特許第6771837号(P6771837)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6771837
(24)【登録日】2020年10月2日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】成形相互接続デバイス及びその作製方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/02 20060101AFI20201012BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20201012BHJP
【FI】
   H05K3/02 Z
   H05K3/00 X
【請求項の数】17
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-568743(P2018-568743)
(86)(22)【出願日】2017年7月5日
(65)【公表番号】特表2019-526168(P2019-526168A)
(43)【公表日】2019年9月12日
(86)【国際出願番号】US2017040721
(87)【国際公開番号】WO2018009543
(87)【国際公開日】20180111
【審査請求日】2019年1月8日
(31)【優先権主張番号】62/359,365
(32)【優先日】2016年7月7日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/435,305
(32)【優先日】2016年12月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】ツウェイ チョー チャン
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン ツァイリンガー
(72)【発明者】
【氏名】ヒュン ジョン コー
(72)【発明者】
【氏名】パトリック ライリー
(72)【発明者】
【氏名】スクミン カン
【審査官】 黒田 久美子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−145174(JP,A)
【文献】 特開2010−205929(JP,A)
【文献】 特開平07−286280(JP,A)
【文献】 特開2016−086068(JP,A)
【文献】 特開2003−101190(JP,A)
【文献】 特開2004−214590(JP,A)
【文献】 特開平05−299815(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0212972(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/00−3/08
H05K 1/02
H05K 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形相互接続デバイス(MID)の形成方法であって、
a)パラジウム触媒材料を所望の形状のパラジウム触媒基板に射出成形する工程と、
b)前記パラジウム触媒基板の外部露出面に亘って薄い銅膜を形成する工程と、
c)前記パラジウム触媒基板から前記銅膜のいくらかをアブレーション又は除去して該銅膜の少なくとも第1、第2及び第3の部分並びに1つ以上のアブレーション区域を提供する工程と、
d)前記銅膜の第1、第2及び第3の部分のそれぞれを電解めっきして少なくとも金属めっきされた第1、第2及び第3の部分を形成する工程と、
e)前記MIDの回路部分を構成する金属めっきされた第1の部分を絶縁するために前記第2の部分をアブレーション又は除去するとともに、前記MIDのファラデーケージ部分を構成する金属めっきされた第3の部分をもたらす工程と、を含む方法。
【請求項2】
工程d)が電解銅めっき、電解ニッケルめっき及び電解金めっきすることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ソフトエッチングしていずれの不要な銅も除去する工程を更に含み、該ソフトエッチング工程は前記電解銅めっき工程の後で電解ニッケルめっき工程の前に行われる、請求項に記載の方法。
【請求項4】
工程a)で前記射出成型工程が複数のパラジウム触媒基板を有するシートを提供する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
f)前記シートをダイシングして前記MIDを互いに分離する工程を更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項6】
成形相互接続デバイス(MID)の形成方法であって、
a)パラジウム触媒材料を所望の形状のパラジウム触媒基板に射出成形する工程と、
b)前記パラジウム触媒基板の外部露出面に亘って薄い銅膜を形成する工程と、
