特許第6772584号(P6772584)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6772584
(24)【登録日】2020年10月5日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】モータ装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/24 20060101AFI20201012BHJP
   H02K 7/14 20060101ALI20201012BHJP
【FI】
   H02K5/24 A
   H02K7/14 A
【請求項の数】7
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-126985(P2016-126985)
(22)【出願日】2016年6月27日
(65)【公開番号】特開2018-7318(P2018-7318A)
(43)【公開日】2018年1月11日
【審査請求日】2018年11月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100106149
【弁理士】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】鷲見 崇
(72)【発明者】
【氏名】百武 哲也
(72)【発明者】
【氏名】瀬村 純一
(72)【発明者】
【氏名】水野 正樹
【審査官】 服部 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−035663(JP,A)
【文献】 特開平01−255462(JP,A)
【文献】 特開2005−073322(JP,A)
【文献】 特開2001−054253(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/24
H02K 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スロット(17c)が形成されたコア(17a)、磁石(13)、および前記コアと前記磁石を内部に収容する環状のヨーク(12)を有するモータ(10)と、
前記モータを内部に収容する環状の収容部(21)を有するモータホルダ(20)と、
前記収容部の内周部(22b)において周方向に間隔を空けて設けられ、前記ヨークと接触して前記ヨークを支持する複数の支持部(22c、322c、422c、522c、
722c、822c、922c)と、
を備え、
前記支持部は、前記磁石の極数とスロット数との最大公約数よりも多い個数設けられ、前記最大公約数が奇数である場合には偶数個設けられ、前記最大公約数が偶数である場合には奇数個設けられており、
複数の前記支持部のうち、前記最大公約数と同数の所定の前記支持部は、周方向において等間隔の位置に設けられ、
前記所定の支持部のうち一つは、残りの前記所定の支持部よりも高い剛性を有するモータ装置。
【請求項2】
前記最大公約数が2である場合に、前記支持部は3個以上設けられ、
前記支持部のうち、所定の2つの前記支持部は径方向に対向する位置に設けられ、
前記所定の2つの支持部のうち一方は、他方よりも高い剛性を有する請求項に記載のモータ装置。
【請求項3】
スロット(17c)が形成されたコア(17a)、磁石(13)、および前記コアと前記磁石を内部に収容する環状のヨーク(12)を有するモータ(10)と、
前記モータを内部に収容する環状の収容部(21)を有するモータホルダ(20)と、
前記収容部の内周部(22b)において周方向に間隔を空けて設けられ、前記ヨークと接触して前記ヨークを支持する複数の支持部(22c、322c、422c、522c、
722c、822c、922c)と、
を備え、
前記支持部は、前記磁石の極数とスロット数との最大公約数が2である場合に奇数個で3個以上設けられ、
前記支持部のうち、所定の2つの前記支持部は径方向に対向する位置に設けられ、
前記所定の2つの支持部のうち一方は、他方よりも高い剛性を有するモータ装置。
【請求項4】
スロット(17c)が形成されたコア(17a)、磁石(13)、および前記コアと前記磁石を内部に収容する環状のヨーク(12)を有するモータ(10)と、
前記モータを内部に収容する環状の収容部(21)を有するモータホルダ(20)と、
前記収容部の内周部(22b)において周方向に間隔を空けて設けられ、前記ヨークと接触して前記ヨークを支持する複数の支持部(22c、322c、422c、522c、
722c、822c、922c)と、
を備え、
前記支持部は、前記磁石の極数とスロット数との最大公約数よりも多い個数設けられ、前記最大公約数が奇数である場合には偶数個設けられ、前記最大公約数が偶数である場合には奇数個設けられており、
複数の前記支持部のうち、前記最大公約数と同数の所定の前記支持部は、周方向において等間隔の位置に設けられ、
前記所定の支持部のうち一つは、残りの前記所定の支持部よりも前記ヨークに対して高い反力を提供するモータ装置。
【請求項5】
前記支持部は、前記最大公約数よりも多い個数設けられ、
複数の前記支持部のうち、前記最大公約数と同数の所定の前記支持部は、周方向において等間隔の位置に設けられ、
前記所定の支持部のうち一つは、残りの前記所定の支持部よりも高い剛性を有する請求項に記載のモータ装置。
【請求項6】
スロット(17c)が形成されたコア(17a)、磁石(13)、および前記コアと前記磁石を内部に収容する環状のヨーク(12)を有するモータ(10)と、
前記モータを内部に収容する環状の収容部(21)を有するモータホルダ(20)と、
前記収容部の内周部(22b)において周方向に間隔を空けて設けられ、前記ヨークと接触して前記ヨークを支持する複数の支持部(22c、322c、422c、522c、
722c、822c、922c)と、
を備え、
前記支持部は、前記磁石の極数とスロット数との最大公約数がである場合には周方向に隣り合う前記磁石と前記磁石との間の中点と周方向において対応する位置に偶数個設けられているモータ装置。
【請求項7】
前記支持部は、前記収容部の軸方向において、前記磁石の中央を避けた位置に設けられている請求項1から6のいずれか1項に記載のモータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書における開示は、モータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ヨークを有するモータと、モータを保持するモータホルダとを備えたモータの支持構造が開示されている。このモータ支持構造によれば、モータホルダは、ヨークが挿入されている円筒形状のヨーク挿入部を有する。ヨーク挿入部には、内側に向けて突き出た複数本のリブが周方向において等間隔に形成されており、ヨークがリブに押圧されるようにして圧入されている。リブは、ヨークの振動モードの腹の位置を押圧するように配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−76915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1においては、ヨークの振動モードの周方向における腹の位置が、ヨーク挿入部のリブの周方向における位置と合致している。このため、モータホルダにはヨークの振動モードにおける最大振幅による振動がリブを介して伝達される。したがって、ヨークからモータホルダへ伝達される振動が大きくなってしまうという課題がある。
【0005】
開示される目的は、ヨークからモータホルダへ伝達されるモータホルダの振動を低減可能なモータ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この明細書に開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。また、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、技術的範囲を限定するものではない。
