特許第6772507号(P6772507)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6772507
(24)【登録日】2020年10月5日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】記録媒体
(51)【国際特許分類】
   B42D 15/00 20060101AFI20201012BHJP
   B65H 5/06 20060101ALI20201012BHJP
【FI】
   B42D15/00 301Z
   B65H5/06 F
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-63455(P2016-63455)
(22)【出願日】2016年3月28日
(65)【公開番号】特開2017-177345(P2017-177345A)
(43)【公開日】2017年10月5日
【審査請求日】2019年2月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000039
【氏名又は名称】特許業務法人アイ・ピー・ウィン
(72)【発明者】
【氏名】西野 翼
(72)【発明者】
【氏名】竹井 剛
(72)【発明者】
【氏名】原田 勝巳
【審査官】 藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−041423(JP,A)
【文献】 特開2007−293414(JP,A)
【文献】 特開2000−094781(JP,A)
【文献】 特開2009−069935(JP,A)
【文献】 特開2008−068507(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0226857(US,A1)
【文献】 特開2010−247912(JP,A)
【文献】 特開2003−5648(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 11/00
B42D 15/00
B42D 25/00−25/485
B65H 5/06
B41J 29/38
G06K 19/00−19/18
G09F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置内に送られて画像が形成される第1粘着層を有する一方の基材と、
前記第1粘着層と張り合わされる第2粘着層を有する他方の基材と、
前記第1粘着層と前記第2粘着層の間に配置された少なくとも記憶部材と、
前記一方の基材側から前記第2粘着までの深さであって、少なくとも前記記憶部材を囲むように形成された切り込みと、を有し、
前記切り込みに囲まれた内側の部分は、前記画像形成装置内に送られて画像が形成された後に、前記切り込みにおいて前記他方の基材から前記一方の基材が剥離された場合に、前記画像形成装置に先に送られる側と前記画像形成装置に後から送られる側とが貼り合わされるように、前記先に送られる側と前記後から送られる側とに2分割され、
前記記憶部材は、前記切り込みに囲まれた内の前記画像形成装置に後から送られる側のみに設けられている記録媒体。
【請求項2】
前記記憶部材と前記画像形成装置に後から送られる側の切り込みとの距離は、前記画像形成装置内の搬送路に設けられた一方の送り部材と、前記搬送路の下流側であって前記一方の送り部材に隣接する他方の送り部材との間の距離より短い請求項1に記載の記録媒体。
【請求項3】
前記一方の送り部材と前記他方の送り部材との間の前記搬送路は、曲線状に設けられており、
前記切り込みが形成された側が前記搬送路の曲線状の外側に配置されて、前記一方の送り部材と前記他方の送り部材との間の前記搬送路を通過する場合、前記画像形成装置に後から送られる側の前記切り込みに沿って折れ曲がる請求項2に記載の記録媒体。
【請求項4】
前記他方の基材は、前記第2粘着層と、前記第2粘着層が着脱自在に塗布された剥離部材とを有しており、
前記一方の送り部材と前記他方の送り部材との間の前記搬送路を通過する場合、前記記憶部材側の前記切り込み部分の前記第2粘着層と前記剥離部材が剥離される請求項2又は
3に記載の記録媒体。
【請求項5】
前記一方の基材は、前記第1粘着層と、樹脂材料で形成された基材層と、前記基材層の少なくとも画像が形成される側に塗工層が設けられている請求項1〜4のいずれかに記載の記録媒体。
【請求項6】
前記切り込みで囲まれた外側に余白を有し、
前記余白は、前記画像形成装置に先に送られる側に比べ、後に送られる側が広い請求項1〜5のいずれかに記載の記録媒体。
【請求項7】
前記画像形成装置に先に送られる側に印が設けられている請求項1〜6のいずれかに記載の記録媒体。
【請求項8】
