(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2運転モードにおいて、少なくとも1台のポンプ装置について、検出圧力を前記対応ゾーンより高層の前記給水ゾーンに対応する高層側ポンプの吐出流路の圧力とし、目標圧力を前記高層側ポンプの前記第1運転モードの目標圧力と同等にする、請求項1に記載の給水装置。
前記第1運転モードにおいて、高層側の1以上の給水ゾーンについてそれぞれ2台以上の所定の台数のポンプ装置で交互運転し、最も低層の給水ゾーンは、前記高層側のポンプ装置の台数よりも1台以上多い台数で、交互運転する、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の給水装置。
前記第2運転モードにおいて、バックアップ運転中の前記ポンプ装置が所定の回転速度以上であり、かつ、吐出圧力が所定の閾値を下回った場合に、当該バックアップ運転中の前記ポンプ装置よりも低層側の給水ゾーンに対応する低層側ポンプの目標圧力を上げてバックアップ運転する、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の給水装置。
二次側に接続される吐出流路を介して高さの異なる複数の給水ゾーンに接続される、複数のポンプ装置を、前記複数の前記給水ゾーンの高さに応じてそれぞれ設定された目標圧力に基づき圧力フィードバック制御するとともに、
前記複数のポンプ装置の二次側にそれぞれ接続された複数の吐出流路は、低層側の給水ゾーンに接続される前記吐出流路との合流点から、高層側の給水ゾーンに接続される前記吐出流路との合流点に向かうように流れが規制された、連結流路により接続され、
各ポンプ装置の二次側に接続された前記吐出流路の圧力を検出し、前記検出された吐出圧力と、対応ゾーンの目標圧力に基づいて、フィードバック制御する第1運転モードと、 所定のバックアップ条件を満たす場合に、少なくともいずれかの前記ポンプ装置を、前記第1運転モードよりも高層側の検出位置にて検出される高層側吐出圧力と、前記対応ゾーンの目標圧力よりも高い高層側目標圧力とに基づいて、バックアップ運転する、第2運転モードと、を切替える、給水装置の制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施の形態に係る給水装置について、
図1乃至
図5を用いて説明する。
図1乃至
図5は本発明の一実施の形態に係る給水装置の構成を示す。
図1は給水先を示す説明図、
図2は正面図、
図3は断面図、
図4は平面図、
図5は側面図である。なお、説明のため、各図において適宜構成を省略して示している。
【0010】
図1乃至
図5に示すように、給水装置10は、架台11と、複数のポンプ装置12(12A〜12D)と、配管ユニット13と、複数のインバータ43や制御基板42を収容する制御盤14と、を備え、例えば複数の階層を有する建物に設けられる複数の給水先に送水する。給水装置10の一次側の吸込側配管31は、受水槽を介して、あるいは直接、水道配管に接続される。給水装置10の二次側の吐出側配管32は、分岐して複数の給水先に接続される。
【0011】
架台11は、ポンプ装置12、配管ユニット13、及び制御盤14、を所定の設置箇所に支持する防振架台である。
【0012】
ポンプ装置12は、モータ21と、モータ21に接続されたインペラを有する1段または複数段のポンプ部22と、を備え、流体を増圧して二次側に圧送する。本実施形態においては4台のポンプ装置12A、12B、12C、12Dが架台11上に縦置きで第1方向に並んで設置されている。本実施形態においては、一例として54階の建物において、各階においてそれぞれ5つの流路に分岐し、5つの給水先が設けられる。本実施形態において、54階を3分割して18階ずつ、3つのゾーンZ1,Z2,Z3に分ける例を示す。水道機器18は例えば蛇口等であり、例えば高さの異なる複数の階層の、各階層にそれぞれ複数、設けられている。
【0013】