【0007】
開示されたモータ装置のひとつは、スロット(17c)が形成されたコア(17a)、磁石(13)、およびコアと磁石を内部に収容する環状のヨーク(12)を有するモータ(10)と、モータを内部に収容する環状の収容部(21)を有するモータホルダ(20)と、収容部の内周部(22b)において周方向に間隔を空けて設けられ、ヨークと接触してヨークを支持する複数の支持部(22c、322c、422c、522c、722c、822c、922c)と、を備え、支持部は、磁石の極数とスロット数との最大公約数よりも多い個数設けられ、最大公約数が奇数である場合には偶数個設けられ、最大公約数が偶数である場合には奇数個設けられており、複数の支持部のうち、最大公約数と同数の所定の支持部は、周方向において等間隔の位置に設けられ、所定の支持部のうち一つは、残りの所定の支持部よりも高い剛性を有する。
開示されたモータ装置のひとつは、スロット(17c)が形成されたコア(17a)、磁石(13)、およびコアと磁石を内部に収容する環状のヨーク(12)を有するモータ(10)と、モータを内部に収容する環状の収容部(21)を有するモータホルダ(20)と、収容部の内周部(22b)において周方向に間隔を空けて設けられ、ヨークと接触してヨークを支持する複数の支持部(22c、322c、422c、522c、722c、822c、922c)と、を備え、支持部は、磁石の極数とスロット数との最大公約数が2である場合に奇数個で3個以上設けられ、支持部のうち、所定の2つの支持部は径方向に対向する位置に設けられ、所定の2つの支持部のうち一方は、他方よりも高い剛性を有する。
開示されたモータ装置のひとつは、スロット(17c)が形成されたコア(17a)、磁石(13)、およびコアと磁石を内部に収容する環状のヨーク(12)を有するモータ(10)と、モータを内部に収容する環状の収容部(21)を有するモータホルダ(20)と、収容部の内周部(22b)において周方向に間隔を空けて設けられ、ヨークと接触してヨークを支持する複数の支持部(22c、322c、422c、522c、722c、822c、922c)と、を備え、支持部は、磁石の極数とスロット数との最大公約数よりも多い個数設けられ、最大公約数が奇数である場合には偶数個設けられ、最大公約数が偶数である場合には奇数個設けられており、複数の支持部のうち、最大公約数と同数の所定の支持部は、周方向において等間隔の位置に設けられ、所定の支持部のうち一つは、残りの所定の支持部よりもヨークに対して高い反力を提供する。
開示されたモータ装置のひとつは、スロット(17c)が形成されたコア(17a)、磁石(13)、およびコアと磁石を内部に収容する環状のヨーク(12)を有するモータ(10)と、モータを内部に収容する環状の収容部(21)を有するモータホルダ(20)と、収容部の内周部(22b)において周方向に間隔を空けて設けられ、ヨークと接触してヨークを支持する複数の支持部(22c、322c、422c、522c、722c、822c、922c)と、を備え、支持部は、磁石の極数とスロット数との最大公約数が1である場合には周方向に隣り合う磁石と磁石との間の中点と周方向において対応する位置に偶数個設けられている。
【0008】
この開示によれば、モータ装置の支持部は、磁石の極数とスロット数との最大公約数が奇数の場合には偶数個設けられ、最大公約数が偶数の場合には奇数個設けられる。ヨークの振動モードは、極数とスロット数の最大公約数によって決定され、最大公約数が偶数の場合は偶数次の振動モードとなり、最大公約数が奇数の場合は奇数次の振動モードとなる。このため、極数とスロット数の最大公約数が偶数の場合には奇数個の支持部を設け、奇数の場合には偶数個の支持部を設けることで、支持部の位置とヨークの振動モードの腹の位置とが全て合致することを回避することができる。したがって、ヨークからモータホルダへ伝達されるモータホルダの振動を低減可能なモータ装置を提供することが可能となる。
【0009】
開示されたモータ装置のひとつは、スロット(17c)が形成されたコア(17a)、磁石(13)、およびコアと磁石を内部に収容する環状のヨーク(12)を有するモータ(10)と、モータを内部に収容する環状の収容部(21)を有するモータホルダ(20)と、収容部の内周部(22b)において周方向に間隔を空けて設けられ、ヨークと接触してヨークを支持する複数の支持部(22c、322c、422c、522c、722c、822c、922c)と、を備え、支持部は、周方向において不等間隔で設けられている。
【0010】
この開示によれば、モータ装置の支持部は、周方向において不等間隔で設けられている。ヨークの振動モードの腹の位置は、周方向において等間隔に生じる。このため、支持部が不等間隔に設けられることで、支持部と振動モードの腹の位置とが全て合致することを回避することができる。したがって、ヨークからモータホルダへ伝達されるモータホルダの振動を低減可能なモータ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態に係るモータ装置の構成を示す図である。
図2】第1実施形態に係るモータ装置の断面図である。
図3】第1実施形態のモータ装置における振動モードを示す図である。
図4】第2実施形態に係るモータ装置の構成および振動モードを示す図である。
図5】第3実施形態に係るモータ装置の構成および振動モードを示す図である。
図6】第4実施形態に係るモータ装置の構成および振動モードを示す図である。
図7】第5実施形態に係るモータ装置の構成および振動モードを示す図である。
図8】第6実施形態に係るモータ装置の構成および振動モードを示す図である。
図9】第7実施形態に係るモータ装置の構成および振動モードを示す図である。
図10】第7実施形態のモータ装置の振動伝達力を示すグラフである。
図11】第8実施形態に係るモータ装置の構成および振動モードを示す図である。
図12】第9実施形態に係るモータ装置の構成および振動モードを示す図である。
図13】第10実施形態に係るモータ装置の構成および振動モードを示す図である。
図14】第11実施形態に係るモータ装置の構成および振動モードを示す図である。
図15】第12実施形態に係るモータ装置の構成および振動モードを示す図である。
図16】第13実施形態に係るモータ装置の構成および振動モードを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施形態)
図1および図2に示すように、モータ装置1は、モータ10と、モータ10を保持するモータホルダ20とを含んで構成される。モータ装置1は、被取付体にモータホルダ20が固定されることで、被取付体に対して取り付け可能になっている。モータ装置1は、例えば車両用空調ユニットにおけるブロワのファンを回転駆動するためのブロワモータ装置として用いられる。この場合は、ブロワのスクロールケーシングが被取付体に相当する。
【0013】
モータ10は、例えば永久磁石式の直流モータによって提供される。モータ10は、ステータ11とロータ15とを有する。ステータ11は、有底円筒状に形成されたヨーク12と、ヨーク12の径方向内側に配置された複数の永久磁石13とを有し、ロータ15を取り囲むように設けられている。ヨーク12は、軟磁性材料、例えば鉄等の軟磁性金属によって形成される。ヨーク12は、円筒形状の側壁部12cと、側壁部12cの軸方向における一端を覆うように設けられた底部12aとを有する。底部12aには、ロータ15の回転軸16を回転可能に保持するための軸受が設けられている。側壁部12cの、底部12aと軸方向反対側の端部には、開口部12bが形成されている。開口部12bには、樹脂材料で形成されたエンドプレート14が設けられている。エンドプレート14には、回転軸16を回転可能に保持するための軸受が設けられている。複数の永久磁石13は、ヨーク12の内周面において周方向に等間隔で配置されている。永久磁石13には、例えばフェライト磁石を採用できる。または、永久磁石13は、ネオジム磁石等の希土類磁石を用いてもよい。永久磁石13は、例えば4つ配置される。したがって、モータ10の極数は4である。永久磁石13は、周方向に隣り合う永久磁石13の磁極が反対になるように配置されている。ステータ11は、永久磁石13によって内部に界磁を提供する。
