特許第6772540号(P6772540)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6772540
(24)【登録日】2020年10月5日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】吸着装置
(51)【国際特許分類】
   F16B 47/00 20060101AFI20201012BHJP
   B25J 15/06 20060101ALI20201012BHJP
【FI】
   F16B47/00 S
   F16B47/00 D
   B25J15/06
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-98322(P2016-98322)
(22)【出願日】2016年5月16日
(65)【公開番号】特開2017-207103(P2017-207103A)
(43)【公開日】2017年11月24日
【審査請求日】2019年4月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128277
【弁理士】
【氏名又は名称】專徳院 博
(72)【発明者】
【氏名】水谷 隼人
【審査官】 竹村 秀康
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−058202(JP,A)
【文献】 特開2015−221418(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0054338(US,A1)
【文献】 特表2003−509631(JP,A)
【文献】 米国特許第04196882(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 45/00−47/00
B25J 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸盤を有する吸着装置であり、
前記吸盤を有する吸着ユニットと、
逆止弁を有し、前記吸着ユニットに気密に取付可能な逆止キャップと、
前記逆止弁を介して吸気可能な吸気ユニットとを備え、
前記逆止弁は、前記逆止弁から前記吸盤に向かう気体流を遮断可能に配され、
前記吸気ユニットの操作によって、前記吸盤内の吸気、及び前記吸着ユニットと前記逆止キャップとの気密状態の解除を実施可能に構成されていることを特徴とする吸着装置。
【請求項2】
前記吸着ユニット及び前記逆止キャップは、前記吸着ユニットに対して前記逆止キャップを回転させることで気密状態を解除可能に構成されており、
前記逆止キャップ及び/又は前記吸気ユニットは、前記吸気ユニットの回転を前記逆止キャップに伝達する回転伝達手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の吸着装置。
【請求項3】
前記吸気ユニットは、前記回転伝達手段を備えるシリンダと、前記シリンダ内を気密に摺動可能なピストンとを備えていることを特徴とする請求項2に記載の吸着装置。
【請求項4】
前記吸気ユニットは、さらに前記シリンダ及び前記ピストンを収容する筐体を備え、
前記シリンダは、回転操作の持ち手となるハンドル部を備え、
前記ピストンは、吸気操作を行うためのトリガー部を備え、
前記筐体は、前記ハンドル部及び前記トリガー部の操作時に前記シリンダ及び前記ピストンのガイドとして機能するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の吸着装置。
【請求項5】
前記吸着ユニットは、2以上の吸盤を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の吸着装置。
【請求項6】
前記吸着ユニットは、前記吸盤の向きを変更可能に、屈曲自在な連結部を有していることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の吸着装置。
【請求項7】
前記吸着ユニットは、前記吸盤の位置を変更可能に、前記吸盤を挿し込み可能な複数の挿込孔を有していることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の吸着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸盤により被吸着物に吸着する吸着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被固定物を固定構造物に簡易的に固定する固定具として、被固定物及び/又は固定構造物を被吸着物として吸盤で吸着し、被固定物を固定構造物に固定する吸着装置が広く使用されている(例えば、特許文献1参照)。このような吸着装置は、被固定物を固定構造物に一時的に仮固定する用途にも広く使用されている。
