(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
<硬質表面用液体洗浄剤組成物>
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、(b)成分の炭素数8以上21以下の炭化水素基と硫酸エステル基又はスルホン酸基とを有するアニオン界面活性剤の含有量を規定したことにより、疎水性が高いジアルキル基と親水性が高い硫酸基とを有する(a)成分と、両性界面活性剤である(c)成分との相互作用を強いものにすることができる。これにより、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物に含まれる界面活性剤が、固体脂を含む油汚れ中に浸透し易くなり、硬質表面からの固体脂の剥離が容易となり、その結果、洗浄力の向上効果が得られたものと推定される。
そして、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物を、直接、硬質表面と接触させる方法で用いる場合は、硬質表面に適用される界面活性剤の濃度が、含水したスポンジを使用して硬質表面に接触させる場合よりも高くなる。そのため、本発明の界面活性剤による効果は、より顕著に発現する。
これらのことから、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物を用いることにより、プラスチック等の硬質表面に付着した、固体脂を含む油汚れを、スポンジ等の可撓性材料を用いて擦らない、すなわち機械力をかけない洗浄方法によっても、優れた洗浄力を得ることができる。
【0018】
<(a)成分>
本発明の(a)成分は、下記一般式(a1)で表されるスルホコハク酸エステル又はその塩である。
【0020】
〔式中、R
1a、R
2aは、それぞれ、炭素数5以上18以下の炭化水素基である。A
1、A
2はそれぞれ独立に炭素数2以上4以下のアルキレン基、x、yは平均付加モル数であり、それぞれ独立に0以上6以下である。M
1は水素原子又は陽イオンである。〕
【0021】
一般式(a1)中、R
1a、R
2aは、それぞれ独立に、炭素数5以上、好ましくは6以上、より好ましくは7以上、そして、炭素数18以下、好ましくは16以下、さらに好ましくは14以下の炭化水素基、好ましくは直鎖又は分岐鎖のアルキル基である。R
1a、R
2aは、それぞれ独立に、より好ましくは分岐構造を有するアルキル基である。
一般式(a1)中、A
1、A
2は、それぞれ独立に、炭素数2以上、そして、炭素数4以下、好ましくは3以下のアルキレン基である。
一般式(a1)中、x、yは、平均付加モル数であり、洗浄力の観点から、それぞれ独立に、0以上、そして、6以下、好ましくは4以下、より好ましくは2以下であり、0がより好ましい。
また、x+yは、洗浄力の観点から、好ましくは0以上、そして、好ましくは12以下であり、より好ましくは6以下、さらに好ましくは3以下、さらに好ましくは0である。
【0022】
一般式(a1)中、R
1a、R
2aは、それぞれ、好ましくはヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、sec−オクチル基、イソペンチル基、イソノニル基、イソデシル基、シクロヘキシル基から選ばれるアルキル基であり、より好ましくはn−オクチル基、sec−オクチル基、デシル基、イソデシル基、及び2−エチルヘキシル基から選ばれるアルキル基であり、よりさらに好ましくは2−エチルヘキシル基、トリデシル基であり、よりさらに好ましくは2−エチルヘキシル基である。
【0023】
一般式(a1)中、M
1は、水素原子、あるいはナトリウムイオン、アンモニウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン等の無機陽イオン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリンの酸塩等の有機陽イオンであるが、好ましくはナトリウムイオン、アンモニウムイオン、カリウムイオン、及びマグネシウムイオンから選ばれる無機陽イオンである。
【0024】
(a)成分は、R
1a、R
2aが同一の化合物の調製方法としては、特に限定されるものではないが、例えば米国特許明細書第2,028,091号公報に記載の方法を参考して製造することができ、また、R
1a、R
2aが異なる非対称の化合物は、例えば特開昭58−24555号公報を参考して製造することができる。市販の化合物を用いる場合には、花王(株)製ペレックスOT−P(R
1a、R
2aが共に2−エチルヘキシル基である化合物)、同ペレックスTR(R
1a、R
2aが共にトリデシル基である化合物)、BASF社製LuensitA−BO(R
1a、R
2aが共に2−エチルヘキシル基である化合物)、東邦化学工業(株)製エアロールCT−1L(R
1a、R
2aが共に2−エチルヘキシル基である化合物)、三井サイテック株式会社から入手可能であったエアロゾルAY−100(R
1a、R
2aが共にアミル基である化合物)、同エアロゾルA−196(R
1a、R
2aが共にシクロヘキシル基である化合物)などを用いることができる。(a)成分の原料として、所定炭素数のアルコールにアルキレンオキシドを付加したものを用いることもできる。
【0025】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、(a)成分を、洗浄力の観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは0.8質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上、よりさらに好ましくは1.5質量%以上、よりさらに好ましくは1.7質量%以上、そして、原料コストを低減する観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下、よりさらに好ましくは10質量%以下、よりさらに好ましくは8質量%以下、よりさらに好ましくは5質量%以下、よりさらに好ましくは3質量%以下、含有する。
なお、本発明では、(a)成分に係る質量に関する記述(質量%や質量比)は、M
1をナトリウムと仮定したときの質量(ナトリウム塩換算での比率)に基づくものとする。
【0026】
<(b)成分>
本発明の(b)成分は、炭素数8以上21以下の炭化水素基と、硫酸エステル基又はスルホン酸基とを有するアニオン界面活性剤〔但し、(a)成分を除く〕である。
【0027】
(b)成分の炭化水素基としては、洗浄力の観点から、炭素数が8以上、好ましくは10以上、より好ましくは12以上、そして21以下、好ましくは18以下、より好ましくは14以下、さらに好ましくは12以下のアルキル基又はアリール基が好ましい。
【0028】
(b)成分のアニオン界面活性剤としては、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、及びアルカンスルホン酸塩から選ばれる一種以上が好ましい。
【0029】
硫酸エステル基を有する前記アニオン界面活性剤として、洗浄力の観点から、炭素数が8以上、好ましくは10以上、そして21以下、好ましくは18以下、より好ましくは14以下、さらに好ましくは12以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するアルキル硫酸エステル塩が好適である。
また、硫酸エステル基を有する前記アニオン界面活性剤として、洗浄力の観点から、炭素数は、8以上、好ましくは10以上、そして21以下、好ましくは18以下、より好ましくは14以下、さらに好ましくは12以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有し、炭素数2以上3以下のオキシアルキレン基の平均付加モル数が好ましくは0.1以上、より好ましくは0.3以上、さらに好ましくは0.4以上、そして、好ましくは6以下、より好ましくは3以下、さらに好ましくは1.5以下であるポリオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が好適である。
また、スルホン酸基を有する前記アニオン界面活性剤として、洗浄力の観点から、炭素数6以上15以下のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩、及び炭素数8以上、好ましくは10以上、そして21以下、好ましくは18以下、より好ましくは14以下、さらに好ましくは12以下のアルカンスルホン酸塩から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤が好適である。
【0030】
(b)成分のアニオン界面活性剤の塩として、ナトリウム塩、アンモニウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩等から選ばれる無機塩、モノエタノールアンモニウム塩、ジエタノールアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、モノホリン塩等から選ばれる有機アンモニウム塩が好適である。
【0031】
(b)成分としては、下記一般式(b1)の化合物が配合安定性と泡立ち性の観点から好適である。
R
1b−O−(R
2bO)
n−SO
3M
2 (b1)
〔式中、R
1bは、炭素数8以上21以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、R
2bは、エチレン基及び/又はプロピレン基であり、nは平均付加モル数であり0以上6以下の数である。M
2は水素原子又は陽イオン、好ましくは無機又は有機の陽イオンである。〕
【0032】
一般式(b1)中、R
1bは、洗浄力の観点から、炭素数8以上、好ましくは10以上、そして21以下、好ましくは18以下、より好ましくは14以下、さらに好ましくは12以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、好ましくは直鎖アルキル基である。具体的には、R
1bは、オクチル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、及びテトラデシル基から選ばれるアルキル基が好ましく、ドデシル基がより好ましい。
【0033】
一般式(b1)中、nは、洗浄力の観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.3以上、さらに好ましくは0.4以上、そして、好ましくは6以下、より好ましくは3以下、さらに好ましくは1.5以下の数である。
一般式(b1)中、R
2bがエチレン基の場合には、洗浄力の観点から、nは、好ましくは0.1以上の数、より好ましくは0.5以上、また好ましくは6以下、より好ましくは3以下の数である。
また、一般式(b1)中、R
2bがプロピレン基の場合には、洗浄力の観点から、nは、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.4以上の数であり、また好ましくは1.5以下、より好ましくは1.0以下、さらに好ましくは0.8以下の数である。
また、一般式(b1)中、R
2bがエチレン基及びプロピレン基の場合には、nは、これらの範囲からそれぞれ選択できる。
【0034】
一般式(b1)中、M
2は、水素原子、あるいはナトリウムイオン、アンモニウムイオ
ン、カリウムイオン、マグネシウムイオン等の無機陽イオン、モノエタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオン、モルホリン等の有機陽イオンが挙げられ、好ましくはナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン、マグネシウムイオンの無機陽イオンである。
【0035】
一般式(b1)の化合物の調製方法としては、特に限定されるものではないが、例えばR
1b−OHで示される脂肪アルコールに目的に応じてエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを所定量付加させた後、三酸化硫黄(液体又は気体)、三酸化硫黄含有ガス、発煙硫酸、クロルスルホン酸から選ばれる硫酸化剤で硫酸エステル化し、所定のアルカリ剤で中和して製造される。エチレンオキシド(以下、EOと表記する)及び/又はプロピレンオキシド(以下、POと表記する)の付加反応は触媒が必要でありNaOH、KOHなどの水酸化アルカリを用いることができる。また、特開平8−323200号公報に記載の酸化マグネシウムを主成分とする触媒を用いることができ、前者は付加モル数分布が比較的広いポリオキシエチレンアルキルエーテルを得ることができ、後者は比較的狭い付加モル数分布を有する化合物を得ることができる。また、特開平10−158384号公報に開示されているようにアルカリ触媒と金属酸化物触媒を併用することにより付加モル数分布を制御することも可能である。
【0036】
一般式(b1)においてnが0の場合に好適であるR
1bが分岐構造を有するアルキル基を含む化合物を得る場合には、原料であるR
1b−OHで示されるアルコールとして、炭素数8以上14以下の1−アルケンをヒドロホルミル化して得られたアルコール(OH基に対してβ位にメチル基が分岐したアルキル基が15モル%以上70モル%以下含まれる)、炭素数4以上8以下のアルデヒドを縮合させた後、還元して得られるゲルベ型アルコール(OH基に対してβ位に炭素数3以上6以下のアルキル基が分岐した構造のものが100モル%含まれる)、イソブテンの2量体をヒドロホルミル化して得られる3,5,5−トリメチルヘキサノール、イソブテンの3量体をヒドロホルミル化して得られる多分岐トリデカノール(分岐率は100モル%である)、石油、石炭を原料とした合成アルコール(分岐率が約20モル%以上100モル%以下のアルキル基である)を挙げることができる。
【0037】
本発明では、(b)成分として、一般式(b1)で表される化合物であって、R
1bとして好ましくは炭素数8以上、さらに好ましくは10以上、そして、好ましくは18以下、さらに好ましくは14以下、さらに好ましくは12以下の直鎖アルキル基を含み、R
2bとしてプロピレン基を含み、nが好ましくは0.1以上、さらに好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.4以上、そして、好ましくは1.5以下、さらに好ましくは1.0以下、さらに好ましくは0.8以下の数である化合物が好ましい。
【0038】
なお、本発明では、(b)成分に係る質量に関する記述(質量%や質量比)は、(b)成分の一般式(b1)中のM
2をナトリウムと仮定したときの質量(ナトリウム塩換算での比率)に基づくものとする。
