(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記輪郭抽出部が、前記撮影画像から特定範囲のエッジ強度をもつエッジ領域を輪郭領域として抽出し、前記内側抽出部が、前記撮影画像から前記輪郭領域よりも弱いエッジ領域及びエッジ強度の無い領域のいずれかを内側領域として抽出することを特徴とする請求項1に記載の付着物検出装置。
前記レンズ状態判定部が、前記付着物検出領域の位置に応じて、前記レンズの汚れ具合を表す指標の大きさを変更することを特徴とする請求項3に記載の付着物検出装置。
前記付着物検出領域判定部が、前記内側領域のうち、付着物の輪郭を外側にもたないものを前記付着物内側領域から除外することを特徴とする請求項1に記載の付着物検出装置。
前記付着物検出領域判定部が、前記輪郭抽出部が前記輪郭領域を抽出する抽出条件よりも抽出条件を緩和した場合に得られる弱い輪郭領域を外側にもつ前記内側領域を前記付着物内側領域から除外しないことを特徴とする請求項5に記載の付着物検出装置。
前記付着物検出領域判定部が、前記付着物輪郭領域と前記付着物内側領域とを共に前記付着物検出領域として検出することを特徴とする請求項1に記載の付着物検出装置。
前記付着物検出領域判定部が、互いに隣接する前記付着物輪郭領域と前記付着物内側領域とを前記付着物検出領域として検出することを特徴とする請求項1に記載の付着物検出装置。
前記付着物検出領域判定部が過去に検出した前記付着物内側領域において、前記輪郭領域及び前記付着物輪郭領域のいずれかを前記内側領域及び前記付着物内側領域のいずれかとして扱うことを特徴とする請求項9に記載の付着物検出装置。
前記付着物検出領域判定部が過去に検出した前記付着物輪郭領域及び前記付着物内側領域のいずれか、又は前記付着物検出領域を参照して、当該領域を含む画像領域に対し、前記輪郭抽出部及び前記内側抽出部のいずれかが、前記輪郭領域及び前記内側領域のいずれかの抽出条件を緩和することを特徴とする請求項9に記載の付着物検出装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る付着物検出装置、および、その付着物検出装置を備えた車両システムの実施形態について、図面を参照して説明する。
【0019】
<実施形態1>
[車両システムの装置構成]
図1は、実施形態1に係る付着物検出装置を備えた車両システム1000を搭載した車両100を上から見下ろした図である。また、
図2は、
図1に示す車両システム1000の構成を示すブロック図である。
【0020】
図示実施形態の車両システム1000では、車両100の車体前面に撮像装置としてのカメラ200が設置されている。このカメラ200は、車体前方の景色を結像するレンズ210と、レンズ210の結像を電気信号に変換する撮像素子220と、を備えて構成され、カメラ200の前方の景色を撮影画像として出力する。カメラ200が撮影する撮影画像は、車両100に積載されている処理装置300にケーブル等を介して転送され、処理される。
【0021】
処理装置300は、カメラ200の撮影画像からカメラ200のレンズ210に付着した水滴や泥、ゴミといったレンズ付着物を検出する機能(以下、「付着物検出」と称する)を実行する付着物検出部(付着物検出装置)320を備える。
【0022】
また、処理装置300は、カメラ200の撮影画像から車両100前方の障害物や標識等を検知するアプリケーション(以下、「周囲センシング」と称する)を実行する周囲センシング部340を備える。これには、公知の様々なアプリケーションを用いることができる。例えば、駐車場において駐車枠線を検出するものや、車両100前方を横切る歩行者を検出するアプリケーション等が知られている。ただし、周囲センシング部340は、本実施形態に必要不可欠な構成要素ではなく、周囲センシング部340をもたない車両システム1000であってもよい。
【0023】
さらに、処理装置300は、周囲センシング部340の検出結果に基づいて車両100を自動的に走行させる車両自動走行制御部350を備える。例えば、車両100を駐車する場面では、車両100の周辺に検出された駐車枠のいずれかに向かって車両100を走行させる。また、車両100の進行方向に障害物が検知されれば、車両100を停車させる。ただし、車両自動走行制御部350は、本実施形態に必要不可欠な構成要素ではなく、車両自動制御走行制御部350をもたない車両システム1000であってもよい。
【0024】
また、処理装置300は、車両100の室内(車室内)に設置された音声発生装置401、ディスプレイ402、表示灯403や、カメラ200に設置された洗浄装置404に通信可能に接続され、これらを付着物検出部320が検出したレンズ付着物の情報に基づいて動作させる。例えば、レンズ210がレンズ付着物で酷く汚れている場合には、音声発生装置401やディスプレイ402、表示灯403を用いて車両100の搭乗者にレンズ210の清掃を指示する。また、洗浄装置404を動作させて自動でレンズ210を清掃する。洗浄装置404には、公知の様々な方式が利用できる。例えば、カメラ200に取り付けたワイパー装置でレンズ210表面に付着したレンズ付着物を拭い取る方式や、レンズ210に水や風などを当ててレンズ210に付着したレンズ付着物を取り除く方式などがある。ただし、本実施形態において、音声発生装置401、ディスプレイ402、表示灯403、洗浄装置404は必要不可欠な構成要素ではなく、いずれかが欠けていてもよいし、全てが無くてもよい。また、それらは、他の形態であってもよい。例えば、音声発生装置401の代わりに、運転席のシートベルトを振動させてもよい。
【0025】
なお、本実施形態では、カメラ200が車両100の車体前面に設置されて車両100前方を撮影するが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、車体背面に設置されて車両100後方を撮影するカメラであってもよいし、車体側面に設置されて車両100側方や車両100斜め前方などを撮影するカメラであってもよいし、車室内に設置されて車両100の外側を撮影するカメラであってもよい。また、カメラ200は、1台であってもよいし、複数台であってもよい。
【0026】
また、本実施形態では、処理装置300(の付着物検出部320)が実行する付着物検出によってカメラ200のレンズ210に付着した付着物を検出するが、本実施形態は、付着物の付着先をレンズ210に限定するものでない。カメラ200の撮像素子220の前方にあって、車両100ないしはカメラ200に固定された透明な面に付着する付着物を検出対象とする。例えば、カメラ200が車両100の車室内に設置される場合、カメラ200のレンズ210だけでなく、カメラ200の前方にある車両100のフロントガラスに付着した付着物であってカメラ200の撮影画像に映る付着物も検出対象とする。
【0027】
また、本実施形態では、処理装置300が、カメラ200と分離され、ケーブル等で接続されているが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、処理装置300とカメラ200とが無線通信で接続されてもよい。また、処理装置300がカメラ200に内蔵されていてもよい。
