(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(a)相手方コネクタとの挿抜方向に延びる柱状に形成された絶縁材から成るコネクタ本体と、前記相手方コネクタの相手方端子と接触する接触部と、該接触部の反対側においてコネクタ本体から露出して電線に接続されるテール部とを有し、前記コネクタ本体に固定される導電材から成る複数の端子とを備えるコネクタであって、
(b)前記端子は、前記コネクタ本体の挿抜方向に延びる軸線の周りに、該軸線に垂直な方向の平面視で前記テール部の位置が多角形となるように配列され、
(c)前記コネクタ本体は、前記軸線方向に延在するテール保持部を含み、
(d)該テール保持部は、表面に形成された軸線方向に延在する複数の溝部であって、各溝部はそれぞれの前端面から前記テール保持部の後端にまで延在し、隣接する各溝部の前端面の位置は軸線方向に異なり、各端子のテール部は対応する溝部内に露出する、複数の溝部を含み、
(e)前記端子は、前記多角形の周上に位置するように配列され、隣接する各端子のテール部は、前記テール保持部において、軸線方向に異なる位置で露出することを特徴とするコネクタ。
前記テール保持部において、隣接する各端子のテール部は、軸線方向に異なる位置で露出し、かつ、前記軸線を中心点とする略点対称の対角位置に配置する端子が軸線方向に同じ位置で露出する請求項3に記載のコネクタ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来のコネクタにおいては、隣接するテール部852同士の絶縁距離が短いので、端子間の電圧を大きくするには限界がある。すなわち、円周方向に隣接するテール部852は、それぞれ、保持部材821の溝826に嵌込んでいるので、保持部材821の凸部によって絶縁されているものの、該凸部の表面に沿った最短距離である沿面距離が長くない。また、軸方向に隣接するテール部852も、それぞれの間の沿面距離が長くない。
【0008】
ここでは、前記従来のコネクタの問題点を解決して、コネクタ本体の軸線の周りに端子を配列するとともに、隣接する端子のテール部が軸線方向に異なる位置で露出し、かつ、対角に位置する端子のテール部同士は軸線方向に同じ位置で露出するようにして、コネクタを小型化しても、隣接する端子間の沿面距離を長くすることができ、信頼性の高いコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのために、コネクタにおいては、相手方コネクタとの挿抜方向に延びる柱状に形成された絶縁材から成るコネクタ本体と、前記相手方コネクタの相手方端子と接触する接触部と、該接触部の反対側においてコネクタ本体から露出して電線に接続されるテール部とを有し、前記コネクタ本体に
固定される導電材から成る複数の端子とを備えるコネクタであって、前記端子は、前記コネクタ本体の挿抜方向に延びる軸線の周りに、該軸線に垂直な方向の平面視で前記テール部の位置が多角形となるように配列され、前記コネクタ本体は、前記軸線方向に延在するテール保持部を含み、該テール保持部
は、表面に形成された軸線方向に延在する複数の溝部であって、各溝部はそれぞれの前端面から前記テール保持部の後端にまで延在し、隣接する各溝部の前端面の位置は軸線方向に異なり、各端子のテール部は対応する溝部内に露出する、複数の溝部を含み、前記端子は、前記多角形の周上に位置するように配列され、隣接する各端子のテール部は、
前記テール保持部において、軸線方向に異なる位置で露出する。
【0010】
他のコネクタにおいては、さらに、前記テール保持部において、対角に位置する端子のテール部は、軸線方向に同じ位置で露出
し、対角に位置する溝部同士は、前記前端面の位置が軸線方向に同じである。
【0011】
更に他のコネクタにおいては、前記端子は、前記コネクタ本体の軸線を中心とする円周上に位置するように配列されている。
【0012】
更に他のコネクタにおいては、前記テール保持部において、隣接する各端子のテール部は、軸線方向に異なる位置で露出し、かつ、前記軸線を中心点とする略点対称の対角位置に配置する端子が軸線方向に同じ位置で露出する。
【0014】
更に他のコネクタにおいては、前記端子は、軸方向に延在する部材であって、前記テール部以外の部分がコネクタ本体内に埋没し、前記テール部は、前記溝部の前端面から後方に突出する。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、コネクタは、コネクタ本体の軸線の周りに端子が配列されるとともに、隣接する端子のテール部が軸線方向に異なる位置で露出し、また、対角に位置する端子のテール部同士は軸線方向に同じ位置で露出している。これにより、コネクタが小型化されても、隣接する端子間の沿面距離を長くすることができ、信頼性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
