(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1小島部には、前記遊技媒体を研磨する研磨装置と、前記遊技媒体を上方へ揚送させる揚送装置によって揚送された前記遊技媒体が流入する上部貯留タンクと、前記揚送装置の少なくとも1つを含む主要機器群が内蔵されており、
前記第2小島部には、前記主要機器群が内蔵されていないことを特徴とする請求項1に記載の遊技機島。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の各実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、以下の説明において、上下左右の位置関係については特に断りのない限り通常の設置状態を基準として説明する。
【0019】
本発明の第1実施形態に係る遊技機島1は、
図1で示されるように、全体の外形が略直方体状となる箱型構造物であり、2つの妻板2と、2つの小島部3を備えた構造となっている。
【0020】
妻板2は、遊技機島1の長手方向(遊技機15の並列方向)における両端部のそれぞれに位置しており、遊技機島1の側壁部分を形成する部材となっている。すなわち、2つの妻板2が遊技機島1の側壁部分のうち、遊技機島1の長手方向の両端部にそれぞれ位置する側壁部分を形成している。このことから、それぞれ妻板2は、その厚さ方向が遊技機島1の長手方向と同方向となっている。
【0021】
2つの小島部3は、いずれも外形が略直方体状となる箱型構造物であり、遊技機島1の短手方向(水平方向において遊技機15の並列方向と直交する方向)で離間した位置にそれぞれ配置されており、その間には構造物配置空間4が形成されている。つまり、2つの妻板2と2つの小島部3によって囲まれた部分に構造物配置空間4が形成されている。言い換えると、構造物配置空間4は、複数の妻板2と複数の小島部3によって周囲を囲繞された空間となっている。
【0022】
このとき、2つの妻板2のそれぞれは、幅方向における一端側が第1小島部3aの側壁を形成しており、幅方向における中央側が構造物配置空間4の外側に位置し、幅方向における一端側が第2小島部3bの側壁を形成した状態となっている。そして、2つの妻板2のうちの一方が、離間配置される第1小島部3a及び第2小島部3bの長手方向における片側端部に位置する側壁部分を形成しており、もう一方が離間配置される第1小島部3a及び第2小島部3bの長手方向における他方側端部に位置する側壁部分を形成している。
また、2つの妻板2の間に形成される空間であり、且つ、2つの小島部3の間に形成される空間である構造物配置空間4には、遊技場(建屋)に付属する構造物である遊技場の柱5(構造物)が位置した状態となっている。言い換えると、2つの妻板2と2つの小島部3によって囲繞された構造物配置空間4に柱5が位置した状態となっている。
【0023】
このように、本実施形態の遊技機島1は、遊技場の柱5の周辺の領域に構築されるものであり、言い換えると、内側部分に柱5を配置するための空間が形成されたものとなっている。
なお、本実施形態の構造物配置空間4には、遊技機島1の長手方向で離間した位置に2つの柱5がそれぞれ配置された状態となっている。
【0024】
小島部3は、2つの妻板2の間において、支柱や梁となる骨格部材(図示しない)に対し、天板6、幕板7、ランプ板8、台間板9、膳板10、腰板11、幅木12等の外壁面を形成する板状部材を取り付けて形成されている。それぞれの小島部3は、長手方向の端部に位置する側面が妻板2の一部によって形成され、上面及び短手方向における外側側面が上記した各種板状部材や、後述する機器群(対となる遊技機15と遊技媒体貸出機16を組とする機器群)の列、データランプ18によって形成されている。
【0025】
具体的には、小島部3のうち、外側側面を形成する部分には、遊技機15や遊技媒体貸出機16を配するための遊技機取付部17が設けられている。遊技機取付部17は、小島部3の高さ方向の略中央となる位置に形成される空間であり、小島部3の外側に位置する空間と内部とを連通している。
この遊技機取付部17には、遊技機15と遊技媒体貸出機16からなる組を小島部3の長手方向に沿うように並列配置している。つまり、遊技機15と、これに対として設けられる遊技媒体貸出機16を1組の機器群とすると、この機器群が小島部3の長手方向で並列するように取付けられている。
なお、図面の遊技機15、遊技媒体貸出機16、遊技機取付部17、データランプ18の符号は、一部にのみ符号を付し、他への符号を省略している。
【0026】
すなわち、小島部3では、短手方向における片側端部であり、外側側面を形成する部分に機器群の列が設けられた構造となっている。言い換えると、外側側面にのみ複数の遊技機15が並列配置された状態となっている。
【0027】
その一方で、小島部3のうち、短手方向における他方側端部であり、内側側面を形成する部分は、構造物配置空間4に向かって開放された状態となっている。すなわち、機器群の列から小島部3の短手方向における内側に向かって離れた位置に構造物配置空間4が位置している。
【0028】
遊技機15は、所謂ぱちんこ機(弾球遊技機)であり、遊技球(ぱちんこ球であり遊技媒体)を本体内側に形成された遊技領域内へと打ち出し、遊技領域内に形成された入賞口へ入賞させる遊技が可能な機器となっている。
【0029】
遊技媒体貸出機16は、所謂玉貸機であり、遊技者に対して遊技球を貸し出すための装置である。より具体的には、遊技者による現金の投入や、遊技に使用可能な価値としての残金情報を記録した遊技者用記録媒体(所謂プリペイドカード、図示省略)を受け付け、所定量の遊技球を払い出す装置となっている。
このように遊技媒体貸出機16が遊技者に対して遊技球を払い出すことにより、遊技媒体貸出機16に対応する遊技機15において、払い出された遊技球を使用した遊技が可能となる。
【0030】
天板6は、小島部3の天井壁を形成する部材である。
【0031】
幕板7は、小島部3の外側側壁であり、短手方向における外側端部に位置する長寸の側壁の一部を形成する部材である。
この幕板7は、天板6の縁部分と連続しており、遊技機取付部17の上側部分に位置している。すなわち、幕板7は、遊技機取付部17が設けられる側面壁の上端近傍を形成する部材である。
【0032】
ランプ板8は、小島部3の上端からやや下方側に離れた部分を覆う略長方形平板状の部材であり、小島部3の外側側壁の一部を形成している。すなわち、このランプ板8は、その上端部分が幕板7の下端部分と連続した状態となっており、幕板7の下方に位置する壁面を形成している。
このランプ板8のうち、下方で並列する遊技機15のそれぞれの上方となる部分には、データランプ18が取り付けられている。すなわち、それぞれの遊技機15の上方に個別のデータランプ18が位置した状態となっている。それぞれのデータランプ18は、下方に位置する遊技機15と対となっており、対となる遊技機15の稼動状況に関する情報を表示する遊技情報表示装置として機能する。
【0033】
台間板9は、遊技機15や遊技媒体貸出機16と水平方向(小島部3の長手方向)で隣接する部分に配され、この部分を覆うことにより、小島部3の外側側壁の一部を形成する部材である。つまり、台間板9は、小島部3の高さ方向(上下方向)の略中央となる部分において、遊技機15又は遊技媒体貸出機16が配置されていない部分を覆う部材である。
【0034】
膳板10は、平面視した形状が略四角形状となる平板状の部材であり、遊技機取付部17の下方部分から外側へ張り出した状態となっている。より詳細には、膳板10は、遊技客の着座側(
図1において椅子のある側)へ突出しつつ、小島部3の長手方向に沿って延設されるものであり、小島部3の長手方向の一端部近傍から他端部近傍まで延びている。この膳板10は、大別して小島部3の内部側に位置する部分と、小島部3の外部に露出した部分とに区分される。そして、内部側に位置する部分は、遊技機15や遊技媒体貸出機16を載置するための土台として機能し、外部側に位置する部分は、遊技球を収容する収容箱(図示せず)等を載置するための載置棚として機能する。
【0035】
腰板11は、遊技機15の設置位置よりも低い部分を覆うことにより、遊技機島1の外側側壁の一部を形成する部材である。
【0036】
幅木12は、腰板11よりさらに低い位置の側壁を形成する長尺板状の部材である。
【0037】
次に、2つの小島部3の内部構造と、2つの小島部3に跨って設けられる流路について説明する。
第1小島部3aの内部には、
図2で示されるように、島上タンク20(貯留タンク,上部貯留タンク)、補給レール21(供給用搬送路)、オーバーフローレール22、球抜きホース23、オーバーフローホース24、島中タンク25(貯留タンク)、アウトレール26(回収用搬送路)、研磨装置27、揚送装置28、揚送流路29がそれぞれ設けられている。
これに対し、第2小島部3bの内部には、
図3で示されるように、上側貯留箱30、補給レール21、球抜きホース23、アウトレール26、下側貯留箱31がそれぞれ設けられている。
【0038】
すなわち、第1小島部3aの特有の構成として、島上タンク20、オーバーフローレール22、オーバーフローホース24、島中タンク25、アウトレール26、研磨装置27、揚送装置28、揚送流路29が設けられており、第2小島部3bの特有の構成として、上側貯留箱30と下側貯留箱31が設けられている。
このように、本実施形態の遊技機島1は、複数(2つ)の小島部3を備えており、全体で研磨装置27と揚送装置28を1台ずつ備えた構造となっている。
【0039】
ここで、研磨装置27や揚送装置28は比較的高価な部材であり、全ての小島部にこれらを設けると遊技機島1の製造コストが高くなってしまう。そこで、本実施形態では、第1小島部3aにのみ研磨装置27及び揚送装置28を内蔵させ、第2小島部3bにはこれらを配さない構造としている。
また、本実施形態の遊技機島1では、多数の遊技球を一時貯留可能な島上タンク20、島中タンク25もまた第1小島部3aにのみ内蔵させている。すなわち、第2小島部3bにこれらの部材を配さないことで、遊技機島1の製造コストを低減させている。
つまり、島上タンク20、研磨装置27、揚送装置28、島中タンク25のような主要機器によって構成させる主要機器群を第1小島部3aのみに配し、第2小島部3bには配さない構造としている。
【0040】
そして、
図4で示されるように、2つの小島部3の間には、上側小島間流路35(小島間搬送路)と下側小島間流路36(小島間搬送路)とが設けられている。
【0041】
島上タンク20は、
図2で示されるように、第1小島部3aの長手方向における中心近傍であって、遊技機15よりも上側に取り付けられた部材であり、揚送流路29から揚送された遊技球を一時的に貯留する貯留手段として機能する。以下、この島上タンク20の構造について詳細に説明する。
【0042】
島上タンク20は、
図2で示されるように、外部筐体38の内部に、遊技球を一時的に貯留可能なタンク本体39を収容して形成されるものである。より具体的には、外部筐体38の内部空間の一部がタンク本体39を収容するための領域となっており、他の空間が水平搬送装置(図示しない)等の他の機器を必要に応じて配置するための空間となっている。