【0014】
ロータ15は、回転軸16と、電機子17とを有する。回転軸16は、ヨーク12の底部12aおよびエンドプレート14によって軸受を介して回転可能に保持されている。電機子17は、巻線と、巻線が巻回されるコア17aとを含んで構成される。コア17aは、径外方向に向かって突出する複数のティース17bを有する。ティース17bは周方向において等間隔に設けられている。ティース17bには巻線が巻回されている。周方向に隣り合うティース17bの間には溝であるスロット17cが形成されている。コア17aは、例えば6つのティース17bを有する。したがって、コア17aは、6つのスロット17cを有する。すなわち、モータ10のスロット数は6である。モータ10は、極数が4、スロット数が6の、4極6スロットのモータである。ロータ15は、巻線に電流が流通しティース17bと永久磁石13との間に磁気による吸引力および反発力が発生することで、回転軸16を軸に回転する。回転軸16は、例えばブロワファンに接続され、回転軸16の回転によりブロワファンを回転駆動する。
【0015】
モータホルダ20は、モータ10を収容する有底円筒状の収容部21と、収容部21から延設されたフランジ部25とを有する。モータホルダ20は、例えば収容部21とフランジ部25とが同一樹脂材料で連続して形成された一体成型品である。
【0016】
収容部21は、円筒形状の円筒部22と、円筒部22の一端を閉塞する底部23とを有する。したがって、収容部21の横断面は円環形状となる。なお、収容部21の横断面とは、収容部21の軸方向に垂直な断面である。円筒部22の底部23と反対側の端部には、開口部24が形成されている。
【0017】
円筒部22は、内周部22bに複数の支持部22cを有する。支持部22cは、例えば内周部22bから径内方向へ突出するように形成されている突起状の部分である。複数の支持部22cは、周方向において等間隔に配置されている。複数の支持部22cの個数は、モータ10の極数とスロット数の最大公約数によって決定される。複数の支持部22cの個数は、最大公約数が奇数の場合は偶数個であり、最大公約数が偶数の場合は奇数個である。モータ10は、4極6スロットのモータであり、極数とスロット数の最大公約数は2である。すなわち極数とスロット数の最大公約数が偶数であるため、複数の支持部22cの個数は奇数個である。図1に示す例では、複数の支持部22cは、周方向に等間隔に3個設けられている。支持部22cは、収容部21に収容されたモータ10を支持する。具体的には、複数の支持部22cは、ヨーク12の側壁部12cの外周面と圧接することで、収容部21の内部にモータ10を保持する。
【0018】
支持部22cは、軸方向において永久磁石13の中央を避けるように設けられている。例えば支持部22cは、図2に示すように、底部21aから収容部21の軸方向に延びるように設けられている。支持部22cは、軸方向において永久磁石13の中央よりも底部21a側の位置まで延びるように設けられている。支持部22cは、軸方向において永久磁石13の中央から離れた位置に設けられていることが望ましい。
【0019】
フランジ部25は、円筒部22の外周部22aから径外方向に延設されて設けられる。フランジ部25は、図1に示すように、収容部21を取り囲むように円形平板状に形成される。すなわち、フランジ部25の中央に収容部21が位置する構成となっている。フランジ部25は、図2に示すように、軸方向において底部23と同じ位置に設けられている。フランジ部25の外周縁には、モータホルダ20が被取付体に取り付けられるための取付部25aが複数形成されている。例えば取付部25aは、ネジやボルト等の締結具が挿通可能な挿通孔を有する。締結具が、挿通孔に挿通された状態で、被取付体に形成された締結孔に締結されることで、モータホルダ20は被取付体に締結される。取付部25aは、例えば周方向において等間隔に3つ設けられている。
【0020】
モータ10が作動すると、巻線に電流が流れることでティース17bが磁化される。これによって、ティース17bと永久磁石13との間に反発力または吸引力が発生し、ロータ15が回転する。ヨーク12は、ティース17bと永久磁石13との間の反発力および吸引力を受けて径方向に変形する。ヨーク12の径方向の変形は、ロータの回転によって周期的に変動する。すなわち、ヨーク12には、径方向の振動が発生する。
【0021】
ヨーク12に発生する径方向の振動のモードは、永久磁石13の極数とティース17bの数との関係によって決定される。ティース17bの数はスロット17cの数と同じであることから、換言すれば、ヨーク12に発生する径方向の振動モードは極数とスロット数との関係によって決定される。具体的には、ヨーク12には、極数とスロット数との最大公約数と同数の次数の振動モードが発生する。モータ10は、4極6スロットのモータであるため、極数とスロット数との最大公約数は2である。したがって、ヨーク12には2次モードによる振動が発生する。
【0022】
2次モードによる振動とは、ヨーク12における径方向の振動モードのうち、ヨーク12に楕円形状の変形をもたらす楕円モード振動である。ヨーク12の楕円形状の変形とは、ヨーク12の径方向に対向する2箇所が原形状から径外方向に伸長するとともに、伸長する2箇所からそれぞれ周方向に90度ずつ離間した2箇所が原形状から径内方向に収縮する変形である。この変形の半周期後には、径外方向に伸長していた2箇所が径内方向に収縮するとともに、径内方向に収縮していた2箇所が径外方向に伸長する楕円形状の変形がもたらされる。図3に示す例では、ヨーク12には、1周期の間に破線で示す楕円形状への変形と点線で示す楕円形状への変形とを繰り返す楕円モード振動が発生する。なお、図3において破線で示した楕円および点線で示した楕円は、楕円モード振動によるヨーク12の変形を強調して表したものであり、実際のヨーク12の変形の大きさや形状を表したものではない。この伸縮を繰り返す4箇所は2次モードによる変形が最も大きい箇所、すなわち振動の腹に相当する位置である。したがって、図3において一点鎖線とヨーク12の外周面とが交差する位置は、ヨーク12の外周面において2次モードによる振動の腹に相当する位置である。
【0023】
ヨーク12の振動の腹の周方向位置が、モータホルダ20の支持部22cの周方向位置と合致すると、支持部22cを介してモータホルダ20に伝達される振動が大きくなる。モータホルダ20に伝達された振動は、取付部25a等の、被取付体と接触する部分から被取付体へと伝達される。これにより、モータホルダ20および被取付体の振動が大きくなってしまう。特に、ヨーク12における振動の腹の周方向位置が全ての支持部22cの周方向位置と一致した場合、モータホルダ20および被取付体の振動がより大きくなる。
【0024】
支持部22cは、周方向において等間隔に奇数個設けられている。このため、複数の支持部22cのうち、ヨーク12における楕円モードによる振動の腹に相当する位置と接触する支持部22cの個数は、発生する楕円モードの周方向位置に関わらず1個以下である。したがって、全ての支持部22cが、ヨーク12における楕円モードによる振動の腹に相当する位置に接触することを避けることができる。したがって、モータ装置1は、モータホルダ20および被取付体へ伝達される振動を低減することができる。また、支持部22cの個数は、極数とスロット数の最大公約数の倍数を避けた個数であるため、全ての支持部22cが、ヨーク12における楕円モードによる振動の腹に相当する位置に接触することを確実に避けることができる。
【0025】