図1は本実施の形態における第1コネクタの斜視図、
図2は本実施の形態における第1コネクタの三面図、
図3は本実施の形態における第1コネクタの電線収容溝の構造を説明する図である。なお、
図1において、(a)は斜め前方から観た図、(b)は斜め後方から観た図であり、
図2において、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図であり、
図3において、(a)は側面図、(b)は(a)におけるA−A矢視断面図、(c)は(a)におけるB−B矢視断面図である。
【0020】
図において、1は本実施の形態におけるコネクタであって、一対の電線対電線コネクタの一方としての第1コネクタであり、後述される複数の電線91を備えるケーブルの終端に接続されるものであって、後述される相手方コネクタとしての第2コネクタ101と互いに嵌合される。また、該第2コネクタ101も、図示されない複数の電線を備えるケーブルの終端に接続されるものである。
【0021】
前記第1コネクタ1及び第2コネクタ101は、産業用電気機器、家庭用電気器具、空調機器、給湯器、医療用機器等のいかなる種類の機器、装置等において使用されるものであってもよいが、ここでは、説明の都合上、比較的高い電圧(例えば、数千ボルト又はそれ以上)が印加される環境下でも使用され得るケーブルを接続するものであるとする。
【0022】
なお、本実施の形態において、第1コネクタ1及び第2コネクタ101の各部の構成及び動作を説明するために使用される上、下、左、右、前、後等の方向を示す表現は、絶対的なものでなく相対的なものであり、前記第1コネクタ1及び第2コネクタ101の各部が図に示される姿勢である場合に適切であるが、その姿勢が変化した場合には姿勢の変化に応じて変更して解釈されるべきものである。
【0023】
前記第1コネクタ1は、合成樹脂等の絶縁材によって一体的に形成され、前記第2コネクタ101の後述される第2ハウジング111と嵌合するコネクタ本体としての第1ハウジング11と、該第1ハウジング11に装填された金属等の導電材から成る直線状の棒状部材である端子としての第1端子51とを備える。該第1端子51は、例えば、その本体の少なくとも一部が第1ハウジング11の絶縁材に一体的に接合されることによって、第1ハウジング11に固定されている。
【0024】
該第1ハウジング11は、第2コネクタ101との挿抜方向(嵌合方向)、すなわち、第1コネクタ1の前後方向、更に換言すると、軸方向に延在する概略円柱状の部材であり、嵌合側の端面、すなわち、前面11fには、第1端子51の接触部54が収容される端子孔13の前端が開口している。1つの端子孔13には、1つの第1端子51の接触部54が収容される。なお、前記端子孔13及び第1端子51の数は、いくつであってもよく、任意に決定することができるが、ここでは、説明の都合上、図に示されるように、6つであるものとして説明する。
【0025】
図に示されるように、端子孔13は、第1ハウジング11の仮想の軸線としての中心軸Xの周りに配列されて形成されているので、第1端子51及びその接触部54も中心軸Xの周りに配列されている。より具体的には、端子孔13は、中心軸Xを中心とする円周上に位置するように配列されているので、第1端子51及びその接触部54も中心軸Xを中心とする円周上に位置するように配列され、多角形としての六角形を形成している。なお、前記接触部54は前面11fよりも後方に引込んだ状態で端子孔13内に収容され、接触部54の前端は前面11fよりも後方に位置するので、端子孔13内において第1端子51の本体が第1ハウジング11の絶縁材に接触する位置は、前面11fよりもかなり後方である。
【0026】
また、第1ハウジング11の外周面の一箇所には、軸方向に延在する極性突起15が一体的に形成されている。該極性突起15は、第2ハウジング111に形成された後述される極性凹部115と係合することによって、第2ハウジング111に対する第1ハウジング11の向きを規定する部材である。
【0027】
さらに、前記第1ハウジング11は、後端に一体的に形成されたフランジ部16と、該フランジ部16から後方に延出するように一体的に形成されたテール保持部としての電線接続部21とを含んでいる。該電線接続部21は、軸方向に延在する概略円柱状の部材であり、外周面には、軸方向に延在する溝部としての電線収容溝26が複数形成されている。該電線収容溝26の数は、前記端子孔13及び第1端子51と同様に、いくつであってもよく、任意に決定することができるが、ここでは、各電線収容溝26が各端子孔13及び各第1端子51と対応するように、6つであるものとして説明する。
