(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
財務諸表の帳表やグラフを作成する際には、会計事務所の先生や職員等による帳表や集計期間等の様々な設定が必要であり、設定作業が煩雑であった。
また、財務諸表や、決算分析資料を説明する際に、そのままでは分かりにくいため、表計算ソフト等を用いて見やすいレイアウト構成で分かりやすい帳表やグラフを作成する必要があるが、その作業は、手間がかかるものであった。
既存の財務グラフ作成ソフトで行う場合であっても、レイアウト構成を編集したりして、見やすいレイアウト構成を作成するには、やはり、手間がかかる設定が必要であった。
また、既存グラフ作成ソフトで作成できないグラフは、別途表計算ソフト等を利用して数値のある表やグラフからなる図表を作成する必要があった。
さらに、顧問先で説明する際に、準備していない項目について顧問先から質問をされても、分かりやすい資料がすぐに用意できないという問題があった。
【0005】
表計算ソフトや、既存の財務グラフ作成ソフトを利用する場合、会計事務所において、顧問先に経営状況を説明するために、財務諸表や、説明用のグラフを作成するときは、損益計算書等の対象帳表と作成したグラフの種類を顧問先の経営状況や決算状況に応じて適切に選択する必要があった。また、グラフ化した上で、より説明しやすくする為のグラフに選択し直したり、説明すべき科目の詳細グラフを表示したり、ある程度試行錯誤しながら時間をかけてグラフ資料の準備をする必要があった。
例えば、製造業においては分析表、小売業において資金繰り表等の顧問先の業種、経営スタイルや経営状況によって必要となる財務帳表と財務グラフを考えて作るのは、会計事務所のノウハウの部分であるが、非常に手間がかかった。
また、グラフ作成自体は、会社データと処理年度を選択することで、損益計算書、貸借対照表の帳表印刷(表示)とグラフ印刷(表示)を簡単に作成することができるが、商品性の高い分析資料とするためには、財務グラフ作成ソフトで詳細な設定をしたり、出力したデータを元に別途表計算ソフトを利用して加工する等、その後のレイアウト構成や図表の一体化等の加工が必要であった。
【0006】
また、既存の財務グラフ作成ソフトを利用する場合、さらに過年度の財務データも含めて比較表を出力すること自体は出来たが、比較したい期間や帳表選択等を詳細に設定する必要があった。例えば、指定期間(過去5年)内の比較で、2年おきの比較や当年と3年前のような比較をするには、見やすいレイアウト構成を考えて、財務グラフ作成ソフトで詳細なレイアウト等の設定をするか、あるいは、出力した図表データを元に、別途、表計算ソフトを利用して、時間が掛かる手作業による加工作業がさらに必要であった。
あるいは、既存の財務グラフ作成ソフトを利用する場合、さらにより詳しく科目の内訳の説明をする必要がある時には、説明する科目を、時間をかけて事前に調べてピックアップする必要があり、その関連性を示すグラフを作成するのに科目の指定や帳表選択等の設定が必要であり、見やすいレイアウト構成を考えて、財務グラフ作成ソフトで詳細なレイアウト等の設定をするか、あるいは、出力した図表データを元に、別途、表計算ソフトを利用して、帳表や財務グラフの再構成や再配置を行う等、時間が掛かる手作業による加工作業が必要であった。
あるいは、既存の財務グラフ作成ソフトを利用する場合、さらに過年度との比較又は未来の予測を行う時には、比較したい会計年度と推移グラフを作るには比較したい期間や帳表選択等を設定する必要があるが、設定さえすれば会計システムの標準的な処理として通年での月毎や昨年度、過年度との比較は容易であるが、例えば同様の不況が発生した6年前と当期を比較したいという時には、当期と6年前の図表を作成してから、見やすいレイアウト構成を考えて、財務グラフ作成ソフトで詳細なレイアウト等の設定をするか、あるいは、出力した図表データを元に、別途、表計算ソフトを利用して、帳表や財務グラフの構成や再配置を行ったり、1つのシートにまとめて比較分析する分析グラフに再構築する等、時間が掛かる手作業による加工作業が必要であった。
あるいは、既存の財務グラフ作成ソフトを利用する場合、さらに比較したい会計年度と比率グラフを作るには比較したい期間や帳表選択等を設定する必要があるが、設定さえすれば会計システムの標準的な処理として昨年度、過年度との比較は容易であるが、例えば同様の不況が発生した6年前と当期の同じ科目の金額の変化を比較したいという時には、当期と6年前の図表を作成してから、見やすいレイアウト構成を考えて、財務グラフ作成ソフトで詳細な設定をするか、あるいは、出力した図表データを元に、別途、表計算ソフトを利用して、帳表や財務グラフの構成や再配置を行ったり、1つのシートにまとめて比較分析する分析グラフに再構築する等、時間が掛かる手作業による加工作業が必要であった。
あるいは、既存の財務グラフ作成ソフトを利用する場合、さらに指定期間(過去5年等)を一覧するもので指定期間の変化を収支や貸借バランスの観点から比較分析するためには、別の財務グラフを見る為にグラフ毎の比較したい期間や帳表選択等を詳細に設定する手間があった。また、それぞれの図表を作成してから、見やすいレイアウト構成にするためには、財務グラフ作成ソフトで詳細な設定をするか、あるいは、出力した図表データを元に、別途、表計算ソフトを利用して、帳表や財務グラフの再構成や再配置を行う等、時間が掛かる手作業による加工作業が必要であった。
あるいは、既存の財務グラフ作成ソフトを利用する場合、構成グラフ、推移グラフ、比率グラフ、科目明細グラフ等において、当年からの変化率が大きいものについて、詳細な設定でハイライト表示や色を変える等の設定する必要があった。また、見やすいレイアウト構成にするためには、財務グラフ作成ソフトで詳細な設定をするか、あるいは、出力した図表データを元に、別途、表計算ソフトを利用して、帳表や財務グラフの再構成や再配置を行う等、時間が掛かる手作業による加工作業が必要であった。
あるいは、既存の財務グラフ作成ソフトを利用する場合、顧問先がわかりやすい財務グラフを作成する場合に、科目の数や表示する期間に応じて選択する財務グラフの種類やグラフの表示方法を詳細に設定する必要があった。また、見やすいレイアウト構成にするためには、財務グラフ作成ソフトで詳細な設定をするか、あるいは、出力した図表データを元に、別途、表計算ソフトを利用して、帳表や財務グラフの再構成や再配置を行う等、時間が掛かる手作業による加工作業が必要であった。
あるいは、既存の財務グラフ作成ソフトを利用する場合、棒グラフから円グラフのようにグラフの切替えをしたい場合は、その都度グラフの表示方法を手動で詳細に設定するか、あるいは、出力した図表データを元に、別途、表計算ソフトを利用して、グラフの表示方法を手動で再設定する必要であった。
さらに過年度の財務データも含めて比較表を出力する事も出来たが、比較したい期間や帳表選択等を設定する必要があり、指定期間(過去5年)内の比較で、2年おきの比較や当年と3年前のような比較をするには見やすいレイアウト構成を考えて、出力した帳表と財務グラフに表計算ソフトを用いての加工作業がさらに必要であった。
【0007】
さらにまた、特許文献1に記載のものは、予め所定の比較項目を設定しておき、要求に応じて視覚的に比較認識可能に表示するものであった。また、特許文献2に記載のものは、グラフ画面においてボタンが選択される操作がされたときは、その操作に応答して所定の処理を実行するものであった。いずれも、操作と操作結果の表示との関係は、一般的なものにすぎなかった。
【0008】
そこで、本発明は、会計事務所の先生や職員等が顧問先にて説明するための資料を、直接端末で、複雑な設定等を行うことなく、会社や会計年度を選択するだけで簡単に表示でき、準備していない項目でも、対象項目を選択するだけで、レイアウト構成等の設定をすることなく、分かりやすく説明できる帳表やグラフを簡単に作成できる図表生成システム及びプログラムを提供することを目的とする。
さらに、本発明は、操作と操作結果の表示とに工夫を施した図表処理システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。
第1の発明は、会計事務所が顧問先の会計処理の決算データを含む財務データを元に生成した財務分析に関する図表データを端末の画面に表示させ、顧問先に説明するシステムであって、顧問先を示す会社情報と会計年度の選択操作を受け付ける操作受付手段と、損益計算書と貸借対照表とのどちらを重視するかの顧問先の要望及び顧問先の業種情報の少なくとも一方を記憶した重要度テーブルを参照して、前記操作受付手段が受け付けた会社情報の会計年度の財務データを分析し、損益計算書と貸借対照表のうちいずれか一方を最初に選択して表示するかを判定する重要度判定手段と、前記重要度判定手段により損益計算書と判定した場合に、受け付けた会社情報の会計年度である当年の財務データから損益計算書を構成する売上高、仕入高、経費、販売費及び一般管理費を含む主要な勘定科目の集計データを生成する集計データ生成手段と、表示する科目やその分類及び、単月か複数月か当年か複数年のいずれの分析を行うかの分析対象期間の選択を含む条件に基づいて、棒グラフ、帯グラフ、円グラフ及び線グラフを含むグラフの表示態様を判定するグラフ判定手段と、前記集計データに基づいて、主要な勘定科目からなる当年で構成され表形式で示される帳表である損益構成表と、前記損益構成表を構成する主要な勘定科目に対応し前記グラフ判定手段により判定された表示態様のグラフである損益構成グラフとを生成する図表データ生成手段と、会計事務所ごとの顧問先ごとに設定された所定の表示位置条件に基づいて、前記損益構成グラフ及び必要に応じて前記損益構成グラフと共に表示させる前記損益構成表の画面における表示位置を決定して、決定した表示位置に、前記損益構成グラフ及び必要に応じて前記損益構成表を表示させる図表データ表示手段と、を備え、前記重要度判定手段は、前記重要度テーブルを参照して分析した判定ができない場合には、損益科目の残高があるときには損益計算書と判定し、貸借科目のみ使用されているときには貸借対照表と判定すること、を特徴とする図表生成システムである。
第2の発明は、第1の発明の図表生成システムにおいて、前記操作受付手段は、さらに過年度比較の操作を受け付け、前記図表データ生成手段は、前記操作受付手段が過年度比較の操作を受け付けたことに応じて、前年を含む過年度の指定期間のうち前年の財務データが存在し、かつ損益科目の残高が変化する第1条件を満たす場合には、当年と前年との財務データを再集計した集計データに基づいて、前年と当年との表形式の比較損益構成表と、前記グラフ判定手段により判定された表示態様の前年と当年との比較損益構成グラフとを生成し、前記第1条件を満たさない場合には、前記指定期間のうち前年より過年度の財務データが存在し、かつ損益科目の残高が変化する過年度の財務データが見つかるまで遡り、前記過年度の財務データが見つかった年から当年までの期間である集計指定期間の財務データを再集計した集計データに基づいて、前記集計指定期間の表形式の比較損益構成表と、前記グラフ判定手段により判定された表示態様の前記集計指定期間の比較損益構成グラフとを生成し、前記図表データ表示手段は、決定した表示位置に、前記比較損益構成グラフ及び必要に応じて前記比較損益構成表を表示させること、を特徴とする図表生成システムである。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明の図表生成システムにおいて、前記操作受付手段は、さらに前記損益構成表又は損益構成グラフを構成する売上高、仕入高、経費、販売費及び一般管理費を含む分類の科目に対する選択操作を受け付け、前記操作受付手段が前記分類の科目に対する選択操作を受け付けたことに応じて、受け付けた損益科目の残高が0、かつ受け付けた損益科目の取引未発生期間がある第2条件を満たすか否かを判定する有効期間判定手段を備え、前記集計データ生成手段は、前記有効期間判定手段により前記第2条件を満たすと判定した場合には、受け付けた前記分類の科目について、指定された科目の分類より細かい分類の科目に展開し、当該展開した前記指定された科目の分類より細かい分類の科目について再集計を行って集計データを生成し、前記図表データ生成手段は、前記集計データに基づいて、当年の前記指定された科目の分類より細かい分類の各科目からなる表形式の科目明細表と、前記科目明細表を構成する前記指定された科目の分類より細かい分類の各科目に対応する前記グラフ判定手段により判定された表示態様の科目明細グラフとを生成し、前記図表データ表示手段は、決定した表示位置に、前記科目明細グラフ及び必要に応じて前記科目明細表を表示させ、前記操作受付手段は、さらに過年度比較の操作を受け付け、前記図表データ生成手段は、前記操作受付手段が過年度比較の操作を受け付けたことに応じて、前年を含む過年度の指定期間のうち前年の財務データが存在し、かつ損益科目の残高が変化する第1条件を満たす場合には、当年と前年との財務データを再集計した集計データに基づいて、指定期間から前記取引未発生期間を除いた期間で前年と当年との表形式の比較科目明細表と、指定期間から前記取引未発生期間を除いた期間で前年と当年との前記グラフ判定手段により判定された表示態様の比較科目明細グラフとを生成し、前記第1条件を満たさない場合には、前記指定期間のうち前年より過年度の財務データが存在し、かつ損益科目の残高が変化する過年度の財務データが見つかるまで遡り、前記過年度の財務データが見つかった年から当年までの期間である集計指定期間の財務データを再集計した集計データに基づいて、前記集計指定期間の表形式の比較科目明細表と、前記グラフ判定手段により判定された表示態様の前記集計指定期間の比較科目明細グラフとを生成し、前記図表データ表示手段は、前記比較科目明細グラフ及び必要に応じて前記比較科目明細表を更新表示させること、を特徴とする図表生成システムである。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明までのいずれかの図表生成システムにおいて、前記操作受付手段は、さらに前記損益構成表又は前記損益構成グラフの会計年度の表示領域の選択操作を受け付け、前記操作受付手段が会計年度の表示領域の選択操作を受け付けたことに応じて、受け付けた損益科目の残高が0、かつ受け付けた損益科目の取引未発生期間がある第2条件を満たすか否かを判定する有効期間判定手段を備え、前記集計データ生成手段は、前記有効期間判定手段により前記第2条件を満たすと判定した場合には、受け付けた会計年度とその前年を含む過年度の指定期間の財務データ又は当年の未経過月を含む次年度以降の予算データから損益構成表を構成する売上高、仕入高、経費、販売費及び一般管理費を含む主要な勘定科目について月ごとに再集計を行って集計データを生成し、前記図表データ生成手段は、前記集計データに基づいて、指定期間から前記取引未発生期間を除いた期間で主要な勘定科目からなる当年で構成される表形式の損益推移表と、指定期間から前記取引未発生期間を除いた期間で前記損益推移表を構成する主要な勘定科目に対応する前記グラフ判定手段により判定された表示態様の損益推移グラフとを生成し、前記図表データ表示手段は、決定した表示位置に、前記損益推移グラフ及び必要に応じて前記損益推移表を表示させ、前記操作受付手段は、さらに過年度比較の操作を受け付け、前記図表データ生成手段は、前記操作受付手段が過年度比較の操作を受け付けたことに応じて、前年を含む過年度の指定期間のうち前年の財務データが存在し、かつ損益科目の残高が変化する第1条件を満たす場合は、前年と当年との表形式の比較損益推移表と、前記グラフ判定手段により判定された表示態様の前年と当年との比較損益推移グラフとを生成し、前記第1条件を満たさない場合には、前記指定期間のうち前年より過年度の財務データが存在し、かつ損益科目の残高が変化する過年度の財務データが見つかるまで遡り、前記過年度の財務データが見つかった年から当年までの期間である集計指定期間の財務データを再集計した集計データに基づいて、前記集計指定期間の表形式の比較損益推移表と、前記グラフ判定手段により判定された表示態様の前記集計指定期間の比較損益推移グラフとを生成し、前記図表データ表示手段は、前記比較損益推移グラフ及び必要に応じて前記比較損益推移表を更新表示させ、前記操作受付手段は、さらに未来予測比較の操作を受け付け、前記図表データ生成手段は、前記操作受付手段が未来予測比較の操作を受け付けたことに応じて、当年の未経過月を含む次年度以降の指定期間のうち当年の未経過月以降の予測データが存在し、かつ損益科目の残高が変化する第3条件を満たす場合には、前記集計指定期間の表形式の比較損益推移表と、前記グラフ判定手段により判定された表示態様の前記集計指定期間の比較損益推移グラフとを生成し、前記第3条件を満たさない場合には、前記指定期間のうち当年の未経過月以降の予測データが存在し、かつ損益科目の残高が変化する当年の未経過月以降の予測データが見つかるまで進み、当年から前記当年の未経過月以降の予測データが見つかった月での期間である集計指定期間の予測データと当年の財務データとを再集計した集計データに基づいて、前記集計指定期間の表形式の比較損益推移表と、前記グラフ判定手段により判定された表示態様の前記集計指定期間の比較損益推移グラフとを生成し、前記図表データ表示手段は、前記比較損益推移グラフ及び必要に応じて前記比較損益推移表を更新表示させること、を特徴とする図表生成システムである。