(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と称する)について詳細に説明する。実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。また、図面は、符号の向きに見るものとする。
【0016】
(RFIDタグ30の構成)
本実施形態に係るRFIDタグ発行装置10(
図3参照)の説明に先立ち、製造対象であるRFIDタグ30の構成を
図1、
図2に基づいて説明する。
【0017】
図1(a)に示すように、RFIDタグ30は、タグ31と、このタグ31の表面に貼付されるRFIDラベル32とにより構成されるものであって、RFIDタグ発行装置10(
図3参照)により、タグ31にRFIDラベル32が自動的に貼付されることで発行される。
【0018】
図1(b)に示すように、タグ31は、
図1(b)に示すように、タグ31は、平面形状が略長方形状のシー卜であり、一方の短辺側の近傍に吊下げ穴33が設けられる。RFIDタグ30は、この吊下げ穴33に通された紐などにより、個々の商品(この例では、衣類)に吊下げられる。タグ31の材質は任意であるが、紙、合成樹脂など各種の材料から選択可能である。
【0019】
図1(c)に示すように、RFIDラベル32は、平面形状が長方形状であり、表面に印字面32aを有する。この印字面32aには、各種の印字(この例では、衣類の商品名の印字35a、衣類のサイズの印字35b、衣類の色の印字35c、バーコードの印字35dの他、衣類の価格の印字など)が施される。なお、以下の説明では、印字面32aに印字される内容を「印字情報」と記載する。
【0020】
図2に示すように、RFIDラベル32は、RFIDインレット36と、このRFIDインレット36の表面に積層される感熱紙などからなる表面材37と、RFIDインレット36の裏面側に設けられRFIDラベル32とタグ31とを接着する粘着層38とを備える。
【0021】
RFIDインレット36は、主に樹脂製のフィルム36aで構成され、IC(Integrated Circuit)チップ41及びRFIDアンテナ42を有し、無線通信により各種情報の書き込み及び読み取りを行うことができる。これらICチップ41及びRFIDアンテナ42の個数や配置は任意であるが、この例では、RFIDインレット36の長手方向に沿って一対のRFIDアンテナ42を配置した例を示す。
【0022】
(RFIDタグ発行装置10の全体構成)
次に、RFIDタグ30を発行するRFIDタグ発行装置10の全体構成を
図3に基づいて説明する。
【0023】
図3に示すように、RFIDタグ発行装置10は、基体11と、この基体11の上部に設けられタグ31及びRFIDタグ30を搬送するタグ搬送部50と、このタグ搬送部50の最上流部50aにタグ31を供給するタグ供給部60と、搬送中のタグ31にRFIDラベル32を貼付してRFIDタグ30を得るRFIDラベル貼付装置70と、RFIDタグ30のRFIDインレット36(
図2参照)に書き込まれている内容を検証するRFID通信部120と、タグ搬送部50の最下流部50bにおいてRFIDタグ30を振り分けるRFIDタグ振り分け部130と、を備える。
【0024】
また、RFIDタグ発行装置10は、RFIDタグ30に挿入位置マーク43を施す第1のマーカー部12(
図10参照)と、RFIDタグ30に仕分マーク45を施す第2のマーカー部13(
図10参照)とを備える。さらに、RFIDタグ発行装置10は、タグ搬送部50に供給されたタグ31の表裏を判別する表裏判別センサ15と、RFIDラベル貼付装置70の下方に設けられタグ31の有無を検出する貼付センサ16と、RFID通信部120を起動させる起動センサ17と、操作・表示部18と、各部の動作を制御するメイン制御部21と、このメイン制御部21に接続されるPC(Personal Computer)22とを備える。
【0025】
(タグ搬送部50の構成)
続いて、タグ搬送部50の構成を
図3〜
図5に基づいて説明する。
図3に示すように、タグ搬送部50は、基体11の上部に設けられる吸引ボックス51と、この吸引ボックス51の内部空間を吸引する吸引用コンプレッサ52と、吸引ボックス51を挟んで両側に配置される一対のローラ53と、これら一対のローラ53に巻き掛けられた無端状のベルトコンベア55と、このベルトコンベア55の下方に設けられる金属製のプレート56とを備える。