【0028】
図に示されるように、電線収容溝26も、第1ハウジング11の中心軸Xの周りに配列されている。より具体的には、中心軸Xを中心とする円周上に位置するように配列されている。そして、すべての電線収容溝26は、電線接続部21の後端にまで延在している、すなわち、その後端が電線接続部21の後端において開放されているが、その前端面27の位置は順次軸方向に異なる。しかし、対角に位置する電線収容溝26同士の前端面27の位置は軸方向に同じである。換言すると、電線収容溝26は、その長さが順次異なるが、対角に位置する電線収容溝26同士の長さは同一である。ここでは、説明の都合上、最も長い電線収容溝26を第1収容溝26a、次に長い電線収容溝26を第2収容溝26b、最も短い電線収容溝26を第3収容溝26cとして説明する。なお、第1収容溝26a、第2収容溝26b及び第3収容溝26cを統合的に説明する場合には、電線収容溝26として説明する。
【0029】
第1収容溝26aに対応する箇所には最も長い第1端子51aが、第2収容溝26bに対応する箇所には次に長い第1端子51bが、そして、第3収容溝26cに対応する箇所には最も短い第1端子51cが配設されている。なお、最も長い第1端子51a、次に長い第1端子51b及び最も短い第1端子51cを統合的に説明する場合には、第1端子51として説明する。
【0030】
そして、各電線収容溝26の前端面27、すなわち、フランジ部16寄りの面から、各第1端子51のテール部52が後方に突出して電線収容溝26内に露出している。
【0031】
ここで、第1収容溝26a、第2収容溝26b及び第3収容溝26cの前端面27及びそこから突出するテール部52を、それぞれ、第1前端面27a及び第1テール部52a、第2前端面27b及び第2テール部52b、並びに、第3前端面27c及び第3テール部52cとして説明し、それぞれを統合的に説明する場合には前端面27及びテール部52として説明する。
【0032】
なお、第1端子51のテール部52以外の部分は、第1ハウジング11内に埋没している。図に示されるように、各テール部52は、第1テール部52a、第2テール部52b及び第3テール部52cの順で、順次軸方向に異なる位置で、対応する電線収容溝26内に露出する。しかし、対角に位置するテール部52同士、すなわち、中心軸Xを挟んで点対称位置に配置された第1テール部52a同士、第2テール部52b同士及び第3テール部52c同士は軸方向に同じ位置で電線収容溝26内に露出する。なお、第1端子51は軸方向に延在する直線状の棒状端子であるところ、端子孔13内に収容された接触部54が、第1ハウジング11の中心軸Xを中心とする円周上に位置するように配置されているのであるから、テール部52も、第1ハウジング11の中心軸Xを中心とする円周上に位置するように配置され、電線収容溝26内に露出している。
【0033】
次に、一対の電線対電線コネクタの他方としての第2コネクタ101の構成について説明する。
【0034】
図4は本実施の形態における第2コネクタの五面図である。なお、図において、(a)は背面図、(b)は側面図、(c)は正面図、(d)は斜め後方から観た斜視図、(e)は斜め前方から観た斜視図である。
【0035】
第2コネクタ101は、合成樹脂等の絶縁材によって一体的に形成された相手方コネクタ本体としての第2ハウジング111と、該第2ハウジング111に装填された金属等の導電材から成る相手方端子としての第2端子151とを備える。該第2端子151は、例えば、その本体の少なくとも一部が第2ハウジング111の絶縁材に一体的に接合されることによって、第2ハウジング111に固定されている。
【0036】
該第2ハウジング111は、第1コネクタ1との嵌合方向、すなわち、第2コネクタ101の前後方向、更に換言すると、軸方向に延在する概略円柱状の部材であり、嵌合側の端面、すなわち、前面111fには、第1ハウジング11の前面11fからフランジ部16までの範囲が嵌入される嵌合凹部112が形成されている。そして、該嵌合凹部112の周囲を画定する壁部には、前記第1ハウジング11の極性突起15と係合する極性凹部115が形成されている。
【0037】
前記嵌合凹部112内には、第2端子151の接触部154が配設されている。該接触部154は、円筒状であって、嵌合凹部112の底面112aから前方に延出している。なお、接触部154の前端は前面111fよりも後方に位置する。なお、前記接触部154及び第2端子151の数は、いくつであってもよく、任意に決定することができるが、ここでは、第1端子51と適合するように、6つであるものとして説明する。図に示されるように、接触部154及び端子孔113aは、第2ハウジング111の中心軸を中心とする円周上に位置するように配置されている。そして、第2ハウジング111が第1ハウジング11と嵌合すると、各接触部154は対応する端子孔13内に進入し、該端子孔13内に収容されている第1端子51の接触部54は円筒状の接触部154内に進入する。これにより、第2端子151と第1端子51とが互いに導通する。
