特許第6771894号(P6771894)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6771894
(24)【登録日】2020年10月2日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20201012BHJP
【FI】
   A63F7/02 320
   A63F7/02 302A
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-7189(P2016-7189)
(22)【出願日】2016年1月18日
(65)【公開番号】特開2017-127374(P2017-127374A)
(43)【公開日】2017年7月27日
【審査請求日】2018年11月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】390005120
【氏名又は名称】株式会社森創
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今仁 將嗣
(72)【発明者】
【氏名】羽鳥 崇信
【審査官】 大浜 康夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−230198(JP,A)
【文献】 特開2008−220735(JP,A)
【文献】 特開2005−237864(JP,A)
【文献】 特開2014−233547(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球を遊技可能な第1の遊技盤と、
第1の遊技盤に対する遊技球の位置を検出可能な位置検出手段と、
第1の遊技盤に重なり合うことなく第1の遊技盤の全てを表示可能となっており、位置検出手段によって検出された遊技球を表示された第1の遊技盤で遊技しているように映す表示手段と、
表示手段によって映された第1の遊技盤および/または遊技球に演出を施す制御手段と、を備えている遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機であって、
大当たりの抽選を実施可能な大当抽選手段と、を備え、
演出は、大当抽選手段による抽選結果に基づいて施される遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ機等の遊技機において、その遊技盤に各種の工夫が施されたものが既に知られている。ここで、下記特許文献1には、各種の工夫の一つとして、遊技盤に可動役物(可動する役物)が組み付けられた遊技機が開示されている。これにより、大当たりの抽選の結果を表示するデジタル表示と可動役物の動きとを絡めることができるため、遊技の演出効果を高めることができる。したがって、遊技の興趣性を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−211861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1の技術では、可動役物は、その可動部位が遊技球を遮る(遊技球に対する遊技者の視線を遮る)ことがないように構成されている。そのため、可動役物の可動領域を抑えなければいけないことがあった。したがって、遊技の趣向性をより高めることに限界が生じていた。結果として、遊技の趣向性をより高めるができなかった。
【0005】
本発明は、このような課題を解決しようとするもので、その目的は、遊技の趣向性をより高めることができる遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の目的を達成するためのものであって、以下のように構成されている。
請求項1に記載の発明は、遊技球を遊技可能な第1の遊技盤と、第1の遊技盤に対する遊技球の位置を検出可能な位置検出手段と、第1の遊技盤に重なり合うことなく第1の遊技盤の全てを表示可能となっており、位置検出手段によって検出された遊技球を表示された第1の遊技盤で遊技しているように映す表示手段と、表示手段によって映された第1の遊技盤および/または遊技球に演出を施す制御手段とを備えている遊技機である。
【0007】
請求項1の発明によれば、例えば、表示手段によって映された遊技球に対してのみ演出(エフェクト)を施すことができる。このように遊技球そのものに演出を施すことができるため、遊技の趣向性をより高めることができる。
【0008】
また、請求項に2記載の発明は、請求項1記載の遊技機であって、大当たりの抽選を実施可能な大当抽選手段とを備えた遊技機である。演出は、大当抽選手段による抽選結果に基づいて施される。
【0009】
請求項2の発明によれば、大当たりの抽選結果に基づいた演出(エフェクト)を施すことができるため、遊技の趣向性をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例1に係るパチンコ機の正面図である。
図2図1のパチンコ機の側面図である。
図3図1のパチンコ機の斜視図である。
図4図3のパチンコ機の分解図である。
図5図1のパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
図6図1のパチンコ機の動作の一例(第1の動作)における遊技盤の状態を示す図である。
図7図5の状態において、液晶表示装置の状態を示す図である。
図8図1のパチンコ機の動作の他の例(第2の動作)における遊技盤の状態を示す図である。
図9図8の状態において、液晶表示装置の状態を示す図である。
図10図1のパチンコ機の動作の他の例(第3の動作)における遊技盤の状態を示す図である。
図11図10の状態において、液晶表示装置の状態を示す図である。
図12】実施例2に係るパチンコ機の側面図である。
図13】実施例3に係るパチンコ機の側面図である。
図14】実施例4に係るパチンコ機の側面図である。
図15】実施例5に係るパチンコ機の正面図である。
