(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
医用画像撮像装置により被検体を撮像することで取得される少なくとも1つの医用画像と、医用画像検像装置による前記医用画像に対する検像の状況が実施中であることを示す第1進捗情報とを取得する第1取得部と、
前記医用画像と、当該医用画像に対する検像の状況とを記憶する記憶部と、
前記取得された医用画像に臨床アプリケーション処理を施し処理済み画像を生成する処理部と、
前記第1進捗情報の取得後、前記医用画像に対する検像の状況が完了であることを示す第2進捗情報と検像結果とを取得する第2取得部と、
前記第2進捗情報が取得された場合、前記記憶部に記憶された前記検像の状況を実施中から完了に更新する更新部と、
前記更新部により前記検像の状況が更新された場合、前記医用画像および前記処理済み画像の少なくとも一方について、前記検像結果が読影に適合であるときは読影に適合することを示す第1のマークを付し、前記検像結果が読影に不適合であるときは読影に不適合であることを示す第2のマークを付する画像表示設定を行う表示設定部と、
を具備する医用画像表示装置。
前記表示設定部は、前記医用画像検像装置による検像結果が読影に不適合であった場合、前記記憶部に記憶された前記医用画像を削除する請求項1記載の医用画像表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態に係る医用画像管理システムについて、図面を参照して説明する。
【0008】
図1は、実施形態に係る医用画像管理システムを示す図である。
図1に示す医用画像管理システムは、医用画像診断装置1と、医用画像表示装置5とにより構成される。例えば、本実施形態に係る医用画像診断装置1は、被検体Sに対して医用撮像を実行し、被検体Sに関する医用画像を生成する。また、本実施形態に係る医用画像表示装置5は、医用画像を読影等のために表示する。
【0009】
なお、医用画像診断装置1は、医用画像を生成可能なモダリティであれば何でもよい。例えば、X線CT装置、磁気共鳴イメージング装置(MRI:Magnetic Resonance Imaging)、X線診断装置、核医学診断装置、および超音波診断装置である。以降、実施形態では、医用画像診断装置1として、X線CT装置1について記載する。また、医用画像表示装置5は、医用画像診断装置1に接続されたコンピュータであれば何でもよい。例えば、パーソナルコンピュータ、サーバ、ワークステーションである。パーソナルコンピュータであれば、読影装置等である。以降、実施形態では、医用画像表示装置5として、読影装置5について記載する。X線CT装置1および読影装置5は、ネットワークNWを介して互いに接続されており、X線CT装置1において生成されたボリュームデータを構成するCT画像を読影装置5へ転送し、読影装置5において当該CT画像による読影を実施する。
【0010】
ここで、実施形態に係るX線CT装置1および読影装置5の構成について詳しく説明する。
図2は、実施形態に係るX線CT装置1および読影装置5の構成を示すブロック図である。まず、X線CT装置1について説明する。
【0011】
図2に示すように、X線CT装置1は、架台2、CT用寝台3およびCTコンソール4を備える。架台2は、スリップリング(slip ring)21、管電圧発生装置22、X線管23、X線検出器24、データ収集回路(DAS:Data Acquisition System)25、非接触データ伝送装置26、架台制御回路27および回転駆動装置(電動機)28を有する。回転リング29の開口部には、被検体Sを載置可能な天板31が挿入される。天板31は、回転リング29の中心軸に沿って移動可能にCT用寝台3に支持される。ここで、天板31に載置された被検体Sの体軸が回転リング29の中心軸に一致するよう、天板31が位置決めされる。
【0012】
管電圧発生装置22は、架台制御回路27を介したCTコンソール4による制御の下で、X線管23に印加する管電圧と、X線管23に供給する管電流(フィラメント電流(Filament current))とを発生する。X線管23は、スリップリング21を介して、管電圧発生装置22からの管電圧の印加および管電流の供給を受け、X線の焦点から天板31に載置された被検体SへX線を放射する。X線検出器24は、回転リング29の回転軸を挟んでX線管23に対峙する位置に取り付けられる。X線検出器24は、X線を検出する複数の検出素子を有する。当該複数の検出素子は、チャンネル方向および列方向に関して二次元状に配列される。X線検出器24の出力側には、DAS25が接続される。
【0013】
