【実施例】
【0409】
下記に示される実施例は、ある特定の実施形態を例証するものであって、本技術を限定しない。インビトロまたはエキソビボにおいて細胞を形質転換するためまたはトランスフェクトするための方法を論じている本明細書中の実施例は、キメラポリペプチドを発現する核酸の使用例を提供するがこれに限定されない。実験動物またはヒト被験体への、形質導入されたまたはトランスフェクトされた細胞の送達およびリガンド誘導物質の送達の例は、それを必要とする被験体において、キメラポリペプチドを発現する核酸、腫瘍抗原およびリガンド誘導物質の直接的な投与の例を提供するがこれに限定されない。
【0410】
また、以下の項では、特に実施例21(以下参照)は、治療用細胞、例えば、T細胞において、誘導可能なキメラシグナル伝達分子を発現する方法、および形質転換された細胞を使用する方法の例が、提供される。誘導可能なポリペプチドを発現する方法、形質導入されたまたはトランスフェクトされた細胞の使用、およびアッセイは、例えば、Spencer,D.M.ら、Science 262:1019−1024(1993);2008年7月29日に発行された“Induced Activation in Dendritic Cells”という表題の米国特許第7,404,950号;2011年4月14日に出願された“Methods for Treating Solid Tumors”という表題の米国特許出願番号13/087,329;および2011年5月20日に出願された“Methods
for Inducing Selective Apoptosisという表題の米国特許出願番号13/112,739(これらの全体が参照により本明細書中に援用される)に論じられている。
【0411】
実施例1:材料および方法
以下の実施例において論じられる研究において用いられた材料および方法が、本明細書中以後、論じられる。
【0412】
マウス。NOD.Cg−Prkdc
scidHr
hr/NCrHsdマウスは、Harlan Laboratories(Indianapolis,IN)から購入し、NOD.Cg−Prkdc
scidIl2rg
tm1Wjl/SzJ(NSG)マウスは、Jackson Laboratories(Bar Harbor,ME)から入手し、University of Texas Health Sciences(UTHSC)の動物施設における病原体フリーのマウス施設において、施設のガイドラインに従って維持した。この研究は、UTHSCのInstitutional Animal Care and Use Committeesによって承認されたものだった。
【0413】
細胞株、培地および試薬。293T(HEK293T/17)、Capan−1、HPAC、Raji細胞株は、American Type Culture Collectionから入手した。293T、Capan−1およびHPAC細胞株は、37℃および5%CO
2において、10%ウシ胎仔血清(FCS)および2mM glutamax(Invitrogen)が補充されたDMEM(Invitrogen,Grand Island,NY)中で維持した。Raji腫瘍細胞は、10%FSCおよび2mM glutamaxを含むRPMI中で培養した。Gulf Coast Blood Bank(Houston,TX)から入手した末梢血単核球(PBMC)から作製したT細胞は、別段述べられない限り、10%ウシ胎児血清(FBS)、2mM glutamax(T細胞培地;TCM)および100U/ml IL−2(Miltenyi Biotec,Bergisch Gladbach,Germany)が補充された45%RPMI1640、45%Click’s培地(Invitrogen)中で培養した。臨床グレードのリミズシドは、インビトロアッセイのためにエタノールで、または動物試験のために0.9%食塩水で、100mMの使用溶液(working solution)に希釈した。
【0414】
レトロウイルスおよびプラスミドの構築物。ミリストイル化標的化配列(M)
1、TLRアダプター分子、MyD88、CD40細胞質領域および2つのタンデムのリガンド結合FKBP12v36ドメイン(Fv’Fv)を含む誘導可能なMyD88/CD40(iMC)を、Gibsonアセンブリ(New England Biolabs,Ipswich,MA)
3を用いて、SFGレトロウイルス骨格
2において2A−ΔCD19とインフレームでクローニングすることにより、SFG−M.MyD88/CD40.Fv’Fv−2A−ΔCD19を作製した。同様に、ミリストイル化配列およびタンデムのFKBP12v36ドメインだけを含むコントロールベクター(FKBPまたはSFG−FKBP−2A−ΔCD19と呼ばれる)を作製した。合成DNAアプローチ(Integrated DNA Technologies,San Diego,CA)を用いて、SFG−M.MyD88−2A−ΔCD19またはSFG−M.CD40−2A−ΔCD19と呼ばれる、それぞれMyD88またはCD40だけの構築物を作製することにより、さらなるレトロウイルスベクターを構築した。以前に記載されたように
6、マウスbm2B3一本鎖可変フラグメント(scFv)
4,5、IgG1 CH2CH3スペーサー領域、CD28膜貫通ドメインおよびCD3ζ細胞質ドメイン(PSCA.ζ)を含む第1世代PSCA CARを合成した。CD28膜貫通および細胞質ドメインを含む第2世代CAR(PSCA.28.ζ)をPCR増幅によって構築した。PSCA−CARによって改変された細胞との共培養アッセイに向けて、Capan−1およびHPAC腫瘍細胞を、GFP発現プラスミド(pcDNA3.1−GFP.2A.ピューロマイシン)によるトランスフェクションによって改変し、1μg/mlピューロマイシン(Sigma)を用いて安定に選択した。インビボ腫瘍生物発光研究に向けて、T細胞にSFG−EGFPルシフェラーゼを同時形質導入した。
【0415】
レトロウイルス上清。以前に記載されたように
7、GeneJuice(EMD Biosciences,Gibbstown,NJ)トランスフェクション試薬を用いて、MoMLV gag−polに対する配列を含むSFGベクタープラスミドであるPeg−Pam−eプラスミドとRD114エンベロープをコードするプラスミドとによって293T細胞を一過性にコトランスフェクトすることによってレトロウイルス上清を生成した。レトロウイルスを含む上清をトランスフェクションの48および72時間後に回収した。
【0416】
活性化T細胞の作製。Gulf Coast Blood Bank(Houston,TX)から入手した末梢血単核球(PBMC)を用いて、抗CD3/抗CD28によって活性化されるT細胞を、本質的には論じられたように
7作製した。簡潔には、5×10
5個のPBMCを、TCMに再懸濁し、各々0.5μg/mlの抗CD3および抗CD28抗体(Miltenyi Biotec)でコーティングされた組織培養用処理がなされていない24ウェルプレート上において、100U/ml IL−2の存在下において刺激した。3日目に、活性化T細胞を回収し、下記に記載されるように、その細胞にレトロウイルスベクターを形質導入するかまたはその細胞をIL−2が補充された培地中で拡大した。
【0417】
T細胞の形質導入。組織培養用処理がなされていない24ウェルプレートを、4℃において一晩、7μg/ml Retronectin(Takara Bio,Otsu,Shiga,Japan)でコーティングした。そのウェルをリン酸緩衝食塩水で洗浄し、次いで、レトロウイルス上清でコーティングした。その後、活性化T細胞を、100U/mlのIL−2が補充されたウイルス上清中において、1ウェルあたり3×10
5個の細胞でプレーティングした。3日間の培養の後、細胞を回収し、TCM+100U/mlのIL−2を含む組織培養用処理がなされたプレートにおいて拡大した。2遺伝子または3遺伝子の形質導入の場合、プロトコルは、ウェルを等量の各レトロウイルス上清でコーティングしたこと、および次いで活性化T細胞を100U/mlのIL−2が補充された等量のウイルス上清を含む各ウェルにプレーティングしたことを除いては上記と同一であった。
【0418】
免疫表現型分析。遺伝子改変されたT細胞を、CD3−PerCP.Cy5およびCD19−PE(BioLegend)を使用することによって、形質導入の10〜14日後に、iMC導入遺伝子の発現について解析した。CARを形質導入された細胞を検出するために、T細胞を、レセプターのIgG1 CH2CH3構成要素を認識するFc特異的APC結合体化モノクローナル抗体(Jackson ImmunoResearch Laboratories,West Grove,PA)でも染色した。T細胞を、10nMリミズシドおよびCapan−1腫瘍細胞で活性化した後、CD4、CD8およびCD25(BioLegend)についても解析した。すべてのフローサイトメトリーを、LSRIIフローサイトメーター(Becton Dickenson,East Rutherford,NJ)を用いて行い、データは、FlowJo(Tree star,Ashland,OR)またはKaluzaソフトウェア(Beckman Coulter,Pasadena,CA)を用いて解析した。
【0419】
サイトカインおよびケモカインの産生。iMCベクターまたはコントロールベクターで改変されたT細胞によるIFN−γ、IL−2およびIL−6の産生を、製造者のプロトコル(eBioscience,San Diego,CA)に従ってELISAによって解析した。さらに、サイトカインおよびケモカインのパネルを、マルチプレックスアレイシステム(Bio−Plex MAGPIX;Bio−Rad,Hercules,CA)を用いて解析した。このアッセイでは、形質導入されていないT細胞およびiMCベクターまたはコントロールベクター(FKBP)で改変されたT細胞を、10nMリミズシドを用いておよび用いずに活性化し、24および48時間後に上清を回収した。いくつかの実験では、T細胞を50ng/ml可溶性抗CD3でも刺激した。PSCA.ζCARとiMCシグナル伝達の両方によるサイトカインおよびケモカインの産生の効果を測定するために、iMC(またはコントロールベクター)で改変されたT細胞、ならびにリミズシドおよびCapan−1標的細胞とともにおよびそれら無しでPSCA.ζCARを同時形質導入されたT細胞を用いて、さらなる実験を行った。48時間後に上清を回収し、解析した。
【0420】
免疫ブロット法。SFG−FKBP−2A−ΔCD19またはSFG−iMC−2A−ΔCD19を形質導入された初代ヒトT細胞(1時点あたり4×10
6)を、10nMリミズシド、各250nMのPMAおよびイオノマイシン、または培地のみを用いて、37℃のウォーターバス内で、示された時点まで培養した。4℃での2分間の6000rpmにおける遠心分離の後に、培地を吸引によって除去した。1×MS−SAFE(Roche)を含む100μlのラジオイムノ沈殿アッセイ緩衝液(50mM Tris、150mM NaCl、1%NP40、2mM EDTA、0.1%SDS、0.25%デオキシコール酸ナトリウム)中での溶解によって、細胞質抽出物を調製した。溶解産物を氷上で10分間インキュベートし、4℃での20分間の11,000rpmにおける遠心分離によって細胞質画分を取り除いた。1.5×10
6個の細胞と等価な細胞質抽出物を、98℃で5分間煮沸することによって1×Laemmli緩衝液中で変性させた。タンパク質をSDS−PAGEによって分離し、ポリビニリデンジフルオリド膜(Immobilon;Millipore)に電気的に転写した。続いて、膜を、p−RelA(S536)、p−Akt(S473)、p−p38(T180/Y182)、p−JNK(T183/Y185)、p−ERK1/2(T202/Y204)(Cell Signaling Technology)または総β−チューブリン(Santa Cruz)に特異的なAbでプロービングした。結合したAbを、HRP結合体化ヤギ抗ウサギIgG Ab(Pierce)に続いてECL(Pierce)によって検出し、Gel Logicイメージングシステム(Carestream)において検出した。
【0421】
Milliplex MAPアッセイ。3人の健常ドナーから回収された初代ヒトT細胞を、SFG−FKBP−2A−ΔCD19またはSFG−iMC−2A−ΔCD19を形質導入した。細胞(1時点あたり2×10
6)を、T細胞培地中で維持する(刺激しない)か、または示された時間にわたって37℃のウォーターバス内で、10nMリミズシドもしくは各250nMのPMAおよびイオノマイシンで処理した。4℃での5分間の5000rpmにおける遠心分離によって、細胞を回収した。ペレットを、Protease Inhibitor Cocktail(Cell Signaling Technology)が補充された200μlのCell Signaling Lysis Buffer(MILLIPLEX MAPキット;Millipore)で溶解し、氷上で10分間インキュベートした。溶解産物を卓上型振盪機によって15分間撹拌し、10分間の10,000rpmにおいてペレットにし、これらすべてを4℃において行った。液相を新しいエッペンドルフチューブに移し、個々のアリコートを製造者の提唱するプロトコルに従って処理し、Bio−Plex MAGPIX Multiplex Reader(Bio−Rad)において解析した。p−RelA(S536)、p−Akt(S473)、p−p38(T180/Y182)、p−JNK(T183/Y185)、p−ERK1/2(T202/Y204)(カスタムMILLIPLEX Magnetic Bead MAPmateキット;Millipore)、または総タンパク質含有量に対するコントロールとしてのGAPDHに特異的な抗体によって、リン酸化されたエピトープをAssay Buffer 2(MILLIPLEX MAPキット)中で検出した。リン酸化の増加倍率を、所与の時点におけるリミズシド処理の正味のMFIを、刺激されていない対応する時点の正味のMFIで除算することによって算出した。
【0422】
遺伝子発現解析。形質導入されていないT細胞またはFKBPレトロウイルスベクターもしくはiMCレトロウイルスベクターで改変されたT細胞を、3人の健常ドナー由来のPBMCから作製した。T細胞を、10nMリミズシド有りおよび無しで24時間刺激し、次いで、回収し、Baylor College of Medicine Genomics and RNA Profiling Core(Baylor College of Medicine,Houston,TX)を用いるHuman Genome U133 Plus 2.0アレイ(Affymetrix,Santa Clara,CA)におけるハイブリダイゼーションに向けてmRNAを抽出した(RNeasy;Qiagen,Valencia,CA)。ArrayStar Ver 12.0.0ソフトウェア(DNASTAR,Madison,WI)を用いてイメージファイルからシグナルデータを抽出した。遺伝子は、データセット間で、>95%のBenjamini−Hochberg信頼区間および>2倍の増加を示した。遺伝子オントロジーを、C2 CP:KEGG遺伝子セット、C3転写因子標的およびC7免疫学的標的遺伝子セットを使用して、Molecular Signatures Database(MSigDB)(Broad Institute,Cambridge,MA)
8を用いて行った。誘導されたネットワークのモジュール解析を、ConsensusPathDB−human(Max Plank Institute for Molecular Genetics,Berlin,Germany)
9を用いて行った。
【0423】
細胞傷害アッセイ。Capan−1腫瘍細胞に対するCAR T細胞の特異的な細胞傷害性を、10:1〜0.5:1の範囲のエフェクターと標的との比(E:T)、ならびに標的細胞としてCapan−1およびHPACを用いて、製造者の推奨(Clontech Laboratories,Mountain View,CA)に従って、4時間のDELFIA細胞傷害アッセイ(Perkin Elmer,Waltham,MA)において測定した。
【0424】
共培養実験。リミズシド依存的なPSCA.ζCARの活性化の後の細胞傷害性、活性化、増殖およびサイトカイン産生を試験するために、10nMリミズシド有りまたは無しかつ外来性IL−2の非存在下のTCM中でCapan−1−GFP腫瘍細胞を様々なエフェクター:標的比において用いて、共培養アッセイを行った。7日後、すべての残留細胞をトリプシン処理によって回収し、カウントし、CD3、CD19およびFc特異的抗体で染色し、フローサイトメトリーによって解析した。
【0425】
インビボ研究。iMCで改変されたCAR−T細胞の固形腫瘍に対するインビボでの有効性を評価するために、Matrigel(BD Biosciences)に再懸濁された1×10
6個のCapan−1腫瘍細胞を免疫不全Shornマウスの右側腹部の皮下に注射して移植した。マウスに、1×10
7個のT細胞を、1回(7日目)または2回(7および14日目)i.v.注射した。いくつかの実験では、外来性IL−2を、1週間に2回(biw)腹腔内に与えた(4,000U/動物)。Shorn実験の場合、リミズシドを、0.9%食塩水中の5mg/kgでbiwにおいて投与した。腫瘍をノギスによって測定し、腫瘍サイズを算出した。T細胞のインビボ拡大および有効性に対するiMCおよびCARの寄与を評価するために、NSGマウスを用いた。ここで、NSGマウスには、1×10
6個のCapan−1腫瘍細胞をs.c.で移植した。7日後、マウスを、iMCおよびPSCA.ζCARによって改変され、EGFPルシフェラーゼを同時形質導入された5×10
6個のT細胞の単回のi.v.で処置した。続いて、マウスを、1週間に1回または1週間に2回、リミズシドi.p.で処置し、次いで、150mg/kg D−ルシフェリン(Perkin Elmer)のi.p.注射の後、IVISイメージングカメラ(Perkin Elmer)を用いて撮像した。光子放出を、腫瘍領域の中から抜き取られた一定の関心領域(ROI)によって解析し、シグナルを、以前に検証されたように
10総カウントとして測定した。上記のように、ノギスを用いて腫瘍を測定することによって有効性を評価した。
【0426】
統計。データは、平均値±SEMとして表される。すべてのアッセイにおいて2つの処置群を比較するとき、差の統計的有意性を判定するために両側P値または片側P値を算出するために、対応のないスチューデントのt検定を用いてデータを解析した。1元配置分散分析に続くボンフェローニ多重比較検定を用いることにより、複数の処置群を比較した。2元配置分散分析に続くボンフェローニ検定を用いることにより、異なる時点における複数の処置群間の腫瘍の成長の差の統計的有意性を評価した。生存時間は、カプラン・マイヤーグラフによって記録し、ログランク検定によって有意性を判定した。GraphPad Prismバージョン5.0ソフトウェア(GraphPad)を用いてデータを解析した。
【0427】
方法の参考文献
【表A-1】
【表A-2】
【0428】
実施例2:誘導可能なMyD88/CD40によるT細胞の活性化
T細胞を、iMCおよび表面マーカー、ΔCD19、CD19の細胞外の部分をコードするバイシストロニックベクター、またはMyD88/CD40シグナル伝達の構成要素を欠くがタンデムのFKBP12v36リガンド結合ドメインを保持しているコントロールベクターで形質導入した(
図1aおよび4a)。フローサイトメトリーによって類似の形質導入効率を確認した後(それぞれ77±10%および62±16%のCD3
+CD19
+)(
図5a,b)、形質導入されたT細胞および形質導入されていないT細胞を10nMリミズシドと接触させた;iMCによって改変されたT細胞においてのみ、二量体化によってIFN−γの産生が誘発された(
図5c)。重要なことには、iMCの発現は、形質導入されたT細胞の表現型または分化状態を変化させなかった(
図5D)。樹状細胞において観察されたように
25、リミズシドの滴定は、iMCスイッチの高感度を実証し、ナノモル濃度未満の範囲(EC
50=約0.12nM)でT細胞を活性化した(
図1b)。MyD88だけまたはCD40だけを発現するさらなるベクター(
図4a、6aおよび6b)は、両方の分子が、リミズシド曝露の後に、相乗的に作用することによりT細胞を活性化することを示した(
図1c)。
【0429】
JNK、Akt、RelA、ERKおよびp38 MAPKを含む鍵となる下流のシグナル伝達分子のリン酸化を、誘導されたiMC T細胞において測定した。経時的解析から、リミズシドが、曝露の15分後という早さでT細胞においてシグナル伝達を誘導すること(
図1d)、およびT細胞におけるこれらの各シグナル伝達経路がリン酸化の増加を示し、MAPKおよびJNKは、最も大きなリミズシド依存的活性化を示すこと(
図1e)が示唆された。マイクロアレイ比較研究は、iMCによって改変されたT細胞が、主に、IFN−γサイトカインの産生に関連するサイトカイン関連遺伝子(例えば、IFIT1、IFIT3、CXCL10およびCXCL11)、MyD88依存的Toll様レセプターシグナル伝達の下流の遺伝子(例えば、IL−5、IL−6、IL−13)、およびリミズシドによる活性化の際にアポトーシスを制御するCD40関連遺伝子(例えば、BCL2L1)をアップレギュレートしたことを示唆した(
図7aおよび7b)。遺伝子オントロジー経路解析は、タンパク質の解析によって特定されたリン酸化事象の増加に対応する、アポトーシスに関連するMAPK経路の増加を示した(
図1dおよび1e)。さらに、遺伝子セット濃縮解析(MSigDBおよびConsensusPathDB)は、NF−κB活性化との有意な関連(p=4.4×10
−15)、ならびにTLR4、7および8アゴニストによって活性化されたDCにおける遺伝子発現プロファイリングとの有意な重複(p=6.1×10
−40)を示した(表1〜3)。これらのデータは、iMCが、生存促進遺伝子のネットワークを誘導するいくつかの経路を活性化することを示唆する(
図7c)。実際に、iMCを発現しているT細胞のリミズシド活性化によって、外来性IL−2の存在下においてT細胞生存の増加および細胞の拡大が可能になったが、IL−2を取り除いたとき、増殖は観察されなかった(
図8a〜8c)。
【0430】
実施例3:改変された活性化T細胞のさらなる特徴づけ
T細胞の活性化をさらに特徴づけるために、マルチプレックスアレイ解析を行うことにより、種々のサイトカインおよびケモカインを測定した(
図9aおよび9b)。GM−CSF、TNF−α、IL−5、IL−6、IL−8およびIL−13の分泌は、リミズシドによって誘導されたが、IL−2および他のサイトカインの産生は、アップレギュレートされず、これは、完全なT細胞活性化にはNFATとNF−κBの両方のシグナル伝達が必要であるという仮説
19と一致した。このことを調べるために、共刺激されたT細胞を、CD3架橋有りおよび無しで、リミズシドで処理した後、IL−2の産生およびCD25(高親和性IL−2レセプター)の発現を測定した。両方のシグナル(例えば、TCRおよびiMC)によって活性化された、iMC(およびそれほどではないがiM)によって改変されたT細胞だけが、測定可能なIL−2を産生し(
図1f)、CD25の発現を増加させた(
図1gおよび1h)。これらのデータは、iMCが、T細胞において共刺激シグナルとして機能し得ることを示唆しており、ここで、天然のTCRとiMCとの同時のシグナル伝達が、IL−2の産生およびT細胞増殖の持続に必要とされる。
【0431】
実施例4:誘導可能なMyD88/CD40によるCAR発現T細胞の刺激
TCR複合体の主要なシグナル伝達構成要素としては、2本の非共有結合的に連結されたCD3ζ鎖が挙げられ、その各々は、3つの免疫受容活性化チロシンモチーフ(immunoreceptor tyrosine−based activation motif)(ITAM)を含み、その2本のCD3ζ鎖は、シグナル伝達カスケードを惹起してNFATの活性化をもたらすチロシンキナーゼであるζ活性化タンパク質70kDa(ZAP70)に結合する。第1世代CARは、代表的には、タンパク質特異的scFv領域がCD3ζ細胞質領域に結合した状態で構築され、そのscFvによる標的抗原の認識は、天然のTCRシグナル伝達を模倣し、T細胞の活性化および標的細胞の細胞溶解を誘導する。誘導可能なMyD88/CD40が、CD3ζポリペプチド分子を含むキメラ抗原レセプターに共刺激活性を提供し得るかを調べるために、腫瘍関連表面タンパク質である前立腺幹細胞抗原(PSCA)を認識する第1世代CAR
28を構築し、それを用いることにより、T細胞をiMCまたはFKBPのみのコントロールベクターと同時形質導入した(
図4bおよび5a)。CD3、CD19および抗CAR抗体を用いたフローサイトメトリー解析は、それらのT細胞のおよそ70±21%および58±23%が、それぞれ、CARとコントロールの両方、またはCARとiMCベクターの両方で形質導入されたことを示し(
図2b、10aおよび10b)、CARによって改変されたT細胞が、PSCA
+腫瘍細胞株(すなわち、Capan−1およびHPAC)に対する細胞傷害性機能を保持したことを示した(
図10c)。CAR(腫瘍抗原による)とiMC(リミズシドによる)との同時活性化によって、T細胞の拡大および腫瘍管理の増加がもたらされ得るかを調べるために、GFPによって改変されたPSCA
+腫瘍細胞株(Capan−1)に対して共培養アッセイを行った。リミズシドの非存在下において、PSCA.ζおよびコントロールベクターまたはPSCA.ζCARおよびiMCで操作されたT細胞は、形質導入されていないT細胞と比べて有意な腫瘍殺滅を示した;しかしながら、リミズシド添加によるiMCの活性化は、Capan−1−GFPの排除をさらに高めた(
図2c)。フローサイトメトリー解析は、リミズシドによって活性化されたCAR+iMC
+T細胞の出現頻度の劇的な増加を示した(
図2c)。さらに、CARとiMCの両方で改変されたT細胞は、IL−2を産生しただけでなく、CD25の発現をアップレギュレートし、腫瘍抗原とリミズシドの両方の存在下において増殖した(
図2dおよび2e)。IL−2の産生に対する必要条件をさらに定義するために、T細胞に、PSCA.ζ有りまたは無しでiMCまたはコントロールベクター(FKBP)を形質導入し(
図10d)、網羅的解析を行ったところ、腫瘍抗原の刺激およびリミズシドの活性化が変化した(
図2f)。iMCおよびCARだけを形質導入され、腫瘍抗原とリミズシドの両方で刺激されたT細胞だけが、IL−2を産生した。重要なことには、リミズシドによって誘導されるiMCの活性化は、同様に、外来性IL−2またはTCR活性化の非存在下においてCAR T細胞の生存を改善した(
図11)ことから、CARおよびiMCを介した同時活性化は、T細胞の応答を増幅し得るが、iMCの活性化のみでは、生存および存続を改善し得ることが示唆される。
【0432】
実施例5:誘導可能なMyD88/CD40によるCAR発現T細胞の活性化は抗腫瘍活性を高める
腫瘍細胞およびリミズシドによるCARとiMCとの同時活性化が、抗腫瘍有効性の改善に変換されるかを評価するために、免疫不全マウスにおける腫瘍異種移植研究を行った。Capan−1腫瘍細胞を皮下移植されたShorn(「SHrN」無毛NOD.SCID)マウスを、形質導入されていないT細胞またはiMCもしくはコントロールベクターとともにPSCA.ζCARを同時形質導入されたT細胞で2回、静脈内処置した(
図3a)。リミズシド(5mg/kg)を、1日目から100日目まで1週間に2回、腹腔内(i.p.)注射によって投与し、外来性IL−2を21日目まで投与した。インビトロ研究によると、iMCおよびPSCA.ζCARを形質導入されたT細胞で処置されたマウスは、形質導入されていないT細胞またはPSCA.ζCARおよびコントロールベクターで形質導入されたT細胞と比べて、有意に改善された腫瘍管理および生存を示した(
図3bおよび3c)。iMCの架橋は、T細胞の共刺激をもたらすとみられるので、iMCが第2世代PSCA−CAR(PSCA.28.ζ)におけるCD28の機能(例えば、増殖および生存の増加)に取って代わり得るかを判定するために、iMCを試験した(
図4b)。ここで、形質導入されていないT細胞、あるいはFKBPおよびPSCA.ζもしくはPSCA.28.ζまたはiMCおよびPSCA.ζで改変されたT細胞(
図12a)を、共培養アッセイにおいて、腫瘍殺滅およびIL−2分泌について調べた。CD28シグナル伝達ドメインを含めることによって、腫瘍殺滅、T細胞増殖およびIL−2産生が改善されたが、これらの特徴は、iMC活性化によってなおもさらに高度に増強された(
図12b〜12d)ことから、iMCは、CAR分子内に組み込まれたアクセサリーシグナル伝達ドメインの代わりに、リミズシド依存的共刺激スイッチとして作用し得ることが示唆される。このことをインビボにおいて評価するために、Capan−1腫瘍を有する免疫不全マウスを単回のPSCA.ζ、PSCA.28.ζまたはPSCA.ζおよびiMCによって改変されたT細胞で処置し、次いで、IL−2補充なしで5mg/kgのリミズシドを隔週で投与した(
図13a)。PSCA.ζおよびコントロールベクターを発現しているT細胞またはPSCA.28.ζを発現しているT細胞と比べて、PSCA.ζおよびiMCによって改変されたT細胞は、腫瘍量の有意な減少および全体的な生存の改善をもたらした(
図13bおよび13c)。これらのデータから、IL−2産生およびおそらく他の因子の増加が、CD28内部ドメインを含むCAR分子によって達成される上記のT細胞の存続および抗腫瘍機能を改善することが示唆される。
【0433】
実施例6:誘導可能なMyD88/CD40によって刺激された細胞における、CARによって改変されたT細胞の拡大
リミズシドによって媒介されるiMCの活性化は、CARによって改変されたT細胞に対して成長の利点を提供したので、インビボにおけるT細胞の拡大を、NOD/SCID IL−2Rγ欠損(NSG)マウスにおいて生物発光(BLI)を用いて調べた。形質導入されていないものおよびiMCまたはFKBPを同時形質導入されたPSCA.ζCARに、続いて、EGFP−ホタルルシフェラーゼ融合タンパク質(EGFPluc)をコードするレトロウイルスを形質導入し(
図14)、それを、Capan−1腫瘍を有するNSGマウスに注入し、2.5mg/kgリミズシドで1週間に1回(qw)または1週間に2回(biw)処置し、生物発光をイメージングした(
図3d)。リミズシドの全身投与によるiMCの活性化によって、iMC活性化を欠くT細胞と比べて、高い腫瘍管理が可能になった(
図3e)。インビボイメージングは、リミズシドで処置されたマウスの全身(
図3fおよび3g)と皮下腫瘍部位(
図3h)の両方において、T細胞のBLIの劇的な増加を示した。これらのデータは、リミズシドを用いたT細胞共刺激の外部管理によって、T細胞の拡大および有効性がインビボにおいて調節できることを示している。
【0434】
実施例7:実施例2〜6および本明細書における引用
【表B-1】
【表B-2】
【表B-3】
【0435】
【表1】
【0436】
【表2】
【0437】
【表3】
【0438】
【表4】
【0439】
実施例8:より低い基底活性を有する誘導可能なMyD88/CD40キメラ(chimeri)刺激分子
中程度の二量体化剤(dimerizer)非依存的な(「基底」の)NF−κB誘導およびIL−6分泌が、時折、誘導可能なMyD88/CD40キメラ刺激分子を用いたとき観察される。この活性は低いにもかかわらず、アミノ末端のミリストイル化領域を含まない改変されたMyD88/CD40キメラ刺激分子がデザインされた。この改変されたMyD88/CD40キメラ刺激分子は、アミノ末端のミリストイル化領域を含むキメラ刺激分子よりも低いレベルの自発的な二量体化、すなわち、より低い基底活性を有するかを判定するために試験された。
【0440】
「iMC」のミリストイル化標的化ドメインの役割を厳密に実証するために、pBP180−SFG−iMC−2A−aCD19−CD34e−ゼータ(
図63を参照のこと)を用いて、約2kbのBsrGI−SacIIフラグメントを、v−Srcに由来する14アミノ酸のミリストイル化標的化アミノ末端を欠く類似のフラグメントで置き換えることによって、バイシストロニックなγ−レトロウイルスベクターを構築した。その親ベクターをさらに「クリーンアップ(clean−up)」するために、最適以下のリボソーム負荷「Kozak」配列の後にあるベクター180内の上流の余分なインフレームのATGを除去して、わずかに改変されたpBP180(「pBP607」と呼ばれる)、およびミリストイル化されていない(non−myristorylated)iΔを含む新しい試験ベクター「pBP606−pSFG−iΔMC.2A−aCD19.Q.8stm.CD3ζ」を得た(
図15)。さらに、そのミリストイル化されていないiMCベクターの「一般的な」バージョンを作製するために、上記のような2つ目の上流のATGを、ΔCD19を共発現するiMCベクターであるpBP0172−SFG−iMCnoE−2A−ΔCD19から除去することにより、pBP609を得て、pBP609由来の除去されたミリストイル化標的化配列を除去することにより、「pBP608−pSFG−iΔMC−2A−ΔCD19」を得た(
図16)。
【0441】
ミリストイル化されていないiMCの機能をミリストイル化されたiMCと比較して試験するために、対応するレトロウイルスベクターを、SFGをコードするプラスミドから作製し、ミリストイル化されたまたはミリストイル化されていないiMCを、同一の5’非翻訳領域または対応する元のベクターpBP0172およびpBP0180、わずかに改変された5’末端とともに含み、さらにそれぞれΔCD19または抗CD19 CAR−CD3ζを含む3セットのウイルスベクターを1
0ヒトT細胞に形質導入した。ウイルスへの曝露の2日後に、抗CD19(172、606および607)または抗CD34(180、608および609)を用いて、形質導入されたT細胞のフローサイトメトリーを行ったところ、感染が成功したこと、および各群内でベクター間の発現レベルが匹敵していたこと(それぞれ約80%または約40%;示さず)が確かめられた。その後、等しい数の細胞を、10nMリミズシドの存在下または非存在下において再プレーティングし、24時間後に、培養した培地を、ELISAによってIL−6についてアッセイした(
図17)。
【0442】
等しい数(5
5個)のT細胞芽球を、ウイルスでコーティングされた24ウェルプレートに加えた。48時間後、細胞を回収し、CD19の発現(ベクター172、606および607)またはCD34 Qエピトープの発現(180、608および609)についてアッセイした。細胞を回収し、10nMリミズシド有りまたは無しで再プレーティングした。24時間後、上清を回収し、ELISAによってIL−6のレベルについてアッセイした。上清を10倍(17a)または50倍(17b)希釈した。1O.D.約300ng/ml(検量線から)。
【0443】
172と180の両方のファミリーのベクターに対する結果は、ミリストイル化されていないiΔMC構築物が、予測されたように、リミズシドの非存在下において、より少ないIL−6を産生したことを示唆する;が、IL−6の誘導されたレベルは、低下しなかった。ゆえに、ミリストイル化されていないiΔMCは、CD3ζシグナル伝達の非存在下において(TCRシグナル伝達に相当する)、よりコントロール可能なリミズシド(rimudicid)依存的活性化シグナルを提供し得る。
