(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6771829
(24)【登録日】2020年10月2日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】遠隔操作が可能な射出成形機
(51)【国際特許分類】
B29C 45/03 20060101AFI20201012BHJP
B22D 17/32 20060101ALI20201012BHJP
G16Y 10/25 20200101ALI20201012BHJP
【FI】
B29C45/03
B22D17/32 Z
G16Y10/25
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-15061(P2018-15061)
(22)【出願日】2018年1月31日
(65)【公開番号】特開2019-130793(P2019-130793A)
(43)【公開日】2019年8月8日
【審査請求日】2019年2月18日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004215
【氏名又は名称】株式会社日本製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100097696
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 嘉昭
(74)【代理人】
【識別番号】100147072
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 裕通
(72)【発明者】
【氏名】小末 将吾
【審査官】
▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】
特開2015−116757(JP,A)
【文献】
国際公開第2017/179730(WO,A1)
【文献】
特開2017−185718(JP,A)
【文献】
特開2013−237192(JP,A)
【文献】
特開2002−086531(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0106420(US,A1)
【文献】
特開2017−119261(JP,A)
【文献】
特開平07−001530(JP,A)
【文献】
特開平07−046675(JP,A)
【文献】
特開2017−151548(JP,A)
【文献】
特開2009−147651(JP,A)
【文献】
特開2007−122620(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00−45/84
B22D 17/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成形機に対してユーザ認証によりネットワーク端末がネットワーク接続されると、前記射出成形機に付属のモニタに表示中の操作画面と同じ画面が前記ネットワーク端末上に表示されて前記ネットワーク端末から前記操作画面を間接的に操作できるようになり、そして前記モニタにユーザ情報ウィンドウが生成されて認証されたユーザについての顔写真を含むユーザ情報が表示されるようになっており、
前記ネットワーク端末の接続が終了すると前記モニタから前記ユーザ情報ウィンドウが閉じられるようになっていることを特徴とする射出成形機。
【請求項2】
請求項1に記載の射出成形機において、前記ネットワーク端末上において前記ユーザ情報が表示されるようになっていることを特徴とする射出成形機。
【請求項3】
請求項1または2に記載の射出成形機において、前記ネットワーク端末は、複数台の射出成形機に同時にネットワーク接続でき、そしてネットワーク接続された複数台の射出成形機のそれぞれに対応する複数枚の操作画面がマルチウィンドウで表示されるようになっており、
前記ネットワーク端末上においてポインタデバイスにより所定の操作画面が選択状態となるアクティブと、非選択状態である非アクティブとに切換えられるとき、該所定の操作画面に対応する射出成形機において前記ユーザ情報ウィンドウの表示色が切換えられるようになっていることを特徴とする射出成形機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク端末を介して操作が可能な射出成形機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来周知のように、射出成形機は金型を型締めする型締装置、射出材料を溶融すると共に型締めされた金型内に射出材料を射出する射出装置、これらの装置を制御するコントローラ等から構成されている。