(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記高分子炭水化物は、キトサン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース、脂肪酸エステル変性セルロース、リン酸化セルロース、カチオン性デンプン、非荷電デンプン、及びこれらの塩からなる群から選択される、請求項1に記載の洗濯ケア組成物。
前記洗濯ケア成分が、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、酵素、酵素安定剤、触媒材料、漂白活性剤、高分子分散剤、土汚れ除去剤、再付着防止剤、増白剤、抑泡剤、染料、香料、香料送達系、構造化剤、布地柔軟化剤、キャリア、ヒドロトロープ、加工助剤、顔料、抗酸化剤及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の洗濯ケア組成物。
【発明を実施するための形態】
【0009】
用語の定義
本明細書で使用するとき、用語「アルコキシ」は、C
1〜C
8アルコキシ、及びブチレンオキシド、グリシドールオキシド、エチレンオキシド、又はプロピレンオキシド等の繰返し単位を有するポリオールのアルコキシ誘導体を包含することを意図する。
【0010】
本明細書で使用するとき、互換用語「アルキレンオキシ」及び「オキシアルキレン」、並びに互換用語「ポリアルキレンオキシ」及び「ポリオキシアルキレン」は、一般に、以下の繰り返し単位:−C
2H
4O−、−C
3H
6O−、−C
4H
8O−、及びこれらの任意の組み合わせの1つ以上をそれぞれ含有する分子構造を指す。これらの基に対応する非限定的な構造としては、例えば、−CH
2CH
2O−、−CH
2CH
2CH
2O−、−CH
2CH
2CH
2CH
2O−、−CH
2CH(CH
3)O−、及び−CH
2CH(CH
2CH
3)O−が挙げられる。更に、ポリオキシアルキレン構成要素は、C
2〜20アルキレンオキシ基、グリシジル基、又はこれらの混合物から選択される1つ以上のモノマーからなる群から選択されてもよい。
【0011】
本明細書において、用語「エチレンオキシド」、「プロピレンオキシド」及び「ブチレンオキシド」は、それぞれ、これらの典型的な表記である「EO」、「PO」及び「BO」で示される場合がある。
【0012】
本明細書で使用するとき、用語「アルキル」及び「アルキルキャップ化」は、置換又は非置換炭化水素から水素原子を除去することによって形成される任意の一価基を意味することを意図する。非限定的な例としては、C
1〜C
18アルキル基、また一態様ではC
1〜C
6アルキル基を含む、分岐状又は非分岐状の置換又は非置換であるヒドロカルビル部分が挙げられる。
【0013】
本明細書で使用するとき、別途記載のない限り、用語「アリール」は、C
3〜C
12アリール基を含むことを意図する。用語「アリール」は、炭素環式及び複素環式アリール基の両方を指す。
【0014】
本明細書で使用するとき、用語「アルカリル」は、任意のアルキル置換アリール置換基及びアリール置換アルキル置換基を指す。より具体的には、この用語は、追加の置換基を含んでも含まなくてもよいC
7〜16アルキル置換アリール置換基及びC
7〜16アリール置換アルキル置換基を指すことを意図する。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「洗剤組成物」は洗濯ケア組成物のサブセットであり、布地を洗濯するための製品が挙げられるがこれに限定されない洗浄組成物を含む。このような組成物は、洗浄工程の前に用いる前処理組成物であっても、すすぎ時添加用組成物、並びに、漂白添加剤及び「シミ取りスティック」又は前処理タイプのような洗浄助剤であってもよい。
【0016】
本明細書で使用するとき、用語「洗濯ケア組成物」は、別途記載のない限り、顆粒、粉末、液体、ゲル、ペースト、単位用量状、棒状、及び/又はフレークタイプの洗浄剤及び/又は布地処理組成物を含み、これには布地を洗濯するための製品、布地柔軟化組成物、布地改良組成物、布地フレッシュニング組成物、並びに布地をケア及びメンテナンスするためのその他の製品、並びにこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。このような組成物は、洗浄工程の前に用いるための前処理組成物であっても、すすぎ添加用組成物、並びに漂白添加剤及び/又は「シミ取りスティック」、又は前処理組成物、又は乾燥機添加用シートなどの基材を有する製品などの洗浄助剤であってもよい。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「ロイコ」(例えば、化合物、部分、ラジカル、染料、モノマー、フラグメント、又はポリマーを参照するのに使用される)は、特定の化学的又は物理的トリガに曝露されると、第1の色状態(例えば、無着色又は実質的に無色)から第2のより高度に着色された状態への変化をもたらす1つ以上の化学的及び/又は物理的変化を生じさせる実体(例えば、有機化合物又はその一部)を指す。好適な化学的又は物理的トリガとしては、酸化、pH変化、温度変化、及び電磁放射線(例えば光)の曝露における変化が挙げられるが、これらに限定されない。ロイコ実体中で生じる好適な化学的又は物理的変化としては、分子内環化反応などの酸化及び非酸化的変化が挙げられるが、これらに限定されない。したがって、一態様では、好適なロイコ実体は、発色団の可逆的に還元された形態であり得る。一態様では、ロイコ部分は、好ましくは、少なくとも第1及び第2のπ−系を含み、これは、上記の化学的及び/又は物理的トリガの1つ以上に曝露されると、上記の第1及び第2のπ−系を組み込んだ第3の共役π−系へと変換可能である。
【0018】
本明細書で使用するとき、用語「ロイコ組成物」又は「ロイコ着色剤組成物」は、本明細書で更に詳細に記載されるように、独立して選択される構造を有する少なくとも2つのロイコ化合物を含む組成物を指す。
【0019】
本明細書で使用するとき、ロイコ着色剤の「平均分子量」は、その分子量分布により決定される重量平均分子量として報告され、それらの製造プロセスの結果として、本明細書に開示されるロイコ着色剤は、それらのポリマー性部分中の繰り返し単位の分布を含み得る。
【0020】
本明細書で使用するとき、用語「最大吸光係数」及び「最大モル吸光係数」は、400ナノメートル〜750ナノメートルの範囲における最大吸光度の波長(本明細書では最大波長とも称される)でのモル吸光係数を表すことを意図する。
【0021】
本明細書で使用するとき、用語「第1の色」は、トリガリング前の洗濯ケア組成物の色を指すために使用され、無色及び実質的に無色を含む任意の色を含むことが意図される。
【0022】
本明細書で使用するとき、用語「第2の色」は、トリガリング後の洗濯ケア組成物の色を指すために使用され、目視検査又は分光光度分析などの分析技術の使用のいずれかを介して洗濯ケア組成物の第1の色から区別可能である任意の色を含むことが意図される。
【0023】
本明細書で使用するとき、用語「変換剤」は、その既知の形態(一重項及び三重項状態)のいずれかにある分子酸素以外の当該技術分野において既知の任意の酸化剤を指す。
【0024】
本明細書で使用するとき、用語「トリガリング剤」は、ロイコ組成物を無色又は実質的に無色の状態から着色状態に変換するのに好適な反応物質を指す。
【0025】
本明細書で使用するとき、用語「白色剤」は、ホワイトコットン上にあるとき、210〜345の相対色相角、又は更には240〜320の相対色相角、又は更には250〜300(例えば250〜290)の相対色相角を有する色相を布に提供する染料、又は一旦トリガされると染料を形成することのできるロイコ着色剤を指す。
【0026】
本明細書で使用するとき、「セルロース基材」は、重量基準でセルロースの少なくとも大部分を占めるあらゆる基材を含むことが意図される。セルロースは、木材、綿、亜麻布、黄麻及び麻布に見出すことができる。セルロース基材は、粉末、繊維、パルプの形態、並びに粉末、繊維及びパルプから形成される物品の形態であってよい。セルロース繊維としては、綿、レーヨン(再生セルロース)、アセテート(酢酸セルロース)、トリアセテート(三酢酸セルロース)及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。セルロース繊維から形成される物品としては、布地などの織物物品が挙げられる。パルプから形成される物品としては、紙が挙げられる。
【0027】
本明細書で使用するとき、特許請求の範囲において使用される「a」及び「an」などの冠詞は、特許請求又は記述されるものが1つ以上であることを意味すると理解される。
【0028】
本明細書で使用するとき、用語「含む」は非限定的であることを意味する。
【0029】
本明細書において使用するとき、「固体」という用語は、顆粒、粉末、バー及び錠剤の製品形態を含む。
【0030】
本発明で使用する場合、用語「流体」は、液体、ゲル、ペースト及び気体の製品形態を含む。
【0031】
本出願人らの発明のパラメータのそれぞれの値を求めるには、本出願の試験方法の項で開示される試験方法を用いるべきである。
【0032】
特に明記しない限り、成分又は組成物の濃度は全て、当該成分又は組成物の活性部分に関するものであり、かかる成分又は組成物の市販の供給源中に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0033】
全ての百分率及び比率は、特に指示がない限り、重量で計算される。全ての百分率及び比率は、特に指示がない限り、全組成物に基づいて計算される。
【0034】
本明細書で使用するとき、用語「求核試薬」は、少なくとも1つの求核性部分を含む有機化合物を指す。
【0035】
本明細書で使用するとき、用語「求核性部分」は、電子対を提供して新しい共有結合を形成する有機化合物の一部である。好ましい求核性部分は、炭素、窒素、酸素、又は硫黄原子の1つに電子対を配置する共鳴構造を描くことができる有機化合物の一部である。好適な求核性部分としては、一級アミン、二級アミン、三級アミン、ヒドロキシ基、スルフヒドリル基、エノラート、及びエネアミンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
本明細書で使用するとき、用語「求電子試薬」は、少なくとも1つの求電子性部分を含む有機化合物を指す。
【0037】
本明細書で使用するとき、用語「求電子性部分」は、電子対を受容して新しい共有結合を形成する有機化合物の一部である。
【0038】
本明細書で使用するとき、用語「高分子炭水化物」及び「炭水化物ポリマー」は、オリゴ糖類及び多糖類を指す。
【0039】
本明細書で使用するとき、用語「ロイコポリマー」は、少なくとも1つのロイコ部分を含むオリゴマー又はポリマー化合物を指す。
【0040】
本明細書で使用するとき、用語「反応性ロイコ化合物(複数可)」は、ロイコ部分に共有結合した少なくとも1つの反応性部分を含む化合物を指す。少なくとも1つのロイコ部分及び少なくとも1つの求電子性基を含む化合物は、「反応性ロイコ化合物(複数可)」の等価な説明であり、本明細書では互換的に使用される。
【0041】
一態様では、200〜1,000nm(より好ましくは400〜750nm)の範囲の波長における最大吸光度での上記の第2の着色状態のモル吸光係数は、第2の着色状態の最大吸光度の波長における上記の第1の色状態のモル吸光係数の、好ましくは少なくとも5倍、より好ましくは10倍、更により好ましくは25倍、最も好ましくは少なくとも50倍である。好ましくは、200〜1,000nm(より好ましくは400〜750nm)の範囲の波長における最大吸光度での上記の第2の着色状態のモル吸光係数は、対応する波長範囲内における上記の第1の色状態の最大モル吸光係数の少なくとも5倍、好ましくは10倍、より好ましくは25倍、最も好ましくは少なくとも50倍である。当業者であれば、これらの比がはるかに高くてもよいことを理解するであろう。例えば、第1の色状態は400〜750nmの波長範囲において10M
−1cm
−1ほどの小さな最大モル吸光係数を有してもよく、第2の着色状態は400〜750nmの波長範囲において80,000M
−1cm
−1以上ほどの大きな最大モル吸光係数を有してもよく、この場合、吸光係数の比は8,000:1以上となる。
【0042】
一態様では、400〜750nmの範囲の波長における上記の第1の色状態の最大モル吸光係数は、1000M
−1cm
−1未満であり、400〜750nmの範囲の波長における上記の第2の着色状態の最大モル吸光係数は、5,000M
−1cm
−1超、好ましくは10,000、25,000、50,000、又は更には100,000M
−1cm
−1超である。当業者であれば、2つ以上のロイコ部分を含むポリマーは、第1の色状態において著しく高い最大モル吸光係数を有し得ることを認識し、理解するであろう(例えば、多数のロイコ部分の相加効果、又は第2の着色状態に変換された1つ以上のロイコ部分の存在のために)。2つ以上のロイコ部分が分子に結合している場合、上記の第2の色状態の最大モル吸光係数はn×εを超えてもよく、式中nは分子上に存在するロイコ部分+酸化ロイコ部分の数であり、εは5,000M
−1cm
−1、好ましくは10,000、25,000、50,000、又は更には100,000M
−1cm
−1超から選択される。したがって、2つのロイコ部分を有する分子の場合、上記の第2の色状態の最大モル吸光係数は10,000M
−1cm
−1超、好ましくは20,000、50,000、100,000、又は更には200,000M
−1cm
−1超であってもよい。nは理論的に任意の整数であり得るが、当業者は、nが典型的には1〜100、より好ましくは1〜50、1〜25、1〜10、又は更には1〜5となることを理解する。
【0043】
好ましい一実施形態では、ロイコ実体は、第2のより高度に着色された状態に変換されると、白色基材に210〜345の相対色相角、又は更には240〜320の相対色相角、又は更には250〜300(例えば250〜290)の相対色相角を有する色を提供する。相対色相角は、当該技術分野において既知の任意の好適な方法によって決定することができる。しかしながら、好ましくは、これは、ロイコ実体を全く含まない綿と比較した綿上のロイコ実体の付着に関して本明細書で更に詳細に説明されるとおりに決定することができる。
【0044】
上記のように、第1の実施形態では、本発明は、炭水化物ポリマー、及び炭水化物ポリマーと共有結合した少なくとも1つのロイコ部分を含むロイコポリマーを提供する。
【0045】
一態様では、高分子炭水化物は、ロイコモイティ(moeity)と反応して高分子炭水化物と共有結合したロイコを提供することのできる利用可能な水酸基を有する。ポリマーは、好ましくは、キトサンなどのセルロースエーテル、ナトリウム塩などのその塩を含むカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのヒドロキシアルキルセルロース、及びメチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロースなどの混合エーテルなどのセルロースエーテル、脂肪酸エステル変性セルロース、PCT国際公開特許第99/09124号に開示されているものなどのリン酸化セルロース、セルロース、カチオン性デンプン、グアーガム、非荷電デンプンからなる群から選択される。
【0046】
ロイコポリマーがカルボキシメチルセルロースなどのセルロースエーテルを含む場合、かかるセルロースエーテルは、好ましくは、最大1,000,000ダルトン、より好ましくは25,000ダルトン〜500,000ダルトン、更により好ましくは30,000ダルトン〜120,000ダルトンの重量平均分子量を有する。エーテル置換度、例えばカルボキシメチル化度は、好ましくは0.2〜1.3である。重量平均分子量は、Journal of Chromatography(1980)192,pages 275〜293又はPolymer Degradation and Stability56(1997)331〜337に詳述されている一般的な手順に従って決定され、エーテル置換度、及びエーテル置換度のサブセットであるカルボキシメチル化度はASTM法D1439−03に従って決定され、ロイコ置換度は燃焼分析によって決定される。
【0047】
ポリマー上のロイコ部分の総装填量は、好ましくは0.00001重量%〜10重量%、より好ましくは0.0001重量%〜1重量%、最も好ましくは0.0001重量%〜0.01重量%の範囲である。
【0048】
ロイコ部分は、任意の好適な共有結合的連結することによって炭水化物ポリマーに共有結合することができる。一態様では、ロイコ部分は、炭水化物ポリマー中のヒドロキシと共有結合している。換言すると、ロイコ部分は、炭水化物上のヒドロキシ水素を置換することによって、炭水化物に共有結合することができる。