【0043】
タンク本体39は、
図5、
図6で示されるように、外箱部40と、外箱部40の外壁部分に取り付けられる流路固定部材41と、外箱部40の内部に収容される内部貯留部42と、内部貯留部42と連結されるタンク外流路接続部43とを備えた構造となっている。
【0044】
外箱部40は、上方が開放された箱状の部分であり、底板部47と、底板部47の周縁から立設され四方を囲む4つの側壁部48を備えた構造となっている。
【0045】
底板部47には、
図6、
図7で示されるように、内外を連通する通路挿通孔49が設けられており、この通路挿通孔49に内部貯留部42とタンク外流路接続部43とが一体となって形成される筒状体(詳しくは後述する)が挿通された状態となっている。なお、この通路挿通孔49の内周面と、筒状体の外周面とは隙間なく密着した状態となっている。
【0046】
4つの側壁部48のうちの1つの側壁部48(
図5において前方に位置する側壁部48)には、遊技球をタンク本体39の外部から内部へ導入するための導入口部50が設けられている。この導入口部50は、側壁部48の上端から下方に延びた切欠き状の部分であり、正面視した形状(側壁部48の厚さ方向における一方側からみた形状)が四角形状となっている。より具体的には、側壁部48のうち、上側部分であり、左右方向(上辺の延び方向)における中心近傍にこの導入口部50が形成されている。
【0047】
流路固定部材41は、
図5、
図6で示されるように、金属製の板状部材を折り曲げることで形成される部材であり、側壁部48の外側面に対し、導入口部50を外側から覆うように取り付けられている。具体的には、この流路固定部材41は、左右方向における中央部分に位置する押さえ板部53と、左右方向の両端部分のそれぞれに位置する2つの取付板部54が一体に連続して形成される部材となっている。
【0048】
押さえ板部53は、正面視した形状が四角形状となる立板状の部分である。
【0049】
取付板部54は、
図5で示されるように、平面視した形状(断面形状)が略「L」字状で上下方向に延びる部分である。より詳細には、取付板部54は、正面視した形状が縦長長方形状となる取付板片54aと、この取付板片54aと略直交する連結板片54bを備えた構造となっている。
この連結板片54bは、取付板片54aの左右方向における内側端部を前方へ折り曲げることで形成される部分であり、取付板片54aから前方(側壁部48から外側に離れる方向)に向かって突出する部分であるともいえる。つまり、連結板片54bは、押さえ板部53と取付板片54aの間に位置しており、その基端側が取付板片54aの左右方向における内側端部と連続し、その突出端側が押さえ板部53の左右方向における外側端部と連続した状態となっている。
【0050】
このことから、押さえ板部53の後方(押さえ板部53より側壁部48側)であり、2つの連結板片54bの間の領域には、揚送流路29を挿通するための流路挿通空間55が形成されることとなる。
【0051】
図6、
図7で示されるように、内部貯留部42は、3つの第1無底箱部材60を上下方向で重ねた状態で連結させて形成されており、タンク外流路接続部43は、3つの第2無底箱部材61を上下方向で重ねた状態で連結させて形成されている。つまり、内部貯留部42とタンク外流路接続部43は、いずれも3つの無底箱部材(箱状体)を上下方向で重ね合わせ、これらを図示しない連結金具等で一体化して形成される筒状の部分となっている。
そして、内部貯留部42とタンク外流路接続部43とを上下方向で重ねた状態で連結させることでさらに長い一連の筒状体(角筒状体)を形成している。また、この筒状体の下端部分は、第1小島部3aの内部壁面から突出する木製の板状体44(
図6参照)の上に載置された状態となっている。すなわち、この筒状体の底側に位置する開口部分であり、筒状体の内部空間に連通する開口部分は、この遊技機島1の内部壁面から突出する板状体44によって閉塞された状態となっている。
【0052】
第1無底箱部材60は、
図8で示されるように、4つの側壁部65を備えており、それぞれの側壁部65がいずれも直立した姿勢の長方形平板状となっている。そして、この4つの側壁部65が四角環形状を形成するように連続する構造となっている。つまり、側壁部65のうちの2つが離間対向した状態となっており、この2つの側壁部65の幅方向(高さ方向及び厚さ方向と直交する方向)における両端部にそれぞれ位置する他の2つの側壁部65もまた、離間対向した状態となっている。言い換えると、それぞれの側壁部65は、幅方向(高さ方向及び厚さ方向と直交する方向)の両端部分のそれぞれが、他の2つの側壁部65のそれぞれと略直交した状態で連続しており、この2つとは異なる他の1つの側壁部65と離間対向した状態となっている。
【0053】
つまり、第1無底箱部材60は、上方が開放された無底箱形状(無底四角箱状)であり、あたかも角筒状(筒状)を成すように形成された部材となっている。すなわち、第1無底箱部材60は、上側及び下側に内外を連通する開口部分を有した構造となっている。そして、4つの側壁部65の内側部分には、4つの側壁部65によって周囲を囲繞された内部空間66が形成されている。そして、この内部空間66が遊技球を下方へ流したり、遊技球を貯留したりするための空間として機能する。
【0054】
ここで、側壁部65のうちの1つには、その内側面に内部空間66に向かって突出する速度制限板68が設けられている。
この速度制限板68は、離間対向する2つの側壁部65のうち、一方の側壁部65の内側面から他方の側壁部65へ向かう方向に突出するものであり、より詳細には、他方の側壁部65へ向かう方向であって、且つ、下方側へ突出するものとなっている。言い換えると、この速度制限板68は側壁部65の内側面からさらに内側に突出するものであり、内側面の基端部分から斜め下側に突出した状態となっている。
このことから、速度制限板68の上面は、突出基端となる側壁部65の内側面から離れるにつれ高さの低くなる傾斜面を形成している。つまり、速度制限板68の突出基端は、突出端(突出先端)よりも高位置となっている。
【0055】
ここで、速度制限板68の突出基端となる側壁部65の内側面と、この側壁部65と離間対向する他の側壁部65の内側面との間の距離をLとすると、これら両面に対して直交する方向となる速度制限板68の水平方向の長さlは1/2L以下の長さとなっている。つまり、速度制限板68の突出方向における水平方向成分の長さlが1/2L以下となっている。
【0056】
このことにより、第1無底箱部材60を平面視したときの内部空間66の投影面は、速度制限板68が位置する領域と、速度制限板68が位置しない領域に区画されることとなる(
図8(c)参照)。そして、速度制限板68が位置する領域では、遊技球が上端から下端まで落下不可能な状態となり(以下、速度調整領域とも称する)、速度制限板68が位置しない領域では、遊技球が上端から下端まで落下可能な状態となる(以下、自由落下領域とも称する)。つまり、内部空間66には、遊技球が上端から下端まで落下不可能な速度調整領域と、落下可能な自由落下領域とが混在することとなる。
本実施形態では、
図8(c)の左側よりの部分に速度調整領域が形成され、
図8(c)の右側よりの部分に自由落下領域が形成されている。すなわち、内部空間66の投影面のうち、幅方向における中心よりも片側端部寄りの部分に速度調整領域が形成され、他方端部よりの部分に自由落下領域が形成されている。そして、内部空間66の投影面のうち、速度調整領域に対応する部分の面積が、自由落下領域に対応する部分の投影面積よりも小さくなっている。言い換えると、内部空間66の平面視における投影面積のうち、半分以上の部分が自由落下領域に対応する部分となっている。
【0057】
第2無底箱部材61は、
図9で示されるように、第1無底箱部材60と略同一の形状となっており、下方側の一部に上記した補給レール21(
図2等参照)を連結するための連結部70(流出口)が形成されている点で第1無底箱部材60と異なっている。以下の説明では、第1無底箱部材60と同一の部分については、説明を簡略化し、詳細な説明を省略する。
【0058】
第2無底箱部材61もまた、4つの側壁部65を備えており、これらが四角環状に連続している。すなわち、この第2無底箱部材61もまた、上方が開放された無底箱形状であり、角筒状(筒状)を成すように形成された部材となっている。したがって、第1無底箱部材60と同様に、4つの側壁部65の内側部分には、4つの側壁部65によって周囲を囲繞された内部空間66が形成されている。さらに、側壁部65のうちの1つには、その内側面に内部空間66に向かって突出する速度制限板68が設けられている。
【0059】
第2無底箱部材61では、速度制限板68の突出基端側と連続する側壁部65を除いた他の3つの側壁部65の下方部分に、第2無底箱部材61の内部空間66と外部を連通する連結部70が設けられている。すなわち、連結部70は、第2無底箱部材61の内外を連通する連通孔を有し、その開口部分は、1つの側壁部65と、この側壁部65と略直交するように連続する他の2つの側壁部65からなる3つの側壁部65に跨って延びている。そして、この連通孔そのもの又は、連通孔とその周辺部分が外部のレール部材(遊技球の搬送路を形成する部材)を連結するための連結部70として機能する。
【0060】
ここで、この1つの側壁部65とは、本実施形態では、速度制限板68の突出基端側と連続する側壁部65に対して離間対向する位置にある側壁部65である。以下、この側壁部65を「基準となる側壁部65」とも称す。
基準となる側壁部65では、その下端側部分が幅方向(上下方向及び厚さ方向の直交する方向)の全域に亘って欠落した状態となっている。このことから、第2無底箱部材61を側面視したとき(第2無底箱部材61を基準となる側壁部65の側からみたとき)、基準となる側壁部65の下方側部分に横長四角形状となる開口部分が形成された状態となっている。
【0061】
そして、他の2つの側壁部65では、基準となる側壁部65よりの部分であり、且つ、下端よりに位置する角部分の周辺が欠落した状態となっている。
2つの側壁部65にそれぞれ形成される欠落部分の形状は、いずれも四隅の1つが丸みを帯びた略縦長長方形状となっている。より具体的には、側壁部65の厚さ方向外側からみたとき、速度制限板68と連続する側壁部65よりであり、上端側に位置する角部分が丸みを帯びた略縦長長方形状となっている。
そして、他の2つの側壁部65のうち、一方の側壁部65の欠落部分と、もう一方の側壁部65の欠落部分とが同一の形状となっている。このことから、これら欠落部分を1方の側壁部65の外側からみたとき(例えば、
図9(a)の手前側からみたとき)、略丁度重なった状態となる。つまり、これら2つの側壁部65と平行な面を投影面として、それぞれの欠落部分を投影させた場合、その投影形状が略丁度重なることとなる。
【0062】
以上のことから、第2無底箱部材61では、
図9(b)で示されるように、離間対向する側壁部65の一方側に速度制限板68が位置し、他方側に連結部70が位置した状態となる。そして、これら速度制限板68と連結部70は、いずれも第2無底箱部材61の下方よりの位置に設けられている。