【0444】
ミリストイル化されていない誘導可能なMyD88/CD40(iΔMC)とミリストイル化された誘導可能なMyD88/CD40(iMC)とをさらに比較するために、抗CD19第1世代CAR+iMC(180)またはiΔMC(608)を含む細胞を、CD19
+Raji腫瘍細胞有りまたは無しおよびリミズシド有りまたは無しで培養し、IL−2とIL−6の両方をアッセイした。
【0445】
形質導入されていない(NT)T細胞、ならびにiMCおよびミリストイル化されていないiΔMCを使用できるCAR構築物を形質導入されたT細胞をCD19
+Raji腫瘍細胞とともに、T細胞と腫瘍細胞との比が1:1で24ウェルプレートにおいて共培養した。続いて、T細胞を10nMリミズシドで刺激した。24時間後、上清を回収し、ELISAを用いてIL−6(18a)およびIL−2(18b)の産生について測定した。
【0446】
上記のIL−6アッセイと同様に、外来性の刺激の非存在下において、iΔMC(608)によって改変された細胞は、最初のiMC−19構築物(180)を発現する細胞よりも少ないIL6を分泌した(
図18、左のパネル)。IL−2について同様の結果が観察された(
図18、右のパネル)。さらに、Raji細胞の存在は、IL−6に関して、180および608によって改変された細胞の基底のシグナル伝達を有意に変化させなかった。興味深いことに、Raji細胞の存在は、リミズシドの非存在下でさえも、iMCまたはiΔMCによるIL−2の高レベル産生をもたらしたことから、iΔMCの基底のシグナル伝達は、iMCのそれよりも低いが、完全なCD19依存性IL−2産生にとってなおも十分であることが示された。それにもかかわらず、CD19hiのリンパ腫細胞は、例外である可能性があり、IL−2産生のリミズシド依存性は、B細胞由来の腫瘍によって与えられる残残存APC様特性がなければ、上皮由来の腫瘍細胞において、より厳重にコントロールされる可能性がある。これは、B細胞が、DCのような他のAPCと同様に、CD80およびCD86のような共刺激分子に加えて、より高いレベルのMHCクラスIIを発現するからである。
【0447】
iΔMCにおけるような、iMCからのミリストイル化標的化ドメインの除去は、MyD88/CD40キメラ共刺激分子のより低いリミズシド非依存的基底活性をもたらし、より少ないNF−κBシグナル伝達およびより少ない自発的なIL−6産生をもたらす。T細胞の生存および拡大は、5−アミノ末端にミリストイル化領域を含まないMyD88/CD40キメラ刺激分子を用いて、インビボにおいて、より厳重にコントロールされ得る。これらの構築物を形質導入されたT細胞は、CIDの非存在下では、より低い二量体非依存的毒性およびより低い存続を有し得る。それらは、滴定によって決定された最適なレベルのリミズシドを用いて、T細胞の拡大および腫瘍サイズのコントロールを高めることも可能にし得る。
【0448】
したがって、本明細書中に提供される誘導可能なMyD88/CD40キメラ共刺激分子による共刺激のレベルをコントロールするために、様々な投与量のAP1903が提供されるという点において、T細胞を活性化するための方法が調整できる実施形態も提供される。
【0449】
実施例9:プラスミドを構築するために使用されたポリヌクレオチド配列
pSFG−iΔMC−2A−aCD19−Q−8stm−CD3ζ(随意のミリストイル化標的化ドメインを伴う)。
【0450】
【表5-1】
【0451】
【表5-2】
【0452】
【表5-3】
【0453】
【表5-4】
【0454】
【表5-5】
【0455】
pSFG−idMC−2A−dCD19(随意のミリストイル化標的化ドメインを伴う)。
【0456】
【表6-1】
【0457】
【表6-2】
【0458】
【表6-3】
【0459】
実施例10:特定の核酸配列およびアミノ酸配列の例
【0460】
【化1】
【0461】
【化2】
【0462】
【化3】
【0463】
【化4】
【0464】
実施例11:種々の細胞型における誘導可能なキメラポリペプチドの発現
本願の誘導可能なキメラポリペプチドを、様々な細胞型において、腫瘍抗原とともに発現させた。形質導入された細胞は、キメラポリペプチドを発現し、免疫応答を誘導したことがケモカインおよびサイトカインの分泌によって実証された。例えばIL−6の発現によって実証されるような免疫応答は、AP1903リガンドの存在下と非存在下の両方において活性化された。細胞株には、ケラチノサイト、メラノサイト(例えば、B16−F10メラノーマ)、マクロファージ(例えば、IC−21)および線維芽細胞(例えば、BLK−CL4)が含まれた。
図22は、AP1903と接触した後のキメラポリペプチドの発現が、形質導入された細胞において炎症性サイトカインおよびケモカインの発現を誘導し得るプロセスの模式的な概要を提供している。
図23は、形質導入された細胞におけるPSMAの発現およびサイトカインの分泌を測定するために使用されたアッセイの模式図を提供している。それらの細胞は、4つのアデノウイルスAd5ベクター:Ad5−iMC−RP−FL;Ad5−iMC−P2A−P−FL;Ad5f35iMC−RP−FL;またはAd5f35iMC−P2A−FLのうちの1つで形質導入された。
図24は、IC−21マクロファージの形質導入の後の結果のグラフを提供しており、IL−6を産生することによるAP1903に対する応答を示している。IC−21マクロファージは、24ウェルプレートにおいて100,000細胞/ml/ウェルで培養された。アデノウイルスを、1000、2000、4000、8000および16000v.p./細胞比で加え、細胞を24時間インキュベートした。その後、100nMのAP1903をすべてのウェルに加え、翌日、細胞および培養上清を回収した。A.細胞を抗ヒトPSMA抗体LNI−17(Biolegend,San Diego,CA)で標識し、PSMAの発現をフローサイトメトリーによって解析した。形質導入されていない細胞と比較したときのPSMA
+細胞のパーセンテージが表されている。B.IL−6を、ELISA(e−Bioscience,San Diego,CA)によって培養上清から評価した。
図25は、種々のレベルの細胞プレーティングおよび感染効率においてキメラポリペプチドを形質導入されたマクロファージにAP1903を加えた後のIL−6の発現も評価している。IC−21マクロファージは、24ウェルプレートにおいて50,000細胞/ml/ウェルで培養された。アデノウイルスを、6000、12000、18000、24000および30000v.p./細胞比で加え、細胞を24時間インキュベートした。次いで、100nMのAP1903をすべてのウェルに加え、翌日、細胞および培養上清を回収した。A.細胞を抗ヒトPSMA抗体LNI−17(Biolegend,San Diego,CA)で標識し、PSMAの発現をフローサイトメトリーによって解析した。形質導入されていない細胞と比較したときのPSMA
+細胞のパーセンテージが表されている。B.IL−6を、ELISA(e−Bioscience,San Diego,CA)によって培養上清から評価した。
図26は、形質導入された細胞の活性化がAP1903の添加有りおよび無しで生じたことを実証しているアッセイの結果を提示している。IC−21マクロファージは、6ウェルプレートにおいて300,000細胞/ウェルで培養された。アデノウイルスを、Ad5f35−iMC−RP−FLに対しては24,000v.p./細胞比で、およびAd5−iMC−P2A−P−FLに対しては18000v.p./細胞で加え、細胞を24時間インキュベートした。次いで、100nMのAP1903を加え、6時間後および20時間後に培養上清を回収した。IL−6を、ELISA(e−Bioscience,San Diego,CA)によって培養上清から評価した。
【0465】
図27は、B16−F10メラノーマ細胞の形質導入の後の結果のグラフを提供しており、IL−6を産生することによるAP1903に対する応答を示している。B16.F10メラノーマは、24ウェルプレートにおいて100,000細胞/ml/ウェルで培養された。アデノウイルスを、1000、2000、4000、8000および16000ウイルス/細胞比で加え、細胞を24時間インキュベートした。次いで、100nMのAP1903をすべてのウェルに加え、翌日、細胞および培養上清を回収した。A.細胞を抗ヒトPSMA抗体LNI−17(Biolegend,San Diego,CA)で標識し、PSMAの発現をフローサイトメトリーによって解析した。形質導入されていない細胞と比較したときのPSMA
+細胞のパーセンテージが表されている。B.IL−6を、ELISA(e−Bioscience,San Diego,CA)によって培養上清から評価した。
図28は、種々の感染効率およびプレーティング濃度におけるアッセイの結果を提供している。B16メラノーマは、24ウェルプレートにおいて50,000細胞/ml/ウェルで培養された。アデノウイルスを、6000、12000、18000、24000および30000ウイルス/細胞比で加え、細胞を24時間インキュベートした。次いで、100nMのAP1903をすべてのウェルに加え、翌日、細胞および培養上清を回収した。A.細胞を抗ヒトPSMA抗体LNI−17(Biolegend,San Diego,CA)で標識し、PSMAの発現をフローサイトメトリーによって解析した。形質導入されていない細胞と比較したときのPSMA
+細胞のパーセンテージが表されている。B.IL−6を、ELISA(e−Bioscience,San Diego,CA)によって培養上清から評価した。
図29は、AP1903の存在下および非存在下におけるIL−6アッセイの棒グラフを提供しており、形質導入された細胞が、AP1903の添加無しでIL−6を産生することを示している。B16メラノーマ細胞は、6ウェルプレートにおいて300,000細胞/ウェルで培養された。アデノウイルスを、Ad5f35−iMC−RP−FLに対しては24,000v.p./細胞比で、およびAd5−iMC−P2A−P−FLに対しては18000v.p./細胞で加え、細胞を24時間インキュベートした。次いで、100nMのAP1903を加え、6時間後および20時間後に培養上清を回収した。IL−6を、ELISA(e−Bioscience,San Diego,CA)によって培養上清から評価した。
【0466】
図30は、BLK CL4線維芽細胞の形質導入の後の結果のグラフを提供しており、IL−6を産生することによるAP1903に対する応答を示している。BLK.CL4線維芽細胞は、24ウェルプレートにおいて175,000細胞/ml/ウェルで培養された。アデノウイルスを、6000、12000、18000、24000および30000ウイルス/細胞比で加え、細胞を24時間インキュベートした。次いで、100nMのAP1903をすべてのウェルに加え、翌日、細胞および培養上清を回収した。A.細胞を抗ヒトPSMA抗体LNI−17(Biolegend,San Diego,CA)で標識し、PSMAの発現をフローサイトメトリーによって解析した。形質導入されていない細胞と比較したときのPSMA
+細胞のパーセンテージが表されている。B.IL−6を、ELISA(e−Bioscience,San Diego,CA)によって培養上清から評価した。
図31では、BLK.CL4線維芽細胞は、6ウェルプレートにおいて350,000細胞/ウェルで培養された。アデノウイルスを、20,000v.p./細胞比で加え、細胞を24時間インキュベートした。次いで、100nMのAP1903を加え、翌日、培養上清を回収した。IL−6を、ELISA(e−Bioscience,San Diego,CA)によって培養上清から評価した。
【0467】
図32は、形質導入された細胞の活性化を決定するために使用された遺伝子発現アッセイの模式図を提供している。マクロファージを用いるこのアッセイにおいて、
図33は、AP1903応答性を調べるマクロファージベースのアッセイである。IC−21マクロファージは、6ウェルプレートにおいて300,000細胞/ウェルで培養された。アデノウイルスを、Ad5f35−iMC−RP−FLに対しては24,000v.p./細胞比で、Ad5−iMC−P2A−P−FLに対しては18,000v.p./細胞で加え、細胞を24時間インキュベートした。次いで、100nMのAP1903を加え、20時間後に細胞を回収した。それらの細胞からのIL−1、IL−6およびTNF−アルファのmRNA遺伝子発現を、Syber green(Biorad,Hercules,CA)を用いるRT−PCRによって評価した。
図34は、CXCL1およびCXCL10の遺伝子発現のアッセイの結果を示している。IC−21マクロファージは、6ウェルプレートにおいて300,000細胞/ウェルで培養された。アデノウイルスを、Ad5f35−iMC−RP−FLに対しては24,000v.p./細胞比で、Ad5−iMC−P2A−P−FLに対しては18,000v.p./細胞で加え、細胞を24時間インキュベートした。次いで、100nMのAP1903を加え、20時間後に細胞を回収した。それらの細胞からのCXCL1およびCXCL10のmRNA遺伝子発現を、Syber green(Biorad,Hercules,CA)を用いるRT−PCRによって評価した。
図35は、CCL2およびCCL3の遺伝子発現のアッセイの結果を示している。IC−21マクロファージは、6ウェルプレートにおいて300,000細胞/ウェルで培養された。アデノウイルスを、Ad5f35−iMC−RP−FLに対しては24,000v.p./細胞比で、Ad5−iMC−P2A−P−FLに対しては18000v.p./細胞で加え、細胞を24時間インキュベートした。次いで、100nMのAP1903を加え、20時間後に細胞を回収した。それらの細胞からのCCL2およびCCL3のmRNA遺伝子発現を、Syber green(Biorad,Hercules,CA)を用いるRT−PCRによって評価した。
【0468】
メラノーマ、線維芽細胞、マクロファージおよびケラチノサイト細胞株をはじめとした様々な細胞の形質導入の例が、本実施例に含まれる。マクロファージにおけるIL−6の活性化が、AP1903の存在下または非存在下において生じた。形質導入された細胞株におけるIL−6の遺伝子発現ならびに他のサイトカインおよびケモカインの遺伝子発現が、AP1903によって誘導された。
【0469】
実施例12:プラスミド構築配列
以下のヌクレオチド配列を使用して、Ad5−iMC−P2A−P−FLおよびAd5f35−iMC−P2A−P−FLベクターを構築した。それらのヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドのアミノ酸配列も提供される。
【0470】
【化5】
【0471】
【化6】
【0472】
【化7】
【0473】
プラスミドベクターの図は、
図37に提供されている。
【0474】
pAd1127−02.iMC−P2A−P−FLは、Ad5−iMC−P2A−P−FLと血清型35シュードタイプ化Ad5f35−iMC−P2A−P−FLの両方を作製するために使用されたシャトルベクターである。それは、誘導可能なMyD88/CD40および完全長PSMAを、CMVpおよびウシ成長ホルモンポリA部位によって駆動される同じ転写物上に含む。CMV−iMC−P2A−P−FLに対する配列は、以下のようなハイライトが付けられた様々な領域を伴う:緑色:CMVプロモーター、青色:ミリストイル化ドメイン、赤色:MyD88L、橙色:CD40、緑がかった青色:FKBPv36(コドンゆらぎ)、琥珀色:FKBPv36(WT配列)、黄緑色:P2Aペプチド、赤色下線:PSMA−FL、茶色:BGHpA
【0475】
実施例13:Tリンパ球における誘導可能なキメラポリペプチドの発現
初代T細胞におけるiMCの活性化を試験する実験:
1.293T細胞の一過性のトランスフェクションによってレトロウイルスを生成する:
2.CD3/CD28によって活性化されたT細胞にSFG−MC.Fv1.Fv2.2A.ΔCD19プラスミドベクター(配列はこの実施例および
図36に提供されている)を形質導入し、フローサイトメトリーによってCD3
+CD19
+の発現を調べることによって形質導入効率を測定する。
3.10nM AP1903有りまたは無しでT細胞を活性化し、24、48および72時間後に以下の解析を行う:
a.マルチプレックス解析を用いて、サイトカインおよびケモカインの産生を測定する。
b.CD25、CD69、CD80、CD86ならびにMHCクラスIおよびII抗体を用いて、CD4
+およびCD8
+T細胞の活性化の表現型を測定する。
c.CFSE希釈および細胞数測定を用いて、増殖を測定する。
d.Alamar blueアッセイおよび細胞数測定アッセイを用いて、外来性IL−2の非存在下における細胞生存を測定する。
4.さらなるマーカー(例えば、CD62LおよびCD45RAおよびCD45RO)を用いて、CD4およびCD8T細胞のメモリーの表現型を調べる。
5.TGFβおよび/またはIL−10を産生するTreg細胞の存在下における、休止T細胞およびiMCによって活性化されたT細胞の耐性を試験する。
【0476】
予想される結果:
1.iMCの架橋は、この実施例において列挙されるT細胞活性化マーカーを用いてアッセイしたとき、T細胞の活性化を駆動し、T細胞増殖を増加させるTh1サイトカイン(例えば、IL−2およびIFNγ)および細胞傷害性を増加させるIFNγの同化を増大する。2.T細胞は、iMCの架橋によって活性化され、アポトーシスの変化は、ほとんどまたは全く無い。
3.メモリーの表現型(phonotype)の増加ならびにTreg細胞の阻害作用に対するCD4
+およびCD8+T細胞の耐性の増大が観察される。
【0477】
本実施例は、誘導可能なキメラポリペプチドをTリンパ球において発現させるために使用される方法の例を提供する。誘導可能なキメラMyD88/CD40ポリペプチドを用いる特定の例が提供される。同様の方法が、誘導可能なキメラMyD88またはCD40ポリペプチドに適用され得る。
【0478】
誘導可能なMyD88/CD40ポリペプチドであるiMyD88/CD40(iMC)をT細胞において試験するために、同じ転写物上でiMCおよび切断型CD19マーカーをコードするレトロウイルスプラスミドベクターpSFG.Myr−MC−Fv1−Fv2−2A−ΔCD19(「pSFG.iMC−2A−ΔCD19」)を、gag−pol発現ベクターおよびRD114エンベロープベクターとともに293細胞に一過性にコトランスフェクトすることにより、高力価のレトロウイルスを作製する。
【0479】
誘導可能なポリペプチドは、Gly−Ser−Gly−Gly−Gly−SerリンカーとともにMyD88またはCD40配列に連結された2つのFK506結合タンパク質(FKBP、例えば、F36V変異を含むFKBP12v36バリアント、すなわちFKBP12;GenBank AH002818))を含む。レトロウイルスにおいて発現されたときの相同組換えを防ぐために、FKBP(F
v2)のうちの1つのアミノ酸配列をコドンゆらぎにする(例えば、各アミノ酸コドンの3番目のヌクレオチドを、元々コードされていたアミノ酸を維持したサイレント変異によって変更する)。それらの構築物を、SFGにクローニングする;それらは、pLenti7.3にもクローニングされ得る。
【0480】
293T細胞を、これらの各構築物でトランスフェクトし、形質導入の48時間後に、マーカー遺伝子GFPまたはΔCD19の発現をフローサイトメトリーによって解析する。GFPまたはΔCD19の発現レベルに加えて、発現された遺伝子産物をウエスタンブロットによって解析することにより、キメラポリペプチドの発現も確かめる。
【0481】
トランスフェクトされた293T細胞を、アプロチニン、ロイペプチンおよびフッ化フェニルメチルスルホニル(Boehringer,Ingelheim,Germany)を含む溶解緩衝液(50%Tris/Gly、10%ドデシル硫酸ナトリウム[SDS]、4%ベータ−メルカプトエタノール、10%グリセロール、12%水、4%ブロモフェノールブルー0.5%)に再懸濁し、氷上で30分間インキュベートする。30分間の遠心分離の後、上清を収集し、1:2でLaemmli緩衝液(Bio−Rad,Hercules,CA)と混合し、煮沸し、10%SDS−ポリアクリルアミドゲルにローディングする。膜を、ウサギ抗共刺激ポリペプチド免疫グロブリンG(IgG;Affinity BioReagents,Golden,CO;1:500希釈)およびマウス抗GFP IgG(Covance,Berkeley,CA;1:25,000希釈)でプロービングする。次いで、ブロットを、適切なペルオキシダーゼ結合二次抗体に曝露し、タンパク質の発現を、高感度化学発光(ECL;Amersham,Arlington Heights,IL)で検出する。次いで、その膜をストリッピングし、ヤギポリクローナル抗アクチン(Santa Cruz Biotechnology;1:500希釈)でリプロービングすることにより、ローディングの質を調べる。
【0482】
誘導可能な発現構築物の評価
細胞株
がん細胞株LNCaP、PC3、DU145およびA549、ならびにヒト胎児腎細胞株HEK−293Tを、American Type Culture Collection(Rockville,MD)から入手する。細胞を、37℃における5%二酸化炭素(CO2)を含む加湿雰囲気において、10%ウシ胎児血清(Hyclone,Waltham,MA)および2mM L−グルタミンを含む完全IMDM(Sigma,St Louis,MO)中で維持する。形質導入されたT細胞およびPHA芽球を、100U/ml IL−2(Cellgenix)が補充されたCellgenix DC(Cellgenix)培地中で維持する。
【0483】
T細胞の活性化
拡大および形質導入のためのT細胞の活性化は、可溶性αCD3およびαCD28(Miltenyi Biotec,Auburn,CA)を使用して行われる。PBMCを、100U/ml IL−2(Cellgenix)が補充されたCellgenix DC培地に、1×10
6細胞/mlで再懸濁し、0.2μg/ml αCD3および0.5μg/ml αCD28可溶性抗体で刺激する。次いで、細胞を37℃、5%CO2において4日間培養する。4日目に、IL−2を含む1mlの新鮮培地を加える。7日目に、形質導入に向けて、細胞を収集し、Cellgenix DC培地に再懸濁する。
【0484】
レトロウイルス構築物およびレンチウイルス構築物
誘導可能なキメラポリペプチドの構築物は、Blue Heron Bio(Bothell,WA)によって合成され、模式図が
図36に示されている。そのキメラポリペプチドの発現、ならびに炎症性サイトカインおよびケモカインの発現および分泌の評価を、これらの導入遺伝子をコードするレトロウイルスまたはレンチウイルスをT細胞に個別にまたは同時に形質導入することによって行う。
【0485】
レトロウイルス形質導入
レトロウイルスの一過性の生成のために、GeneJuiceトランスフェクション試薬(Novagen,Madison,WI)を使用して、gag−polおよびRD114エンベロープをコードするプラスミドとともに、キメラポリペプチド構築物で293T細胞をトランスフェクトする。トランスフェクションの48〜72時間後にウイルスを収集し、急速凍結し、使用するまで約80℃で保存する。レンチウイルスの一過性の生成のために、GeneJuiceを使用して、プラスミドpLP1(gag/pol)、pLP2(rev)およびpLP/VSVG(VSVG env)とともに、上記構築物で293T細胞をトランスフェクトする。トランスフェクションの48〜72時間後にウイルスを収集し、急速凍結し、使用するまで約80℃で保存する。大規模なレトロウイルスの生成のために、一過性VSV−Gシュードタイプ化レトロウイルス上清を用いた複数回の形質導入によって、安定なFLYRD18由来レトロウイルス産生株を作製する。導入遺伝子発現が最も高いFLYRD18細胞を、単一細胞ソーティングし、最も高いウイルス力価をもたらすクローンを拡大し、リンパ球形質導入のためのウイルスを作製するために使用する。このクローンの導入遺伝子発現、機能およびレトロウイルス力価は、8週間超にわたる連続培養中、維持される。組織培養用の処理が行われていない24ウェルプレートを、37℃において1時間または4℃において一晩、7μg/ml Retronectin(TakaraBio,Otsu,Shiga,Japan)でコーティングする。それらのウェルを、リン酸緩衝食塩水(PBS)で洗浄し、次いで、37℃において30分間、プレートを1.5mlの上清とともにインキュベートすることによって、レトロウイルス上清でコーティングする。続いて、T細胞芽球を、100U/ml IL−2が補充されたウイルス上清において1ウェルあたり5×10
5細胞でプレーティングする。60時間にわたって形質導入を行う。形質導入後、細胞を収集し、フローサイトメトリーによってCD19またはGFPの発現について表現型分析を行う。
【0486】
形質導入されたT細胞の細胞傷害性
形質導入された各T細胞株の細胞傷害活性は、例えば、以前に提示されたような標準的な4時間の
51Cr放出アッセイにおいて評価され得る。T細胞に上記レトロウイルスまたはレンチウイルスを形質導入し、それを、フィトヘマグルチニン(PHA)によって刺激された自家リンパ球(PHA芽球)、LNCaP、PC3またはDU145およびA549がん細胞株、ならびにヒトPSMAを発現するトランスジェニックA549(A549−PSMA)を含む、Cr
51で標識された標的細胞と比較する。完全培地または1%Triton X−100(Sigma,St Louis,MO)中でインキュベートされた標的細胞をそれぞれ自発的なおよび最大の
51Cr放出を決定するために使用する。3つ組ウェルの特異的溶解の平均パーセンテージを、100×(実験による放出−自発的な放出)/(最大放出−自発的な放出)として計算した。クロム放出アッセイに加えて、共培養実験を行う。ここでは、細胞株LNCaP、PC3、DU145、A549およびA549−PSMAを、蛍光性mOrangeを発現するように形質導入し、標的細胞として使用する。mOrangeを発現している腫瘍細胞を、完全培地中、IL−2(50U/ml)の存在下において、形質導入されていないT細胞または改変されたT細胞とともに、腫瘍細胞とT細胞とが1:10という比で共培養する。24時間後、T細胞を100nM AP1903で刺激する。72時間後、細胞を捕集し、カウントし、T細胞を検出するためにCD3で標識し、mOrange腫瘍細胞のパーセンテージをフローサイトメトリー(LSRII;BD)によって解析する。
【0487】
形質導入されたT細胞の表現型分析および活性化状態
形質導入されたT細胞の細胞表面の表現型を、以下のモノクローナル抗体を使用して調べる:CD3、CD4、CD8、CD19、CD25、CD27、CD28、CD44、CD45RA、CD45RO、CD62L、CD80、CD83、CD86、CD127、CD134、CD137、HLA−ABCおよびHLA−DR。100nM AP903を用いておよび用いずに、表現型分析を行う。適切なアイソタイプマッチコントロールを各実験において使用し、LSRIIフローサイトメーター(BD)を用いて細胞を解析する。抗F(ab’)2(Jackson ImmunoResearch Laboratories,West Grove,PA)を使用して、キメラポリペプチドの発現を評価する。
【0488】
形質導入されたT細胞のサイトカイン産生の解析
100nM AP1903による刺激の前および後(24時間)のT細胞培養上清中のインターフェロン−γ(IFN−γ)、IL−2、IL−4、IL−5、IL−10および腫瘍壊死因子−α(TNFα)の濃度を、ヒトTh1/Th2サイトカインサイトメトリビーズアレイ(BD Pharmingen)を使用して測定する。培養上清中の誘導されたサイトカイン産生を、製造者の指示書に従って酵素結合免疫吸着測定法(ELISA;R&D Systems,Minneapolis,MN)によって検証する。
【0489】
形質導入されたT細胞の増殖
AP1903によって誘導される活性化の増殖効果を、AP1903に曝露した後の、形質導入されたT細胞および形質導入されていないT細胞の細胞成長を測定することによって評価する。T細胞を、37℃において10分間、10μMカルボキシフルオレセインジアセテート、スクシンイミジルエステル(CFSE)で標識する。インキュベーション後、細胞をPBS中で洗浄し、次いで、Cellgenix DC培地に再懸濁する。その後、1×10
6個のCFSEで標識された改変T細胞または形質導入されていないT細胞を、Cellgenix DC培地のみにおいて培養するか、または100nM AP1903で刺激する。5日後、細胞を収集し、CD3−PerCP.Cy5.5およびCD19−PEで標識し、CFSE希釈についてフローサイトメトリーによって解析する。
【0490】
可溶性免疫グロブリンが、形質導入されたTリンパ球の増殖および拡大に影響するかを評価するために、いかなる外来性サイトカインも加えずに、健常ドナーから得られたヒト血漿の段階希釈物または精製されたヒト免疫グロブリン(Jackson ImmunoResearch)の段階希釈物とともに細胞を1×10
5細胞/ウェルで培養する。72時間後、それらの細胞を、1μCi(0.037MBq)メチル−3[H]チミジン(Amersham Pharmacia Biotech,Piscataway,NJ)でパルスし、さらに15時間培養する。次いで、それらの細胞を、フィルター上に収集し、乾燥させ、毎分のカウント数を、β−シンチレーションカウンター(TriCarb 2500 TR;Packard BioScience,Meridien,CT)において測定する。これらの実験は、3つ組で行う。他の実験では、コントロールおよび改変されたTリンパ球を、培地のみ、または血漿もしくは精製された免疫グロブリンの段階希釈物を1日おきに加えた培地を用いて培養する。次いで、トリパンブルー排除を用いて細胞を2日おきにカウントする。
【0491】
インビボ実験
インビボにおける腫瘍サイズに対する活性化T細胞の効果は、例えば以下のとおりアッセイされ得る。6〜8週齢の非肥満糖尿病重症複合免疫不全(NOD/SCID)マウスに照射し(250rad)、Matrigel(BD Bioscience)に再懸濁された10×10
6〜15×10
6個のLNCaP腫瘍細胞を、そのマウスの右側腹部の皮下に注射する。2週間後、直径がおよそ0.5cmの腫瘍を有するマウスの尾静脈に、形質導入されていないT細胞または形質導入されたT細胞(合計15×10
6個)を注射する。それらのマウスを、ランダムに2群に分ける:T細胞を拡大するために、1群には、CID(50μg AP1903、腹腔内、1週間に2回)を投与し、もう1群には、キャリアのみ(16.7%プロパンジオール、22.5%PEG400および1.25%Tween80、腹腔内、1週間に2回)を投与する。21日間にわたるノギス測定によって、腫瘍の成長についてマウスを評価する。末梢血サンプルを、7、14および21日目に後眼窩出血によって採取することにより、ヒトCD3/ヒトCD19発現T細胞に対するフローサイトメトリー解析を用いて、形質導入されたT細胞またはコントロールT細胞の残留および拡大を測定する。
【0492】
注釈付きベクター配列:
8931bp ds−DNA
/note=“MMLV Psi”
/note=“モロニーマウス白血病ウイルス(MMLV)のパッケージングシグナル”
CDS 1226..3802
/codon_start=1
/note=“iMC−2A−デルタ−CD19”
/translation=”
【0493】
【化8】
【0494】
【化9】
【0495】
misc_feature 1226..1267
/note=“Myr”
misc_feature 1268..1273
/note=“XhoI”
misc_feature 1274..1789
/note=“MyD88”
misc_feature 1790..1975
/note=“デルタ−CD40”
misc_feature 1976
/note=“SalI”
misc_feature 1977..1981
/note=“XhoI”
misc_feature 1982..1999
/note=“L1”
misc_feature 2000..2320
/note=“LFv1”
misc_feature 2327..2647
/note=“Fv2L”
misc_feature 2648..2665
/note=“L1”
misc_feature 2666
/note=“SalI”
misc_feature 2667..2671
/note=“SalI”
misc_feature 2672..2683
/note=“フューリン”
misc_feature 2684..2725
/product=“サルウイルス5由来のエピトープタグ”
/note=“V5タグ”
misc_feature 2726..2794
/note=“L−2A”
misc_feature 2795..2800
/note=“MluI”
misc_feature 2801..3802
/note=“dCD19”
misc_feature 3962..4551
/note=“LTR”
primer_bind complement(5250..5266)
/note=“M13 fwd”
/note=“共通のシークエンシングプライマー、複数の類似のバリアントのうちの1つ”
promoter 5741..5845
/gene=“bla”
/note=“AmpRプロモーター”
CDS 5846..6706
/codon_start=1
/gene=“bla”
/product=“ベータ−ラクタマーゼ”
/note=“AmpR”
/note=“アンピシリン、カルベニシリンおよび関連する抗生物質に対する耐性を付与する”
/translation=”
【0496】
【化11】
【0497】
rep_origin 6877..7465
/direction=RIGHT
/note=“ori”
/note=“高コピー数colE1/pMB1/pBR322/pUC複製起点”
promoter 7789..7819
/note=“lacプロモーター”
/note=“大腸菌のlacオペロンに対するプロモーター”
protein_bind 7827..7843
/bound_ moiety=“lacIによってコードされるlacリプレッサー”
/note=“lacオペレーター”
/note=“このlacリプレッサーは、lacオペレーターに結合して、大腸菌における転写を阻害する。この阻害は、ラクトースまたはイソプロピル−ベータ−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)を加えることによって軽減され得る”
primer _bind7851..7867
/note=“M13 rev”
/note=“共通のシークエンシングプライマー、複数の類似のバリアントのうちの1つ”
LTR 8276..8869
/note=“モロニーマウス白血病ウイルス由来の長い末端反復配列”
ORIGIN
【0498】
【化12】
【0499】
【化13】
【0500】
【化14】
【0501】
【化15】
【0502】
【化16】
【0503】
実施例14:さらなる配列
【0504】
【化17】
【0505】
【化18】
【0506】
【化19】
【0507】
【化20】
【0508】
【化21】
【0509】
実施例15:エキソビボにおけるT細胞の活性化およびヒト被験体への投与
