特許第6772670号(P6772670)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アイシン精機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6772670-静電容量センサ 図000002
  • 特許6772670-静電容量センサ 図000003
  • 特許6772670-静電容量センサ 図000004
  • 特許6772670-静電容量センサ 図000005
  • 特許6772670-静電容量センサ 図000006
  • 特許6772670-静電容量センサ 図000007
  • 特許6772670-静電容量センサ 図000008
  • 特許6772670-静電容量センサ 図000009
  • 特許6772670-静電容量センサ 図000010
  • 特許6772670-静電容量センサ 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6772670
(24)【登録日】2020年10月5日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】静電容量センサ
(51)【国際特許分類】
   G01B 7/00 20060101AFI20201012BHJP
【FI】
   G01B7/00 101C
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-165561(P2016-165561)
(22)【出願日】2016年8月26日
(65)【公開番号】特開2018-31728(P2018-31728A)
(43)【公開日】2018年3月1日
【審査請求日】2019年7月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】白井 大
【審査官】 山▲崎▼ 和子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−152876(JP,A)
【文献】 特開2008−026249(JP,A)
【文献】 特開2008−157920(JP,A)
【文献】 特開2014−126457(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 7/00−7/34
G01D 5/00−5/252
5/39−5/62
G01R 27/00−27/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物の存否に基づいて容量が変化する第1コンデンサと、前記第1コンデンサに接続されて前記物の存否に基づいて容量が変化しない第2コンデンサとを含むセンサ回路と、
前記センサ回路から搬送される電荷を電圧に変換するCV変換回路と、
前記第1コンデンサと前記第2コンデンサと前記CV変換回路との接続状態を第1接続状態、第2接続状態、第3接続状態の順で切り替える制御回路とを備え、
前記第1接続状態は、前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとが接続され両コンデンサ間の電位が規定電位に設定され、かつ前記両コンデンサと前記CV変換回路との間の導通が遮断される状態であり、
前記第2接続状態は、前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとが接続され両コンデンサ間の電位の設定が解除され、かつ前記両コンデンサと前記CV変換回路との間の導通が遮断される状態であり、
前記第3接続状態は、前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとの間の導通が遮断されて、かつ前記第2コンデンサと前記CV変換回路とが接続される状態である、静電容量センサ。
【請求項2】
前記接続状態として、前記第2接続状態から前記第3接続状態への遷移の間に形成され得る中間接続状態を更に備え、
前記中間接続状態は、前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとの間の導通が遮断され、かつ前記第2コンデンサと前記CV変換回路との間の導通が遮断される状態である
請求項1に記載の静電容量センサ。
【請求項3】
前記センサ回路と前記CV変換回路とを接続する配線には、前記センサ回路と前記CV変換回路とを接続しまたは前記センサ回路と前記CV変換回路との間の導通を遮断する第1制御スイッチが設けられ、
前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとの間には、前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとを接続しまたは前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとの間の導通を遮断する第2制御スイッチが設けられ、
前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとの間の中間部には、前記規定電位に設定する電位設定手段が接続され、
前記制御回路は、前記第1制御スイッチの制御、前記第2制御スイッチの制御、及び前記電位設定手段の制御により前記第1接続状態、前記第2接続状態及び前記第3接続状態を形成する
請求項1または請求項2に記載の静電容量センサ。
【請求項4】
前記電位設定手段は、前記中間部に接続される前記規定電位の配線と、前記中間部と前記配線との間に介在する第3制御スイッチとを備え、
