【氏名又は名称原語表記】FUSHUN RESEARCH INSTITUTE OF PETROLEUM AND PETROCHEMICALS, SINOPEC CORP.
【文献】
MENG, X. et al.,Tailoring the pore size of zeolite Y as the support of diesel aromatic saturation catalyst,J Porous Mater,2006年,Vol.13,pp.365-371
【文献】
ZHANG,L. et al.,Study on deep hydrogenation of pyrene over palladium catalyst supported on mesoporous USY zeolite,Liaoning Chemical Industry,2012年,Vol.41, No.4,pp.325-328, 421
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ヘキサデカヒドロピレンの製造方法であって、水素化触媒の存在下で、ピレン系化合物を含有する炭化水素油原料を水素化反応させるステップを含み、前記ピレン系化合物は、ピレンおよびその不飽和水素化生成物から選ばれる少なくとも1種であり、前記水素化触媒は、担体と、担体に担持された活性金属成分とを含有し、前記活性金属成分がPtおよび/またはPdであり、前記担体が小晶粒Y型分子篩、アルミナおよび非晶質シリカ−アルミナを含有し、
前記小晶粒Y型分子篩は、晶粒の平均直径が200〜700nmであり、SiO2/Al2O3モル比が40〜120であり、相対結晶化度が≧95%であり、比表面積が900〜1200m2/gであり、1.7〜10nmの二次細孔の細孔容積が全細孔容積の50%以上を占め、
前記水素化反応の過程に順次行われる2つの反応段階を含み、第1反応段階に使用される水素化触媒における活性金属成分の含有量百分率x1が第2反応段階に使用される水素化触媒における活性金属成分の含有量百分率x2より低く、第1反応段階に使用される水素化触媒における小晶粒Y型分子篩の含有量百分率y1が第2反応段階に使用される水素化触媒における小晶粒Y型分子篩の含有量百分率y2より高い、ヘキサデカヒドロピレンの製造方法。
前記小晶粒Y型分子篩は、晶粒の平均直径が300〜500nmであり、相対結晶化度が95〜120%であり、1.7〜10nmの二次細孔の細孔容積が全細孔容積の50〜80%を占める請求項1に記載の方法。
前記水素化触媒において、前記水素化触媒の全重量を基準にして、前記活性金属成分の含有量が0.1〜2重量%であり、前記担体の含有量が98〜99.9重量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
前記担体において、前記担体の全重量を基準にして、前記小晶粒Y型分子篩の含有量が5〜40重量%であり、前記アルミナの含有量が10〜40重量%であり、前記非晶質シリカ−アルミナの含有量が20〜65重量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
前記コールタール原料は、高温コールタール、または高温コールタールからアントラセン、フェナントレン、カルバゾールおよびフルオランテンのうちの少なくとも1種を抽出した後の残留留分である請求項14または15に記載の方法。
水素化反応によって得られた反応流出物を分離して分留し、ヘキサデカヒドロピレンリッチ成分と重質成分を得て、前記重質成分の少なくとも一部をステップ(3)に循環して水素化分解反応を行うステップをさらに含む請求項14〜19のいずれか1項に記載の方法。
水素化反応によって得られた反応流出物を分離して分留し、ヘキサデカヒドロピレンリッチ成分と重質成分を得て、前記ヘキサデカヒドロピレンリッチ成分を冷却させて降温し、次に濾過して抽出し、固体としてヘキサデカヒドロピレンを得るステップをさらに含む請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書に開示される範囲の端点値および任意の値は該特定の範囲または値に限定されず、そのような範囲または値はその範囲または値に近い値を含むと理解される。数値範囲については、様々な範囲の端点値の間、様々な範囲の端点値と個々の点の値との間、ならびに個々の点値の間を互いに組み合わせて、1つまたは複数の新しい値の範囲を得ることができ、これら値の範囲は、本明細書に具体的に開示されていると見なされるべきである。
【0012】
本発明の前記ヘキサデカヒドロピレンの製造方法は、水素化触媒の存在下で、ピレン系化合物を含有する炭化水素油原料を水素化反応させるステップを含む。
【0013】
本発明において、前記水素化触媒は、担体と、担体に担持された活性金属成分とを含有する。前記活性金属成分はPtおよび/またはPdである。前記担体は小晶粒Y型分子篩、アルミナおよび非晶質シリカ〜アルミナを含有する。
【0014】
前記小晶粒Y型分子篩の晶粒の平均直径は200〜700nmであり、具体的には、たとえば、200nm、250nm、300nm、350nm、400nm、450nm、500nm、550nm、600nm、650nm、700nm、およびこれら値のいずれか2つが構成する範囲における任意の値であってもよい。好ましくは、前記小晶粒Y型分子篩の晶粒の平均直径は300〜500nmである。本発明において、前記小晶粒Y型分子篩の晶粒の平均直径はSEM(走査型電子顕微鏡)法により検出される。