ヒトを治療するために、改変されたT細胞を使用する方法が、この実施例に提示される。これらの方法は、他の非T細胞にも適用され得る。
【0510】
材料および方法
遺伝子改変されたT細胞の大規模産生
T細胞は、標準的な方法を用いて健常志願者から作製される。簡潔には、健常ドナーまたはがん患者由来の末梢血単核球(PBMC)を、可溶性αCD3およびαCD28(Miltenyi Biotec,Auburn,CA)を使用して、拡大および形質導入のために活性化する。PBMCを、100U/ml IL−2(Cellgenix)が補充されたCellgenix DC培地に、1×10
6細胞/mlで再懸濁し、0.2μg/ml αCD3および0.5μg/ml αCD28可溶性抗体で刺激する。次いで、細胞を37℃、5%CO
2において4日間培養する。4日目に、IL−2を含む1mlの新鮮培地を加える。7日目に、形質導入に向けて、細胞を収集し、Cellgenix DC培地に再懸濁する。
【0511】
プラスミドおよびレトロウイルス
SFGベースのプラスミドは、自己切断可能な2A様配列を介して、細胞質シグナル伝達ドメインを欠く切断型ヒトCD19に連結された誘導可能なキメラポリペプチドからなる。1つの反復(interation)において、その誘導可能なキメラポリペプチドは、F36V変異を有し、短いVal−Gluリンカーを介してヒトキメラポリペプチドに接続された、ヒトFK506結合タンパク質(FKBP12;GenBank AH002818)からなる。そのF36V変異は、合成ホモ二量体化剤(homodimerizer)AP20187またはAP1903に対するFKBP12の結合親和性を高める。その2A様配列は、Thosea asigna昆虫ウイルス由来の20アミノ酸ペプチドをコードし、それは、グリシンと末端プロリン残基との間での>99%の切断を媒介して、誘導可能なキメラポリペプチドのC末端に19個の追加のアミノ酸およびCD19のN末端に1つの追加のプロリン残基をもたらす。CD19は、細胞質内ドメインを242アミノ酸から19アミノ酸に短縮し、リン酸化に対する潜在的な部位である保存されたすべてのチロシン残基を除去する、アミノ酸333(TDPTRRF)で切断される、完全長CD19(GenBank NM001770)からなる。
【0512】
テナガザル白血病ウイルス(Gal−V)シュードタイプ化レトロウイルスを産生する安定したPG13クローンを、Phoenix Eco細胞株(ATCC product #SD3444;ATCC,Manassas,VA)をSFGプラスミドで一過性にトランスフェクトすることによって、作製する。これは、Ecoシュードタイプ化レトロウイルスを産生する。そのPG13パッケージング細胞株(ATCC)を、Ecoシュードタイプ化レトロウイルスで3回形質導入することにより、細胞1つあたり複数のSFGプラスミド(plamid)プロウイルス組み込み体を含む産生株を作製する。単一細胞クローニングを行い、最も高い力価をもたらしたPG13クローンを、拡大し、ベクター作製のために使用する。
【0513】
レトロウイルス形質導入
T細胞の活性化および拡大のための培養液は、100U/ml IL−2(Cellgenix)が補充された無血清Cellgenix DC培地(Cellgenix)である。レトロウイルスベクターで形質導入する前の7日間にわたって、T細胞を可溶性抗CD3および抗CD28(Miltenyi Biotec)によって活性化する。必要であれば、ΔCD19の免疫磁気選択を形質導入後の4日目に行い;陽性画分をさらに2日間にわたって拡大し、凍結保存する。
【0514】
遺伝子改変され、同種異系枯渇された(allodepleted)細胞のスケールアップ産生
臨床適用のための形質導入プロセスのスケールアップでは、10mlの抗CD3 0.5μg/mlおよび抗CD28 0.2μg/mlまたは10mlのフィブロネクチン7μg/mlで4℃において一晩コーティングされた、組織培養用に処理されていないT75フラスコ(Nunc,Rochester,NY)を使用する。高細胞粘着性のためにコロナ処理されたフッ化エチレンプロピレンバッグ(2PF−0072AC,American Fluoroseal Corporation,Gaithersburg,MD)も使用する。PBMCを、抗CD3、抗CD28によってコーティングされたフラスコに、100U/ml IL−2が補充された培地中、1×10
6細胞/mlで播種する。レトロウイルス形質導入に向けて、レトロネクチンでコーティングされたフラスコまたはバッグを、10mlのレトロウイルス含有上清で2〜3時間、一度負荷する。活性化T細胞を、レトロウイルスベクター含有新鮮培地と100U/ml IL−2が補充されたT細胞培養液とが3:1の中に1×10
6細胞/mlで播種する。細胞を、翌朝収集し、組織培養用に処理されたT75またはT175フラスコ内、100U/ml IL−2が補充された培養液中で、約5×10
5細胞/ml〜8×10
5細胞/mlの播種密度で拡大する。
【0515】
CD19免疫磁気選択
CD19に対する免疫磁気選択は、1つの例において、形質導入の4日後に行われ得る。細胞を、モノクローナルマウス抗ヒトCD19抗体(Miltenyi Biotech,Auburn,CA)に結合体化された常磁性マイクロビーズで標識し、小規模実験ではMSまたはLSカラムにおいて、および大規模実験ではCliniMacs Plus自動選択デバイスにおいて、選択する。CD19によって選択された細胞を、さらに4日間拡大し、形質導入後の8日目に凍結保存する。これらの細胞は、「遺伝子改変細胞」と称される。
【0516】
免疫表現型分析および五量体解析
フローサイトメトリー解析(FACSCaliburおよびCellQuestソフトウェア;Becton Dickinson)を、以下の抗体を使用して行う:CD3、CD4、CD8、CD19、CD25、CD27、CD28、CD45RA、CD45RO、CD56およびCD62L。CD19−PE(クローン4G7;Becton Dickinson)は、最適な染色をもたらすと見出されており、その後のすべての解析において使用された。形質導入されていないコントロールを、CD19に対するネガティブゲートを設定するために使用する。
【0517】
統計解析
対応のある両側スチューデントt検定を使用して、サンプル間の差の統計的有意性を判定する。すべてのデータを平均値±1標準偏差として表す。
【0518】
実施例16:誘導可能なキメラシグナル伝達分子発現ベクターの構築および評価
ベクターの構築および発現の確認
ヒトFK506結合タンパク質(FKBP)、例えば、FKBP12v36(Fv)に融合されたシグナル伝達分子をコードする、治療薬としての使用に適した発現ベクターを構築する。これらの方法は、1つまたはそれを超える誘導可能なシグナル伝達分子を発現させるためにも使用され得る。誘導可能なCSMは、小分子医薬を使用して二量体化(または多量体化)され得る。誘導可能なCSMをコードする核酸を、リガンド結合ドメインをコードする核酸に融合し、蛍光マーカーであるGFPの発現も可能にする、SFGレトロウイルスベクターまたはpLenti7.3レンチウイルスベクターに挿入する。
【0519】
誘導可能なCSMポリペプチドは、Gly−Ser−Gly−Gly−Gly−SerリンカーとともにCSM配列に連結された、2つ、3つまたはそれを超える、ある特定の実施形態では、2つまたは3つのFK506結合タンパク質(FKBP、例えば、F36V変異を含むFKBP12v36バリアントまたはFKBP12;GenBank AH002818))を含む。レトロウイルスにおいて発現されたときの相同組換えを防ぐために、1つまたはそれを超えるFKBP(F
v2)のアミノ酸配列をコドンゆらぎにする(例えば、各アミノ酸コドンの3番目のヌクレオチドを、元々コードされていたアミノ酸を維持したサイレント変異によって変更する)。すべての構築物を、SFGまたはpLenti7.3にクローニングする。
【0520】
293T細胞を、これらの各構築物でトランスフェクトし、形質導入の48時間後に、マーカー遺伝子GFPまたはΔCD19の発現をフローサイトメトリーによって解析する。GFPまたはΔCD19の発現レベルに加えて、発現された遺伝子産物をウエスタンブロットによって解析することにより、キメラシグナル伝達分子ポリペプチドの発現も確かめる。例えば、共刺激ポリペプチドに結合する抗体が、そのウエスタンブロットのために使用され得る。
【0521】
トランスフェクトされた293T細胞を、アプロチニン、ロイペプチンおよびフッ化フェニルメチルスルホニル(Boehringer,Ingelheim,Germany)を含む溶解緩衝液(50%Tris/Gly、10%ドデシル硫酸ナトリウム[SDS]、4%ベータ−メルカプトエタノール、10%グリセロール、12%水、4%ブロモフェノールブルー0.5%)に再懸濁し、氷上で30分間インキュベートする。30分間の遠心分離の後、上清を収集し、1:2でLaemmli緩衝液(Bio−Rad,Hercules,CA)と混合し、煮沸し、10%SDS−ポリアクリルアミドゲルにローディングする。膜を、ウサギ抗共刺激ポリペプチド免疫グロブリンG(IgG;Affinity BioReagents,Golden,CO;1:500希釈)およびマウス抗GFP IgG(Covance,Berkeley,CA;1:25,000希釈)でプロービングする。次いで、ブロットを、適切なペルオキシダーゼ結合二次抗体に曝露し、タンパク質の発現を、高感度化学発光(ECL;Amersham,Arlington Heights,IL)で検出する。次いで、その膜をストリッピングし、ヤギポリクローナル抗アクチン(Santa Cruz Biotechnology;1:500希釈)でリプロービングすることにより、ローディングの質を調べる。
【0522】
誘導可能なCSM発現構築物の評価
細胞株
がん細胞株LNCaP、PC3、DU145およびA549、ならびにヒト胎児腎細胞株HEK−293Tを、American Type Culture Collection(Rockville,MD)から入手する。細胞を、37℃における5%二酸化炭素(CO
2)を含む加湿雰囲気において、10%ウシ胎児血清(Hyclone,Waltham,MA)および2mM L−グルタミンを含む完全IMDM(Sigma,St Louis,MO)中で維持する。形質導入されたT細胞およびPHA芽球を、100U/ml IL−2(Cellgenix)が補充されたCellgenix DC(Cellgenix)培地中で維持する。
【0523】
T細胞の活性化
拡大および形質導入のためのT細胞の活性化は、可溶性αCD3およびαCD28(Miltenyi Biotec,Auburn,CA)を使用して行われる。PBMCを、100U/ml IL−2(Cellgenix)が補充されたCellgenix DC培地に、1×10
6細胞/mlで再懸濁し、0.2μg/ml αCD3および0.5μg/ml αCD28可溶性抗体で刺激する。次いで、細胞を37℃、5%CO2において4日間培養する。4日目に、IL−2を含む1mlの新鮮培地を加える。7日目に、形質導入に向けて、細胞を収集し、Cellgenix DC培地に再懸濁する。
【0524】
レトロウイルス構築物およびレンチウイルス構築物
PSMA、PSCA、MUC1およびHer2/Neuを標的化するコドン最適化された一本鎖可変フラグメントで構成される誘導可能なCSM(iCSM)およびCAR−CD3ゼータ構築物は、Blue Heron Bio(Bothell,WA)によって合成される。iCSM構築物は、T細胞レセプターのCD28、4−1BBおよびCD3ゼータ鎖を含む共刺激内部ドメインにインフレームで連結されたFKBP12v36ドメインからなる。CAR構築物は、ヒトIgG1−Ch2Ch3ドメインおよびCD3−ゼータ鎖をインフレームで含むscFvフラグメントをクローニングすることによって作製される。iCSM構築物とCAR−CD3ゼータ構築物の両方を、エメラルドGFPを共発現する、SFGレトロウイルス骨格またはpLenti7.3レンチウイルス骨格(Invitrogen)にサブクローニングする。iCSMの刺激作用および共刺激作用、ならびにCAR−CD3ゼータの細胞傷害性の評価を、これらの導入遺伝子をコードするレトロウイルスまたはレンチウイルスでT細胞を個別にまたは同時に形質導入することによって行う。
【0525】
レトロウイルス形質導入
レトロウイルスの一過性の生成のために、GeneJuiceトランスフェクション試薬(Novagen,Madison,WI)を使用して、gag−polおよびRD114エンベロープをコードするプラスミドとともに、iCSM構築物で293T細胞をトランスフェクトする。トランスフェクションの48〜72時間後にウイルスを収集し、急速凍結し、使用するまで−80℃で保存する。レンチウイルスの一過性の生成のために、GeneJuiceを使用して、プラスミドpLP1(gag/pol)、pLP2(rev)およびpLP/VSVG(VSVG env)とともに、iCAR構築物で293T細胞をトランスフェクトする。トランスフェクションの48〜72時間後にウイルスを収集し、急速凍結し、使用するまで−80℃で保存する。大規模なレトロウイルスの生成のために、一過性VSV−Gシュードタイプ化レトロウイルス上清を用いた複数回の形質導入によって、安定なFLYRD18由来レトロウイルス産生株を作製する。導入遺伝子発現が最も高いFLYRD18細胞を、単一細胞ソーティングし、最も高いウイルス力価をもたらすクローンを拡大し、リンパ球形質導入のためのウイルスを作製するために使用する。このクローンの導入遺伝子発現、機能およびレトロウイルス力価を、8週間超にわたる連続培養中、維持する。組織培養用の処理が行われていない24ウェルプレートを、37℃において1時間または4℃において一晩、7μg/ml Retronectin(TakaraBio,Otsu,Shiga,Japan)でコーティングする。それらのウェルを、リン酸緩衝食塩水(PBS)で洗浄し、次いで、37℃において30分間、プレートを1.5mlの上清とともにインキュベートすることによって、レトロウイルス上清でコーティングする。続いて、T細胞芽球を、100U/ml IL−2が補充されたウイルス上清において1ウェルあたり5×10
5細胞でプレーティングする。60時間にわたって形質導入を行う。形質導入後、細胞を収集し、フローサイトメトリーによってCD19またはGFPの発現について表現型分析を行う。
【0526】
iCSM/CARを形質導入されたT細胞の細胞傷害性
形質導入された各T細胞株の細胞傷害活性を、先に提示されたような、標準的な4時間の
51Cr放出アッセイにおいて評価する。iCSM、PSMA CAR−CD3ゼータ、またはiCSMウイルスとCARウイルスの両方で形質導入されたT細胞を、フィトヘマグルチニン(PHA)によって刺激された自家リンパ球(PHA芽球)、LNCaP、PC3またはDU145およびA549癌細胞株、ならびにヒトPSMAを発現するトランスジェニックA549(A549−PSMA)を含む、Cr
51で標識された標的細胞に対して比較する。完全培地または1%Triton X−100(Sigma,St
Louis,MO)中でインキュベートされた標的細胞をそれぞれ自発的なおよび最大の
51Cr放出を決定するために使用する。3つ組ウェルの特異的溶解の平均パーセンテージを、100×(実験による放出−自発的な放出)/(最大放出−自発的な放出)として計算した。クロム放出アッセイに加えて、共培養実験を行う。ここでは、細胞株LNCaP、PC3、DU145、A549およびA549−PSMAを、蛍光性mOrangeを発現するように形質導入し、標的細胞として使用する。mOrangeを発現している腫瘍細胞を、完全培地中、IL−2(50U/ml)の存在下において、形質導入されていないT細胞またはCARによって改変されたT細胞とともに、腫瘍細胞とT細胞とが1:10という比で共培養する。24時間後、iCARを有するT細胞を100nM AP1903で刺激する。72時間後、細胞を捕集し、カウントし、T細胞を検出するためにCD3で標識し、mOrange腫瘍細胞のパーセンテージをフローサイトメトリー(LSRII;BD)によって解析する。
【0527】
iCSMを形質導入されたT細胞の表現型分析および活性化状態
iCARを形質導入されたT細胞の細胞表面の表現型を、以下のモノクローナル抗体を使用して調べる:CD3、CD4、CD8、CD19、CD25、CD27、CD28、CD44、CD45RA、CD45RO、CD62L、CD80、CD83、CD86、CD127、CD134、CD137、HLA−ABCおよびHLA−DR。iCSM刺激剤として10〜100nM AP1903を用いておよび用いずに、表現型分析を行う。適切なアイソタイプマッチコントロールを各実験において使用し、LSRIIフローサイトメーター(BD)を用いて細胞を解析する。抗F(ab’)2(Jackson ImmunoResearch Laboratories,West Grove,PA)を使用して、CARの発現を評価した。
【0528】
iCSMを形質導入されたT細胞のサイトカイン産生の解析
100nM AP1903による刺激の前および後(24時間)のT細胞培養上清中のインターフェロン−γ(IFN−γ)、IL−2、IL−4、IL−5、IL−10および腫瘍壊死因子−α(TNFα)の濃度を、ヒトTh1/Th2サイトカインサイトメトリビーズアレイ(BD Pharmingen)を使用して計測する。培養上清中の誘導されたサイトカイン産生を、製造者の指示書に従って酵素結合免疫吸着測定法(ELISA;R&D Systems,Minneapolis,MN)によって検証する。
【0529】
iCSMを形質導入されたT細胞の増殖
iCSMを介したAP1903誘導性シグナル伝達の増殖効果を、AP1903に曝露した後の、形質導入されたT細胞および形質導入されていないT細胞の細胞成長を計測することによって評価する。T細胞を、37℃において10分間、10μMカルボキシフルオレセインジアセテート、スクシンイミジルエステル(CFSE)で標識する。インキュベーション後、細胞をPBS中で洗浄し、次いで、Cellgenix DC培地に再懸濁する。その後、1×10
6個のCFSEで標識されたiCSM改変T細胞または形質導入されていないT細胞を、Cellgenix DC培地のみにおいて培養するか、または100nM AP1903で刺激する。5日後、細胞を収集し、CD3−PerCP.Cy5.5およびCD19−PEで標識し、CFSE希釈についてフローサイトメトリーによって解析する。
【0530】
可溶性免疫グロブリンがCAR
+Tリンパ球の増殖および拡大に影響するかを評価するために、いかなる外来性サイトカインも加えずに、健常ドナーから得られたヒト血漿の段階希釈物または精製されたヒト免疫グロブリン(Jackson ImmunoResearch)の段階希釈物とともに細胞を1×10
5細胞/ウェルで培養する。72時間後、それらの細胞を、1μCi(0.037MBq)メチル−
3[H]チミジン(Amersham Pharmacia Biotech,Piscataway,NJ)でパルスし、さらに15時間培養する。次いで、それらの細胞を、フィルター上に収集し、乾燥させ、毎分のカウント数を、β−シンチレーションカウンター(TriCarb 2500 TR;Packard BioScience,Meridien,CT)において計測する。これらの実験は、3つ組で行う。他の実験では、コントロールおよびCAR
+Tリンパ球を、培地のみ、または血漿もしくは精製された免疫グロブリンの段階希釈物を1日おきに加える培地を用いて培養する。次いで、トリパンブルー排除を用いて細胞を2日おきにカウントする。
【0531】
インビボ実験
6〜8週齢の非肥満糖尿病重症複合免疫不全(NOD/SCID)マウスを照射し(250rad)、Matrigel(BD Bioscience)に再懸濁された10×10
6〜15×10
6個のLNCaP腫瘍細胞を、そのマウスの右側腹部の皮下に注射する。2週間後、直径がおよそ0.5cmの腫瘍を有するマウスの尾静脈に、形質導入されていないT細胞またはiCSM/CARを形質導入されたT細胞(合計15×10
6個)を注射した。それらのマウスを、ランダムに2群に分ける:T細胞を拡大するために、1群には、CID(50〜125μg AP1903、腹腔内、1週間に2回)を投与し、もう1群には、キャリアのみ(16.7%プロパンジオール、22.5%PEG400および1.25%Tween80、腹腔内、1週間に2回)を投与する。21日間にわたるノギス計測によって、腫瘍の成長についてマウスを評価する。末梢血サンプルを、7、14および21日目に後眼窩出血によって採取することにより、ヒトCD3/ヒトCD19発現T細胞に対するフローサイトメトリー解析を用いて、iCSMまたはコントロールT細胞の残留および拡大を計測する。
【0532】
iCSMを形質導入されたT細胞の特色のインビボにおける評価
誘導可能なCSMの発現が、T細胞の特色を変化させないことを確実にするために、形質導入されていないまたは非機能性の誘導可能なCAR(PSMA CAR−CD3ゼータのみ)の表現型、抗原特異性、増殖能および機能を、iCSM/CARを形質導入されたT細胞と比較する。形質導入された細胞および形質導入されていない細胞におけるCD4
+、CD8
+、CD56
+およびTCRα/β
+細胞の数を比較し、IFN−γ、TNFα、IL−10、IL−4、IL−5およびIL−2を含むサイトカインの産生産生も同様に比較する。指数関数的に増えるCTLの成長の特色、ならびに増殖に対する抗原およびIL−2への依存性を評価し、抗原刺激の際のタイプT
H1およびT
H2サイトカインの表現型データおよび分泌データも同様に評価する。
【0533】
実施例17:治療のためのヒト細胞における誘導可能なCSMの使用
発現構築物、およびヒト細胞においてその発現構築物を使用する方法が、この実施例に提示される。
【0534】
材料および方法
遺伝子改変されたT細胞の大規模産生
T細胞は、標準的な方法を用いて健常志願者から作製される。簡潔には、健常ドナーまたはがん患者由来の末梢血単核球(PBMC)を、可溶性αCD3およびαCD28(Miltenyi Biotec,Auburn,CA)を使用して、拡大および形質導入のために活性化する。PBMCを、100U/ml IL−2(Cellgenix)が補充されたCellgenix DC培地に、1×106細胞/mlで再懸濁し、0.2μg/ml αCD3および0.5μg/ml αCD28可溶性抗体で刺激する。次いで、細胞を37℃、5%CO2において4日間培養する。4日目に、IL−2を含む1mlの新鮮培地を加える。7日目に、形質導入に向けて、細胞を収集し、Cellgenix DC培地に再懸濁する。
【0535】
プラスミドおよびレトロウイルス
SFGプラスミドは、切断可能な2A様配列を介して切断型ヒトCD19に連結された誘導可能なCSMからなる。その誘導可能なCSMは、F36V変異を有し、Ser−Gly−Gly−Gly−Serリンカーを介してヒトCSMに接続された、ヒトFK506結合タンパク質(FKBP12;GenBank AH002818)からなる。そのF36V変異は、合成ホモ二量体化剤(homodimerizer)AP20187またはAP1903に対するFKBP12の結合親和性を高める。その2A様配列は、Thosea asigna昆虫ウイルス由来の20アミノ酸ペプチドをコードし、それは、グリシンと末端プロリン残基との間での>95%の切断を媒介して、iCSMのC末端に19個の追加のアミノ酸およびCD19のN末端に1つの追加のプロリン残基をもたらす。CD19は、細胞質内ドメインを242アミノ酸から19アミノ酸に短縮し、リン酸化に対する潜在的な部位である保存されたすべてのチロシン残基を除去する、アミノ酸333(TDPTRRF)で切断される、完全長CD19(GenBank NM001770)からなる。
【0536】
テナガザル白血病ウイルス(Gal−V)シュードタイプ化レトロウイルスを産生するPG13ベースの安定したクローンを、Phoenix Eco細胞株(ATCC product #SD3444;ATCC,Manassas,VA)をSFGプラスミドで一過性にトランスフェクトすることによって、作製する。これは、Ecoシュードタイプ化レトロウイルスを産生する。そのPG13パッケージング細胞株(ATCC)を、Ecoシュードタイプ化レトロウイルスで3回形質導入することにより、細胞1つあたり複数のSFGプラスミドプロウイルス組み込み体を含む産生株を作製する。単一細胞クローニングを行い、最も高い力価をもたらしたPG13クローンを、拡大し、ベクター作製のために使用する。
【0537】
レトロウイルス形質導入
T細胞の活性化および拡大のための培養液は、100U/ml IL−2(Cellgenix)が補充された無血清Cellgenix DC培地(Cellgenix)である。レトロウイルスベクターで形質導入する前の7日間にわたって、T細胞を可溶性抗CD3および抗CD28(Miltenyi Biotec)によって活性化する。必要であれば、ΔCD19の免疫磁気選択を形質導入後の4日目に行い;陽性画分をさらに2日間にわたって拡大し、凍結保存した。
【0538】
遺伝子改変され、同種異系枯渇された細胞のスケールアップ産生
臨床適用のための形質導入プロセスのスケールアップでは、10mlの抗CD3 0.5μg/mlおよび抗CD28 0.2μg/mlまたは10mlのフィブロネクチン7μg/mlで4℃において一晩コーティングされた、組織培養用に処理されていないT75フラスコ(Nunc,Rochester,NY)を使用する。高細胞粘着性のためにコロナ処理されたフッ化エチレンプロピレンバッグ(2PF−0072AC,American Fluoroseal Corporation,Gaithersburg,MD)も使用する。PBMCを、抗CD3、抗CD28によってコーティングされたフラスコに、100U/ml IL−2が補充された培地中、1×10
6細胞/mlで播種する。レトロウイルス形質導入に向けて、レトロネクチンでコーティングされたフラスコまたはバッグを、10mlのレトロウイルス含有上清で2〜3時間、一度負荷する。活性化T細胞を、レトロウイルスベクター含有新鮮培地と100U/ml IL−2が補充されたT細胞培養液とが3:1の比の中に1×10
6細胞/mlで播種する。細胞を、翌朝収集し、組織培養用に処理されたT75またはT175フラスコ内、100U/ml IL−2が補充された培養液中で、約5×10
5細胞/ml〜8×10
5細胞/mlの播種密度で拡大する。
【0539】
CD19免疫磁気選択
CD19に対する免疫磁気選択は、例えば、形質導入の4日後に行われ得る。細胞を、モノクローナルマウス抗ヒトCD19抗体(Miltenyi Biotech,Auburn,CA)に結合体化された常磁性マイクロビーズで標識し、小規模実験ではMSまたはLSカラムにおいて、および大規模実験ではCliniMacs Plus自動選択デバイスにおいて、選択する。CD19によって選択された細胞を、さらに4日間拡大し、形質導入後の8日目に凍結保存する。これらの細胞は、「遺伝子改変細胞」と称される。
【0540】
免疫表現型分析および五量体解析
フローサイトメトリー解析(FACSCaliburおよびCellQuestソフトウェア;Becton Dickinson)を、以下の抗体を使用して行う:CD3、CD4、CD8、CD19、CD25、CD27、CD28、CD45RA、CD45RO、CD56およびCD62L。CD19−PE(クローン4G7;Becton Dickinson)は、最適な染色をもたらすと見出されており、その後のすべての解析において使用された。形質導入されていないコントロールを、CD19に対するネガティブゲートを設定するために使用する。CAR発現を、抗F(ab’)2(Jackson ImmunoResearch Laboratories,West Grove,PA)を使用して評価する。
【0541】
統計解析
対応のある両側スチューデントt検定を使用して、サンプル間の差の統計的有意性を判定する。すべてのデータを平均値±1標準偏差として表す。
【0542】
実施例18:AP1903依存性T細胞活性化の測定
目的:2つのFKBPv36分子に連結されたシグナル伝達分子をコードするレトロウイルスベクターで初代T細胞を形質導入することにより、そのT細胞のAP1903活性化を可能にすること。この実験では、二量体化に応答したサイトカインの産生を、マルチプレックスサイトカインビーズアレイを使用して計測した。
【0543】
方法:
誘導可能なT細胞分子のデザインおよびクローニング:
1.2つのSFGベースのレトロウイルスベクターを、Gibsonクローニングによって構築した(ここで、PCR産物を、pAd1127−02−iMCから増幅し、LFv1.Fv2L DNAフラグメントの代わりにpBP0320−SFG−Myr.LFv1.Fv2L.2A.ΔCD19構築物に挿入した)。
【0544】
a.第1のベクターにおいて、増幅されるPCR産物は、Fv’Fvであるか、またはFKBPv36フラグメントだけをレトロウイルス骨格に挿入した場合、XhoIおよびSalI部位においてLFv1.Fv2Lを置き換えた。このベクターは、pBP0171−SFG−Myr.Fv’.Fv.2A.ΔCD19と呼ばれ、いかなるT細胞シグナル伝達分子も有しないコントロールベクターである。
【0545】
b.第2のベクターにおいて、増幅されるPCR産物は、MyD88/CD40.Fv’.Fv(またはiMCnoE)だった。これを、LFv1.Fv2L DNA配列の代わりに、XhoIおよびSalI制限酵素認識部位においてpBP0320プラスミドに挿入した。このベクターは、pBP0172−SFG−Myr.iMCnoE.2A.ΔCD19と呼ばれる。「noE」という接尾辞は、このiMC DNAが、エピトープタグをコードしないことを示す。
【0546】
レトロウイルスの産生:
2.一過性のトランスフェクション法によってレトロウイルスを作製し、ここで、HEK293T細胞を以下のプラスミドでトランスフェクトした:a.SFGレトロウイルスプラスミド(pBP0171またはpBP0172;それぞれRV−171またはRV−172)b.レトロウイルスエンベローププラスミド(RD114)c.Gag/polプラスミド(pEQ−PAM−E)。
【0547】
3.48および72時間で、複製欠損レトロウイルスを含むトランスフェクトされた細胞からの上清を捕集し、ドライアイス/エタノールにおいて急速凍結し、T細胞の形質導入まで−80℃で保存した。
【0548】
4.初代T細胞を形質導入するために、健常ドナー由来のPBMCを、100U/ml
IL−2が補充されたT細胞増殖培地中において、抗CD3抗体および抗CD28抗体で活性化した。3日後、T細胞を活性化し、収集し、レトロウイルス形質導入の準備を整えた。それらのT細胞を形質導入するために、まず、組織培養用に処理されていないプレートを4℃において一晩、Retronectinでコーティングした。次いで、Retronectinを除去し、プレートをPBSで洗浄した。次いで、レトロウイルス上清を、Retronectinプレートをコーティングするために使用した。次いで、活性化T細胞をウェルに加え、プレートを遠心分離することにより、ウイルス粒子の結合および形質導入を促進した。48時間後、それらのT細胞を収集し、CD3とCD19との共発現についてフローサイトメトリーによって解析することにより、ウイルスの形質導入効率を決定した。
【0549】
AP1903によって誘導されたT細胞活性化の、サイトカイン産生による解析:
5.T細胞のAP1903依存性T細胞活性化を評価するために、1×10
5個の形質導入されていない(NT)T細胞またはコントロールレトロウイルス(RV−171)もしくはiMCを含むレトロウイルス(RV−172)で形質導入されたT細胞を、96ウェルプレートに3つ組でプレーティングし、培地のみまたは10nM AP1903を含む培地を用いて37℃、5%CO
2において培養した。
【0550】
6.24時間後、それらの細胞を静かに混合し、プレートを遠心分離した。次いで、上清を捕集し、以下のサイトカインおよびケモカインを計測するBio−Plex Human Cytokine/Chemokine 27−plexプレートにプレーティングした:
a.塩基性FGF、G−CSF、GM−CSF、IFN−ガンマ、IL−1Ra、IL−1ベータ、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−8、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−12p70、IL−13、IL−15、IL−17RA、エオタキシン、IP10、MCP−1、MIP−1アルファ、MIP−1ベータ、PDGF−bb、RANTES、TNF−アルファおよびVEGF。
【0551】
b.続いて、Bio−Plex MAGPIX Multiplex Readerを使用して、上清中のサイトカインおよびケモカインを計測し、そのプレートにおける標準物質と比較した。
【0552】
結果:
形質導入効率:
1.2人の健常ドナー由来のT細胞を、レトロウイルスで形質導入し、48時間後、CD3
+CD19
+共発現についてフローサイトメトリーによって決定された効率は、以下のとおりだった:
a.ドナー063
i.NT=6.54%
ii.RV−171=73.9%
iii.RV−172=54.6%
b.ドナー707
i.NT=2.16%
ii.RV−171=85.2%
iii.RV−172=73.6% 。
【0553】
2.形質導入は、ベクターとドナーの両方についてかなり高かったことから、それらがHEK293T細胞にとって有毒でないことおよびウイルス力価が良好であることが示唆された。
【0554】
サイトカイン/ケモカインの産生
3.サイトカインおよびケモカインの分泌の解析から、AP1903二量体化に対する顕著な依存性が示された。T細胞によって産生された以下のサイトカインおよびケモカインは、24時間にわたって誘導を示したが、コントロールベクターで形質導入されたT細胞または形質導入されていないT細胞からは誘導されなかった:
a.GM−CSF、IFN−ガンマ、IL−13、IL−4、IL−5、IL−6、IL−8、IL−1ベータ、IL−12p70、IP10、MIP−1アルファ、MIP−1ベータ、RANTESおよびTNF−アルファ。
【0555】
4.さらに、他のサイトカインおよびケモカインは、iMCのAP1903活性化によって誘導されないとみられた。これらには、以下が含まれる:
a.塩基性FGF、G−CSF、IL−1Ra、IL−2、IL−7、IL−9、IL−10、IL−15、IL−17RA、エオタキシン、MCP−1、PDGF−bbおよびVEGF。
【0556】
ある特定の結果は、
図66〜74にも示される。NT=形質導入されていない活性化T細胞
RV0171=SFG−Myr.Fv’.Fv.2A.ΔCD19;RV0172=SFG=Myr.MyD88/CD40.Fv’.Fv.2A.ΔCD19。
【0557】
T細胞を、10nM AP1903で24時間刺激し、次いで、上清をサイトカインレベルについてアッセイした。
【0558】
実施例19:AP1903依存性のT細胞の細胞傷害性の計測:
目的:2つのFKBPv36分子に連結されたシグナル伝達分子をコードするレトロウイルスベクターで初代T細胞を形質導入することにより、そのT細胞のAP1903活性化を可能にすること。この実験では、AP1903活性化の2つの態様を調べた。第1に、T細胞が、腫瘍細胞の近位に存在する場合、それらの活性化によって腫瘍細胞の殺傷が誘導されるのか?第2に、T細胞が、AP1903を介して活性化される場合、それらは増殖するのか?