前記制御回路は、前記第1接続状態のとき、前記第3制御スイッチを接続状態にして前記中間部の電位を前記規定電位に設定し、前記第2接続状態のとき、前記第3制御スイッチを遮断状態にして前記中間部の電位の設定を解除する
請求項3に記載の静電容量センサ。
【請求項5】
前記CV変換回路は、オペアンプと、前記オペアンプの反転入力端子と前記オペアンプの出力端子との間に接続される帰還コンデンサと、前記帰還コンデンサに並列接続される第4制御スイッチとを備え、
前記制御回路は、前記第3接続状態のとき、前記第4制御スイッチの動作により前記帰還コンデンサに並列接続される配線の導通を遮断する
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の静電容量センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電容量変化を検出する静電容量センサに関する。
【背景技術】
【0002】
静電容量変化を検出する静電容量センサとして、特許文献1に記載の技術が知られている。
特許文献1に記載の静電容量センサは、一対の検出電極から構成される第1コンデンサと、一対の参照電極から構成される第2コンデンサと、オペアンプ及び帰還コンデンサを有するCV変換回路とを備える。第1コンデンサには、感湿膜が設けられている。静電容量センサには、第1コンデンサの電荷と第2コンデンサの電荷を帰還コンデンサに移動させる搬送波が入力される。この搬送波により、帰還コンデンサには、第1コンデンサの電荷量と第2コンデンサの電荷量との差分に対応する電荷が蓄えられる。CV変換回路は、帰還コンデンサの電荷量に対応する出力信号を出力する。出力信号は、第1コンデンサの容量変化を示すため、この出力信号に基づいて湿度の変化が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−58084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の静電容量センサは、湿度を検出するためのセンサであるが、その回路構造は、物体検知にも適用可能である。しかし、物体検知に上述の回路を用いると、静電容量センサとグランドとの間でリークがあると物体検出時の出力値が変化する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)上記課題を解決する静電容量センサは、物の存否に基づいて容量が変化する第1コンデンサと、前記第1コンデンサに接続されて前記物の存否に基づいて容量が変化しない第2コンデンサとを含むセンサ回路と、前記センサ回路から搬送される電荷を電圧に変換するCV変換回路と、前記第1コンデンサと前記第2コンデンサと前記CV変換回路との接続状態を第1接続状態、第2接続状態、第3接続状態の順で切り替える制御回路とを備え、前記第1接続状態は、前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとが接続され両コンデンサ間の電位が規定電位に設定され、かつ前記両コンデンサと前記CV変換回路との間の導通が遮断される状態であり、前記第2接続状態は、前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとが接続され両コンデンサ間の電位の設定が解除され、かつ前記両コンデンサと前記CV変換回路との間の導通が遮断される状態であり、前記第3接続状態は、前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとの間の導通が遮断されて、かつ前記第2コンデンサと前記CV変換回路とが接続される状態である。
【0006】
この構成によれば、第1接続状態と第2接続状態との間で第1の電荷移動があり、第2接続状態と第3接続状態との間で第2の電荷移動がある。第2の電荷移動が行われる第2接続状態及び第3接続状態の回路は、第1コンデンサに接続されていないため、第2の電荷移動では、第1コンデンサを介するリークの影響を受けない。このため、上記構成によれば、従来回路すなわち、センサ回路からCV変換回路への電荷搬送過程の全般において第1コンデンサを介してリークの影響を受け得る従来回路に比べて、リークの影響を低減することができる。これにより、リークに起因する出力変化が抑制される。
【0007】
(2)上記静電容量センサにおいて、前記接続状態として、前記第2接続状態から前記第3接続状態への遷移の間に形成され得る中間接続状態を更に備え、前記中間接続状態は、前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとの間の導通が遮断され、かつ前記第2コンデンサと前記CV変換回路との間の導通が遮断される状態である。
【0008】
上記構成によれば、第2接続状態から第3接続状態への遷移の途中において、第2コンデンサは、第1コンデンサとCV変換回路とのいずれにも接続されていない状態(すなわち中間接続状態)になる。このため、第1コンデンサと第2コンデンサとCV変換回路とが電気的に連通することがない。これにより、リークに起因する出力変化がさらに抑制される。
【0009】