c)前記パラジウム触媒基板から前記銅膜のいくらかをアブレーション又は除去して該銅膜の第1、第2及び第3の部分並びに1つ以上のアブレーション区域を提供する工程と、
d)前記銅膜の第1の部分を第1のめっきで電解めっきしてアセンブリを形成するとともに、前記銅膜の第3の部分を電解めっきして金属めっきされた第3の部分を形成する工程と、
e)前記アセンブリ上にはんだレジストを非選択的に付加する工程と、
f)前記第1の部分の1つ以上の個所から前記はんだレジストをアブレーション又は除去する工程と、
g)前記第1の部分の前記1つ以上の個所に電解めっきして金属めっきされた第1の部分を形成する工程と、
h)前記MIDの回路部分を構成する金属めっきされた第1の部分を絶縁するために、前記第2の部分上のはんだレジスト、前記第2の部分、前記第1の部分の1つ以上の区域からのはんだレジスト、及び、1つ以上のアブレーション区域からのはんだレジストをアブレーション又は除去するとともに、前記MIDのファラデーケージ部分を構成する金属めっきされた第3の部分をもたらす工程と、を含む方法。
【請求項7】
前記1つ以上のアブレーション区域からはんだレジストをアブレーション又は除去する工程が工程f)の間に行われる、請求項に記載の方法。
【請求項8】
工程d)で前記めっきは銅めっきであり、工程g)は電解ニッケルめっき工程及び電解金めっき工程を含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
ソフトエッチングしていずれの不要な銅も除去する工程を更に含み、該ソフトエッチング工程が工程d)の後に行われる、請求項に記載の方法。
【請求項10】
工程a)が複数のパラジウム触媒基板を有するシートを提供する、請求項に記載の方法。
【請求項11】
i)前記シートをダイシングして前記MIDを互いに分離する工程を更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
成形相互接続デバイス(MID)の形成方法であって、
a)パラジウム触媒材料を所望の形状のパラジウム触媒基板に射出成形する工程と、
b)前記パラジウム触媒基板の外部露出面に亘って薄い銅膜を形成する工程と、
c)前記パラジウム触媒基板から前記銅膜のいくらかをアブレーション又は除去して該銅膜の第1、第2及び第3の部分、並びに1つ以上のアブレーション区域を提供する工程と、
d)前記銅膜の第1の部分をめっきで電解めっきしてアセンブリを形成するとともに、前記銅膜の第3の部分を電解めっきして、金属めっきされた第3の部分を形成する工程と、
e)前記アセンブリ上にはんだレジストを非選択的に付加する工程と、
f)前記MIDの回路部分を構成する金属めっきされた第1の部分を絶縁するために、前記第2の部分上のはんだレジスト、前記第2の部分、前記第1の部分の1つ以上の区域からのはんだレジスト、及び1つ以上のアブレーション区域からのはんだレジストをアブレーション又は除去するとともに、前記MIDのファラデーケージ部分を構成する前記金属めっきされた第3の部分をもたらす工程と、を含む方法。
【請求項13】
前記1つ以上のアブレーション区域からはんだレジストをアブレーション又は除去する前記工程が工程f)の間に行われる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
工程d)が電解銅めっき工程、電解ニッケルめっき工程、及び電解金めっき工程を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
ソフトエッチングしていずれの不要な銅も除去する工程を更に含み、前記ソフトエッチング工程が前記電解銅めっき工程の後に行われる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
工程a)が複数のパラジウム触媒基板を有するシートを提供する、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
h)前記シートをダイシングして前記MIDを互いから分離する工程を更に含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2016年7月7日に出願された米国特許仮出願第62/359,365号、及び2016年12月16日に出願された米国特許仮出願第62/435,305号に対する優先権を主張するものであり、これらの内容はその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