【0003】
特許文献1に記載の吸引装置は、吸引ポンプによって吸盤内の空気を強制的に排出させて減圧し吸着力を向上させるとともに、逆止弁によって吸盤内への空気の流入を防止し吸着力の低下を防止するように構成されている。
【0004】
さらに2つの吸盤を備え、一方の吸盤を被固定物、他方の吸盤を固定構造物に吸着させ、被固定物を固定構造物に固定する吸着装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。この他、用途に応じて吸盤を備える種々の吸着装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−295441号公報
【特許文献2】特開2003−260682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、例えば、電力事業者がスマートメーターを使用している顧客の電気の開通又は停止等を行う場合に、スマートメーターの通信部を本体から取外し、通信線が繋がった状態で作業を行うことがある。通信部を本体からぶら下げると通信線が損傷する恐れがあるので、作業時には通信部を本体に一時的に仮固定する必要がある。
【0007】
通信部を本体に仮固定する方法としては、主にテープを使用して通信部を本体に貼付ける方法が採用されているが、通信線に張力が加わらないように通信部を保持した状態で貼付作業を行う必要があり、作業に手間がかかっている。また粘着力の低下によりテープが外れてしまうことがある。さらに作業後、テープの取外しを行う際にも、通信線が損傷しないように慎重に作業を行う必要がある。
【0008】
このような課題を解決すべく、簡単かつ確実に被固定物を損傷させることなく固定構造物に仮固定可能な固定具(吸着装置)が求められている。
【0009】
本発明の目的は、簡単かつ確実に被吸着物に吸着可能であり、簡単に被吸着物から脱着可能な吸着装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、吸盤を有する吸着装置であり、前記吸盤を有する吸着ユニットと、逆止弁を有し、前記吸着ユニットに気密に取付可能な逆止キャップと、前記逆止弁を介して吸気可能な吸気ユニットとを備え、前記逆止弁は、前記逆止弁から前記吸盤に向かう気体流を遮断可能に配され、前記吸気ユニットの操作によって、前記吸盤内の吸気、及び前記吸着ユニットと前記逆止キャップとの気密状態の解除を実施可能に構成されていることを特徴とする吸着装置である。
【0011】
また本発明の吸着装置において、前記吸着ユニット及び前記逆止キャップは、前記吸着ユニットに対して前記逆止キャップを回転させることで気密状態を解除可能に構成されており、前記逆止キャップ及び/又は前記吸気ユニットは、前記吸気ユニットの回転を前記逆止キャップに伝達する回転伝達手段を備えていることを特徴とする。
【0012】
また本発明の吸着装置において、前記吸気ユニットは、前記回転伝達手段を備えるシリンダと、前記シリンダ内を気密に摺動可能なピストンとを備えていることを特徴とする。
【0013】
また本発明の吸着装置において、前記吸気ユニットは、さらに前記シリンダ及び前記ピストンを収容する筐体を備え、前記シリンダは、回転操作の持ち手となるハンドル部を備え、前記ピストンは、吸気操作を行うためのトリガー部を備え、前記筐体は、前記ハンドル部及び前記トリガー部の操作時に前記シリンダ及び前記ピストンのガイドとして機能するように構成されていることを特徴とする。
【0014】
また本発明の吸着装置において、前記吸着ユニットは、2以上の吸盤を有することを特徴とする。
【0015】
また本発明の吸着装置において、前記吸着ユニットは、前記吸盤の向きを変更可能に、屈曲自在な連結部を有していることを特徴とする。
【0016】
また本発明の吸着装置において、前記吸着ユニットは、前記吸盤の位置を変更可能に、前記吸盤を挿し込み可能な複数の挿込孔を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の吸着装置によれば、吸気ユニットの操作のみで被吸着物に対する吸盤の吸着及び脱着が可能なので、簡単かつ確実に被吸着物に吸着可能であり、簡単に被吸着物からの取外しが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1実施形態の吸着装置1の右側面図である。
図2図1の縦断面図である。
図3図1の吸着装置1の吸気時の縦断面図である。