【0039】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、(b)成分を、洗浄力の観点から、0質量%以上、そして、3質量%未満、好ましくは2.5質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下、さらに好ましくは1.5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは1質量%未満、さらに好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%未満、さらに好ましくは0.1質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%未満、含有する。(b)成分の含有量は、組成物中、0質量%であってもよい。
【0040】
また本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、(b)成分を、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物を泡状形態で用いた場合に泡比容を大きくできる観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上、よりさらに好ましくは1質量%以上含有する。この場合の上限値は前記の範囲から選択できる。
【0041】
<(c)成分>
本発明の(c)成分は、スルホベタイン及びカルボベタインから選ばれる1種以上の両性界面活性剤である。洗浄力の観点から、スルホベタインが好ましい。
【0042】
スルホベタインとしては、アルキル基の炭素数が好ましくは10以上、好ましくは18以下、より好ましくは14以下のN−アルキル−N,N−ジメチル−N−スルホプロピルアンモニウムスルホベタイン、アルキル基の炭素数が好ましくは10以上、好ましくは18以下、より好ましくは14以下のN−アルキル−N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシスルホプロピル)アンモニウムスルホベタイン、アルカノイル基の炭素数が好ましくは10以上、好ましくは18以下、より好ましくは14以下のN−アルカノイルアミノプロピル−N,N−ジメチル−N−スルホプロピルアンモニウムスルホベタイン、アルカノイル基の炭素数が好ましくは10以上、好ましくは18以下、より好ましくは14以下のN−アルカノイルアミノプロピル−N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシスルホプロピル)アンモニウムスルホベタインが挙げられる。
【0043】
カルボベタインとしては、アルキル基の炭素数が好ましくは10以上、好ましくは18以下、より好ましくは14以下のN−アルキル−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタインや下記一般式(c1)で表される化合物が挙げられ、洗浄力の観点から一般式(c1)で表される化合物が好ましい。
【0045】
(式中、R
1cは炭素数7以上21以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、R
2cはプロピレン基を示し、R
3cおよびR
4cは、それぞれ独立に、炭素数1以上3以下のアルキル基を示す。)
【0046】
一般式(c1)中、R
1cは、好ましくは9以上、より好ましくは11以上、そして、好ましくは15以下、より好ましくは13以下のアルキル基又はアルケニル基であり、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基が好ましい。
一般式(c1)中、R
c3およびR
c4は、それぞれ独立に、好ましくはメチル基である。
【0047】
一般式(c1)で表される化合物としては、アーモンドアミドプロピルベタイン、アプリコットアミドプロピルベタイン、アボカドアミドプロピルベタイン、ババスアミドプロピルベタイン、ベヘナミドプロピルベタイン、キャノーラアミドプロピルベタイン、カプリル/カプラミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ココ/オレアミドプロピルベタイン、イソステアラミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ミルクアミドプロピルベタイン、ミンクアミドプロピルベタイン、ミリスタミドプロピルベタイン、オレアミドプロピルベタイン、オリーブアミドプロピルベタイン、パルマムアミドプロピルベタイン、パルミタムアミドプロピルベタイン、リシノール酸アミドプロピルベタイン、セサミドプロピルベタイン、ソイアミドプロピルベタイン、ステアラミドプロピルベタイン、牛脂アミドプロピルベタイン、ウンデシレンアミドプロピルベタイン、及び小麦胚芽アミドプロピルベタインが挙げられる。一般式(c1)で表される化合物としては、ラウラミドプロピルベタイン、ミリスタミドプロピルベタイン、オレアミドプロピルベタイン、及び牛脂アミドプロピルベタインから選ばれる一種以上が好ましい。これらは、一般式(c1)中のR
3cおよびR
4cは、それぞれメチル基の化合物である。
【0048】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、(c)成分を、洗浄力の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上、よりさらに好ましくは1質量%以上、よりさらに好ましくは1.5質量%以上、そして、原料コストを低減する観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下、よりさらに好ましくは10質量%以下、よりさらに好ましくは8質量%以下、よりさらに好ましくは5質量%以下、よりさらに好ましくは3質量%以下、含有する。
【0049】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物において、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の合計含有量は、洗浄力の観点から、好ましくは0.6質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは2質量%を超え、さらに好ましくは2.5質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上、よりさらに好ましくは4質量%以上、そして、吐出性を良好にする観点、界面活性剤の原料コストを低減する観点及び溶剤量を低減する観点から、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは18質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下、よりさらに好ましくは10質量%以下である。本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物、好ましくは、硬質表面に接触させ機械力をかけずに洗浄する方法に用いられる本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物では、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の合計含有量から、0.1質量%、0.64質量%、2質量%及び/又は20質量%を除くことができる。
【0050】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物において、全界面活性剤中の、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の合計含有量の割合は、洗浄力の観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、よりさらに好ましくは80質量%以上、よりさらに好ましくは90質量%以上であり、好ましくは100質量%以下である。
【0051】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物において、(a)成分の含有量と、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の合計含有量との質量比である、(a)成分/[(a)成分+(b)成分+(c)成分]の質量比は、洗浄力の観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.3以上、さらに好ましくは0.35以上、さらに好ましくは0.4以上、そして、同様の観点から、好ましくは0.9以下、より好ましくは0.85以下、さらに好ましくは0.8以下、さらに好ましくは0.75以下、さらに好ましくは0.7以下、さらに好ましくは0.65以下である。なお、[(a)成分+(b)成分+(c)成分]は、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の合計含有量の意味である(以下の質量比でも同様)。
【0052】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物において、(b)成分の含有量と、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の合計含有量との質量比である、(b)成分/[(a)成分+(b)成分+(c)成分]の質量比は、洗浄力の観点から、0.3以下、好ましくは0.3未満、好ましくは0.26以下、より好ましくは0.2以下、さらに好ましくは0.2未満、さらに好ましくは0.15以下、さらに好ましくは0.15未満、よりさらに好ましくは0.1以下である。また本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物において、(b)成分/[(a)成分+(b)成分+(c)成分]の質量比は、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物を泡状形態で用いた場合に泡比容を大きくできる泡比容の観点から、0以上、好ましくは0.03以上、より好ましくは0.05以上、さらに好ましくは0.07以上、さらに好ましくは0.1以上、さらに好ましくは0.15以上、さらに好ましくは0.2以上である。(b)成分/[(a)成分+(b)成分+(c)成分]の質量比は、0であってもよい。
【0053】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物において、(c)成分の含有量と、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の合計含有量との質量比である、(c)成分/[(a)成分+(b)成分+(c)成分]の質量比は、洗浄力の観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.3以上、さらに好ましくは0.35以上、さらに好ましくは0.4以上、そして、同様の観点から、好ましくは0.9以下、より好ましくは0.85以下、さらに好ましくは0.8以下、さらに好ましくは0.75以下、さらに好ましくは0.7以下、さらに好ましくは0.65以下である。
【0054】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物において、(a)成分の含有量と(c)成分の含有量との質量比である、(a)成分/(c)成分の質量比は、洗浄力の観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.3以上、さらに好ましくは0.4以上、さらに好ましくは0.5以上、さらに好ましくは0.6以上、そして、保存安定性及び洗浄力の観点から、好ましくは10以下、より好ましくは8以下、さらに好ましくは7以下、さらに好ましくは6以下、さらに好ましくは5以下、さらに好ましくは4以下、さらに好ましくは3以下、よりさらに好ましくは2以下、保存安定性の観点から、さらに好ましくは1以下、さらに好ましくは0.8以下である。
【0055】
<(d)成分>
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、洗浄力の観点から、(d)成分として、アルキルグリセリルエーテルを含有することができる。(d)成分としては、アルキル基の炭素数が6以上18以下のアルキルモノグリセリルエーテルが挙げられる。具体的には下記一般式(d1)の化合物が好適である。
R
1d−O−(Gly)
r−H (d1)
〔式中、R
1dは炭素数6以上18以下のアルキル基を示し、Glyはグリセリン由来の構成単位を示し、好ましくはグリセリンから1つの水酸基と1つの水素原子を除いた残基を示し、rは1以上4以下の数を示す。〕
【0056】
一般式(d1)中、R
1dは、好ましくは炭素数6以上、より好ましくは炭素数8以上、そして、好ましくは炭素数18以下、より好ましくは炭素数12以下の、アルキル基が挙げられ、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基が好ましい。rは1が好ましい。
【0057】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、(d)成分を、洗浄力の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上、そして、好ましくは6質量%以下、より好ましくは4質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下、含有する。
【0058】
<(e)成分>
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、洗浄力及び配合安定性の観点から、(e)成分として、溶剤を含有することが好ましい。溶剤は、好ましくは炭素数2以上、より好ましくは炭素数3以上、好ましくは炭素数10以下、より好ましくは炭素数8以下の水溶性有機溶剤が好ましく、具体例としては、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、イソプレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、フェノキシエタノール、フェニルグリコール、フェノキシイソプロパノール、ブチルジグリコール(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)、ジブチレンジグリコール、及びベンジルアルコールから選ばれる水溶性有機溶剤がより好ましい。なかでも、ブチルジグリコール、エタノール、及びプロピレングリコールから選ばれる1種以上の水溶性有機溶剤がさらに好ましい。ここで、水溶性有機溶剤とは、オクタノール/水分配係数(LogPow)が3.5以下の溶剤を指すものとする。
(e)成分中、ブチルジグリコールの割合は、好ましくは25質量%以上、より好ましくは50質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下である。
(e)成分中、エタノールの割合は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。
