(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6772657
(24)【登録日】2020年10月5日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】蓄電モジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6557 20140101AFI20201012BHJP
F28D 15/02 20060101ALI20201012BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20201012BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20201012BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20201012BHJP
H01M 10/655 20140101ALI20201012BHJP
H01M 10/6551 20140101ALI20201012BHJP
H01M 10/6555 20140101ALI20201012BHJP
H01M 2/10 20060101ALI20201012BHJP
H01G 11/18 20130101ALI20201012BHJP
H01G 2/08 20060101ALI20201012BHJP
【FI】
H01M10/6557
F28D15/02 Z
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/647
H01M10/655
H01M10/6551
H01M10/6555
H01M2/10 S
H01M2/10 Y
H01M2/10 E
H01G11/18
H01G2/08
H01G2/08 A
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-159722(P2016-159722)
(22)【出願日】2016年8月16日
(65)【公開番号】特開2018-29002(P2018-29002A)
(43)【公開日】2018年2月22日
【審査請求日】2018年11月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保木 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】平井 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】東小薗 誠
(72)【発明者】
【氏名】細江 晃久
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 義幸
(72)【発明者】
【氏名】永渕 昭弘
(72)【発明者】
【氏名】竹山 知陽
(72)【発明者】
【氏名】小林 英一
【審査官】
坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−165584(JP,A)
【文献】
特開2001−255085(JP,A)
【文献】
特開2016−017702(JP,A)
【文献】
特開2014−179194(JP,A)
【文献】
特開2007−257843(JP,A)
【文献】
特開平08−111244(JP,A)
【文献】
特開2014−157763(JP,A)
【文献】
特開2013−243079(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/6557
F28D 15/02
H01G 2/08
H01G 11/18
H01M 2/10
H01M 10/613
H01M 10/625
H01M 10/647
H01M 10/655
H01M 10/6551
H01M 10/6555
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電素子と、
前記蓄電素子が重ねられる冷却部材と、
前記蓄電素子に対して前記冷却部材を挟んで重ねられる伝熱板とを備え、
前記冷却部材は、
冷媒と、
第1シート部と第2シート部とが対向配置され、前記冷媒が密閉状態で封入された封入体と、
前記封入体内に配されて前記冷媒を吸収する吸収部材と、
前記封入体の内側に配され、前記第1シート部と前記第2シート部との間の間隔を保持するスペーサと、を備え、
前記封入体は、前記蓄電素子に重ならない領域に延出され、前記冷媒の蒸発により膨出変形可能な膨出部を有する、蓄電モジュール。
【請求項2】
前記スペーサは、前記封入体内における前記第1シート部と前記第2シート部との境界部側に配されている請求項1に記載の蓄電モジュール。
【請求項3】