すなわち、速度制限板68と連結部70は、離間対向する位置にそれぞれ配置されており、速度制限板68から、水平方向であり、且つ、速度制限板68と連続する側壁部65の内側面と直交する方向で離れた位置に、連結部70が位置した状態となっている。
【0063】
本実施形態の内部貯留部42は、上記したように、3つの第1無底箱部材60を上下方向で重ねた状態とし、これらを一体に連結することで形成されている。このとき、
図10で示されるように、それぞれの第1無底箱部材60の向きを平面視で90度ずつ反時計回りにずらした状態としている(詳しくは後述する)。
【0064】
内部貯留部42では、3つの第1無底箱部材60が上下方向で重なっており、上方に位置する第1無底箱部材60の4つの側壁部65のそれぞれの下方に、下方に位置する第1無底箱部材60の4つの側壁部65のそれぞれが位置した状態となっている。そして、上下方向で重なる側壁部65の外側面同士が同一面を形成し、内側面同士もまた同一面を形成した状態となっている。
すなわち、3つの第1無底箱部材60は、いずれも手前側の側壁部65、右側の側壁部65、奥側の側壁部65、左側の側壁部65を有している。そして、3つの手前側の側壁部65が上下方向で重なった状態となり、且つ、その外側面同士が同一面を形成した状態となっている。同様に、3つの右側の側壁部65、3つの奥側の側壁部65、3つの左前側の側壁部65もまた、上下方向で重なった状態となり、且つ、その外側面同士が同一面を形成している。
このことから、3つの第1無底箱部材60があたかも1つの容積の大きな無底箱であり、1つの大きな筒状体を形成した状態となっている。すなわち、上下方向で並列する3つの側壁部65が組となり、内部貯留部42の1つの側壁を形成している。
【0065】
したがって、内部貯留部42の内側部分では、3つの第1無底箱部材60の内部空間66が連続して一体の空間を形成している。すなわち、環状に連続する内部貯留部42の4つの側壁の内側では、3つの内部空間66が上下方向で並列して一体化した空間が形成されている。言い換えると、内部貯留部42の内側に上下方向に延びる大きな空間が形成された状態となっている。
すなわち、内部貯留部42の内部側でもまた、上下方向で重なる側壁部65の内側面同士が同一面を形成した状態となっている。
【0066】
ここで、上記したように、3つの第1無底箱部材60の向きは、平面視で90度ずつずらした状態となっている。
具体的に説明すると、第1無底箱部材60は、いずれも手前側の側壁部65、右側の側壁部65、奥側の側壁部65、左側の側壁部65を有しており、これらが周方向で連続した状態となっている。
そして、最も上方に位置する第1無底箱部材60は、右側に位置する側壁部65の内側面から速度制限板68が突出した状態となっており、上方から2番目に位置する第1無底箱部材60は、奥側に位置する側壁部65の内側面から速度制限板68が突出した状態となっている。また、最も下方に位置する第1無底箱部材60は、左側に位置する側壁部65から速度制限板68が突出した状態となっている。
【0067】
すなわち、最も上方に位置する第1無底箱部材60において速度制限板68が連続する側壁部65と、上方から2番目に位置する第1無底箱部材60において速度制限板68が連続する側壁部65とが平面視で周方向に90度ずれた位置に配されている。そして、上方から2番目に位置する第1無底箱部材60において速度制限板68が連続する側壁部65と、上方から3番目に位置する第1無底箱部材60において速度制限板68が連続する側壁部65とが平面視で周方向に90度ずれた位置に配されている。言い換えると、上方に位置する第1無底箱部材60と、その直下に位置する第1無底箱部材60では、速度制限板68が連続する側壁部65の位置が平面視で周方向に90度ずれた状態となっている。
このように、内部貯留部42では、上方の第1無底箱部材60に対し、その直下に位置する第1無底箱部材60を速度制限板68の位置が周方向にずれた状態となるように重ねて配置している。さらにいうと、複数の第1無底箱部材60を上下方向に重ねて配置するとき、速度制限板68と連続する側壁部65の位置が、下方に向かうにつれて平面視で反時計回りに90度ずつずれていくように、これらを配置している。この結果、下方に向かうにつれて速度制限板68の位置が周方向にずれていくこととなる。
【0068】
本実施形態のタンク外流路接続部43は、上記したように、3つの第2無底箱部材61を上下方向で重ねた状態とし、これらを一体に連結することで形成されている。このとき、
図11で示されるように、3つの第2無底箱部材61を連結部70の開口向きが異なる状態となるようにそれぞれ配置している(詳しくは後述する)。
【0069】
タンク外流路接続部43では、3つの第2無底箱部材61が上下方向で重なっており、上方に位置する第2無底箱部材61の4つの側壁部65のそれぞれの下方に、下方に位置する第2無底箱部材61の4つの側壁部65のそれぞれが位置した状態となっている。そして、上下方向で重なる側壁部65の外側面同士が同一面を形成し、内側面同士もまた同一面を形成した状態となっている。
すなわち、3つの第2無底箱部材61は、いずれも手前側の側壁部65、右側の側壁部65、奥側の側壁部65、左側の側壁部65を有している。そして、3つの手前側の側壁部65が上下方向で重なった状態となり、且つ、その外側面同士が同一面を形成した状態となっている。さらに、3つの右側の側壁部65、3つの奥側の側壁部65、3つの左前側の側壁部65もまた、平面視で重なる位置(上下方向に重なる位置)に配されており、且つ、上下方向で連続する外側面同士が同一面を形成している。
このことから、3つの第2無底箱部材61があたかも1つの容積の大きな無底箱であり、1つの大きな筒状体を形成した状態となっている。すなわち、上下方向で並列する3つの側壁部65が組となり、タンク外流路接続部43の1つの側壁を形成している。
【0070】
したがって、タンク外流路接続部43の内側部分では、3つの第2無底箱部材61の内部空間66が連続して一体の空間を形成している。すなわち、環状に連続するタンク外流路接続部43の4つの側壁の内側に、3つの内部空間66が上下方向で並列して一体化した、上下方向に延びる大きな空間が形成された状態となっている。すなわち、タンク外流路接続部43の内部側でもまた、上下方向で連続する側壁部65の内側面同士が同一面を形成した状態となっている。
【0071】
ここで、上記したように、上下方向で重なる3つの第2無底箱部材61は、すべて異なる向きで配置されている。
具体的に説明すると、第2無底箱部材61は、いずれも手前側の側壁部65、右側の側壁部65、奥側の側壁部65、左側の側壁部65を有しており、これらが周方向で連続した状態となっている。
そして、最も上方に位置する第2無底箱部材61は、手前側に位置する側壁部65の内側面から速度制限板68が突出した状態となっており、奥側に位置する側壁部65に連結部70の大半が形成された状態となっている。
また、上方から2番目に位置する第2無底箱部材61では、右側に位置する側壁部65の内側面から速度制限板68が突出した状態となっており、左側に位置する側壁部65に連結部70の大半が形成された状態となっている。
そして、上方から3番目に位置する第2無底箱部材61では、左側に位置する側壁部65の内側面から速度制限板68が突出した状態となっており、右側に位置する側壁部65に連結部70の大半が形成された状態となっている。
【0072】
すなわち、最も上方に位置する第2無底箱部材61を基準とすると、最も上方に位置する第2無底箱部材61と、上方から2番目に位置する第2無底箱部材61とでは、速度制限板68と連続する側壁部65の位置が反時計回りに90度ずれている。同様に、連結部70の大半が形成されている側壁部65の位置もまた、反時計回りに90度ずれている。
そして、最も上方に位置する第2無底箱部材61と、上方から3番目に位置する第2無底箱部材61では、速度制限板68と連続する側壁部65との位置が時計回りに90度ずれている。同様に、連結部70の大半が形成されている側壁部65の位置もまた、時計回りに90度ずれている。
【0073】
これらのことから、タンク外流路接続部43では、それぞれの第2無底箱部材61において側壁部65から突出する速度制限板68の突出方向が異なるものとなっている。
また、タンク外流路接続部43では、高さの異なる位置にある3つの連結部70がそれぞれ異なる方向に向かって開口した状態となっている。すなわち、最も上方に位置する連結部70は、後方に向かって開放しており、上方から2番目に位置する連結部70は、左方に向かって開放しており、最も下方に位置する連結部70は、右方に向かって開口した状態となっている。
【0074】
続いて、タンク本体39の取り付け構造及び組み立て構造について説明する。
【0075】
タンク本体39は、
図5で示されるように、外箱部40の側壁部48に対して揚送流路29の上端部分を固定した状態で設置するものとなっている。
すなわち、揚送流路29の上端部分を導入口部50の外側に位置させ、そのさらに外側に流路固定部材41を位置させる。このとき、流路固定部材41の取付板部54を側壁部48に密着させた状態で一体に固定し、流路固定部材41の押さえ板部53と2つの取付板部54に囲まれた空間に、揚送流路29の上端部分を位置させる。より詳細には、揚送流路29の上端部分が押さえ板部53の上端部分よりも低位置となるように、揚送流路29の上端部分を位置させる。
このようにすることで、揚送流路29が流路固定部材41により外箱部40の側壁部48に固定された状態となる。
【0076】
タンク本体39では、
図6、
図7で示されるように、内部貯留部42とタンク外流路接続部43を一体化して形成される筒状体が、外箱部40の内外を連通した状態で固定された状態となっている。
【0077】
このとき、内部貯留部42は、外箱部40の内部空間に位置した状態となっている。そして、
図7で示されるように、外箱部40の4つの側壁部48のうち、導入口部50が設けられた側壁部48を含む3つの側壁部48の内側面と、内部貯留部42の4つの側壁部分のうち、3つの側壁部分の外側面とがそれぞれ接触した状態となっている。
そして、外箱部40の他の1つの側壁部48の内側面と、内部貯留部42の他の1つの側壁部分の外側面とが間隔を空けて配されて、離間対向した状態となっている。そして、この離間対向する外箱部40の側壁部48と、内部貯留部42の側壁部分の間に溢出球貯留空間74が形成されている。
【0078】
このため、外箱部40の内側部分では、内部貯留部42の側方に隣接する位置に1つの溢出球貯留空間74が形成されている。より詳細には、内部貯留部42の左右方向における一方の外側であり、内部貯留部42の外側に隣接する位置に溢出球貯留空間74が形成されている。そして、この溢出球貯留空間74は、外箱部40の側壁部48の内側面と、内部貯留部42の側壁部分の外側面との間に形成される空間となっている。
つまり、外箱部40の内側部分は、内部貯留部42が位置する部分と、溢出球貯留空間74が位置する部分に区画されている。
【0079】
