(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の充電式電気化学セルシステムは、燃料極と、酸化剤極と、充電極とを備えた複数の電気化学セルで構成され、後段のセルの燃料極に対して、酸化剤極または充電極のいずれを接続するかを切り替えるスイッチを備えている。この構成では、酸化剤極と充電極との2箇所に接点を有しているが、接点で故障が発生することが懸念される。また、2つの接点を適宜切り替えるといった高度な制御が求められ、制御システムが複雑化するという課題があった。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、簡素な構成で充放電を切り替えることができる金属空気電池および金属空気組電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る金属空気電池は、放電用の正極および充電用の正極と、負極と、前記放電用の正極および前記充電用の正極が並列に接続された正極出力部と、前記負極に接続された負極出力部とを備えた金属空気電池であって、前記放電用の正極および前記充電用の正極は、前記正極出力部との間に分岐点が設けられ、前記放電用の正極と前記分岐点との間
のみには、接続の開閉を行う
1つのスイッチ部が設けられ、前記スイッチ部は、
少なくとも1つのMOSFETで構成され、充電状態においてオフとされ、放電状態においてオンとされ
、前記MOSFETの寄生ダイオードは、アノードが前記放電用の正極の側に位置し、カソードが前記分岐点の側に位置することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る金属空気電池では、前記
充電用の正極は、充電状態において、酸素を生成し、前記
放電用の正極は、放電状態において、酸素を消費する構成としてもよい。
【0009】
本発明に係る金属空気電池では、前記
充電用の正極は、立体的に連通する細孔を有する多孔性形状とされている構成としてもよい。
【0011】
本発明に係る金属空気電池では、前記MOSFETは、PチャネルMOSFETである構成としてもよい。
【0012】
本発明に係る金属空気電池では、前記PチャネルMOSFETは、ドレインが
前記放電用の正極に接続され、ソースが
前記正極出力部に接続されている構成としてもよい。
【0013】
本発明に係る金属空気電池では、前記スイッチ部は、2つのPチャネルMOSFETを有し、前記2つのPチャネルMOSFETは、互いのドレインが向かい合わせに接続されており、一方のソースが
前記正極出力部に接続され、他方のソースが
前記放電用の正極に接続されている構成としてもよい。
【0014】
本発明に係る金属空気電池では、前記MOSFETは、NチャネルMOSFETである構成としてもよい。
【0015】
本発明に係る金属空気電池では、前記NチャネルMOSFETは、ソースが
前記放電用の正極に接続され、ドレインが
前記正極出力部に接続されている構成としてもよい。
【0016】
本発明に係る金属空気電池では、前記スイッチ部は、2つのNチャネルMOSFETを有し、前記2つのNチャネルMOSFETは、互いのソースが向かい合わせに接続されており、一方のドレインが
前記正極出力部に接続され、他方のドレインが
前記放電用の正極に接続されている構成としてもよい。
【0018】
本発明に係る金属空気組電池は、本発明に係る金属空気電池を複数備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、正極側に設けた1つのスイッチ部で、充放電を切り替えることができ、簡素な構成とすることで、機械的な故障を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係る金属空気電池について、図面を参照して説明する。
【0022】
図1は、本発明の第1実施形態に係る金属空気電池の概略構成図である。
【0023】