また、モータ10のモータホルダ20への組み付け公差等により、モータ10のモータホルダ20に対する周方向の位置が変化した場合であっても、全ての支持部21dがヨーク12における楕円モード振動の腹の位置に接触することを避けることができる。また、モータ10の製造公差等により、ヨーク12における楕円モードの周方向の位置が変化した場合であっても、全ての支持部21dがヨーク12における楕円モード振動の腹の位置に接触することを避けることができる。
【0026】
モータ10は、4極6スロットのモータであるとしたが、極数とスロット数の最大公約数が2であれば、モータ10の極数とスロット数の組み合わせは4極6スロットに限定されない。例えば、モータ10は、4極10スロットのモータでもよい。または、モータ10は、6極8スロットのモータであってもよい。
【0027】
次に第1実施形態のモータ装置1がもたらす作用効果について説明する。モータ装置1は、スロット17cが形成されたコア17a、永久磁石13、およびコア17aと永久磁石13を内部に収容する環状のヨーク12を有するモータ10を備える。モータ装置1は、モータ10を内部に収容する環状の収容部21を有するモータホルダ20と、収容部21の内周部において周方向に間隔を空けて設けられ、ヨーク12と接触してヨーク12を支持する複数の支持部22cとを備える。複数の支持部22cは、永久磁石13の極数とスロット数との最大公約数が奇数である場合には偶数個設けられ、最大公約数が偶数である場合には奇数個設けられている。
【0028】
これによれば、支持部22cは、モータ10の極数とスロット数との最大公約数が奇数の場合には偶数個設けられ、最大公約数が偶数の場合には奇数個設けられる。ヨーク12の振動モードは、モータ10の極数とスロット数の最大公約数によって決定され、最大公約数が偶数の場合は偶数次の振動モードとなり、最大公約数が奇数の場合は奇数次の振動モードとなる。このため、極数とスロット数の最大公約数が偶数の場合には奇数個の支持部22cを設け、奇数の場合には偶数個の支持部22cを設けることで、支持部22cの位置とヨーク12の振動モードの腹の位置とが全て一致することを回避することができる。したがって、ヨーク12からモータホルダ20へ伝達される振動を低減することができる。
【0029】
支持部22cは、軸方向において、永久磁石13の中央を避けた位置に設けられている。モータ10の径方向の振動の振幅は、軸方向において、永久磁石13の中央付近が最も大きくなる。したがって、支持部22cの軸方向における位置を、永久磁石13の中央を避けた位置に設定することで、モータホルダ20へ伝達されるモータ10の振動をより低減することができる。
【0030】
(第2実施形態)
第2実施形態では、上述の実施形態におけるモータ装置1の別の実施形態について説明する。図4において第1実施形態の図面中と同一符号を付した構成要素は、同様の構成要素であり、同様の作用効果を奏するものである。以下、第1実施形態と相違する内容について説明する。
【0031】
第2実施形態のモータ装置1は、モータ210を有する。モータ210は、第1実施形態におけるモータ10に相当する。モータ210は、図3に示すように4極4スロットのモータである。したがって、モータ210の極数とスロット数の最大公約数は4である。
【0032】
極数とスロット数の最大公約数が3以上の場合、ヨーク12には、極数とスロット数の最大公約数と同数の頂点を有する正多角形状の変形をもたらす振動が発生する。すなわち、極数とスロット数との最大公約数をnとおいた場合、ヨーク12に正n角形状の変形をもたらすn次モードの振動が発生する。
【0033】
ヨーク12の正n角形状の変形とは、ヨーク12において周方向に等間隔なn箇所が原形状から径外方向に伸長するとともに、伸長するn箇所からそれぞれ周方向に180/n度ずつ離間したn箇所が原形状から径内方向に収縮する変形である。この変形の半周期後には、径外方向に伸長していたn箇所が径内方向に収縮するとともに、径内方向に収縮していたn箇所が径外方向に伸長する正n角形状の変形がもたらされる。
【0034】
モータ210の極数とスロット数の最大公約数が4であるため、ヨーク12には、ヨーク12に正方形状の変形をもたらす4次モードの振動が発生する。すなわち、ヨーク12には、図4に破線で示す正方形状への変形と点線で示す正方形状への変形とを1周期の間に繰り返す四角形モードの振動が発生する。なお、図4において破線および点線で示した各正方形は、四角形モード振動によるヨーク12の変形を強調して表したものであり、実際のヨーク12の変形の大きさや形状を表したものではない。
【0035】
複数の支持部22cは、周方向において等間隔で奇数個設けられている。したがって、偶数次の振動モードである四角形モードによってヨーク12の径方向への変形が最も大きくなる位置、すなわち振動の腹の位置と接触する支持部22cの個数は、モータ210のモータホルダ20に対する周方向位置に関わらず1個以下である。したがって、全ての支持部22cが、ヨーク12における四角形モードの振動の腹に相当する位置と接触することを避けることができる。
【0036】
また、モータ210のモータホルダ20への組み付け公差等により、モータ210のモータホルダ20に対する周方向位置が変化した場合であっても、全ての支持部22cがヨーク12における四角形モード振動の腹の位置に接触することを避けることができる。また、モータ210の製造公差等により、ヨーク12における四角形モードの周方向位置が変化した場合であっても、全ての支持部22cがヨーク12における四角形モード振動の腹の位置に接触することを避けることができる。
【0037】
モータ210は、4極4スロットのモータであるとしたが、極数とスロット数の最大公約数が4であれば、モータ210の極数とスロット数の組み合わせは4極4スロットに限定されない。例えば、モータ210は、4極8スロットのモータであってもよい。または、モータ210は、8極12スロットのモータであってもよい。
【0038】
次に第2実施形態のモータ装置1がもたらす作用効果について説明する。モータ210の極数とスロット数の最大公約数が4である場合、モータホルダ20は、奇数個の支持部22cを有する。これによれば、第2実施形態のモータ装置1は、ヨーク12に四角形モードの振動が発生する場合に、支持部22cの位置とヨーク12の振動モードの腹の位置とが全て一致することを回避することができる。
【0039】
(第3実施形態)
第3実施形態では、上述の実施形態におけるモータ装置1の別の実施形態について説明する。図5において第1実施形態の図面中と同一符号を付した構成要素は、同様の構成要素であり、同様の作用効果を奏するものである。以下、第1実施形態と相違する内容について説明する。
【0040】
第3実施形態のモータ装置1は、モータ310を有する。モータ310は、第1実施形態におけるモータ10に相当する。モータ310は、図5に示すように6極6スロットのモータである。したがって、モータ310の極数とスロット数の最大公約数は6である。
【0041】
モータホルダ20は、複数の支持部322cを有する。支持部322cは、第1実施形態における支持部22cに相当する。モータ310の極数とスロット数の最大公約数が偶数であるため、支持部322cは周方向において等間隔に奇数個、図5に示す例では7個設けられている。
【0042】
モータ310の極数とスロット数の最大公約数が6であるため、ヨーク12には、ヨーク12に正六角形状の変形をもたらす6次モードの振動が発生する。すなわち、ヨーク12には、図5に破線で示す正六角形状への変形と点線で示す正六角形状への変形とを1周期の間に繰り返す六角形モードの振動が発生する。なお、図5において破線および点線で示した各正六角形は、六角形モード振動によるヨーク12の変形を強調して表したものであり、実際のヨーク12の変形の大きさや形状を表したものではない。
【0043】
複数の支持部322cは、周方向において等間隔で奇数個設けられている。したがって、偶数次の振動モードである六角形モードによってヨーク12の径方向への変形が最も大きくなる位置、すなわち振動の腹の位置と接触する支持部322cの個数は、モータ310のモータホルダ20に対する周方向位置に関わらず1個以下である。したがって、全ての支持部322cが、ヨーク12における六角形モードの振動の腹に相当する位置と接触することを避けることができる。