成形相互接続デバイス(Molded interconnect device、「MID」)は、典型的には、プラスチック構成要素及び電子回路トレースを含む立体的に製造された部品である。プラスチック基板又はハウジングが生成され、電気回路及びデバイスが、プラスチック基板の上にめっきされるか、層状化されるか又は埋め込まれる。MIDは、典型的には、従来から製造されているデバイスよりも少ない部品を有し、これは、空間及び重量の節減をもたらす。MIDの用途として、携帯電話、現金自動預け払い機、自動車用のハンドル構成要素、RFID構成要素、照明、医療デバイス並びに他の多くの消費者向け及び/又は市販用の製品が挙げられる。
【0003】
MIDを製造するための現在のプロセスは、2個取り成形、レーザ直接構造化技術(laser direct structuring technology 、LDS)、微細複合加工技術(microscopic integrated processing technology、MIPTEC)、レーザ成長添加物技術を含む。これらの製造工程のそれぞれは、当該技術分野においてしばらく知られているが、それらは、MIDの製造には更なる改良が有益であると多くの者が考えるような欠点を有する。
【0004】
2個取り成形は、典型的には、1つがめっき可能であり、1つがめっき不可能である、2つの別個のプラスチック部分の使用を伴う。めっき可能な部分は、回路を形成し、めっき不可能な部分は、機械的機能を果たし、成形を完成させる。2つの部分は、共に融合され、回路が、無電解めっきの使用によって生成される。めっき可能なプラスチックは金属化され、一方、めっき不可能なプラスチックは非導電性のままとなる。
【0005】
LDS技術は、射出成形(ポリアミド、ポリカーボネート、液晶ポリマーを含む様々な熱可塑性誘電材料のいずれかを用いる)工程、熱可塑性材料のレーザ活性化工程、及び金属化(無電解めっき)工程を伴う。レーザは、その部分の上に配線パターンをエッチングし、それを金属化のために準備する。LDSでは、単一の熱可塑性材料のみを必要とするので、成形工程が1個取りプロセスになり、2個取り成形工程に比べて一般的に好ましい。
【0006】
MIPTEC技術は、パナソニック株式会社によって提供され、成形段階、回路形成段階、めっき段階及び切断段階を伴う。
【0007】
成形段階は、ポリフタルアミド(PPA)などの熱可塑性樹脂を用いて意図した形状に射出成形することを含む。
【0008】
回路形成段階は、2つの工程、すなわち、(1)金属化及び(2)パターン形成を含む。薄い銅膜はベース金属化プロセス(銅ストライク)で形成される。次いで、レーザが使用されて、基板に損傷を与えることなく銅の除去を実現するように最適化された波長及び露光時間で、銅及び回路パターンの輪郭が除去される。
【0009】
めっき段階は、2つ又は3つの工程、すなわち、(1)電解銅めっき、(2)任意選択のソフトエッチング並びに(3)ニッケル及び金の電解めっき、を含む。まず、銅が電気めっきされて回路パターンが形成される。次いで、所望により、ソフトエッチングが加えられて回路形成段階でレーザによって除去されなかった不要な銅ストライクが除去される。最後に、電解めっき銅の上にニッケル及び金がめっきされて、回路パターンが形成され、酸化及び腐食の防止を助ける。
【0010】
任意選択の切断段階は、次いで、シート形態を個々のMIDにダイシングすることを含む。
【0011】
よって、MIPTEC技術は、LDS技術と同様に1個取り成形プロセスを有するだけでなく、微細なパターン形成及びベアチップ搭載が可能なMIDも提供する。
【0012】
レーザ成長添加物技術は、MIPTEC技術に類似しているが、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、及びアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)などの他の熱可塑性材料又は液晶ポリマー(liquid crystal polymer、LCP)をプロセスに使用できるようにする。しかし、ポリフタルアミド(PPA)のようにこれらの熱可塑性材料は全て誘電体材料であり、回路形成段階の前に表面活性化処理の別個の余分な工程を必要とする。この余分な工程は、これらの技術に時間と費用の両方を追加する。
【0013】
MIPTEC及びLDSの技術プロセスは、ラインオブサイトにないめっきの特徴に関して限界を有しており、ある状況では、不可能ですらある。例えば、図25図26に示すように、貫通孔タイプのビア60が図示されている。図25に示すような貫通孔タイプのビア60のめっきがMIPTECの技術プロセスでは実現できなかったのは、プラスチックの表面に塗布される薬剤がビア60の垂直な壁面にも塗布されねばならなかったからである。図26に示すような貫通孔タイプのビア60のめっきがLDSの技術プロセスでは実現できなかったのは、垂直な壁面がレーザ活性化に必要な入射角のために実現できなかったからである。図27は、MIPTEC及び/又はLDSの技術プロセスでは不可能である可能性が高い、本明細書でオーバーハング又はアンダーカットと称される、異なるラインオブサイトの特徴70を示す。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
