特許第6771760号(P6771760)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6771760
(24)【登録日】2020年10月2日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】遊技機の発射手段
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20201012BHJP
【FI】
   A63F7/02 308G
   A63F7/02 309
   A63F7/02 334
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-179218(P2016-179218)
(22)【出願日】2016年9月14日
(65)【公開番号】特開2018-42705(P2018-42705A)
(43)【公開日】2018年3月22日
【審査請求日】2019年9月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000241234
【氏名又は名称】豊丸産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 卓郎
【審査官】 弓指 洋平
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−315558(JP,A)
【文献】 特開昭62−284678(JP,A)
【文献】 特開2010−011965(JP,A)
【文献】 特開平08−238355(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機に設けられ、遊技者による操作を受け付ける操作手段と、
前記操作手段に対する操作の量に応じた操作信号を出力する検量手段と、
前記操作手段への遊技者の接触を検出し、接触信号を出力する検触手段と、
前記検触手段から前記接触信号を受信した場合に、前記検量手段から出力される前記操作信号に基づいて駆動する駆動手段と、
前記駆動手段の駆動力で動作し、遊技盤に設けた遊技領域へ向けて前記操作信号に応じた強度で遊技球をうち出す射出手段と、
を備えた遊技機の発射手段であって、
前記検触手段から出力される前記接触信号の入力時に、前記検量手段から前記操作信号が出力された状態である場合、前記操作手段が予め操作を受け付けた状態であることを報知する報知信号を出力する報知手段を備えたことを特徴とする遊技機の発射手段。
【請求項2】
前記操作信号の示す操作量が所定の操作量より大きい場合に、前記検量手段から前記操作信号の出力があることを示す操作検出手段を備え、
前記報知手段は、前記接触信号の入力時に、前記操作検出手段が前記操作信号の出力があることを示す場合、前記報知信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の遊技機の発射手段。
【請求項3】
前記報知手段は、前記接触信号の入力の有無を判断する判断手段を含み、
前記判断手段は、前記接触信号の入力が継続する間のみ、前記報知信号の出力を継続することを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機の発射手段。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技領域へ向けて遊技球を発射する遊技機の発射手段に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機に設けられ、遊技球を発射する発射装置は、遊技者による発射ハンドルの操作に応じ、遊技領域へ向けて遊技球を打ち出す。発射装置には、打球槌、発射ボリューム、タッチセンサ等が設けられる。打球槌はモータで駆動し、遊技球を遊技領域に打ち出す。発射ボリュームは、発射ハンドルの回転操作角度に応じて抵抗値を変化する可変抵抗器からなる。タッチセンサは、発射ハンドルへの遊技者の接触を検出する。発射装置は、遊技者が発射ハンドルを把持したことをタッチセンサが検出した場合に、発射ハンドルの回転操作角度に応じた発射強度で打球槌を駆動し、遊技球を打ち出す。非操作時、発射ハンドルはバネの付勢力で発射ボリュームの抵抗値が最大になる回転操作角度に回動する。操作時、遊技者は発射ハンドルを把持したまま回転し、遊技球の発射強度を調整することによって、遊技球を遊技領域の狙いの領域に打ち込んで遊技を行う。
【0003】
発射ハンドルの隙間部分に紙片や硬貨等を挟んで所定の回転操作角度に固定しつつ、指等で発射ハンドルに触れることによって、発射ハンドルを操作せずに遊技する不正行為が行われる場合がある。例えば特許文献1に記載の遊技機において、不正検知基板のCPUは、発射ボリュームの抵抗値が基準値以上で、タッチセンサの信号がT1時間以上入力されない場合に、発射ハンドルが固定されていると判定する。また、不正検知基板のCPUは、タッチセンサの信号が入力されている場合でも、発射ボリュームの抵抗値がT3時間変化しない場合は、発射ハンドルが固定されていると判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−11965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、タッチセンサの信号がないにも関わらず、発射ボリュームの抵抗値が基準値以上の状態がT1時間以上継続しないと発射ハンドルの固定を検出できず、迅速な不正検知が難しかった。特許文献1にはT1時間の経過を省略してもよいとの記載があるが、この場合、遊技者が遊技中に発射ハンドルから手を離した瞬間に、発射ハンドルが固定されているとして誤検知される可能性がある。また、特許文献1では、例えば大当たり遊技中に遊技者が全開で右打ちをした場合に、発射ボリュームの抵抗値が変化しないままT3時間が経過し、発射ハンドルの固定が誤検知される可能性があった。