【0028】
また、本実施形態では、処理装置300は、車両100に積載されているが、車両100の外部に設置してもよい。その場合、処理装置300は、車両100に積載されているカメラ200、音声発生装置401、ディスプレイ402、表示灯403、洗浄装置404とは無線通信を介したネットワークで接続される。
【0029】
また、本実施形態では、レンズ210のレンズ付着物の情報を車両100の車室内の搭乗者に通知するが、本実施形態はこれに限定されない。音声発生装置401、ディスプレイ402、表示灯403を車両100の外部に設置し、車両100の外部に通知してもよい。これは、例えば、音声発生装置401やディスプレイ402、表示灯403の機能を設けた携帯型端末を、無線通信ネットワークを介して処理装置300に接続することで実現できる。
【0030】
[車両システムの機能構成]
図2を用いて、実施形態1に係る車両システム1000の構成とその機能をより詳しく説明する。
【0031】
本実施形態1に係る車両システム1000は、前述したように、車両100に搭載され、
図2に示すように、カメラ200と、車両情報取得部310と付着物検出部320と出力情報生成部330と周囲センシング部340と車両自動走行制御部350とを備えた処理装置300と、音声発生装置401と、ディスプレイ402と、表示灯403と、洗浄装置404と、を備える。
【0032】
カメラ200は、車両100の前方を撮影して撮影画像を生成する。ただし、本実施形態はこれに限定されない。先述した通り、車両100の後方や側方を撮影して撮影画像を生成してもよい。
【0033】
処理装置300の周囲センシング部340は、車両100の前方にある物体や標識等をカメラ200の撮影画像から検知する。なお、ソナーなどカメラ200以外の外界認識装置を併用して車両100の前方にある物体や標識等を検知する車両システム1000であってもよい。
【0034】
車両自動走行制御部350は、周囲センシング部340の検出結果に基づいて車両100の各種アクチュエータ(エンジン、アクセル、ブレーキ、シフト、ステアリング等)を制御して当該車両100を自動的に走行させる。
【0035】
車両情報取得部310は、車両100に設けられたセンサで測定された車両情報が集約される車両システム1000から車両情報(車速など)を取得する。ただし、本実施形態はこれに限定されない。前記のセンサから車両情報を直接取得してもよい。また、付着物検出部320の処理に車両情報を用いない場合には、この処理部を省略することもできる。
【0036】
付着物検出部320は、輪郭抽出部321と、内側抽出部322と、付着物検出領域判定部323と、レンズ状態判定部324と、から構成され、車両情報取得部310によって取得される車両情報(車速など)に基づいてカメラ200の撮影画像を処理する。ここで、輪郭抽出部321は、カメラ200の撮影画像からレンズ付着物の輪郭の特徴をもつ領域(輪郭領域)を抽出する。内側抽出部322は、カメラ200の撮影画像からレンズ付着物の(輪郭の)内側の特徴をもつ領域(内側領域)を抽出する。付着物検出領域判定部323は、輪郭領域および内側領域に基づいてレンズ付着物の映る領域(付着物検出領域)を検出する。レンズ状態判定部324は、付着物検出領域に基づいてカメラ200のレンズ210の汚れ具合を判定する。なお、この付着物検出部320による付着物検出処理については、後で詳述する。
【0037】
出力情報生成部330は、付着物検出部320の付着物検出領域判定部323が検出した付着物検出領域ないしはレンズ状態判定部324が判定したレンズ状態に基づいた情報を生成し、周囲センシング部340および車両自動走行制御部350、音声発生装置401、ディスプレイ402、表示灯403、洗浄装置404のそれぞれに出力する。
【0038】
{出力情報生成部330の処理}
前記出力情報生成部330の処理について、より詳しく説明する。
【0039】
出力情報生成部330は、周囲センシング部340、車両自動走行制御部350、音声発生装置401、ディスプレイ402、表示灯403、洗浄装置404のそれぞれに、付着物検出部320が検出したレンズ210の付着物検出領域や汚れ具合に基づく信号を生成して入力する。
【0040】
例えば、レンズ210の汚れ具合が酷い場合、周囲センシング部340に周囲センシングを停止させる信号を入力し、車両自動走行制御部350に車両100を停車させる命令を入力する。また、レンズ210が酷く汚れていることや周囲センシング部340による周囲センシングを停止すること、車両100を停車することを、音声発生装置401から発する音声や、ディスプレイ402に表示される文字やアイコン、表示灯403の色等で、車両100の搭乗者に通知する。また、洗浄装置404にレンズ210を清掃させる命令を入力する。
【0041】
なお、本実施形態の出力情報生成部330の動作は、上記内容に限定されない。
【0042】
例えば、ディスプレイ402に、
図8に示すようなカメラ200の撮影画像6000を表示する場合に、
図9に示すように、付着物検出部320が検出した付着物検出領域6100を囲う枠6200を表示してハイライトしてもよい。また、カメラ200の撮影画像を座標変換して車両100とその周辺を上空から見下ろした画像(俯瞰画像)7000をディスプレイ402に表示する場合、
図10に示すように、俯瞰画像7000上の付着物検出領域7100を囲う枠7200を俯瞰画像7000に重ねて表示してもよい。このような処理により、車両システム1000がレンズ210の付着物を認識していることを車両100の搭乗者に明示できる。なお、瞬間的に誤って付着物として検出した領域をハイライトしないために、一定以上の時間継続して検出された付着物検出領域をハイライトするようにしてもよい。
【0043】
また、
図11に示すように、カメラ200の撮影画像6000を複数の領域(分割領域)に分割して、分割領域ごとに付着物検出領域6100の面積を判定し、付着物検出領域6100の面積が閾値以上となる分割領域をハイライトして、ディスプレイ402に表示してもよい。
図11に示す例では、カメラ200の撮影画像6000が横方向で3つの分割領域6301、6302、6303に分割され、付着物検出領域6100の面積が大きい分割領域(
図11中、右側の分割領域)6303が実線でハイライトされている。なお、処理装置300がレンズ付着物の種類に応じて複数の異なる付着物検出部320を備える場合、レンズ付着物の種類に応じて分割領域を変更したり、付着物検出領域6100の面積の判定に用いる閾値(判定閾値)を変更したりしてもよい。
【0044】
また、出力情報生成部330は、付着物検出部320の付着物検出領域判定部323が検出した付着物検出領域に基づいて、周囲センシング部340に利用すべきでない領域を除外するマスク画像を生成するマスク領域生成部331を備えてもよい。例えば、マスク領域生成部331は、
図8の撮影画像6000における付着物検出領域6100をそのままマスクする
図12のようなマスク画像8001を生成する。なお、瞬間的に誤って付着物として検出した領域をマスクしないように、一定以上の時間継続して検出された付着物検出領域をマスクするようにマスク画像を生成してもよい。また、本実施形態のマスク領域生成部331が生成するマスク画像は、この例に限定されない。上記以外にも、
