(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記中継器の場合、当該中継器を着脱する際には、感知器ベースから感知器本体を外して、感知器ベースと感知器本体との接続を解除する必要がある。感知器ベースと感知器本体との接続が解除されると、火災感知器の機能が停止した状態、すなわち火災感知器による火災監視が中断された状態になる。したがって、上記中継器の場合、火災感知器による火災監視が中断された状態でなければ、当該中継器の着脱を行うことができない。
【0006】
そこで、本発明は、建物の天井等に設置される火災感知器の周囲に取付可能な情報発信アダプタであって、火災感知器による火災監視を中断することなく着脱することのできる情報発信アダプタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の情報発信アダプタは、
火災感知器の周囲に取付可能であって、
前記火災感知器との干渉を回避するための干渉回避開口を有するアダプタベースと、
前記アダプタベースに装着される情報発信モジュールと、を備え、
前記火災感知器に巻付き、巻付いた状態を維持するための維持構造を有することを特徴とする。
本発明の情報発信アダプタによれば、火災感知器に巻付けるだけで当該火災感知器の周囲に取り付けることができ、維持構造によって当該巻付いた状態を維持できるため、火災感知器による火災監視を中断することなく着脱することができる。
【0008】
ここで、前記アダプタベースは、
略半円弧状の第一ベース部材および第二ベース部材と、
前記第一ベース部材の一端部と前記第二ベース部材の一端部とを連結するヒンジ部と、を有し、
前記第一ベース部材および前記第二ベース部材の他端部同士が開閉可能であり、
前記第一ベース部材および前記第二ベース部材の他端部同士を閉めることによって、前記巻付いた状態を維持できる構成としてもよい。
このように構成することによって、第一ベース部材および第二ベース部材の他端部同士を閉めるだけで、火災感知器に巻付いた状態を維持することができる。
【0009】
また、前記アダプタベースは、
円環の一部に内方と外方とを連通する開放部を設けた形状のベース部材と、
前記ベース部材の一端部から他端部に亘って設けられた締付部材と、を有し、
前記締付部材を締めることによって、前記巻付いた状態を維持できる構成としてもよい。
このように構成することによって、締付部材を締めるだけで、火災感知器に巻付いた状態を維持することができる。
【0010】
また、前記アダプタベースは、
円環の一部に内方と外方とを連通する開放部を設けた形状のベース部材を有し、
前記ベース部材を弾性変形させることによって、前記干渉回避開口が拡張可能であり、
前記弾性変形を解除し前記開放部を閉めることによって、前記巻付いた状態を維持できる構成としてもよい。
このように構成することによって、ベース部材の弾性変形を解除し開放部を閉めるだけで、火災感知器に巻付いた状態を維持することができる。
【0011】
あるいは、本発明の情報発信アダプタは、
火災感知器の周囲に取付可能であって、
前記火災感知器との干渉を回避するための干渉回避開口を有するアダプタベースと、
前記アダプタベースに装着される情報発信モジュールと、を備え、
前記アダプタベースは、ネジを挿通可能なネジ孔を有し、
前記アダプタベースの前記ネジ孔に挿通された前記ネジによって、前記干渉回避開口内に前記火災感知器を配置した状態で、当該火災感知器に巻付き、巻付いた状態を維持することを特徴とする。
本発明の情報発信アダプタによれば、火災感知器に巻付けるだけで当該火災感知器の周囲に取り付けることができ、ネジによって当該巻付いた状態を維持できるため、火災感知器による火災監視を中断することなく着脱することができる。
【0012】
また、前記火災感知器に巻付いた状態において当該火災感知器と接する滑止部材を備える構成としても良い。
このように構成することによって、火災感知器に巻付いた状態をより効果的に維持できるため、火災感知器から落下してしまう等の不都合が、より生じ難くなる。
【0013】
また、前記火災感知器に巻付いた状態において当該火災感知器と接する緩衝部材を備える構成としても良い。
