(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
絶縁体を挟んで、x、yの格子状に配置した電極に、接続された送信、受信切り替え回路と、入力ペンとx電極を選択する選択回路を有し、指入力では、前記xとyの電極間の静電容量変化に連動した電流を計測し、また、入力ペンではx及びy電極とペン先導体部の静電容量結合された電流を計測するために、送信に接続された電極へは同期発信回路からsin信号が印可され、一方、指入力のときに受信に接続された電極または入力ペンによって計測された電流を電流−電圧変換回路により電圧信号に変換されて、前記sin信号と同期した掛け算回路とローパスフィルターによりDC信号に変換され、前記DC信号をAD変換回路により数値化して、演算処理部により、指または入力ペンのタッチ位置を特定する静電容量式入力装置において、前記指入力の場合は、前記選択回路で指入力を選択し、前記送信、受信切り替え回路にてx側の電極を受信に接続し、y側の電極を送信に接続して、x電極からx受信切り替え回路を介して流れる信号電流が指タッチする前の信号電流より小さくなった場合に指タッチ位置を検出し、また、入力ペンの場合は前記選択回路で入力ペンを選択し、前記送信、受信切り替え回路にてx、y電極ともに送信に接続し、入力ペンを受信回路に接続して、x電極と入力ペンにある検出間で信号電流が入力ペンが当接する前の受信信号より大きくy電極を介して検出された場合に指示位置を検出することを特徴とする静電容量式入力装置。
絶縁体を挟んで、x、yの格子状に配置した電極に、接続された送信、受信切り替え回路と、入力ペンとx電極を選択する選択回路を有し、指入力では、前記xとyの電極間の静電容量変化に連動した電流を計測し、また、入力ペンではx及びy電極とペン先導体部の静電容量結合された電流を計測するために、送信に接続された電極へは同期発信回路からsin信号が印可され、一方、指入力のときに受信に接続された電極または入力ペンによって計測された電流を電流−電圧変換回路により電圧信号に変換されて、前記sin信号と同期した掛け算回路とローパスフィルターによりDC信号に変換され、前記DC信号をAD変換回路により数値化して、演算処理部により、指または入力ペンのタッチ位置を特定する静電容量式入力装置において、前記指入力の場合は前記選択回路で指入力を選択し、前記送信、受信切り替え回路にてx側の電極を送信に接続し、y側の電極を受信に接続して、x電極からx受信切り替え回路を介して流れる電流が指タッチする前の受信信号より小さくなった場合に指タッチ位置を検出し、また、入力ペンの場合は前記、選択回路で入力ペンを選択し、前記、送信、受信切り替え回路にてx、y電極ともに受信に接続し、入力ペンを送信回路に接続してx電極と入力ペンにある検出間で信号電流が入力ペンが当接する前の受信信号より大きくy電極を介して検出された場合に指示位置を検出することを特徴とする静電容量式入力装置。
同期発信回路により同期がとられたsin信号とcos信号が生成され、前記sin信号は送信側に接続され、受信側には電流−電圧変換回路が接続され、検出された信号と、前記sin信号及びcos信号を掛け算する掛け算回路を設け、該掛け算回路の出力信号をローパスフィルタ回路によってDC信号に変換した、指タッチ信号及び入力ペン検出信号を計測する請求項1、或いは、請求項2に記載の静電容量式入力装置。
同期発信回路により同期がとられたsin信号が生成され、前記sin信号は送信側に接続され、受信側には電流−電圧変換回路が接続され、検出された信号と、前記sin信号を位相調整回路により特定の位相に調整された固定位相信号を掛け算する掛け算回路を設け、該掛け算回路の出力信号をローパスフィルタ回路によってDC信号に変換した、指タッチ信号及び入力ペン検出信号を計測する請求項1、或いは、請求項2に記載の静電容量式入力装置。
【背景技術】
【0002】