【0059】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、(e)成分を、洗浄力及び配合安定性の観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは4質量%以上、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、含有する。
【0060】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物が(e)成分を含有する場合、(e)成分の含有量と、(a)成分及び(c)成分の合計含有量との質量比である、(e)成分/[(a)成分+(c)成分]の質量比は、保存安定性及び洗浄力の観点から、好ましくは0.5以上、より好ましくは1以上、さらに好ましくは1.2以上、よりさらに好ましくは1.5以上、そして、同様の観点から、好ましくは5以下、より好ましくは4以下、さらに好ましくは3以下、よりさらに好ましくは2以下である。
また、(e)成分の含有量と、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の合計含有量との質量比である、(e)成分/[(a)成分+(b)成分+(c)成分]の質量比は、保存安定性及び洗浄力の観点から、好ましくは0.5以上、より好ましくは1以上、さらに好ましくは1.2以上、よりさらに好ましくは1.5以上、そして、同様の観点から、好ましくは5以下、より好ましくは4以下、さらに好ましくは3以下、よりさらに好ましくは2以下である。
【0061】
<(f)成分>
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、配合安定性の観点から、(f)成分として、ハイドロトロープ剤を含有することができる。ハイドロトロープ剤としては、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、クメンスルホン酸又はこれらのナトリウム、カリウムあるいはマグネシウム塩が良好であり、特にp−トルエンスルホン酸又はその塩が良好である。
【0062】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、(f)成分を、配合安定性の観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは1.5質量%以上、そして、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下、含有する。
【0063】
<(g)成分>
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、洗浄力の観点から、(g)成分として、キレート剤を含有することができる。キレート剤としては、クエン酸、エチレンジアミン4酢酸塩、メチルグリシン2酢酸、L−グルタミン酸二酢酸・四ナトリウム等が挙げられる。
【0064】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、(g)成分を、洗浄力の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、さらに好ましくは2.0質量%以上、そして、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは6質量%以下、含有する。
【0065】
<(h)成分>
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、起泡性、すすぎ性の観点から、(h)成分として、炭素数8以上22以下の脂肪酸又はその塩を含有してもよい。
【0066】
本発明の(h)成分は、起泡性、すすぎ性、洗浄力の観点から、好ましくは炭素数8以上、より好ましくは10以上、そして、好ましくは炭素数22以下、より好ましくは18以下、さらに好ましくは14以下の脂肪酸又はその塩である。
【0067】
(h)成分としては、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸及びこれらの塩が挙げられる。また、椰子組成脂肪酸などの混合脂肪酸を用いることも可能である。脂肪酸の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩から選ばれる無機塩、モノエタノールアンモニウム塩、ジエタノールアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩などの有機アミン塩であるが、好ましくはナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、より好ましくはナトリウム塩、カリウム塩が挙げられる。
【0068】
(h)成分としては、好ましくはデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸又はこれらの塩であり、より好ましくはデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸又はこれらの塩から選ばれる一種以上であり、よりさらに好ましくはデカン酸、ラウリン酸又はその塩から選ばれる一種以上である。配合安定性の観点から、(h)成分がラウリン酸又はその塩を含むことが好ましく、(h)成分中、ラウリン酸又はその塩の割合は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下、より好ましくは100質量%である。
【0069】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、(h)成分を、起泡性、すすぎ性の観点から、好ましくは0質量%以上、そして、洗浄力の観点から、好ましくは3質量%以下、より好ましくは3質量%未満、さらに好ましくは2.5質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下、さらに好ましくは1.5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは1質量%未満、さらに好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%未満、さらに好ましくは0.1質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%未満、含有する。(h)成分の含有量は、組成物中、0質量%であってもよい。
【0070】
なお、本発明では、(h)成分に係る質量に関する記述(質量%や質量比)は、脂肪酸換算に基づくものとする。
【0071】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、(b)成分と(h)成分とを合計で、起泡性、すすぎ性の観点から、好ましくは0質量%以上、そして、洗浄力の観点から、好ましくは3質量%未満、より好ましくは2.5質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下、さらに好ましくは1.5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは1質量%未満、さらに好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%未満、さらに好ましくは0.1質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%未満、含有する。(b)成分と(h)成分の合計含有量は、組成物中、0質量%であってもよい。
【0072】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物において、(a)成分、(b)成分、(c)成分及び(h)成分の合計含有量は、洗浄力の観点から、好ましくは0.6質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上、よりさらに好ましくは4質量%以上、そして、界面活性剤の原料コストを低減する観点及び溶剤量を低減する観点から、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下、よりさらに好ましくは10質量%以下である。
【0073】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物において、全界面活性剤中の、(a)成分、(b)成分、(c)成分及び(h)成分の合計含有量の割合は、洗浄力の観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、よりさらに好ましくは80質量%以上、よりさらに好ましくは90質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下である。
【0074】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物において、(a)成分の含有量と、(a)成分、(b)成分、(c)成分及び(h)成分の合計含有量との質量比である、(a)成分/[(a)成分+(b)成分+(c)成分+(h)成分]の質量比は、洗浄力の観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.3以上、さらに好ましくは0.35以上、さらに好ましくは0.4以上、そして、同様の観点から、好ましくは0.9以下、より好ましくは0.85以下、さらに好ましくは0.8以下、さらに好ましくは0.75以下、さらに好ましくは0.7以下、さらに好ましくは0.65以下である。
【0075】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物において、(b)成分と(h)成分の合計含有量と、(a)成分、(b)成分、(c)成分及び(h)成分の合計含有量との質量比である、[(b)成分+(h)成分]/[(a)成分+(b)成分+(c)成分+(h)成分]の質量比は、洗浄力の観点から、好ましくは0.3以下、より好ましくは0.3未満、さらに好ましくは0.26以下、さらに好ましくは0.2以下、さらに好ましくは0.2未満、さらに好ましくは0.15以下、さらに好ましくは0.15未満、よりさらに好ましくは0.1以下である。また本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物において、[(b)成分+(h)成分]/[(a)成分+(b)成分+(c)成分+(h)成分]の質量比は、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物を泡状形態で用いた場合に泡比容を大きくできる泡比容の観点から、0以上、好ましくは0.03以上、より好ましくは0.05以上、さらに好ましくは0.07以上、さらに好ましくは0.1以上、さらに好ましくは0.15以上、さらに好ましくは0.2以上である。[(b)成分+(h)成分]/[(a)成分+(b)成分+(c)成分+(h)成分]の質量比は、0であってもよい。
【0076】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物において、(c)成分の含有量と、(a)成分、(b)成分、(c)成分及び(h)成分の合計含有量との質量比である、(c)成分/[(a)成分+(b)成分+(c)成分+(h)成分]の質量比は、洗浄力の観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.3以上、さらに好ましくは0.35以上、さらに好ましくは0.4以上、そして、同様の観点から、好ましくは0.9以下、より好ましくは0.85以下、さらに好ましくは0.8以下、さらに好ましくは0.75以下、さらに好ましくは0.7以下、さらに好ましくは0.65以下である。
【0077】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、ポリアルキレングリコール等のゲル化防止剤、ポリアクリル酸等の増粘剤、酵素、香料、染料、顔料、殺菌剤、防腐剤、pH調整剤などの成分を含有することができる。
【0078】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物において、固形分の含有量は、洗浄力の観点から、好ましくは0.6質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上、よりさらに好ましくは4質量%以上、そして、原料コストを低減する観点及びスプレイヤーを具備する容器を使用した際の吐出性の観点から、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは35質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、よりさらに好ましくは28質量%以下である。
ここで、固形分とは、前記(a)〜(c)成分及びその他の任意成分、すなわち水以外の成分である。
【0079】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、水を含有する。すなわち、前記(a)〜(c)成分及び任意成分以外の残部が水である。本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、水を、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、そして、好ましくは98質量%以下、より好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下含有する。水は、イオン交換水、滅菌イオン交換水等を使用することが好ましい。
【0080】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物の25℃におけるpHは、手へのマイルド性の観点から、好ましくは2以上、より好ましくは4以上、より好ましくは5以上、そして、好ましくは10以下、より好ましくは9以下、さらに好ましくは8以下である。
【0081】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物の20℃における粘度は、好ましくは0.5mPa・s以上、より好ましくは1mPa・s以上、そして、好ましくは50mPa・s以下、より好ましくは20mPa・s以下、さらに好ましくは10mPa・s以下、よりさらに好ましくは7mPa・s以下、よりさらに好ましくは5mPa・s以下である。粘度は溶剤やハイドロトロープ剤などで調整することができる。
【0082】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、硬質物品の硬質表面用、さらに食器又は台所周りの硬質物品の硬質表面用、さらに食器の硬質表面用であることが好ましい。また、硬質物品の硬質表面の手洗い洗浄用、さらに食器又は台所周りの硬質物品の硬質表面の手洗い洗浄用、さらに食器の硬質表面の手洗い洗浄用であることが好ましい。
具体的には、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、好ましくは硬質物品の硬質表面への塗布用洗浄剤、より好ましくは食器又は台所周りの硬質物品の硬質表面への塗布用洗浄剤、さらに好ましくは食器の硬質表面への塗布用洗浄剤である。