型締装置は、固定盤、可動盤、型締機構等から構成され、型締機構を所定の方向に駆動すると固定盤と可動盤のそれぞれに設けられている金型が型閉じ、型締めされ、逆方向に駆動すると型開きするようになっている。また射出装置は、加熱シリンダ、この加熱シリンダ内で回転方向と軸方向とに駆動されるスクリュ等から構成され、加熱シリンダの後方に設けられているホッパから射出材料を供給し、スクリュを回転方向に駆動すると、加熱シリンダに設けられているヒータからの熱と、スクリュの回転のせん断力による熱とによって射出材料が溶融し、スクリュが後退してスクリュの先端に射出材料を計量することができる。そしてスクリュを軸方向に駆動すると射出材料を射出することができる。
【0003】
射出成形の各工程においては、これらの装置を適切に制御する必要があり、色々なデータをコントローラに設定したりデータを監視する必要がある。コントローラにはモニタが設けられ、このモニタ上に各種の画面が表示され、データを設定したり監視できるようになっている。このように従来の多くの射出成形機においてはデータを設定したり監視する等の、いわゆる射出成形機の操作は射出成形機に付属しているモニタによって実施するようになっている。しかしながら、近年ネットワーク端末を介して接続される射出成形機であって、ネットワーク端末から遠隔操作が可能な射出成形機も提案されてきている。このような射出成形機は、例えば特許文献1、2において提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−1530号公報
【特許文献2】特開平7−46675号公報
【0005】
特許文献1に記載の射出成形機は、成形条件作成装置が接続されるようになっている。成形条件作成装置はパソコン等からなり、いわゆるネットワーク端末であるが、各種の成形条件は成形条件作成装置において設定することができるようになっている。成形条件作成装置で成形条件を設定後、成形条件作成装置を射出成形機にネットワーク接続し、通信処理を行うと、成形条件が射出成形機に転送される。これによって射出成形機を操作することができる。
【0006】
特許文献2には、複数台の射出成形機に接続可能な遠隔制御装置が記載されている。この遠隔制御装置もネットワーク端末であり、射出成形機にネットワーク接続されるようになっている。この文献に記載の遠隔制御装置は、複数台の射出成形機の中から切換えて、所望の射出成形機にネットワーク接続できるようになっている。遠隔制御装置が所定の射出成形機に切換えられたら、遠隔制御装置にはその射出成形機の画面が表示される。従って遠隔制御装置から射出装置を操作することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の射出成形機、あるいは特許文献2に記載の射出成形機もノートパソコン等のネットワーク端末を接続すれば操作することができ、また射出成形機を遠隔で監視することもでき優れてはいる。しかしながら解決すべき問題も見受けられる。具体的には、誤操作の防止が考慮されていない点をあげることができる。特許文献1に記載の成形条件作成装置も、特許文献2に記載の遠隔制御装置も、いずれもネットワーク接続されるようになっているので、複数台の射出成形機から任意に選択して接続できる。そうすると、誤って意図しない射出成形機に接続してしまう危険ががあるが、接続先の射出成形機を間違えてしまっても、ユーザは誤りに気づきにくい。そうするとユーザは所定の射出成形機についてデータの設定や監視を実施しているつもりで、誤って他の射出成形機を操作してしまう危険がある。さらには操作のバッティングの問題もある。具体的にはネットワーク接続により遠隔操作中の射出成形機について、他のユーザが気づかずに直接射出成形機のモニタにおいて射出成形機を操作してしまう問題である。操作のバッティングがあると、データを設定する操作をしている場合にデータの不整合が生じてしまい問題がある。
【0008】
本発明は、上記したような問題点を解決した射出成形機を提供することを目的とし、具体的には、ネットワーク接続により遠隔操作が可能な射出成形機であって、接続先の射出成形機を誤る誤操作を防止でき、遠隔操作中の射出成形機に対して他のユーザが誤って操作する操作のバッティングを防止できる、射出成形機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明を完成にするにあたり、発明者は射出成形機の操作環境を調査し、射出成形機において遠隔操作が必要となる状況について整理した。その結果、射出成形機から比較的離れた場所からの遠隔操作が必要な場合もあるが、射出成形機の近傍からの遠隔操作が必要な場合もあり、後者のニーズが比較的高いことが判明した。射出成形機の近傍には成形品を搬送するベルトコンベヤ等の搬送装置や、成形品を検査する検査装置等が設けられ、射出成形品のコントローラのモニタの前に十分なスペースを確保することができないケースがある。このような場合において射出成形機の近傍から、例えばベルトコンベヤ越しで射出成形機を遠隔操作したいというニーズがある。このようなニーズに鑑みて、接続先の射出成形機を誤る誤操作を防止でき、遠隔操作中の射出成形機に対して他のユーザが誤って操作する操作のバッティングを防止できる射出成形機を発明した。
