(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記把持具は、金属材料で形成され、前記把持領域は、前記フィンガ要素に形成された切れ込みであり、各々の切れ込みは、前記制御リングの一部分に機械的に係合するサイズとされている、請求項1に記載のカテーテル送入システム。
【背景技術】
【0002】
動脈瘤および他の動静脈の奇形などの血管の障害および異常は、重要な組織の付近に位置する場合や、奇形への容易なアクセスが得られない場合に、処置がきわめて困難である。これら両方の困難因子は、とりわけ頭蓋の動脈瘤に当てはまる。頭蓋の血管を囲んでいる繊細な脳組織および限られたアクセスゆえに、頭蓋の血管の異常を外科的に処置することは、きわめて困難かつ多くの場合に危険である。
【0003】
血管内の埋め込み物による動脈瘤の処置において、目標は、動脈瘤の嚢(sac)の内部空間を動脈の血液の圧力および流れから除外することである。動脈瘤の内壁が血液の圧力および/または流れに曝される限りにおいて、動脈瘤の破裂の恐れが存在する。
【0004】
非外科的な処置として、カテーテル送入システムを使用して配置される塞栓コイルなどの血管閉塞装置が挙げられる。頭蓋の動脈瘤を処置するための現時点における好ましい手順においては、塞栓コイル送入カテーテルの遠位端が、まずは典型的には鼠径部の大腿動脈を通って患者の頭蓋以外の血管へと挿入され、頭蓋内の血管の所定の送入場所へと案内される。次いで、動脈瘤の嚢が、壁を血液の圧力および流れから保護する固体の血栓塊の形成を生じさせる塞栓材料で満たされる。好ましくは、血栓塊が、動脈瘤の頸部の平面に沿った当初の血管の形状を実質的に回復する。頸部の平面は、動脈瘤が形成されていない場合に血管の内膜が存在すると考えられる仮想の表面である。しかしながら、塞栓コイルの単純な利用は、時間につれて動脈瘤の再開通および/またはコイルの収縮が生じうるため、動脈瘤の処置において常には有効でない。
【0005】
動脈瘤の嚢において使用される袋が、米国特許第6,346,117号および第6,391,037号においてGreenhalghによって説明され、動脈瘤の頸部の閉塞装置が、Wallaceによって米国特許第6,454,780号に示されている。着脱式の頸部ブリッジが、例えば米国特許第6,036,720号においてAbramsらによって開示され、米国特許第7,410,482号においてMurphyらによって開示されている。好ましくは、1つ以上の塞栓コイルが、動脈瘤の嚢を満たすべく、頸部ブリッジまたは他の閉塞装置の中へと送入され、あるいは頸部ブリッジまたは他の閉塞装置を通って送入される。
【0006】
さらに別の種類の血管閉塞装置が、Hortonによって米国特許第5,645,558号において、動脈瘤または瘻孔などの血管の空洞への配置後に緩んだときにおおむね球形または卵形の血管閉塞用構造体を形成するように巻かれた可撓な材料からなる1本以上のストランドを有するものとして示されている。同様に、Guglielmiによる米国特許第5,916,235号が、着脱式のコイルを記載している先行の特許を引用したうえで、動脈瘤において広げられた後に1つ以上のコイルを受け入れて保持することができる血管閉塞用構造体としての膨張式のかご(cage)を開示している。自動膨張式の動脈瘤充てん装置が、Veznedarogluらによって米国特許出願公開第2010/0069948号に開示されている。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明を、患者の血管の動脈瘤の血管内治療に適した閉塞装置であって、近位端領域および遠位端領域を有し、第1の広がった状態および第2の畳まれた状態を有する実質的に管状の構造体を備える閉塞装置によって達成することができる。装置は、第2の畳まれた状態において、マイクロカテーテルなどのカテーテルを利用して患者の血管系を通過し、さらに動脈瘤の頸部を通過する挿入に適した寸法を有する。さらに装置は、前記構造体の近位端領域に配置され、近位端領域の径方向への広がりを防止するとともに、閉塞装置の操作時に係合用の特徴部を提供するために、近位端領域を少なくとも実質的に囲む実質的に環状の本体を有している制御リングを備える。
【0018】
