特許第6772485号(P6772485)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6772485
(24)【登録日】2020年10月5日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20201012BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20201012BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20201012BHJP
【FI】
   G03G21/16 104
   B41J29/00 H
   G03G15/00 440
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-42861(P2016-42861)
(22)【出願日】2016年3月4日
(65)【公開番号】特開2017-156726(P2017-156726A)
(43)【公開日】2017年9月7日
【審査請求日】2019年2月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】酒井 亮輔
(72)【発明者】
【氏名】増田 健宏
(72)【発明者】
【氏名】池上 悠介
(72)【発明者】
【氏名】山口 渡
(72)【発明者】
【氏名】池野 雄一
(72)【発明者】
【氏名】西山 英志
【審査官】 三橋 健二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−048221(JP,A)
【文献】 特開2004−334040(JP,A)
【文献】 特開2014−235372(JP,A)
【文献】 特開2009−028967(JP,A)
【文献】 特開2014−029468(JP,A)
【文献】 特開2013−173289(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
G03G 15/00
B41J 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に設けられ、シートにトナー像を形成するトナー像形成部と、
シートのトナー像が形成された面に箔を重ね、トナー像の上に箔を転写する箔転写部と、転写される前の箔が巻かれた第1リールと、前記箔転写部を通過した箔を巻き取る第2リールと、前記第1リール及び前記第2リールを支持するユニット側筐体とを有する箔転写ユニットと、
前記トナー像形成部に供給するシートを配置するシート供給部と、
前記トナー像形成部から送り出されたシートを、前記箔転写部を通らずに前記筐体外へ排出する第1排出部と、
前記箔転写部から送り出されたシートを、前記筐体外へ排出する第2排出部と、
前記第1排出部から排出されたシートが載置される第1排紙トレイと、
前記第2排出部から排出されたシートが載置される第2排紙トレイと、を備え、
前記第1排出部は、前記シート供給部へのシート差し込み方向と逆向きの排出方向へシートを排出し、
前記第2排出部は、前記排出方向へシートを排出し、
前記箔転写ユニットは、前記第1排出部の上方に配置され、
前記第1リール及び前記第2リールは、前記第1排紙トレイと前記第2排紙トレイの間を通って、前記ユニット側筐体から取り出し可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1リール及び前記第2リールは、前記排出方向へ取り出し可能であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2排紙トレイは、前記第1排紙トレイの上方に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2排紙トレイは、前記ユニット側筐体に対して揺動可能に支持され、
前記第1リール及び前記第2リールは、前記第2排紙トレイを上方に揺動させた状態で、取り出し可能であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記箔転写ユニットは、前記第1リール及び前記第2リールを支持する支持部材を有し、
前記支持部材は、前記ユニット側筐体から前記排出方向へ引き出し可能であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記箔転写ユニットは、前記ユニット側筐体の上部を開閉するトップカバーを有し、
前記第1リール及び前記第2リールは、前記トップカバーが開いた状態で前記ユニット側筐体から取り出し可能であることを特徴とする請求項から請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記箔転写部は、シートを前記排出方向へ搬送し、