【0010】
本発明は、上記目的を達成するために、ユーザ認証によりネットワーク端末がネットワーク接続されて、該ネットワーク端末上に射出成形機の操作画面
と同じ操作画面が表示されるようになっている射出成形機を対象とする。そして射出成形機は、ネットワーク端末が接続されると射出成形機に付属のモニタにユーザ情報ウィンドウが生成されて認証されたユーザについての顔写真を含むユーザ情報が表示されるように構成する。このユーザ情報ウィンドウは、ネットワーク端末の接続が終了すると閉じられる。
【0011】
かくして、請求項1記載の発明は、上記目的を達成するために、
射出成形機に対してユーザ認証によりネットワーク端末がネットワーク接続さ
れると、射出成形機に付属のモニタに表示中の操作画面と同じ画面がネットワーク端末上に表示されてネットワーク端末から操作画面を間接的に操作できるようになり、そしてモニタにユーザ情報ウィンドウが生成されて認証されたユーザについての顔写真を含むユーザ情報が表示され
るようになっており、ネットワーク端末の接続が終了すると
モニタからユーザ情報ウィンドウが閉じられるようになっていることを特徴とする射出成形機として構成される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の射出成形機において、前記ネットワーク端末上に
おいて前記ユーザ情報が表示されるようになっていることを特徴とする射出成形機として構成される。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の射出成形機において、前記ネットワーク端末は、複数台の射出成形機に同時にネットワーク接続でき、そしてネットワーク接続された複数台の射出成形機のそれぞれに対応する複数枚の操作画面がマルチウィンドウで表示されるようになっており、前記ネットワーク端末上においてポインタデバイスにより所定の操作画面が選択状態となるアクティブと、非選択状態である非アクティブとに切換えられるとき、該所定の操作画面に対応する射出成形機において前記ユーザ情報ウィンドウの表示色が切換えられるようになっていることを特徴とする射出成形機として構成される。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明は、ユーザ認証によりネットワーク端末がネットワーク接続さ
れる射出成形機を対象としている。そして射出成形機は、
ユーザ認証によりネットワーク端末がネットワーク接続されると、射出成形機に付属のモニタに表示中の操作画面と同じ画面がネットワーク端末上に表示されてネットワーク端末から前記操作画面を間接的に操作できるようになり、そしてモニタにユーザ情報ウィンドウが生成されて認証されたユーザについての顔写真を含むユーザ情報が表示されるようになっており、ネットワーク端末の接続が終了するとモニタからユーザ情報ウィンドウが閉じられるように構成されている。そうすると射出成形機の比較的近傍からは、当該射出成形機がネットワークを介してネットワーク端末が接続されているかどうかが判別できる。さらにユーザ情報が射出成形機のモニタに表示されるので、誰がその射出成形機を操作しているのかも分かる。つまり操作者は自分が操作していることを確認できる。ネットワーク端末による遠隔操作は射出成形機の比較的近傍において実施することが多いが、このような比較的近傍においてネットワーク端末から射出成形機に接続する場合において、意図しない他の射出成形機に接続してしまう誤接続を防止でき、これによって射出成形機の誤操作を防止できることになる。またネットワーク端末が接続されているか否かが射出成形機のモニタ上で判断できるので、ネットワーク端末から遠隔操作中の射出成形機に対して、直接他のユーザが誤って操作する操作のバッティングを防止することもできる。そしてユーザ情報は顔写真を含んでいて顔写真によって現在操作中のユーザが判断できるので、射出成形機の誤操作を確実に防止できることになる。