【0006】
本発明は、操作手段の固定の有無を確実且つ迅速に検出することができる遊技機の発射手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、遊技機に設けられ、遊技者による操作を受け付ける操作手段と、前記操作手段に対する操作の量に応じた操作信号を出力する検量手段と、前記操作手段への遊技者の接触を検出し、接触信号を出力する検触手段と、前記検触手段から前記接触信号を受信した場合に、前記検量手段から出力される前記操作信号に基づいて駆動する駆動手段と、前記駆動手段の駆動力で動作し、遊技盤に設けた遊技領域へ向けて前記操作信号に応じた強度で遊技球をうち出す射出手段と、を備えた遊技機の発射手段であって、前記検触手段から出力される前記接触信号の入力時に、前記検量手段から前記操作信号が出力された状態である場合、前記操作手段が予め操作を受け付けた状態であることを報知する報知信号を出力する報知手段を備えたことを特徴とする遊技機の発射手段が提供される。
【0008】
通常、遊技者は操作手段に触れてから、触れた状態で操作手段の操作を行う。遊技が正当に行われる場合、接触信号が出力される時に操作信号は出力されていない。遊技者によって操作手段が操作された状態に固定された場合、操作信号は検量手段から出力された状態となる。遊技者が一度でも操作手段に非接触となり、再び操作手段に接触した時、操作信号が検量手段から出力された状態のまま接触信号が入力されるので、報知手段は報知信号を出力する。即ち、報知手段は、接触信号が入力されたタイミングに、直ちに、且つ誤検出することなく確実に、遊技者によって操作手段が固定された状態であることを検出することができる。故に発射手段は、操作手段の固定の有無を確実且つ迅速に検出することができる。
【0009】
本態様は、前記操作信号の示す操作量が所定の操作量より大きい場合に、前記検量手段から前記操作信号の出力があることを示す操作検出手段を備えてもよい。前記報知手段は、前記接触信号の入力時に、前記操作検出手段が前記操作信号の出力があることを示す場合、前記報知信号を出力してもよい。報知手段は、接触信号の入力時に、操作検出手段によって、操作手段が所定の操作量より大きく操作された状態で固定された場合にのみ、報知信号を出力する。故に発射手段は、操作手段の固定の有無を、より確実に、検出することができる。
【0010】
本態様の前記報知手段は、前記接触信号の入力の有無を判断する判断手段を含んでもよい。前記判断手段は、前記接触信号の入力が継続する間のみ、前記報知信号の出力を継続してもよい。判断手段は、遊技者が操作手段に非接触の状態となった場合に、報知信号の出力を停止することができる。故に発射手段は、遊技者が操作手段を固定しながら遊技を続けなければ、報知信号の出力を停止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】パチンコ機1の正面図である。
図2】発射機構90の正面図である。
図3】発射ハンドル7の部分分解斜視図である。
図4】制御部40の電気的構成を示す図である。
図5】発射装置37の電気的構成を示す図である。
図6】各電子部品の出力信号の状態を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る発射手段を備える遊技機の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。図1を参照し、パチンコ機1の機械的構成について説明する。なお、以下の説明において、パチンコ機1の上下方向、左右方向、及び表裏方向については、特に断りがない場合、遊技盤2の盤面の向きを基準とする。即ち、ホールに設置されたパチンコ機1で遊技を行う遊技者からパチンコ機1を見た向き(図1に示されるパチンコ機1の向き)が基準となる。以下では便宜上、図1紙面の表裏方向をパチンコ機1の前後方向として説明を行う。また、パチンコ機1に使用される装置や部品についても、パチンコ機1に組み付けられた場合の向きを基準に、上下方向、左右方向、及び前後方向を規定するものとする。
【0013】
図1に示すように、パチンコ機1の上段側には遊技盤2が設けられる。遊技盤2は略正方形(図示略)であり、透明なガラス板を保持した前面枠11によって前面を保護される。前面枠11の上部には、左右方向の略全長に亘って照明装置35が設けられる。遊技盤2の下段側には上皿5と下皿6が設けられる。上皿5は遊技盤2の下部に設けられ、発射装置37の発射機構90に遊技球を供給し、且つ賞品球を受ける。下皿6は上皿5の直下に設けられ、上皿5から溢れたり排出されたりする賞品球を受ける。発射装置37は、発射機構90、発射ハンドル7、発射制御基板100を備える。発射ハンドル7は、下皿6の右横に設けられる。発射制御基板100は、遊技盤2の背面側で、発射ハンドル7の上側に設けられる。発射機構90は、遊技盤2の背面側で、発射制御基板100の左側に設けられ、ガイドレール3に接続する。発射ハンドル7は、発射レバー73(図2参照)が遊技者による回動操作を受け付け、遊技球の発射強度を調整する。遊技者が発射レバー73を操作すると、発射制御基板100は、発射レバー73の回動角度に応じた強度で遊技球が発射されるように、発射機構90の動作を制御する。また、前面枠11の上部で左右の角には、スピーカ48がそれぞれ設けられる。
