(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ガイド壁部は、前記頭部の前記外周縁に対し傾斜されたガイド面を有し、当該ガイド面に前記頭部の前記外周縁が接することで前記コーナーカバーを前記ねじ受け部に向けて引き寄せる力が前記コーナーカバーに加わる請求項1に記載の天井パネル。
前記カバー固定ねじは、前記コーナーカバーを前記コーナー部に固定する時、および前記コーナーカバーを前記コーナー部から取り外す時のいずれにおいても、前記軸部が前記ねじ受け部にねじ込まれた状態に保たれる請求項1に記載の天井パネル。
前記枠体は、当該枠体の周方向に隣り合う前記コーナー部の間を結ぶパネル片部と、前記パネル片部に開口された吹出口と、前記枠体に支持され、前記吹出口から吹き出す空気の吹き出し方向を変化させるルーバーと、を備え、
前記ルーバーが前記吹出口を閉じた状態では、前記コーナーカバーと前記ルーバーとの間の境界に合わせ目が形成される請求項1に記載の天井パネル。
前記枠体で取り囲まれた吸込みグリルをさらに備え、前記吸込みグリルは、前記コーナーカバーに対応する位置に複数の外周角部を有するとともに、当該外周角部の頂部で前記ねじ固定部および前記カバー固定ねじの前記頭部が覆い隠された請求項1に記載の天井パネル。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、天井埋め込み型の空気調和機の斜視図、
図2は、室内ユニットと天井パネルとを互いに分離した状態を示す斜視図、
図3は、天井パネルの枠体から一つのコーナーカバーを取り外した状態を示す斜視図である。
【0012】
図1ないし
図3に示すように、空気調和機1は、天井裏に据え付けられる室内ユニット2と、室内ユニット2の下端に取り付けられた天井パネル3と、を主要な要素として備えている。室内ユニット2は、板金製のケーシング4を備えている。ケーシング4は、下向きに開口された箱形の要素であって、例えば四本の吊りボルト(図示せず)を介して天井裏の梁から吊り下げられている。
【0013】
ケーシング4は、周方向に連続した側面部5を含んでいる。側面部5は、四つの外周角部5aを有し、各外周角部5aに吊り金具6が固定されている。吊り金具6は、ケーシング4の四方に向けて水平に突出されており、当該吊り金具6に前記吊りボルトの下端が連結されている。
【0014】
さらに、四つのブラケット7がケーシング4に固定されている。ブラケット7は、吊り金具6の真下に位置するようにケーシング4の外周角部5aの下端部に位置されている。ブラケット7は、ケーシング4の四方に向けて水平に突出されている。
【0015】
各ブラケット7の突出端部にパネル固定ねじ8が取り付けられている。パネル固定ねじ8は、天井パネル3を室内ユニット2に固定する際に用いる要素であって、ブラケット7から下向きに突出されている。
【0016】
図2に示すように、送風機10がケーシング4の内部に収容されている。送風機10としては、軸方向から空気を吸い込んで周方向に吐き出す、いわゆる遠心ファンを用いている。送風機10の上端は、ケーシング4の天板部で覆われているので、送風機10の下端が吸い込み側となる。
【0017】
ケーシング4の下端にドレンパン11が嵌め込まれている。ドレンパン11は、送風機10の周囲に配置された熱交換器から滴下するドレン水を受け止める要素であって、例えば発泡プラスチックの一種である発泡スチロールで構成されている。ドレンパン11は、円形の開口部12を有している。開口部12は、ドレンパン11の中央部に位置されている。ベルマウス13がドレンパン11の開口部12に嵌め込まれている。ベルマウス13は、送風機10の吸込み側に連なる吸込口14を規定している。吸込口14は、ケーシング4の下端の中央部に位置されている。
【0018】
図2に示すように、ドレンパン11は、吸込口14を取り囲む周縁部を有している。ドレンパン11の周縁部に熱交換器を通過した空気が導かれる四つの切欠部15が形成されている。切欠部15は、夫々ドレンパン11の周縁部に沿って延びる細長い形状を有している。ドレンパン11の周方向に隣り合う切欠部15は、互いに直交し合うような位置関係に保たれている。
