(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、片持ち部材の先端部を、回転する対象物に接触させて、対象物の温度を測定する構成において、片持ち部材の基端部に当たっている部材が専用の部品である場合と比して、新規に部品を追加することなく、片持ち部材が振動するのを抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様に係る定着装置は、画像が形成された記録媒体を、回転しながら搬送して加熱する加熱部材と、本体部材と、前記本体部材に基端が固定されていると共に先端部で前記加熱部材に接触している片持ち部材と、を有し、前記加熱部材の温度を測定する測定部材と、前記測定部材を支持すると共に、前記片持ち部材の基端部に当たっている当て部が形成された支持部材と、を備えることを特徴とする。
【0006】
第2態様に係る定着装置は、画像が形成された記録媒体を、回転しながら搬送して加熱する加熱部材と、本体部材と、前記本体部材に基端が固定されていると共に先端部で前記加熱部材に接触している片持ち部材と、を有し、前記加熱部材の温度を測定する測定部材と、前記測定部材を支持する支持部材と、前記加熱部材によって搬送される記録媒体に接触し、記録媒体を案内する案内部材と、を備え、前記支持部材、及び前記案内部材の少なくとも一方には、前記片持ち部材の基端部に当たっている当て部が形成されていることを特徴とする。
【0007】
第3態様に係る定着装置は、画像が形成された記録媒体を、回転しながら搬送して加熱する加熱部材と、本体部材と、前記本体部材に基端が固定されていると共に先端部で前記加熱部材に接触している片持ち部材と、を有し、前記加熱部材の温度を測定する測定部材と、前記測定部材を支持すると共に、前記片持ち部材の基端部に当たっている第一当て部が形成された支持部材と、前記加熱部材によって搬送される記録媒体に接触し、記録媒体を案内すると共に、前記片持ち部の基端部に当たっている第二当て部が形成された案内部材と、を備え、前記第一当て部と、前記第二当て部とで前記片持ち部材を挟んでいることを特徴とする。
【0008】
第4態様に係る定着装置は、
第2態様又は第3態様に記載の定着装置において、前記当て部は、前記案内部材に形成され、前記案内部材は、樹脂材料で成形されていることを特徴とする。
【0009】
第5態様に係る定着装置は、
第1態様〜第3態様の何れか一態様に記載の定着装置において、前記当て部は、前記支持部材に形成され、前記支持部材は、樹脂材料で成形されていることを特徴とする。
【0010】
第6態様に係る定着装置は、
第1態様〜第5態様の何れか一態様に記載の定着装置において、画像が形成された記録媒体を、回転しながら前記加熱部材側に加圧する加圧部材と、他の本体部材と、前記他の本体部材に基端が固定されていると共に先端部で前記加圧部材に接触している他の片持ち部材と、を有し、前記加圧部材の温度を測定する他の測定部材と、前記他の測定部材を支持すると共に、前記他の片持ち部材の基端部に当たっている当て部が形成された他の支持部材と、を備えることを特徴とする。
【0011】
第7態様に係る画像形成装置は、トナー画像を形成する形成部と、前記形成部によって形成されたトナー画像を記録媒体に転写する転写部と、前記転写部によって記録媒体に転写されたトナー画像を記録媒体に定着する
第1態様〜第6態様の何れか一態様に記載の定着装置と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
第1態様の定着装置によれば、片持ち部材の基端部に当たっている部材が専用の部品である場合と比して、新規に部品を追加することなく、片持ち部材が振動するのを抑制することができる。
【0013】
第2態様の定着装置によれば、片持ち部材の基端部に当たっている部材が設けられていない場合と比して、新規に部品を追加することなく、片持ち部材が振動するのを抑制することができる。
【0014】
第3態様の定着装置によれば、第一当て部と第二当て部とで片持ち部材を挟んでいない場合と比して、新規に部品を追加することなく、片持ち部材が振動するのを抑制することができる。
【0015】
第4態様の定着装置によれば、案内部材が金属製である場合と比して、測定部材よる温度の測定精度が低下するのを抑制することができる。
【0016】
第5態様の定着装置によれば、支持部材が金属製である場合と比して、測定部材よる温度の測定精度が低下するのを抑制することができる。