【0014】
遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成される。発射装置37によって発射された遊技球は、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。遊技領域4の略中央には、図柄表示装置8が配設される。図柄表示装置8は、LCDから構成された表示画面28、各種ランプ、LED等を備える。図柄表示装置8の左方には、普通図柄始動ゲート12が設けられる。図柄表示装置8の下方には、特別図柄始動入賞口15が設けられる。特別図柄始動入賞口15の下方には普通電動役物13が設けられる。普通電動役物13には第一開閉部材14が設けられる。遊技球は、第一開閉部材14が開放された場合(普通電動役物13が開放された場合)にのみ、普通電動役物13に入賞できる。普通電動役物13の下方には大入賞口18が配設される。大入賞口18には第二開閉部材19が設けられる。遊技球は、第二開閉部材19が開放された場合(大入賞口18が開放された場合)にのみ、大入賞口18に入賞できる。第一開閉部材14及び第二開閉部材19は、それぞれ、普通電動役物開閉ソレノイド81及び大入賞口開閉ソレノイド80(図4参照)によって、電気的に開閉される。
【0015】
図柄表示装置8は、中央に表示画面28を備える。表示画面28は、動画、メッセージ等の様々な映像を表示する。特に、表示画面28は、大当たり判定の結果を報知するための3つの演出図柄を表示する。パチンコ機1は、複数(本実施形態では3つ)の演出図柄を変動させる図柄変動を表示した後に、大当たり判定の結果を示す演出図柄の組合せを確定表示する報知演出を実行することで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。本実施形態では、大当たり判定の結果が大当たりであることを示す演出図柄の組合せは、例えば「777」「222」等、同じ数字を示す3個の演出図柄による組合せである。また、大当たり判定の結果がはずれであることを示す演出図柄の組合せは、「767」「143」等、同じ数字を示す演出図柄が3個揃わない組合せである。
【0016】
図柄表示装置8は、表示画面28の下方に、4つのLEDからなる第一特別図柄記憶数表示LED65を備える。第一特別図柄記憶数表示LED65は、特別図柄始動入賞口15に入賞し、且つ第一特別図柄表示部25に第一大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数(所謂「第一特別図柄作動保留球数」)を表示する。第一特別図柄記憶数表示LED65の下方には、第二特別図柄記憶数表示LED66が設けられる。第二特別図柄記憶数表示LED66は、普通電動役物13に入賞し、且つ第二大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数(所謂「第二特別図柄作動保留球数」)を表示する。
【0017】
第一特別図柄記憶数表示LED65の左方には第一特別図柄表示部25が設けられ、右方には第二特別図柄表示部26が設けられる。第一特別図柄表示部25及び第二特別図柄表示部26には、それぞれ、例えば2つの7セグメントディスプレイが設けられ、アルファベット、数字、記号、又はこれらの組み合わせからなる特別図柄が表示される。特別図柄始動入賞口15へ遊技球が入賞すると第一大当たり判定が行われる。第一特別図柄表示部25には、第一大当たり判定の結果に応じて複数の特別図柄のうちの1つが表示される。普通電動役物13へ遊技球が入賞すると第二大当たり判定が行われる。第二特別図柄表示部26には第二大当たり判定の結果に応じて複数の特別図柄のうちの1つが表示される。
【0018】
図柄表示装置8には、表示画面28の上方に、4つのLEDからなる普通図柄記憶数表示LED59が設けられる。普通図柄記憶数表示LED59の上方には、1つのLEDからなる普通図柄表示部24が配設される。普通図柄表示部24は、点灯、消灯、及び点滅によって、普通図柄の状態と普通当たり判定の結果を示す。普通図柄記憶数表示LED59は、普通図柄始動ゲート12を通過し、且つ普通図柄表示部24に普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数(所謂「普通図柄作動保留球数」)を4つまで表示する。
【0019】
遊技領域4には、上記以外に、下アウト口36、各種の電飾ランプ、入賞口、風車、及び遊技釘等が設けられる。遊技領域4を流下する遊技球のうち、特別図柄始動入賞口15、大入賞口18、及びその他の入賞口のいずれにも入賞せずに、遊技領域4の下部まで流下した遊技球は、下アウト口36を通過し、遊技領域4の外部へ排出される。また、遊技盤2の背面側には、遊技の主制御、各種演出等を制御する制御部40(図4参照)が設けられる。
【0020】
図2図3を参照し、発射装置37の構造について説明する。発射装置37の発射ハンドル7は、遊技者による操作を受け付ける部位である。図2に示すように、発射ハンドル7は、支持部71と操作部72を備える。支持部71は前後方向に延びる筒状に形成され、前部に操作部72を支持する。発射ハンドル7は、支持部71の後端がパチンコ機1右下角部の取付穴(図示略)に差し込まれ、操作部72をパチンコ機1の前方に突出させた状態でパチンコ機1に固定される。
【0021】