制御リングを、いくつかの機械的な構成においては送入部材上の把持具または少なくとも1つの壊れやすい部材などの解放可能な特徴部によって、他の構成においては少なくとも1つの電気分解によって切断できる要素によって、解放可能に捕まえることができる。好ましくは、制御リングは、内側通路を定め、この内側通路を通じて、少なくとも1つの塞栓コイルが動脈瘤へと挿入されることができる。別の構成においては、閉塞装置が、かご状の装置などの少なくとも1つの血管閉塞用構造体によって動脈瘤の内部に動かぬように保持される。
【0019】
図1は、マイクロカテーテル12と、血管BVから立ち上がる動脈瘤Aの嚢S内に埋め込まれる本発明による管状の閉塞装置20を保持する送入管14とを含む新規な送入システム10の遠位端を概略的に示している。一構成においては、マイクロカテーテル12が、遠位側の放射線不透過性のマーカ帯13を有しており、動脈瘤Aの頸部Nの付近へと、マーカ帯13が蛍光透視のもとで見て取られるとおりの頸部Nの高さに位置するように進められる。
【0020】
送入システム10の遠位部および閉塞装置20の拡大図が、
図2および5に示されている。閉塞装置20が、
図2においては第2の畳まれた状態でカテーテルの管腔11内に示されており、制御リング22が、送入管14の把持具30によって保持されている。制御リング22は、装置の構造体25の近位領域23の周囲に配置され、さらに詳しく後述されるように1つ以上の塞栓コイルを通過させて挿入するための内側通路26を定めている。閉塞装置20の構造体25は、網状体24および遠位領域28をさらに備えている。
【0021】
送入システム10が
図1に示されるとおりに配置された後で、送入管14が、閉塞装置20を
図3に示されるとおりに嚢S内にほぼ半球形に広げることができるように、カテーテル12の管腔11内を進められる。閉塞装置20の形状は、装置20が嚢Sの内壁に触れる場所の嚢Sに形状に一致することができる。把持具30は、依然としてカテーテル12の管腔11によって径方向について拘束され、切れ込み36および38(
図5)などの複数の把持領域によって制御リング22を把持し続ける。一構成においては、制御リング22が、放射線不透過性であり、
図3および4に示されるとおりに蛍光透視のもとでカテーテル12上のマーカ13に対して整列させられる。
【0022】
ひとたび閉塞装置20が嚢S内に配置されると、少なくとも1つの塞栓コイル40(
図4)が、矢印42によって示されるとおりに送入管14の管腔15を通り、矢印44によって示されるとおりに制御リング22の通路26を通って進められ、
図6に示されるように嚢Sを実質的に満たすとともに閉塞装置20の本体24を動脈瘤Aの内壁へと固定して頸部Nを塞ぐように、動脈瘤Aの内部を進められる(矢印46)。
【0023】
動脈瘤Aの内部に閉塞装置20を固定するために充分な量の塞栓コイル40が嚢S内に完全に配置された後で、カテーテル12が、送入管14をその場に保ちつつ、
図5に矢印51によって示されるように近位側へと引き戻されることで、把持具30のフィンガ32および34への径方向の拘束が取り除かれる。フィンガ32および34は、好ましくは径方向外側へと付勢されており、それぞれ矢印50および52の方向に移動して、制御リング22をフィンガ32および34のそれぞれの切れ込み36および38から解放する。
【0024】
一構成においては、カテーテル12が、0.05センチメートル〜0.069センチメートル(0.020インチ〜0.027インチ)の間の内径を有する内側管腔11を定めているポリマー製のマイクロカテーテルであり、送入管14が、カテーテルの管腔11の内径よりもわずかに小さい外径を有し、
図1および2に示される畳まれた状態の閉塞装置20を有する把持具30も、フィンガ32および34を制御リング22に係合するように径方向に拘束するカテーテルの管腔11の内径と実質的に同じ外径を有する。送入管14の管腔15は、0.03センチメートル〜0.038センチメートル(0.010インチ〜0.015インチ)の間の公称の外径を有する伝統的な塞栓コイル送入システムの通過を可能にすることができる直径を有する。
【0025】