このように構成することによって、火災感知器に対する緩衝機能を発揮することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、建物の天井等に設置される火災感知器の周囲に取付可能な情報発信アダプタであって、火災感知器による火災監視を中断することなく着脱することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、天井側を上側とし、床側を下側とする。
図1は、本発明の実施形態に係る情報発信アダプタの設置例を示す図である。
図1(b)は、
図1(a)において情報発信アダプタのみを断面で示した図である。
図2は、火災感知器の感知器ベースの一例を示す図であって、下面側から見た図である。
【0017】
本発明の実施形態の情報発信アダプタ100は、例えば
図1(a),(b)に示すように、火災感知器200の周囲に配設可能である。ここで、火災感知器200が取付けられる被取付部Pは、天井面や、屋内配線等に用いられるボックス(アウトレットボックス、露出ボックス等)や、感知器取付金具などである。
火災感知器200は、例えば
図1(b)に示すように、円板状の感知器ベース210と、外形ドーム状の感知器本体220と、を備えて構成される。
【0018】
感知器ベース210は、火災感知器200の基部であり、取付ネジ230によって被取付部Pに取付けられる。感知器ベース210は、例えば
図2に示すように、難燃性樹脂からなる円板状の本体211と、本体211の下面側に装着された複数(本実施形態では3つ)の接続端子212と、を備えている。
接続端子212は、火災受信機等から延びる感知器回線Q(電源線や伝送線など)と感知器本体220とを電気的に接続するためのものである。接続端子212は、箱型部分212aと、当該箱型部分212aから延出するブレード状部分212bと、を有している。箱型部分212aは、電線接続端子であり、当該箱型部分212aに設けられた差込穴212a1に感知器回線Qの先端が差込まれるようになっている。ブレード状部分212bは、連結端子であり、火災の感知を実際に行う感知器本体220に設けられた爪片(連結端子)と係合して当該感知器本体220を保持するようになっている。
【0019】
感知器ベース210の本体211には、取付ネジ230用のネジ孔として、円周方向の長孔213aを連成した挿通孔213が、上下方向に貫通して設けられている。
また、感知器ベース210の本体211の略中央部には、感知器回線Qの先端部を感知器ベース210の上面側から下面側へと引込むための引込孔214が、上下方向に貫通して設けられている。
【0020】
さらに、本実施形態においては、感知器ベース210が有する挿通孔213,213(長孔213a,213aも含む)だけでなく、感知器ベース210が有する第一貫通孔215,215や第二貫通孔216,216も、取付ネジ230用のネジ孔として用いることができる。すなわち、
図2に示す感知器ベース210の場合、三組のネジ孔を有しており、これら三組のネジ孔の中から、被取付部P等に設けられている取付ネジ230用のネジ受け部の位置に適合する組のネジ孔を選択して用いることができるよう構成されている。このように、火災感知器200の融通性を高める(1種類の感知器ベース210で様々な取り付け方に対応できるようにする)等の観点から、火災感知器200には、取付ネジ230用のネジ孔として、複数組のネジ孔が設けられている。
【0021】
図3は、本発明の実施形態に係る情報発信アダプタの一例を示す上面図である。
情報発信アダプタ100は、例えば
図1(a),(b)および
図3(a),(b)に示すように、火災感知器200の感知器ベース210の外径よりも小さな内径を有する円環板状のアダプタベース120と、当該アダプタベース120に装着される情報発信モジュール110と、を備えて構成される。
【0022】
情報発信モジュール110は、位置検出用に機器固有の識別情報を無線により発信するモジュールである。情報発信モジュール110は、
図1(a)や
図3(a),(b)に示すように、電源111と、回路基板や送信回路部やアンテナ部などを備える情報発信端末112と、を有している。
なお、情報発信端末112に電力を供給する電源111は、例えば
図3(a),(b)に示すような1つの電池により構成される電池電源に限定されず、適宜変更可能であり、例えば、
図4に示すような複数の電池を並列接続して構成される電池電源であってもよい。下記変形例1〜3の電源111(
図5〜
図9)においても同様である。
【0023】
また、電源111を構成する電池は、例えば