また、具体的には、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、好ましくは硬質物品の硬質表面への噴霧用洗浄剤、より好ましくは食器又は台所周りの硬質物品の硬質表面への噴霧用洗浄剤、さらに好ましくは食器の硬質表面への噴霧用洗浄剤である。
【0083】
硬質物品としては、パイプ、部品等の食品製造機器、台所周りの硬質物品、食器等が挙げられ、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、固体脂の洗浄性に優れることから、硬質物品、好ましくは食器及び台所周りの硬質物品、より好ましくは食器を洗浄対象とする。
台所周りの硬質物品は、台所の周辺で使用される物品であり、具体的には、冷蔵庫、食器棚などの食品、食器、調理器具の保存場所;排水溝、調理台、レンジフード、シンク、ガスレンジ、電子レンジなどの食品の調理場所;及びそれらの周辺の床や壁等である。本発明では、これらを便宜上「台所周りの硬質物品」とする。
また、食器としては、具体的には、皿、椀等のいわゆる食器;タッパー、瓶等の保存容器;包丁やまな板、鍋、フライパン、魚焼きグリル等の調理器具;フードプロセッサー、ミキサー等の調理家電等の食材が接触する部材や器具が挙げられる。本発明では、これらを便宜上「食器」とする。
また、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、食器、保存容器、調理器具、及び調理家電から選ばれる物品用であることが好ましく、さらに皿、椀、タッパー、ビン、包丁、まな板、鍋、フライパン、魚焼きグリル、フードプロセッサー、及びミキサーから選ばれる物品用であることがより好ましい。
また、本発明の洗浄対象である硬質表面、さらに食器及び台所周りの硬質表面、さらに食器の硬質表面の材質は、プラスチック(シリコーン樹脂などを含む)、金属、陶器、木、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0084】
<硬質表面の洗浄方法>
本発明の硬質表面の洗浄方法は、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物を、硬質表面に接触させる、硬質表面の洗浄方法である。
すなわち、本発明の硬質表面の洗浄方法では、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物を用いる。該組成物の好ましい態様は、前記した本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物と同じである。
本発明の硬質表面の洗浄方法は、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物を、油汚れが付着した硬質表面、さらに固体脂を含む油汚れが付着した硬質表面に接触させる、硬質表面の洗浄方法として好適に実施できる。
これらの方法は、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物を、硬質表面に付着した油汚れに接触させる、硬質表面の洗浄方法である。
ある側面において、本発明は、前記本発明の油除去用硬質表面用液体洗浄剤組成物を、油汚れが付着した硬質表面に接触させる、硬質表面の洗浄方法を提供する。
【0085】
固体脂を含む油汚れは、油脂を含んだ汚れであって、この油脂が常温(例えば20℃)で固体を呈するものである。固体脂を含む油汚れは、典型的には固体脂を含む油汚れ、更に固体脂と液体油とを含む油汚れである。前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を接触させるときの固体脂を含む油汚れの形態は、固体脂と液体油とが混在した状態であってもよい。
【0086】
本発明の硬質表面の洗浄方法は、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物における(b)成分/[(a)成分+(b)成分+(c)成分]の質量比が、泡比容の観点から、好ましくは0.15以上、より好ましくは0.2以上、そして0.3以下である硬質表面用液体洗浄剤組成物を用いて実施することができる。
また、本発明の硬質表面の洗浄方法は、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物における(b)成分/[(a)成分+(b)成分+(c)成分]の質量比が、洗浄力の観点から、好ましくは0.2未満、そして好ましくは0以上である硬質表面用液体洗浄剤組成物を用いて実施することができる。
【0087】
本発明の硬質表面の洗浄方法では、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物を、硬質表面に接触させる。
具体的には、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を、希釈せずに硬質表面に接触させる、つまり、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を、希釈することなく、硬質表面に接触させる洗浄方法が挙げられる。さらに、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を、希釈することなく、固体脂を含む油汚れが付着した硬質表面に接触させる洗浄方法が挙げられる。
前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を希釈することなく固体脂を含む油汚れが付着した硬質表面に接触させる、とは、該洗浄剤組成物を、意図的に水などで希釈した後、固体脂を含む汚れが付着した硬質表面と接触させないことである。例えば、前記液体洗浄剤組成物を水滴等が付着した硬質表面と接触させたり、前記液体洗浄剤組成物を硬質表面に接触させた後、水滴が硬質表面に付着したりする場合は、前記液体洗浄剤組成物を希釈することなく固体脂を含む油汚れが付着した硬質表面に接触させていると理解できる。
本発明では、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物の原液をそのまま、つまり組成を変動させることなく、硬質表面に付着させる。例えば、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を、含水したスポンジに付着させることなく、固体脂を含む油汚れが付着した硬質表面に接触させる。硬質表面に接触した後は、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物の組成が変動してもよい。すなわち、硬質表面に接触した後は、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物の組成が希釈又は濃縮されてもよい。
【0088】
本発明の硬質表面の洗浄方法では、本発明の(a)成分、(b)成分、(c)成分を含む濃厚組成物を調製しておき、該濃厚組成物を水で希釈して本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物を調製し、硬質表面に接触させてもよい。すなわち、本発明の(a)成分、(b)成分、(c)成分を含有する濃厚組成物を水で希釈して本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物に調製し、該硬質表面用液体洗浄剤組成物を希釈せずに硬質表面に接触させる、硬質表面の洗浄方法であってもよい。
【0089】
また、本発明の硬質表面の洗浄方法は、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を、硬質表面に接触させた後、機械力をかけずに放置する洗浄方法が挙げられる。この方法は、手や道具の届かない部位や届きにくい細部の洗浄に好適である。
機械力をかけずに放置するとは、例えば、組成物の接触以外に、洗浄のための意図的な操作を行わないことである。例えば、接触させた組成物が硬質表面の表面を自然に流下することや、洗浄を意図しない振動が硬質表面に伝わることなどは、機械力をかけずに放置すると理解できる。
つまり、本発明の洗浄方法として、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を、スポンジ等の可撓性材料を用いることなく硬質表面に接触させ、機械力をかけずにそのまま放置する洗浄方法が挙げられる。
放置した後は、通常、水ですすぐ。すすぐ際は、手などで機械力(物理的力)を掛けてもよく、単に水流ですすいでもよい。
【0090】
本発明の硬質表面の洗浄方法では、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を、対象物である硬質表面の面積100cm
2に対して、好ましくは0.1g以上、より好ましくは0.3g以上、さらに好ましくは0.4g以上、そして、好ましくは5g以下、より好ましくは3g以下、さらに好ましくは2g以下の割合で接触させる、さらに、塗布又は噴霧することが好ましい。
【0091】
本発明の硬質表面の洗浄方法では、洗浄力を高める観点から、硬質表面用液体洗浄剤組成物を硬質表面に接触後、好ましくは10秒以上、より好ましくは20秒以上、さらに好ましくは30秒以上、さらに好ましくは40秒以上、そして洗浄時間を短縮する観点から、好ましくは60分以下、より好ましくは30分以下、さらに好ましくは20分以下、より好ましくは10分以下、よりさらに好ましくは5分以下、機械力をかけずに放置する。この場合、最初に前記組成物が硬質表面に接触した時点を放置の開始としてよい。
なお、放置する際の温度は、室温でよく、例えば、10℃以上30℃以下が挙げられる。
【0092】
また、本発明の硬質表面の洗浄方法では、洗浄力を高める観点から、好ましくは10秒以上、より好ましくは20秒以上、さらに好ましくは30秒以上、さらに好ましくは40秒以上、そして洗浄時間を短縮する観点から、好ましくは60分以下、より好ましくは30分以下、さらに好ましくは20分以下、よりさらに好ましくは10分以下、より好ましくは5分以下、前記液体洗浄剤組成物と洗浄対象である硬質表面とを接触させる。
【0093】
本発明の硬質表面の洗浄方法では、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を、油汚れ等が付着した硬質表面を該組成物中に浸漬させて接触させてもよいが、効率的に洗浄力を高める観点から、噴霧又は塗布して、油汚れ等が付着した硬質表面に接触させる方法が好ましい。
前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を、油汚れ等が付着した硬質表面に接触させる方法は、噴霧又は塗布が好ましく、液滴状にして噴霧する又は泡状にして塗布する方法が好ましい。具体的には、スプレー法により、すなわち本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物を、スプレイヤーを具備する容器に充填してなる硬質表面用洗浄剤物品を用いるのが好ましい。本発明は、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物を、スプレイヤーを具備する容器に充填してなる、スプレー容器入り硬質表面用洗浄剤物品を提供する。
【0094】
本発明のスプレー容器入り硬質表面用洗浄剤物品における本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物を充填するスプレイヤーを具備する容器は、トリガー式スプレー容器、ポンプ式スプレー容器等の噴射剤を使用しない手動式スプレー装置、噴射剤を用いるエアゾール等が挙げられるが、内容物を液滴状又は泡状にして噴霧又は塗布することができるトリガー式スプレーが好ましく、内容物を液滴状に噴霧する機構を備えたトリガー式スプレー又は泡を形成する機構(泡形成機構)を備えたトリガー式スプレーがより好ましい。
【0095】
本発明のスプレー容器入り硬質表面用洗浄剤物品において、液滴状に本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物を噴霧する機構を備えたトリガー式スプレーを用いる場合、前記組成物を入れるスプレー容器の噴射ノズルの噴口径は、スプレーのし易さや、噴射された液滴が荒くなく、直線状にスプレーされず、スプレーできる面積が極端に狭くならないために、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.3mm以上、そして、好ましくは2mm以下、より好ましくは1mm以下の範囲である。
液滴状に噴霧する機構を備えたトリガー式スプレーを用いる場合、本発明のスプレー容器入り硬質表面用洗浄剤物品は、1回の操作で、好ましくは0.1mL以上、より好ましくは0.3mL以上、そして、好ましくは5mL以下、より好ましくは2mL以下の組成物を噴霧する。
【0096】
また本発明のスプレー容器入り硬質表面用洗浄剤物品において、泡形成機構を備えたトリガー式スプレーを用いる場合、好ましくはスピンエレメント及び直径4〜8mmの円形状の空間部分に棒状の突起を数個設置された液体通過板を有するものが好適である。ここでスピンエレメントとは、スピンエレメントを通じて液状物の流れにスピンを与え、最後にノズルから噴出する機構であり、その詳細な構造としては特開平8−332422号公報や特開平8−108102号公報の
図4(b)、特開2002−68265号公報の
図1などを参考にすることができる。
【0097】
泡形成機構を備えたトリガー式スプレーを用いる場合、本発明のスプレー容器入り硬質表面用洗浄剤物品は、1回の操作で、好ましくは0.5mL以上、より好ましくは1mL以上、そして、好ましくは30mL以下、より好ましくは15mL以下、さらに好ましくは5mL以下の組成物を噴霧する。
【0098】
泡形成機構のもう一つの部材である液体通過板は、直径5〜7mmの円形状の空間部分に棒状の突起を好ましくは3〜8個設置されたものであり、通過する板を平面で見た場合に、好ましくは幅0.8〜1.2mm、長さ2〜4mmの長方形状の棒状の突起が好適である。また、棒状の突起を除いた空間部分に対する棒状の突起の占める面積は、好ましくは30面積%以上、より好ましくは40面積%以上、そして、好ましくは90面積%以下、より好ましくは80面積%以下、さらに好ましくは70面積%以下であり、このような液体通過板を設置することで、垂直表面への泡の付着滞留性が良好になる。
【0099】
本発明のスプレー容器入り硬質表面用洗浄剤物品の容器は、一般に使用されている容器を用いることができる。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートを原料として得られるものであり、ブロー成形などによって製造することができる。容器の肉厚は底面と側面と異なってもよく、0.01〜2mmが好ましく、容器の容量は100〜1000mLが好ましい。容器に充填される硬質表面用液体剤組成物の量は、取り扱い上、200〜500mLが望ましい。また液の充填は、常識的な空隙を残して行われる。