製造プロセスの第1の好ましい実施形態は、例えば樹脂又はエポキシの成形化合物などのパラジウム触媒材料を所望の形状のパラジウム触媒基板に射出成形する工程と、パラジウム触媒基板の外部露出面に亘って銅薄膜を形成する工程と、パラジウム触媒基板から銅膜のいくらかをアブレーション又は除去して銅膜の第1、第2及び任意選択の第3の部分を提供する工程と、銅膜の第1、第2及び第3の部分のそれぞれを電解めっきして金属めっきされた第1、第2及び第3の部分を形成する工程と、金属めっきされた第1の部分を金属めっきされた第3の部分から絶縁するために第2の部分をアブレーション又は除去する工程と、を含み、金属めっきされた第1の部分が成形相互接続デバイス(MID)の部分の回路部分を構成し、金属めっきされた第3の部分がMIDのファラデーケージ部分を構成する。
【0015】
製造プロセスの第2の好ましい実施形態は、例えば樹脂又はエポキシの成形化合物などのパラジウム触媒材料を所望の形状のパラジウム触媒基板に射出成形する工程と、パラジウム触媒基板の外部露出面に亘って銅薄膜を形成する工程と、パラジウム触媒基板から銅膜のいくらかをアブレーション又は除去して銅膜の第1、第2及び任意選択の第3の部分を提供する工程と、電解銅めっきする工程と、ソフトエッチングしていずれの不要な銅も除去する工程と、電解ニッケルめっきする工程と、電解金めっきする工程と、金属めっきされた第1の部分を金属めっきされた第3の部分から絶縁するために第2の部分をアブレーション又は除去する工程と、を含み、金属めっきされた第1の部分がMIDの回路部分を構成し、金属めっきされた第3の部分がMIDのファラデーケージ部分を構成する。
【0016】
製造プロセスの第3の好ましい実施形態は、例えば樹脂又はエポキシの成形化合物などのパラジウム触媒材料を所望の形状のパラジウム触媒基板に射出成形する工程と、パラジウム触媒基板の外部露出面に亘って銅薄膜を形成する工程と、パラジウム触媒基板から銅膜のいくらかをアブレーション又は除去してアブレーション区域並びに銅膜の第1、第2及び任意選択の第3の部分を提供する工程と、銅めっきで銅膜の第1、第2及び第3の部分のそれぞれを電解めっきする工程と、はんだレジストを非選択的に付加する工程と、MIDを印刷回路板などの関連するデバイス又はアセンブリに接続するための接点を形成する第1の部分の個所及びアブレーション区域からはんだレジストを選択的に除去する工程と、ニッケルめっき及び金めっきで接点を電解めっきして金属めっきされた第1、第2及び第3の部分を形成する工程と、金属めっきされた第1の部分を金属めっきされた第3の部分から絶縁するために第2の部分をアブレーション又は除去する工程と、を含み、金属めっきされた第1の部分がMIDの回路部分を構成し、金属めっきされた第3の部分がMIDのファラデーケージ部分を構成する。
【0017】
製造プロセスの第4の好ましい実施形態は、例えば樹脂又はエポキシの成形化合物などのパラジウム触媒材料を所望の形状のパラジウム触媒基板に射出成形する工程と、パラジウム触媒基板の外部露出面に亘って銅薄膜を形成する工程と、パラジウム触媒基板から銅膜のいくらかをアブレーション又は除去してアブレーション区域並びに銅膜の第1、第2及び任意選択の第3の部分を提供する工程と、銅めっき、ニッケルめっき及び金めっきで銅膜の第1、第2及び第3の部分のそれぞれを電解めっきする工程と、はんだレジストを非選択的に付加する工程と、MIDを印刷回路板などの関連するデバイス又はアセンブリに接続するための接点を形成する第1の部分の箇所とアブレーション区域とからはんだレジストを選択的に除去する工程と、金属めっきされた第1の部分を金属めっきされた第3の部分から絶縁するために第2の部分をアブレーション又は除去する工程と、を含み、金属めっきされた第1の部分がMIDの回路部分を構成し、金属めっきされた第3の部分がMIDのファラデーケージ部分を構成する。
【0018】
各製造プロセスは、パラジウム触媒基板、回路部分及び任意選択のファラデーケージ部分を有するMIDをもたらし、ファラデーケージ部分と回路部分とは互いに絶縁され得る。
【0019】
本発明のこれらの及び他の態様並びに特徴を以下に更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】成形相互接続デバイス(MID)を製造するプロセスの第1の実施形態の工程を示すフローチャートである
図2】製造プロセスの第1の実施形態の電解めっき工程の部分工程を示すフローチャートである。
図3】シートの斜視図である。
図4】シートから分離された基板のうちの1つの斜視図である。
図5図4の基板の平面図である。
図6図4の基板の底面図である。
図7】第1のアセンブリの断面図である。
図8】第2のアセンブリの斜視図である。
図9図8の第2のアセンブリの平面図である。
図10図8の第2のアセンブリの底面図である。