DAS25は、X線検出器24の各素子の電流信号を電圧に変換するIV変換器と、この電圧信号をX線の曝射周期に同期して周期的に積分する積分器と、この積分器の出力信号を増幅するアンプと、このアンプの出力信号をディジタル信号変換するアナログ・ディジタル・コンバータとを有する。DAS25は、出力したデータ(生データ(raw data))を、磁気送受信又は光送受信を用いた非接触データ伝送装置26を経由して、CTコンソール4へ伝送する。
【0014】
架台制御回路27は、ハードウェア資源として、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサと、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリとを含む。架台制御回路27のプロセッサは、CTコンソール4から出力される制御信号に応じて、架台2内に設けられる各構成の動作を統括的に制御する。また、架台制御回路27のプロセッサは、CT用寝台3に設けられる各構成の動作を制御する。
【0015】
具体的には、架台制御回路27は、所定のスキャンシーケンスに従って撮影を行うように、管電圧発生装置22からスリップリング21への電力供給を制御する。また、架台制御回路27は、回転駆動装置28を制御することで、回転リング29を回転させる。架台制御回路27は、架台制御回路27を介して寝台駆動装置32を制御することで天板31を移動させる。天板31の移動により天板31に載置された被検体Sが体軸方向に沿って移動される。
【0016】
CT用寝台3は、被検体Sを載置する天板31および寝台駆動装置32を有する。寝台駆動装置32は、架台制御回路27を介したCTコンソール4による制御、または架台制御回路27による制御の下で、天板31を移動する。例えば、寝台駆動装置32は、天板31に載置された被検体Sの体軸が回転リング29の中心軸に一致するよう、天板31を被検体Sに対して直交方向に移動する。また、寝台駆動装置32は、架台2を用いて実行されるX線CT撮影に応じて、天板31を被検体Sの体軸方向に沿って移動する。
【0017】
CTコンソール4は、前処理回路41、再構成回路42、入力インターフェース(I/F)回路43、通信インターフェース(I/F)回路44、表示回路45、記憶回路46およびCT装置制御回路47を備える。
【0018】
前処理回路41は、非接触データ伝送装置26から出力された生データに対して前処理を施す。前処理には、例えば、生データに対する対数変換処理、チャンネル間の感度不均一補正処理、X線強吸収体、主に金属部による極端な信号強度の低下または、信号脱落を補正する処理等が含まれる。前処理回路41は、前処理を施した再構成処理直前のデータ(投影データと称される。)を、再構成回路42および記憶回路46へ伝送する。
【0019】
再構成回路42は、メモリと所定のプロセッサによって実現される。再構成回路42は、例えば、前処理回路41から伝送された投影データセットに基づいて、略円柱形のボリュームデータを再構成する。当該ボリュームデータは、スライス方向に配列された複数のスライスに関する複数のCT画像により構成される。再構成回路42は、再構成されたボリュームデータを記憶回路46へ伝送する。また、再構成回路42は、上記投影データセットから二次元CT画像(断層画像、以降、単にCT画像と記載)を再構成する。再構成回路42は、再構成されたCT画像を記憶回路46へ伝送する。
【0020】
入力インターフェース回路43は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、および表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチパネルディスプレイ等によって実現される。入力インターフェース回路43は、操作者から受け取った入力操作を電気信号へ変換しCT装置制御回路47へ出力する。なお、本実施形態において、入力インターフェース回路43は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号をCT装置制御回路47へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース回路43の例に含まれる。通信インターフェース回路44は、有線あるいは無線にて当該読影装置5と通信する。
【0021】