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明までのいずれかの図表生成システムにおいて、前記操作受付手段は、さらに前記損益構成表又は前記損益構成グラフの会計年度の表示領域の選択操作を受け付け、前記操作受付手段が会計年度の表示領域の選択操作を受け付けたことに応じて、受け付けた損益科目の残高が0、かつ受け付けた損益科目の取引未発生期間がある第2条件を満たすか否かを判定する有効期間判定手段と、前記有効期間判定手段により前記取引未発生期間があると判定した場合に、前記選択された会計年度とその前年を含む過年度の指定期間の財務データ又は当年の未経過月を含む次年度以降の予算データから損益計算書を構成する売上高、仕入高、経費、販売費及び一般管理費を含む主要な勘定科目について受け付けた会計年度である当年を基準とする比率データを生成する比率データ生成手段と、を備え、前記図表データ生成手段は、前記比率データに基づいて指定期間から前記取引未発生期間を除いた期間で主要な勘定科目からなる表形式の前年の金額、当年の金額、当年累積比率からなる図表データである主要な勘定科目ごとの損益比率表と、指定期間から前記取引未発生期間を除いた期間で前記損益比率表に対応する主要な勘定科目に対応する前記グラフ判定手段により判定された表示態様の損益比率グラフとを生成し、前記図表データ表示手段は、決定した表示位置に、前記損益比率グラフ及び必要に応じて前記損益比率表を表示させ、前記操作受付手段は、さらに過年度比較の操作を受け付け、前記図表データ生成手段は、前記操作受付手段が過年度比較の操作を受け付けたことに応じて、前年を含む過年度の指定期間のうち前年の財務データが存在し、かつ損益科目の残高が変化する第1条件を満たす場合には、前年と当年との表形式の比較損益比率表と、前記グラフ判定手段により判定された表示態様の前年と当年との比較損益比率グラフとを生成し、前記第1条件を満たさない場合には、前記指定期間のうち前年より過年度の財務データが存在し、かつ損益科目の残高が変化する過年度の財務データが見つかるまで遡り、前記過年度の財務データが見つかった年から当年までの期間である集計指定期間の財務データを再集計した集計データに基づいて、前記集計指定期間の表形式の比較損益比率表と、前記グラフ判定手段により判定された表示態様の前記集計指定期間の比較損益比率グラフとを生成し、前記図表データ表示手段は、前記比較損益比率グラフ及び必要に応じて前記比較損益比率表を更新表示させること、を特徴とする図表生成システムである。
第6の発明は、会計事務所が顧問先の会計処理の決算データを含む財務データを元に生成した財務分析に関する図表データを端末の画面に表示させ、顧問先に説明するシステムであって、顧問先を示す会社情報と会計年度の選択操作を受け付ける操作受付手段と、損益計算書と貸借対照表とのどちらを重視するかの顧問先の要望及び顧問先の業種情報の少なくとも一方を記憶した重要度テーブルを参照して、前記操作受付手段が受け付けた会社情報の会計年度の財務データを分析し、損益計算書と貸借対照表のうちいずれか一方を最初に選択して表示するかを判定する重要度判定手段と、前記重要度判定手段により貸借対照表と判定した場合に、受け付けた会社情報の会計年度である当年の財務データから貸借対照表を構成する現金、売掛金、買掛金、資本金を含む主要な勘定科目の集計データを生成する集計データ生成手段と、表示する科目やその分類及び、単月か複数月か当年か複数年のいずれの分析を行うかの分析対象期間の選択を含む条件に基づいて、棒グラフ、帯グラフ、円グラフ及び線グラフを含むグラフの表示態様を判定するグラフ判定手段と、前記集計データに基づいて、主要な勘定科目からなる当年で構成され表形式で示される帳表である貸借構成表と、前記貸借構成表を構成する主要な勘定科目に対応し前記グラフ判定手段により判定された表示態様のグラフである貸借構成グラフとを生成する図表データ生成手段と、会計事務所ごとの顧問先ごとに設定された所定の表示位置条件に基づいて、前記貸借構成グラフ及び必要に応じて前記貸借構成グラフと共に表示させる前記貸借構成表の画面における表示位置を決定して、決定した表示位置に、前記貸借構成グラフ及び必要に応じて前記貸借構成表を表示させる図表データ表示手段と、を備え、前記重要度判定手段は、前記重要度テーブルを参照して分析した判定ができない場合には、損益科目の残高があるときには損益計算書と判定し、貸借科目のみ使用されているときには貸借対照表と判定すること、を特徴とする図表生成システムである。
第7の発明は、第6の発明の図表生成システムにおいて、前記操作受付手段は、さらに過年度比較の操作を受け付け、前記図表データ生成手段は、前記操作受付手段が過年度比較の操作を受け付けたことに応じて、前年を含む過年度の指定期間のうち前年の財務データが存在し、かつ貸借科目が変化する第4条件を満たす場合には、当年と前年との財務データを再集計した集計データに基づいて、前年と当年との表形式の比較貸借構成表と、前記グラフ判定手段により判定された表示態様の前年と当年との比較貸借構成グラフとを生成し、前記第4条件を満たさない場合には、前記指定期間のうち前年より過年度の財務データが存在し、かつ貸借科目が変化する過年度の財務データが見つかるまで遡り、前記過年度の財務データが見つかった年から当年までの期間である集計指定期間の財務データを再集計した集計データに基づいて、前記集計指定期間の表形式の比較貸借構成表と、前記グラフ判定手段により判定された表示態様の前記集計指定期間の比較貸借構成グラフとを生成し、前記図表データ表示手段は、決定した表示位置に、前記比較貸借構成グラフ及び必要に応じて前記比較貸借構成表を表示させること、を特徴とする図表生成システムである。
第8の発明は、第6の発明又は第7の発明の図表生成システムにおいて、前記操作受付手段は、さらに前記貸借構成表又は貸借構成グラフを構成する現金、売掛金、買掛金、資本金を含む主要な勘定科目に対する選択操作を受け付け、前記操作受付手段が主要な勘定科目に対する選択操作を受け付けたことに応じて、受け付けた貸借科目が0、かつ受け付けた貸借科目の取引未発生期間がある第5条件を満たすか否かを判定する有効期間判定手段を備え、前記集計データ生成手段は、前記有効期間判定手段により前記第5条件を満たすと判定した場合には、受け付けた主要な勘定科目について、指定された科目の分類より細かい分類の科目に展開し、当該展開した前記指定された科目の分類より細かい分類の科目について再集計を行って集計データを生成し、前記図表データ生成手段は、前記集計データに基づいて、当年の前記指定された科目の分類より細かい分類の各科目からなる表形式の科目明細表と、前記科目明細表を構成する前記指定された科目の分類より細かい分類の各科目に対応する前記グラフ判定手段により判定された表示態様の科目明細グラフとを生成し、前記図表データ表示手段は、決定した表示位置に、前記科目明細グラフ及び必要に応じて前記科目明細表を表示させ、前記操作受付手段は、さらに過年度比較の操作を受け付け、前記図表データ生成手段は、前記操作受付手段が過年度比較の操作を受け付けたことに応じて、前年を含む過年度の指定期間のうち前年の財務データが存在し、かつ貸借科目が変化する第4条件を満たす場合には、当年と前年との財務データを再集計した集計データに基づいて、指定期間から前記取引未発生期間を除いた期間で前年と当年との表形式の比較科目明細表と、指定期間から前記取引未発生期間を除いた期間で前年と当年との前記グラフ判定手段により判定された表示態様の比較科目明細グラフとを生成し、前記第4条件を満たさない場合には、前記指定期間のうち前年より過年度の財務データが存在し、かつ貸借科目が変化する過年度の財務データが見つかるまで遡り、前記過年度の財務データが見つかった年から当年までの期間である集計指定期間の財務データを再集計した集計データに基づいて、前記集計指定期間の表形式の比較科目明細表と、前記グラフ判定手段により判定された表示態様の前記集計指定期間の比較科目明細グラフとを生成し、前記図表データ表示手段は、前記比較科目明細グラフ及び必要に応じて前記比較科目明細表を更新表示させること、を特徴とする図表生成システムである。
第9の発明は、第6の発明から第8の発明までのいずれかの図表生成システムにおいて、前記操作受付手段は、さらに前記貸借構成表又は前記貸借構成グラフの会計年度の表示領域の選択操作を受け付け、前記操作受付手段が会計年度の表示領域の選択操作を受け付けたことに応じて、受け付けた貸借科目が0、かつ受け付けた貸借科目の取引未発生期間がある第5条件を満たすか否かを判定する有効期間判定手段を備え、前記集計データ生成手段は、前記有効期間判定手段により前記第5条件を満たすと判定した場合には、受け付けた会計年度とその前年を含む過年度の指定期間の財務データ又は当年の未経過月を含む次年度以降の予算データから貸借構成表を構成する現金、売掛金、買掛金、資本金を含む主要な勘定科目について月ごとに再集計を行って集計データを生成し、前記図表データ生成手段は、前記集計データに基づいて、指定期間から前記取引未発生期間を除いた期間で主要な勘定科目からなる当年で構成される表形式の貸借推移表と、指定期間から前記取引未発生期間を除いた期間で前記貸借推移表を構成する主要な勘定科目に対応する前記グラフ判定手段により判定された表示態様の貸借推移グラフとを生成し、前記図表データ表示手段は、決定した表示位置に、前記貸借推移グラフ及び必要に応じて前記貸借推移表を表示させ、前記操作受付手段は、さらに過年度比較の操作を受け付け、前記図表データ生成手段は、前記操作受付手段が過年度比較の操作を受け付けたことに応じて、前年を含む過年度の指定期間のうち前年の財務データが存在し、かつ貸借科目が変化する第4条件を満たす場合は、前年と当年との表形式の比較貸借推移表と、前記グラフ判定手段により判定された表示態様の前年と当年との比較貸借推移グラフとを生成し、前記第4条件を満たさない場合には、前記指定期間のうち前年より過年度の財務データが存在し、かつ貸借科目が変化する過年度の財務データが見つかるまで遡り、前記過年度の財務データが見つかった年から当年までの期間である集計指定期間の財務データを再集計した集計データに基づいて、前記集計指定期間の表形式の比較貸借推移表と、前記グラフ判定手段により判定された表示態様の前記集計指定期間の比較貸借推移グラフとを生成し、前記図表データ表示手段は、前記比較貸借推移グラフ及び必要に応じて前記比較貸借推移表を更新表示させ、前記操作受付手段は、さらに未来予測比較の操作を受け付け、前記図表データ生成手段は、前記操作受付手段が未来予測比較の操作を受け付けたことに応じて、当年の未経過月を含む次年度以降の指定期間のうち当年の未経過月以降の予測データが存在し、かつ貸借科目が変化する第6条件を満たす場合には、前記集計指定期間の表形式の比較貸借推移表と、前記グラフ判定手段により判定された表示態様の前記集計指定期間の比較貸借推移グラフとを生成し、前記第6条件を満たさない場合には、前記指定期間のうち当年の未経過月以降の予測データが存在し、かつ貸借科目が変化する当年の未経過月以降の予測データが見つかるまで進み、当年から前記当年の未経過月以降の予測データが見つかった月での期間である集計指定期間の予測データと当年の財務データとを再集計した集計データに基づいて、前記集計指定期間の表形式の比較貸借推移表と、前記グラフ判定手段により判定された表示態様の前記集計指定期間の比較貸借推移グラフとを生成し、前記図表データ表示手段は、前記比較貸借推移グラフ及び必要に応じて前記比較貸借推移表を更新表示させること、を特徴とする図表生成システムである。
第10の発明は、第6の発明から第9の発明までのいずれかの図表生成システムにおいて、前記操作受付手段は、さらに前記貸借構成表又は前記貸借構成グラフの会計年度の表示領域の選択操作を受け付け、前記操作受付手段が会計年度の表示領域の選択操作を受け付けたことに応じて、受け付けた貸借科目が0、かつ受け付けた貸借科目の取引未発生期間がある第5条件を満たすか否かを判定する有効期間判定手段と、前記有効期間判定手段により前記取引未発生期間があると判定した場合に、前記選択された会計年度とその前年を含む過年度の指定期間の財務データ又は当年の未経過月を含む次年度以降の予算データから貸借対照表を構成する現金、売掛金、買掛金、資本金を含む主要な勘定科目について受け付けた会計年度である当年を基準とする比率データを生成する比率データ生成手段と、を備え、前記図表データ生成手段は、前記比率データに基づいて指定期間から前記取引未発生期間を除いた期間で主要な勘定科目からなる表形式の前年の金額、当年の金額、当年累積比率からなる図表データである主要な勘定科目ごとの貸借比率表と、指定期間から前記取引未発生期間を除いた期間で前記貸借比率表に対応する主要な勘定科目に対応する前記グラフ判定手段により判定された表示態様の貸借比率グラフとを生成し、前記図表データ表示手段は、決定した表示位置に、前記貸借比率グラフ及び必要に応じて前記貸借比率表を表示させ、前記操作受付手段は、さらに過年度比較の操作を受け付け、前記図表データ生成手段は、前記操作受付手段が過年度比較の操作を受け付けたことに応じて、前年を含む過年度の指定期間のうち前年の財務データが存在し、かつ貸借科目が変化する第4条件を満たす場合には、前年と当年との表形式の比較貸借比率表と、前記グラフ判定手段により判定された表示態様の前年と当年との比較貸借比率グラフとを生成し、前記第4条件を満たさない場合には、前記指定期間のうち前年より過年度の財務データが存在し、かつ貸借科目が変化する過年度の財務データが見つかるまで遡り、前記過年度の財務データが見つかった年から当年までの期間である集計指定期間の財務データを再集計した集計データに基づいて、前記集計指定期間の表形式の比較貸借比率表と、前記グラフ判定手段により判定された表示態様の前記集計指定期間の比較貸借比率グラフとを生成し、前記図表データ表示手段は、前記比較貸借比率グラフ及び必要に応じて前記比較貸借比率表を更新表示させること、を特徴とする図表生成システムである。
第11の発明は、第1の発明から第10の発明までのいずれかの図表生成システムにおいて、前記操作受付手段は、前記重要度判定手段により判定した損益計算書又は貸借対照表で表示される科目に対する1又は2以上の選択操作及び、表示する毎月を含む短期や当年や過年度を含む長期の選択操作の少なくともいずれか一方を受け付け、前記グラフ判定手段は、受け付けた選択操作に基づいて、科目数及び科目の種類と分析対象期間とに基づくグラフの種類と表示態様とを記憶したグラフ判定テーブルを参照して、生成するグラフの種類及び表示態様を判定し、前記集計データ生成手段は、受け付けた会社情報と会計年度とに基づいて指定期間の財務データと、選択操作によって受け付けた科目とから科目の集計データを生成し、前記図表データ生成手段は、前記集計データに基づいて、前記グラフ判定手段が判定した種類及び表示態様に対応したグラフと、前記グラフに対応する表形式の帳表とを生成すること、を特徴とする図表生成システムである。
第12の発明は、会計事務所が顧問先の会計処理の決算データを含む財務データを元に生成した財務分析に関する図表データを端末の画面に表示させ、顧問先に説明するシステムであって、顧問先を示す会社情報と会計年度の選択操作を受け付ける操作受付手段と、損益計算書と貸借対照表とのどちらを重視するかの顧問先の要望及び顧問先の業種情報の少なくとも一方を記憶した重要度テーブルを参照して、前記操作受付手段が受け付けた会社情報の会計年度の財務データを分析し、損益計算書と貸借対照表のうちいずれか一方を最初に選択して表示するかを判定する重要度判定手段と、を備え、前記重要度判定手段は、前記重要度テーブルを参照して分析した判定ができない場合には、損益科目の残高があるときには損益計算書と判定し、貸借科目のみ使用されているときには貸借対照表と判定し、前記操作受付手段は、前記重要度判定手段により判定した損益計算書又は貸借対照表で表示される科目に対する1又は2以上の選択操作及び、表示する毎月を含む短期や当年や過年度を含む長期の選択操作の少なくともいずれか一方を受け付け、受け付けた会社情報と会計年度とに基づいて指定期間の財務データ及び選択操作によって受け付けた科目から、科目の集計データを生成する集計データ生成手段と、受け付けた選択操作に基づいて、科目数及び科目の種類と分析対象期間とに基づくグラフの種類と表示態様とを記憶したグラフ判定テーブルを参照して、生成するグラフの種類及び表示態様を判定するグラフ判定手段と、前記集計データに基づいて、前記グラフ判定手段が判定した種類及び表示態様に対応したグラフと、前記グラフに対応する表形式の帳表とを生成する図表データ生成手段と、会計事務所ごとの顧問先ごとに設定された所定の表示位置条件に基づいて、前記グラフ及び必要に応じて前記グラフと共に表示させる前記帳表の画面における表示位置を決定して、決定した表示位置に、前記グラフ及び必要に応じて前記帳表を表示させる図表データ表示手段と、を備えること、を特徴とする図表生成システムである。