静電容量結合方式を利用した入力装置として、従来から、タッチスイッチが知られている。静電容量結合方式タッチスイッチは、パネルスイッチと制御基板から構成される。パネルスイッチは、通常フィルム(一般としてはポリエチレンステレフタートフィルム:PETフィルムが使用されている。)の表面にスイッチ電極として銀ペースト、またはITO(酸化インジウムスズ)等を印刷した電極フィルムを、アクリルやガラス及び樹脂等の絶縁基材に接着剤(両面テープ等)で貼り合わせたもので構成される。スイッチ電極に指または手が近づくと、スイッチ電極と指または手との間に平行板コンデンサが形成され静電容量が発生する。この静電容量の変化をコンデンサCと抵抗Rとで形成するC/F変換回路(静電容量Cを周波数Fに変換する回路)で周波数に変換し、その周波数をインプットキャプチャ機能(周波数の数を数える機能)でデジタルデータに置き換え、演算処理によりタッチスイッチのオン/オフ状態を判断する。スイッチ電極が複数個の場合、スイッチ電極の選択は、個々のスイッチ電極分設けた切換回路により行う(特開2005−084982号公報 参照)。
【0003】
しかし、前記静電容量の変化をC/F変換回路で周波数に変換する方式は、周波数を用いて動作させていることで、生活環境下で発生するノイズである周波数の混入による影響は、避けられないのが現状である。
【0004】
また、前述した静電容量の変化をC/F変換回路を用いて周波数に変換する方式で、複数個のスイッチ、たとえばy(横)M行、x(縦)N列からなる個数(M×N)個のスイッチ電極を配置する場合には各スイッチ電極から制御基板に接続するための配線パターンの数は、前記した個数分(M×N)となり、前記パネルスイッチのスイッチ電極以外の配線スペースが必要となり、小型化が困難であった。
【0005】
前述した静電容量の変化をC/F変換回路を用いて周波数に変換する方式での課題を解決するために、絶縁体の裏面に導電材料からなる互いに平行で等間隔に配置した複数のスイッチ電極と、前記絶縁体の表面に、前記裏面に設けた複数のスイッチ電極と直角に交わる様に互いに平行で等間隔に複数のスイッチ電極を設け、前記絶縁体の裏面に設けた複数のスイッチ電極と前記絶縁体の表面に設けた複数のスイッチ電極との静電容量変化を計測するために、前記絶縁体の裏面に設けた複数のスイッチ電極にsin信号を印加し、前記絶縁体の表面に設けた複数のスイッチ電極に接続された電流・電圧変換回路により、前記電流・電圧変換された電圧と、前記sin信号及びcos信号を掛け算する掛け算回路を設け、該掛け算回路とローパスフィルターにより、前記sin信号及びcos信号をDC信号に変換し、電圧を計測することでスイッチのオン/オフ状態を判断する静電容量結合方式の入力方式も提案されている。(特開2014−164535号公報 参照)。
【0006】
パネルに、y(横)M行、x(縦)N列からなる個数(M×N)個のスイッチ電極を配置する場合に、制御基板に接続する配線パターンの数は、横M行本と縦N列本を加算した数(M+N)のみで済むため、横M行個、縦N列個のスイッチ電極数を持つタッチスイッチでは、小型化が要求される機器にもノイズに強い静電容量結合方式の入力装置として対応できる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の第1の形態を
図1で説明する。絶縁体を挟んで(図示せす)、x電極1とy電極2が格子状に配置されており、この構成をスイッチパネル50とする。前記y電極2に接続された送信切り替え回路8と、前記x電極1に接続されたx受信切り替え回路9およびx送信切り替え回路10があり、入力ペン3とx受信切り替え回路9を選択する選択回路6がある。 X電極1または入力ペン3から計測される信号電流は該選択回路6で選択され、電流−電圧電圧変換回路7で信号電圧に変換される。尚この信号電圧をAsin(ωt+α)とし、ωは角周波数、tは時間、αは位相差、Aは計測される振幅(=実効値)とする。
【0014】