図3(a),(b)に示すようなボタン形電池に限定されず、適宜変更可能であり、例えば、円筒形電池(円筒形リチウム電池)であってもよい。下記変形例の電源111を構成する電池(
図5〜
図9)においても同様である。
また、電源111は、電池電源に限定されず、適宜変更可能であり、例えば光発電装置等であってもよい。電源111が光発電装置である場合、当該電源111は、例えば、アダプタベース120の外周側面に配設された光電池(太陽電池等)と、当該光電池からの電力を集電して外部(情報発信端末112)に出力する出力部と、からなる。下記変形例の電源111(
図5〜
図9)においても同様である。
【0024】
アダプタベース120は、例えば
図3(a),(b)に示すように、略半円弧状の第一ベース部材121および第二ベース部材122と、第一ベース部材121と第二ベース部材122とを回動自在に連結するヒンジ部123と、により構成される。
ヒンジ部123は、当該ヒンジ部123の回動軸の軸方向がベース部材121,122の厚み方向に平行となるよう、第一ベース部材121の一端部と第二ベース部材122の一端部とに設けられている。したがって、アダプタベース120は、第一ベース部材121の他端部(自由端部)と第二ベース部材122の他端部(自由端部)とが当接した開状態と、離間した閉状態と、に変換可能となっている。
【0025】
ヒンジ部123は、第一ベース部材121および第二ベース部材122を、他端部同士が当接した閉状態に付勢するヒンジバネ(図示省略)を有している。このヒンジバネは、例えば、ヒンジ部123の回動軸周りに配置されており、一端が第一ベース部材121に固定されているとともに他端が第二ベース部材122に固定されている。
このように、本実施形態の情報発信アダプタ100は、閉状態に付勢する付勢部材を備えているため、当該付勢部材の付勢力によって、火災感知器200に巻付いた状態を維持することができる。
なお、情報発信アダプタ100が火災感知器200に巻付いた状態を維持するための維持構造は、閉状態に付勢する付勢部材(ヒンジバネ等)からなるものに限定されず、適宜変更可能である。当該維持構造は、例えば、第一ベース部材121の他端部から第二ベース部材122の他端部に亘って装着可能な締付部材(ボルトねじ等)からなるものであってもよい。
【0026】
ここで、本実施形態の情報発信アダプタ100の設置方法の一例を説明する。
まず、アダプタベース120を閉状態から第一開状態へと変換して、第一ベース部材121の他端部と第二ベース部材122の他端部との離間距離を感知器ベース210の外径よりも大きくする(第1工程)。
次いで、その状態で、情報発信アダプタ100を、火災感知器200の側方から当該火災感知器200の感知器ベース210へと接近させて、例えば
図3(b)に示すように、ベース部材121,122の一端部側を感知器ベース210の外周側面にあてがう(第2工程)。
そして、アダプタベース120を第一開状態から、当該第一開状態よりも閉状態に近い第二開状態へと変換して、例えば
図3(a)に示すように、情報発信アダプタ100を、火災感知器200に巻付ける(第3工程)。これにより、情報発信アダプタ100を火災感知器200に固定することができる。
【0027】
このように、情報発信アダプタ100は、火災感知器200の側方においてアダプタベース120を状態変換するだけで、火災感知器200(火災感知器200の近傍)に設置することができる。すなわち、本実施形態の情報発信アダプタ100は、火災感知器200を被取付部Pから外したり、感知器ベース210から感知器本体220を外したり、取付ネジ230を緩めたりしなくても、既設の火災感知器200(あるいは、新設の火災感知器200であってもよい)の近傍に取付けることができる。
【0028】
また、情報発信アダプタ100は、火災感知器200の側方においてアダプタベース120を状態変換するだけで、火災感知器200(火災感知器200の近傍)から取外すことができる。すなわち、本実施形態の情報発信アダプタ100は、火災感知器200を被取付部Pから外したり、感知器ベース210から感知器本体220を外したり、取付ネジ230を緩めたりしなくても、火災感知器200の近傍から取外すことができる。
【0029】
したがって、本実施形態の情報発信アダプタ100は、火災感知器200による火災監視を中断することなく着脱することができる。