支持部71内には発射ボリューム77が設けられる。発射ボリューム77は可変抵抗器であり、操作部72の発射レバー73の回動角度に応じて抵抗値が変化する。発射ボリューム77の軸は、発射レバー73の回転中心に接続される。発射レバー73は円盤形状の回転板であり、周縁部に複数の突部73Aが設けられる。突部73Aは、遊技時、遊技者が発射レバー73を回動するため、指を掛ける部位である。操作部72内にはばね(図示略)が設けられ、発射レバー73は、正面視、反時計回りに付勢されている。遊技者が発射レバー73を操作しないとき、発射レバー73は、回動範囲において反時計回り方向側の初期位置に配置される。このときの発射ボリューム77の抵抗値は例えば無限大となり、発射ボリューム77から信号が出力されない状態となる。遊技者が発射レバー73を時計回りに回動すると、回動量に応じて発射ボリューム77の抵抗値は減少し、回動量に応じた強度の信号が出力される。
【0022】
発射レバー73の表面には導電性のメッキ層が形成され、タッチセンサ76(図4参照)に接続される。タッチセンサ76は静電容量式のセンサであり、遊技者の手や指が発射レバー73等に触れたとき接点が閉じてON(High)になり、信号が出力される。なお、操作部72において、発射レバー73の後ろに位置する部分の表面にも導電性のメッキ層が形成され、タッチセンサ76に接続される。
【0023】
発射レバー73の前面には前カバー74が設けられる。遊技時、遊技者は前カバー74に掌を当て、手の位置を固定しながら発射レバー73を操作することができる。操作部72の左側下部側面には、球止めスイッチ75が設けられる。遊技者は、発射レバー73を操作しながら、例えば親指で、球止めスイッチ75を操作することができる。球止めスイッチ75は常時接点が閉じた状態のスイッチであり、操作時に接点が開いてOFF(Low)になり、遊技球の発射が停止される。
【0024】
発射装置37の発射機構90は、前面枠11の裏面で上皿5の右横に設けられる(図1参照)。図3に示すように、発射機構90は、取付板91、ストッパ92,93、打球槌95、発射モータ98を備える。取付板91は、前面枠11の裏側に組み付けられ、発射機構90をパチンコ機1に固定する。発射モータ98は、取付板91の裏面に設けられ、出力軸98Aを前後方向に向けて配置する。出力軸98Aは、取付板91の略中央で前面に露出する。出力軸98Aには打球槌95が取り付けられる。打球槌95は板状で、略くの字に屈曲する。出力軸98Aは、打球槌95の屈曲部分に固定される。屈曲部分から下方へ延びる腕部95Aの先端部には、打撃部95Bが設けられる。打撃部95Bは、腕部95Aの先端部から左斜め上方へ向けて突出し、圧縮ばねが嵌められる。屈曲部分から左斜め上方へ延びる腕部95Cの先端部には、釣合い部95Dが設けられる。釣合い部95Dは打球槌95の回動時に、打撃部95Bによって打球槌95に作用する遠心力の不釣り合いを抑制する。
【0025】
打球槌95は、ばね(図示略)によって正面視時計回りに付勢されている。ストッパ92は、取付板91の前面で、出力軸98Aの右方に設けられる。打球前、打球槌95の腕部95Aはストッパ92に当接し、打撃部95Bを打球前の初期位置に配置する。打球槌95は打球時に、発射モータ98によって正面視時計回りに回動する(矢印A参照)。ストッパ93は、取付板91の前面で、出力軸98Aの上方に設けられる。打球時、ストッパ93は、打球槌95の釣合い部95Dに当接し、打撃部95Bをガイドレール3の端部に配置する。
【0026】
遊技球の打ち出しが行われるとき、発射制御基板100は、発射ボリューム77の回動量に応じた大きさの励磁電流を発射モータ98に流す。発射モータ98は、励磁電流の大きさに応じたトルクを発生し、出力軸98Aを正面視時計回りに回動する。打球槌95は、矢印Aで示すように、釣合い部95Dがストッパ93に当接するまで、正面視時計回りに勢いよく回動する。打撃部95Bは、ガイドレール3上に供給される遊技球に衝突し、矢印Bで示すように、遊技球をガイドレール3に沿って打ち出す。遊技球が打ち出され、発射制御基板100が発射モータ98への励磁電流の供給を停止すると、打球槌95はばねによって反時計回りに回動し、打撃部95Bを初期位置に戻す。
【0027】
図4を参照し、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1は、遊技盤2の背面側に、各種基板を備えた制御部40を備える。制御部40は、主基板41、サブ制御基板60、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、中継基板47、電源基板42を備える。
【0028】
主基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主基板41の主制御ユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられる。主制御ユニット50には、割込信号発生回路57が接続される。割込信号発生回路57は4msごとに割り込み信号を発生し、主制御ユニット50に出力する。主基板41は、割込信号の入力を契機にプログラムを実行する。主基板41は、I/Oインタフェイス54を介し、サブ制御基板60、払出制御基板45、中継基板47、出力ポート55、第一始動口スイッチ82、第二始動口スイッチ83に接続する。出力ポート55は、図示しない遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する。第一始動口スイッチ82は、特別図柄始動入賞口15に入賞した遊技球を検出する。第二始動口スイッチ83は、普通電動役物13に入賞した遊技球を検出する。
【0029】