図11】第3のアセンブリの斜視図である。
図12図11の第3のアセンブリの平面図である。
図13図11の第3のアセンブリの底面図である。
図14】一実施形態による図11の第3のアセンブリの斜視断面図である。
図15図14の一部分の拡大図である。
図16】第4の実施形態の斜視図である。
図17】成形相互接続デバイス(MID)を製造するプロセスの第2の実施形態の工程を示すフローチャートである。
図18】成形相互接続デバイス(MID)を製造するプロセスの第3の実施形態の工程を示すフローチャートである。
図19】第3の実施形態による形成時のMIDの部分斜視断面図である。
図20】第3の実施形態による形成時のMIDの斜視図である。
図21】第3の実施形態による形成時のMIDの斜視図である。
図22】成形相互接続デバイス(MID)を製造するプロセスの第4の実施形態の工程を示すフローチャートである。
図23】第4の実施形態による形成時のMIDの部分斜視断面図である。
図24】第4の実施形態による形成時のMIDの斜視図である。
図25】プロセスの任意の実施形態によってめっきすることができる貫通孔タイプのビア及びオーバーハング又はアンダーカットなどの先行技術におけるラインオブサイトの特徴の断面図を示す。
図26】プロセスの任意の実施形態によってめっきすることができる貫通孔タイプのビア及びオーバーハング又はアンダーカットなどの先行技術におけるラインオブサイトの特徴の断面図を示す。
図27】プロセスの任意の実施形態によってめっきすることができる貫通孔タイプのビア及びオーバーハング又はアンダーカットなどの先行技術におけるラインオブサイトの特徴の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示は、成形相互接続デバイス(MID)50を形成するための新規な製造プロセス100、200、300、400を対象とする。製造プロセス100、200、300、400は、プリント回路板、フレックス回路、コネクタ、熱管理フィーチャ、電磁干渉(electromagnetic interference、EMI)シールド、高電流導体、無線周波数識別(radio frequency identification、RFID)装置、アンテナ、無線電力、センサ、MEMS装置、LED、マイクロプロセッサ及びメモリ、ASIC、受動装置並びに他の電気及び電気機械装置などの生成に有用である。
【0022】
MID50の形成に用いられる製造プロセス100の第1の実施形態に関連する図1図16に着目する。図1は、製造プロセス100の各工程を描写するフローチャートを示す。図2は、製造プロセス100のサブプロセスの工程を描写するフローチャートを示す。製造プロセス100は、成形段階、回路形成段階、めっき段階及び切断段階を含む。
【0023】
製造プロセス100の成形段階は、有利なことに、符号110で参照される単一の工程のみを含む。工程110は、例えば、樹脂又はエポキシの成形化合物などのパラジウム触媒材料(当該技術分野で時々パラジウム添加と呼ばれる)が、製造目的で(それぞれ意図した形状に形成された)複数の接続された基板114を含むシート112の形態に射出成形される射出成形工程である。各基板114は、所望の3次元形状に形成され得る。いくつかの実施形態では、各基板114は、同一の3次元形状に形成される。図3は、シート112が複数の基板114を含む工程110の完了後のMID50の形成を示す。図4図6は、単一にされた基板114を示す。射出成形される材料は、パラジウム触媒樹脂であるが、パラジウム(又は金属化を可能にするために表面処理する必要がない任意の同等な材料)が材料自体内に提供されるか又は注入される材料が含まれることが意図されている。
【0024】
製造プロセス100の回路形成段階は、工程120及び工程130と称される2つの工程を含む。
【0025】
工程120は、銅薄膜122がパラジウム触媒基板114の外部露出面に亘って形成されて第1のアセンブリ123が形成される金属化工程である。金属化工程120は、一般に、銅ストライクと称される。図7は、基板114がその上に形成された銅膜122を有する工程120の完了後のMID50の形成を示す(基板114を分かり易く図示するために第1のアセンブリ123が断面で図示されている)。その上に形成された銅膜122を有しない区域124(分かり易くするために網掛けで図示されている)は、シート112内で基板114が隣接する基板114に結合されている場所である。区域124は説明のためだけに示されており、接続点として求められる位置を示していない。
【0026】