【0044】
また、モータ310のモータホルダ20への組み付け公差等により、モータ310のモータホルダ20に対する周方向の位置が変化した場合であっても、全ての支持部322cがヨーク12における六角形モード振動の腹の位置に接触することを避けることができる。また、モータ310の製造公差等により、ヨーク12における六角形モードの周方向位置が変化した場合であっても、全ての支持部322cがヨーク12における四角形モード振動の腹の位置に接触することを避けることができる。
【0045】
モータ310は、6極6スロットのモータであるとしたが、極数とスロット数の最大公約数が6であれば、モータ310の極数とスロット数の組み合わせは6極6スロットに限定されない。例えば、モータ310は、6極12スロットのモータであってもよい。または、モータ310は、12極24スロットのモータであってもよい。
【0046】
次に第3実施形態のモータ装置1がもたらす作用効果について説明する。モータ310の極数とスロット数の最大公約数が6である場合、モータホルダ20は、奇数個の支持部322cを有する。これによれば、第3実施形態のモータ装置1は、ヨーク12に六角形モードの振動が発生する場合に、支持部322cの位置とヨーク12の振動モードの腹の位置とが全て一致することを回避することができる。
【0047】
(第4実施形態)
第4実施形態では、第1実施形態におけるモータ装置1の別の実施形態について説明する。図6において第1実施形態の図面中と同一符号を付した構成要素は、同様の構成要素であり、同様の作用効果を奏するものである。以下、第1実施形態と相違する内容について説明する。
【0048】
第4実施形態のモータ装置1は、モータ410を有する。モータ410は、第1実施形態におけるモータ10に相当する。モータ410は、図6に示すように4極5スロットのモータである。したがって、モータ410の極数とスロット数の最大公約数は1である。
【0049】
モータホルダ20は、複数の支持部422cを有する。支持部422cは、第1実施形態における支持部22cに相当する。モータ410の極数とスロット数の最大公約数が奇数であるため、支持部422cは偶数個、図6に示す例では4個設けられている。さらに、4個の支持部422cは、周方向に隣り合う永久磁石13と永久磁石13との間の中点と周方向において対応する位置に設けられている。
【0050】
モータ410の極数とスロット数の最大公約数は1であるため、ヨーク12には1次モードによる振動が発生する。1次モードによる振動とは、ヨーク12における径方向の振動モードのうち、ヨーク12に並進運動をもたらす並進モード振動である。図6に示す例では、ヨーク12には、矢印で示した方向に並進して振れ回る並進振動が発生する。なお、図6の各矢印は、並進モードの振動を強調して表したものであり、実際のヨーク12の振動の大きさを表したものではない。
【0051】
並進モード振動では、ヨーク12は、永久磁石13の周方向位置と対応する向きに並進する。すなわち、並進モード振動では、永久磁石13の周方向における中心と周方向において対応するヨーク12の位置が、振動の腹に相当する位置となる。したがって、周方向に隣り合う永久磁石13と永久磁石13との間の中点と周方向に対応するヨーク12における位置が1次モードの節に相当する位置となる。
【0052】
4つの支持部422cは、周方向に隣り合う永久磁石13と永久磁石13との間の中点と周方向において対応する位置に設けられている。このため、4つの支持部422cは、ヨーク12における並進モード振動の節に相当する位置を接触して支持している。したがって、4つの支持部422cを介してモータホルダ20へと伝達される並進モードによる振動を低減することができる。
【0053】
次に第4実施形態のモータ装置1がもたらす作用効果について説明する。モータ410の極数とスロット数の最大公約数が1である場合、モータホルダ20は、偶数個の支持部422cを有する。これによれば、第3実施形態のモータ装置1は、ヨーク12に並進モードの振動が発生する場合に、支持部422cの位置とヨーク12の振動モードの腹の位置とが全て一致することを回避することができる。
【0054】
モータ410の極数とスロット数の最大公約数が1である場合、支持部422cは、周方向に隣り合う永久磁石13と永久磁石13との間の中点と周方向において対応する位置に設けられている。モータ410の極数とスロット数の最大公約数が1である場合は、ヨーク12は並進モードで振動する。並進モードの場合、ヨーク12における振動の節の位置は、永久磁石13と永久磁石13との間の中点と周方向において対応する位置である。この位置に支持部422cを設けることで、モータ10の振動のモータホルダ20への伝達を、より低減することができる。
【0055】
(第5実施形態)
第5実施形態では、第1実施形態におけるモータ装置1の別の実施形態について説明する。図7において第1実施形態の図面中と同一符号を付した構成要素は、同様の構成要素であり、同様の作用効果を奏するものである。以下、第1実施形態と相違する内容について説明する。
【0056】
第5実施形態のモータ装置1は、モータ510を有する。モータ510は、第1実施形態におけるモータ10に相当する。モータ510は、図7に示すように3極6スロットのモータである。したがって、モータ510の極数とスロット数の最大公約数は3である。
【0057】
モータホルダ20は、複数の支持部522cを有する。支持部522cは、第1実施形態における支持部22cに相当する。モータ510の極数とスロット数の最大公約数が奇数であるため、支持部522cは周方向において等間隔に偶数個、図7に示す例では4個設けられている。
【0058】
モータ510の極数とスロット数の最大公約数が3であるため、ヨーク12には、ヨーク12に正三角形状の変形をもたらす3次モードの振動が発生する。すなわち、ヨーク12には、図7に破線で示す正三角形状への変形と点線で示す正三角形状への変形とを1周期の間に繰り返す三角形モードの振動が発生する。なお、図7において破線および点線で示した各正三角形は、三角形モード振動によるヨーク12の変形を強調して表したものであり、実際のヨーク12の変形の大きさや形状を表したものではない。
【0059】
複数の支持部522cは、周方向において等間隔で偶数個設けられている。したがって、奇数次の振動モードである三角形モードによってヨーク12の径方向への変形が最も大きくなる位置、すなわち振動の腹の位置と接触する支持部522cの個数は、モータ510のモータホルダ20に対する周方向位置に関わらず2個以下である。したがって、全ての支持部522cが、ヨーク12における三角形モードの振動の腹に相当する位置と接触することを避けることができる。
【0060】
また、モータ510のモータホルダ20への組み付け公差等により、モータ510のモータホルダ20に対する周方向の位置が変化した場合であっても、全ての支持部522cがヨーク12における三角形モード振動の腹の位置に接触することを避けることができる。また、モータ510の製造公差等により、ヨーク12における三角形モードの周方向位置が変化した場合であっても、全ての支持部522cがヨーク12における三角形モード振動の腹の位置に接触することを避けることができる。
【0061】
モータ510は、3極6スロットのモータであるとしたが、極数とスロット数の最大公約数が6であれば、モータ510の極数とスロット数の組み合わせは3極6スロットに限定されない。例えば、モータ510は、3極9スロットのモータであってもよい。または、モータ510は、6極9スロットのモータであってもよい。
【0062】
次に第5実施形態のモータ装置1がもたらす作用効果について説明する。モータ510の極数とスロット数の最大公約数が3である場合、モータホルダ20は、偶数個の支持部522cを有する。これによれば、第5実施形態のモータ装置1は、ヨーク12に三角形モードの振動が発生する場合に、支持部522cの位置とヨーク12の振動モードの腹の位置とが全て一致することを回避することができる。