【0049】
ロイコポリマーは、任意の好適な数のロイコ部分を含み得る。本明細書に記載されるように、ロイコポリマーは、少なくとも1つのロイコ部分を含む。一態様では、ロイコポリマーは、複数のロイコ部分を含み、ロイコ部分のそれぞれは独立して本明細書に記載される群から選択される。一態様では、ロイコポリマーは、1〜約5個のロイコ部分を含む。別の態様では、ロイコポリマーは、1〜約2個のロイコ部分を含む。一態様では、ロイコ部分は、2つ以上の炭水化物に結合され得る。好ましくは、ロイコ部分は、1つの炭水化物にのみ結合している。別の態様では、ロイコ部分は、ロイコポリマーの約0.01重量%〜約45重量%を構成する。当業者には理解されるように、重量パーセンテージは、ロイコ部分の式量をロイコポリマーのモル質量で割ることによって計算することができる。
【0050】
ポリマー炭水化物に共有結合したロイコ部分は、任意の好適なロイコ部分であってよい。好適なロイコ部分としては、ジアリールメタンロイコ部分、トリアリールメタンロイコ部分、オキサジン部分、チアジン部分、ヒドロキノン部分、及びアリールアミノフェノール部分が挙げられるが、これらに限定されない。したがって、一態様では、ロイコ部分は、ジアリールメタンロイコ部分、トリアリールメタンロイコ部分、オキサジン部分、チアジン部分、ヒドロキノン部分、及びアリールアミノフェノール部分からなる群から選択される。
【0051】
ロイコポリマーの製造に使用される炭水化物ポリマーは、一級ヒドロキシ基、二級ヒドロキシ基、及び/又は三級ヒドロキシル基を含み、これらの全ては少なくとも1つのヒドロキシ水素原子を含有する。炭水化物中のヒドロキシ基の一部は、アルキル基、アルキル硫酸基、アルキルアリール基、又はアルキルアリール硫酸基などの他の基で置換され得る。
【0052】
置換多糖
本明細書で使用される用語「多糖」は天然多糖類、合成多糖類、多糖誘導体類、及び修飾多糖類を含む。天然の多糖は植物から抽出されるか、バクテリア、真菌、原核生物、真核生物などの微生物により産生されるか、又は動物及び/又はヒトから抽出されることができる。例えば、キサンタンゴムはザントモナス・カンペストリス(Xanthomonas campestris)から、ジェランガムはスフィンゴモナス・パウチモビリス(Sphingomonas paucimobilis)から産生されることができ、キシログルカンはタマリンドの種から抽出され得る。
【0053】
本発明の洗濯処理組成物は置換多糖を含む。この置換多糖は同一又は異なる糖単位を含む直鎖状若しくは分岐状の多糖主鎖を含む。
【0054】
本発明の実施形態に従う、この置換多糖の置換度(DS)は0.01〜0.99である。この置換多糖の置換度及びブロック性度の和(DS+DB)は少なくとも1であってよい。この置換多糖のDB+2DS−DS
2は少なくとも1.20であってよい。
【0055】
置換多糖は同一又は異なる置換基により置換され得る。
【0056】
本発明の組成物は少なくとも0.001重量%、又は更に少なくとも0.01重量%の置換多糖を含み得る。具体的には、本発明の組成物は0.03重量%〜20重量%、特に0.1〜10、又は更に0.3〜3、例えば1〜1.5重量%の置換多糖を含み得る。
【0057】
置換多糖は無置換の糖単位を含み得る。無置換の糖単位は、全ての水酸基が無置換のままの糖単位である。置換多糖において、無置換の糖単位の糖単位の総計に対する重量比は0.01〜0.99であってよい。
【0058】
置換多糖は置換糖単位を含む。置換糖単位はその少なくとも1つの水酸基が置換されている糖単位である。置換多糖において、置換糖単位の糖単位総計に対する重量比は0.01〜0.99であってよい。
【0059】
多糖主鎖
多糖主鎖は本質的に糖単位から構成される。多糖主鎖は直鎖状であることができ(セルロースのように)、交互の反復を有することができ(カラギーナンのように)、中断される反復を持つことができ(ペクチンのように)、ブロック共重合体であることができ(アルギネートのように)、分岐状であることができる(デキストランのように)か、又は複雑な反復を持つことができる(キサンタンのように)。多糖の説明は、M.Tombs及びS.E.Hardingによる「An introduction to Polysaccharide Biotechnology」(T.J.Press,1998)で提供されている。
【0060】
多糖主鎖は、α−又はβ−及び1−2、1−3、1−4、1−6、又は2−3連結並びにこれらの混合体などの様々な様式で直鎖状又は分岐状であることができる。多くの天然由来の多糖は少なくともいくらかの程度の分岐を持つか、又はいずれにしても少なくともいくつかの単糖の環は多糖の主鎖上にペンダント基の形態で存在する。
【0061】
多糖主鎖は実質的に直鎖状であることができる。実質的に直鎖状であることとは、ポリマーの少なくとも97%、例えば少なくとも99%(重量により)、又は全ての糖単位が多糖主鎖の主鎖内にあることと理解されるべきである。
【0062】
多糖主鎖としては、好ましくは以下の糖単位の1つ以上が挙げられるが、これらに限定されない。グルコース、フルクトース、ガラクトース、キシロース、マンノース、アラビノース、ラムノース、フコース、リボース、リキソース、アロース、アルトロース、グロース、イドース、タロース、グルクロン酸、及びこれらの混合物。
【0063】
典型的には、多糖主鎖は実質的に以下の糖単位から選ばれるものにより構成される。グルコース、フルクトース、ガラクトース、キシロース、マンノース、アラビノース、ラムノース、フコース、リボース、リキソース、アロース、アルトロース、グロース、イドース、タロース、グルクロン酸、及びこれらの混合物。典型的には、少なくとも1つの糖単位、又は実質的に全ての糖単位でさえもが、グルコース、キシロース、ガラクトース、アラビノース、グルクロン酸、及び/又はマンノースから選ばれる。
【0064】
典型的には、このポリマー主鎖は、セルロース、キシログルカン、マンナン、キシラン、デンプン、及びこれらの混合物から選択される。
【0065】
ポリマー主鎖は実質的に直鎖状であることができ、及び/又はβ−1,4結合したグルコース単位を含み得る。特に、このポリマー主鎖はβ−1,4−結合したグルコース単位を含むセルロースであることができる。構造1はセルロース主鎖を図示している。
【0067】
ポリマー主鎖はβ−1,4結合グルコース単位などのグルコース単位を含む主鎖を含み得る。このポリマー主鎖は1つ以上のキシロース単位を含む側鎖を含み得る。このポリマー主鎖はキシログルカンであってよい。好適なキシログルカンの例を構造2に示す。
【0069】
このポリマー主鎖はマンノース単位を含む主鎖を含み得る。このポリマー主鎖はグルコース及び/又はガラクトース単位を含む主鎖又は側鎖を含み得る。このポリマー主鎖はマンナン、例えばガラクトマンナン又はグルコマンナンであってよい。ガラクトマンナンを構造3に図示し、グルコマンナンを構造4に図示する。
【0071】
このポリマー主鎖はキシロース単位を含む主鎖を含み得る。このポリマー主鎖はグルクロン酸及び/又はアラビノースを含む主鎖又は側鎖を含み得る。ポリマー主鎖はキシラン、例えばホモキシラン(例えば構造5の構造を参照されたい)、グルクロノキシラン(例えば構造6の構造を参照されたい)、(アラビノ)グルクロノキシラン(例えば構造7の構造を参照されたい)、(グルクロノ)アラビノキシラン、アラビノキシラン(例えば構造8の構造を参照されたい)、及び複合ヘテロキシランから選択され得る。
【0073】
このポリマー主鎖は分岐状であることができ、及びグルコース単位を含み得る。このポリマー主鎖はデンプンであってよい。好適なデンプンはアミロペクチン(α−1,6分岐を含むα−1,4結合グルコース、例えば構造9の構造を参照されたい)、及び任意でアミロース(α−1,4結合グルコース、例えば構造
図10の構造を参照されたい)を含む。典型的なデンプンの供給源はこれらの混合物を含む。
【0075】
置換基
置換多糖は、その主鎖に置換糖単位を少なくとも1つ含む。適切な置換基は、分岐状、直鎖状又は環状、置換又は無置換、飽和又は不飽和アルキル、アミン(一級、二級、三級)、アンモニウム塩、アミド、ウレタン、アルコール、カルボン酸、トシレート、スルホン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、シリコーン、及びこれらの混合物よりなる群から選択することができる。
【0076】
この置換は糖単位の任意の水酸基に起こり得る。例えば、β−1,4結合により他のグルコース単位に結合されるグルコース単位の場合、置換はグルコース単位の2、3、及び/又は6の位置で起こり得る。
【0077】
糖の水酸基−OHは置換−O−R又は−O−C(=O)−R基により置換され得る。
【0078】
Rはアニオン性、カチオン性、又は非イオン性基であってよい。Rは、R
1、N(R
2)(R
3)、シリコーン部分、SO
3−、PO
3−からなる群から選択されてよく、R
2及びR
3は互いに独立して水素原子又はC
1〜6アルキルであり、R
1は、直鎖状又は分岐状、典型的には直鎖状であり、飽和又は不飽和、典型的には飽和であり、置換又は非置換、典型的には置換であり、環式又は非環式、典型的には非環式であり、脂肪族又は芳香族、典型的には脂肪族であり、C
1〜C
300、典型的にはC
1〜C
30、C
1〜C
12、又はC
1〜C
6の炭化水素ラジカルであり、炭化水素主鎖はO、S、N、及びPから選択されるヘテロ原子によって中断され得る。R
1は、アミノ(一級、二級、又は三級)、アミド、−OH、−CO−OR
4、−SO
3−、R
4、−CN、及び−CO−R
4から選択される1つ以上のラジカルによって置換することができ、R
4は水素原子又はアルカリ金属、好ましくはナトリウム若しくはカリウムイオンを表す。
【0079】
Rその酸又は塩形態で、好ましくはナトリウム塩形態(以下の式で与えられている)又はカリウム塩形態である以下のアニオン性基であってよい。
−T−CO
2Na
−T−SO
3Na
−PO
3Na
−SO
3Na
式中、TはC
1〜6アルキル、より好ましくはC
1〜4アルキルである。
【0080】
R置換基は以下のカチオン性基であってよい。
【0081】
【化6】
式中、TはC
1〜6アルキル、又はCH
2CH(OH)CH
2であり、各A、B、及びCはC
1〜6アルキル又はヒドロキシ−C
1〜6アルキルであり、Xはハライド又はトシレートなどの対イオンである。
【0082】
Rは以下の非イオン性基であってよい。
−A
−T−OH
−T−CN
−C(=O)A
−C(=O)NH
2
−C(=O)NHA
−C(=O)N(A)B
−C(=O)OA
−(CH
2CH
2CH
2O)
nZ
−(CH
2CH
2O)
nZ
−(CH
2CH(CH3)O)
nZ
−(CH
2O)
nZ
式中、A及びBはC
1〜30アルキルであり、TはC
1〜6アルキルであり、n=1〜100であり、ZはH、又はC
1〜6アルキルであり。
【0083】
Rはヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、又はスルホアルキル基又はその塩であってよい。Rは5−ヒドロキシメチル基などのヒドロキシC
1〜4アルキル、カルボキシC
1〜4アルキル基などのカルボキシC
1〜6アルキル、又はスルホエチル基、C
1〜C
30アルカノイル、若しくはその塩(例えばナトリウム塩)などのスルホ−C
2〜4アルキルを表すことができる。
【0084】
代表的実施形態では、−O−Rは、−O−CH
2OH、−O−CH
2CH
2SO
3H、−O−CH
2−CO
2H、−O−CO−CH
2CH
2CO
2H、及びその塩(例えばナトリウム塩)から選択される基を表す。好ましくは、この置換基はカルボキシメチル基である。
【0085】
置換度(DS)。
本発明の置換多糖は0.01〜0.99のDSを有する。
【0086】
セルロース性ポリマー化学の当業者が理解するように、用語「置換度」(又はDS)は多糖主鎖の多糖単位上の官能基の平均置換度を指す。最大DSは、ポリマー中の糖モノマーあたりで利用可能な遊離水酸基の平均数である。したがってセルロース及びアミロースは3の最大DSを有する。ホモキシランは2の最大DSを有する。より複雑な多糖の最大DSは分岐の程度及び主鎖に存在する天然型の置換基のレベルに依存する。しかしながら、所与の置換基の最大DS及び実際のDSは、当業者によりNMR分光法又はHPLCなどの様々な分析的技法を用いて計算することができる。例えば、キシラン誘導体のDSを評価するための技術は、K.PetzoldらのCarbohydrate Polymers,2006,v64,pp292〜298に記載されている。デンプン誘導体のDSを評価する技術は、M.ElomaaらのCarbohydrate Polymers,2004,v57,pp261〜267に記載されている。セルロース誘導体のDSを評価するための技術は、V.StiggssonらのCellulose,2006,v13,pp705〜712に記載されている。キシログルカン誘導体のDSを評価するための技術は、P.GoyalらのCarbohydrate Polymers,2007,v69,pp251〜255に引用されている。
【0087】
DS値は典型的には多糖主鎖に沿った化学基の置換の均一性には関係せず、及び多糖主鎖の分子量にも関係付けられない。置換多糖の置換度は少なくとも0.02、又は0.05、具体的には少なくとも0.10、又は0.20、又は更に0.30でもあり得る。典型的に、多糖主鎖の置換度は0.50〜0.95、具体的には0.55〜0.90、又は0.60〜0.85、又は更に0.70〜0.80でもあり得る。
【0088】
ブロック性度(DB)
本発明の置換多糖は、DB+DSが少なくとも1、又はDB+2DS−DS
2が少なくとも1.10のいずれかなどのDBを有する。
【0089】
セルロース性ポリマー化学分野の当業者が理解するように、用語「ブロック性度」(DB)とは多糖主鎖上にどのような置換(又は無置換の)糖単位が密集するかの程度を指す。より低いDBを有する置換多糖は、無置換の糖単位が多糖主鎖に沿ってより均一に分布されているものとして特徴付けられ得る。より高いDBを有する置換多糖は、無置換の糖単位が多糖主鎖に沿ってより多く密集しているとして特徴付けられ得る。
【0090】
より具体的には、置換及び無置換の糖単位を含む置換多糖において、置換多糖のDBはB/(A+B)に等しく、ここでAは少なくとも1つの置換糖単位に直接連結した無置換の糖単位の数を表し、及びBは置換糖単位に直接連結していない(即ち無置換の糖単位のみに直接連結した)無置換の糖単位の数を表す。
【0091】
典型的に、この置換多糖は少なくとも0.35、又は更に0.40〜0.90、0.45〜0.80、又は更に0.50〜0.70のDBを有する。
【0092】
置換多糖は少なくとも1のDB+DSを有し得る。典型的には、置換多糖は1.05〜2.00、又は1.10〜1.80、又は1.15〜1.60、又は1.20〜1.50、又は更に1.25〜1.40のDB+DSを有する。
【0093】
0.01〜0.20又は0.80〜0.99のDSを有する置換多糖は、少なくとも1、典型的には1.05〜2.00、又は1.10〜1.80、又は1.15〜1.60、又は1.20〜1.50、又は更に1.25〜1.40のDB+DSを有し得る。
【0094】
0.20〜0.80のDSを有する置換多糖は少なくとも0.85、典型的には0.90〜1.80、又は1.00〜1.60、又は1.10〜1.50、又は1.20〜1.40のDSを有し得る。
【0095】
置換多糖は少なくとも1.20のDB+2DS−DS
2を有し得る。典型的には、置換多糖は、1.22〜2.00、又は1.24〜1.90、又は1.27〜1.80、又は1.30〜1.70、又は更に1.35〜1.60のDB+2DS−DS
2を有し得る。
【0096】
0.01〜0.20で含まれるDSを有する置換多糖は1.02又は1.05〜1.20のDB+2DS−DS
2を有し得る。
【0097】
0.20〜0.40で含まれるDSを有する置換多糖は、1.05又は1.10〜1.40のDB+2DS−DS
2を有し得る。
【0098】
0.40〜1.00又は0.60〜1.00又は0.80〜1.00で含まれるDSを有する置換多糖は、1.10〜2.00、又は1.20〜1.90、又は1.25〜1.80、又は1.20〜1.70、又は更に1.35〜1.60のDB+2DS−DS
2を有し得る。
【0099】
DBを測定する方法は置換基の官能性により変化し得る。当業者は所与の置換多糖の置換度測定法を知っているか又は決定することができる。
【0100】
多糖誘導体のブロック性度は、酸処理により生成される無置換の糖単位の量と酵素処理により生成される無置換の糖単位の量との比較により決定される。V.StiggssonらのCellulose,2006,v13,pp705〜712に記載されるように、所与のDSにおいて、酵素処理により生成される非置換の糖モノマーの相対的量はブロック性度が増加するのにあわせて増加する。ブロック性度は酵素により遊離される糖単位の量を酸により遊離される糖単位の量で割って計算される。