また、内部貯留部42とタンク外流路接続部43によって形成される筒状体の下方部分、すなわち、タンク外流路接続部43の略全ての部分は、外箱部40の底板部47より下方に位置した状態となっている。すなわち、タンク外流路接続部43は、上端側の僅かな部分が底板部47に形成された通路挿通孔49(
図6等参照)の内側に位置しており、他の略全ての部分が外箱部40の外側に位置している。そして、このタンク外流路接続部43の略全ての部分は、外箱部40の底板部47から下方に突出したような状態で配されている。
【0080】
ここで、
図6で示されるように、溢出球貯留空間74の底側部分には、左右方向における外側に向かって下り勾配となる傾斜面が形成されている。つまり、外箱部40の底板部47の上面であって、溢出球貯留空間74と面する部分には、外側に向かうにつれて高さの低くなる傾斜面が形成されている。
そして、外箱部40の側壁部48のうち、この傾斜面の下端近傍に位置する部分には、溢出球貯留空間74と外部を連通する流通孔が設けられている。この流通孔又は、流通孔とその周辺部分が、外部のレール部材(遊技球の搬送路を形成する部材)を連結するための搬送路連結部として機能する。すなわち、オーバーフローレール22の上流端を接続するためのオーバーフローレール連結部として機能する。
【0081】
なお、
図6で示されるように、外箱部40には1つのオーバーフローレール22が接続された状態となっており、オーバーフローレール22は、外箱部40の側壁部48に形成された流通孔を介して溢出球貯留空間74と連続している。このことから、溢出球貯留空間74に貯留された遊技球がオーバーフローレール22に流出可能となっている。
【0082】
また、
図2、
図4で示されるように、タンク外流路接続部43に形成された3つの連結部70には、上側小島間流路35と、それぞれ異なる2つの補給レール21の上流端が接続された状態となっている。すなわち、上側小島間流路35や2つの補給レール21は、連結部70を介してタンク外流路接続部43の内部と連続している。このことから、遊技球がタンク外流路接続部43から上側小島間流路35や補給レール21に流出可能となっている。
言い換えると、本実施形態では、タンク外流路接続部43に形成された3つの連結部70に対し、異なる3方に延びる流路(上側小島間流路35、2つの補給レール21)が連結された状態となっている。
【0083】
補給レール21は、
図2、
図3で示されるように、各遊技機15に向かって遊技球を搬送する搬送路(流路)を形成する部材である。
【0084】
この補給レール21は、第1小島部3aでは、
図2で示されるように、島上タンク20が位置する部分、すなわち、第1小島部3aの長手方向(遊技機島1の長手方向)における略中心近傍であり、且つ、第1小島部3aの上端よりの部分から、第1小島部3aの長手方向の端部に向かって下り勾配となるように設けられている。
【0085】
より詳細には、第1小島部3aでは、2つの補給レール21が設けられており、一方が第1小島部3aの長手方向における一方端側へ向かって延びており、他方が第1小島部3aの長手方向における他方端側へ向かって延びている。このとき、2つの補給レール21の上端部分は、いずれもタンク外流路接続部43の連結部70に接続された状態となっている。
すなわち、一方の補給レール21の上端部分は、タンク外流路接続部43の3つの連結部70のうちの一つであり、左側に向かって開口した連結部70と連結された状態となっている。これに対して、もう一方の補給レール21の上端部分は、タンク外流路接続部43の連結部70のうちの他の一つであり、右側に向かって開口した連結部70と連結された状態となっている。
つまり、2つの補給レール21の上端部分のそれぞれは、左右方向のそれぞれに向かって別途開口した2つの異なる連結部70のそれぞれと、別途連結された状態となっている。
【0086】
このとき、左右方向のそれぞれに向かって別途開口した2つの異なる連結部70は、一方の連結部70が他方の連結部70よりも高位置に配されている。
このことから、一方の補給レール21(
図2における左側)の上端部分が、他方(
図2における右側)の補給レール21の上端部分よりも上方に位置した状態となっている。
【0087】
第2小島部3bの補給レール21は、
図3で示されるように、上側貯留箱30が位置する部分から、第2小島部3bの長手方向の端部に向かって下り勾配となるように設けられている。すなわち、第2小島部3bの長手方向(遊技機島1の長手方向)における略中心近傍であり、且つ、第2小島部3bの上端よりの部分から、第2小島部3bの長手方向の端部に向かって延びている。
より詳細には、第2小島部3bでは、2つの補給レール21が設けられており、一方が第2小島部3bの長手方向における一方端側へ向かって延びており、他方が第2小島部3bの長手方向における他方端側へ向かって延びている。このとき、2つの補給レール21の上端部分は、いずれも上側貯留箱30の流出側レール連結部84(詳しくは後述する)に連結されており、同じ高さとなるように配置されている。言い換えると、第2小島部3bでは、2つの補給レール21の上端部分の高さ、搬送方向の長さ、傾斜角度が同一(略同一)となっている。
【0088】
なお、それぞれの補給レール21には、延び方向の中途部分に補給シュート(図示しない)が取り付けられている。より詳細には、補給レール21には複数の補給シュートが取り付けられており、補給レール21の延び方向で所定間隔を空けて並列している。それぞれの補給シュートは、補給レール21から枝分かれして延びる搬送路、すなわち、遊技機15や遊技媒体貸出機16に遊技球を供給するための搬送路を形成する部材である。
【0089】
ここで、それぞれの補給レール21には、必要に応じて簡易揚送装置(所謂ミニリフトであり、図示しない)の取り付けが可能となっている。この簡易揚送装置は、補給レール21のうちで比較的低位置となる部分に位置する遊技球を、同一の補給レール21の比較的高位置となる部分に揚送する機能を有している。すなわち、この簡易揚送装置は、所定の流路(所定の部材)に取り付けられ、簡易揚送装置を取り付けた流路内(部材内)の低位置部から高位置部へと遊技球を揚送するための装置である。言い換えると、この簡易揚送装置は、同一の流路内(同一の部材内)の低位置部から高位置部へと遊技球を揚送するための装置となっている。
【0090】
オーバーフローレール22は、島上タンク20の内部で一定量以上となった遊技球を搬送する搬送路を形成するための部材である。
このオーバーフローレール22は、
図2で示されるように、第1小島部3aに設けられた2つの補給レール21のうち、一方の補給レール21から上方に離れた位置に設けられている。そして、その上端部分が島上タンク20の溢出球貯留空間74に連結されており、下方に位置する補給レール21と同様に、島上タンク20が位置する部分から遊技機島1の長手方向の端部に向かって下り勾配となっている。
本実施形態の遊技機島1では、2つの小島部3のうちの一方である第1小島部3aにのみ、1つのオーバーフローレール22を設ける構造となっている。すなわち、第1小島部3aの長手方向における略中心となる部分と片側端部の間にのみオーバーフローレール22が設けられ、長手方向における略中心となる部分と他方側端部の間には、オーバーフローレール22を設けない構造となっている。
【0091】
以上のように、補給レール21とオーバーフローレール22は、遊技機15よりも上方で遊技球を水平方向(横方向)に搬送するための搬送路を形成している。
【0092】
球抜きホース23は、遊技球を下方へ向かって搬送するための搬送路を形成する部材であり、補給レール21の下流端近傍に連結され、連結部分から垂下された状態となっており、高さ方向(上下方向)に延びる搬送路を形成している。
【0093】
この球抜きホース23は、第1小島部3aでは、
図2で示されるように、上流端部分が補給レール21の下流端に接続され、下流端部分が島中タンク25に接続された状態となっている。対して、第2小島部3bでは、
図3で示されるように、上流端部分が補給レール21の下流端に接続され、下流端部分がアウトレール26の上流端側に接続された状態となっている。
なお、球抜きホース23によって形成される搬送路は、補給レール21上に滞留した球を強制的に排出するための搬送路であり、通常、この球抜きホース23の内部を遊技球が流れることはない。
【0094】
オーバーフローホース24は、遊技球を下方へ向かって搬送するための搬送路を形成する部材である。
このオーバーフローホース24は、第1小島部3aの長手方向の端部よりの位置に配されており、その上流端部分がオーバーフローレール22の下流端近傍に連結され、オーバーフローレール22から垂下された状態となっている。そして、下流端部分が島中タンク25に接続された状態となっている。すなわち、オーバーフローレール22の下流側部分と島中タンク25の間で上下方向(高さ方向)に延びる搬送路を形成している。
なお、本実施形態の遊技機島1では、2つの小島部3のうちの一方である第1小島部3aにのみ、1つのオーバーフローホース24を設ける構造となっている。
【0095】
以上のように、球抜きホース23とオーバーフローホース24は、遊技機15の列の並列方向における外側側方で遊技球を上下方向(縦方向)に搬送するための搬送路を形成している。
【0096】
島中タンク25は、内部に遊技球を一時的に貯留可能となっており、遊技球の貯留手段(一時貯留手段)として機能する部材である。
本実施形態では、2つの小島部3のうちの一方である第1小島部3aにのみ設けられている(
図2参照)。具体的には、第1小島部3aにおいて、遊技機15よりも下方側に位置する下端側の部分であって、第1小島部3aの長手方向における片側端部と隣接する位置と、他方側端部と隣接する位置のそれぞれに島中タンク25が配置された状態となっている。
【0097】
アウトレール26は、遊技機15から排出される遊技球(所謂アウト球)や、島中タンク25から排出される遊技球を搬送するための搬送路を形成する部材である。このアウトレール26は、遊技機15よりも低位置に配されており、遊技機15又は島中タンク25から排出される遊技球を所定位置に向かって流動させるための搬送路を形成している。
【0098】
具体的には、第1小島部3aでは、
図2で示されるように、2つのアウトレール26が設けられており、一方が第1小島部3aの長手方向(遊技機島1の長手方向)における一方端から中央に位置する研磨装置27へと向かって延びており、もう一方が第1小島部3aの長手方向における他方端から中央に位置する研磨装置27へと向かって延びている。すなわち、上流端となる第1小島部3aの長手方向における端部が最も高位置に配され、研磨装置27側へ向かって下り勾配となるように設置されている。
ここで、第1小島部3aの2つのアウトレール26のそれぞれの上流端側部分は、いずれも島中タンク25に連結された状態となっており、島中タンク25に一時的に貯留された遊技球を上流端側から流入させることが可能となっている。また、これに加え、上方に位置する遊技機15から排出された遊技球を受け止め、下流側へと流すことも可能となっている。
【0099】
第2小島部3bでは、