【0038】
また、第2ハウジング111の後面111rには後方凹部113が形成され、該後方凹部113には端子孔113aの後端が開口している。そして、該端子孔113a内には第2端子151が収容され、端子孔113aの開口からは、第2端子151のテール部152が後方に延出している。該テール部152の後端は、後面111rよりも後方に突出している。
【0039】
次に、前記構成の第1コネクタ1と第2コネクタ101とを嵌合させる動作について説明する。
【0040】
図5は本実施の形態における電線が接続された第1コネクタの図、
図6は本実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態を示す図である。なお、
図5において、(a)は側面図、(b)は斜め前方から観た斜視図、(c)は斜め後方から観た斜視図であり、
図6において、(a)は第2コネクタ側から観た斜視図、(b)は第1コネクタ側から観た斜視図、(c)は第1コネクタの電線接続部に外周被覆部材を被せた状態の側面図である。
【0041】
図5に示されるように、複数(図に示される例においては6本)の電線91は、その端部において、絶縁性の被覆部材93が除去されて、芯線92が露出している。なお、露出している芯線92の長さは、第1端子51のテール部52の長さよりも長いことが望ましい。そして、各電線91は、第1コネクタ1の軸方向と平行な状態で、対応する電線収容溝26内に載置されている。また、各電線91の芯線92は、前記電線収容溝26内の前端に露出している第1端子51のテール部52の上に載置された状態で、はんだ付等の接続手段によって前記テール部52に接続されている。
【0042】
第1端子51のテール部52及び該テール部52に接続された電線91の芯線92は、絶縁材で被覆されていない。そのため、前記テール部52と他のテール部52との間又は前記テール部52に接続された芯線92と他のテール部52に接続された芯線92との間の十分な電気的絶縁を達成するためには、前記テール部52と他のテール部52との間、乃至、前記テール部52に接続された芯線92と他のテール部52に接続された芯線92との間の沿面距離を長くする必要がある。
【0043】
本実施の形態においては、前述のように、各テール部52は、順次軸方向に異なる位置で、対応する電線収容溝26内に露出し、かつ、中心軸Xを挟んで反対側の対角に位置するテール部52同士は軸方向に同じ位置で電線収容溝26内に露出する。そのため、円周方向に関して隣接する第1テール部52aと第2テール部52b、又は、第2テール部52bと第3テール部52cは、電線接続部21の表面に沿った円周方向の沿面距離は短いものの、軸方向に離間しているので、電線接続部21の表面に沿った軸方向の沿面距離が長く、総合的な沿面距離は十分に長くなっている。また、中心軸Xを挟んで対角に位置する第1テール部52a同士、第2テール部52b同士、及び、第3テール部52c同士は、電線接続部21の表面に沿った軸方向の沿面距離はゼロであるものの、電線接続部21の表面に沿った円周方向の沿面距離は、180度の中心角に対応する扇形の円弧長なので、十分に長くなっている。したがって、本実施の形態においては、電線接続部21の直径を小さくしても、テール部52同士の間の沿面距離が十分に長く保たれている。また、テール部52に接続された芯線92の各々も、同様に、沿面距離は十分に長くなっている。このように、テール部52同士乃至芯線92同士の間の沿面距離が十分に長いので、第1端子51又は芯線92に高電圧が印加されても、短絡事故の発生が効果的に防止される。
【0044】
第1端子51を配置する円周の半径を大きくすれば、対角として1つおきに第1端子51を配置することも可能である。その場合、円周方向の沿面距離は、120度の中心角に対応する扇形の円弧長となる。本実施の形態においては、対角に位置するテール部52を中心軸Xを挟んだ反対側、すなわち、180度の中心角に対応する扇形の円弧長を有する位置に配置したが、そのように配置すると、同数端子を用いる場合で中心軸Xに対して最も細い配置とすることができる。
【0045】
偶数本の端子を用いる場合は、中心軸Xを挟んで点対称の位置に軸方向同位置になるよう端子を配置し、奇数本の端子を用いる場合は、略点対称位置に配置するとよい。
【0046】
なお、
図6(c)に示されるように、電線収容溝26内に収容された電線91等を保護するために、電線91が電線収容溝26内に収容された電線接続部21全体を絶縁性の外周被覆部材95で覆うこともある。この場合も、外周被覆部材95がテール部52及び芯線92の表面に密着するわけでないから、外周被覆部材95の内側では、