また、構成要素の交換(電池や情報発信端末などの交換)や、構成要素の追加(例えば、アダプタベース120に新たな構成要素を搭載することにより実現可能)や、機能の追加(例えば、情報発信端末を交換することにより実現可能)なども、火災感知器200による火災監視を継続しつつ、容易に行うことができるため、メンテナンス性やリニューアル時の施工性などに優れている。
【0030】
このように、本実施形態の情報発信アダプタ100は、火災感知器200に取付可能であって、火災感知器200との干渉を回避するための干渉回避開口(中央開口)を有するアダプタベース120と、アダプタベース120に装着される情報発信モジュール110と、を備え、火災感知器200に巻付くことで、当該火災感知器200に固定可能である。
したがって、火災感知器200に巻付けるだけで当該火災感知器200に固定できるため、火災感知器200による火災監視を中断することなく着脱することができる。
【0031】
具体的には、本実施形態の情報発信アダプタ100において、アダプタベース120は、略半円弧状の第一ベース部材121および第二ベース部材122と、第一ベース部材121の一端部と第二ベース部材122の一端部とを連結するヒンジ部123と、を有し、第一ベース部材121および第二ベース部材122の他端部同士が開閉可能であるよう構成されている。
したがって、火災感知器200の側方において第一ベース部材121および第二ベース部材122の他端部同士が開いた状態(開状態)から閉じた状態(閉状態)に向けてアダプタベース120を状態変換するだけで、情報発信アダプタ100を火災感知器200に巻付けることができる。
【0032】
なお、上記実施形態では、情報発信アダプタ100が火災感知器200に巻付いた状態において、アダプタベース120は第一ベース部材121および第二ベース部材122の他端部同士が開いた開状態(具体的には、第一ベース部材121の他端部と第二ベース部材122の他端部との離間距離が、第一開状態よりも小さい第二開状態)になっているが、これに限定されず、情報発信アダプタ100が火災感知器200に巻付いた状態において、アダプタベース120は第一ベース部材121および第二ベース部材122の他端部同士が閉じた閉状態であってもよい。
【0033】
また、アダプタベース120は、ベース部材121,122の内周面に設けられた1または複数の滑止部材を備えていてもよい。当該滑止部材としは、例えば、ベース部材121,122よりも表面の摩擦係数が高い部材や、テープ状の基材の両面に接着剤層を有する部材(両面テープ)などが挙げられる。さらに、当該滑止部材は、緩衝機能を発揮できる程度に弾性変形可能であってもよい。滑止部材を備えることによって、情報発信アダプタ100が火災感知器200に巻付いた状態をより効果的に維持できることとなって、火災感知器200から情報発信アダプタ100が落下してしまう等の不都合を、より生じ難くすることが可能となる。
【0034】
〔変形例1〕
情報発信アダプタ100の変形例1の一例を、
図5および
図6に示す。
図5は、本変形例の情報発信アダプタの一例を示す図であって、(a)は上面図であり、(b)は上面側から見た斜視図である。
図5(b)では、情報発信モジュール110および滑止部材133の図示を省略している。
図6は、本変形例の情報発信アダプタの一例を示す上面図である。
本変形例の情報発信アダプタ100は、例えば
図5(a)および
図6に示すように、火災感知器200の感知器ベース210の外径よりも大きな内径を有するC字板状のアダプタベース130と、当該アダプタベース130に装着される情報発信モジュール110と、を備えて構成される。
【0035】
アダプタベース130は、例えば
図5(a),(b)に示すように、円環の一部に内方と外方とを連通する開放部131aを設けた形状のベース部材131と、ベース部材131の一端部131bを貫通して他端部131cに至る軸部を有するボルトねじ132と、ベース部材131の内周面に設けられた1または複数(本変形例では3つ)の滑止部材133と、により構成される。
ベース部材131の一端部131bには、ベース部材131の接線方向に略平行に貫通する第一ねじ孔131b1が設けられており、ベース部材131の他端部131cには、ベース部材131の接線方向に略平行に貫通する第二ねじ孔131c1が設けられている。
【0036】