前記切り込みのうち、前記記憶部材よりも前記画像形成装置に後から送られる後端側切り込み部分の一部が剥がれることで、前記記憶部材が設けられた部分が大きく曲げられることを抑制する請求項1に記載の記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、RFID(Radio Frequancy IDentification)等の回路装置を有する紙等の記録媒体に画像を形成する画像形成装置に関する発明として、下記特許文献1に、RFIDチップを備えた記録媒体を搬送する搬送手段と、搬送される前記記録媒体の幅方向の所定位置に対応して当該画像形成装置に固定して配置され該記録媒体のRFIDチップを通信により検知するRFIDセンサと、前記記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、前記記録媒体におけるRFIDチップと形成される画像との位置関係を指定する画像形成条件が入力される入力手段とを備え、前記画像形成条件に基づいて、前記RFIDチップがRFIDセンサにより検知可能な位置となるように設定された搬送向きで前記記録媒体が搬送され、前記記録媒体の搬送向き及び前記画像形成条件に基づいて、入力される画像データを所定角度で回転させる画像処理が行われ、該画像処理後の画像データにより前記記録媒体上に画像が形成されることを特徴とする画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−221679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
回路装置を有する記録媒体が画像形成装置内に送られる場合、記録媒体を搬送するために回転される各送り部材の間を折れ曲がって通過する場合にこの回路装置が有する記憶部材に大きな負荷がかかる課題がある。
【0005】
本発明は、画像形成装置内を搬送される記録媒体が有する記憶部材に大きな負荷がかかることを防止することができる記録媒体及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る本発明は、画像形成装置内に送られて画像が形成される第1粘着層を有する一方の基材と、前記第1粘着層と張り合わされる第2粘着層を有する他方の基材と、前記第1粘着層と前記第2粘着層の間に配置された少なくとも記憶部材と、前記一方の基材側から前記第2粘着までの深さであって、少なくとも前記記憶部材を囲むように形成された切り込みと、を有し、前記切り込みに囲まれた内側の部分は、前記画像形成装置に先に送られる側と前記画像形成装置に後から送られる側とに2分割され、前記記憶部材は、前記切り込みに囲まれた内の前記画像形成装置に後から送られる側に設けられている記録媒体である。
【0007】
請求項2に係る本発明は、前記記憶部材と前記画像形成装置に後から送られる側の切り込みとの距離は、前記画像形成装置内の搬送路に設けられた一方の送り部材と、前記搬送路の下流側であって前記一方の送り部材に隣接する他方の送り部材との間の距離より短い請求項1に記載の記録媒体である。
【0008】
請求項3に係る本発明は、前記一方の送り部材と前記他方の送り部材との間の前記搬送路は、曲線状に設けられており、前記切り込みが形成された側が前記搬送路の曲線状の外側に配置されて、前記一方の送り部材と前記他方の送り部材との間の前記搬送路を通過する場合、前記画像形成装置に後から送られる側の前記切り込みに沿って折れ曲がる請求項2に記載の記録媒体である。
【0009】
請求項4に係る本発明は、前記他方の基材は、前記第2粘着層と、前記第2粘着層が着脱自在に塗布された剥離部材とを有しており、前記一方の送り部材と前記他方の送り部材との間の前記搬送路を通過する場合、前記記憶部材側の前記切り込み部分の前記第2粘着層と前記剥離部材が剥離される請求項2又は3に記載の記録媒体である。
【0010】
請求項5に係る本発明は、前記一方の基材は、前記第1粘着層と、樹脂材料で形成された基材層と、前記基材層の少なくとも画像が形成される側に塗工層が設けられている請求項1〜4のいずれかに記載の記録媒体である。
【0011】
請求項6に係る本発明は、前記切り込みで囲まれた外側に余白を有し、前記余白は、前記画像形成装置に先に送られる側に比べ、後に送られる側が広い請求項1〜5のいずれかに記載の記録媒体である。
【0012】
請求項7に係る本発明は、前記画像形成装置に先に送られる側に印が設けられている請求項1〜6のいずれかに記載の記録媒体である。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る本発明によれば、画像形成装置内に記憶部材が先に送られる記録媒体に比べ、記憶部材にかかる負荷を減らすことができる。
【0015】
請求項2に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明の効果に加えて、記憶部材と画像形成装置に後から送られる側の切り込みとの距離が、画像形成装置内の搬送路に設けられた一方の送り部材と、搬送路の下流側であって一方の送り部材に隣接する他方の送り部材との間の距離より長い記録媒体に比べ、記憶部材への負荷を減らすことができる。
【0016】