いくつかの構成においては、送入管が、送入管をマイクロカテーテルに対して平行移動させる際の意図せぬマイクロカテーテルの動きを最小限にするために、とりわけ送入管の遠位端の付近に可撓性が高められた少なくとも1つの領域を有する。この少なくとも1つの可撓領域は、医療グレードのニチノール(NiTi)管へと切り込みのパターンをレーザ切断することによって一体的に製作される。他の構成においては、らせん巻きによる金属製またはポリマー製の円筒形部品ならびに/あるいは可撓なポリマー材料からなる円筒形の部位が、送入管の遠位領域へと付加される。把持具は、いくつかの構成においては、把持具を形成する材料を、各々が好ましくは本発明による制御リングの把持を向上させる切れ込みを有している少なくとも2つのフィンガ要素を生成するように、レーザ切断することによって作り出される。特定の構成においては、把持具が一体的であり、すなわち送入管の残りの部分と同じ材料で一枚岩的に形成され、他の構成においては、送入管の遠位端へと固定に取り付けられる。
【0026】
一構成においては、閉塞装置20の構造体25が、膨張可能な編み上げによる網の管を成立させる金属フィラメントで形成される。フィラメントに適した材料として、送入管から排出された後に畳まれた状態を保たないニチノールワイヤおよび白金などの他の生体適合性の金属が挙げられる。好ましくは、放射線不透過の目的で、少なくとも1つの白金ワイヤが含まれる。他の構成においては、構造体25が、畳まれた状態に「固まる」ことがない少なくとも1つのポリマー材料で形成される。
【0027】
上述の制御リング22ならびに
図7〜8Bに関して後述される制御リング22aおよび帯22bに適した材料として、白金、タンタル、および金などの生体適合性かつ放射線不透過性の材料が挙げられる。他の適切な金属材料として、コバルトクロム、ステンレス鋼、および2つ以上の生体適合性の金属の組み合わせが挙げられる。適切なポリマー材料として、さらに詳しく後述されるように、生体適合性、生分解性、および非生分解性の材料が挙げられる。
【0028】
本発明による閉塞装置を製造するための一技術が、
図7に示されている。構造体25aが、編み上げによる網の管として形成された後で、制御リング22aが、リングの材料を近位領域23aの周囲にかしめ、さらには/あるいは溶接することによって配置され、この場所における径方向の膨張を抑える一方で、上述のように1つ以上の塞栓コイルを通過させて挿入することができる内側通路26aを定める。随意により、グロメット(図示されていない)などの内側スリーブが、内側通路26aのための所望の寸法の内径の開きを維持するために、構造体25aの内部に挿入され、制御リング23aの下方に配置される。
【0029】
この技術において、鋼製のボールベアリングなどの球状マンドレル60が、本体領域24aの構造体25aの拡大および膨張のために、遠位領域28aを通って挿入される。次いで、帯22bなどのクランプ状要素が、本体24aをさらに成形するために遠位領域62へとかしめられる。いくつかの技術においては、この集合体が、本体24aを膨張した状態に設定するために加熱される。
【0030】
2つの半球形の閉塞装置が所望される場合、典型的には破線63によって示されるように制御リング22aおよび帯22bから等距離の位置でマンドレル60の外周に沿って切断が行われ、さらに矢印64および66によってそれぞれ示されるように制御リング22aおよび帯22bの両側で切断が行われる。この技術により、
図8Aおよび8Bにそれぞれ示されるとおりの2つの別々の装置20aおよび20bが作り出される。遠位端領域28aおよび28bは、どちらも
図1〜6の装置20について示されているように開いている。装置20bも、本体24bと、近位領域23bと、本発明による制御リングとして機能する帯22bによって形成された通路26bとを有している。換言すると、帯22bが、一時的なクランプの代わりに、埋め込み可能な装置20bへと一体に組み込まれている。
【0031】
別の技術においては、絞られているが依然として拘束はされていない遠位領域28cを持ち、ただ1つの制御リング22aを有している閉塞装置20c(
図9)を形成するために、帯22bが取り除かれ、マンドレル60(
図7)が抜き取られる。さらに別の技術においては、例えば線70に沿って、構造体25aを巡って赤道に相当しない位置において切断が行われ、装置20d(
図10)が生成される。さらに他の構成においては、ひし形のマンドレルなどの非球形のマンドレルが、細長い装置20e(