図5に示されるように、テール部52及び芯線92が電線収容溝26内に露出したのと同様の状態にあると考えられるが、前述のように、沿面距離が十分に長くなっているので、短絡事故の発生が効果的に防止される。
【0047】
また、第1端子51の接触部54は、前述のように、前面11fよりも後方に引込んだ状態で端子孔13内に収容され、しかも、該端子孔13内において第1端子51の本体が第1ハウジング11の絶縁材に接触する位置は、前面11fよりもかなり後方である。そのため、端子孔13内に収容された接触部54同士乃至第1端子51の本体同士は、沿面距離が十分に長くなっているので、短絡事故の発生が効果的に防止される。
【0048】
第1コネクタ1と第2コネクタ101とを嵌合させる場合、まず、オペレータは、第1コネクタ1の第1ハウジング11の嵌合面である前面11fと第2コネクタ101の第2ハウジング111の嵌合面である前面111fとを対向させた状態とし、かつ、第1ハウジング11の極性突起15の位置と第2ハウジング111の極性凹部115の位置とを合致させた状態とする。これにより、第1コネクタ1と第2コネクタ101との位置合せが完了する。
【0049】
この状態で、オペレータが、第1コネクタ1及び/又は第2コネクタ101を相手側に接近する方向、すなわち、嵌合方向に移動させると、極性突起15と極性凹部115とが係合し、第1ハウジング11の前面11fからフランジ部16までの範囲が、第2ハウジング111の嵌合凹部112に嵌入される。また、第2端子151の円筒状の接触部154が第1ハウジング11の端子孔13内に進入し、該端子孔13内に収容されている第1端子51の接触部54が第2端子151の接触部154内に進入し、第1端子51と第2端子151とが互いに導通する。これにより、
図6に示されるように、第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合が完了する。
【0050】
このように、本実施の形態において、第1コネクタ1は、第2コネクタ101との挿抜方向に延びる柱状に形成された絶縁材から成る第1ハウジング11と、第2コネクタ101の第2端子151と接触する接触部54と、接触部54の反対側において第1ハウジング11から露出して電線91に接続されるテール部52とを有し、第1ハウジング11に装填される導電材から成る複数の第1端子51とを備える。そして、第1端子51は、第1ハウジング11の挿抜方向に延びる中心軸Xの周りに、中心軸Xに垂直な方向の平面視でテール部52の位置が多角形となるように配列され、第1ハウジング11は、軸方向に延在する電線接続部21を含み、電線接続部21において、隣接する第1端子51のテール部52は、中心軸X方向に異なる位置で露出し、かつ、対角に位置する第1端子51のテール部52同士は、中心軸X方向に同じ位置で露出する。
【0051】
これにより、第1コネクタ1を小型化し、電線接続部21の径を小さくしても、露出する第1端子51のテール部52同士の沿面距離が十分に長くなるので、第1端子51に高電圧が印加されても、短絡事故が発生することがない。
【0052】
また、電線接続部21において、隣接する各第1端子51のテール部52は、順次軸線方向に異なる位置で露出し、かつ、対角に位置する第1端子51が、中心軸Xを中心点とする略点対称位置に配置される第1端子51である。さらに、第1端子51は、第1ハウジング11の中心軸Xを中心とする円周上に位置するように配列されている。さらに、電線接続部21は、表面に形成された軸方向に延在する複数の電線収容溝26を含み、各第1端子51のテール部52は、対応する電線収容溝26内に露出する。したがって、テール部52同士の沿面距離が更に長くなり、短絡事故の発生をより効果的に防止することができる。
【0053】
さらに、第1端子51は、軸方向に延在する部材であって、テール部52以外の部分が第1ハウジング11内に埋没し、テール部52は、電線収容溝26の前端面27から後方に突出する。さらに、電線収容溝26は、前端面27から電線接続部21の後端にまで延在し、前端面27の位置は順次軸方向に異なり、かつ、対角に位置する電線収容溝26同士は、前端面27の位置が順次軸方向に同じである。このように、第1端子51のテール部52以外の部分が第1ハウジング11内に埋没し、電線収容溝26内に露出していないので、短絡事故の発生を更に効果的に防止することができる。
【0054】
なお、本明細書の開示は、好適で例示的な実施の形態に関する特徴を述べたものである。ここに添付された特許請求の範囲内及びその趣旨内における種々の他の実施の形態、修正及び変形は、当業者であれば、本明細書の開示を総覧することにより、当然に考え付くことである。