図3で示されるように、2つのアウトレール26が設けられており、一方が第2小島部3bの長手方向(遊技機島1の長手方向)における一方端から中央に位置する下側貯留箱31へと向かって延びており、もう一方が第2小島部3bの長手方向における他方端から中央に位置する下側貯留箱31へと向かって延びている。すなわち、この第2小島部3bのアウトレール26もまた、上流端となる第2小島部3bの長手方向における端部が最も高位置に配され、下側貯留箱31側へ向かって下り勾配となるように設置されている。
ここで、第2小島部3bの2つのアウトレール26のそれぞれの下流端側部分は、いずれも下側貯留箱31の流入側レール連結部83(詳しくは後述する)に連結されており、アウトレール26の下端側部分から下側貯留箱31の内部に遊技球を直接流入させることが可能となっている。
【0100】
すなわち、アウトレール26は、遊技機15よりも下方で遊技球を水平方向(横方向)に搬送するための搬送路を形成している。
【0101】
研磨装置27は、公知のそれと同様のものであり、遊技球を研磨し、付着した汚れを除去する機能と、研磨した遊技球を近接する揚送装置28に搬送する機能を有している。この研磨装置27は、2つの小島部3のうちの一方である第1小島部3aにのみ設けられており、第1小島部3aの長手方向の略中央となる部分の下部に配されている(
図2参照)。
【0102】
揚送装置28は、公知のそれと同様のものであり、揚送流路29が連結された状態となっている。この揚送装置28は、外部から流入した遊技球に対して上方に向かう力を付与しつつ揚送流路29へ送り出す機能を有する装置であり、揚送流路29を介して遊技球を上方へ揚送する機能を有している。
この揚送装置28は、2つの小島部3のうちの一方である第1小島部3aにのみ設けられており、研磨装置27と隣接する位置に配されている(
図2参照)。
ここで、上記した簡易揚送装置が所定の流路(又は部材)に取り付けられ、取り付けた流路内(又は部材内)における低位置から高位置へと遊技球を揚送するのに対し、この揚送装置28は、研磨装置27(所定の部材)の外部であり、且つ、隣接する位置に設けられ、研磨装置27から流出した遊技球を上方に位置する外部の部材(島上タンク20)へ遊技球を揚送する装置となっている。つまり、揚送装置28は、遊技球を上方に向かって搬送するための流路(揚送流路29)を介し、遊技球を上方に位置する外部の部材へ搬送するための装置となっている。
【0103】
揚送流路29は、縦方向に延びるパイプ状の環状部材を複数本密集させ、これらを並列した状態に配することで形成される流路となっている。この揚送流路29もまた、2つの小島部3のうちの一方である第1小島部3aにのみ設けられている。
【0104】
すなわち、本実施形態の遊技機島1では、2つの小島部3のうちの一方である第1小島部3aにのみ、研磨装置27、揚送装置28、揚送流路29が設けられた構造となっている。
【0105】
上側貯留箱30は、2つの小島部3のうちの他方である第2小島部3bにのみ設けられた部材である(
図3参照)。
具体的には、
図12で示されるように、上方が開放された有底箱状の部材であり、四角環状に連続する4つの側壁部81と、4つの側壁部81によって囲まれた空間の下方側部分を閉塞する底板形成部82とを備えた構造となっている。
【0106】
4つの側壁部81は、いずれも直立した姿勢の長方形平板状となっている。
4つの側壁部81のうち、一の側壁部81には、その幅方向(上下方向及び厚さ方向と直交する方向)の中心となる部分(中心側)であり、上端部分に流入側レール連結部83が設けられている。
【0107】
流入側レール連結部83は、側壁部81の上端から下方に延びた切欠き部分であり、正面視した形状(厚さ方向における一方側からみた形状)が四角形状となる切欠き部分を有している。そして、この切欠き部分そのもの又は、切欠き部分とその周辺部分が外部のレール部材(遊技球の搬送路を形成する部材)を連結するための流入側レール連結部83として機能する。
なお、本実施形態では、流入側レール連結部83を上端から下方に延びる切欠き部分を有する構造としたが、側壁部81の上端よりやや下方に貫通孔を形成してもよい。
【0108】
ここで、流入側レール連結部83が形成された側壁部81は、その幅方向の両端部分が他の2つの側壁部81の略直交した状態で連続している。
そして、この他の2つの側壁部81、すなわち、左右方向で離間対向する2つの側壁部81の下端部分には、流出側レール連結部84がそれぞれ形成されている。
【0109】
流出側レール連結部84は、側壁部81の下端から上方に延びた切欠き部分であり、側面視した形状(厚さ方向における一方側からみた形状)が四角形状となる切欠き部分を有している。そして、この切欠き部分そのもの又は、切欠き部分とその周辺部分が外部のレール部材(遊技球の搬送路を形成する部材)を連結するための流出側レール連結部84として機能する。
なお、本実施形態では、流出側レール連結部84を下端から上方に延びる切欠き部分を有する構造としたが、側壁部81の下端よりやや上方に貫通孔を形成してもよい。
【0110】
底板形成部82は、その左右方向における中心部分が最も高位置となるように折曲がった形状の板状部材であり(又はそのような板状部材を有する構造であり)、その上面に2つの傾斜面が形成されている。
具体的に説明すると、この2つの傾斜面は、流入側レール連結部83が形成された側壁部81と、これと離間対向する他の一の側壁部81の対向方向に延びた稜線から傾斜する傾斜面となっている。そして、この2つの傾斜面は、いずれも左右方向の端部側に向かって下り勾配となる傾斜面であり、その下端部分が流出側レール連結部84と連続した状態となっている。
【0111】
このことから、流入側レール連結部83から上側貯留箱30の内部に流入した遊技球は、底板形成部82に形成された傾斜面の上を転がった後、傾斜面の下流端近傍に位置する流出側レール連結部84を介して外部へと流出することとなる。
【0112】
下側貯留箱31は、2つの小島部3のうちの他方である第2小島部3bにのみ設けられた部材である。
具体的には、
図13で示されるように、上方が開放された有底箱状の部材であり、4つの側壁部91と、4つの側壁部91によって囲まれた空間の下方側部分を閉塞する底板形成部92とを備えた構造となっている。
【0113】
4つの側壁部91は、正面視した形状(厚さ方向における一方側からみた形状)が略「T」字状となる2つの側壁部91aと、側面視した形状(厚さ方向における一方側からみた形状)が略「凹」字状となる2つの側壁部91bを備えている。これら4つの側壁部91は、いずれも直立した姿勢の板状の部材となっている。
【0114】
ここで、
図13において手前側に位置する側壁部91aには、その幅方向(左右方向)における中心であり、下端近傍に位置する部分に流出側レール連結部93が設けられている。
【0115】
流出側レール連結部93は、側壁部91aを貫通する貫通孔であり、その開口形状が四角形状となる貫通孔を有している。すなわち、正面視した形状(厚さ方向における一方側からみた形状)が四角形状となる貫通孔を有する構造となっている。そして、この貫通孔そのもの又は、貫通孔とその周辺部分が外部のレール部材(遊技球の搬送路を形成する部材)を連結するための流出側レール連結部93として機能する。言い換えると、この流出側レール連結部93は、下側貯留箱31の内部(後述する中心側凹部92aの内側空間)と外部を連通する貫通孔を有した構造となっている。
なお、本実施形態の流出側レール連結部93は、側壁部91aを貫通する貫通孔を有する構造としたが、これに替わって下端から上方に延びる切欠き部分を有する構造としてもよい。
【0116】
また、流出側レール連結部93が設けられた側壁部91aの幅方向における両端部分のそれぞれは、他の2つの側壁部91bのそれぞれと略直交した状態で連続している。
ここで、この他の2つの側壁部91bのそれぞれには、幅方向(上下方向及び)における略中心となる部分(中心側)であり、上端側に位置する部分に、流入側レール連結部94が設けられている。
【0117】
流入側レール連結部94は、側壁部91bの上端から下方に延びた切欠き状の部分を有しており、この切欠き状の部分は、側面視した形状(側壁部91bの厚さ方向における一方側からみた形状)が四角形状となっている。そして、この切欠き状の部分そのもの又は、切欠き状の部分とその周辺部分が外部のレール部材(遊技球の搬送路を形成する部材)を連結するための流入側レール連結部94として機能する。
【0118】
底板形成部92は、左右方向における中心(中心側)に位置する中心側凹部92aと、左右方向の一方端側と他方端側にそれぞれ位置する2つの底側傾斜部92bとを備えた構造となっている。すなわち、2つの底側傾斜部92bの間に中心側凹部92aが位置しており、これらが一体に連続することで底板形成部92を形成している。
【0119】
中心側凹部92aは、下側貯留箱31の底部分の一部であり、底部分のうちで周囲よりも下方に向かって凸となるように窪んだ部分を形成している。より具体的には、左右方向で離間対向する2つの立壁状部分と、この2つの立壁状部分の下端同士の間に位置する底板状部分とを備えており、これらが一体に連続して形成された部分なっている。
【0120】
底側傾斜部92bは、その上面に、側壁部91bの下端側部分から左右方向における中心側に向かって延び、左右方向における中心側に向かうにつれて高さが低くなる傾斜面が形成されている。そして、この傾斜面の下端部分は、中心側凹部92aの立壁状部分の上端部分と連続した状態となっている。
【0121】
このことから、流入側レール連結部94から下側貯留箱31の内部に流入した遊技球は、底側傾斜部92bの傾斜面を転がり、中心側凹部92aへと流入する。そして、流出側レール連結部93を介して外部へ流出することとなる。
【0122】
上側小島間流路35は、
図4で示されるように、第1小島部3aの内部から第2小島部3bの内部まで、2つの小島部3の間に跨って延びる遊技球の搬送路を形成するための部材である。すなわち、この上側小島間流路35は、遊技球を水平方向(遊技機島1の短手方向であり、
図4では左右方向)に搬送するための搬送路を形成している。
より具体的には、上側小島間流路35の上流端部分は、タンク外流路接続部43の3つの連結部70(
図11等参照)のうち、構造物配置空間4が位置する方向(遊技機島1の短手方向における内側)に向かって開口する連結部70、すなわち、最も上方に位置する連結部70と連結された状態となっている。そして、上側小島間流路35の下流端部分は、上側貯留箱30の流入側レール連結部83と連結された状態となっている。
【0123】
ここで、上側小島間流路35の上流端部分は、下流端部分よりも高位置に配された状態となっており、上側小島間流路35は、下流側に向かって下り勾配となるように設けられている。
【0124】
下側小島間流路36は、
図4で示されるように、第2小島部3bの内部から第1小島部3aの内部まで、2つの小島部3の間に跨って延びる遊技球の搬送路を形成するための部材である。すなわち、この下側小島間流路36は、遊技球を水平方向(遊技機島1の短手方向であり、
図4では左右方向)に搬送するための搬送路を形成している。