【0017】
第6態様の定着装置によれば、他の片持ち部材の基端部に当たっている部材が設けられていない場合と比して、新規に部品を追加することなく、他の片持ち部材が振動するのを抑制することができる。
【0018】
第7態様の画像形成装置によれば、
第1態様〜第6態様の何れか一態様に記載の定着装置を備えていない場合と比して、騒音の発生を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例を
図1〜
図4に従って説明する。なお、図中に示す矢印Hは装置上下方向(鉛直方向)を示し、矢印Wは装置幅方向(水平方向)を示し、矢印Dは装置奥行方向(水平方向)を示す。
【0021】
(全体構成)
図4に示されるように、本実施形態に係る画像形成装置10には、上下方向(矢印H方向)の下方から上方へ向けて、記録媒体としてのシート部材Pが収容される収容部14と、収容部14に収容されたシート部材Pを搬送する搬送部16と、収容部14から搬送部16によって搬送されるシート部材Pに画像形成を行う画像形成部20とが、この順で備えられている。さらに、画像形成装置10には、各部を制御する制御部48が備えられている。
【0022】
〔収容部〕
収容部14には、画像形成装置10の装置本体10Aから装置奥行方向の手前側に引き出し可能な収容部材26が備えられており、この収容部材26にシート部材Pが積載されている。さらに、収容部材26には、収容部材26に積載されたシート部材Pを、搬送部16を構成する搬送経路28に送り出す送出ロール30が備えられている。
【0023】
〔搬送部〕
搬送部16には、収容部14から送り出されたシート部材Pが搬送される搬送経路28に沿ってシート部材Pを搬送する複数の搬送ロール32が備えられている。
【0024】
さらに、搬送部16には、表面に画像が形成されたシート部材Pの裏面に画像を形成する場合に、シート部材Pが搬送される反転搬送路34に沿ってシート部材Pを搬送する搬送ロール58が備えられている。
【0025】
〔画像形成部〕
画像形成部20には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4つの画像形成ユニット18Y、18M、18C、18Kが備えられている。なお、以後の説明では、Y、M、C、Kを区別して説明する必要が無い場合は、Y、M、C、Kを省略して記載することがある。各色の画像形成ユニット18は、装置本体10Aに対して夫々着脱可能とされている。
【0026】
そして、各色の画像形成ユニット18には、像保持体36と、像保持体36の表面を帯電する帯電部材38とが備えられている。さらに、各色の画像形成ユニット18には、帯電した像保持体36に露光光を夫々照射する露光装置42と、露光光を照射することで形成された静電潜像を現像してトナー画像として可視化する現像装置40とが備えられている。
【0027】
また、画像形成部20には、図中矢印A方向に周回する無端状の転写ベルト22と、各色の画像形成ユニット18によって形成されたトナー画像を転写ベルト22に転写する一次転写ロール44とが備えられている。さらに、画像形成部20には、転写ベルト22に転写されたトナー画像をシート部材Pに転写する二次転写ロール46と、トナー画像が転写されたシート部材Pを加熱・加圧してトナー画像をシート部材Pに定着する定着装置50とが備えられている。
【0028】
なお、定着装置50については、詳細を後述する。
【0029】
(画像形成装置の作用)
画像形成装置10では、次のようにして画像が形成される。
【0030】
先ず、電圧が印加された各色の帯電部材38は、各色の像保持体36の表面を予定の電位で一様にマイナス帯電する。続いて、外部から受け取った画像データに基づいて露光装置42は、帯電した各色の像保持体36の表面に露光光を照射して静電潜像を形成する。
【0031】
これにより、データに対応した静電潜像が各色の像保持体36の表面に形成される。さらに、各色の現像装置40は、この静電潜像を現像し、トナー画像として可視化する。また、各色の像保持体36の表面に形成されたトナー画像は、一次転写ロール44によって転写ベルト22に転写される。
【0032】
そこで、収容部材26から送出ロール30によって搬送経路28へ送り出されたシート部材Pは、転写ベルト22と二次転写ロール46とが接触する転写位置Tへ送り出される。転写位置Tでは、シート部材Pが転写ベルト22と二次転写ロール46との間で搬送されることで、転写ベルト22の表面のトナー画像は、シート部材Pの表面に転写される。