前記スペーサは、前記封入体の一方の側縁部側から前記一方とは反対側の側縁部側に向けて延びている請求項1又は請求項2に記載の蓄電モジュール。
【請求項4】
前記スペーサの高さ寸法は、前記吸収部材の厚み寸法よりも大きい請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の蓄電モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、冷却部材により冷却する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
従来、蓄電素子を冷却する技術が知られている。特許文献1は、電池モジュールがパックケースに収容されており、複数の単電池の正極端子と負極端子とがバスバーで電気的に接続されている。パックケースの下部に充填された冷媒が蒸発し、パックケースの上部で凝縮することにより、電池が冷却される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−211963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1では、パックケース内で冷媒の蒸発、凝縮を行う必要があるため、パックケースの全体を密閉する必要になるため、冷却するための構成が複雑になるという問題がある。
【0005】
本明細書に開示された技術は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、冷却するための構成を簡素化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に記載された冷却部材は、冷媒と、第1シート部と第2シート部とが対向配置され、前記冷媒が密閉状態で封入された封入体と、前記封入体内に配されて前記冷媒を吸収する吸収部材と、前記封入体の内側に配され、前記第1シート部と前記第2シート部との間の間隔を保持するスペーサと、を備える。
【0007】
上記の構成によれば、発熱体の熱を、冷媒が封入体に密閉された冷却部材を介して放熱することが可能になるため、例えば発熱体としての蓄電素子が収容されたケース内に冷媒を充填する構成と比較して、必ずしもケースを密閉する必要がないため、冷却するための簡素化することが可能になる。
ここで、冷却部材の封入体内に冷媒を吸収する吸収部材が配されている構成では、封入体が他の部材から圧力等を受けると吸収部材が潰れ、冷媒の移動を促進するための冷媒の通路が吸収部材に形成されなくなり、冷却性能が低下することが懸念される。
本構成によれば、封入体の内側に、第1シート部と前記第2シート部との間の間隔を保持するスペーサが配されるため、他の部材から封入体が圧力等を受けてもスペーサにより第1シート部と前記第2シート部との間の間隔が保持され、内部の吸収部材が潰れにくくなる。よって、冷媒を吸収する吸収部材が潰れることによる冷却性能の低下を抑制することができる。
【0008】
本明細書に記載された技術の実施態様としては以下の態様が好ましい。
前記スペーサは、前記封入体内における前記第1シート部と前記第2シート部との境界部側に配されている。
このようにすれば、比較的吸収部材の潰れが生じやすい第1シート部と第2シート部との境界部側において、吸収部材の潰れを抑制することができる。
【0009】
前記スペーサは、前記封入体の一方の側縁部側から前記一方とは反対側の側縁部側に向けて延びている。
このようにすれば、スペーサの延びる方向に沿って冷媒を移動させることができる。
【0010】
前記スペーサの高さ寸法は、前記吸収部材の厚み寸法よりも大きい。
このようにすれば、封入体と吸収部材との間に隙間が生じるため、より一層、吸収部材の潰れを抑制することができる。
【0011】
前記冷却部材と、前記冷却部材に重ねられる蓄電素子と、を備える蓄電モジュールとする。
【0012】
前記蓄電素子に対して前記冷却部材を挟んで重ねられる伝熱板を備える。
このようにすれば、蓄電素子の熱を伝熱板を介して外部に放熱することができる。
【発明の効果】
【0013】
本明細書に記載された技術によれば、冷却するための構成を簡素化することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態1>
実施形態1について
図1から
図8を参照しつつ説明する。本実施形態の蓄電モジュール10は、例えば電気自動車やハイブリッド自動車等の車両に搭載されてモータ等の負荷に電力を供給する。蓄電モジュール10は任意の向きで配置可能であるが、以下では、X方向を左方、Y方向を前方、Z方向を上方として説明する。
【0016】
(蓄電モジュール10)
蓄電モジュール10は、
図3に示すように、複数(本実施形態では6個)の蓄電素子11と、各蓄電素子11に重ねられて蓄電素子11を冷却する複数の冷却部材20(本実施形態では6個)と、各冷却部材20と各蓄電素子11との間に重ねられて冷却部材20及び蓄電素子11の熱が伝わる複数(本実施形態では6個)の伝熱板36と、を備える。
