特許第6771733号(P6771733)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6771733屋内空間部用のネット又はシート、及び該屋内空間部用のネット又はシートの移動方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6771733
(24)【登録日】2020年10月2日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】屋内空間部用のネット又はシート、及び該屋内空間部用のネット又はシートの移動方法
(51)【国際特許分類】
   A63B 71/02 20060101AFI20201012BHJP
   E04B 2/74 20060101ALI20201012BHJP
【FI】
   A63B71/02 E
   E04B2/74 561D
   E04B2/74 561E
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-21000(P2020-21000)
(22)【出願日】2020年1月23日
(65)【公開番号】特開2020-151460(P2020-151460A)
(43)【公開日】2020年9月24日
【審査請求日】2020年5月20日
(31)【優先権主張番号】特願2019-70875(P2019-70875)
(32)【優先日】2019年3月14日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】592206156
【氏名又は名称】東田商工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】東 捷俊
【審査官】 槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−17507(JP,A)
【文献】 特開2019−58646(JP,A)
【文献】 特開2018−175823(JP,A)
【文献】 米国特許第5409230(US,A)
【文献】 特開2010−59720(JP,A)
【文献】 特開2007−209220(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 71/02
E04B 2/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋内空間部に間仕切り用又は防球用を目的として吊り張りすべく天井面より床面側への吊り張り面の形状に応じて形成されるネット体又はシート体と、該ネット体又はシート体の上端側を吊り張りする吊り張り用ロープ体とから構成される屋内空間部用のネット又はシートにおいて、前記吊り張り用ロープ体が高さ位置の相違する天井面の傾斜角度に応じて天井面より側面側に沿って架け渡され、且つ前記ネット体又はシート体が、その上端側を高さ位置の相違する天井面の傾斜角度に応じて形成された一枚のネット本体又はシート本体と、前記ネット本体又はシート本体に設けられ移動時に前記ネット本体又はシート本体の上端側の高さ位置の相違によりその下端側に生じる前記ネット本体又はシート本体の弛み部分を上方に束ねる束ね手段とから構成されていることを特徴とする屋内空間部用のネット又はシート。
【請求項2】
屋内空間部を間仕切り又は防球すべく天井面より床面側への吊り張り面の形状に応じてネット体又はシート体を形成し、前記ネット体又はシート体の上端側に沿って吊り張り用ロープ体を架け渡した後、前記ネット体又はシート体を移動することで収納する屋内空間部用のネット又はシートの移動方法において、前記ネット体又はシート体を高さ位置の相違する天井面の傾斜角度に応じて一枚のネット本体又はシート本体より形成し、前記天井面の傾斜角度に応じて天井面より側面側に沿って吊り張り用ロープ体を架け渡すとともに前記ネット体又はシート体を前記吊り張り用ロープ体に沿って移動自在に吊り張りした後、前記ネット体又はシート体の上端側に高さ位置の相違よりその下端側に生じる弛み部分を上方に束ねて調整しながら前記吊り張り用ロープ体に沿って側面側に収納移動又は側面側より吊り張り移動することを特徴とする屋内空間部用のネット又はシートの移動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、主に天井面の高さ位置の相違する屋内練習施設を含む屋内空間部を利用して各種の競技を行う際に、該屋内空間部を2分割、3分割等間仕切りする際に間仕切り用として使用する、又は屋内空間部の側面に沿って防球用として使用する屋内空間部用のネット又はシート、及び該屋内空間部用のネット又はシートの移動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の競技で屋内空間部(メインアリーナ、サブアリーナ等を有する屋内施設)を使用する場合、又は人工芝の設けられた屋内練習施設としての屋内空間部を使用する場合は、ネット体を屋内空間部内に吊り張りすることで該屋内空間部を2分割、又は3分割等に間仕切りして使用している。