前記箔転写ユニットは、前記箔転写部を通過したシートを前記排出方向へ真っ直ぐ搬送して、前記排出方向へ排出することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記箔転写ユニットは、前記筐体の前記排出方向における中央部よりも前記排出方向の上流側に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箔転写ユニットを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置において、シートにトナー像を形成するトナー像形成部と、トナー像形成部で形成されたシート上のトナー像に金色や銀色、白色等の箔を転写する箔転写ユニットとを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この画像形成装置では、装置の手前側からシートを装置内へ挿入するようになっている。そして、シートは、トナー像形成部を通った後、箔転写ユニットを通り、装置から後側へ排出されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−215836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した技術では、シートの差し込みは装置の手前側から行うが、印刷がされたシートは装置の後側から排出されるため、ユーザの操作性が悪かった。
【0005】
そこで、本発明は、ユーザの操作性が良い画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、筐体と、筐体内に設けられ、シートにトナー像を形成するトナー像形成部と、シートのトナー像が形成された面に箔を重ね、トナー像の上に箔を転写する箔転写部と、トナー像形成部に供給するシートを配置するシート供給部と、トナー像形成部から送り出されたシートを、箔転写部を通らずに筐体外へ排出する第1排出部と、箔転写部から送り出されたシートを、筐体外へ排出する第2排出部と、を備えている。
そして、第1排出部は、シート供給部へのシート差し込み方向と逆向きの排出方向へシートを排出し、第2排出部は、前記排出方向へシートを排出する。
【0007】
このように構成された画像形成装置によれば、シート供給部へシートを差し込むときと、排出されたシートを取るときとの両方の場合において、筺体に対して同じ側から作業をすることができるので、ユーザの操作性がよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、シート供給部へシートを差し込むときと、排出されたシートを取るときとの両方の場合において、筺体に対して同じ側から作業をすることができるので、ユーザの操作性がよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係るカラープリンタの概略構成を示す図である。
図2】給紙トレイが装置本体から引き出された状態を示す図である。
図3】支持部材をユニット側筐体から引き出した状態を示す図(a)と、支持部材を図(a)の状態から手前側に倒した状態を示す図(b)である。
図4】カラープリンタの変形例を示す図である。
図5】変形例における箔転写ユニットのトップカバーを開いた状態を示す図である。
図6】支持部材の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の画像形成装置の一例としてのカラープリンタ1は、装置本体2と、装置本体2に取り付け可能な箔転写ユニット100とを備えている。なお、以下の説明において、カラープリンタ1を使用するユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1における右側を「前」、左側を「後」とし、手前側を「左」、奥側を「右」とする。また、図1における上下方向を「上下」とする。
【0011】
装置本体2は、本体筐体21を備えている。箔転写ユニット100は、ユニット側筐体110を備えている。箔転写ユニット100は、ユニット側筐体110を本体筐体21に固定することで、装置本体2に取り付けられる。これにより、カラープリンタ1の筐体は、本体筐体21とユニット側筐体110とで構成されている。
【0012】
装置本体2は、シート供給部の一例としての給紙部3と、トナー像形成部4と、搬送部9とを主に備えている。給紙部3、トナー像形成部4及び搬送部9は、本体筐体21内に設けられている。
【0013】
本体筐体21は、上部に、第1排紙トレイ22を有している。第1排紙トレイ22は、搬送部9の本体排紙ローラ94から排出されたシートの一例としての用紙Sが載置されるトレイである。
【0014】
給紙部3は、本体筐体21の下部に設けられている。給紙部3は、トナー像形成部4に供給する用紙Sを配置する給紙トレイ31と、給紙ローラ等からなる給紙機構33とを主に備えている。
【0015】
給紙トレイ31は、本体筐体21に着脱可能に設けられている。具体的には、図2に示すように、給紙トレイ31は、本体筐体21から前方に引き出すことによって本体筐体21から取り外すことが可能となっている。そして、給紙トレイ31は、後方に押し込むことによって本体筐体21に装着することが可能となっている。つまり、本実施形態における給紙部3への用紙Sの差し込み方向は、前から後へ向かう方向である。
【0016】
図1に戻り、給紙部3は、給紙トレイ31に収容された用紙Sを、給紙機構33によってトナー像形成部4に供給する。
