条件に戻る。このため、設定キー7による設定を再設定し直さなければならないという使い勝手の悪さを改善できる。
【0027】
実施の形態3.
図8は本発明の実施の形態3に係る炊飯器の概略構成を示すブロック図である。なお、実施の形態1、2と同様の部分には同じ符号を付している。
本実施の形態3における制御手段33は、設定キー7の設定により炊飯条件が変更されていたときには、変更された炊飯条件を炊飯制御プログラムへの反映を行うかどうかを判断する変更反映手段33aを備えている。炊飯条件の炊飯制御プログラムへの反映は、蓋開閉検知手段16が蓋体3の閉を検知した時点で、炊飯キー4のONを検知したときに行われる。
【0028】
次に、本実施の形態3における制御手段32の動作について
図9を用いて説明する。
図9は
図8のブロック構成における制御手段の動作を示すフローチャートである。
制御手段33は、先ず設定キー7からの入力を許可し(S21)、次いで炊飯キー4がON(炊飯開始の指示)されたかどうかを判断する(S22)。制御手段33は、設定キー7の入力許可を出した後に(S21)、炊飯キー4のONを検知したときには、蓋体3が閉じているかどうかを判断する(S29)。制御手段33は、蓋体3が閉じていると判断したときには、設定キー7により設定された炊飯条件に基づいて炊飯制御プログラムを実行し炊飯を行う(S23)。また、制御手段33は、蓋体3が閉じていないと判断したときには、ステップS25に進む。なお、設定キー7からの入力がなく、炊飯キー4がONされたときには、前回の炊飯条件に基づいて炊飯制御プログラムを実行する。
【0029】
また、制御手段33は、ステップS22において、炊飯キー4のONを検知しなかったときには、蓋開閉検知手段16により蓋体3の閉が検知されたかどうかを判断する(S24)。制御手段33は、蓋開閉検知手段16が蓋体3の閉を検知したときには、ステップS21に戻って再び設定キー7からの入力を許可する。制御手段33は、蓋体3が閉じているときに、炊飯キー4のONを検知すると、前述したように、設定キー7により設定された炊飯条件に基づいて炊飯制御プログラムを実行し炊飯を行う(S29、S23)。この場合も、設定キー7からの入力がなく、炊飯キー4がONされたときには、前回の炊飯条件に基づいて炊飯制御プログラムを実行する。
【0030】
制御手段33は、炊飯キー4のONを検知していないときに(S22)、蓋体3が開いていた場合には(S24)、蓋体3が閉じたかどうかを判断する(S25)。制御手段33は、蓋体3が開いていたときには、蓋体3が閉じるまでステップS25で待機する。制御手段33は、炊飯キー4のONを検知していないときに(S22)、開いていた蓋体3が閉じたとき(S24、S25)、あるいはステップS21〜ステップS24を繰り返し実行しているときに炊飯キー4のONを検知し(S22)、蓋体3が開いていたときには(S29)、蓋体3が開状態のときに設定キー7により炊飯条件が変更されたかどうかを判断する(S26)。制御手段33は、炊飯条件が変更されていないときには、ステップS21に戻って前述した動作を繰り返す。また、制御手段33は、炊飯条件が変更されているときには、蓋体3が開状態のときに変更された炊飯条件を炊飯制御プログラムへ反映させるかどうかを判断する(S27)。ここで、制御手段33は、炊飯キー4のONを検知したときに、変更された炊飯条件を炊飯制御プログラムへ反映させて(S28)、この炊飯制御プログラムに基づいて炊飯を行う。
【0031】
以上のように本実施の形態3においては、開いていた蓋体3が閉じたときに、設定キー7の設定により変更された炊飯条件を炊飯制御プログラムへ反映させるかどうかを判断し、ここで、炊飯キー4のONを検知したときには、変更された炊飯条件を炊飯制御プログラムへ反映させるようにしている。これにより、前回の炊飯から現在までの間の設定キー7の誤検出による炊飯条件の誤設定のまま炊飯してしまうようなことを防止でき、また、設定キー7による設定を再設定し直さなければならないという使い勝手の悪さを改善できる。
【0032】
実施の形態4.