第13の発明は、第1の発明から第12の発明のまでのいずれかの図表生成システムにおいて、所定の表示位置条件は、予めシステムで登録された表示位置、操作者の選択操作によって選択した表示位置、又は、顧問先の要望及び顧問先の業種情報に基づく表示位置であって、グラフと表形式の帳表との両方を表示する場合には、画面の左右又は上下のいずれかの位置に前記グラフと前記帳表とを並べて表示するかの条件であり、グラフのみを表示する場合には、画面の中央又は上下左右のいずれかの位置に前記グラフを表示するかの条件であること、を特徴とする図表生成システムである。
第14の発明は、第1の発明から第13の発明のまでのいずれかの図表生成システムにおいて、前記図表データ表示手段は、表示させるグラフの種類及び必要に応じて表示させる表形式の帳表の種類を、前記操作受付手段が受け付けた操作内容に対する操作回数に基づいて切り替えて表示させること、を特徴とする図表生成システムである。
第15の発明は、第1の発明から第14の発明のまでのいずれかの図表生成システムにおいて、前記図表データ生成手段は、前記帳表の主要な勘定科目のうち、当年又は当年度の開始月を基準として変化率を算出し、当年又は当年度の開始月と比較して変化率の大きい方の科目を視覚的手段によって選択しやすくする強調表示を行った前記帳表と、前記帳表に対応する前記グラフとを生成すること、を特徴とする図表生成システムである。
第16の発明は、第1の発明から第14の発明のまでのいずれかの図表生成システムにおいて、前記図表データ生成手段は、前記帳表の主要な勘定科目のうち、当年又は当年度の開始月を基準として変化率を算出し、当年又は当年度の開始月と比較して変化率の大きい方の科目のみを表示する前記帳表と、前記帳表に対応する前記グラフとを生成すること、を特徴とする図表生成システムである。
【0010】
第17の発明は、財務諸表の図表データを生成する図表生成システムであって、顧問先情報と、会計年度とを受け付ける受付手段と、顧問先に関する業種情報を含む各種の情報と、財務諸表である損益計算書及び貸借対照表の重要度とを記憶した重要度テーブルを参照して、受け付けた顧問先情報に基づいて重要度の高い財務諸表を判定する重要度判定手段と、受け付けた顧問先情報の会計年度である当年の会計処理の決算データを含む財務データと、その前年の前記財務データとを用いて、前記重要度判定手段によって判定した前記財務諸表を生成するための集計データを生成する集計データ生成手段と、前記集計データに基づいて、当年で構成され表形式で示される帳表と、前記帳表に対応したグラフとを生成する図表データ生成手段と、前記図表データ生成手段により生成された前記グラフを画面出力させ、又は、前記図表データ生成手段により生成された前記グラフ及び前記帳表を並べて表示手段に出力させる図表データ表示手段と、を備え、前記重要度判定手段により判定ができない場合には、当年の前記財務データを分析した結果に基づいて前記財務諸表を判定すること、を特徴とする図表生成システムである。
第18の発明は、第17の発明の図表生成システムにおいて、前記グラフ又は前記帳表に示された科目に対する1又は2以上の選択操作を受け付ける選択受付手段と、受け付けた選択操作及び選択操作がされた際に前記表示手段に表示されている前記グラフに関する情報に基づいて、科目数及び科目の種類及び分析対象期間に基づくグラフの種類及び表示態様を記憶したグラフ判定テーブルを参照して、生成するグラフの種類及び表示態様を判定するグラフ判定手段と、を備え、前記集計データ生成手段は、前記表示手段に表示されている前記グラフの対象期間の会計処理の決算データを含む財務データと、選択操作に対応する科目とから、その科目の下位に関連付けられた科目の集計データを生成し、前記図表データ生成手段は、前記集計データに基づいて、前記グラフ判定手段が判定した種類及び表示態様に対応したグラフと、前記グラフに対応する表形式の帳表とを生成し、前記図表データ表示手段は、前記図表データ生成手段により生成された新たな前記グラフを、前記表示手段に表示させること、を特徴とする図表生成システムである。
第19の発明は、財務諸表の図表データを生成する図表生成システムであって、財務諸表のグラフを表示手段に表示させ、又は、前記グラフに対応した表形式で示される帳表を前記グラフと共に表示手段に表示させる図表データ表示手段と、前記グラフ又は前記帳表に示された科目に対する1又は2以上の選択操作を受け付ける選択受付手段と、前記表示手段に表示されている前記グラフの対象期間の会計処理の決算データを含む財務データと、選択操作に対応する科目とから、その科目の下位に関連付けられた科目の集計データを生成する集計データ生成手段と、受け付けた選択操作及び選択操作がされた際に前記表示手段に表示されている前記グラフに関する情報に基づいて、科目数及び科目の種類及び分析対象期間に基づくグラフの種類及びと表示態様を記憶したグラフ判定テーブルを参照して、生成するグラフの種類及び表示態様を判定するグラフ判定手段と、前記集計データに基づいて、前記グラフ判定手段が判定した種類及び表示態様に対応したグラフと、前記グラフに対応する表形式の帳表とを生成する図表データ生成手段と、を備え、前記図表データ表示手段は、前記図表データ生成手段により生成された新たな前記グラフを、前記表示手段に表示させること、を特徴とする図表生成システムである。
第20の発明は、第18の発明又は第19の発明の図表生成システムにおいて、前記選択受付手段が受け付けた科目に関する取引未発生期間があるか否かを、前記財務データに基づいて判定する有効期間判定手段を備え、前記集計データ生成手段は、前記有効期間判定手段により前記取引未発生期間があると判定した場合には、前記取引未発生期間を除いた前記財務データに基づいて、前記科目の下位に関連付けられた科目の集計データを生成すること、を特徴とする図表生成システムである。
第21の発明は、第18の発明から第20の発明までのいずれかの図表生成システムにおいて、前記選択受付手段は、前記グラフ又は前記帳表に示された複数の科目のうち1の科目を示す領域に対する選択表示操作を受け付け、受け付けた選択表示操作に応じて、前記領域に対応する科目に関する情報を含み、前記領域と同一色の表示要素を、前記表示手段にさらに表示させる要素表示手段を備えること、を特徴とする図表生成システムである。
第22の発明は、第17の発明の図表生成システムにおいて、対象期間に関する選択操作を受け付ける選択受付手段と、受け付けた選択操作及び選択操作がされた際に前記表示手段に表示されている前記グラフに関する情報に基づいて、科目数及び科目の種類及び分析対象期間に基づくグラフの種類及びと表示態様を記憶したグラフ判定テーブルを参照して、生成するグラフの種類及び表示態様を判定するグラフ判定手段と、を備え、前記集計データ生成手段は、会計処理の決算データを含む前記対象期間の財務データと、表示されている前記グラフの科目とから集計データを生成し、前記図表データ生成手段は、前記集計データに基づいて、前記グラフ判定手段が判定した種類及び表示態様に対応したグラフと、前記グラフに対応する表形式の帳表とを生成し、前記図表データ表示手段は、前記図表データ生成手段により生成された新たな前記グラフを、前記表示手段に表示させること、を特徴とする図表生成システムである。
第23の発明は、財務諸表の図表データを生成する図表生成システムであって、財務諸表のグラフを表示手段に表示させ、又は、前記グラフに対応した表形式で示される帳表を前記グラフと共に表示手段に表示させる図表データ表示手段と、対象期間に関する選択操作を受け付ける選択受付手段と、会計処理の決算データを含む前記対象期間の財務データと、表示されている前記グラフの科目とから集計データを生成する集計データ生成手段と、受け付けた選択操作及び選択操作がされた際に前記表示手段に表示されている前記グラフに関する情報に基づいて、科目数及び科目の種類及び分析対象期間に基づくグラフの種類及びと表示態様を記憶したグラフ判定テーブルを参照して、生成するグラフの種類及び表示態様を判定するグラフ判定手段と、前記集計データに基づいて、前記グラフ判定手段が判定した種類及び表示態様に対応したグラフと、前記グラフに対応する表形式の帳表とを生成する図表データ生成手段と、を備え、前記図表データ表示手段は、前記図表データ生成手段により生成された新たな前記グラフを、前記表示手段に表示させること、を特徴とする図表生成システムである。
第24の発明は、財務諸表のグラフを表示手段に表示させ、又は、前記グラフに対応した表形式で示される帳表を前記グラフと共に表示手段に表示させる図表データ表示手段と、グラフ種類に関する選択操作を受け付ける選択受付手段と、表示されている前記グラフの期間に対応した会計処理の決算データを含む財務データと、表示されている前記グラフの科目とから集計データを生成する集計データ生成手段と、受け付けた選択操作及び選択操作がされた際に前記表示手段に表示されている前記グラフに関する情報に基づいて、科目数及び科目の種類及び分析対象期間に基づくグラフの種類及びと表示態様を記憶したグラフ判定テーブルを参照して、生成するグラフの種類及び表示態様を判定するグラフ判定手段と、前記集計データに基づいて、前記グラフ判定手段が判定した種類及び表示態様に対応したグラフと、前記グラフに対応する表形式の帳表とを生成する図表データ生成手段と、を備え、前記図表データ表示手段は、前記図表データ生成手段により生成された新たな前記グラフを、前記表示手段に表示させること、を特徴とする図表生成システムである。
第25の発明は、第24の発明の図表生成システムにおいて、前記財務データに基づいて取引未発生期間があるか否かを判定する有効期間判定手段を備え、前記集計データ生成手段は、前記有効期間判定手段により前記取引未発生期間があると判定した場合には、前記取引未発生期間を除いた前記財務データに基づいて集計データを生成すること、を特徴とする図表生成システムである。
第26の発明は、第18の発明から第25の発明までのいずれかの図表生成システムにおいて、前記選択受付手段は、比較指示操作を受け付け、前記グラフ判定手段は、比較指示がされた際に前記表示手段に表示されている前記グラフに関する情報に基づいて、前記グラフ判定テーブルを参照して、生成するグラフの種類及び表示態様を判定し、前記集計データ生成手段は、比較指示操作に対応する比較対象期間の財務データに変化がある場合には、前記比較対象期間の前記財務データを再集計して前記集計データを生成し、比較指示操作に対応する比較対象期間の財務データに変化がない場合には、前記比較対象期間より前の期間で変化のある財務データを検索し、変化のある財務データを再集計して前記集計データを生成すること、を特徴とする図表生成システムである。
第27の発明は、第18の発明から第26の発明までのいずれかの図表生成システムにおいて、前記図表データ表示手段は、前記図表データ生成手段により生成された新たな前記グラフを、前記図表データ生成手段により生成された新たな前記帳表と共に前記表示手段に表示させること、を特徴とする図表生成システムである。
【0011】
第28の発明は、財務諸表の図表データに関する処理を行う図表処理システムであって、財務諸表のグラフ及び前記グラフに対応した表形式で示される帳表の少なくとも一方を含む図表データを表示手段に表示させる図表データ表示手段と、入力手段による前記表示手段の表示領域に対する操作を受け付ける操作受付手段と、表示領域のうちの1以上の設定領域又は前記設定領域に対応する項目と、前記表示領域に表示されている前記図表データの種類とに対応した処理内容を記憶する処理内容テーブルと、前記操作受付手段が前記設定領域に対する操作を受け付けたことに応じて、前記処理内容テーブルを参照して対応する図表データを取得する処理を行う図表データ取得手段と、を備え、前記図表データ表示手段は、前記図表データ取得手段により得られた新たな図表データを前記表示手段に表示させること、を備える図表処理システムである。
第29の発明は、第28の発明の図表処理システムにおいて、受け付けた選択操作及び選択操作がされた際に前記表示手段に表示されている前記グラフに関する情報に基づいて、科目数及び科目の種類及び分析対象期間に基づくグラフの表示態様を記憶したグラフ判定テーブルを参照して、生成するグラフの表示態様を判定するグラフ判定手段を備え、前記図表データ取得手段が取得する図表データは、前記グラフ判定手段が判定した表示態様に対応したグラフと、前記グラフに対応する表形式の帳表とであること、
を特徴とする図表処理システムである。
第30の発明は、第28の発明又は第29の発明の図表処理システムにおいて、操作種類と、前記操作種類に対応した処理内容とを記憶する操作処理テーブルを備え、前記図表データ取得手段は、前記設定領域を除く前記表示領域において、前記操作受付手段が前記操作処理テーブルに記憶された前記操作種類に対応した操作を受け付けたことに応じて、前記操作処理テーブルを参照して対応する処理内容を実行し、前記図表データを取得すること、を特徴とする図表処理システムである。
第31の発明は、第28の発明から第30の発明までのいずれかの図表処理システムにおいて、前記図表データの種類は、少なくとも第1種類に、前記第1種類の中の種類である第2種類を加えたものであり、前記図表データ表示手段は、前記表示領域に、前記第1種類に対応する前記設定領域と、前記第2種類に対応する前記設定領域とを、タブとして縦方向及び横方向に表示させること、を特徴とする図表処理システムである。
第32の発明は、第28の発明から第30の発明までのいずれかの図表処理システムにおいて、前記図表データの種類は、少なくとも第1種類に、前記第1種類の中の種類である第2種類を加えたものであり、前記図表データ表示手段は、前記表示領域に、前記図表データの種類に対応する前記設定領域を、タブとして横方向に並べて配置して表示させること、を特徴とする図表処理システムである。
第33の発明は、第28の発明から第32の発明までのいずれかの図表処理システムにおいて、前記図表データ表示手段は、前記表示領域に、帳表と、前記帳表に対応するグラフとを、前記図表データとして並べて配置して表示させ、前記帳表を構成する構成要素と、前記構成要素に対応したグラフとを、統一した表示色によって対応付けること、を特徴とする図表処理システムである。
第34の発明は、第33の発明の図表処理システムにおいて、前記表示手段の向きを取得する表示向き取得手段を備え、前記図表データ表示手段は、前記表示向き取得手段により取得した向きに応じて、前記帳表と前記グラフとを、縦方向又は横方向に並べて配置して表示させること、を特徴とする図表処理システムである。
第35の発明は、第28の発明から第34の発明までのいずれかの図表処理システムにおいて、会計処理の決算データを含む財務データを記憶する蓄積データ記憶手段を備え、前記図表データ取得手段は、前記蓄積データ記憶手段から抽出した、前記設定領域又はその項目と、前記表示領域に表示された前記図表データの種類とに対応する処理内容を実行するための財務データを用いて前記新たな図表データを生成すること、を特徴とする図表処理システムである。
第36の発明は、財務諸表の図表データに関する処理を行う図表処理システムであって、財務諸表のグラフ及び前記グラフに対応した表形式で示される帳表の少なくとも一方を含む図表データを表示手段に表示させる図表データ表示手段と、入力手段による前記表示手段の表示領域に対する操作を受け付ける操作受付手段と、操作種類と、前記操作種類に対応した処理内容とを記憶する操作処理テーブルと、前記操作受付手段が前記操作処理テーブルに記憶された前記操作種類に対応した操作を受け付けたことに応じて、前記表示手段に表示されている前記図表データに基づいて、前記操作処理テーブルを参照して対応する図表データを取得する処理を行う図表データ取得手段と、を備え、前記図表データ表示手段は、前記図表データ取得手段により得られた新たな図表データを前記表示手段に表示させること、を備える図表処理システムである。
第37の発明は、第28の発明から第36の発明までのいずれかの図表処理システムにおいて、前記入力手段は、前記表示手段に対するタッチ操作が行われることで、前記表示領域に対する操作を受け付けるタッチパネルであること、を特徴とする図表処理システムである。