【0019】
ドレンパン11は、四つのドレンパン固定金具17を介してケーシング4の下端に取り外し可能に支持されている。ドレンパン固定金具17は、ブラケット7の下面にねじ止めされている。ドレンパン固定金具17は、ケーシング4の外周角部5aの下端からドレンパン11の四つの角部に向けて水平に張り出しており、当該ドレンパン固定金具17の上にドレンパン11の角部の下面が載置されている。これにより、ドレンパン11は、ケーシング4から抜け落ちないようにケーシング4の下端に保持されている。
【0020】
前記天井パネル3は、室内ユニット2を室内の側から覆う要素であって、図示しない天井に沿うような姿勢で配置されている。
図4に示すように、天井パネル3は、吸込みグリル20および枠体21を備えている。吸込みグリル20は、天井パネル3の中央部に位置されている。
【0021】
図4および
図6に示すように、吸込みグリル20は、外枠部22および格子部23で構成されている。外枠部22は、第1ないし第4の辺部24a,24b,24c,24dを有する正方形状の要素である。第1ないし第4の辺部24a,24b,24c,24dは、所定の幅を有する細長いフラットな板で形成されているとともに、全ての辺部24a,24b,24c,24dの内周縁および外周縁の長さが均等となっている。さらに、第1ないし第4の辺部24a,24b,24c,24dの外周縁は、互いに直交し合うことで外枠部22の四隅に直角に尖った外周角部22aを規定している。
【0022】
図4および
図6に示すように、外枠部22の背面に第1のリブ25および第2のリブ26が形成されている。第1のリブ25は、第1ないし第4の辺部24a,24b,24c,24dの内周縁から起立されているとともに、外枠部22の周方向に連続した四角い枠状に形成されている。
【0023】
第2のリブ26は、第1のリブ25を取り囲むように外枠部22の背面から起立されている。第2のリブ26は、外枠部22の外周縁よりも内側に位置されるとともに、外枠部22の周方向に連続した四角い枠状に形成されている。第2のリブ26は、直角に尖った四つの角部26aを有している。角部26aは、外枠部22の外周角部22aに対応した位置において、当該外周角部22aよりも外枠部22の内側に位置されている。
【0024】
図6および
図7に示すように、外枠部22の背面の四箇所に補強リブ28が形成されている。各補強リブ28は、第2のリブ26の角部26aと外枠部22の外周角部22aとの間を結ぶように外枠部22の背面から起立されている。
【0025】
具体的に述べると、補強リブ28は、第1の補強壁28aおよび第2の補強壁28bを有している。第1の補強壁28aは、第2のリブ26の角部26aの頂点から外枠部22の外周角部22aの頂点に向けて外枠部22の対角線の方向に延びている。第2の補強壁28bは、第1の補強壁28aの先端から二股状に分岐されている。第2の補強壁28bの先端は、外枠部22の外周角部22aを規定する隣り合う二つの辺部24a,24b,24c,24dの外周縁に達している。
【0026】
したがって、補強リブ28の存在により、外枠部22の四つの外周角部22aが背面の側から補強され、当該外周角部22aひいては第1ないし第4の辺部24a,24b,24c,24dの平坦度が十分に確保されている。
【0027】
この結果、外枠部22の外郭を規定する縁取り部29の肉厚を薄くした場合でも、第1ないし第4の辺部24a,24b,24c,24dおよび外周角部22aの反り、歪み等を抑制することができる。
【0028】
図6に示すように、一対のヒンジ30が外枠部22の第3の辺部24cに一体に形成されている。一方のヒンジ30は、第3の辺部24cと第4の辺部24dとで規定される外周角部22aに位置されている。他方のヒンジ30は、第3の辺部24cと第2の辺部24bとで規定される外周角部22aに位置されている。このため、ヒンジ30は、第3の辺部24cの長手方向に互いに離れている。