第二ねじ孔131c1の内周には、ボルトねじ132の軸部が螺合可能なねじ切りが形成されているのに対し、第一ねじ孔131b1の内周には、ねじ切りが形成されていない。したがって、アダプタベース130は、ボルトねじ132が回転することで、ベース部材131の一端部131bと他端部131cとの間隔が拡大した拡大状態と、縮小した縮小状態(例えば
図5(a)に示す状態)と、に変換可能となっている。
このように、本変形例の情報発信アダプタ100は、縮小状態へと締付ける締付部材を備えているため、当該締付部材の締付力によって、火災感知器200に巻付いた状態を維持することができる。
【0037】
滑止部材133は、ベース部材131よりも表面の摩擦係数が高く、緩衝機能を発揮できる程度に弾性変形可能な部材である。本変形例の情報発信アダプタ100は、この滑止部材133によって、火災感知器200に巻付いた状態をより効果的に維持できるため、火災感知器200から落下してしまう等の不都合が、より生じ難くなっている。
【0038】
ここで、本変形例の情報発信アダプタ100の設置方法の一例を説明する。
まず、アダプタベース130を縮小状態から拡大状態へと変換して、アダプタベース130の中央開口(干渉回避開口)の有効サイズを感知器ベース210の外径よりも大きくする(第1工程)。
次いで、その状態で、情報発信アダプタ100を、火災感知器200の下方から当該火災感知器200の感知器ベース210へと接近させて、アダプタベース130の中央開口内に感知器ベース210を配置する(第2工程)。
そして、アダプタベース130を拡大状態から縮小状態へと変換して、例えば
図6に示すように、情報発信アダプタ100を、火災感知器200に巻付ける(第3工程)。これにより、情報発信アダプタ100を火災感知器200に固定することができる。
【0039】
このように、情報発信アダプタ100は、火災感知器200の側方においてアダプタベース130を状態変換するだけで、火災感知器200(火災感知器200の近傍)に設置することができる。すなわち、本変形例の情報発信アダプタ100は、火災感知器200を被取付部Pから外したり、感知器ベース210から感知器本体220を外したり、取付ネジ230を緩めたりしなくても、既設の火災感知器200(あるいは、新設の火災感知器200であってもよい)の近傍に取付けることができる。
【0040】
また、情報発信アダプタ100は、火災感知器200の側方においてアダプタベース130を状態変換するだけで、火災感知器200(火災感知器200の近傍)から取外すことができる。すなわち、本変形例の情報発信アダプタ100は、火災感知器200を被取付部Pから外したり、感知器ベース210から感知器本体220を外したり、取付ネジ230を緩めたりしなくても、火災感知器200の近傍から取外すことができる。
【0041】
したがって、本変形例の情報発信アダプタ100は、火災感知器200による火災監視を中断することなく着脱することができる。
また、構成要素の交換(電池や情報発信端末などの交換)や、構成要素の追加(例えば、アダプタベース130に新たな構成要素を搭載することにより実現可能)や、機能の追加(例えば、情報発信端末を交換することにより実現可能)なども、火災感知器200による火災監視を継続しつつ、容易に行うことができるため、メンテナンス性やリニューアル時の施工性などに優れている。
【0042】
このように、本変形例の情報発信アダプタ100は、火災感知器200に取付可能であって、火災感知器200との干渉を回避するための干渉回避開口(中央開口)を有するアダプタベース130と、アダプタベース130に装着される情報発信モジュール110と、を備え、火災感知器200に巻付くことで、当該火災感知器200に固定可能である。
したがって、火災感知器200に巻付けるだけで当該火災感知器200に固定できるため、火災感知器200による火災監視を中断することなく着脱することができる。
【0043】
具体的には、本変形例の情報発信アダプタ100において、アダプタベース130は、円環の一部に内方と外方とを連通する開放部131aを設けた形状のベース部材131と、ベース部材131の一端部131bから他端部131cに亘って設けられた締付部材(ボルトねじ132)と、を有し、締付部材を緩めることによって、干渉回避開口(中央開口)が拡張可能であるよう構成されている。
したがって、火災感知器200の側方においてボルトねじ132が緩んだ状態(拡大状態)から締まった状態(縮小状態)へとアダプタベース130を状態変換するだけで、情報発信アダプタ100を火災感知器200に巻付けることができる。