【0012】
第38の発明は、会計事務所が顧問先の会計処理の決算データを含む財務データを元に生成した財務分析に関する図表データを端末の画面に表示させ、顧問先に説明するコンピュータが、顧問先を示す会社情報と会計年度の選択操作を受け付ける操作受付ステップと、損益計算書と貸借対照表とのどちらを重視するかの顧問先の要望及び顧問先の業種情報の少なくとも一方を記憶した重要度テーブルを参照して、前記操作受付ステップにより受け付けた会社情報の会計年度の財務データを分析し、損益計算書と貸借対照表のうちいずれか一方を最初に選択して表示するかを判定する重要度判定ステップと、表示する科目やその分類及び、単月か複数月か当年か複数年のいずれの分析を行うかの分析対象期間の選択を含む条件に基づいて、棒グラフ、帯グラフ、円グラフ及び線グラフを含むグラフの表示態様を判定するグラフ判定ステップと、前記重要度判定ステップにより損益計算書と判定した場合に、受け付けた会社情報の会計年度である当年の財務データから損益計算書を構成する売上高、仕入高、経費、販売費及び一般管理費を含む主要な勘定科目の集計データを生成する集計データ生成ステップと、前記集計データに基づいて、主要な勘定科目からなる当年で構成され表形式で示される帳表である損益構成表と、前記損益構成表を構成する主要な勘定科目に対応し前記グラフ判定ステップにより判定された表示態様のグラフである損益構成グラフとを生成する図表データ生成ステップと、会計事務所ごとの顧問先ごとに設定された所定の表示位置条件に基づいて、前記損益構成グラフ及び必要に応じて前記損益構成グラフと共に表示させる前記損益構成表の画面における表示位置を決定して、決定した表示位置に、前記損益構成グラフ及び必要に応じて前記損益構成表を表示させる図表データ表示ステップと、を含み、前記重要度判定ステップは、前記重要度テーブルを参照して分析した判定ができない場合には、損益科目の残高があるときには損益計算書と判定し、貸借科目のみ使用されているときには貸借対照表と判定し、集計データ生成ステップは、前記重要度判定ステップにより貸借対照表と判定した場合に、受け付けた会社情報の会計年度である当年の財務データから貸借対照表を構成する現金、売掛金、買掛金、資本金を含む主要な勘定科目の集計データを生成し、前記図表データ生成ステップは、前記集計データに基づいて、主要な勘定科目からなる当年で構成され表形式で示される帳表である貸借構成表と、前記貸借構成表を構成する主要な勘定科目に対応し前記グラフ判定ステップにより判定された表示態様のグラフである貸借構成グラフとを生成し、前記図表データ表示ステップは、会計事務所ごとの顧問先ごとに設定された所定の表示位置条件に基づいて、前記貸借構成グラフ及び必要に応じて前記貸借構成グラフと共に表示させる前記貸借構成表の画面における表示位置を決定して、決定した表示位置に、前記貸借構成グラフ及び必要に応じて前記貸借構成表を表示させること、を特徴とする図表生成方法である。
第39の発明は、第1の発明から第27の発明までのいずれかの図表生成システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
第40の発明は、第28の発明から第37の発明までのいずれかの図表処理システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、会計事務所の先生や職員等が顧問先にて説明するための資料を、財務グラフ作成ソフトや表計算ソフトを使い分けて作成する必要なしに、直接端末で、複雑な設定等を行うことなく、会社や会計年度を選択するだけで簡単に表示でき、準備していない項目でも、対象項目を選択するだけで、レイアウト構成等の設定をすることなく、分かりやすく説明できる図表(表やグラフ)を簡単に作成できる図表生成システム及びプログラムを提供することができる。
さらに、本発明によれば、操作と操作結果の表示とに工夫を施した図表処理システム及びプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態について、図を参照しながら説明する。なお、これは、あくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
(第1実施形態)
<図表データ処理装置1の構成>
図1は、第1実施形態に係る図表データ処理装置1の機能ブロックを示す図である。
図2は、第1実施形態に係る図表データ処理装置1の重要度テーブル34の例を示す図である。
図1に示す図表データ処理装置1(図表生成システム、図表処理システム)は、顧問先に関する会計ファイル(財務データ、予算データ等)を元に、財務状況を顧問先に分かりやすく説明するためのグラフ(図表データ)を生成して表示する装置である。
【0016】
図表データ処理装置1は、例えば、会計事務所に設けられたパーソナルコンピュータ(PC)である。そして、顧問先が会計事務所に訪問したり、会計事務所のPCを持参した公認会計士や税理士等の担当者が顧問先に訪問したりして、担当者は、図表データ処理装置1を用いて、顧問先の財務状況を、財務諸表のグラフや帳表(図表データ)を提示しながら説明する。財務諸表は、例えば、貸借対照表(BS)や損益計算書(PL)である。以下の説明において、図表データ処理装置1を操作する担当者を、ユーザという。
【0017】
図表データ処理装置1は、制御部10と、記憶部30と、入力部38(入力手段)と、表示部39(表示手段)とを備える。
制御部10は、図表データ処理装置1の全体を制御するCPU(中央処理装置)である。制御部10は、記憶部30に記憶されているOS(オペレーティングシステム)やアプリケーションプログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、各種機能を実行する。
【0018】
制御部10は、操作受付部12(操作受付手段、受付手段)と、重要度判定部13(重要度判定手段)と、データ条件判定部14(有効期間判定手段)と、集計データ生成部15(集計データ生成手段)と、図表データ生成部18(図表データ生成手段)と、図表データ表示部20(図表データ表示手段)と、要素表示部21(要素表示手段)とを備える。
操作受付部12は、入力部38を介した操作を受け付ける。
重要度判定部13は、顧問先の会社名に基づいて、重要度テーブルを参照して、顧問先へ付加価値を提供できる重要な財務諸表の種類を判定する。ここで、財務諸表の種類とは、例えば、貸借対照表や損益計算書をいう。なお、財務諸表の種類として、その他、例えば、試算表やキャッシュフロー計算書等を含めてもよい。そして、重要度判定部13は、顧問先の業種や要望(利益重視や成長重視等)等の情報をもとに貸借対照表及び損益計算書のいずれか一方を、重要な財務諸表の種類と判定する。なお、実施例では貸借対照表、損益計算書を用いて説明しているが、試算表やキャッシュフロー計算書等の他の財務諸表であってもよい。
データ条件判定部14は、集計データを生成するための条件を判定する。
【0019】
集計データ生成部15は、財務データ及び予算データを用いて、図表データを生成するための集計データを生成する。集計データ生成部15は、比率データ生成部16(比率データ生成手段)を備える。
比率データ生成部16は、財務データ及び予算データを用いて、比率に関する図表データを生成するための比率データを生成する。
図表データ生成部18は、集計データに基づいてグラフや帳表を生成する。
図表データ表示部20は、図表データ生成部18により取得したグラフを配置したグラフ画面40を、表示部39に表示させる。
要素表示部21は、操作受付部12が受け付けた選択操作に応じて、ポップアップ(表示要素)を表示させる。
なお、上述した各機能の詳細については、後述する。
【0020】
記憶部30は、制御部10が各種の処理を実行するために必要なプログラム、データ等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶領域である。
記憶部30は、プログラム記憶部31と、会計ファイルDB(データベース)32(蓄積データ記憶手段)と、表示内容記憶部33と、重要度テーブル34とを備える。
プログラム記憶部31は、処理プログラム31aと、ブラウザ31bとを記憶する。
処理プログラム31aは、上述した制御部10が行う各種機能を実行するためのアプリケーションプログラムである。
ブラウザ31bは、処理プログラム31aによる処理結果を、表示部39に表示させる際に用いられる。なお、実施例ではブラウザ31bを用いて説明しているが、専用のビューアを用いてもよいし、処理プログラム31aの一機能としてもよい。
【0021】
会計ファイルDB32は、グラフを作成する元データである会計ファイルを記憶するDBである。会計ファイルDB32は、例えば、この図表データ処理装置1を使用する会計事務所が指導を行う顧問先ごと及び年度ごとに1つのファイルである会計ファイルを、複数記憶している。
表示内容記憶部33は、表示部39に表示されているグラフに関する情報(グラフの種類や対象期間等)を記憶する一時記憶領域である。
【0022】
重要度テーブル34は、例えば、会計事務所ごとに有するテーブルであり、会計事務所及びその会計事務所が指導する顧問先の事情によってカスタマイズ(変更)されたテーブルである。
もちろん、会計事務所ごとに個別のテーブルである場合の他、パブリッククラウド等で多くの会計事務所にサービスする場合には、全会計事務所に共通の、業種ごとに最適かつ使用頻度の多い財務諸表や分析資料を設定しておくようにしてもよい。
重要度テーブル34は、初期画面(後述する)を生成する際に用いられる。重要度テーブル34は、業種情報及び顧問先事情情報と、貸借対照表及び損益計算書のいずれかと一方を示す財務諸表の種類とを対応付けて記憶したテーブルである。
なお、重要度テーブル34の財務諸表の種類には、貸借対照表及び損益計算書以外の分析資料を設定しておいても構わない。
【0023】
図2に、重要度テーブル34の一例を示す。ここで、業種情報は、業種に関する情報であり、例えば、不動産業、外食産業等である。また、顧問先事情情報は、顧問先の経営スタイルや経営状況によって、例えば、同じ業種であっても必要となる財務諸表が異なるため、そのノウハウを反映させるための項目である。
この重要度テーブル34は、例えば、不動産業の場合、この重要度テーブル34を使用している会計事務所では、一般的に、収支を分析するために損益計算書をまず表示させることを示す。そうすることで、この会計事務所では、まず収益に関して説明をすることができる。しかし、この重要度テーブル34は、不動産業の場合であっても、A社やX社は、最初に貸借対照表を表示させることを示す。これは、A社やX社は、資産管理等に重点を置いているという事情があり、その事情を反映させたためである。例えば、不動産業であまり新たな不動産を購入したりせずに、同じ不動産で賃料収入を主としている顧問先では、損益計算書が設定され、不動産を積極的に売買している顧問先では、貸借対照表等で資産管理を中心に分析したい等の場合である。
【0024】
図1に戻り、入力部38は、マウス等の入力装置である。入力部38は、その他、キーボード等であってもよい。
表示部39は、LCD(液晶ディスプレイ)等で構成される表示装置である。
なお、コンピュータとは、制御部、記憶装置等を備えた情報処理装置をいい、図表データ処理装置1は、制御部10、記憶部30等を備えた情報処理装置であり、コンピュータの概念に含まれる。
【0025】
図表データ処理装置1は、
図1では、PCからなるものとして説明したが、これは、一例である。例えば、図表データ処理装置1の制御部10及び記憶部30を、サーバに有して、入力部38及び表示部39をサーバに対して通信可能に接続された端末に有してもよい。
また、図表データ処理装置1は、会計事務所ではなく、顧問先企業内にあったり、業務委託等のサービスを行っている企業内であったり、クラウドサービスであってもよい。
さらに、その他、図表データ処理装置1は、サーバのみ、あるいは複数のサーバで構成されていてもよく、会計事務所のサーバである場合の他、複数の企業(の従業員)の会計ファイルを預かって管理するサービスを行うIDC(インターネットデータセンター)のサーバでもよい。
【0026】
さらには、図表データ処理装置1は、実体が仮想化された仮想マシンやクラウドであってもよい。
さらにまた、企業の本社等が各部門や各支店(の従業員)等を対象に財務管理を行う場合には、図表データ処理装置1は、企業内のサーバであってもよい。
図表データ処理装置1は、グラフを表示させるための専用的な装置であってもよいし、会計処理を行う会計処理装置が、様々な機能のうちの1つとして、図表データ処理装置1の機能を有してもよい。
【0027】
<図表データ処理装置1の処理>
次に、図表データ処理装置1による処理について説明する。
図3は、第1実施形態に係る図表データ処理装置1でのメイン処理を示すフローチャートである。
図4は、第1実施形態に係る図表データ処理装置1での初期処理を示すフローチャートである。
図5は、第1実施形態に係る図表データ処理装置1での起動画面90の例を示す図である。
図6は、第1実施形態に係る図表データ処理装置1でのグラフ画面40の例を示す図である。
図3のメイン処理は、処理プログラム31aを実行することにより行われる。
図3のステップS(以下、単に「S」という。)1において、図表データ処理装置1の制御部10は、初期処理を行う。
【0028】
<初期処理>
ここで、
図3のS1の初期処理について、
図4に基づき説明する。
図4のS10において、制御部10は、グラフ生成対象となる顧問先及び年度を指定するための起動画面90を、表示部39に表示させる。ここで、起動画面90の例を、
図5に示す。起動画面90は、会社名(会社情報、顧問先情報)と、会計年度とを指定可能にした画面である。なお、制御部10は、表示部39への表示をする際に、ブラウザ31bを介して表示させる処理を行うが、以降の処理において、その説明を省略する。
【0029】
ユーザが、起動画面90から会社名と、会計年度とを指定して、「OK」ボタンを選択する操作を行うことで、
図4のS11において、制御部10(操作受付部12)は、会社名と、会計年度とを受け付ける。
S12において、制御部10(重要度判定部13)は、受け付けた会社名の顧問先の業種に基づいて、最初に表示する財務諸表の種類を判定する。具体的には、制御部10は、受け付けた会社名から顧問先の業種を特定する。次に、制御部10は、重要度テーブル34を参照して、業種情報及び顧問先事情情報に基づいて、対応する財務諸表の種類を判定する。
図5に示す例では、会社名が「A社」であるので、制御部10は、重要度テーブル34(
図2)を参照し、業種情報が「不動産業」であり、顧問先事情情報に「A社」に対応する財務諸表の種類が「貸借対照表」を、出力する財務諸表の種類として判定する。
【0030】
ここで、受け付けた会社名の業種が重要度テーブル34にない場合には、制御部10(重要度判定部13)は、その顧問先の会計ファイルを参照し、損益科目(勘定科目)の残高があるときには、損益計算書と判定し、貸借科目(勘定科目)のみ使用されているときには貸借対照表と判定してもよい。また、制御部10は、重要度テーブル34を参照して、業種情報が「その他」の「貸借対照表」を、出力する財務諸表の種類として判定するようにしてもよい。また、業種情報毎の顧問先事情情報を蓄積することにより、新しい顧問先を追加する場合に、業種や業務内容が同じ又は似ている既存の顧問先の情報をもとに財務諸表の種類を設定してもよい。
【0031】
S13において、制御部10(集計データ生成部15)は、会計ファイルDB32から受け付けた会社名が示す顧問先の会計ファイルを抽出する。ここで、抽出する会計ファイルは、受け付けた会計年度の会計ファイルである。
図5に示す例では、会計年度が「平成27年度」であるので、制御部10は、「A社」の平成27年度の会計ファイルを抽出する。そして、制御部10は、抽出した会計ファイルを構成する財務データを使用して、財務諸表を生成するための集計データを生成する。
ここで、財務データとは、会計に関するデータであり、取引発生時に作成される仕訳データに基づいて生成されたデータである。そのため、財務データは、仕訳データにはない残高データを含む。
また、集計データは、主要な勘定科目のデータである。主要な勘定科目とは、例えば、JISX0406の勘定科目コードのうち、大分類コード、中分類コード、小分類コード、細分類コード等を利用した後述する
図16(A)のグラフ判定Aテーブル235aの「帳表」の項目に指定されているものをいう。
【0032】
S14において、制御部10(図表データ生成部18)は、集計データに基づいて、判定した財務諸表の種類の図表データを生成する。ここで、図表データとは、グラフ及び帳表の少なくとも一方を含むデータをいう。また、図表データは、主な勘定科目から構成されたグラフ及び帳表になる。受け付けた会社がA社である