モータ21は例えばブラシレスモータである。モータ21はケーブルによって制御盤14に接続される。モータ21はインバータ43を介して制御基板42に接続され、制御基板42に搭載された制御部44の制御によって回転数制御される。
【0014】
ポンプ部22は、例えば1以上のインペラと、ポンプ吸込口22a及びポンプ吐出口22bを備えるケーシング24と、を備えるタービンポンプである。
【0015】
ポンプ装置12は、モータ21の回転に伴ってケーシング24内のインペラ23が回転することにより、水道配管に接続されたポンプ吸込口22aから液体を吸込み、給水先に接続されるポンプ吐出口22bから吐出する。複数のポンプ装置12A、12B、12C、12Dはいずれも、最も高層側のゾーンZ3に給水可能な揚水性能を有する。例えば本実施形態において、4台のポンプ装置12A、12B、12C、12Dとして、同じ揚水性能を有する、同機種の立体多段タービンポンプを用いた。
【0016】
配管ユニット13は、各ポンプ装置12の一次側に接続された複数の吸込側配管31と、各ポンプ装置12の二次側に接続された吐出側配管32と、を備える。
【0017】
吸込側配管31は、一端が水道配管に接続され、他端側が各ポンプ装置12の吸込口22aに接続される。
【0018】
吐出側配管32は、複数の個別吐出管33と、複数の個別吐出管33同士を連結する吐出連結管34と、を備える。
【0019】
個別吐出管33は、複数のポンプ装置12のポンプ吐出口22bから各給水ゾーンZ1,Z2,Z3にそれぞれ至り、各ゾーンZ1,Z2,Z3において複数に分岐して個々の給水先にそれぞれ接続される。本実施形態においては、各ゾーンZ1,Z2,Z3にそれぞれ18階層ずつ、各階層にそれぞれ5つの給水先としての水道機器18が設けられる例を示す。
【0020】
個別吐出管33には、流量センサ35、逆止弁36、ボール弁37(開閉弁)、圧力センサ38、アキュムレータ39、がそれぞれ設けられている。4つの個別吐出管33のうち、最も低層側、すなわち後述する吐出連結管34における最も上流側の個別吐出管33は、ボール弁37の二次側において屈曲して吐出連結管34に接続され、他のポンプ装置12の個別吐出管33に連通する。
【0021】
流量センサ35は、各ポンプ吐出口22bの二次側における個別吐出管33の所定箇所に設けられている。流量センサ35は、例えば磁石が設けられた羽根車を備え、磁石に接続されたホールICにて流量検出を行う回転式のセンサである。流量センサ35は、信号線を介して制御部44に接続され、検出した流量信号を制御部44に送信する。
【0022】
逆止弁36は、各個別吐出管33の、流量センサ35の二次側であって吐出連結管34との合流部よりも一次側に、それぞれ設けられている。逆止弁36は、個別吐出管内の流路の流れを、一次側から二次側に向かう1方向となるように規制する。
【0023】
ボール弁37は、各個別吐出管の、流量センサ35及び逆止弁36よりも二次側であって吐出連結管34との合流部よりも一次側に、それぞれ設けられている。ボール弁37は回転により流路を開閉するボールと、ボールを回転させるレバーと、を備え、レバーの回動操作によって、流路を開閉する開閉弁である。
【0024】
圧力センサ38(38a,38b,38c)は、各個別吐出管33の、吐出連結管34との合流部近傍に設けられている。圧力センサ38は、例えばダイヤフラム式のセンサであり、各ポンプ装置12の、吐出連結管34内部の流路の圧力を検出する。圧力センサ38は、信号線を介して制御盤14の制御部44に接続され、検出した圧力信号を制御部44に送信する。
【0025】
アキュムレータ39は、例えば各個別吐出管33の、吐出連結管34との合流点よりも二次側の所定位置に接続される。
【0026】
圧力センサ38及びアキュムレータ39は、吐出連結管34の最も上流に配される1台のポンプ装置12を除く3台のポンプ装置12B,12C,12Dの個別吐出管33に、それぞれ配される。
【0027】
吐出連結管34は、複数の個別吐出管33内の個別吐出流路に連通する連結流路を形成する配管であり、個別吐出管33と交差する第1方向に延びる。吐出連結管34は、一端に配されるポンプ装置12Aの個別吐出管33が水平方向に屈曲して形成されている。