【0044】
なお、ベース部材131の形状は、円環の一部に内方と外方とを連通する開放部131aを設けた形状であれば適宜変更可能であり、例えば、下記変形例2のベース部材141のような形状(
図7参照)であってもよい。
また、火災感知器200に巻付くことで当該火災感知器200に固定可能であれば、情報発信アダプタ100の構造は、本実施形態に示した構造や、変形例1,2に示した構造に限定されず、適宜変更可能である。
また、滑止部材133は、テープ状の基材の両面に接着剤層を有する部材(両面テープ)等であってもよい。また、滑止部材133は、緩衝機能を有する部材(例えば、緩衝機能を発揮できる程度に弾性変形可能な部材)であってもよいし、緩衝機能を有しない部材であってもよい。
【0045】
〔変形例2〕
情報発信アダプタ100の変形例2の一例を、
図7に示す。
図7は、本変形例の情報発信アダプタの一例を示す上面図である。
本変形例の情報発信アダプタ100は、例えば
図7(a),(b)に示すように、円環板の一部を分断した形状のアダプタベース140と、当該アダプタベース140に装着される情報発信モジュール110と、を備えて構成される。
アダプタベース140は、当該アダプタベース140の内径が火災感知器200の感知器ベース210の外径よりも大きくなるよう、広げる(弾性変形させる)ことが可能となっている。
【0046】
具体的には、アダプタベース140は、例えば
図7(a),(b)に示すように、円環の一部に内方と外方とを連通する開放部141aを設けた形状のベース部材141と、ベース部材141の内周面に設けられた1または複数(本変形例では3つ)の滑止部材142と、により構成される。
開放部141aは、ベース部材141の径方向に対して斜めに延在している。そのため、ベース部材141において、一端部141bは他端部141cよりも内側に位置している。
【0047】
ベース部材141は、例えば一端部141bと他端部141cとを指等で摘んで、弾性変形させることができるよう構成されている。すなわち、アダプタベース140は、ベース部材141が弾性変形してアダプタベース140の干渉回避開口(中央開口)が拡張された弾性変形状態と、当該弾性変形が解除された解除状態と、に変換可能となっている。
このように、本変形例の情報発信アダプタ100は、アダプタベース140の干渉回避開口(中央開口)を大きくするように弾性変形可能なベース部材141を備えているため、当該ベース部材141の弾性変形に伴う復元力によって、火災感知器200に巻付いた状態を維持することができる。
【0048】
滑止部材142は、ベース部材141よりも表面の摩擦係数が高く、弾性変形可能な部材である。本変形例の情報発信アダプタ100は、この滑止部材142によって、火災感知器200に巻付いた状態をより効果的に維持できるため、火災感知器200から落下してしまう等の不都合が、より生じ難くなっている。
【0049】
ここで、本変形例の情報発信アダプタ100の設置方法の一例を説明する。
まず、アダプタベース140を解除状態から第一弾性変形状態へと変換して、アダプタベース140の中央開口(干渉回避開口)の有効サイズを感知器ベース210の外径よりも大きくする(第1工程)。
次いで、その状態で、情報発信アダプタ100を、火災感知器200の下方から当該火災感知器200の感知器ベース210へと接近させて、アダプタベース140の中央開口内に感知器ベース210を配置する(第2工程)。
そして、アダプタベース140を第一弾性変形状態から、当該第一弾性変形状態よりも解除状態に近い第二弾性変形状態へと変換して、例えば
図7(b)に示すように、情報発信アダプタ100を、火災感知器200に巻付ける(第3工程)。これにより、情報発信アダプタ100を火災感知器200に固定することができる。
【0050】
このように、情報発信アダプタ100は、火災感知器200の側方においてアダプタベース140を状態変換するだけで、火災感知器200(火災感知器200の近傍)に設置することができる。すなわち、本変形例の情報発信アダプタ100は、火災感知器200を被取付部Pから外したり、感知器ベース210から感知器本体220を外したり、取付ネジ230を緩めたりしなくても、既設の火災感知器200(あるいは、新設の火災感知器200であってもよい)の近傍に取付けることができる。
【0051】