信号電圧Asin(ωt+α)は掛け算回路11及び掛け算回路14に接続される。掛け算回路11では信号電圧Asin(ωt+α)と同期発信回路16から出力されるsin(ωt)信号で掛け算される。掛け算回路14では信号電圧Asin(ωt+α)と同期発信回路16から出力されるcos(ωt)信号で掛け算される。前記sin(ωt)信号は前記掛け算回路11の他にy送信切り替え回路8およびx送信切り替え回路10にも接続されている。また該同期発信回路16から出力される前記cos(ωt)信号は前記sin(ωt)信号の90度の位相差で出力される。
【0015】
掛け算回路11からの信号電圧はローパスフィルタ12によりDC信号化され、ノイズに埋もれた信号の中から特定の周波数の信号A/2cos(α)の信号が検出される。
【0016】
同様に掛け算回路14からの信号電圧はローパスフィルタ15によりDC信号化され、ノイズに埋もれた信号の中から特定の周波数の信号A/2sin(α)の信号が検出される。このDC信号化されたA/2cos(α)とA/2sin(α)を制御部13に内蔵されたAD変換器により数値化して実効値ベクトルの長さA/2を求めることができ、計測された信号の大きさとなる。
【0017】
尚制御部13には前述したDC信号を数値化するAD変換器が含まれており、他にy送信切り替え回路8、x受信切り替え回路9、x送信切り替え回路10、選択回路7の各切り替え選択する切り替え制御部、計測された信号で計算処理して、指タッチのオン/オフや入力ペンの位置を特定する演算処理部および記憶部、結果を外部へ通知するインタフェース部などが含まれる。また他の実施の形態においても、AD変換器、切り替えおよび選択制御、演算処理、記憶、外部出力などが同様に含まれる。
【0018】
指入力の場合の動作を
図1および
図5で説明する。同期発信回路16から出力されるsin(ωt)信号をy送信切り替え回路8によりy電極2に順次接続して印可する。x送信切り替え回路10はx電極1に接続せず、x受信切り替え回路9はx電極1に順次接続する。このとき選択回路6はx電極1側を選択する。
【0019】
図5は指入力の信号説明図である。送信信号45が送信切り替え回路41を介してy電極2に印可され、指4がスイッチパネル50にタッチするとx電極1とy電極2間の静電容量結合による電流の一部が人体インピーダンス5を介してグランドへ流れる、つまりx電極1からx受信電極切り替え回路40を介して流れる電流(=信号電流)が受信信号46の実線部のように指がタッチする前の受信信号46の点線部よりも小さくなる。
【0020】
制御部13では指タッチ前のx電極1とy電極2間の静電容量結合された信号電流と指4がタッチした信号電流の差が最大となる場所がx電極1とy電極が交差した位置をタッチ位置として特定する。
【0021】
図7は本実施例の指タッチ信号の位相差と実効値の説明図である。信号電圧Asin(ωt+α)は掛け算回路11と同期発信回路16から出力されるsin(ωt)信号で掛け算され、ローパスフィルタ12によりDC信号化された特定の周波数の信号A/2cos(α)の信号と、掛け算回路14と同期発信回路16から出力されるcos(ωt)信号で掛け算され、ローパスフィルタ15によりDC信号化された特定の周波数の信号A/2sin(α)の信号をグラフ化したものが
図7である。
前記2つの信号ベクトルより信号の実効値を計算する。指がスイッチパに当接ずる前の実効値は点線であり、指がタッチすると、各信号電圧A/2cos(α)、A/2sin(α)が小さくなり実効値が実線のように小さくなる
次にペン入力の場合の動作を
図1および
図6で説明する。同期発信回路16から出力されるsin(ωt)信号をy送信切り替え回路8によりy電極に順次接続して印可する。x受信切り替え回路9はx電極1に接続せず、x送信切り替え回路10はx電極1に順次接続して印可する。選択回路6は入力ペン3側を選択する。