【0028】
吐出連結管34において、一対の個別吐出管33同士の間を連結する部位に、逆止弁36が、それぞれ配される。吐出連結管34に設けられた逆止弁36は、連結流路の流れが所定の一方向となるように、流れを規制する。
【0029】
制御盤14は、制御ボックス41と、制御ボックス41内に収容された複数の制御基板42と、複数のインバータ43と、を備える。また、制御ボックス41内には、漏電遮断器、直流リアクトル、電源端子台、ノイズフィルタ等の、各種制御機器が設けられている。また、拡張基板を増設することも可能である。
【0030】
制御基板42は、回路基板であり、例えば記憶装置や、制御部44等の各種制御機器が搭載されている。
【0031】
記憶装置は、例えばプログラムメモリやRAM、書き換え可能なROMを備える。記憶装置には、例えば、制御に必要な情報として、各種プログラム、算出式、データテーブル、基準値、閾値等が記憶されている。
【0032】
制御部44は例えばプロセッサを備える。制御部44は、流量センサ35や圧力センサ38等の各種検出装置によって検知した情報に基づき、予め記憶装置に記憶された各種プログラムに従って、複数のポンプ装置12の動作を制御する。具体的には、制御部44は、インバータ43に制御信号を送信し各ポンプ装置12に対応するインバータ43を制御する。
【0033】
例えば制御部44は、各種センサによって検出される検出値に基づき、各種の演算処理を行い、インバータ43の周波数制御により、ポンプ装置12のモータ21を変速運転し、または停止させる。具体的には、制御部44は、圧力センサ38で検出される吐出圧力が所定の目標圧力になるように、回転数制御及び運転停止制御を行い、圧力フィードバック制御をする。
【0034】
複数のインバータ43は、信号線によってポンプ装置12A〜12Dのモータ21にそれぞれ電気的に接続されている。各インバータ43は制御部44からの制御信号に応じた所定の周波数を出力することで、接続されたポンプ装置12A〜12Dのモータ21をそれぞれ所定の回転速度で回転させる。
【0035】
次に、本実施形態にかかる給水装置10の制御方法について、説明する。本実施形態において、給水先は複数の階層にそれぞれ複数配される水道機器18であり、高さに応じて高層の第1ゾーンZ3、中層の第2ゾーンZ2、低層の第3ゾーンZ1の3つのゾーンに分けられている。各ゾーンZ1,Z2,Z3は吐出側配管32を介して4台のポンプ装置12に接続されている。すなわち、給水装置10は、給水先のゾーン数より1台多いポンプ装置12を備える。
【0036】
制御部44は、バックアップ条件に基づいて、第1運転モードである通常運転と、第2運転モードであるバックアップ運転とを、切替えて運転する。例えば制御部44は、外部入力指示などによりポンプ装置を運転する指示を検出すると、各種データあるいは外部入力指示により、所定のバックアップ条件を満たすか否かを判定する所定のバックアップ条件を満たさない場合、すなわち全てのポンプ装置が正常に機能する場合には、通常運転モードにて、4台のポンプ装置12の運転を開始する。
【0037】
制御部44は、通常運転処理として、流量センサ35や圧力センサ38等の各種検出装置で検出した圧力値及び流量値を検出し、流量や圧力に基づくフィードバック制御を行う。具体的には、制御部44は、各ポンプ装置について、対応ゾーンに接続される吐出流路検出される検出圧力と、対応ゾーンに応じて設定される目標圧力に基づいて、各インバータに制御信号を出力することで、ポンプ装置12を駆動する。インバータ43は制御信号に応じた所定の周波数を出力することで、ポンプ装置12のモータ21を所定の回転速度で回転させる。
【0038】
また、制御部44は、例えば個別吐出管33に設けられた流量センサ35によってポンプ装置12毎の吐出流量を検出し、検出された吐出流量が、予め定められた停止流量を下回ると、ポンプの回転を停止する。
【0039】