金属空気電池1は、放電正極3(空気極)と、充電正極4(補助極)と、負極5(燃料極)とが筐体2に収納された構造とされている。筐体2の対向する2つの側面には、外部から空気を取り入れる空気取込口2aが内部を開口するように形成されている。放電正極3は、空気取込口2aが形成された2つの側面のそれぞれに沿って、2つ設けられている。負極5は、2つの放電正極3の間の略中央に設けられ、充電正極4は、2つの放電正極3と負極5との間の2箇所にそれぞれ設けられている。つまり、本実施の形態では、中央に設けられた負極5の両面側に、それぞれ放電正極3および充電正極4を設けた構成とされている。なお、各電極の配置は、これに限定されず、負極5の片側の表面に放電正極3および充電正極4を設けた構成とし、放電正極3、充電正極4、および負極5の順に配置すればよく、また、放電正極3、負極5、および充電正極4の順に配置した構成としてもよい。
【0024】
筐体2には、放電正極3、充電正極4、および負極5の各電極に加えて、さらに、電解液10と、セパレータ9とが収納されている。電解液10は、溶媒に電解質が溶解しイオン電導性を有する液体である。電解液10の種類は、負極5に含まれる電極活物質の種類によって異なるが、水溶媒を用いた電解質水溶液であってもよい。電解液10は、例えば、負極5の電極活物質が亜鉛、アルミニウム、および鉄である場合、水酸化ナトリウム水溶液および水酸化カリウム水溶液などのアルカリ性水溶液を用いることができ、電極活物質がマグネシウムである場合、塩化ナトリウム水溶液を用いることができる。電解液10には、電解質以外の有機添加物や無機添加物が添加されてもよく、高分子添加物によりゲル化されていてもよい。
【0025】
セパレータ9は、各電極の間に配置されており、電極間で電子伝導経路が形成されて短絡することを防ぐものであって、絶縁性の材料で形成されている。セパレータ9は、例えば、充電時に負極5で還元析出した金属デンドライトが、放電正極3や充電正極4に到達し、短絡することを抑制する。セパレータ9としては、例えば、多孔性樹脂シート、イオン交換膜などの固体電解質シートを利用することができ、セパレータ9を介してイオン伝導が起こる。
【0026】
放電正極3は、空気極触媒を有する多孔性の電極とされている。なお、放電正極3は、多孔性のガス拡散層と、ガス拡散層上に設けられた多孔性の空気極触媒層とを有する構成としてもよい。放電正極3では、電解液10としてアルカリ性水溶液を使用する場合、空気極触媒上で電解液10などから供給される水と、大気から供給される酸素ガスと、電子とが反応して水酸化物イオンを生成する放電反応が起こる。つまり、空気極では、酸素(気相)、水(液相)、および電子伝導体(固相)が共存する三相界面において放電反応が進行する。なお、各電極での反応については、後述する
図3Aおよび
図3Bを参照して詳細に説明する。
【0027】
放電正極3は、多孔性で電子伝導性を有する材料で形成された放電正極集電体6を備えている。放電正極集電体6は、電解液10としてアルカリ性水溶液を使用する場合、耐腐食性、放電反応に対する触媒能の観点から、ニッケル、あるいはステンレスなどの金属素材の表面に対してニッケルメッキを施した材料などが適している。
【0028】
充電正極4は、多孔性の電極とされ、電解液10としてアルカリ性水溶液を使用する場合、水酸化物イオンから酸素、水、および電子が生成する反応が起こる(充電反応)。充電正極4は、放電状態における耐溶解性の観点から、立体的(3次元)に連通する細孔を有する多孔性形状とされていることが望ましく、例えば、発泡金属で形成されている。また、充電正極4は、充電反応に対する触媒能や、充電反応と放電反応とに対する耐腐食性などの観点から、ニッケル材料とすることが望ましい。なお、充電正極4は、放電正極3の放電正極集電体6と同様の充電正極集電体7を備えている。
【0029】
負極5は、金属元素を含む活物質で形成された電極であって、放電時には活物質の酸化反応が起こり、充電時には還元反応が起こる。金属元素としては、亜鉛、リチウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、および鉄などが用いられる。また、活物質は、還元状態や酸化状態の金属であってもよく、例えば、金属元素が亜鉛である場合、還元状態では金属亜鉛であり、酸化状態では酸化亜鉛である。また、負極5は、負極集電体8を備えており、ニッケルまたはステンレスなどの金属素材の表面に対して、水素過電圧の高い材料によるメッキを施した材料を使用することが望ましい。