【0033】
シート部材Pの表面に転写されたトナー画像は、定着装置50によってシート部材Pに定着される。そして、トナー画像が定着されたシート部材Pは、装置本体10Aの外部へ排出される。
【0034】
一方、シート部材Pの裏面にトナー画像を形成する場合には、表面にトナー画像が定着したシート部材Pは、反転搬送路34へ送り出され、シート部材Pの表裏が反転された状態で、搬送経路28に送り出される。その後に、シート部材Pの裏面にトナー画像を形成させる工程は、シート部材Pの表面にトナー画像を形成させる前述した工程と同様である。
【0035】
(要部構成)
次に、定着装置50の構成について説明する。
【0036】
定着装置50は、
図1に示されるように、各部材を収容する筐体50Aと、トナー画像をシート部材Pに定着する定着部材52と、搬送されるシート部材Pを案内する案内部70とを備えている。
【0037】
さらに、定着装置50は、定着部材52を構成する加熱部材の一例としての加熱ロール54の温度を測定する第一測定部材92と、第一測定部材92を支持する第一支持部材104とを備えている。第一測定部材92は、測定部材の一例とされ、第一支持部材104は、支持部材の一例とされている。
【0038】
また、定着装置50は、定着部材52を構成する加圧部材の一例としての加圧ロール56の温度を測定する第二測定部材112と、第二測定部材112を支持する第二支持部材124とを備えている。第二測定部材112は、他の測定部材の一例とされ、第二支持部材124は、他の支持部材の一例とされている。
【0039】
〔定着部材〕
定着部材52の加熱ロール54は、内部に熱源が設けられ、図示せぬ駆動部材から回転力が伝達されて図中矢印R1方向に回転する円柱状とされている。さらに、定着部材52は、加熱ロール54に対して搬送経路28を挟んで反対側に配置され、回転する加熱ロール54に従動して図中矢印R2方向に回転すると共に、シート部材Pを加熱ロール54側に向けて加圧する円柱状の加圧ロール56を備えている。
【0040】
この構成において、回転する加熱ロール54が、トナー画像が転写されたシート部材Pを、加圧ロール56との間で挟み込んで搬送するようになっている。そして、定着部材52は、トナー画像をシート部材Pに定着するようになっている。
【0041】
〔案内部〕
案内部70は、定着部材52に対して、シート部材Pの搬送方向(以下「シート搬送方向」)の下流側に配置されている。そして、案内部70は、加熱ロール54側に配置される第一案内部72と、搬送経路28を挟んで第一案内部72の反対側に配置されている第二案内部74とを備えている。
【0042】
[第一案内部]
第一案内部72は、
図2に示されるように、板面が装置奥行方向を向き、装置奥行方向に間隔を空けて配置されている一対の案内板76と、複数の案内板78とを有している。
【0043】
一対の案内板76は、樹脂材料によって成形され、加熱ロール54の装置奥行方向の中央側で、並んで配置されている。さらに、複数の案内板78は、樹脂材料によって成形され、装置奥行方向において案内板76の外側に配置されている。この案内板76は、案内部材の一例である。
【0044】
また、案内板76、78の搬送経路28側の部分には、
図1に示されるように、シート部材Pをシート搬送方向の下流側に案内する曲線状の案内縁76A、78Aが形成されている。
【0045】
さらに、案内板76において案内縁76Aとは、装置幅方向の反対側の部分には、搬送経路28とは反対側に延び、後述する片持ち部材96の基端部に当たっている当て部76Bが、形成されている。なお、案内板76と、案内板78との形状の相違点は、当て部76Bが形成されているか否かである。
【0046】
[第二案内部]
第二案内部74は、
図3に示されるように、板面が装置奥行方向を向き、装置奥行方向に間隔を空けて並んで配置されている一対の案内板82と、複数の案内板84とを有している。
【0047】
一対の案内板82は、装置奥行方向の中央側で、並んで配置され、複数の案内板84は、装置奥行方向において案内板82の外側に配置されている。
【0048】
また、案内板82、84の搬送経路28側の部分には、