【0029】
ヒンジ30は、夫々アーム部31を有している。アーム部31は、第3の辺部24cの外周縁を超えて外枠部22の外側に張り出している。アーム部31の先端には、第3の辺部24cの長手方向に沿う軸部32が形成されている。
【0030】
図8に最もよく示されるように、前記補強リブ28の第2の補強壁28bは、アーム部31の一部を兼ねている。すなわち、補強リブ28がヒンジ30のアーム部31と繋がることで、アーム部31が補強リブ28と一体構造物となり、アーム部31の強度が十分に確保されている。
【0031】
図4および
図6に示すように、吸込みグリル20の格子部23は、外枠部22の第1のリブ25で取り囲まれている。格子部23は、複数の横桟34を有している。横桟34は、外枠部22の第2の辺部24bと第4の辺部24dとの間を結ぶように、互いに間隔を存して平行に配置されている。さらに、格子部23の背後に四角いフィルタ35が配置されている。フィルタ35は、第1の補強リブ25に取り外し可能に支持されている。
【0032】
図1ないし
図4に示すように、天井パネル3の枠体21は、吸込みグリル20の外枠部22を取り囲んでいる。枠体21は、第1ないし第4のパネル片部38a,38b,38c,38dと、第1ないし第4のコーナー部39a,39b,39c,39dと、を備えている。
【0033】
第1ないし第4のパネル片部38a,38b,38c,38dは、吸込みグリル20の外枠部22の第1ないし第4の辺部24a,24b,24c,24dに沿って直線状に延びているとともに、全てのパネル片部38a,38b,38c,38dの内周縁および外周縁の長さが均等となっている。隣り合う第1ないし第4のパネル片部38a,38b,38c,38dは、互いに直交するような位置関係に保たれている。
【0034】
第1ないし第4のコーナー部39a,39b,39c,39dは、天井パネル3の四隅に位置するとともに、枠体21の周方向に隣り合う第1ないし第4のパネル片部38a,38b,38c,38dの間を一体的に繋いでいる。
【0035】
具体的に述べると、第1のコーナー部39aは、第1のパネル片部38aと第4のパネル片部38dとの間を繋いでいる。第2のコーナー部39bは、第1のパネル片部38aと第2のパネル片部38bとの間を繋いでいる。第3のコーナー部39cは、第2のパネル片部38bと第3のパネル片部39cとの間を繋いでいる。第4のコーナー部39dは、第3のパネル片部39cと第4のパネル片部39dとの間を繋いでいる。
【0036】
このため、第1ないし第4のパネル片部38a,38b,38c,38dは、第1ないし第4のコーナー部39a,39b,39c,39dを介して正方形状に枠組みされている。第1ないし第4のパネル片部38a,38b,38c,38dの内周縁で囲まれた四角い領域は、作業用開口40を規定している。
【0037】
図4に示すように、作業用開口40に臨む第1ないし第4のパネル片部38a,38b,38c,38dの内周縁に夫々一対のロック孔41が形成されている。ロック孔41は、枠体21の第1ないし第4のコーナー部39a,39b,39c,39dと隣り合うように、第1ないし第4のパネル片部38a,38b,38c,38dの長手方向に互いに離れている。
【0038】
さらに、第1のパネル片部38aおよび第3のパネル片部38cの作業用開口40に臨む内周縁に一対の仮掛け金具42(一方のみを図示)が取り付けられている。仮掛け金具42は、天井パネル3を室内ユニット2に仮止めする際に用いる要素であって、第1のパネル片部38aおよび第3のパネル片部38cの長手方向に沿う中間部から枠体21の上方に向けて突出されている。
【0039】
仮掛け金具42の上端は、吸込口14に臨むベルマウス13の下端に取り外し可能に引っ掛かる。これにより、天井パネル3がベルマウス13から吊り下げられた形態で室内ユニット2に仮止めされるようになっている。
【0040】