また他の発明によると、ネットワーク端末は、複数台の射出成形機に同時にネットワーク接続でき、そしてネットワーク接続された複数台の射出成形機のそれぞれに対応する複数枚の操作画面がマルチウィンドウで表示されるようになっており、ネットワーク端末上においてポインタデバイスにより所定の操作画面が選択状態となるアクティブと、非選択状態である非アクティブとに切換えられるとき、該所定の操作画面に対応する射出成形機において前記ユーザ情報ウィンドウの表示色が切換えられるようになっている。この発明によると、複数台の射出成形機を1台のネットワーク端末から操作することができる。そして複数台の射出成形機に接続しているネットワーク端末において、所定の操作画面をアクティブにして所定の射出成形機を操作するとき、操作しようとする射出成形機が、意図した射出成形機であるのかどうか、射出成形機のモニタのユーザ情報ウィンドウの表示色を見るだけで確認できることになる。これによって誤操作を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施の形態に係る射出成形機と、ネットワーク端末とを示す図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係るネットワーク端末を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態に係る射出成形機1を説明する。本実施の形態においても射出成形機1は従来の射出成形機と同様に、射出装置、型締装置等から構成され射出成形機1にはこれら装置を制御するコントローラと、射出成形機を操作するための各種画面が表示されるモニタ3とが設けられている。本実施の形態に係る射出成形機1は、有線または無線のネットワークインターフェースを備えており、後で説明するようにネットワーク端末4からネットワーク接続されて操作できる点に特徴がある。工場内のネットワーク、つまりLAN2には、
図1に示されているように、このような本実施の形態に係る射出成形機1a、1b、…が複数台接続されている。
【0015】
射出成形機1a、1b、…が接続されているLAN2には、ノートパソコン、タブレット型端末等の、モニタ6を備えた本実施の形態に係るネットワーク端末4も接続されるようになっている。本実施の形態においてLAN2には無線ルータ5が設けられ、ネットワーク端末4はこの無線ルータ5を介して射出成形機1a、1b、…に接続されるようになっている。
【0016】
本実施の形態に係る射出成形機1には、コントローラの記憶領域にユーザ認証のためのユーザ情報を格納するユーザ情報ファイルが設けられ、このユーザ情報ファイルには複数人のユーザ分について以下の情報が登録されている。
・ユーザID
ユーザを特定するユニークな番号である。
・パスワード
ユーザ認証に必要なパスワードである。
・顔写真
ユーザの顔写真である。
・電話番号
ユーザの電話番号である。
・メールアドレス
ユーザのメールアドレスである。
【0017】
本実施の形態に係る射出成形機1には、ネットワーク端末4と通信するためのソフトウエアが組み込まれている。具体的には、ネットワーク端末4からの接続要求を受け、ユーザ認証を行って接続を確立するサーバ機能である。このサーバ機能は射出成形機1のコントローラに組み込まれている。後で説明するようにサーバ機能が上のユーザ情報を参照してユーザ認証を行うことになる。
【0018】
本実施の形態に係るネットワーク端末4にも、射出成形機1と通信するためのクライアント機能としてのソフトウエアが組み込まれている。このクライアント機能が、射出成形機1のサーバ機能と通信を行ってユーザ認証を経て接続を確立するようになっている。ところで本実施の形態に係るネットワーク端末4のモニタ6も、本実施の形態に係る射出成形機1のモニタ3もマルチウィンドウからなる。つまり複数枚のウィンドウを同時に表示できるようになっている。
【0019】
本実施の形態に係るネットワーク端末4を本実施の形態に係る射出成形機1に接続する方法を説明する。ネットワーク端末4において所定の操作をすると、
図2に示されているように、モニタ6にウィンドウが生成されて、このウィンドウにネットワーク接続画面8が表示される。ネットワーク接続画面8はネットワーク端末4に予めインストールされている画面でありクライアント機能の一部である。ネットワーク接続画面8において、接続したい射出成形機のホスト名、あるいはIPアドレスをホスト名入力欄9に入力する。例えば
図1に示されている射出成形機1aのホスト名を入力する。そしてユーザのユーザIDをユーザID入力欄10に、パスワードをパスワード入力欄11にそれぞれ入力し、接続ボタン13をクリックする。そうするとネットワーク端末4のクライアント機能は、入力されたホスト名の射出成形機1aのサーバー機能に接続要求し、ユーザ認証を受ける。射出成形機1aのサーバ機能はユーザ情報ファイルを参照し、入力されたユーザIDとパスワードとから、ユーザ認証を行う。