図9のような付着物検出領域6100を囲う枠6200の内側をマスクする
図13のようなマスク画像8002を生成してもよいし、
図11のような付着物検出領域6100の多い分割領域6303全体をマスクする
図14のようなマスク画像8003を生成してもよい。なお、周囲センシング部340の周囲センシング能力に応じて、分割領域6303の範囲や判定閾値を変更してもよい。例えば、20画素未満の領域が欠損しても正常に機能する周囲センシングに対しては、分割領域の面積や判定閾値を20画素以上とすることが考えられる。
【0045】
マスク領域生成部331が生成したマスク画像は、周囲センシング部340や車両自動走行制御部350に転送される。周囲センシング部340は、このマスク画像でカメラ200の撮像画像からレンズ付着物のある領域を除外し、周囲センシングに用いる。これにより、レンズ付着物に影響されない周囲センシングが可能となる。ただし、マスク画像でマスクされた領域にある物体や標識等は検知されないため、周囲センシング部340は、マスク画像でマスクされた領域を不明領域として出力してもよい。また、車両自動走行制御部350は、マスク画像で除外される領域をカメラ200の撮影画像を用いた周囲センシング部340における不明領域と認識して、そこに障害物や移動体があると仮定して車両を制御する。例えば、車両自動走行制御部350は、不明領域には車両100を進行させないといった車両制御を行う。
【0046】
{付着物検出部320の付着物検出処理}
以下、
図3〜7のフローチャートを用いて、実施形態1に係る付着物検出部(付着物検出装置)320における付着物検出処理について詳細に説明する。
【0047】
図3のフローチャートに示すように、実施形態1に係る付着物検出部320における付着物検出処理は、主に、付着物検出処理の前処理としての車両情報取得処理(ステップS310)および車速判定処理(ステップS311)と、処理領域設定処理(ステップS320)と、輪郭抽出処理(ステップS321)と、内側抽出処理(ステップS322)と、抽出判定処理(ステップS328)と、付着物検出領域判定処理(ステップS323)と、蓄積初期化処理(ステップS329)と、レンズ状態判定処理(ステップS324)と、から成り、これらの処理を周期的に連続して実行する。
【0048】
(車両情報取得処理および車速判定処理)
車両情報取得処理(ステップS310)および車速判定処理(ステップS311)は、処理装置300の車両情報取得部310により実行される。車両情報取得処理(ステップS310)では、車両100に設けられた速度センサによって測定される車両100の走行速度(車速)を車両システム1000から取得する。つづく車速判定処理(ステップS311)では、その車速が所定速度以上(例えば10km/h以上)であるか否かを判定する。車速が所定速度以上の場合(Yes)は、次の処理領域設定処理(ステップS320)に進み、所定速度未満の場合(No)は、レンズ210の付着物の検出処理(ステップS320以降、ステップS329までの処理)をスキップしてレンズ状態判定処理(ステップS324)に進む。このスキップ処理は、車速が低下した場合、レンズ210の付着物を検出する処理(ステップS320以降、ステップS329までの処理)において、車両100の走行に伴って変化する背景を付着物検出領域から除外する処理が有効に機能せず、誤検出が増加するためである。ただし、レンズ210の付着物を検出する処理(ステップS320以降、ステップS329までの処理)の性能が高く、車速低下時における誤検出が少ない場合には、車両情報取得部310、および車両情報取得処理(ステップS310)、車速判定処理(ステップS311)を省略してもよい。
【0049】
なお、前記の車速判定処理(ステップS311)において、判定に用いる車速の閾値(車速判定閾値)は固定値でなくてもよい。例えば、前回に実行した付着物検出処理において、レンズ210の付着物の検出処理(ステップS320以降、ステップS329までの処理)をスキップしたか否かによって、判定閾値を変更してもよい。例えば、レンズ210の付着物の検出処理をスキップした場合には、判定閾値を小さくして、付着物検出処理を実行しやすくすることが考えられる。
【0050】
また、本実施形態では、車速判定処理(ステップS311)において、車速を処理の分岐判定に用いているが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、車両100のシフトレバーの状態や車輪の向きなどの他の車両情報を判定基準に用いてもよい。また、複数の車両情報を複合して判定基準に用いてもよい。例えば、車輪が前を向いていて、且つ車速が10km/h以上の場合にのみ、レンズ210の付着物の検出処理を実行するようにしてもよい。
【0051】
(処理領域設定処理)
処理領域設定処理(ステップS320)は、付着物検出部320において種々の処理を行う前に実行される。処理領域設定処理(ステップS320)の詳細を
図4のフローチャートを用いて説明する。
【0052】
まず、カメラ200の撮影画像の各画素に対応する世界座標を取得する(ステップS3201)。ここで、撮影画像に映る被写体は全て高さのない平面と仮定し、取得する世界座標は車両100からの距離と方向とする。
【0053】
次に、カメラ200の撮影画像においてレンズ付着物が現れる可能性のある領域(レンズ付着物出現領域)を取得する(ステップS3202)。例えば、カメラフードで覆われてレンズ付着物が付着しない領域を除いた領域とする。ただし、本実施形態はこれに限定されない。車両100、すなわち自車の車体が映る領域のように、レンズ付着物が付着する可能性はあるものの、レンズ付着物がなくとも景色の映らない領域がある。この領域を除く画像領域を、レンズ付着物出現領域として取得してもよい。
【0054】
続いて、付着物検出部320がレンズ付着物を検出可能な領域(レンズ付着物検出可能領域)を取得する(ステップS3203)。例えば、レンズ付着物の全体形状を取得できない撮影画像の端や、車両100の走行に伴う変化の小さい遠方の領域など、付着物検知の検知性能が低下する領域がある。これらの領域を除いた画像領域を、レンズ付着物検出可能領域として取得する。
【0055】
次に、カメラ200の撮影画像を用いた周囲センシング部340の周囲センシングがレンズ付着物によって阻害されうる領域(レンズ付着物阻害領域)を取得する(ステップS3204)。例えば、周囲センシング部340が駐車枠検出を行う場合、その検出範囲である路面に重なるレンズ付着物によって機能が阻害されうるため、路面の映る領域を、レンズ付着物阻害領域として取得する。
【0056】
なお、ステップS3202〜3204のそれぞれにおいてステップS3201で取得した世界座標を用いることができる。例えば、ステップS3202において世界座標を元に車体が映る領域を除いたり、ステップS3203において付着物検出の精度が低下する車両100から一定距離以上離れた遠方の領域を除いたりする。
【0057】
そして、ステップS3202〜3204で取得した各領域を統合して、付着物検出処理のための処理領域を生成する(ステップS3205)。
【0058】