方法:
誘導可能なT細胞分子のデザインおよびクローニングならびにレトロウイルスの産生
1.方法は、上記の実施例4において論じられた方法と本質的に同じである。同じ細胞をこのアッセイのために使用した。
【0559】
GFPによってマークされたCAPAN−1(膵臓腺癌)細胞株の作製:
2.CAPAN−1をATCCから購入した。続いて、EGFP/ホタルルシフェラーゼ融合タンパク質に対する遺伝子、ならびに安定にトランスフェクトされた細胞が、G418抗生物質とともに培養することによって長い時間にわたって選択されるのを可能にするネオマイシン耐性遺伝子を含むpBP0168−pcDNA3.1−EGFPlucプラスミドによるトランスフェクションによって、その細胞株を遺伝子改変した。培養後、高いGFP発現を有するクローンを選択し、>95%GFPを有する細胞株が得られるまで継代培養した。
【0560】
iMC対応(enabled)T細胞とCAPAN−1腫瘍細胞との共培養:
3.形質導入されていないT細胞またはRV−171(コントロールベクター)もしくはRV−172(iMCベクター)で形質導入された細胞を、10nM AP1903ありまたはなしで50U/ml IL−2が補充された培地中においてT細胞と腫瘍細胞とが5:1の比で培養した。次いで、共培養物を37℃および5%CO
2において72時間インキュベートした。続いて、蛍光顕微鏡法によって、および0.25%トリプシン/EDTAを用いて培養物を収集し、培養物中のGFP
+CD3
−腫瘍細胞の頻度をフローサイトメトリーによって計測することによって、GFP
+腫瘍細胞の存在について培養物を解析した。
【0561】
結果:
4.共培養物のウェルを調べたところ、両方のドナーにおいて、AP1903で刺激されたRV−172(iMC含有ベクター)で形質導入されたT細胞は、大きなT細胞芽球コロニーによって明らかであるように、増殖していることが明らかだった。さらに、蛍光顕微鏡法によって、AP1903を投与されたRV−172を形質導入されたT細胞を含む共培養物は、非常に少ない生存可能なGFP
+腫瘍細胞しか示さなかった。これらの最初の観察の後、T細胞および腫瘍細胞を収集し、フローサイトメトリーによって解析することにより、残存しているCAPAN−1 GFP
+腫瘍細胞の頻度を決定した。
【0562】
5.顕微鏡法によって観察されたように、フローサイトメトリーは、AP1903によって処理された、iMCを形質導入された(RV−172)T細胞を含む共培養物におけるAP1903の明白な効果を示した。GFP
+腫瘍細胞の減少は、この条件だけで生じ、コントロールベクターで形質導入されたT細胞では生じず、二量体化剤を投与されなかったRV−172で形質導入されたT細胞ではより低い程度でしか生じなかった。
【0563】
6.まとめると、これらのデータから、T細胞におけるiMCの活性化が、T細胞の殺傷を誘導することができ、AP1903によって処理されたT細胞の増殖を誘導することが示唆される。集合的には、サイトカイン/ケモカイン産生に関する本発明者らの知見とともに、これらのデータは、iMCが、T細胞において活性化され得ること、およびiMC二量体化の際にT細胞がそのエフェクター機能を保持し、高めることを示す。
【0564】
ある特定の結果は、
図75〜78にも示される。
【0565】
実施例20:エキソビボにおけるT細胞の活性化およびヒト被験体への投与
ヒトを治療するために、改変されたT細胞を使用する方法が、この実施例に提示される。この実施例では、共刺激ポリペプチドの細胞質領域は、CD40およびMyD88に由来する。これらの方法は、他の細胞、例えば、NKおよびNKT細胞など、ならびに腫瘍浸潤リンパ球に対して適合され得、本明細書中で論じられるような他の共刺激ポリペプチド細胞質領域を含むキメラ共刺激ポリペプチドに対しても適合され得る。
【0566】
材料および方法
遺伝子改変されたT細胞の大規模産生
T細胞は、標準的な方法を用いて健常志願者から作製される。簡潔には、健常ドナーまたはがん患者由来の末梢血単核球(PBMC)を、可溶性αCD3およびαCD28(Miltenyi Biotec,Auburn,CA)を使用して、拡大および形質導入のために活性化する。PBMCを、100U/ml IL−2(Cellgenix)が補充されたCellgenix DC培地に、1×10
6細胞/mlで再懸濁し、0.2μg/ml αCD3および0.5μg/ml αCD28可溶性抗体で刺激する。次いで、細胞を37℃、5%CO2において4日間培養する。4日目に、IL−2を含む1mlの新鮮培地を加える。7日目に、形質導入に向けて、細胞を収集し、Cellgenix DC培地に再懸濁する。
【0567】
プラスミドおよびレトロウイルス
SFGプラスミドは、切断可能な2A様配列を介して切断型ヒトCD19に連結された誘導可能なキメラポリペプチドからなる。その誘導可能なキメラポリペプチドは、F36V変異を有し、Ser−Gly−Gly−Gly−Serリンカーを介してヒトキメラポリペプチドに接続された、ヒトFK506結合タンパク質(FKBP12;GenBank AH002818)からなる。そのF36V変異は、合成ホモ二量体化剤AP20187またはAP1903に対するFKBP12の結合親和性を高める。その2A様配列は、Thosea asigna昆虫ウイルス由来の20アミノ酸ペプチドをコードし、それは、グリシンと末端プロリン残基との間での>99%の切断を媒介して、誘導可能なキメラポリペプチドのC末端に19個の追加のアミノ酸およびCD19のN末端に1つの追加のプロリン残基をもたらす。CD19は、細胞質内ドメインを242アミノ酸から19アミノ酸に短縮し、リン酸化に対する潜在的な部位である保存されたすべてのチロシン残基を除去する、アミノ酸333(TDPTRRF)で切断される、完全長CD19(GenBank NM001770)からなる。
【0568】
テナガザル白血病ウイルス(Gal−V)シュードタイプ化レトロウイルスを産生する安定したPG13クローンを、Phoenix Eco細胞株(ATCC product #SD3444;ATCC,Manassas,VA)をSFGプラスミドで一過性にトランスフェクトすることによって、作製する。これは、Ecoシュードタイプ化レトロウイルスを産生する。そのPG13パッケージング細胞株(ATCC)を、Ecoシュードタイプ化レトロウイルスで3回形質導入することにより、細胞1つあたり複数のSFGプラスミド(plamid)プロウイルス組み込み体を含む産生株を作製する。単一細胞クローニングを行い、最も高い力価をもたらしたPG13クローンを、拡大し、ベクター作製のために使用する。
【0569】
レトロウイルス形質導入
T細胞の活性化および拡大のための培養液は、100U/ml IL−2(Cellgenix)が補充された無血清Cellgenix DC培地(Cellgenix)である。レトロウイルスベクターで形質導入する前の7日間にわたって、T細胞を可溶性抗CD3および抗CD28(Miltenyi Biotec)によって活性化する。必要であれば、ΔCD19の免疫磁気選択を形質導入後の4日目に行い;陽性画分をさらに2日間にわたって拡大し、凍結保存する。
【0570】
遺伝子改変され、同種異系枯渇された細胞のスケールアップ産生
臨床適用のための形質導入プロセスのスケールアップでは、10mlの抗CD3 0.5μg/mlおよび抗CD28 0.2μg/mlまたは10mlのフィブロネクチン7μg/mlで4℃において一晩コーティングされた、組織培養用に処理されていないT75フラスコ(Nunc,Rochester,NY)を使用する。高細胞粘着性のためにコロナ処理されたフッ化エチレンプロピレンバッグ(2PF−0072AC,American Fluoroseal Corporation,Gaithersburg,MD)も使用する。PBMCを、抗CD3、抗CD28によってコーティングされたフラスコに、100U/ml IL−2が補充された培地中、1×10
6細胞/mlで播種する。レトロウイルス形質導入に向けて、レトロネクチンでコーティングされたフラスコまたはバッグを、10mlのレトロウイルス含有上清で2〜3時間、一度負荷する。活性化T細胞を、100U/ml IL−2が補充された、3:1の比のレトロウイルスベクター含有新鮮培地およびT細胞培養培地中に1×10
6細胞/mlで播種する。細胞を、翌朝収集し、組織培養用に処理されたT75またはT175フラスコ内、100U/ml IL−2が補充された培養培地中で、約5×10
5細胞/ml〜8×10
5細胞/mlの播種密度で拡大する。
【0571】
CD19免疫磁気選択
CD19に対する免疫磁気選択は、例えば、形質導入の4日後に行われ得る。細胞を、モノクローナルマウス抗ヒトCD19抗体(Miltenyi Biotech,Auburn,CA)に結合体化された常磁性マイクロビーズで標識し、小規模実験ではMSまたはLSカラムにおいて、および大規模実験ではCliniMacs Plus自動選択デバイスにおいて、選択する。CD19によって選択された細胞を、さらに4日間拡大し、形質導入後の8日目に凍結保存する。これらの細胞は、「遺伝子改変細胞」と称される。
【0572】
実施例21:白血病患者の処置
本願の方法を使用して、進行した治療抵抗性白血病を有する白血病患者を処置する本実施例は、他の状態または疾患、例えば、他の過剰増殖性疾患または固形腫瘍などにも適用され得る。これらの方法は、標的抗原に応じて一本鎖可変フラグメントが変化し得るという理解の下で、本質的には論じられるように使用され得る。
【0573】
T細胞を、キメラシグナル伝達分子をコードするポリヌクレオチドを含む核酸で形質導入する。それらのT細胞を、キメラ抗原レセプターをコードするポリヌクレオチドを含む核酸でも形質導入する。誘導可能なキメラシグナル伝達分子の例としては、CD28ポリペプチド細胞質刺激領域および4−1BBポリペプチド細胞質シグナル伝達領域を含む、
図41に示されるものが挙げられるが、これらに限定されない。誘導可能なキメラシグナル伝達分子は、CD3ゼータポリペプチドも含み得る。キメラ抗原レセプターは、CD19を認識する一本鎖可変フラグメントを含む。
【0574】
患者は、リンパ球枯渇の前処置を受けた後、形質導入されたCD19標的化T細胞を投与される。それらのT細胞は、自家、同種異系または非同種異系であり得る。それらのT細胞を投与した後、キメラシグナル伝達分子を誘導することによってCD19標的化T細胞を拡大するために、リガンド誘導物質をその患者に投与する。その用量は、例えば、毎日、1週間に2回、または毎週、提供され得る。腫瘍細胞のレベルをモニターし、リガンド誘導物質、例えば、AP1903の投薬スケジュールを腫瘍細胞の負荷に基づいて調整する。制御されない速すぎる速度のT細胞の拡大、活性化および腫瘍細胞殺傷は、不必要に患者を害するより重度のサイトカインストーム(cytoking storm)をもたらし得るという懸念を理由に、投薬スケジュールは、毒性を限定し、患者に対して多大な害を引き起こさず、例えば、患者を病院の集中治療室の外で維持する速度で完全な回復を達成するようにデザインされる。いったん患者が完全な回復を達成し、決定されるある特定の長さの時間、例えば、1ヶ月間、3ヶ月間、6ヶ月間にわたって疾患の無いままになると、AP1903の投与は、停止される。処置の後、リガンド誘導物質の非存在下において、CD19標的化T細胞の数は、減少する。少数の静止状態のCD19標的化T細胞の生存を可能にする低レベルの基底のシグナル伝達が、存在し得る。リガンド誘導物質なしでは、これらの細胞は、不活性のままであり、正常なB細胞の回復が可能となる。将来の任意の時点において、患者が、白血病の再発を起こした場合、リガンド誘導物質であるAP1903の投与を再開することにより、CD19標的化T細胞が再活性化し、その患者において完全奏効が再誘導される。複数の再発の場合には、この追加の投与は、2回以上繰り返されてもよい。
【0575】
実施例22:CARを形質導入されたT細胞におけるiMC活性の計測:
目的:2つのFKBPv36分子に連結されたシグナル伝達分子をコードするレトロウイルスベクターで初代T細胞を形質導入することにより、そのT細胞のAP1903活性化を可能にすること。この実験は、切断型MyD88およびCD40ポリペプチドを含む誘導可能な共刺激分子が、CAPAN−1腫瘍細胞上に高度に発現される前立腺幹細胞抗原(PSCA)を認識するCARで形質導入されたT細胞によるGFP改変CAPAN−1(膵臓腺癌)細胞の殺傷を改善するかを調べるためにデザインされる。
【0576】
方法:
誘導可能なT細胞分子のデザインおよびクローニング:
1.T細胞の形質導入は、RV−172(SFG−Myr.MyD88/CD40.Fv.Fv’.2A.ΔCD19)およびRV−89(SFG.PSCAscFv.CH2CH3.CD28.ゼータ)を用いて行う。そのscFvは、ヒト化モノクローナル抗体1G8(US2012077962A1におけるヒト化抗PSCAから得られる)由来のscFvを使用してPSCAを標的化する。これは、ヒトIgG1のCH2CH3領域に連結され、それは続いて、その分子の膜貫通部分と細胞質部分の両方を含むCD28に連結される。CD28は、CD3ゼータの細胞質部分に連結される。
【0577】
レトロウイルスの産生:
2.本質的には、前の実施例と同じである。
【0578】
GFPによってマークされたCAPAN−1(膵臓腺癌)細胞株の作製:
3.CAPAN−1をATCCから購入する。続いて、EGFP/ホタルルルシフェリン融合タンパク質に対する遺伝子、ならびに安定にトランスフェクトされた細胞が、G418抗生物質とともに培養することによって長い時間にわたって選択されるのを可能にするネオマイシン耐性遺伝子を含むpBP0168−pcDNA3.1−EGFPlucによるトランスフェクションによって、その細胞株を遺伝子改変する。培養後、高いGFP発現を有するクローンを選択し、>95%GFPを有する細胞株が得られるまで継代培養する。
【0579】
iMC対応T細胞とCAPAN−1腫瘍細胞との共培養:
4.形質導入されていないT細胞またはRV−89(PSCA CAR)およびRV−172(iMCベクター)で共形質導入されたT細胞を、10nM AP1903ありまたはなしで50U/ml IL−2が補充された培地中においてT細胞と腫瘍細胞とが5:1の比で培養する。次いで、共培養物を37℃および5%CO
2において72時間インキュベートする。続いて、蛍光顕微鏡法によって、および0.25%トリプシン/EDTAを用いて培養物を回収し、培養物中のGFP
+CD3
−腫瘍細胞の頻度をフローサイトメトリーによって計測することによって、GFP
+腫瘍細胞の存在について培養物を解析する。
【0580】
結果:
1.培養物を蛍光顕微鏡法によって調べることにより、誘導可能な共刺激分子およびキメラ抗原レセプターを形質導入されたT細胞を含むウェルおよびAP1903を投与されたウェルにおける腫瘍細胞殺傷の改善を評価する。
【0581】
2.フローサイトメトリーを使用して、トリプシン処理後の培養物中のGFP
+細胞を解析することにより、AP1903がこの短い培養期間(72時間)において腫瘍細胞数の減少に寄与するかを判定する。培養の時間は、およそ5日間まで延長され得る。フローサイトメトリーのプロットは、5:1の比において、両方のウイルスで形質導入され、AP1903を投与されたウェル内のGFP
+細胞の減少を示し得る。
【0582】
3.残存している生存可能なCAPAN−1−GFP細胞を、AP1903なしのNT
T細胞の条件に正規化することにより、腫瘍細胞殺傷に対するiMC活性化の効果が示される。
【0583】
実施例23:特定の核酸配列およびアミノ酸配列の例
【0584】
【化22】
【0585】
【化23-1】
【0586】
以下は、キメラ抗原レセプター(CAR)配列に対するヌクレオチド配列およびアミノ酸配列の例である(順番に、scFvフラグメントなしで)。
【0587】
【化23-2】
【0588】
【化24】
【0589】
【化25】
【0590】
【化26】
【0591】
【化27】
【0592】
実施例24:誘導可能なMyD88/CD40キメラポリペプチドに対するさらなる配列
【0593】
【化28】
【0594】
【化29】
【0595】
【化30】
【0596】
【化31】
【0597】
【化32】
【0598】
Her2/Neuに結合するキメラ抗原レセプターをコードするプラスミドインサートの例を下記に提供する。そのキメラ抗原レセプターは、共刺激ポリペプチド(例えば、CD28、OX40および4−1BBであるがこれらに限定されない)を含めることによってさらに改変され得る。
【0599】
【化33】
【0600】
【化34】
【0601】
【化35】
【0602】
【化36】
【0603】
実施例25:誘導可能なMyD88、CD40またはMyD88/CD40を用いた初代T細胞の活性化
図41は、誘導可能なMyD88、CD40およびMyD88/CD40キメラポリペプチドの模式図を提供している。MyD88、CD40または両方の分子が、潜在的なキメラ抗原レセプター構築物に内部ドメインとして含められるべきであるかを調べるために、AP1903結合ドメインのみを含む(Fv’Fv)か、またはMyD88(iMyD88)、CD40(iCD40)もしくはMyD88とCD40の両方(iMC)と遺伝的に融合されている、4つの異なるベクターをデザインした(
図41a)。CD3/CD28によって活性化されたT細胞に形質導入し、各ベクターの形質導入効率を、CD3T細胞の表面上のCD19のフローサイトメトリー検出(CD3
+CD19
+)によって測定したところ、各レトロウイルスは、初代T細胞において、形質導入されていないT細胞と比べて十分に発現されたことが示された(57%〜95%)(
図41b)。次いで、AP1903への曝露の後にiMyD88、iCD40またはiMCがT細胞を活性化する能力を、ELISAによってIFN−γおよびIL−6の産生を測定することによってアッセイした。iMCを形質導入されたT細胞だけが、AP1903活性化の後にかなりの量のIFN−γとIL−6の両方を産生したことが観察されたのに対し、NT、iMyD88およびiCD40のいずれもがサイトカイン産生を示さなかった(
図41cおよびd)。これらのデータから、MyD88およびCD40が、ヒトT細胞において活性化シグナル伝達分子として相乗作用を示すこと、およびCAR分子が、複合のMCシグナル伝達ドメインを含めることの恩恵を受けるはずであることが示唆される。
【0604】
MyD88、CD40または両方の構成要素が、iMC分子を用いた最適なT細胞刺激のために必要とされるかを調べるために、一連の実験を行った。MyD88とCD40のいずれもが、サイトカインの産生(IL−2およびIL−6)によって測定されたとき、T細胞の活性化を十分に誘導できなかったが、単一の融合タンパク質として組み合わされたときは、強力なT細胞の活性化を誘導することができたことが観察された(
図41)。
【0605】
生存および成長の利点は別として、MCによって誘導される共刺激は、CARによって改変されたT細胞にさらなる機能も提供し得る。Medzhitovらは、最近になって、MyD88のシグナル伝達がTh1とTh17の両方の応答に欠かせないこと、およびそれが、IL−1を介して作用することにより、CD4
+T細胞を、制御性T細胞(Treg)によって駆動される阻害に対して耐性にすることを実証した。iMCを用いた実験は、IL−1αおよびβがAP1903活性化の後に分泌されることを示す。さらに、Martinらは、CD8
+T細胞におけるRas、PI3Kおよびタンパク質キナーゼCを介したCD40シグナル伝達が、CD4
+CD25
+Treg細胞を溶解する細胞傷害性メディエーターであるグランザイムおよびパーフォリンのNF−κB依存性誘導をもたらすことを実証した。したがって、MyD88とCD40との同時活性化は、CAR−T細胞を、固形腫瘍および他のタイプのがんの処置において非常に重要であり得る機能であるTreg細胞の免疫抑制効果に対して耐性にし得る。
【0606】
誘導可能なMyD88/CD40キメラ刺激分子は、例えばscFvポリペプチドおよびCD3−ζ鎖を含み得るCARとともに、細胞において発現され得る。この方法では、iCSM分子は、CARと組み合わせて使用され、それにより、CARシグナル伝達が2つの別個の機能に分離される。CARによって提供されるこの第2の機能は、操作されたT細胞に対して抗原特異的細胞傷害をもたらす。例えば、PSMAに対して特異性を有するCARは、誘導可能なMyD88/CD40キメラ刺激分子とともにT細胞において発現され得る。また、誘導可能なMyD88/CD40 CSMおよびCARの一部は、同じベクターにおけるcisでまたは別個のベクターにおけるtransで細胞にトランスフェクトされ得るかまたは形質導入され得る。したがって、それらの2つのポリペプチドは、2つの核酸、例えば、2つのプラスミドまたは2つのウイルスを用いて発現され得、それらのT細胞は、例えば、2回トランスフェクトされ得るか、または特定の実施形態では、それらの2つの核酸が、コトランスフェクトされ得る。他の実施形態において、それらの2つのポリペプチドは、1つの核酸として、例えば、同じプラスミドまたはウイルスにおいて、発現され得る。その核酸は、それらの2つのポリペプチドを、2つの別個のプロモーター(1つはCAR用であり、もう1つはiCSM用である)を用いて発現し得る。または、他の実施形態において、それらの2つのポリペプチドは、同じプロモーターを用いて発現され得る。この実施形態において、それらの2つのポリペプチドは、切断可能なポリペプチド、例えば、2A配列によって分断され得る。操作されたTは、例えば、特異的な免疫応答、例えば、前立腺がん腫瘍に対する免疫応答をもたらすために被験体に投与され得る。
【0607】
いくつかの実施形態において、誘導可能なキメラ刺激分子は、CD40を含まない。MyD88/CD40キメラ刺激分子に対して提供される方法、構築物、ポリペプチドおよび細胞は、必要に応じて、MyD88キメラ刺激分子の発現および使用のために改変され得ることが理解される。
【0608】
参考文献
以下の参考文献は、本明細書中の実施例において引用されているか、または例えば本明細書中の実施例を含む関連し得るさらなる情報を提供する。
【表C-1】
【表C-2】
【表C-3】
【表C-4】
【0609】
実施例26:T細胞レセプターを発現している細胞および腫瘍浸潤リンパ球におけるMyD88/CD40共刺激分子の発現
本明細書中に提供される誘導可能なMyD88/CD40共刺激分子を発現する改変された細胞は、T細胞レセプターも発現し得る。これらの例では、そのT細胞レセプターは、その細胞にとって内在性であってもよいし、T細胞レセプターをコードするポリヌクレオチドを含む核酸によるトランスフェクションまたは形質転換を介してその細胞に提供されてもよい。ある特定の例では、そのT細胞レセプターは、誘導可能なMyD88/CD40共刺激分子と同じ核酸ベクターにおいて発現され得る。いくつかの例では、改変された細胞は、腫瘍浸潤リンパ球である。
【0610】
実施例27:様々な投与量の多量体リガンドの投与による、コントロールされたレベルのCAR−T細胞活性の共刺激の誘導
標的細胞(例えば、腫瘍細胞)の迅速かつ完全な排除が、いくつかの臨床上のシナリオにおいて望まれ得るが、これらの細胞の部分的な排除および減少がより望ましい場合がある他の多くのシナリオも存在する。そのようなシナリオの可能性は、キメラ抗原レセプター(CAR)−T細胞の標的に固有の様々な特性および関連する有害事象(AE)のタイプによって左右される。これらの特性には、標的化される分子および器官、毒性の重症度、ならびに発生の迅速性が含まれる。これらの特性に関して異なるプロファイルを有する異なるタイプのCAR−T細胞標的が少なくとも5つ存在し、それらの特性は、各患者に対して適切なレベルのCAR−T細胞活性を達成するために、よりコントロールされた量の多量体リガンドの送達の恩恵を受け得る臨床上のシナリオに関連し得る有効性および安全性を左右し、十分な治療効果をもたらしながらも、有害事象、例えば、サイトカインストームまたはオフターゲット毒性を回避する必要性とのバランスがとられる。これらの例では、十分な投与量の多量体リガンドを治療のために使用し、かつ有害な副作用をもたらし得る過剰な活性を回避しつつ、よりコントロールされたレベルの共刺激が望まれる場合がある。
【0611】
カテゴリー1:分化抗原(例えば、MART、gp100、CEA、Her−2/neu)は、成体において低レベルで発現される。これらの抗原を標的化するCAR T細胞は、臨床上の生存率を限定する重大なAEおよび生命を危うくするAEの高い割合に関連し、大多数が初期段階の治験に進んでも突破していない。これらの抗原が正常な器官(例えば、肺)において低レベルで発現することに起因して、予想外の患者の合併症および死亡が生じた。
【0612】
カテゴリー2:非必須組織の標的(例えば、B細胞上のCD19、甲状腺上のチログロブリン、前立腺細胞上のPSMA)。これらのCAR T細胞は、患者において著しい抗がん活性を示したが、患者の死亡を含むSAEも伴い、処置に別途応答している患者における腫瘍崩壊症候群およびサイトカインストームに関係することが多かった。
【0613】
カテゴリー3:がん精巣抗原(CTA)(例えば、NY−ESO−1、MAGE−A1、−A3;がんの50%が、これらの2つのファミリーのいずれかを発現する)。CTAは、生殖細胞およびいくつかの腫瘍において発現される。ファミリーメンバーとの交差反応性に起因して、カテゴリー1と同様の懸念。
【0614】
カテゴリー4:ユニークな抗原(例えば、EGFRvIII)は、利用可能であるとき、おそらく最善であるが、少数の腫瘍でしか利用可能でない。
【0615】
カテゴリー5:腫瘍間質(例えば、VEGF−R2、FAP)は、腫瘍において高レベルであるが、正常な組織において低レベルである。いくつかの完全奏効(CR)が存在したが、SAEに対する潜在的なリスクは高い。
【0616】
より高い用量の化学誘導物質、例えば、AP1903またはAP20187を用いるCAR−T細胞治療のレベルの上昇および有害事象の回避が必要とされるときはそのレベルの減少に「ダイヤルイン」し得る共刺激分子の加減抵抗器は、細胞治療毒性の種々の臨床上のシナリオに対して、測定された応答を考慮に入れることによって、未だ対処されていない臨床上の必要性をより良く満たし得る。誘導可能なMyD88/CD40共刺激分子技術を加減抵抗器として用いることは、0.5〜1mg/kgの総量において>90%の迅速な殺滅を達成する能力を維持し得るのと同時に、抗腫瘍治療などの臨床的に用量設定可能な治療を可能にし得る。
【0617】
1つの実施形態において、0.01から1mg/kgまでの用量漸増が、15〜30分きざみで、またはより長い時間間隔(例えば、1時間、半日、24時間)きざみで、または1日、1週間もしくは1ヶ月きざみで行われる間、患者の有害事象が、応答についてモニターされる。
【0618】
別の実施形態において、持続注入ポンプを用いることにより、AP1903注入が非常に低用量で開始され、15〜30分きざみでゆっくり用量を増加させ、患者の有害事象がモニターされる。
【0619】
別の実施形態において、AP1903の緩効性製剤(経口、IM、SQ、SL)が、数日間または数週間にわたって投与されることにより、生命を危うくしない亜急性の細胞治療のコントロールがゆっくり達成される。
【0620】
実施例28:代表的な実施形態
本技術のある特定の実施形態の例を、この後に提供する。
【0621】
A1.a)誘導可能なキメラ刺激分子をコードする第1のポリヌクレオチドであって、その誘導可能なキメラ刺激分子は、(i)MyD88ポリペプチド領域またはTIRドメインを欠く切断型MyD88ポリペプチド領域;(ii)CD40細胞外ドメインを欠くCD40細胞質ポリペプチド領域、および(iii)多量体化領域を含む、第1のポリヌクレオチド;ならびに
b)キメラ抗原レセプターをコードする第2のポリヌクレオチド
を含む、核酸。
【0622】
A2.前記誘導可能なキメラ刺激分子が、(iv)膜標的化領域をさらに含む、実施形態A1に記載の核酸。
【0623】
A3.前記キメラ刺激分子がポリペプチドであって、領域(i)〜(iii)を、該ポリペプチドのアミノ末端からカルボキシル末端に向かって(i)、(ii)、(iii)という順序で含むポリペプチドである、実施形態A1に記載の核酸。
【0624】
A4.前記キメラ刺激分子がポリペプチドであって、領域(i)〜(iv)を、該ポリペプチドのアミノ末端からカルボキシル末端に向かって(iv)、(i)、(ii)、(iii)という順序で含むポリペプチドである、実施形態A2に記載の核酸。
【0625】
A5.前記多量体化領域が、リガンド結合領域である、実施形態A1〜A4のいずれか1つに記載の核酸。
【0626】
A6.前記リガンド結合領域が、FKBP12領域である、実施形態A5に記載の核酸。
【0627】
A7.前記FKBP12領域が、FKBP12v36領域である、実施形態A6に記載の核酸。
【0628】
A8.前記FKBP12領域が、Fv’Fvlsである、実施形態A6に記載の核酸。
【0629】
A9.前記多量体化領域が、配列番号11のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその機能的フラグメントおよび配列番号13のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその機能的フラグメントを含むか、または配列番号12におけるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態A9に記載の核酸。
【0630】
A10.前記多量体化領域が、配列番号13のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含むか、または配列番号12におけるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態A10に記載の核酸。
【0631】
A11.残基36がバリンであるFvポリペプチドバリアントをさらに含む、実施形態A9に記載の核酸。
【0632】
A12.前記リガンドが、FK506二量体または二量体のFK506アナログリガンドである、実施形態A5〜A11のいずれか1つに記載の核酸。
【0633】
A13.前記リガンドが、AP1903である、実施形態A12に記載の核酸。
【0634】
A14.領域(i)〜(iv)の少なくとも1つが、コドン最適化されたヌクレオチド配列によってコードされる、実施形態A1〜A13のいずれか1つに記載の核酸。
【0635】
A15.前記第1のポリヌクレオチドと前記第2のポリヌクレオチドの両方に作動可能に連結されたプロモーターをさらに含む、実施形態A1〜A14のいずれか1つに記載の核酸。
【0636】
A16.前記第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1のプロモーターおよび前記第2のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第2のプロモーターをさらに含む、実施形態A1〜A14のいずれか1つに記載の核酸。
【0637】
A17.前記第1のポリヌクレオチドと前記第2のポリヌクレオチドとの間にリンカーポリペプチドをコードする第3のポリヌクレオチドをさらに含み、ここで、そのリンカーポリペプチドは、翻訳中または翻訳後の第1および第2のポリヌクレオチドの翻訳産物を分断している、実施形態A1〜A15のいずれか1つに記載の核酸。
【0638】
A18.前記リンカーポリペプチドが、2Aポリペプチドである、実施形態A17に記載の核酸。
【0639】
A19.前記キメラ抗原レセプターが、
(i)膜貫通領域;(ii)T細胞活性化分子;および(iii)抗原認識部分
を含む、実施形態A1〜A18のいずれか1つに記載の核酸。
【0640】
A20.前記キメラ抗原レセプターが、共刺激分子をさらに含む、実施形態A19に記載の核酸。
【0641】
A21.前記共刺激分子が、CD28、OX40および4−1BBからなる群より選択される、実施形態A20に記載の核酸。
【0642】
A22.前記T細胞活性化分子が、ITAMを含みシグナル1を与える分子である、実施形態A19〜A21のいずれか1つに記載の核酸。
【0643】
A23.前記T細胞活性化分子が、CD3ζポリペプチドである、実施形態A19〜A22のいずれか1つに記載の核酸。
【0644】
A24.前記T細胞活性化分子が、Fcイプシロンレセプターガンマ(FcεR1γ)サブユニットポリペプチドである、実施形態A19〜A22のいずれか1つに記載の核酸。
【0645】
A25.前記抗原認識部分が、腫瘍細胞上の抗原に結合する、実施形態A19〜A24のいずれか1つに記載の核酸。
【0646】
A26.前記抗原認識部分が、過剰増殖性疾患に関与する細胞上の抗原に結合する、実施形態A19〜A24のいずれか1つに記載の核酸。
【0647】
A27.前記抗原認識部分が、PSMA、PSCA、MUC1、CD19、ROR1、Mesothelin、GD2、CD123、MUC16およびHer2/Neuからなる群より選択される抗原に結合する、実施形態A19〜A24のいずれか1つに記載の核酸。
【0648】
A28.前記抗原認識部分が、PSCAに結合する、実施形態A19〜A24のいずれか1つに記載の核酸。
【0649】
A29.前記抗原認識部分が、CD19に結合する、実施形態A19〜A24のいずれか1つに記載の核酸。
【0650】
A30.前記抗原認識部分が、Her2/Neuに結合する、実施形態A19〜A24のいずれか1つに記載の核酸。
【0651】
A31.前記抗原認識部分が、ウイルス抗原または細菌抗原に結合する、実施形態A19〜A24のいずれか1つに記載の核酸。
【0652】
A32.前記抗原認識部分が、一本鎖可変フラグメントである、実施形態A19〜A31のいずれか1つに記載の核酸。
【0653】
A33.前記膜貫通領域が、CD28膜貫通領域である、実施形態A19〜A32のいずれか1つに記載の核酸。
【0654】
A34.前記膜貫通領域が、CD8膜貫通領域である、実施形態A19〜A32のいずれか1つに記載の核酸。
【0655】
A35.CD8ストーク領域をさらに含む、実施形態A34に記載の核酸。
【0656】
A36.前記キメラ刺激分子が、配列番号49のアミノ酸配列を有するMyD88ポリペプチドもしくは配列番号137のアミノ酸配列を有する切断型MyD88ポリペプチドまたはそれらの機能的フラグメントを含む、実施形態A1〜A35のいずれか1つに記載の核酸。
【0657】
A37.前記MyD88ポリペプチドが、配列番号49のアミノ酸配列を有する、実施形態A1〜A36のいずれか1つに記載の核酸。
【0658】
A38.前記細胞質CD40ポリペプチドが、配列番号9のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを有する、実施形態A1〜A37のいずれか1つに記載の核酸。
【0659】
A40.前記CD3ζポリペプチドが、配列番号39のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを含む、実施形態A23〜A38のいずれか1つに記載の核酸。
【0660】
A41.前記膜標的化領域が、レセプターのミリストイル化領域、パルミトイル化領域、プレニル化領域および膜貫通配列からなる群より選択される、実施形態A2〜A40のいずれか1つに記載の核酸。
【0661】
A42.前記膜標的化領域が、ミリストイル化領域である、実施形態A2〜A40のいずれか1つに記載の核酸。
【0662】
A43.前記ミリストイル化領域が、配列番号3のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを有する、実施形態A42に記載の核酸。
【0663】
A44.前記核酸が、ウイルスベクター内に含まれている、実施形態A1〜A43のいずれか1つに記載の核酸。
【0664】
A45.前記ウイルスベクターが、レトロウイルスベクターである、実施形態A44に記載の核酸。
【0665】
A46.前記レトロウイルスベクターが、マウス白血病ウイルスベクターである、実施形態A44に記載の核酸。
【0666】
A47.前記レトロウイルスベクターが、SFGベクターである、実施形態A44に記載の核酸。
【0667】
A48.前記ウイルスベクターが、アデノウイルスベクターである、実施形態A44に記載の核酸。
【0668】
A49.前記ウイルスベクターが、レンチウイルスベクターである、実施形態A44に記載の核酸。
【0669】
A50.前記ウイルスベクターが、アデノ随伴ウイルス(AAV)、ヘルペスウイルスおよびワクシニアウイルスからなる群より選択される、実施形態A44に記載の核酸。
【0670】
A51.前記核酸が、プラスミド内に含まれている、実施形態A1〜A43のいずれか1つに記載の核酸。
【0671】
A52.実施形態A2〜A19のいずれか1つに記載の核酸によってコードされるキメラ刺激分子ポリペプチド。
【0672】
A53.実施形態A1〜A51のいずれか1つに記載の核酸でトランスフェクトされたまたは形質導入された、改変された細胞。
【0673】
A54.前記改変された細胞が、T細胞、腫瘍浸潤リンパ球、NK−T細胞、TCRを発現している細胞またはNK細胞である、実施形態A53に記載の改変された細胞。
【0674】
A55.前記細胞が、T細胞である、実施形態A53に記載の改変された細胞。
【0675】
A56.前記細胞が、骨髄から得られるかまたは調製される、実施形態A53〜A55のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【0676】
A57.前記細胞が、臍帯血から得られるかまたは調製される、実施形態A53〜A55のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【0677】
A58.前記細胞が、末梢血から得られるかまたは調製される、実施形態A53〜A55のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【0678】
A59.前記細胞が、末梢血単核球から得られるかまたは調製される、実施形態A53〜A55のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【0679】
A60.前記細胞が、ヒト細胞である、実施形態A53〜A55のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【0680】
A61.前記細胞が、エレクトロポレーション、ソノポレーション(sonoporation)、バイオリスティック(biolistics)(例えば、Au粒子を用いた遺伝子銃)、脂質トランスフェクション、ポリマートランスフェクション、ナノ粒子またはポリプレックス(polyplexes)からなる群より選択される方法を用いて、前記核酸ベクターによってトランスフェクトされるかまたは形質導入される、実施形態A53〜A60のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【0681】
A62.被験体におけるT細胞媒介性の免疫応答を刺激するための方法であって、
a)実施形態A53〜A61のいずれか1つに記載の改変された細胞をその被験体に投与する工程;および
b)有効量の、前記多量体化領域に結合する多量体リガンドを投与することにより、その被験体においてT細胞媒介性の免疫応答を刺激する工程
を含む、方法。
【0682】
A63.前記キメラ抗原レセプターが、標的細胞に結合する、実施形態A62に記載の方法。
【0683】
A64.前記標的細胞が、腫瘍細胞である、実施形態A63に記載の方法。
【0684】
A65.被験体における標的細胞の数または濃度が、前記改変された細胞の投与後に減少する、実施形態A63〜A64のいずれか1つに記載の方法。
【0685】
A66.前記改変された細胞またはリガンドを投与する前に前記被験体から得られる第1のサンプル中の標的細胞の数または濃度を測定する工程、改変された細胞およびリガンドを投与した後に被験体から得られる第2のサンプル中の標的細胞の数または濃度を測定する工程、および第1のサンプル中の標的細胞の数または濃度と比べて第2のサンプル中の標的細胞の数または濃度の増加または減少を判定する工程をさらに含む、実施形態A62〜A65のいずれか1つに記載の方法。
【0686】
A67.前記第2のサンプル中の標的細胞の濃度が、前記第1のサンプル中の標的細胞の濃度と比べて減少する、実施形態A66に記載の方法。
【0687】
A68.前記第2のサンプル中の標的細胞の濃度が、前記第1のサンプル中の標的細胞の濃度と比べて増加する、実施形態A66に記載の方法。
【0688】
A69.さらなる用量のリガンドが、前記被験体に投与される、実施形態A66〜A68のいずれか1つに記載の方法。
【0689】
A69.1.多量体リガンドの有効量が、標的細胞の数または濃度を減少させ、細胞傷害性の症候を減少させるのに有効な量である、実施形態A62〜A69のいずれか1つに記載の方法。
【0690】
A69.2.前記多量体リガンドを投与した後に、細胞傷害性の(cytoxicity)症候のレベルが前記被験体において決定され、(i)多量体リガンドの投与が中止されるか、または(ii)投与された多量体リガンドの以前の用量よりも低いさらなる用量の多量体リガンドが投与される、実施形態A62〜A69.1に記載の方法。
【0691】
A69.3.前記多量体リガンドを投与した後に、細胞傷害性の症候のレベルが、前記被験体において決定され、投与された多量体リガンドの以前の用量よりも高いさらなる用量の多量体リガンドが投与される、実施形態A62〜A69.1に記載の方法。