【0101】
酵素的消化のための有用な酵素のクラスは以下に掲載される。
【0103】
例として、下記の図はそれぞれの円がキシロース反復単位を意味するカルボキシメチルホモキシランの分子を表す。カルボキシメチル置換基を含むキシロース単位は黒く色付けされる。カルボキシメチル化されていないキシロースの間を加水分解する酵素消化は、遊離キシロースとしての灰色の残基の遊離をもたらす。酸による消化は無置換のキシロース、即ち灰色と白との円を遊離させる。ブロック性度は酵素により遊離されるキシロースの量を酸により遊離されるキシロースの量で割ることにより計算され、この場合には4/12=0.33である。
【0105】
置換多糖の粘度
置換多糖は2重量%で水に溶解されたとき、25℃で、少なくとも100mPa.sの粘度を有し、典型的には、例えば250〜5000、又は500〜4000、1000〜3000又は1500〜2000mPa.sの粘度を有する。多糖の粘度は以下の試験方法に従って測定され得る。
【0106】
試験方法3:置換多糖の粘度の評価
多糖を水に溶解して2重量%の多糖溶液を調製する。この溶液の粘度を、25℃で、Haake VT500粘度計を用いて5s
−1のせん断速度で測定する。それぞれの測定は1分間で行い20の測定点について採取し平均する。
【0107】
置換多糖の分子量
典型的に、本発明の多糖は、10,000〜10,000,000、例えば20,000〜1,000,000、典型的には50,000〜500,000、又は更に60,000〜150,000g/molの範囲にわたる分子量を有する。
【0108】
置換多糖の重合度(DP)
置換多糖は10〜7000、又は少なくとも20の糖単位総数を有し得る。本発明において有用で好適な置換多糖としては、40を上回る、好ましくは約50〜約100,000、より好ましくは約500〜約50,000の重合度(DP)の多糖が挙げられる。
【0109】
置換多糖の糖単位の総数は、例えば10〜10,000、又は20〜7500、例えば50〜5000、及び典型的には100〜3000、又は150〜2000である。
【0110】
合成
本発明で用いられる置換多糖はポリマー化学分野の当業者によく知られた様々な経路により合成できる。例えば、カルボキシアルキルエーテルにより連結された多糖類は多糖を好適なハロアルカン酸と反応させることにより調製でき、カルボキシアルキルエステルにより連結された多糖は、多糖を無水コハク酸などの好適な酸無水物と反応させることにより調製でき、及びスルホアルキルエーテルにより連結された多糖類は、多糖を好適なアルケニルスルホン酸と反応させることにより調製できる。
【0111】
当業者は、例えば、反応溶媒、反応剤の添加速度、及び置換多糖合成の間の媒体のアルカリ度を選択することにより、より高いブロック性度を持つ置換多糖を得ることができる。合成プロセスは、V.StigssonらのPolysaccharide,2006,13,pp705〜712、N.OlaruらのMacromolecular Chemistry & Physics,2001,202,pp207〜211、J.KoetzらのPapier(Heidelburg),1998,52,pp704〜712、G.MannらのPolymer,1998,39,pp3155〜3165で論じられているように、DBを制御するように最適化することができる。ブロック性特性を有するカルボキシメチル多糖及びヒドロキシエチル多糖の製造方法は、PCT国際公開特許WO2004/048418(Hercules)及びPCT国際公開特許WO06/088953(Hercules)に開示されている。
【0112】
好適な置換多糖類
置換多糖は特に、カルボキシメチルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース、スルホセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルキシログルカン、カルボキシメチルキシラン、スルホガラクトマンナン、カルボキシメチルガラクトマンナン、ヒドロキシエチルガラクトマンナン、スルホエチルデンプン、カルボキシメチルデンプン、及びこれらの混合物から選ばれ得る。
【0113】
本発明に用いるのに好適な他の多糖はグルカンである。
【0114】
用語「ポリα−1,3−グルカン」、「α−1,3−グルカンポリマー」、「グルカンポリマー」などは、本明細書において互換的に使用される。ポリα−1,3−グルカンは、グリコシド結合(すなわち、グルコシド結合)によって一体に結合されたグルコースモノマー単位を含むポリマーであり、グリコシド結合の少なくとも約50%はα−1,3−グリコシド結合である。ポリα−1,3−グルカンは多糖類の一種である。本明細書で使用するとき、用語「α−1,3−グリコシド結合」は、隣接するα−D−グルコース環における炭素1及び3を介してα−D−グルコース分子を相互に結合する共有結合の種類を指す。
【0115】
本明細書のポリα−1,3−グルカンエーテル化合物を調製するために使用できるポリα−1,3−グルカンは、化学的方法を使用して調製することができる。あるいは、これは、ポリα−1,3−グルカンを産生する真菌などの様々な有機体から、これを抽出することによって調製することもできる。更にあるいは、ポリα−1,3−グルカンは、例えば米国特許第7,000,000号、並びに米国特許出願公開第2013/0244288号及び同第2013/0244287号(その全てが参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるものなどの1つ以上のグルコシルトランスフェラーゼ(gtf)酵素(例えばgtfJ)を使用してスクロースから酵素的に産生することもできる。
【0116】
用語「グリコシド連結」及び「グリコシド結合」は、本明細書では互換的に使用され、炭水化物(糖)分子を別の炭水化物などの別の基に結合する共有結合の種類を指す。
【0117】
本明細書では、「α−D−グルコース」は「グルコース」とも称され得る。
【0118】
用語「ポリα−1,3−グルカンエーテル化合物」、「ポリα−1,3−グルカンエーテル」、「ポリα−1,3−グルカンエーテル誘導体」などは、本明細書では互換的に使用される。本明細書のポリα−1,3−グルカンエーテル化合物は、以下の構造によって表され得る。
【0120】
この構造の式に関して、nは少なくとも6であり得、各Rは独立して水素原子(H)又は有機基であり得る。本明細書のポリα−1,3−グルカンエーテル化合物は、約0.05〜約3.0の置換度を有する。例えば、米国特許出願公開第2014/0179913号で開示されるポリα−1,3−グルカンエーテル化合物(参照により本明細書に組み込まれる)及び本明細書で開示されるものを、本開示の組成物を調製するのに使用することができる。
【0121】
ポリα−1,3−グルカンエーテル化合物は、サブ構造CG−O−を含むために本明細書では「エーテル」と称され、式中の「−CG−−−」は、ポリα−1,3−グルカンエーテル化合物のグルコースモノマー単位の炭素2、4、又は6を表し、式中の「−C−−−」は有機基に含まれる。
【0122】
本明細書に開示されるポリα−1,3−グルカンエーテル化合物は、合成の人工化合物である。
【0123】
上述のロイコポリマーは、家庭用洗濯プロセスなどの織物材料の処理で使用するのに好適であると考えられる。具体的には、ロイコポリマーは、炭水化物ポリマーの性質のために織物材料の繊維上に付着すると考えられる。更に、一旦織物材料上に付着されると、ロイコポリマーは、ポリマー上のロイコ部分をその着色形態に変換する適切な化学的又は物理的トリガを適用することによって、着色ポリマーに変換することができる。例えば、ロイコポリマーは、ロイコ部分を酸化させて酸化着色剤にすると、その着色形態へと変換され得る。適切なロイコ部分を選択することにより、ロイコポリマーは、ロイコポリマーがその着色形態に変換されると、織物材料に所望の色相を付与するように設計することができる。例えば、その着色形態に変換されると青色の色相を呈するロイコポリマーを使用して、時間の経過及び/又は繰り返しの洗濯により通常発生する織物材料の黄変を抑制させることができる。したがって、他の実施形態では、本発明は、上述のロイコポリマーを含む洗濯ケア組成物、及び織物材料を処理するための家庭用方法(例えば、洗濯物又は衣類の物品を洗浄する方法)を提供する。
【0124】
好ましくは、ロイコポリマーは布に210〜345の相対色相角、又は更には240〜320の相対色相角、又は更には250〜300(例えば250〜290)の相対色相角を有する色相を与える。相対色相角は、当該技術分野において既知の任意の好適な方法によって決定することができる。しかしながら、好ましくは、これは、ロイコ実体を全く含まない綿と比較した綿上のロイコ実体の付着に関して本明細書で更に詳細に説明されるとおりに決定することができる。
【0125】
炭水化物に共有結合したロイコ部分は、任意の好適なロイコ部分であってよい。好適なロイコ部分としては、ジアリールメタンロイコ部分、トリアリールメタンロイコ部分、オキサジン部分、チアジン部分、ヒドロキノン部分、及びアリールアミノフェノール部分が挙げられるが、これらに限定されない。したがって、一態様では、ロイコ部分は、ジアリールメタンロイコ部分、トリアリールメタンロイコ部分、オキサジン部分、チアジン部分、ヒドロキノン部分、アリールアミノフェノール部分、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0126】
本明細書で使用するのに好適なジアリールメタンロイコ部分としては、本明細書に記載される第2の着色状態を形成することができる一価又は多価ジアリールメチレン部分が挙げられるが、これらに限定されない。好適な例としては、ミヒラーのメタン(Michler's methane)から誘導される部分、−OH基で置換されたジアリールメチレン(例えば、ミヒラーのハイドロール)、並びにこれらのエーテル及びエステル、CN基(ビス(パラ−N,N−ジメチル)フェニル)アセトニトリル)などの光開裂性基で置換されたジアリールメチレン、並びに同様のこうした部分が挙げられるが、これらに限定されない。
【0127】
より具体的な態様では、ロイコ部分は、下記の式(I)、(II)、(III)、(IV)、又は(V)の構造から1つ以上の水素原子を除去することにより誘導される一価又は多価の部分であり、
【0128】
【化9】
式I〜Vとその酸化形態との比は、少なくとも1:19、1:9、又は1:3、好ましくは少なくとも1:1、より好ましくは少なくとも3:1、最も好ましくは少なくとも9:1、又は更には19:1である。
【0129】
式(I)の構造では、各環A、B及びCにおける各個々のR
o、R
m、及びR
p基は、独立して水素、重水素、及びR
5からなる群から選択され、各R
5は、独立してハロゲン、ニトロ、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルカリル、置換アルカリル、−(CH
2)
n−O−R
1、−(CH
2)
n−NR
1R
2、−C(O)R
1、−C(O)OR
1、−C(O)O
−、−C(O)NR
1R
2、−OC(O)R
1、−OC(O)OR
1、−OC(O)NR
1R
2、−S(O)
2R
1、−S(O)
2OR
1、−S(O)
2O
−、−S(O)
2NR
1R
2、−NR
1C(O)R
2、−NR
1C(O)OR
2、−NR
1C(O)SR
2、−NR
1C(O)NR
2R
3、−OR
1、−NR
1R
2、−P(O)
2R
1、−P(O)(OR
1)
2、−P(O)(OR
1)O
−、及び−P(O)(O
−)
2からなる群から選択され、添字nは0〜4、好ましくは0〜1、最も好ましくは0の整数であり、異なるA、B、及びC環における2つのR
oが結合して、5員以上の縮合環を形成してもよく、縮合環が6員以上である場合、異なるA、B、及びC環における2つのR
oは結合して、1つ以上のヘテロ原子を任意で含有する有機リンカーを形成してもよく、一実施形態では、異なるA、B、及びC環における2つのRoが結合して、−O−及び−S−から選択されるヘテロ原子架橋を形成して6員の縮合環を形成し、同じ環におけるR
o及びR
m、又は同じ環におけるR
m及びR
pは、結合して縮合脂肪族環又は縮合芳香族環を形成してもよく、これらの環のいずれかはヘテロ原子を含有してもよく、3つの環A、B又はCの少なくとも1つにおいて、R
o及びR
m基の、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つ、最も好ましくは4つ全てが水素であり、好ましくは、環A、B及びCの少なくとも2つにおいて4つのR
o及びR
m基の全てが水素であり、いくつかの実施形態では、環A、B及びCにおける全てのR
o及びR
m基は水素であり、好ましくは、各R
pは、独立して水素、−OR
1、及び−NR
1R
2から選択され、R
pの2つ以下、好ましくは1つ以下が水素であり、好ましくはどれも水素ではなく、より好ましくは、少なくとも1つ、好ましくは2つ、最も好ましくは3つのR
pの全てが−NR
1R
2であり、いくつかの実施形態では、環A、B及びCの1つ、又は更には2つが、独立してO、S、及びNから選択された1つ又は2つのヘテロ原子を含む独立して選択されたC
3〜C
9ヘテロアリール環で置換され、これは任意に1つ以上の独立して選択されたR
5基で置換されてもよく、Gは、独立して水素、重水素、C
1〜C
16アルコキシド、フェノキシド、ビスフェノキシド、ナイトライト、ニトリル、アルキルアミン、イミダゾール、アリールアミン、ポリアルキレンオキシド、ハロゲン化物、アルキルスルフィド、アリールスルフィド、又はホスフィンオキシドからなる群から選択され、一態様では、Gの分率[(重水素)/(重水素+水素)]は、少なくとも0.20、好ましくは少なくとも0.40、更により好ましくは少なくとも0.50、最も好ましくは少なくとも0.60、又は更には少なくとも0.80であり、
同じヘテロ原子に結合したR
1、R
2、及びR
3の任意の2つは、結合して、−O−、−NR
15−、及び−S−からなる群から選択される1つ以上の追加のヘテロ原子を任意で含む5員以上の環を形成することができる。
【0130】
e及びfが独立して0〜4の整数である式(II)〜(III)の構造では、各R
20及びR
21は、独立して、ハロゲン、ニトロ基、アルキル基、置換アルキル基、−NC(O)OR
1、−NC(O)SR
1、−OR
1、及び−NR
1R
2からなる群から選択され、各R
25は、独立して単糖部分、二糖部分、オリゴ糖部分、及び多糖部分、−C(O)R
1、−C(O)OR
1、−C(O)NR
1R
2からなる群から選択され、各R
22及びR
23は、独立して水素、アルキル基、及び置換アルキル基からなる群から選択される。
【0131】
式(IV)の構造では、R
30は架橋アミン部分に対してオルト又はパラに位置し、かつ−OR
38及び−NR
36R
37からなる群から選択され、各R
36及びR
37は、独立して、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アシル基、R
4、−C(O)OR
1、−C(O)R
1、及び−C(O)NR
1R
2からなる群から選択され、R
38は、水素、アシル基、−C(O)OR
1、−C(O)R
1、及び−C(O)NR
1R
2からなる群から選択され、g及びhは、独立して0〜4の整数であり、各R
31及びR
32は、独立してアルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アルカリル、置換アルカリル、−(CH
2)
n−O−R
1、−(CH
2)
n−NR
1R
2、−C(O)R
1、−C(O)OR
1、−C(O)O
−、−C(O)NR
1R
2、−OC(O)R
1、−OC(O)OR
1、−OC(O)NR
1R
2、−S(O)
2R
1、−S(O)
2OR
1、−S(O)
2O
−、−S(O)
2NR
1R
2、−NR
1C(O)R
2、−NR
1C(O)OR
2、−NR
1C(O)SR
2、−NR
1C(O)NR
2R
3、−P(O)
2R
1、−P(O)(OR
1)
2、−P(O)(OR
1)O
−、及び−P(O)(O
−)
2からなる群から選択され、添字nは0〜4、好ましくは0〜1、最も好ましくは0の整数であり、−NR
34R
35は、架橋アミン部分に対してオルト又はパラに位置し、R
34及びR
35は、独立して水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルカリル、置換アルカリル、及びR
4からなる群から選択され、R
33は、独立して水素、−S(O)
2R