図5に示す例では、制御部10は、A社の平成27年度の貸借対照表のグラフ及び帳表を生成する。そして、図表データの各科目(勘定科目)は、主要な勘定科目になっている。
【0033】
S15において、制御部10(図表データ表示部20)は、生成した図表データを含むグラフ画面40を、初期画面として表示部39に表示させる。
図6に、グラフ画面40の例を示す。グラフ画面40は、表示領域41に、グラフ領域43bを画面左側に配置し、帳表領域43aを画面右側に配置して、グラフ及び(数値である)表を表示したものである。なお、制御部10は、表示領域41にグラフ領域43bのみを表示させるようにしてもよい。また、制御部10は、グラフ領域43bと帳表領域43aとの表示位置を、左右を反対にしてもよいし、上下にしてもよい。そして、これらの表示位置は、会計事務所ごとの顧問先ごとに設定されていてもよい。そのようにすることで、各会計事務所では、顧問先に説明しやすい表示位置に表示されたグラフ及び帳表を用いて、顧問先に説明ができる。
【0034】
さらに、制御部10は、帳表領域43aの科目の左端に示す色と、その科目に対応するグラフ領域43bの科目の色とを、同一色にしている。このように示すことで、グラフと、帳表との間で、科目の対応関係を分かりやすく示すことができる。
なお、後述する科目明細を表示させる場合に、その科目の色に対して下位になる各科目の色をグラデーション表示にしてもよい。そのような色による表示によって、科目の上位の分類が同じであるということを分かりやすく示すことができる。
【0035】
また、グラフ画面40は、表示領域41に、財務諸表種類表示領域43cと、グラフ種類表示領域43dと、期比較表示領域43eとを配置している。
図6の例では、財務諸表種類表示領域43cで選択されている「貸借対照表」であり、グラフ種類表示領域43dで選択されている「構成」であり、期比較表示領域43eで選択されている「当期」であるグラフ及び帳表が表示されていることを示す。そして、財務諸表種類表示領域43cと、グラフ種類表示領域43dと、期比較表示領域43eとのいずれも、ユーザが選択操作をすることで、制御部10は、選択した箇所に対応する図表データを表示させることができる。なお、これらの処理のうちの一部の処理の詳細については、後述する。
その後、制御部10は、この初期処理を終了して、処理を
図3に移す。
【0036】
図3に戻り、S2において、制御部10(操作受付部12)は、表示領域41に対する選択操作を受け付けたか否かを判断する。選択操作を受け付けた場合(S2:YES)には、制御部10は、処理をS3に移す。他方、選択操作を受け付けていない場合(S2:NO)には、制御部10は、処理をS4に移す。
S3において、制御部10は、操作処理を行う。操作処理については、後述する。
S4において、制御部10は、処理プログラム31aを終了するか否かを判断する。例えば、処理プログラム31aを終了するボタン(図示せず)の押下を受け付けたことで、制御部10は、処理プログラム31aを終了すると判断する。処理プログラム31aを終了する場合(S4:YES)には、制御部10は、処理プログラム31aを終了させて、このメイン処理を終了する。他方、処理プログラム31aを終了しない場合(S4:NO)には、制御部10は、処理をS2に移し、次々と表示領域に対する操作を受け付け、グラフや帳表の表示を切り替える。
【0037】
<操作処理>
次に、操作処理について説明する。
図7及び
図8は、第1実施形態に係る図表データ処理装置1での操作処理を示すフローチャートである。
図9は、第1実施形態に係る図表データ処理装置1でのポップアップ処理の例を示す図である。
図7のS20において、制御部10(操作受付部12)は、受け付けた操作が科目に対する選択操作であるか否かを判断する。科目に対する選択操作とは、グラフ画面40に表示されているグラフの各科目の領域を選択する操作であってもよいし、帳表に表示されている各科目の領域を選択する操作であってもよい。科目に対する選択操作である場合(S20:YES)には、制御部10は、処理をS21に移す。他方、科目に対する選択操作ではない場合(S20:NO)には、制御部10は、処理を
図8のS26に移す。
【0038】
S21において、制御部10(要素表示部21)は、選択された科目に対するポップアップ46を、グラフ画面40に表示させる。ポップアップ46が表示されたグラフ画面40の例を、
図9に示す。
図9に示すグラフ画面40は、
図6に示すグラフ画面40において、グラフの流動資産を示す科目の領域47aが、矢印47bによって選択操作がされた場合の画面である。ここで、選択操作された領域47aと、ポップアップ46と、領域47aに対応する帳表の数値を示す項目47cとが、同一色で示される。そのようにすることで、ポップアップ46と、領域47aと、項目47cとが対応付けられるものであることを明確に示すことができる。
【0039】
また、ポップアップ46は、選択された科目に関する情報として、グラフの流動資産を示す科目の数値を、1円単位で表示させる。よって、選択操作をすることで、表示されたポップアップ46によって詳細な数値を知ることができる。
ポップアップ46は、さらに、「内訳」のボタン46aと、「年度切替」のボタン46bとを含むものになっている。これらのボタン46a、46bの説明については、後述する。
なお、ポップアップ46は、
図9に示す例に限定されるものではなく、各種の表示形態が考えられる。例えば、ポップアップ46の位置を、選択されたグラフの領域47aの左横に示したが、上部に固定した位置に表示させてもよいし、領域47aと一体として表示させてもよい。
また、ポップアップ46に「拡大」ボタンを追加し、そのボタンが選択されることで、グラフ領域43bに表示されている科目名や数値を拡大表示させてもよい。
【0040】
図7に戻り、S22において、制御部10(操作受付部12)は、ポップアップ46に表示された「内訳」のボタン46aの選択操作を受け付けることで、明細グラフ要求であるか否かを判断する。明細グラフ要求である場合(S22:YES)には、制御部10は、処理をS23に移す。他方、明細グラフ要求ではない場合(S22:NO)には、制御部10は、処理をS24に移す。
S23において、制御部10は、後述する科目明細グラフ処理を行う。その後、制御部10は、この操作処理を終了し、処理を
図3に移す。
【0041】
S24において、制御部10(操作受付部12)は、ポップアップ46に表示された「年度切替」のボタン46bの選択操作を受け付けたことで、年度切替の選択を受け付けたか否かを判断する。年度切替の選択を受け付けた場合とは、上述した「年度切替」のボタン46bの選択操作の他、グラフ画面40に示されるグラフや帳表の会計年度の項目(表示領域41)を選択する操作であってもよい。年度切替の選択を受け付けた場合(S24:YES)には、制御部10は、処理をS25に移す。他方、年度切替の選択を受け付けていない場合(S24:NO)には、ポップアップ46を表示させた後、特に選択された科目に対する処理を行わないものであるため、制御部10は、この操作処理を終了し、処理を
図3に移す。
S25において、制御部10は、後述するグラフ種類切替処理を行う。その後、制御部10は、この操作処理を終了し、処理を
図3に移す。
【0042】
図8のS26において、制御部10(操作受付部12)は、受け付けた操作が期間比較(過年度比較)の選択操作(対象期間に関する選択操作)であるか否かを判断する。期間比較の選択操作とは、例えば、グラフ画面40に示される期比較表示領域43eのうち、「期比較」を含むいずれかの項目を選択する操作である。期間比較の選択操作である場合(S26:YES)には、制御部10は、処理をS28に移す。他方、期間比較の選択操作ではない場合(S26:NO)には、制御部10は、処理をS27に移す。
S27において、制御部10は、選択された項目に対応した処理を行う。これは、例えば、財務諸表種類表示領域43cや、グラフ種類表示領域43dの各項目の選択操作を受け付けた場合である。例えば、グラフ種類表示領域43dの各項目の選択操作(グラフ種類に関する選択操作)であれば、制御部10は、そのグラフ種類に対応した図表データを生成して、表示部39の表示を、生成した図表データに切り替える処理を行う。その際、制御部10は、後述するグラフ種類処理(
図11及び
図12参照)と同じ処理を行ってもよい。その後、制御部10は、この操作処理を終了し、処理を
図3に移す。
【0043】
他方、S28において、制御部10(操作受付部12)は、受け付けた操作が未来予測(未来予測比較)の選択操作であるか否かを判断する。未来予測の選択操作とは、例えば、グラフ画面40に示される期比較表示領域43eのうち、1つの項目を選択する操作で受け付けたものが「当期」(当年)であり、その後に表示される指示画面(図示せず)で、「未来予測」を選択した場合である。なお、指示画面は、「未来予測」と、「現状表示」との少なくとも2つがあり、「現状表示」であれば、制御部10は、財務データがあるもののみを図表データにして表示することになる。未来予測の選択操作である場合(S28:YES)には、制御部10は、処理をS30に移す。他方、未来予測の選択操作ではない場合(S28:NO)には、制御部10は、処理をS29に移す。
S29において、制御部10は、後述する比較グラフ処理を行う。その後、制御部10は、この操作処理を終了し、処理を
図3に移す。
S30において、制御部10は、後述する予測比較グラフ処理を行う。その後、制御部10は、この操作処理を終了し、処理を
図3に移す。
【0044】
<科目明細グラフ処理>
次に、科目明細グラフ処理について説明する。
図10は、第1実施形態に係る図表データ処理装置1での科目明細グラフ処理を示すフローチャートである。
S40において、制御部10(データ条件判定部14)は、会計ファイルDB32に記憶されている財務データを参照し、選択されている財務諸表の会計年度の財務データに、選択された科目に関するデータ未発生期間がある(課題を解決するための手段に記載の第2条件又は第5条件を満たす)か否かを判断する。データ未発生期間がある場合(S40:YES)には、制御部10は、処理をS41に移す。他方、データ未発生期間がない場合(S40:NO)には、制御部10は、処理をS42に移す。
ここで、データ未発生期間がある場合とは、財務諸表が損益計算書であれば、選択されている科目が損益科目であるので、その損益科目の残高が0であり、かつ取引未発生期間がある場合(第2条件)をいう。また、財務諸表が貸借対照表であれば、選択されている科目が貸借科目であるので、その貸借科目が0であり、かつ取引未発生期間がある場合(第5条件)をいう。
【0045】
S41において、制御部10(集計データ生成部15)は、財務データに基づいて、当年の未発生期間を除く、選択された科目の分類のより細かい分類の(下位にある)各科目に対する集計データを生成する。ここで、選択された科目の分類が大分類であれば、制御部10は、その科目の中分類の各科目に対する集計データを生成する。また、選択された科目の分類が中分類であれば、制御部10は、その科目の小分類の各科目に対する集計データを生成する。その後、制御部10は、処理をS43に移す。
他方、S42において、制御部10(集計データ生成部15)は、当年の選択された科目の分類のより細かい分類の各科目に対する集計データを生成する。
例えば、
図9の例では、「流動資産」が選択されており、この科目は大分類に分類されているので、制御部10は、その大分類の下位にある中分類の各科目(例えば、当座資産、たな卸資産及びその他の流動資産)の集計データを生成する。
【0046】
S43において、制御部10(図表データ生成部18)は、生成された集計データを用いて図表データを生成する。ここで生成される図表データは、科目明細表及び科目明細グラフである。
S44において、制御部10(図表データ表示部20)は、それまで表示されていた図表データから、生成した図表データに切り替えて、表示部39に表示させる。その後、制御部10は、この科目明細グラフ処理を終了し、処理を
図7に移す。
なお、本実施例では、集計の段階で未発生期間を除いているが、未発生期間を含めて集計し、グラフ等の表示の段階で、未発生期間を除いて表示させてもよい。また、科目展開は、ドリルダウンで行ってもよい。
【0047】
従来であれば、さらにより詳しく科目の内訳の説明をする必要がある時には、説明する科目を、時間をかけて事前に調べてピックアップする必要があり、その関連性を示すグラフを作成するのに科目の指定や帳表選択等の設定が必要であり、見やすいレイアウト構成を考えて、出力した帳表と財務グラフに表計算ソフトを用いる等の加工作業が必要であった。しかし、上述に説明した処理では、ユーザが、例えば、科目の「内訳」のボタン46a(
図9参照)を選択する、という簡単な操作によって行うことができる。
また、データ未発生期間がある場合には、その未発生期間を除く集計データを生成する。このようにすることで、処理を効率よく行うことができ、さらに表示される図表データは、例えば、取引に変動がない不要な期間を除いたものにできる。
【0048】
<グラフ種類切替処理>
次に、グラフ種類切替処理について説明する。
図11及び
図12は、第1実施形態に係る図表データ処理装置1でのグラフ種類切替処理を示すフローチャートである。
図11のS50において、制御部10は、グラフ種類決定処理により、生成するグラフ種類を決定する。これは、選択された科目と、年度切替で選択された会計年度に基づいて、どのグラフ種類で表示させるのが最適であるかを判断する処理である。会計年度の選択は、例えば、グラフ画面40に示されるグラフや帳表の会計年度の項目を選択する操作で行うことができる。また、その他、例えば、ポップアップ46に表示された「年度切替」のボタン46bの選択操作である場合には、その後に表示される会計年度の選択画面(図示せず)で行うことができる。そして、制御部10によるグラフ種類決定処理は、記憶部30に記憶された経験則に基づくデータ(図示せず)を用いて行ってもよい。
【0049】
S51において、制御部10は、決定されたグラフ種類が推移グラフであるか否かを判断する。推移グラフである場合(S51:YES)には、制御部10は、処理をS52に移す。他方、推移グラフではない場合(S51:NO)には、制御部10は、処理を
図12のS60に移す。
S52において、制御部10(データ条件判定部14)は、会計ファイルDB32に記憶されている財務データを参照し、選択されている財務諸表の会計年度の財務データに、選択された科目に関するデータ未発生期間があるか否かを判断する。データ未発生期間がある場合(S52:YES)には、制御部10は、処理をS53に移す。他方、データ未発生期間がない場合(S52:NO)には、制御部10は、処理をS54に移す。
【0050】
S53において、制御部10(集計データ生成部15)は、集計データを生成する。制御部10は、この集計データ生成を、例えば、会計年度とその前年を含む過年度の指定期間の財務データから月ごとに再集計をすることで行ってもよい。また、制御部10は、この集計データ生成を、会計年度の未経過月を含む次年度以降の予算データから月ごとに再集計をすることで行ってもよい。その後、制御部10は、処理をS55に移す。
他方、S54において、制御部10(集計データ生成部15)は、科目が変化する月まで進んで、集計データを生成する。制御部10は、この集計データ生成を、例えば、会計年度とその前年を含む過年度の指定期間の財務データから月ごとに再集計をすることで行ってもよい。また、制御部10は、この集計データ生成を、会計年度の未経過月を含む次年度以降の予算データから月ごとに再集計をすることで行ってもよい。なお、科目が変化する月が見つからなかった場合には、制御部10は、ユーザが指定した期間で財務データから月ごとに再集計をすることで行ってもよい。
【0051】
S55において、制御部10(図表データ生成部18)は、生成された集計データを用いて図表データを生成する。ここで生成される図表データは、推移表及び推移グラフである。
S56において、制御部10(図表データ表示部20)は、それまで表示されていた図表データから、生成した図表データに切り替えて、表示部39に表示させる。その後、制御部10は、このグラフ種類切替処理を終了し、処理を
図7に移す。
【0052】
図12のS60において、制御部10は、決定されたグラフ種類が比率グラフであるか否かを判断する。比率グラフである場合(S60:YES)には、制御部10は、処理をS62に移す。他方、比率グラフではない場合(S60:NO)には、制御部10は、処理をS61に移す。