図4図1の吸着装置1の逆止キャップ21及び吸気ユニット41のシリンダ42を示す斜視図である。
図5】本発明の第1実施形態の吸着装置1を使用したスマートメーターの本体91と通信部92との仮固定方法を説明する図である。
図6】本発明の第1実施形態の吸着装置1を使用してスマートメーターの本体91と通信部92との仮固定方法を説明する図である。
図7】本発明の第1実施形態の吸着装置1を使用したスマートメーターの本体91と通信部92との仮固定の解除方法を説明する図である。
図8】本発明の第2実施形態の吸着装置2の右側面視における要部拡大図である。
図9】本発明の第3実施形態の吸着装置3の右側面視における要部拡大図である。
図10】本発明の第4実施形態の吸着装置4の右側面視における要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の第1実施形態の吸着装置1の右側面図、図2は、図1の縦断面図、図3は、図1の吸着装置1の吸気時の縦断面図である。図4は、図1の吸着装置1の逆止キャップ21及び吸気ユニット41のシリンダ42を示す斜視図である。図5から図7は、本発明の第1実施形態の吸着装置1を使用したスマートメーターの本体91と通信部92との仮固定方法及び仮固定の解除方法を説明する図である。なお図5から図7に示す吸着装置1の吸着ユニット11は、図1から図3に示す吸着装置1の吸着ユニット11に対し、吸気ユニット41の中心軸周りに90°回転している。また図7では、符号を一部省略している。
【0020】
本実施形態の吸着装置1は、2つの吸盤12、13を有する吸着ユニット11と、逆止弁31を有し吸着ユニット11に気密に連結及び脱着可能な逆止キャップ21と、逆止キャップ21に被せた状態で逆止弁31を介して吸気を行い吸盤12、13内を減圧する吸気ユニット41とを備え、吸気ユニット41の操作によって吸盤12、13内を吸気して減圧し逆止キャップ21により復圧を阻止することで吸盤12、13を被吸着物に吸着させるとともに、吸気ユニット41の操作によって吸盤12、13内を復圧して吸盤12、13を被吸着物から取外し可能となるように構成されている。
【0021】
吸着ユニット11は、2つの吸盤12、13と、吸盤12、13が固定された連結部材14とを備え、吸盤12、13と連結部材14に形成され逆止キャップ21に着脱可能に連結するノズル15とが連結部材14の内部に形成された流路16を介して流体連通となっている。
【0022】
吸盤12、13は、それぞれ、中央に貫通孔17を有する中空円錐台状の吸盤であり、互いに離反する方向を向いて貫通孔17が流路16に連通するように、側面縦断面視(図2参照)において、連結部材14の上端及び下端に取付けられている。吸盤12、13の形状や材質は、特定のものに限定されるものではなく、被吸着物等に応じて適宜決めればよい。また後述する第2から第4実施形態の吸着装置2、3、4のように、吸盤12、13の数、向き、配置は、特定のものに限定されるものではない。
【0023】
連結部材14は、側面縦断面視(図2参照)において、転倒T字状であり、T字の下端に該当する部分から突出するように形成されたノズル15を有し、内部に吸盤12、13の貫通孔17とノズル15とを繋ぐ転倒T字状の流路16が形成されている。ノズル15の外周面には、逆止キャップ21と螺合する雄ネジ18が形成されている。連結部材14の材質は、特定の材質に限定されるものではないが、強度を確保しつつ軽量な材質であることが好ましい。
【0024】
逆止キャップ21は、有頂円筒状であり、開口部の周縁に形成されたフランジ22と、円筒部の内周面に形成され吸着ユニット11のノズル15と螺合する雌ネジ23と、円筒部の外周面に形成された複数の突条24とを有し、頂部の中心に貫通孔25が穿設されているとともに、貫通孔25に逆止弁31を備えている。また逆止キャップ21の内側の天井面及びフランジ22の上面には、それぞれ、リング状の第1シール部材26及び第2シール部材27が取付けられている。逆止キャップ21の材質は、特定の材質に限定されるものではないが、強度を確保しつつ軽量な材質であることが好ましい。
【0025】
フランジ22は、吸気ユニット41による吸気時に第2シール部材27を介して吸気ユニット41との気密を確保可能に、後述する吸気ユニット41のシリンダ42の先端面を突き当て可能な大きさで形成されている。
【0026】
雌ネジ23は、吸着ユニット11のノズル15の先端面と第1シール部材26とが気密に密着するまで逆止キャップ21を吸着ユニット11のノズル15に締め込み可能に形成されている。
【0027】