表示回路45は、CT装置制御回路47による制御に従い種々のデータおよび上記CT画像および上記三次元画像等を表示する。具体的には、表示回路45は、表示インターフェース回路と表示機器とを有する。表示インターフェース回路は、表示対象を表すデータをビデオ信号に変換する。表示信号は、表示機器に供給される。表示機器は、表示対象を表すビデオ信号を表示する。例えば、表示回路45は、CTコンソール4における読影等においてCT画像を閲覧する閲覧者から入力インターフェース回路43を介して入力された入力指示に従い、記憶回路46に記憶されたCT画像を表示する。表示機器としては、例えば、CRTディスプレイ(Cathode Ray Tube Display)、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro Luminescence Display)、プラズマディスプレイまたは当技術分野で知られている他の任意のディスプレイが適宜利用可能である。
【0022】
記憶回路46は、比較的大容量のデータを記憶可能なHDD(Hard Disk Drive)およびSSD(Solid State Drive)等である。例えば、記憶回路46は、再構成回路42により再構成されたボリュームデータおよびCT画像を記憶する。なお、記憶回路46は、HDD等の磁気ディスク以外にも、光磁気ディスクやCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスクを利用してもよい。また、記憶回路46の保存領域は、X線CT装置1内にあってもよいし、ネットワークNWで接続された外部記憶装置内にあってもよい。また、記憶回路46は、本実施形態に係る検像プログラムを記憶する。
【0023】
CT装置制御回路47は、ハードウェア資源として、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサと、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリとを含む。CT装置制御回路47のメモリは、記憶回路46から読み出された検像プログラムを一時的に記憶する。CT装置制御回路47のプロセッサは、メモリに記憶された検像プログラムを実行することにより、検像機能471を実現する。検像機能471の実現により、CT装置制御回路47は、記憶されたCT画像に対する検像を実施するための検像実施画面を表示回路45に表示する。また、CT装置制御回路47は、記憶回路46に記憶されたCT画像を通信インターフェース回路44を介して読影装置5へ転送する。このとき、CT装置制御回路47は、各CT画像に対する検像の進捗のステータスを示す検像進捗情報を付帯する。例えば、スタディーコメントに検像中であることを追加する、検像中とテキストアノテーションを追加する、またはプライベートタグに検像中であることを示すフラグを追加することで、CT画像に検像進捗情報を付帯する。
【0024】
次に、本実施形態に係る読影装置5について説明する。
図2に示す読影装置5は、入力インターフェース(I/F)回路51、通信インターフェース(I/F)回路52、表示回路53、記憶回路54および読影装置制御回路55を備える。
【0025】
入力インターフェース回路51は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、および表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチパネルディスプレイ等によって実現される。入力インターフェース回路51は、操作者から受け取った入力操作を電気信号へ変換し読影装置制御回路55へ出力する。なお、本実施形態において、入力インターフェース回路51は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を読影装置制御回路55へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース回路51の例に含まれる。通信インターフェース回路52は、有線あるいは無線にて当該CTコンソール4と通信する。
【0026】
表示回路53は、読影装置制御回路55による制御に従い種々のデータおよび上記転送されたCT画像等を表示する。具体的には、表示回路53は、表示インターフェース回路と表示機器とを有する。表示インターフェース回路は、表示対象を表すデータをビデオ信号に変換する。表示信号は、表示機器に供給される。表示機器は、表示対象を表すビデオ信号を表示する。例えば、表示回路53は、読影装置5における読影等においてCT画像を閲覧する閲覧者から入力インターフェース回路51を介して入力された入力指示に従い、記憶回路54に記憶されたCT画像を表示する。表示機器としては、例えば、CRTディスプレイ(Cathode Ray Tube Display)、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro Luminescence Display)、プラズマディスプレイまたは当技術分野で知られている他の任意のディスプレイが適宜利用可能である。