図16図15の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を用いて説明する。
(実施例1)
まず、図1〜11を参照して、本発明の実施例1に係る遊技機1の全体構成を説明する。なお、遊技機1の例としてパチンコ機1を説明することとする。
【0014】
パチンコ機1は、図1〜4に示すように、主として、パチンコホールにおける遊技島のベース(いずれも図示しない)に組み付けられる外枠2と、この外枠2に対して開閉可能にヒンジ結合される前枠3と、から構成されている。この図4からも明らかなように、前枠3は、下部3aと、この下部3aの上側の上部3bとから構成されている。この上部3bは、下部3aに対して前側(遊技者側)に張り出した格好となっている。これにより、パチンコホールに備え付けられており、本日の大当回数等を個々に表示するデータ表示機(いずれも図示しない)にパチンコ機1が干渉することを防止できる。
【0015】
この前枠3の下部3aには、液晶表示装置6が組み付けられている。この液晶表示装置6が、特許請求の範囲に記載の「表示手段」に相当する。また、この前枠3の上部3bには、遊技球Pを遊技可能な遊技盤4が組み付けられている。この遊技盤4が、特許請求の範囲に記載の「第1の遊技盤」に相当する。この遊技盤4の遊技領域4aの左上には、第1のカメラ10が組み付けられている。
【0016】
これと同様に、この遊技盤4の遊技領域4aの左下には、第2のカメラ12が組み付けられている。また、これと同様に、この遊技盤4の遊技領域4aの右上には、第3のカメラ14が組み付けられている。また、これと同様に、この遊技盤4の遊技領域4aの右下には、第4のカメラ16が組み付けられている。これら各カメラ10、12、14、16により、遊技盤4に対する遊技球Pの位置を撮影できる。このようにカメラ10、12、14、16が4台あることにより、撮影の精度を高めることができる。これら各カメラ10、12、14、16が、特許請求の範囲に記載の位置検出手段に相当する。
【0017】
また、この遊技盤4の遊技領域4aには、大当の抽選のトリガー(起点)となる入賞センサ4bを有する入賞口4cが設けられている。この入賞口4cに遊技球Pが入賞すると、大当の抽選が行われると共に、所定の数量(例えば、3個)の遊技球Pが払い出される。この遊技盤4の背面側には、演出装置5が組み付けられている。この演出装置5の内部には、制御装置20が組み付けられている。この制御装置20が、特許請求の範囲に記載の「制御手段、大当抽選手段」に相当する。
【0018】
前枠3は、このように構成されている。このように構成されている前枠3は、上述したように外枠2対して開閉可能にヒンジ結合されている。なお、この外枠2の背面側には、背面カバー2aが組み付けられている。これら外枠2と、前枠3とからパチンコ機1は構成されている。
【0019】
次に、図5を参照して、パチンコ機1の電気的構成を説明する。各カメラ10、12、14、16は、制御装置20に対して電気的に接続されている。これにより、制御装置20は、遊技盤4に対する遊技球Pの位置を検出できる。また、入賞センサ4bも、制御装置20に対して電気的に接続されている。これにより、制御装置20は、大当たりの抽選を実施できる。また、液晶表示装置6も、制御装置20に対して電気的に接続されている。この液晶表示装置6は、遊技盤4を表示可能となっている。
【0020】
これにより、各カメラ10、12、14、16によって検出された遊技球Pを表示された遊技盤4(液晶表示装置6)で遊技しているように映すことができる。すなわち、遊技盤4と同じ状態を液晶表示装置6に映すことができる。そのため、遊技者(図示しない)は、遊技球Pを遊技盤4で遊技していても、それと同じものを液晶表示装置6で見ることができる。したがって、遊技者は、遊技盤4を見なくても液晶表示装置6を見て遊技できる。
【0021】
続いて、図6〜11を参照して、上述したパチンコ機1の動作例を説明する。この動作例として、第1の動作と、第2の動作と、第3の動作とを個別に説明する。まず、図6〜7を参照して、第1の動作から説明する。第1の動作は、上述したように、遊技盤4と同じ状態を液晶表示装置6に映した動作のことである。
【0022】
そのため、図6と7との比較からも明らかなように、遊技盤4における遊技球Pの位置と、液晶表示装置6で映される遊技球P1の位置は同じである。このとき、例えば、図7に示すように、発射装置(図示しない)から発射される遊技球P(図7において、遊技球P1)の狙い場所を液晶表示装置6に表記できる。これにより、遊技者に対して遊技の案内をできる。
【0023】
次に、図8〜9を参照して、第2の動作を説明する。第2の動作は、遊技盤4における所定の時間だけ前(例えば、0.5秒前)の状態を液晶表示装置6に映した動作のことである。そのため、液晶表示装置6で映される遊技球P1の位置は、遊技盤4における遊技球Pの位置より所定の時間だけ前(例えば、0.5秒前)の状態である。
【0024】
このような状態になっていると、遊技盤4において、大当たりの抽選で使用した遊技球Paは、未だ、液晶表示装置6で遊技球P1aとして表示された状態(目視可能な状態)となっている。そのため、この遊技球P1aに対してのみ演出を施すことができる。例えば、図9に示すように、この遊技球P1aに対してのみ炎F1が表記されたエフェクトを施すことができる。このように遊技球P1aそのものに大当たりの抽選結果に基づいたエフェクトを施すことができるため、結果として、遊技の趣向性をさらに高めることができる。
【0025】
最後に、図10〜11を参照して、第3の動作を説明する。第3の動作も、上述した第2の動作と同様である。しかし、この第3の動作は、遊技球P1に対してのみ演出を施すものでなく、液晶表示装置6の全てに対して演出を施すことができる。例えば、図11に示すように、液晶表示装置6の全てに対して炎F2が表記されたエフェクトを施すことができる。したがって、第2の動作と同様に、遊技の趣向性をより高めることができる。