(輪郭抽出処理)
輪郭抽出処理(ステップS321)は、付着物検出部320の輪郭抽出部321により実行され、レンズ付着物の輪郭の特徴をもつ領域(輪郭領域)を抽出する。この輪郭抽出処理(ステップS321)の実施形態を
図5のフローチャートを用いて説明する。
【0059】
まず、カメラ200の撮影画像を縮小する(ステップS3211)。この処理は、後の処理負荷を軽減するために行われるものであり、本実施形態においてはこの処理を省略してもよい。
【0060】
次に、縮小した撮影画像からエッジ画像を生成する(ステップS3212)。ここでエッジ画像の生成には、公知の様々な手法を用いることができる。例えば、撮影画像にソーベルフィルタやラプラシアンフィルタをかける方式などが知られている。
【0061】
続いて、ステップS3212で生成したエッジ画像から、レンズ付着物の輪郭に相当する特定範囲のエッジ強度をもつエッジ領域を抽出する(ステップS3213)。例えば、エッジ強度が中強度の領域(ぼけエッジ領域)を抽出する。この処理により、カメラ200からの距離が短く、カメラ200の焦点が合わないことでレンズ付着物の周囲に現れるぼけや、厚みのあるレンズ付着物の輪郭に現れる影が抽出される。
【0062】
なお、本実施形態は抽出するエッジ強度を限定しない。例えば、レンズ付着物が水滴の場合、水滴に映り込む景色にも中強度のエッジが現れることがあり、そのエッジ強度を抽出する範囲に含めることで、水滴の映り込みも併せて検出することができる。また、レンズ付着物として夜間に水滴や水滴痕を検出する場合、これらは街灯の光で白く輝き、その輪郭に強いエッジを生じるため、夜間(言い換えれば、周囲の照度が低いとき)には、ぼけエッジ領域として抽出するエッジ強度に強エッジを含めてもよい。
【0063】
次に、輪郭抽出処理(ステップS321)が実行される度、ぼけエッジ領域抽出処理(ステップS3213)が抽出したぼけエッジ領域を蓄積する(ステップS3214)。
【0064】
そして、次の蓄積回数判定処理(ステップS3215)で、蓄積回数が閾値(輪郭蓄積判定閾値)以上であれば輪郭領域抽出処理(ステップS3216)を実行し、蓄積回数が輪郭蓄積判定閾値未満であれば輪郭抽出処理(ステップS321)を終了する。輪郭領域抽出処理(ステップS3216)では、輪郭蓄積判定閾値以上の頻度で出現したぼけエッジ領域を輪郭領域として抽出し、輪郭抽出処理(ステップS321)を終了する。この処理により、出現頻度の低いぼけエッジ領域をノイズとして除去することができる。ここで、蓄積回数判定処理(ステップS3215)における輪郭蓄積判定閾値は固定値でなくともよい。例えば、カメラ200の照度センサや撮影画像の明るさに基づいて、ノイズの多い明るい場面では輪郭蓄積判定閾値を上げてもよい。なお、ステップS3213で抽出されるぼけエッジ領域にノイズが少なければ、一連の蓄積処理(ステップS3214)および蓄積回数判定処理(ステップS3215)を省略してもよい。
【0065】
これらの一連の処理によって、レンズ付着物の輪郭(輪郭領域)が抽出される。
【0066】
ただし、上記の例はレンズ付着物の輪郭を抽出する手法の一例であって、本実施形態はこれに限定されない。以下に他の例を示す。
【0067】
(輪郭抽出処理の別形態1)
輪郭抽出処理(ステップS321)では、レンズ付着物の輪郭の特徴として中強度エッジを抽出したが、他の特徴を用いてもよい。例えば、レンズ付着物が特異な形状をもつ場合、上述したステップS3212、S3213をその特異な形状を抽出する処理に置き換えてもよい。例えば、水滴のように輪郭が円形になるレンズ付着物を検出する場合、撮影画像に円抽出処理を施すことで、水滴の輪郭領域を抽出できる。また、ステップS3212が生成するエッジ画像や、ステップS3213が抽出するぼけエッジ領域は、レンズ付着物の輪郭が強調されているため、このエッジ画像やぼけエッジ領域に円抽出処理を施し、水滴の輪郭領域の抽出精度を向上させてもよい。ここで、円抽出には、公知の方式を用いることができる。例えば、ハフ変換を用いた円抽出処理が知られている。なお、この方式を用いれば、ノイズを含むぼけエッジ領域から水滴の輪郭を抽出できるため、ノイズを除去する一連の蓄積処理(ステップS3214)および蓄積回数判定処理(ステップS3215)を省略できる。ただし、蓄積処理(ステップS3214)および蓄積回数判定処理(ステップS3215)は、上述の円抽出における誤検出を抑える効果もあるため、誤検出が多い場合には、前記の蓄積処理等を実行するのがよい。
【0068】
(輪郭抽出処理の別形態2)
また、一連の蓄積処理(ステップS3214)および蓄積回数判定処理(ステップS3215)は、ノイズを低減する公知の手法に置き換えてもよい。例えば、ステップS3213でぼけエッジ領域を抽出した画像にクロージング処理を施せば、隣接に領域のない孤立したノイズを削除することができる。
【0069】
(輪郭抽出処理の別形態3)
また、レンズ付着物の輪郭は輝度のばらつき(輝度分散)が小さく、また、周波数が低いという特徴がある。そこで、エッジ画像生成処理(ステップS3212)の別形態として、複数の画素をもつ領域ごとに輝度分散ないしは周波数を抽出し、ぼけエッジ領域抽出処理(ステップS3213)では、輝度分散ないしは周波数が所定の範囲内となる領域をぼけエッジ領域として抽出してもよい。ここで、抽出する輝度分散ないしは周波数の範囲は、レンズ付着物の輪郭のぼけや影に合わせて設定される。この処理を、エッジ画像生成処理(ステップS3212)およびぼけエッジ領域抽出処理(ステップS3213)に置き換える。
【0070】
(輪郭抽出処理の別形態4)
また、レンズ付着物の輪郭には、色や輝度が輪郭の外側に向かって単調に変化する特徴があるので、このような領域(グラデーション領域)を抽出してもよい。例えば、撮影画像を横方向に走査して、輝度が一定の長さに亘って一定の変化量で単調に増加ないしは減少する領域を抽出すれば、縦向きの輪郭を抽出できる。ここで、抽出する長さと変化量は、レンズ付着物の輪郭の幅とその輝度変化量に合わせて設定される。この処理を、エッジ画像生成処理(ステップS3212)およびぼけエッジ領域抽出処理(ステップS3213)に置き換える。
【0071】
(輪郭抽出処理の別形態5)
また、レンズ付着物のぼけた輪郭は、背景が透過するが、その輝度は元の背景の輝度と異なる。レンズ付着物が暗い場合、透過した背景の輝度は暗くなり、レンズ付着物が明るい場合、透過した背景の輝度は明るくなる。そこで、車両100の移動によって撮影画像上の位置が変化した物体(路面など)を抽出し、車両100の移動の前後で輝度が常に暗く、または明るく変化する領域を抽出してもよい。この処理を、エッジ画像生成処理(ステップS3212)およびぼけエッジ領域抽出処理(ステップS3213)に置き換える。
【0072】
(輪郭抽出処理の別形態6)
また、レンズ付着物の輪郭の異なる特徴を抽出する上述の処理を複数組み合わせてレンズ付着物の輪郭(ぼけエッジ領域)を抽出することもできる。
【0073】
(内側抽出処理)
次の内側抽出処理(ステップS322)は、付着物検出部320の内側抽出部322により実行され、レンズ付着物の輪郭の内側の特徴をもつ領域(内側領域)を抽出する。この内側抽出処理(ステップS322)の実施形態を