【0027】
記憶回路54は、比較的大容量のデータを記憶可能なHDDおよびSSD等である。例えば、記憶回路54は、CTコンソール4から転送されたCT画像を記憶する。なお、記憶回路54は、HDD等の磁気ディスク以外にも、光磁気ディスクやCD、DVD等の光ディスクを利用してもよい。また、記憶回路54の保存領域は、ネットワークNWで接続された外部記憶装置内にあってもよい。また、記憶回路54は、本実施形態に係る更新プログラム、表示設定プログラム、読影プログラムを記憶する。
【0028】
読影装置制御回路55は、ハードウェア資源として、CPUやMPU等のプロセッサと、ROMやRAM等のメモリとを含む。読影装置制御回路55のメモリは、記憶回路54から読み出された更新プログラムを一時的に記憶する。読影装置制御回路55のプロセッサは、メモリに記憶された更新プログラムを実行することにより、更新機能551を実現する。更新機能551の実現により、読影装置制御回路55は、CTコンソール4における医用画像に対する検像の進捗状況に応じて、記憶回路54に記憶された検像進捗情報を更新する。読影装置制御回路55のメモリは、記憶回路54から読み出された画像復元プログラムを一時的に記憶する。読影装置制御回路55のプロセッサは、メモリに記憶された画像復元プログラムを実行することにより、画像表示設定機能552を実現する。画像表示設定機能552の実現により、読影装置制御回路55は、CTコンソール4における検像結果に基づく読影の可否に応じて、上記CTコンソール4から転送されたCT画像に対して所定の処理を実行する。読影装置制御回路55のメモリは、記憶回路54から読み出された読影プログラムを一時的に記憶する。読影装置制御回路55のプロセッサは、メモリに記憶された読影プログラムを実行することにより、読影機能553を実現する。読影機能553の実現により、読影装置制御回路55は、転送されたCT画像の読影を実行する。
【0029】
ここで、実施形態に係る医用画像管理システムにおけるCT画像の取得から読影レポートの作成までの流れについて、詳しく説明する。
【0030】
(通常のワークフロー)
図3は、実施形態に係る医用画像管理システムにおけるCT画像取得から読影レポート作成までの流れを示すフローチャートである。
図3では、本実施形態における通常の流れについて記載する。
【0031】
図3に示すように、ステップSa1において、CTコンソール4のCT装置制御回路47は、記憶回路46に記憶されたCT画像を取得する。ステップSa2において、CT装置制御回路47は、検像開始前に、当該CT画像とCT画像に対応する検像の進捗状況とを読影装置5へ転送する。ステップSa2において、CT装置制御回路47は、当該検像の進捗状況を示す検像進捗情報として、「検像進捗情報(未検像)」を転送する。ステップSa3において、例えば、臨床アプリケーションにより、転送されたCT画像に対して所定の処理を実施し、読影装置5で取り扱いが可能な形式に変換する。ここで、CT画像から必要に応じて、読影装置5における読影に使用する処理画像を生成してもよい。
【0032】
ステップSa4において、記憶回路54は、上記処理画像と転送されたCT画像と検像進捗情報(未検像)とを記憶する。当該CT画像の転送と並行して、ステップSa5において、CT装置制御回路47は、検像機能471として、検像実施画面を表示回路45に表示する。ステップSa6において、検像を実施する放射線技師等により入力インターフェース回路43を介して検像実施画面を操作し、CTコンソール4のユーザ(例えば、放射線技師)によるCT画像に対する検像を開始する。当該検像には、表示ウインドウ幅/レベルやGSPS調整等の表示条件調整、診断に不要な領域の指定および削除が含まれる。
図4は、
図2に示す表示回路45に表示される検像実施画面の一例を示す図である。
図4に示すように、表示回路45は、表示画面D1に表示領域A1と表示領域A2とを設ける。表示領域A1には、当該CT画像に対する検像の進捗状況が表示されている。例えば、撮影されたシリーズのCT画像に付帯されたシリーズID、撮影部位あるいは医用撮像の種類等、画像に付帯されるプロトコル(HeadやANGIO)、検像の進捗状況(読影NG、未検像、読影OK)が表示される。表示領域A2には、カーソルCのよる選択で選択枠Fにより囲われたシリーズIDに対応するシリーズのCT画像が表示される。例えば、