より具体的には、下側小島間流路36の上流端部分は、下側貯留箱31の流出側レール連結部93と連結された状態となっている。そして、下側小島間流路36は、第1小島部3aに内蔵された研磨装置27(
図4では図示しない、
図2等参照)に向かって延びている。
【0125】
ここで、下側小島間流路36の上流端部分もまた、下流端部分よりも高位置に配された状態となっている。すなわち、下側小島間流路36は、下流側に向かって下り勾配となるように設けられている。
【0126】
続いて、本実施形態の遊技機島1において、内部で遊技球を循環させる際の遊技球の流れについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0127】
本実施形態の遊技機島1では、上記した各流路及び各機器を内部に備えることにより、2つの小島部3のそれぞれに配置された遊技機15から排出された遊技球の回収や、2つの小島部3のそれぞれに配置された遊技機15や遊技媒体貸出機16への遊技球の供給が可能となっている。
【0128】
まず、第1小島部3aにおいて遊技機15から排出された遊技球は、直接又は島中タンク25の内部を経て、アウトレール26に導入される構造となっている(
図2参照)。このとき、アウトレール26を下端まで流れた遊技球は、研磨装置27に流入し、研磨装置27で研磨された後、揚送装置28に流入する。
【0129】
対して、第2小島部3bにおいて、遊技機15から排出された遊技球は、アウトレール26に導入され、アウトレール26を下端まで流れた後、下側貯留箱31へと流入する(
図3参照)。そして、下側貯留箱31から下側小島間流路36へと流入し、その後に、下側小島間流路36から研磨装置27の内部へ流入する(
図2、
図4等参照)。その後は、上記と同様に、研磨装置27で研磨された後、揚送装置28に流入する。
以上のように、第1小島部3aと第2小島部3bのそれぞれに配置された遊技機15から排出された遊技球は、いずれも第1小島部3aに内蔵された研磨装置27に流入することとなる。言い換えると、2つの小島部3のそれぞれに属する遊技機15から排出された遊技球は、全て片側の小島部3(第1小島部3a)の内部となる研磨装置27が位置する部分へと集められることとなる。
【0130】
続いて、揚送装置28の内部に流入した遊技球は、揚送装置28によって上側へ向かう力を付与されつつ揚送流路29に流入され、揚送流路29の上端側から島上タンク20のタンク本体39へ流入することとなる。
【0131】
ここで、揚送流路29から島上タンク20に遊技球が流入する際、揚送流路29の上端部分からタンク本体39の内部に遊技球が流入することとなる。すなわち、外部筐体38の内部では、上記したように、タンク本体39に揚送流路29が固定された状態となっている。このため、
図14で示されるように、揚送流路29の上端部分から導入口部50を介して外箱部40の内部に遊技球が流入されることとなる。
このとき、上記したように、導入口部50が形成された外箱部40の側壁部48の内周面と、内部貯留部42の側壁部分の外周面が密着されていることから、導入口部50よりもやや内側に位置する部分の下方に、内部貯留部42の上端開口部が位置した状態となっている。このことから、導入口部50から外箱部40の内側に落下した遊技球がそのまま内部貯留部42の内部へと流入していくこととなる。
【0132】
そして、内部貯留部42の内部に流入した遊技球は、
図15で示されるように、内部貯留部42及びタンク外流路接続部43が一体となって形成される筒状体の内部を落下していく。
【0133】
ここで、この筒状体の内部空間には、上記したように、内側面から内側に向かって突出する速度制限板68が上下方向で離れた複数個所に設けられた状態となっており、それぞれの速度制限板68が下方に向かって傾斜した状態となっている。このため、筒状体の内部を落下する遊技球が速度制限板68の上面に衝突し、速度制限板68の上面を転がって下方に流れ、速度制限板68の上面となる傾斜面の下端部分からさらに下方へと落下する。
【0134】
すなわち、内部貯留部42及びタンク外流路接続部43から形成される筒状体の内部を落下する遊技球が、落下の途中で速度制限板68に衝突し、速度制限板68の上面を転がった後、さらに下方に落下することで、遊技球の落下速度を緩やかにすることができる。このことにより、勢いよく落下した遊技球が筒状体の下方側で側壁部65の内側面や他の遊技球等と衝突することに起因する各部材や遊技球そのものの破損、すなわち、筒状体の破損、筒状体に連結される搬送路の破損、遊技球の破損等を防止できる。
【0135】
ここで、この筒状体では、上記したように、それぞれの速度制限板68の突出方向が異なるように、筒状体を構成するそれぞれの無底箱部材(第1無底箱部材60、第2無底箱部材61)の姿勢が異なる配置となっている。言い換えると、速度制限板68同士の平面視における重なり部分がなるべく少なくなるように、それぞれの速度制限板68が配置された状態となっている。このことから、筒状体の内部空間を平面視したとき、中心側の僅かな領域を除く他の全ての領域にいずれかの速度制限板68が位置した状態となっている。
このように、平面視したときに速度制限板68が位置しない領域を少なくする構造とすると、筒状体の上端から流入する遊技球が速度制限板68に衝突させ易くすることができる。すなわち、遊技球が内部空間の中心側を除くいずれの部分で下方に落下したとしても、遊技球が速度制限板68に衝突する構造となっている。
【0136】
なお、本実施形態では、筒状体の上端開口のうち、周縁部分よりの位置から遊技球が流入する(
図14参照)ので、遊技球は、必然的に側壁部65よりの位置を落下することになる。このことにより、遊技球をより確実に落下の途中でいずれかの速度制限板68と衝突させることが可能となっている。言い換えると、より確実に落下する遊技球の速度を緩やかにできる構造となっている。
【0137】
このように、筒状体に遊技球が流入していくと、
図15、
図16で示されるように、最も下方側に位置する第2無底箱部材61へと到達し、第2無底箱部材61の内部から、第2無底箱部材61に連結された補給レール21へと流入する。そして、補給レール21に流入した遊技球は、遊技機15へ供給されるまでの間、補給レール21の上(又は内部)に位置した状態となる。
すなわち、補給レール21に遊技球が流入し続けると、この補給レール21の上(又は内部)に多くの遊技球が待機した状態となり、この補給レール21に対して新たな遊技球が流入できない状態となる。
【0138】
筒状体の下端側に連結された補給レール21に新たな遊技球が流入できない状態において、さらに筒状体に遊技球が流入していくと、遊技球が筒状体の下端側に溜まった状態となる(
図17等参照)。すなわち、上記したように、筒状体の下端開口部分が遊技機島1の内部壁面から突出する板状体44によって閉塞された状態であることから、最も下端側に位置する第2無底箱部材61の内部に遊技球が貯留されていく。
【0139】
そのまま、遊技球が貯留されていくと、
図17で示されるように、最も下端側に位置する第2無底箱部材61の内部、下から2番目に位置する第2無底箱部材61の内部といった具合に、下方側に位置する無底箱部材の内部から順に遊技球が貯留されていくこととなる。
【0140】
つまり、筒状体の内部に遊技球が流入し続けると、最も下端側に位置する第2無底箱部材61の内部が遊技球によって満たされた状態となる。そして、積み重なって貯留された遊技球の塊の最上端部分が徐々に上側へと移動していくこととなり、この最上端部分が下から2番目に位置する第2無底箱部材61の内部まで到達する。そして、この状態でさらに筒状体に遊技球が流入されると、この第2無底箱部材61と連続する補給レール21(上側の補給レール21)に遊技球が流入していくこととなる。
すなわち、筒状体の内部に貯留されて積み重なった遊技球の高さが上方に位置する連結部70の高さまで到達すると、この連結部70と連続する上側の補給レール21に遊技球が流入していく。
【0141】
この上側の補給レール21においても、遊技球が流入し続けると、補給レール21の上(又は内部)に遊技球が待機し、この補給レール21に新たな遊技球が流入できない状態となる。この状態で、さらに筒状体の内部に遊技球が流入し続けることにより、下から2番目に位置する第2無底箱部材61の内部が遊技球で満たされることとなる。
【0142】
さらに、この状態で筒状体の内部に遊技球が流入し続けると、積み重なって貯留された遊技球の塊の最上端部分がさらに上側へと移動し、下から3番目に位置する第2無底箱部材61の内部まで到達する(
図18参照)。そして、この状態でさらに筒状体に遊技球が流入されると、この第2無底箱部材61に形成された連結部70から、上側小島間流路35(
図18では図示しない、
図4等参照)へ遊技球が流入していくこととなる。
【0143】
なお、上側小島間流路35へ流入した遊技球は、上側小島間流路35の下流端から上側貯留箱30へと流入する(
図4参照)。すなわち、上側小島間流路35を介して第2小島部3bの上側貯留箱30へと供給されることとなる。
このように、上側貯留箱30には、遊技球が自重によって下方側へと流れる流路である上側小島間流路35が連結された状態となっている。そして、側小島間流路35を流れた遊技球が流入するものとなっている。つまり、上記した島上タンク20が、揚送装置28によって揚送された遊技球が上方に向かって流れる流路(揚送流路29)が連結され、上方へ揚送された遊技球が流入するのに対し、上側貯留箱30は、遊技球が自重によって下方側へと流れる流路が連結され、下方側へ向かって流れた遊技球が流入することとなる。
【0144】
そして、第2小島部3bでは、上側貯留箱30から2つの補給レール21のそれぞれに遊技球が流入し、これら補給レール21を介してそれぞれの遊技機15や遊技媒体貸出機16へ遊技球が供給されることとなる(
図3等参照)。
【0145】
ここで、第2小島部3bの補給レール21においても、遊技球が流入し続けると、補給レール21の上(又は内部)に遊技球が待機し、補給レール21に新たな遊技球が流入できない状態となる。
すなわち、上側小島間流路35から上側貯留箱30を経て、第2小島部3bの補給レール21に遊技球が供給され続けると、やがて、上側貯留箱30から補給レール21へ遊技球が流入できない状態となる。この状態で、上側小島間流路35から上側貯留箱30へと遊技球が流入し続けると、遊技球が上側貯留箱30の内部で溜まっていくこととなる。そして、一定量の遊技球が上側貯留箱30の内部に溜まった状態となると、上側小島間流路35から上側貯留箱30へと遊技球が流入できない状態となる。さらに、この状態でタンク外流路接続部43から遊技球が上側小島間流路35に流入し続けると、上側貯留箱30に流入できない遊技球が上側小島間流路35の上に待機していくので、最終的に上側小島間流路35に新たな遊技球が流入できない状態となる。
【0146】
ここで、遊技機島1を実際に運用するとき、タンク外流路接続部43と連結された2つの補給レール21と、上側小島間流路35に遊技球が流入できない状態において、さらに島上タンク20に遊技球が流入することがある。この場合、積み重なって貯留された遊技球の塊の最上端部分がさらに上側へと移動し、タンク外流路接続部43の内部が遊技球で満たされた状態となる。