【0063】
(第6実施形態)
第6実施形態では、上述の実施形態におけるモータ装置1の別の実施形態について説明する。図8において第1実施形態の図面中と同一符号を付した構成要素は、同様の構成要素であり、同様の作用効果を奏するものである。以下、第1実施形態と相違する内容について説明する。
【0064】
第6実施形態のモータ装置1は、モータ610を有する。モータ610は、第1実施形態におけるモータ10に相当する。モータ610は、図8に示すように5極5スロットのモータである。したがって、モータ610の極数とスロット数の最大公約数は5である。
【0065】
モータ610の極数とスロット数の最大公約数が5であるため、ヨーク12には、ヨーク12に正五角形状の変形をもたらす5次モードの振動が発生する。すなわち、ヨーク12には、図8に破線で示す正五角形状への変形と点線で示す正五角形状への変形とを1周期の間に繰り返す五角形モードの振動が発生する。なお、図8において破線および点線で示した各正五角形は、五角形モード振動によるヨーク12の変形を強調して表したものであり、実際のヨーク12の変形の大きさや形状を表したものではない。
【0066】
複数の支持部522cは、周方向において等間隔で偶数個設けられている。したがって、奇数次の振動モードである五角形モードによってヨーク12の径方向への変形が最も大きくなる位置、すなわち振動の腹の位置と接触する支持部522cの個数は、モータ610のモータホルダ20に対する周方向位置に関わらず2個以下である。したがって、全ての支持部522cが、ヨーク12における三角形モードの振動の腹に相当する位置と接触することを避けることができる。
【0067】
また、モータ610のモータホルダ20への組み付け公差等により、モータ610のモータホルダ20に対する周方向の位置が変化した場合であっても、全ての支持部522cがヨーク12における五角形モード振動の腹の位置に接触することを避けることができる。また、モータ610の製造公差等により、ヨーク12における五角形モードの周方向位置が変化した場合であっても、全ての支持部522cがヨーク12における五角形モード振動の腹の位置に接触することを避けることができる。
【0068】
モータ610は、5極5スロットのモータであるとしたが、極数とスロット数の最大公約数が5であれば、モータ610の極数とスロット数の組み合わせは5極5スロットに限定されない。例えば、モータ610は、5極10スロットのモータであってもよい。または、モータ610は、10極15スロットのモータであってもよい。
【0069】
次に第6実施形態のモータ装置1がもたらす作用効果について説明する。モータ610の極数とスロット数の最大公約数が5である場合、モータホルダ20は、偶数個の支持部522cを有する。これによれば、第6実施形態のモータ装置1は、ヨーク12に五角形モードの振動が発生する場合に、支持部522cの位置とヨーク12の振動モードの腹の位置とが全て一致することを回避することができる。
【0070】
(第7実施形態)
第7実施形態では、第1実施形態におけるモータ装置1の別の実施形態について説明する。図9において第1実施形態の図面中と同一符号を付した構成要素は、同様の構成要素であり、同様の作用効果を奏するものである。以下、第1実施形態と相違する内容について説明する。
【0071】
第7実施形態のモータ装置1において、モータ10aは、4極18スロットのモータである。したがって、モータ10aの極数とスロット数の最大公約数は2である。モータホルダ20は、複数の支持部722cを有する。支持部722cは、第1実施形態における支持部22cに相当する。支持部722cは7個設けられている。7個の支持部722cのうち6個は、周方向において等間隔に設けられている。
【0072】
モータホルダ20は、フランジ部25に複数のリブを有する。複数のリブは、フランジ部25の一面から軸方向に張り出すように設けられている。複数のリブは、例えば径方向に延びるように設けられている複数の径方向リブ25bと、周方向に隣り合う径方向リブ25bと径方向リブ25bとを結合するように設けられている円弧状の複数の周方向リブ25cとを含む。複数の周方向リブ25cは、円環状となるように設けられている。複数の径方向リブ25bは、少なくとも6個の支持部722cと周方向において同じ位置に設けられている。
【0073】
収容部21には、支持部722cが周方向において等間隔で6つ設けられている。したがって、収容部21には、径方向に対向する2つの支持部722cの組が3組存在する。外周部22aの、径方向に対向する2つの支持部722cのうち一方の支持部722cと対応する周方向位置には、径方向リブ25bが連結されている。すなわち、径方向リブ25bが周方向リブ25cと外周部22aとを連結している。また、外周部22aの、他方の支持部722cと対応する周方向位置には、径方向リブ25bが連結されていない。すなわち、径方向リブ25bが周方向リブ25cと外周部22aとを連結していない。したがって、この径方向リブ25bにより、径方向に対向する2つの支持部722cのうち一方の支持部722cのモータ10aに対する反力は、他方の支持部722cのモータ10aに対する反力よりも大きくなっている。すなわち、径方向に対向する2つの支持部722cのうち他方の支持部722cは、一方の支持部722cよりも、モータ10aからの振動をモータホルダ20に伝達しにくい。
【0074】
モータ10aが作動すると、楕円モード振動が発生する。このとき、径方向に対向する2つの支持部722cが、ヨーク12における楕円モード振動の腹の位置に接触した状態となる場合がある。対向する2つの支持部722cのうち他方の支持部722cは、一方の支持部722cよりもモータ10aに対する反力が小さい。このため、他方の支持部722cは、一方の支持部722cよりも楕円モードの腹の振動をモータホルダ20に伝達しにくい。したがって、対向する2つの支持部722cのモータ10aに対する反力が同じ場合、すなわち、外周部22aの径方向に対向する2つの支持部722cのそれぞれと対応する周方向位置に径方向リブ25bが連結されている場合と比べて、モータ10aからモータホルダ20へと伝達される振動が低減される。
【0075】
また、全ての支持部722cが楕円モード振動の腹の位置に接触しない場合でも、6つの支持部722cのうち3つの支持部722cのモータ10aに対する反力が、残りの3つの支持部722cよりも小さいため、モータ10aからモータホルダ20へと伝達される振動を低減することができる。
【0076】
また、収容部21には、径方向リブ25bが連結されて反力が大きい支持部722cと、径方向リブ25bが連結されておらず反力が小さい支持部722cとが、周方向に交互に配置されている。このため、モータホルダ20にモータ10aを圧入する際の、モータホルダ20の変形の偏りを低減することができる。
【0077】
図10は、図9に示したモータ装置1において、振動の伝達力を測定したグラフである。図10に示す振動の伝達力は、モータホルダ20を鉄板に締結し、取付部に荷重センサを取り付けた状態でモータ10aを作動した際の、荷重センサによって検出された径方向の荷重である。図10において実線で示された伝達力は、図9のモータ装置1によるものである。図10において点線で示された伝達力は、外周部22aの、6つの支持部722cと対応する周方向位置全てに径方向リブ25bが連結されている従来のモータ装置によるものである。図10に示すように、第7実施形態のモータ装置1は、従来のモータ装置と比較して振動の伝達力が小さい。すなわち第7実施形態のモータ装置1は、従来のモータ装置よりもモータホルダ20に伝達される振動が低減されている。
【0078】