図10は本発明の実施の形態4に係る炊飯器の概略構成を示すブロック図である。なお、実施の形態1と同様の部分には同じ符号を付している。
内釜検知手段17として、例えば重量センサーが用いられている。この重量センサーは、炊飯器本体2に収容された内釜11の重量(炊飯物も含む)を検知するものであり、この重量が検知されたときに内釜11が炊飯器本体2に収容されたと検知する。
【0033】
制御手段34は、設定キー7により設定された炊飯条件に基づいて炊飯制御プログラムを実行し、温度検知手段25の温度検知に応じて加熱手段24を制御する。炊飯制御プログラムの実行は、炊飯キー4がONされたときに行う。また、制御手段34は、設定キー7の入力受付を内釜検知手段17が内釜11の収容を検知している期間に有効とする。
【0034】
次に、本実施の形態4における制御手段34の動作について
図11を用いて説明する。
図11は
図10のブロック構成における制御手段の動作を示すフローチャートである。
制御手段34は、先ず内釜11が炊飯器本体2に収容されたかどうかを判断する(S31)。制御手段34は、内釜検知手段17が内釜11を検知していないときには設定キー7からの入力を禁止し(S32)、内釜検知手段17が内釜11を検知したときには設定キー7からの入力を許可する(S33)。制御手段34は、設定キー7からの入力を許可したときには、炊飯キー4がON(炊飯開始の指示)されたかどうかを判断する(S34)。
【0035】
制御手段34は、炊飯キー4がONされていないときには、ステップS31に戻って再び内釜11が検知されたかどうかの判断に入る。制御手段34は、設定キー7からの入力を許可した後に、炊飯キー4がONされたときには、設定キー7により設定された炊飯条件に基づいて炊飯制御プログラムを実行し炊飯を行う(S35)。なお、設定キー7からの入力がなく、炊飯キー4がONされたときには、前回の炊飯条件に基づいて炊飯制御プログラムを実行する。
【0036】
以上のように本実施の形態4によれば、内釜11が炊飯器本体2に収容されていないときには設定キー7の入力を禁止し、内釜11が炊飯器本体2に収容されている期間では設定キー7の入力を許可するようにしている。このように、内釜11が炊飯器本体2に収容されているときに、設定キー7による炊飯条件の入力を受け付けるので、設定キー7の不用意な設定による炊飯条件の誤設定がなくなり、炊飯キー4における誤操作の受け付けを低減できる。
【0037】
実施の形態5.
図12は本発明の実施の形態5に係る炊飯器の概略構成を示すブロック図である。なお、実施の形態2と同様の部分には同じ符号を付している。
本実施の形態5における制御手段35は、設定キー7の設定により入力された炊飯条件を解除する炊飯条件解除手段35aを備えている。炊飯条件を解除するタイミングは、内釜検知手段17が内釜を検知した時点である。
【0038】
次に、本実施の形態5における制御手段35の動作について
図13を用いて説明する。
図13は
図12のブロック構成における制御手段の動作を示すフローチャートである。
制御手段35は、先ず設定キー7からの入力を許可し(S41)、次いで炊飯キー4がON(炊飯開始の指示)されたかどうかを判断する(S42)。制御手段35は、設定キー7の入力許可を出した後に(S41)、炊飯キー4のONを検知したときには、内釜検知手段17により内釜11が検知されたかどうかを判断する(S47)。制御手段35は、内釜11が検知されているときには、設定キー7により設定された炊飯条件に基づいて炊飯制御プログラムを実行し炊飯を行う(S43)。また、制御手段35は、内釜11が検知されていないときには、ステップS45に進む。なお、設定キー7からの入力がなく、炊飯キー4がONされたときには、前回の炊飯条件に基づいて炊飯制御プログラムを実行する。
【0039】
また、制御手段35は、ステップS42において、炊飯キー4のONを検知していないときには、内釜検知手段17により内釜11が検知されたかどうかを判断する(S44)。制御手段35は、内釜検知手段17により内釜11が検知されたときには、ステップS41に戻って再び設定キー7からの入力を許可する。制御手段35は、内釜11が検知されているときに、炊飯キー4のONを検知すると、前述したように、設定キー7により設定された炊飯条件に基づいて炊飯制御プログラムを実行し炊飯を行う(S47、S43)。この場合も、設定キー7からの入力がなく、炊飯キー4がONされたときには、前回の炊飯条件に基づいて炊飯制御プログラムを実行する。