【0692】
A69.4.前記多量体リガンドを投与した後に、前記被験体における標的細胞の数または濃度が決定され、(i)その多量体リガンドの投与が中止されるか、または(ii)投与された多量体リガンドの以前の用量よりも低いさらなる用量の多量体リガンドが投与される、実施形態A62〜A69.1に記載の方法。
【0693】
A69.5.前記多量体リガンドを投与した後に、前記被験体における標的細胞の数または濃度が決定され、投与された多量体リガンドの以前の用量よりも高いさらなる用量の多量体リガンドが投与される、実施形態A62〜A69.1に記載の方法。
【0694】
A69.6.前記多量体リガンドのさらなる用量が、前記以前の用量よりも120%〜200%高い、実施形態69.5に記載の方法。
【0695】
A69.7.前記多量体リガンドのさらなる用量が、前記以前の用量よりも約150%高い、実施形態A69.5に記載の方法。
【0696】
A70.被験体に抗腫瘍免疫を提供するための方法であって、有効量の実施形態A53〜A61のいずれか1つに記載の改変された細胞をその被験体に投与する工程および前記多量体化領域に結合するリガンドを投与することによりその被験体に抗腫瘍免疫を提供する工程を含む、方法。
【0697】
A71.標的抗原の高発現に関連する疾患または状態を有する被験体を処置するための方法であって、有効量の実施形態A53〜A61のいずれか1つに記載の改変された細胞、および有効量の、前記多量体化領域に結合するリガンドをその被験体に投与する工程を含む、方法。
【0698】
A72.前記標的抗原が、腫瘍抗原である、実施形態A71に記載の方法。
【0699】
A73.前記改変された細胞が、自己のT細胞である、実施形態A53〜A72のいずれか1つに記載の方法。
【0700】
A74.前記改変された細胞が、同種異系のT細胞である、実施形態A53〜A72のいずれか1つに記載の方法。
【0701】
A75.被験体における腫瘍サイズを減少させるための方法であって、その方法は、実施形態A53〜A61のいずれか1つに記載の改変された細胞をその被験体に投与する工程を含み、前記抗原認識部分は、その腫瘍上の抗原に結合する、方法。
【0702】
A76.前記被験体が、腫瘍を有すると診断されている、実施形態A62〜A75のいずれか1つに記載の方法。
【0703】
A76.前記被験体が、がんを有する、実施形態A62〜A76のいずれか1つに記載の方法。
【0704】
A77.前記被験体が、固形腫瘍を有する、実施形態A62〜A76のいずれか1つに記載の方法。
【0705】
A78.前記改変された細胞が、腫瘍浸潤リンパ球またはT細胞である、実施形態A62〜A76のいずれか1つに記載の方法。
【0706】
A79.前記改変された細胞が、腫瘍床に送達される、実施形態A62〜A78のいずれか1つに記載の方法。
【0707】
A80.前記がんが、前記被験体の血液中または骨髄中に存在する、実施形態A76に記載の方法。
【0708】
A81.前記被験体が、血液疾患または骨髄疾患を有する、実施形態A62〜A76のいずれか1つに記載の方法。
【0709】
A82.前記被験体が、任意の状態または幹細胞移植によって緩和され得る状態と診断されている、実施形態A62〜A76のいずれか1つに記載の方法。
【0710】
A83.前記被験体が、鎌状赤血球貧血または異染性白質ジストロフィーと診断されている、実施形態A62〜A76のいずれか1つに記載の方法。
【0711】
A84.前記被験体が、原発性免疫不全状態、血球貪食リンパ組織球増多症(HAH)または他の血球貪食状態、遺伝性骨髄不全状態、異常ヘモグロビン症、代謝状態および破骨細胞状態からなる群より選択される状態と診断されている、実施形態A62〜A76のいずれか1つに記載の方法。
【0712】
A84.前記疾患または状態が、重症複合免疫不全症(SCID)、複合免疫不全症(CID)、先天性T細胞欠損/欠損症、分類不能型免疫不全症(CVID)、慢性肉芽腫症、IPEX(免疫不全、多腺性内分泌障害、腸症、X連鎖)またはIPEX様、ウィスコット・オールドリッチ症候群、CD40リガンド欠損症、白血球接着不全、DOCA8欠損症、IL−10欠損症/IL−10レセプター欠損症、GATA2欠損症、X連鎖リンパ球増殖性疾患(XAP)、軟骨毛髪形成不全、シュバッハマン・ダイアモンド症候群、ダイアモンドブラックファン貧血、先天性角化異常症、ファンコニー貧血、先天性好中球減少症、鎌状赤血球症、サラセミア、ムコ多糖症、スフィンゴリピドーシスおよび大理石骨病からなる群より選択される、実施形態A62〜A76のいずれか1つに記載の方法。
【0713】
A85.さらなる用量の前記リガンドを前記被験体に投与するべきであるかを判定する工程をさらに含む、実施形態A62〜A84のいずれか1つに記載の方法。
【0714】
A86.さらなる用量の前記リガンドを前記被験体に投与する工程をさらに含み、ここで、前記疾患または状態の症候は、症候の減少後になおも残っているかまたは検出される、実施形態A62〜A85のいずれか1つに記載の方法。
【0715】
A86.1.多量体リガンドの有効量が、標的抗原を発現している細胞の数もしくは濃度または標的抗原を発現している細胞の組織浸潤の程度を減少させ、前記細胞傷害性の症候を減少させるのに有効な量である、実施形態A71〜A86のいずれか1つに記載の方法。
【0716】
A86.2.前記多量体リガンドを投与した後に、細胞傷害性の症候のレベルが前記被験体において決定され、(i)該多量体リガンドの投与が中止されるか、または(ii)投与された多量体リガンドの以前の用量よりも低いさらなる用量の多量体リガンドが投与される、実施形態A71〜A86.1に記載の方法。
【0717】
A86.3.前記多量体リガンドを投与した後に、細胞傷害性の症候のレベルが、前記被験体において決定され、投与された多量体リガンドの以前の用量よりも高いさらなる用量の多量体リガンドが投与される、実施形態A71〜A86に記載の方法。
【0718】
A86.4.前記多量体リガンドを投与した後に、前記被験体における標的抗原を発現している細胞の数もしくは濃度または標的抗原を発現している細胞の組織浸潤の程度が決定され、(i)多量体リガンドの投与が中止されるか、または(ii)投与された多量体リガンドの以前の用量よりも低いさらなる用量の多量体リガンドが投与される、実施形態A71〜A86.3に記載の方法。
【0719】
A86.5.前記多量体リガンドを投与した後に、前記被験体における標的抗原を発現している細胞の数もしくは濃度または標的抗原を発現している細胞の組織浸潤の程度が決定され、投与された多量体リガンドの以前の用量よりも高いさらなる用量の多量体リガンドが投与される、実施形態A71〜A86.3に記載の方法。
【0720】
A87.被験体における状態または疾患の有無またはステージを特定する工程;および
その被験体において特定された状態または疾患の有無またはステージに基づいて、実施形態A53〜A61のいずれか1つに記載のリガンドを投与する指示、そのリガンドのその後の投与量を維持する指示またはその被験体に投与されるそのリガンドのその後の投与量を調整する指示を伝える工程
をさらに含む、実施形態A62〜A86.5のいずれか1つに記載の方法。
【0721】
A88.前記状態が、白血病である、実施形態A62〜A87のいずれか1つに記載の方法。
【0722】
A89.前記被験体が、HIV、インフルエンザ、疱疹、ウイルス性肝炎、エプスタイン・バー、ポリオ、ウイルス性脳炎、麻疹、水痘、サイトメガロウイルス(CMV)、アデノウイルス(ADV)、HHV−6(ヒトヘルペスウイルス6,I)およびパピローマウイルスからなる群より選択されるウイルス病因の感染症と診断されているか、または肺炎、結核および梅毒からなる群より選択される細菌病因の感染症と診断されているか、またはマラリア、トリパノソーマ症、リーシュマニア症、トリコモナス症およびアメーバ症からなる群より選択される寄生生物病因の感染症と診断されている、実施形態A62〜A87のいずれか1つに記載の方法。
【0723】
A90.前記改変された細胞が、エキソビボにおいてトランスフェクトされるかまたは形質導入される、実施形態A62〜A89のいずれか1つに記載の方法。
【0724】
A91.前記改変された細胞が、インビボにおいてトランスフェクトされるかまたは形質導入される、実施形態A62〜A89のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【0725】
A92.前記リガンドが、AP1903である、実施形態A62〜A90のいずれか1つに記載の方法。
【0726】
A93.細胞においてキメラ刺激分子を発現させるための方法であって、その方法は、実施形態A1〜A51のいずれか1つに記載の核酸を、その核酸が細胞に組み込まれる条件下において細胞と接触させる工程を含み、それにより、その細胞は、組み込まれた核酸からキメラ抗原レセプターを発現する、方法。
【0727】
A94.前記核酸が、エキソビボにおいて前記細胞と接触される、実施形態A93に記載の方法。
【0728】
A95.前記核酸が、インビボにおいて前記細胞と接触される、実施形態A93に記載の方法。
【0729】
B1.標的抗原の高発現に関連する疾患または状態を有する被験体を処置するための方法であって、その方法は、多量体リガンド結合領域に結合する多量体リガンドを投与する工程を含み、ここで、
a)その多量体リガンドは、前記多量体リガンド領域、MyD88ポリペプチド領域またはTIRドメインを欠く切断型MyD88ポリペプチド領域およびCD40細胞外ドメインを欠くCD40細胞質ポリペプチド領域を含む誘導可能なキメラ刺激分子に結合し;
b)被験体内を循環しているT細胞は、(i)誘導可能なキメラ刺激分子;および(ii)標的抗原に結合するキメラ抗原レセプターを発現し;
c)標的抗原は、被験体内を循環している標的細胞上に存在し;
d)被験体における標的細胞の数または濃度は、多量体リガンドを投与した後に減少する、
方法。
【0730】
B2.前記誘導可能なキメラ刺激分子が、膜標的化領域をさらに含む、実施形態B1に記載の方法。
【0731】
B3.前記キメラ刺激分子を発現しているT細胞が、実施形態A1〜A51のいずれか1つに記載の核酸を含む、実施形態B1またはB2のいずれか1つに記載の方法。
【0732】
B4.前記標的抗原が、腫瘍細胞によって発現され、前記キメラ抗原レセプターが、その腫瘍細胞に結合する、実施形態B1〜B3のいずれか1つに記載の方法。
【0733】
B5.前記改変された細胞またはリガンドを投与する前に前記被験体から得られる第1のサンプル中の標的細胞の数または濃度を測定する工程、改変された細胞およびリガンドを投与した後に被験体から得られる第2のサンプル中の標的細胞の数または濃度を測定する工程、および第1のサンプル中の標的細胞の数または濃度と比べて第2のサンプル中の標的細胞の数または濃度の増加または減少を判定する工程をさらに含む、実施形態B1〜B4のいずれか1つに記載の方法。
【0734】
B6.前記第2のサンプル中の標的細胞の濃度が、前記第1のサンプル中の標的細胞の濃度と比べて減少する、実施形態B5に記載の方法。
【0735】
B7.前記第2のサンプル中の標的細胞の濃度が、前記第1のサンプル中の標的細胞の濃度と比べて増加する、実施形態B5に記載の方法。
【0736】
B8.さらなる用量の前記リガンドが、前記被験体に投与される、実施形態B1〜B7のいずれか1つに記載の方法。
【0737】
B9.前記標的抗原が、腫瘍抗原である、実施形態B1〜B8のいずれか1つに記載の方法。
【0738】
B10.前記被験体が、腫瘍を有すると診断されている、実施形態B1〜B9のいずれか1つに記載の方法。
【0739】
B11.前記被験体が、がんを有する、実施形態B1〜B9のいずれか1つに記載の方法。
【0740】
B12.前記被験体が、固形腫瘍を有する、実施形態B1〜B11のいずれか1つに記載の方法。
【0741】
B13.前記がんが、前記被験体の血液中または骨髄中に存在する、実施形態B11に記載の方法。
【0742】
B14.前記被験体が、血液疾患または骨髄疾患を有する、実施形態B1〜B13のいずれか1つに記載の方法。
【0743】
B15.前記被験体が、任意の状態または幹細胞移植によって緩和され得る状態と診断されている、実施形態B1〜B9のいずれか1つに記載の方法。
【0744】
B16.前記被験体が、鎌状赤血球貧血または異染性白質ジストロフィーと診断されている、実施形態B1〜B9のいずれか1つに記載の方法。
【0745】
B17.前記被験体が、原発性免疫不全状態、血球貪食リンパ組織球増多症(HAH)または他の血球貪食状態、遺伝性骨髄不全状態、異常ヘモグロビン症、代謝状態および破骨細胞状態からなる群より選択される状態と診断されている、実施形態B1〜B9のいずれか1つに記載の方法。
【0746】
B18.前記疾患または状態が、重症複合免疫不全症(SCID)、複合免疫不全症(CID)、先天性T細胞欠損/欠損症、分類不能型免疫不全症(CVID)、慢性肉芽腫症、IPEX(免疫不全、多腺性内分泌障害、腸症、X連鎖)またはIPEX様、ウィスコット・オールドリッチ症候群、CD40リガンド欠損症、白血球接着不全、DOCA8欠損症、IL−10欠損症/IL−10レセプター欠損症、GATA2欠損症、X連鎖リンパ球増殖性疾患(XAP)、軟骨毛髪形成不全、シュバッハマン・ダイアモンド症候群、ダイアモンドブラックファン貧血、先天性角化異常症、ファンコニー貧血、先天性好中球減少症、鎌状赤血球症、サラセミア、ムコ多糖症、スフィンゴリピドーシスおよび大理石骨病からなる群より選択される、実施形態B1〜B9のいずれか1つに記載の方法。
【0747】
B19.さらなる用量の前記多量体リガンドを前記被験体に投与するべきであるかを判定する工程をさらに含む、実施形態B1〜B18のいずれか1つに記載の方法。
【0748】
B20.さらなる用量の前記多量体リガンドを前記被験体に投与する工程をさらに含み、ここで、前記疾患または状態の症候は、症候の減少後になおも残っているかまたは検出される、実施形態B1〜B18のいずれか1つに記載の方法。
【0749】
B21.被験体における状態または疾患の有無またはステージを特定する工程;および
その被験体において特定された状態または疾患の有無またはステージに基づいて、前記多量体リガンドをその被験体に投与する指示、その多量体リガンドのその後の投与量を維持する指示またはその被験体に投与されるその多量体リガンドのその後の投与量を調整する指示を伝える工程
をさらに含む、実施形態B1〜B18のいずれか1つに記載の方法。
【0750】
B22.前記状態が、白血病である、実施形態B1〜B21のいずれか1つに記載の方法。
【0751】
B23.前記被験体が、HIV、インフルエンザ、疱疹、ウイルス性肝炎、エプスタイン・バー、ポリオ、ウイルス性脳炎、麻疹、水痘、サイトメガロウイルス(CMV)、アデノウイルス(ADV)、HHV−6(ヒトヘルペスウイルス6,I)およびパピローマウイルスからなる群より選択されるウイルス病因の感染症と診断されているか、または肺炎、結核および梅毒からなる群より選択される細菌病因の感染症と診断されているか、またはマラリア、トリパノソーマ症、リーシュマニア症、トリコモナス症およびアメーバ症からなる群より選択される寄生生物病因の感染症と診断されている、実施形態B1〜B9のいずれか1つに記載の方法。
【0752】
B24.前記リガンドが、AP1903である、実施形態B1〜B23のいずれか1つに記載の方法。
【0753】
C1.誘導可能なキメラ刺激分子をコードするポリヌクレオチドを含む核酸でトランスフェクトされたまたは形質導入された、改変されたT細胞であって、ここで、その誘導可能なキメラ刺激分子は、(i)MyD88ポリペプチド領域またはTIRドメインを欠く切断型MyD88ポリペプチド領域;(ii)CD40細胞外ドメインを欠くCD40細胞質ポリペプチド領域、および(iii)多量体化領域を含む、改変されたT細胞。
【0754】
C2.前記誘導可能なキメラ刺激分子が、(iv)膜標的化領域をさらに含む、実施形態C1に記載の改変されたT細胞。
【0755】
C3.前記キメラ刺激分子がポリペプチドであって、領域(i)〜(iii)を、該ポリペプチドのアミノ末端からカルボキシル末端に向かって(i)、(ii)、(iii)という順序で含むポリペプチドである、実施形態C1に記載の改変されたT細胞。
【0756】
C4.前記キメラ刺激分子がポリペプチドであって、領域(i)〜(iv)を、該ポリペプチドのアミノ末端からカルボキシル末端に向かって(iv)、(i)、(ii)、(iii)という順序で含むポリペプチドである、実施形態C2に記載の改変されたT細胞。
【0757】
C5.前記多量体化領域が、リガンド結合領域である、実施形態C1〜C4のいずれか1つに記載の改変されたT細胞。
【0758】
C6.前記リガンド結合領域が、FKBP12領域である、実施形態C5に記載の改変されたT細胞。
【0759】
C7.前記FKBP12領域が、FKBP12v36領域である、実施形態C6に記載の改変されたT細胞。
【0760】
C8.前記FKBP12領域が、Fv’Fvlsである、実施形態C6に記載の改変されたT細胞。
【0761】
C9.前記多量体化領域が、配列番号11のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその機能的フラグメントおよび配列番号13のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその機能的フラグメントを含むか、または配列番号12におけるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態C5に記載の改変されたT細胞。
【0762】
C10.前記多量体化領域が、配列番号13のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含むか、または配列番号12におけるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態C9に記載の改変されたT細胞。
【0763】
C11.残基36がバリンであるFvポリペプチドバリアントをさらに含む、実施形態C9に記載の改変されたT細胞(T cel)。
【0764】
C12.前記リガンドが、FK506二量体または二量体のFK506アナログリガンドである、実施形態C5〜C11のいずれか1つに記載の改変されたT細胞。
【0765】
C13.前記リガンドが、AP1903である、実施形態C12に記載の改変されたT細胞。
【0766】
C14.領域(i)〜(iv)の少なくとも1つが、コドン最適化されたヌクレオチド配列によってコードされる、実施形態C1〜C13のいずれか1つに記載の改変されたT細胞。
【0767】
C15.前記誘導可能なキメラ刺激分子をコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターをさらに含む、実施形態C1〜C14のいずれか1つに記載の改変されたT細胞。
【0768】
C16.前記改変された細胞が、キメラ抗原レセプターをコードするポリヌクレオチドをさらに含む、実施形態C1〜C15のいずれか1つに記載の改変されたT細胞。
【0769】
C17.前記キメラ抗原レセプターが、
(i)膜貫通領域;(ii)T細胞活性化分子;および(iii)抗原認識部分
を含む、実施形態C16に記載の改変されたT細胞。
【0770】
C18.前記改変された細胞が、T細胞レセプターをコードするポリヌクレオチドをさらに含む、実施形態C1〜C15のいずれか1つに記載の改変されたT細胞。
【0771】
C19.前記改変された細胞が、T細胞レセプターまたはT細胞レセプターに基づくキメラ抗原レセプターをコードするポリヌクレオチドを含む核酸でトランスフェクトされるかまたは形質導入される、実施形態C1〜C15のいずれか1つに記載の改変されたT細胞。
【0772】
C20.前記キメラ抗原レセプターが、共刺激分子をさらに含む、実施形態C16に記載の改変されたT細胞。
【0773】
C21.前記共刺激分子が、CD28、OX40および4−1BBからなる群より選択される、実施形態C20に記載の改変されたT細胞。
【0774】
C22.前記T細胞活性化分子が、ITAMを含みシグナル1を与える分子である、実施形態C17に記載の改変されたT細胞。
【0775】
C23.前記T細胞活性化分子が、CD3ζポリペプチドである、実施形態C17に記載の改変されたT細胞。
【0776】
C24.前記T細胞活性化分子が、Fcイプシロンレセプターガンマ(FcεR1γ)サブユニットポリペプチドである、実施形態C17に記載の改変されたT細胞。
【0777】
C25.前記抗原認識部分が、腫瘍細胞上の抗原に結合する、実施形態C17またはC22〜C24のいずれか1つに記載の改変されたT細胞。
【0778】
C26.前記抗原認識部分が、過剰増殖性疾患に関与する細胞上の抗原に結合する、実施形態C17またはC22〜C24のいずれか1つに記載の改変されたT細胞。
【0779】
C27.前記抗原認識部分が、PSMA、PSCA、MUC1、CD19、ROR1、Mesothelin、GD2、CD123、MUC16およびHer2/Neuからなる群より選択される抗原に結合する、実施形態C17またはC22〜C26のいずれか1項に記載の改変されたT細胞。
【0780】
C28.前記抗原認識部分が、PSCAに結合する、実施形態C17またはC22〜C24のいずれか1つに記載の改変されたT細胞。
【0781】
C29.前記抗原認識部分が、CD19に結合する、実施形態C17またはC22〜C24のいずれか1つに記載の改変されたT細胞。
【0782】
C30.前記抗原認識部分が、Her2/Neuに結合する、実施形態C17またはC22〜C24のいずれか1つに記載の改変されたT細胞。
【0783】
C31.前記抗原認識部分が、ウイルス抗原または細菌抗原に結合する、実施形態C17またはC22〜C24のいずれか1つに記載の改変されたT細胞。
【0784】
C32.前記抗原認識部分が、一本鎖可変フラグメントである、実施形態C17またはC22〜C31のいずれか1つに記載の改変されたT細胞。
【0785】
C33.前記膜貫通領域が、CD28膜貫通領域である、実施形態C17またはC22〜C32のいずれか1つに記載の改変されたT細胞。
【0786】
C34.前記膜貫通領域が、CD8膜貫通領域である、実施形態C17またはC22〜C32のいずれか1つに記載の改変されたT細胞。
【0787】
C35.前記キメラ抗原レセプターが、CD8ストーク領域をさらに含む、実施形態C34に記載の改変されたT細胞。
【0788】
C36.前記キメラ刺激分子が、配列番号5のアミノ酸配列を有する切断型MyD88ポリペプチドまたはその機能的フラグメントを含む、実施形態C1〜C35のいずれか1つに記載の改変されたT細胞。
【0789】
C37.前記MyD88ポリペプチドが、配列番号49のアミノ酸配列を有する、実施形態C1〜C36のいずれか1つに記載の改変されたT細胞。
【0790】
C38.前記細胞質CD40ポリペプチドが、配列番号9のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを有する、実施形態C1〜C37のいずれか1つに記載の改変されたT細胞。
【0791】
C40.前記CD3ζポリペプチドが、配列番号39のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを含む、実施形態C23〜C38のいずれか1つに記載の改変されたT細胞。
【0792】
C41.前記膜標的化領域が、レセプターのミリストイル化領域、パルミトイル化領域、プレニル化領域および膜貫通配列からなる群より選択される、実施形態C2〜C40のいずれか1つに記載の改変されたT細胞。
【0793】
C42.前記膜標的化領域が、ミリストイル化領域である、実施形態C2〜C40のいずれか1つに記載の改変されたT細胞。
【0794】
C43.前記ミリストイル化領域が、配列番号3のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを有する、実施形態C42に記載の改変されたT細胞。
【0795】
C44〜C61 保留。
【0796】
C62.被験体におけるT細胞媒介性の免疫応答を刺激するための方法であって、
a)実施形態C1〜C43のいずれか1つに記載の改変されたT細胞をその被験体に投与する工程;および
b)有効量の、前記多量体化領域に結合する多量体リガンドを投与することにより、その被験体においてT細胞媒介性の免疫応答を刺激する工程
を含む、方法。
【0797】
C63.前記キメラ抗原レセプターが、標的細胞に結合する、実施形態C62に記載の方法。
【0798】
C64.前記標的細胞が、腫瘍細胞である、実施形態C63に記載の方法。
【0799】
C65.被験体における標的細胞の数または濃度が、前記リガンドの投与後に減少する、実施形態C62〜C64のいずれか1つに記載の方法。
【0800】
C66.前記改変された細胞またはリガンドを投与する前に前記被験体から得られる第1のサンプル中の標的細胞の数または濃度を測定する工程、改変された細胞およびリガンドを投与した後に被験体から得られる第2のサンプル中の標的細胞の数または濃度を測定する工程、および第1のサンプル中の標的細胞の数または濃度と比べて第2のサンプル中の標的細胞の数または濃度の増加または減少を判定する工程をさらに含む、実施形態C62〜C65のいずれか1つに記載の方法。
【0801】
C67.前記第2のサンプル中の標的細胞の濃度が、前記第1のサンプル中の標的細胞の濃度と比べて減少する、実施形態C66に記載の方法。
【0802】
C68.前記第2のサンプル中の標的細胞の濃度が、前記第1のサンプル中の標的細胞の濃度と比べて増加する、実施形態C66に記載の方法。
【0803】
C69.さらなる用量の前記リガンドが、前記被験体に投与される、実施形態C62〜C68のいずれか1つに記載の方法。
【0804】
C70.被験体に抗腫瘍免疫を提供するための方法であって、有効量の実施形態C1〜C43のいずれか1つに記載の改変されたT細胞をその被験体に投与する工程および多量体化領域に結合するリガンドを投与することによりその被験体に抗腫瘍免疫をもたらす工程を含む、方法。
【0805】
C71.標的抗原の高発現に関連する疾患または状態を有する被験体を処置するための方法であって、有効量の実施形態C1〜C43のいずれか1つに記載の改変されたT細胞、および有効量の、前記多量体化領域に結合するリガンドをその被験体に投与する工程を含む、方法。
【0806】
C72.前記標的抗原が、腫瘍抗原である、実施形態C71に記載の方法。
【0807】
C73.前記改変されたT細胞が、自己のT細胞である、実施形態C62〜C72のいずれか1つに記載の方法。
【0808】
C74.前記改変されたT細胞が、同種異系のT細胞である、実施形態C62〜C72のいずれか1つに記載の方法。
【0809】
C75.被験体における腫瘍サイズを減少させるための方法であって、その方法は、実施形態C1〜C43のいずれか1つに記載の改変されたT細胞をその被験体に投与する工程を含み、前記抗原認識部分は、その腫瘍上の抗原に結合する、方法。
【0810】
C76.前記被験体が、腫瘍を有すると診断されている、実施形態C62〜C75のいずれか1つに記載の方法。
【0811】
C76.前記被験体が、がんを有する、実施形態C62〜C75のいずれか1つに記載の方法。
【0812】
C77.前記被験体が、固形腫瘍を有する、実施形態C62〜C75のいずれか1つに記載の方法。
【0813】
C78.前記改変されたT細胞が、腫瘍浸潤リンパ球、NK細胞またはNK−T細胞である、実施形態C62〜C75のいずれか1つに記載の方法。
【0814】
C79.前記改変されたT細胞が、腫瘍床に送達される、実施形態C62〜C75のいずれか1つに記載の方法。
【0815】
C80.前記がんが、前記被験体の血液中または骨髄中に存在する、実施形態C76に記載の方法。
【0816】
C81.前記被験体が、血液疾患または骨髄疾患を有する、実施形態C62〜C75のいずれか1つに記載の方法。
【0817】
C82.前記被験体が、任意の状態または幹細胞移植によって緩和され得る状態と診断されている、実施形態C62〜C75のいずれか1つに記載の方法。
【0818】
C83.前記被験体が、鎌状赤血球貧血または異染性白質ジストロフィーと診断されている、実施形態C62〜C75のいずれか1つに記載の方法。
【0819】
C84.前記被験体が、原発性免疫不全状態、血球貪食リンパ組織球増多症(HAH)または他の血球貪食状態、遺伝性骨髄不全状態、異常ヘモグロビン症、代謝状態および破骨細胞状態からなる群より選択される状態と診断されている、実施形態C62〜C75のいずれか1つに記載の方法。
【0820】
C84.前記疾患または状態が、重症複合免疫不全症(SCID)、複合免疫不全症(CID)、先天性T細胞欠損/欠損症、分類不能型免疫不全症(CVID)、慢性肉芽腫症、IPEX(免疫不全、多腺性内分泌障害、腸症、X連鎖)またはIPEX様、ウィスコット・オールドリッチ症候群、CD40リガンド欠損症、白血球接着不全、DOCA8欠損症、IL−10欠損症/IL−10レセプター欠損症、GATA2欠損症、X連鎖リンパ球増殖性疾患(XAP)、軟骨毛髪形成不全、シュバッハマン・ダイアモンド症候群、ダイアモンドブラックファン貧血、先天性角化異常症、ファンコニー貧血、先天性好中球減少症、鎌状赤血球症、サラセミア、ムコ多糖症、スフィンゴリピドーシスおよび大理石骨病からなる群より選択される、実施形態C62〜C76のいずれか1つに記載の方法。
【0821】
C85.さらなる用量の前記リガンドを前記被験体に投与するべきであるかを判定する工程をさらに含む、実施形態C62〜C84のいずれか1つに記載の方法。
【0822】
C86.さらなる用量の前記リガンドを前記被験体に投与する工程をさらに含み、ここで、前記疾患または状態の症候は、症候の減少後になおも残っているかまたは検出される、実施形態C62〜C85のいずれか1つに記載の方法。
【0823】
C87.被験体における状態または疾患の有無またはステージを特定する工程;および
その被験体において特定された状態または疾患の有無またはステージに基づいて、実施形態C53〜C61のいずれか1つに記載のリガンドを投与する指示、そのリガンドのその後の投与量を維持する指示またはその被験体に投与されるそのリガンドのその後の投与量を調整する指示を伝える工程
をさらに含む、実施形態C62〜C86のいずれか1つに記載の方法。
【0824】
C88.前記状態が、白血病である、実施形態C62〜C87のいずれか1つに記載の方法。
【0825】
C89.前記被験体が、HIV、インフルエンザ、疱疹、ウイルス性肝炎、エプスタイン・バー、ポリオ、ウイルス性脳炎、麻疹、水痘、サイトメガロウイルス(CMV)、アデノウイルス(ADV)、HHV−6(ヒトヘルペスウイルス6,I)およびパピローマウイルスからなる群より選択されるウイルス病因の感染症と診断されているか、または肺炎、結核および梅毒からなる群より選択される細菌病因の感染症と診断されているか、またはマラリア、トリパノソーマ症、リーシュマニア症、トリコモナス症およびアメーバ症からなる群より選択される寄生生物病因の感染症と診断されている、実施形態C62〜C87のいずれか1つに記載の方法。
【0826】
C90.前記改変されたT細胞が、エキソビボにおいてトランスフェクトされるかまたは形質導入される、実施形態C62〜C89のいずれか1つに記載の方法。
【0827】
C91.前記改変されたT細胞が、インビボにおいてトランスフェクトされるかまたは形質導入される、実施形態C62〜C89のいずれか1つに記載の改変されたT細胞。
【0828】
C92.前記リガンドが、AP1903である、実施形態C62〜C90のいずれか1つに記載の方法。
【0829】
D1.誘導可能なキメラ刺激分子をコードするポリヌクレオチドを含む核酸であって、ここで、その誘導可能なキメラ刺激分子は、(i)MyD88ポリペプチド領域またはTIRドメインを欠く切断型MyD88ポリペプチド領域;(ii)CD40細胞外ドメインを欠くCD40細胞質ポリペプチド領域、および(iii)多量体化領域を含む、核酸。
【0830】
D2.前記キメラ刺激分子がポリペプチドであって、領域(i)〜(iii)を、該ポリペプチドのアミノ末端からカルボキシル末端に向かって(i)、(ii)、(iii)という順序で含むポリペプチドである、実施形態D1に記載の核酸。
【0831】
D3.前記多量体化領域が、リガンド結合領域である、実施形態D1〜D2のいずれか1つに記載の核酸。
【0832】
D3.前記リガンド結合領域が、FKBP12領域である、実施形態D3に記載の核酸。
【0833】
D4.前記FKBP12領域が、FKBP12v36領域である、実施形態D3に記載の核酸。
【0834】
D5.前記FKBP12領域が、Fv’Fvlsである、実施形態D3に記載の核酸。
【0835】
D6.前記多量体化領域が、配列番号11のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその機能的フラグメントおよび配列番号13のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む、実施形態D3に記載の核酸。
【0836】
D7.前記多量体化領域が、配列番号13のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態D6に記載の核酸。
【0837】
D8.残基36がバリンであるFvポリペプチドバリアントをさらに含む、実施形態D6に記載の核酸。
【0838】
D9.前記リガンドが、FK506二量体または二量体のFK506アナログリガンドである、実施形態D1〜D8のいずれか1つに記載の核酸。
【0839】
D10.前記リガンドが、AP1903である、実施形態D9に記載の核酸。
【0840】
D11.領域(i)〜(iii)の少なくとも1つが、コドン最適化されたヌクレオチド配列によってコードされる、実施形態D1〜D10のいずれか1つに記載の核酸。
【0841】
D12.前記ポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターをさらに含む、実施形態D1〜D11のいずれか1つに記載の核酸。
【0842】
D13.前記核酸が、ウイルスベクター内に含まれている、実施形態D1〜D12のいずれか1つに記載の核酸。
【0843】
D14.前記ウイルスベクターが、レトロウイルスベクターである、実施形態D13に記載の核酸。
【0844】
D15.前記レトロウイルスベクターが、マウス白血病ウイルスベクターである、実施形態D14に記載の核酸。
【0845】
D16.前記レトロウイルスベクターが、SFGベクターである、実施形態D14に記載の核酸。
【0846】
D17.前記ウイルスベクターが、アデノウイルスベクターである、実施形態D13に記載の核酸。
【0847】
D18.前記ウイルスベクターが、レンチウイルスベクターである、実施形態D13に記載の核酸。
【0848】
D19.前記ウイルスベクターが、アデノ随伴ウイルス(AAV)、ヘルペスウイルスおよびワクシニアウイルスからなる群より選択される、実施形態D13に記載の核酸。
【0849】
D20.前記核酸が、プラスミド内に含まれている、実施形態D1〜D12のいずれか1つに記載の核酸。
【0850】
D21.実施形態D1〜D20のいずれか1つに記載の核酸でトランスフェクトされたまたは形質導入された、改変された細胞。
【0851】
D22.前記改変された細胞が、T細胞、腫瘍浸潤リンパ球、NK−T細胞、TCRを発現している細胞またはNK細胞である、実施形態D21に記載の改変された細胞。
【0852】
D23.前記細胞が、T細胞である、実施形態D21に記載の改変された細胞。
【0853】
D24.前記細胞が、骨髄から得られるかまたは調製される、実施形態D21〜D23のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【0854】
D25.前記細胞が、臍帯血から得られるかまたは調製される、実施形態D21〜D23のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【0855】
D26.前記細胞が、末梢血から得られるかまたは調製される、実施形態D21〜D23のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【0856】
D27.前記細胞が、末梢血単核球から得られるかまたは調製される、実施形態D21〜D23のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【0857】
D28.前記細胞が、ヒト細胞である、実施形態D21〜D27のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【0858】
D29.前記細胞が、エレクトロポレーション、ソノポレーション、バイオリスティック(例えば、Au粒子を用いた遺伝子銃)、脂質トランスフェクション、ポリマートランスフェクション、ナノ粒子またはポリプレックスからなる群より選択される方法を用いて、前記核酸ベクターによってトランスフェクトされるかまたは形質導入される、実施形態D21〜D28のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【0859】
D30.前記改変された細胞が、T細胞レセプターをコードするポリヌクレオチドをさらに含む、実施形態D1〜D29のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【0860】
D31.前記改変された細胞が、T細胞レセプターまたはT細胞レセプターに基づくキメラ抗原レセプターをコードするポリヌクレオチドを含む核酸でトランスフェクトされるかまたは形質導入される、実施形態D1〜D29のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【0861】
D32.前記改変された細胞が、キメラ抗原レセプターをコードするポリヌクレオチドをさらに含む、実施形態D21〜D29のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【0862】
D33.前記キメラ抗原レセプターが、(i)膜貫通領域;(ii)T細胞活性化分子;および(iii)抗原認識部分を含む、実施形態D32に記載の改変された細胞。
【0863】
D34.前記キメラ抗原レセプターが、共刺激分子をさらに含む、実施形態D33に記載の改変された細胞。
【0864】
D35.前記共刺激分子が、CD28、OX40および4−1BBからなる群より選択される、実施形態D34に記載の改変された細胞。
【0865】
D36.前記T細胞活性化分子が、ITAMを含みシグナル1を与える分子である、実施形態D33に記載の改変された細胞。
【0866】
D37.前記T細胞活性化分子が、CD3ζポリペプチドである、実施形態D33に記載の改変された細胞。
【0867】
D38.前記T細胞活性化分子が、Fcイプシロンレセプターガンマ(FcεR1γ)サブユニットポリペプチドである、実施形態D33に記載の改変された細胞。
【0868】
D39.前記抗原認識部分が、腫瘍細胞上の抗原に結合する、実施形態D32〜D38のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【0869】
D40.前記抗原認識部分が、過剰増殖性疾患に関与する細胞上の抗原に結合する、実施形態D32〜D38のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【0870】
D41.前記抗原認識部分が、PSMA、PSCA、MUC1、CD19、ROR1、Mesothelin、GD2、CD123、MUC16およびHer2/Neuからなる群より選択される抗原に結合する、実施形態D32〜D40のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【0871】
D42.前記抗原認識部分が、PSCAに結合する、実施形態D32〜D40のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【0872】
D43.前記抗原認識部分が、CD19に結合する、実施形態D32〜D40のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【0873】
D44.前記抗原認識部分が、Her2/Neuに結合する、実施形態D32〜D40のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【0874】
D45.前記抗原認識部分が、ウイルス抗原または細菌抗原に結合する、実施形態D32〜D38のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【0875】
D46.前記抗原認識部分が、一本鎖可変フラグメントである、実施形態D32〜D45のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【0876】
D47.前記膜貫通領域が、CD28膜貫通領域である、実施形態D32〜D46のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【0877】
D48.前記膜貫通領域が、CD8膜貫通領域である、実施形態D32〜D46のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【0878】
