(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の画像形成装置の一例としてのカラープリンタ1は、装置本体2と、装置本体2に取り付け可能な箔転写ユニット100とを備えている。なお、以下の説明において、カラープリンタ1を使用するユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、
図1における右側を「前」、左側を「後」とし、手前側を「左」、奥側を「右」とする。また、
図1における上下方向を「上下」とする。
【0011】
装置本体2は、本体筐体21を備えている。箔転写ユニット100は、ユニット側筐体110を備えている。箔転写ユニット100は、ユニット側筐体110を本体筐体21に固定することで、装置本体2に取り付けられる。これにより、カラープリンタ1の筐体は、本体筐体21とユニット側筐体110とで構成されている。
【0012】
装置本体2は、シート供給部の一例としての給紙部3と、トナー像形成部4と、搬送部9とを主に備えている。給紙部3、トナー像形成部4及び搬送部9は、本体筐体21内に設けられている。
【0013】
本体筐体21は、上部に、第1排紙トレイ22を有している。第1排紙トレイ22は、搬送部9の本体排紙ローラ94から排出されたシートの一例としての用紙Sが載置されるトレイである。
【0014】
給紙部3は、本体筐体21の下部に設けられている。給紙部3は、トナー像形成部4に供給する用紙Sを配置する給紙トレイ31と、給紙ローラ等からなる給紙機構33とを主に備えている。
【0015】
給紙トレイ31は、本体筐体21に着脱可能に設けられている。具体的には、
図2に示すように、給紙トレイ31は、本体筐体21から前方に引き出すことによって本体筐体21から取り外すことが可能となっている。そして、給紙トレイ31は、後方に押し込むことによって本体筐体21に装着することが可能となっている。つまり、本実施形態における給紙部3への用紙Sの差し込み方向は、前から後へ向かう方向である。
【0016】
図1に戻り、給紙部3は、給紙トレイ31に収容された用紙Sを、給紙機構33によってトナー像形成部4に供給する。
【0017】
トナー像形成部4は、用紙Sにトナー像を形成するように構成されている。トナー像形成部4は、露光装置5と、4つのプロセスユニット6と、転写ユニット7と、定着器8とを主に備えている。
【0018】
露光装置5は、本体筐体21内の上部に配置され、図示しないレーザ発光部やポリゴンミラー、レンズ、反射鏡などを備えている。露光装置5は、レーザ発光部から画像データに基づくレーザ光(鎖線参照)を出射し、プロセスユニット6の感光ドラム61の表面を露光する。
【0019】
4つのプロセスユニット6は、給紙部3の上方で前後方向に沿って配列されている。各プロセスユニット6は、感光ドラム61や、図示しない公知の帯電器、現像ローラ62、トナーを収容するトナー収容部等を備えている。
【0020】
転写ユニット7は、給紙部3と4つのプロセスユニット6の間に設けられている。転写ユニット7は、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、搬送ベルト73と、4つの転写ローラ74とを備えている。
【0021】
駆動ローラ71及び従動ローラ72は、前後方向に離間して平行に配置され、その間にエンドレスベルトからなる搬送ベルト73が張設されている。そして、搬送ベルト73は、その外側の面が各感光ドラム61に対向している。また、搬送ベルト73の内側には、各感光ドラム61との間で搬送ベルト73を挟持する転写ローラ74が、各感光ドラム61に対向して4つ配置されている。
【0022】
定着器8は、プロセスユニット6及び転写ユニット7の後側に設けられている。定着器8は、加熱ローラ81と、加熱ローラ81と対向配置されて加熱ローラ81を押圧する加圧ローラ82とを備えている。
【0023】
トナー像形成部4では、まず、各感光ドラム61の表面が、帯電器により一様に帯電された後、露光装置5で露光される。これにより、露光された部分の電荷が除去されて、各感光ドラム61上に画像データに基づく静電潜像が形成される。その後、現像ローラ62によってトナー収容部内のトナーが感光ドラム61上の静電潜像に供給されることで、感光ドラム61上にトナー像が形成される。