【0030】
図2は、スイッチ部を介して接続された金属空気電池を示す模式図である。
【0031】
金属空気電池1は、放電正極3および充電正極4に接続された正極出力部11と、負極5に接続された負極出力部12とを備えており、正極出力部11および負極出力部12を介して、外部や他の金属空気電池1と接続される。金属空気電池1に放電正極3および充電正極4が2つ設けられている場合には、例えば、電力線等で2つの放電正極3同士を繋いで正極出力部11に接続すればよく、充電正極4も同様にすればよい。
【0032】
図2に示すように、放電正極3と正極出力部11との間には、接続の開閉を行うスイッチ部13が設けられている。スイッチ部13は、メカニカルリレーで構成されており、入力側のコイルに通電することによって発生する磁力を利用して、出力側の接点を物理的な金属部品の接触および非接触で、負荷側の回路の開閉を制御する。このように、物理的な部品を用いることで、回路を確実に遮断することができる。
【0033】
次に、スイッチ部13を開閉した際の金属空気電池1の動作と電流の流れとについて説明する。
【0034】
図3Aは、放電状態での金属空気電池を示す模式図である。
【0035】
放電状態では、スイッチ部13がオン(短絡)とされている。放電状態においては、矢符Aで示すように、負極出力部12から正極出力部11に向かって電流が流れている。
【0036】
本実施の形態では、負極5の活物質として亜鉛を用いており、この場合での負極5での反応を以下に説明する。負極5では、「Zn+4OH
-→Zn(OH)
42-+2e
-」のように酸化した亜鉛が電解液10中にジンケートイオンとして溶解する場合と、「Zn+2OH
-→ZnO+H
2O+2e
-」や「Zn+2OH
-→Zn(OH)
2+2e
-」のように酸化亜鉛や水酸化亜鉛が生成される場合とがある。また、ジンケートイオンは、「Zn(OH)
42-→ZnO+2OH
-+H
2O」や「Zn(OH)
42-→Zn(OH)
2+2OH
-」のような反応によって、酸化亜鉛や水酸化亜鉛として電解液10中に析出することがある。
【0037】
放電正極3では、「O
2+2H
2O+4e
-→4OH
-」のように酸素を消費する反応が起こる。また、放電状態においても、充電正極4と正極出力部11とが直に接続されている。
【0038】
充電正極4にニッケルを用いる場合には、充電時に二酸化ニッケル(NiO
2)となった充電正極4が、放電状態において放電正極3と同電位になることで還元が進み、酸化数が減少してNi
3O
4となったり、HNiO
2-として溶解したりして、充電正極4が劣化する虞がある。しかしながら、充電正極4が立体的に連通する細孔を有する多孔性材料で形成されていれば、充電正極4の比表面積が大きくなり、充電時に生成する二酸化ニッケルの量を多くしておくことで、還元反応が進んでも、Ni
3O
4への酸化数の減少に留まり、HNiO
2-として溶解する劣化反応を抑制することができる。
【0039】
図3Bは、充電状態での金属空気電池を示す模式図である。
【0040】
充電状態では、スイッチ部13がオフ(開放)とされている。充電状態においては、矢符Bで示すように、正極出力部11から負極出力部12に向かって電流が流れている。
【0041】
負極5では、「Zn(OH)
42-+2e
-→Zn+4OH
-」、「ZnO+H
2O+2e
-→Zn+2OH
-」、および「Zn(OH)
2+2e
-→Zn+2OH
-」のように、放電状態と逆の反応が起こる。つまり、電解液10中に溶解しているジンケートイオンの還元によって、亜鉛が生成する場合と、酸化亜鉛や水酸化亜鉛が亜鉛へと還元する場合とがある。
【0042】
充電正極4では、「2OH
-→1/2O
2+H
2O+2e
-」のように酸素を生成する反応が起こる。
【0043】
放電正極3では、スイッチ部13がオフとされているので、正極出力部11から放電正極3への電流流通が起こらず、反応しない。仮に、放電正極3の電極材料として二酸化マンガンやカーボンを用い、充電状態にスイッチ部13がオンとされている場合には、「MnO
2+4OH
-→MnO
42-+2H