【0015】
前記小晶粒Y型分子篩のSiO
2/Al
2O
3モル比は40〜120であり、具体的には、たとえば、40、50、60、70、80、90、100、110、120、およびこれら値のいずれか2つが構成する範囲における任意の値であってもよい。
【0016】
前記小晶粒Y型分子篩の相対結晶化度は≧95%であり、好ましくは95〜120%、より好ましくは98〜115%である。本発明において、前記小晶粒Y型分子篩の相対結晶化度はX線回折法により検出される。
【0017】
前記小晶粒Y型分子篩の比表面積は900〜1200m
2/gであり、具体的には、たとえば、900m
2/g、920m
2/g、950m
2/g、980m
2/g、1000m
2/g、1020m
2/g、1050m
2/g、1080m
2/g、1100m
2/g、1120m
2/g、1150m
2/g、1180m
2/g、1200m
2/g、およびこれら値のいずれか2つが構成する範囲における任意の値であってもよい。本発明において、前記小晶粒Y型分子篩の比表面積は低温液体窒素物理吸着法により検出される。
【0018】
前記小晶粒Y型分子篩は多くの二次細孔を有し、具体的には、前記小晶粒Y型分子篩において、1.7〜10nmの二次細孔の細孔容積が全細孔容積の50%以上、好ましくは50〜80%、さらに好ましくは60〜80%を占める。本発明において、前記小晶粒Y型分子篩の二次細孔の細孔容積は低温液体窒素物理吸着法により検出される。
【0019】
前記小晶粒Y型分子篩の格子定数は、2.425〜2.435nm、たとえば、2.425nm、2.426nm、2.427nm、2.428nm、2.429nm、2.43nm、2.431nm、2.432nm、2.433nm、2.434nm、2.435nm、およびこれら値のいずれか2つが構成する範囲における任意の値であってもよい。本発明において、前記小晶粒Y型分子篩の格子定数はX線回折法により検出される。
【0020】
前記小晶粒Y型分子篩の細孔容積は0.5〜0.8mL/g、たとえば、0.5mL/g、0.55mL/g、0.6mL/g、0.65mL/g、0.7mL/g、0.75mL/g、0.8mL/g、およびこれら値のいずれか2つが構成する範囲における任意の値であってもよい。本発明において、前記小晶粒Y型分子篩の細孔容積は低温液体窒素物理吸着法により検出される。
【0021】
本発明において、前記水素化触媒の性質は以下のとおりである。比表面積は、350〜550m
2/g、好ましくは380〜500m
2/gであり、細孔容積は、0.5〜1mL/g、好ましくは0.5〜0.9mL/gである。
【0022】
前記水素化触媒において、前記水素化触媒の全重量を基準にして、前記活性金属成分の含有量が0.1〜2重量%、好ましくは0.2〜1.5重量%であり、前記担体の含有量が98〜99.9重量%、好ましくは98.5〜99.8重量%である。
【0023】
前記担体において、前記担体の全重量を基準にして、前記小晶粒Y型分子篩の含有量が5〜40重量%、好ましくは10〜25重量%であり、前記アルミナの含有量が10〜40重量%、好ましくは15〜30重量%であり、前記非晶質シリカ〜アルミナの含有量が20〜65重量%、好ましくは30〜60重量%である。
【0024】
本発明において、前記水素化触媒は、適切な市販触媒を用いてもよく、本分野の常法により製造してもよく、たとえば、CN104588073Aにおいて開示された方法によって製造できる。具体的には、前記水素化触媒の製造方法は、小晶粒Y型分子篩、非晶質シリカ−アルミナおよびアルミナで製造されたバインダーを機械的に混合して成形し、次に乾燥と焙焼をして、触媒担体を得るステップと、浸漬法で担体にPtおよび/またはPdを担持させ、乾燥と焙焼をして、水素化触媒を得るステップとを含む。
【0025】
前記小晶粒Y型分子篩の製造方法は、
小晶粒NaY分子篩をNa
2O含有量≦2.5重量%の小晶粒NH
4NaY分子篩に製造するステップ(1)と、
小晶粒NH
4NaY分子篩を水熱処理した後、ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム水溶液を用いて、脱アルミニウムとケイ素補充を行うステップ(2)と、
ステップ(2)で得られた分子篩を、NH
4+とH
+を含む混合溶液で処理し、次に洗浄して乾燥させ、小晶粒Y型分子篩を得るステップ(3)とを含んでもよい。
【0026】
前記小晶粒NaY分子篩の性質は以下のとおりである。SiO
2/Al
2O
3モル比は、6より高く且つ9以下であり、好ましくは6.5〜9、さらに好ましくは7〜8であり、晶粒の平均直径は、200〜700nm、好ましくは300〜500nmであり、比表面積は800〜1000m
2/g、好ましくは850〜950m
2/gであり、細孔容積は0.3〜0.45mL/gであり、相対結晶化度は90〜130%であり、格子定数は2.46〜2.47であり、650℃で空気において3時間焙焼した後の相対結晶化度は90%以上、好ましくは90〜110%、より好ましくは90〜105%である。
【0027】
本発明の一好適実施形態によれば、前記水素化反応の過程に順次行われる2つの反応段階を含み、それに対応して、第1反応段階に使用される触媒は水素化触媒Aであり、第2反応段階に使用される触媒は水素化触媒Bである。前記水素化触媒Aにおける活性金属成分の含有量百分率x