また、情報発信アダプタ100は、火災感知器200の側方においてアダプタベース140を状態変換するだけで、火災感知器200(火災感知器200の近傍)から取外すことができる。すなわち、本変形例の情報発信アダプタ100は、火災感知器200を被取付部Pから外したり、感知器ベース210から感知器本体220を外したり、取付ネジ230を緩めたりしなくても、火災感知器200の近傍から取外すことができる。
【0052】
したがって、本変形例の情報発信アダプタ100は、火災感知器200による火災監視を中断することなく着脱することができる。
また、構成要素の交換(電池や情報発信端末などの交換)や、構成要素の追加(例えば、アダプタベース140に新たな構成要素を搭載することにより実現可能)や、機能の追加(例えば、情報発信端末を交換することにより実現可能)なども、火災感知器200による火災監視を継続しつつ、容易に行うことができるため、メンテナンス性やリニューアル時の施工性などに優れている。
【0053】
このように、本変形例の情報発信アダプタ100は、火災感知器200に取付可能であって、火災感知器200との干渉を回避するための干渉回避開口(中央開口)を有するアダプタベース140と、アダプタベース140に装着される情報発信モジュール110と、を備え、火災感知器200に巻付くことで、当該火災感知器200に固定可能である。
したがって、火災感知器200に巻付けるだけで当該火災感知器200に固定できるため、火災感知器200による火災監視を中断することなく着脱することができる。
【0054】
具体的には、本変形例の情報発信アダプタ100において、アダプタベース140は、円環の一部に内方と外方とを連通する開放部141aを設けた形状のベース部材141を有し、ベース部材141を弾性変形させることによって、干渉回避開口(中央開口)が拡張可能であるよう構成されている。
したがって、火災感知器200の側方においてベース部材141が弾性変形した状態(弾性変形状態)から当該弾性変形が解除された状態(解除状態)に向けてアダプタベース140を状態変換するだけで、情報発信アダプタ100を火災感知器200に巻付けることができる。
【0055】
なお、上記実施形態では、情報発信アダプタ100が火災感知器200に巻付いた状態において、アダプタベース140はベース部材141が弾性変形した弾性変形状態(具体的には、ベース部材141の変形度合いが、第一弾性変形状態よりも小さい第二弾性変形状態)になっているが、これに限定されず、情報発信アダプタ100が火災感知器200に巻付いた状態において、アダプタベース140はベース部材141の弾性変形が解除された解除状態であってもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、アダプタベース140が第二弾性変形状態である際に、開放部141aは閉じた状態になっているが(
図7(b)参照)、これに限定されず、アダプタベース140が第二弾性変形状態である際に、開放部141aは開いた状態になっていてもよい。
また、ベース部材141の形状は、円環の一部に内方と外方とを連通する開放部141aを設けた形状であれば適宜変更可能であり、例えば、上記変形例1のベース部材131のような形状(
図5参照)であってもよい。
また、滑止部材142は、テープ状の基材の両面に接着剤層を有する部材(両面テープ)等であってもよい。また、滑止部材142は、緩衝機能を有する部材(例えば、緩衝機能を発揮できる程度に弾性変形可能な部材)であってもよいし、緩衝機能を有しない部材であってもよい。滑止部材142が、両面テープである場合であって緩衝機能を有しない場合(すなわち、滑止部材142が薄手の両面テープである場合)には、例えば、アダプタベース140の内径を感知器ベース200の外径と略同一にし、アダプタベース140(ベース部材141)の内周面の一部または全部に当該滑止部材133を貼り付けて、火災感知器200に取付ける。
【0057】
〔変形例3〕
情報発信アダプタ100の変形例3の一例を、
図8および
図9に示す。
図8は、本変形例の情報発信アダプタの一例を示す上面図である。
図9は、本変形例の情報発信アダプタの設置例を示す図である。
本変形例の情報発信アダプタ100は、例えば
図8および
図9(a),(b)に示すように、火災感知器200の感知器ベース210の外径よりも大きな内径を有する円環板状のアダプタベース150と、当該アダプタベース150に装着される情報発信モジュール110と、を備えて構成される。