図11)を形成するために利用される。換言すると、本発明による閉塞装置は、円形、楕円形、長円形、または非対称形などの多数の形状を有することができ、開いた遠位端または閉じた遠位端を有することができる。典型的には、開いた遠位端によれば、処置すべき動脈瘤の頸部および嚢によりよく一致することができると予想される。
【0032】
図12に、この構成においてはストランド82、84、86、88、90、92、および94で形成されたかご状の血管閉塞用構造体80と協働する本発明による別の閉塞装置20fが示されている。いくつかの構成においては、血管閉塞用構造体80が、Hortonによる米国特許第5,645,558号において開示された実施形態のうちの1つと同様であり、特定の他の構成においては、Guglielmiによる米国特許第5,916,235号およびVeznedarogluらによる米国特許出願公開第2010/0069948号に開示された実施形態のうちの1つと同様である。
【0033】
送入システム10fが動脈瘤Aに対して所望のとおりに配置された後で、細長い送入部材14fが、閉塞装置20fおよび血管閉塞用構造体80を
図12に示されるように嚢S内で膨張させることができるように、カテーテル12fの管腔11f内を進められる。この構成において、把持具30fは、カテーテル12fの管腔11fによって径方向について拘束され続け、複数の把持領域によって制御リング22fを把持し続ける。一構成においては、制御リング22fが放射線不透過性であり、
図3および4に関して上述したやり方と同様のやり方で、蛍光透視のもとで整列させられる。
【0034】
ひとたび血管閉塞用構造体80が嚢Sの内側で広がった状態に完全に展開されると、構造体80は、閉塞装置20fを動脈瘤Aの頸部Nを横切って内壁へと押し付け、閉塞装置20fを動かぬように固定する。換言すると、血管閉塞用構造体80が、広がった状態において、閉塞装置20fを頸部Nに対して固定するためのフレームまたは格子として機能し、構造体80によって動かぬように保持された閉塞装置20fが、少なくとも頸部Nを横切って広がるカバーとして機能し、このカバーが、動脈瘤Aの閉塞を向上させるために、好ましくは多孔性または他のやり方で充分に小さい開口を定めている。好ましくは、閉塞装置20fは、とりわけ送入カニューレを利用した構造体80および装置20fの装てんおよび送入の際に装置20fと構造体80との間の整列関係を維持するために、装置20fの内面の一部分および制御リング22fの一部分の少なくとも一方へと取り付けられる少なくとも1つの取り付け点によって血管閉塞用構造体80へと固定される。
【0035】
特定の技術においては、外科医または他のユーザが嚢Sの内部を実質的に満たすことを望む場合に、少なくとも1つの塞栓コイルが、送入管14fの管腔15fを通り、制御リング22fの通路を通って進められ、次いで動脈瘤Aへと進められる。他の構成においては、1つ以上の塞栓コイルの挿入が所望されない用途において、制御リング22fが通路を持たなくてよい。
【0036】
図13および14に示される構成など、さらに別の構成においては、閉塞装置20gが、制御リングの代わりに、伝統的な分離ジョイントを呈する分離用の特徴部98を有している。電気分解によって切断することができるジョイントまたは機械的なジョイントの例が、例えばWallaceによる米国特許第6,454,780号およびMurphyらによる米国特許第7,410,482号に記載されている。同様の分離可能なジョイントが、かご状の血管閉塞用構造体についてGuglielmiによる米国特許第5,916,235号に記載されている。
【0037】
送入システム10gが
図13に示されるように血管BV内に配置された後で、押し器14gとも称される送入部材14gが、閉塞装置20gおよび血管閉塞用構造体80gを
図14に示されるように動脈瘤Aの内部に広げることができるように、カテーテル12gの管腔11g内を進められる。次いで、切り離し可能要素96と分離用の特徴部98との間の接続が、機械的および/または電気分解によって切断される。
【0038】