請求項3に係る本発明によれば、請求項2に係る本発明の効果に加えて、記憶部材側の切り込みが切り込みに沿って折れ曲がらない記録媒体に比べ、記憶部材にかかる負荷をより減らすことができる。
【0017】
請求項4に係る本発明によれば、請求項2又は3に係る本発明の効果に加えて、記憶部材側の切り込み部分の第2粘着部と剥離部材が剥離されない記録部材に比べ、記憶部材にかかる負荷をさらに減らすことができる。
【0018】
請求項5に係る本発明によれば、請求項1〜4のいずれかに係る本発明の効果に加えて、塗工層が設けられていない場合に比べ、画像の形成をきれいに行うことができる。
【0019】
請求項6に係る本発明によれば、請求項1〜5のいずれかに係る本発明の効果に加えて、画像形成装置に先に送られる側に比べ、後に送られる側の余白が狭い記録媒体に比べ、記憶部材にかかる負荷を減らすことができる。
【0020】
請求項7に係る本発明によれば、請求項1〜6のいずれかに係る本発明の効果に加えて、印が設けられていない場合に比べて、記録媒体の画像形成装置に先に送られる方向を間違えることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施形態の画像形成装置を示す側面断面図である。
図2】実施形態の記録媒体を示す平面図である。
図3】実施形態の記録媒体を示す断面図である。
図4図4Aは比較例として記録媒体が反対の向きで搬送される状態を示した概略図であり、図4Bは記録媒体が搬送される状態を示した概略図であり、図4Cは記録媒体が搬送される他の状態を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための記録媒体及び画像形成装置を例示するものであって、本発明をこれに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適応し得るものである。
【0024】
[実施形態]
実施形態の画像形成装置10は、図1に示すように、画像形成装置本体12を有し、画像形成装置本体12の側面(図1の左側)に、実施形態の記録媒体100が配置され、画像形成装置本体12内に送られる開閉装置としての手差しユニット80を有し、また、画像形成装置本体12の内部に、実施形態の記録媒体とは異なる記録紙等の他の記録媒体200を供給する給紙ユニット18と、記録媒体100及び他の記録媒体200に転写する画像を形成する画像形成手段14と、定着装置36とが搭載され、画像形成装置本体12の上部に記録媒体100及び他の記録媒体200が排出される排出部16を有し、これらを通過するように記録媒体100及び他の記録媒体200を搬送する搬送路56が設けられている。(以下、実施形態に係る記録媒体を単に記録媒体100といい、実施形態の記録媒体と異なる記録媒体を他の記録媒体200という。また、記録媒体100及び他の記録媒体200をまとめて記録媒体100、200という。)なお、手差しユニット80に、他の記録媒体200を配置するようにしてもよい。
【0025】
また、画像形成装置本体12の手差しユニット80は、開いた状態において画像形成装置本体12内に手差しユニット80側から供給される記録媒体100が配置され(図1参照)、閉じた状態において画像形成装置本体12の側面に収納されるようになっている(不図示)。
【0026】
ここで、図2及び図3を参照して、実施形態の記録媒体100について説明する。
【0027】
実施形態の記録媒体100は、長手側と短手側とを有する長方形状であって、複数、例えば2つの回路装置102を間に挟み、一方側に、回路装置102側から順に、一方の基材としての第1粘着層112と、例えば、樹脂材料で形成された基材層110と、画像が形成される塗工層108とを有し、他方側には、回路装置102側から順に、他方の基材としての第2粘着層114と、前記第2粘着層114が塗布され、且つ、第2粘着層114の着脱が可能な面を有する剥離部材としての剥離紙116とが積層されて構成されている。このとき、回路装置102を挟んで、一方側の第1粘着層112と他方側の第2粘着層114とが貼り合わされた構成となっている。なお、図2では、説明のため、回路装置102が見えるように記載している。
【0028】
また、回路装置102は、各種の情報や記録等のデータが記憶されたIC(Integrated circuit)等の記憶部材104と、記憶部材104に繋がれたデータの送受信が行われる複数の金属製の配線が巻回されたコイル状の送受信部106を有している。なお、送受信部106は、相手方からの電波を受信することで起電力を発生する部分ともなっている。
【0029】
また、実施形態の記録媒体100は、回路装置102を含む所定の範囲を囲むように切り込み118が形成されている。この切り込み118は、記録媒体100の一方側の画像が形成される面側から切り込まれており、他方側の第2粘着層114まで切り込まれている。なお、剥離紙116は、切り込まれていない。このとき、実施形態の記録媒体100では、一枚の記録媒体100に2か所に長方形状に囲まれた切り込み118が形成され、この切り込み118で囲まれた部分がそれぞれ剥離される剥離部124となる。なお、実施形態では、切り込み118は、記録媒体100が画像形成装置本体12内に送られる方向が長手方向となる長方形状に形成されている。