図1に示されるように、搬送されるシート部材Pに接触して、シート部材Pをシート搬送方向の下流側に案内する曲線状の案内縁82A、84Aが形成されている。さらに、案内板82において案内縁82Aとは反対側の部分には、搬送経路28とは反対側に延び、後述する片持ち部材116の基端部に当たっている当て部82Bが、形成されている。
【0049】
なお、案内板82と、案内板84との相違点は、当て部82Bが形成されているか否かである。
【0050】
〔第一測定部材・第一支持部材〕
第一測定部材92、及び第一支持部材104は、
図1に示されるように、装置奥行方向から見て、第一案内部72を挟んで搬送経路28の反対側に配置されている。さらに、第一測定部材92、及び第一支持部材104は、
図2に示されるように、装置奥行方向において、加熱ロール54の中央側の部分に配置されている。
【0051】
第一測定部材92は、サーミスタであって、本体部材94と、基端が本体部材94に固定され、下方に延びる片持ち状の片持ち部材96とを有している。本体部材94は、直方体状とされ、本体部材94には、
図1に示されるように、装置幅方向に貫通する貫通孔94Aが形成されている。
【0052】
片持ち部材96は、板金である。そして、片持ち部材96の先端部の表面が、加熱ロール54の表面に接触して、片持ち部材96は、撓んでいる。また、片持ち部材96の先端部の裏面には、温度によって抵抗値が変化する素子98と、素子98に電圧を印加するための配線100(
図2参照)とが固定されている。そして、前述した案内板76の当て部76Bの先端は、片持ち部材96の基端部の表面に当たっている。
【0053】
第一支持部材104は、樹脂部材によって成形され、装置奥行方向から見て、本体部材94を挟んで案内板76の反対側に配置されている。そして、第一支持部材104は、筐体50Aに固定されている。さらに、第一支持部材104には、片持ち部材96側に延び、片持ち部材96の基端部の裏面に当たっている、一対の当て部104Bが形成されている。そして、第一支持部材104の当て部104Bと、案内板76の当て部76Bとで片持ち部材96を挟んでいる。
【0054】
また、第一支持部材104には、
図1に示されるように、ネジ穴104Aが形成されている。そして、ネジ102を、本体部材94の貫通孔94Aに通して、ネジ穴104Aに締め込むことで、第一測定部材92が、第一支持部材104に支持されている。
【0055】
この構成において、第一測定部材92は、素子98の抵抗値を検出することで、加熱ロール54の温度を測定するようになっている。
【0056】
〔第二測定部材・第二支持部材〕
第二測定部材112、及び第二支持部材124は、
図1に示されるように、装置奥行方向から見て、第二案内部74、及び加圧ロール56を挟んで搬送経路28の反対側に配置されている。さらに、第二測定部材112、及び第二支持部材124は、
図3に示されるように、装置奥行方向において、加圧ロール56の中央側の部分に配置されている。
【0057】
第二測定部材112は、サーミスタであって、本体部材114と、基端が本体部材114に固定され、下方に延びる片持ち状の片持ち部材116とを有している。本体部材114は、直方体状とされ、本体部材114には、
図1に示されるように、装置幅方向に貫通する貫通孔114Aが形成されている。本体部材114は、他の本体部材の一例とされ、片持ち部材116は、他の片持ち部材の一例とされている。
【0058】
片持ち部材116は、板金部材である。そして、片持ち部材116の先端部の表面が、加圧ロール56の表面に接触し、片持ち部材116は撓んでいる。また、片持ち部材116の先端部の裏面には、温度によって抵抗値が変化する素子118と、素子118に電圧を印加するための電線120(
図3参照)とが固定されている。そして、前述した案内板82の当て部82Bの先端は、片持ち部材116の基端部の表面に当たっている。
【0059】
第二支持部材124は、樹脂部材によって成形され、装置奥行方向から見て、本体部材114を挟んで案内板82の反対側に配置されている。そして、第二支持部材124は、筐体50Aに固定されている。さらに、第二支持部材124には、片持ち部材96側に延び、片持ち部材116の基端部の裏面に当たっている、一対の当て部124Bが形成されている。そして、第二支持部材124の当て部124Bと、案内板82の当て部82Bとで片持ち部材116を挟んでいる。
【0060】