【0040】
制御手段35は、炊飯キー4のONを検知していないときに(S42)、内釜11を検知していない場合には(S44)、内釜11が炊飯器本体2に収容されたかどうかを判断する(S45)。制御手段35は、内釜11が検知されなかったときには、内釜11が検知されるまでステップS45で待機する。制御手段35は、炊飯キー4のONを検知していないときに(S42)、炊飯器本体2になかった内釜11が収容されたとき(S44、S45)、あるいはステップS41〜ステップS44を繰り返し実行しているときに炊飯キー4のONを検知し(S42)、内釜11を検知したときには(S47)、内釜11が無いときに設定キー7より入力された炊飯条件を解除する(S46)。なお、設定キー7の設定の解除を、炊飯器1の動作状態が待機モードであるときに行われるようにしても良い。
【0041】
以上のように本実施の形態5においては、炊飯キー4のONを検知していないときに、炊飯器本体2に収容されていない内釜11が収容されたことを検知したときには、内釜11が無いときに設定キー7より入力された炊飯条件を解除するようにしている。これにより、前回の炊飯から現在までの間に設定キー7の誤検出による炊飯条件の誤設定が有ったとしても、前回の炊飯条件に戻る。このため、設定キー7による設定を再設定し直さなければならないという使い勝手の悪さを改善できる。
【0042】
実施の形態6.
図14は本発明の実施の形態6に係る炊飯器の概略構成を示すブロック図である。なお、実施の形態3と同様の部分には同じ符号を付している。
本実施の形態6における制御手段36は、設定キー7の設定により炊飯条件が変更されていたときには、変更された炊飯条件を炊飯制御プログラムへ反映させるかどうかを判断する変更反映手段36aを備えている。炊飯条件の炊飯制御プログラムへの反映は、内釜検知手段17が内釜11を検知した時点で、炊飯キー4のONを検知したときである。
【0043】
次に、本実施の形態6における制御手段36の動作について
図15を用いて説明する。
図15は
図14のブロック構成における制御手段の動作を示すフローチャートである。
制御手段36は、先ず設定キー7からの入力を許可し(S51)、次いで炊飯キー4がON(炊飯開始の指示)されたかどうかを判断する(S52)。制御手段36は、設定キー7の入力許可を出した後に(S51)、炊飯キー4のONを検知したときには、内釜検知手段17により内釜11が検知されたかどうかを判断する(S59)。制御手段36は、内釜11が検知されているときには、設定キー7により設定された炊飯条件に基づいて炊飯制御プログラムを実行し炊飯を行う(S53)。また、制御手段36は、内釜11が検知されていないときには、ステップS55に進む。なお、設定キー7からの入力がなく、炊飯キー4がONされたときには、前回の炊飯条件に基づいて炊飯制御プログラムを実行する。
【0044】
また、制御手段36は、ステップS52において、炊飯キー4のONを検知しないときには、内釜検知手段17により内釜11が検知されたかどうかを判断する(S54)。制御手段36は、内釜検知手段17が内釜11を検知したときには、ステップS51に戻って再び設定キー7からの入力を許可する。制御手段36は、内釜11を検知しているときに、炊飯キー4のONを検知すると、前述したように、設定キー7により設定された炊飯条件に基づいて炊飯制御プログラムを実行し炊飯を行う(S53)。この場合も、設定キー7からの入力がなく、炊飯キー4がONされたときには、前回の炊飯条件に基づいて炊飯制御プログラムを実行する。
【0045】