工程130は、レーザ(図示せず)が第1のアセンブリ123から銅膜122の部分をアブレーション又は除去して基板114の部分131、132を露出させ、第2のアセンブリ133を形成する回路パターン形成工程である。この作用は、MID50に提供されるべき残存する銅膜122内に回路パターンを画定し輪郭付けする。図8図10は、工程130完了後のMID50の形成を示し、アブレーション/除去されなかった銅膜122が、好ましくは、以下で更に説明するようなめっき段階にかけられる第1、第2及び任意選択の選択的に寸法決めされ形作られた第3の部分134、136、138を含む。第1の部分134は回路パターンを形成し、第2の部分136は第1の部分134を第3の部分138(提供されていれば)に接続するバス部分を形成し、第3の部分138は(提供されていれば)一般にファラデーケージ部分となる(以後、第2の部分136は単一なものと言及されるが、1つ以上の第2の部分136が提供されてもよく、以後、第3の部分138は単一なものと言及されるが、1つ以上の第3の部分138が提供されてもよい)。残りの工程は、第3の部分138の寸法/形状は必要なら変更できるとの解釈及び第3の部分138は全く提供されないこともあるとの解釈のもとで第3の部分138を図示して説明され示される。
【0027】
製造プロセス100のめっき段階は、工程140、150と称される2つの工程を含む。
【0028】
工程140は、プローブ(図示しない)が第1、第2及び第3の部分134、136、138のうちの1つに取り付け/接続され、電気が第1、第2及び第3の部分134、136、138を通過して流れ、所望の金属浴からの所望の金属分子が第1、第2及び第3の部分134、136、138の所望の金属めっきが所望の厚さに構築されるまで第1、第2及び第3の部分134、136、138に引き付けられ固着され、これによって、金属めっきされた第1、第2及び第3の部分144、146、148が形成され(金属めっきされた第3の部分148は第3の部分138が提供された場合だけに形成されることを理解すべきである)、それにより、第3のアセンブリ143が形成される。図11図13は、工程140の完了後のMID50の形成を示す。
【0029】
電解めっき工程140は、任意の所望の金属の電解めっきを含むことができることを理解すべきである。好ましい実施形態では、図14図15に示すように、電解めっき工程140は、第1、第2及び第3の部分144、146、148上に銅材料が電解めっきされて銅めっき173が形成される工程141から始まり、銅材料173の上にニッケル材料が電解めっきされてニッケルめっき174が形成される工程171が続き、ニッケル材料147の上に金材料が電解めっきされて金めっき175が形成される工程172が続く。
【0030】
工程150は、形成された第2の(バス)部分136/146をレーザ(図示しない)が第1の部分144と第3の部分148との間に基板114の表面が提供される(第2の部分146から始まって第2の部分136で終わる)までアブレーション又は除去し、これによって、見ることができる基板114の部分152が提供され、したがって、第4のアセンブリ153が形成される回路絶縁工程である。アブレーション区域152は、第1の部分144(即ち、回路パターン)が第3の部分148(即ち、ファラデーケージ部分)から絶縁されるようにアブレーション区域132に接続又は連続している。図16は工程150の完了後に形成されるMID50を示す。
【0031】
工程160は、MID50のそれぞれを分離するためにシート112がダイシングされる切断工程である。シート112は、のこぎりの通り道162(図4図16に図示せず)に沿ってダイシングされることができ、これによって、区域124が露出される。
【0032】
次いで、製造プロセス100の工程160が行われる前又は後のいずれかで、1つ以上のMID50を所望のとおりに及びいくつかの既知の方法の任意のもので検査してMID50が意図した用途に適していることを確実にすることができる。次いで、MID50は梱包されて輸送されてよい。必要なら、MID50が梱包されて輸送される前に更なる電子部品を第1の部分144(即ち、回路部分)に電気的に接続し固定してもよい。MID50のシート112は切断工程160が行われる前に梱包されて輸送され得たことを理解すべきである。
【0033】
MID50を形成するのに使用される製造プロセス200の第2の実施形態に関係する図17に着目する。図17は製造プロセス200の各工程を描写するフローチャートを示す。製造プロセス100のように、製造プロセス200は、成形段階、回路形成段階、めっき段階及び切断段階を含む。製造プロセス200は、製造プロセス100からの各工程110、120、130、140(工程141、142、143を含む)、150、160と同じ工程を含むが、好ましくはめっき工程の一部である更なる工程245も含む。工程245は、好ましくは、工程141の後だが工程142の前に行われるソフトエッチング工程である。ソフトエッチング工程245の一部として、MID50の第1、第2及び第3の部分144、146、148の一部でない領域からいずれの不要な銅も除去し、かつ、いずれの不要なニッケル及び/又は金めっきも防止するためにソフトエッチングが加えられる。