また、第二支持部材124には、ネジ穴124Aが形成されている。そして、ネジ122を、本体部材114の貫通孔114Aに通して、ネジ穴124Aに締め込むことで、第二測定部材112が、第二支持部材124に支持されるようになっている。
【0061】
この構成において、素子118の抵抗値を検出することで、第二測定部材112は、加圧ロール56の温度を測定するようになっている。
【0062】
(作用)
次に、定着装置50の全体作用、定着装置50の第一測定部材92の作用、及び定着装置50の第二測定部材112の作用について説明する。
【0063】
〔全体作用〕
図1に示されるように、図中矢印R1方向に回転する加熱ロール54は、トナー画像が転写されたシート部材Pを加圧ロール56との間で挟み込んで搬送する。これにより、定着部材52は、トナー画像をシート部材Pに定着する。
【0064】
さらに、案内板76、78、及び案内板82、84は、加熱ロール54と加圧ロール56とによって搬送されるシート部材Pを、シート搬送方向の下流側に案内する。
【0065】
〔第一測定部材〕
第一測定部材92は、回転する加熱ロール54の表面の温度を測定する。具体的には、裏面に素子98が固定されている、片持ち部材96の先端部の表面を、加熱ロール54の表面に接触させることで、加熱ロール54の熱が片持ち部材96を介して素子98に伝達される。これにより、素子98の抵抗値が変化することで、第一測定部材92は、加熱ロール54の温度を測定する。また、回転する加熱ロール54と片持ち部材96との間で、所謂スティックスリップ現象が生じる。なお、スティックスリップ現象とは、加熱ロール54の表面と片持ち部材96の表面との間に生じる摩擦力と、加熱ロール54の回転力とによって、加熱ロール54の表面と片持ち部材96の表面とが付着と滑りとを繰り返す現象である。
【0066】
ここで、片持ち部材96の基端部に当たっている当て部76B、及び当て部104Bが設けられていない場合には、このスティックスリップ現象により、片持ち部材96が片持ち部材96の板厚方向に振動してしまう。
【0067】
しかし、本実施形態では、片持ち部材96の基端部に当たっている当て部76Bが、既存部品である案内板76に形成され、片持ち部材96の基端部に当たっている当て部104Bが、既存部品である第一支持部材104に形成されている。
【0068】
このように、案内板76に形成されている当て部76Bが、片持ち部材96の基端部に当たっている。このため、片持ち部材の基端部に当たっている部材が専用の部品である場合と比して、新規に部品を追加することなく、片持ち部材96の振動が抑制される。
【0069】
また、第一支持部材104に形成されている当て部104Bが、片持ち部材96の基端部に当たっている。このため、片持ち部材の基端部に当たっている部材が専用の部品である場合と比して、新規に部品を追加することなく、片持ち部材96の振動が抑制される。
【0070】
また、当て部76Bと当て部104Bとで、片持ち部材96を挟んでいる。このため、当て部76Bと当て部104Bとで片持ち部材96を挟んでいない場合と比して、片持ち部材96の振動が抑制される。
【0071】
また、片持ち部材96の振動が抑制されることで、片持ち部材96の振動が抑制されない場合と比して、振動に起因する異音の発生が抑制される。
【0072】
また、当て部76Bが形成されている案内板76は、金属材料と比して熱伝達率の低い樹脂材料で成形されている。このため、案内板が金属製の場合と比して、第一測定部材92よって測定される温度の測定精度の低下が抑制される。
【0073】
また、当て部104Bが形成されている第一支持部材104は、金属材料と比して熱伝達率の低い樹脂材料で成形されている。このため、第一支持部材が金属製の場合と比して、第一測定部材92によって測定される温度の測定精度の低下が抑制される。
【0074】
また、画像形成装置10においては、振動に起因する異音の発生が抑制されることで、画像形成時に生じる騒音の発生が抑制される。
【0075】
〔第二測定部材〕
第二測定部材112は、回転する加圧ロール56の表面の温度を測定する。具体的には、裏面に素子118が固定されている、片持ち部材116の先端部の表面を、加圧ロール56の表面に接触させることで、加圧ロール56の熱が片持ち部材116を介して素子118に伝達される。これにより、素子118の抵抗値が変化することで、第二測定部材112は、加圧ロール56の温度を測定する。また、回転する加圧ロール56と片持ち部材116との間で、所謂スティックスリップ現象が生じる。