突条24は、復圧時に吸気ユニット41の回転を逆止キャップ21に伝える回転伝達手段であり、吸気ユニット41の回転時に後述する吸気ユニット41の突条45と互いに噛み合うように形成されている。具体的には、突条24は、逆止キャップ21の外周面において、逆止キャップ21の中心軸に対して平行に中心軸周りに等間隔で複数形成されている。突条24の数は、特定の数に限定されるものではない。
【0028】
逆止キャップ21の逆止弁31は、球形の弁体28と、貫通孔25の端部に形成された弁座29と、逆止キャップ21の頂部に形成され弁体28を逆止キャップ21の中心軸に沿って案内するガイド30とで構成されたボール弁である。なお吸気後に弁体28を機械的に弁座29に着座させる圧縮バネ(図示省略)がガイド30内に付加されていてもよい。
【0029】
なお逆止弁31は、特定のものに限定されるものではなく、逆止キャップ21の貫通孔25において、吸気ユニット41の方向への通気(吸気ユニット41による吸気)を可能とし、吸着ユニット11の方向への通気を遮断する一方向弁であればよい。
【0030】
第1シール部材26は、逆止キャップ21と吸着ユニット11のノズル15との気密を確保するシール部材であり、第2シール部材27は、逆止キャップ21と吸気ユニット41のシリンダ42との気密を確保するシール部材である。第1シール部材26及び第2シール部材27の材質は、特定の材質に限定されるものではない。また第1シール部材26及び第2シール部材27として、Oリング等を用いてもよい。
【0031】
なお第1シール部材26は、吸着ユニット11のノズル15の先端面に固定されていてもよく、第2シール部材27は、吸気ユニット41のシリンダ42の先端面に固定されていてもよい。
【0032】
吸気ユニット41は、逆止キャップ21の円筒部を挿入可能なシリンダ42と、シリンダ42内を気密にスライド可能なピストン43と、シリンダ42を中心軸周りに回転自在に収容する筐体44とを備えている。
【0033】
シリンダ42は、略円筒状であり、先端部の内周面に形成され回転時に逆止キャップ21の突条24と噛み合う突条45と、基端部に形成された切欠46及びハンドル部47とを有している。
【0034】
シリンダ42は、先端から逆止キャップ21の円筒部を挿入可能に、内径が逆止キャップ21の円筒部の外径よりも少し大きく、先端面を逆止キャップ21のフランジ22の上面に突き当て可能に、外径が逆止キャップ21のフランジ22の外径と略同一になるように形成されている。シリンダ42の材質は、特定の材質に限定されるものではないが、強度を確保しつつ軽量な材質であることが好ましい。
【0035】
突条45は、シリンダ42の回転を逆止キャップ21に伝える回転伝達手段であり、回転時に逆止キャップ21の突条24と噛み合うように、逆止キャップ21の突条24と同様の要領でシリンダ42の内周面に形成されている。
【0036】
切欠46は、シリンダ42を筐体44に対して中心軸周りに回転させるときにピストン43が干渉しないように設けられている。切欠46は、吸着ユニット11のノズル15と逆止キャップ21の第1シール部材26との気密を解除可能な程度に、シリンダ42を筐体44に対して回転可能に設けられている。
【0037】
ハンドル部47は、復圧時にシリンダ42を回転させるときの持ち手となる。ハンドル部47の形状及び位置は、特定のものに限定されるものではない。
【0038】
ピストン43は、シリンダ42内を気密に摺動して進退するピストン部51と、ピストン部51を後退させるときに操作を行うトリガー部52と、ピストン部51及びトリガー部52を連結する連結部53とを有し、ピストン部51がシリンダ42内を進退することでシリンダ42内の容積を変動させる。ピストン43の材質は、特定の材質に限定されるものではないが、強度を確保しつつ軽量な材質であることが好ましい。
【0039】
ピストン部51は、シリンダ42内を気密に摺動可能な外径を有する円柱体である。トリガー部52は、円板体であり、連結部53を介してピストン部51に連結されている。トリガー部52の形状は、特定の形状に限定されるものではなく、指による押込操作が容易な形状に適宜決めればよい。
【0040】
連結部53は、側面縦断面視(図2参照)において、転倒J字状の丸棒部材であり、一端がピストン部51の後面(図2において右側)、他端がトリガー部52の後面(図2において右側)に繋がっている。
【0041】
筐体44は、略円筒状の部材であり、トリガー部52を操作するときの持ち手となるグリップ部55を有している。筐体44は、シリンダ42を収容しシリンダ42が中心軸周りに回転するときにガイドとして機能する大きさに形成されている。筐体44の材質は、特定の材質に限定されるものではないが、強度を確保しつつ軽量な材質であることが好ましい。
【0042】