図4に示すように、本実施形態の吸込みグリル20は、外枠部22のヒンジ30を枠体21の第1ないし第4のパネル片部38a,38b,38c,38dのいずれかに選択的に引っ掛けることで、枠体21に回動可能に支持されている。
【0041】
具体的に述べると、枠体21の第1ないし第4のコーナー部39a,39b,39c,39dに夫々凹部43および逃げ溝44が形成されている。
図8に第3のコーナー部39cを代表して示すように、凹部43は、ヒンジ30のアーム部31および補強リブ28の第2の補強壁28bが入り込む要素であって、枠体21の下方に向けて開口された四角い形状を有している。
【0042】
逃げ溝44は、補強リブ28の第1の補強壁28aが入り込む要素であって、凹部43と作業用開口40との間を結ぶように枠体21の対角線の方向に延びている。逃げ溝44は、凹部43に連続して枠体21の下方に向けて開口されている。
【0043】
本実施形態では、ヒンジ30のアーム部31は、第3のパネル片部38cの両側に位置された凹部43に挿入されているとともに、当該アーム部31の先端の軸部32が凹部43の終端に回動可能に引っ掛っている。
【0044】
したがって、吸込みグリル20は、ヒンジ30の軸部32を中心に、作業用開口40を閉じる第1の位置と、作業用開口40を開放する第2の位置との間で回動可能に枠体21に支持されている。
【0045】
図1および
図3は、吸込みグリル20が第1の位置に回動された状態を開示している。第1の位置では、吸込みグリル20の外枠部22の外周部が枠体21の内周部を周方向に連続して覆うとともに、第2のリブ26が第1ないし第4のパネル片部38a,38b,38c,38dで規定された作業用開口40の内側に嵌り込む。
【0046】
吸込みグリル20が第1の位置に回動されると、ヒンジ30のアーム部31および補強リブ28の第2の補強壁28bが第3のコーナー部39cおよび第4のコーナー部39dの凹部43に入り込む。さらに、補強リブ28の第1の補強壁28aが第3のコーナー部39cおよび第4のコーナー部39dの逃げ溝44に入り込む。
【0047】
したがって、外枠部22の外周角部22aを補強する補強リブ28がヒンジ30のアーム部31に繋がっているにも拘らず、補強リブ28およびアーム部31が吸込みグリル20の枠体21と干渉するのを回避できる。
【0048】
さらに、吸込みグリル20が第1の位置に回動された状態では、外枠部22の四つの外周角部22aが枠体21の第1ないし第4のコーナー部39a,39b,39c,39dの内周部に被さり、前記凹部43および逃げ溝44を覆い隠している。このため、四つの外周角部22aの頂部は、第1ないし第4のコーナー部39a,39b,39c,39dの内周部から外周部に向けて大きく張り出している。
【0049】
図4は、吸込みグリル20が第2の位置に回動された状態を開示している。第2の位置では、吸込みグリル20は、枠体21に対し下向きに回動されて、第3のパネル片部38cから垂下した姿勢に保持されている。これにより、吸込みグリル20の第1のリブ25からフィルタ35を取り外して清掃したり、フィルタ35を交換するといった日常のメンテナンス作業を実施できる。
【0050】
図4に示すように、外枠部22の第1の辺部24aに吸込みグリル20を第1の位置に保持する一対のフック46が組み込まれている。フック46は、第2のリブ26の角部26aと隣り合うように、第1の辺部24aの長手方向に互いに離れている。フック46は、第1のリブ25と第2のリブ26との間に収まる係合解除位置と、第2のリブ26から外枠部22の周囲に向けて突出する係合位置との間でスライド可能に外枠部22に支持されている。
【0051】
吸込みグリル20が第1の位置に回動された状態でフック46を係合位置にスライドさせると、フック46の先端が第2のリブ26を貫通して第1のパネル片部38aのロック孔41に嵌り込む。これにより、吸込みグリル20が作業用開口40を塞ぐ第1の位置に保持される。
【0052】
フック46を係合位置から係合解除位置にスライドさせると、フック46の先端が第1のパネル片部38aのロック孔41から外れる。これにより、吸込みグリル20を第1の位置から第2の位置に回動させることができる。