図6のフローチャートを用いて説明する。
【0074】
まず、カメラ200の撮影画像を縮小する(ステップS3221)。この処理は、後の処理負荷を軽減するために行われるものであり、本実施形態においてはこの処理は省略してもよい。また、輪郭抽出処理(ステップS321)の撮影画像縮小処理(ステップS3221)が生成する画像を利用することで、この処理を省略してもよい。
【0075】
次に、縮小した撮影画像からエッジ画像を生成する(ステップS3222)。ここでエッジ画像の生成には、公知の様々な手法を用いることができる。例えば、撮影画像にソーベルフィルタやラプラシアンフィルタをかける方式などが知られている。なお、輪郭抽出処理(ステップS321)のエッジ画像生成処理(ステップS3222)が生成するエッジ画像を利用することで、この処理を省略してもよい。
【0076】
なお、このステップS3222は、レンズ付着物の領域とレンズ付着物でない領域との違いを強調するように、路面に現れるような細かいエッジを強調したエッジ画像を生成してもよい。例えば、撮影画像縮小処理(ステップS3221)によって細かいエッジの情報が失われるため、この処理を省略することで、細かいエッジを強調することができる。
【0077】
続いて、ステップS3222で生成したエッジ画像から、レンズ付着物の輪郭の内側に相当するエッジ強度をもつ領域を抽出する(ステップS3223)。例えば、エッジ強度がほとんどない領域(小エッジ領域)(言い換えれば、輪郭抽出処理(ステップS321)で抽出した輪郭領域よりも弱いエッジ領域、あるいは、エッジ強度の無い領域)を抽出する。この処理により、カメラ200からの距離が短く、カメラ200の焦点が合わないこともあってエッジのほとんど現れないレンズ付着物を抽出できる。このステップS3223で抽出するエッジ強度は、レンズ付着物の輪郭の内側の弱いエッジ強度に合わせて設定される。
【0078】
なお、本実施形態は抽出するエッジ強度を限定しない。例えば、レンズ付着物が水滴の場合、水滴に映り込む景色にも中強度のエッジが現れることがあり、そのエッジ強度を抽出する範囲に含めることで、水滴の映り込みも併せて検出することができる。
【0079】
次に、内側抽出処理(ステップS322)が実行される度、小エッジ領域抽出処理(ステップS3223)によって抽出される小エッジ領域を蓄積する(ステップS3224)。
【0080】
そして、次の蓄積回数判定処理(ステップS3225)で、蓄積回数が閾値(内側蓄積判定閾値)以上であれば内側領域抽出処理(ステップS3226)を実行し、蓄積回数が内側蓄積判定閾値未満であれば内側抽出処理(ステップS322)を終了する。内側領域抽出処理(ステップS3226)では、内側蓄積判定閾値以上の頻度で出現した小エッジ領域を内側領域として抽出し、内側抽出処理(ステップS322)を終了する。この処理により、出現頻度の低い小エッジ領域をノイズとして除去することができる。ここで、蓄積回数判定処理(ステップS3225)における内側蓄積判定閾値は固定値でなくともよい。例えば、カメラ200の照度センサや撮影画像の明るさに基づいて、ノイズの多い明るい場面では内側蓄積判定閾値を上げてもよい。なお、ステップS3223で抽出される小エッジ領域にノイズが少なければ、一連の蓄積処理(ステップS3224)および蓄積回数判定処理(ステップS3225)を省略してもよい。
【0081】
これらの一連の処理によって、レンズ付着物の輪郭の内側(内側領域)が抽出される。
【0082】
ただし、上記の例はレンズ付着物の輪郭の内側を抽出する手法の一例であって、本実施形態はこれに限定されない。以下に他の例を示す。
【0083】
(内側抽出処理の別形態1)
泥などのレンズ付着物は外光を遮るため、輪郭の内側の輝度が低い。そこで、輝度の低い領域をレンズ付着物の輪郭の内側(小エッジ領域)として抽出する。この処理を、エッジ画像生成処理(ステップS3222)および小エッジ領域抽出処理(ステップS3223)に置き換える。
【0084】
(内側抽出処理の別形態2)
また、レンズ付着物が水滴や水滴痕の場合、これらは夜間に街灯の光で白く輝くため、夜間には輝度の高い領域を抽出する処理としてもよい。ここで抽出する輝度の範囲は、夜間に街灯の光で輝く水滴や水滴痕に合わせて設定する。この処理を、エッジ画像生成処理(ステップS3222)および小エッジ領域抽出処理(ステップS3223)に置き換える。
【0085】
(内側抽出処理の別形態3)
また、カメラ200で撮影したカラーの撮影画像においてレンズ付着物の輪郭の内側はグレー系統であることが多い。そこで、グレー系統の領域をレンズ付着物の輪郭の内側(小エッジ領域)として抽出する。この処理を、エッジ画像生成処理(ステップS3222)および小エッジ領域抽出処理(ステップS3223)に置き換える。
【0086】
(内側抽出処理の別形態4)
また、レンズ付着物の輪郭の内側のパターン形状を予め取得し、取得したパターン形状とのマッチング(パターンマッチング)によってレンズ付着物の輪郭の内側の小エッジ領域を抽出する方法もある。この処理を、エッジ画像生成処理(ステップS3222)および小エッジ領域抽出処理(ステップS3223)に置き換える。なお、本例のパターンを用いる方法はこれに限定されない。例えば、レンズ付着物の輪郭のエッジのパターンを用いてもよい。その場合、エッジ画像生成処理(ステップS3222)で生成したエッジ画像からパターンを抽出することができる。
【0087】
(内側抽出処理の別形態5)
また、レンズ付着物が特異な形状をもつ場合、ステップS3222、S3223をその特異な形状を抽出する処理に置き換えてもよい。例えば、水滴のように形状が円形になるレンズ付着物を検出する場合、撮影画像に円抽出処理を施すことで、水滴を抽出することができる。この処理を、エッジ画像生成処理(ステップS3222)および小エッジ領域抽出処理(ステップS3223)に置き換える。なお、ステップS3222で生成されるエッジ画像や、ステップS3223で抽出される小エッジ領域に円抽出処理を施してもよい。円抽出には、公知の方式を用いることができる。例えば、円形状とのマッチング処理や、ハフ変換を用いる方法がある。ハフ変換を用いる場合は、小エッジ領域の輪郭をエッジ抽出処理で抽出した後、ハフ変換を用いれば、円領域の輪郭を抽出できる。これらの方式を使用すれば、ノイズを含む小エッジ領域から水滴の輪郭の内側(小エッジ領域)を抽出できるため、ノイズを除去する一連の蓄積処理(ステップS3224)および蓄積回数判定処理(ステップS3225)を省略できる。ただし、この蓄積処理(ステップS3224)および蓄積回数判定処理(ステップS3225)は、上述の円抽出における誤検出を抑える効果もあるため、誤検出が多い場合には、前記の蓄積処理等を実行するのがよい。
【0088】
(内側抽出処理の別形態6)
また、一連の蓄積処理(ステップS3224)および蓄積回数判定処理(ステップS3225)は、ノイズを低減する公知の手法に置き換えてもよい。例えば、ステップS3223で小エッジ領域を抽出した画像にクロージング処理を実行すれば、隣接に領域のない孤立したノイズが削除される。また、ステップS3223で抽出される小エッジ領域にノイズが少なければ、一連の蓄積処理(ステップS3214)および蓄積回数判定処理(ステップS3215)を省略してもよい。