(3)上記静電容量センサにおいて、前記センサ回路と前記CV変換回路とを接続する配線には、前記センサ回路と前記CV変換回路とを接続しまたは前記センサ回路と前記CV変換回路との間の導通を遮断する第1制御スイッチが設けられ、前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとの間には、前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとを接続しまたは前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとの間の導通を遮断する第2制御スイッチが設けられ、前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとの間の中間部には、前記規定電位に設定する電位設定手段が接続され、前記制御回路は、前記第1制御スイッチの制御、前記第2制御スイッチの制御、及び前記電位設定手段の制御により前記第1接続状態、前記第2接続状態及び前記第3接続状態を形成する。この構成によれば、スイッチング制御及び電位設定制御により、第1接続状態、第2接続状態及び第3接続状態が形成される。
【0010】
(4)上記静電容量センサにおいて、前記電位設定手段は、前記中間部に接続される前記規定電位の配線と、前記中間部と前記配線との間に介在する第3制御スイッチとを備え、前記制御回路は、前記第1接続状態のとき、前記第3制御スイッチを接続状態にして前記中間部の電位を前記規定電位に設定し、前記第2接続状態のとき、前記第3制御スイッチを遮断状態にして前記中間部の電位の設定を解除する。この構成によれば、スイッチング制御により、中間部の電位が制御される。
【0011】
(5)上記静電容量センサにおいて、前記CV変換回路は、オペアンプと、前記オペアンプの反転入力端子と前記オペアンプの出力端子との間に接続される帰還コンデンサと、前記帰還コンデンサに並列接続される第4制御スイッチとを備え、前記制御回路は、前記第3接続状態のとき、前記第4制御スイッチの動作により前記帰還コンデンサに並列接続される配線の導通を遮断する。この構成によれば、オペアンプを使用しないで構成する他のCV変換回路に比べて、CV変換回路の構造が簡潔になる。
【発明の効果】
【0012】
上記静電容量センサによれば、リークに起因する出力変化が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】参考に係る静電容量センサのブロック図。
図2】参考に係る静電容量センサの回路図。
図3】参考例に係る静電容量センサについて、各信号のタイミングチャート。
図4】実施形態に係る静電容量センサのブロック図。
図5】実施形態に係る静電容量センサの回路図。
図6】第1位相に対応する第1接続状態を示す模式回路図。
図7】第2位相に対応する第2接続状態を示す模式回路図。
図8】第3位相に対応する中間接続状態を示す模式回路図。
図9】第4位相に対応する第3接続状態を示す模式回路図。
図10】実施形態に係る静電容量センサについて、各信号のタイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1図10を参照して、静電容量センサについて説明する。
実施形態に係る静電容量センサ1は、例えば、車両ドアの取手に搭載されるタッチセンサとして用いられ得る。静電容量センサ1は、その静電容量センサ1の付近に物(例えば、身体の一部である手、身体に装着された物、または雨滴等の付着物)が配置されたことに基づいて、その存在を検出する。静電容量センサ1が検出する物の存否に関する情報は、例えば、車両ドアの施錠解錠の許可のために使用される。
【0015】
図1を参照して、本実施形態に係る静電容量センサ1と比較され得る、参考の静電容量センサ1xの回路について説明する。
静電容量センサ1xは、物を検出するセンサ回路10と、センサ回路10に接続されるCV変換回路20と、制御回路29とを備える。センサ回路10は、物の配置に基づいて変化する静電容量変化を検出する。CV変換回路20は、静電容量変化を電圧に変換する。制御回路29は、センサ回路10とCV変換回路20とを制御する。
【0016】
図2に示されるように、センサ回路10は、物を検出するための第1コンデンサ11と、第2コンデンサ12とを備える。
第1コンデンサ11は、物の存否により容量を変化させ得る。例えば、第1コンデンサ11は、センサ回路10において、第1コンデンサ11の付近に物に配置されることにより、その容量(第1コンデンサ11の容量)が変化し得るようなところに配置される。「第1コンデンサ11の付近に配置される」とは、第1コンデンサ11に物が接触するように配置されること、第1コンデンサ11を覆うカバー等を介して第1コンデンサ11の付近に配置されること、空間を介して第1コンデンサ11の近くに物が配置されること、第1コンデンサ11の近くを通過すること、第1コンデンサ11に接近することを含む。また、第1コンデンサ11は、物が第1コンデンサ11の付近に配置されることに基づいて第1コンデンサ11の容量が変化するように構成されている。例えば、第1コンデンサ11を構成する一対の電極のうち少なくとも一方の電極は、センサ回路10の付近に配置される物(例えば手)と電極とが対向するとき、第1コンデンサ11の容量が変化し得る程度の大きさに構成される。
【0017】
第2コンデンサ12は、所定容量を有する。第2コンデンサ12としては、物の存否に基づいてその容量が変化しないものが用いられる。第2コンデンサ12は、第1コンデンサ11に接続される。
【0018】
第1コンデンサ11と第2コンデンサ12との間の中間部13は、CV変換回路20のオペアンプ21の反転入力端子24に接続される。第1コンデンサ11において中間部13とは反対側の第1端部14には、第1入力信号VAが入力される。
【0019】
第2コンデンサ12において中間部13とは反対側の第2端部15には、第2入力信号VBが入力される。