【0024】
次に、搬送ベルト73上に供給された用紙Sが各感光ドラム61と各転写ローラ74との間を通過することで、各感光ドラム61上に形成されたトナー像が用紙S上に転写される。そして、用紙Sが加熱ローラ81と加圧ローラ82との間を通過することで、用紙S上に転写されたトナー像が熱定着される。
【0025】
搬送部9は、トナー像形成部4から送り出された用紙Sを、箔転写ユニット100の箔転写部140を通らずに本体筐体21外へ排出する第1排出部9Aと、トナー像形成部4から送り出された用紙Sを、箔転写部140へ案内する接続経路92と、用紙Sの搬送方向を切り替えるフラッパ93とを備えている。
【0026】
第1排出部9Aは、定着器8から送り出された用紙Sを搬送する本体排紙経路91と、本体排紙ローラ94とを有している。
【0027】
本体排紙経路91は、定着器8の後方から上方に延びた後、本体筐体21の上部で第1排紙トレイ22に向けて前方へ延びている。
【0028】
本体排紙ローラ94は、本体排紙経路91の出口に配置されたローラである。本体排紙ローラ94は、第1排紙トレイ22の後方に配置されている。本体排紙ローラ94は、第1排紙トレイ22に向けて、後から前へ向かう方向に用紙Sを排出するように設けられている。つまり、本体排紙ローラ94の排出方向は、給紙部3への用紙Sの差し込み方向とは逆向きである。
【0029】
接続経路92は、本体排紙経路91から分岐して上方へ延び、本体筐体21の外へ通じている。
【0030】
フラッパ93は、本体排紙経路91と接続経路92の分岐部に設けられている。フラッパ93は、本体筐体21に揺動可能に支持されている。フラッパ93は、揺動することで、接続経路92を閉じる第1位置(実線で示す位置)と、接続経路92を開いて、本体排紙経路91を閉じる第2位置(破線で示す位置)とに切り替え可能である。このフラッパ93は、用紙Sに箔を転写しないとき、第1位置に揺動し、用紙Sに箔を転写するとき、第2位置に揺動するように設けられている。
【0031】
箔転写ユニット100は、第1リール120と、第2リール130と、箔転写部140と、支持部材150と、第2排紙トレイ111とを備えている。また、箔転写ユニット100には、ユニット側給紙経路160と、第2排出部170とが設けられている。
【0032】
ユニット側筐体110は、第1排出部9Aの上方に配置され、本体筐体21の上部に固定されている。ユニット側筐体110は、前後方向において、本体筐体21の中央部より後側に設けられている。つまり、箔転写ユニット100は、カラープリンタ1の筐体の、第1排出部9Aの排出方向における中央部よりも第1排出部9Aの排出方向の上流側に設けられている。
【0033】
第1リール120は、転写される前の箔を有する箔テープFが巻かれている。箔テープFは、テープ状の支持体の上に箔の層が形成されてなる。第2リール130は、第1リール120の上方に配置されている。第2リール130は、箔転写部140を通過した箔テープFを巻き取るリールである。
【0034】
箔転写部140は、第1リール120と第2リール130の間の高さの位置に設けられている。箔転写部140は、第1箔転写ローラ141と、第1箔転写ローラ141と対向配置されて第1箔転写ローラ141を押圧する第2箔転写ローラ142とを有している。第1箔転写ローラ141は、図示しない熱源によって加熱されている。第2箔転写ローラ142は、第1箔転写ローラ141の後方に設けられている。そして、第1箔転写ローラ141と第2箔転写ローラ142は、第1リール120と第2リール130の間に巻き掛けられた箔テープFを挟んでいる。そして、箔転写部140は、ユニット側給紙経路160から案内された用紙Sのトナー像が形成されている面に箔テープF上の箔を重ね、上方に搬送するようになっている。これにより、箔転写部140は、トナー像を加熱することで、トナー像に箔を転写する。
【0035】
ユニット側給紙経路160は、本体筐体21の接続経路92から送り出された用紙Sを箔転写部140に案内する経路である。ユニット側給紙経路160は、ユニット側筐体110の下端から箔転写部140へ向けて上方へ延びている。そして、ユニット側給紙経路160は、下端部が接続経路92に接続されている。
【0036】