サブ制御基板60は、CPU61、RAM62、ROM63を備える。CPU61は、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。RAM62は、CPU61による演算処理で得られたデータを一時的に記憶する。ROM63は、サブ制御基板処理(図示略)を実行するためのプログラム、及びプログラムが使用する各種フラグやデータの初期値等を記憶する。
【0030】
サブ制御基板60は、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、スピーカ48に接続する。ランプドライバ基板46は電飾基板31に接続する。ランプドライバ基板46は、サブ制御基板60から受信するコマンドに従って電飾基板31の駆動を制御し、遊技状態に応じて前面枠11等に設けられた各種電飾ランプ(図示略)の発光等を制御する。演出制御基板43は、CPU431、CGROM432等を備え、サブ制御基板60から受信するコマンドに従って図柄表示装置8の表示を制御する。CGROM432は、各種演出に用いるための動画及び静止画の画像データを記憶する。スピーカ48は、サブ制御基板60から送信されるデジタルの音信号をアナログの音に変換して出力する。
【0031】
払出制御基板45は、CPU451等を備える。CPU451は、主基板41から送信されるコマンドに応じて賞球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を賞球として払い出させる。
【0032】
中継基板47は、普通電動役物開閉ソレノイド81、大入賞口開閉ソレノイド80、普通図柄作動スイッチ84、大入賞口スイッチ85に接続する。普通電動役物開閉ソレノイド81は、普通当たり遊技中に普通電動役物13の第一開閉部材14を開閉する。大入賞口開閉ソレノイド80は、大当たり遊技中に大入賞口18の第二開閉部材19を開閉する。普通図柄作動スイッチ84は、普通図柄始動ゲート12を通過した遊技球を検出する。大入賞口スイッチ85は、大入賞口18に入賞した遊技球を検出する。また、中継基板47は、普通図柄表示部24、第一特別図柄表示部25、第二特別図柄表示部26、普通図柄記憶数表示LED59、第一特別図柄記憶数表示LED65、第二特別図柄記憶数表示LED66に接続する。
【0033】
電源基板42は、主基板41と発射制御基板100に接続されており、制御部40の各基板と発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。発射制御基板100は、発射ハンドル7の球止めスイッチ75、タッチセンサ76、発射ボリューム77と、発射機構90の発射モータ98に接続する。
【0034】
図5を参照し、発射装置37の電気的構成について説明する。発射装置37の発射制御基板100は電源基板42から供給される電力で動作し、発射モータ98の駆動を制御することによって、一定間隔(例えば0.6秒)ごとに1個ずつ遊技球を遊技領域4へ向けて発射する。
【0035】
なお、以下の説明において、発射制御基板100に設けられる各回路間では各種信号の出力及び入力がなされるが、各信号の状態には信号電圧が低いLow状態と、信号電圧がLow状態よりも高いHigh状態とがある。本実施形態では、各回路間での各信号の入出力について信号電圧の状態を示した上での説明を行うが、便宜上、信号電圧の状態を示さずに、単に信号の有無によって説明を行う場合がある。この場合の信号の有無は、それぞれ、信号電圧のHigh状態とLow状態を示すものとする。具体的に、例えば、「回路が出力する信号の状態がLowからHighになる」との記載は、便宜上、「回路が信号を出力する」と記載する場合がある。
【0036】
発射制御基板100には、発射回路部101と報知回路部102が設けられる。発射回路部101は、球止めスイッチ75、タッチセンサ76及び発射ボリューム77から出力される信号に基づいて、発射モータ98の駆動を制御する回路部である。発射回路部101には、ANDゲート150、発振回路160、分周回路170、電源回路180、駆動制御回路190が形成される。ANDゲート150は、2つの入力端子から信号の入力を受け付け、入力が共にHighの場合にのみ、Highを出力するロジック回路である。ANDゲート150の入力端子には、タッチセンサ76と球止めスイッチ75がそれぞれ接続される。ANDゲート150の出力端子は、分周回路170の入力端子に接続する。
【0037】
発振回路160は、所定周波数のクロックパルスを発生する回路である。分周回路170は、クロックパルスの周期を任意に遅らせたパルスを出力するカウンタ回路である。分周回路170には発振回路160が出力するクロックパルスが入力される。以下では、便宜上、信号がLowからHighへの立ち上がることを、単に「立ち上がり」という。分周回路170は、クロックパルスの立ち上がりエッジの数をカウントし、所定のカウント数ごとに1回立ち上がるパルス波を出力する。分周回路170の出力端子は、駆動制御回路190の入力端子に接続する。分周回路170は、0.6秒ごとに1パルスを発生するパルス波を出力し、駆動制御回路190に入力する。分周回路170は、ANDゲート150の出力が立ち上がったとき、0.6秒ごとのパルス波の出力を開始する。
【0038】
駆動制御回路190は、電源基板42に接続する電源回路180から電力の供給を受け、発射モータ98の駆動を制御する。駆動制御回路190には、発射ボリューム77が接続される。駆動制御回路190は、分周回路170が出力する0.6秒ごとのパルス波がHighのとき、発射ボリューム77の回動量に応じた大きさの励磁電流を発射モータ98に流す。
【0039】