【0053】
各フック46は、板状の操作部47を有している。操作部47は、フック46をスライドさせるための要素であって、作業者が手の指先を引っ掛けることができる程度の大きさを有している。
図1、
図9および
図10に示すように、操作部47は、第1の辺部24aの長手方向に沿う両端において、格子部23の横桟34と平行に配置されている。
【0054】
本実施形態によると、操作部47は、第1の辺部24aの内周縁と、当該内周縁と隣り合う一つの横桟34との間の隙間gから格子部23の外に露出されている。さらに、操作部47は、フック46が係合位置にスライドされた時に、第1の辺部24aの内周縁に形成された凹所48に入り込む。
【0055】
そのため、吸込みグリル20が第1の位置に保持された状態では、フック46の操作部47が第1の辺部24aの長手方向に沿う両端において格子部23の外側の凹所48に収納されている。したがって、操作部47が第1の辺部24aに埋め込まれたような形態となり、操作部47が目立ち難くなる。
【0056】
図1に示すように、天井パネル3は、熱交換器を通過した空気を室内に吐き出す四つの吹出口50を有している。吹出口50は、ドレンパン11が有する四つの切欠部15と向かい合うように、枠体21の第1ないし第4のパネル片部38a,38b,38c,38dに形成されている。
【0057】
四つのルーバー51が天井パネル3の枠体21に支持されている。ルーバー51は、吹出口50から室内に吹き出す空気の吹き出し方向を変化させる要素であって、フラットな細長い板状に形成されている。ルーバー51は、吹出口50を閉じる閉じ位置と、吹出口50を開放するように傾斜する開き位置との間で回動可能である。ルーバー51が閉じ位置に回動された状態では、当該ルーバー51が水平となって第1ないし第4のパネル片部38a,38b,38c,38dを全面的に覆うようになっている。
【0058】
図2に示すように、天井パネル3は、枠体21の第1ないし第4のコーナー部39a,39b,39c,39dの箇所で室内ユニット2の下端に取り外し可能に連結されている。室内ユニット2と枠体21の第1ないし第4のコーナー部39a,39b,39c,39dとの連結箇所は、互いに類似した構成を有するので、本実施形態では、第3のコーナー部39cを代表して説明する。
【0059】
図3、
図5および
図8に示すように、枠体21の第3のコーナー部39cは、室内ユニット2の一つの外周角部5aの真下に位置された収容部52を有している。収容部52は、第3のコーナー部39cの下方に向けて開口された凹みで規定されている。前記ケーシング4のブラケット7から下向きに突出された前記パネル固定ねじ8は、収容部52の天板部53を貫通して収容部52に突出されている。
【0060】
固定金具55が収容部52の天板部53に回動可能に支持されている。固定金具55は、スリット状の切込み56を有している。固定金具55は、切込み56がパネル固定ねじ8の下端部に引っ掛かる係合位置と、切込み56がパネル固定ねじ8の下端部から離脱する係合解除位置との間で回動可能である。固定金具55を係合位置に回動させることで、固定金具55がパネル固定ねじ8の下端の頭部と収容部52の天板部53との間で挟持される。これにより、天井パネル3が室内ユニット2の下端を下方から覆うように当該室内ユニット2の下端に固定される。
【0061】
さらに、枠体21の第3のコーナー部39cは、複数の係合孔57およびねじ受け部58を有している。係合孔57は、枠体21の外郭を規定する第3のコーナー部39cの外周部に配置されている。係合孔57は、収容部52の周囲に位置するように枠体21の周方向に互いに離れている。
【0062】
図8に示すように、ねじ受け部58は、第3のコーナー部39cが有する凹部43と隣り合う位置で収容部52の天板部53から下向きに突出されている。ねじ受け部58の突出端部にカバー固定ねじ60が取り付けられている。カバー固定ねじ60は、ねじ受け部58にねじ込まれた軸部60aと、軸部60aの終端に同軸状に設けられた頭部60bと、を有している。頭部60bは、軸部60aよりも外径が大きいとともに、円形の外周縁を有している。