1、−C(O)N(H)R
1、−C(O)OR
1、及び−C(O)R
1からなる群から選択され、gが2〜4である場合、任意の2つの隣接するR
31基が結合して、5員以上の縮合環を形成してもよく、縮合環中の原子の2つ以下が窒素原子であってもよい。
【0132】
式(V)の構造では、X
40は、酸素原子、硫黄原子、及びNR
45からなる群から選択され、R
45は、独立して水素、重水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルカリル、置換アルカリル、−S(O)
2OH、−S(O)
2O
−、−C(O)OR
1、−C(O)R
1、及び−C(O)NR
1R
2からなる群から選択され、R
40及びR
41は、独立して−(CH
2)
n−O−R
1、−(CH
2)
n−NR
1R
2からなる群から選択され、添字nは0〜4、好ましくは0〜1、最も好ましくは0の整数であり、j及びkは独立して0〜3の整数であり、各R
42及びR
43は、独立してアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルカリル、置換アルカリル、−S(O)
2R
1、−C(O)NR
1R
2、−NC(O)OR
1、−NC(O)SR
1、−C(O)OR
1、−C(O)R
1、−(CH
2)
n−O−R
1、−(CH
2)
n−NR
1R
2からなる群から選択され、添字nは0〜4、好ましくは0〜1、最も好ましくは0の整数であり、R
44は、−C(O)R
1、−C(O)NR
1R
2、及び−C(O)OR
1である。
【0133】
式(I)〜(V)の構造では、直前の基のいずれかに存在する任意の電荷は、好適な独立して選択される内部又は外部対イオンで平衡に。好適な独立して選択される外部対イオンは、カチオン性又はアニオン性であってよい。好適なカチオンの例としては、I族及びII族から選択されることが好ましい1種以上の金属が挙げられ、このうち最も好ましいのは、Na、K、Mg、及びCa、又はイミニウム、アンモニウム、及びホスホニウムなどの有機カチオンであるが、これらに限定されない。好適なアニオンの例には、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、過塩素酸塩、硫酸水素塩、硫酸塩、アミノ硫酸塩、硝酸塩、二水素リン酸塩、水素リン酸塩、リン酸塩、重炭酸塩、炭酸塩、メトサルフェート、エトサルフェート、シアン酸塩、チオシアン酸塩、テトラクロロ亜鉛酸塩、ホウ酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、酢酸塩、クロロ酢酸塩、シアノ酢酸塩、ヒドロキシ酢酸塩、アミノ酢酸塩、メチルアミノ酢酸塩、ジ−及びトリ−クロロ酢酸塩、2−クロロプロピオン酸塩、2−ヒドロキシプロピオン酸塩、グリコール酸塩、チオグリコール酸塩、チオ酢酸塩、フェノキシ酢酸塩、トリメチル酢酸塩、吉草酸塩、パルミチン酸塩、アクリル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、クロトン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、メチレンビス−チオグリコレート、エチレン−ビス−イミノアセテート、ニトリロトリアセテート、フマル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、メチル安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、ジクロロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、アミノ安息香酸塩、フタル酸塩、テレフタル酸塩、インドリル酢酸塩、クロロベンゼンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、ビフェニルスルホン酸塩、並びにクロロトルエンスルホン酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。当業者であれば、上記に列挙したものの代わりに使用可能な異なる対イオンを十分に認識している。
【0134】
式(I)〜(V)の構造では、R
1、R
2、R
3、及びR
15は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルカリル、置換アルカリル、及びR
4からなる群から選択され、R
4は1つ以上の有機モノマーからなる有機基であり、上記のモノマー分子量は28〜500、好ましくは43〜350、更により好ましくは43〜250の範囲であり、その有機基は、式I〜Vの構造に一致する1つ以上の追加のロイコ着色剤部分で置換され得る。一態様では、R
4は、アルキレンオキシ(ポリエーテル)、オキソアルキレンオキシ(ポリエステル)、オキソアルキレンアミン(ポリアミド)、エピクロロヒドリン、四級化エピクロロヒドリン、アルキレンアミン、ヒドロキシアルキレン、アシルオキシアルキレン、カルボキシアルキレン、カルボアルコキシアルキレン、及び糖からなる群から選択される。任意のロイコ着色剤が3つ以上の連続したモノマーを有するR
4基を含む場合、そのロイコ着色剤は、本明細書で「高分子ロイコ着色剤」と定義される。当業者であれば、溶解性、分配性、付着性、除去性、染色性などの多くの特性属性のいずれかに関する化合物の特性が、その中に組み込まれるこうした連続モノマーの配置、同一性、及び数に関連することを知っている。したがって、当業者は、こうした連続するモノマーの配置、同一性、及び数を調節して、多少予測可能な方法で任意の特定の属性を変更することができる。
【0135】
反応性ロイコ化合物は、上記で定義した任意の好適なロイコ部分を含み得る。一態様では、ロイコ部分は、上記の式(I)、(II)、(III)、(IV)、又は(V)の構造から1つ以上の水素原子を除去することにより誘導される一価又は多価の部分である。
【0136】
上述のように、ロイコ組成物中に存在する反応性ロイコ化合物(複数可)は、ロイコ部分に共有結合した少なくとも1つの反応性部分を含む。反応性部分は、任意の好適な求電子性部分であり得る。好適な求電子性部分は、部分内の炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、又はリン原子上に孤立電子対又は負電荷が存在する共鳴構造(寄与構造)を有する有機求核性部分と反応するのに十分な求電子性であるものである。反応すると、反応性部分は、ロイコ部分と有機求核性部分を含有する化合物との間に共有結合を生成する。好ましくは、反応性部分は、ヒドロキシ基、スルフヒドリル基、シアノ基、アルコキシ基、アミン基(一級、二級、又は三級アミン)、カルバニオン、カルボキシル基、チオカルボキシレート基、チオレート基、及びチオシアネート基からなる群から選択される求核性部分と反応するのに十分な求電子性である。別の好ましい実施形態では、反応性部分は、ヒドロキシ基、スルフヒドリル基、及びアミン基からなる群から選択される求核性部分と反応するのに十分な求電子性である。
【0137】
好適な反応性部分としては、アミンと反応してカーバメート、尿素、アミド、スルホンアミド、又はより高次のアミン(アルキル化によって一級アミンから二級アミン、二級アミンから第三級アミン、及び一級、二級、又は三級アミンから四級アミンなど)を形成する部分が挙げられるが、これらに限定されない。好適な反応性部分としては、アルコールと反応してカーボネート、カルバメート、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル、又はエーテルを形成する部分も挙げられるが、これらに限定されない。好適な反応性部分としては、スルフヒドリル(チオール)と反応して、チオカーボネート、チオカーバメートなどを形成する部分も挙げられるが、これらに限定されない。好適な反応性部分としては、以下に示されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0139】
上記の構造では、添字nは0又は1である。nが1のとき、上記の基とアミンとの反応はカーバメートを形成し、アルコールとの反応はカーボネートを形成する。nが0のとき、アミンとの反応生成物はカルボン酸アミドであり、アルコールとの反応生成物はカルボン酸エステルである。スルホン酸エステル及びアミドの形成に好適な同様の基は当業者に周知されている。同様に、ハロゲン化アルキル及びアルキルトシレートは、アミンと反応してより高次のアミンを形成し得る反応性基、又はアルコールと反応してエーテルを形成し得る反応性基を代表する。
【0140】
反応性部分として使用され得るより多くの従来の基に加えて、反応性染料のための固定基として使用されてきた多くの特殊な求電子性部分のいずれもが、有益に利用され得る。反応性染料は、反応性部分と共有結合した染料発色団からなる。これらの反応性部分は、求核性部分(例えば、一級及び二級アミン)と反応して、好ましくは置換又は付加反応によって共有結合を形成する。
【0141】
この種の反応性部分は、好ましくは、複素環式反応性部分及びスルホオキシエチルスルホニル反応性基(−SO
2CH
2CH
2OSO
3Na)から選択される。複素環式反応性部分は、好ましくは、別の化合物の求核性部分(例えば、一級アミン及び二級アミン)と反応して共有結合を形成する、ハロゲン又はアンモニウムに結合した窒素含有芳香環である。これらの複素環式反応性部分は、塩素又はフッ素等のハロゲンを含有することが好ましい。好ましい実施形態では、反応性部分は、好ましくはスルホオキシエチルスルホニル部分、ビニルスルホニル部分、ハロトリアジニル部分、四級アンモニウムトリアジニル部分、ハロピリミジニル部分、ハロピリダジニル部分、ハロキノキサリニル部分、ハロフタラジニル部分、ブロモアクリアミジル(bromoacrlyamidyl)部分、及びベンゾチアゾリル部分からなる群から選択される。より好ましいヘテロ環式反応性部分は、ジクロロトリアジニル、ジフルオロクロロピリミジン、モノフルオロトラジニル、モノフルオロクロロトラジニル(monofluorotrazinyl)、ジクロロキノキサリン、ジフルオロトリアジン、モノクロロトリアジニル、及びトリクロロピリミジンである。
【0142】
特に好ましいヘテロ環反応性部分は、以下のものであり、
【0143】
【化11】
式中R
1H又はアルキルから選択され、好ましくはHであり、XはF又はClから選択され、X=Clである場合、Z
1は−Cl、−NR
2R
3、−OR
2、−SO
3Naから選択され、X=Fのとき、Z
1は、−NR
2R
3から選択され、R
2及びR
3は独立してH、アルキル、及びアリール基から選択される。アリール基は、好ましくはフェニルであり、好ましくは−SO
3Na、又は−SO
2CH
2CH
2OSO
3Naで置換されている。アルキル基は、好ましくはメチル又はエチルである。フェニル基は、好ましくは分子量が200未満の好適な非荷電有機基で更に置換されてもよい。好ましい基としては、−CH
3、−C
2H
5、及び−OCH
3が挙げられる。アルキル基は、好ましくは分子量が200未満の好適な非荷電有機基で更に置換されてもよい。好ましい基としては、−CH
3、−C
2H
5、−OH、−OCH
3、−OC
2H
4OHが挙げられる。最も好ましいヘテロ環式反応性部分は、以下から選択され、
【0144】
【化12】
式中、m=1又は2、好ましくは1である。
【0145】
別の態様では、反応性部分は、以下からなる群から選択され、
【0146】
【化13】
式中R
3は−OSO
3X、−OSO
3、又は−Clであり、R
4及びR
5は独立して−Cl及び−Brから選択され、R
1及びR
2は、独立して−Cl、−F、及び以下から選択されるラジカルから選択され、
【0147】
【化14】
ここで、R
10はH、−CO
2Xから選択され、Xは水素、又はアルカリ若しくはアルカリ土類金属若しくはアンモニウムのカチオンである。
【0148】
一態様では、反応性ロイコ化合物は、2つ以上、好ましくは2つ又は3つの反応性部分を含む。このような実施形態では、反応性部分は、同じであっても異なっていてもよい。
【0149】
洗濯ケア組成物中に存在するロイコポリマーは、本発明の先の実施形態に関連して上記で説明したロイコポリマーのいずれかであってよい。ロイコポリマーは、任意の好適な量で洗濯ケア組成物中に存在してよい。一態様では、洗濯ケア組成物は、約0.001重量%〜約2.0重量%、好ましくは約0.05重量%〜約0.2重量%のロイコポリマーを含む。このような実施形態では、洗濯ケア組成物は、約2重量%〜約70重量%の界面活性剤(単一の界面活性剤、又はより好ましくは以下に記載されるものから選択される界面活性剤の組み合わせ)を含み得る。
【0150】
洗濯ケア成分
界面活性剤系
本発明の製品は、約0.00重量%〜、より典型的には約0.10〜80重量%の界面活性剤を含んでもよい。一態様において、かかる組成物は、約5重量%〜50重量%の界面活性剤を含んでもよい。使用される界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、両向性(amphoteric)、両性(ampholytic)、双性イオン性、若しくはカチオン性の種類のものであってもよく、又はこれらの種類の界面活性剤の相溶性混合物を含んでもよい。布地ケア製品が洗濯洗剤である場合、アニオン性及び非イオン性界面活性剤が通常使用される。一方、布地ケア製品が布地柔軟剤である場合、カチオン性界面活性剤が通常使用される。
【0151】
アニオン性界面活性剤
有用なアニオン性界面活性剤は、それら自体がいくつかの異なるタイプのものであってよい。例えば、高級脂肪酸類の水溶性塩、すなわち「石鹸」は、本明細書の組成物において有用なアニオン性界面活性剤である。これは、約8〜約24個の炭素原子、又は更には約12〜約18個の炭素原子を含有する高級脂肪酸のナトリウム、カリウム、アンモニウム、及びアルキロールアンモニウム塩などのアルカリ金属石鹸を含む。石鹸は、油脂の直接鹸化によって、又は遊離脂肪酸の中和によって作製することができる。特に有用なものは、ココヤシ油及び獣脂から誘導される脂肪酸の混合物のナトリウム塩及びカリウム塩、すなわち、ナトリウム又はカリウムタロー及びココヤシ石鹸である。
【0152】
好ましいアルキルは、C8〜18のアルキルアルコキシル化サルフェート、好ましくはC12〜15のアルキル又はヒドロキシアルキルアルコキシル化サルフェートである。好ましくはアルコキシル化基はエトキシル化基である。典型的には、アルキルアルコキシル化サルフェートの平均アルコキシル化度は0.5〜30若しくは20、又は0.5〜10である。アルキル基は、分岐状又は直鎖状であり得る。アルコキシル化アルキルサルフェート界面活性剤はアルコキシル化アルキルサルフェートの混合物であってもよく、この混合物は、約12〜約30個の炭素原子の範囲内の平均(算術平均)炭素鎖長、又は約12〜約15個の炭素原子の平均炭素鎖長と、約1モル〜約4モルのエチレンオキシド、プロピレンオキシド、若しくはこれらの混合物の平均(算術平均)アルコキシル化度、又は約1.8モルのエチレンオキシド、プロピレンオキシド、若しくはこれらの混合物の平均(算術平均)アルコキシル化度と、を有する。このアルコキシル化アルキルサルフェート界面活性剤は、約10個の炭素原子〜約18個の炭素原子の炭素鎖長と、約0.1〜約6モルのエチレンオキシド、プロピレンオキシド、又はこれらの混合物のアルコキシル化度と、を有し得る。アルコキシル化アルキルサルフェートは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、又はこれらの混合物でアルコキシル化されてもよい。アルキルエーテルサルフェート界面活性剤は、ピークのあるエトキシレート分布を含んでもよい。具体例としては、ShellからのNEODOL(登録商標)アルコールから誘導されたC12〜C15のEO2.5サルフェート、C14〜C15のEO2.5サルフェート、及びC12〜C15のEO1.5サルフェート、並びにHuntsmanからの天然アルコールから誘導されたC12〜C14のEO3サルフェート、C12〜C16のEO3サルフェート、C12〜C14のEO2サルフェート、及びC12〜C14のEO1サルフェートが挙げられる。AESは直鎖状、分岐状、又はこれらの組み合わせであってよい。アルキル基は、Shellによる商品名Neodol(登録商標)、Sasolによる商品名Safol(登録商標)、Lial(登録商標)、及びIsalchem(登録商標)によって供給されるものなどの合成若しくは天然アルコール、又はココナッツ及びパーム核などの植物油から誘導されるミッドカット(midcut)アルコールから誘導することができる。別の好適なアニオン性洗浄界面活性剤は、C10〜C26直鎖又は分岐鎖、好ましくはC10〜C20直鎖、最も好ましくはC16〜C18直鎖アルキルアルコールと、2〜20、好ましくは7〜13、より好ましくは8〜12、最も好ましくは9.5〜10.5のエトキシレートと、を含むアルキルエーテルカルボキシレートである。ナトリウム又はアンモニウム塩などの酸形態又は塩形態を使用することができ、アルキル鎖は1つのシス又はトランス二重結合を含んでいてもよい。アルキルエーテルカルボン酸は、花王(Akypo(登録商標))、Huntsman(Empicol(登録商標))及びClariant(Emulsogen(登録商標))から入手可能である。