【0100】
本発明の硬質表面の洗浄方法は、硬質物品の硬質表面、さらに食器及び台所周りの硬質物品の硬質表面、さらに食器の硬質表面の洗浄方法として好ましい。また、硬質物品の硬質表面の手洗い洗浄方法、さらに食器及び台所周りの硬質物品の硬質表面の手洗い洗浄方法、さらに食器の硬質表面の手洗い洗浄方法として好ましい。
【0101】
本発明の硬質表面の洗浄方法は、硬質物品の硬質表面、好ましくは食器及び台所周りの硬質物品の硬質表面、より好ましくは食器の硬質表面を洗浄対象とする。
硬質物品、食器及び台所周りの硬質物品については、前述のものが挙げられる。
また、本発明の硬質表面の洗浄方法は、食器、保存容器、調理器具、及び調理家電から選ばれる物品の硬質表面を対象とすることが好ましく、さらに皿、椀、タッパー、ビン、包丁、まな板、鍋、フライパン、魚焼きグリル、フードプロセッサー、及びミキサーから選ばれる物品の硬質表面を対象とすることがより好ましい。
本発明の硬質表面の洗浄方法の対象とする硬質表面の材質は、プラスチック(シリコーン樹脂などを含む)、金属、陶器、木、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
そして、本発明の硬質表面の洗浄方法は、これら硬質表面に付着した固体脂を含む油汚れを効果的に洗浄することができる。
【0102】
本発明の硬質表面の洗浄方法では、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物を直接硬質表面に接触させる。そして、前記組成物が接触した状態で放置すればよいため、洗浄時において、スポンジ等の可撓性材料による擦り洗いのような機械力をかける作業を必要としない。そのため、本発明の硬質表面の洗浄方法は、食品製造機器、冷蔵庫、食器棚などのパイプ、部品及び排水溝等の手洗い洗浄が不便な硬質物品等、食品、食器、調理器具の保存場所、調理台、レンジフード、シンク、ガスレンジ、電子レンジなどの食品の調理場所及びその周辺の床や壁等の台所周り等の固体脂を含む油汚れが広範に及ぶ硬質表面を有する物品、包丁、ピーラー、おろし金、スライサー、ジューサーの羽根、フードプロセッサーの羽根等の手洗い洗浄に危険が伴う物品、水筒、タンブラー、やかん、ポット等の手洗い洗浄が不便な物品、及び、形状が複雑な部分を具備する物品といった、スポンジ等の可撓性材料を用いた洗浄が困難な物品等にも適用することができる。尚、必要により、擦り洗いを行ってもよい。
さらに、本発明の硬質表面の洗浄方法は、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物を、好ましくは泡状の前記組成物を、硬質表面に塗布してそのまま放置するため、硬質表面に前記組成物を長く留めることができる。
本発明の硬質表面の洗浄方法は、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を接触させた硬質表面を、水で濯ぐ工程、好ましくは前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を接触させた硬質表面を、放置後、水で濯ぐ工程を含むことができる。
【0103】
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の硬質表面用液体洗浄剤組成物、硬質表面の洗浄方法、スプレー容器入り硬質表面用洗浄剤物品、及び使用を開示する。これらの態様には、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物、硬質表面の洗浄方法、及びスプレー容器入り硬質表面用洗浄剤物品で述べた事項を、相互に適宜適用することができる。
【0104】
<1>
下記(a)成分、(b)成分0質量%以上3質量%未満、(c)成分、及び水を含有し、(b)成分/[(a)成分+(b)成分+(c)成分]の質量比が0.3以下である、硬質表面用液体洗浄剤組成物。
<(a)成分>
下記一般式(a1)で表されるスルホコハク酸エステル又はその塩
【0106】
〔式中、R
1a、R
2aは、それぞれ、炭素数5以上18以下の炭化水素基である。A
1、A
2はそれぞれ独立に炭素数2以上4以下のアルキレン基、x、yは平均付加モル数であり、それぞれ独立に0以上6以下である。M
1は水素原子又は陽イオンである。〕
<(b)成分>
炭素数8以上21以下の炭化水素基と、硫酸エステル基又はスルホン酸基とを有するアニオン界面活性剤〔但し、(a)成分を除く〕
<(c)成分>
スルホベタイン及びカルボベタインから選ばれる1種以上の両性界面活性剤
【0107】
<2>
下記(a)成分、(b)成分0質量%以上3質量%未満、(c)成分、及び水を含有し、(b)成分/[(a)成分+(b)成分+(c)成分]の質量比が0.3以下である、油除去用硬質表面用液体洗浄剤組成物。
<(a)成分>
下記一般式(a1)で表されるスルホコハク酸エステル又はその塩
【0109】
〔式中、R
1a、R
2aは、それぞれ、炭素数5以上18以下の炭化水素基である。A
1、A
2はそれぞれ独立に炭素数2以上4以下のアルキレン基、x、yは平均付加モル数であり、それぞれ独立に0以上6以下である。M
1は水素原子又は陽イオンである。〕
<(b)成分>
炭素数8以上21以下の炭化水素基と、硫酸エステル基又はスルホン酸基とを有するアニオン界面活性剤〔但し、(a)成分を除く〕
<(c)成分>
スルホベタイン及びカルボベタインから選ばれる1種以上の両性界面活性剤
【0110】
<3>
一般式(a1)中、R
1a、R
2aが、それぞれ独立に、炭素数5以上、好ましくは6以上、より好ましくは7以上、そして、炭素数18以下、好ましくは16以下、さらに好ましくは14以下の炭化水素基、好ましくは直鎖又は分岐鎖のアルキル基、より好ましくは分岐鎖のアルキル基である、前記<1>又は<2>に記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0111】
<4>
一般式(a1)中、A
1、A
2が、それぞれ独立に、炭素数2以上、そして、炭素数4以下、好ましくは3以下のアルキレン基である、前記<1>〜<3>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0112】
<5>
一般式(a1)中、x、yが、平均付加モル数であり、それぞれ独立に、0以上、そして、6以下、好ましくは4以下、より好ましくは2以下、よりさらに好ましくは0である、前記<1>〜<4>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0113】
<6>
一般式(a1)中、x+yが、好ましくは0以上、そして、好ましくは12以下、より好ましくは6以下、さらに好ましくは3以下、よりさらに好ましくは0である、前記<1>〜<5>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0114】
<7>
一般式(a1)中、R
1a、R
2aが、それぞれ、好ましくはヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、sec−オクチル基、イソペンチル基、イソノニル基、イソデシル基、シクロヘキシル基から選ばれるアルキル基である、より好ましくはn−オクチル基、sec−オクチル基、デシル基、イソデシル基、及び2−エチルヘキシル基から選ばれるアルキル基である、さらに好ましくは2−エチルヘキシル基、トリデシル基である、よりさらに好ましくは2−エチルヘキシル基である、前記<1>〜<6>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0115】
<8>
一般式(a1)中、M
1が、好ましくは水素原子、又はナトリウムイオン、アンモニウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン等の無機陽イオン、若しくはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリンの酸塩等の有機陽イオンである、より好ましくはナトリウムイオン、アンモニウムイオン、カリウムイオン、及びマグネシウムイオンから選ばれる無機陽イオンである、前記<1>〜<7>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0116】
<9>
(a)成分を、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは0.8質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上、よりさらに好ましくは1.5質量%以上、よりさらに好ましくは1.7質量%以上、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下、よりさらに好ましくは10質量%以下、よりさらに好ましくは8質量%以下、よりさらに好ましくは5質量%以下、よりさらに好ましくは3質量%以下、含有する、前記<1>〜<8>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0117】
<10>
(b)成分の炭化水素基が、炭素数が8以上、好ましくは10以上、より好ましくは12以上、そして21以下、好ましくは18以下、より好ましくは14以下、さらに好ましくは12以下のアルキル基又はアリール基である、前記<1>〜<9>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0118】
<11>
(b)成分が、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、及びアルカンスルホン酸塩から選ばれる一種以上のアニオン界面活性剤である、前記<1>〜<10>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0119】
<12>
(b)成分が、炭素数が8以上、好ましくは10以上、そして21以下、好ましくは18以下、より好ましくは14以下、さらに好ましくは12以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するアルキル硫酸エステル塩、炭素数が8以上、好ましくは10以上、そして21以下、好ましくは18以下、より好ましくは14以下、さらに好ましくは12以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有し、炭素数2以上3以下のオキシアルキレン基の平均付加モル数が好ましくは0.1以上、より好ましくは0.3以上、さらに好ましくは0.4以上、そして、好ましくは6以下、より好ましくは3以下、さらに好ましくは1.5以下であるポリオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、及び、好ましくは炭素数6以上15以下のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩、及び炭素数8以上、好ましくは10以上、そして21以下、好ましくは18以下、より好ましくは14以下、さらに好ましくは12以下のアルカンスルホン酸塩から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤である、前記<1>〜<11>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0120】
<13>
(b)成分が、下記一般式(b1)の化合物である、前記<1>〜<12>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
R
1b−O−(R
2bO)
n−SO
3M
2 (b1)
〔式中、R
1bは、炭素数8以上21以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、R
2bは、エチレン基及び/又はプロピレン基であり、nは平均付加モル数であり0以上6以下の数である。M
2は水素原子又は陽イオン、好ましくは無機又は有機の陽イオンである。〕
【0121】
<14>
一般式(b1)中、R
1bが、好ましくは炭素数8以上、より好ましくは10以上、好ましくは18以下、より好ましくは14以下、さらに好ましくは12以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である、好ましくは直鎖アルキル基である、前記<13>に記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0122】
<15>
一般式(b1)中、R
1bが、オクチル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、及びテトラデシル基から選ばれるアルキル基である、好ましくはドデシル基である、前記<13>又は<14>に記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0123】
<16>
一般式(b1)中、nが、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.3以上、さらに好ましくは0.4以上、そして、好ましくは6以下、より好ましくは3以下、さらに好ましくは1.5以下の数である、前記<13>〜<15>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0124】
<17>
一般式(b1)中、M
2が、水素原子、無機陽イオン又は有機陽イオンである、好ましくは水素原子、ナトリウムイオン、アンモニウムイオン、カリウムイオン、及びマグネシウムイオンから選ばれる無機陽イオン、又はモノエタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオン、モルホリンから選ばれる有機陽イオンである、より好ましくはナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン、及びマグネシウムイオンから選ばれる無機陽イオンである、前記<13>〜<16>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0125】
<18>
(b)成分を、0質量%以上、そして、3質量%未満、好ましくは2.5質量%以下、より好ましくは2質量%以下、さらに好ましくは1.5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは1質量%未満、さらに好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%未満、さらに好ましくは0.1質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%未満含有する、又は0質量%含有する、前記<1>〜<17>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0126】
<19>