D49.前記キメラ抗原レセプターが、CD8ストーク領域をさらに含む、実施形態D48に記載の改変された細胞。
【0879】
D50.前記キメラ刺激分子が、配列番号5のアミノ酸配列を有する切断型MyD88ポリペプチドまたはその機能的フラグメントを含む、実施形態D21〜D49のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【0880】
D51.前記MyD88ポリペプチドが、配列番号49のアミノ酸配列を有する、実施形態D21〜D50のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【0881】
D52.前記細胞質CD40ポリペプチドが、配列番号9のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを有する、実施形態D21〜D51のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【0882】
D53.前記CD3ζポリペプチドが、配列番号39のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを含む、実施形態D32〜D52のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【0883】
D54.被験体におけるT細胞媒介性の免疫応答を刺激するための方法であって、
a)実施形態D21〜D53のいずれか1つに記載の改変された細胞をその被験体に投与する工程;および
b)有効量の、前記多量体化領域に結合する多量体リガンドを投与することにより、その被験体においてT細胞媒介性の免疫応答を刺激する工程
を含む、方法。
【0884】
D55.保留。
【0885】
D56.前記キメラ抗原レセプターが、標的細胞に結合する、実施形態D54に記載の方法。
【0886】
D57.前記標的細胞が、腫瘍細胞である、実施形態D56に記載の方法。
【0887】
D58.被験体における標的細胞の数または濃度が、前記リガンドの投与後に減少する、実施形態D56またはD57のいずれか1つに記載の方法。
【0888】
D59.前記改変された細胞またはリガンドを投与する前に前記被験体から得られる第1のサンプル中の標的細胞の数または濃度を測定する工程、改変された細胞およびリガンドを投与した後に被験体から得られる第2のサンプル中の標的細胞の数または濃度を測定する工程、および第1のサンプル中の標的細胞の数または濃度と比べて第2のサンプル中の標的細胞の数または濃度の増加または減少を判定する工程をさらに含む、実施形態D56〜D58のいずれか1つに記載の方法。
【0889】
D60.前記第2のサンプル中の標的細胞の濃度が、前記第1のサンプル中の標的細胞の濃度と比べて減少する、実施形態D59に記載の方法。
【0890】
D61.前記第2のサンプル中の標的細胞の濃度が、前記第1のサンプル中の標的細胞の濃度と比べて増加する、実施形態D59に記載の方法。
【0891】
D62.さらなる用量のリガンドが、前記被験体に投与される、実施形態D54〜D61のいずれか1つに記載の方法。
【0892】
D63.被験体に抗腫瘍免疫を提供するための方法であって、有効量の実施形態D21〜D53のいずれか1つに記載の改変された細胞をその被験体に投与する工程および前記多量体化領域に結合するリガンドを投与することによりその被験体に抗腫瘍免疫を提供する工程を含む、方法。
【0893】
D64.標的抗原の高発現に関連する疾患または状態を有する被験体を処置するための方法であって、有効量の実施形態D32〜D53のいずれか1つに記載の改変された細胞、および有効量の、前記多量体化領域に結合するリガンドをその被験体に投与する工程を含む、方法。
【0894】
D65.前記標的抗原が、腫瘍抗原である、実施形態D64に記載の方法。
【0895】
D66.前記改変された細胞が、T細胞である、実施形態D64またはD65のいずれか1つに記載の方法。
【0896】
D67.前記改変された細胞が、同種異系のT細胞である、実施形態D64またはD65のいずれか1つに記載の方法。
【0897】
D68.被験体における腫瘍サイズを減少させるための方法であって、その方法は、実施形態D32〜D53のいずれか1項に記載の改変された細胞を前記被験体に投与する工程を含み、前記抗原認識部分は、その腫瘍上の抗原に結合する、方法。
【0898】
D69.前記被験体が、腫瘍を有すると診断されている、実施形態D54〜D69のいずれか1つに記載の方法。
【0899】
D70.前記被験体が、がんを有する、実施形態D54〜D70のいずれか1つに記載の方法。
【0900】
D71.前記被験体が、固形腫瘍を有する、実施形態D54〜D70のいずれか1つに記載の方法。
【0901】
D72.前記改変された細胞が、腫瘍浸潤リンパ球である、実施形態D54〜D71のいずれか1つに記載の方法。
【0902】
D73.前記改変された細胞が、腫瘍床に送達される、実施形態D54〜D72のいずれか1つに記載の方法。
【0903】
D74.前記がんが、前記被験体の血液中または骨髄中に存在する、実施形態D70に記載の方法。
【0904】
D75.前記被験体が、血液疾患または骨髄疾患を有する、実施形態D54〜D74のいずれか1つに記載の方法。
【0905】
D76.前記被験体が、任意の状態または幹細胞移植によって緩和され得る状態と診断されている、実施形態D54〜D75のいずれか1つに記載の方法。
【0906】
D77.前記被験体が、鎌状赤血球貧血または異染性白質ジストロフィーと診断されている、実施形態D54〜D75のいずれか1つに記載の方法。
【0907】
D78.前記被験体が、原発性免疫不全状態、血球貪食リンパ組織球増多症(HAH)または他の血球貪食状態、遺伝性骨髄不全状態、異常ヘモグロビン症、代謝状態および破骨細胞状態からなる群より選択される状態と診断されている、実施形態D54〜D75のいずれか1つに記載の方法。
【0908】
D79.前記疾患または状態が、重症複合免疫不全症(SCID)、複合免疫不全症(CID)、先天性T細胞欠損/欠損症、分類不能型免疫不全症(CVID)、慢性肉芽腫症、IPEX(免疫不全、多腺性内分泌障害、腸症、X連鎖)またはIPEX様、ウィスコット・オールドリッチ症候群、CD40リガンド欠損症、白血球接着不全、DOCA8欠損症、IL−10欠損症/IL−10レセプター欠損症、GATA2欠損症、X連鎖リンパ球増殖性疾患(XAP)、軟骨毛髪形成不全、シュバッハマン・ダイアモンド症候群、ダイアモンドブラックファン貧血、先天性角化異常症、ファンコニー貧血、先天性好中球減少症、鎌状赤血球症、サラセミア、ムコ多糖症、スフィンゴリピドーシスおよび大理石骨病からなる群より選択される、実施形態D54〜D75のいずれか1つに記載の方法。
【0909】
D80.さらなる用量の前記リガンドを前記被験体に投与するべきであるかを判定する工程をさらに含む、実施形態D54〜D79のいずれか1つに記載の方法。
【0910】
D81.さらなる用量の前記リガンドを前記被験体に投与する工程をさらに含み、ここで、前記疾患または状態の症候は、症候の減少後になおも残っているかまたは検出される、実施形態D54〜D80のいずれか1つに記載の方法。
【0911】
D82.被験体における状態または疾患の有無またはステージを特定する工程;および
その被験体において特定された状態または疾患の有無またはステージに基づいて、前記リガンドを投与する指示、そのリガンドのその後の投与量を維持する指示またはその被験体に投与されるそのリガンドのその後の投与量を調整する指示を伝える工程
をさらに含む、実施形態D54〜D80のいずれか1つに記載の方法。
【0912】
D83.前記状態が、白血病である、実施形態D54〜D82のいずれか1つに記載の方法。
【0913】
D84.前記被験体が、HIV、インフルエンザ、疱疹、ウイルス性肝炎、エプスタイン・バー、ポリオ、ウイルス性脳炎、麻疹、水痘、サイトメガロウイルス(CMV)、アデノウイルス(ADV)、HHV−6(ヒトヘルペスウイルス6,I)およびパピローマウイルスからなる群より選択されるウイルス病因の感染症と診断されているか、または肺炎、結核および梅毒からなる群より選択される細菌病因の感染症と診断されているか、またはマラリア、トリパノソーマ症、リーシュマニア症、トリコモナス症およびアメーバ症からなる群より選択される寄生生物病因の感染症と診断されている、実施形態D54〜D82のいずれか1つに記載の方法。
【0914】
D85.前記改変された細胞が、エキソビボにおいてトランスフェクトされるかまたは形質導入される、実施形態D54〜D82のいずれか1つに記載の方法。
【0915】
D86.前記改変された細胞が、インビボにおいてトランスフェクトされるかまたは形質導入される、実施形態D21〜D53のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【0916】
D87.前記リガンドが、AP1903である、実施形態D54〜D86のいずれか1つに記載の方法。
【0917】
実施例29:さらなる代表的な実施形態
本技術のある特定の実施形態の例を、この後に提供する。
【0918】
A1.T細胞を活性化するための方法であって、その方法は、
キメラタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む核酸でT細胞をトランスフェクトするかまたは形質導入する工程
を含み、ここで、そのキメラタンパク質は、
a)膜標的化領域、
b)多量体化領域、および
c)MyD88ポリペプチド
を含み、それによって、そのT細胞は活性化される、方法。
【0919】
A2.T細胞を活性化するための方法であって、その方法は、
キメラタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む核酸でT細胞をトランスフェクトするかまたは形質導入する工程
を含み、ここで、そのキメラタンパク質は、
a)膜標的化領域、
b)多量体化領域、および
c)CD40細胞質領域であって、ここで、そのCD40ポリペプチドは、機能的な細胞外ドメインを有しない、CD40細胞質領域
を含み、それによって、そのT細胞は活性化される、方法。
【0920】
B1.T細胞を活性化するための方法であって、その方法は、
キメラタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む核酸でT細胞をトランスフェクトするかまたは形質導入する工程
を含み、ここで、そのキメラタンパク質は、
a)膜標的化領域、
b)多量体化領域、
c)MyD88ポリペプチド、および
d)CD40ポリペプチド細胞質領域であって、ここで、そのCD40ポリペプチドは、機能的な細胞外ドメインを有しない、CD40ポリペプチド細胞質領域
を含み、それによって、そのT細胞は活性化される、方法。
【0921】
C1.T細胞を活性化するための方法であって、その方法は、
キメラタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む核酸でT細胞をトランスフェクトするかまたは形質導入する工程
を含み、ここで、そのキメラタンパク質は、
a)膜標的化領域、
b)多量体化領域、および
c)CD40ポリペプチド細胞質領域であって、ここで、そのCD40ポリペプチドは、機能的な細胞外ドメインを有しない、CD40ポリペプチド細胞質領域
を含み、それによって、そのT細胞は活性化される、方法。
【0922】
D1.前記T細胞が、初代T細胞である、実施形態A1〜C1のいずれか1つに記載の方法。
【0923】
D2.前記T細胞が、細胞傷害性T細胞である、実施形態A1〜C1のいずれか1つに記載の方法。
【0924】
D3.前記T細胞が、ナチュラルキラー細胞である、実施形態A1〜C1のいずれか1つに記載の方法。
【0925】
D4.前記T細胞が、ヘルパーT細胞である、実施形態A1〜C1のいずれか1つに記載の方法。
【0926】
D4.1.前記T細胞が、単離されたT細胞である、実施形態A1〜D4のいずれか1つに記載の方法。
【0927】
D5.多量体化領域に結合するリガンドと前記T細胞を接触させることにより多量体化をもたらし、それによって、そのT細胞が活性化される工程を含む、実施形態A1〜D4.1のいずれか1つに記載の方法。
【0928】
D6.前記核酸が、ウイルスベクター内に含まれている、実施形態A1〜D5のいずれか1つに記載の方法。
【0929】
D7.前記ウイルスベクターが、レンチウイルスベクターである、実施形態D6に記載の方法。
【0930】
D8.前記ウイルスベクターが、レトロウイルスベクターである、実施形態D6に記載の方法。
【0931】
D9.前記レトロウイルスベクターが、
図36のプラスミドベクターを用いて作製される、実施形態D8に記載の方法。
【0932】
D10.前記核酸が、プラスミド内に含まれている、実施形態A1〜D5のいずれか1つに記載の方法。
【0933】
D11.前記核酸が、プラスミド内またはウイルス内に含まれていない、実施形態D10に記載の方法。
【0934】
D12.前記ポリヌクレオチドが、プロモーターに作動可能に連結されている、実施形態A1〜D10のいずれか1つに記載の方法。
【0935】
D13.前記MyD88ポリペプチドが、TIRドメインを欠く切断型MyD88ポリペプチドである、実施形態A1、B1またはD1〜D12のいずれか1つに記載の方法。
【0936】
D14.前記MyD88ポリペプチドが、配列番号5のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを有する、実施形態D13に記載の方法。
【0937】
D15.前記MyD88ポリペプチドが、配列番号4の配列を含むポリヌクレオチドによってコードされるか、またはその機能的フラグメントである、実施形態D13またはD14に記載の方法。
【0938】
D16.腫瘍抗原を標的化するキメラ抗原レセプター(CAR)をコードするポリヌクレオチドを含む核酸で前記T細胞をトランスフェクトするかまたは形質導入する工程をさらに含む、実施形態A1〜D15のいずれか1つに記載の方法。
【0939】
D17.前記標的化された腫瘍抗原が、前立腺がん抗原である、実施形態D16のいずれか1つに記載の方法。
【0940】
D18.前記標的化された腫瘍抗原が、前立腺特異的膜抗原である、実施形態D16のいずれか1つに記載の方法。
【0941】
D19.前記膜標的化領域が、レセプターのミリストイル化領域、パルミトイル化領域、プレニル化領域および膜貫通配列からなる群より選択される、実施形態A1〜D18のいずれか1つに記載の方法。
【0942】
D20.前記膜標的化領域が、ミリストイル化領域である、実施形態D19に記載の方法。
【0943】
D21.前記多量体化領域が、FKBP、シクロフィリンレセプター、ステロイドレセプター、テトラサイクリンレセプター、重鎖抗体サブユニット、軽鎖抗体サブユニット、可動性リンカードメインによって分断された重鎖可変領域と軽鎖可変領域とをタンデムで含む一本鎖抗体およびそれらの変異された配列からなる群より選択されるリガンド結合領域である、実施形態A1〜D20のいずれか1つに記載の方法。
【0944】
D22.前記リガンド結合領域が、FKBP12領域である、実施形態D21に記載の方法。
【0945】
D23.前記FKBP12領域が、FKBP12v36領域である、実施形態D22に記載の方法。
【0946】
D24.前記FKBP領域が、Fv’Fvlsである、実施形態D21に記載の方法。
【0947】
D25.前記リガンドが、FK506二量体または二量体のFK506アナログリガンドである、実施形態D5〜D24のいずれか1つに記載の方法。
【0948】
D26.前記リガンドが、AP1903である、実施形態D25に記載の方法。
【0949】
D27.前記CD40細胞質ポリペプチド領域が、配列番号9の細胞質領域のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを有する、実施形態A1〜D26のいずれか1つに記載の方法。
【0950】
D28.前記CD40細胞質ポリペプチド領域が、配列番号8におけるヌクレオチド配列によってコードされるか、またはその機能的フラグメントである、実施形態B1〜D27のいずれか1つに記載の方法。
【0951】
D29.保留。
【0952】
D30.保留。
【0953】
D31.前記多量体化領域が、配列番号11のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを有する、実施形態A1〜D29のいずれか1つに記載の方法。
【0954】
D32.前記多量体化領域が、配列番号10におけるヌクレオチド配列によってコードされるか、またはその機能的フラグメントである、実施形態A1〜D30のいずれか1つに記載の方法。
【0955】
D33.前記多量体化領域が、配列番号13のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態D31に記載の方法。
【0956】
D33.1.前記多量体化領域が、配列番号12におけるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態D31に記載の方法。
【0957】
D33.1.前記多量体化領域が、配列番号13のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態D31に記載の方法。
【0958】
D33.2.前記多量体化領域が、配列番号12におけるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態D31に記載の方法。
【0959】
D33.3.前記多量体化領域が、配列番号27もしくは配列番号32のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態D33.1またはD33.2に記載の方法。
【0960】
D33.4.前記多量体化領域が、配列番号12もしくは配列番号10におけるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態D33.1またはD33.2に記載の方法。
【0961】
D34.前記膜標的化領域が、ミリストイル化領域である、実施形態A1〜D33.24のいずれか1つに記載の方法。
【0962】
D35.前記ミリストイル化領域が、配列番号3のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを有する、実施形態D34に記載の方法。
【0963】
D36.前記ミリストイル化領域が、配列番号2におけるヌクレオチド配列によってコードされるか、またはその機能的フラグメントである、実施形態D34に記載の方法。
【0964】
D37.前記T細胞が、ヒトT細胞である、実施形態A1〜D36のいずれか1つに記載の方法。
【0965】
D38.前記T細胞が、インビボにおいて前記多量体リガンドと接触される、実施形態D1〜D37のいずれか1つに記載の方法。
【0966】
E1.被験体における腫瘍抗原に対して免疫応答を誘導する方法であって、実施形態A1〜D37のいずれか1つに記載の方法に従ってT細胞を活性化する工程およびその活性化されたT細胞を被験体に投与する工程を含む、方法。
【0967】
E2.被験体における表面腫瘍抗原を有する腫瘍のサイズを減少させる方法であって、実施形態A1〜D37のいずれか1つに記載の方法に従ってT細胞を活性化する工程を含む、方法。
【0968】
E3.前記腫瘍が、前立腺がん腫瘍である、実施形態E2に記載の方法。
【0969】
E3.被験体における前立腺がんを処置する方法であって、その方法は、実施形態A1〜D37のいずれか1つに記載の方法に従ってT細胞を活性化する工程であって、ここで、その腫瘍抗原は、前立腺がん抗原である、工程、およびその活性化されたT細胞を被験体に投与する工程を含む、方法。
【0970】
E4.前記腫瘍抗原が、PSMAである、実施形態E3に記載の方法。
【0971】
E5.前記被験体が、ヒトである、実施形態E1〜E4のいずれか1つに記載の方法。
【0972】
E6.前記被験体が、前立腺がんを有する、実施形態E1〜E5のいずれか1つに記載の方法。
【0973】
E7.前記T細胞が、インビボにおいて前記多量体リガンドと接触される、実施形態E1〜E6のいずれか1つに記載の方法。
【0974】
E8.前記多量体リガンドを前記被験体に投与する工程を含む、実施形態E1〜E7のいずれか1つに記載の方法。
【0975】
E9.前記多量体リガンドが、AP1903である、実施形態E8に記載の方法。
【0976】
E10.前記T細胞を投与する前および/または投与した後に腫瘍のサイズを測定する工程を含む、実施形態E2〜E9のいずれかに記載の方法。
【0977】
E11.前記T細胞を投与する前および/または投与した後に前記被験体の血清PSAレベルを決定する工程を含む、実施形態E2〜E9のいずれか1つに記載の方法。
【0978】
E12.前記被験体が、7またはそれを超えるグリーソンスコアを有する前立腺がんを有する、実施形態E2〜E11のいずれか1つに記載の方法。
【0979】
E13.前記被験体が、8またはそれを超えるグリーソンスコアを有する前立腺がんを有する、実施形態E2〜E11のいずれか1つに記載の方法。
【0980】
F1.キメラタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む核酸を含むT細胞であって、ここで、そのキメラタンパク質は、
a)膜標的化領域、
b)多量体化領域、および
c)MyD88ポリペプチド
を含む、T細胞。
【0981】
F2.キメラタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む核酸を含むT細胞であって、ここで、そのキメラタンパク質は、
a)膜標的化領域、
b)多量体化領域、
c)MyD88ポリペプチド、および
d)CD40ポリペプチド細胞質領域であって、ここで、そのCD40ポリペプチドは、機能的な細胞外ドメインを有しない、CD40ポリペプチド細胞質領域
を含む、T細胞。
【0982】
F3.キメラタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む核酸を含むT細胞であって、ここで、そのキメラタンパク質は、
a)膜標的化領域、
b)多量体化領域、および
c)CD40ポリペプチド細胞質領域であって、ここで、そのCD40ポリペプチドは、機能的な細胞外ドメインを有しない、CD40ポリペプチド細胞質領域
を含む、T細胞。
【0983】
F4.腫瘍抗原をコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む核酸をさらに含む、実施形態F1〜F3のいずれか1つに記載のT細胞。
【0984】
F5.保留。
【0985】
F6.保留。
【0986】
F7.前記T細胞が、初代T細胞である、実施形態F1〜F7のいずれか1つに記載のT細胞。
【0987】
F8.前記T細胞が、細胞傷害性T細胞である、実施形態F1〜F7のいずれか1つに記載のT細胞。
【0988】
F9.保留。
【0989】
F10.前記T細胞が、ヘルパーT細胞である、実施形態F1〜F7のいずれか1つに記載のT細胞。
【0990】
F10.1.前記T細胞が、単離されたT細胞である、実施形態F1〜F10のいずれか1つに記載のT細胞。
【0991】
F11.前記核酸が、ウイルスベクター内に含まれている、実施形態F1〜F3またはF7〜F10.1のいずれか1つに記載のT細胞。
【0992】
F12.前記ウイルスベクターが、レンチウイルスベクターである、実施形態F11に記載のT細胞。
【0993】
F13.前記ウイルスベクターが、レトロウイルスベクターである、実施形態F11に記載のT細胞。
【0994】
F14.前記レトロウイルスベクターが、
図36のプラスミドベクターを用いて作製される、実施形態F13に記載のT細胞。
【0995】
F15.前記核酸が、プラスミド内に含まれている、実施形態F1〜F3またはF7〜F10.1のいずれか1つに記載のT細胞。
【0996】
F16.保留。
【0997】
F17.前記ポリヌクレオチドが、プロモーターに作動可能に連結されている、実施形態F1〜F16のいずれか1つに記載のT細胞。
【0998】
F18.前記MyD88ポリペプチドが、TIRドメインを欠く切断型MyD88ポリペプチドである、実施形態F1〜F2またはF4〜F18のいずれか1つに記載のT細胞。
【0999】
F19.前記MyD88ポリペプチドが、配列番号5のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを有する、実施形態18に記載のT細胞。
【1000】
F20.前記MyD88ポリペプチドが、配列番号4の配列を含むポリヌクレオチドによってコードされるか、またはその機能的フラグメントである、実施形態F18またはF19に記載のT細胞。
【1001】
F21.保留。
【1002】
F22.前記腫瘍抗原が、前立腺がん抗原である、実施形態F4に記載のT細胞。
【1003】
F23.前記腫瘍抗原が、前立腺特異的膜抗原である、実施形態F22に記載のT細胞。
【1004】
F24.前記膜標的化領域が、レセプターのミリストイル化領域、パルミトイル化領域、プレニル化領域および膜貫通配列からなる群より選択される、実施形態F1〜F23のいずれか1つに記載のT細胞。
【1005】
F25.前記膜標的化領域が、ミリストイル化領域である、実施形態F24に記載のT細胞。
【1006】
F26.前記多量体化領域が、FKBP、シクロフィリンレセプター、ステロイドレセプター、テトラサイクリンレセプター、重鎖抗体サブユニット、軽鎖抗体サブユニット、可動性リンカードメインによって分断された重鎖可変領域と軽鎖可変領域とをタンデムで含む一本鎖抗体およびそれらの変異された配列からなる群より選択される、実施形態F1〜F25のいずれか1つに記載のT細胞。
【1007】
F27.前記多量体化領域が、FKBP12領域である、実施形態F26に記載のT細胞。
【1008】
F28.前記FKBP12領域が、FKBP12v36領域である、実施形態F27に記載のT細胞。
【1009】
F29.前記FKBP領域が、Fv’Fvlsである、実施形態F26に記載のT細胞。
【1010】
F30.前記多量体化領域に結合することができる多量体リガンドを含む組成物中の、実施形態F1〜F29のいずれか1つに記載のT細胞。
【1011】
F30.1.前記多量体リガンドが、FK506二量体または二量体のFK506アナログリガンドである、実施形態F30に記載のT細胞。
【1012】
F31.前記多量体リガンドが、AP1903である、実施形態F30.1に記載のT細胞。
【1013】
F32.前記CD40細胞質ポリペプチド領域が、配列番号9の細胞質領域のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを有する、実施形態F2〜F3またはF5〜F31のいずれか1つに記載のT細胞。
【1014】
F33.前記CD40細胞質ポリペプチド領域が、配列番号8におけるヌクレオチド配列によってコードされるか、またはその機能的フラグメントである、実施形態F2〜F3またはF5〜F31のいずれか1つに記載のT細胞。
【1015】
F34.〜F35.保留。
【1016】
F36.前記多量体化領域が、配列番号11のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを有する、実施形態F1〜F35のいずれか1つに記載のT細胞。
【1017】
F37.前記多量体化領域が、配列番号10におけるヌクレオチド配列によってコードされるか、またはその機能的フラグメントである、実施形態F1〜F36のいずれか1つに記載のT細胞。
【1018】
F37.1.前記多量体化領域が、配列番号13のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態F36に記載の方法。
【1019】
F37.2.前記多量体化領域が、配列番号12におけるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態F37に記載の方法。
【1020】
F37.3.前記多量体化領域が、配列番号13のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態F37.1に記載の方法。
【1021】
F37.4.前記多量体化領域が、配列番号12におけるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態F37.2に記載の方法。
【1022】
F38.前記膜標的化領域が、ミリストイル化領域である、実施形態F1〜F37のいずれか1つに記載のT細胞。
【1023】
F39.前記ミリストイル化領域が、配列番号13のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを有する、実施形態F38に記載のT細胞。
【1024】
F40.前記ミリストイル化領域が、配列番号2におけるヌクレオチド配列によってコードされるか、またはその機能的フラグメントである、実施形態F38に記載のT細胞。
【1025】
F41.前記T細胞が、ヒトT細胞である、実施形態F1〜F39のいずれか1つに記載のT細胞。
【1026】
G1.被験体における腫瘍抗原に対して免疫応答を誘導する方法であって、実施形態F1〜F14のいずれか1つに記載のT細胞を被験体に投与する工程を含む、方法。
【1027】
G2.被験体における腫瘍サイズを減少させる方法であって、実施形態F1〜F41のいずれか1つに記載のT細胞を被験体に投与する工程を含む、方法。
【1028】
G3.前記腫瘍が、前立腺がん腫瘍である、実施形態G2に記載の方法。
【1029】
G4.被験体における前立腺がんを処置する方法であって、その方法は、実施形態F1〜F41のいずれか1つに記載のT細胞を被験体に投与する工程を含み、前記腫瘍抗原は、前立腺がん抗原である、方法。
【1030】
G5.前記腫瘍抗原が、PSMAである、実施形態G4に記載の方法。
【1031】
G6.前記被験体が、ヒトである、実施形態G1〜G5のいずれか1つに記載の方法。
【1032】
G7.前記被験体が、前立腺がんを有する、実施形態G1〜G6のいずれか1つに記載の方法。
【1033】
G8.前記T細胞が、前記被験体に前記T細胞を投与する前に、前記多量体化領域に結合する多量体リガンドとエキソビボにおいて接触される、実施形態G1〜G7のいずれか1つに記載の方法。
【1034】
G9.前記多量体リガンドを前記被験体に投与する工程をさらに含む、実施形態G1〜G8のいずれか1つに記載の方法。
【1035】
G10.前記多量体リガンドが、AP1903である、実施形態G9に記載の方法。
【1036】
G11.前記T細胞を投与する前および/または投与した後に前記腫瘍のサイズを測定する工程を含む、実施形態G2〜G10に記載の方法。
【1037】
G12.前記T細胞を投与する前および/または投与した後に前記被験体の血清PSAレベルを決定する工程を含む、実施形態G2〜G10に記載の方法。
【1038】
G13.前記被験体が、7またはそれを超えるグリーソンスコアを有する前立腺がんを有する、実施形態G2〜G12に記載の方法。
【1039】
G14.前記被験体が、8またはそれを超えるグリーソンスコアを有する前立腺がんを有する、実施形態G2〜G12に記載の方法。
【1040】
G15.前記T細胞を投与する前および/または投与した後に腫瘍血管構造のレベルを測定する工程を含む、実施形態G2〜G10に記載の方法。
【1041】
H1.被験体におけるT細胞を活性化するための方法であって、その方法は、キメラタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む核酸をその被験体に投与する工程を含み、ここで、そのキメラタンパク質は、
a)膜標的化領域、
b)多量体化領域、および
c)MyD88ポリペプチド領域
を含み、それによって、そのT細胞は活性化される、方法。
【1042】
H2.被験体におけるT細胞を活性化するための方法であって、その方法は、キメラタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む核酸をその被験体に投与する工程を含み、ここで、そのキメラタンパク質は、
a)膜標的化領域、
b)多量体化領域、
c)MyD88ポリペプチド、および
d)CD40ポリペプチド細胞質領域であって、ここで、そのCD40ポリペプチドは、機能的な細胞外ドメインを有しない、CD40ポリペプチド細胞質領域
を含み、それによって、そのT細胞は活性化される、方法。
【1043】
H3.被験体におけるT細胞を活性化するための方法であって、その方法は、キメラタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む核酸をその被験体に投与する工程を含み、ここで、そのキメラタンパク質は、
a)膜標的化領域、
b)多量体化領域、および
c)CD40ポリペプチド細胞質領域であって、ここで、そのCD40ポリペプチドは、機能的な細胞外ドメインを有しない、CD40ポリペプチド細胞質領域
を含み、それによって、そのT細胞は活性化される、方法。
【1044】
H4.被験体における腫瘍抗原に対して免疫応答を誘導する方法であって、実施形態H1〜H3のいずれか1つに記載の方法に従って核酸を被験体に投与する工程を含む、方法。
【1045】
H5.被験体における腫瘍サイズを減少させる方法であって、実施形態H1〜H3のいずれか1つに記載の方法に従って核酸を被験体に投与する工程を含む、方法。
【1046】
H6.前記腫瘍が、前立腺がん腫瘍である、実施形態H5に記載の方法。
【1047】
H7.被験体における前立腺がんを処置する方法であって、実施形態H1〜H3のいずれか1つに記載の方法に従って核酸を被験体に投与する工程を含み、前立腺がん抗原をコードする核酸を投与する工程をさらに含む、方法。
【1048】
H8.前記腫瘍抗原が、PSMAである、実施形態H4に記載の方法。
【1049】
H6.前記被験体が、ヒトである、実施形態H1〜H5のいずれか1つに記載の方法。
【1050】
H7.前記被験体が、前立腺がんを有する、実施形態H1〜H6のいずれか1つに記載の方法。
【1051】
H8.前記多量体化領域に結合する多量体リガンドを投与する工程をさらに含む、実施形態H1〜H7のいずれか1つに記載の方法。
【1052】
H9.前記多量体リガンドが、AP1903である、実施形態H8に記載の方法。
【1053】
H10.前記T細胞を投与する前および/または投与した後に腫瘍のサイズを測定する工程を含む、実施形態H4〜H9に記載の方法。
【1054】
H11.前記核酸を投与する前および/または投与した後に前記被験体の血清PSAレベルを決定する工程を含む、実施形態H4〜H10に記載の方法。
【1055】
H12.前記被験体が、7またはそれを超えるグリーソンスコアを有する前立腺がんを有する、実施形態H4〜H11に記載の方法。
【1056】
H13.前記被験体が、8またはそれを超えるグリーソンスコアを有する前立腺がんを有する、実施形態H4〜H11に記載の方法。
【1057】
H14.前記核酸を投与する前および/または投与した後に腫瘍血管構造のレベルを測定する工程を含む、実施形態H4〜H13に記載の方法。
【1058】
実施例30:さらなる代表的な実施形態
本技術のある特定の実施形態の例を、この後に提供する。
【1059】
A1.細胞を活性化するための方法であって、ここで、その細胞は、樹状細胞またはB細胞ではなく、その方法は、
キメラタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む核酸でその細胞をトランスフェクトするかまたは形質導入する工程を含み、ここで、そのキメラタンパク質は、
a)膜標的化領域、
b)多量体化領域、および
c)MyD88ポリペプチド
を含み、それによって、その細胞は活性化される、方法。
【1060】
B1.細胞を活性化するための方法であって、ここで、その細胞は、樹状細胞またはB細胞ではなく、その方法は、
キメラタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む核酸でその細胞をトランスフェクトするかまたは形質導入する工程を含み、ここで、そのキメラタンパク質は、
a)膜標的化領域、
b)多量体化領域、
c)MyD88ポリペプチド、および
d)CD40ポリペプチド細胞質領域であって、ここで、そのCD40ポリペプチドは、機能的な細胞外ドメインを有しない、CD40ポリペプチド細胞質領域
を含み、それによって、その細胞は活性化される、方法。
【1061】
C1.細胞を活性化するための方法であって、ここで、その細胞は、樹状細胞またはB細胞ではなく、その方法は、
キメラタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む核酸でその細胞をトランスフェクトするかまたは形質導入する工程を含み、ここで、そのキメラタンパク質は、
a)膜標的化領域、
b)多量体化領域、および
c)CD40ポリペプチド細胞質領域であって、ここで、そのCD40ポリペプチドは、機能的な細胞外ドメインを有しない、CD40ポリペプチド細胞質領域
を含み、それによって、その細胞は活性化される、方法。
【1062】
D1.前記細胞が、ナチュラルキラー細胞である、実施形態A1〜C1のいずれか1つに記載の方法。
【1063】
D2.前記細胞が、非リンパ球性造血細胞である、実施形態A1〜C1のいずれか1つに記載の方法。
【1064】
D2.1.前記細胞が、非造血細胞である、実施形態A1〜C1のいずれか1つに記載の方法。
【1065】
D3.前記細胞が、マクロファージである、実施形態A1〜C1のいずれか1つに記載の方法。
【1066】
D4.前記細胞が、ミエローマ細胞である、実施形態A1〜C1のいずれか1つに記載の方法。
【1067】
D4.1.前記細胞が、ケラチノサイトまたは線維芽細胞である、実施形態A1〜C1のいずれか1つに記載の方法。
【1068】
D5.多量体化領域に結合するリガンドと前記細胞を接触させることにより多量体化をもたらし、それによって、その細胞が活性化される工程を含む、実施形態A1〜D4.1のいずれか1つに記載の方法。
【1069】
D6.前記核酸が、ウイルスベクター内に含まれている、実施形態A1〜D5のいずれか1つに記載の方法。
【1070】
D7.前記ウイルスベクターが、レンチウイルスベクターである、実施形態D6に記載の方法。
【1071】
D8.前記ウイルスベクターが、レトロウイルスベクターである、実施形態D6に記載の方法。
【1072】
D8.1.前記ウイルスベクターが、アデノウイルスベクターである、実施形態D6に記載の方法。
【1073】
D9.前記レトロウイルスベクターが、
図36のプラスミドベクターを用いて作製される、実施形態D8に記載の方法。
【1074】
D10.前記核酸が、プラスミド内に含まれている、実施形態A1〜D5のいずれか1つに記載の方法。
【1075】
D11.前記核酸が、プラスミド内またはウイルス内に含まれていない、実施形態D10に記載の方法。
【1076】
D12.前記ポリヌクレオチドが、プロモーターに作動可能に連結されている、実施形態A1〜D10のいずれか1つに記載の方法。
【1077】
D13.前記MyD88ポリペプチドが、TIRドメインを欠く切断型MyD88ポリペプチドである、実施形態A1、B1またはD1〜D12のいずれか1つに記載の方法。
【1078】
D14.前記MyD88ポリペプチドが、配列番号5のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを有する、実施形態D13に記載の方法。
【1079】
D15.前記MyD88ポリペプチドが、配列番号4の配列を含むポリヌクレオチドによってコードされるか、またはその機能的フラグメントである、実施形態D13またはD14に記載の方法。
【1080】
D16.腫瘍抗原を標的化するキメラ抗原レセプター(CAR)をコードするポリヌクレオチドを含む核酸で前記細胞をトランスフェクトするかまたは形質導入する工程をさらに含む、実施形態A1〜D15のいずれか1つに記載の方法。
【1081】
D17.前記標的化された腫瘍抗原が、前立腺がん抗原である、実施形態D16のいずれか1つに記載の方法。
【1082】
D18.前記標的化された腫瘍抗原が、前立腺特異的膜抗原である、実施形態D16のいずれか1つに記載の方法。
【1083】
D19.前記膜標的化領域が、レセプターのミリストイル化領域、パルミトイル化領域、プレニル化領域および膜貫通配列からなる群より選択される、実施形態A1〜D18のいずれか1つに記載の方法。
【1084】
D20.前記膜標的化領域が、ミリストイル化領域である、実施形態D19に記載の方法。
【1085】
D21.前記多量体化領域が、FKBP、シクロフィリンレセプター、ステロイドレセプター、テトラサイクリンレセプター、重鎖抗体サブユニット、軽鎖抗体サブユニット、可動性リンカードメインによって分断された重鎖可変領域と軽鎖可変領域とをタンデムで含む一本鎖抗体およびそれらの変異された配列からなる群より選択されるリガンド結合領域である、実施形態A1〜D20のいずれか1つに記載の方法。
【1086】
D22.前記リガンド結合領域が、FKBP12領域である、実施形態D21に記載の方法。
【1087】
D23.前記FKBP12領域が、FKBP12v36領域である、実施形態D22に記載の方法。
【1088】