【0153】
他の有用なアニオン性界面活性剤は、アルキル基が約9〜約15個の炭素原子を直鎖(直線状)又は分枝鎖の構成で含有する、アルキルベンゼンスルホン酸塩のアルカリ金属塩を含むことができる。いくつかの例では、アルキル基は、直線状である。こうした直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、「LAS」として既知である。他の例では、直線状アルキルベンゼンスルホン酸塩は、アルキル基中に約11〜14個の平均炭素原子数を有してもよい。具体的な例では、直線状直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩は、アルキル基中約11.8個の炭素原子の平均炭素原子数を有し得、C11.8 LASと略称され得る。好ましいスルホン酸塩は、C10〜13アルキルベンゼンスルホン酸塩である。好適なアルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)は、市販の直線状アルキルベンゼン(LAB)をスルホン化することによって得ることができる。好適なLABとしては、Sasolにより商品名Isochem(登録商標)として供給されているもの又はPetresaにより商品名Petrelab(登録商標)として供給されているものなどの低2−フェニルLABが挙げられ、他の好適なLABとしては、Sasolにより商品名Hyblene(登録商標)として供給されているものなどの高2−フェニルLABが挙げられる。好適なアニオン性洗浄性界面活性剤は、DETAL触媒プロセスによって得られるアルキルベンゼンスルホン酸塩であるが、HFなどの他の合成経路が好適な場合もある。一態様では、LASのマグネシウム塩を用いる。本明細書に用いるのに好適なアニオン性スルホン酸塩界面活性剤としては、C8〜C18アルキル又はヒドロキシアルキルスルホン酸塩の水溶性塩、C11〜C18アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)、PCT国際公開特許WO99/05243号、同WO99/05242号、同WO99/05244号、同WO99/05082号、同WO99/05084号、同WO99/05241号、同WO99/07656号、同WO00/23549号、及び同WO00/23548号に記載される変性アルキルベンゼンスルホン酸塩(MLAS)、メチルエステルスルホネート(MES);及びα−オレフィンスルホネート(AOS)が挙げられる。これらはまた、10〜20炭素原子のパラフィンをスルホン化することによって得られる、モノスルホネート及び/又はジスルホネートであり得るパラフィンスルホネートを含む。スルホン酸塩界面活性剤としては、アルキルグリセリルスルホン酸塩界面活性剤も挙げられ得る。
【0154】
本発明のアニオン性界面活性剤は酸型で存在してもよく、当該酸型を中和して、本発明の洗剤組成物で使用するのに望ましい界面活性剤塩を形成することができる。典型的な中和剤としては、水酸化物(例えばNaOH又はKOH)などの金属対イオン塩基が挙げられる。これら酸型における、本発明の中和性アニオン性界面活性剤及び補助アニオン性界面活性剤又は共界面活性剤向けの更に好ましい薬剤としては、アンモニア、アミン、又はアルカノールアミンが挙げられる。アルカノールアミンが好ましい。好適な非限定的な例には、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、及び当該技術分野で既知の他の直鎖状若しくは分岐鎖状アルカノールアミンが挙げられ、例えば、かなり好ましいアルカノールアミンとしては、2−アミノ−1−プロパノール、1−アミノプロパノール、モノイソプロパノールアミン、又は1−アミノ−3−プロパノールが挙げられる。
【0155】
非イオン性界面活性剤
好ましくは、本発明の組成物は非イオン性洗浄性界面活性剤を含む。好適な非イオン性界面活性剤としては、アルコキシル化脂肪族アルコールが挙げられる。非イオン性界面活性剤は、式R(OC2H4)OHのエトキシル化アルコール及びエトキシル化アルキルフェノールから選択することができ、Rは、約8〜約15個の炭素原子を含有する脂肪族炭化水素ラジカル、及びアルキル基が約8〜約12個の炭素原子を含有するアルキルフェニルラジカルからなる群から選択され、nの平均値は約5〜約15である。本明細書で有用な非イオン性界面活性剤の他の非限定例としては、ShellからのNEODOL(登録商標)非イオン性界面活性剤などのC8〜C18アルキルエトキシレート、アルコキシレート単位がエチレンオキシ単位、プロピレンオキシ単位、又はこれらの混合物であり得るC6〜C12アルキルフェノールアルコキシレート、BASFからのPluronic(登録商標)などのエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマーとのC12〜C18アルコール及びC6〜C12アルキルフェノールの縮合体、C14〜C22中鎖分岐状アルコール(BA)、C14〜C22中鎖分岐状アルキルアルコキシレート(BAE
X(式中、xは1〜30である))、アルキル多糖類、具体的にはアルキルポリグリコシド、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、及びエーテルキャップ化ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤が挙げられる。具体的な例としては、ShellからのC12〜C15 EO7及びC14〜C15 EO7のNEODOL(登録商標)非イオン性界面活性剤と、HuntsmanからのC12〜C14 EO7及びC12〜C14 EO9のSurfonic(登録商標)非イオン性界面活性剤と、が挙げられる。
【0156】
極めて好ましい非イオン性界面活性剤は、ゲルベアルコールと、アルコール1モル当たり2〜18モル、好ましくは2〜15モル、より好ましくは5〜9モルのエチレンオキシドとの縮合生成物である。好適な非イオン性界面活性剤としては、BASFの商品名Lutensol(登録商標)を有するものが挙げられる。Lutensol XP−50は、平均で約5個のエトキシ基を含有するゲルベエトキシレートである。Lutensol XP−80、及び平均で約8個のエトキシ基を含有すること。本明細書で用いるのに好適な他の非イオン性界面活性剤としては、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、アルキルポリグルコシド、及び脂肪酸グルカミド、ゲルベアルコールベースのアルキルポリグルコシドが挙げられる。
【0157】
両向性界面活性剤(Amphoteric surfactant)
界面活性剤系は、アミンオキシドなどの両向性界面活性剤を含み得る。好ましいアミンオキシドは、アルキルジメチルアミンオキシド又はアルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、より好ましくはアルキルジメチルアミンオキシド、特にココジメチルアミンオキシドである。アミンオキシドは、直鎖又は中鎖分岐状アルキル部分を有し得る。
【0158】
両性界面活性剤(Ampholytic Surfactant)
界面活性剤系は、両性界面活性剤を含み得る。両性界面活性剤の特定の非限定的な例としては、二級若しくは三級アミンの脂肪族誘導体、又は脂肪族ラジカルが直鎖若しくは分岐鎖であり得る複素環式第二級及び三級アミンの脂肪族誘導体が挙げられる。その脂肪族置換基の1つは、少なくとも約8個の炭素原子、例えば約8〜約18個の炭素原子を含んでよく、少なくとも1つは、アニオン性水可溶化基、例えばカルボキシ、スルホン酸塩、硫酸塩を含む。両性界面活性剤の好適な例については、米国特許第3,929,678号の19欄目、18〜35行を参照されたい。
【0159】
双性イオン性界面活性剤
双性イオン性界面活性剤は当該技術分野において既知であり、一般的には、全体としては中性に荷電しているが、少なくとも1つの正に荷電した原子/基、及び少なくとも1つの負に荷電した原子/基を担持する界面活性剤を含む。双性イオン性界面活性剤の例としては、二級及び三級アミン誘導体、複素環式二級及び三級アミン誘導体、又は四級アンモニウム化合物、四級ホスホニウム化合物若しくは三級スルホニウム化合物の誘導体が挙げられる。双性イオン性界面活性剤類、アルキルジメチルベタイン及びココジメチルアミドプロピルベタインを含むベタイン、C
8〜C
18(例えば、C
12〜C
18)アミンオキシド、並びにN−アルキル−N,N−ジメチルアミノ−1−プロパンスルホネートなどのスルホ及びヒドロキシベタイン(ここでアルキル基は、C
8〜C
18、特定の実施形態ではC
10〜C
14であり得る)の例に関しては、米国特許第3,929,678号の第19欄38行目〜第22欄48行目を参照されたい。本発明で使用するのに好ましい双性イオン性界面活性剤は、ココアミドプロピルベタインである。
【0160】
カチオン性界面活性剤
カチオン性界面活性剤の例としては、最大で26個の炭素原子特定物を有し得る四級アンモニウム界面活性剤が挙げられる。更なる例としては、a)米国特許第6,136,769号に記載されているアルコキシレート四級アンモニウム(AQA)界面活性剤、b)米国特許第6,004,922号に記載されているジメチルヒドロキシエチル四級アンモニウム、c)参照により本明細書に組み込まれる、PCT国際公開特許第98/35002号、同第98/35003号、同第98/35004号、同第98/35005号、及び同第98/35006号に記載されているポリアミンカチオン性界面活性剤、d)参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第4,228,042号、同第4,239,660号、同第4,260,529号、及び同第6,022,844,号に記載のカチオン性エステル界面活性剤、並びに、e)参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,221,825号及びPCT国際公開特許第00/47708号に記載されているアミノ界面活性剤、及び具体的にはアミドプロピルジメチルアミン(APA)が挙げられる。有用なカチオン性界面活性剤には、米国特許第4,222,905号(Cockrell,1980年9月16日交付)、及び米国特許第4,239,659号(Murphy,1980年12月16日交付)に開示されるものも含まれ、これらの両方の文献も、参照により本明細書に援用される。第四級アンモニウム化合物は、布地柔軟剤などの布地増強組成物中に存在してもよく、正電荷を有する多原子イオンの構造NR
4+(Rはアルキル基又はアリール基)である第四級アンモニウムカチオンを含む。
【0161】
補助洗浄添加剤
本発明の洗浄組成物はまた、補助洗浄添加剤を含有してもよい。洗浄補助添加剤の正確な性質、及びこれの組み込み濃度は、洗浄組成物の物理形態、及びそれが使用される洗浄作業の正確な性質によって変化する。
【0162】
補助洗浄添加剤は、ビルダー、構造化剤又は増粘剤、粘土除去/再付着防止剤、高分子汚れ遊離剤、高分子分散剤、高分子グリース洗浄剤、酵素、酵素安定化系、漂白化合物、漂白剤、漂白活性剤、漂白触媒、増白剤、染料、色調剤、移染防止剤、キレート剤、抑泡剤、柔軟剤、及び香料からなる群から選択され得る。この補助洗浄添加剤の一覧は単に例示的なものであり、使用可能な補助洗浄添加剤の種類を限定するものではない。原則として、本発明では当該技術分野で既知の任意の補助洗浄添加剤を使用することができる。
【0163】
ポリマー
上記組成物は1つ以上のポリマーを含んでよい。その全てが任意で改質されてもよい非限定的な例としては、PCT国際公開特許第WO 2016/041676号に記載される、ポリエチレンイミン、カルボキシメチルセルロース、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピリジン−N−オキシド)、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリカルボキシレート、又はアルコキシル化置換フェノール(ASP)が挙げられる。ASP分散剤の例としては、Clariantから入手可能なHOSTAPAL BV CONC S1000が挙げられるがこれに限定されない。
【0164】
ポリアミンは、グリース、微粒子除去、又は汚れ除去のために使用され得る。多種多様なアミン及びポリアルキレンイミン(polyaklyeneimines)を様々な程度でアルコキシル化して疎水性又は親水性の洗浄を達成することができる。このような化合物としては、エトキシル化ポリエチレンイミン、エトキシル化ヘキサメチレンジアミン、及びこれらを硫酸化したものが挙げられるが、これらに限定されない。こうしたポリマーの有用な例は、BASFから入手可能なHP20、又は以下の一般構造を有するポリマーである。
ビス((C
2H
5O)(C
2H
4O)
n)(CH
3)−N+−C
xH
2x−N+−(CH
3)−ビス((C
2H
5O)(C
2H
4O)
n)(式中、nは20〜30、xは3〜8)又はその硫酸化若しくはスルホン化した変異体。ポリプロポキシル化−ポリエトキシル化両親媒性ポリエチレンイミン誘導体もまた、より高いグリース除去及び乳化を達成するために含まれてよい。これらは、好ましくは内側ポリエチレンオキシドブロック及び外側ポリプロピレンオキシドブロックを有するアルコキシル化ポリアルキレンイミンを含んでいてもよい。洗剤組成物はまた、向上した飲料染み除去に有用な未変性ポリエチレンイミンを含有してもよい。様々な分子量のPEIが、BASF Corporationから商品名Lupasol(登録商標)で市販されている。好適なPEIの例としては、Lupasol FG(登録商標)、Lupasol G−35(登録商標)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0165】
本発明の組成物は、高分子分散剤として有用なマレート/アクリレートランダムコポリマー又はポリアクリレートホモポリマーなどの1つ以上のカルボキシレートポリマーを含み得る。ポリアクリレートから調製されるものなどのアルコキシル化ポリカルボキシレートもまた、粘土分散性を提供するのに有用である。こうした材料はPCT国際公開特許第WO 91/08281号に記載されている。化学的に、これら物質は、7〜8個のアクリレート単位ごとに1つのエトキシ側鎖を有するポリアクリレートを含む。側鎖は、式−(CH
2CH
2O)
m(CH
2)
nCH
3(式中、mは、2〜3であり、nは、6〜12である)のものである。側鎖は、ポリアクリレート「主鎖」にエステル又はエーテル結合され、「櫛形」ポリマー型構造を提供する。
【0166】
好ましい両親媒性グラフトコポリマー(複数可)は、(i)ポリエチレングリコール主鎖と、(ii)ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つのペンダント部分と、を含む。両親媒性グラフトコポリマーの例は、BASFから供給されるSokalan HP22である。
【0167】
PCT国際公開特許第WO 2016/041676号に記載のアルコキシル化置換フェノールもまた、粘土分散性を提供するポリマーの好適な例である。Clariantから入手可能なHostapal BV Conc S1000,は、ASP分散剤の非限定的な一例である。
【0168】
好ましくは、本発明の組成物は、一種以上の汚れ遊離ポリマーを含む。好適な汚れ遊離ポリマーは、Repel−o−texポリマー(例えば、Rhodiaにより供給されているRepel−o−tex SF、SF−2及びSRP6)などのポリエステル汚れ遊離ポリマーである。他の好適な汚れ遊離ポリマーとしては、Clariantより供給されるTexcare SRA100、SRA300、SRN100、SRN170、SRN240、SRN260、SRN300、及びSRN325を含むTexcareポリマーなどが挙げられる。他の好適な汚れ遊離ポリマーは、Sasolより供給される、Marloquest SL、HSCB、L235M、B、G82を含むMarloquestポリマーである。他の好適な汚れ遊離ポリマーとしては、米国特許第9,365,806号に記載されるメチルキャップされたエトキシル化プロポキシル化汚れ遊離ポリマーが挙げられる。
【0169】