【0003】
また、屋内空間部をバレーボール、フットサル、野球等の球技で使用する場合、該屋内空間部の側面に沿ってネット体を吊り張りすることで球技の防球用として使用している。
【0004】
前記間仕切り用のネット体は、前記ネット体の上端側を高さ位置の相違する天井側に設けた棒状体、又は複数本の吊り張り用ロープ体に直接取り付けることで吊り張りしている。
【0005】
同様に、前記防球用のネット体も、前記ネット体の上端側を高さ位置の相違する天井側に設けた棒状体、又は複数本の吊り張り用ロープ体に取り付けることで側面に沿って吊り張りしている。
【0006】
前記間仕切り用のネット体、又は防球用のネット体は、屋内空間部を広く開放して使用する際(不使用時)は天井側に移動することで収納する。
【0007】
前記各ネット体の移動は、前記吊り張り用ロープ体又は棒状体を床面側に移動した後、前記ネット体を折り畳んで紐状体で固定し、天井側に移動することで収納する。
【0008】
又は、前記ネット体の上下方向に沿って別体の移動用ロープ体を取り付け、該移動用ロープ体を巻き取り移動することで、ネット体を吊り張り移動し、又は前記移動用ロープ体を引き出し移動することで床面側に前記ネット体を移動し取り外すことで収納する。
【0009】
又は、前記高さ位置の相違する天井面の傾斜角度に応じて形成された固定用のネット体と、その下方側で水平方向に沿って並行移動する開閉用のネット体とから構成され、下方側の開閉用のネット体のみ側面側に移動して空間部を開放する。
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら上記従来のネット体はその上端側に取り付けた棒状体に直接固定状態で取り付けられているために、天井面の高さ位置の相違によるネット体の上下方向の長さの相違により、その折り畳み工程が適切に折り畳めなく、このため前記棒状体への巻き付けた状態での取り付け工程も煩雑であるという欠点があった。
【0011】
また、上記のように、ウインチを用いてネット体を天井側に移動して収納する移動方法は、頻繁に屋内空間部の使用の変更がある場合に、その都度天井面より床面側に移動して吊り張り、又は天井面側に収納移動する必要があり、その作業が煩雑であるという欠点があった。
【0012】
また、上記のような頻繁に変更作業を行う場合は、安全性の面で頻繁なメンテナンス作業を必要とするという欠点があった。
【0013】
また、高さ位置の相違する天井面に複数枚のネット体で間仕切り等すると、天井側は固定用のネット体を用いて間仕切り等し、下方側のみ開閉移動するために、天井側を完全に開放することができないという欠点があった。
【0014】
さらに、床面側が人工芝を用いた場合、ネット体の下端側が芝目に絡んでスムーズにネット体を移動することができない問題点があった。
【0015】
そこで、本願発明は、屋内空間部をスムーズにネット体又はシート体で間仕切り等することができ、且つ安全に収納することができる屋内空間部用のネット又はシート、及び該屋内空間部用のネット又はシートの移動方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本願発明の上記課題を解決する手段としての屋内空間部用のネット又はシートは、請求項1に記載のように、屋内空間部に間仕切り又は防球用を目的として吊り張りすべく天井面より床面側への形状に応じて形成されるネット体又はシート体と、該ネット体又はシート体の上端側を吊り張りする吊り張り用ロープ体とから構成される屋内空間部用のネット又はシートにおいて、前記吊り張り用ロープ体が高さ位置の相違する天井面の傾斜角度に応じて天井面より側面側に沿って架け渡され、且つ前記ネット体又はシート体が、その上端側を高さ位置の相違する天井面の傾斜角度に応じて形成された一枚のネット本体又はシート本体と、前記ネット本体又はシート本体に設けられ移動時前記ネット本体又はシート本体の上端側の高さ位置の相違よりその下端側に生じる前記ネット本体又はシート本体の弛み部分を上方に束ねる束ね手段とから構成されていることを特徴とする。
【0017】