1が前記水素化触媒Bにおける活性金属成分の含有量百分率x
2より低く、好ましくはx
1はx
2より0.1〜1.5%低く、より好ましくはx
1はx
2より0.3〜1.5%低い。前記水素化触媒Aにおける小晶粒Y型分子篩の含有量百分率y
1が前記水素化触媒Bにおける小晶粒Y型分子篩の含有量百分率y
2より高く、好ましくはy
1はy
2より5〜35%高く、より好ましくはy
1はy
2より10〜35%高い。上記好適実施形態によれば、高純度ヘキサデカヒドロピレンを製造でき、且つ収率が高い。
【0028】
本発明の前記方法において、前記水素化反応のプロセス条件は本分野の一般的な条件としてもよい。好ましくは、前記水素化反応のプロセス条件として、水素分圧が4〜20MPaであり、液空間速度(liquid hourly space velocity)が0.05〜6h〜
1であり、水素油体積比が50〜3000であり、平均反応温度が150〜380℃である。
【0029】
さらに好適な実施形態では、前記水素化反応の過程に順次行われる2つの反応段階を含む場合、前記第2反応段階の平均反応温度は前記第1反応段階の平均反応温度より10〜150℃、好ましくは30〜120℃低い。より好ましくは、前記第1反応段階の平均反応温度は180〜380℃、さらに好ましくは220〜350℃であり、前記第2反応段階の平均反応温度は150〜350℃、好ましくは180〜330℃である。
【0030】
上記好適実施形態では、前記第1反応段階と前記第2反応段階は、同一反応器内で行われてもよく、直列接続された2つ以上の反応器内で行われてもよい。
【0031】
本発明において、前記ピレン系化合物は、ピレンおよびその不飽和水素化生成物から選ばれる少なくとも1種である。ピレンの不飽和水素化生成物は、たとえば、ジヒドロピレン、テトラヒドロピレン、ヘキサヒドロピレン、オクタヒドロピレンなどであってもよい。
【0032】
前記ピレン系化合物を含有する炭化水素油原料において、前記ピレン系化合物の含有量は0.5重量%以上であってもよく、具体的には、たとえば、0.5〜10重量%、たとえば0.5重量%、0.8重量%、1.0重量%、1.2重量%、1.5重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%であってもよい。
【0033】
本発明において、前記ピレン系化合物を含有する炭化水素油原料は本分野において一般的な炭化水素油原料にすることができ、所定量のピレン系化合物が含まれるものであればよい。一実施形態では、前記ピレン系化合物を含有する炭化水素油原料は、初留点130〜220℃(好ましくは160〜200℃)の重質留分油である。好ましくは、前記ピレン系化合物を含有する炭化水素油原料は、初留点が130〜220℃であって、終留点が300〜400℃である重質留分油である。さらに好ましくは、前記ピレン系化合物を含有する炭化水素油原料はディーゼル油留分であり、且つ初留点が160〜200℃、終留点が300〜350℃である。
【0034】
本発明の一好適実施形態によれば、前記ピレン系化合物を含有する炭化水素油原料は、
コールタール原料を前処理するステップ(1)と、
前処理したコールタール原料に対して水素化精製反応を行うステップ(2)と、
得られた反応流出物を必要に応じて分離し、次に水素化分解反応を行うステップ(3)と、
水素化分解反応によって得られた反応流出物を気液分離し、次に分離した液相を分留して、分留した重質留分を前記ピレン系化合物を含有する炭化水素油原料とするステップ(4)とを含む方法によって製造される。
【0035】
前記コールタールは、低温コールタール、中温コールタールまたは高温コールタールのうちの少なくとも1種であってもよいし、コールタールからナフタレン、アントラセン、フェナントレン、カルバゾールおよびフルオランテンのうちの少なくとも1種を抽出した後の残留留分であってもよい。コールタールは、芳香族炭化水素の含有量が一般的に20〜100wt%であり、20℃での密度が一般的に1.023〜1.235g/cm
3である。コールタールの蒸留範囲が200〜700℃の範囲における任意の範囲であり、一般的には、初留点から終留点までの温度差が100〜400℃である。好ましくは、前記コールタール原料は、高温コールタールまたは高温コールタールからアントラセン、フェナントレン、カルバゾールおよびフルオランテンのうちの少なくとも1種を抽出した後の残留留分である。
【0036】
ステップ(1)の前記前処理には、通常、不純物の機械的除去、脱水、電気脱塩などの操作が含まれるが、必要に応じてアントラセン、フェナントレンの抽出除去などの操作が含まれてもよい。
【0037】
ステップ(2)では、前記水素化精製反応の過程に使用される触媒は、本分野において一般的な水素化精製触媒とすることができ、たとえば、ディーゼル油水素化精製触媒または水素化分解前処理用の触媒であり得る。水素化精製触媒は、一般的に、第VIB族および/または第VIII族金属を活性成分として、アルミナまたはケイ素含有アルミナを担体としたものであり、第VIB族金属は一般的にMoおよび/またはWであり、第VIII族金属は一般的にCoおよび/またはNiである。触媒の重量を基準にして、第VIB族金属の含有量が酸化物換算で10〜50重量%であり、第VIII族金属の含有量が酸化物換算で3〜15重量%である。その性質については、比表面積が100〜350m