好ましくは、本発明の組成物は、特にカルボキシメチルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース、スルホエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルキシログルカン、カルボキシメチルキシラン、スルホエチルガラクトマンナン、カルボキシメチルガラクトマンナン、ヒドロキシエチルガラクトマンナン、スルホエチルデンプン、カルボキシメチルデンプン、及びこれらの混合物から選択され得る1つ以上の多糖を含む。本発明に用いるのに好適な他の多糖はグルカンである。好ましいグルカンは、グリコシド結合(すなわち、グルコシド結合)によって一体に結合されたグルコースモノマー単位を含むポリマーであり、グリコシド結合の少なくとも約50%はα−1,3−グリコシド結合である、ポリα−1,3−グルカンである。ポリα−1,3−グルカンは多糖類の一種である。ポリα−1,3−グルカンは、例えばその全てが参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,000,000号、並びに米国特許出願公開第2013/0244288号及び同第2013/0244287号に記載されるものなどの1つ以上のグルコシルトランスフェラーゼ酵素を使用して、スクロースから酵素的に産生することができる。
【0170】
本発明の組成物に使用するための他の好適な多糖類は、カチオン性多糖類である。カチオン性多糖類の例としては、カチオン性グアーガム誘導体、四級窒素含有セルロースエーテル、及びエーテル化セルロースと、グアーと、デンプンとのコポリマーである合成ポリマーが挙げられる。使用される場合、本明細書におけるカチオン性ポリマーは、組成物に可溶性であるか、又は上述のカチオン性ポリマー、並びにアニオン性、両向性及び/又は双性イオン性界面活性剤成分によって形成される組成物中の複合コアセルベート相に可溶性であるかのいずれかである。好適なカチオン性ポリマーは、米国特許第3,962,418号、同第3,958,581号、及び米国特許出願公開第2007/0207109A1号に記載のものが挙げられ得る。
【0171】
ポリマーは、他の洗剤原材料の付着助剤としても機能し得る。好ましい付着助剤は、カチオン性及び非イオン性ポリマーからなる群から選択される。好適なポリマーとしては、カチオンデンプン、カチオン性ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルホルムアルデヒド、ローカストビーンガム、マンナン、キシログルカン、タマリンドガム、ポリエチレンテレフタレート、並びに任意にアクリル酸及びアクリルアミドを含む群から選択される1つ以上のモノマーと共にジメチルアミノエチルメタクリレートを含有するポリマーが挙げられる。
【0172】
追加的アミン
ポリアミンは、グリース除去を改善することが知られている。性能のために好ましい環状及び直鎖アミンは、1,3−ビス(メチルアミン)−シクロヘキサン、4−メチルシクロヘキサン−1,3−ジアミン(BASFにより供給されるBaxxodur ECX 210)、1,3プロパンジアミン、1,6ヘキサンジアミン、1,3ペンタンジアミン(Invistaにより供給されるDytek EP)、2−メチル1,5ペンタンジアミン(Invistaにより供給されるDytek A)である。米国特許第6710023号は、少なくとも3つのプロトン化可能な(protonable)アミンを含有する上記のジアミン及びポリアミンを含有する食器手洗い用組成物を開示している。本発明のポリアミンは、洗浄pHよりも高い少なくとも1つのpKaを有し、少なくとも2つのpkaは約6を超え、洗浄pHよりも低い。好ましいポリアミンは、Dow、BASF、及びHuntmanから市販されるテトラエチレンペンタミン、ヘキサエチルヘキサミン、ヘプタエチルヘプタミン、オクタエチルオクタミン、ノネエチルノナミン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。特に好ましいポリエーテルアミンは、米国特許第9752101号、同第9487739号、同第9631163号に記載されるように親油性変性されている。
【0173】
移染防止剤(DTI)
本発明の組成物は、1つ以上の移染防止剤を含んでよい。本発明の一実施形態では、驚くべきことに、特定の染料に加えて、ポリマー移染防止剤を含む組成物は、性能が向上することを本発明者らは発見した。これは、驚くべきことに、ポリマー移染防止剤が染料の付着を防ぐためである。好適な移染防止剤としては、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールとのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン、及びポリビニルイミダゾール、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限らない。好適な例としては、Ashland Aqualon製のPVP−K15、PVP−K30、ChromaBond S−400、ChromaBond S−403E、及びChromabond S−100、並びにBASF製のSokalan HP165、Sokalan HP50、Sokalan HP53、Sokalan HP59、Sokalan(登録商標)HP56K、Sokalan(登録商標)HP66が挙げられる。その他の好適なDTIは、PCT国際公開特許第WO2012/004134号に記載されるとおりである。対象組成物に存在する場合、移染防止剤は、組成物の約0.0001重量%〜約10重量%、約0.01重量%〜約5重量%、更に又は約0.1重量%〜約3重量%の濃度で存在してよい。
【0174】
酵素
布地の洗濯の際に遊離する染料移行を防止するため、並びに布地を修復するための、タンパク質系、炭水化物系、又はトリグリセリド系の染みの基質からの除去を含む多様な目的のために、酵素を本洗浄組成物に含めてもよい。好適な酵素には、植物、動物、細菌、真菌、及び酵母起源質のような好適な起源物質からのプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、マンナナーゼ及びこれらの混合物が含まれる。本明細書に記載される洗浄組成物に用いられ得る他の酵素としては、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、エンドグルカナーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、アミラーゼ、グルコアミラーゼ、キシラナーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、βグルナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、若しくはこれらの混合物、エステラーゼ、マンナナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、及び/又はこれらの混合物が挙げられる。他の好適な酵素としては、ヌクレアーゼ酵素が挙げられる。本発明の組成物はヌクレアーゼ酵素を含み得る。ヌクレアーゼ酵素は、核酸のヌクレオチドサブユニット間のホスホジエステル結合を切断することができる酵素である。本明細書におけるヌクレアーゼ酵素は、好ましくは、デオキシリボヌクレアーゼ若しくはリボヌクレアーゼ酵素、又はこれらの機能的断片である。酵素の選択は、pH活性及び/又は安定性の最適条件、熱安定性、及び活性洗剤、ビルダーなどに対する安定性のような要因に影響される。
【0175】
酵素は、洗浄組成物の約0.0001重量%〜約5重量%の活性酵素濃度で洗浄組成物に組み込むことができる。酵素は、別個の単一成分として、又は2つ以上の酵素の混合物として、加えることができる。
【0176】
他の実施形態では、リパーゼが用いられ得る。リパーゼは、Novozymes(Denmark)から商品名Lipexで購入することができる。アミラーゼ(Natalase(登録商標)、Stainzyme(登録商標)、Stainzyme Plus(登録商標))は、Novozymes,Bagsvaerd,Denmarkにより供給され得る。プロテアーゼは、Genencor International(Palo Alto,Calif.,USA)(例えばPurafect Prime(登録商標))、又はNovozymes(Bagsvaerd,Denmark)(例えばLiquanase(登録商標)、Coronase(登録商標)、Savinase(登録商標))により供給され得る。他の好ましい酵素としては、好ましくは商品名Pectawash(登録商標)、Xpect(登録商標)、Pectaway(登録商標)で販売されるペクチン酸リアーゼ、並びに商品名Mannaway(登録商標)(全てNovozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark)製)、及びPurabrite(登録商標)(Genencor International Inc.(Palo Alto,California))で販売されているマンナナーゼが挙げられる。酵素材料の範囲、及びそれらの合成洗浄組成物への組み込みのための手段は、PCT国際公開特許第WO9307263A号、同第WO9307260A号、同第WO8908694A号、米国特許第3,553,139号、同第4,101,457号、及び同第4,507,219号に開示されている。液体洗浄組成物に有用な酵素材料、及びこうした組成物へのそれらの組み込みは、米国特許第4,261,868号に開示される。
【0177】
酵素安定化系
本明細書に記載されている酵素含有組成物は、任意に、該組成物の重量基準で、約0.001%〜約10%、いくつかの例では、約0.005%〜約8%、及び別の例では、約0.01%〜約6%の酵素安定化系を含んでもよい。酵素安定化系は、洗浄性酵素と適合性のある任意の安定化系であってよい。そのような系は、他の配合物活性物質によって本質的に提供されてもよく、又は洗剤に使用可能な酵素の配合者若しくは製造業者によって別個に添加されてもよい。そのような安定化系は、例えば、カルシウムイオン、ホウ酸、プロピレングリコール、短鎖カルボン酸、ボロン酸、塩素漂白剤捕捉剤及びこれらの混合物を含むことができ、洗浄組成物のタイプ及び物理形態に応じて様々な安定化問題に対処するように設計されている。ホウ酸塩系安定化剤の再検討には、米国特許第4,537,706号を参照されたい。
【0178】
キレート剤
好ましくは、本発明の組成物は、キレート剤及び/又は結晶成長阻害物質を含む。好適な分子としては、銅、鉄、及び/又はマンガンキレート剤、並びにこれらの混合物が挙げられる。好適な分子としては、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、サクシネート、これらの塩、及びこれらの混合物が挙げられる。本明細書に用いるのに好適なキレート剤の非限定的な例としては、エチレンジアミンテトラアセテート、N−(ヒドロキシエチル)エチレンジアミントリアセテート、ニトリロトリアセテート、エチレンジアミンテトラプロプリオネート、トリエチレンテトラアミンヘキサアセテート、ジエチレントリアミンペンタアセテート、エタノールジグリシン、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホネート)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(DTPMP)、エチレンジアミンジスクシネート(EDDS)、ヒドロキシエタンジメチレンホスホン酸(HEDP)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、及び1,2−ジイドロキシベンゼン(diydroxybenzene)−3,5−ジスルホン酸(タイロン)、これらの塩、並びにこれらの混合物が挙げられる。タイロン及び他のスルホン化カテコールもまた、有効な重金属キレート剤として用いられ得る。本発明で用いるキレート剤の他の非限定的な例は、米国特許第7445644号、同第7585376号、及び米国特許出願公開第2009/0176684(A1)号で見出される。本明細書に用いるのに好適な他のキレート剤は、市販のDEQUESTシリーズ、並びにMonsanto製、DuPont製、及びNalco,Inc.製のキレート剤である。
【0179】
増白剤
蛍光増白剤若しくはその他の増白剤、又は白化剤は、組成物の重量基準で、約0.01%〜約1.2%のレベルで本明細書に記載されている洗浄組成物に配合することができる。本明細書で使用できる市販の蛍光増白剤は、スチルベン、ピラゾリン、クマリン、カルボン酸、メチンシアニン、ジベンゾチフェン(dibenzothiphene)−5,5−ジオキシド、アゾール、5及び6員複素環、並びに他の様々な剤の誘導体が挙げられるが必ずしもこれらに限定されない副群に分類することができる。こうした増白剤の例は、「The Production and Application of Fluorescent Brightening Agents」(M.Zahradnik,John Wiley & Sons,New York(1982))に開示されている。本発明の組成物で有用であり得る蛍光増白剤の具体的な非限定例は、米国特許第4,790,856号、及び同第3,646,015号で特定されるものである。非常に好ましい増白剤としては、4,4’−ビス{[4−アニリノ−6−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ−s−トリアジン−2−イル]−アミノ}−2,2’−スチルベンジスルホン酸二ナトリウム、4,4’−ビス{[4−アニリノ−6−モルホリノ−s−トリアジン−2−イル]−アミノ}−2,2’−スチルベンジスルホネート、4,4”−ビス[(4,6ジ−アニリノ−s−トリアジン−2−イル)−アミノ]−2,2’−スチルベンジスルホン酸二ナトリウム、及び4,4’−ビス−(2−スルホスチリル)ビフェニル二ナトリウムが挙げられる。
【0180】
漂白剤
本発明の組成物は1つ以上の漂白剤を含むことが好ましい場合がある。好適な漂白剤としては、光漂白剤、過酸化水素、過酸化水素源、予形成過酸及びこれらの混合物が挙げられる。
(1)光漂白剤、例えば、スルホン化亜鉛フタロシアニン、スルホン化アルミニウムフタロシアニン、キサンテン染料及びこれらの混合物。
(2)予形成過酸:好適な予形成過酸としては、予形成ペルオキシ酸又はその塩、典型的には過カルボン酸及び塩、過炭酸及び塩、過イミド酸及び塩、ペルオキシ一硫酸及び塩、例えばOxone(登録商標)、並びにこれらの混合物からなる群から選択される化合物が挙げられるが、これらに限らない。好適な例としては、ペルオキシカルボン酸若しくはその塩、又はペルオキシスルホン酸若しくはその塩が挙げられる。特に好ましいペルオキシ酸はフタルイミド−ペルオキシ−アルカン酸、特に、ε−フタルイミドペルオキシヘキサン酸(PAP)である。好ましくは、ペルオキシ酸又はその塩の融点は30℃〜60℃の範囲である。
(3)過酸化水素源、例えば、過ホウ酸塩(通常、一水和物又は四水和物)、過炭酸塩、過硫酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩、及びこれらの混合物のナトリウム塩などのアルカリ金属塩を含む、無機過水和物の塩。
【0181】
布帛シェーディング染料
布帛シェーディング染料(色調剤、青味剤又は白色剤と呼ばれることもある)は、典型的には、青又は紫の色合いを布帛にもたらす。こうした染料(複数可)は当該技術分野で周知されており、単独又は組み合わせのいずれかで用いられて、特定の色相の濃淡を作り出す、及び/又は様々な種類の布地に濃淡をつけることができる。布帛シェーディング染料は、アクリジン、アントラキノン(多環式キノンを含む)、アジン、アゾ(例えば、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾ、テトラキスアゾ、ポリアゾ)、ベンゾジフラン、ベンゾジフラノン、カロテノイド、クマリン、シアニン、ジアザヘミシアニン、ジフェニルメタン、ホルマザン、ヘミシアニン、インジゴイド、メタン、ナフタルイミド、ナフトキノン、ニトロ、ニトロソ、オキサジン、フタロシアニン、ピラゾール、スチルベン、スチリル、トリアリールメタン、トリフェニルメタン、キサンテン及びこれらの混合物を含むがこれらに限定されない、当該技術分野において既知の任意の化学分類の染料から選択することができる。本発明の洗濯ケア組成物中に存在する補助布帛シェーディング染料の量は、典型的には、全洗浄組成物の0.0001〜0.05重量%、好ましくは0.0001〜0.005重量%である。洗浄液に基づいて、布帛シェーディング染料の濃度は、典型的には1ppb〜5ppm、好ましくは10ppb〜500ppbである。
【0182】