【0017】
トナー像形成部4は、用紙Sにトナー像を形成するように構成されている。トナー像形成部4は、露光装置5と、4つのプロセスユニット6と、転写ユニット7と、定着器8とを主に備えている。
【0018】
露光装置5は、本体筐体21内の上部に配置され、図示しないレーザ発光部やポリゴンミラー、レンズ、反射鏡などを備えている。露光装置5は、レーザ発光部から画像データに基づくレーザ光(鎖線参照)を出射し、プロセスユニット6の感光ドラム61の表面を露光する。
【0019】
4つのプロセスユニット6は、給紙部3の上方で前後方向に沿って配列されている。各プロセスユニット6は、感光ドラム61や、図示しない公知の帯電器、現像ローラ62、トナーを収容するトナー収容部等を備えている。
【0020】
転写ユニット7は、給紙部3と4つのプロセスユニット6の間に設けられている。転写ユニット7は、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、搬送ベルト73と、4つの転写ローラ74とを備えている。
【0021】
駆動ローラ71及び従動ローラ72は、前後方向に離間して平行に配置され、その間にエンドレスベルトからなる搬送ベルト73が張設されている。そして、搬送ベルト73は、その外側の面が各感光ドラム61に対向している。また、搬送ベルト73の内側には、各感光ドラム61との間で搬送ベルト73を挟持する転写ローラ74が、各感光ドラム61に対向して4つ配置されている。
【0022】
定着器8は、プロセスユニット6及び転写ユニット7の後側に設けられている。定着器8は、加熱ローラ81と、加熱ローラ81と対向配置されて加熱ローラ81を押圧する加圧ローラ82とを備えている。
【0023】
トナー像形成部4では、まず、各感光ドラム61の表面が、帯電器により一様に帯電された後、露光装置5で露光される。これにより、露光された部分の電荷が除去されて、各感光ドラム61上に画像データに基づく静電潜像が形成される。その後、現像ローラ62によってトナー収容部内のトナーが感光ドラム61上の静電潜像に供給されることで、感光ドラム61上にトナー像が形成される。
【0024】
次に、搬送ベルト73上に供給された用紙Sが各感光ドラム61と各転写ローラ74との間を通過することで、各感光ドラム61上に形成されたトナー像が用紙S上に転写される。そして、用紙Sが加熱ローラ81と加圧ローラ82との間を通過することで、用紙S上に転写されたトナー像が熱定着される。
【0025】
搬送部9は、トナー像形成部4から送り出された用紙Sを、箔転写ユニット100の箔転写部140を通らずに本体筐体21外へ排出する第1排出部9Aと、トナー像形成部4から送り出された用紙Sを、箔転写部140へ案内する接続経路92と、用紙Sの搬送方向を切り替えるフラッパ93とを備えている。
【0026】
第1排出部9Aは、定着器8から送り出された用紙Sを搬送する本体排紙経路91と、本体排紙ローラ94とを有している。
【0027】
本体排紙経路91は、定着器8の後方から上方に延びた後、本体筐体21の上部で第1排紙トレイ22に向けて前方へ延びている。
【0028】
本体排紙ローラ94は、本体排紙経路91の出口に配置されたローラである。本体排紙ローラ94は、第1排紙トレイ22の後方に配置されている。本体排紙ローラ94は、第1排紙トレイ22に向けて、後から前へ向かう方向に用紙Sを排出するように設けられている。つまり、本体排紙ローラ94の排出方向は、給紙部3への用紙Sの差し込み方向とは逆向きである。
【0029】
接続経路92は、本体排紙経路91から分岐して上方へ延び、本体筐体21の外へ通じている。
【0030】
フラッパ93は、本体排紙経路91と接続経路92の分岐部に設けられている。フラッパ93は、本体筐体21に揺動可能に支持されている。フラッパ93は、揺動することで、接続経路92を閉じる第1位置(実線で示す位置)と、接続経路92を開いて、本体排紙経路91を閉じる第2位置(破線で示す位置)とに切り替え可能である。このフラッパ93は、用紙Sに箔を転写しないとき、第1位置に揺動し、用紙Sに箔を転写するとき、第2位置に揺動するように設けられている。
【0031】
箔転写ユニット100は、第1リール120と、第2リール130と、箔転写部140と、支持部材150と、第2排紙トレイ111とを備えている。また、箔転写ユニット100には、ユニット側給紙経路160と、第2排出部170とが設けられている。
【0032】
ユニット側筐体110は、第1排出部9Aの上方に配置され、本体筐体21の上部に固定されている。ユニット側筐体110は、前後方向において、本体筐体21の中央部より後側に設けられている。つまり、箔転写ユニット100は、カラープリンタ1の筐体の、第1排出部9Aの排出方向における中央部よりも第1排出部9Aの排出方向の上流側に設けられている。
【0033】
第1リール120は、転写される前の箔を有する箔テープFが巻かれている。箔テープFは、テープ状の支持体の上に箔の層が形成されてなる。第2リール130は、第1リール120の上方に配置されている。第2リール130は、箔転写部140を通過した箔テープFを巻き取るリールである。
【0034】