2O+2e
-」や「C+4OH
-→CO
2+2H
2O+4e
-」といった反応が生じ、電極材料の酸化劣化が生じる。
【0044】
上述したように、本実施の形態では、正極側に設けた1つのスイッチ部13で、充放電を切り替えることができ、接点が1つとされた簡素な構成とすることで、機械的な故障を抑制することができる。
【0045】
また、立体的に連通する多孔性形状の充電正極4を用いることで、放電状態での充電正極4の溶解反応による劣化を抑制することができる。
【0046】
ところで、充電時に充電正極4の近傍に溜まった酸素は、放電時に負極5と放電正極3との間でのイオン伝導パスの障害となり、放電性能を低下させるといった問題がある。これに対し、本実施の形態では、スイッチ部13を正極出力部11と放電正極3との間にのみ配置しているので、放電状態において、充電正極4と放電正極3とが同電位となる。その結果、充電正極4の近傍に蓄積している酸素は、放電状態において、充電正極4上で「O
2+2H
2O+4e
-→4OH
-」のように消費されるため、蓄積した酸素によって放電性能が低下する問題を解消することができる。
【0047】
図2では、1つの金属空気電池1を示したが、複数の金属空気電池1を接続して金属空気組電池を構成してもよい。例えば、金属空気電池1を直列に接続する際には、隣接する金属空気電池1に対して、正極出力部11および負極出力部12を順につなぐことで、金属空気組電池が構成される。
【0048】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る金属空気電池について、図面を参照して説明する。なお、以下に示す第2実施形態および第3実施形態では、第1実施形態に対して、スイッチ部13が異なる構成とされており、筐体2等の構造は、
図1と同様とされているので、図面を省略する。
【0049】
図4は、本発明の第2実施形態に係る金属空気電池の模式図である。なお、第1実施形態と機能が実質的に等しい構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0050】
第2実施形態では、スイッチ部13がPチャネルMOSFET21(MOSFETの一例)で構成されている。PチャネルMOSFET21は、ドレイン21Dが放電正極3に接続され、ソース21Sが正極出力部11に接続されている。PチャネルMOSFET21のゲート21Gには、制御回路14からの信号が入力されて、スイッチ部13のオンとオフとを切り替えられる。MOSFETは、機械的な接点を持たないため、静音、長寿命、小型で安全に繰り返しオンとオフとを切り替えることができる。
【0051】
PチャネルMOSFET21としては、エンハンスメント型PチャネルMOSFETおよびデプレッション型PチャネルMOSFETを用いることができる。なお、安全性の観点から考慮すると、ゲート電圧が印加されない故障が生じたときに、正極出力部11と放電正極3との間の電流経路が遮断されるように、ノーマリーオフのエンハンスメント型PチャネルMOSFETを用いることが望ましい。
【0052】
また、PチャネルMOSFET21は、放電時のオン抵抗によって電力損失が生じるため、オン抵抗が小さいPチャネルMOSFET21を用いることが望ましく、オン抵抗は、好ましくは10mΩ以下、より好ましくは5mΩ以下であることが望ましい。PチャネルMOSFET21の構造は、チャネル密度を上げることができ、オン抵抗を下げることができるトレンチゲート構造とされていることが望ましい。
【0053】
また、PチャネルMOSFET21を用いる場合には、NチャネルMOSFETを用いた場合に必要となるチャージポンプ回路やブートストラップ回路を設けずに、スイッチング信号電圧を発生させることができ、制御回路を簡略化して、消費電力を低減することができる。
【0054】
PチャネルMOSFET21は、寄生ダイオード(PチャネルMOSFET21のボディダイオード22)を有している。具体的に、ボディダイオード22は、アノードが放電正極3側に位置し、カソードが正極出力部11側に位置している。上述した向きに接続することで、ボディダイオード22の順方向は、放電正極3から正極出力部11への向きとされる。その結果、充電時において、正極出力部11から放電正極3へボディダイオード22を介して電流が流通し、放電正極3が充電されることを回避できるので、触媒の分解に起因する放電正極3の劣化を防止することができる。