(b)成分を、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上、よりさらに好ましくは1質量%以上含有する、前記<1>〜<18>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0127】
<20>
スルホベタインが、アルキル基の炭素数が好ましくは10以上、好ましくは18以下、より好ましくは14以下のN−アルキル−N,N−ジメチル−N−スルホプロピルアンモニウムスルホベタイン;アルキル基の炭素数が好ましくは10以上、好ましくは18以下、より好ましくは14以下のN−アルキル−N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシスルホプロピル)アンモニウムスルホベタイン;アルカノイル基の炭素数が好ましくは10以上、好ましくは18以下、より好ましくは14以下のN−アルカノイルアミノプロピル−N,N−ジメチル−N−スルホプロピルアンモニウムスルホベタイン;アルカノイル基の炭素数が好ましくは10以上、好ましくは18以下、より好ましくは14以下のN−アルカノイルアミノプロピル−N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシスルホプロピル)アンモニウムスルホベタインから選ばれるスルホベタインである、前記<1>〜<19>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0128】
<21>
カルボベタインが、アルキル基の炭素数が好ましくは10以上、好ましくは18以下、より好ましくは14以下のN−アルキル−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン、及び下記一般式(c1)で表される化合物から選ばれるカルボベタインである、前記<1>〜<20>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0130】
(式中、R
1cは炭素数7以上21以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、R
2cはプロピレン基を示し、R
3cおよびR
4cは、それぞれ独立に、炭素数1以上3以下のアルキル基を示す。)
【0131】
<22>
一般式(c1)中、R
1cが、好ましくは9以上、より好ましくは11以上、そして、好ましくは15以下、より好ましくは13以下のアルキル基又はアルケニル基である、さらに、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基である、前記<21>に記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0132】
<23>
一般式(c1)中、R
c3およびR
c4が、それぞれ独立に、好ましくはメチル基である、前記<21>又は<22>に記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0133】
<24>
(c)成分が、好ましくはスルホベタインである、前記<1>〜<20>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0134】
<25>
(c)成分を、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上、よりさらに好ましくは1質量%以上、よりさらに好ましくは1.5質量%以上、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下、よりさらに好ましくは10質量%以下、よりさらに好ましくは8質量%以下、よりさらに好ましくは5質量%以下、よりさらに好ましくは3質量%以下、含有する、前記<1>〜<24>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0135】
<26>
(a)成分、(b)成分及び(c)成分の合計含有量が、好ましくは0.6質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは2質量%を超え、さらに好ましくは2.5質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上、よりさらに好ましくは4質量%以上、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは18質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下、よりさらに好ましくは10質量%以下であり、好ましくは(a)成分、(b)成分及び(c)成分の合計含有量から、0.1質量%、0.64質量%、2質量%及び/又は20質量%を除くことができる、前記<1>〜<25>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0136】
<27>
全界面活性剤中の、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の合計含有量の割合が、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、よりさらに好ましくは80質量%以上、よりさらに好ましくは90質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下である、前記<1>〜<26>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0137】
<28>
(a)成分/[(a)成分+(b)成分+(c)成分]の質量比が、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.3以上、さらに好ましくは0.35以上、さらに好ましくは0.4以上、そして、好ましくは0.9以下、より好ましくは0.85以下、さらに好ましくは0.8以下、さらに好ましくは0.75以下、さらに好ましくは0.7以下、さらに好ましくは0.65以下である、前記<1>〜<27>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0138】
<29>
(b)成分/[(a)成分+(b)成分+(c)成分]の質量比が、0.3以下、好ましくは0.3未満、好ましくは0.26以下、より好ましくは0.2以下、さらに好ましくは0.2未満、さらに好ましくは0.15以下、さらに好ましくは0.15未満、よりさらに好ましくは0.1以下である、又は0である、前記<1>〜<28>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0139】
<30>
(b)成分/[(a)成分+(b)成分+(c)成分]の質量比が、0以上、好ましくは0.03以上、より好ましくは0.05以上、さらに好ましくは0.07以上、さらに好ましくは0.1以上、さらに好ましくは0.15以上、さらに好ましくは0.2以上である、又は0である、前記<1>〜<29>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0140】
<31>
(c)成分/[(a)成分+(b)成分+(c)成分]の質量比が、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.3以上、さらに好ましくは0.35以上、さらに好ましくは0.4以上、そして、好ましくは0.9以下、より好ましくは0.85以下、さらに好ましくは0.8以下、さらに好ましくは0.75以下、さらに好ましくは0.7以下、さらに好ましくは0.65以下である、前記<1>〜<30>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0141】
<32>
(a)成分/(c)成分の質量比が、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.3以上、さらに好ましくは0.4以上、さらに好ましくは0.5以上、さらに好ましくは0.6以上、そして、好ましくは10以下、より好ましくは8以下、さらに好ましくは7以下、さらに好ましくは6以下、さらに好ましくは5以下、さらに好ましくは4以下、さらに好ましくは3以下、よりさらに好ましくは2以下、さらに好ましくは1以下、さらに好ましくは0.8以下である、前記<1>〜<31>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0142】
<33>
(d)成分として、アルキルグリセリルエーテルを含有する、前記<1>〜<32>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0143】
<34>
(d)成分が、好ましくはアルキル基の炭素数が6以上18以下のアルキルモノグリセリルエーテル、より好ましくは下記一般式(d1)の化合物である、前記<33>に記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
R
1d−O−(Gly)
r−H (d1)
〔式中、R
1dは炭素数6以上18以下のアルキル基を示し、Glyはグリセリンから1つの水酸基と1つの水素原子とを除いた残基を示し、rは1以上4以下の数を示す。〕
【0144】
<35>
一般式(d1)中、R
1dが、好ましくは炭素数6以上、より好ましくは炭素数8以上、そして、好ましくは炭素数18以下、より好ましくは炭素数12以下の、アルキル基である、前記<34>に記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0145】
<36>
一般式(d1)中、R
1dが、好ましくはオクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、及びドデシル基から選ばれるアルキル基である、前記<34>又は<35>に記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0146】
<37>
一般式(d1)中、rが、好ましくは1である、前記<34>〜<36>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0147】
<38>
(d)成分を、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上、そして、好ましくは6質量%以下、より好ましくは4質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下、含有する、前記<33>〜<37>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0148】
<39>
(e)成分として、溶剤、好ましくは水溶性有機溶剤を含有する、前記<1>〜<38>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0149】
<40>
(e)成分が、好ましくは炭素数2以上、より好ましくは炭素数3以上、好ましくは炭素数10以下、より好ましくは炭素数8以下の水溶性有機溶剤である、前記<39>に記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0150】
<41>
(e)成分が、好ましくはエタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、イソプレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、フェノキシエタノール、フェニルグリコール、フェノキシイソプロパノール、ブチルジグリコール(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)、ジブチレンジグリコール、及びベンジルアルコールから選ばれる1種以上、より好ましくはブチルジグリコール、エタノール、及びプロピレングリコールから選ばれる1種以上、さらに好ましくはブチルジグリコール、エタノール、及びプロピレングリコールから選ばれる1種以上の水溶性有機溶剤である、前記<39>又は<44>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0151】
<42>
(e)成分を、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは4質量%以上、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、含有する、前記<39>〜<41>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0152】
<43>
(e)成分/[(a)成分+(c)成分]の質量比が、好ましくは0.5以上、より好ましくは1以上、さらに好ましくは1.2以上、よりさらに好ましくは1.5以上、そして、好ましくは5以下、より好ましくは4以下、さらに好ましくは3以下、よりさらに好ましくは2以下である、前記<39>〜<42>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0153】
<44>
(e)成分の含有量と、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の合計含有量との質量比である、(e)成分/[(a)成分+(b)成分+(c)成分]の質量比が、好ましくは0.5以上、より好ましくは1以上、さらに好ましくは1.2以上、よりさらに好ましくは1.5以上、そして、好ましくは5以下、より好ましくは4以下、さらに好ましくは3以下、よりさらに好ましくは2以下である、前記<39>〜<43>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0154】
<45>
(f)成分として、ハイドロトロープ剤を含有する、前記<1>〜<44>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0155】
<46>
(f)成分が、好ましくはトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、若しくはクメンスルホン酸、又はこれらのナトリウム塩、カリウム塩、若しくはマグネシウム塩である、より好ましくはp−トルエンスルホン酸又はその塩である、前記<45>に記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0156】
<47>
(f)成分を、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは1.5質量%以上、そして好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下、含有する、前記<45>又は<46>に記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0157】
<48>