【0030】
また、切り込み118で囲まれた剥離部124は、互に隙間が設けられており、その間には、縦ミシン目122が設けられている。
【0031】
なお、図2では、切り込み118で囲まれた剥離部124は、互に隙間が設けられているが、これに限らず、隣接する部分の互の切り込みが一本に重なるようにしてもよい。
【0032】
また、記録媒体100の短手方向において、切り込み118で囲まれた剥離部124を2分割する位置に、ミシン目120がそれぞれ形成されている。このとき、回路装置102は、このミシン目120で分割された剥離部124のうちの一方側に配置されるようになる。
【0033】
詳しくは、実施形態の記録媒体100に回路装置102の記憶部材104が設けられる位置は、図2に示すように、記録媒体100が画像形成装置10に先に送り込まれる側を先端126、先端126とは反対側であって、画像形成装置10に後から送り込まれる側を後端128としたとき、後端128側の剥離部124に設けられるようになる。
【0034】
さらに、記憶部材104は、記録媒体100の後端128側の切り込み118との距離Xが、後述する画像形成装置本体12内の手差し供給ロール84及び手差しリタードロール86と搬送ロール88間の距離Yに比べて短くなる位置に設けられるようになっている。
【0035】
また、記録媒体100の先端126と先端126側の切り込み118との幅W1と、記録媒体100の後端128と後端128側の切り込み118との幅W2では、後端128側の幅W2のほうが広くなるように形成されている。
【0036】
そして、記録媒体100は、画像形成装置10により塗工層108に画像が形成された後、この切り込み118で囲まれた剥離部124の塗工層108、基材層110、第1粘着層112、回路装置102及び第2粘着層114が剥離紙116から剥がすことができるようになっている。
【0037】
なお、剥がされた剥離部124を第2粘着層114側が向かい合うようにミシン目120で折り曲げ、第2粘着層114同士を貼り合わせることで組み立てられ、カード部材が形成されようになる。このとき、画像が形成された塗工層が両側に配置されることで、両面に画像が形成されたカード部材となる。
【0038】
また、記録媒体100は、画像形成装置10の後述する手差しユニット80に配置されて、画像形成装置本体12内に送られるようになる。
【0039】
このとき、実施形態の記録媒体100は、画像形成装置10の手差しユニット80に配置される方向が規定されており、記録媒体100の剥離部124において、回路装置102が設けられた側が、後から送りこまれるように手差しユニット80に配置されるようになる。すなわち、記録媒体100の記憶部材104が配置されている側が、手差しユニット80上において画像形成装置本体12から離れた位置となるように配置されるようになる。なお、記録媒体100には、手差しユニット80に配置される位置及び方向を知らせるための印130を設けるようにしてもよい。なお、印130は、記録媒体100の画像が形成される塗工層108とは、反対の剥離紙116側の面に形成される。これは、後述するように、実施形態の記録媒体100が、手差しユニット80に画像が形成される塗工層108が下向きにして配置されるためである。
【0040】
また、記録媒体100は、手差しユニット80上には、画像が形成される塗工層108が下側に向くように配置される。
【0041】
なお、記録媒体の画像が形成される側は、基材層に塗工層を設けた場合に限らず、画像形成可能な紙材等を用いてもよい。
【0042】
次に、図1を参照して実施形態の画像形成装置の各構成について説明する。
【0043】
給紙ユニット18は、他の記録媒体200を積層した状態で収納する給紙カセット78と、この給紙カセット78に収納された最上位の他の記録媒体200を抽出するピックアップロール50と、抽出した他の記録媒体200を画像形成手段14に向けて供給する供給ロール52と、他の記録媒体200を捌き、画像形成手段14に複数枚の他の記録媒体200が重なった状態で搬送されることを防止するリタードロール54とが設けられている。
【0044】
画像形成手段14は、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色に対応する画像形成ユニット20と、光書込み装置22と、転写装置24とにより構成されている。なお、画像形成ユニット20及びこれらの構成要素は、形成する画像の色以外は同様の構成とされている。
【0045】
画像形成ユニット20は、それぞれ交換部材として用いられ、画像形成装置本体12に対して着脱自在に設けられており、画像形成装置本体12の後側(図1における右側)から順に、Y、M、C、Kの順に並べられている。
【0046】