【0055】
図5は、第2実施形態の変形例1を示す模式図である。
【0056】
変形例1では、
図4に示す構造に対して、2つのPチャネルMOSFET21でスイッチ部13を構成している点が異なる。具体的に、2つのPチャネルMOSFET21は、互いのドレイン21Dが向かい合わせに接続されており、一方のソース21Sが正極出力部11に接続され、他方のソース21Sが放電正極3に接続されている。2つのPチャネルMOSFET21のゲート21Gには、制御回路14が接続されている。したがって、2つのPチャネルMOSFET21におけるボディダイオード22の向きが、それぞれ異なる方向となるので、電流が流通する方向がいずれの方向であっても、ボディダイオード22を介して流れる電流を確実に遮断することができる。
【0057】
(第3実施形態)
図6は、本発明の第3実施形態に係る金属空気電池の模式図である。なお、第1実施形態および第2実施形態と機能が実質的に等しい構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0058】
第3実施形態は、第2実施形態と略同様の構成とされ、スイッチ部13がNチャネルMOSFET23(MOSFETの一例)で構成されている点が異なる。NチャネルMOSFET23は、ソース23Sが放電正極3に接続され、ドレイン23Dが正極出力部11に接続され、ゲート23Gに信号を入力する制御回路14が接続されている。
【0059】
NチャネルMOSFET23としては、エンハンスメント型NチャネルMOSFETおよびデプレッション型NチャネルMOSFETを用いることができる。なお、安全性の観点から考慮すると、ゲート電圧が印加されない故障が生じたときに、正極出力部11と放電正極3との間の電流経路が遮断されるように、ノーマリーオフのエンハンスメント型NチャネルMOSFETを用いることが望ましい。
【0060】
また、NチャネルMOSFET23は、放電時のオン抵抗によって電力損失が生じるため、オン抵抗が小さいNチャネルMOSFETを用いることが望ましく、オン抵抗は、好ましくは10mΩ以下、より好ましくは5mΩ以下であることが望ましい。NチャネルMOSFET23の構造は、チャネル密度を上げることができ、オン抵抗を下げることができるトレンチゲート構造とされていることが望ましい。
【0061】
NチャネルMOSFET23は、PチャネルMOSFET21と同様に、寄生ダイオード(ボディダイオード24)を有している。具体的に、ボディダイオード24は、アノードが放電正極3側に位置し、カソードが正極出力部11側に位置している。このように、ボディダイオード24の向きを調整することで、ボディダイオード24を介して電流が流れることを防止できる。
【0062】
また、NチャネルMOSFET23を用いることで、PチャネルMOSFETを用いた場合よりも低オン抵抗で高効率のスイッチング制御を実施することができる。
【0063】
図7は、第3実施形態の変形例2を示す模式図である。
【0064】
変形例2では、
図6に示す構造に対して、2つのNチャネルMOSFET23でスイッチ部13を構成している点が異なる。2つのNチャネルMOSFET23は、互いのソース23Sが向かい合わせに接続されており、一方のドレイン23Dが正極出力部11に接続され、他方のドレイン23Dが放電正極3に接続されている。2つのNチャネルMOSFET23のゲート23Gには、制御回路14が接続されている。この構成でも、ボディダイオード24の向きが、それぞれ異なる方向となるので、電流が流通する方向がいずれの方向であっても、ボディダイオード24を介して流れる電流を確実に遮断することができる。
【0065】
なお、今回開示した実施の形態は全ての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。従って、本発明の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。