S61において、制御部10(図表データ表示部20)は、記憶部30の表示内容記憶部33に記憶されている図表データを、表示部39に表示させる。これは、決定されたグラフ種類が構成グラフであるため、制御部10は、初期処理(
図3)で最初に作成した図表データを表示すればよい。その後、制御部10は、このグラフ種類切替処理を終了し、処理を
図7に移す。
【0053】
S62において、制御部10(データ条件判定部14)は、会計ファイルDB32に記憶されている財務データを参照し、選択されている財務諸表の会計年度の財務データに、選択された科目に関するデータ未発生期間があるか否かを判断する。データ未発生期間がある場合(S62:YES)には、制御部10は、処理をS63に移す。他方、データ未発生期間がない場合(S62:NO)には、制御部10は、処理をS64に移す。
S63において、制御部10(比率データ生成部16)は、比率データを生成する。制御部10は、この比率データ生成を、例えば、会計年度とその前年を含む財務データから科目について会計年度を基準にして行ってもよい。また、制御部10は、この比率データ生成を、会計年度の未経過月を含む次年度以降の予算データから科目について会計年度を基準にして行ってもよい。その後、制御部10は、処理をS65に移す。
【0054】
他方、S64において、制御部10(比率データ生成部16)は、科目が変化する月まで進んで、比率データを生成する。制御部10は、この比率データ生成を、例えば、会計年度とその前年を含む財務データから科目について会計年度を基準にして行ってもよい。また、制御部10は、この比率データ生成を、会計年度の未経過月を含む次年度以降の予算データから科目について会計年度を基準にして行ってもよい。なお、科目が変化する月が見つからなかった場合には、制御部10は、ユーザが指定した期間で財務データから科目について会計年度を基準にして行ってもよい。
S65において、制御部10(図表データ生成部18)は、生成された比率データを用いて図表データを生成する。ここで生成される図表データは、比率表及び比率グラフである。
S66において、制御部10(図表データ表示部20)は、それまで表示されていた図表データから、生成した図表データに切り替えて、表示部39に表示させる。その後、制御部10は、このグラフ種類切替処理を終了し、処理を
図7に移す。
【0055】
このように、制御部10は、科目が選択された状態で、年度切替の選択を受け付けたことに応じて、記憶部30を参照して、その科目での表示に最適なグラフ種類を決定することができる。そして、制御部10は、決定した図表データを生成する際に、財務データに未発生期間がある場合には、その期間を除いた財務データを用いて図表データを生成する。よって、必要な情報が表示された図表データを生成できる。
【0056】
<比較グラフ処理>
次に、比較グラフ処理について説明する。
図13は、第1実施形態に係る図表データ処理装置1での比較グラフ処理を示すフローチャートである。
図8の期間比較の選択操作であるか(S26)でYESを経て、未来予測の選択操作か(S28)がNOの場合に、比較グラフ処理(
図13)に処理を移す。
図13のS70において、制御部10(データ条件判定部14)は、会計ファイルDB32に記憶されている財務データを参照し、処理対象になる財務データが揃っている(課題を解決するための手段に記載の第1条件又は第4条件を満たす)か否かを判断する。処理対象になる財務データが揃っている場合(S70:YES)には、制御部10は、処理をS71に移す。他方、処理対象になる財務データが揃っていない場合(S70:NO)には、制御部10は、処理をS73に移す。
ここで、処理対象になる財務データが揃っている場合とは、財務諸表が損益計算書であれば、会計年度の前年の財務データが存在し、損益科目の残高が変化している場合(第1条件)をいう。また、財務諸表が貸借対照表であれば、会計年度の前年の財務データが存在し、貸借科目が変化している場合(第4条件)をいう。
【0057】
S71において、制御部10(集計データ生成部15)は、会計年度とその前年との財務データを再集計した集計データを生成する。
S72において、制御部10(図表データ生成部18)は、生成された集計データを用いて図表データを生成する。ここで生成される図表データは、2期比較の比較表及び比較グラフである。その後、制御部10は、処理をS75に移す。
【0058】
他方、S73において、制御部10(集計データ生成部15)は、指定期間のうち前年より過年度の財務データが存在し、かつ科目が変化する過年度の財務データが見つかるまで財務データを遡る。そして、制御部10は、遡った年(過年度の財務データが見つかった年)から会計年度までの期間(集計指定期間)の財務データを再集計した集計データを生成する。ここで、指定期間とは、期間比較の操作選択で受け付けた項目に対応する期間をいい、例えば、選択した期間比較が「5期」であれば、指定期間は、当年を含む過去5年間になる。
なお、上記の指定期間の表示以外にも、過年度の財務データを遡って科目が変化する過年度の財務データが見つかった場合は、集計指定期間で表示(連続期間表示)してもよいし、変化のある年だけ抽出して表示(不連続期間表示)してもよい。また、見つからなかった場合は、指定期間で表示してもよい。
S74において、制御部10(図表データ生成部18)は、生成された集計データを用いて図表データを生成する。ここで生成される図表データは、n期比較(但し、nは3以上の整数)の比較表及び比較グラフである。
S75において、制御部10(図表データ表示部20)は、それまで表示されていた図表データから生成した図表データに切り替えて、表示部39に表示させる。その後、制御部10は、この比較グラフ処理を終了し、処理を
図8に移す。
【0059】
従来は、比較したい期間や帳表選択等を設定する必要があり、指定期間(過去5年)内の比較で、2年おきの比較や、当年と3年前のような比較をするには、見やすいレイアウト構成を考えて、出力した帳表と財務グラフに表計算ソフトを用いての加工作業がさらに必要であった。
そこで、制御部10は、過年度比較をする際には、上述した処理によって最も重要な年度との比較表示を行うことができる。
より具体的には、通常は、会計年度と、その前年との比較が重要である。よって、前年の財務データがある場合には、制御部10は、会計年度と前年との比較グラフ及び比較表を生成して表示する。他方、前年の財務データがない場合には、制御部10は、過年度の財務データがあるところまで遡り、会計年度と、見つかった過年度までの期間との比較グラフ及び比較表を生成して表示する。このように、制御部10は、処理対象になる財務データが揃っているか否かによって、生成する比較グラフの比較対象を変えることで、より重要な図表データを表示させることができる。
このように、期間比較は、「3期」とか「5期」等ユーザによって選択された期間の他、着目する科目について、当期(当年度)に比して、特に変化のあった過年度等、重要な年度を含むように自動設定された期間の比較を行うことも可能となる。
【0060】
<予測比較グラフ処理>
次に、予測比較グラフ処理について説明する。
図14は、第1実施形態に係る図表データ処理装置1での予測比較グラフ処理を示すフローチャートである。
S80において、制御部10(データ条件判定部14)は、会計ファイルDB32に記憶されている財務データを参照し、処理対象になる予測データが揃っている(課題を解決するための手段に記載の第3条件又は第6条件を満たす)か否かを判断する。処理対象になる予測データが揃っている場合(S80:YES)には、制御部10は、処理をS81に移す。他方、処理対象になる予測データが揃っていない場合(S80:NO)には、制御部10は、処理をS82に移す。
ここで、処理対象になる予測データが揃っている場合とは、財務諸表が損益計算書であれば、会計年度の未経過月以降の予測データが存在し、かつ損益科目の残高が変化している場合(第3条件)をいう。また、財務諸表が貸借対照表であれば、会計年度の未経過月以降の予測データが存在し、貸借科目が変化している場合(第6条件)をいう。
【0061】
S81において、制御部10(集計データ生成部15)は、会計年度から予測データがある月までの財務データと予測データとを再集計した集計データを生成する。その後、制御部10は、処理をS83に移す。
他方、S82において、制御部10(集計データ生成部15)は、予測データのある月まで進めて、会計年度から予測データがある月までの財務データと予測データとを再集計した集計データを生成する。
S83において、制御部10(図表データ生成部18)は、生成された集計データを用いて図表データを生成する。ここで生成される図表データは、会計年度の期首から予測データがある月までの期間の比較表及び比較グラフである。
S84において、制御部10(図表データ表示部20)は、それまで表示されていた図表データから、生成した図表データに切り替えて、表示部39に表示させる。その後、制御部10は、この予測比較グラフ処理を終了し、処理を
図8に移す。
【0062】
上述した予測比較グラフ処理によれば、制御部10は、未来予測比較をする際には、処理対象になる直近の未経過月以降の予測データがある月を探し、会計年度と、未経過月以降までの月ごとの比較推移表及び比較グラフを生成し、表示できる。よって、顧問先にとって有益な予測に関する図表データを表示させることができる。
【0063】
このように、第1実施形態の図表データ処理装置1によれば、以下のような効果がある。
(1)起動画面90から会社名と、会計年度とを選択するだけで、その顧問先にとって損益計算書と貸借対照表とのどちらの財務諸表が重要であるかを判定し、該当する顧問先の会計ファイルに基づいて、重要だと判定された種類の財務諸表を生成し、表示する。よって、初期画面として、顧問先ごとに重要な財務諸表を、簡単な操作で表示させることができる。
(2)図表データを生成する際に使用する集計データや比率データは、その元になるデータである財務データや予算データのデータ条件に応じて、再計算をしたものを用いる。それにより、不要なデータによる処理のない、必要なデータのみによって図表データを生成できる。
【0064】
(第2実施形態)
第2実施形態では、グラフの表示態様を考慮したものを説明する。なお、以降の説明において、上述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
【0065】
<図表データ処理装置201の構成>
図15は、第2実施形態に係る図表データ処理装置201の機能ブロックを示す図である。
図16(
図16(A)、
図16(B))は、第2実施形態に係る図表データ処理装置201のグラフ判定テーブル235を示す図である。
図15に示すように、図表データ処理装置201は、制御部210と、記憶部230と、入力部38と、表示部39とを備える。
【0066】
制御部210は、操作受付部12と、重要度判定部13と、データ条件判定部14と、集計データ生成部15と、グラフ判定部217(グラフ判定手段)と、図表データ生成部218と、図表データ表示部20と、要素表示部21とを備える。
グラフ判定部217は、操作受付部12が受け付けた選択操作と、表示されている図表データの種類及び対象期間とに基づいて、生成するグラフの種類及び表示態様を判定する。
図表データ生成部218は、集計データに基づいて、グラフ判定部217が判定したグラフの種類及び表示態様のグラフ及び帳表を生成する。
【0067】
記憶部230は、プログラム記憶部231と、会計ファイルDB32と、表示内容記憶部33と、重要度テーブル34と、グラフ判定テーブル235とを備える。
プログラム記憶部231は、処理プログラム231aと、ブラウザ31bとを記憶する。
処理プログラム231aは、上述した制御部210が行う各種機能を実行するためのアプリケーションプログラムである。
【0068】
グラフ判定テーブル235は、条件に応じたグラフの種類及び表示態様を対応づけたテーブルである。ここで、条件とは、科目数及び科目の種類と分析対象期間とをいう。グラフ判定テーブル235は、例えば、
図16に示すように、グラフ判定Aテーブル235aと、グラフ判定Bテーブル235bとを含む。
【0069】
図16(A)に示すグラフ判定Aテーブル235aは、「科目名」、「分類」、「科目種類」、「貸借」、「親科目」、「帳表」、「優先表示」、「単月又は単年(発生、残高)」、「複数月又は複数年(発生、残高)」等からなるテーブルで、起動画面90に入力された情報に基づいて初期画面を生成する際等に用いる。
「科目名」、「分類」、「科目種類」、「貸借」、「親科目」、「帳表」はJISX0406の勘定科目で規定されている。現金を例にすると「科目名」は現金で、「分類」は細分類、「科目種類」は貸借科目、「貸借」は借方科目を示しており、「親科目」は現金の上の分類(小分類)で現金及び預金を示しており、後述する
図16(B)のグラフ判定Bテーブル235bの「科目関連性」の判定や科目明細に展開する場合に利用される。「帳表」は、記載されている帳表が貸借対照表の場合は、貸借対照表の主要な勘定科目として表示される。「優先表示」は、勘定科目ごとに金額の発生額又は金額の月や年の残高のどちらを優先的に表示するかを設定したものである。「単月又は単年(発生、残高)」、「複数月又は複数年(発生、残高)」は、重要度判定部13により判定された重要な財務諸表(貸借対照表、損益計算書等)の種類に基づく最初のグラフ種類及び表示態様やその後の科目選択時の勘定科目ごとのグラフ種類及び表示態様が記載されている。具体的には、「棒グラフ(構成)」は、構成グラフを棒グラフで表示することを表し、「折れ線グラフ(推移)」は、推移グラフを棒グラフで表示することを表し、「円グラフ(比率)」は、比率グラフを円グラフで表示することを表す。さらに、「帳表」と、「単月又は単年(発生、残高)」又は「複数月又は複数年(発生、残高)」とを適宣組み合わせることにより、グラフ種類及び表示態様が決定する。具体的には、「帳表」が「貸借対照表」、「単月又は単年(残高)」が「棒グラフ(構成)」の組み合わせの場合は、貸借構成グラフ(単月又は単年の発生)を棒グラフで表示する。損益計算書の場合も同様である。
【0070】
図16(B)に示すグラフ判定Bテーブル235bは、「単年or複数連続年or複数不連続年」、「単月or複数連続月or複数不連続月」、「期」、「月」、「連続年フラグ」、「連続月フラグ」、「単一科目or複数科目」、「科目関連性」、「集計データ」、「生成グラフ」、「生成グラフ(ユーザ)」等からなるテーブル(各項目の説明は後述する)で、その後のユーザの操作に応じて、複数科目選択した場合や発生及び残高を両方表示した場合等の、グラフ判定Aテーブル235aで設定できない図表データを切り替えて表示する際等に用いる。
ここで、グラフ判定テーブル235が判定するグラフの種類としては、構成グラフ、推移グラフ、比率グラフ等がある。また、グラフ判定テーブル235が判定するグラフの表示態様(「単月又は単年(発生、残高)」、「複数月又は複数年(発生、残高)」、「生成グラフ」及び「生成グラフ(ユーザ)」)としては、棒グラフ、帯グラフ、円グラフ、線グラフ(折れ線グラフを含む)等がある。なお、この例では、複数科目の選択であるため、複数月又は複数年では、円グラフよりも適している棒グラフ等を優先的に作るようにしている。これは、円グラフは、単月又は単年での複数科目の内訳等の表示には有用であるが、複数月では、円グラフを複数並べて表示しなければならず、見づらくなるため有用性に欠けるためである。なお、現金のような細分類の場合は、この下の分類がないため、単月又は単年に円グラフで表示しても見づらくなるため、棒グラフで表示している。
【0071】
<図表データ処理装置201の処理>
次に、図表データ処理装置201による処理について説明する。
図17は、第2実施形態に係る図表データ処理装置201での初期処理を示すフローチャートである。
なお、メイン処理は、第1実施形態(
図3)と同様である。
図17のS210からS213までの処理は、第1実施形態(
図4)のS10からS13までの処理と同様である。
S214において、制御部210(グラフ判定部217)は、グラフ判定処理を行って、表示する図表データのグラフ種類及び表示態様を決定する。
ここで、出力する財務諸表の種類は、S212で決定している。そこで、制御部210は、グラフ判定Aテーブル235aを参照し、決定している財務諸表のうち、科目分類が指定されていないレコードを選択し、その単月及び単年の優先表示に該当する項目に、グラフの種類及び表示態様を決定する。
【0072】
具体例を説明すると、決定している財務諸表の種類が「貸借対照表」である場合、制御部210は、グラフ判定Aテーブル235a(
図16(A)参照)の科目名がない(具体的には、「(貸借対照表)」になっている)レコードを選択する。次に、制御部210は、選択したレコードを参照し、優先表示が「残高」になっているので、単月又は単年の残高にある「棒グラフ(構成)」を決定する。