画像形成ユニット20は、例えばカラー画像を形成する電子写真方式のものである。画像形成ユニット20はそれぞれ、画像形成ユニット本体26を備え、画像形成ユニット本体26内には、現像剤像を保持するドラム形状の像保持体28と、この像保持体28を一様に帯電する帯電ロールを備えた帯電手段としての帯電装置30と、像保持体28に書き込まれた潜像を現像剤(トナー)で現像する現像装置32と、像保持体28に残留する廃現像剤を例えば掻き取って清掃する清掃装置34とが設けられている。
【0047】
現像装置32は、それぞれが収納するY、M、C、Kの現像剤を用いて、対応する像保持体28に形成された潜像を現像する。
【0048】
また、光書込み装置22は潜像形成装置として用いられ、例えば走査型のレーザ露光装置からなり、像保持体28のそれぞれの表面に潜像を形成する。なお、光書込み装置22は、他の実施例としてLEDや面発光レーザ等を用いることができる。
【0049】
転写装置24は、転写体として用いられる被転写部材38と、一次転写装置として用いられる一次転写ロール40と、二次転写装置として用いられる二次転写ロール42と、清掃装置44と、で構成されている。
【0050】
被転写部材38は、例えば無端状のベルト形状であり、5つの支持ロール46a、46b、46c、46d、46eによって、図1に矢印で示す方向に回転することができるように支持されている。また、支持ロール46a、46b、46c、46d、46eのうち少なくとも一つはモータ等の動力源(図示省略)に連結されており、この動力源からの駆動伝達を受けて回転することで、被転写部材38が回転駆動するようになっている。
【0051】
支持ロール46aは、二次転写ロール42と対向するように配置され、この二次転写ロール42のバックアップロールとして機能し、二次転写ロール42と支持ロール46aとで挟まれる部分が二次転写位置となっている。
【0052】
一次転写ロール40は、それぞれに対応する現像装置32により像保持体28の表面に形成された現像剤像を、被転写部材38に転写する。
【0053】
また、二次転写ロール42は、被転写部材38に転写されたY、M、C、Kの現像剤像を、記録媒体100、200に対して転写する。
【0054】
清掃装置44は、二次転写ロール42で記録媒体100、200に対して各色の現像剤像が転写された後に、被転写部材38の表面に残留する各色の現像剤を掻き落とす掻き落とし部材48を有する。そして、掻き落とし部材48によって掻き落とされた現像剤は、清掃装置44の本体内に回収される。
【0055】
搬送路56は、主搬送路56aと、反転搬送路56bとにより構成されている。
【0056】
主搬送路56aは、給紙ユニット18又は手差しユニット80から供給された記録媒体100を画像形成手段14に搬送し、画像が形成された記録媒体100、200を排出部16に排出する。
【0057】
給紙ユニット18から主搬送路56aに他の記録媒体200が送られる場合は、搬送方向上流側から順に、ピックアップロール50、供給ロール52、リタードロール54、レジストロール58、転写装置24、定着装置36、及び排出ロール60が配置されている。
【0058】
ピックアップロール50は、給紙ユニット18の給紙カセット78から他の記録媒体200を送り出し、供給ロール52及びリタードロール54により、送り出された他の記録媒体200が捌かれ、搬送ロール88により主搬送路56aに導かれる。
【0059】
一方、手差しユニット80からの主搬送路56aに記録媒体100が送られる場合は、記録媒体100は、搬送方向上流側の手差しユニット80から手差しピックアップロール82により送り出され、送り出された記録媒体100が、一方の送り部材としての手差し供給ロール84及び手差しリタードロール86により捌かれて、他方の送り部材としての搬送ロール88により主搬送路56aに導かれるようになっている。なお、手差しユニット80からの実施形態の記録媒体100の搬送の詳細については後述する。
【0060】
レジストロール58は、給紙ユニット18側から搬送されてきた記録媒体100、200の先端部を一時的に停止させ、画像形成されるタイミングと合致するように記録媒体100、200を転写装置24に向けて送り出す。
【0061】
定着装置36は、加熱部としての加熱ロール66及び加圧部76を有し、これら加熱ロール66と加圧部76との間を通過する記録媒体100、200を加熱し、加圧することで、記録媒体100,200に現像剤像が定着される。
【0062】
排出ロール60は、定着装置36により現像剤が定着された記録媒体100、200を、排出部16に排出される。
【0063】
また、反転搬送路56bは、一方の面に現像剤像が形成された他の記録媒体200を反転させつつ、再び画像形成手段14に向けて供給する搬送路であり、反転搬送路56bには、例えば二つの反転搬送ロール62a、62bが配置されている。なお、実施形態の記録媒体100は、片面のみに画像が形成される構成となっている。
【0064】