【0063】
カバー固定ねじ60は、枠体21の第1のコーナー部39aと第3のコーナー部39cとの間を結ぶ対角線の上に位置されている。さらに、ねじ受け部58およびカバー固定ねじ60の頭部60bは、第1の位置に保持された吸込みグリル20の一つの頂部22aで覆われる位置に設けられている。
【0064】
係合孔57、ねじ受け部58およびカバー固定ねじ60は、第3のコーナー部39cばかりでなく、第1のコーナー部39a、第2のコーナー部39bおよび第4のコーナー部39dにも同様に設けられている。
【0065】
図1ないし
図3に示すように、枠体21の第1ないし第4のコーナー部39a,39b,39c,39dは、夫々取り外し可能なコーナーカバー62で覆われている。コーナーカバー62は、第1ないし第4のコーナー部39a,39b,39c,39dを下方から全面的に覆うような大きさを有するフラットな板状の要素である。コーナーカバー62の外周部は、互いに直交する二辺を含む直角に尖った形状を有している。コーナーカバー62の内周部には、吸込みグリル20の外周角部22aを避けるように直角に切り欠かれたカット部63が形成されている。
【0066】
枠体21に対するコーナーカバー62の取り付け構造は、互いに共通であるので、枠体21の第3のコーナー部39cを代表して説明する。
図11ないし
図13に示すように、コーナーカバー62は、複数の係合爪64およびねじ固定部65を有している。係合爪64は、第3のコーナー部39cの係合孔57に対応するようにコーナーカバー62の外周部の背面から突出されている。各係合爪64の先端には、コーナーカバー62のカット部63に向けて直角に折れ曲がったフック64aが形成されている。
【0067】
ねじ固定部65は、カット部63の中央からねじ受け部58に向かうように突出されている。ねじ固定部65は、前記カバー固定ねじ60の軸部60aが摺動可能に貫通するガイド溝66を有している。ガイド溝66は、枠体21の第1のコーナー部39aと第3のコーナー部39cとの間を結ぶ対角線に沿う方向に延びているとともに、ねじ固定部65の先端に開口されている。
【0068】
図11ないし
図15に示すように、ガイド壁部70がねじ固定部65の突出端部に形成されている。ガイド壁部70は、ガイド溝66を囲むようにねじ固定部65の外周部から立ち上げられているとともに、ガイド溝66の開口端の方向に進むに従い互いに近接するように湾曲されている。さらに、ガイド壁部70の内面は、カバー固定ねじ60の頭部60bの外周縁に対しガイド溝66の開口縁に近づくように傾斜されたガイド面71を構成している。
【0069】
図14に最もよく示されるように、カバー固定ねじ60を緩めた状態では、ガイド面71は、カバー固定ねじ60の頭部60bとねじ固定部65との間に介在されているとともに、頭部60bの外周縁よりも頭部60bの径方向に沿う内側に入り込むように傾いている。さらに、ガイド面71の端は、ねじ固定部65にまで達している。
【0070】
加えて、ガイド壁部70は、カバー固定ねじ60の軸部60aが通過可能に切り欠かれた開口部72を有している。開口部72は、ガイド溝66の先端に通じている。
【0071】
本実施形態において、コーナーカバー62を枠体21の第1ないし第4のコーナー部39a,39b,39c,39dに取り付けるには、まず、カバー固定ねじ60を緩め、カバー固定ねじ60の頭部60bをねじ受け部58から遠ざけておく。
【0072】
この後、コーナーカバー62の係合爪64を第1ないし第4のコーナー部39a,39b,39c,39dの係合孔57に挿入するとともに、ねじ固定部65のガイド溝66がカバー固定ねじ60の軸部60aに近づくように、コーナーカバー62を枠体21の対角線の方向にスライドさせる。
【0073】
このスライドにより、係合爪64の先端のフック64aが係合孔57の開口縁部に引っ掛かるとともに、カバー固定ねじ60の軸部60aがねじ固定部65のガイド溝66に摺動可能に嵌り込む。軸部60aがガイド溝66に嵌り込むことで、