従って、タッチセンサ76がOFF(非接触)のとき、又は球止めスイッチ75がOFF(操作中)のとき、駆動制御回路190に分周回路170からパルス波の入力がなく、発射モータ98は駆動しない。また、発射レバー73の操作がなく発射ボリューム77の抵抗値が無限大のとき、駆動制御回路190から励磁電流が流されず、発射モータ98は駆動しない。即ち、発射モータ98は、タッチセンサ76がON(接触中)、且つ球止めスイッチ75がON(非操作)で、発射レバー73が操作されたときに駆動する。
【0040】
報知回路部102は、タッチセンサ76及び発射ボリューム77から出力される信号に基づいて、中継基板47を介し、主基板41のCPU51に報知信号を出力する回路部である。以下では便宜上、タッチセンサ76から報知回路部102に入力される信号を、「接触信号」という。便宜上、発射ボリューム77から報知回路部102に入力される信号を、「操作信号」という。便宜上、報知回路部102から中継基板47に出力される信号を、「報知信号」という。
【0041】
報知回路部102には、コンパレータ120、分圧回路130、フリップフロップ110、ANDゲート140が形成される。コンパレータ120は、二つの入力端子に印加された電圧を比較して出力するロジック回路である。コンパレータ120は、非反転入力(+)端子の電圧が反転入力(−)端子よりも高い場合、Highを出力し、逆の場合はLowを出力する。コンパレータ120の非反転入力(+)端子には、発射ボリューム77の出力端子からの分岐線が接続される。コンパレータ120の反転入力(−)端子は、分圧回路130に接続される。分圧回路130は、電源電圧に接続する抵抗素子131と、基準電位に接続する抵抗素子132から構成される。分圧回路130は、コンパレータ120の反転入力(−)端子側の電位を、所定の比較電位Vcに保つ。即ちコンパレータ120は、発射ボリューム77の抵抗値が大きく、非反転入力(+)端子の電圧が比較電位Vc以下になった場合にLowを出力する。また、コンパレータ120は、発射ボリューム77の抵抗値が小さく、非反転入力(+)端子の電圧が比較電位Vcより大きくなった場合にHighを出力する。
【0042】
コンパレータ120の出力端子は、フリップフロップ110のD入力端子に接続される。また、コンパレータ120とフリップフロップ110の間には、プルアップ抵抗125が設けられる。コンパレータ120は、発射ボリューム77が出力する回動量に応じた強度の操作信号を、比較電位Vcを基準に、High/Lowの二値を示す信号に変換する。比較電位Vcは、例えば、打球槌95が遊技球を遊技領域4内に突入できる強さで打ち出すためのトルクを発生可能な電力を発射モータ98に供給するのに必要な電位である。
【0043】
フリップフロップ110は、所謂D型フリップフロップであり、クロック(CLK)入力の立ち上がりエッジにおけるD入力の値をQ出力として保持するロジック回路である。また、タッチセンサ76の出力は分岐し、フリップフロップ110のCLK端子と、ANDゲート140の入力端子に接続する。従ってフリップフロップ110は、接触信号(タッチセンサ76の出力)がLowからHighへの立ち上がりにおいて、発射ボリューム77の出力端子の電圧が比較電位Vcより大きく、操作信号(コンパレータ120を介した発射ボリューム77の出力)がHighであるならば、Q出力をHighで出力し、且つHighに保持する。また、フリップフロップ110は、接触信号がLowからHighへの立ち上がりにおいて、発射ボリューム77の出力端子の電圧が比較電位Vc以下であり、操作信号がLowであるならば、Q出力をLowで出力し、且つLowに保持する。
【0044】
フリップフロップ110のQ端子は、ANDゲート140の入力端子に接続する。ANDゲート140の出力は、中継基板47を介し、主基板41のCPU51に入力される。ANDゲート140は、フリップフロップ110からのQ出力と、タッチセンサ76の接触信号の入力を受け付け、入力が共にHighの場合にのみ、出力がHighになり、報知信号を出力する。フリップフロップ110からのQ出力がLowである場合、又は接触信号がLowである場合には、ANDゲート140の出力はLowであり、報知信号は出力されない。
【0045】
次に、パチンコ機1の動作について簡単に説明する。発射ハンドル7の操作によって発射装置37から発射される遊技球が特別図柄始動入賞口15へ入賞すると、第一当たり乱数、第一特別図柄決定乱数及び第一変動パターン決定乱数が取得され、第一当たり判定が行われる。第一当たり乱数、第一特別図柄決定乱数及び第一変動パターン決定乱数は、それぞれの各乱数に対応してRAM52に設けられる乱数取得カウンタ(図示略)の値がそれぞれ読み出されることによって取得される。第一当たり判定では、第一当たり乱数が大当たりであるか、はずれであるかが判定される。第一特別図柄表示部25には、第一当たり判定の結果と第一特別図柄決定乱数に基づき、複数の第一特別図柄のうちの1つが表示される。その過程において、第一変動パターン決定乱数に基づく特別図柄変動パターンに従う演出が実行される。第一当たり判定の結果、大当たりであると判定されると、大入賞口18が開放される大当たり遊技が実行される。
【0046】