【0026】
図4(a)に示すように、ベルトコンベア55は、平面視でタグ31の搬送方向及びその直角方向に規則的に配置される複数の孔55aを有する。これら複数の孔55aは、吸引ボックス51(
図3参照)の内部空間に連通しており、ベルトコンベア55は、複数の孔55aによるエア吸引によってタグ31(
図3参照)を吸着して搬送する。
【0027】
図4(b)に示すように、プレート56は、ベルトコンベア55と吸引ボックス51(
図3参照)の間に配置されており、所定の長さLで形成される複数の長孔56aを有する。これら複数の長孔56aのそれぞれは、タグ31の搬送方向に延在し、タグ31の搬送方向及びその直角方向に並んで設けられる。長孔56aの幅は、搬送されるタグ31の幅より短く形成する。複数の長孔56aは、吸引ボックス51とベルトコンベア55の孔55aの間において、吸引されるエアを整流する作用をなす。
【0028】
図5に示すように、プレート56は、RFID通信部120に対向する部分において着脱可能に切り欠けられており、プレート56の一部57が取り外し可能である。このプレート56の一部57を取り外すことによって、RFID通信部120に対向する部分には金属部品がなくなるため、電波干渉が抑制される。
【0029】
(タグ供給部60の構成)
続いて、タグ供給部60の構成を
図6に基づいて説明する。
図6に示すように、タグ供給部60は、複数のタグ31が積み重ねられたタグ収納体61と、このタグ収納体61内の最上位のタグ31をベルトコンベア55の最上流部50aに移動する多軸ロボット62とを備える。
【0030】
多軸ロボット62は、エア吸引によってタグ31を吸着可能な吸着パッド63を下端に有し、タグ収納体61の直上から下降して吸着パッド63で最上位のタグ31に吸着した後、上昇する。次に、多軸ロボット62は、ベルトコンベア55の最上流部50aの上方に水平移動した後、下降して吸着パッド63からタグ31を解放し、ベルトコンベア55の最上流部50aに載置する。さらに、多軸ロボット62は、上昇してタグ収納体61内の直上に水平移動した後、下降して吸着パッド63で次の最上位のタグ31に吸着する。
【0031】
そして、ベルトコンベア55には、タグ31を載置する区間において、タグ31の位置決めを行うガイド65が設けられる。この例では、タグ31の搬送方向に沿ってベルトコンベア55の側端に棒状のガイド65を配置する。これにより、タグ31は、その搬送方向側面31aがガイド65により案内されながら載置されるため、ベルトコンベア55上の正規の位置に位置決めされる。
【0032】
(RFIDラベル貼付装置70の構成)
次に、RFIDラベル貼付装置70の構成を
図7〜
図9に基づいて説明する。
図7に示すように、RFIDラベル貼付装置70は、PC22(
図3参照)からの印字情報を受信し、この受信した印字情報を、RFIDラベル32に印字した後、印字情報をRFIDインレット36に書き込み、さらにRFIDラベル32をタグ31に貼付する装置である。
【0033】
RFIDラベル貼付装置70は、RFIDラベル32に印字を行う印字発行部71と、印字されたRFIDラベル32のRFIDインレット36(
図2参照)に印字情報を書き込む書き込み部72と、印字情報が書き込まれたRFIDラベル32をタグ31に貼付する貼付部73とを備える。
【0034】
印字発行部71は、出口75を有する箱状の筐体76を備えており、この筐体76には、使用者が操作する操作部77と、印字発行部71の状態を表示する表示部78とが設けられる。
【0035】
筐体76の内部には、ロール状に巻かれたRFIDラベル連続体81を回転可能に保持するラベル供給軸82と、ステッピングモータ83(
図9参照)によって回転駆動されるプラテンローラ85と、ラベル供給軸82からプラテンローラ85にRFIDラベル連続体81を案内する案内ローラ86とが設けられる。さらに、筐体76の内部には、プラテンローラ85に対向する面に複数の発熱体が形成されたサーマルヘッド87が設けられる。そして、ラベル供給軸82とプラテンローラ85の間には、ピッチセンサ88が設けられる。
【0036】