【0017】
(蓄電素子11)
蓄電素子11は、一対の電池用ラミネートシートの間に図示しない蓄電要素を挟んで、電池用ラミネートシートの側縁を、熱溶着等の公知の手法により液密に接合してなる。蓄電素子11の前端縁からは、
図2に示すように、金属箔状をなす正極の電極端子12Aと、負極の電極端子12Bとが、電池用ラミネートシートの内面と液密状態で、電池用ラミネートシートの内側から外側へと突出している。各蓄電素子11の電極端子12Aと電極端子12Bとは、間隔を開けて配され、内部の蓄電要素と電気的に接続されている。
【0018】
複数の蓄電素子11は、上下方向に並べて配されており、隣り合う蓄電素子11は、一の電極端子12Aの隣に他の電極端子12Bが位置するように配されている。隣り合う電極端子12Aと電極端子12Bとは、U字状の複数(本実施形態では5個)の接続部材13を介して電気的に接続される。各電極端子12A,12Bと接続部材13とは例えばレーザー溶接、超音波用溶接、ロウ付け等の公知の手法により接続されている。隣り合う電極端子12A,12B間が各接続部材13で接続されることにより、複数の蓄電素子11が直列に接続されている。
【0019】
本実施形態においては、蓄電素子11として、例えば、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素二次電池等の二次電池を用いてもよく、また、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ等のキャパシタを用いてもよく、必要に応じて任意の種類を適宜に選択できる。
【0020】
(冷却部材20)
冷却部材20は、
図7,
図8に示すように、液体と気体とに状態が変化する冷媒21と、冷媒21を吸収する複数(本実施形態では3つ)の吸収部材22A〜22Cと、冷媒21及び吸収部材22A〜22Cを密閉状態で封入する封入体25と、封入体25内の間隔を保持する複数(本実施形態では4つ)のスペーサ30A〜30Dと、を備える。冷媒21は、例えば、パーフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテル、ハイドロフルオロケトン、フッ素不活性液体、水、メタノール、エタノール等のアルコールからなる群から選ばれる1つ、又は複数を用いることができる。冷媒21は、絶縁性を有していてもよく、また、導電性を有していてもよい。封入体25内に封入される冷媒21の量は、必要に応じて適宜に選択できる。
【0021】
(吸収部材22A〜22C)
吸収部材22A〜22Cは共に略長方形のシート状をなし、冷媒21を吸収可能な材料により形成されている。この吸収部材22A〜22Cは、冷媒21を吸収可能な材料を繊維状に加工したものを織物としたものであってもよく、また、不織布としたものであってもよい。不織布の形態としては、繊維シート、ウェブ(繊維だけで構成された薄い膜状のシート)、又はバット(毛布状の繊維)であってもよい。吸収部材22A〜22Cを構成する材料としては、天然繊維でもよく、また、合成樹脂からなる合成繊維であってもよく、また、天然繊維と合成繊維の双方を用いたものであってもよい。
【0022】
吸収部材22A〜22Cは、蓄電素子11が重なる領域に対して広い領域に配されているため、封入体25内における吸収部材22A〜22Cは、蓄電素子11が重なる領域から蓄電素子11が重ならない領域に延設された吸収延設部23(
図3参照)を備えている。
【0023】
(封入体25)
封入体25は、
図7に示すように、例えば略長方形状をなす第1シート部26Aと第2シート部26Bを重ね合わせ、接着、溶着、溶接等の公知の手法により液密に接合(結合)して形成することができる。第1シート部26A及び第2シート部26Bは、金属製シートの両面に合成樹脂製のフィルムが積層されてなる。金属製シートを構成する金属としては、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等、必要に応じて任意の金属を適宜に選択できる。合成樹脂製のフィルムを構成する合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド等、必要に応じて任意の合成樹脂を適宜に選択できる。本実施形態に係る封入体25は、第1シート部26A及び第2シート部26Bにおける合成樹脂製のフィルムが積層された面同士を重ね合わせて熱融着されてなる。
【0024】
封入体25は、吸収部材22A〜22Cの上側を覆う第1シート部26Aと、吸収部材22A〜22Cの下側を覆う第2シート部26Bとを有し、第1シート部26Aと第2シート部26Bとが連なる周縁部は、境界部25Aとされている。第1シート部26Aの上面は、蓄電素子11の下面に接触し、第2シート部26Bの下面は、伝熱板36の上面に接触する。ここで、第1シート部26Aのうち、蓄電素子11に重ならない領域に延出され、吸収部材22A〜22Cの吸収延設部23を覆う部分は、