また、本願発明の上記課題を解決する手段としての屋内空間部用のネット又はシートの移動方法は、請求項2に記載のように、屋内空間部を間仕切り又は防球すべく天井面より床面側への吊り張り面の形状に応じてネット体又はシート体を形成し、前記ネット体又はシート体の上端側に沿って吊り張り用ロープ体を架け渡した後、前記ネット体又はシート体を移動することで収納する屋内空間部用のネット又はシートの移動方法において、前記ネット体又はシート体を高さ位置の相違する天井面の傾斜角度に応じて一枚のネット本体又はシート本体より形成し、前記天井面の傾斜角度に応じて天井面より側面側に沿って吊り張り用ロープ体を架け渡すとともに、前記ネット体又はシート体を前記吊り張り用ロープ体に沿って移動自在に吊り張りした後、前記ネット体又はシート体の上端側の高さ位置の相違よりその下端側に生じる弛み部分を上方に束ねる調整しながら前記吊り張り用ロープ体に沿って側面側に収納移動又は側面側より吊り張り移動することを特徴とする。
【発明の作用効果】
【0019】
本願発明の屋内空間部用のネット又はシート、及び該屋内空間部用のネット又はシートの移動方法の作用効果について説明する。
【0020】
本願発明の請求項1に記載の屋内空間部用のネット又はシートは、屋内空間部の高さ位置の相違する天井面の傾斜角度に応じて架け渡した吊り張り用ロープ体と、上端側を高さ位置の相違する天井面の傾斜角度(天頂部側が側面側より高い、又は円弧面等)に応じて形成したネット本体又はシート本体と、前記ネット本体又はシート本体に設けられた束ね手段とから構成されている。
【0021】
前記吊り張り用ロープ体は天井面の傾斜角度に応じて天井面より側面側に沿って架け渡すことができ、複数本の吊り張り用ロープ体を使用することで、あらゆる傾斜角度を有する形状の天井面に対応することができる。
【0022】
即ち、一方向の側面側のみに沿って架け渡す場合は、その傾斜角度に応じて1本の吊り張り用ロープ体を架け渡し、天頂部(天井面の中央部分)より両側面側に傾斜角度を有する場合は、2本の吊り張り用ロープ体を天頂部から側面側にそれぞれ架け渡すことで対応する。
【0023】
前記ネット体又はシート体は、その上端側を一枚のネット本体又はシート本体で高さ位置の相違する天井面の傾斜角度に応じて形成し、下端側は床面側の水平を維持して形成(下端側に隙間部分をなくすために下端側には多少の弛み部分(移動時に障害のない範囲)が形成されている)されるために、あらゆる形状の空間部に対して自在にネット体又はシート体を形成することができる。
【0024】
また、前記ネット体又はシート体は前記吊り張り用ロープ体に沿って側面側に移動して空間部を開放、側面側より移動して空間部を閉塞することができるので、その開閉移動が容易に行える。
【0025】
しかも、収納移動する際、前記ネット体又はシート体の上端側の高さ位置の相違よりその下端側に生じる弛み部分を束ね手段を用いて上方に適切に束ねることで、前記高さ位置の相違する天井面の傾斜角度による前記ネット体又はシート体の下端側の水平状態を適切に維持し、床面側での前記弛み部分による、摩擦、人工芝への引っかかり等を解消し、確実に収納移動を行うことができる。
【0026】
同様に、前記ネット体又はシート体を吊り張り移動する際も、予め前記ネット体又はシート体の下端側の弛み部分を束ね手段で束ねて床面との水平状態を維持し、前記と同様に弛み部分で生じる摩擦、人工芝への引っかかり等を解消して移動した後、束ね手段を解除することで、同様に前記吊り張り用ロープ体に沿って前記ネット体又はシート体をスムーズに吊り張り移動することができる。
【0027】
このように、本願請求項1に記載の屋内空間部用のネット又はシートは、高さ位置の相違する天井面を有する屋内空間部に適切に吊り張りすることができ、また、確実に収納及び吊り張り移動することができるので、安全に屋内空間部を間仕切り等することができる。
【0028】
また、吊り張り用ロープ体を高さ位置の相違する天井面に適切に架け渡すことで、容易にネット体又はシート体を吊り張りでき、従来のような頻繁なメンテナンス作業を必要としない。
【0029】
特に、ネット体又はシート体を側面側に移動することで、ネット体又はシート体を適切に収納することができ、ネット体又はシート体の移動時の摩耗をさらに削減することができる。
【0030】
次に、本願請求項2に記載の屋内空間部用のネット又はシートの移動方法は、屋内空間部の高さ位置の相違する天井面の傾斜角度に応じて一枚のネット本体又はシート本体の上端側を形成する。
【0031】
これにより、あらゆる形状の天井面の傾斜角度に応じて自在に一枚のネット本体又はシート本体で形成することができ、確実な間仕切り又は防球用として使用することができる。
【0032】
次に、前記天井面の傾斜角度に応じて天井面より側面側に沿って吊り張り用ロープ体を架け渡すとともに、前記ネット体又はシート体を前記吊り張り用ロープ体に沿って移動自在に取り付ける。