図8(a)に示すように、RFIDラベル連続体81は、長尺帯状の台紙81aと、この台紙81aの長手方向に沿って所定のピッチPで連続形成した複数のRFIDラベル32とによって構成される。
図8(b)に示すように、台紙81aの裏面には、RFIDラベル32のピッチPに合わせてタイミングマーク91が施される。このタイミングマーク91は、ピッチセンサ88(
図7参照)によって検出される。
【0037】
図7に戻る。
図7に示すように、書き込み部72は、筐体76の出口75近傍に設けられRFIDラベル連続体81を斜め下方に案内する案内ローラ92と、斜め下方に案内されたRFIDラベル連続体81の下方に配置される書き込み用アンテナ93と、RFIDラベル連続体81を挟んで書き込み用アンテナ93の上方に立設された遮蔽板95とを備える。書き込み用アンテナ93は、無線通信により、RFIDラベル32のRFIDアンテナ42(
図8(a)参照)に対して印字情報の書き込みを行う。RFIDラベル32のICチップ41に書き込む情報は、商品コードあるいは固有のコードであってもよい。
【0038】
貼付部73は、搬送されるタグ31に向けて鋭角に先細る剥離板96と、この剥離板96の下流側に設けられた貼付ローラ97とを備える。貼付部73では、台紙81aからRFIDラベル32を剥離板96により剥離させ、タグ31の表面に貼付ローラ97で貼付する。
【0039】
さらに、筐体76の内部には、RFIDラベル貼付装置70の動作を制御する制御部98が設けられる。
【0040】
図9に示すように、この制御部98には、インターフェイス101を介してメイン制御部21が接続され、インターフェイス102を介して操作部77及び表示部78が接続される。また、制御部98は、所定の制御プログラムとフォントデータとを記憶するROM(Read Only Memory)103と、このROM103に記憶されている制御プログラムに従って動作し、各部を制御するCPU105(Central Processing Unit)と、CPU105が動作する上で必要となる各種データを記憶するRAM(Random Access Memory)106と、CPU105からの指示に基づいて、ステッピングモータ83及びサーマルヘッド87のそれぞれの動作を制御するプラテン制御回路107及び印字制御回路108と、が接続される。
【0041】
また、制御部98には、ピッチ制御回路111を介してピッチセンサ88が接続され、台紙81aを巻き取る台紙巻取り軸112を回転駆動するDCモータ113が巻取り制御回路115を介して接続される。さらに、制御部98には、ラベル検出制御回路116を介してラベル検出センサ117が接続され、貼付制御回路118を介してソレノイド119が接続される。
【0042】
(RFIDラベル貼付装置70の動作例)
以上のように構成されるRFIDラベル貼付装置70の動作例について説明する。
【0043】
図7に戻り、まず、印字発行部71において、RFIDラベル連続体81をプラテンローラ85とサーマルヘッド87とで挟持して送ると共に、PC22(
図3参照)からの印字情報に基づき、サーマルヘッド87によりRFIDラベル32の印字面32a(
図8(b)参照)に印字を行う。このようにしてRFIDラベル32に印字が施されたRFIDラベル連続体81は、出口75から排出され、書き込み部72に送られる。
【0044】
書き込み部72では、PC22(
図3参照)からの印字情報に基づき、書き込み用アンテナ93により、RFIDラベル32のRFIDインレット36(
図8(b)参照)に対して印字情報の書き込みを行う。この際、遮蔽板95は、RFIDインレット36への印字情報の書き込み時において電波干渉を抑制し、他のRFIDラベル32への書き込みなどを防止する作用をなす。遮蔽板95は、書き込み用アンテナ93と剥離板96との間に位置して、RFIDラベル連続体81の搬送方向と交差する方向で印字面32aの上方に立設している。
【0045】
書き込み部72を通過したRFIDラベル連続体81は、貼付センサ16によりタグ31が検出されたとき、剥離板96によって台紙81aからRFIDラベル32が剥離され、貼付ローラ97によってタグ31の表面に押し付けられる。その結果、RFIDラベル32がタグ31の表面に貼付される。この際、RFIDラベル32は、搬送方向に沿って縦長になる姿勢でタグ31に貼付される。一方、使用済みの台紙81aは、搬送方向の上流側に導かれた後、台紙巻取り軸112に巻き取られる。