図6は入力ペンの信号説明図である。送信信号45がx電極1に印可され、入力ペン3がスイッチパネル50に当接するとx電極1と入力ペン3にある検出電極44間で静電容量結合による電流(=信号電流)が受信信号47の実線部のように入力ペン3が当接する前の受信信号47の点線部よりも大きく入力ペン3を介して検出される。制御部13では信号電流が最大になるx電極1を特定する。
【0022】
同様に送信信号45がy電極2に印可され、入力ペン3がスイッチパネル50に当接するとy電極2と入力ペン3にある検出電極44間で静電容量結合による電流(=信号電流)が受信信号47の実線部のように入力ペン3が当接する前の受信信号47の点線部よりも大きく入力ペン3を介して検出される。制御部13では信号電流が最大になるy電極1を特定する。
【0023】
前記特定されたx電極1とy電極2により入力ペンが当接した位置とする。さらに細かく位置を特定する方法としてx電極1とy電極3の各電極ラインの最大電極S2とその隣同士の信号電流S1、S3を計測して(S2−S1)/(S2−S3)を計算した比率より電極間の位置を割り出す事も出来る。但しS2>S1>S3とする。
【0024】
本発明の実施の第2の形態を
図2で説明する。絶縁体を挟んで(図示せす)、x電極1とy電極2が格子状に配置されており、この構成をスイッチパネル50とする。前記y電極2に接続された送信切り替え回路8と、前記x電極1に接続されたx受信切り替え回路9及びx送信切り替え回路10があり、入力ペン3とx受信切り替え回路9を選択する選択回路6がある。 X電極1または入力ペン3から計測される信号電流は該選択回路6で選択され、電流−電圧電圧変換回路7で信号電圧に変換される。尚この信号電圧をAsin(ωt+α)とし、ωは角周波数、tは時間、αは位相差、Aは計測される振幅とする。
【0025】
位相調整回路17では同期発信回路18から出力されるsin(ωt)信号を信号電圧Asin(ωt+α)と同位相(位相差ゼロ)に調整したsin(ωt+α)に変換する。前記位相調整回路17では指入力とペン入力時の各位相差の調整値をあらかじめを設定・記憶しておき、指/ペン切り替え時に反映させる。
【0026】
掛け算回路11は信号電圧Asin(ωt+α)と同位相に調整したsin(ωt+α)を掛け合わせる。前記同期発信回路18はさらにy送信切り替え回路8及びx送信切り替え回路10に接続されている。
【0027】
掛け算回路11からの信号電圧はローパスフィルタ12によりDC信号化されノイズに埋もれた信号の中から特定の周波数の信号A/2のDC信号が検出される。前記A/2のDC信号は制御部13に内蔵されたAD変換器により数値化して計測された信号の大きさとなる。尚、前記掛け算器の計算式は下記のように表せる。
【0028】
Asin(βt)×sin(βt)=(A/2)(cos(2βt+cos(0))
但しβは同期発信回路17により信号電圧との位相差をゼロにした角周波数とする。
上記2次の高調波であるcos(2βt)と直流信号(A/2)cos(0)の合成された信号をローパスフィルター12により、2次の高調波を除去することで直流信号(A/2)cos(0)=A/2の信号が測定される。
【0029】
本発明の実施の第2の形態では掛け算回路11に信号電圧と同位相の信号で掛け算するために検出信号を直接計測することができ、前記第1の形態のような実効値を求める演算処理が不要となる。
【0030】
指入力の場合の動作および入力ペンの動作は本発明の実施の第1の形態と同様である。
【0031】
本発明の実施の第3の形態を
図3で説明する。絶縁体を挟んで(図示せす)、x電極1とy電極2が格子状に配置されており、この構成をスイッチパネル50とする。前記y電極2に接続された受信切り替え回路22と、前記x電極1に接続されたx受信切り替え回路24及びx送信切り替え回路23があり、入力ペン3とx送信切り替え回路23を選択する選択回路20がある。x電極1およびy電極2から計測される信号電流は、電流−電圧電圧変換回路21で信号電圧に変換される。尚この信号電圧をAsin(ωt+α)とし、ωは角周波数、tは時間、αは位相差、Aは計測される振幅とする。