2/gであり、細孔容積が0.15〜0.6mL/gである。利用可能な市販触媒には、中国石油化工株式会社の撫順石油化工研究院により開発して製造した3936、3996、FF−16、FF−26、FF−36、FF−46、FF−56、FF−66などの水素化精製触媒があるが、UOP社製のHC−K、HC−P触媒、Topsoe社製のTK−555、TK−565触媒、およびAKZO社製のKF−847、KF−848などとしてもよい。
【0038】
ステップ(2)では、前記水素化精製反応のプロセス条件として、一般的には、水素分圧が3〜19MPaであり、平均反応温度が260〜440℃であり、液空間速度が0.1〜4h
-1であり、水素油体積比が300:1〜3000:1である。ステップ(2)の前記水素化精製には、固定床、流動床などの本分野において一般的な反応器の形態を利用できる。固定床反応器は上向流型(並流)反応器、下降流型(並流)反応器または気液逆流反応器の形態であり得る。
【0039】
ステップ(3)では、前記水素化分解反応の過程に使用される触媒は、本分野において一般的な水素化分解触媒とすることができ、たとえば、軽油型の水素化分解触媒、柔軟型の水素化分解触媒および(高)中間油型の水素化分解触媒であり得る。水素化分解触媒は、一般的に、第6族および/または第8、9、10族金属を活性成分とするものであり、第6族金属は一般的にMoおよび/またはWであり、第8、9、10族金属は一般的にCoおよび/またはNiである。触媒の担体はアルミナ、ケイ素含有アルミナおよび分子篩のうちの1種または複数種である。触媒の重量を基準にして、第6族金属の含有量が酸化物換算で10〜35重量%であり、第8、9、10族金属の含有量が酸化物換算で3〜15重量%であり、分子篩の含有量が5〜40重量%であり、アルミナの含有量が10〜80重量%である。その比表面積が100〜650m
2/gであり、細孔容積が0.15〜0.50mL/gである。利用可能な市販触媒には、中国石油化工株式会社の撫順石油化工研究院により開発して製造したFC−26、FC−28、FC−14、ZHC−01、ZHC−02、ZHC−04などの一段水素化分解触媒があるが、UOP社製のDHC39、DHC−8、CHERON社製のICR126などの水素化分解触媒としてもよい。その中でも、ZHC−02、ICR126は非晶質シリカ−アルミナとY型分子篩を分解成分とした水素化分解触媒であり、本発明の水素化分解反応の過程により適している。
【0040】
本発明では、(高)中間油型の水素化分解触媒が好ましく使用される。製品の収率と選択性を向上するために、本発明では、特に中間油型の水素化分解触媒(たとえばFC−26触媒)を用いる。該触媒は、水素化条件下で、アルカンと側鎖を有する芳香族炭化水素とのいずれにも優れた鎖切断機能を有し、原料の環状炭化水素(シクロアルカン、側鎖を有するシクロアルカン、芳香族炭化水素、側鎖を有する芳香族炭化水素を含む)のうちの側鎖アルカンを切断できる。また、該触媒は、適切な縮合環芳香族炭化水素(側鎖を有さない)に対する飽和機能を有し、且つほぼ開環機能を持たない。水素化分解して得られた生成油をさらに分留すると、対象製品の前駆物を含有する成分をできるだけ適切なナローカットに富化させることができる。このため、中間油型の水素化分解触媒を使用すると、製品における環状炭化水素の含有量を最大限に保持でき、それによって最終対象製品の収率向上に寄与する。
【0041】
水素化分解システムに使用される反応器は、一般的な固定床水素化反応器、より好ましくは下降流型固定床反応器である。ステップ(3)では、水素化分解のプロセス条件として、一般的に、水素分圧が3〜19MPaであり、平均反応温度が260〜440℃であり、液空間速度が0.3〜4h
-1であり、水素油体積比が300:1〜5000:1である。
【0042】
ステップ(3)では、「必要に応じて」とは、分離(たとえば気液分離)過程を行ってもよいし、分離(たとえば気液分離)過程を行わなくてもよいことを意味する。
【0043】
ステップ(4)の前記分留操作は本分野において一般的な技術を利用し得る。分留して得られた重質留分の初留点が130〜220℃であってもよく、好ましくは160〜200℃である。好ましくは、ステップ(4)で分留して得られた重質留分がディーゼル油留分であり、さらに好ましくは、ディーゼル油留分は、初留点が130〜220℃、より好ましくは160〜200℃であり、終留点が280〜400℃、より好ましくは300〜350℃である。
【0044】
本発明において、前記方法は、ステップ(4)で得られた重質留分からナフサ留分を除去し、得られた残留液体留分を前記ピレン系化合物を含有する炭化水素油原料とするステップをさらに含んでもよい。
【0045】
本発明において、前記方法は、水素化反応によって得られた反応流出物を分離して分留し、ヘキサデカヒドロピレンリッチ成分と重質成分を得て、前記重質成分の少なくとも一部を上記ステップ(3)に循環して水素化分解反応を行うステップをさらに含んでもよい。ここでの分留過程は本分野において一般的な分留技術を利用し得る。分留して得られた製品には、ヘキサデカヒドロピレンリッチ成分(中間成分)と重質成分以外、液体軽質成分を含む。前記液体軽質成分と中間成分(ヘキサデカヒドロピレンリッチ成分)のカット温度は130〜280℃、好ましくは200〜260℃である。前記中間成分と重質成分のカット温度は300〜360℃、好ましくは320〜340℃である。液体中間成分を冷却させて降温した後、ろ過、真空抽出、必要に応じて遠心分離操作を行って、固体として高純度ヘキサデカヒドロピレン製品を得て、分析した結果、その純度は95wt%以上に達する。得られたカット温度よりも高温の液体重質成分は、ジベンゾピレン、インデノピレンなどの5環以上の炭化水素を含有するため、水素化分解を繰り返して行うによってピレンに転化し、それにより対象製品の収率を向上させることができる。