図3に示すように、封入体25内の冷媒21の蒸発により膨出変形可能な膨出部28とされている。
【0025】
膨出部28は、封入体25内の冷媒21の蒸発により封入体25の内圧が上昇して封入体25が膨らむように変形することにより形成される。なお、封入体25のうち、膨出部28以外の部分については、封入体25内の冷媒21の蒸発により内圧が上昇するが、蓄電素子11や伝熱板36に接触して膨張が規制されているため、膨出変形しない。
【0026】
(スペーサ30A〜30D)
スペーサ30A〜30Dは、
図7,
図8に示すように、共に、左右方向に長尺の部材であって、前後方向に間隔を空けて配置されており、左右方向の全幅に亘って一定の高さで形成されている。両側のスペーサ30A,30Dは、第1シート部26Aと第2シート部26Bとの間の境界部25A側(封入体25の内面の縁部側)に配されている。スペーサ30A〜30Dは、例えば、合成樹脂、金属等からなり、少なくとも封入体25に対して生じる外力(例えば、蓄電素子11の膨張等)により容易に塑性変形しない程度の強度を有する部材が用いられる。合成樹脂は、硬質の樹脂とすることができるが、これに限られず、例えばゴム等の弾性変形可能な部材としてもよい。
【0027】
(伝熱板36)
伝熱板36は、長方形状であって、
図3に示すように、蓄電素子11に対して冷却部材20を挟んで重ねられており、アルミニウムまたはアルミニウム合金、銅、銅合金等の熱伝導性が高い部材が用いられている。この伝熱板36は、蓄電素子11の領域に重ねられて蓄電素子11及び第2シート部26Bに接触する平板状をなし、蓄電素子11の熱を受けるとともに、右端側には、直交する方向に屈曲された隔壁37を有する。隔壁37の外面は、放熱部材40の左側面に面接触する。これにより、蓄電素子11の熱は、冷却部材20の膨出部28を介して上下に隣り合う伝熱板36に伝わり、放熱部材40から外部に放熱される。
【0028】
(放熱部材40)
蓄電モジュール10の側方には、伝熱板36に伝達された熱を外部に放熱する放熱部材40が配されている。放熱部材40の左側面(蓄電モジュール10側の面)は、伝熱板36の隔壁37の外面に密着する。放熱部材40は、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属からなり、図示しない冷却材の導入口と導出口が開口している。冷却材として冷却液が下側の導入口から導入され、上方の導出口から導出され、図示しない放熱経路を通って冷却液が循環することで、冷却液に伝わった熱が外部に放熱される。なお、放熱部材40は、内部に冷却液が通るパイプ(図示しない)が複数回折り返しつつ内部の全体に亘って延びるようにしてもよい。本実施形態では、冷却液として水が用いられているが、これに限られず、油等の液体を用いてもよい。また、冷却液として不凍液を用いてもよい。また、液体に限られず、気体を冷却材として用いてもよい。
【0029】
本実施形態によれば、以下の作用、効果を奏する。
冷却部材20は、冷媒21と、第1シート部26Aと第2シート部26Bとが対向配置され、冷媒21が密閉状態で封入された封入体25と、封入体25内に配されて冷媒21を吸収する吸収部材22A〜22Cと、封入体25の内側に配され、第1シート部26Aと第2シート部26Bとの間の間隔を保持するスペーサ30A〜30Dと、を備える。
【0030】
本実施形態によれば、発熱体としての蓄電素子11の熱を、冷媒21が封入体25に密閉された冷却部材20を介して放熱することが可能になるため、例えば蓄電素子11が収容されたケース内に冷媒21を充填する構成と比較して、必ずしもケースを密閉する必要がないため、蓄電モジュールを冷却するための構成を簡素化することが可能になる。ここで、蓄電素子11の冷却のための冷却部材20の封入体25内に冷媒21を吸収する吸収部材22A〜22Cが配されている構成では、封入体25が他の部材から圧力等を受けると吸収部材22A〜22Cが潰れ、冷媒21の移動を促進するための冷媒21の通路が吸収部材22A〜22Cに形成されなくなり、冷却性能が低下することが懸念される。
【0031】
本実施形態によれば、封入体25の内側に、第1シート部26Aと第2シート部26Bとの間の間隔を保持するスペーサ30A〜30Dが配されるため、他の部材から封入体25が圧力等を受けてもスペーサ30A〜30Dにより第1シート部26Aと第2シート部26Bとの間の間隔が保持され、内部の吸収部材22A〜22Cが潰れにくくなる。よって、冷媒21を吸収する吸収部材22A〜22Cが潰れることによる冷却性能の低下を抑制することができる。
【0032】