【0020】
ユーザ認証に成功したら、
図1に示されているように、射出成形機1aのサーバ機能は射出成形機1aのモニタ3上に、ユーザ情報ウィンドウ15を生成し、ユーザの顔写真を表示する。ユーザ情報ウィンドウ15は比較的小さいので、モニタ3上に表示されている他の画面の妨げにはならない。なおユーザ情報ウィンドウ15にはユーザの電話番号やメールアドレスを同時に表示するようにしてもよい。ユーザは、接続しようとしている射出成形機1aにユーザに関するユーザ情報が表示されていることを見て、接続先が誤っていないことを確認することができる。一方ネットワーク端末4においてクライアント機能は、ユーザ認証に成功したらモニタ6においてネットワーク接続画面8を閉じる。次いで
図1に示されているように、仮想ネットワーク端末18を開く。仮想ネットワーク端末18はネットワーク上の仮想のモニタであり、射出成形機1aのモニタ3に表示される内容が複製されて同じ内容が表示される。つまり射出成形機1aのサーバ機能は、射出成形機1aのモニタ3に表示されている画面と全く同じ画面を仮想ネットワーク端末18に表示させる。従って仮想ネットワーク端末18にもユーザ情報ウィンドウ15が表示されることになる。ユーザは、以後ネットワーク端末4において仮想ネットワーク端末18に表示されている画面を操作し、射出成形機1aのモニタ3上に表示されている画面を間接的に操作できる。これによってユーザは、ネットワーク端末4から射出成形機1aを操作できることになる。射出成形機1aのモニタ3にはユーザ情報ウィンドウ15が表示されて操作中のユーザの顔写真が表示されているので、他のユーザは射出成形機1aが誤って操作することを防止できる。
【0021】
本実施の形態に係るネットワーク端末4は、複数台の射出成形機1a、1b、…に同時に接続できるようになっている。
図1においては、ネットワーク端末4において、仮想ネットワーク端末18だけでなく仮想ネットワーク端末18’も表示され、この仮想ネットワーク端末18’が射出成形機1cのモニタ3’に表示されている画面と同じ画面が表示されていることが示されている。この仮想ネットワーク端末18’も、上で説明したネットワーク接続画面8を最初に表示させて射出成形機1cにユーザ認証を受けた後に表示されたものである。射出成形機1cのモニタ3’にも、顔写真等のユーザ情報を表示するユーザ情報ウィンドウ15’が表示されている。ところでネットワーク端末4のモニタ6はマルチウィンドウなので、表示されている複数のウィンドウはマウス等のポインティングデバイスによって選択してアクティブ状態になったり、非選択の非アクティブ状態になったりする。仮想ネットワーク端末18、18’がアクティブ状態と非アクティブ状態とで切換えられたら、接続されている射出成形機1a、1cのモニタ3、3’上に表示されているユーザ情報ウィンドウ15、15’の色が連動して変化する。例えば、仮想ネットワーク端末18がアクティブ状態になったら、対応する射出成形機1aのモニタ3上のユーザ情報ウィンドウ15はカラーで表示され、仮想ネットワーク端末18’が非アクティブ状態になったら、対応する射出成形機1cのモニタ3’上のユーザ情報ウィンドウ15’は白黒表示される。あるいは非アクティブ状態になったら対応するユーザ情報ウィンドウ15’は半透明状態になるようにしてもよい。
【0022】
本実施の形態に係る射出成形機1は、ネットワーク端末4との接続が切断されたら、モニタ3上からユーザ情報ウィンドウ15を閉じる。例えば、ネットワーク端末4において、仮想ネットワーク端末18のウィンドウを閉じると、射出成形機1のサーバ機能は接続が切断されたものと判断する。そうするとサーバ機能は射出成形機1aのモニタ3上でユーザ情報ウィンドウ15を閉じる。これによって射出成形機1aは、遠隔操作されていないことが容易に判断できることになる。
【0023】
本実施の形態に係る射出成形機1、ネットワーク端末4は色々な変形が可能である。例えば、ユーザ情報ウィンドウ15には、顔写真が表示されるように説明したが、ユーザIDが表示されるようにしてもよいし、他のユーザを特定する情報を表示してもよい。また、ユーザ認証はユーザIDとパスワードによって実施されるように説明したが、他の方法によってユーザ認証することもできる。例えば、ネットワーク端末4に指紋認証装置を設け、指紋認証を受けることによってユーザが特定され、特定された情報が射出成形機1のサーバ機能に送信されてユーザ認証が行われてもよい。
【符号の説明】
【0024】
1 射出成形機 2 LAN
3 モニタ 4 ネットワーク端末
5 無線ルータ 6 モニタ
8 ネットワーク接続画面 15 ユーザ情報ウィンドウ
18 仮想ネットワーク端末