グリップ部55は、基端側(図1において右側)の外周面から突出して形成されている。グリップ部55には、ピストン43がスライドするときに連結部53を案内するガイド溝56が形成されており、ガイド溝56によってピストン43の不要な回転が防止される。なおグリップ部55の形状は、特定の形状に限定されるものではなく、トリガー部52を操作し易いように、適宜決めればよい。
【0043】
次に本実施形態の吸着装置1の作用について、スマートメーターの本体91に通信部92を仮固定する場合を例として説明する。一般的なスマートメーターの通信部92は、一辺が12から13cm、厚さが2から3cm程度の直方体形状であり、これに使用する吸着装置1は、全長が約15cmの手のひらに収まる大きさである。なお本実施形態の吸着装置1の用途及び大きさは、これに限定されるものではない。
【0044】
吸着装置1の使用時には、吸着ユニット11のノズル15に逆止キャップ21を螺合させ第1シール部材26とノズル15の先端面とが気密状態になるまで逆止キャップ21を締め込む。この状態で吸着装置1の一方の吸盤12を本体91、他方の吸盤13を通信部92に密接させる(図5参照)。
【0045】
吸盤12、13を本体91及び通信部92に密接させた状態で、吸気ユニット41を逆止キャップ21に被せ、シリンダ42の先端面を第2シール部材27に押し当てながらトリガー部52を引く(押込む)(図6参照)。
【0046】
トリガー部52を引くと、ピストン部51が後退してシリンダ42内の容積が増大し、吸盤12、13(及び吸着ユニット11、逆止キャップ21)内の空気がシリンダ42内に吸気されて吸盤12、13内が負圧となり、吸盤12、13がスマートメーターの本体91及び通信部92に吸着する(図3参照)。吸気後は、逆止キャップ21と吸気ユニット41との隙間から外気が侵入したとしても、逆止キャップ21の逆止弁31によって吸盤12、13内の復圧が防止される。
【0047】
これにより、スマートメーターの通信部92が本体91に固定される。このとき吸気ユニット41は、逆止キャップ21に吸着しているが、逆止キャップ21から取外してもよい。
【0048】
スマートメーターの本体91と通信部92との固定を解除するときには、吸気ユニット41の筐体44を固定した(掴んだ)状態でシリンダ42のハンドル部47を操作しシリンダ42を反時計回りに回転させる。シリンダ42が回転すると突条24、45同士が噛み合うことで逆止キャップ21が反時計回りに回転し、第1シール部材26とノズル15の先端面との間に隙間が形成されて空気が流入し、吸盤12、13内が復圧し吸着が解除される(図7参照)。なお復圧時のシリンダ42の回転方向は、雄ネジ18及び雌ネジ23が右ネジであるか左ネジであるかによって適宜変更すればよい。
【0049】
以上、本実施形態の吸着装置1によれば、吸着時には、吸気ユニット41のトリガー部52を押込むだけで吸着が可能であり、脱着時には、吸気ユニット41のハンドル部47を捻るだけで脱着が可能なので、被吸着物との着脱を容易に行うことができる。またトリガー部52及びハンドル部47の操作により回転するシリンダ42は、筐体44によってガイドされているので、操作が容易である。このように、着脱操作をワンアクションで行うことが可能であり、操作に熟練を要さないので、誰でも簡単に短い作業時間で被吸着物の着脱を行うことができる。
【0050】
また本実施形態の吸着装置1によれば、吸気ユニット41による吸気後、吸気ユニット41が逆止キャップ21に吸着するので、吸盤12、13による被吸着物との吸着時に吸気ユニット41をそのまま吸着させておくことができる。これにより、被吸着物との吸着後に吸気ユニット41を回収する手間及びスペースを削減することができる。
【0051】
また本実施形態の吸着装置1によれば、過度な負荷を加えることなく被吸着物との吸着が可能なので、被吸着物の損傷を防止することができる。また繰返し使用することができるので、テープ等を使用する場合と比較して資源の消費及び廃棄物の排出の面において有利である。
【0052】
また本実施形態の吸着装置1によれば、逆止キャップ21の逆止弁31により、吸着時の空気の流入が防止されるので、吸着力の低下を防止可能であり、例えば、スマートメーターの通信部92が吸着装置1から外れることによって生じるスーマートメータの本体91と通信部92とを繋ぐ通信線(図示省略)の脱落及び損傷を防止することができる。
【0053】
図8は、本発明の第2実施形態の吸着装置2の右側面視における要部拡大図である。図1から図7に示す第1実施形態の吸着装置1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態の吸着装置2は、第1実施形態の吸着装置1と基本的構成は同じであるが、吸着ユニット61の連結部材62の形状が異なり、2つの吸盤12、吸盤13の相対的な角度が異なる。