第2排出部170は、箔転写部140から送り出された用紙Sを、ユニット側筐体110外へ排出するように構成されている。第2排出部170は、ユニット側排紙経路172と、ユニット側排紙ローラ171とを有している。
【0037】
ユニット側排紙経路172は、箔転写部140から送り出された用紙Sをユニット側筐体110外へ案内する経路である。ユニット側排紙経路172は、箔転写部140から上方に延びた後、ユニット側筐体110の上部で前方へ延びている。
【0038】
ユニット側排紙ローラ171は、ユニット側排紙経路172の出口に配置されたローラである。ユニット側排紙ローラ171は、用紙Sを後から前へ向かう方向へ排出するように設けられている。つまり、ユニット側排紙ローラ171は、本体排紙ローラ94の排出方向へ用紙Sを排出する。
【0039】
第2排紙トレイ111は、ユニット側排紙ローラ171から排出された用紙Sが載置されるトレイである。第2排紙トレイ111は、ユニット側排紙ローラ171の前方に配置され、前後方向に延びている。この第2排紙トレイ111は、第1排紙トレイ22の上方に配置されている。また、第2排紙トレイ111は、後端がユニット側筐体110に揺動可能に支持されており、用紙Sを載置可能な
図1の状態から上方へ揺動することが可能になっている(
図3(a)参照)。
【0040】
支持部材150は、第1リール120と第2リール130を着脱可能に支持している。支持部材150は、ユニット側排紙ローラ171の下側で、ユニット側筐体110に着脱可能に支持されている。具体的には、
図3(a)に示すように、支持部材150は、ユニット側筐体110から前方へ引き出すことによってユニット側筐体110から取り外すことが可能となっている。つまり、支持部材150は、ユニット側筐体110から本体排紙ローラ94の排出方向に引き出し可能である。これにより、第1リール120及び第2リール130は、第1排紙トレイ22と第2排紙トレイ111を通って、本体排紙ローラ94の排出方向へ引き出し可能である。また、支持部材150は、後方に押し込むことによってユニット側筐体110に装着することが可能となっている。
【0041】
以上のように構成されたカラープリンタ1の作用及び効果について説明する。
図2に示すように、給紙部3に用紙Sを挿入するとき、カラープリンタ1の前側から給紙トレイ31を引き出す。そして、給紙トレイ31に用紙Sを載置した後、給紙トレイ31を、カラープリンタ1の前側から本体筐体21に差し込む。
【0042】
用紙Sに箔を転写する場合、まず、
図1の破線に示すように、フラッパ93が第2位置に揺動する。トナー像形成部4は、給紙部3から送り出された用紙Sに、箔を転写するトナー像を形成するとともに、トナー像を定着させる。トナー像形成部4から送り出された用紙Sは、第2位置に位置するフラッパ93により本体排紙経路91から接続経路92へ案内され、箔転写ユニット100に送られる。箔転写ユニット100に送られた用紙Sは、箔転写部140を通過することで、用紙S上のトナー像に箔が転写される。箔転写部140を通過した用紙Sは、ユニット側排紙経路172を通って、ユニット側排紙ローラ171によりユニット側筐体110から前方へ排出される。ユニット側排紙ローラ171により排出された用紙Sは、ユニット側筐体110の前側に設けられた第2排紙トレイ111に載置される。ユーザは、箔転写ユニット100から排出された用紙Sを、カラープリンタ1の前側から取ることができる。
【0043】
用紙Sに箔を転写しない場合、まず、
図1の実線に示すように、フラッパ93が第1位置に揺動する。トナー像形成部4は、給紙部3から送り出された用紙Sに、トナー像を形成するとともに、トナー像を定着させる。トナー像形成部4から送り出された用紙Sは、第1位置に位置するフラッパ93により本体排紙経路91を通り、本体排紙ローラ94により前方へ排出される。本体排紙ローラ94により排出された用紙Sは、第1排紙トレイ22に載置される。ユーザは、装置本体2から排出された用紙Sをカラープリンタ1の前側から取ることができる。
【0044】
以上のように、カラープリンタ1においては、給紙部3に用紙Sを差し込むときと、第1排紙トレイ22または第2排紙トレイ111に排出された用紙Sを取るときとで、ユーザは、カラープリンタ1の前側から操作することができる。そのため、ユーザの操作性が良い。
【0045】
箔テープFを交換するときには、