ここでは、一例として、3つのゾーンZ1,Z2,Z3毎に目標圧力を設定し、各ゾーンZ1.Z2.Z3に接続される吐出流路で検出される吐出圧力及び流量に応じて、ポンプ装置のオンオフ制御及び周波数制御を行う。
【0040】
本実施形態において、4台のポンプ装置12A,12B,12C,12Dについて、連結流路34の流れ方向の一次側に配される2台のポンプ装置12A,12Bを、通常運転において低層ゾーンZ1の目標圧力に基づいて交互運転される低層側ポンプとし、連結流路の流れ方向の最も下流側に配されるポンプ装置12Dを、通常運転時に高層ゾーンZ3の目標圧力に基づいて運転される高層側ポンプとする。連結流路の流れ方向において中間に配されるポンプ装置12Cを、通常運転時に中層ゾーンZ2の目標圧力に基づいて運転制御される中層ポンプとする。
【0041】
制御部44は、通常運転時には、ゾーンZ1、Z2,Z3に接続された個別吐出管33で検出される吐出圧力と、ゾーンZ1、Z2,Z3毎に設定された目標圧力Pa1、Pa2,Pa3に基づいて、ゾーンZ1、Z2,Z3毎の圧力フィードバック制御にて、周波数制御を行う。
【0042】
各ゾーンの目標圧力Pa1,Pa2,Pa3は、各ゾーンZ1,Z2,Z3内における末端、すなわちゾーンZ1,Z2,Z3における最高階の階数に基づいて決定される。一例として
図6に示すように、1階当りの高さH(m)、階数をF、一階当りの高さ寸法をH(m)、末端器具必要圧力をPk(m)、とすると、目標圧力PaはPa=F×H+Pkとする。例えば一階当りの高さ寸法H=2.7m、末端器具必要圧力Pk=15mである場合、階層Fと目標圧力の関係は
図6の対応関係になる。
【0043】
制御部44は、通常運転時において、吐出連結管34の流れ方向において下流側に配される第1のポンプ装置12Dを、高層の第1ゾーンZ3に応じた目標圧力Pa3にて圧力制御にて圧力センサ38cにて検出される圧力が目標圧力Pa3となるように、出力制御し,単独運転する。例えば
図6によれば、目標圧力Pa3=161(m)となる。
【0044】
吐出連結管34の流れ方向において、中間に配される第2のポンプ装置12Cは、中層の第2ゾーンZ2に応じた目標圧力Pa2にて圧力センサ38bにて検出される圧力が目標圧力Pa2となるように、出力制御し、単独運転する。例えば
図6によれば、目標圧力Pa2は112(m)となる。
【0045】
吐出連結管34の流れ方向において、一次側に配される2台のポンプ装置12A,12Bは、低層の第3ゾーンZ1に応じた目標圧力Pa1にて、圧力センサ38aにて検出される圧力が目標圧力Pa1となるように、交互運転を行う。例えば
図6によれば、目標圧力Pa1=64(m)となる。
【0046】
一方、制御部44は、通常運転中に、いずれかのポンプ装置12が故障した場合など、所定のバックアップ条件を満たす場合には、バックアップ運転を行う第2運転モードに切替える。
【0047】
例えばバックアップ条件として、ポンプ装置12のインバータ43が過電流トリップした場合、空気の混入などにより吐出流量がゼロになった場合、吐出し圧力が目標圧力Paの70%以下になった場合には、当該ポンプ装置12の故障であるとして、バックアップ運転に切替える。上記の実施例で、吐出し圧力が目標圧力Paの70%以下になった場合をバックアップ条件としているのは、計画流量より開放側での大流量運転が発生した場合を考慮して誤動作を防止するためである。なお、バックアップ条件はこれに限られるものではなく、また手動により、バックアップ運転に切替えてもよい。例えば他にメカニカルシールの漏水を検出した場合をバックアップ運転の条件としてもよい。
【0048】
バックアップ運転として、制御部44は、当該故障対象のポンプ装置12よりも低層のポンプ装置12を、当該故障した高層側の被バックアップポンプの吐出側の検出圧力である高層側吐出圧力及び被バックアップポンプの通常運転時の目標圧力である高層側目標圧力に基づいて、低層側のバックアップポンプの回転数を制御する。すなわち、バックアップ用のポンプ装置12の検出圧力として高層側の被バックアップ対象のポンプ装置12の吐出側の圧力を検出し、目標圧力を高層側の被バックアップ対象のポンプ装置12の高層側目標圧力と同じあるいは±10%の制御誤差を許容した範囲の目標圧力に設定して、運転制御する。すなわち、第2運転モードにおいて、第1運転モードよりも、吐出圧力の検出位置を高層側、つまり連結流路における二次側にずらし、目標圧力を上げる。