【0046】
このように動作するRFIDラベル貼付装置70では、ラベル検出センサ117により、RFIDラベル32が台紙81aから剥離されてタグ31に貼付されたか否かを検出してもよい。また、表裏判別センサ15によりタグ31の表裏を判別し、タグ31の印刷面(模様などが印刷された面)が上側に向いている場合には、RFIDラベル32がタグ31に貼付されないように制御してもよい。この場合、例えば、ソレノイド119(
図9参照)により、剥離板96の位置を移動させるなどして、RFIDラベル32が台紙81aから剥離しないように制御することができる。この表裏判別センサ15には、例えば、CCD(Charge Coupled Device)カメラなど各種のセンサを用いることができる。
【0047】
(RFIDタグ振り分け部130及び第1・第2のマーカー部12,13の構成)
次に、RFIDタグ振り分け部130及び第1・第2のマーカー部12,13の構成を
図10〜
図12に基づいて説明する。
【0048】
図10に示すように、RFIDタグ振り分け部130は、ベルトコンベア55の最下流部50bに設けられRFID通信部120(
図3参照)を通過したRFIDタグ30が載置される載置台131と、この載置台131に隣接して配置される良品スタッカ132及び不良スタッカ133と、載置台131から良品スタッカ132又は不良スタッカ133にRFIDタグ30を移動する多軸ロボット135とを備える。第1・第2のマーカー部12,13側の載置台131の側辺131aは、
図10において破線で示すように、載置台131に載置されるRFIDタグ30の一方の搬送方向側面31aよりも内側に位置している。すなわち、載置台131に載置されるRFIDタグ30の他方の搬送方向側面31bは、載置台131上に設けられたガイド137によって位置決めされており、RFIDタグ30は、このように位置決めされた状態において、その搬送方向側面31aが載置台131の側辺131aから若干はみ出した状態にある。
【0049】
多軸ロボット135は、エア吸引によってRFIDタグ30を吸着可能な吸着パッド136を下端に有し、載置台131の直上から下降して吸着パッド136でRFIDタグ30に吸着した後、上昇する。次に、多軸ロボット135は、RFID通信部120による検証でRFIDタグ30が良品と判断されたときは、載置台131の直上からRFIDタグ30を良品スタッカ132の直上に水平移動した後、下降して吸着パッド136からRFIDタグ30を解放し良品スタッカ132に収納する。そして、多軸ロボット135は、上昇して載置台131の直上に水平移動した後、下降して吸着パッド136で再び次のRFIDタグ30に吸着する。一方、RFIDタグ30が検証により書き込み不良と判断されたときは、多軸ロボット135は、載置台131からRFIDタグ30を不良スタッカ133の直上に水平移動した後、下降して吸着パッド136からRFIDタグ30を解放し不良スタッカ133に排除する。
【0050】
第1のマーカー部12は、検証により判明した書き込み不良のRFIDタグ30の次のRFIDタグ30に、挿入位置マーク43(
図12参照)を施す。また、第2のマーカー部13は、印字情報が異なる区切りのRFIDタグ30に仕分マーク45(
図12参照)を施す。なお、ここで、仕分マーク45を施す「区切り」は、例えば、SKU(Stock Keeping Unit:在庫管理単位)である。
【0051】
この例では、第1・第2のマーカー部12,13を載置台131の側端に配置した例を示すが、ベルトコンベア55の最下流部50bであれば、第1・第2のマーカー部12,13の位置は任意である。例えば、
図10において2点鎖線で示すように、ベルトコンベア55の側端に第1・第2のマーカー部12,13を配置することもできる。ベルトコンベア55の側端に第1・第2のマーカー部12,13を配置した場合は、図示しないタグ幅寄せガイドを設けて、このタグ幅寄せガイドに沿ってRFIDタグ30を第1・第2のマーカー部12,13に近づけるようにすることができる。
【0052】
第1・第2のマーカー部12,13は、周知のマーキング技術(例えば、特開2009-233613号公報に開示される側面着色装置)を用いることができる。この例では、