【0046】
本発明において、高純度ヘキサデカヒドロピレン製品を得るために、前記方法は、水素化反応によって得られた反応流出物を分離して分留し、ヘキサデカヒドロピレンリッチ成分と重質成分を得て、前記ヘキサデカヒドロピレンリッチ成分を冷却させて降温し、次にろ過して抽出し、固体としてヘキサデカヒドロピレンを得るステップをさらに含む。ここでの分留過程は本分野において一般的な分留技術を利用し得る。分留して得られたヘキサデカヒドロピレンリッチ液体留分は、初留点が一般的に220〜300℃、好ましくは260〜280℃であり、終留点が一般的に>300〜360℃(300℃より高く且つ360℃未満である)、好ましくは320〜340℃である。該液体留分を冷却させて降温し、生成したヘキサデカヒドロピレンを液体において結晶化させて析出させ、さらにろ過、必要に応じて遠心分離操作を行い、高純度ヘキサデカヒドロピレン製品を得る。
【0047】
本発明の一実施形態によれば、前記ヘキサデカヒドロピレンの製造方法は、
コールタール原料を前処理するステップ(1)と、
ステップ(1)で得られたコールタールと水素ガスを混合した後、水素化精製反応領域に投入して、水素化精製触媒と接触させて反応させるステップ(2)と、
ステップ(2)で得られた水素化精製反応の流出物を必要に応じて分離した後、水素ガスとともに水素化分解反応領域に投入して、水素化分解触媒と接触させて反応させるステップ(3)と、
水素化分解流出物を気液分離し、液体を分留して、初留点130〜220℃の重質留分を得るステップ(4)と、
ステップ(4)で得られた重質留分と水素ガスを混合した後、本発明の前記水素化触媒と接触させて、水素化反応(即ち追加水素化精製反応)を行うステップ(5)と、
ステップ(5)で得られた反応流出物を分離して分留した後、ヘキサデカヒドロピレンリッチ成分と重質成分を得て、ヘキサデカヒドロピレンリッチ成分を冷却させて降温した後、ろ過、真空抽出を行い、固体としてヘキサデカヒドロピレン製品を得るステップ(6)とを含む。
【0048】
さらに好ましくは、上記ステップ(5)の水素化反応の過程に順次行われる2つの反応段階を含み、それに対応して、第1反応段階に使用される触媒は水素化触媒Aであり、第2反応段階に使用される触媒は水素化触媒Bである。前記水素化触媒Aにおける活性金属成分の含有量百分率x
1が前記水素化触媒Bにおける活性金属成分の含有量百分率x
2より低く、好ましくはx
1がx
2より0.1〜1.5%低く、より好ましくはx
1がx
2より0.3〜1.5%低い。前記水素化触媒Aにおける小晶粒Y型分子篩の含有量百分率y
1が前記水素化触媒Bにおける小晶粒Y型分子篩の含有量百分率y
2より高く、好ましくはy
1がy
2より5〜35%高く、より好ましくはy
1がy
2より10〜35%高い。
【0049】
前記第1反応段階と前記第2反応段階において、使用される水素化触媒は、活性金属成分の含有量と小晶粒Y型分子篩の含有量が異なるため、それぞれ異なる性質を有する。前記水素化触媒Aは、比較的低い活性金属成分の含有量とより高いY型分子篩の含有量を有するので、分解性能が高い。コールタールを水素化分解して得たディーゼル油留分に残留されたパラフィン系炭化水素と側鎖を有する多環芳香族炭化水素とはさらに前記水素化触媒Aと接触して反応し、多環芳香族炭化水素における側鎖が反応後にほぼすべてが芳香環から剥離し、同時に多環芳香族炭化水素は部分二重結合飽和反応を行い、たとえば、粗製ピレンは水素化された後にヘキサヒドロピレンを生成できる。前記水素化触媒Bは、比較的高い活性金属成分の含有量と比較的低い小晶粒Y型分子篩の含有量を有するので、水素化性能が高いが、分解活性が比較的弱い。前記第1反応段階の水素化生成物がさらに前記水素化触媒Bと接触して反応するとき、より低い反応温度下で、触媒の分解活性が制限されて且つ飽和機能が高まることから、そのうち部分水素化して生成した非ペルヒドロピレン(たとえば、ヘキサヒドロピレン)がさらに水素化し、全部の炭素−炭素二重結合が飽和して、ヘキサデカヒドロピレン(ペルヒドロピレン)製品は得られ、それによって、本発明の方法でヘキサデカヒドロピレンを製造する場合の収率を向上させる。したがって、水素化反応の過程において上記好適態様のように水素化触媒を配合して組み合わせることによって、ディーゼル油留分における縮合環芳香族炭化水素、特に粗製ピレンの水素化飽和を効果的に行い、それにより水素化法を高純度ヘキサデカヒドロピレン製品の直接生産に適用できる。
【0050】
さらに、従来技術に比べて、本明細書では、上記実施形態のプロセスの方法は以下の特徴を有する。
【0051】
(1)本発明の前記方法によれば、コールタール原料を出発原料として、適切なプロセスプロ―を決定することで、水素化プロセスにより高純度ヘキサデカヒドロピレンを製造できるとともに、性能に優れた溶剤油製品は得られ得る。本発明の前記方法は、高付加価値製品の生産へのコールタールの潜在力を大幅に高める。低付加価値のコールタールに経済性を高める加工方法を提供するだけでなく、ヘキサデカヒドロピレン製品のために新原料および新しいプロセスを開発する。
【0052】