【0049】
例えば高層側ポンプであるポンプ装置12Dが故障した場合には中層ポンプであるポンプ装置12Cについて、圧力センサ38cで検出される圧力値、すなわち高層のポンプ装置12の二次側の吐出流路の吐出圧力と、高層ゾーンZ3の目標圧力Pa3=161mとに基づいて運転制御する。
【0050】
中層ポンプであるポンプ装置12Cが故障した場合には、低層側ポンプであるポンプ装置12Bの制御において、吐出圧力を圧力センサ38bで検出し、目標圧力を低層ゾーンZ1に対応する検出圧力及び目標圧力64mから、中層ゾーンZ2に対応する検出圧力及び目標圧力112mに切替える。
【0051】
また、低層側ポンプである2台のポンプ装置12A,12Bのいずれか故障した場合には、交互運転としていた2台のポンプ装置12A,12Bのうち、故障していないポンプ装置12をバックアップポンプとして、低層ゾーンZ1の目標圧力64mにて単独運転する。
【0052】
また、制御部44は、バックアップ運転中の各ポンプ装置12の吐出流量を検出し、バックアップ移行後に当該バックアップ運転中のポンプ装置の出力が所定の回転速度、例えば最高回転速度に達し、かつ吐出圧力が目標圧力以下になった場合には、さらに低層側のポンプ装置12を、当該バックアップポンプの目標圧力に切替え、バックアップ運転を行う。すなわち、吐出圧力に基づき、高位の層から順番にバックアップ運転に切替え、複数のポンプ装置をバックアップ運転する。
【0053】
例えばポンプ装置12Dが故障し、ポンプ装置12Cを高層ゾーンZ3の目標圧力にて運転するバックアップ運転中に、ポンプ装置12Cが所定の回転速度、例えば最高回転速度に達し、かつ高層ゾーンZ3の吐出圧力が当該ゾーンの目標圧力以下となった場合には、さらに低層側の1台の低層側ポンプ12Aまたは12Bの目標圧力を高層ゾーンZ3の目標圧力にまで上げて運転する。そして、バックアップ運転中に最高回転速度に達した場合は、残りの1台の低層側ポンプ12Bまたは12Aを高層ゾーンZ3の目標圧力にて並列運転する。
【0054】
本実施形態にかかる給水装置10によれば、高低差のある給水先を複数のゾーンに分け、通常運転時にゾーン毎の目標値を設定することで、建物全体の末端圧を基準に圧力制御するよりも、低層及び中層のポンプ装置の目標圧力を低くすることができ、省エネルギー化が可能となる。
【0055】
また、ゾーン数よりも1台多いポンプ装置を接続することで、高層側のポンプ装置12の故障時に低層側のポンプ装置12にてバックアップ運転をすることが可能となり、断水を回避できる。
【0056】
通常運転において、吐出連結管34により複数の個別吐出管33は連通しているが、その流れ方向は低層側ポンプ側から高層側ポンプ側に向かうように規制されている。このため、通常運転において、圧力の大小の関係から、低層から高層へ流れないため、実質的には個別の制御が可能であるが、高層側のポンプ装置が故障したバックアップ時には高層側の圧力が低くなり低層側から高層側へ送水することが可能となるため、モード切替えのための流路開閉作業が不要となる。
【0057】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。例えば上記第1実施形態においては54階建ての建物を3ゾーンに分けるとともに、4台のポンプ装置12を用いた例を示したが、これに限られるものではなく、給水先の階数やゾーンの分割数あるいはポンプ装置の台数等は適宜変更可能である。例えば4ゾーン以上に分けてもよいし、2ゾーンに分けてもよい。また、各ゾーンについて1台の単独運転または2台の交互運転とした例を示したが、これに限られるものではなく、各ゾーンを複数台で並列運転してもよい。また、各ゾーンについて複数のポンプ装置で交互並列運転してもよい。