【0089】
(内側抽出処理の別形態7)
また、レンズ付着物の輪郭の内側の領域は輝度分散が小さく、また、周波数が低いという特徴がある。そこで、エッジ画像生成処理(ステップS3222)では、複数の画素をもつ領域ごとに輝度分散ないしは周波数を抽出し、小エッジ領域抽出処理(ステップS3223)では、輝度分散ないしは周波数が閾値以下となる領域を小エッジ領域として抽出してもよい。ここで、抽出する輝度分散ないしは周波数の閾値は、レンズ付着物の輪郭の内側の特徴に合わせて設定される。
【0090】
(内側抽出処理の別形態8)
また、レンズ付着物の輪郭の内側は、背景が透過しないものが多い。そこで、車両100の移動によって撮影画像上の位置が変化した物体(路面など)を抽出し、車両100の移動の前後で輝度が常に一定値にまたは一定量だけ変化する領域を抽出してもよい。これらの処理を、エッジ画像生成処理(ステップS3222)および小エッジ領域抽出処理(ステップS3223)に置き換える。
【0091】
(内側抽出処理の別形態9)
また、レンズ付着物の輪郭の内側の異なる特徴を抽出する上述の処理を複数組み合わせてレンズ付着物の輪郭の内側(小エッジ領域)を抽出することもできる。
【0092】
なお、前述の輪郭抽出処理(ステップS321)および内側抽出処理(ステップS322)の各処理は、順不同である。
【0093】
(抽出判定処理)
次の抽出判定処理(S328)は、付着物検出部320の付着物検出領域判定部323により実行され、輪郭抽出部321(の輪郭抽出処理(ステップS321))と内側抽出部322(の内側抽出処理(ステップS322))とがそれぞれ輪郭領域と内側領域を抽出したか否かを判定する。輪郭領域と内側領域が抽出されている場合に、続く付着物検出領域判定処理(ステップS323)と蓄積初期化処理(ステップS329)を実行し、輪郭領域と内側領域が抽出されていない場合には、これらの処理(ステップS323、S329)をスキップしてレンズ状態判定処理(ステップS324)に進む。
【0094】
(付着物検出領域判定処理)
付着物検出領域判定処理(ステップS323)は、付着物検出部320の付着物検出領域判定部323により実行され、輪郭抽出部321と内側抽出部322がそれぞれ輪郭領域と内側領域を抽出する度に、輪郭領域及び内側領域がレンズ付着物の輪郭及び輪郭の内側か否かを判定し、レンズ210に付着したレンズ付着物の領域(付着物検出領域)を検出する。
【0095】
この付着物検出領域判定処理(ステップS323)の実施形態を
図7のフローチャートを用いて説明する。
【0096】
(輪郭領域のグループ化処理)
まず、前述の輪郭抽出処理(ステップS321)で抽出した輪郭領域を連接するもの同士でグループ化(グルーピング)する(ステップS3231)。このグルーピングには、公知のグルーピング処理を用いることができ、例えば、画像のラベリング処理を用いればよい。
【0097】
(輪郭領域の形状判定処理)
次に、ステップS3231でグルーピングした輪郭領域ごとに、その形状の特徴がレンズ付着物の輪郭の形状の特徴に合致する(適合する)か否かを比較・判定する(ステップS3232)。
【0098】
形状の特徴はレンズ付着物の種類によって異なるが、一定の幅があることや、面積の上限があることが普遍的な特徴である。そのため、グルーピングした輪郭領域の幅や面積が所定の範囲内にあるか否かを判定すればよい。
【0099】
また、水滴のように円いレンズ付着物の場合には、グルーピングした輪郭領域に対して円判定を行ってもよい。円判定には、公知の手法を用いることができる。例えば、ハフ変換による円抽出処理を用いることで、処理範囲内に円形状のものが抽出できるか否かを判定できる。
【0100】
ただし、輪郭抽出処理(ステップS321)のエッジ画像生成処理(ステップS3212)におけるエッジ画像の生成手法によっては、エッジ画像にレンズ付着物の輪郭の全容が現れない。例えば、横方向のエッジを抽出するソーベルフィルタを用いてエッジ画像を生成した場合、エッジ画像には、レンズ付着物の輪郭の縦長の部分だけが抽出される。そのため、円い水滴に対しても先述の円判定が有効に機能しない。この場合、グルーピングした輪郭領域の長さや傾きが所定の範囲内にあるか否かを判定するようにしてもよい。領域の傾きは、例えば直線近似により求めることができる。この直線近似には、公知の手法を用いることができ、例えば、最小二乗法やハフ変換による直線抽出が利用できる。また、傾斜のある直線は、領域を囲む矩形に対する面積比率(矩形占有率)が低下するため、傾斜角に準ずる値として、この矩形占有率などを用いてもよい。
【0101】
(輪郭領域の輝度判定処理)
次に、形状判定された輪郭領域のグループに対して、その輝度がレンズ付着物の輪郭の輝度の特徴を備える(適合する)か否かを比較・判定する(ステップS3233)。
【0102】
レンズ付着物の輪郭には淡い輝度が広がっているため、例えば、グルーピングした輪郭領域ごとに輝度値の分散を求め、分散が所定の範囲内にあるか否かを判定する。ただし、本実施形態はこれに限定されない。上記以外にも、グルーピングした輪郭領域ごとに周波数成分を求め、周波数成分の平均が所定の範囲内にあるか否かを判定してもよい。
【0103】
また、レンズ付着物の輪郭には、色や輝度が輪郭の外側に向かって単調に変化するという特徴があるので、このような領域(グラデーション領域)を抽出してもよい。例えば、撮影画像を横方向に走査して、輝度が一定の長さに亘って一定の変化量で単調に増加ないしは減少する領域を抽出すればよい。ここで、一定の長さと変化量は、レンズ付着物の輪郭の幅とその輝度変化量に合わせて設定される。
【0104】
(輪郭領域の内側判定処理)
次に、形状および輝度が判定された輪郭領域のグループに対して、これがレンズ付着物の内側に隣接するか否かを判定する(ステップS3234)。通常、レンズ付着物には輪郭だけでなく内側も現れるため、レンズ付着物の内側が隣接しない輪郭領域はレンズ付着物ではないものと判定されるので、そのような輪郭領域を除外する。このレンズ付着物の内側としては、内側抽出部322が抽出した小エッジ領域などを利用できる。
【0105】
ただし、グループ化された輪郭が小さい場合、対応するレンズ付着物の大きさも小さく、その内側領域が抽出されていない場合がある。そこで、輪郭が小さい場合は、内側抽出処理(ステップS322)が抽出しない特徴の弱い内側領域を用いてもよい。この特徴の弱い内側領域は、例えば、内側抽出処理(ステップS322)が小エッジ領域抽出処理(ステップS3223)で抽出するエッジ強度の範囲をより強い強度にまで広げた別の小エッジ抽出処理によって生成できる。
【0106】
これらの処理によって、輪郭抽出処理(ステップS321)で抽出した輪郭領域からレンズ付着物の輪郭(付着物輪郭領域)を検出する。このようにレンズ付着物の輪郭のみを抽出することで、輪郭の割合が大きい小粒なレンズ付着物なども効果的に検出できる。
【0107】
なお、ステップS3232〜S3234に用いられる種々の判定処理は互いに順不同であり、また、全てを実行する必要もない。また、2つ以上の判定処理を併せて、複合的に判定してもよい。
【0108】
(内側領域のグループ化処理)