袋24gは、いくつかの構成においては、金網またはひもで形成される。さらに別の構成においては、閉塞装置の本体が、1つ以上のポリマー物質から作られた生体適合性の膜である。膜の材料に適した生体適合性の組成物として、セルロース、アルギン酸塩、および架橋ゲルからなる膜または基質、ならびにウレタン、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ乳酸(PLA)、および/またはポリグリコール酸(PGA)などの材料のきわめて薄いポリマー膜が挙げられる。膜は、かならずしも浸食されうる必要はなく、生体吸収性でなくてもよい。いくつかの構成においては、いくつかの構成においては一様な平均径を有し、他の構成においては非一様な平均径を有する微視的な孔または他の開口が、膜に形成される。孔の幾何学的なサイズは、いくつかの実施形態においては構造体の全長にわたって実質的に一定であり、他の実施形態においては全長においてさまざまである。孔の数は、いくつかの実施形態においては構造体の全長にわたって実質的に一様であり、他の実施形態においては全長においてさまざまである。他に考えられる材料として、多糖類、コロイド化合物、および一部の脂質製品が挙げられる。別の構成においては、少なくとも閉塞装置の本体が、固化したウレタン発泡体または発泡ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの耐久性があり、浸食されることがなく、生体吸収性でない材料で作られる。いくつかの実施形態においては、材料が、患者への埋め込みの前に直径が少なくとも10ミクロンの開口を定め、10ミクロン〜500ミクロンの範囲の厚さを有する。
【0039】
このように、好ましい実施形態へと適用されるときの本発明の基礎をなす新規な特徴を図示、説明、および指摘したが、当業者であれば、本発明の技術的思想および技術的範囲から離れることなく、例示の装置の形態および詳細ならびに動作について、種々の省略、置換、および変更を行うことが可能である。例えば、実質的に同じ機能を実質的に同じやり方で実行して同じ結果を達成する構成要素および/または工程の組み合わせはすべて、明らかに本発明の技術的範囲に包含されるように意図される。或る上述の実施形態から別の実施形態への構成要素の置き換えも、完全に意図および想定の範囲内である。また、図面が必ずしも比例尺ではなく、あくまでも概念的な性質にすぎないことを、理解すべきである。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲の技術的範囲によって示されるとおりに限定されるが、他の何物にも限定されない。
【0040】
本明細書において言及された発行済みの特許、係属中の特許出願、刊行物、学術論文、書物、または他の文献はいずれも、その全体が本明細書に援用によって組み込まれる。
【0041】
〔実施の態様〕
(1) 患者の血管の動脈瘤の血管内治療に適した閉塞装置であって、
近位端領域および遠位端領域を有しており、第1の広がった状態および第2の畳まれた状態を有し、前記第2の畳まれた状態において前記患者の血管系を経て前記動脈瘤の頸部を通過する挿入に適した寸法を有し、前記広がった状態において前記動脈瘤に接することができる外面を有し、さらに内面を有している、実質的に管状の構造体と、
前記構造体の前記近位端領域に配置され、前記近位端領域の径方向への広がりを防止するとともに、当該閉塞装置の操作時に係合用の特徴部を提供するために、前記近位端領域を少なくとも実質的に囲む実質的に環状の本体を有している制御リングと、を備える、閉塞装置。
(2) 前記制御リングは、内側通路を定め、前記内側通路を通じて、少なくとも1つの塞栓コイルが前記動脈瘤へと挿入されることができる、実施態様1に記載の閉塞装置。
(3) 前記制御リングは、前記内側通路を定めるための内側スリーブを含んでいる、実施態様2に記載の閉塞装置。
(4) 前記制御リングは、前記近位端領域上へとかしめられている、実施態様1に記載の閉塞装置。
(5) 前記制御リングは、放射線不透過性の材料を含む、実施態様1に記載の閉塞装置。
【0042】
(6) 前記管状の構造体は、複数のフィラメントを含む、実施態様1に記載の閉塞装置。
(7) 前記管状の構造体は、網状の材料を含む、実施態様1に記載の閉塞装置。
(8) 前記管状の構造体は、実質的に囲まれた体積を定める、実施態様1に記載の閉塞装置。
(9) 前記管状の構造体の前記近位端領域の少なくとも一部分が、前記動脈瘤の閉塞を促進するために充分に小さいサイズを有する複数の開口を定める、実施態様1に記載の閉塞装置。
(10) 前記管状の構造体の前記内面の一部分および前記制御リングの一部分の少なくとも一方に取り付けられた、畳むことができるかご状の血管閉塞用構造体をさらに含む、実施態様1に記載の閉塞装置。