図17に戻り、S215において、制御部210(図表データ生成部218)は、集計データに基づいて、判定した財務諸表の種類であり、かつ決定したグラフの種類及び表示態様の図表データを生成する。
S216の処理は、第1実施形態(
図4)のS15と同様である。その後、制御部210は、メイン処理(
図3参照)に処理を移す。
【0073】
<操作処理>
次に、操作処理について説明する。
図18は、第2実施形態に係る図表データ処理装置201での操作処理を示すフローチャートである。
S220において、制御部210(操作受付部12)は、ユーザが行った操作に基づく指示内容を受け付ける。ここでのユーザによる操作は、どのような方法であってもよい。また、指示内容は、表示期間(年、月、期間等)、財務諸表の種類(PL又はBS)、科目、使用データ種類(発生又は残高)に関するものである。
S221において、制御部210は、受け付けた指示内容を、グラフ判定Bテーブル235bの各項目に対応する内容に変換する。そして、制御部210(グラフ判定部217)は、変換した指示内容に一致するグラフ判定Bテーブル235bの組合せを検索する。
【0074】
S222において、制御部210は、一致するものが見つかったか否かを判断する。一致するものが見つかった場合(S222:YES)には、制御部210は、処理をS223に移す。他方、一致するものが見つからなかった場合(S222:NO)には、制御部210は、処理をS224に移す。
S223において、制御部210(図表データ生成部218、図表データ表示部20)は、検索したグラフ判定Bテーブル235bの組合せをもとに、グラフを生成して、表示部39に更新表示させる。ここで、図表データを生成するにあたっては、集計データを生成するが、この処理は、第1実施形態(
図10から
図14)と同様である。その後、制御部210は、処理をS226に移す。
【0075】
他方、S224において、制御部210(図表データ生成部218、図表データ表示部20)は、現在表示しているグラフの種類及び表示態様でグラフを生成して、表示部39に更新表示させる。
S225において、制御部210は、グラフ判定Bテーブル235bに、現在の設定を追加登録する。
【0076】
S226において、制御部210は、例えば、ユーザによるグラフの表示態様を変更する操作を受け付けることで、表示中のグラフが変更されたか否かを判断する。表示中のグラフが変更された場合(S226:YES)には、制御部210は、処理をS227に移す。他方、表示中のグラフが変更されていない場合(S226:NO)には、制御部210は、この操作処理を終了し、メイン処理(
図3参照)に処理を移す。
S227において、制御部210は、変更された内容で、グラフ判定Bテーブル235bを更新する。制御部210は、グラフ判定Bテーブル235bの該当するレコードの生成グラフ(ユーザ)の項目に、変更されたグラフの表示態様を追加する。その後、制御部210は、この操作処理を終了し、メイン処理(
図3参照)に処理を移す。
【0077】
次に、上述した操作処理の具体例を説明する。
図19は、第2実施形態に係る図表データ処理装置201でのグラフ画面240の例を示す図である。
まず、決定している財務諸表の種類が「損益構成」である場合に、
図17の処理により損益構成表と損益構成グラフが表示されている状態で、ユーザは、「売上高」、「平成27年度」、「1月から2月」、「発生」、「内容選択なし」の指示を入力する。
そうすると、制御部210は、上述した指示内容を受け付ける(
図18のS220)。
次に、制御部210は、指示内容の「平成27年度」、「1月から2月」を、「単年、複数連続月、1期、2月、連続年フラグ×、連続月フラグ○」に変換する。具体的には「平成27年度」が単年なので、「単年」、「連続年フラグ×」、「1期」が設定され、「1月から2月」が2か月なので、「複数連続月」、「2月」、「連続月フラグ○」が設定される。また、制御部210は、指示内容の「売上高」、「発生」、「内容選択なし」を、「単一科目、科目関連性×」に変換する。そして、制御部210は、変換した指示内容と一致する組合せを、グラフ判定Bテーブル235bから検索する(
図18のS221)。そうすると、グラフ判定Bテーブル235b(
図16(B)参照)の上から2行目のレコードが該当するので(
図18のS222がYES)、制御部210は、検索したグラフ判定Bテーブル235bの組合せをもとにグラフを生成する(
図18のS223)。ここで、制御部210は、グラフ判定Bテーブル235bの2行目のレコードの「生成グラフ(ユーザ)」が未設定のため、「生成グラフ」の項目にある「棒グラフ」の表示態様で、グラフを生成することになる。
この処理によって、生成されたグラフを、
図19に示す。
【0078】
なお、「生成グラフ」の項目には、「棒グラフ」の他に「帯グラフ」があるが、制御部210は、いずれかを選択して、選択した表示態様でグラフを生成してもよいし、先に記載されている「棒グラフ」を優先表示してもよい。また、「生成グラフ(ユーザ)」の項目が未設定であるが、設定されている場合には、制御部210は、「生成グラフ(ユーザ)」の項目にあるグラフの表示態様を優先させて、グラフを生成すればいい。
本実施例では、選択された科目が「売上高」のみだが、「仕入高」かつ「売上高」と複数科目が選択された場合は、「単一科目or複数科目」が「複数科目」になる。また、「発生かつ残高」の両方選択している場合は、「集計データ」が「両方」になる。さらに、「売上高(大分類)」、「内容選択」が指示された場合は、「科目関連性」が「○」になり、「売上高(大分類)」の下の分類の「売上高(中分類)」等の科目が複数選択され、「単一科目or複数科目」が「複数科目」になる。
【0079】
このように、第2実施形態の図表データ処理装置201によれば、以下のような効果がある。
グラフ判定テーブル235に基づいて、科目を選択するだけで最適なグラフの表示態様でのグラフを生成することができる。また、ユーザが、グラフの表示態様を変更した場合には、その情報(「生成グラフ(ユーザ)」が設定される)をグラフ判定テーブル235に反映させるので、次に同じ条件でグラフを生成する場合には、ユーザの好みにあったグラフの表示態様で、最初から表示させることができる。
【0080】
(第3実施形態)
第3実施形態では、ジェスチャー操作によって図表データを切り替えるものを説明する。
<図表データ処理装置301の構成>
図20は、第3実施形態に係る図表データ処理装置301の機能ブロックを示す図である。
図21は、第3実施形態に係る図表データ処理装置301のタブ処理テーブル336及び操作処理テーブル337の例を示す図である。
図20に示す図表データ処理装置301は、制御部310と、記憶部330と、入力部38と、表示部39とを備える。
制御部310は、画面向き取得部311(向き取得手段)と、操作受付部12と、図表データ取得部319(図表データ取得手段)と、図表データ表示部320とを備える。
【0081】
画面向き取得部311は、表示部39の向きを取得する。表示部39は、例えば、PCのディスプレイである。表示部39の向きとは、画面が縦長か、又は、横長かを示すものである。ここで、画面が縦長であれば、表示部39の向きは、縦向きであるとし、画面が横長であれば、表示部39の向きは、横向きであるとする。
図表データ取得部319は、操作受付部12が受け付けた操作に基づいて、グラフや帳表である図表データを取得する処理を行う。
図表データ表示部320は、画面向き取得部311が取得した表示部39の向きに応じて、図表データ取得部319により取得したグラフを配置したグラフ画面340を、表示部39に表示させる。
【0082】
記憶部330は、プログラム記憶部331と、会計ファイルDB32と、タブ処理テーブル336と、操作処理テーブル337とを備える。
プログラム記憶部331は、処理プログラム331aと、ブラウザ31bとを記憶している。
処理プログラム331aは、上述した制御部310が行う各種機能を実行するためのアプリケーションプログラムである。
タブ処理テーブル336は、タブ(項目)に対する処理内容を記憶するテーブルである。
図21(A)に示すように、タブ処理テーブル336は、タブと、表示中のグラフ種類と、取得グラフ種類とを対応付けて記憶する。この例では、タブは、表示領域に表示されるタブの名称である。なお、タブは、そのタブが示す領域の位置データ(設定領域)であってもよい。また、以降の実施形態では、グラフ種類は、財務諸表の種類を含むものとして説明する。
操作処理テーブル337は、
図21(B)に示すように、操作種類と、表示中のグラフ種類と、操作位置と、取得グラフ種類とを対応付けて記憶する。この例では、操作種類は、マウスによって行える操作の種類である。ここで、ドラッグとは、マウスのボタンをクリックしたまま、マウスを移動させる操作をいう。
【0083】
<図表データ処理装置301の処理>
次に、図表データ処理装置301による処理について説明する。
図22は、第3実施形態に係る図表データ処理装置301での初期処理を示すフローチャートである。
図23は、第3実施形態に係る図表データ処理装置301でのグラフ画面340の例を示す図である。
なお、メイン処理は、第1実施形態(
図3)と同様である。
図22のS310及びS311の処理は、第1実施形態(
図4)のS10及びS11の処理と同様である。
【0084】
S312において、制御部310(図表データ取得部319)は、最初に表示部39に表示させるグラフ及び帳表を生成する。この例では、最初に表示部39に表示させるグラフとして、制御部310は、損益計算書のグラフである損益構成グラフを生成する。また、制御部310は、損益計算書の帳表である損益構成表を生成する。具体的には、制御部310は、受け付けた会社名及び会計年度から、会計ファイルDB32を参照して、使用する会計ファイルを抽出する。そして、制御部310は、抽出した会計ファイルから、損益構成グラフ及び損益構成表を生成する。
S313において、制御部310(画面向き取得部311)は、表示部39の向きを取得する。
S314において、制御部310(図表データ表示部320)は、S313で取得した向きに応じて、S312で生成したグラフ及び帳表を並べて配置したグラフ画面340を、表示部39に表示させる。
【0085】
図23に、グラフ画面340の例を示す。グラフ画面340は、表示領域341に、財務諸表領域342と、横タブ領域344と、縦タブ領域345とを含む。
財務諸表領域342は、帳表部343aと、グラフ部343bとから構成される。帳表部343aの科目と、その科目に対応するグラフ部343bの科目とは、同一の色で示すことで、対応関係が分かりやすくなっている。
また、帳表部343aと、グラフ部343bとは、左右に並んで構成される。これは、表示部39の向きが横方向であるためである。表示部39の向きが縦方向である場合には、帳表部343aと、グラフ部343bとは、上下に並んで構成されるようにしてもよい。そのようにすることで、表示部39の向きに応じて最適な表示をさせることができる。
【0086】
なお、
図23のグラフ画面340は、構成を示すものであるため、帳表部343aと、グラフ部343bとを備えるものになっている。しかし、グラフ部343bのみを備え、必要に応じて帳表部343aを表示させるようにしてもよい。また、比率や推移を示すものである場合には、財務諸表領域342には、グラフ部343bのみを示すものであってもよい。
横タブ領域344は、財務諸表の種類(第1種類)を指定するための領域である。
縦タブ領域345は、形式(第2種類)を指定するための領域である。
図22に戻り、その後、制御部310は、この初期処理を終了し、メイン処理(
図3参照)に処理を移す。
【0087】
次に、操作処理について、
図24に基づき説明する。
図24、第3実施形態に係る図表データ処理装置301での操作処理を示すフローチャートである。
S320において、制御部310(図表データ取得部319)は、受け付けた操作が操作処理テーブル337の操作種類にあるか否かを判断する。操作種類にある場合(S320:YES)には、制御部310は、処理をS321に移す。他方、操作種類にない場合(S320:NO)には、制御部310は、この操作処理を終了して、メイン処理(
図3参照)に処理を移す。ここで、操作種類にない場合には、この処理プログラム331aでの処理を行わない。そして、図表データ処理装置301は、例えば、OS等に基づく処理を行ってもよい。
S321において、制御部310(図表データ取得部319)は、受け付けた操作がタブに対するものであるか否かを判断する。タブに対するものである場合(S321:YES)には、制御部310は、処理をS322に移す。他方、タブに対するものではない場合(S321:NO)には、制御部310は、処理をS323に移す。
【0088】
S322において、制御部310(図表データ取得部319)は、切替グラフ処理(タブ)を行う。具体的には、制御部310は、タブ処理テーブル336(
図21(A))を参照して、受け付けたタブと、グラフ画面340に表示されているグラフの種類とから、取得するグラフの種類を特定する。そして、制御部310は、特定したグラフの種類に対応するグラフ及び必要に応じて帳表を生成する。その後、制御部310は、処理をS325に移す。
他方、S323において、制御部310(図表データ取得部319)は、操作種類に対応する処理が可能であるか否かを判断する。操作種類に対応する処理が可能である場合(S323:YES)には、制御部310は、処理をS324に移す。他方、操作種類に対する処理が可能ではない場合(S323:NO)には、制御部310は、この操作処理を終了し、メイン処理(
図3参照)に処理を移す。
ここで、操作種類に対する処理が可能とは、操作種類に対応する表示領域341に関する条件が合致している場合をいう。そして、操作種類に対する処理が可能ではない場合には、その操作は、無効な操作として扱い、表示部39の表示は、何も変わらない。
【0089】
S324において、制御部310(図表データ取得部319)は、切替グラフ処理(操作)を行う。具体的には、制御部310は、操作処理テーブル337(
図21(B))を参照して、受け付けた操作種類と、グラフ画面340に表示されているグラフの種類とから、取得するグラフの種類又は取得する範囲を特定する。ここで、範囲には、科目に対するものと、日付に対するものとがある。そして、制御部310は、特定したグラフの種類又は範囲のグラフ及び必要に応じて帳表を生成する。
S325において、制御部310(図表データ表示部320)は、新たなグラフ及び必要に応じて帳表を、表示部39に表示させる。その後、制御部310は、この操作処理を終了し、メイン処理(
図3参照)に処理を移す。
【0090】
<グラフ切替の具体例>
次に、操作処理によるグラフ切替の具体例について説明する。
<例1.タブのクリック>
図23に示すグラフ画面340において、ユーザが入力部38を介して、横タブ領域344の「BS」タブの位置でクリック操作をする。その場合には、制御部310は、表示領域341に対する操作を受け付けるので(メイン処理(
図3)のS2がYES)、操作処理に処理を移す。そして、操作処理テーブル337(
図21(B))を参照し、操作種類が「クリック」であり、操作処理テーブル337にある操作であるため(
図24のS320がYES)、制御部310は、次に、タブに対する操作か否かを判断する。そして、タブに対する操作であるので(
図24のS321がYES)、制御部310は、タブ処理テーブル336に従って切替グラフ処理(タブ)を行う(
図24のS322)。切替グラフ処理(タブ)では、制御部310は、タブ処理テーブル336(
図21(A))を参照し、タブが「BS」であって、現在表示されているグラフが「PL構成」であるため、「BS構成」のグラフを取得する。そして、制御部310は、「BS構成」のグラフを、表示部39に表示させる(
図24のS325)。
【0091】
<例2.ドラッグ>
図23に示すグラフ画面340において、ユーザが入力部38を介して、表示領域341の任意の位置で右にドラッグする操作を行う。その場合には、制御部310は、表示領域341に対する操作を受け付けるので(メイン処理(
図3)のS2がYES)、操作処理に処理を移す。そして、操作処理テーブル337(
図21(B))を参照し、操作種類が「右へドラッグ」であるので、操作処理テーブル337にある操作であるため(
図24のS320がYES)、制御部310は、次に、タブに対する操作か否かを判断する。そして、タブに対する操作ではないので(