図11(a)に示すように、第1のマーカー部12は、円筒状のインクローラ部12aと、このインクローラ部12aを回転可能に支持するローラ支持部12bと、RFIDタグ30の搬送方向と略平行な回動軸12cを中心に回動可能に取り付けられる揺動部12dと、この揺動部12dを回動させるシリンダ部12eとを備える。なお、第2のマーカー部13の構成要素は、第1のマーカー部12の構成要素(符号12a〜符号12e)と同じであるため、説明を省略する。
【0053】
図11(b)に示すように、第1・第2のマーカー部12,13のそれぞれでは、インクローラ部12aがRFIDタグ30の搬送方向側面31aに当たる方向に、揺動部12dをシリンダ部12eで回動させることにより、RFIDタグ30の搬送方向側面31aにインクローラ部12aを接触させて着色を施す。この着色により得られる挿入位置マーク43(
図12参照)と仕分マーク45(
図12参照)は、ベルトコンベア55の速度に応じて第1・第2のマーカー部12,13の動作が制御されることにより、RFIDタグ30の搬送方向側面31aの異なる位置に施すことができる。例えば、第1のマーカー部12では、検証により判明した書き込み不良のRFIDタグ30の次のRFIDタグ30に挿入位置マーク43(
図12参照)を搬送方向側面31aの上流側の部位に施す。また、第2のマーカー部13では、区切りとなる先頭のRFIDタグ30に仕分マーク45(
図12参照)を搬送方向側面31aの下流側の部位に施す。また、挿入位置マーク43と仕分マーク45は、互いに異なる色で着色してもよい。
【0054】
(メイン制御部21の構成)
次に、メイン制御部21の構成を
図13に基づいて説明する。
【0055】
図13に示すように、メイン制御部21は、タグ供給部60、RFIDラベル貼付装置70、RFID通信部120、RFIDタグ振り分け部130、タグ搬送部50、第1のマーカー部12、第2のマーカー部13、表裏判別センサ15、起動センサ17及び操作・表示部18に接続される。
【0056】
RFID通信部120には、RFIDインレット36のICチップ41と通信してICチップ41の情報を読み取るアンテナを配置している。RFID通信部120は、RFIDラベル貼付装置70で作成されたRFIDラベル32が、起動センサ17によって検知されたときに起動し、RFIDタグ30のRFIDインレット36に書き込まれている内容を読み出し、その書き込み内容を検証する。メイン制御部21は、書き込み内容の検証結果に基づいて、RFIDタグ振り分け部130の多軸ロボット135の動作を制御し、RFIDタグ30の良否に応じてRFIDタグ30を良品スタッカ132又は不良スタッカ133に振り分ける。また、メイン制御部21は、書き込み不良のRFIDタグ30の次のRFIDタグ30に対し、第1のマーカー部12を動作させて挿入位置マーク43を施す一方、区切りとなる先頭のRFIDタグ30に対し、第2のマーカー部13を動作させて挿入位置マーク43を施す。
【0057】
(RFIDタグ発行装置10の動作例)
続いて、メイン制御部21及び制御部98によるRFIDタグ発行装置10の第1の動作例を
図14〜
図17に基づいて説明する。
【0058】
図14に示すように、スタートしたら、ステップSA1において、印字情報(
図17(a)参照)の受信の有無を判断する。印字情報を受信した場合は、ステップSA2に進み、RFIDラベル連続体81を繰り出してRFIDラベル32の印字面32aに印字を行った後、ステップSA3に進み、さらに印字情報をRFIDラベル32のRFIDインレット36のICチップ41に書き込み、ステップSA4に進む。一方、印字情報を受信しない場合は、ステップSA1を繰り返し実行する。
【0059】
ステップSA4では、印字されたRFIDラベル32が停止位置(例えば、剥離板96の先端部)に到達したか否かを判断する。印字されたRFIDラベル32が停止位置に到達した場合は、ステップSA5に進み、RFIDラベル連続体81の繰り出しを停止し、ステップSA6に進む。一方、印字されたRFIDラベル32が停止位置に到達していない場合は、ステップSA4を繰り返し実行する。
【0060】