(2)本発明では、まず水素化精製、水素化分解および分留の過程により、コールタールの水素化分解によるディーゼル油における芳香族炭化水素の含有量が高く、水素化分解過程にヘキサデカヒドロピレンを溶解しやすい軽重質成分が大量生成されるという問題に対して、水素化分解して生成した油を分留してヘキサデカヒドロピレンリッチなナローカットを得て、それによって3環以上の縮合環芳香族炭化水素成分をディーゼル油留分に富化させ、且つ対象製品を溶解できる成分を遮断し(分離)、易溶性成分による後続の追加充精製反応への影響を軽減させ、その後、追加水素化過程によって、小晶粒Y型分子篩を含有する貴金属触媒による縮合環芳香族炭化水素への選択的分解と水素化の能力を利用して、四環式芳香族炭化水素である粗製ピレンを完全水素化し、それによりペルヒドロピレン(即ちヘキサデカヒドロピレン)リッチな留分油を得て、最後に、分留過程によってペルヒドロピレンを富化させ、冷却させて降温し、ヘキサデカヒドロピレンを留分油から結晶として析出させる。
【0053】
(3)本発明に使用される水素化触媒は、小晶粒Y型分子篩を酸性成分とし、該Y型分子篩は高シリカアルミナ比、高結晶度、大量の二次細孔、大比表面積の特徴を有し、非晶質シリカ−アルミナおよび水素化活性金属成分PtとPdと配合すると、芳香族炭化水素の水素化飽和活性の作用を促進するとともに、芳香族炭化水素の選択的開環と鎖切断に役立ち、さらに、反応生成物の拡散に寄与するとともに、炭素収納能力が大幅に高まり、よって、触媒の活性、選択性および安定性が向上する。該触媒は、特に、シクロアルキル原料、特に粘度が高くて縮合環芳香族炭化水素の含有量が高いシクロアルキル原料の水素化脱芳香族化反応に適用できる。
【0054】
(4)本発明では、追加水素化反応領域において、好ましくは2種の異なる水素化触媒を用いる。第1反応段階に使用される水素化触媒Aは比較的高いY型分子篩の含有量と比較的低い金属の含有量を有するので、分解活性の方が高い。3環以上の縮合環芳香族炭化水素が富化された水素化分解ディーゼル油留分の場合、水素化触媒Aの優位的な分解性能により側鎖アルカンを有する縮合環芳香族炭化水素に対して効果的に鎖切断反応を行い、さらに側鎖を芳香環から剥離できる。それに対して、第2反応段階に使用される水素化触媒Bは、比較的高い金属の含有量と比較的低いY型分子篩の含有量を有するので、水素化性能の方が高く、それに加えて、適切な分解活性が縮合環芳香族炭化水素の水素化飽和に重要な触媒作用を果たす。したがって、第1反応段階において部分水素化して生成した非ペルヒドロピレン(たとえばヘキサヒドロピレン)は、より低い反応温度下で、第2反応段階において全部の芳香環の水素化飽和を完成し、それによりヘキサデカヒドロピレン(ペルヒドロピレン)製品を得ることができる。
【0055】
(5)本発明では、水素化分解して得られたディーゼル油留分について各種の複素環芳香族炭化水素を温和且つ段階的に飽和するような加工方式を利用して、ヘキサデカヒドロピレン製品と低芳香族含有量溶剤油を生産し、それによって、一段プロセスのようにコールタールが高温で水素化分解して、ディーゼル油留分において芳香族炭化水素が縮合して炭素堆積と分解反応を行い、その結果、触媒の耐用年数を深刻に損なうことの発生をできるだけ回避できる。
【0056】
以下、図面および実施例を参照しながら本発明の前記方法についてさらに詳細に説明する。
【0057】
図1に示されるように、本発明のプロセスプロ―の一例として、前処理(図には前処理ユニットが省略される)済みのコールタールが管路1を通して、管路2を通した水素ガスと混合した後、水素化精製反応器3に入り、硫黄、窒素、酸素、金属などを除去するための水素化反応を行い、精製反応流出物が管路4を通して水素化分解反応器5に入り分解反応を行い、水素化分解反応の流出物が管路6を通して気液分離器7(気液分離器7は通常高圧分離器と低圧分離器を備える)に入り、得られた水素リッチガスが管路10を通して、必要に応じて脱硫化水素処理を行われた後、管路9から入った新鮮な水素ガスと混合し、循環水素を得る。気液分離器で得られた液体が管路8を通して、分留塔11に入って分離されて、得られたガス生成物、軽質留分油および重質留分油がそれぞれ管路12、管路13および管路15を介して排出され、得られたディーゼル油留分が管路14を介して、管路17からの水素ガスと混合した後、第1追加水素化精製反応器16に入り、低活性水素化触媒Aと接触して、水素化反応を行い、得られた反応流出物は管路18を介して第2追加水素化精製反応器19に入り、水素ガスの存在下で、高活性水素化触媒Bと接触して、4環式芳香族炭化水素と少量の3環式芳香族炭化水素を飽和するとともに、多環芳香族炭化水素を飽和した後のシクロアルカンの環形の完全性を保持し、3環または4環を有するシクロアルカンになる。追加水素化精製によって得られた流出物は管路20を介して気液分離器21(気液分離器21は通常高圧分離器と低圧分離器を備える)に入って分離され、分離して得られた水素リッチガスが管路22を通して、管路23から導入された新鮮な水素ガスと混合して、循環水素を得て、分離して得た液体は必要に応じてストリッピング処理された後(図示せず)、管路24を介して分留塔25に入り分留され、少量のガスが管路26を介して排出され、得られたヘキサデカヒドロピレンリッチ液体は管路28を介して、冷却降温、ろ過および真空抽出ユニット29に入り、得られた固体製品のヘキサデカヒドロピレンは管路30を介して排出される。分留して得られた低沸点溶剤油は管路27、高沸点溶剤油は管路32を介して、抽出後に管路31を通して得られた液体と混合し、低芳香族含有量溶剤油製品となる。