【0026】
(実施例2)
次に、図12を参照して、実施例2のパチンコ機101を説明する。なお、以下の説明にあたって、実施例1で説明した部材と同一または均等な部材には、図面において同一の符号を付すことで重複する説明は省略することとする、このことは、後述する全ての実施例においても同様である。
【0027】
この実施例2のパチンコ機101は、既に説明した実施例1のパチンコ機1と比較すると、表示手段を異なる機器で実施した形態である。すなわち、実施例1では、表示手段が液晶表示装置6から成っている形態を説明した。しかし、この実施例2では、表示手段がスクリーン106とプロジェクター106aとから成っている形態である。なお、この実施例2のパチンコ機101でも、実施例1のパチンコ機1と同様の作用効果を得ることができる。
【0028】
(実施例3)
次に、図13を参照して、実施例3のパチンコ機201を説明する。この実施例3のパチンコ機201は、既に説明した実施例1のパチンコ機1と比較すると、さらに、遊技盤204を備えた形態である。この遊技盤204は、前枠3の下部3aに組み付けられている。この実施例3のパチンコ機201における表示手段である透過タイプの液晶表示装置206は、遊技盤204の遊技者側に向って配置されている。
【0029】
そして、各カメラ10、12、14、16によって検出された遊技球Pを遊技盤204で遊技しているように映すことができる。この実施例3のパチンコ機201では、前枠3の下部3aにある遊技盤204は実物である。そのため、映し出される遊技球P1が実物の遊技盤204で遊技しているように見える。したがって、遊技のリアル感を得ることができる。
【0030】
(実施例4)
次に、図14を参照して、実施例4のパチンコ機301を説明する。この実施例4のパチンコ機301は、既に説明した実施例3のパチンコ機201と比較すると、遊技盤204にスクリーン106を取り付けた形態である。なお、この実施例4のパチンコ機301でも、実施例3のパチンコ機201と同様の作用効果を得ることができる。また、この実施例4における透過タイプの液晶表示装置206は、ガラスであっても構わない。
【0031】
(実施例5)
最後に、図15〜16を参照して、実施例5のパチンコ機401を説明する。この実施例5のパチンコ機401は、既に説明した実施例1のパチンコ機1と比較すると、可動役物430を備えた形態である。この可動役物430の前側は、ガラス432で覆われている。なお、この実施例5のパチンコ機401でも、実施例1のパチンコ機1と同様の作用効果を得ることができる。
【0032】
また、大当たりの抽選の結果を表示するデジタル表示と可動役物430の動き(演出)とを絡めることができるため、遊技の演出効果を高めることができる。また、可動役物430は、その可動部位が遊技球P1を遮っても良いように構成されている。そのため、従来技術とは異なり、可動役物430の可動領域を抑える必要がない。したがって、遊技の趣向性をより高めることができる。
【0033】
上述した内容は、あくまでも本発明の一実施の形態に関するものであって、本発明が上記内容に限定されることを意味するものではない。
【0034】
実施例1〜5では、位置検出手段の例として、カメラ10、12、14、16を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、位置検出手段として、公知のセンサ(例えば、タッチセンサ、静電センサ等)であっても構わない。
【0035】
また、実施例1〜5では、カメラ10、12、14、16が4台である形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、カメラ10、12、14、16は台数も何台であっても構わない。また、実施例5では、可動役物430を備えた形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、実施例2〜4でも可動役物430を備えても構わない。
【0036】
また、実施例1〜5では、液晶表示装置6は、前枠3の下部3aに組み付けられ、遊技盤4は、前枠3の上部3bに組み付けられている形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、液晶表示装置6は、前枠3の上部3bに組み付けられ、遊技盤4は、前枠3の下部3aに組み付けられている形態でも構わない。
【0037】
また、実施例1〜5では、遊技盤4の遊技領域4aに各カメラ10、12、14、16が組み付けられている形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、遊技盤4の遊技領域4aの裏側に各カメラ10、12、14、16が組み付けられている形態でも構わない。その場合、遊技盤4の遊技領域4aは、遊技球Pを撮影するために透明な部材から構成されることとなる。また、その場合、遊技盤4の遊技領域4aの中心から1台のカメラで撮影しても構わない。
【0038】
また、実施例2において、プロジェクター106aはスクリーン106の前側(遊技者側)に設けられていても構わない。また、実施例1の第2の動作と第3の動作との説明において、大当たりの抽選結果に基づいてエフェクトを施す形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、大当たりの抽選結果に基づくことなく、任意のタイミングでエフェクトを施す形態でも構わない。このことは、全ての実施例においても同様である。
【符号の説明】
【0039】
1 パチンコ機(遊技機)
4 遊技盤(第1の遊技盤)
6 液晶表示装置(表示手段)
10 第1のカメラ(位置検出手段)
12 第2のカメラ(位置検出手段)
14 第3のカメラ(位置検出手段)
16 第4のカメラ(位置検出手段)
20 制御装置(制御手段、大当抽選手段)
P 遊技球
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16