図4に示すように、カーソルCにより選択された「シリーズID:4000」に対応するシリーズのCT画像Img4000−1,Img4000−2,…が表示される。なお、
図4に示す表示画面D1は一例であり、実施形態は
図4に示す表示画面に限定されない。例えば、「送信、送信取り消し」ボタンを表示、あるいは「送信」ボタンのみを表示して、押下せずに検像を終了した場合、操作の取り消しをCT装置制御回路47に送信するようにしてもよい。検像開始後、CT装置制御回路47は、現在の検像進捗情報を読影装置5へ転送する。
【0033】
ステップSa6において、CT装置制御回路47は、現在の検像進捗情報として、「検像進捗情報(検像中)」を転送する。ステップSa7において、読影装置制御回路55は、更新機能551として、CTコンソール4から転送された検像進捗情報(検像中)に基づいて、記憶回路54に記憶された検像進捗情報を「未検像」から「検像中」に更新する。ステップSa8において、CTコンソール4における検像が完了した場合、CT装置制御回路47は、現在の検像進捗情報と検像結果とを読影装置5へ転送する。例えば、ステップSa8において、CT装置制御回路47は、当該検像進捗情報として、「検像完了」を転送する。また、CT装置制御回路47は、当該検像結果として、「読影に適合」、または「読影に不適合」を、検像結果に対応するCT画像に付されたUID(Unique IDentifier)と関連付けて転送する。
【0034】
ステップSa9において、読影装置制御回路55は、更新機能551として、CTコンソール4から転送された検像進捗情報(検像完了)に基づいて、記憶回路54に記憶された検像進捗情報を「検像中」から「検像完了」に更新する。ステップSa10において、読影装置制御回路55は、記憶回路54に記憶された検像進捗情報が「検像中」から「検像完了」に更新されたことを受け、画像表示設定機能552として、転送された検像結果に基づいて、記憶回路54に記憶されたCT画像に対して画像表示設定を実行する。例えば、読影装置制御回路55は、転送された検像結果(読影に適合)とUIDとに基づいて、CTコンソール4において「読影に適合する」と判定された画像を特定する。「読影に適合する」と判定された画像は、表示回路53に表示する、または読影に適合することを示す第1表示情報(マーク)と共に表示回路53に表示する。また、読影装置制御回路55は、転送された検像結果(読影に不適合)とUIDとに基づいて、「読影に不適合」と判定された画像を特定する。「読影に不適合」と判定された画像は、表示回路53に非表示とする、読影に不適合であることを示す第2表示情報(マーク)と共に表示回路53に表示する、または記憶回路54から削除する。なお、検像結果に対応するマークを表示する場合、記憶回路54に予め検像結果に対応するマークを記憶し、画像表示設定を実行する画像ごとに対応するマークを記憶回路54から読み出して画像に付帯させる。
【0035】
図5は、読影装置制御回路55による画像表示設定後、表示回路53に表示されるCT画像の表示例を示す図である。
図5に示すように、表示回路53は、表示画面D2において、CTコンソール4から転送されたCT画像Img1〜Imgnと、読影装置5における臨床アプリケーションによりCT画像から生成された処理画像Img1−2〜Imgn−2とを表示する。CT画像Img1〜Imgnには、UID1〜nがそれぞれ付される。処理画像Img1−2〜Imgn−2には、UID1−2〜nー2がそれぞれ付される。例えば、
図5に示すように、UID1のCT画像Img1がCTコンソール4において読影に不適合であると判定された場合、読影装置制御回路55は、転送された検像結果(読影に不適合)とUIDとに基づいて、UID1のCT画像Img1を特定する。さらに
読影装置制御回路55は、読影不適合マークを記憶回路54から読み出す。読影装置制御回路55は、読み出した読影不適合マークをUID1のCT画像Img1に付加して表示し、カーソルCにより選択不可とする。読影装置制御回路55は、当該読影に不適合なCT画像から生成されたUID1−2の処理画像Img1−2にも読影不適合マークを付加して表示し、カーソルCにより選択不可とする。また、読影装置制御回路55は、UID3のCT画像Img3も読影に不適合であると判定された場合、読影不適合マークを記憶回路54から読み出す。読影装置制御回路55は、読み出した読影不適合マークを付加して表示し、カーソルCにより選択不可とする。読影装置制御回路55は、当該読影に不適合なCT画像Img3から生成中であるUID3−2の処理画像Img3−2にも読影不適合マークを付加して表示し、カーソルCにより選択不可とする。また、読影装置制御回路55におけるUID3−2の処理画像Img3−2の生成を中止する。