【0058】
図2に示されるように、本発明のプロセスフローの別の例として、前処理(図には前処理ユニットが省略される)済みのコールタールが管路1を通して、管路2を通した水素ガスと混合した後、水素化精製反応器3に入り、硫黄、窒素、酸素、金属などを除去するための水素化反応を行い、精製反応流出物が管路4を通して水素化分解反応器5に入り分解反応を行い、水素化分解反応の流出物が管路6を通して気液分離器7(気液分離器7は通常高圧分離器と低圧分離器を備える)に入り、得られた水素リッチガスが管路9を通して、必要に応じて脱硫化水素処理を行われた後、管路10から入った新鮮な水素ガスと混合し、循環水素を得た。気液分離器で得られた液体が管路8を通して、分留塔11に入って分離されて、得られたガス生成物と軽質留分油がそれぞれ管路12と13を介して排出され、得られた重質留分油が管路14を介して、管路16からの水素ガスと混合した後、第1追加水素化精製反応器15に入り、低活性水素化触媒Aと接触して、水素化反応を行い、得られた反応流出物は管路17を介して第2追加水素化精製反応器18に入り、水素ガスの存在下で、高活性水素化触媒Bと接触して、4環式芳香族炭化水素と少量の3環式芳香族炭化水素を飽和するとともに、多環芳香族炭化水素を飽和した後のシクロアルカンの環形の完全性を保持し、3環または4環を有するシクロアルカンになる。追加水素化精製によって得られた流出物は管路19を介して気液分離器20(気液分離器20は通常高圧分離器と低圧分離器を備える)に入って分離され、分離して得られた水素リッチガスが管路21を通して、管路22から導入された新鮮な水素ガスと混合して、循環水素を得て、分離して得た液体は必要に応じてストリッピング処理された後(図示せず)、管路23を介して分留塔24に入り分留され、少量のガスが管路25を介して排出され、得られたヘキサデカヒドロピレンリッチ液体は管路27を介して、冷却降温、ろ過および真空抽出ユニット28に入り、得られた固体製品のヘキサデカヒドロピレンは管路29を介して排出される。分留して得られた低沸点溶剤油は管路26を介して、管路30から排出された抽出して得られた液体と混合し、低芳香族含有量溶剤油製品となり、高沸点溶剤油は管路31を介して水素化分解反応器5に戻り分解反応を行い、このように、より多くのヘキサデカヒドロピレン成分は得られる。
【0059】
本発明では、ヘキサデカヒドロピレン純度はGC−MSガスクロマトグラフィー質量分析法によって小分子で定性的に分析され、溶剤油のセイボルトカラーはGB/T 3555−1992による方法により検出され、溶剤油の芳香族炭化水素の含有量はGB/T 17474による方法により検出され、コールタールを水素化分解して得た生成物におけるピレン系化合物の含有量はISO13877−1998による方法により測定される。
【0060】
以下の実施例および比較例に使用される高温コールタール原料は下記表1に示される。前記高温コールタールは、河南省安陽市産の煤炭を1000℃で乾留し、ナフタレンを除去して得られたコールタール留分である。
【0062】
以下の実施例に使用される追加水素化精製触媒はいずれもCN104588073Aに開示された方法により製造されるものである。具体的には、使用される追加水素化精製触媒の性質は下記表2に示される。
【0064】
以下の比較例に使用される追加水素化精製触媒は、CN104588073Aの方法によって製造され、小晶粒Y型分子篩は、CN104588073Aの比較例1、2を参照して製造され、具体的には、使用される追加水素化精製触媒の性質は下記表3に示される。
【0066】
以下の実施例1〜4および比較例1〜3において、水素化精製反応と水素化分解反応の操作条件は下記表4に示される。
【0068】
以下の実施例1〜4および比較例1〜3において、水素化分解反応の流出物から分離したディーゼル油留分の蒸留範囲は160〜340℃であり、水素化分解反応で得られた生成物の製品分布には、<160℃の留分8.3wt%、160〜340℃の留分55.5wt%、>340℃の留分36.2wt%が含まれ、且つ160〜340℃の留分においてピレンの含有量が1.5wt%であった。追加水素化精製反応の流出物から分離したヘキサデカヒドロピレンリッチ液体留分の蒸留範囲は280〜320℃であった。
【0069】
実施例1
図1のフローに示されるように、追加水素化精製反応領域では、触媒を段階的にするのではなく、1種の触媒Aだけを用いた。追加水素化精製反応領域の操作条件、および得られたヘキサデカヒドロピレンの収率と純度を表5に示した。
【0070】
比較例1
追加水素化精製反応領域において使用される触媒を触媒Cとする以外、実施例1を参照した。追加水素化精製反応領域の操作条件、および得られたヘキサデカヒドロピレンの収率と純度を表5に示した。
【0071】
実施例2
図1のフローに示されるように、追加水素化精製反応領域では、触媒を段階的にするのではなく、1種の触媒Bだけを用いた。追加水素化精製反応領域の操作条件、および得られたヘキサデカヒドロピレンの収率と純度を表5に示した。
【0072】
比較例2
追加水素化精製反応領域において使用される触媒を触媒Dとする以外、実施例2を参照した。追加水素化精製反応領域の操作条件、および得られたヘキサデカヒドロピレンの収率と純度を表5に示した。