図3(a)に示すように、まず、第2排紙トレイ111を上方へ揺動させて、支持部材150の前方の空間を広くする。そして、支持部材150をユニット側筐体110に対し、前方へ引き出す。次に、
図3(b)に示すように、支持部材150を前方へ倒す。これにより、第1リール120と第2リール130が露出するので、第1リール120と第2リール130を支持部材150から外し、箔テープFを交換する。このように、箔テープFを交換するときもカラープリンタ1の前側から操作することができるので、ユーザの操作性が良い。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。なお、前記実施形態と同様の構成要素については、同一符号を付して、その説明を省略することとする。
【0047】
前記実施形態では、給紙トレイ31の差し込み方向を給紙部3への用紙Sの差し込み方向としたが、給紙部3への用紙Sの差し込み方向は、これに限定されるものではない。例えば、カラープリンタ1が、装置本体2の前部に手差しトレイを有している場合、手差しトレイへの用紙Sの差し込み方向が給紙部への用紙Sの差し込み方向である。
【0048】
前記実施形態では、箔転写部140が、本体筐体21に取り付け可能な箔転写ユニット100に備えられていたが、箔転写部の構成はこれに限定されるものではない。例えば、箔転写部は、本体筐体21内に設けられていてもよい。
【0049】
前記実施形態では、箔転写部140は、用紙Sを下から上へ向けて搬送するように設けられていたが、箔転写部の構成はこれに限定されるものではない。例えば、
図4に示すように、箔転写部140は、用紙Sを本体排紙ローラ94の排出方向である後から前へ向かう方向へ搬送するように設けられていてもよい。
【0050】
具体的に、第2リール130は、第1リール120の前方に配置されている。そして、第1箔転写ローラ141は、前後方向において、第1リール120と第2リール130の間に配置されている。第2箔転写ローラ142は、第1箔転写ローラ141の上側に設けられている。ユニット側給紙経路160Aは、接続経路92の上方から上方へ延びた後、箔転写部140に向けて前方へ延びている。
【0051】
ユニット側排紙経路172Aは、箔転写部140から真っ直ぐ前方へ延びている。ユニット側排紙ローラ171は、箔転写部140から送り出された用紙Sを前方へ排出するように設けられている。これにより、この箔転写ユニット100では、箔転写部140を通過した用紙Sを後から前へ向かう方向へ真っ直ぐ搬送して、後から前へ向かう方向へ排出する。このように、真っ直ぐ搬送している状態で、箔を転写することができるので、用紙Sがカールするのを抑えることができる。また、箔転写部140から送り出された用紙Sを真っ直ぐ搬送することで、用紙Sがカールするのを抑えることができる。
【0052】
この箔転写ユニット100では、ユニット側筐体110の上部を開閉するトップカバー112を備えている。トップカバー112は、ユニット側筐体110に後端部を支点として上下に揺動可能に支持されている。
図5に示すように、箔テープFを交換するときには、トップカバー112を上方へ揺動させる。これにより、第1リール120と第2リール130が露出するので、第1リール120と第2リール130をユニット側筐体110から取り外して、箔テープFを交換する。
【0053】
前記実施形態では、支持部材150が、ユニット側筐体110から前方に引き出し可能に構成されていたが、支持部材の構成はこれに限定されるものではない。例えば、
図6に示すように、支持部材150は、ユニット側筐体110に対し揺動可能に支持されていてもよい。
【0054】
具体的に、支持部材150は、下端部に設けられた揺動軸151を中心に、ユニット側筐体110に対して揺動可能に設けられている。第1リール120と第2リール130は、支持部材150を前側に向けて揺動することで、外部に露出するようになっている。この場合においても、第1リール120と第2リール130は、第1排紙トレイ22と第2排紙トレイ111を通って、本体排紙ローラ94の排出方向へ引き出し可能である。
【0055】
前記実施形態では、画像形成装置として、複数のプロセスユニット6を備えるカラープリンタ1を例示したが、画像形成装置はこれに限定されるものではない。例えば、画像形成装置は、プロセスユニット6を1つだけ備えるモノクロのレーザプリンタであってもよい。