【0058】
例えば他の実施形態として、
図7に示す給水装置10Aは、2つのゾーンZ1,Z2に接続される3台のポンプ装置112A、112B、112Cを備える。
【0059】
給水装置10Aにおいて、制御部44は、正常時には、高層ゾーンZ2をポンプ装置112Cで単独運転するとともに、低層ゾーンZ1を当該ポンプ数より1台多い台数、すなわち2台のポンプ装置112A,112Bで交互運転する。そしてポンプ装置112Cが故障した場合には、その低層側のゾーンに対応するポンプ装置112A,112Bのうち一方、例えば112Aについて、高層ゾーンZ2の吐出圧力を検出し、目標圧力を高層ゾーンZ2の目標圧力に上げるとともに、低層ゾーンZ1は残りのポンプ装置112Bの単独運転とする、バックアップ運転に切替える。
【0060】
また、給水装置10Aにおいて、制御部44は、例えば低層用のポンプ装置112A,112Bのいずれかが故障した場合には他のポンプ装置の単独運転とすることで、バックアップが可能となる。
【0061】
例えば
図8に示す給水装置10Bは、3つのゾーンZ1,Z2,Z3に接続される7台のポンプ装置212A〜212Gを備える。
【0062】
給水装置10Bにおいて、制御部44は、正常時には、中層ゾーンZ2を2台のポンプ装置212D、212Eで、高層ゾーンZ3を2台のポンプ装置212F,212Gで、それぞれ交互並列運転するとともに、低層ゾーンZ1を当該ポンプ数より1台多い数、すなわち3台のポンプ装置212A,212B,212Cで交互並列運転する。そして、いずれか、例えば高層のポンプ装置212Gが故障した場合には、その低層側のゾーンに対応するポンプ装置212について、検出圧力及び目標圧力を、高層側のゾーンの検出圧力及び目標圧力に切替える。すなわち高層ゾーンZ3の吐出圧力を検出し、目標圧力を高層ゾーンZ3の目標圧力に上げる、バックアップ運転に切替える。また、例えば低層用のポンプ装置212A,212B,212Cのいずれかが故障した場合には他のポンプ装置2台による交互並列運転とすることで、バックアップが可能となる。
【0063】
また、制御部44は、バックアップ運転中の各ポンプ装置212の吐出流量を検出し、バックアップ移行後に当該バックアップ運転中のポンプ装置212の出力が所定の回転速度、例えば最高回転速度に達し、かつ吐出圧力が目標圧力以下になった場合には、さらに低層側のポンプ装置212の運転の検出圧力及び目標圧力を、当該被バックアップの吐出圧力及び目標圧力に切替える。すなわち、高位の層から順番にバックアップ運転に切替え、複数台のポンプ装置をバックアップ運転する。
【0064】
これらの実施形態においても、通常運転時には、低層のポンプ装置112,212あるいは低層及び中層のポンプ装置112,212の目標圧力を低くすることで、省エネ効果が得られる。また、故障時などには低層側のポンプ装置112,212によりバックアップすることが可能であり断水が回避できる。
【0065】
また、給水装置10Bによれば、バックアップ運転中のポンプ装置が所定の回転速度、例えば最高回転速度に到達しない場合には、低層用のポンプの目標圧力を低く抑えたままで運転するため、バックアップ時にも省エネ運転が可能となる。
【0066】
停止圧力や目標圧力は上記に限られるものではなく、例えば各種検出データや設置値、演算式に基づいて、演算して決定してもよい。例えば、上記実施形態においては通常運転において、各ゾーン毎に吐出圧力を制御する例として、吐出圧力一定制御方式を用いたが、これに限られるものではない。例えば、各ゾーン毎に、配管損失を考慮した推定末端圧一定制御方式を用いてもよい。この場合においても、ゾーン毎の高さに応じた目標圧力に設定することで、全てのポンプ装置について最高層階の高さに応じた目標圧力に設定するよりも、低層または中層のポンプ装置の目標圧力を低く設定できるため、省エネ効果が得られる。
【0067】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(1)