次に、第7実施形態のモータ装置1がもたらす作用効果について説明する。支持部722cは、モータ10aの極数とスロット数の最大公約数よりも多い個数設けられる。複数の支持部722cのうち、モータ10aの極数とスロット数の最大公約数と同数の所定の支持部722cは、周方向において等間隔の位置に設けられ、所定の支持部722cのうち一つは、残りの所定の支持部722cよりもヨーク12に対して高い反力を提供する。
【0079】
これによれば、複数の支持部722cのうち、ヨーク12の振動の腹と周方向位置が一致し得る所定の支持部722cのうち一つは、残りの所定の支持部722cよりもヨーク12に対する反力が高い。したがって、ヨーク12の振動の腹と周方向位置が一致し得る所定の支持部722cは、一つを除きモータホルダ20に振動を伝達しにくい。これにより、モータ10aからモータホルダ20に伝達される振動を低減することができる。
【0080】
(第8実施形態)
第8実施形態では、第7実施形態におけるモータ装置1の別の実施形態について説明する。図11において第7実施形態の図面中と同一符号を付した構成要素は、同様の構成要素であり、同様の作用効果を奏するものである。以下、上述の実施形態と相違する内容について説明する。
【0081】
第7実施形態のモータ装置1は、3極6スロットのモータ510を有する。モータホルダ20は、複数の支持部822cを有する。支持部822cは、第1実施形態における支持部22cに相当する。支持部822cは周方向において等間隔に6個設けられている。
【0082】
収容部21には、支持部822cが周方向において等間隔で6つ設けられている。したがって、収容部21には、周方向において等間隔の位置に設けられる3つの支持部822cの組が2組存在する。図11において、3つの支持部822cの組とは、破線で示された三角形によって囲まれた範囲に配置されている3つの支持部822cの組と、点線で示された三角形によって囲まれた範囲に配置されている3つの支持部822cの組との2組である。外周部22aの、3つの支持部822cの組のうち1つの支持部822cと対応する周方向位置には、径方向リブ25bが連結されている。すなわち、径方向リブ25bが周方向リブ25cと外周部22aとを連結している。また、外周部22aの、残りの2つの支持部822cと対応する周方向位置には、径方向リブ25bが連結されていない。すなわち、径方向リブ25bが周方向リブ25cと外周部22aとを連結していない。したがって、この径方向リブ25bにより、3つの支持部822cの組のうち1つの支持部822cのモータ10に対する反力は、残りの2つの支持部822cのモータ510に対する反力よりも大きくなっている。すなわち、3つの支持部822cの組のうち2つの支持部822cは、1つの支持部822cよりも、モータ510からの振動をモータホルダ20に伝達しにくい。
【0083】
モータ510が作動すると、三角形モード振動が発生する。このとき、周方向に等間隔な3つの支持部822cが、ヨーク12における楕円モード振動の腹の位置に接触した状態となる場合がある。3つの支持部のうち2つの支持部822cは、残りの1つの支持部822cよりもモータ10に対する反力が小さい。このため、2つの支持部822cは、1つの支持部822cよりも三角形モードの腹の振動をモータホルダ20に伝達しにくい。したがって、3つの支持部822cのモータ10に対する反力が同じ場合、すなわち、外周部22aの周方向において等間隔な3つの支持部822cのそれぞれと対応する周方向位置に径方向リブ25bが連結されている場合と比べて、モータ10からモータホルダ20へと伝達される振動が低減される。
【0084】
次に、第8実施形態のモータ装置1がもたらす作用効果について説明する。支持部822cは、モータ510の極数とスロット数の最大公約数よりも多い個数設けられる。複数の支持部822cのうち、モータ510の極数とスロット数の最大公約数と同数の所定の支持部822cは、周方向において等間隔の位置に設けられ、所定の支持部822cのうち一つは、残りの所定の支持部822cよりもヨーク12に対して高い反力を提供する。
【0085】
これによれば、複数の支持部822cのうち、ヨーク12の振動の腹と周方向位置が一致し得る所定の支持部822cのうち一つは、残りの所定の支持部822cよりもヨーク12に対する反力が高い。したがって、ヨーク12の振動の腹と周方向位置が一致し得る所定の支持部822cは、一つを除きモータホルダ20に振動を伝達しにくい。これにより、モータ510からモータホルダ20に伝達される振動を低減することができる。
【0086】
(第9実施形態)
第9実施形態では、第1実施形態におけるモータ装置1の別の実施形態について説明する。図12において第1実施形態の図面中と同一符号を付した構成要素は、同様の構成要素であり、同様の作用効果を奏するものである。以下、第1実施形態と相違する内容について説明する。
【0087】
第9実施形態のモータ装置1において、収容部21には、支持部922cが7個設けられている。7個の支持部922cのうち6個は、周方向において等間隔で6つ設けられている。したがって、収容部21には、径方向に対向する2つの支持部922cの組が3組存在する。径方向に対向する2つの支持部922cのうち一方の支持部922cは、他方の支持部922cよりも剛性が低くなるように形成されている。例えば、一方の支持部922cは、他方の支持部922cよりも回転軸に垂直な断面における断面積が小さくなるように形成されることで、他方の支持部922cよりも剛性が小さくなるように形成されている。したがって、径方向に対向する2つの支持部922cのうち一方の支持部922cは、他方の支持部922cよりも変形しやすくなっている。すなわち、径方向に対向する2つの支持部922cのうち一方の支持部922cは、他方の支持部922cよりも、モータ10からの振動をモータホルダ20に伝達しにくい。
【0088】
モータ10が作動すると、楕円モード振動が発生する。このとき、径方向に対向する2つの支持部922cが、ヨーク12における楕円モード振動の腹の位置に接触した状態となる場合がある。対向する2つの支持部922cのうち一方の支持部922cは、他方の支持部922cよりも剛性が小さい。このため、一方の支持部922cは、他方の支持部922cよりも楕円モードの腹の振動をモータホルダ20に伝達しにくい。したがって、対向する2つの支持部922cの剛性が同じ場合、すなわち、2つの支持部922cの径方向断面積が同じ場合と比べて、モータ10からモータホルダ20へと伝達される振動が低減される。
【0089】
また、全ての支持部922cが楕円モード振動の腹の位置に接触しない場合でも、6つの支持部922cのうち3つの支持部922cの径方向断面積が、残りの3つの支持部922cよりも小さいため、モータ10からモータホルダ20へと伝達される振動を低減することができる。
【0090】
また、収容部21には、剛性の低い支持部922cと、剛性の高い支持部922cとが、周方向に交互に配置されている。このため、モータホルダ20にモータ10を圧入する際の、モータホルダ20の変形の偏りを低減することができる。
【0091】
次に第9実施形態のモータ装置1がもたらす作用効果について説明する。モータ10の極数とスロット数の最大公約数が2である場合に、支持部922cは少なくとも2つ設けられ、支持部922cのうち、所定の2つの支持部922cは径方向に対向する位置に設けられる。所定の2つの支持部922cのうち一方は、他方よりも高い剛性を有する。
【0092】
これによれば、楕円モードで振動するモータ10を保持する支持部922cのうち、周方向に対向する2つの支持部922cのうち一方は、他方よりも剛性が高い。したがって、他方の支持部922cは一方の支持部922cよりも剛性が低いため振動を伝達しにくい。これにより、モータ10の振動のモータホルダ20への伝達を低減することができる。
【0093】
(第10実施形態)
第10実施形態では、第1実施形態におけるモータ装置1の別の実施形態について説明する。図13において第1実施形態の図面中と同一符号を付した構成要素は、同様の構成要素であり、同様の作用効果を奏するものである。以下、第1実施形態と相違する内容について説明する。
【0094】