情報発信アダプタ100は、固定ネジ160によって、被取付部Pに固定できるよう構成されている。具体的には、アダプタベース150には、例えば
図8に示すように、固定ネジ160を挿通可能なネジ孔150aが1または複数(本変形例では2つ)設けられている。
【0058】
ここで、本変形例の情報発信アダプタ100の設置方法の一例を説明する。
まず、情報発信アダプタ100を、例えば
図9(b)に示すように、火災感知器200の下方から当該火災感知器200の感知器ベース210へと接近させて、アダプタベース150の中央開口内に感知器ベース210を配置する(第1工程)。
そして、その状態で、情報発信アダプタ100を、固定ネジ160によって被取付部Pに固定する(第2工程)。これにより、例えば
図9(a)に示すように、情報発信アダプタ100を、火災感知器200の近傍に設置することができる。
【0059】
このように、情報発信アダプタ100は、火災感知器200の側方において固定ネジ160で固定するだけで、火災感知器200(火災感知器200の近傍)に設置することができる。すなわち、本変形例の情報発信アダプタ100は、火災感知器200を被取付部Pから外したり、感知器ベース210から感知器本体220を外したり、取付ネジ230を緩めたりしなくても、既設の火災感知器200(あるいは、新設の火災感知器200であってもよい)の近傍に取付けることができる。
【0060】
また、情報発信アダプタ100は、火災感知器200の側方において固定ネジ160による固定を解除するだけで、火災感知器200(火災感知器200の近傍)から取外すことができる。すなわち、本変形例の情報発信アダプタ100は、火災感知器200を被取付部Pから外したり、感知器ベース210から感知器本体220を外したり、取付ネジ230を緩めたりしなくても、火災感知器200の近傍から取外すことができる。
【0061】
したがって、本変形例の情報発信アダプタ100は、火災感知器200による火災監視を中断することなく着脱することができる。
また、構成要素の交換(電池や情報発信端末などの交換)や、構成要素の追加(例えば、アダプタベース150に新たな構成要素を搭載することにより実現可能)や、機能の追加(例えば、情報発信端末を交換することにより実現可能)なども、火災感知器200による火災監視を継続しつつ、容易に行うことができるため、メンテナンス性やリニューアル時の施工性などに優れている。
【0062】
このように、本変形例の情報発信アダプタ100は、火災感知器200に取付可能であって、火災感知器200との干渉を回避するための干渉回避開口(中央開口)を有するアダプタベース150と、アダプタベース150に装着される情報発信モジュール110と、を備え、アダプタベース150は、ネジ(固定ネジ160)を挿通可能なネジ孔150aを有し、アダプタベース150のネジ孔150aに挿通されたネジ(固定ネジ160)によって、干渉回避開口内に火災感知器200を配置した状態で、当該火災感知器200が取付けられる被取付部Pに固定可能である。
したがって、ネジ(固定ネジ160)によって火災感知器200の外方で着脱自在に保持可能であるため、火災感知器200による火災監視を中断することなく着脱することができる。
【0063】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限られるものではない。
例えば、上記の実施形態では、情報発信モジュール110として発信機能を有するものを使用した例を示したが、発信機能の他、受信機能を有するものを使用してもよい。
また、火災感知器200は、感知器ベース210と感知器本体220とに分離可能なものに限定されず適宜変更可能であり、例えば、感知器ベース210を備えない火災感知器、すなわち、感知器ベースを介することなく、被取付部Pに一体的な構成のまま取り付けられる火災感知器であってもよい。火災感知器200の種類にかかわらず、情報発信アダプタ100は、火災感知器200の検出機能を妨害することがない位置(具体的には、火災感知器200が熱検知タイプのものであれば、サーミスタおよびプロテクタ周辺を避けた位置、火災感知器200が煙検知タイプのものであれば、煙流入部周辺を避けた位置)に配設されることが好ましい。
その他、実施形態で示した構成は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。