【0076】
ここで、片持ち部材116の基端部に当たっている当て部82B、及び当て部124Bが設けられていない場合には、このスティックスリップ現象により、片持ち部材116が片持ち部材116の板厚方向に振動してしまう。
【0077】
しかし、本実施形態では、片持ち部材116の基端部に当たっている当て部82Bが、既存部品である案内板82に形成され、片持ち部材116の基端部に当たっている当て部124Bが、既存部品である第二支持部材124に形成されている。このため、片持ち部材116に生じる振動の振幅が、当て部82B、及び当て部124Bが設けられていない場合の振幅と比して、小さくなる。換言すれば、当て部82B、及び当て部124Bを設けることで、当て部82B、及び当て部124Bが設けられていない場合と比して、新規に部品を追加することなく、片持ち部材116の振動が抑制される。
【0078】
また、当て部82Bと当て部124Bとで、片持ち部材116を挟んでいる。このため、当て部82Bと当て部124Bとで片持ち部材116を挟んでいない場合と比して、片持ち部材116の振動が抑制される。
【0079】
また、片持ち部材116の振動が抑制されることで、片持ち部材116の振動が抑制されない場合と比して、振動に起因する異音の発生が抑制される。
【0080】
また、当て部82Bを形成されている案内板82は、金属材料と比して熱伝達率の低い樹脂材料で成形されている。このため、案内板が金属製の場合と比して、第二測定部材112よって測定される温度の測定精度の低下が抑制される。
【0081】
また、当て部124Bを形成されている第二支持部材124は、金属材料と比して熱伝達率の低い樹脂材料で成形されている。このため、第二支持部材が金属製の場合と比して、第二測定部材112よって測定される温度の測定精度の低下が抑制される。
【0082】
また、画像形成装置10においては、振動に起因する異音の発生が抑制されることで、画像形成時に生じる騒音の発生が抑制される。
【0083】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、当て部76B、及び当て部104Bが、片持ち部材96の基端部に当たっているが、当て部76B、及び当て部104Bの少なくとも一方が、片持ち部材96の基端部に当たっていればよい。この場合には、当たっている当て部によって生じる効果のみ生じる。
【0084】
また、上記実施形態では、当て部82B、及び当て部124Bが、片持ち部材116の基端部に当たっているが、当て部82B、及び当て部124Bの少なくとも一方が、片持ち部材116の基端部に当たっていればよい。この場合には、当たっている当て部によって生じる効果のみ生じる。
【0085】
また、上記実施形態では、特に説明しなかったが、片持ち部材96の基端部に当たっている当て部76B、及び当て部104Bが設けられることで、片持ち部材96の固有振動数を変化して、片持ち部材96の振動を抑制させることができる(共振回避)。
【0086】
また、上記実施形態では、特に説明しなかったが、片持ち部材116の基端部に当たっている当て部82B、及び当て部124Bが設けられることで、片持ち部材116の固有振動数が変化して、片持ち部材116の振動が抑制されることがある(共振回避)。
【0087】
また、上記実施形態では、加熱ロール54は、円柱状の部材であったが、ベルトタイプの部材であってもよい。
【0088】
また、上記実施形態では、加圧ロール56は、円柱状の部材であったが、ベルトタイプの部材であってもよい。
【0089】
また、上記実施形態では、第一測定部材92は、装置奥行方向において、加熱ロール54の中央側の部分に配置されたが、装置奥行方向の端部側の部分に配置されてもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、第二測定部材112は、装置奥行方向において、加圧ロール56の中央側の部分に配置されたが、装置奥行方向の端部側の部分に配置されてもよい。
【0091】
また、上記実施形態では、定着装置50が、搬送されるシート部材Pを案内する案内部70を備えたが、案内部が他の装置に備えていてもよい。
【0092】
また、上記実施形態では、加圧ロール56の温度を測定する第二測定部材112が設けられたが、加圧ロール56の温度を測定する必要がない場合には、第二測定部材112を設けなくてもよい。