箔転写部140は、第1リール120と第2リール130の間の高さの位置に設けられている。箔転写部140は、第1箔転写ローラ141と、第1箔転写ローラ141と対向配置されて第1箔転写ローラ141を押圧する第2箔転写ローラ142とを有している。第1箔転写ローラ141は、図示しない熱源によって加熱されている。第2箔転写ローラ142は、第1箔転写ローラ141の後方に設けられている。そして、第1箔転写ローラ141と第2箔転写ローラ142は、第1リール120と第2リール130の間に巻き掛けられた箔テープFを挟んでいる。そして、箔転写部140は、ユニット側給紙経路160から案内された用紙Sのトナー像が形成されている面に箔テープF上の箔を重ね、上方に搬送するようになっている。これにより、箔転写部140は、トナー像を加熱することで、トナー像に箔を転写する。
【0035】
ユニット側給紙経路160は、本体筐体21の接続経路92から送り出された用紙Sを箔転写部140に案内する経路である。ユニット側給紙経路160は、ユニット側筐体110の下端から箔転写部140へ向けて上方へ延びている。そして、ユニット側給紙経路160は、下端部が接続経路92に接続されている。
【0036】
第2排出部170は、箔転写部140から送り出された用紙Sを、ユニット側筐体110外へ排出するように構成されている。第2排出部170は、ユニット側排紙経路172と、ユニット側排紙ローラ171とを有している。
【0037】
ユニット側排紙経路172は、箔転写部140から送り出された用紙Sをユニット側筐体110外へ案内する経路である。ユニット側排紙経路172は、箔転写部140から上方に延びた後、ユニット側筐体110の上部で前方へ延びている。
【0038】
ユニット側排紙ローラ171は、ユニット側排紙経路172の出口に配置されたローラである。ユニット側排紙ローラ171は、用紙Sを後から前へ向かう方向へ排出するように設けられている。つまり、ユニット側排紙ローラ171は、本体排紙ローラ94の排出方向へ用紙Sを排出する。
【0039】
第2排紙トレイ111は、ユニット側排紙ローラ171から排出された用紙Sが載置されるトレイである。第2排紙トレイ111は、ユニット側排紙ローラ171の前方に配置され、前後方向に延びている。この第2排紙トレイ111は、第1排紙トレイ22の上方に配置されている。また、第2排紙トレイ111は、後端がユニット側筐体110に揺動可能に支持されており、用紙Sを載置可能な図1の状態から上方へ揺動することが可能になっている(図3(a)参照)。
【0040】
支持部材150は、第1リール120と第2リール130を着脱可能に支持している。支持部材150は、ユニット側排紙ローラ171の下側で、ユニット側筐体110に着脱可能に支持されている。具体的には、図3(a)に示すように、支持部材150は、ユニット側筐体110から前方へ引き出すことによってユニット側筐体110から取り外すことが可能となっている。つまり、支持部材150は、ユニット側筐体110から本体排紙ローラ94の排出方向に引き出し可能である。これにより、第1リール120及び第2リール130は、第1排紙トレイ22と第2排紙トレイ111を通って、本体排紙ローラ94の排出方向へ引き出し可能である。また、支持部材150は、後方に押し込むことによってユニット側筐体110に装着することが可能となっている。
【0041】
以上のように構成されたカラープリンタ1の作用及び効果について説明する。
図2に示すように、給紙部3に用紙Sを挿入するとき、カラープリンタ1の前側から給紙トレイ31を引き出す。そして、給紙トレイ31に用紙Sを載置した後、給紙トレイ31を、カラープリンタ1の前側から本体筐体21に差し込む。
【0042】
用紙Sに箔を転写する場合、まず、図1の破線に示すように、フラッパ93が第2位置に揺動する。トナー像形成部4は、給紙部3から送り出された用紙Sに、箔を転写するトナー像を形成するとともに、トナー像を定着させる。トナー像形成部4から送り出された用紙Sは、第2位置に位置するフラッパ93により本体排紙経路91から接続経路92へ案内され、箔転写ユニット100に送られる。箔転写ユニット100に送られた用紙Sは、箔転写部140を通過することで、用紙S上のトナー像に箔が転写される。箔転写部140を通過した用紙Sは、ユニット側排紙経路172を通って、ユニット側排紙ローラ171によりユニット側筐体110から前方へ排出される。ユニット側排紙ローラ171により排出された用紙Sは、ユニット側筐体110の前側に設けられた第2排紙トレイ111に載置される。ユーザは、箔転写ユニット100から排出された用紙Sを、カラープリンタ1の前側から取ることができる。
【0043】
用紙Sに箔を転写しない場合、まず、図1の実線に示すように、フラッパ93が第1位置に揺動する。トナー像形成部4は、給紙部3から送り出された用紙Sに、トナー像を形成するとともに、トナー像を定着させる。トナー像形成部4から送り出された用紙Sは、第1位置に位置するフラッパ93により本体排紙経路91を通り、本体排紙ローラ94により前方へ排出される。本体排紙ローラ94により排出された用紙Sは、第1排紙トレイ22に載置される。ユーザは、装置本体2から排出された用紙Sをカラープリンタ1の前側から取ることができる。