【0032】
同期発信回路29はsin(ωt)信号およびcos(ωt)信号が出力される。前記sin(ωt)信号は選択回路20と掛け算回路25に接続されており、前記cos(ωt)信号は掛け算回路27に接続されている。
【0033】
信号電圧Asin(ωt+α)は掛け算回路25及び掛け算回路27に接続される。掛け算回路25では信号電圧Asin(ωt+α)と同期発信回路29から出力されるsin(ωt)信号で掛け算される。掛け算回路27では信号電圧Asin(ωt+α)と同期発信回路16から出力されるcos(ωt)信号で掛け算される。前記sin(ωt)信号は前記掛け算回路25の他に選択回路20にも接続されている。また該同期発信回路29から出力される前記cos(ωt)信号は前記sin(ωt)信号の90度の位相差で出力される。
【0034】
掛け算回路25からの信号電圧はローパスフィルタ26によりDC信号化され、ノイズに埋もれた信号の中から特定の周波数の信号A/2cos(α)の信号が検出される。
同様に掛け算回路27からの信号電圧はローパスフィルタ28によりDC信号化され、ノイズに埋もれた信号の中から特定の周波数の信号A/2sin(α)の信号が検出される。このDC信号化されたA/2cos(α)とA/2sin(α)を制御部13に内蔵されたAD変換器により数値化して実効値ベクトルの長さA/2を求めることができ、計測された信号の大きさとなる。
【0035】
指入力の場合の動作を説明する。選択回路20によりx送信切り替え回路23を選択し、同期発信回路29から出力されるsin(ωt)信号をx送信切り替え回路23によりx電極1に順次接続して印可する。このときx受信切り替え回路24はx電極1に接続しない。y受信切り替え回路22はy電極2に順次接続する。
【0036】
送信信号sin(wt)がx電極1に印可され、指4がスイッチパネル50にタッチするとx電極1とy電極2間の静電容量結合による電流の一部が人体インピーダンス5を介してグランドへ流れる、つまりy電極2からy受信電極切り替え回路22を介して流れる電流(=信号電流)が指がタッチする前の受信信号よりも小さくなる。
【0037】
制御部13では指タッチ前のx電極1とy電極2間の静電容量結合された信号電流と指4がタッチした信号電流の差が最大となる場所がx電極1とy電極が交差した位置をタッチ位置として特定する。
【0038】
次にペン入力の場合の動作を説明する。選択回路20により入力ペン3を選択し、同期発信回路29から出力されるsin(ωt)信号を入力ペン3に印可する。y受信切り替え回路22によりy電極に順次接続する。x送信切り替え回路23はx電極1に接続せず、x受信切り替え回路24はx電極1に順次接続しする。入力ペン3がスイッチパネル50に当接するとx電極1と入力ペン3間で静電容量結合による電流(=信号電流)が入力ペン3が当接する前の受信信号よりも大きくx電極1を介して検出される。制御部13では信号電流が最大になるx電極1を特定する。
【0039】
同様にy受信切り替え回路22によりy電極2に順次接続され、入力ペン3がスイッチパネル50に当接するとy電極2と入力ペン3間で静電容量結合による電流(=信号電流)が入力ペン3が当接する前の受信信号よりも大きくy電極2を介して検出される。制御部13では信号電流が最大になるy電極2を特定する。前記、特定されたx電極1とy電極2により入力ペンが当接した位置とする。
【0040】
本発明の実施の第4の形態を
図4で説明する。絶縁体を挟んで(図示せす)、x電極1とy電極2が格子状に配置されており、この構成をスイッチパネル50とする、前記y電極2に接続された受信切り替え回路22と、前記x電極1に接続されたx受信切り替え回路24及びx送信切り替え回路23があり、入力ペン3とx送信切り替え回路23を選択する選択回路20がある。 x電極1およびy電極2から計測される信号電流は、電流−電圧電圧変換回路21で信号電圧に変換される。尚この信号電圧をAsin(ωt+α)とし、ωは角周波数、tは時間、αは位相差、Aは計測される振幅とする。