【0073】
実施例3
図1のフローに示されるように、追加水素化精製反応領域を2つの追加水素化精製反応段階に分け、触媒Aと触媒Bを配合する形態を用い、第1追加水素化精製反応段階に触媒Aを使用し、第2追加水素化精製反応段階に触媒Bを使用した。追加水素化精製反応領域の操作条件、および得られたヘキサデカヒドロピレンの収率と純度を表5に示した。
【0074】
比較例3
追加水素化精製反応領域において使用される触媒として触媒Cと触媒Dを配合し、第1追加水素化精製反応段階に触媒Cを使用し、第2追加水素化精製反応段階に触媒Dを使用する以外、実施例3を参照した。追加水素化精製反応領域の操作条件、および得られたヘキサデカヒドロピレンの収率と純度を表5に示した。
【0075】
実施例4
追加水素化精製触媒の配合順番を、第1追加水素化精製反応段階に触媒Bを使用し、第2追加水素化精製反応段階に触媒Aを使用するように変更する以外、実施例3を参照した。追加水素化精製反応領域の操作条件、および得られたヘキサデカヒドロピレンの収率と純度を表5に示した。
【0077】
表5に記載のデータから分かるように、原料を水素化する従来の技術案では、異なる条件下で得られたヘキサデカヒドロピレン製品の純度、収率が異なり、実施例3の触媒の配合方法は最適であった。
【0078】
実施例1〜4のデータから明らかなように、本発明におけるコールタール原料について前処理、水素化精製、水素化分解、追加水素化精製のプロセスを行う方法によれば、いずれも高純度ヘキサデカヒドロピレン製品は得られ得る。追加精製反応領域において触媒を配合する技術案を採用すると、得られたヘキサデカヒドロピレンの収率と純度がより高く、より好適な水素化効果があった。
【0079】
以下の実施例5〜8および比較例4〜6において、水素化精製反応と水素化分解反応の操作条件を下記表6に示した。
【0081】
以下の実施例5〜8および比較例4〜6では、水素化分解反応の流出物から分離した重質留分の初留点は160℃であり、水素化分解反応により得られた生成物の製品分布には、<160℃の留分8.4wt%、160℃以上の留分91.6wt%が含まれ、且つ160℃以上の留分においてピレン含有量が1.2wt%であった。追加水素化精製反応の流出物から分離したヘキサデカヒドロピレンリッチ液体留分の蒸留範囲は250〜340℃であった。
【0082】
実施例5
図2のフローに示されるように、追加水素化精製反応領域では、触媒を段階的にするのではなく、1種の触媒Aだけを用いた。追加水素化精製反応領域の操作条件、および得られたヘキサデカヒドロピレンの収率と純度を表7に示した。
【0083】
比較例4
追加水素化精製反応領域において使用される触媒を触媒Cとする以外、実施例5を参照した。追加水素化精製反応領域の操作条件、および得られたヘキサデカヒドロピレンの収率と純度を表7に示した。
【0084】
実施例6
図2のフローに示されるように、追加水素化精製反応領域では、触媒を段階的にするのではなく、1種の触媒Bだけを用いた。追加水素化精製反応領域の操作条件、および得られたヘキサデカヒドロピレンの収率と純度を表7に示した。
【0085】
比較例5
追加水素化精製反応領域において使用される触媒を触媒Dとする以外、実施例6を参照した。追加水素化精製反応領域の操作条件、および得られたヘキサデカヒドロピレンの収率と純度を表7に示した。
【0086】
実施例7
図2のフローに示されるように、追加水素化精製反応領域を2つの追加水素化精製反応段階に分け、且つ触媒Aと触媒Bを配合する形態を用い、第1追加水素化精製反応段階に触媒Aを使用し、第2追加水素化精製反応段階に触媒Bを使用した。追加水素化精製反応領域の操作条件、および得られたヘキサデカヒドロピレンの収率と純度を表7に示した。
【0087】
比較例6
追加水素化精製反応領域に使用される触媒として触媒Cと触媒Dを配合し、第1追加水素化精製反応段階に触媒Cを使用し、第2追加水素化精製反応段階に触媒Dを使用する以外、実施例7を参照した。追加水素化精製反応領域の操作条件、および得られたヘキサデカヒドロピレンの収率と純度を表7に示した。
【0088】
実施例8
追加水素化精製触媒の配合順番を、第1追加水素化精製反応段階に触媒Bを使用し、第2追加水素化精製反応段階に触媒Aを使用するように変更する以外、実施例7を参照した。追加水素化精製反応領域の操作条件、および得られたヘキサデカヒドロピレンの収率と純度を表7に示した。
【0090】
表7に記載のデータから分かるように、原料を水素化する従来の技術案では、異なる条件下で得られたヘキサデカヒドロピレン製品の純度、収率が異なり、実施例7の触媒の配合方法は最適であった。
【0091】
実施例5〜8のデータから明らかなように、本発明におけるコールタール原料について前処理、水素化精製、水素化分解、追加水素化精製のプロセスを行う方法によれば、いずれも高純度ヘキサデカヒドロピレン製品は得られ得る。追加精製反応領域において触媒を配合する技術案を採用すると、得られたヘキサデカヒドロピレンの収率と純度がより高く、より好適な水素化効果があった。
【0092】
以上は本発明の好適実施形態を詳細に説明したが、本発明はそれに制限されない。各技術的特徴の任意の他の適切な方式による組み合わせを含め、本発明の技術構造の範囲内で本発明の技術案について複数種の簡単な変形を行うことができ、これら簡単な変形および組み合わせも本発明の開示内容と見なされるべきであり、いずれも本発明の保護範囲に属する。