そして、タンク外流路接続部43の内部に遊技球が満たされた状態で、さらに筒状体に遊技球が流入し続けると、
図19で示されるように、内部貯留部42の内部もまた遊技球で満たされていく。すなわち、最も下端側に位置する第1無底箱部材60の内部、下から2番目に位置する第1無底箱部材60の内部、下から3番目に位置する第1無底箱部材60の順に遊技球が貯留されていく。つまり、内部貯留部42でもまた、タンク外流路接続部43と同様に、下方側に位置する無底箱部材の内部から順に遊技球が貯留されていくこととなる。
【0147】
また、内部貯留部42の上端まで遊技球が満たされた状態、すなわち、内部貯留部42及びタンク外流路接続部43が連結して形成される筒状体の内部空間の全てが遊技球で満たされた状態において、さらに遊技球が流入すると、内部貯留部42(筒状体)から遊技球が溢れ、溢れた遊技球が溢出球貯留空間74へと流入する。すなわち、内部貯留部42の内部に遊技球が満たされ、これ以上の内部貯留部42への遊技球の流入が不可能であるとき、タンク本体39に流入した遊技球は、溢出球貯留空間74に流入していく。
【0148】
そして、溢出球貯留空間74に流入した遊技球は、その下端部分に位置する傾斜面に到達し、傾斜面の上を転がった後、傾斜面の下流端近傍に位置する連通孔を介してオーバーフローレール22へと流入する。
【0149】
以上のように、本実施形態の島上タンク20では、第1小島部3aに属する2つの補給レール21への遊技球の供給、上側小島間流路35への遊技球の供給、これらへ流入させる遊技球の一時貯留、さらには、余剰の遊技球のオーバーフローレール22への供給が可能となっている。
【0150】
すなわち、本実施形態の遊技機島1では、島上タンク20から第1小島部3aに属する補給レール21を経て、第1小島部3aに属する遊技機15や遊技媒体貸出機16へと遊技球が供給可能となっている。さらに、島上タンク20から上側小島間流路35、上側貯留箱30、第2小島部3bに属する補給レール21を経て第2小島部3bに属する遊技機15や遊技媒体貸出機16へと遊技球が供給可能となっている(
図2、
図3、
図4参照)。
その一方で、上記したように、第1小島部3aに属する遊技機15から排出された遊技球を第1小島部3aに属するアウトレール26を介して研磨装置27へ流入させることが可能となっている。加えて、第2小島部3bに属する遊技機15から排出された遊技球を第2小島部3bに属するアウトレール26、下側貯留箱31、下側小島間流路36を介して研磨装置27へ流入させることが可能となっている。言い換えると、第1小島部3aに属する遊技機15から排出された遊技球と、第2小島部3bに属する遊技機15から排出された遊技球とを回収し、研磨装置27へ流入させることが可能となっている。そして、研磨装置27へ流入させた遊技球は、揚送装置28、揚送流路29を経て島上タンク20のタンク本体39に流入させることが可能となっている。
【0151】
つまり、本実施形態の遊技機島1には、2つの小島部3に跨って延びる循環経路が形成されており、この循環経路によって、それぞれの小島部3に配置された遊技機15を経て遊技球を循環させることが可能となっている。
【0152】
上記した実施形態では、下側貯留箱31の中心側凹部92aを2つの立壁状部分と、これらの下端同士の間に位置する底板状部分により形成する例を示した(
図13参照)。すなわち、中心側凹部92aの底部分の上面が平面となるように形成した例を示したが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、中心側凹部92aの底部分の上面が、流出側レール連結部93に向かって下り勾配となるように傾斜面としてもよい。すなわち、下端部分が流出側レール連結部93と連続する傾斜面となるように形成してもよい。
【0153】
上記した実施形態では、有底箱状の上側貯留箱30と下側貯留箱31を採用した例を示したが、本発明はこれに限るものではない。第2小島部3bに対し、これらに替わって受皿状部材を備えた構造であってもよい。すなわち、多くの遊技球を一時的に貯留可能なものでなく、各搬送路の下流端から流出する遊技球を受け止めた後、そのまま即座に外部に流出させてもよい。
しかしながら、一時的に多量の遊技球が流れ込んでしまった場合において溢れ出しを防止するという観点から、一時的に一定量の遊技球を貯留可能な箱状のものがより好ましい。
【0154】
上記した実施形態では、妻板2が遊技機島1の長手方向の端部に位置し、外形が略直方体状である遊技機島1の短寸の側面を形成する例を示したが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、配置する遊技機15の数を少なくした場合(小島部3を遊技機15の並列方向で短くした場合)や、2つの小島部3の離間距離を長くする必要がある場合(遊技場の構造物の同方向の寸法が長いものである場合)等、妻板2の幅方向の長さが、遊技機島1の遊技機15の並列方向の長さよりも長くなってもよい。すなわち、妻板2が遊技機島1の短手方向の端部に位置し、長寸の側面を形成する構造であっても構わない
【0155】
上記した実施形態では、遊技場で間隔を空けて並列する2つの柱5が内側に設けた構造物配置空間4に位置するように遊技機島1を構築する例について説明したが、本発明はこれに限るものではない。
構造物配置空間4に位置させる遊技場の構造物は、柱5だけではなく、例えば、遊技場の壁面の一部が内側に向かって突出したような壁面の隆起部分であってもよい。この場合、例えば、2つの妻板2の一方を設けず、一の側端部分を外部に開放させた状態とし、この外部に開放された側端部分を壁面に密着させ、構造物配置空間に壁面の隆起部分を位置させてもよい。
すなわち、構造物配置空間4に位置させる遊技場の構造物は、柱5に限らず、遊技場の建築構造上移動させることができない他の構造物であってもよい。
【0156】
また、構造物配置空間4は、4方が小島部3、妻板2によって囲まれた空間でなくてもよく、上記のように、小島部3や妻板2によって3方が囲まれた空間であってもよい。すなわち、構造物配置空間は、周囲の3方に小島部、妻板が位置し、他の1方に遊技場の壁面が位置する空間、つまり、小島部、妻板、遊技場の壁面によって囲まれた空間であってもよい。
【0157】
つまり、上記した実施形態では、2つの小島部3を備えた遊技機島1の例を示したが、本発明はこれに限るものではない。
小島部3を3つ以上備えた遊技機島であってもよく、小島部3を1つのみ設けた備えた遊技機島であってもよい。なお、小島部3を2以上備えた遊技機島の場合、少なくとも1つの小島部3が第1小島部3aであればよい。すなわち、1つの第1小島部3aと複数の第2小島部3bを備えた遊技機島であってもよく、複数の第1小島部3aと1つの第2小島部3bを備えた遊技機島であってもよく、複数の第1小島部3aと複数の第2小島部3bを備えた遊技機島であってもよい。
【0158】
また、上記した実施形態では、構造物配置空間4に2つの柱5を配する例を示したが、当然のことながらこれに限らず、構造物配置空間4に3以上の柱5が位置してもよく、1つのみの柱5が位置してもよい。
すなわち、構造物配置空間4に位置する遊技場の構造物は、単数であってもよく、複数であってもよい。
【0159】
上記した実施形態では、構造物配置空間4の2つの柱5の間に上側小島間流路35、下側小島間流路36が位置する例について説明したが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、構造物配置空間4のうち、2つの柱5の並列方向において、一方の柱5の外側に位置する部分に、上側小島間流路35、下側小島間流路36を配する構成としてもよい。
具体的には、島上タンク20を第1小島部3aの長手方向における端部側に配し、それに伴い、研磨装置27、揚送装置28、揚送流路29もまた、第1小島3部aの長手方向における端部側に配する。このとき、第2小島部3bの上側貯留箱30、下側貯留箱31もまた、第2小島部3bの長手方向における端部側に配した状態とし、一方の柱5の外側(2つの柱5の並列方向における外側)に位置する部分に、上側小島間流路35、下側小島間流路36を配する。なお、この場合、補給レール21、オーバーフローレール22は、それぞれ1つずつ配するものとし、小島部3の長手方向における他端側から一端側に向かって延びた状態に配するものとしてもよい。そして、アウトレール26もまた、1つのみ配するものとし、小島部3の長手方向における他端側から一端側に向かって延びた状態に配してもよい。
【0160】
なお、上記した本実施形態の島上タンク20では、内部貯留部42やタンク外流路接続部43を構成する無底箱部材の数や組み合わせ方を可変させることで、遊技球の貯留量(一時貯留量)を可変させることや、連結部70の高さを可変させることができる。
具体的に説明すると、上記した実施形態では、3つの第1無底箱部材60を上下方向で重ね合わせ、一体に連結させることで内部貯留部42を形成したが、例えば、4つ以上の第1無底箱部材60を上下方向で重ね合わせて形成する場合、上記した内部貯留部42よりも貯留可能な遊技球の量を増加させることができる。また、反対に2つ以下の第1無底箱部材60を上下方向で重ね合わせて形成すると、上記した内部貯留部42よりも貯留可能な遊技球の量を減少させることができる。
すなわち、内部貯留部42を1個以上の無底箱部材によって構成し、内部貯留部42を構成する無底箱部材の数を可変可能とすることで、内部貯留部42が貯留可能である遊技球の量(内部貯留部42の最大貯留量)を増減させることが可能となる。
【0161】
タンク外流路接続部43もまた、上記したように第2無底箱部材61のみによって形成するだけでなく、第1無底箱部材60と第2無底箱部材61とを混在させ、上下方向で重ね合わせて形成してもよい。当然のことながら、1つのみの無底箱部材(第2無底箱部材61)でタンク外流路接続部を形成してもよく、2つ以上の無底箱部材(第1無底箱部材60及び/又は第2無底箱部材61)によって形成してもよい。
このように、タンク外流路接続部を構成する無底箱部材の数を可変させることにより、連結部70の高さを可変させることが可能となる。例えば、上記したタンク外流路接続部43の最も上側に第1無底箱部材60を連結させ、4つの無底箱部材によってタンク外流路接続部を形成すると、それぞれの連結部70の位置を上記したタンク外流路接続部43よりも低位置とすることができる。
【0162】
ここで、連結部70は、上記したように、補給レール21の上流端を連結させる部分となっている。したがって、連結部70を低位置となるようにタンク外流路接続部43を形成することで、補給レール21の上流端の位置を低位置に配することが可能となり、延いては、補給レール21の傾斜角度を緩やかにすることが可能となる。
【0163】