【0034】
MID50を形成するのに使用される製造プロセス300の第3の実施形態に関係する図18図21に着目する。図18は、製造プロセス300の各工程を描写するフローチャートを示す。製造プロセス100のように、製造プロセス300は、成形段階、回路形成段階、めっき段階及び切断段階を含む。製造プロセス300は、製造プロセス100からの各工程110、120、130、141、142、143、150、160と同じ工程を含み、工程141の後、工程142の前に工程380、381も含む。ソフトエッチング工程245が工程141の後に含まれてもよい。
【0035】
工程380は、図19に図示されるように、はんだレジスト337が、銅めっき173及びアブレーション区域131、132を含む全体のアセンブリ上に、非選択的に付加されるはんだレジスト付加工程である。工程380は、図20に図示されるように、レーザ(図示せず)が、印刷回路板などの関連するデバイス又はアセンブリにMID50を接続するための接点を形成する第1の部分134を覆う銅めっき173の1つ以上の区域339からはんだレジスト337をアブレーション又は除去するはんだレジスト除去工程である。いくつかの実施形態では、アブレーション区域131、132及び第2の部分136上のはんだレジスト337も工程380で除去される。いくつかの実施形態では、アブレーション区域131、132を覆うはんだレジスト337の全てが除去される。いくつかの実施形態では、アブレーション区域131、132を覆うはんだレジスト337の一部分のみが除去される。代替的に、又は追加的に、工程150の間に、第2の部分136上のはんだレジスト337及びアブレーション区域131、132上に残存し第1の部分144の絶縁を妨げるはんだレジスト337が除去される。その後、工程142及び工程143で、図21に図示されるように、ニッケルめっき174及び金めっき175のみが区域339上にめっきされる。この製造プロセス300は、使用される貴金属の量を削減し、得られたMID50が一旦他の構成要素にはんだ付けされるとはんだの流れを制限する。
【0036】
MID50を形成するのに使用される製造プロセス400の第4の実施形態に関係する図22図24に着目する。図22は、製造プロセス400の各工程を描写するフローチャートを示す。製造プロセス100のように、製造プロセス400は、成形段階、回路形成段階、めっき段階及び切断段階を含む。製造プロセス300は、製造プロセス100からの各工程110、120、130、141、142、143、150、160と同じ工程を含み、工程143の後、工程150の前に工程490、491も含む。ソフトエッチング工程245が工程141の後に含まれてもよい。
【0037】
工程490は、図23に図示されるように、はんだレジスト337が、金めっき175及びアブレーション区域131、132を含む全体のアセンブリ上に、非選択的に付加されるはんだレジスト付加工程である。工程491は、図24に図示されるように、レーザ(図示せず)が、印刷回路板などの関連するデバイス又はアセンブリにMID50を接続するための接点を形成する第1の部分134を覆う金めっき175の1つ以上の区域439からはんだレジスト337をアブレーション又は除去するはんだレジスト除去工程である。いくつかの実施形態では、アブレーション区域131、132及び第2の部分136上のはんだレジスト337も工程491で除去される。いくつかの実施形態では、アブレーション区域131、132を覆うはんだレジスト337の全てが除去される。いくつかの実施形態では、アブレーション区域131、132を覆うはんだレジスト337の一部分のみが除去される。代替的に、又は追加的に、工程150の間に、第2の部分136上のはんだレジスト337及びアブレーション区域131、132上に残存し第1の部分144の絶縁を妨げるはんだレジスト337が除去される。この製造プロセス400は、得られたMID50が一旦他の構成要素にはんだ付けされるとはんだの流れを制限する。
【0038】
MID50を形成する各製造プロセス100、200、300、400は、従来知られたMID製造プロセスと比べて、特に、MIPTEC及びレーザ成長添加物技術と比べて有利である。より具体的には、射出成形材料がパラジウムを注入されたとき、従来知られたMID製造プロセスで求められるタイプの基板114に対する表面活性化処理のいずれのタイプも行う必要がなくなる。これにより、各製造プロセス100、200、300、400は、従来知られたMID製造プロセスの全てに必要とされた工程を取り除き、したがって、製造コスト及び製造時間の両方が節減される。
【0039】