また、普通図柄始動ゲート12を遊技球が通過すると普通当たり判定が行われて、判定結果が普通図柄表示部24に表示される。その結果、普通当たりであると判定されると、普通電動役物13が開放される。普通電動役物13へ遊技球が入賞すると、第二当たり乱数、第二特別図柄決定乱数及び第二変動パターン決定乱数が取得され、第二当たり判定が行われる。第二当たり乱数、第二特別図柄決定乱数及び第二変動パターン決定乱数は、それぞれの各乱数に対応してRAM52に設けられる乱数取得カウンタ(図示略)の値がそれぞれ読み出されることによって取得される。第二変動パターン決定乱数に基づく特別図柄変動パターンに従う演出が実行され、第二特別図柄表示部26に、第二当たり判定の結果と第二特別図柄決定乱数に基づき決定される第二特別図柄が表示される。第二当たり判定の結果、大当たりであると判定されると、上記同様に大当たり遊技が実行される。
【0047】
図5図6を参照し、発射装置37の動作を説明する。発射装置37は、制御部40によるパチンコ機1の制御とは独立に動作する。T1タイミング以前は、遊技者がパチンコ機1における遊技を行わない時期である。発射レバー73の操作が行われないため、発射ボリューム77からの報知回路部102に入力される操作信号は、コンパレータ120からLowの信号として出力される。また、遊技者が発射ハンドル7に触れないため、タッチセンサ76の出力(接触信号)はLowである。フリップフロップ110の出力は、Lowに維持される。
【0048】
遊技者がT1タイミングに発射ハンドル7を握って発射レバー73の操作を開始すると、接触信号はLowからHighに立ち上がる。操作信号の状態は、遊技者の操作量(発射レバー73の回動量)に応じて増加する。遊技球の打ち出しが開始される。T1タイミングにおいては、発射ボリューム77の出力端子の電圧が比較電位Vc以下であるので、コンパレータ120の出力はLowであり、フリップフロップ110からの出力もLowである。ANDゲート140の出力がLowであるので、報知回路部102から中継基板47に報知信号は出力されない。
【0049】
T2タイミングにおいて、発射ボリューム77の出力端子の電圧が比較電位Vcを越えると、コンパレータ120の出力はHighになる。遊技者が発射ハンドル7を握ったまま操作を行い、接触信号がHighに維持されているので、報知回路部102から報知信号は出力されない。発射レバー73の操作中、例えばT3〜T4タイミングに一時的に操作信号が低下してコンパレータ120の出力がLowになっても、遊技者が発射ハンドル7から手を離さず接触信号がHighに維持されていれば、報知回路部102から報知信号は出力されない。遊技球の打ち出しは継続される。
【0050】
T5タイミングにおいて、遊技者が発射レバー73の操作を止めて、発射ハンドル7から手を離と、接触信号はLowになる。発射レバー73がばねによって反時計回りに回動するため、操作信号は低下する。T6タイミングに、発射ボリューム77の出力端子の電圧が比較電位Vc以下となると、コンパレータ120の出力はLowになる。T7タイミングに、発射レバー73は、初期位置に戻る。遊技球の打ち出しが停止される。この間、接触信号は立ち上がらないので、報知回路部102から報知信号は出力されない。
【0051】
T8タイミングに、遊技者が再び発射ハンドル7を握り、発射レバー73の操作を開始すると、接触信号がLowからHighに立ち上がる。遊技球の打ち出しが開始される。T1タイミングと同様に、発射ボリューム77の出力端子の電圧が比較電位Vc以下であるので、コンパレータ120の出力はLowであり、報知回路部102から報知信号の出力はない。T9タイミングには、T2タイミングと同様に、発射ボリューム77の出力端子の電圧が比較電位Vcを越え、コンパレータ120の出力がHighになるが、報知回路部102から報知信号は出力されない。
【0052】
T10タイミングに、遊技者が発射ハンドル7に、例えば硬貨等を挟み込んだ場合、発射レバー73の回動量が固定される。遊技球の打ち出しは継続される。T11タイミングに、遊技者が発射ハンドル7から手を離と、接触信号はLowになる。遊技球の打ち出しは停止される。発射レバー73が固定されているので、操作信号は比較電位Vcより高い状態に維持され、コンパレータ120の出力がHighに維持される。
【0053】
T12タイミングに、遊技者が発射ハンドル7に触れると、接触信号がLowからHighに立ち上がる。発射レバー73が固定されており、コンパレータ120の出力がHighであるので、遊技球の打ち出しが開始される。フリップフロップ110は、接触信号が立ち上がるT12タイミングにおいて、コンパレータ120の出力がHighであるので、Highを出力し、以後Highに維持する。T12タイミングにおいて、フリップフロップ110の出力がHighであり、且つ接触信号がHighであるので、ANDゲート140の出力はHighになり、中継基板47を介し、主基板41のCPU51に対して報知回路部102から報知信号が出力される。CPU51は、出力ポート55から、遊技場管理用コンピュータに、発射ハンドル7が固定されていることを報せる情報を出力する。パチンコホールのスタッフは、遊技場管理用コンピュータが得た情報に基づき、遊技者に、発射ハンドル7の固定解除を促してもよい。
【0054】
また、CPU51は、サブ制御基板60に、発射ハンドル7が固定されていることを報せるコマンドを出力してもよい。この場合、サブ制御基板60のCPU61は、例えばランプドライバ基板46に、発射ハンドル7が固定されていることを報せるコマンドを出力してもよい。ランプドライバ基板46は、例えば、電飾基板31の駆動を制御し、前面枠11等の各種電飾ランプを、発射ハンドル7が固定されていることを報せる所定のパターンや所定の色に発光させてもよい。パチンコホールのスタッフは、電飾ランプの発光状態に基づき、遊技者に、発射ハンドル7の固定解除を促してもよい。
【0055】