他の記録媒体200が主搬送路56aから排出ロール60に搬送され、この他の記録媒体200の後端部が排出ロール60に挟みこまれた状態でこの排出ロール60が逆回転することで、他の記録媒体200が反転搬送路56bに供給される。反転搬送路56bに供給された他の記録媒体200は、反転搬送ロール62a、62bによって、レジストロール58の上流の位置へと搬送される。
【0065】
次に、主に図1図4を参照して、実施形態にかかる画像形成装置10による記録媒体100の搬送について説明する。実施形態の記録媒体100は、上述したように、記憶部材104を有する回路装置102が設けられている。
【0066】
実施形態の記録媒体100に画像形成装置10で画像を形成する場合は、まず、手差しユニット80に記録媒体100を配置させる。記録媒体100の配置の仕方は、記録媒体100の画像が形成される塗工層108が下側、すなわち、手差しユニット80側を向くように配置させる。このとき、記録媒体100の塗工層108が下方に配置されることで、記録媒体100に形成された切り込み118も下向きに配置されるようになる。
【0067】
また、記録媒体100の剥離部124において、回路装置102が設けられた記録媒体100の後端128側が画像形成装置本体12に対して後方になるように手差しユニット80に配置される。すなわち、記録媒体100の回路装置102が設けられた記録媒体100の後端128側が後から画像形成装置本体12内に送られるように配置される。このとき、実施形態の記録媒体では、配置方向及び向きを間違えないように例えば矢印等の印130が設けられている。
【0068】
その後、記録媒体100は、手差しユニット80から画像形成装置本体12内に送られる。この送りにより、記録媒体100は、上述したように手差しピックアップロール82で送り出され、手差し供給ロール84及び手差しリタードロール86により捌かれて、搬送ロール88により主搬送路56aに導かれるようになる。
【0069】
このとき、図4Aに示すように手差し供給ロール84及び手差しリタードロール86と搬送ロール88との間は、急な角度で折れ曲がって搬送されるようになる。そのため、記録媒体100の記憶部材104が設けられた後端128側を先に送る(すなわち、記録媒体100の先端126を後にして送る)と、記録媒体100が搬送中に湾曲するように折れ曲がることで、回路装置102の特に記憶部材104に大きな負荷がかかるおそれがある。
【0070】
しかしながら、実施形態の記録媒体100では、回路装置102の記憶部材104が後から送られるようにされており、また、記録媒体100に設けられた記憶部材104と記録媒体100の後端128側の切り込み118との距離Xが、手差し供給ロール84及び手差しリタードロール86と搬送ロール88との間の距離Yに比べ短くなっている。
【0071】
そして、記録媒体100が手差し供給ロール84及び手差しリタードロール86と搬送ロール88との間を通過する場合、図4Bに示すように、記録媒体100に応力がかかることで記録媒体100の後端128側の切り込み118が折れ曲がるため、記録媒体100の折れ曲がる曲率が小さくなる。
【0072】
そのため、記録媒体100が手差し供給ロール84及び手差しリタードロール86と搬送ロール88との間を通過する際に、記憶部材104に応力が集中してかかることを防ぐことができる。
【0073】
さらに、図4Cに示すように、記録媒体100の記憶部材104が設けられた後端128側を後から搬送するようにすることで、折れ曲がった記録媒体100の後端128側の切り込み118部分の第2粘着層114と剥離紙116の一部が剥がれるようになる。そのため、記録媒体100の後端128側の切り込み118の折れ曲がりが少なく、曲率が大きくなったとしても、切り込み118部分が剥がれることで、記憶部材104が設けられた部分が大きく曲げられることを抑制することができる。
【0074】
そして、記録媒体100は、搬送ロール88を通過した後は、上述のように画像が形成された後、排出部16に排出され、画像形成が完了する。
【0075】
なお、画像形成装置10において、画像形成装置本体12内の手差し供給ロール84及び手差しリタードロール86と搬送ロール88との間の距離Yを、記録媒体100の回路装置102の記憶部材104と記録媒体100の後端128側の切り込み118との距離Xより長く形成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0076】
10 画像形成装置
12 画像形成装置本体
18 給紙ユニット
42 二次転写ロール
56 搬送路
58 レジストロール
80 手差しユニット
82 手差しピックアップロール
84 手差し供給ロール
86 手差しリタードロール
88 搬送ロール
100 記録媒体
102 回路装置
104 記憶部材
106 送受信部
108 塗工層
110 基材層
112 第1粘着層
114 第2粘着層
116 剥離紙
118 切り込み
120 ミシン目
122 縦ミシン目
124 剥離部
126 先端
128 後端
130 印
200 他の記録媒体


図1
図2
図3
図4