(g)成分として、キレート剤を含有する、前記<1>〜<47>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0158】
<49>
(g)成分が、クエン酸、エチレンジアミン4酢酸塩、メチルグリシン2酢酸、及びL−グルタミン酸二酢酸・四ナトリウムから選ばれるキレート剤である、前記<48>に記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0159】
<50>
(g)成分を、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、さらに好ましくは2.0質量%以上、そして、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは6質量%以下、含有する、前記<48>又は<49>に記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0160】
<51>
(h)成分として、炭素数8以上22以下の脂肪酸又はその塩を含有する、前記<1>〜<50>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0161】
<52>
(h)成分が、炭素数8以上、より好ましくは10以上、そして、好ましくは炭素数22以下、より好ましくは18以下、さらに好ましくは14以下の脂肪酸又はその塩である、前記<51>に記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0162】
<53>
(h)成分が、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸又はこれらの塩から選ばれる一種以上である、より好ましくはデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸又はこれらの塩から選ばれる一種以上である、よりさらに好ましくはデカン酸、ラウリン酸又はその塩から選ばれる一種以上である、前記<51>又は<52>に記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0163】
<54>
(h)成分を、好ましくは0質量%以上、そして、好ましくは3質量%以下、より好ましくは3質量%未満、さらに好ましくは2.5質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下、さらに好ましくは1.5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは1質量%未満、さらに好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%未満、さらに好ましくは0.1質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%未満含有する、又は0質量%含有する、前記<51>〜<53>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0164】
<55>
(b)成分と(h)成分とを合計で、好ましくは0質量%以上、そして、好ましくは3質量%未満、より好ましくは2.5質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下、さらに好ましくは1.5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは1質量%未満、さらに好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%未満、さらに好ましくは0.1質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%未満含有する、又は0質量%含有する、前記<51>〜<54>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0165】
<56>
(a)成分、(b)成分、(c)成分及び(h)成分の合計含有量が、好ましくは0.6質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上、よりさらに好ましくは4質量%以上、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下、よりさらに好ましくは10質量%以下である、前記<51>〜<55>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0166】
<57>
全界面活性剤中の、(a)成分、(b)成分、(c)成分及び(h)成分の合計含有量の割合が、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、よりさらに好ましくは80質量%以上、よりさらに好ましくは90質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下である、前記<51>〜<56>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0167】
<58>
(a)成分/[(a)成分+(b)成分+(c)成分+(h)成分]の質量比が、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.3以上、さらに好ましくは0.35以上、さらに好ましくは0.4以上、そして、好ましくは0.9以下、より好ましくは0.85以下、さらに好ましくは0.8以下、さらに好ましくは0.75以下、さらに好ましくは0.7以下、さらに好ましくは0.65以下である、前記<51>〜<57>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0168】
<59>
[(b)成分+(h)成分]/[(a)成分+(b)成分+(c)成分+(h)成分]の質量比が、好ましくは0.3以下、好ましくは0.3未満、好ましくは0.26以下、より好ましくは0.2以下、さらに好ましくは0.2未満、さらに好ましくは0.15以下、さらに好ましくは0.15未満、よりさらに好ましくは0.1以下、そして、好ましくは0以上、好ましくは0.03以上、より好ましくは0.05以上、さらに好ましくは0.07以上、さらに好ましくは0.1以上、さらに好ましくは0.15以上、さらに好ましくは0.2以上である、又は0である、前記<51>〜<58>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0169】
<60>
(c)成分/[(a)成分+(b)成分+(c)成分+(h)成分]の質量比が、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.3以上、さらに好ましくは0.35以上、さらに好ましくは0.4以上、そして、好ましくは0.9以下、より好ましくは0.85以下、さらに好ましくは0.8以下、さらに好ましくは0.75以下、さらに好ましくは0.7以下、さらに好ましくは0.65以下である、前記<51>〜<59>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0170】
<61>
固形分の合計含有量が、好ましくは0.6質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上、よりさらに好ましくは4質量%以上、そして、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは35質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、よりさらに好ましくは28質量%以下である、前記<1>〜<60>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0171】
<62>
水を含有する、前記<1>〜<61>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0172】
<63>
水を、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、そして、好ましくは98質量%以下、より好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下含有する、前記<1>〜<62>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0173】
<64>
25℃におけるpHが、好ましくは2以上、より好ましくは4以上、より好ましくは5以上、そして、好ましくは10以下、より好ましくは9以下、さらに好ましくは8以下である、前記<1>〜<63>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0174】
<65>
20℃における粘度が、好ましくは0.5mPa・s以上、より好ましくは1mPa・s以上、そして、好ましくは50mPa・s以下、より好ましくは20mPa・s以下、さらに好ましくは10mPa・s以下、よりさらに好ましくは7mPa・s以下、よりさらに好ましくは5mPa・s以下である、前記<1>〜<64>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0175】
<66>
硬質物品の硬質表面用、さらに食器及び台所周りの硬質物品から選ばれる硬質物品の硬質表面用、さらに食器の硬質表面用、さらに硬質物品の硬質表面の手洗い洗浄用、さらに食器及び台所周りの硬質物品から選ばれる硬質物品の硬質表面の手洗い洗浄用、さらに食器の硬質表面の手洗い洗浄用である、前記<1>〜<65>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0176】
<67>
硬質物品の硬質表面への塗布用洗浄剤、好ましくは食器及び台所周りの硬質物品から選ばれる硬質物品の硬質表面への塗布用洗浄剤、より好ましくは食器の硬質表面への塗布用洗浄剤である、又は硬質物品の硬質表面への噴霧用洗浄剤、好ましくは食器及び台所周りの硬質物品から選ばれる硬質物品の硬質表面への噴霧用洗浄剤、より好ましくは食器の硬質表面への噴霧用洗浄剤である、前記<1>〜<66>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0177】
<68>
希釈せずに直接硬質表面、好ましくは食器及び台所周りの硬質物品から選ばれる硬質物品の硬質表面、より好ましくは食器の硬質表面に接触させて用いる、前記<1>〜<67>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0178】
<69>
硬質物品、好ましくはパイプ、部品等の食品製造機器、食器及び台所周りの硬質物品から選ばれる硬質物品、より好ましくは食器及び台所周りの硬質物品から選ばれる硬質物品、さらに好ましくは食器を洗浄対象とする、又は、
冷蔵庫、食器棚などの食品、食器、調理器具の保存場所、排水溝、調理台、レンジフード、シンク、ガスレンジ、電子レンジなどの食品の調理場所、及びその周辺の床や壁を洗浄対象とする、又は、
食器、好ましくは皿、椀等のいわゆる食器、タッパー、瓶等の保存容器、包丁やまな板、鍋、フライパン、魚焼きグリル等の調理器具、及びフードプロセッサー、ミキサー等の調理家電を洗浄対象とする、又は
食器、保存容器、調理器具、及び調理家電から選ばれる物品用である、さらに皿、椀、タッパー、ビン、包丁、まな板、鍋、フライパン、魚焼きグリル、フードプロセッサー、及びミキサーから選ばれる物品用である、
前記<1>〜<68>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0179】
<70>
硬質物品の材質が、プラスチック、金属、陶器、木、及びそれらの組み合わせである、前記<1>〜<69>の何れかに記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【0180】
前記<1>〜<70>の硬質表面用液体洗浄剤組成物では、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の合計含有量から、0.1質量%、0.64質量%、及び2質量%を除くことができる。
【0181】
<71>
前記<1>〜<70>の何れか記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物を、硬質表面、好ましくは油汚れが付着した硬質表面、より好ましくは固体脂を含む油汚れが付着した硬質表面に接触させる、硬質表面の洗浄方法。
【0182】
<72>
前記<1>〜<70>何れか記載の前記硬質表面用液体洗浄剤組成物における、(b)成分/[(a)成分+(b)成分+(c)成分]の質量比が、好ましくは0.15以上、より好ましくは0.2以上、そして0.3以下である、前記<71>に記載の硬質表面の洗浄方法。
【0183】
<73>
前記<1>〜<70>何れか記載の前記硬質表面用液体洗浄剤組成物における、(b)成分/[(a)成分+(b)成分+(c)成分]の質量比が、好ましくは0.2未満、そして好ましくは0以上である、前記<71>に記載の硬質表面の洗浄方法。
【0184】
<74>
前記<1>〜<70>何れか記載の前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を、原液で、硬質表面に接触させる、前記<71>〜<73>の何れかに記載の硬質表面の洗浄方法。
【0185】
<75>
前記<1>〜<70>何れか記載の前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を、希釈せずに硬質表面に接触させる、前記<71>〜<74>の何れかに記載の硬質表面の洗浄方法。
【0186】
<76>
前記<1>〜<70>何れか記載の前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を、希釈せずに、固体脂を含む油汚れが付着した硬質表面に接触させる、前記<71>〜<75>の何れかに記載の硬質表面の洗浄方法。
【0187】
<77>
前記<1>〜<70>何れか記載の前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を、硬質表面に接触させた後、機械力をかけずに放置する、前記<71>〜<76>の何れかに記載の硬質表面の洗浄方法。
【0188】
<78>
前記<1>〜<70>何れか記載の前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を、硬質表面の面積100cm
2に対して、好ましくは0.1g以上、より好ましくは0.3g以上、さらに好ましくは0.4g以上、そして、好ましくは5g以下、より好ましくは3g以下、さらに好ましくは2g以下の割合で接触させる、好ましくは塗布又は噴霧して接触させる、前記<71>〜<77>の何れかに記載の硬質表面の洗浄方法。
【0189】
<79>