【0036】
ステップSa11からステップSa14において、読影装置制御回路55は、読影機能553として、読影実施画面を表示する。読影医は、当該読影実施画面を入力インターフェース回路51により操作して読影を実施する対象のCT画像を「読影に適合」と判定されたCT画像の中から選択し、選択されたCT画像の読影を開始する。読影完了後、読影装置5において読影医により読影レポートを作成する。
【0037】
上記構成によれば、実施形態に係る医用画像管理システムは、撮像完了後に実施される検像の完了を待たず、全ての画像を読影装置5へ転送する。また、読影装置5において読影を実施可能とするための臨床アプリケーションによる処理を開始する。不要な画像を参照したり、保存したりすることを避けるため、転送時に検像中である旨を示す検像進捗情報を付与し、検像後、当該検像進捗情報をCTコンソール4から転送される検像進捗情報に基づいて更新する。読影装置5のユーザは、検像進捗情報の更新を契機として表示設定される画像により、読影開始・読影継続可能かを判断することができる。
【0038】
これにより、不要な読影や不要な画像保存を回避しながら、医用撮像から画像転送・読影医による活用までの時間を短縮することができる。
【0039】
(変形例1)
上記実施形態において、検像完了後に読影を実施しているが、本実施形態はこれに限定されない。本実施形態に係る医用画像管理システムでは、
図6に示すように、検像中に読影を開始し、検像結果を読影後の画像に反映するようにしてもよい。ここで、
図3と重複する部分については必要に応じて記載する。
【0040】
図6に示すように、ステップSb6において、CT装置制御回路47は、検像開始後、検像進捗情報(検像中)を読影装置5へ転送する。ステップSb7において、読影装置制御回路55は、更新機能551として、CTコンソール4から転送された検像進捗情報(検像中)に基づいて、記憶回路54に記憶された検像進捗情報を「未検像」から「検像中」に更新する。ステップSb8〜ステップSb10において、読影装置制御回路55は、読影機能553として、読影実施画面を表示する。読影医は、当該読影実施画面を入力インターフェース回路51により操作して読影を実施する対象のCT画像を選択し、選択されたCT画像の読影を開始する。
【0041】
ステップSb11において、CT装置制御回路47は、検像完了後、現在の検像進捗情報(検像完了)と検像結果とを読影装置5へ転送する。ステップSb12において、読影装置制御回路55は、更新機能551として、CTコンソール4から転送された検像進捗情報(検像完了)に基づいて、記憶回路54に記憶された検像進捗情報を「検像中」から「検像完了」に更新する。ステップSb13において、読影装置制御回路55は、画像表示設定機能552として、検像進捗情報が「検像中」から「検像完了」に更新されたことを受け、画像表示設定機能552として、転送された検像結果に応じて、記憶回路54に記憶されたCT画像に対して画像表示設定を実行する。
【0042】
これにより、読影完了後であっても後追いで検像結果を反映し、読影に適合するCT画像あるいは対応する処理画像を表示し、読影に不適合なCT画像あるいは対応する処理画像を非表示とすることができる。
なお、上記実施形態において、
図6に示すように、検像進捗情報(検像完了)と検像結果とが読影完了後にCTコンソール4から読影装置5へ転送されるが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、検像進捗情報(検像完了)と検像結果とが読影開始から読影完了までの間にCTコンソール4から読影装置5に転送されてもよい。
【0043】
ここで、上記検像結果の反映は、メタ情報の更新、臨床アプリケーション再処理等、自動でも手動でもよい。また、臨床アプリケーション再処理を回避するため、操作を限定してもよい。例えば、読影に不適合な画像の参照のみを可能として、検像中の画像を基に生成した画像の保存や読影レポートの作成を禁止してもよい。
【0044】
(変形例2)
上記実施形態において、CTコンソール4において検像を実施しているが、本実施形態はこれに限定されない。本実施形態に係る医用画像管理システムでは、
図7に示すように、CTコンソール4における検像に時間がかかり、すぐに読影を実施できない場合、当該検像を読影装置5で実施するようにしてもよい。ここで、
図3および6と重複する部分については必要に応じて記載する。
【0045】