D24.前記FKBP領域が、Fv’Fvlsである、実施形態D21に記載の方法。
【1089】
D25.前記リガンドが、FK506二量体または二量体のFK506アナログリガンドである、実施形態D5〜D24のいずれか1つに記載の方法。
【1090】
D26.前記リガンドが、AP1903である、実施形態D25に記載の方法。
【1091】
D27.前記CD40細胞質ポリペプチド領域が、配列番号9の細胞質領域のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを有する、実施形態A1〜D26のいずれか1つに記載の方法。
【1092】
D28.前記CD40細胞質ポリペプチド領域が、配列番号8におけるヌクレオチド配列によってコードされるか、またはその機能的フラグメントである、実施形態B1〜D27のいずれか1つに記載の方法。
【1093】
D29〜D30.保留。
【1094】
D31.前記多量体化領域が、配列番号11のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを有する、実施形態A1〜D29のいずれか1つに記載の方法。
【1095】
D32.前記多量体化領域が、配列番号10におけるヌクレオチド配列によってコードされるか、またはその機能的フラグメントである、実施形態A1〜D30のいずれか1つに記載の方法。
【1096】
D33.前記多量体化領域が、配列番号13のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態D31に記載の方法。
【1097】
D33.1.前記多量体化領域が、配列番号12におけるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態D31に記載の方法。
【1098】
D33.1.前記多量体化領域が、配列番号13のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態D31に記載の方法。
【1099】
D33.2.前記多量体化領域が、配列番号12におけるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態D31に記載の方法。
【1100】
D33.3.前記多量体化領域が、配列番号11もしくは配列番号13のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態D33.1またはD33.2に記載の方法。
【1101】
D33.4.前記多量体化領域が、配列番号10もしくは配列番号12におけるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態D33.1またはD33.2に記載の方法。
【1102】
D34.前記膜標的化領域が、ミリストイル化領域である、実施形態A1〜D33.24のいずれか1つに記載の方法。
【1103】
D35.前記ミリストイル化領域が、配列番号3のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを有する、実施形態D34に記載の方法。
【1104】
D36.前記ミリストイル化領域が、配列番号2におけるヌクレオチド配列によってコードされるか、またはその機能的フラグメントである、実施形態D34に記載の方法。
【1105】
D37.前記細胞が、ヒト細胞である、実施形態A1〜D36のいずれか1つに記載の方法。
【1106】
D38.前記細胞が、インビボにおいて前記多量体リガンドと接触される、実施形態D1〜D37のいずれか1つに記載の方法。
【1107】
E1.被験体における腫瘍抗原に対して免疫応答を誘導する方法であって、実施形態A1〜D37のいずれか1つに記載の方法に従って細胞を活性化する工程およびその活性化された細胞を被験体に投与する工程を含む、方法。
【1108】
E2.被験体における表面腫瘍抗原を有する腫瘍のサイズを減少させる方法であって、実施形態A1〜D37のいずれか1つに記載の方法に従って細胞を活性化する工程を含む、方法。
【1109】
E3.前記腫瘍が、前立腺がん腫瘍である、実施形態E2に記載の方法。
【1110】
E3.被験体における前立腺がんを処置する方法であって、その方法は、実施形態A1〜D37のいずれか1つに記載の方法に従って細胞を活性化する工程であって、ここで、前記腫瘍抗原は、前立腺がん抗原である、工程、およびその活性化された細胞を被験体に投与する工程を含む、方法。
【1111】
E4.前記腫瘍抗原が、PSMAである、実施形態E3に記載の方法。
【1112】
E5.前記被験体が、ヒトである、実施形態E1〜E4のいずれか1つに記載の方法。
【1113】
E6.前記被験体が、前立腺がんを有する、実施形態E1〜E5のいずれか1つに記載の方法。
【1114】
E7.前記細胞が、インビボにおいて前記多量体リガンドと接触される、実施形態E1〜E6のいずれか1つに記載の方法。
【1115】
E8.前記多量体リガンドを前記被験体に投与する工程を含む、実施形態E1〜E7のいずれか1つに記載の方法。
【1116】
E9.前記多量体リガンドが、AP1903である、実施形態E8に記載の方法。
【1117】
E10.前記細胞を投与する前および/または投与した後に前記腫瘍のサイズを測定する工程を含む、実施形態E2〜E9のいずれかに記載の方法。
【1118】
E11.前記細胞を投与する前および/または投与した後に前記被験体の血清PSAレベルを決定する工程を含む、実施形態E2〜E9のいずれか1つに記載の方法。
【1119】
E12.前記被験体が、7またはそれを超えるグリーソンスコアを有する前立腺がんを有する、実施形態E2〜E11のいずれか1つに記載の方法。
【1120】
E13.前記被験体が、8またはそれを超えるグリーソンスコアを有する前立腺がんを有する、実施形態E2〜E11のいずれか1つに記載の方法。
【1121】
F1.キメラタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む核酸を含む細胞であって、ここで、そのキメラタンパク質は、
a)膜標的化領域、
b)多量体化領域、および
c)MyD88ポリペプチド
を含む、細胞。
【1122】
F2.キメラタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む核酸を含む細胞であって、ここで、そのキメラタンパク質は、
a)膜標的化領域、
b)多量体化領域、
c)MyD88ポリペプチド、および
d)CD40ポリペプチド細胞質領域であって、ここで、そのCD40ポリペプチドは、機能的な細胞外ドメインを有しない、CD40ポリペプチド細胞質領域
を含み、ここで、その細胞は、樹状細胞またはB細胞ではない、細胞。
【1123】
F3.キメラタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む核酸を含む細胞であって、ここで、そのキメラタンパク質は、
a)膜標的化領域、
b)多量体化領域、および
c)CD40ポリペプチド細胞質領域であって、ここで、そのCD40ポリペプチドは、機能的な細胞外ドメインを有しない、CD40ポリペプチド細胞質領域
を含む、細胞。
【1124】
F4.腫瘍抗原をコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む核酸をさらに含む、実施形態F1〜F3のいずれか1つに記載の細胞。
【1125】
F5.前記細胞が、ナチュラルキラー細胞である、実施形態F1〜F4のいずれか1つに記載の細胞。
【1126】
F6.前記細胞が、非リンパ球性造血細胞である、実施形態F1〜F4のいずれか1つに記載の細胞。
【1127】
F7.前記細胞が、非造血細胞である、実施形態F1〜F4のいずれか1つに記載の細胞。
【1128】
F8.前記細胞が、マクロファージである、実施形態F1〜F4のいずれか1つに記載の細胞。
【1129】
F9.前記細胞が、ケラチノサイトである、実施形態F1〜F4のいずれか1つに記載の細胞。
【1130】
F10.前記細胞が、線維芽細胞である、実施形態F1〜F4のいずれか1つに記載の細胞。
【1131】
F10.1.前記細胞が、メラノーマ細胞である、実施形態F1〜F4のいずれか1つに記載の細胞。
【1132】
F11.前記核酸が、ウイルスベクター内に含まれている、実施形態F1〜F3またはF7〜F10.1のいずれか1つに記載の細胞。
【1133】
F12.前記ウイルスベクターが、レンチウイルスベクターである、実施形態F11に記載の細胞。
【1134】
F13.前記ウイルスベクターが、レトロウイルスベクターである、実施形態F11に記載の細胞。
【1135】
F14.前記レトロウイルスベクターが、
図36のプラスミドベクターを用いて作製される、実施形態F13に記載の細胞。
【1136】
F15.前記核酸が、プラスミド内に含まれている、実施形態F1〜F3またはF7〜F10.1のいずれか1つに記載の細胞。
【1137】
F16.保留。
【1138】
F17.前記ポリヌクレオチドが、プロモーターに作動可能に連結されている、実施形態F1〜F16のいずれか1つに記載の細胞。
【1139】
F18.前記MyD88ポリペプチドが、TIRドメインを欠く切断型MyD88ポリペプチドである、実施形態F1〜F2またはF4〜F18のいずれか1つに記載の細胞。
【1140】
F19.前記MyD88ポリペプチドが、配列番号5のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを有する、実施形態18に記載の細胞。
【1141】
F20.前記MyD88ポリペプチドが、配列番号4の配列を含むポリヌクレオチドによってコードされるか、またはその機能的フラグメントである、実施形態F18またはF19に記載の細胞。
【1142】
F21.保留。
【1143】
F22.前記腫瘍抗原が、前立腺がん抗原である、実施形態F4に記載の細胞。
【1144】
F23.前記腫瘍抗原が、前立腺特異的膜抗原である、実施形態F22に記載の細胞。
【1145】
F24.前記膜標的化領域が、レセプターのミリストイル化領域、パルミトイル化領域、プレニル化領域および膜貫通配列からなる群より選択される、実施形態F1〜F23のいずれか1つに記載の細胞。
【1146】
F25.前記膜標的化領域が、ミリストイル化領域である、実施形態F24に記載の細胞。
【1147】
F26.前記多量体化領域が、FKBP、シクロフィリンレセプター、ステロイドレセプター、テトラサイクリンレセプター、重鎖抗体サブユニット、軽鎖抗体サブユニット、可動性リンカードメインによって分断された重鎖可変領域と軽鎖可変領域とをタンデムで含む一本鎖抗体およびそれらの変異された配列からなる群より選択される、実施形態F1〜F25のいずれか1つに記載の細胞。
【1148】
F27.前記多量体化領域が、FKBP12領域である、実施形態F26に記載の細胞。
【1149】
F28.前記FKBP12領域が、FKBP12v36領域である、実施形態F27に記載の細胞。
【1150】
F29.前記FKBP領域が、Fv’Fvlsである、実施形態F26に記載の細胞。
【1151】
F30.前記多量体化領域に結合することができる多量体リガンドを含む組成物中の、実施形態F1〜F29のいずれか1つに記載の細胞。
【1152】
F30.1.前記多量体リガンドが、FK506二量体または二量体のFK506アナログリガンドである、実施形態F30に記載の細胞。
【1153】
F31.前記多量体リガンドが、AP1903である、実施形態F30.1に記載の細胞。
【1154】
F32.前記CD40細胞質ポリペプチド領域が、配列番号9の細胞質領域のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを有する、実施形態F2〜F3またはF5〜F31のいずれか1つに記載の細胞。
【1155】
F33.前記CD40細胞質ポリペプチド領域が、配列番号8におけるヌクレオチド配列によってコードされるか、またはその機能的フラグメントである、実施形態F2〜F3またはF5〜F31のいずれか1つに記載の細胞。
【1156】
F34〜F35.保留。
【1157】
F36.前記多量体化領域が、配列番号11のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを有する、実施形態F1〜F35のいずれか1つに記載の細胞。
【1158】
F37.前記多量体化領域が、配列番号10におけるヌクレオチド配列によってコードされるか、またはその機能的フラグメントである、実施形態F1〜F36のいずれか1つに記載の細胞。
【1159】
F37.1.前記多量体化領域が、配列番号13のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態F36に記載の方法。
【1160】
F37.2.前記多量体化領域が、配列番号12におけるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態F37に記載の方法。
【1161】
F37.3.前記多量体化領域が、配列番号13のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態F37.1に記載の方法。
【1162】
F37.4.前記多量体化領域が、配列番号12におけるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態F37.2に記載の方法。
【1163】
F38.前記膜標的化領域が、ミリストイル化領域である、実施形態F1〜F37のいずれか1つに記載の細胞。
【1164】
F39.前記ミリストイル化領域が、配列番号3のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを有する、実施形態F38に記載の細胞。
【1165】
F40.前記ミリストイル化領域が、配列番号2におけるヌクレオチド配列によってコードされるか、またはその機能的フラグメントである、実施形態F38に記載の細胞。
【1166】
F41.前記細胞が、ヒト細胞である、実施形態F1〜F39のいずれか1つに記載の細胞。
【1167】
G1.被験体における腫瘍抗原に対して免疫応答を誘導する方法であって、実施形態F1〜F14のいずれか1つに記載の細胞を被験体に投与する工程を含む、方法。
【1168】
G2.被験体における腫瘍サイズを減少させる方法であって、実施形態F1〜F41のいずれか1つに記載の細胞を被験体に投与する工程を含む、方法。
【1169】
G3.前記腫瘍が、前立腺がん腫瘍である、実施形態G2に記載の方法。
【1170】
G4.被験体における前立腺がんを処置する方法であって、その方法は、実施形態F1〜F41のいずれか1つに記載の細胞を被験体に投与する工程を含み、前記腫瘍抗原は、前立腺がん抗原である、方法。
【1171】
G5.前記腫瘍抗原が、PSMAである、実施形態G4に記載の方法。
【1172】
G6.前記被験体が、ヒトである、実施形態G1〜G5のいずれか1つに記載の方法。
【1173】
G7.前記被験体が、前立腺がんを有する、実施形態G1〜G6のいずれか1つに記載の方法。
【1174】
G8.前記細胞が、前記被験体にその細胞を投与する前に、前記多量体化領域に結合する多量体リガンドとエキソビボにおいて接触される、実施形態G1〜G7のいずれか1つに記載の方法。
【1175】
G9.前記多量体リガンドを前記被験体に投与する工程をさらに含む、実施形態G1〜G8のいずれか1つに記載の方法。
【1176】
G10.前記多量体リガンドが、AP1903である、実施形態G9に記載の方法。
【1177】
G11.前記細胞を投与する前および/または投与した後に前記腫瘍のサイズを測定する工程を含む、実施形態G2〜G10に記載の方法。
【1178】
G12.前記細胞を投与する前および/または投与した後に前記被験体の血清PSAレベルを決定する工程を含む、実施形態G2〜G10に記載の方法。
【1179】
G13.前記被験体が、7またはそれを超えるグリーソンスコアを有する前立腺がんを有する、実施形態G2〜G12に記載の方法。
【1180】
G14.前記被験体が、8またはそれを超えるグリーソンスコアを有する前立腺がんを有する、実施形態G2〜G12に記載の方法。
【1181】
G15.前記細胞を投与する前および/または投与した後に腫瘍血管構造のレベルを測定する工程を含む、実施形態G2〜G10に記載の方法。
【1182】
H1.被験体における細胞を活性化するための方法であって、その方法は、キメラタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む核酸をその被験体に投与する工程を含み、ここで、そのキメラタンパク質は、
a)膜標的化領域、
b)多量体化領域、および
c)MyD88ポリペプチド
を含み、それによって、その細胞は活性化され、ここで、その細胞は、樹状細胞またはB細胞ではない、方法。
【1183】
H2.被験体における細胞を活性化するための方法であって、その方法は、キメラタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む核酸をその被験体に投与する工程を含み、ここで、そのキメラタンパク質は、
a)膜標的化領域、
b)多量体化領域、
c)MyD88ポリペプチド、および
d)CD40ポリペプチド細胞質領域であって、ここで、そのCD40ポリペプチドは、機能的な細胞外ドメインを有しない、CD40ポリペプチド細胞質領域
を含み、それによって、その細胞は活性化される、方法。
【1184】
H3.被験体における細胞を活性化するための方法であって、その方法は、キメラタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む核酸をその被験体に投与する工程を含み、ここで、そのキメラタンパク質は、
a)膜標的化領域、
b)多量体化領域、および
c)CD40ポリペプチド細胞質領域であって、ここで、そのCD40ポリペプチドは、機能的な細胞外ドメインを有しない、CD40ポリペプチド細胞質領域
を含み、それによって、その細胞は活性化される、方法。
【1185】
H4.実施形態H1〜H3のいずれか1つに記載の方法に従って核酸を被験体に投与する工程を含む、被験体における腫瘍抗原に対して免疫応答を誘導する方法。
【1186】
H5.実施形態H1〜H3のいずれか1つに記載の方法に従って核酸を被験体に投与する工程を含む、被験体における腫瘍サイズを減少させる方法。
【1187】
H6.前記腫瘍が、前立腺がん腫瘍である、実施形態H5に記載の方法。
【1188】
H7.被験体における前立腺がんを処置する方法であって、実施形態H1〜H3のいずれか1つに記載の方法に従って核酸を被験体に投与する工程を含み、前立腺がん抗原をコードする核酸を投与する工程をさらに含む、方法。
【1189】
H8.前記腫瘍抗原が、PSMAである、実施形態H4に記載の方法。
【1190】
H6.前記被験体が、ヒトである、実施形態H1〜H5のいずれか1つに記載の方法。
【1191】
H7.前記被験体が、前立腺がんを有する、実施形態H1〜H6のいずれか1つに記載の方法。
【1192】
H8.前記多量体化領域に結合する多量体リガンドを投与する工程をさらに含む、実施形態H1〜H7のいずれか1つに記載の方法。
【1193】
H9.前記多量体リガンドが、AP1903である、実施形態H8に記載の方法。
【1194】
H10.前記細胞を投与する前および/または投与した後に前記腫瘍のサイズを測定する工程を含む、実施形態H4〜H9に記載の方法。
【1195】
H11.前記核酸を投与する前および/または投与した後に前記被験体の血清PSAレベルを決定する工程を含む、実施形態H4〜H10に記載の方法。
【1196】
H12.前記被験体が、7またはそれを超えるグリーソンスコアを有する前立腺がんを有する、実施形態H4〜H11に記載の方法。
【1197】
H13.前記被験体が、8またはそれを超えるグリーソンスコアを有する前立腺がんを有する、実施形態H4〜H11に記載の方法。
【1198】
H14.前記核酸を投与する前および/または投与した後に腫瘍血管構造のレベルを測定する工程を含む、実施形態H4〜H13に記載の方法。
【1199】
H15.前記細胞が、ナチュラルキラー細胞である、実施形態H1〜H14のいずれか1つに記載の方法。
【1200】
H16.前記細胞が、非リンパ球性造血細胞である、実施形態H1〜H14のいずれか1つに記載の方法。
【1201】
H17.前記細胞が、非造血細胞である、実施形態H1〜H14のいずれか1つに記載の方法。
【1202】
H18.前記細胞が、マクロファージである、実施形態H1〜H14のいずれか1つに記載の方法。
【1203】
H19.前記細胞が、ケラチノサイトである、実施形態H1〜H14のいずれか1つに記載の方法。
【1204】
H20.前記細胞が、線維芽細胞である、実施形態H1〜H14のいずれか1つに記載の方法。
【1205】
H21.前記細胞が、メラノーマ細胞である、実施形態H1〜H14のいずれか1つに記載の方法。
【1206】
J1.誘導可能なキメラシグナル伝達分子をコードするポリヌクレオチドを含む核酸を含む組成物を形質導入されたまたはトランスフェクトされた細胞であって、ここで、その誘導可能なキメラシグナル伝達分子は、膜標的化領域、多量体化領域、およびTIRドメインを欠く切断型MyD88ポリペプチドを含む、細胞。
【1207】
J1.1.前記誘導可能なキメラシグナル伝達分子が、細胞外ドメインを欠く細胞質CD40ポリペプチドをさらに含む、実施形態J1に記載の細胞。
【1208】
J1.2.誘導可能なキメラシグナル伝達分子をコードするポリヌクレオチドを含む核酸を含む組成物を形質導入されたまたはトランスフェクトされた細胞であって、ここで、その誘導可能なキメラシグナル伝達分子が、膜標的化領域、多量体化領域、および細胞外ドメインを欠く細胞質CD40ポリペプチドを含む、細胞。
【1209】
J2.前記切断型MyD88ポリペプチドが、配列番号5のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを有する、実施形態J1またはJ1.2のいずれかに記載の細胞。
【1210】
J2.1.前記細胞質CD40ポリペプチドが、配列番号9のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを有する、実施形態J1.1またはJ1.2のいずれかに記載の細胞。
【1211】
J3.前記膜標的化領域が、ミリストイル化標的化配列である、実施形態J1〜J2.1のいずれかに記載の細胞。
【1212】
J4〜J6.保留。
【1213】
J7.前記誘導可能なキメラシグナル伝達分子が、CD3ζポリペプチドをさらに含む、実施形態J1〜J3のいずれか1つに記載の細胞。
【1214】
J8.前記多量体化領域が、FKBP、シクロフィリンレセプター、ステロイドレセプター、テトラサイクリンレセプター、重鎖抗体サブユニット、軽鎖抗体サブユニットおよびそれらの変異された配列からなる群より選択される、実施形態J1〜J7のいずれか1つに記載の細胞。
【1215】
J9.前記多量体化領域が、FKBP12領域である、実施形態J1〜J8のいずれか1つに記載の細胞。
【1216】
J10.前記FKBP12領域が、FKBP12v36領域である、実施形態J1〜J9のいずれか1つに記載の細胞。
【1217】
J11.前記多量体化領域が、Fv’Fvlsである、実施形態J1〜J8のいずれか1つに記載の細胞。
【1218】
J12.前記多量体化領域が、FK506二量体および二量体のFK506アナログリガンドからなる群より選択されるリガンドに結合する、実施形態J1〜J8のいずれか1つに記載の細胞。
【1219】
J13.前記リガンドが、AP1903またはAP20187である、実施形態J1〜J12のいずれか1つに記載の細胞。
【1220】
J14.前記多量体化領域が、配列番号11のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを有する、実施形態J1〜J13のいずれか1つに記載の細胞。
【1221】
J15.前記多量体化領域が、配列番号10におけるヌクレオチド配列によってコードされるか、またはその機能的フラグメントである、実施形態J1〜J14のいずれか1つに記載の細胞。
【1222】
J16.前記多量体化領域が、配列番号13のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態J14に記載の細胞。
【1223】
J17.前記多量体化領域が、配列番号12におけるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態J15に記載の細胞。
【1224】
J18.前記多量体化領域が、配列番号13のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態J14またはJ16に記載の細胞。
【1225】
J19.前記多量体化領域が、配列番号12におけるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態J15またはJ17に記載の細胞。
【1226】
J20.前記多量体化領域が、配列番号11もしくは配列番号13のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態J14、J16またはJ18のいずれか1つに記載の細胞。
【1227】
J21.前記多量体化領域が、配列番号10もしくは配列番号12におけるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態J15、J17またはJ19のいずれか1つに記載の細胞。
【1228】
J22.前記核酸が、前記ポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーター配列を含む、実施形態J1〜J21のいずれか1つに記載の細胞。
【1229】
J23.前記核酸が、ウイルスベクター内に含まれている、実施形態J1〜J22のいずれか1つに記載の細胞。
【1230】
J24.前記ウイルスベクターが、レトロウイルスベクターである、実施形態J23に記載の細胞。
【1231】
J25.前記レトロウイルスベクターが、マウス白血病ウイルスベクターである、実施形態J24に記載の細胞。
【1232】
J26.前記レトロウイルスベクターが、SFGベクターである、実施形態J24に記載の細胞。
【1233】
J27.前記ウイルスベクターが、アデノウイルスベクターである、実施形態J23に記載の細胞。
【1234】
J28.前記ウイルスベクターが、レンチウイルスベクターである、実施形態J23に記載の細胞。
【1235】
J29.前記核酸が、プラスミド内に含まれている、実施形態J1〜J22のいずれか1つに記載の細胞。
【1236】
J30.保留。
【1237】
J31.前記細胞が、T細胞、腫瘍浸潤リンパ球、NK−T細胞またはNK細胞である、実施形態J1〜J30のいずれか1つに記載の細胞。
【1238】
J32.前記細胞が、T細胞である、実施形態J31に記載の細胞。
【1239】
J33.前記細胞が、骨髄から得られるかまたは調製される、実施形態J1〜J32のいずれか1つに記載の細胞。
【1240】
J34.前記細胞が、臍帯血から得られるかまたは調製される、実施形態J1〜J32のいずれか1つに記載の細胞。
【1241】
J35.前記細胞が、末梢血から得られるかまたは調製される、実施形態J1〜J32のいずれか1つに記載の細胞。
【1242】
J36.前記細胞が、末梢血単核球から得られるかまたは調製される、実施形態J1〜J32のいずれか1つに記載の細胞。
【1243】
J37.前記細胞が、ヒト細胞である、実施形態J31〜J36のいずれか1つに記載の細胞。
【1244】
J38.前記細胞が、シグナルペプチド、一本鎖可変フラグメント、CH2−CH3ヒンジ領域およびCD3ζポリペプチドを含む誘導可能なキメラシグナル伝達分子をコードするポリヌクレオチドを含む核酸でさらに形質転換されるかまたは形質導入される、実施形態J1〜J37のいずれか1つに記載の細胞。
【1245】
J38.1.前記誘導可能なキメラシグナル伝達分子が、CD3ζポリペプチドを含まない、実施形態J38に記載の細胞。
【1246】
J38.2.前記誘導可能なキメラシグナル伝達分子が、CD3ζポリペプチドを含む、実施形態J38またはJ38.1に記載の細胞。
【1247】
J39.前記一本鎖可変フラグメントが、腫瘍細胞上の抗原に結合する、実施形態J38〜J38.2のいずれか1つに記載の細胞。
【1248】
J40.前記一本鎖可変フラグメントが、過剰増殖性疾患に関与する細胞上の抗原に結合する、実施形態J38〜J38.2のいずれか1つに記載の細胞。
【1249】
J41.前記一本鎖可変フラグメントが、αPSMA、αPSCA、αMUC1、αCD19、αROR1、αMesothelin、αGD2、αCD123、αMUC16およびαHer2/Neu一本鎖可変フラグメントからなる群より選択される、実施形態J38〜J40のいずれか1つに記載の細胞。
【1250】
J42.前記一本鎖可変フラグメントが、αCD19一本鎖可変フラグメントである、実施形態J38〜J40のいずれかに記載の細胞。
【1251】
J42.1.前記一本鎖可変フラグメントが、αPSCA一本鎖可変フラグメントである、実施形態J38〜J40のいずれかに記載の細胞。
【1252】
J43.免疫応答を誘導するための方法であって、実施形態J1〜J42.1に記載の細胞を、前記多量体化領域に結合するリガンドと接触させることによりその誘導可能なキメラシグナル伝達分子の多量体化をもたらす工程を含む、方法。
【1253】
J44.前記細胞が、インビボにおいて前記リガンドと接触される、実施形態J43に記載の方法。
【1254】
J45.前記リガンドが、二量体である、実施形態J43またはJ44に記載の方法。
【1255】
J46.前記リガンドが、二量体のFK506または二量体のFK506様アナログである、実施形態J45に記載の方法。
【1256】
J47.前記リガンドが、AP1903またはAP20187である、実施形態J45に記載の方法。
【1257】
J48.前記トランスフェクトされたまたは形質導入された細胞を被験体に投与する工程をさらに含む、実施形態J43〜J47のいずれか1つに記載の方法。
【1258】
J49.前記細胞が、静脈内投与によって前記被験体に投与される、実施形態J48に記載の方法。
【1259】
J50〜J56.保留。
【1260】
J56.前記被験体が、腫瘍と診断されている、実施形態J43〜J49のいずれか1つに記載の方法。
【1261】
J57.前記被験体が、がんを有する、実施形態J43〜J49のいずれか1つに記載の方法。
【1262】
J58.前記被験体が、固形腫瘍を有する、実施形態J43〜J49のいずれか1つに記載の方法。
【1263】
J59.前記細胞が、腫瘍浸潤リンパ球またはT細胞である、実施形態J58に記載の方法。
【1264】
J60.前記細胞が、前記腫瘍床に送達される、実施形態J58またはJ59に記載の方法。
【1265】
J61.前記がんが、前記被験体の血液中または骨髄中に存在する、実施形態J57に記載の方法。
【1266】
J62.前記被験体が、血液疾患または骨髄疾患を有する、実施形態J43〜J49のいずれか1つに記載の方法。
【1267】
J63.前記被験体が、任意の状態または幹細胞移植によって緩和され得る障害と診断されている、実施形態J43〜J49のいずれか1つに記載の方法。
【1268】
J64.前記被験体が、鎌状赤血球貧血または異染性白質ジストロフィーと診断されている、実施形態J43〜J49のいずれか1つに記載の方法。
【1269】
J65.前記患者が、原発性免疫不全障害、血球貪食リンパ組織球増多症(HLH)または他の血球貪食障害、遺伝性骨髄不全障害、異常ヘモグロビン症、代謝障害および破骨細胞障害からなる群より選択される状態と診断されている、実施形態J43〜J49のいずれか1つに記載の方法。
【1270】
J66.前記状態が、重症複合免疫不全症(SCID)、複合免疫不全症(CID)、先天性T細胞欠損/欠損症、分類不能型免疫不全症(CVID)、慢性肉芽腫症、IPEX(免疫不全、多腺性内分泌障害、腸症、X連鎖)またはIPEX様、ウィスコット・オールドリッチ症候群、CD40リガンド欠損症、白血球接着不全、DOCK8欠損症、IL−10欠損症/IL−10レセプター欠損症、GATA2欠損症、X連鎖リンパ球増殖性疾患(XLP)、軟骨毛髪形成不全、シュバッハマン・ダイアモンド症候群、ダイアモンドブラックファン貧血、先天性角化異常症、ファンコニー貧血、先天性好中球減少症、鎌状赤血球症、サラセミア、ムコ多糖症、スフィンゴリピドーシスおよび大理石骨病からなる群より選択される、実施形態J43〜J49のいずれか1つに記載の方法。
【1271】
J67.被験体における白血病を処置するための方法であって、実施形態J1〜J42.1のいずれか1つに記載の細胞を投与する工程および多量体リガンドをその被験体に投与する工程を含む、方法。
【1272】
J68.前記一本鎖可変フラグメントが、CD19に結合する、実施形態J67に記載の方法。
【1273】
J69.前記多量体リガンドが、AP1903またはAP20187である、実施形態J67またはJ68に記載の方法。
【1274】
J70.前記細胞が、T細胞である、実施形態J67〜J69のいずれかに記載の方法。
【1275】
J71.前記被験体が、ヒトである、実施形態J43〜J70のいずれか1つに記載の方法。
【1276】
J72.さらなる用量の前記多量体リガンドを前記被験体に投与するべきであるかを判定する工程をさらに含む、実施形態J43〜J71のいずれか1つに記載の方法。
【1277】
J73.さらなる用量の前記多量体リガンドを前記被験体に投与する工程をさらに含み、ここで、前記疾患または状態の症候は、症候の減少後になおも残っているかまたは検出される、実施形態J43〜J72のいずれか1つに記載の方法。
【1278】
J74.実施形態1〜42.1のいずれか1つに記載の細胞を投与する前に、前記被験体が、ある疾患または状態と診断されており、前記多量体リガンドを投与した後にその疾患または状態が検出され、さらなる用量の該多量体リガンドが、その被験体に投与される、実施形態J73に記載の方法。
【1279】
J75.被験体における状態または疾患の有無またはステージを特定する工程、および
その被験体において特定された状態または疾患の有無またはステージに基づいて、多量体結合領域に結合する多量体リガンドを投与する指示、その多量体リガンドのその後の投与量を維持する指示またはその患者に投与されるその多量体リガンドのその後の投与量を調整する指示を伝える工程
をさらに含む、実施形態J43〜J74のいずれか1つに記載の方法。
【1280】
J76.前記状態が、がんである、実施形態J72〜J75のいずれか1つに記載の方法。
【1281】
J77.前記状態が、白血病である、実施形態J72〜J75のいずれか1つに記載の方法。
【1282】
J78.前記状態が、固形腫瘍である、実施形態J72〜J75のいずれか1つに記載の方法。
【1283】
J79.前記多量体リガンドを投与した後の腫瘍サイズおよび/または腫瘍細胞数と比べたときの、被験体における腫瘍サイズの増加および/または腫瘍細胞数の増加の有無を判定する工程、および
腫瘍サイズの増加および/または腫瘍細胞数の増加の存在が判定された場合、さらなる用量の該多量体リガンドをその被験体に投与する工程
を含む、実施形態J78に記載の方法。
【1284】
J80.前記多量体リガンドを投与した後の、CD19を発現しているB細胞のレベルと比べたときの、被験体におけるCD19を発現しているB細胞の増加の有無を判定する工程、および
その被験体においてCD19を発現しているB細胞の増加の存在が判定された場合、さらなる用量の該多量体リガンドをその被験体に投与する工程
を含む、実施形態J77に記載の方法。
【1285】
J81.前記多量体リガンドを投与した後の腫瘍サイズおよび/または腫瘍細胞数が、その多量体リガンドを投与する前の腫瘍サイズおよび/または腫瘍細胞数と比べて減少する、実施形態J79に記載の方法。
【1286】
J82.前記多量体リガンドを投与した後のCD19を発現しているB細胞のレベルが、その多量体リガンドを投与する前のCD19を発現しているB細胞のレベルと比べて減少する、実施形態J80に記載の方法。
【1287】
J83.前記被験体が、HIV、インフルエンザ、疱疹、ウイルス性肝炎、エプスタイン・バー、ポリオ、ウイルス性脳炎、麻疹、水痘、サイトメガロウイルス(CMV)、アデノウイルス(ADV)、HHV−6(ヒトヘルペスウイルス6,I)およびパピローマウイルスからなる群より選択されるウイルス病因の感染症と診断されているか、または肺炎、結核および梅毒からなる群より選択される細菌病因の感染症と診断されているか、またはマラリア、トリパノソーマ症、リーシュマニア症、トリコモナス症およびアメーバ症からなる群より選択される寄生生物病因の感染症と診断されている、実施形態J43〜J74のいずれか1つに記載の方法。
【1288】
K1.誘導可能なキメラ抗原レセプターをコードするポリヌクレオチドを含む核酸を含む組成物であって、ここで、前記誘導可能なキメラ抗原レセプターは、多量体化領域、TIRドメインを欠く切断型MyD88ポリペプチドおよび一本鎖可変フラグメントを含む、組成物。
【1289】
K1.1.前記誘導可能なキメラ抗原レセプターが、細胞外ドメインを欠く細胞質CD40ポリペプチドをさらに含む、実施形態K1に記載の組成物。
【1290】
K1.2.誘導可能なキメラ抗原レセプターをコードするポリヌクレオチドを含む核酸を含む組成物であって、ここで、前記誘導可能なキメラ抗原レセプターは、多量体化領域、細胞外ドメインを欠く細胞質CD40ポリペプチドおよび一本鎖可変フラグメントを含む、組成物。
【1291】
K2.前記切断型MyD88ポリペプチドが、配列番号5のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを有する、任意の実施形態K1またはK1.2に記載の組成物。
【1292】
K2.1.前記細胞質CD40ポリペプチドが、配列番号4のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを有する、実施形態K1.1またはK1.2のいずれかに記載の組成物。
【1293】
K3〜K6.保留。
【1294】
K7.前記誘導可能なキメラ抗原レセプターが、CD3ζポリペプチドをさらに含む、実施形態K1〜K2.1のいずれか1つに記載の組成物。
【1295】
K8.前記多量体化領域が、FKBP、シクロフィリンレセプター、ステロイドレセプター、テトラサイクリンレセプター、重鎖抗体サブユニット、軽鎖抗体サブユニットおよびそれらの変異された配列からなる群より選択される、実施形態K1〜K7のいずれか1つに記載の組成物。
【1296】
K9.前記多量体化領域が、FKBP12領域である、実施形態K1〜K8のいずれか1つに記載の組成物。
【1297】
K10.前記多量体化領域が、FKBP12v36領域である、実施形態K1〜K9のいずれか1つに記載の組成物。
【1298】
K11.前記多量体化領域が、Fv’Fvlsである、実施形態K1〜K8のいずれか1つに記載の組成物。
【1299】
K12.前記多量体化領域が、FK506二量体および二量体のFK506アナログリガンドからなる群より選択されるリガンドに結合する、実施形態K1〜K8のいずれか1つに記載の組成物。
【1300】
K13.前記リガンドが、AP1903またはAP20187である、実施形態K1〜K12のいずれか1つに記載の組成物。
【1301】
K14.前記多量体化領域が、配列番号11のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを有する、実施形態K1〜K13のいずれか1つに記載の組成物。
【1302】
K15.前記多量体化領域が、配列番号10におけるヌクレオチド配列によってコードされるか、またはその機能的フラグメントである、実施形態K1〜K14のいずれか1つに記載の組成物。
【1303】
K16.前記多量体化領域が、配列番号13のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態K14に記載の組成物。
【1304】
K17.前記多量体化領域が、配列番号12におけるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態K15に記載の組成物。
【1305】
K18.前記多量体化領域が、配列番号13のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態K14またはK16に記載の組成物。
【1306】
K19.前記多量体化領域が、配列番号12におけるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態K15またはK17に記載の組成物。
【1307】
K20.前記多量体化領域が、配列番号11もしくは配列番号13のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態K14、K16またはK18のいずれか1つに記載の組成物。
【1308】
K21.前記多量体化領域が、配列番号10もしくは配列番号12におけるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態K15、K17またはK19のいずれか1つに記載の組成物。
【1309】
K22.前記核酸が、前記ポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーター配列を含む、実施形態K1〜K21のいずれか1つに記載の組成物。