【0041】
同期発信回路30はsin(ωt)が出力され、選択回路20と位相調整回路31に接続されている。位相調整回路31では同期発信回路30から出力されるsin(ωt)信号を信号電圧Asin(ωt+α)と同位相(位相差ゼロ)に調整したsin(ωt+α)に変換する。前記位相調整回路31では指入力とペン入力時の各位相差の調整値をあらかじめを設定・記憶しておき、指/ペン切り替え時に反映させる。
【0042】
掛け算回路25は信号電圧Asin(ωt+α)と同位相に調整したsin(ωt+α)を掛け合わせる。前記同期発信回路30はさらに選択回路20を介して入力ペン3とx送信切り替え回路23に接続されている。
【0043】
掛け算回路25からの信号電圧はローパスフィルタ26によりDC信号化されノイズに埋もれた信号の中から特定の周波数の信号A/2のDC信号が検出される。前記A/2のDC信号は制御部13に内蔵されたAD変換器により数値化して計測された信号の大きさとなる。尚、前記掛け算器の計算式は下記のように表せる。
【0044】
Asin(βt)×sin(βt)=(A/2)(cos(2βt+cos(0))
但しβは同期発信回路17により信号電圧との位相差をゼロにした角周波数とする。
上記2次の高調波であるcos(2βt)と直流信号(A/2)cos(0)の合成された信号をローパスフィルター26により、2次の高調波を除去することで直流信号(A/2)cos(0)=A/2の信号が測定される。
【0045】
本発明の実施の第4の形態では掛け算回路25に信号電圧と同位相の信号で掛け算するために検出信号を直接計測することができ、前記第3の形態のような実効値を求める演算処理が不要となる。
【0046】
指入力の場合の動作および入力ペンの動作は本発明の実施の第3の形態と同様である。
【実施例】
【0047】
以下、実施例により、本発明を説明する。本発明は、以下の実施例に限定されるものでなく、本発明の技術範囲において、種々の変形例を含むものである。
(実施例1)
図1を用いてスイッチパネル50の構成を説明する。PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムの表面にy電極2および、外部回路に接続するための配線パターンを銀ペーストやITO(酸化インジウムスズ)で印刷する。y電極2の幅は3mmとし、互いに等間隔で平行になる様に9mmピッチで配置した。次に前記PETフィルムの裏面に、x電極1および、外部回路に接続するための配線パターンを銀ペーストで印刷する。x電極の幅は3mmとし、互いに等間隔で平行になる様に9mmピッチで前記y電極2と直角になるように格子状に配置した。
【0048】
x、y電極の幅を3mm、電極ピッチを9mmとしたが、静電容量が得られることができる寸法幅であれば3mm以下、または3mm以上でも可能であるが指入力時に信号変化を大きくするためにx、y電極の交点の各電極幅を小さくして、入力ペン使用時に裏面であるx電極1からの信号を大きく検出するために表面に配置したy電極2よりも全体の電極幅を大きくする方が望ましい。また基材をPETフィルムとしたが、他にガラス基材やガラスエポキシ基材など使用しても良く、絶縁体に導電性材料を構成できるものであれば対応可能である。
【0049】
同期発信回路16はsin(ωt)信号およびcos(ωt)信号の周波数は400kHzで出力される。前記sin(ωt)信号はy送信切り替え回路8及びx送信切り替え回路10にも接続されており、入力ペン3使用時には選択回路6で入力ペン3を選択してx電極1、y電極2へ順次印可する。指入力の場合は選択回路6でx受信切り替え回路9を選択してy電極2に順次印可し、x送信切り替え回路10は接続せず、x受信切り替え回路9に順次接続する。