好適な布帛シェーディング染料としては、小分子染料、ポリマー染料、及び染料−粘土共役体が挙げられる。好ましい布帛シェーディング染料は、小分子染料及び高分子染料から選択される。好適な小分子染料を、カラーインデックス(C.I.,Society of Dyers and Colourists,(Bradford,UK))分類の酸性染料、直接染料、塩基性染料、反応染料、溶剤染料、又は分散染料に該当する染料からなる群から選択することができる。
【0183】
好適なポリマー染料としては、共有結合した(共役したと称することもある)色原体(染料ポリマー共役体としても知られるもの)を含有するポリマー、例えば、ポリマーの主鎖中に共重合した色原体モノマーを有するポリマー及びこれらの混合物からなる群から選択される染料が挙げられる。好ましいポリマー染料は、アルコキシル化トリフェニルメタンポリマー着色剤、アルコキシル化炭素環アゾ着色剤、及びアルコキシル化チオフェンポリマー着色剤をはじめとするアルコキシル化複素環アゾ着色剤、並びにこれらの混合物などの任意に置換されたアルコキシル化染料を含み、Liquitint(登録商標)(Milliken,Spartanburg,(South Carolina,USA))の名称で販売の布地染色性着色剤(fabric-substanive colorants)などがある。
【0184】
好適な染料クレイ共役体としては、少なくとも1つのカチオン染料/塩基性染料及びスメクタイトクレイを含む群から選択される染料クレイ共役体が挙げられ、好ましいクレイは、モンモリロナイトクレイ、ヘクトライトクレイ、サポナイトクレイ及びこれらの混合物からなる群から選択されるものでよい。
【0185】
顔料は当該技術分野で周知されており、これも本明細書の洗濯ケア組成物に使用することができる。好適な顔料としては、C.I Pigment Blues 15〜20、特に15及び/又は16、C.I.Pigment Blue 29、C.I.Pigment Violet 15、Monastral Blue並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0186】
ビルダー
本発明の洗浄組成物は、任意に、ビルダーを含んでもよい。
【0187】
アルミノシリケート及びシリケートから選択されるビルダーは、洗浄水中の鉱物硬度の制御を助け、又は表面からの微粒子汚れの除去を助ける。好適なビルダーは、リン酸塩、ポリリン酸塩、特にそのナトリウム塩、炭酸塩、重炭酸塩、セスキ炭酸塩、及び炭酸ナトリウム又はセスキ炭酸塩以外の炭酸塩鉱物;有機モノ−、ジ−、トリ−、及びテトラカルボキシレート、特に、酸、ナトリウム、カリウム、又はアルカノールアンモニウム塩形態の水溶性非界面活性剤カルボキシレート、並びに脂肪族及び芳香族の種類を含むオリゴマー又は水溶性低分子量ポリマーカルボキシレート、並びにフィチン酸からなる群から選択され得る。これらは、例えば、pH緩衝化の目的のためのホウ酸塩によって、又は硫酸塩、とりわけ硫酸ナトリウム、及び安定な界面活性剤及び/又はビルダー含有洗浄組成物の工学に重要となり得る任意の他の充填剤又はキャリアによって補完されてもよい。
【0188】
pH緩衝系
本発明の組成物はまた、pH緩衝系を含んでもよい。本明細書の洗浄組成物は、水性洗浄操作における使用中に、洗浄水のpHが約6.0〜約12、いくつかの実施例では約7.0〜11となるように配合することができる。推奨される使用レベルでpHを制御する技法としては、緩衝剤、アルカリ、酸の使用が挙げられ、これらは当業者には周知である。これらとしては、炭酸ナトリウム、クエン酸、又はクエン酸ナトリウム、モノエタノールアミン又は他のアミン、ホウ酸又はホウ酸塩、及び当該技術分野において既知の他のpH調整化合物の使用が挙げられるがこれらに限定されない。本明細書の洗浄組成物は、クエン酸の放出を遅延させることにより、動的な洗浄中pHプロファイルを含むことができる。
【0189】
構造化剤/増粘剤
構造化液体は、内部的に構造化することによって、一次成分(例えば界面活性剤材料)によってその構造を形成することも、及び/又は、二次成分(例えば、ポリマー、粘土、及び/又はケイ酸塩材料)を用いて、三次元マトリックス構造をもたらすことによって、外部的に構造化することもできる。本発明の組成物は、組成物の重量に基づき約0.01%〜約5%の構造化剤、及びいくつかの例では、組成物の重量に基づき約0.1%〜約2.0%の構造化剤を含み得る。構造化剤は、ジグリセリド及びトリグリセリド、ジステアリン酸エチレングリコール、微結晶セルロース、セルロース系物質、マイクロファイバーセルロース、バイオポリマー、キサンタンガム、ジェランガム、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。いくつかの実施例において、好適な構造化剤としては、硬化ヒマシ油、及びその非エトキシル化誘導体が挙げられる。他の好適な構造化剤は、米国特許第6,855,680号に開示されている。このような構造化剤は、ある範囲のアスペクト比を有する糸様構造系を有する。更なる好適な構造化剤、及びそれらの構造化剤を作製するプロセスは、PCT国際公開特許第2010/034736号に記載されている。
【0190】
抑泡剤
泡の形成を低減又は抑制するための化合物を、本明細書に記載の洗浄組成物に組み込むことができる。抑泡制は、米国特許第4,489,455号及び同第4,489,574号に記載されているようないわゆる「高濃度洗浄プロセス」において、そしてフロントローディング方式の洗濯機において、特に重要である可能性がある。
【0191】
広範な材料を抑泡剤として使用することができ、抑泡剤は当業者に周知である。例えば、Kirk Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第3版、第7巻、430〜447頁(John Wiley & Sons,Inc.、1979年)を参照されたい。抑泡剤の例としては、モノカルボン脂肪酸及びその中の可溶性塩、パラフィンなどの高分子量炭化水素、脂肪酸エステル(例えば脂肪酸トリグリセリド)、一価アルコールの脂肪酸エステル、脂肪族C18〜C40ケトン(例えばステアロン(stearone))、N−アルキル化アミノトリアジン、好ましくは約100℃未満の融点を有するろう質炭化水素、シリコーン抑泡剤、及び二級アルコールが挙げられる。抑泡剤は、米国特許第2,954,347号、同第4,075,118号、同第4,265,779号、同第4,265,779号、同第3,455,839号、同第3,933,672号、同第4,652,392号、同第4,978,471号、同第4,983,316号、同第5,288,431号、同第4,639,489号、同第4,749,740号、及び同第4,798,679号に記載されている。
【0192】
本明細書の洗浄組成物は、組成物の0重量%〜約10重量%の抑泡剤を含んでもよい。抑泡剤として利用する場合、モノカルボキシル脂肪酸及びその塩は、洗浄組成物の最大約5重量%、及び一部の例では、洗浄組成物の約0.5重量%〜約3重量%の量で存在することができる。シリコーン抑泡剤は、最大で洗浄組成物の約2.0重量%の量で使用され得るが、より多い量を使用することもできる。モノステアリルホスフェート抑泡剤は、洗浄組成物の約0.1重量%〜約2重量%の範囲の量で利用することができる。炭化水素抑泡剤は、洗浄組成物の約0.01重量%〜約5.0重量の範囲の量で利用することができるが、より多い量を使用してもよい。アルコール抑泡剤は、洗浄組成物の約0.2重量%〜約3重量%で使用することができる。
【0193】
増泡剤
高い起泡性が望まれる場合、C10〜C16アルカノールアミドなどのこうした増泡剤を、洗浄組成物の約1重量%〜約10重量%で洗浄組成物に組み込むことができる。いくつかの例としては、C10〜C14モノエタノール及びジエタノールアミドが挙げられる。所望の場合、更なる泡をもたらして、グリース除去性能を高めるために、MgCl
2、MgSO
4、CaCl
2、CaSO
4などの水溶性マグネシウム及び/又はカルシウム塩を、洗浄組成物の約0.1重量%〜約2重量%のレベルで加えてもよい。
【0194】
充填剤及びキャリア
本明細書において記載されている洗浄組成物に、充填剤及びキャリアを用いてもよい。本明細書において使用する場合、用語「充填剤」及び「担体」は、同じ意味を有し、互換的に使用できる。液体洗浄組成物、及び液体成分を含む他の形態の洗浄組成物(液体含有単位用量の洗浄組成物など)は、水及び他の溶媒を充填剤又はキャリアとして含有してもよい。メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、及びフェノキシエタノールによって例示される低分子量の一級又は二級アルコールが好適である。いくつかの例では、一価アルコールは、界面活性剤を可溶化するために用いられてもよく、並びに2〜約6個の炭素原子及び2〜約6個のヒドロキシ基を含有するものなどのポリオール(例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2,3−ブタンジオール、エチレングリコール、及びグリセリンが用いられてもよい)。アミン含有溶媒もまた使用してよい。
【0195】
使用方法
本発明は、布地を白化するための方法を含む。消費者への販売に好適であるコンパクトな流体洗剤組成物は、洗濯前処理用途、洗濯洗浄用途、及びホームケア用途での使用に好適である。こうした方法としては、洗剤組成物をニート形態で、又は洗浄液中で希釈して、汚れていても汚れていなくてもよい布地の少なくとも一部分と接触させ、次いで任意に布地をすすぐ工程が挙げられるが、これに限定されない。任意のすすぎ工程の前に、布地材料を洗浄工程に供してもよい。機械洗濯の方法は、本発明による有効量の機械洗濯洗剤組成物を溶解又は分散した洗濯機中で汚れた洗濯物を水性洗浄溶液で処理することを含み得る。洗剤組成物の「有効量」とは、約5L〜約65Lの体積の洗浄溶液中に溶解又は分散された約20g〜約300gの製品を意味する。水温は、約5℃〜約100℃の範囲であってもよい。水と汚れた材料(例えば、布地)との比率は、約1:1〜約30:1であってもよい。本発明の組成物は、溶液中約500ppm〜約15,000ppmの濃度で使用され得る。布地洗濯組成物の文脈では、使用濃度は、汚れ及び染みの種類及び激しさだけでなく、洗浄水の温度、洗浄水の容量、及び洗濯機の種類(例えば、上側投入式、前側投入式、垂直軸型日本式自動洗濯機)に応じても変化し得る。
【0196】
本明細書の洗剤組成物は、低下した洗浄温度で布地を洗濯するために使用され得る。布地を洗濯するこれらの方法は、洗濯洗剤組成物を水に送達して洗浄液を形成し、洗濯する布地を上記の洗浄液に加える工程を含み、ここで洗浄液は、約0℃〜約20℃、又は約0℃〜約15℃、又は約0℃〜約9℃の温度を有する。洗濯洗剤組成物を水と接触させる前、又は後、又はそれと同時に、布地を水に接触させてもよい。別の方法としては、洗剤組成物を含浸させた不織布基材を汚れた材料と接触させることを含む。本明細書で使用するとき、「不織布基材」は、適した坪量、キャリパー(厚み)、吸収性、及び強度特性を有する任意の従来式の不織布シート又はウェブを含み得る。好適な市販の不織布基材の非限定的な例としては、DuPontより商品名SONTARA(登録商標)及びJames River Corpより商品名POLY WEB(登録商標)で市販されているものが挙げられる。
【0197】
手洗浄/浸漬方法、及び手洗浄と半自動洗浄機との組み合わせもまた含まれる。
【0198】
組成物の包装
本明細書に記載の洗浄組成物は、紙、厚紙、プラスチック材料、及び任意の好適な積層体から製造されるものを含む任意の好適な容器中にパッケージ化することができる。任意のパッケージングの種類は欧州出願第94921505.7号に記載されている。
【0199】
多区画パウチ
本明細書に記載される洗浄組成物は、多区画洗浄組成物として包装することもできる。
【0200】
他の添加剤成分
多種多様なその他の成分が本明細書の洗浄組成物中で使用されてもよく、その他の成分としては、例えば、他の活性成分、キャリア、ヒドロトロープ、加工助剤、染料又は顔料、液体配合物用溶媒、固体又は他の液体充填剤、エリトロシン、コロイド状(colliodal)シリカ、ろう、プロバイオティクス、サーファクチン(surfactin)、アミノセルロース系ポリマー、リシノール酸亜鉛、香料マイクロカプセル、ラムノリピド(rhamnolipds)、ソホロリピッド、グリコペプチド、メチルエステルエトキシレート、スルホン化エストリド、開裂性界面活性剤、バイオポリマー、シリコーン、変性シリコーン、アミノシリコーン、付着助剤、ヒドロトロープ(特にクメンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、及びナファレン(naphalene)塩)、PVA粒子封入染料又は香料、真珠光沢剤、発泡剤、色調変更系、シリコーンポリウレタン、乳白剤、錠剤崩壊剤、バイオマス充填剤、高速乾燥シリコーン、グリコールジステアレート、デンプン香料封入、炭化水素油を含む乳化油、ポリオレフィン、並びに脂肪酸エステル、ビスフェノール抗酸化剤、微細繊維セルロース構造化剤、プロ香料、スチレン/アクリレートポリマー、トリアジン、石鹸、スーパーオキシドジスムターゼ、ベンゾフェノンプロテアーゼ阻害剤、官能化TiO2、ジブチルホスフェート、シリカ香料カプセル、並びに他の補助成分、コリンオキシダーゼ、トリアリールメタンブルー及びバイオレット塩基性染料、メチンブルー及びバイオレット塩基性染料、アントラキノンブルー及びバイオレット塩基性染料、アゾ染料ベーシックブルー16、ベーシックブルー65、ベーシックブルー66、ベーシックブルー67、ベーシックブルー71、ベーシックブルー159、ベーシックバイオレット19、ベーシックバイオレット35、ベーシックバイオレット38、ベーシックバイオレット48、オキサジン染料、ベーシックブルー3、ベーシックブルー75、ベーシックブルー95、ベーシックブルー122、ベーシックブルー124、ベーシックブルー141、ナイルブルーA及びキサンテン染料ベーシックバイオレット10、アルコキシル化トリフェニルメタンポリマー着色剤、アルコキシル化チオペン(thiopene)ポリマー着色剤、チアゾリウム染料、雲母、二酸化チタンコーティング雲母、オキシ塩化ビスマス、並びに他の活性物質が挙げられる。
【0201】
抗酸化剤。本発明の組成物は、任意で組成物中に存在する抗酸化剤を約0.001〜2重量%含有してもよい。好ましくは、抗酸化剤は、0.01〜0.08重量%の範囲の濃度で存在する。抗酸化剤の混合物が使用されてもよい。
【0202】
本発明で使用される抗酸化剤の1部類は、アルキル化フェノールである。ヒンダードフェノール化合物は、この式を有するアルキル化フェノールの好ましい種類である。この種の好ましいヒンダードフェノール化合物は、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)である。
【0203】
更に、組成物に使用される抗酸化剤は、α−、β−、γ−、δ−−トコフェロール、エトキシキン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、2,6−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、tert−ブチルヒドロキシアニソール、リグノスルホン酸及びこれらの塩、並びにこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0204】
本明細書に記載の洗浄組成物はまた、水溶性ビタミン及びその誘導体、水溶性アミノ酸並びにその塩及び/又は誘導体、水不溶性アミノ酸粘度調整剤などのビタミン及びアミノ酸、染料、不揮発性溶媒又は希釈剤(水溶性及び非水溶性)、真珠光沢助剤、殺シラミ剤(pediculocide)、pH調整剤、防腐剤、皮膚活性剤、日焼け止め、UV吸収剤、ナイアシンアミド、カフェイン、並びにミノキシジルを含有し得る。
【0205】
本発明の洗浄組成物は、C.I.名を有するような水溶性成分を含め、ニトロソ、モノアゾ、ジスアゾ、カロテノイド、トリフェニルメタン、トリアリールメタン、キサンテン、キノリン、オキサジン、アジン、アントラキノン、インジゴイド、チオンインジゴイド、キナクリドン、フタロシアニン(phthalocianine)、植物着色料、及び天然着色料等の顔料材も含んでよい。
【0206】
本発明の洗浄組成物は、また、抗菌剤を含有してもよい。カチオン性活性成分としては、n−アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロリド、ジデシルジメチルアンモニウムクロリドなどのジアルキルジメチル四級アンモニウム化合物、N,N−ジデシル−Nメチル−ポリ(オキシエチル)アンモニウムプロピオネート、ジオクチルジデシルアンモニウムクロリドを挙げることができ、更に、塩化ベンゼトニウムなどの四級種、及びジアルキルジメチルアンモニウムカーボネートを含む臭素、炭酸塩、又はその他の成分などの無機又は有機対イオンを有する四級アンモニウム化合物、並びにクロルヘキシジングルコネートなどの抗菌性アミン、PHMB(ポリヘキサメチレンビグアニド)、ビグアニドの塩、置換ビグアニド誘導体、四級アンモニウム含有化合物の有機塩若しくは四級アンモニウム含有化合物の無機塩、又はこれらの混合物も挙げられるが、これらに限定されない。