【0054】
本実施形態の吸着装置2では、吸着ユニット61の連結部材62が右側面視(図8)において逆L字状であり、2つの吸盤12、13の相対的な角度が90度となっている。
【0055】
本実施形態の吸着装置2のように、2つの吸盤12、13の相対的な角度は、特定の角度に限定されるものではなく、用途等に応じて適宜決めればよい。
【0056】
図9は、本発明の第3実施形態の吸着装置3の右側面視における要部拡大図である。図1から図7に示す第1実施形態の吸着装置1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態の吸着装置3は、第1実施形態の吸着装置1と基本的構成は同じであるが、吸着ユニット71の連結部材72が蛇腹状に形成されている。
【0057】
本実施形態の吸着装置3では、吸着ユニット71の連結部材72が屈曲可能な蛇腹状に形成されており、連結部材72を屈曲させることで2つの吸盤12、13の相対的な角度を調節可能となっている。
【0058】
図10は、本発明の第4実施形態の吸着装置4の右側面視における要部拡大図である。図1から図7に示す第1実施形態の吸着装置1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態の吸着装置4は、第1実施形態の吸着装置1と基本的構成は同じであるが、吸着ユニット81の連結部材84が球状であり、吸盤82、83が連結部材84に着脱可能に構成されている。
【0059】
本実施形態の吸着装置4では、吸着ユニット81が、連結部材84に着脱可能な吸盤82、83と、吸盤82、83を挿し込み可能な複数の挿込孔85を有する球状の連結部材84と、挿込孔85を塞ぐ蓋部材86とを備えている。
【0060】
吸盤82、83は、吸盤部87と連結部材84に気密に着脱可能な円筒状の着脱部88とを備え、着脱部88の中空部が吸盤部87の内側と流体連通となっている。なお吸盤の数は、2つに限定されるものではなく、1つ又は3つ以上でもよい。
【0061】
連結部材84には、1箇所からノズル15が突出して形成され、挿込孔85が中心を挟んでノズル15の反対側に1箇所、ノズル15の中心軸と連結部材84の中心で直交する軸上において、ノズル15の中心軸周りに90度ピッチで4箇所に穿設されている。なお挿込孔85の数、位置は、これに限定されるものではない。
【0062】
蓋部材86は、吸盤82、83が挿し込まれていない挿込孔85を気密に塞ぐ部材である。
【0063】
本実施形態の吸着装置4によれば、用途に応じて吸盤82、83の位置を変更することが可能となり、1つの吸着装置4を様々な用途に使用することが可能となる。
【0064】
以上、第1から第4実施形態の吸着装置1、2、3、4を用いて、本発明の吸着装置を説明したが、本発明の吸着装置は、上記実施形態に限定されるものではなく要旨を変更しない範囲で変形することができる。例えば、吸着ユニット、逆止キャップ、吸気ユニットは、互いに分離不能に構成されていてもよい。
【0065】
また本発明の吸着装置は、例えば、一方の吸盤に代えて、被固定物が吸着ユニットの連結部材に一体的に形成され、1つの吸盤を介して被固定物を固定構造物等に固定するように構成されていてもよい。また一方の吸盤に代えて、例えば、フック等の掛止具等を備えていてもよい。
【0066】
また本発明の吸着装置において、シリンダ42の回転を逆止キャップ21に伝える回転伝達手段は、突条24、45に限定されるものではなく、例えば、互いに係合する突出片及び溝(図示省略)等を用いるものであってもよい。
【0067】
また本発明の吸着装置において、吸気操作及び復圧操作方法は、トリガー部及びハンドル部を用いるものに限定されるものではないが、ワンアクションで操作可能な方法であることが好ましい。
【0068】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施形態を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲内で種々の変更及び修正を容易に想定するであろう。従って、そのような変更及び修正は、請求の範囲から定まる発明の範囲内のものと解釈される。
【符号の説明】
【0069】
1、2、3、4 吸着装置
11、61、71、81 吸着ユニット
12、13、82、83 吸盤
21 逆止キャップ
24、45 突条
31 逆止弁
41 吸気ユニット
42 シリンダ
43 ピストン
44 筐体
47 ハンドル部
52 トリガー部
56 ガイド溝
85 挿込孔
87 吸盤部
88 着脱部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10