次に、前述の内側抽出処理(ステップS322)で抽出した内側領域を連接するもの同士でグループ化(グルーピング)する(ステップS3235)。このグルーピングには、公知のグルーピング処理を用いることができ、例えば、画像のラベリング処理を用いればよい。
【0109】
(内側領域の形状判定処理)
次に、ステップS3235でグルーピングした内側領域ごとに、その形状がレンズ付着物の輪郭の内側の形状に適した特徴を備える(適合する)か否かを比較・判定する(ステップS3236)。
【0110】
形状の特徴はレンズ付着物の種類によって異なるが、一定の幅があることや、面積の下限および上限があることが普遍的な特徴である。そのため、グルーピングした内側領域の幅や面積が所定の範囲内にあるか否かを判定すればよい。
【0111】
また、この他にも、レンズ付着物は塊になりやすいという特徴がある。そのため、レンズ付着物の縦幅と横幅が同程度になりやすく、また、外接矩形に対する占有比(矩形占有率)は円の値(0.785)付近になりやすい。そこで、グルーピングした内側領域の縦横比や外接矩形占有率が所定の範囲内にあるか否かを判定してもよい。
【0112】
また、水滴のように円いレンズ付着物の場合には、グルーピングした内側領域に対して円判定を行ってもよい。円判定には、公知の手法を用いることができる。例えば、輪郭追跡処理などで内側領域の輪郭を抽出すれば、輪郭の長さと内側領域の面積の関係から円形度を求めることができ、円形度が閾値以上か否かを判定することができる。ここで、水滴は楕円になることもあるため、領域の楕円度を求めて楕円化による円形度の低下を補正してもよい。また、円判定の手法として知られるハフ変換を用いてもよい。輪郭追跡処理などで抽出された輪郭に対してハフ変換による円抽出処理を行うことで、内側領域が円形状か否かを判定できる。なお、この手法を用いれば、部分的に欠けた内側領域の欠損箇所を補完できる。
【0113】
(内側領域の輝度判定処理)
次に、形状判定された内側領域のグループに対して、その輝度がレンズ付着物の輪郭の内側の輝度の特徴を備える(適合する)か否かを比較・判定する(ステップS3237)。
【0114】
レンズ付着物の輪郭の内側には似たような輝度が広がるため、例えば、グルーピングした内側領域ごとに輝度値の分散を求め、分散が所定の範囲内にあるか否かを判定する。ただし、本実施形態はこれに限定されない。上記以外にも、グルーピングした内側領域ごとに周波数成分を求め、周波数成分の平均が所定の範囲内にあるか否かを判定してもよい。
【0115】
また、レンズ付着物の内側は外光が透過しにくく、色がなく、輝度が低いという特徴がある。例えば、グルーピングした内側領域ごとにグレー系統色の割合や平均輝度を取得し、グレー系統色の割合が高いものや平均輝度が低いものを抽出してもよい。
【0116】
(内側領域の輪郭判定処理)
次に、形状および輝度が判定された内側領域のグループに対して、これがレンズ付着物の輪郭に隣接するか否かを判定する(ステップS3238)。通常、レンズ付着物には輪郭が現れるため、レンズ付着物の輪郭が隣接しない(すなわち、付着物の輪郭の特徴を外側にもたない)内側領域はレンズ付着物ではないものと判定されるので、そのような内側領域を除外する。このレンズ付着物の輪郭としては、輪郭抽出部321が抽出したぼけエッジ領域を利用できる。
【0117】
ただし、レンズ付着物が厚みのない水滴の場合、水滴に背景が投影されることで、その水滴の輪郭がほとんど見えない。そこで、輪郭抽出処理(ステップS321)で抽出しない特徴の弱い輪郭領域(言い換えれば、輪郭抽出部321が抽出する輪郭領域よりも特徴の弱い輪郭領域)をぼけエッジ領域に含めてもよい。この特徴の弱い輪郭領域は、例えば、輪郭抽出処理(ステップS321)がぼけエッジ抽出処理(ステップS3213)で抽出するエッジ強度の範囲をより弱い強度にまで広げた別のぼけエッジ抽出処理によって生成できる。
【0118】
これらの処理によって、内側抽出処理(ステップS322)で抽出した内側領域からレンズ付着物の輪郭の内側(付着物内側領域)を検出する。このようにレンズ付着物の内側のみを抽出することで、輪郭の弱いレンズ付着物なども効果的に検出できる。
【0119】
なお、ステップS3236〜S3238に用いられる種々の判定処理は互いに順不同であり、また、全てを実行する必要もない。また、2つ以上の判定処理を併せて、複合的に判定してもよい。
【0120】
(付着物検出領域抽出処理)
最後に、上述の処理(ステップS3231〜S3238)で付着物輪郭領域、付着物内側領域として抽出された領域を重ねて付着物検出領域として抽出する(ステップS3239)。
【0121】
ここで、付着物輪郭領域と付着物内側領域を複合して付着物検出領域を決定してもよい。例えば、付着物輪郭領域と付着物内側領域とが隣り合って検出される領域のみを(言い換えれば、互いに隣接する付着物輪郭領域と付着物内側領域とを)付着物検出領域として検出すれば、輪郭のある明瞭なレンズ付着物のみを検出することができる。
【0122】
ただし、上記実施形態では、付着物輪郭領域と付着物内側領域のいずれか一方のみが検出される場合に、レンズ付着物を検出できなくなってしまう。その場合、付着物輪郭領域と付着物内側領域とを共に付着物検出領域として検出すれば、厚みのない水滴のように輪郭の弱いレンズ付着物や、内側がほとんどない小粒なレンズ付着物などの様々なレンズ付着物を検出できる。
【0123】
また、付着物検出領域判定処理(ステップS323)において、過去に検出した付着物輪郭領域および付着物内側領域、ないしは付着物検出領域を参照し、検出頻度の高い付着物輪郭領域および付着物内側領域、ないしは付着物検出領域のみを最終出力としてもよい。
【0124】
なお、本実施形態では、輪郭領域と内側領域とを独立に扱い、それぞれから付着物輪郭領域と付着物内側領域とを検出したが、輪郭領域と内側領域とを合成してからその形状や輝度を判定してもよいことは勿論である。その場合、輪郭とその内側とで異なる特徴を判定に用いることができなくなるが、形状や輝度による判定処理の量を減らし、処理負荷を軽減することができる。
【0125】
(蓄積初期化処理)
次の蓄積初期化処理(ステップS329)では、輪郭抽出処理(ステップS321)の蓄積処理(ステップS3214)によって蓄積されているぼけエッジ領域と蓄積回数を初期化する。また、同様に、内側抽出処理(ステップS322)の蓄積処理(ステップS3224)によって蓄積されている小エッジ領域と蓄積回数を初期化する。これにより、次に付着物検出領域検出処理が実行された際に、輪郭抽出処理(ステップS321)と内側抽出処理(ステップS322)とでそれぞれ輪郭領域と内側領域とを改めて抽出し直す。
【0126】
なお、この蓄積初期化処理(ステップS329)は、蓄積されたぼけエッジ領域及び小エッジ領域の内、古い蓄積データのみを削除するようにしてもよい。
【0127】
また、輪郭領域と内側領域の抽出されるタイミングが異なる場合、輪郭領域と内側領域の内、抽出された一方の領域に対してのみ付着物検出領域判定処理(ステップS323)および蓄積初期化処理(ステップS329)を行うようにしてもよい。
【0128】
(レンズ状態判定処理)