ステップSA6では、貼付センサ16により、タグ31が検出されたか否かを判断する。タグ31が検出された場合は、ステップSA7に進み、RFIDラベル連続体81の繰り出しを再開した後、ステップSA8に進み、剥離板96によりRFIDラベル32を剥離させてタグ31に貼付する。RFIDラベル32をタグ31に貼付するときは、タグ31の吊下げ穴33に重ならないようにRFIDラベル32を貼付する。そして、ステップSA9に進み、RFIDラベル連続体81をバックフィードさせて、次の未印字のRFIDラベル32の先端部分をサーマルヘッド87の位置まで戻し、ステップSA10に進む。一方、ステップSA6において、タグ31が検出されない場合は、ステップSA6を繰り返し実行する。
【0061】
図15に示すように、ステップSA10では、起動センサ17により、RFIDラベル32が貼付されたRFIDタグ30が検出されたか否かを判断する。RFIDタグ30が検出された場合は、ステップSA11に進み、RFID通信部120により、RFIDタグ30の書き込み内容を読み取って検証し、ステップSA12に進む。一方、ステップSA10において、RFIDタグ30が検出されない場合は、ステップSA10を繰り返し実行する。
【0062】
ステップSA12では、ステップSA11の検証結果に基づいて、RFIDタグ30のICチップ41に印字情報が正常に書き込まれているか否かを判断する。RFIDタグ30に印字情報が正常に書き込まれている場合は、ステップSA13に進み、「書き込み済」の情報をPC22に送信した後、ステップSA14に進み、多軸ロボット135によってRFIDタグ30を良品スタッカ132に移動し、ステップSA15に進む。
【0063】
ステップSA15では、次の印字情報が受信されたか否かを判断する。次の印字情報を受信した場合は、ステップSA2に戻り、次の印字情報を受信しない場合は、終了する。
【0064】
一方、ステップSA12において、RFIDタグ30のICチップ41に印字情報が正常に書き込まれていない場合は、ステップSA16に進み、「書き込み不可」の情報をPC22に送信した後、ステップSA17に進み、NG情報(
図17(b)参照)を作成する。そして、ステップSA18に進み、多軸ロボット135によってRFIDタグ30を不良スタッカ133に移動し、ステップSA19に進む。
【0065】
図16に示すように、ステップSA19では、次の印字情報の受信の有無を判断する。次の印字情報を受信した場合は、ステップSA20に進み、印字情報をRFIDラベル32のRFIDインレット36に書き込み、ステップSA21に進み、RFID通信部120により、RFIDタグ30の書き込み内容を読み取って検証し、ステップSA22に進む。一方、ステップSA19において、次の印字情報を受信しない場合は、終了する。
【0066】
ステップSA22では、ステップSA21の検証結果に基づいて、RFIDタグ30に印字情報が正常に書き込まれているか否かを判断する。RFIDタグ30に印字情報が正常に書き込まれている場合は、ステップSA23に進み、「書き込み済」の情報をPC22に送信した後、さらにステップSA24に進み、第1のマーカー部12により、RFIDタグ30に挿入位置マーク43を施す。そして、ステップSA25に進み、多軸ロボット135によってRFIDタグ30を良品スタッカ132に移動し、ステップSA15に戻る。一方、RFIDタグ30に印字情報が正常に書き込まれていない場合は、ステップSA16に戻る。
【0067】
(RFIDタグ発行装置10の第2の動作例)
続いて、RFIDタグ発行装置10の第2の動作例を
図18に基づいて説明する。
【0068】
前述した第1の動作例において、書き込み不良のRFIDタグ30が発行された場合、計画した数量に対して、書き込み不良のRFIDタグ30の枚数だけ、良品のRFIDタグ30が不足する。この第2の動作例では、この不足分のRFIDタグ30を再発行する。まず、オペレータは、PC22の画面上でNG情報を確認し、RFIDタグ発行装置10により再発行を行う。
【0069】
図18に示すように、RFIDタグ発行装置10では、スタートしたら、ステップSB1で、NG情報に基づくRFIDタグ30の発行の有無を判断する。NG情報に基づくRFIDタグ30の発行がなされた場合、ステップSB2に進み、発行がなされていない場合、ステップSB1を繰り返し実行する。
【0070】