【0043】
(11) 内側管腔を定めている送入部材と組み合わせられ、前記送入部材は、少なくとも2つのフィンガ要素を有する把持具を備えている遠位端領域を有しており、各々のフィンガ要素は、前記制御リングに機械的に係合するための把持領域を定めている、実施態様1に記載の閉塞装置。
(12) 前記送入部材は、少なくとも1つの金属材料で形成された管である、実施態様11に記載の閉塞装置。
(13) 前記把持具は、金属材料で形成され、前記把持領域は、前記フィンガ要素に形成された切れ込みであり、各々の切れ込みは、前記制御リングの一部分に機械的に係合するサイズとされている、実施態様11に記載の閉塞装置。
(14) 内側管腔を有するカテーテルをさらに含んでおり、前記カテーテルの前記内側管腔を通じて前記送入管を挿入し、前記カテーテルに対して平行移動させることができる、実施態様11に記載の閉塞装置。
(15) 患者の血管の動脈瘤を治療する方法であって、
近位端領域および遠位端領域を有しており、第1の広がった状態および送入カテーテルへと引き込まれたときの第2の畳まれた状態を有している実質的に管状の構造体を含み、前記構造体の前記近位端領域に配置され、前記近位端領域を少なくとも実質的に囲んで前記近位端領域の径方向への広がりを防止する実質的に環状の本体を有している制御リングをさらに含む、閉塞装置を選択することと、
前記閉塞装置を前記送入カテーテルへと引き込み、前記閉塞装置を前記畳まれた状態とすることと、
前記カテーテルを前記閉塞装置とともに前記患者の血管系へと挿入し、前記血管の前記動脈瘤の領域に到達させることと、
前記閉塞装置を前記動脈瘤の内側に位置させることと、
前記制御リングを解放し、前記カテーテルおよび前記送入管を前記患者から取り出すことと、を含む、方法。
【0044】
(16) 前記管状の要素は、撚り合わせられたフィラメントを含む、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記動脈瘤への流れを遮断すべく前記動脈瘤の内部に前記閉塞装置を固定するために前記カテーテルおよび前記制御リングを通じて少なくとも1つの塞栓コイルを送入することをさらに含む、実施態様15に記載の方法。
(18) 前記閉塞装置の操作を可能にするために前記制御リングを送入管上の把持具に機械的に係合させることと、前記把持具を利用して前記閉塞装置を前記送入管を保持する前記カテーテルへと引き込み、前記閉塞装置を前記畳まれた状態とすることと、をさらに含む、実施態様15に記載の方法。
(19) 畳むことができるかご状の血管閉塞用構造体へと取り付けられるように前記閉塞装置を選択することをさらに含んでおり、前記閉塞装置を前記動脈瘤の内側に位置させることが、前記動脈瘤の頸部を横切って前記管状の構造体の前記近位端領域を固定するために前記血管閉塞用構造体を利用することを含む、実施態様15に記載の方法。
(20) 患者の血管の動脈瘤を治療する方法であって、
近位端領域および遠位端領域を有しており、第1の広がった状態および送入マイクロカテーテルへと引き込まれたときの第2の畳まれた状態を有し、前記近位端領域の少なくとも一部分が前記動脈瘤の閉塞を促進するために充分に小さいサイズを有する複数の開口を定めている実質的に管状の構造体を含み、前記構造体の前記近位端領域に配置され、前記近位端領域を少なくとも実質的に囲んで前記近位端領域の径方向への広がりを防止する実質的に環状の本体を有している制御リングをさらに含む、閉塞装置を選択することと、
前記閉塞装置の操作を可能にするために前記制御リングを送入管上の把持具に機械的に係合させることと、
前記閉塞装置を前記送入管を保持する前記マイクロカテーテルへと引き込み、前記閉塞装置を前記畳まれた状態とすることと、
前記マイクロカテーテルを前記閉塞装置とともに前記患者の血管系へと挿入し、前記血管の前記動脈瘤の領域に到達させることと、
前記閉塞装置を前記動脈瘤の内側に位置させることと、
前記動脈瘤への流れを遮断すべく前記動脈瘤の内部に前記閉塞装置を固定するために前記送入管および前記制御リングを通じて少なくとも1つの塞栓コイルを送入することと、
前記制御リングを機械的に解放し、前記マイクロカテーテルおよび前記送入管を前記患者から取り出すことと、を含む、方法。