図24のS321がNO)、制御部310は、操作処理テーブル337を参照して、操作種類に対する処理が可能か否かを判断する。ここで、操作処理テーブル337には、右へドラッグの場合には、その他の条件がないことから、制御部310は、処理が可能であると判断し(
図24のS323がYES)、切替グラフ処理(操作)を行う(
図24のS324)。切替グラフ処理(操作)では、制御部310は、操作処理テーブル337を参照し、横タブの左方向の財務グラフを取得するため、現在表示されている財務グラフが「PL構成」であり、横タブ「PL」の左方向は「BS」であるので、「BS構成」の財務グラフを取得する。そして、制御部310は、「BS構成」の財務グラフを、表示部39に表示させる(
図24のS325)。
【0092】
このように、ユーザは、入力部38を介してタブをクリックする操作をしても、ドラッグする操作をしても、同様に、異なるグラフ種類の図表データを取得して表示部39に表示させることができる。
【0093】
このように、第3実施形態の図表データ処理装置301によれば、以下のような効果がある。
(1)表示領域341にタブを設け、指定されたタブに応じたグラフを表示させることができる。よって、ユーザは、タブを指定するという簡単な操作のみをすることによって、タブに対応したグラフに切り替えて表示させることができる。
(2)タブを、縦方向と横方向とに設け、縦と横のタブに応じたグラフを表示させることができる。よって、2つの要素(財務帳表の種別及び形式)を掛けあわせたグラフであることを、分かりやすく示すことができる。また、デザインが斬新なものにできる。
【0094】
(3)グラフを画面上に表示することで、効果的かつ視覚的に経営状態が把握できる紙にはない分かりやすさを提供できる。これにより、顧問先の会計リテラシー向上につながり、その結果として、高度な経営アドバイスが提供できる効果が期待できる。
【0095】
(第4実施形態)
第4実施形態では、タッチパネルディスプレイを用いるものを説明する。
【0096】
<図表データ処理装置401の構成>
図25は、第4実施形態に係る図表データ処理装置401の機能ブロックを示す図である。
図26は、第4実施形態に係る図表データ処理装置401の操作処理テーブル437の例を示す図である。
図表データ処理装置401は、例えば、スマートフォンやタブレットに代表される携帯情報端末である。
図25に示すように、図表データ処理装置401は、制御部410と、記憶部430と、タッチパネルディスプレイ439(表示手段、入力手段)とを備える。
【0097】
制御部410は、画面向き取得部311と、操作受付部412と、図表データ取得部419と、図表データ表示部320とを備える。
操作受付部412は、タッチパネルディスプレイ439を介して操作を受け付ける。
図表データ取得部419は、操作受付部412が受け付けた操作に基づいて、グラフや帳表を取得する処理を行う。
記憶部430は、プログラム記憶部431と、会計ファイルDB32と、操作処理テーブル437とを備える。
プログラム記憶部431は、処理プログラム431aと、ブラウザ31bとを記憶している。処理プログラム431aは、上述した制御部410が行う各種機能を実行するためのアプリケーションプログラムである。
【0098】
操作処理テーブル437は、
図26に示すように、操作種類と、表示中のグラフ種類と、操作位置と、取得グラフ種類とを対応付けて記憶する。この例では、操作種類は、例えば、ユーザの指によって行える操作の種類である。
タッチパネルディスプレイ439は、液晶パネル等で構成される表示部としての機能と、ユーザからの指等によるタッチ入力を検出する入力部としての機能とを有する。タッチパネルディスプレイ439による操作は、表示された部分の上面をタッチにより指定すればいいので、ユーザの操作は、より容易である。
【0099】
<図表データ処理装置401の処理>
次に、図表データ処理装置401による処理について説明する。
メイン処理は、第1実施形態(
図3)と同様である。
また、初期処理は、第3実施形態(
図22)と同様である。
図27は、第4実施形態に係る図表データ処理装置401での操作処理を示すフローチャートである。
S420において、制御部410(図表データ取得部419)は、受け付けた操作が操作処理テーブル437の操作種類にあるか否かを判断する。操作種類にある場合(S420:YES)には、制御部410は、処理をS421に移す。他方、操作種類にない場合(S420:NO)には、制御部410は、この操作処理を終了して、メイン処理(
図3参照)に処理を移す。
S421において、制御部410(図表データ取得部419)は、操作種類に対応する処理が可能であるか否かを判断する。操作種類に対応する処理が可能である場合(S421:YES)には、制御部410は、処理をS422に移す。他方、操作種類に対する処理が可能ではない場合(S421:NO)には、制御部410は、この操作処理を終了し、メイン処理(
図3参照)に処理を移す。
ここで、操作種類に対する処理が可能ではない場合には、その操作は、無効な操作であって、タッチパネルディスプレイ439の表示は、何も変わることがない。
【0100】
S422において、制御部410(図表データ取得部419)は、切替グラフ処理(操作)を行う。具体的には、制御部410は、操作処理テーブル437を参照して、受け付けた操作種類と、グラフ画面440(後述する
図28参照)に表示されているグラフの種類とから、取得するグラフの種類又は取得する範囲を特定する。そして、制御部410は、特定したグラフ種類又は範囲のグラフ及び必要に応じて帳表を生成する。
S423において、制御部410(図表データ表示部320)は、新たなグラフ及び必要に応じて帳表を、タッチパネルディスプレイ439に表示させる。その後、制御部410は、この操作処理を終了し、メイン処理(
図3参照)に処理を移す。
【0101】
<グラフ切替の具体例>
次に、操作処理によるグラフ切替の具体例について説明する。
図28及び
図29は、第4実施形態に係る図表データ処理装置401でのグラフ画面440の例を示す図である。
【0102】
<例1.科目のクリック又は指でのジェスチャー操作によるタッチ>
図28(A)は、貸借対照表(BS構成)を示すグラフ画面440である。ユーザがタッチパネルディスプレイ439を介して、「流動資産」の文字列441aの位置で指でのジェスチャー操作によるタッチ操作をする。その場合には、制御部410は、表示領域441に対する操作を受け付けるので(メイン処理(
図3)のS2がYES)、操作処理に処理を移す。そして、制御部410は、操作処理テーブル437(
図26)を参照し、操作種類が「指でのジェスチャー操作によるタッチ」が操作処理テーブル437にある操作であるため(
図27のS420がYES)、次に、操作種類に対する処理が可能か否かを判断する。ここで、操作処理テーブル437には、操作種類が「指でのジェスチャー操作によるタッチ」の場合には、表示中のグラフ種類が「構成」であり、科目が選択されている場合であるが、その条件に合致していることから(
図27のS421がYES)、制御部410は、切替グラフ処理を行う(
図27のS422)。切替グラフ処理では、制御部410は、操作処理テーブル437を参照し、処理内容が選択した科目の詳細であるので、
図28(B)に示すような、流動資産の詳細グラフ450を取得する。そして、制御部410は、流動資産の詳細グラフ450を、タッチパネルディスプレイ439に表示させる(
図27のS423)。
また、上述の「流動資産」の文字列441aの位置での指でのジェスチャー操作によるタッチ操作に加え、表示されている貸借対照表(BS構成)グラフの「流動資産」を示す箇所(位置)での指でのジェスチャー操作によるタッチを含んでもよい。
【0103】
<例2.指でのジェスチャー操作による縮小>
図29(A)は、
図28(A)と同様に、貸借対照表(BS構成)を示すグラフ画面440である。ユーザがタッチパネルディスプレイ439を介して、任意の位置で指でのジェスチャー操作による縮小操作をする。ここで、指でのジェスチャー操作による縮小操作とは、タッチパネルディスプレイ439を2本指で押したまま、その間を縮める操作をいう。その場合には、制御部410は、表示領域441に対する操作を受け付けるので(メイン処理(
図3)のS2がYES)、制御部410は、操作処理に処理を移す。そして、制御部410は、操作処理テーブル437(
図26)を参照し、操作種類が「指でのジェスチャー操作による縮小」が操作処理テーブル437にある操作であるため(
図27のS420がYES)、次に、操作種類に対する処理が可能か否かを判断する。ここで、操作処理テーブル437には、操作種類が「指でのジェスチャー操作による縮小」の場合には、表示中のグラフの種類に関係ないことから(
図27のS421がYES)、制御部410は、切替グラフ処理を行う(
図27のS422)。切替グラフ処理では、制御部410は、操作処理テーブル437を参照し、処理内容が「多年度に変更」であるので、
図29(B)に示すような、多年度の貸借対照表(BS構成)を示す多年度グラフ460を取得する。そして、制御部410は、多年度グラフ460を、タッチパネルディスプレイ439に表示させる(
図27のS423)。
なお、本実施例以外にも指でのジェスチャー操作による縮小による上位の分類への科目の変更(例として現金(細分類)から現金及び預金(小分類)に変更)や、期間の縮小(例として1期から毎月への変更)がある。また逆の操作として、指でのジェスチャー操作による拡大による下位の分類への科目の変更(例として当座資産(中分類)から現金及び預金(小分類)に変更)や、期間の拡大(例として1期から3期への変更)がある。
【0104】
このように、第4実施形態の図表データ処理装置401によれば、以下のような効果がある。
ユーザによるタッチパネルディスプレイ439を介したジェスチャー操作によって、その操作の意味するところを解釈した上で、操作に合った財務グラフの切替を行うことができる。ジェスチャー操作を受け付けるので、設定項目を選択させるための画面等を用意して提示する必要がなく、ユーザインタフェースが簡単である。また、ユーザは、直感的な操作をするだけでよく、その操作に即した財務グラフをユーザに提示できる。
【0105】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組合せて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0106】
(変形形態)
(1)各実施形態では、2次元のグラフを取得して表示させるものを説明したが、これに限定されない。3次元のグラフを表示させてもよい。そのようにすることで、例えば、多年度のグラフを表示する場合において、時間軸を1つの次元にすれば、表示領域を抑えて表示させることができる。また、グラフの斬新な見せ方を提供できる。
(2)各実施形態では、税に関する記載をしていないが、税に関する切替を可能にしてもよい。例えば、税込にするか税抜にするかを切り替えるための領域を表示させ、選択によっていずれの金額のグラフをも提示させるようにしてもよい。そのようにすることで、例えば、消費税の税率が変わった場合であっても、正確な過年度との比較を可能にできる。
【0107】
(3)各実施形態では、会計ファイルDBの会計ファイルを用いてグラフを取得するものを説明したが、これに限定されない。例えば、会計ファイルから予めグラフを生成して記憶させておき、指示を受け付けた際に、生成済のグラフから該当のグラフを取得してもよい。また、第1及び第2実施形態では、例えば、会計ファイルから予め集計データを生成して記憶させておき、指示を受けた際に、生成済の集計データからグラフを生成してもよい。
さらに、会計ファイルDBを、図表データ処理装置に対して通信可能に接続されたサーバが有し、サーバでは、会計ファイルから予めグラフを生成して記憶させておき、指示を受け付けた際に、生成済のグラフから該当のグラフを取得して送信することで、受信してもよい。
【0108】
(4)第1及び第2実施形態では、各種の選択操作を行うことで、その選択操作に対応する処理を行うものとして説明したが、これに限定されない。例えば、切替操作ボタンのようなものを用意し、その切替操作ボタンの選択回数に応じて、グラフの種類を切り替えて表示するようにしてもよい。そのようにすることで、ユーザの操作が簡単なものにできると共に、様々なグラフ種類のグラフを表示させることができる。
(5)第1及び第2実施形態では、グラフ表示された各科目を、色による区別をするものとして説明したが、これに限定されない。例えば、主要な勘定科目の変化率を算出し、変化率の大きい方の科目を、強調してハイライト表示させたり、変化率の大きい方の科目に絞って表示させたりしてもよい。ここで、変化率の算出は、例えば、当年又は当年度の開始月を基準として行うことができる。
【0109】
(6)第3及び第4実施形態では、初期画面として損益計算書を表示するものとしているが、これに限定されない。重要度テーブルを用いて、会社名及び会計年度から貸借対照表及び損益計算書のいずれか一方を決定して表示させるようにしてもよい。
また、表示されるグラフの表示態様については、特段明記していないが、グラフ判定テーブルを用いて表示させるグラフ種類に応じてグラフの表示態様を変化させるようにしてもよい。
(7)第3及び第4実施形態では、縦と横のタブにより表示させるグラフを特定するものを例に説明したが、これに限定されない。例えば、横のタブのみであってもよい。その場合には、横のタブに、2つの種類の意味を持たせるようにすればよい。
(8)第3及び第4実施形態では、会計ファイルDBに記憶された会計ファイルを用いてグラフを取得して表示させるものを説明したが、これに限定されない。例えば、シミュレーションに切り替えるための領域を表示させ、シミュレーションに切り替えることで、予測値を入力させて、シミュレーションを提示させるようにしてもよい。そのようにすることで、大まかな予測をすることができる。
【0110】
(9)第1〜第4実施形態においては、生成したグラフや帳表等の分析資料に対し、さらに各項目の金額を直接入力して修正して、営業利益や経常利益等を再計算してシミュレーションすることができる。
より具体的には、例えば、設定された期間の所定の勘定科目について会計データを集計して損益計算書を作成して(損益計算書に限定されない)、グラフ表示又は表形式で表示している状態で、当期の各勘定科目の金額を、任意に変更して、直接入力して、営業利益や経常利益等を再計算することができる。
【0111】
例えば、従業員をあと一人雇用するのに利益がどのくらい必要になるかを知りたい場合がある。
まず、損益計算書の主要な勘定科目について、円グラフや帯グラフ等のグラフ表示で各勘定科目の金額がそれぞれ表示されているとする。
次に、そのグラフにおいて、損益計算書の主要な勘定科目の「販売費及び一般管理費」を選択指示すると、その細分類の科目である「人件費」の金額も含めた「販売費及び一般管理費」の内訳表が表示される。
そして、集計した「人件費」に替えて、従業員をあと一人雇用した場合の金額について「人件費」の項目欄の入力を、直接受け付ける。
そうすると、「人件費」の上位の勘定科目である「販売費及び一般管理費」の金額を再計算し、「売上総損益」(粗利)から、再計算した「販売費及び一般管理費」の金額を減算すれば、「人件費」を変化させた場合の「営業利益」を再計算することができる。
そして、再計算した「営業利益」と「営業外収益」の合計から、「営業外費用」の金額を減算することで、「経常利益」を再計算することができる。
【0112】
同様に、「営業利益」、「経常利益」等がマイナス(赤字)の場合に、赤字の原因を知りたい場合には、「売上高」や「販売費及び一般管理費」の項目欄の入力を受け付けて、「営業利益」、「経常利益」等を再計算すればよい。
また、「営業利益」、「経常利益」等が芳しくない場合に、原価低減や無駄な費用等がないかを知りたい場合には、「売上原価」や「販売費及び一般管理費」の項目欄の入力を受け付けて、「営業利益」、「経常利益」等を再計算すればよい。
再計算した結果は、グラフ形式の損益計算書や、表形式の損益計算書の各項目欄の金額に反映して、更新表示される。
【0113】
なお、上記の場合において、グラフ形式の損益計算書に替えて、あるいはグラフ形式と共に、表形式の損益計算書が表示されている場合には、表形式の損益計算書の「販売費及び一般管理費」の項目を選択指示すると、その細分類の勘定科目である「人件費」の金額も含めた「販売費及び一般管理費」の内訳が表示されるようにしてもよいし、最初から、細分類の勘定科目である「人件費」の項目が表示されていて、この「人件費」の項目に直接、金額の入力を受け付けるようにしても良い。
以上のように、次々と、グラフや表形式の財務諸表を切り替えて表示する中で、直接に、変化させたい勘定科目の金額を入力して、利益の改善状況等を、その場で即座に確認することができる。