【0044】
以上のように、カラープリンタ1においては、給紙部3に用紙Sを差し込むときと、第1排紙トレイ22または第2排紙トレイ111に排出された用紙Sを取るときとで、ユーザは、カラープリンタ1の前側から操作することができる。そのため、ユーザの操作性が良い。
【0045】
箔テープFを交換するときには、図3(a)に示すように、まず、第2排紙トレイ111を上方へ揺動させて、支持部材150の前方の空間を広くする。そして、支持部材150をユニット側筐体110に対し、前方へ引き出す。次に、図3(b)に示すように、支持部材150を前方へ倒す。これにより、第1リール120と第2リール130が露出するので、第1リール120と第2リール130を支持部材150から外し、箔テープFを交換する。このように、箔テープFを交換するときもカラープリンタ1の前側から操作することができるので、ユーザの操作性が良い。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。なお、前記実施形態と同様の構成要素については、同一符号を付して、その説明を省略することとする。
【0047】
前記実施形態では、給紙トレイ31の差し込み方向を給紙部3への用紙Sの差し込み方向としたが、給紙部3への用紙Sの差し込み方向は、これに限定されるものではない。例えば、カラープリンタ1が、装置本体2の前部に手差しトレイを有している場合、手差しトレイへの用紙Sの差し込み方向が給紙部への用紙Sの差し込み方向である。
【0048】
前記実施形態では、箔転写部140が、本体筐体21に取り付け可能な箔転写ユニット100に備えられていたが、箔転写部の構成はこれに限定されるものではない。例えば、箔転写部は、本体筐体21内に設けられていてもよい。
【0049】
前記実施形態では、箔転写部140は、用紙Sを下から上へ向けて搬送するように設けられていたが、箔転写部の構成はこれに限定されるものではない。例えば、図4に示すように、箔転写部140は、用紙Sを本体排紙ローラ94の排出方向である後から前へ向かう方向へ搬送するように設けられていてもよい。
【0050】
具体的に、第2リール130は、第1リール120の前方に配置されている。そして、第1箔転写ローラ141は、前後方向において、第1リール120と第2リール130の間に配置されている。第2箔転写ローラ142は、第1箔転写ローラ141の上側に設けられている。ユニット側給紙経路160Aは、接続経路92の上方から上方へ延びた後、箔転写部140に向けて前方へ延びている。
【0051】
ユニット側排紙経路172Aは、箔転写部140から真っ直ぐ前方へ延びている。ユニット側排紙ローラ171は、箔転写部140から送り出された用紙Sを前方へ排出するように設けられている。これにより、この箔転写ユニット100では、箔転写部140を通過した用紙Sを後から前へ向かう方向へ真っ直ぐ搬送して、後から前へ向かう方向へ排出する。このように、真っ直ぐ搬送している状態で、箔を転写することができるので、用紙Sがカールするのを抑えることができる。また、箔転写部140から送り出された用紙Sを真っ直ぐ搬送することで、用紙Sがカールするのを抑えることができる。
【0052】
この箔転写ユニット100では、ユニット側筐体110の上部を開閉するトップカバー112を備えている。トップカバー112は、ユニット側筐体110に後端部を支点として上下に揺動可能に支持されている。図5に示すように、箔テープFを交換するときには、トップカバー112を上方へ揺動させる。これにより、第1リール120と第2リール130が露出するので、第1リール120と第2リール130をユニット側筐体110から取り外して、箔テープFを交換する。
【0053】
前記実施形態では、支持部材150が、ユニット側筐体110から前方に引き出し可能に構成されていたが、支持部材の構成はこれに限定されるものではない。例えば、図6に示すように、支持部材150は、ユニット側筐体110に対し揺動可能に支持されていてもよい。
【0054】
具体的に、支持部材150は、下端部に設けられた揺動軸151を中心に、ユニット側筐体110に対して揺動可能に設けられている。第1リール120と第2リール130は、支持部材150を前側に向けて揺動することで、外部に露出するようになっている。この場合においても、第1リール120と第2リール130は、第1排紙トレイ22と第2排紙トレイ111を通って、本体排紙ローラ94の排出方向へ引き出し可能である。
【0055】
前記実施形態では、画像形成装置として、複数のプロセスユニット6を備えるカラープリンタ1を例示したが、画像形成装置はこれに限定されるものではない。例えば、画像形成装置は、プロセスユニット6を1つだけ備えるモノクロのレーザプリンタであってもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 カラープリンタ
3 給紙部
4 トナー像形成部
9A 第1排出部
21 本体筐体
22 第1排紙トレイ
100 箔転写ユニット
110 ユニット側筐体
111 第2排紙トレイ
120 第1リール
130 第2リール
140 箔転写部
150 支持部材
170 第2排出部
S 用紙
図1
図2
図3
図4
図5
図6