第10実施形態のモータ装置1において、モータホルダ20は、複数の支持部1022cを有する。支持部1022cは、第1実施形態における支持部22cに相当する。複数の支持部1022cの個数は3個である。支持部1022cは、内周部において周方向に不等間隔で設けられている。
【0095】
モータ10は、極数とスロット数の最大公約数が2である4極6スロットのモータである。したがって、モータ10が作動すると、ヨーク12には、楕円モードの振動が発生する。
【0096】
ヨーク12に発生する振動モードにおいて、振動の腹と腹との周方向の間隔は等間隔である。したがって、周方向において不等間隔で設けられた複数の支持部1022cの全てが、ヨーク12における振動の腹の位置と接触することを避けることができる。このため、モータ10からモータホルダ20へと伝達される振動を低減することが可能となる。
【0097】
次に第10実施形態のモータ装置1がもたらす作用効果について説明する。モータ装置1は、スロット17cが形成されたコア17a、永久磁石13、およびコア17aと永久磁石13を内部に収容する環状のヨーク12と、を有するモータ10を備える。モータ装置1は、モータ10を内部に収容する環状の収容部21を有するモータホルダ20と、収容部21の内周部において周方向に間隔を空けて設けられ、ヨーク12と接触してヨーク12を支持する複数の支持部1022cとを備える。複数の支持部1022cは、周方向において不等間隔で設けられている。
【0098】
これによれば、複数の支持部1022cは周方向において不等間隔で設けられている。したがって、全ての支持部1022cが周方向に等間隔で発生する振動の腹の位置と周方向において一致することを避けることができる。これにより、モータ10からモータホルダ20へと伝達される振動を低減することができる。
【0099】
(第11実施形態)
第11実施形態では、第10実施形態におけるモータ装置1の別の実施形態について説明する。図14において第10実施形態の図面中と同一符号を付した構成要素は、同様の構成要素であり、同様の作用効果を奏するものである。以下、上述の実施形態と相違する内容について説明する。
【0100】
第11実施形態のモータ装置1において、モータホルダ20は、複数の支持部1122cを有する。支持部1122cは、第1実施形態における支持部22cに相当する。支持部1122cの個数は、3個である。3個の支持部1122cは、内周部において周方向に不等間隔で設けられている。
【0101】
モータ210は、極数とスロット数の最大公約数が4である4極4スロットのモータである。したがって、モータ210が作動すると、ヨーク12には、四角形モードの振動が発生する。
【0102】
ヨーク12に発生する振動モードにおいて、振動の腹と腹との周方向の間隔は等間隔である。したがって、周方向において不等間隔で設けられた複数の支持部1122cの全てが、ヨーク12における振動の腹の位置と接触することを避けることができる。このため、モータ210からモータホルダ20へと伝達される振動を低減することが可能となる。
【0103】
(第12実施形態)
第12実施形態では、第10実施形態におけるモータ装置1の別の実施形態について説明する。図15において第10実施形態の図面中と同一符号を付した構成要素は、同様の構成要素であり、同様の作用効果を奏するものである。以下、第1実施形態と相違する内容について説明する。
【0104】
第12実施形態のモータ装置1において、モータホルダ20は、複数の支持部1222cを有する。支持部1222cは、第1実施形態における支持部22cに相当する。支持部1222cの個数は、3個である。3個の支持部1222cは、内周部において周方向に不等間隔で設けられている。
【0105】
モータ410は、極数とスロット数の最大公約数が1である4極5スロットのモータである。したがって、モータ410が作動すると、ヨーク12には、並進モードの振動が発生する。
【0106】
ヨーク12に発生する振動モードにおいて、振動の腹と腹との周方向の間隔は等間隔である。したがって、周方向において不等間隔で設けられた複数の支持部1222cの全てが、ヨーク12における振動の腹の位置と接触することを避けることができる。このため、モータ410からモータホルダ20へと伝達される振動を低減することが可能となる。
【0107】
(第13実施形態)
第13実施形態では、第10実施形態におけるモータ装置1の別の実施形態について説明する。図16において第10実施形態の図面中と同一符号を付した構成要素は、同様の構成要素であり、同様の作用効果を奏するものである。以下、前述の実施形態と相違する内容について説明する。
【0108】
第13実施形態のモータ装置1において、モータホルダ20は、複数の支持部1322cを有する。支持部1322cは、第1実施形態における支持部21dに相当する。支持部1322cの個数は、4個である。4個の支持部1322cは、内周部において周方向に不等間隔で設けられている。
【0109】
モータ510は、極数とスロット数の最大公約数が3である3極6スロットのモータである。したがって、モータ510が作動すると、ヨーク12には、三角形モードの振動が発生する。
【0110】
ヨーク12に発生する振動モードにおいて、振動の腹と腹との周方向の間隔は等間隔である。したがって、周方向において不等間隔で設けられた複数の支持部1322cの全てが、ヨーク12における振動の腹の位置と接触することを避けることができる。このため、モータ510からモータホルダ20へと伝達される振動を低減することが可能となる。
【0111】
(他の実施形態)
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
【0112】
上述の実施形態において、モータ10で界磁に用いられる磁石は永久磁石13であるとしたが、電磁石であってもよい。
【0113】
上述の実施形態において、モータ10はティースが形成されたロータコアが回転するとしたが、モータ10の構成はこれに限定されない。例えば、モータ10は、ステータコアにティースが突出し、永久磁石ロータが回転するブラシレスモータであってもよい。また、モータ10は直流モータであるとしたが、交流モータであってもよい。
【0114】
上述の実施形態において、モータ装置1は車両用空調ユニットのブロワモータ装置として用いられるとしたが、車両用空調ユニット以外に適用されてもよい。例えば、モータ装置1は、ラジエータ等の熱交換器に送風する送風装置のファンを回転駆動するモータ装置として用いられてもよい。
【0115】
上述の実施形態において、モータ装置1は送風用モータに適用されるとしたが、モータ装置1の用途はこれに限定されない。
【0116】
上述の実施形態で説明した支持部が設けられる位置は、各実施形態において説明した位置から周方向において±5度の範囲を包含するものとする。
【0117】
上述の実施形態において、支持部22cは、円筒部22の内周部22bから径内方向へ突出するように設けられている突起状の部分であるとしたが、支持部の形状はこれに限定されない。例えば、内周部22bが突起状の部分を有しておらず、ヨーク12に径外方向に突出する複数の突起状の部分が形成されていてもよい。この場合、内周部22bの、ヨーク12の突起状の部分と接触する箇所がヨーク12を支持する支持部となる。
【0118】
上述の実施形態において、モータホルダ20は延設部としてフランジ部25が形成されているとしたが、フランジ部25が形成されず、収容部21に直接取付部25aが形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0119】
1…モータ装置
10…モータ
12…ヨーク
13…永久磁石(磁石)
20…モータホルダ
21…収容部
22c、322c、422c、522c、722c、822c、922c、1022c、1122c、1222c、1322c…支持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16