【0207】
一態様では、任意に上記表面又は布地を洗浄及び/又はすすぐ工程と、当該表面又は布地を本明細書に開示する任意の組成物と接触させ、次いで、任意に当該表面又は布地を洗浄及び/又はすすぐ工程とを含むこのような方法を、任意の乾燥工程と共に開示する。
【0208】
このような表面又は布地の乾燥工程は、家庭環境又は工業環境のいずれかで採用される、一般的な手段の任意の1つにより実行することができる。布地は、一般消費者又は施設の使用条件で洗濯可能な任意の布地を含んでいてよく、また本発明は、セルロース基質に好適であり、一部の態様ではポリエステル及びナイロンなどの合成織物、並びに合成及びセルロース系布地及び/若しくは繊維を含む混紡布地並びに/又は繊維の処理にも好適である。合成布地の例は、ポリエステル、ナイロンであり、これらは、セルロース系繊維、例えば、ポリコットン布地との混合物中に存在し得る。溶液のpHは、典型的には、7〜11、より一般的には、8〜10.5である。本発明の組成物は、典型的には、溶液中500ppm〜5,000ppmの濃度で使用される。水温は、典型的には約5℃〜約90℃の範囲である。水の布地に対する比は、典型的には、約1:1〜約30:1である。
【0209】
更なる実施形態では、本発明は、織物材料を処理する家庭用方法を提供し、その方法は、(a)ロイコポリマーの水溶液で織物材料を処理する工程と、(b)任意に、織物材料をすすぐ工程と、(c)任意に、織物材料を乾燥させる工程と、を含む。
【0210】
家庭用処理法で用いられるロイコポリマーは、本発明の先の実施形態に関連して上記で説明したロイコポリマーのいずれかであってよい。ロイコポリマーは、任意の好適な量で水溶液中に存在してよい。一態様では、水溶液は、ロイコポリマーを約10ppb〜約5,000ppm、好ましくは約50ppb〜約2ppm含む。こうした実施形態では、水溶液は、0.0g/L〜約6g/L、好ましくは約0.2g/L〜約4g/Lの量の界面活性剤を更に含み得る。更に、家庭用処理法で使用される水溶液は、上記の洗濯ケア組成物のいずれかと好適な量の水とを組み合わせることによって調製することができる。家庭用処理法は、シンク又は家庭用衣類洗濯機などの任意の好適な装置で実施することができる。
【0211】
以下の実施例は上述した主題を更に例示するが、当然のことながら、これらはその範囲を限定するいかなる様にも解釈されるべきではない。
【実施例】
【0212】
ロイコモノマーの調製
【0213】
【化15】
【0214】
ロイコアルコール3:メタノール(25mL)中の4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンズヒドロール((1)(0.27g、1.0mmol)、2−(メチルフェニルアミノ)エタノール(2)(0.18g、1.2mmol)、及びp−トルエンスルホン酸(pTSA)一水和物(0.76g、4mmol)の溶液をDean−Starkトラップを用いた還流下で9時間撹拌する。混合物を塩化メチレンで希釈し、重炭酸ナトリウム水溶液で3回洗浄する。有機層を無水MgSO
4上で乾燥させて濾過する。濾液を減圧下で濃縮して残留物を得、これをシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(1:1の酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、ロイコアルコール中間体3を得る。
【0215】
ロイコCMCポリマーの調製
【0216】
【化16】
【0217】
ロイコCMCポリマー4:乾燥トルエン(10mL)及びジホスゲン(0.4g、2.0mmol)の溶液を氷浴中で0〜5℃に冷却する。中間体3(1.05g、2.55mmol)及びトリエチルアミン(0.77g、7.65mmol)の乾燥トルエン(15mL)中の溶液を15分かけてジホスゲン溶液に滴下添加し、温度を<5℃に維持する。反応混合物を0〜5℃で4時間反応させ、その後、終夜室温に温めておく。トルエンをロトバップで除去して乾燥させる。乾燥した材料を乾燥THF(10mL)に溶解し、50℃のFinnfix(登録商標)6G(0.5g、2.6mmol)及びトリエチルアミン(0.26g、2.6mmol)のTHF(15mL)溶液に添加する。完全添加後、反応温度を50℃で2時間維持する。反応完了後、固体を濾過してロイコCMCポリマー4を得る。
【0218】
試験方法
本明細書の試験方法で使用される布地スワッチは、Testfabrics,Inc.(West Pittston,PA)から入手され、100%綿、スタイル403(2インチ×2インチに切断)及び/又はスタイル464(4インチ×6インチに切断)、並びに増白されてない多繊維布地、具体的にはスタイル41(5cm×10cm)である。
【0219】
乾燥布地スワッチ上のL
*、a
*、b
*、K/S、及び白色度指数(WI CIE)値を含む全ての反射スペクトル及び色測定は、4つの分光光度計(1)Konica−Minolta 3610d反射分光光度計(Konica Minolta Sensing Americas,Inc.(Ramsey,NJ,USA);D65照明、10度観察者、紫外線除外)、(2)LabScan XE反射分光光度計(HunterLabs(Reston,VA)、D65照明、10度観察者、紫外線除外)、(3)Color−Eye(登録商標)7000A(GretagMacbeth(New Windsor,NY,USA);D65照明、紫外線除外)、又は(4)Color i7分光光度計(X−rite,Inc.(Grand Rapids,MI,USA)D65光、紫外線除外)の1つを用いて行われる。測定は、より小さい内部複製(例えば、2インチ×2インチのスタイル403)の積層、又はより大きい布地スワッチ(例えば、4インチ×6インチのスタイル464)の折り畳みによって得られる、2層の布地を使用して実施される。
【0220】
特に指示がない限り、布地が照射を受ける場合、指定された乾燥後の布地は、最大キャビネット温度が37℃、ブラックパネル(BPTブラックパネル形状)温度が57℃、及び35% RH(相対湿度)に設定されたType S Borosilicateホウケイ酸塩内部(部品番号20277300)及び外部(部品番号20279600)フィルタを備えたAtlas Xenon Fade−Ometer Ci3000+(Atlas Material Testing Technology(Mount Prospect,Illinois,USA))内で、420nmで放射照度0.77W/m
2の模擬太陽光に曝露される。別途記載のない限り、照射は、規定の時間にわたり連続的である。
【0221】
I.洗浄溶液からのロイコ化合物効率の測定方法
使用前の綿スワッチ(スタイル403)を、49℃の増白剤なし重質液体洗濯洗剤(水溶液中で1.55g/L)で2回洗浄することによってストリップする。試験対象の各ロイコ化合物の濃縮原液を、エタノール、又は50:50エタノール:水から選択される溶媒、好ましくはエタノール中で調製する。
【0222】
増白剤なしの重質液体洗濯洗剤を脱イオン水中に溶解させることによってベース洗浄溶液を調製する(5.23g/1.0L)。4つのストリッピングされた綿スワッチを一緒に秤量し、2つの10mmガラスマーブルと共に250mLの三角フラスコに入れる。試験対象の各洗浄溶液に対して、このようなフラスコを合計で3つ調製する。
【0223】
ベース洗浄溶液にロイコポリマー原液を投与して、ロイコ部分の洗浄濃度が所望の2.0×10
−6Nの洗浄溶液を得る。(例えば、当量493.65g/等価ロイコ部分を有するロイコポリマーの1.0ppm洗浄溶液、又は当量757.97g/等価ロイコ部分を有するロイコ着色剤の1.5ppm洗浄溶液は、ロイコモイティが2.0×10
−6Nである洗浄溶液を提供する)。
【0224】
10.0:1.0液:布地(w/w)比を提供するのに十分なこの洗浄溶液のアリコートを、3つの250mLの三角フラスコのそれぞれに入れる。各フラスコに1000gpgのストック硬度溶液(stock hardness solution)を投入して、6gpgの最終洗浄水硬度(3:1Ca:Mg)を得る。
【0225】
フラスコをModel 75リストアクションシェーカー(Burrell Scientific,Inc.(Pittsburg,PA))上に置き、最大設定で12分撹拌した後、洗浄溶液を吸引除去し、用いられた洗浄溶液と同量のすすぎ水(0gpg)を添加する。各フラスコに1000gpgのストック硬度溶液を投入して、6gpgの最終すすぎ水硬度(3:1Ca:Mg)を得、続いて更に4分間撹拌する。すすぎ水を吸引によって除去し、布地スワッチを1分間遠心脱水し(Mini Countertop Spin Dryer,The Laundry Alternative Inc.(Nashua,NH))、続いて暗所で135°Fに設定した食品乾燥機内に2時間配置する。
【0226】
A.乾燥後の暗所条件
乾燥手順の48時間後に、綿布地のL
*、a
*、b
*、及び白色度指数(WI CIE)値を、LabScan XE反射分光光度計を用いて乾燥スワッチ上で測定する。各ロイコ化合物(それぞれ4つのスワッチを備える3つのフラスコ)に関して生成された12個のスワッチのL
*、a
*、及びb
*値を平均し、各ロイコ化合物のロイコ化合物効率(LCE)を以下の等式を用いて計算する。
LCE=DE
*=[(L
*c−L
*s)
2+(a
*c−a
*s)
2+(b
*c−b
*s)
2]
1/2
式中、下付き文字c及びsはそれぞれ、対照、すなわちロイコ化合物を含まない洗剤で洗浄した布地、及びサンプル、すなわちロイコ化合物を含有する洗剤で洗浄した布地を指す。
【0227】
各洗浄溶液(それぞれ4つのスワッチを備える3つのフラスコ)に対して生成された12個のスワッチのWI CIE値を平均し、以下の等式を用いて洗浄時の白色度指数の変化を計算する。
ΔWI=WI CIE(洗浄後)−WI CIE(洗浄前)
【0228】
B.乾燥後の明所条件
消費者の習慣は世界中で大きく異なるため、使用される方法は、条件にわたってロイコ化合物の効果を測定できることを可能にしなければならない。このような条件の1つは、乾燥後の光への曝露である。いくつかのロイコ化合物は、暗所貯蔵下では明所貯蔵下のように大きな効果を示さないため、各ロイコ化合物は、最適な効果を決定するために両方の条件の設定下で試験されなければならない。したがって、方法Iは、測定が行われる前に、様々な時間増分で、乾燥した布地を模擬太陽光に曝露することを含み、LCE値は、以下に記載される曝露時間のセットから得られる最大値に設定される。
【0229】
乾燥後の特定の綿布地を、15分、30分、45分、60分、75分、90分、120分、及び240分間にわたり模擬太陽光に曝露する。綿布地のL
*、a
*、b
*、及び白色度指数(WI CIE)値を、各曝露期間後にLabScan XE反射分光光度計を使用してスワッチ上で測定する。各曝露時点におけるLCE及びΔWI値の計算は、上記の方法I.A.に記載されているとおりであり、ロイコ化合物のLCE値及びΔWI値は、列挙される曝露時間のセットから得られる最大値に設定される。
【0230】
II.相対色相角を求める方法(ロイコ化合物なしに対して)
上記の方法Iに従って処理された綿布地に対してロイコ化合物によって送達される相対色相角は以下のように求める。
a)各溶液からの12のスワッチのa
*値及びb
*値を平均し、以下の式を使用してΔa
*及びΔb
*を求める。
Δa
*=a
*s−a
*c 及び Δb
*=b
*s−b
*c
下付き文字c及びsはそれぞれ、ロイコ化合物を含まない洗剤で洗浄した布地、及びロイコ化合物を含有する洗剤で洗浄した布地を指す。
b.)Δa
*及びΔb
*の両方の絶対値が<0.25である場合、相対色相角(RHA)は計算されない。Δa
*又はΔb
*のいずれかの絶対値が>0.25である場合、RHAは以下の式の1つを用いて計算される。
Δb
*>0の場合、RHA=ATAN2(Δa
*、Δb
*)
Δb
*<0の場合、RHA=360+ATAN2(Δa
*、Δb
*)
【0231】
相対色相角は、暗所乾燥後又は明所乾燥後の評価のいずれかで、データが収集される各時点に対して計算することができる。これらの点のいずれも、請求項の要件を満たすように使用することができる。
【0232】
III.洗濯ケア配合物の白色度指数の変化を求める方法
使用前の綿スワッチ(スタイル403)を、49℃の増白剤なし重質液体洗濯洗剤(水溶液中で1.55g/L)で2回洗浄することによってストリップする。
【0233】
洗濯ケア配合物を脱イオン水中に溶解させることによってベース洗浄溶液を調製する(5.23g/1.0L)。4つのストリッピングされた綿スワッチを一緒に秤量し、2つの10mmガラスマーブルと共に250mLの三角フラスコに入れる。こうしたフラスコを合計で3つ調製する。
【0234】
10.0:1.0液:布地(w/w)比を提供するのに十分なこの洗浄溶液のアリコートを、250mLの各三角フラスコ内に入れる。各フラスコに1000gpgのストック硬度溶液を投入して、6gpgの最終洗浄水硬度(3:1Ca:Mg)を得る。
【0235】
フラスコをModel 75リストアクションシェーカー(Burrell Scientific,Inc.(Pittsburg,PA))上に置き、最大設定で12分攪拌した後、洗浄溶液を吸引除去し、用いられた洗浄溶液量と等価のすすぎ水(0gpg)を添加する。各フラスコに1000gpgのストック硬度溶液を投入して、6gpgの最終すすぎ水硬度(3:1Ca:Mg)を得、続いて更に4分間撹拌する。すすぎ水を吸引によって除去し、布地スワッチを1分間遠心脱水し(Mini Countertop Spin Dryer,The Laundry Alternative Inc.(Nashua,NH))、続いて暗所で135°Fに設定した食品乾燥機内に2時間配置する。
【0236】
綿布地のL
*、a
*、b
*、及び白色度指数(WI CIE)値を、上記の方法I.A.及び/又はI.B.に従って、LabScan XE反射分光光度計を用いて乾燥スワッチ上で測定する。洗濯ケア配合物(それぞれ4つのスワッチを備える3つのフラスコ)に対して生成された12個のスワッチのWI CIE値を平均し、以下の等式を用いて洗浄時の白色度指数の変化を計算する。
ΔWI=WI CIE(洗浄後)−WI CIE(洗浄前)
【0237】
配合例
以下は、本開示の洗浄組成物の例示的な実施例であり、限定を意図したものではない。
【0238】
実施例1〜7:重質液体洗濯洗剤組成物
【0239】
【表2】
【0240】
洗浄及び/又は処理組成物の総重量に基づく。酵素レベルは、原材料として報告する。
【0241】
実施例8〜18:単位用量組成物
これら実施例は、単位用量洗濯洗剤用の様々な処方を提供する。組成物8〜12は、1つの単位用量区画を含む。組成物を封入するために使用されるフィルムは、ポリビニルアルコール系フィルムである。
【0242】
【表3】
【0243】
洗浄及び/又は処理組成物の総重量に基づく。酵素レベルは、原材料として報告する。
【0244】
以下の実施例では、単位用量は3つの区画を有するが、同様の組成物を2つ、4つ、又は5つの区画で作製することもできる。区画を封入するために使用されるフィルムはポリビニルアルコールである。
【0245】
【表4】
【0246】
【表5】
【0247】
洗浄及び/又は処理組成物の総重量に基づいて、酵素レベルは原材料として報告する。
【0248】
【表6】
【0249】
本明細書にて開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に指示がない限り、このような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0250】
相互参照される又は関連する全ての特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本願に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全容が本願に援用される。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのような発明全てを教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0251】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。