【0033】
前記ネット体又はシート体は間仕切り又は防球用として使用する際は、前記吊り張り用ロープ体に沿って天井面の傾斜角度に応じて間仕切り等の方向に沿って移動して使用し、収納する際は側面側に収納移動することで屋内空間部を開放する。
【0034】
この際、天井面の高さ位置の相違に応じて前記ネット体又はシート体が形成されているために、移動時にその上端側に高さ位置の相違に対応して下端側に弛み部分が発生するが、前記ネット体又はシート体の下端側の弛み部分を上方に束ねることで床面との水平状態を調整でき、スムーズに床面側に沿って前記ネット体又はシート体を側面側に収納移動、及び側面側より吊り張り移動することができる。
【0035】
このように、本願請求項2に記載の屋内空間部用のネット又はシートの移動方法は、高さ位置の相違する天井面の傾斜角度に応じて一枚のネット本体又はシート本体で形成されているために、その形成が容易であり、その取り付けも容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
本願発明の屋内空間部用のネット又はシート及び該屋内空間部用のネット又はシートの移動方法について図面を用いて説明する。
【0043】
図1は本願発明の屋内空間部用のネット又はシートの一実施例を示す概略説明正面図であり、図2図1の弛み部分を束ねた状体を示す概略説明正面図であり、図3は側面側へのネット体又はシート体の収納状態を示す概略説明正面図であり、図4及び図5は本願発明の屋内空間部用のネット又はシートの他実施例を示す概略説明正面図である。
【0044】
図6及び図7は本願発明の屋内空間部用のネット又はシートの移動方法を示すフローチャートである。
【0045】
本願発明の屋内空間部用のネット1(又はシート1)は、上端側を屋内空間部の高さ位置の相違する天井面の傾斜角度に応じて形成し、下端側を床面側の水平方向に沿って形成されたネット体2(又はシート体2)と、前記傾斜角度に沿って架け渡された吊り張り用ロープ体3と、前記ネット体2に高さ位置を有する側面側に取り付けられた移動用及び収納用の束ね手段として束ね用紐状体4とから構成されている。
【0046】
前記ネット体2は、矩形状のネット本体2Aの上端側を高さ位置の相違する天井面の傾斜角度に応じて形成(通常矩形状のネット本体2Aをカットして形成)し、下端側を床面に沿って水平方向に形成した後、上下方向及び左右方向の各辺に沿ってそれぞれ補強用ロープ体(図示せず)を取り付けることで形状が維持されている。
【0047】
前記ネット体2には、前記ネット本体2Aの上端側の補強用ロープ体を利用して、又は直接前記ネット本体2Aの上端側に所望の間隔で複数個の移動用リング環2Dが取り付けられている。
【0048】
尚、前記ネット体2を形成する際、カットされた残りの前記ネット本体部分は逆方向(天井面の傾斜角度の逆方向)で吊り張り用ロープ体3の位置に沿って天井面に取り付けることで、防球用として使用する垂れネット体6として使用することができ、ネット本体2Aの無駄を省くことも可能である。
【0049】
前記吊り張り用ロープ体3は高さのある天井面側より低い位置の側面側に沿って架け渡すことで、前記ネット体2を移動自在に取り付けできる。
【0050】
前記吊り張り用ロープ体3に取り付けられた前記ネット体2は、その大きさ(面積)により、大面積の場合はウインチ等を用いて移動、小さい場合は手動式で前記吊り張り用ロープ体3に沿って移動する構成とする。
【0051】
前記束ね手段としての束ね用紐状体4は、前記ネット体2の高さ位置の下端側に取り付けられ、前記ネット体2の収納移動する際、高さ位置の相違による前記ネット体2の上端側の高さ位置の相違(L)より側面側の下方側に移動した際生じる前記ネット体2の下端側の弛み部分20を上方に持ち上げ、床面との水平状態を維持し床面との接触部分を少なくして、スムーズに収納移動することができる。
【0052】
尚、前記束ね用紐状体4を取り付けたネット体2の下端側よりリング環(図示せず)を取り付けることで、前記束ね用紐状体4をリング環に挿通して、前記高さ位置の相違(L)より生じる弛み部分20を上方側に容易に持ち上げることも可能である。
【0053】
尚、上記実施例において、束ね手段を束ね用紐状体4に限定されるものでなく、例えば、略S字状の係止体で弛み部分20を持ち上げることも可能であり、さらに、人による持ち上げも可能である。
【0054】
また、上記実施例では、前記ネット体2は一方向にのみ取り付けたが、本願発明において、ネット体2の取り付け方向は一方向に限定されるものでなく、屋内空間部の天頂部より、両側面側にそれぞれ取り付け、左右開閉移動することも可能であり、また、同一方向に複数枚吊り張りすることも可能である。