ステップSB2では、全てのNG情報に関してRFIDタグ30の再発行がなされたか否かを判断する。全てのNG情報に関してRFIDタグ30の再発行がなされた場合は終了し、全てのNG情報に関してRFIDタグ30の再発行がなされていない場合は、ステップSB2を繰り返し実行する。
【0071】
オペレータ(操作員)は、前述した第1の動作例において発行されたRFIDタグ30の集合体のうち、挿入位置マーク43が施されたRFIDタグ30の前側又は後側に、再発行されたRFIDタグ30を挿入する。これにより、書き込み不良により生じた不足分のRFIDタグ30を補うことができ、計画した数量の良品のRFIDタグ30の集合体を得ることができる。
【0072】
(実施形態の効果)
以上、説明したRFIDタグ発行装置10の効果について述べる。
本実施形態によれば、タグ31の供給、タグ31の搬送、RFIDインレット36のICチップ41への書き込み、RFIDラベル32のタグ31への貼付、RFIDインレット36のICチップ41の書き込み内容の検証、良品のRFIDタグ30の移動、そして、書き込み不良のRFIDタグ30の排除からなる一連の作業の自動化を実現することができる。また、ベルトコンベア55上でRFIDタグ30を搬送しながら無線通信するので、RFIDタグ30を効率的に生産できる。
【0073】
また、プレート56の長孔56aによる整流作用により、ベルトコンベア55の複数の孔55aにおけるエア吸引が搬送方向及びその直角方向において均一化するため、ベルトコンベア55上でタグ31あるいはRFIDタグ30を安定的に搬送することができる。加えて、プレート56の一部57を取り外せば、RFID通信部120に対向する部分において金属部品による電波干渉を抑制できる。その結果、RFID通信部120とRFIDインレット36を高い精度で無線通信することができ、書き込み不良のRFIDタグ30をより正確に排除することができる。
【0074】
また、エア吸引されたタグ31を載置する区間において、ベルトコンベア55にガイド65を設けたので、ベルトコンベア55上にタグ31をより正確に載置することができる。
【0075】
また、第1のマーカー部12により、書き込み不良のRFIDタグ30の次のRFIDタグ30に、挿入位置マーク43を施すことにより、スタックされたRFIDタグ30の集合体において挿入位置マーク43の位置が視認できるため、RFIDタグ30の集合体に不足分のRFIDタグ30を容易に挿入することができる。また、第2のマーカー部13により、印字情報が異なる区切りの先頭のRFIDタグ30に仕分マーク45を施すことにより、スタックされたRFIDタグ30の集合体において仕分マーク45の位置が視認できるため、ロットの区切りを容易に確認することができる。
【0076】
また、挿入位置マーク43と仕分マーク45を、ベルトコンベア55の速度に応じてRFIDタグ30の搬送方向側面31aの異なる位置に施すことにより、挿入位置マーク43と仕分マーク45をより高い精度でRFIDタグ30に施すことができる。
【0077】
また、RFIDラベル貼付装置70の出口75にある書き込み用アンテナ93の上方に立設した遮蔽板95により、RFIDインレット36への印字情報の書き込み時においても、電波干渉を抑制することができる。
【0078】
さらに、RFIDラベル貼付装置70の上流側に設けた表裏判別センサ15により、タグ31の表裏を判別し、模様などが施された印刷面にはRFIDラベル32を貼付しないようにすれば、不良品のRFIDタグ30の発生をより防ぐことができる。
【0079】
加えて、RFIDラベル32を搬送方向に沿って縦長になるようにタグ31に貼付するので、RFIDラベル32の剥離時において、剥離されるRFIDラベル32の厚み部分(より具体的にはフィルム36aの厚み部分)の幅が狭くなる。その結果、RFIDラベル32を台紙81aからより剥離し易くなる。
【0080】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0081】
例えば、前述した実施形態では、PC22からメイン制御部21を介して印字情報及び書き込み情報をRFIDラベル貼付装置70に出力するようにしたが、PC22からRFIDラベル貼付装置70に直接、印字情報及び書き込み情報を出力するようにしてもよい。この場合には、RFID通信部120をRFIDラベル貼付装置70内に設けることができる。