計測する信号電圧Asin(ωt+α)は掛け算回路11及び掛け算回路14に接続される。掛け算回路11では信号電圧Asin(ωt+α)と同期発信回路16から出力されるsin(ωt)信号で掛け算される。掛け算回路14では信号電圧Asin(ωt+α)と同期発信回路16から出力されるcos(ωt)信号で掛け算される。掛け算回路11からの信号電圧はローパスフィルタ12によりDC信号化され、ノイズに埋もれた信号の中から特定の周波数の信号A/2cos(α)の信号が検出される。
【0050】
同様に掛け算回路14からの信号電圧はローパスフィルタ15によりDC信号化され、ノイズに埋もれた信号の中から特定の周波数の信号A/2sin(α)の信号が検出される。このDC信号化されたA/2cos(α)とA/2sin(α)を制御部13に内蔵されたAD変換器により数値化して実効値ベクトルの長さA/2を求めることができ、計測された信号の大きさとなる。
【0051】
本実施例1の構成では入力ペン3内部に信号増幅回路を配置することで、計測された信号を増幅して電流−電圧変換回路7に出力できるためノイズと信号の比が向上し正確な位置検出ができる。また計測する信号に位相差(α)があっても実効値A演算処理で求めることができるため、指入力と入力ペンで計測される信号の位相差(α)が異なっても、また環境温度の変化により位相差(α)が変化しても、指入力あるいは入力ペンの位置を正確に検出することができる。
(実施例2)
図2を用いて説明する。スイッチパネル50の構成は(実施例1)と同様である。
同期発信回路18は周波数400kHzのsin(ωt)が出力され、y送信切り替え回路8及びx送信切り替え回路10および位相調整回路17に接続されており、入力ペン3使用時には選択回路6で入力ペン3を選択してx電極1、y電極2へ順次印可する。指入力の場合は選択回路6でx受信切り替え回路9を選択してy電極2に順次印可し、x送信切り替え回路10は接続せず、x受信切り替え回路9に順次接続する。
【0052】
計測する信号電圧Asin(ωt+α)は掛け算回路11に接続される。位相調整回路17では同期発信回路18から出力されるsin(ωt)信号を信号電圧Asin(ωt+α)と同位相(位相差ゼロ)に調整したsin(ωt+α)に変換する。掛け算回路11は信号電圧Asin(ωt+α)と同位相に調整したsin(ωt+α)を掛け合わせる。
掛け算回路11からの信号電圧はローパスフィルタ12によりDC信号かされノイズに埋もれた信号の中から特定の周波数の信号A/2のDC信号が検出される。前記A/2のDC信号は制御部13に内蔵されたAD変換器により数値化して計測された信号の大きさとなる。
【0053】
本実施例2の構成では入力ペン3内部に信号増幅回路を配置することで、計測された信号を増幅して電流−電圧変換回路7に出力できるためノイズと信号の比が向上し正確な位置検出ができる。また位相調整回路17にて、計測する信号に位相差(α)と同じ位相に調整されたsin(ωt+α)を、掛け算回路11にて掛け合わすので、掛け算回路17の出力結果は計測する信号電圧の実効値Aとなり、実効値ベクトル長さを演算する必要がなく、指入力あるいは入力ペンの位置を高速に検出する事ができる。
(実施例3)
図3を用いて説明する。スイッチパネル50の構成は(実施例1)と同様である。
同期発信回路29は周波数は400kHzのsin(ωt)信号およびcos(ωt)信号が出力される。前記sin(ωt)信号は選択回路20と掛け算回路25に接続されており、前記cos(ωt)信号は掛け算回路27に接続されている。
【0054】
y受信切り替え回路22はy電極2に接続され、x送信切り替え回路23とx受信切り替え回路24はx電極1に接続されており、入力ペン3使用時には選択回路20で入力ペン3を選択してy受信切り替え回路22を順次y電極2に接続し、x送信切り替え回路23を接続せず、x受信切り替え回路24を順次x電極1に接続する。指入力の場合は選択回路20でx送信切り替え回路23を選択してy受信切り替え回路22を順次y電極2に接続し、x受信切り替え回路24を接続せず、x送信切り替え回路23を順次x電極1に接続する。