【1310】
K23.前記核酸が、ウイルスベクター内に含まれている、実施形態K1〜K22のいずれか1つに記載の組成物。
【1311】
K24.前記ウイルスベクターが、レトロウイルスベクターである、実施形態K23に記載の組成物。
【1312】
K25.前記レトロウイルスベクターが、マウス白血病ウイルスベクターである、実施形態K24に記載の組成物。
【1313】
K26.前記レトロウイルスベクターが、SFGベクターである、実施形態K24に記載の組成物。
【1314】
K27.前記ウイルスベクターが、アデノウイルスベクターである、実施形態K23に記載の組成物。
【1315】
K28.前記ウイルスベクターが、レンチウイルスベクターである、実施形態K23に記載の組成物。
【1316】
K29.前記核酸が、プラスミド内に含まれている、実施形態K1〜K22のいずれか1つに記載の組成物。
【1317】
K30.実施形態K1〜K29のいずれか1つに記載の組成物を形質導入されたまたは形質転換された細胞。
【1318】
K31.前記細胞が、T細胞、腫瘍浸潤リンパ球、NK−T細胞またはNK細胞である、実施形態K30に記載の細胞。
【1319】
K32.前記細胞が、T細胞である、実施形態K31に記載の細胞。
【1320】
K33.前記細胞が、骨髄から得られるかまたは調製される、実施形態K1〜K3のいずれか1つに記載の細胞。
【1321】
K34.前記細胞が、臍帯血から得られるかまたは調製される、実施形態K1〜K3のいずれか1つに記載の細胞。
【1322】
K35.前記細胞が、末梢血から得られるかまたは調製される、実施形態K1〜K3のいずれか1つに記載の細胞。
【1323】
K36.前記細胞が、末梢血単核球から得られるかまたは調製される、実施形態K1〜K3のいずれか1つに記載の細胞。
【1324】
K37.前記細胞が、ヒト細胞である、実施形態K31〜K3のいずれか1つに記載の細胞。
【1325】
K38.保留。
【1326】
K39.前記一本鎖可変フラグメントが、腫瘍細胞上の抗原に結合する、実施形態K1〜K37のいずれか1つに記載の細胞。
【1327】
K40.前記一本鎖可変フラグメントが、過剰増殖性疾患に関与する細胞上の抗原に結合する、実施形態K1〜K37のいずれか1つに記載の細胞。
【1328】
K41.前記一本鎖可変フラグメントが、αPSMA、αPSCA、αMUC1、αCD19、αROR1、αMesothelin、αGD2、αCD123、αMUC16およびαHer2/Neu一本鎖可変フラグメントからなる群より選択される、実施形態K1〜K40のいずれか1つに記載の細胞。
【1329】
K42.前記一本鎖可変フラグメントが、αCD19一本鎖可変フラグメントである、実施形態K1〜K40のいずれかに記載の細胞。
【1330】
K42.1.前記一本鎖可変フラグメントが、αPSCA一本鎖可変フラグメントである、実施形態K1〜K40のいずれかに記載の細胞。
【1331】
K43.免疫応答を誘導するための方法であって、実施形態K1〜K42.1に記載の細胞を、多量体化領域に結合するリガンドと接触させることにより、誘導可能なキメラ抗原レセプターの多量体化をもたらす工程を含む、方法。
【1332】
K44.前記細胞が、インビボにおいて前記リガンドと接触される、実施形態K43に記載の方法。
【1333】
K45.前記リガンドが、二量体である、実施形態K43またはK44に記載の方法。
【1334】
K46.前記リガンドが、二量体のFK506または二量体のFK506様アナログである、実施形態K45に記載の方法。
【1335】
K47.前記リガンドが、AP1903またはAP20187である、実施形態K45に記載の方法。
【1336】
K48.前記トランスフェクトされたまたは形質導入された細胞を被験体に投与する工程をさらに含む、実施形態K43〜K47のいずれか1つに記載の方法。
【1337】
K49.前記細胞が、静脈内投与によって前記被験体に投与される、実施形態K48に記載の方法。
【1338】
K50〜K56.保留。
【1339】
K56.前記被験体が、腫瘍と診断されている、実施形態K43〜K49のいずれか1つに記載の方法。
【1340】
K57.前記被験体が、がんを有する、実施形態K43〜K49のいずれか1つに記載の方法。
【1341】
K58.前記被験体が、固形腫瘍を有する、実施形態K43〜K49のいずれか1つに記載の方法。
【1342】
K59.前記細胞が、腫瘍浸潤リンパ球またはT細胞である、実施形態K58に記載の方法。
【1343】
K60.前記細胞が、前記腫瘍床に送達される、実施形態K58またはK59に記載の方法。
【1344】
K61.前記がんが、前記被験体の血液中または骨髄中に存在する、実施形態K57に記載の方法。
【1345】
K62.前記被験体が、血液疾患または骨髄疾患を有する、実施形態K43〜K49のいずれか1つに記載の方法。
【1346】
K63.前記被験体が、任意の状態または幹細胞移植によって緩和され得る障害と診断されている、実施形態K43〜K49のいずれか1つに記載の方法。
【1347】
K64.前記被験体が、鎌状赤血球貧血または異染性白質ジストロフィーと診断されている、実施形態K43〜K49のいずれか1つに記載の方法。
【1348】
K65.前記患者が、原発性免疫不全障害、血球貪食リンパ組織球増多症(HLH)または他の血球貪食障害、遺伝性骨髄不全障害、異常ヘモグロビン症、代謝障害および破骨細胞障害からなる群より選択される状態と診断されている、実施形態K43〜K49のいずれか1つに記載の方法。
【1349】
K66.前記状態が、重症複合免疫不全症(SCID)、複合免疫不全症(CID)、先天性T細胞欠損/欠損症、分類不能型免疫不全症(CVID)、慢性肉芽腫症、IPEX(免疫不全、多腺性内分泌障害、腸症、X連鎖)またはIPEX様、ウィスコット・オールドリッチ症候群、CD40リガンド欠損症、白血球接着不全、DOCK8欠損症、IL−10欠損症/IL−10レセプター欠損症、GATA2欠損症、X連鎖リンパ球増殖性疾患(XLP)、軟骨毛髪形成不全、シュバッハマン・ダイアモンド症候群、ダイアモンドブラックファン貧血、先天性角化異常症、ファンコニー貧血、先天性好中球減少症、鎌状赤血球症、サラセミア、ムコ多糖症、スフィンゴリピドーシスおよび大理石骨病からなる群より選択される、実施形態K43〜K49のいずれか1つに記載の方法。
【1350】
K67.被験体における白血病を処置するための方法であって、実施形態K1〜K42.1のいずれか1つに記載の細胞を投与する工程および多量体リガンドをその被験体に投与する工程を含む、方法。
【1351】
K68.前記一本鎖可変フラグメントが、CD19に結合する、実施形態K67に記載の方法。
【1352】
K69.前記多量体リガンドが、AP1903またはAP20187である、実施形態K67またはK68に記載の方法。
【1353】
K70.前記細胞が、T細胞である、実施形態K67〜K69のいずれかに記載の方法。
【1354】
K71.前記被験体が、ヒトである、実施形態K43〜K70のいずれか1つに記載の方法。
【1355】
K72.さらなる用量の前記多量体リガンドを前記被験体に投与するべきであるかを判定する工程をさらに含む、実施形態K43〜K71のいずれか1つに記載の方法。
【1356】
K73.さらなる用量の前記多量体リガンドを前記被験体に投与する工程をさらに含み、ここで、前記疾患または状態の症候は、症候の減少後になおも残っているかまたは検出される、実施形態K43〜K72のいずれか1つに記載の方法。
【1357】
K74.実施形態1〜42.1のいずれか1つに記載の細胞を投与する前に、前記被験体が、ある疾患または状態と診断されており、多量体リガンドを投与した後に、その疾患または状態が検出され、さらなる用量の該多量体リガンドが、その被験体に投与される、実施形態K73に記載の方法。
【1358】
K75.被験体における状態または疾患の有無またはステージを特定する工程、および
その被験体において特定された状態または疾患の有無またはステージに基づいて、多量体結合領域に結合する多量体リガンドを投与する指示、その多量体リガンドのその後の投与量を維持する指示またはその患者に投与されるその多量体リガンドのその後の投与量を調整する指示を伝える工程
をさらに含む、実施形態K43〜K74のいずれか1つに記載の方法。
【1359】
K76.前記状態が、がんである、実施形態K72〜K75のいずれか1つに記載の方法。
【1360】
K77.前記状態が、白血病である、実施形態K72〜K75のいずれか1つに記載の方法。
【1361】
K78.前記状態が、固形腫瘍である、実施形態K72〜K75のいずれか1つに記載の方法。
【1362】
K79.前記多量体リガンドを投与した後の腫瘍サイズおよび/または腫瘍細胞数と比べたときの、被験体における腫瘍サイズの増加および/または腫瘍細胞数の増加の有無を判定する工程、および
腫瘍サイズの増加および/または腫瘍細胞数の増加の存在が判定された場合、さらなる用量の該多量体リガンドをその被験体に投与する工程
を含む、実施形態K78に記載の方法。
【1363】
K80.前記多量体リガンドを投与した後の、CD19を発現しているB細胞のレベルと比べたときの、被験体におけるCD19を発現しているB細胞の増加の有無を判定する工程、および
その被験体においてCD19を発現しているB細胞の増加の存在が判定された場合、さらなる用量の該多量体リガンドをその被験体に投与する工程
を含む、実施形態K77に記載の方法。
【1364】
K81.前記多量体リガンドを投与した後の腫瘍サイズおよび/または腫瘍細胞数が、その多量体リガンドを投与する前の腫瘍サイズおよび/または腫瘍細胞数と比べて減少する、実施形態C79に記載の方法。
【1365】
K82.前記多量体リガンドを投与した後のCD19を発現しているB細胞のレベルが、その多量体リガンドを投与する前のCD19を発現しているB細胞のレベルと比べて減少する、実施形態K80に記載の方法。
【1366】
K83.前記被験体が、HIV、インフルエンザ、疱疹、ウイルス性肝炎、エプスタイン・バー、ポリオ、ウイルス性脳炎、麻疹、水痘、サイトメガロウイルス(CMV)、アデノウイルス(ADV)、HHV−6(ヒトヘルペスウイルス6,I)およびパピローマウイルスからなる群より選択されるウイルス病因の感染症と診断されているか、または肺炎、結核および梅毒からなる群より選択される細菌病因の感染症と診断されているか、またはマラリア、トリパノソーマ症、リーシュマニア症、トリコモナス症およびアメーバ症からなる群より選択される寄生生物病因の感染症と診断されている、実施形態K43〜K74のいずれか1つに記載の方法。
【1367】
L1.前記キメラ刺激分子が、(i)膜標的化領域;(ii)MyD88ポリペプチド、またはTIRドメインを欠く切断型MyD88ポリペプチド;(iii)CD40細胞外ドメインを欠くCD40細胞質ポリペプチド領域、および(iv)多量体化領域を含む、誘導可能なキメラ刺激分子をコードするポリヌクレオチドを含む核酸。
【1368】
L2.キメラ刺激分子をコードするポリヌクレオチドを含む核酸であって、ここで、前記キメラ刺激分子は、(i)膜標的化領域;(ii)MyD88ポリペプチド、またはTIRドメインを欠く切断型MyD88ポリペプチド、および多量体化領域を含む、核酸。
【1369】
L3.誘導可能なキメラ刺激分子をコードするポリヌクレオチドを含む核酸であって、ここで、前記キメラ刺激分子は、(i)膜標的化領域;(ii)CD40細胞外ドメインを欠くCD40細胞質ポリペプチド領域、および(iii)多量体化領域を含む、核酸。
【1370】
L4.前記キメラ刺激分子が、T細胞活性化分子をさらに含む、実施形態L1〜L3のいずれか1つに記載の核酸。
【1371】
L4.1.前記多量体化領域が、FKBP、シクロフィリンレセプター、ステロイドレセプター、テトラサイクリンレセプター、重鎖抗体サブユニット、軽鎖抗体サブユニット、可動性リンカードメインによって分断された重鎖可変領域と軽鎖可変領域とをタンデムで含む一本鎖抗体およびそれらの変異された配列からなる群より選択されるリガンド結合領域である、実施形態L1〜L4のいずれか1つに記載の核酸。
【1372】
L4.2.前記リガンド結合領域が、FKBP12領域である、実施形態L4.1に記載の核酸。
【1373】
L4.3.前記FKBP12領域が、FKBP12v36領域である、実施形態L4.2に記載の核酸。
【1374】
L4.4.前記FKBP領域が、Fv’Fvlsである、実施形態4.2に記載の核酸。
【1375】
L4.5.前記リガンドが、FK506二量体または二量体のFK506アナログリガンドである、実施形態L4.1〜L4.4のいずれか1つに記載の核酸。
【1376】
L4.6.前記リガンドが、AP1903である、実施形態L4.5に記載の核酸。
【1377】
L4.7.前記CD40細胞質ポリペプチド領域が、配列番号9の細胞質領域のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを有する、実施形態L1〜L4.6のいずれか1つに記載の核酸。
【1378】
L4.8.前記CD40細胞質ポリペプチド領域が、配列番号8におけるヌクレオチド配列によってコードされるか、またはその機能的フラグメントである、実施形態L1〜L4.7のいずれか1つに記載の核酸。
【1379】
L4.9.前記多量体化領域が、配列番号11のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを有する、実施形態L1〜L4.8のいずれか1つに記載の核酸。
【1380】
L4.10.前記多量体化領域が、配列番号10におけるヌクレオチド配列によってコードされるか、またはその機能的フラグメントである、実施形態L1〜L4.9のいずれか1つに記載の核酸。
【1381】
L4.11.前記多量体化領域が、配列番号13のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態L4.9に記載の核酸。
【1382】
L4.12.前記多量体化領域が、配列番号12におけるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態L4.10に記載の核酸。
【1383】
L4.13.前記多量体化領域が、配列番号13のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態L4.11に記載の核酸。
【1384】
L4.14.前記多量体化領域が、配列番号12におけるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態L4.12に記載の核酸。
【1385】
L4.15.前記多量体化領域が、配列番号11もしくは配列番号13のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態L4.11またはL4.13のいずれか1つに記載の核酸。
【1386】
L4.16.前記多量体化領域が、配列番号10もしくは配列番号12におけるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドまたはその機能的フラグメントをさらに含む、実施形態L4.12またはL4.14のいずれか1つに記載の核酸。
【1387】
L4.17.前記膜標的化領域が、ミリストイル化領域である、実施形態L1〜L4.16のいずれか1つに記載の核酸。
【1388】
L4.18.前記ミリストイル化領域が、配列番号3のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを有する、実施形態L4.17に記載の核酸。
【1389】
L4.19.前記ミリストイル化領域が、配列番号2におけるヌクレオチド配列によってコードされるか、またはその機能的フラグメントである、実施形態L4.17に記載の核酸。
【1390】
L4.20.キメラ抗原レセプターをコードするポリヌクレオチドをさらに含む、実施形態L1〜L4.19のいずれか1つに記載の核酸。
【1391】
L4.21.誘導可能なキメラ刺激分子をコードする第1のポリヌクレオチドであって、ここで、その誘導可能なキメラ刺激分子は、(i)膜標的化領域;(ii)MyD88ポリペプチドまたはTIRドメインを欠く切断型MyD88ポリペプチド;(iii)CD40細胞外ドメインを欠くCD40細胞質ポリペプチド領域、および多量体化領域を含む、第1のポリヌクレオチド;および
キメラ抗原レセプターをコードする第2のポリヌクレオチド
を含む、核酸。
【1392】
L4.22.前記多量体化が、リガンド結合領域である、実施形態L4.21に記載の核酸。
【1393】
L4.23.前記リガンド結合領域が、FKBP12領域である、実施形態4.22に記載の核酸。
【1394】
L4.24.前記FKBP12領域が、FKBP12v36領域である、実施形態L4.23に記載の核酸。
【1395】
L4.25.前記FKBP12領域が、Fv’Fvlsである、実施形態L4.23に記載の核酸。
【1396】
L4.26.前記リガンドが、FK506二量体または二量体のFK506アナログリガンドである、実施形態L4.21〜L4.25のいずれか1つに記載の核酸。
【1397】
L4.27.前記リガンドが、AP1903である、実施形態L4.26に記載の核酸。
【1398】
L4.28.少なくとも1つのプロモーターをさらに含む、実施形態4.21〜4.27のいずれか1つに記載の核酸。
【1399】
L4.29.少なくとも2つのプロモーターをさらに含む、実施形態4.21〜4.27のいずれか1つに記載の核酸。
【1400】
L4.30.1つのプロモーターが、第1のポリヌクレオチドと第2のポリヌクレオチドの両方に作動可能に連結されている、実施形態L4.28に記載の核酸。
【1401】
L4.31.第1のポリヌクレオチドと第2のポリヌクレオチドとの間にリンカーポリペプチドをコードする第3のポリヌクレオチドをさらに含み、ここで、そのリンカーポリペプチドは、翻訳中または翻訳後の第1および第2のポリヌクレオチドの翻訳産物を分断している、実施形態L4.21〜L4.30のいずれか1つに記載の核酸。
【1402】
L4.32.前記リンカーポリペプチドが、2Aポリペプチドである、実施形態L4.31に記載の核酸。
【1403】
L4.33.前記核酸が、キメラ刺激分子、2Aポリペプチドおよびカスパーゼ−9ポリペプチドを含むポリペプチドをコードする、実施形態L4.21〜L4.32のいずれか1つに記載の核酸。
【1404】
L4.34.前記第1のポリヌクレオチドが、第1のプロモーターに作動可能に連結され、前記第2のポリヌクレオチドが、第2のプロモーターに作動可能に連結されている、実施形態L4.21〜L4.33のいずれか1つに記載の核酸。
【1405】
L4.35.前記2つのポリヌクレオチドに相補的な2つのRNA転写物が生成される、実施形態L4.21〜L4.34のいずれか1つに記載の核酸。
【1406】
L5.前記T細胞活性化分子が、ITAMを含みシグナル1を与える分子である、実施形態L4〜L4.35のいずれか1つに記載の核酸。
【1407】
L6.前記T細胞活性化分子が、CD3ζポリペプチドである、実施形態L4〜L4.19のいずれか1つに記載の核酸。
【1408】
L6.1.前記T細胞活性化分子が、Fcイプシロンレセプターガンマ(FcεR1γ)サブユニットポリペプチドである、実施形態L4〜L4.19のいずれか1つに記載の核酸。
【1409】
L7.前記切断型MyD88ポリペプチドが、配列番号5のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを有する、実施形態L1〜L6.1のいずれか1つに記載の核酸。
【1410】
L8.前記細胞質CD40ポリペプチドが、配列番号4のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを有する、実施形態L1またはL2〜L7のいずれか1つに記載の核酸。
【1411】
L9.前記CD3ζポリペプチドが、配列番号39のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを含む、実施形態L6〜L8のいずれか1つに記載の核酸。
【1412】
L10.前記膜標的化領域が、レセプターのミリストイル化領域、パルミトイル化領域、プレニル化領域および膜貫通配列からなる群より選択される、実施形態L1〜L9のいずれか1つに記載の核酸。
【1413】
L11.前記膜標的化領域が、ミリストイル化領域である、実施形態L1〜L10のいずれか1つに記載の核酸。
【1414】
L11.1.前記キメラ刺激分子をコードするポリヌクレオチドが、二量体化分子結合領域または多量体化分子結合領域を含まない、実施形態L1〜L10のいずれか1つに記載の核酸。
【1415】
L12.前記核酸が、前記ポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーター配列を含む、実施形態L1〜L11.1のいずれか1つに記載の核酸。
【1416】
L13.前記核酸が、ウイルスベクター内に含まれている、実施形態L1〜L12のいずれか1つに記載の核酸。
【1417】
L14.前記ウイルスベクターが、レトロウイルスベクターである、実施形態L13に記載の核酸。
【1418】
L15.前記レトロウイルスベクターが、マウス白血病ウイルスベクターである、実施形態L14に記載の核酸。
【1419】
L16.前記レトロウイルスベクターが、SFGベクターである、実施形態L14に記載の核酸。
【1420】
L17.前記ウイルスベクターが、アデノウイルスベクターである、実施形態L13に記載の核酸。
【1421】
L18.前記ウイルスベクターが、レンチウイルスベクターである、実施形態L13に記載の核酸。
【1422】
L18.1.前記ウイルスベクターが、アデノ随伴ウイルス(AAV)、ヘルペスウイルスおよびワクシニアウイルスからなる群より選択される、実施形態L13に記載の核酸。
【1423】
L19.前記核酸が、プラスミド内に含まれている、実施形態L1〜L12のいずれか1つに記載の核酸。
【1424】
L20.実施形態L1〜L19のいずれか1つに記載の核酸によってコードされるキメラ刺激分子ポリペプチド。
【1425】
L21.実施形態L1〜L19のいずれか1つに記載の核酸でトランスフェクトされたまたは形質導入された、改変された細胞。
【1426】
L22.前記改変された細胞が、T細胞、腫瘍浸潤リンパ球、NK−T細胞、TCRを発現している細胞またはNK細胞である、実施形態L21に記載の改変された細胞。
【1427】
L23.前記細胞が、T細胞である、実施形態L21に記載の改変された細胞。
【1428】
L24.前記細胞が、骨髄から得られるかまたは調製される、実施形態L21〜L23のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【1429】
L25.前記細胞が、臍帯血から得られるかまたは調製される、実施形態L21〜L23のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【1430】
L26.前記細胞が、末梢血から得られるかまたは調製される、実施形態L21〜L25のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【1431】
L27.前記細胞が、末梢血単核球から得られるかまたは調製される、実施形態L21〜L25のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【1432】
L28.前記細胞が、ヒト細胞である、実施形態L21〜L27のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【1433】
L29.前記改変された細胞が、キメラ抗原レセプターをコードするポリヌクレオチドをさらに含む、実施形態L21〜L28のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【1434】
L30.前記キメラ抗原レセプターが、抗原認識部分を含む、実施形態L29に記載の改変された細胞。
【1435】
L30.1.前記細胞が、T細胞である、実施形態L21〜L30のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【1436】
L30.2.前記改変された細胞が、T細胞レセプターをコードするポリヌクレオチドをさらに含む、実施形態L21〜L28のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【1437】
L30.3.前記改変された細胞が、T細胞レセプターに基づくCARをコードするポリヌクレオチドをさらに含む、実施形態L21〜28のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【1438】
L30.4.改変された細胞が、前記T細胞レセプターまたはT細胞レセプターに基づくCARをコードするポリヌクレオチドを含む核酸でトランスフェクトされるかまたは形質導入される、実施形態L30.2またはL30.3のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【1439】
L31.前記抗原認識部分が、一本鎖可変フラグメントである、実施形態L27.1またはL30のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【1440】
L31.1.前記キメラ抗原レセプターまたはT細胞レセプターが、腫瘍細胞上の抗原に結合する、実施形態L29〜L31のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【1441】
L32.前記キメラ抗原レセプターまたはT細胞レセプターが、過剰増殖性疾患に関与する細胞上の抗原に結合する、実施形態L29〜L31.1のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【1442】
L33.前記キメラ抗原レセプターまたはT細胞レセプターが、PSMA、PSCA、MUC1、CD19、ROR1、Mesothelin、GD2、CD123、MUC16およびHer2/Neuからなる群より選択される抗原に結合する、実施形態L29〜L31.1のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【1443】
L34.前記キメラ抗原レセプターまたはT細胞レセプターが、CD19に結合する、実施形態L29〜L33のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【1444】
L35.前記キメラ抗原レセプターまたはT細胞レセプターが、Her2
+に結合する、実施形態L29〜L33のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【1445】
L36.前記抗原認識部分が、ウイルス抗原または細菌抗原に結合する、実施形態L29〜L33のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【1446】
L36.1.前記細胞が、エレクトロポレーション、ソノポレーション、バイオリスティック(例えば、Au粒子を用いた遺伝子銃)、脂質トランスフェクション、ポリマートランスフェクション、ナノ粒子またはポリプレックスからなる群より選択される方法を用いて、前記核酸ベクターによってトランスフェクトされるかまたは形質導入される、実施形態L29〜L36のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【1447】
L37.被験体におけるT細胞媒介性の免疫応答を刺激するための方法であって、実施形態L21〜L36.1のいずれか1つに記載の改変された細胞をその被験体に投与する工程を含む、方法。
【1448】
L37.1.前記改変された細胞が、標的細胞上の抗原に結合するキメラ抗原レセプターまたはT細胞レセプターを含む、実施形態L37に記載の方法。
【1449】
L38.前記標的細胞が、腫瘍細胞である、実施形態L37.1に記載の方法。
【1450】
L39.前記被験体における標的細胞の数または濃度が、前記改変された細胞の投与後に減少する、実施形態L37〜L38のいずれか1つに記載の方法。
【1451】
L40.前記改変された細胞を投与する前に前記被験体から得られる第1のサンプル中の標的細胞の数または濃度を測定する工程、改変された細胞を投与した後に被験体から得られる第2のサンプル中の標的細胞の数濃度を測定する工程、および第1のサンプル中の標的細胞の数または濃度と比べて第2のサンプル中の標的細胞の数または濃度の増加または減少を判定する工程を含む、実施形態L37〜L39のいずれか1つに記載の方法。
【1452】
L41.前記第2のサンプル中の標的細胞の濃度が、前記第1のサンプル中の標的細胞の濃度と比べて減少する、実施形態L40に記載の方法。
【1453】
L42.前記第2のサンプル中の標的細胞の濃度が、前記第1のサンプル中の標的細胞の濃度と比べて増加する、実施形態L40に記載の方法。
【1454】
L43.さらなる用量の改変された細胞が、前記被験体に投与される、実施形態L40〜L42のいずれか1つに記載の方法。
【1455】
L44.被験体に抗腫瘍免疫を提供するための方法であって、有効量の実施形態L21〜L36.1のいずれか1つに記載の改変された細胞をその被験体に投与する工程を含む、方法。
【1456】
L45.標的抗原の高発現に関連する疾患または状態を有する被験体を処置するための方法であって、有効量の実施形態L21〜L36.1のいずれか1つに記載の改変された細胞をその被験体に投与する工程を含む、方法。
【1457】
L46.前記標的抗原が、腫瘍抗原である、実施形態L45に記載の方法。
【1458】
L47.前記改変された細胞が、自己のT細胞である、実施形態L37〜L46のいずれか1つに記載の方法。
【1459】
L48.前記改変された細胞が、同種異系のT細胞である、実施形態L37〜L46のいずれか1つに記載の方法。
【1460】
L50.被験体における腫瘍サイズを減少させるための方法であって、その方法は、実施形態L29〜L36.1のいずれか1つに記載の改変された細胞をその被験体に投与する工程を含み、前記抗原認識部分は、前記腫瘍上の抗原に結合する、方法。
【1461】
L51.前記被験体が、腫瘍を有すると診断されている、実施形態L37〜L50のいずれか1つに記載の方法。
【1462】
L52.前記被験体が、がんを有する、実施形態L37〜L51のいずれか1つに記載の方法。
【1463】
L53.前記被験体が、固形腫瘍を有する、実施形態L37〜L51のいずれか1つに記載の方法。
【1464】
L54.前記改変された細胞が、腫瘍浸潤リンパ球またはT細胞である、実施形態L37〜L53のいずれか1つに記載の方法。
【1465】
L55.前記改変された細胞が、腫瘍床に送達される、実施形態L37〜L54のいずれか1つに記載の方法。
【1466】
L56.前記がんが、前記被験体の血液中または骨髄中に存在する、実施形態L52に記載の方法。
【1467】
L57.前記被験体が、血液疾患または骨髄疾患を有する、実施形態L37〜L51のいずれか1つに記載の方法。
【1468】
L58.前記被験体が、任意の状態または幹細胞移植によって緩和され得る状態と診断されている、実施形態L37〜L51のいずれか1つに記載の方法。
【1469】
L59.前記被験体が、鎌状赤血球貧血または異染性白質ジストロフィーと診断されている、実施形態L37〜L51のいずれか1つに記載の方法。
【1470】
L60.前記患者が、原発性免疫不全状態、血球貪食リンパ組織球増多症(HLH)または他の血球貪食状態、遺伝性骨髄不全状態、異常ヘモグロビン症、代謝状態および破骨細胞状態からなる群より選択される状態と診断されている、実施形態L37〜L51のいずれか1つに記載の方法。
【1471】
L61.前記疾患または状態が、重症複合免疫不全症(SCID)、複合免疫不全症(CID)、先天性T細胞欠損/欠損症、分類不能型免疫不全症(CVID)、慢性肉芽腫症、IPEX(免疫不全、多腺性内分泌障害、腸症、X連鎖)またはIPEX様、ウィスコット・オールドリッチ症候群、CD40リガンド欠損症、白血球接着不全、DOCA8欠損症、IL−10欠損症/IL−10レセプター欠損症、GATA2欠損症、X連鎖リンパ球増殖性疾患(XLP)、軟骨毛髪形成不全、シュバッハマン・ダイアモンド症候群、ダイアモンドブラックファン貧血、先天性角化異常症、ファンコニー貧血、先天性好中球減少症、鎌状赤血球症、サラセミア、ムコ多糖症、スフィンゴリピドーシスおよび大理石骨病からなる群より選択される、実施形態L37〜L51のいずれか1つに記載の方法。
【1472】
L62.さらなる用量の前記改変された細胞が、前記被験体に投与されるべきであるかを判定する工程をさらに含む、実施形態L37〜L61のいずれか1つに記載の方法。
【1473】
L63.さらなる用量の前記改変された細胞を前記被験体に投与する工程をさらに含み、ここで、前記疾患または状態の症候は、症候の減少後になおも残っているかまたは検出される、実施形態L37〜L62のいずれか1つに記載の方法。
【1474】
L64.被験体における状態または疾患の有無またはステージを特定する工程;および
その被験体において特定された状態または疾患の有無またはステージに基づいて、実施形態L31〜L36のいずれか1つに記載の改変された細胞を投与する指示、その改変された細胞のその後の投与量を維持する指示またはその患者に投与される改変された細胞のその後の投与量を調整する指示を伝える工程
をさらに含む、実施形態L37〜L63のいずれか1つに記載の方法。
【1475】
L65.前記状態が、白血病である、実施形態L37〜L64のいずれか1つに記載の方法。
【1476】
L66.保留。
【1477】
L67.前記被験体が、HIV、インフルエンザ、疱疹、ウイルス性肝炎、エプスタイン・バー、ポリオ、ウイルス性脳炎、麻疹、水痘、サイトメガロウイルス(CMV)、アデノウイルス(ADV)、HHV−6(ヒトヘルペスウイルス6,I)およびパピローマウイルスからなる群より選択されるウイルス病因の感染症と診断されているか、または肺炎、結核および梅毒からなる群より選択される細菌病因の感染症と診断されているか、またはマラリア、トリパノソーマ症、リーシュマニア症、トリコモナス症およびアメーバ症からなる群より選択される寄生生物病因の感染症と診断されている、実施形態L37〜L64のいずれか1つに記載の方法。
【1478】
L68.前記改変された細胞が、インビボにおいてトランスフェクトされるかまたは形質導入される、実施形態L37〜L67のいずれか1つに記載の方法。
【1479】
L69.前記改変された細胞が、インビボにおいてトランスフェクトされるかまたは形質導入される、実施形態L21〜L67のいずれか1つに記載の改変された細胞。
【1480】
L70.細胞においてキメラ刺激分子を発現させるための方法であって、その方法は、実施形態L1〜L20のいずれか1つに記載の核酸を、その核酸が細胞に組み込まれる条件下においてその細胞と接触させる工程を含み、それにより、その細胞は、組み込まれた核酸からキメラ抗原レセプターを発現する、方法。
【1481】
L71.前記核酸が、エキソビボにおいて前記細胞と接触される、実施形態L70に記載の方法。
【1482】
L72.前記核酸が、インビボにおいて前記細胞と接触される、実施形態L70に記載の方法。
【1483】
M1.前記核酸が、キメラ抗原レセプターをコードするか、または前記改変された細胞が、キメラ抗原レセプターを含む、実施形態L4.20〜L72のいずれか1つに記載の核酸、改変された細胞または方法。
【1484】
M2.前記キメラ抗原レセプターが、
(i)膜貫通領域;(ii)T細胞活性化分子;および(iii)抗原認識部分
を含む、実施形態M1に記載の核酸、改変された細胞または方法。
【1485】
M3.前記キメラ抗原レセプターが、(i)膜貫通領域;(ii)T細胞活性化分子;および(iii)抗原認識部分を含む、実施形態M1〜M2のいずれか1つに記載の核酸、改変された細胞または方法。
【1486】
M4.前記キメラ抗原レセプターが、共刺激分子をさらに含む、実施形態M3に記載の核酸、改変された細胞または方法。
【1487】
M5.前記共刺激分子が、CD28、OX40および4−1BBからなる群より選択される、実施形態M4に記載の核酸、改変された細胞または方法。
【1488】
M6.前記T細胞活性化分子が、ITAMを含みシグナル1を与える分子である、実施形態M2〜M5のいずれか1つに記載の核酸、改変された細胞または方法。
【1489】
M7.前記T細胞活性化分子が、CD3ゼータポリペプチドである、実施形態M2〜M5のいずれか1つに記載の核酸、改変された細胞または方法。
【1490】
M8.前記T細胞活性化分子が、Fcレセプターガンマポリペプチドである、実施形態M2〜M5のいずれか1つに記載の核酸、改変された細胞または方法。
【1491】
M9.前記抗原認識部分が、腫瘍細胞上の抗原に結合する、実施形態M2〜M8のいずれか1つに記載の核酸、改変された細胞または方法。
【1492】
M9.前記抗原認識部分が、過剰増殖性疾患に関与する細胞上の抗原に結合する、実施形態M2〜M8のいずれか1つに記載の核酸、改変された細胞または方法。
【1493】
M10.前記抗原認識部分が、PSMA、PSCA、MUC1、CD19、ROR1、Mesothelin、GD2、CD123、MUC16およびHer2/Neuからなる群より選択される抗原に結合する、実施形態M2〜M8のいずれか1つに記載の核酸、改変された細胞または方法。
【1494】
M11.前記抗原認識部分が、PSCAに結合する、実施形態M2〜M8のいずれか1つに記載の核酸、改変された細胞または方法。
【1495】
M12.前記抗原認識部分が、CD19に結合する、実施形態M2〜M8のいずれか1つに記載の核酸、改変された細胞または方法。
【1496】
M13.前記抗原認識部分が、ウイルス抗原または細菌抗原に結合する、実施形態M2〜M8のいずれか1つに記載の核酸、改変された細胞または方法。
【1497】
M14.前記抗原認識部分が、一本鎖可変フラグメントである、実施形態M2〜M13のいずれか1つに記載の核酸、改変された細胞または方法。
【1498】
M15.前記膜貫通領域が、CD28膜貫通領域である、実施形態M2〜M14のいずれか1つに記載の核酸、改変された細胞または方法。
【1499】
M16.前記膜貫通領域が、CD8膜貫通領域である、実施形態M2〜M14のいずれか1つに記載の核酸、改変された細胞または方法。
【1500】
M17.CD8ストーク領域をさらに含む、実施形態M16に記載の核酸、改変された細胞または方法。
【1501】
M18.前記抗原認識部分が、Her2/Neuに結合する、実施形態M2〜M17のいずれか1つに記載の核酸、改変された細胞または方法。
【1502】
本明細書中で参照された特許、特許出願、刊行物および文書の各々の全体が、参照により本明細書によって援用される。上記特許、特許出願、刊行物および文書の引用は、前述のいずれかが、関連する従来技術であることを自認するものでもないし、これらの刊行物または文書の内容または日付に関して何ら自認するものでもない。
【1503】
本技術の基本的な態様から逸脱することなく、前述のものに対して改変が行われ得る。本技術は、1つ以上の特定の実施形態に照らして実質的に詳細に説明されてきたが、当業者は、本願において具体的に開示された実施形態に対して変更が行われ得るが、これらの改変および改善が本技術の範囲内および精神内であることを認識する。
【1504】
本明細書中に例証的に記載された技術は、本明細書中に具体的に開示されていない任意のエレメント(複数可)の非存在下において、適切に実施され得る。したがって、例えば、本明細書中の各場合において、用語「〜を含む」、「〜から本質的になる」および「〜からなる」のいずれかは、他の2つの用語のいずれかと置き換えられてもよい。使用されてきた用語および表現は、限定の用語ではなく説明の用語として使用され、そのような用語および表現の使用は、示されたおよび記載された特徴またはそれらの一部のいかなる等価物も排除せず、特許請求される本技術の範囲内で様々な改変が可能である。エレメントのうちの1つまたはエレメントのうちの2つ以上が記載されていることが文脈から明らかでない限り、用語「a」または「an」は、それが修飾するエレメントのうちの1つまたは複数のことを指し得る(例えば、「試薬(a reagent)」は、1つ以上の試薬を意味し得る)。本明細書中で使用される用語「約」は、基となるパラメータの10%以内の値(すなわち、プラスまたはマイナス10%)のことを指し、一続きの値の始めに用語「約」を使用することにより、それらの値の各々が修飾される(すなわち、「約1、2および3」は、約1、約2および約3のことを指す)。例えば、「約100グラム」という重量は、90グラム〜110グラムの重量を含み得る。さらに、値のリストが、本明細書中に記載されるとき(例えば、約50%、60%、70%、80%、85%または86%)、そのリストには、それらのすべての中間値および分数値(例えば、54%、85.4%)が含まれる。したがって、本技術は、代表的な実施形態および随意の特徴によって具体的に開示されてきたが、本明細書中に開示された概念の改変およびバリエーションが、当業者によって用いられることがあり、そのような改変およびバリエーションは、本技術の範囲内であるとみなされると理解されるべきである。
【1505】
本技術のある特定の実施形態が、以下の請求項に示される。