図14および
図16に示すように、カバー固定ねじ60の頭部60bの外周縁の周囲にガイド壁部70が位置される。
【0074】
この状態で、カバー固定ねじ60を締め付けると、頭部60bの外周縁がガイド壁部70のガイド面71に摺動可能に接触する。この接触により、コーナーカバー62には、ガイド面71の傾斜に基づいてねじ受け部58に向けて引き寄せるような力が加わり、コーナーカバー62がガイド溝66をガイドとして枠体21の対角線の上を枠体21の中心に向けて移動する。すなわち、ガイド溝66は、コーナーカバー62に前記力が加わった時に、コーナーカバー62の移動方向を案内する。
【0075】
図15に示すように、カバー固定ねじ60の締め付けに伴い、頭部60bの外周縁がガイド面71とねじ固定部65との間の境界に達すると、頭部60bがねじ固定部65に突き当たり、当該頭部60bとねじ受け部58との間でねじ固定部65が挟み込まれる。この結果、
図17に示すように、コーナーカバー62が枠体21の第1ないし第4のコーナー部39a,39b,39c,39dの正規の位置に固定される。
【0076】
正規の位置では、コーナーカバー62が吸込みグリル20の外枠部22および閉じ位置に回動されたルーバー51と同一の平面上に位置される。さらに、コーナーカバー62のカット部63と外枠部22の外周角部22aとの合わせ目、コーナーカバー62とルーバー51との合わせ目に生じる隙間が枠体21の全てのコーナー部39a,39b,39c,39dにおいて略均等となる。
【0077】
それとともに、コーナーカバー62の外周部が閉じ位置に回動されたルーバー51の外周縁に対し一直線状に連続し、コーナーカバー62とルーバー51との一体感が得られる。
【0078】
一方、カバー固定ねじ60を単に緩めるだけの作業で、カバー固定ねじ60によるねじ固定部65の挟持を解除できる。このため、コーナーカバー62のガイド溝66がカバー固定ねじ60の軸部60aから離脱する方向に、コーナーカバー60を枠体21の第1ないし第4のコーナー部39a,39b,39c,39dから引き出すことができる。
【0079】
したがって、カバー固定ねじ60をねじ受け部58から取り外すことなくコーナーカバー62を枠体21から取り外すことができ、カバー固定ねじ60が紛失するのを回避できる。
【0080】
本実施形態によると、コーナーカバー62を枠体21の第1ないし第4のコーナー部39a,39b,39c,39dに固定するに際して、カバー固定ねじ60を締め付けると、カバー固定ねじ60の頭部60bの外周縁がガイド壁部70のガイド面71に接触する。これにより、コーナーカバー62にねじ受け部58に向けて引き寄せる力が作用する。この結果、コーナーカバー62が枠体21の対角線に沿って移動するとともに、正規の位置に固定される。
【0081】
よって、コーナーカバー62が枠体21の全てのコーナー部39a,39b,39c,39dに対し精度よく位置合わせされることになり、天井パネル3の体裁が良好となる。
【0082】
特に本実施形態では、ルーバー51の平坦度が補強リブ28によって確保されているので、ルーバー51が第1の位置に回動された状態では、ルーバー51の両端とコーナーカバー62との合わせ目に大きな段差が生じるのを回避できる。それとともに、ルーバー51の両端とコーナーカバー62との合わせ目に生じる隙間が目立ち難くなり、天井パネル3ひいては空気調和機1の外観を良好に維持する上で好都合となる。
【0083】
さらに、カバー固定ねじ60を締め付けるだけの単純な作業でコーナーカバー62が正規の位置に固定されるので、コーナーカバー62の姿勢が変化しないように細心の注意を払いながらカバー固定ねじ60を締め付けるといった面倒で手間のかかる作業が不要となる。このため、コーナーカバー62を枠体21に容易に固定することができ、作業性が向上する。
【0084】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。