【0055】
計測する信号電圧Asin(ωt+α)は掛け算回路25及び掛け算回路27に接続される。掛け算回路25では信号電圧Asin(ωt+α)と同期発信回路29から出力されるsin(ωt)信号で掛け算される。掛け算回路27では信号電圧Asin(ωt+α)と同期発信回路29から出力されるcos(ωt)信号で掛け算される。掛け算回路25からの信号電圧はローパスフィルタ26によりDC信号化され、ノイズに埋もれた信号の中から特定の周波数の信号A/2cos(α)の信号が検出される。
同様に掛け算回路27からの信号電圧はローパスフィルタ28によりDC信号化され、ノイズに埋もれた信号の中から特定の周波数の信号A/2sin(α)の信号が検出される。このDC信号化されたA/2cos(α)とA/2sin(α)を制御部13に内蔵されたAD変換器により数値化して実効値ベクトルの長さA/2を求めることができ、計測された信号の大きさとなる。
【0056】
本実施例3の構成では同期発信回路29からのsin(ωt)信号が入力ペン3に接続されて出力するので入力ペン3からのノイズ侵入が実施例1より少なくなり、ノイズ耐性が向上する。また計測する信号に位相差(α)があっても実効値A演算処理で求めることができるため、指入力と入力ペンで計測される信号の位相差(α)が異なっても、また環境温度の変化により位相差(α)が変化しても、指入力あるいは入力ペンの位置を正確に検出することができる。
(実施例4)
図4を用いて説明する。スイッチパネル50の構成は(実施例1)と同様である。
同期発信回路30は周波数400kHzのsin(ωt)が出力され、選択回路20と位相調整回路31に接続されている。y受信切り替え回路22はy電極2に接続され、x送信切り替え回路23とx受信切り替え回路24はx電極1に接続されており、入力ペン3使用時には選択回路20で入力ペン3を選択してy受信切り替え回路22を順次y電極2に接続し、x送信切り替え回路23を接続せず、x受信切り替え回路24を順次x電極1に接続する。計測する信号電圧Asin(ωt+α)は掛け算回路25に接続される。
【0057】
位相調整回路31では同期発信回路30から出力されるsin(ωt)信号を信号電圧Asin(ωt+α)と同位相(位相差ゼロ)に調整したsin(ωt+α)に変換する。掛け算回路25は信号電圧Asin(ωt+α)と同位相に調整したsin(ωt+α)を掛け合わせる。掛け算回路25からの信号電圧はローパスフィルタ26によりDC信号かされノイズに埋もれた信号の中から特定の周波数の信号A/2のDC信号が検出される。前記A/2のDC信号は制御部13に内蔵されたAD変換器により数値化して計測された信号の大きさとなる。
【0058】
本実施例4の構成では同期発信回路30からのsin(ωt)信号が入力ペン3に接続されて出力するので入力ペン3からのノイズ侵入が実施例2より少なくなり、ノイズ耐性が向上する。また位相調整回路31にて、計測する信号に位相差(α)と同じ位相に調整されたsin(ωt+α)を、掛け算回路11にて掛け合わすので、掛け算回路25の出力結果は計測する信号電圧の実効値Aとなり、実効値ベクトル長さを演算する必要がなく、指入力あるいは入力ペンの位置を高速に検出する事ができる。
【0059】
本発明のように、入力ペンを使用時はx電極、y電極にsin(ωt)信号を順次印可して入力ペンとx、y電極間の静電容量結合して位置信号を検出し、指入力の場合はx、y電極間の静電容量結合した信号から指を介して信号を減少させることでタッチ位置を検出するので、入力ペンと指入力の位置特定方法が異なるため同時に使用することができる。また優先順位をつけることも可能であり、例えば入力ペン使用時は指入力は無効あるいはその逆といった事も可能であり、非常に使い勝手が向上した。