前記<1>〜<70>何れか記載の前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を、硬質表面に接触させた後、好ましくは10秒以上、より好ましくは20秒以上、さらに好ましくは30秒以上、さらに好ましくは40秒以上、そして好ましくは60分以下、より好ましくは30分以下、さらに好ましくは20分以下、よりさらに好ましくは10分以下、放置する、前記<71>〜<78>の何れかに記載の硬質表面の洗浄方法。
【0190】
<80>
前記<1>〜<70>何れか記載の前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を硬質表面に接触させた後、好ましくは10秒以上、より好ましくは20秒以上、さらに好ましくは30秒以上、さらに好ましくは40秒以上、そして好ましくは60分以下、より好ましくは30分以下、さらに好ましくは20分以下、よりさらに好ましくは10分以下、よりさらに好ましくは5分以下、機械力をかけずに放置する、前記<71>〜<79>の何れかに記載の硬質表面の洗浄方法。
【0191】
<81>
前記<1>〜<70>何れか記載の前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を、好ましくは10秒以上、より好ましくは20秒以上、さらに好ましくは30秒以上、さらに好ましくは40秒以上、そして、好ましくは60分以下、より好ましくは30分以下、さらに好ましくは20分以下、よりさらに好ましくは10分以下、より好ましくは5分以下、硬質表面に接触させる、前記<71>〜<80>の何れかに記載の硬質表面の洗浄方法。
【0192】
<82>
前記<1>〜<70>何れか記載の前記硬質表面用液体洗浄剤組成物中に硬質表面を浸漬させて、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を硬質表面に接触させる、前記<71>〜<81>の何れかに記載の硬質表面の洗浄方法。
【0193】
<83>
前記<1>〜<70>何れか記載の前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を、噴霧又は塗布して硬質表面に接触させる、前記<71>〜<82>の何れかに記載の硬質表面の洗浄方法。
【0194】
<84>
前記<1>〜<70>何れか記載の前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を、液滴状にして噴霧して、又は泡状にして塗布して、硬質表面に接触させる、前記<71>〜<83>の何れかに記載の硬質表面の洗浄方法。
【0195】
<85>
前記<1>〜<70>何れか記載の前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を、スプレイヤーを具備する容器に充填してなる硬質表面用洗浄剤物品を用いて、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を硬質表面に接触させる、前記<71>〜<84>の何れかに記載の硬質表面の洗浄方法。
【0196】
<86>
前記硬質表面が、硬質物品の硬質表面、好ましくは食器又は台所周りの硬質物品の硬質表面、より好ましくは食器の硬質表面である、又は、
前記硬質表面が、パイプ、部品等の食品製造機器、食器又は台所周りの硬質物品の硬質表面である、好ましくは食器又は台所周りの硬質物品の硬質表面である、より好ましくは冷蔵庫、食器棚などの食品、食器、調理器具の保存場所、排水溝、調理台、レンジフード、シンク、ガスレンジ、電子レンジなどの食品の調理場所、及びその周辺の床や壁から選ばれる硬質物品の硬質表面である、又は、
前記硬質表面が、食器の硬質表面、好ましくは皿、椀等のいわゆる食器、タッパー、瓶等の保存容器、包丁やまな板、鍋、フライパン、魚焼きグリル等の調理器具、及びフードプロセッサー、ミキサー等の調理家電から選ばれる食器の硬質表面である、又は
前記硬質表面が、食器、保存容器、調理器具、及び調理家電から選ばれる物品の硬質表面である、さらに皿、椀、タッパー、ビン、包丁、まな板、鍋、フライパン、魚焼きグリル、フードプロセッサー、及びミキサーから選ばれる物品の硬質表面である、
前記<71>〜<85>の何れかに記載の硬質表面の洗浄方法。
【0197】
<87>
前記硬質表面の材質が、プラスチック、金属、陶器、木、及びそれらの組み合わせである、前記<71>〜<86>の何れかに記載の硬質表面の洗浄方法。
【0198】
<88>
前記硬質表面用液体洗浄剤組成物が、油除去用硬質表面用液体洗浄剤組成物である、前記<71>〜<87>の何れかに記載の硬質表面の洗浄方法。
【0199】
<89>
前記<1>〜<70>の何れか記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物を、スプレイヤーを具備する容器に充填してなる、スプレー容器入り硬質表面用洗浄剤物品。
【0200】
<90>
スプレイヤーを具備する容器が、噴射剤を使用しない手動式スプレー装置又は噴射剤を用いるエアゾールである、好ましくは、トリガー式スプレー容器及びポンプ式スプレー容器から選ばれる、噴射剤を使用しない手動式スプレー装置である、より好ましくは、内容物を液滴状又は泡状にして噴霧又は塗布することができるトリガー式スプレー、さらに好ましくは、内容物を液滴状に噴霧する機構を備えたトリガー式スプレー又は泡を形成する機構(泡形成機構)を備えたトリガー式スプレーである、前記<89>に記載の硬質表面用洗浄剤物品。
【0201】
<91>
前記<1>〜<70>の何れか記載の組成物の、硬質表面用液体洗浄剤、好ましくは食器又は台所周りの硬質物品の硬質表面用液体洗浄剤、より好ましくは食器の硬質表面用液体洗浄剤としての使用。
【0202】
<92>
前記<1>〜<70>の何れか記載の組成物の、油除去用硬質表面用液体洗浄剤、好ましくは食器又は台所周りの硬質物品の油除去用硬質表面用液体洗浄剤、より好ましくは食器の油除去用硬質表面用液体洗浄剤としての使用。
【0203】
<93>
前記<1>〜<70>の何れか記載の組成物の、該組成物を希釈せずに硬質表面に接触させ機械力をかけずに洗浄する方法に用いられる硬質表面用液体洗浄剤、好ましくは食器又は台所周りの硬質物品の硬質表面用液体洗浄剤、より好ましくは食器の硬質表面用液体洗浄剤としての使用。
【0204】
<94>
前記<1>〜<70>の何れか記載の組成物の、該組成物を希釈せずに硬質表面、油汚れが付着した硬質表面、より好ましくは固体脂を含む油汚れが付着した硬質表面に接触させる硬質表面の洗浄方法における使用。
【実施例】
【0205】
下記配合成分を用いて、表1、2に示す硬質表面用液体洗浄剤組成物を調製し、以下の項目について評価を行った。表1、2の組成物は、油除去用硬質表面用液体洗浄剤組成物である。結果を表1、2に示す。表1、2の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、常法により調製した。即ち、適量のイオン交換水に(a)成分〜(h)成分を添加し、室温(25℃)で溶解させた後、水酸化ナトリウム又は/及び塩酸を添加してpH(25℃)を6に調整した。なお、表1中の配合成分の質量%は、全て有効分に基づく数値である。(b)成分はナトリウム塩、(h)成分は酸型化合物としての量に基づく質量%を示している。また、(f)成分は、結晶水を含んだ化合物としての量に基づく質量%を示している。
【0206】
<配合成分>
(a)成分
・スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム(製品名「エアロールCT−1L」、東邦化学工業(株)製)一般式(a1)において、R
1a、R
2a:共に2−エチルヘキシル基、x、y:共に0、M
1:ナトリウムの化合物
・スルホコハク酸ジ−トリデシルナトリウム(製品名「ペレックスTR」、花王(株)製)一般式(a1)において、R
1a、R
2a:共にトリデシル基、x、y:共に0、M
1:ナトリウムの化合物
(b)成分
・PO0.6ラウリル硫酸エステルナトリウム、一般式(b1)において、R
1b:天然アルコール由来のアルキル基(オクチル基/デシル基/ドデシル基=5/5/90質量比)、R
2b:プロピレン基、n:0.6、M
2:ナトリウムの化合物
・ラウリル硫酸エステルナトリウム(製品名「エマール0」、花王(株)製)、一般式(b1)において、R
1b:ドデシル基、n:0、M
2:ナトリウムの化合物
・EO2ラウリル硫酸エステルナトリウム(製品名「エマール270J」、花王(株)製)、一般式(b1)において、R
1b:ドデシル基、R
2b:エチレン基、n:2、M
2:ナトリウムの化合物
(c)成分
・ラウリルヒドロキシスルホベタイン(製品名「アンヒトール20HD」、花王(株)製)
・ラウラミドプロピルカルボベタイン(製品名「アンヒトール20AB」、花王(株)製)
・ラウリルベタイン(製品名「アンヒトール20BS」、花王(株)製)
【0207】
(d)成分:2−エチルヘキシルグリセリルエーテル(製品名「ペネトールGE−EH」、花王(株)製)
(e)成分:ブチルジグリコール(製品名「BDG−NS」、日本乳化剤(株)製)
(f)成分:パラトルエンスルホン酸1水和物(製品名「PTS M−7000」、明友産業(株)製)
(g)成分:クエン酸(製品名「精製クエン酸(無水)」、扶桑化学工業(株)製)
(h)成分:ラウリン酸(製品名「ルナックL−98」、花王(株)製)
【0208】
(1)洗浄力(溶液浸漬評価)
牛脂と菜種油を9:1の質量比で混合したものを作製し、モデル汚れ(固体脂を含む油汚れのモデル汚れ、以下同様)とした。30mm(横)×80mm(縦)×1mm(厚み)のポリプロピレン試験片の質量を4桁天秤で測定した(x)。前記ポリプロピレン試験片の両面に、下端から50mmの高さまでモデル汚れを、両面合わせて0.02〜0.03gとなるように均一に塗布したものを作成し、汚れピースとした。同汚れピースの質量を4桁天秤で測定した(y)。
【0209】
硬質表面用液体洗浄剤組成物50gを50mL容器(内径35mm×高さ68mmの円柱状)に入れ、次いで汚れピース1枚を同容器内に立て掛けて前記組成物に接触させた。この時、汚れピースの汚れを付着させた部分は、容器内の前記組成物中に全て浸漬した。
【0210】
汚れピースを前記容器内の硬質表面用液体洗浄剤組成物に浸漬した状態で表1に示す時間放置した後、前記汚れピースを取り出し、1分間水道水で流水すすぎをした。この時、流水すすぎの条件は、水道水の温度は25℃、流速は約4L/min、蛇口の開口部の直径は約15mmであった。開口部から5cm垂直下に位置する汚れピースに落下してくる水道水に対して汚れピースを45°になるように持ち、その角度を固定したまま汚れピースの汚れを付着させていない上端部分で流水を受け、汚れピース上を流れる水道水で洗浄部分片面全体をすすいだ。このとき、10秒毎に表裏を変えて交互にすすいだ。すすぎ終了後、汚れピースを乾燥させた後、4桁天秤で質量を測定した(z)。以下の式で洗浄率を求めた。
洗浄率(%)={(y)−(z)}/{(y)−(x)}×100
【0211】
(2)洗浄力(泡浸漬評価)
牛脂と菜種油を9:1の質量比で混合したものを作製し、モデル汚れとした。30mm(横)×80mm(縦)×1mm(厚み)のポリプロピレン試験片の質量を4桁天秤で測定した(x)。前記ポリプロピレン試験片の両面に、下端から5cmの高さまでモデル汚れを、両面合わせて0.02〜0.03gとなるように均一に塗布したものを作成し、汚れピースとした。同汚れピースの質量を4桁天秤で測定した(y)。
【0212】
硬質表面用液体洗浄剤組成物をトリガー式スプレー容器(マジックリンハンディスプレー、花王(株)製)に充填し、50mL容器(内径35mm×高さ68mmの円柱状)内に、前記組成物を泡状に5回スプレーした。組成物の吐出量は合計で約5gであった。
【0213】
次いで汚れピース1枚を同容器内に立て掛け、前記容器内の泡状の硬質表面用液体洗浄剤組成物に、前記汚れピースを接触させた。この時、汚れピースの汚れを付着させた部分は、容器内の泡状の前記組成物中に全て浸漬した。汚れピースを泡中に浸漬した状態で表1に示す時間放置した後、汚れピースを取り出し、1分間水道水で流水すすぎを行った。この時、流水すすぎの条件は、水道水の温度は25℃、流速は約4L/min、蛇口の開口部の直径は約15mmであった。開口部から5cm垂直下に位置する汚れピースに落下してくる水道水に対して汚れピースを45°になるように持ち、その角度を固定したまま汚れピースの汚れを付着させていない上端部分で流水を受け、汚れピース上を流れる水道水で洗浄部分片面全体をすすいだ。このとき、10秒毎に表裏を変えて交互にすすいだ。すすぎ終了後、汚れピースを乾燥させた後、4桁天秤で質量を測定した(z)。以下の式で洗浄率を求めた。
洗浄率(%)={(y)−(z)}/{(y)−(x)}×100
【0214】
(3)泡比容
硬質表面用液体洗浄剤組成物を、トリガー式スプレー容器(マジックリンハンディスプレー、花王(株)製)に充填し、前記容器の広泡モードで200mLメスシリンダー(内径40mm)内に10回スプレーした。スプレー後の200mLメスシリンダー質量を、4桁天秤を用いて測定し、スプレー前のメスシリンダーの質量との差を、泡塗布量(g)とした(a)。メスシリンダー内の泡の容量(mL)を目視で読み取った(b)。以下の式で泡比容を算出した。
泡比容(mL/g)=(b)/(a)
【0215】
【表1】
【0216】
【表2】
【0217】
表1の実施例5と、表2の実施例14〜17及び比較例4〜5を比較すると、(b)/[(a)+(b)+(c)]の質量比が0である実施例5は洗浄力に優れることが確認できた。一方、(b)/[(a)+(b)+(c)]の質量比が大きい実施例14〜17は、泡比容が大きいことが確認できた。
【0218】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物を接触させた場合において、表1の実施例5と表2の実施例18、19とを比較すると、(a)成分+(b)成分+(c)成分の合計含有量が5質量%である実施例5は、洗浄力と界面活性剤の原料コストのバランスにより優れることが確認できた。
【0219】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物を接触させた場合において、表1の実施例2〜8を比較すると、(a)成分/(c)成分の質量比が1.5である実施例6は、洗浄力により優れることが確認できた。
【0220】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物を接触させた場合において、表1の実施例6、実施例9〜13を比較すると、(e)成分/[(a)+(c)]の質量比が1.8である実施例10は、洗浄力により優れることが確認できた。
【0221】
なお、実施例5、実施例6、実施例16、及び実施例17を見ると、これらの実施例の溶液浸漬での洗浄率の関係と、これらの実施例の泡浸漬での洗浄率の関係とは、同じような傾向を示している。このことから、溶液浸漬での洗浄率と泡浸漬での洗浄率には相関関係があることがわかり、他の実施例においても、溶液浸漬の結果(洗浄率)から、泡浸漬での洗浄率の値を推認できることが確認できた。