また、スペーサ30A〜30Dは、第1シート部26Aと第2シート部26Bとの境界部25A側に配されている。
このようにすれば、比較的吸収部材22A〜22Cの潰れが生じやすい第1シート部26Aと第2シート部26Bとの境界部25A側において、吸収部材22A〜22Cの潰れを抑制することができる。
【0033】
また、スペーサ30A〜30Dは、封入体25の左側縁部(一方の側縁部)側から右側縁部(一方とは反対側の側縁部)側に向けて延びている。
このようにすれば、スペーサ30A〜30Dの延びる方向に沿って冷媒21を移動させることができる。
【0034】
また、スペーサ30A〜30Dの高さ寸法は、吸収部材22A〜22Cの厚み寸法よりも大きい。
このようにすれば、封入体25の第1シート部26Aと吸収部材22A〜22Cとの間に隙間が生じるため、より確実に、吸収部材22A〜22Cの潰れを抑制することができる。
【0035】
また、蓄電素子11に対して冷却部材20を挟んで重ねられる伝熱板36を備える。
このようにすれば、蓄電素子11の熱を伝熱板36を介して外部に放熱することができる。また、蓄電素子11の熱をばらつきを伝熱板36によって均熱化することができる。更に、伝熱板36をケース等に固定することにより、伝熱板36を介した冷却部材20への圧力を低減できるため、より一層、吸収部材22A〜22Cの潰れを抑制することができる。
【0036】
<実施形態2>
実施形態2について、
図9を参照しつつ説明する。実施形態2では、封入体25内のスペーサ50A〜50Fを格子状に配置したものである。他は実施形態1と同一であり、実施形態1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
スペーサ50A〜50Fは、長尺の部材であって、スペーサ50Aは、封入体25の前後方向の中間部を左右方向に横切り、スペーサ50Bは、左右方向の中間部を前後方向に横切っている。スペーサ50C〜50Fは、第1シート部26Aと第2シート部26Bとの間の境界部25A側(封入体25の内面の周縁部の全周)に配されている。スペーサ50A〜50Fで仕切られた領域には、長方形状の吸収部材51A〜51Dが配されている。
【0037】
<他の実施形態>
本明細書に記載された技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書に記載された技術の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、吸収部材22A〜22C,51A〜51Dは、スペーサ30A〜30D,50A〜50Fの位置で分断される構成としたが、これに限られない。例えば、吸収部材22A〜22C,51A〜51Dを一体に形成し、吸収部材22A〜22C,51A〜51Dをスペーサ30A〜30D,50A〜50Fの位置で弾性変形させることにより、スペーサ30A〜30D,50A〜50Fを配置してもよい。
(2)複数のスペーサ50A〜50Fは、別体としたが、スペーサ50A〜50Fを一体に形成(例えばフレーム)してもよい。
【0038】
(3)スペーサ30A〜30D,50A〜50Fは、封入体25の一方の側縁部から他方の側縁部に延びる形状としたが、これに限られない。例えば、一方向に延びるスペーサが複数に分断されている構成としてもよい。また、例えば、円柱状や角柱状等の複数のスペーサを離散的に配置してもよい。
【0039】
(4)冷却部材20は、発熱体としての蓄電素子11を冷却するものとしたが、蓄電素子11以外の発熱体を冷却する冷却部材としてもよい。
(5)蓄電素子11、冷却部材20、伝熱板36の数は、上記実施形態の数に限られず、適宜変更することができる。
(6)封入体25は、互いに別体の第1シート部26Aと第2シート部26Bとを結合させる構成としたが、これに限られない。例えば1つのシート部材を折り返して第1シート部と第2シート部とを形成してもよい。
【0040】
(7)蓄電モジュール10は、放熱部材40を備えない構成としてもよい。例えば蓄電モジュール10が図示しない金属製や合成樹脂製のケースで覆われるようにし、放熱部材40によらずケースを介して蓄電モジュール10の熱を外部に放熱するようにしてもよい。また、例えば、放熱部材40をケースの一部としたり、放熱部材40を含めた蓄電モジュール10の全体を覆うケースを設けるようにしてもよい。この場合、例えばケースにより、蓄電モジュール10の上下から挟んで蓄電モジュール10を保持する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0041】
10: 蓄電モジュール
11: 蓄電素子
20: 冷却部材
21: 冷媒
22A〜22C,51A〜51D: 吸収部材
25: 封入体
26A: 第1シート部
26B: 第2シート部
28: 膨出部
30A〜30D,50A〜50F: スペーサ
36: 伝熱板
40: 放熱部材