【0055】
本願発明の屋内空間部用のネット1は上記のように構成され、次に、該屋内空間部用のネット1を屋内空間部の間仕切り用として使用する場合について説明する。
【0056】
先ず、屋内空間部の天井面の高さ位置の相違する間仕切り面に応じて、天井側より側面側に沿って吊り張り用ロープ体3を架け渡し、前記間仕切り面に応じて略同形状に一枚のネット本体2Aより形成し、各辺に沿って補強用ロープ体を取り付けるとともに、前記上端側の補強用ロープ体を利用して移動用リング環2Dを所望の間隔で複数個とりつけることでネット体2を形成する。
【0057】
次に、前記ネット体2を前記吊り張り用ロープ体3に沿って移動自在に取り付ける。
【0058】
この際、前記ネット体2は高さ位置の相違する天井面の傾斜角度に沿って移動するために、天井側の高い位置より、側面側の低い位置に移動すると、前記ネット体2の上端側に高さ位置の相違(L)によりその下端側に弛み部分が発生する。
【0059】
そこで、前記ネット体2の高さ位置に応じた下端側に束ね手段としての束ね用紐状体4を用いて前記ネット体2の下端側の弛み部分20を調整(移動距離に応じて発生する弛み部分20の量の調整)しながら束ねて床面との水平状態を維持し、移動時の前記ネット体2の下端側の床面との接触面積を削減することでスムーズに側面側に収納移動、及び側面側より、スムーズに吊り張り移動することができる。
【0060】
このように、本願発明の屋内空間部用のネット1は、高さ位置の相違する天井面に沿ってネット体2をスムーズに移動することができ、屋内空間部の適切な間仕切り又は防球用として使用することができる。
【0061】
また、ネット体2の移動がスムーズに行えるので、特に床面側に人工芝を用いた球技用の屋内空間部において、芝に接触するネット体2の網目部分が少なく、移動を容易に行うことができ、ネット体2の摩耗の削減を図ることができる。
【0062】
尚、上記実施例においてはネット体2を使用したが本願発明において、ネット体2に限定されるものでなく、シート体(網目の詰まった状態の布体の総称)2を使用することも可能である。
【0063】
この場合もネット体2と同様に下端側の弛み部分20を束ねることで、床面との接触面積を削減できスムーズな収納移動及び吊り張り移動することができる。
【0064】
又、上記実施例では吊り張り用ロープ体3を高さ位置の相違する天井面の傾斜角度に応じて直接架け渡したが、本願発明において、前記吊り張り用ロープ体3の天井面への取り付け方法はこれに限定されるものでなく、天井面より複数本の昇降移動する(ウインチを用いて)ロープ体10に連結され、前記高さ位置の相違する天井面の傾斜角度沿って設けられた棒状体11に間接的に前記吊り張り用ロープ体3を取り付けることも可能である。
【0065】
前記棒状体11に取り付けられた吊り張り用ロープ体3に沿って上記と同様にネット体2を左右方向に吊り張り移動及び収納移動するとともに、前記棒状体11に前記束ね用紐状体4を用いて前記ネット体2を巻き付ける、又は束ねることで収納し、天井面側に前記棒状体11とともに移動して収納することも可能である。
【0066】
特に、長期的にネット体2を使用しない場合は、天井側に収納移動することで、屋内空間部をより広く開放することができる。
【0067】
このように、前記棒状体11を用いることで、ネット体2の収納移動を昇降移動、又は左右移動かを選択して最適な収納移動を行うことができる。
【0068】
即ち、一定期間以上ネット体2を収納する場合は、天井面側に移動して収納することで、屋内空間部を広く開放することができ、一時的にネット体2を収納する場合は、側面側に移動して収納することで、再度容易にネット体2を吊り張り移動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
図1】本願発明の屋内空間部用のネット又はシートの一実施例を示す概略説明正面図
図2図1の弛み部分を束ねた状態を示す概略説明正面図
図3】側面側へのネット体又はシート体の収納状態を示す概略説明側面図
図4】本願発明の屋内空間部用のネット又はシートの他実施例を示す概略説明正面図
図5】本願発明の屋内空間部用のネット又はシートの他実施例を示す概略説明平面図
図6】本願発明の屋内空間部用のネット又はシートの移動方法のフローチャート
図7】本願発明の屋内空間部用のネット又はシートの移動方法のフローチャート
【符号の説明】
【0070】
1−屋内空間部用のネット又はシート、2−ネット体、3−吊り張り用ロープ体、4−束ね用紐状体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7