次のレンズ状態判定処理(ステップS324)は、付着物検出部320のレンズ状態判定部324により実行され、付着物検出領域判定処理(ステップS323)で検出した付着物検出領域に基づいてカメラ200のレンズ210の汚れ具合を判定する。
【0129】
例えば、付着物検出領域判定処理(ステップS323)で検出した付着物検出領域の総面積を汚れ具合として、この値が閾値を超えるか否かを判定することで、レンズ210がひどく汚れたか否かを検知する。ここで、付着物検出領域の汚れ具合への寄与率を、付着物検出領域の大きさや位置、位置に応じた付着物検出領域判定処理(ステップS323)の精度、車速、または検出持続時間などに応じて変更してもよい。例えば、車速低下時に撮像画像の中央で汚れ付着検出処理の誤検出が増えることがわかっていれば、車速低下時に、撮影画像の中央の付着物検出領域に対して汚れ具合への寄与率(言い換えれば、レンズ210の汚れ具合を表す指標の大きさ)を下げることが有効である。また、レンズ付着物の大きさが所定の面積を超えない限りにおいて周囲センシング部340の検知性能が劣化しない場合、グルーピングされた付着物検出領域の1つ1つの面積が所定の面積を超えたものに対してのみ、汚れ具合への寄与率を上げてもよい。また、周囲センシング部340において、周囲センシング結果の重要度がその付着物検出領域の画像位置によって変わる場合、付着物検出領域の画像位置に応じて汚れ具合への寄与率を変更してもよい。
【0130】
また、検出されたレンズ付着物の種類に応じて汚れ具合への寄与率を変更してもよい。レンズ付着物の種類とは、輪郭か内側かのみならず、水滴か、泥か、曇りか、など、レンズ付着物の種類そのものを含む。レンズ付着物の種類は、付着物検出部320による付着物検出処理において、検出のパラメータや処理を各種レンズ付着物に最適化することで検出できる。例えば、レンズ付着物が薄い曇りの場合、背景が曇りを透過して視認できるため、汚れ具合への寄与度を下げることが考えられる。
【0131】
[実施形態1の効果]
以上、本実施形態1では、レンズ付着物の輪郭と内側のそれぞれを検出することで、カメラ200のレンズ210等に付着した水滴、泥、ゴミなどの付着物であってカメラ200が撮影する撮影画像に映る付着物(の付着領域)をその輪郭が不明瞭なものも含めて高精度に検出することができる。
【0132】
ところで、本実施形態では、内側抽出処理(ステップS322)の小エッジ領域抽出処理(ステップS3223)によって抽出される小エッジ領域にレンズ付着物の輪郭の内側ではない広い領域が含まれる場合、蓄積処理(ステップS3224)によって領域が削られ、削られた領域の形状がレンズ付着物の内側の特徴に近くなることがある。同様に、輪郭抽出処理(ステップS321)のぼけエッジ領域抽出処理(ステップS3213)によって抽出されるぼけエッジ領域にレンズ付着物の輪郭でない広い領域が含まれる場合、蓄積処理(ステップS3214)によって領域が削られ、削られた領域の形状がレンズ付着物の輪郭の特徴に近くなることがある。その結果、付着物検出領域判定処理(ステップS323)がこのような領域を除外せず、誤検出する可能性がある。そこで、内側抽出処理(ステップS322)の小エッジ領域抽出処理(ステップS3223)で抽出する小エッジ領域や、輪郭抽出処理(ステップS321)のぼけエッジ領域抽出処理(ステップS3213)で抽出するぼけエッジ領域に対しても、蓄積前に付着物検出領域判定処理(ステップS323)を実行してもよい。ただし、その場合、処理負荷が増大するため、これには簡素な処理を用いることができる。例えば、蓄積処理(ステップS3214、S3224)によって面積が大きく縮小する輪郭領域ないしは内側領域を予め除外すればよい。
【0133】
<実施形態2>
次に、
図15、16を用いて、実施形態2に係る付着物検出部(付着物検出装置)320における付着物検出処理について説明する。本実施形態2は、付着物検出部320に付着物検出領域追跡部325を追加したこと以外は、上記実施形態1と同様の構成を有している。そのため、
図15を使用して実施形態2の付着物検出部320の構成を説明するとともに、
図16を用いて実施形態2に係る付着物検出部320における付着物検出処理について説明するが、上記実施形態1と同じ構成および処理については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略し、以下では相違点のみについて詳細に説明する。
【0134】
実施形態2に係るレンズ付着物検出部320は、
図15で示すように、付着物検出領域判定部323で検出されたレンズ付着物の領域(付着物検出領域)を追跡する付着物検出領域追跡部325を備える。
【0135】
また、この付着物検出領域追跡部325は、付着物検出部320による付着物検出処理において、
図16で示す付着物検出領域追跡処理(ステップS555)を実行する。
【0136】
図16で示す付着物検出領域追跡処理(ステップS555)では、付着物検出領域判定処理(ステップS323)で検出された付着物検出領域を追跡する。この追跡処理には、公知の追跡処理を用いることができる。例えば、付着物検出領域の近傍を含む領域に対してパターンマッチングを行えばよい。このパターンマッチングに用いる画像は、撮影画像でもよいし、そのエッジ画像でもよい。追跡できた領域は、その前段の付着物検出領域判定処理(ステップS323)の結果に依らず、レンズ付着物の検出領域(付着物検出領域)とすることで、外乱等による検出の途切れを抑制することができる。
【0137】
なお、過去に1度検出された付着物検出領域(付着物輪郭領域、付着物内側領域を含む)ないしは連続して安定的に検出されている付着物検出領域に対しては、当該領域を含む画像領域に対し、輪郭抽出部321や内側抽出部322、付着物検出領域判定部323が、輪郭抽出処理(ステップS321)や内側抽出処理(ステップS322)、付着物検出領域判定処理(ステップS323)の抽出条件(エッジ強度の抽出範囲や蓄積時間など)を緩和することで、外乱等による検知の途切れを抑制してもよい。
【0138】
また、レンズ付着物が水滴の場合、外光の変化でレンズ付着物の内側に輪郭の成分が現れる場合がある。そこで、前述の付着物内側領域の検出処理では、過去に1度検出されたないしは連続して安定的に検出されている付着物内側領域において、輪郭抽出処理で抽出する輪郭領域を内側領域として扱ってもよい。また、同様に、付着物輪郭領域を付着物内側領域として扱ってもよい。これにより、内側領域ないし付着物内側領域の時間的な途切れを抑制することができる。同様に、前述の付着物輪郭領域の検出処理では、過去に1度検出されたないしは連続して安定的に検出されている付着物輪郭領域において、内側抽出処理で抽出する内側領域を輪郭領域として扱ってもよいし、付着物内側領域を付着物輪郭領域として扱ってもよい。
【0139】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形形態が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0140】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0141】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。