なお、上記した実施形態では、島上タンク20に1つのみの溢出球貯留空間74を設け、オーバーフローレール22を連結させた例を示したが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、内部貯留部42の4つの側壁部分のそれぞれの外側面のうち、前後方向で対向する2つの側壁部分と、外箱部40の前後方向で対向する2つの側壁部分のそれぞれの内側面とを接触させてもよい。すなわち、内部貯留部42の左右方向における一方の外側のみでなく、内部貯留部42の左右方向における双方にそれぞれ溢出球貯留空間74を形成してもよい。また、内部貯留部42の前方に位置する側壁部分と、外箱部40の前方に位置する側壁部分のみを接触させ、内部貯留部42の3方を囲むように延びる溢出球貯留空間を形成してもよい。
【0164】
また、上記した実施形態では、無底箱部材を上下方向で組み合わせることで、タンク外流路接続部43を形成し、このタンク外流路接続部43を第1小島部3aの内部壁面から突出する板状体44の上に載置して、タンク外流路接続部43の下端開口を塞いだ例を示したが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、上記した実施形態と同様にタンク外流路接続部43を形成し、その下端部分に別途形成した板状部材を一体に固定することで、下端開口を塞いでもよい。この場合、タンク外流路接続部43の下端開口の全域の下方に、第1小島部3aの内部壁面から突出する板状体44を位置させなくてもよい。タンク外流路接続部43の底側部分(下端側に位置する面)の少なくとも一部と第1小島部3aの内部壁面から突出する板状体44が接触することで、タンク外流路接続部43が支持されればよい。
【0165】
また、タンク外流路接続部43を第1小島部3aの内部壁面から突出する木製の板状体44に載置せず、第1小島部3aの内部壁面に固定した金板や金具の上に配する構造であってもよい。この場合、金板や金具の上にタンク外流路接続部43の底側部分が設置されていればよい。
さらに、タンク外流路接続部43の下端開口を板状部材等で塞いだ場合、タンク外流路接続部43の側面等に一体に固定したL字金具の一部が、タンク外流路接続部43の下方に位置する構造であってもよい。すなわち、L字金具の直線状に延びた部分をタンク外流路接続部43の側壁部分の外側に固定し、屈曲して延びる部分をタンク外流路接続部43の底側部分の下側に固定する構造であってもよい。この場合には、金具の上にタンク外流路接続部43の底側部分の少なくとも一部が載置されていればよい。
【0166】
上記した実施形態では、速度制限板68を備えた第1無底箱部材60、第2無底箱部材61によって内部貯留部42やタンク外流路接続部43を形成する例を示したが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、
図20で示されるように、速度制限板68を設けない第3無底箱部材62によって内部貯留部42の一部又は全てを構成したり、タンク外流路接続部43の一部を構成したりしてもよい。この第3無底箱部材62は、速度制限板68が形成されていない点を除いて、第1無底箱部材60と同一の構造となっている。
同様に、速度制限板68を設けない点を除いて、第2無底箱部材61と同一の構造となる第4無底箱部材(図示しない)により、タンク外流路接続部43の一部又は全てを構成してもよい。言い換えると、第3無底箱部材62に対して連結部70を形成した無底箱部材により、タンク外流路接続部43の一部又は全てを構成してもよい。
このような第3無底箱部材62、第4無底箱部材(図示しない)は、速度制限板68が形成されていないことから、第1無底箱部材60、第2無底箱部材61に比べて内部に貯留可能な遊技球の量を多くできるという利点がある。しかしながら、上記したように、落下する遊技球の速度を低減させるという観点から、速度制限板68を備えた第1無底箱部材60や第2無底箱部材61を使用して、内部貯留部42やタンク外流路接続部43を形成することが好ましい。
【0167】
上記した実施形態では、無底箱部材を上下方向で重ねることでタンク外流路接続部43を形成する例を示したが、本発明はこれに限るものではない。
無底箱部材(箱状体)と有底箱部材(箱状体)を組み合わせてタンク外流路接続部を形成する構造であってもかまわない。すなわち、上記した各無底箱部材(第1無底箱部材60、第2無底箱部材61、第3無底箱部材62、第4無底箱部材)に対して底板部分を一体に形成した有底箱部材により、タンク外流路接続部の下端部分の一部又は全てを構成してもよい。
【0168】
また、上記した実施形態では、3つの連結部70を備えたタンク外流路接続部43を形成する例を示したが、本発明はこれに限るものでない。
例えば、2つの第2無底箱部材61を含む2以上の無底箱部材を組み合わせてタンク外流路接続部を形成し、2つのみの連結部70を備える構造としてもよい。すなわち、タンク外流路接続部に1つのみの補給レール21と、上側小島間流路35を連続させる構造であっても構わない。
【0169】
上記した第1無底箱部材60、第2無底箱部材61では、速度制限板68の4つの側面部分のうち、1つが側壁部65と一体に連続し、他の2つがそれぞれ異なる他の側壁部65と密着している例を示したが、本発明はこれに限るものではない。
速度制限板68の3つの側面部分がそれぞれ異なる3つの側壁部65と一体に連続していてもよい。また、2つの側面部分がそれぞれ異なる2つの側壁部65と一体に連続し、他の1つの側面部分が、この2つの側壁部65とは異なるとなる他の側壁部65と密着していてもよい。すなわち、1以上の側面部分が側壁部65と一体に連続していればよい。
【0170】
上記した第2無底箱部材61では、速度制限板68が連続する側壁部65と水平方向で離間対向する位置であり、下端よりの部分に連結部70を設けた例を示したが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、1つの無底箱部材(又は箱部材)に速度制限板68を2つ以上設けてもよい。具体的には、2以上の側壁部65のそれぞれと別途連続する2以上の速度制限板68を設けてもよい。このとき、速度制限板の突出長さや幅方向(上下方向及び突出方向と直交する方向)の長さを短くして同じ高さに配置してもよく、それぞれの配置高さが異なるように2以上の速度制限板68を設けてもよい。
また、1つの無底箱部材(又は箱部材)に対して2以上の連結部70を設けてもよい。例えば、離間対向する2つの側壁部65の一方にその中心が位置するように1つの連結部70を設け、側壁部65の他方にその中心が位置するようにもう1つの連結部70を設けてもよい。すなわち、左右方向(又は前後方向)で離間対向するように2つの連結部70を設けてもよい。
このとき、連結部70は、3つの側壁部65(2以上の側壁部65)に跨って延びるものでなく、1つのみの側壁部65に形成されるものであってよい。すなわち、側壁部65の一部に切欠き又は貫通孔を形成し、それを遊技球が流れる搬送路と連続させるための連結部としてもよい。したがって、連結部の配置高さもまた、下端近傍に限るものではなく、連結部を下端から上方に離れた位置に形成してもよい。当然のことながら、複数の側壁部65にそれぞれ別途連結部を設ける場合、すなわち、複数の連結部を設ける場合には、それぞれの連結部の配置高さを同一の高さとしてもよく、それぞれの連結部の配置高さが異なるようにしてもよい。
【0171】
上記した無底箱部材(又は箱部材)は、いずれも側壁部65が四角環状に連続する部材(略角筒状の部材)であったが、箱部材はこれに限るものではない。
例えば、側壁部が円環状に連続する部材(丸箱状であり略円筒状の部材)や、三角環状に連続する部材(三角箱状であり略三角筒状の部材)、多角環状に連続する部材(多角箱状であり略多角筒状の部材)であってもよい。
この場合、内周面のいずれかの一部から速度制限板を内側に突出させてもよく、外周面のいずれかの一部に内外を連通する切欠き又は貫通孔を形成することで連結部を設けてもよい。
【0172】
以上のように、本実施形態の島上タンク20では、1又は複数個の無底箱部材によって内部貯留部42が形成されており、内部貯留部42を構成する無底箱部材の数を可変可能としている。
さらに、1個のみの無底箱部材又は有底箱部材、複数個の無底箱部材、1個以上の無底箱部材と1個の有底箱部材の組み合わせからなる構造群から選択される1の構造によりタンク外流路接続部43が形成されている。そして、タンク外流路接続部43を構成する無底箱部材の数や、連結部70の配置高さ、連結部70の開口の向きを適宜可変可能となっている。
そして、内部貯留部42とタンク外流路接続部43が複数の部材によって形成される場合には、これらを構成する部材を上下方向に複数個重ねて配置し、図示しない連結金具等で一体化することで形成している。
このことにより、上記したように、遊技球の貯留量を可変可能となり、連結部70と連続する搬送路の傾斜角度等を調整可能となっている。
【0173】
また、上記した本実施形態の島上タンク20では、3つの第2無底箱部材61を上下方向で重ねた状態で連結させてタンク外流路接続部43を形成し、最も上方に位置する第2無底箱部材61の連結部70に上側小島間流路35を連結した例を示した(
図4、
図15等参照)。
すなわち、最も上方に位置する第2無底箱部材61の連結部70に上側小島間流路35を連結し、下方に位置する第2無底箱部材61の連結部70に第1小島部3aの補給レール21を連結することで、上側小島間流路35よりも第1小島部3aの補給レール21に対して優先的に遊技球を流出させる例について説明した。しかしながら、本発明の遊技機島1で採用可能な島上タンクは、これに限るものではない。
【0174】
例えば、
図21、
図22で示されるように、最も下方に位置する第2無底箱部材61の連結部70を後方に向かって開口した状態とし、その上方に位置する第2無底箱部材61の連結部70を左方及び右方のいずれかに向かって開口した状態としてもよい。そして、最も下方に位置する第2無底箱部材61の連結部70に上側小島間流路35を連結し、上方側に位置する2つの第2無底箱部材61のそれぞれの連結部70に第1小島部3aの補給レール21を連結する構成であってもよい。このような構成によると、第1小島部3aの補給レール21よりも上側小島間流路35に対して優先的に遊技球を流出させることが可能となる。つまり、第1小島部3aに配置した遊技機15に比べ、第2小島部3bに配置した遊技機15の稼働率が高い場合には、このような構造とすると、遊技機島1の全体において遊技球をより円滑に循環できるため好ましい。
【0175】
以上のように、本実施形態では、タンク外流路接続部43を構成する無底箱部材の数、種類、連結部70の向き等を変更する(無底箱部材の組み合わせを変更する)ことにより、第1小島部3aの補給レール21を連結する連結部70の高さや、上側小島間流路35を連結する連結部70の高さを可変可能となっている。さらに、無底箱部材の組み合わせを変更することで、第1小島部3aの補給レール21を連結する連結部70を、上側小島間流路35を連結する連結部70よりも高位置とした状態と、上側小島間流路35を連結する連結部70よりも低位置とした状態とを切替えることも可能となっている。言い換えると、第1小島部3aの補給レール21を連結する連結部70と、上側小島間流路35を連結する連結部70のうちの一方の他方に対する相対高さを変更可能となっている。