また、サブ制御基板60のCPU61は、例えば演出制御基板43のCPU431に、発射ハンドル7が固定されていることを報せるコマンドを出力してもよい。この場合、CPU431は、例えば、図柄表示装置8の表示画面28に、遊技者に発射ハンドル7の固定解除を促す表示を行ってもよい。
【0056】
T13タイミングに、遊技者が発射ハンドル7から手を離すと、接触信号はLowになる。遊技球の打ち出しは停止される。フリップフロップ110の出力はHighに維持される。接触信号がLowであるので、ANDゲート140の出力はLowになる。報知回路部102から報知信号は出力されない。T14タイミングに、遊技者が発射レバー73の固定を解除すると、発射レバー73が初期位置に戻り、操作信号はLowになる。その後、T15タイミングに、遊技者が再び発射ハンドル7に触れることによって接触信号が立ち上がったとき、フリップフロップ110の出力は、Lowに戻る。
【0057】
以上説明したように、通常、遊技者は発射ハンドル7に触れてから、触れた状態で発射レバー73の操作を行う。遊技が正当に行われる場合、接触信号の出力(タッチセンサ76の出力)が開始される時に、発射レバー73は初期位置にあるので、操作信号(発射ボリューム77の出力)は出力されていない。遊技者によって発射レバー73が操作された状態に固定された場合、操作信号はタッチセンサ76から出力された状態に維持される。遊技者が一度でも発射ハンドル7に非接触となり、再び発射ハンドル7に接触した時、操作信号がタッチセンサ76から出力された状態のまま接触信号が入力されるので、報知回路部102は報知信号を出力する。即ち、報知回路部102は、接触信号が入力されたタイミングに、直ちに、且つ誤検出することなく確実に、遊技者によって発射レバー73が固定された状態であることを検出することができる。故に発射装置37は、発射レバー73の固定の有無を確実且つ迅速に検出することができる。
【0058】
報知回路部102は、接触信号の入力時に、コンパレータ120によって、発射レバー73が所定の操作量より大きく操作された状態で固定された場合にのみ、報知信号を出力する。故に発射装置37は、発射レバー73の固定の有無を、より確実に、検出することができる。
【0059】
ANDゲート140は、遊技者が発射ハンドル7に非接触の状態となった場合に、報知信号の出力を停止することができる。故に発射装置37は、遊技者が発射レバー73を固定しながら遊技を続けなければ、報知信号の出力を停止できる。
【0060】
本発明は、以上詳述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは言うまでもない。コンパレータ120はなくてもよい。この場合、コンパレータ120の代わりに、発射ボリューム77のON(閉回路状態)/OFF(開回路状態)に応じてフリップフロップ110のD端子にHigh/Lowの信号を入力する回路を設けてもよい。又は、フリップフロップ110のD端子に発射ボリューム77を接続し、スレッショルド電圧に応じて操作信号のHigh/Lowの状態が処理されてもよい。
【0061】
ANDゲート140はなくてもよい。分圧回路130は、例えば可変抵抗器を用いて構成し、比較電位Vcを変更可能に設けてもよい。
【0062】
特許請求の範囲、明細書及び図面に記載される全ての要素(例えば、表示装置、普通電動役物、図柄作動口等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、各要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。従って、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「表示装置」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。更には、上記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、特許請求の範囲等において特定していない限り、何れも当業者であれば極めて容易に考えられる事項であるため、あえて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、本発明に係る権利範囲に含まれることは勿論である。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を有する遊技機を、本実施形態に記載がなされていないことを理由に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはならない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施形態から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。
【0063】
なお、本発明においては、パチンコ機1が「遊技機」に相当する。発射ハンドル7が「操作手段」に相当する。発射ボリューム77が「検量手段」に相当する。タッチセンサ76が「接触手段」に相当する。発射モータ98が「駆動手段」に相当する。打球槌95が「射出手段」に相当する。発射装置37が「発射手段」に相当する。報知回路部102が「報知手段」に相当する。コンパレータ120が「操作検出手段」に相当する。
【符号の説明】
【0064】
1 パチンコ機
7 発射ハンドル
37 発射装置
73 発射レバー
76 タッチセンサ
77 発射ボリューム
95 打球槌
98 発射モータ
102 報知回路部
120 コンパレータ
140 ANDゲート
Vc 比較電位
図1
図2
図3
図4
図5
図6