MIPTEC及びLDSの技術プロセスも、ラインオブサイトにないめっきの特徴に関して、限界を有しており、ある状況では、不可能ですらある。例えば、図25図26に示すように、貫通孔タイプのビア60が図示されている。図25に示すような貫通孔タイプのビア60のめっきは、MIPTECの技術プロセスでは実現できなかった。なぜなら、プラスチックの表面に塗布される薬剤はビア60の垂直な壁面にも塗布されねばならなかったからである。図26に示すような貫通孔タイプのビア60のめっきは、LDSの技術プロセスでは実現できなかった。なぜなら、垂直な壁面はレーザ活性化に必要な入射角のせいで実現できなかったからである。図27は、MIPTEC及び/又はLDSの技術プロセスでは不可能と思われる、本明細書でオーバーハング又はアンダーカットと称される、異なるラインオブサイトの特徴70を示す。しかし、図25図27の貫通孔タイプのビア60及びオーバーハング/アンダーカット70は、本明細書で説明し示した各製造プロセス100、200、300、400で容易にめっきすることができる。
【0040】
更に、各製造プロセス100、200、300、400は、従来知られたMID製造プロセスと比べて向上しためっき密着性を提供し、したがって、製造プロセス100、200、300、400から形成されたMID50は従来知られたMID製造プロセスから形成されたMIDよりも頑丈で信頼性が高くなる。
【0041】
有利なことに、各製造プロセス100、200、300、400は、第3の部分148が任意のパッケージ化された集積回路の用途に対してより良好なEMIシールドを提供するのに役立つファラデーケージを提供するファラデーケージ構成を有するMID50を提供することができる。ファラデーケージ構成の提供を助けるために、シート112に提供される各基板114がのこぎり通路(即ち、工程160の間にシート112がダイシングされて個々のMID50が提供される場所)に沿って形成される1つ以上のビア(図示せず)を有してよい。これらのビアは、工程120及び140/140aのMID50の全ての側面の金属化及び電解めっきをそれぞれ可能にする。提供されている場合、ファラデーケージ構成の寸法/形状は必要に応じて変化し得ることを理解すべきである。
【0042】
本明細書に引用される刊行物、特許出願、及び特許を含む全ての参考文献は、各参考文献が参照によって組み込まれるように個々に及び具体的に示され、かつ本明細書にその全体が規定されるのと同程度に、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0043】
発明の説明の文脈における(特に、以下の特許請求の範囲の文脈における)「a」及び「an」及び「the」及び「少なくとも1つの」という用語、並びに類似の指示物の使用は、本明細書に特に指示がない限り又は文脈と明確に相反しない限り、単数及び複数形の両方を包含するように解釈されるものとする。1つ以上の項目の一覧が後に続く「少なくとも1つ」という用語の使用(例えば、「A及びBのうちの少なくとも1つ」)は、本明細書に特に指示がない限り又は文脈と明確に相反しない限り、列記された項目(A若しくはB)から選択された1つの項目又は列記された項目(A及びB)の2つ以上の任意の組み合わせを意味するように解釈されるものとする。「備える」、「有する」、「含む」、及び「含有する」という用語は、特に記載がない限り、制限のない用語(すなわち、「〜が挙げられるが、それに限定されない」を意味する)として解釈されるものとする。本明細書における値の範囲の記述は、本明細書に特に指示がない限り、単に、範囲内にあるそれぞれの別個の値を個々に言及する簡略化法として機能することが意図され、それぞれの別個の値は、それが本明細書に個々に記述されたかのように明細書に組み込まれる。本明細書に説明される全てのプロセスは、本明細書に特に指示がない限り又は文脈と明確に相反しない限り、任意の好適な順序で行うことができる。本明細書に提供された任意の及び全ての例、又は例示的な文言(例えば、「〜など」)の使用は、単に、発明をより良好に明らかにすることが意図され、特に特許請求されない限り、発明の範囲への限定をもたらさない。明細書における文言は、発明の実施に欠かせないとして、いかなる特許請求されない要素も指示するものとして解釈されるべきではない。
【0044】
本発明の好ましい実施形態は、本明細書に説明され、発明を実行するために発明者らに既知である最良の形態を含む。それらの好ましい実施形態の変形は、前述の説明を読んだ後に当業者に明らかになるであろう。発明者らは、当業者が、必要に応じてかかる変形を採用することを期待し、発明者らは、本明細書に具体的に説明されるようなもの以外に発明が実施されることを意図する。したがって、本発明は、適用法によって許容されるように、本明細書に添付された特許請求の範囲に記述された主題の全ての修正及び等価物を含む。その上、それらの全ての可能な変形における上記要素の任意の組み合わせは、本明細書に特に指示がない限り又は文脈と明確に相反しない限り、発明に包含される。
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