二次側に接続される吐出流路を介して高さの異なる複数の給水ゾーンに接続される、複数のポンプ装置と、
複数の前記ポンプ装置を、前記複数の前記給水ゾーンの高さに応じてそれぞれ設定された目標圧力に基づき圧力制御する、制御部と、を備える給水装置。
(2)
前記複数のポンプ装置の二次側にそれぞれ接続された複数の吐出流路を連通するとともに、低層側の給水ゾーンに接続される前記吐出流路との合流点から、高層側の給水ゾーンに接続される前記吐出流路との合流点に向かうように流れが規制された、連結流路を備え、
前記制御部は、各ポンプ装置の二次側の前記吐出流路の圧力を検出し、検出された吐出圧力と、対応ゾーンの目標圧力に基づいて、圧力フィードバック制御する、第1運転モードと、
所定のバックアップ条件を満たす場合に、少なくともいずれかの前記ポンプ装置を、前記第1運転モードよりも高層側の検出位置にて検出される高層側吐出圧力と、前記対応ゾーンの目標圧力よりも高い高層側目標圧力とに基づいて、バックアップ運転する、第2運転モードと、を切替える、(1)に記載の給水装置。
(3)
前記第2運転モードにおいて、少なくとも1台のポンプ装置について、検出圧力を前記対応ゾーンより高層の前記給水ゾーンに対応する高層側ポンプの吐出流路の圧力とし、目標圧力を前記高層側ポンプの前記第1運転モードの目標圧力と同等にする、(2)に記載の給水装置。
(4)
複数の前記ポンプ装置は、最も高層の前記給水ゾーンに給水可能な所定の揚水性能を有し、
前記制御部は、前記第1運転モードにおいて、最も低層の前記給水ゾーンに対応する検出圧力及び目標圧力に基づいて、2台以上の低層用の前記ポンプ装置を交互運転し、前記第2運転モードにおいて、前記低層用の前記ポンプ装置の少なくとも1台を、前記第1運転モードよりも高層の前記給水ゾーンに対応する高層側吐出圧力及び高層側目標圧力に基づいて運転するとともに、バックアップ運転中の前記ポンプ装置が所定の回転速度以上になった場合は、前記低層用の前記ポンプ装置の残りの1台を前記検出圧力及び前記目標圧力に基づいて並列運転する、(2)または(3)に記載の給水装置。
(5)
前記第1運転モードにおいて、高層側の1以上の給水ゾーンについてそれぞれ2台以上の所定の台数のポンプ装置で交互運転し、最も低層の給水ゾーンは、前記高層側のポンプ装置の台数よりも1台以上多い台数で、交互運転する、(2)乃至(4)のいずれかに記載の給水装置。
(6)
前記第2運転モードにおいて、バックアップ運転中の前記ポンプ装置が所定の回転速度以上であり、かつ、吐出圧力が所定の閾値を下回った場合に、当該バックアップ運転中の前記ポンプ装置よりも低層側の給水ゾーンに対応する低層側ポンプの目標圧力を上げてバックアップ運転する、(2)乃至(5)のいずれかに記載の給水装置。
(7)
前記制御部は、吐出圧力一定制御方式または推定末端圧一定制御方式にて個々の前記ポンプ装置をフィードバック制御する、(1)乃至(6)のいずれかに記載の給水装置。
(8)
二次側に接続される吐出流路を介して高さの異なる複数の給水ゾーンに接続される、複数のポンプ装置を、前記複数の前記給水ゾーンの高さに応じてそれぞれ設定された目標圧力に基づき圧力フィードバック制御する、給水装置の制御方法。
(9)
前記複数のポンプ装置の二次側にそれぞれ接続された複数の吐出流路は、低層側の給水ゾーンに接続される前記吐出流路との合流点から、高層側の給水ゾーンに接続される前記吐出流路との合流点に向かうように流れが規制された、連結流路により接続され、
各ポンプ装置の二次側に接続された前記吐出流路の圧力を検出し、前記検出された吐出圧力と、対応ゾーンの目標圧力に基づいて、フィードバック制御する第1運転モードと、 所定のバックアップ条件を満たす場合に、少なくともいずれかの前記ポンプ装置を、前記第1運転モードよりも高層側の検出位置にて検出される高層側吐出圧力と、前記対応ゾーンの目標圧力よりも高い高層側目標圧力とに基づいて、バックアップ運転する、第2運転モードと、を切替える、(8)に記載の給水装置の制御方法。