制御手段36は、炊飯キー4のONを検知していないときに(S52)、内釜11を検知していない場合には(S54)、内釜11が炊飯器本体2に収容されたかどうかを判断する(S55)。制御手段36は、内釜11が検知されなかったときには、内釜11が検知されるまでステップS55で待機する。制御手段36は、炊飯キー4のONを検知していないときに(S52)、炊飯器本体2になかった内釜11が収容されたとき(S54、S55)、あるいはステップS51〜ステップS54を繰り返し実行しているときに炊飯キー4のONを検知し(S52)、内釜11を検知したときには(S59)、内釜11が無いときに設定キー7により炊飯条件が変更されたかどうかを判断する(S56)。制御手段36は、内釜11が無いときに炊飯条件が変更されていないときには、ステップS51に戻って前述した動作を繰り返し、炊飯条件が変更されているときには、内釜11が無いときに変更された炊飯条件を炊飯制御プログラムへ反映させるかどうかを判断する(S57)。ここで、制御手段36は、炊飯キー4のONを検知したときには、変更された炊飯条件を炊飯制御プログラムへ反映させて(S58)、この炊飯制御プログラムに基づいて炊飯を行う。
【0046】
以上のように本実施の形態6においては、炊飯器本体2に収容されていない内釜11が収容されたことを検知したときに、設定キー7の設定により変更された炊飯条件を炊飯制御プログラムへ反映させるかどうかを判断し、炊飯キー4のONを検知したときには、変更された炊飯条件を炊飯制御プログラムへ反映させるようにしている。これにより、前回の炊飯から現在までの間の設定キー7の誤検出による炊飯条件の誤設定のまま炊飯してしまうようなことを防止でき、また、設定キー7による設定を再設定し直さなければならないという使い勝手の悪さを改善できる。
【0047】
実施の形態7.
実施の形態1では、蓋体3の閉を検知した後に、設定キー7の入力を許可するようにしたが、実施の形態7は、蓋体3の閉を検知し、かつ炊飯キー4のONを検知した後に、設定キー7の入力を許可するようにしたものである。
なお、実施の形態7におけるブロック構成は、
図4に示すブロック図と同じである。
【0048】
制御手段31は、静電容量式の設定キー7により設定された炊飯条件に基づいて炊飯制御プログラムを実行し、温度検知手段25の温度検知に応じて加熱手段24を制御する。炊飯制御プログラムの実行は、機械式の炊飯キー4がONされたときに行う。また、制御手段31は、静電容量式の設定キー7の入力を、蓋開閉検知手段16が蓋体3の閉を検知し、かつ炊飯キー4のONを検知したときに許可する。制御手段31は、設定キーの入力許可を出した後に、再び炊飯キー4のONを検知したときには炊飯を行う。
【0049】
ここで、本実施の形態7における制御手段31の動作について
図16を用いて説明する。
図16は本発明の実施の形態7に係る炊飯器の制御手段の動作を示すフローチャートである。
制御手段31は、先ず蓋体3が閉じているかどうかを判断する(S61)。制御手段31は、蓋体3が開いているときには設定キー7からの入力を禁止し(S62)、蓋体3が閉じているときには炊飯キー4がONされたかどうかを判断する(S63)。炊飯キー4がONされていないときにはS61に戻って、前述の動作を繰り返す。制御手段31は、S63において、炊飯キー4のONを検知したときには、設定キー7からの入力を許可する(S64)。制御手段31は、設定キー7からの入力を許可したときには、再び炊飯キー4がON(炊飯開始の指示)されたかどうかを判断する(S65)。
【0050】
制御手段31は、炊飯キー4がONされていないときには、ステップS64に戻って設定キー7からの入力を許可する。また、制御手段31は、ステップS65において、炊飯キー4のONを検知したときには、設定キー7により設定された炊飯条件に基づいて炊飯制御プログラムを実行し炊飯を行う(S66)。なお、設定キー7からの入力がなく、炊飯キー4がONされたときには、前回の炊飯条件に基づいて炊飯制御プログラムを実行する。
【0051】
以上のように本実施の形態7によれば、蓋体3が開いている間は設定キー7の入力を禁止し、蓋体3が閉じている期間では炊飯キー4のONの後に設定キー7の入力を許可するようにしている。このように、蓋体3が閉じている状態のときに、炊飯キー4のONを検知したときに設定キー7による炊飯条件の入力を受け付けるので、炊飯条件の誤設定がなく、炊飯キー4における誤操作の受け付けを低減できる。