図7に示すように、ステップSc6において、CT装置制御回路47は、検像開始後、検像進捗情報(検像中)を読影装置5に転送する。ステップSc7において、読影装置制御回路55は、更新機能551として、転送された検像進捗情報(検像中)に基づいて、記憶回路54に記憶された検像進捗情報を「未検像」から「検像中」に更新する。その後CTコンソール4の故障や検像を実施する放射線技師の不在等で、一定時間が経過しても検像進捗情報(検像中)および検像結果がCTコンソール4から読影装置5へ転送されない場合、ステップSc8において、読影装置制御回路55は、CTコンソール4へ進捗状況確認通知を転送する。ステップSc9において、CT装置制御回路47は、検像が停止していることを示す検像停止中通知を読影装置5へ転送する。ステップSc10において、読影装置制御回路55は、CTコンソール4から転送された検像停止中通知を受け、読影装置5のユーザ(例えば、読影医)に対して至急読影が必要かを確認する確認画面を表示回路53に表示する。ここで、入力インターフェース回路51を介して読影装置5のユーザにより至急読影が必要であると指示された場合、読影装置制御回路55は、検像中止通知をCTコンソール4へ転送する。ステップSc11において、CT装置制御回路47は、読影装置5から転送された検像中止通知を受け、現在実施している検像を中止する。ステップSc12において、読影装置制御回路55は、に転送されたCT画像に対する検像を実施する。
【0046】
これにより、CTコンソール4における検像に時間がかかり、すぐに読影を実施できない場合であっても、読影装置5において検像を実施し、読影に適合するCT画像、または読影に不適合なCT画像を判定することができる。
【0047】
(変形例3)
上記実施形態では、X線CT装置1に備えられるCTコンソール4において検像を実施し、さらに読影装置5へ直接画像を転送しているが、本実施形態はこれに限定されない。本実施形態に係る医用画像管理システムでは、
図8に示すように、別体で検像を実施する検像装置6と、医用画像を管理する医用画像管理装置7とを設けてもよい。医用画像管理装置7は、PACS(医用画像管理システム:Picture Archiving and Communication System)を構成するサーバである。例えば、医用画像診断装置1で取得された医用画像を検像装置6に転送し、検像装置6において検像を実施してもよい。また、医用画像診断装置1で取得された医用画像を医用画像管理装置7で保管し、読影を実施するごとに医用画像表示装置5により読出してもよい。
【0048】
(総括)
上記の説明の通り、本実施形態に係る医用画像管理システムにおいて、読影装置5は、医用画像撮像装置により被検体を撮像することで取得される少なくとも1つの医用画像と、CTコンソール4において上記医用画像に対する検像を実施中であることを示す検像進捗情報(検像中)とを取得する。読影装置5は、医用画像に対する検像が完了したことを示す検像進捗情報(検像完了)を取得する。読影装置5は、検像進捗情報(検像完了)が取得された場合、医用画像に対する検像の進捗状況を検像中から検像完了に更新する。
【0049】
上記の構成により、本実施形態に係る医用画像管理システムは、CTコンソール4における医用画像に対する検像と、読影装置5における臨床アプリケーションによる処理とを並列に実行し、検像完了後にすぐ読影を実施することができる。
【0050】
かくして、本実施形態に係る医用画像管理システムは、検査におけるスループットを向上することができる。
【0051】
また、上記説明において用いた「所定のプロセッサ」という文言は、例えば、専用又は汎用のprocessor、circuit(circuitry)、processing circuit(circuitry)、operation circuit(circuitry)、arithmetic circuit(circuitry)、あるいは、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(SPLD:Simple Programmable Logic Device)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD:Complex Programmable Logic Device)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array)等を意味する。また、本実施形態の各構成要素(各処理部)は、単一のプロセッサに限らず、複数のプロセッサによって実現するようにしてもよい。さらに、複数の構成要素(複数の処理部)を、単一のプロセッサによって実現するようにしてもよい。
【0052】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。