第1入力信号VAは、第1電位V1と第2電位V2との間を所定周期で往復する矩形波信号として構成される。第1電位V1は、第2電位V2よりも大きい。第2電位V2は、例えば、グランドと等しい電位に設定される。第2入力信号VBは、第1入力信号VAを反転した信号として構成される。
【0020】
例えば、第1端部14への第1入力信号VAの入力及び第2端部15への第2入力信号VBの入力は次のように形成される。第1コンデンサ11側の第1端部14は、第1スイッチ16を介して、第1電位V1の配線または第2電位V2の配線に接続される。第2コンデンサ12側の第2端部15は、第2スイッチ17を介して、第1電位V1の配線または第2電位V2の配線に接続される。第1スイッチ16の切替動作により第1入力信号VAが第1端部14に入力される。第2スイッチ17の切替動作により第2入力信号VBが第2端部15に入力される。
【0021】
第1入力信号VAが第1端部14に入力され、第2入力信号VBが第2端部15に入力されることにより、第1コンデンサ11及び第2コンデンサ12が周期的に充放電を繰り返すようになる。そして、第1入力信号VA及び第2入力信号VBの入力と後述の第3スイッチ23のスイッチング動作により、センサ回路10の電荷がCV変換回路20に搬送される。
【0022】
CV変換回路20は、センサ回路10から搬送される電荷を電圧に変換する。例えば、CV変換回路20は、オペアンプ21(演算増幅器)と、オペアンプ21の反転入力端子24と出力端子26との間に接続される帰還コンデンサ22と、帰還コンデンサ22に並列に接続される配線27の導通を遮断し得る第3スイッチ23とを備える。オペアンプ21の非反転入力端子25には、基準電位Vrが入力される。
【0023】
第3スイッチ23は、オン(配線27を導通可能にする状態)とオフ(配線27の導通を遮断する状態)との間で動作する。第3スイッチ23のオンオフ動作は、第1入力信号VA及び第2入力信号VBに同期する。第3スイッチ23がオンのとき、帰還コンデンサ22は、電荷を蓄えない状態に初期化される。第3スイッチ23がオフのとき、帰還コンデンサ22が充電される。オペアンプ21の出力端子26における電位(以下、「出力電位Vs」という。)は、帰還コンデンサ22の充電状態に基づいて変化する。
【0024】
制御回路29は、第1スイッチ16、第2スイッチ17、及び第3スイッチ23を制御する。これにより、センサ回路10とCV変換回路20とを含む回路が所定状態(以下、これを「位相」という。)になる。制御回路29は、第1スイッチ16、第2スイッチ17及び第3スイッチ23それぞれについて、各スイッチに対応する動作信号を出力する。
【0025】
図3を参照して、参考例に係る静電容量センサ1xの動作を説明する。図3は、静電容量センサ1xの各信号についてのタイミングチャートである。
【0026】
センサ回路10とCV変換回路20とを含む回路は、第1位相PH1及び第2位相PH2のいずれかの位相に設定される。
第1位相PH1は、第1コンデンサ11側の第1端部14に第1電位V1の信号が入力され、第2コンデンサ12側の第2端部15に第2電位V2の信号が入力され、第3スイッチ23がオンであるときの状態である。第1位相PH1のとき、第1コンデンサ11と第2コンデンサ12との間の中間部13の電位(以下、「中間電位Vmx」という。)は基準電位Vrになっており、第1コンデンサ11と第2コンデンサ12とが充電される。
【0027】
第2位相PH2は、第1コンデンサ11側の第1端部14に第2電位V2の信号が入力され、第2コンデンサ12側の第2端部15に第1電位V1の信号が入力され、第3スイッチ23がオフであるときの状態である。第2位相PH2のとき、第1コンデンサ11と第2コンデンサ12とが放電し、帰還コンデンサ22が充電される。すなわち、センサ回路10からCV変換回路20に電荷が搬送される。このとき中間電位Vmxは電荷の搬送に伴って変化する。
【0028】
オペアンプ21の出力電位Vsは、帰還コンデンサ22に蓄えられる電荷量に応じて変化する。帰還コンデンサ22の電荷量は、第1コンデンサ11の容量変化に応じて変化する。第1コンデンサ11の容量は、上述したように第1コンデンサ11の付近に物が配置されることにより変化する。すなわち、第1コンデンサ11の付近に物が配置されて第1コンデンサ11の容量が変化すると、帰還コンデンサ22の電荷量が変化し、オペアンプ21の出力電位Vsの変化するようになる。
【0029】
図3の中間電位Vmxのチャート及び出力電位Vsのチャートにおいて、実線は、第1コンデンサ11の付近に物が配置されているときの出力電位Vsの波形を示し、破線は、第1コンデンサ11の付近に物が配置されていないときの出力電位Vsの波形を示す。このように、オペアンプ21の出力電位Vsは、第1コンデンサ11の付近に物が配置されているか否かにより変化する。したがって、出力電位Vsは、物の検出の判定のために使用される。
【0030】
ところで、センサ回路10の電荷をCV変換回路20に搬送するようなセンサでは、センサ回路10でのリーク(電荷漏れ)が問題となる。
例えば、雨滴、雪等により、第1コンデンサ11がグランドに接続され得る。雨滴、雪等の付着に起因するリーク回路100は、図2において、2点鎖線で示されている。このようなリーク回路100が形成されると、センサ回路10からCV変換回路20への電荷搬送時に、電荷の一部がリーク回路100を通じて放電されるため、センサ回路10に蓄えられた電荷の一部がCV変換回路20に搬送されないという事態が生じる。この結果、図3に示されるように、リークがあるとき第1コンデンサ11の付近に物が配置されたときの出力電位Vs(二点鎖線参照)は、リークがないときの出力電位Vs(実線参照)比べて小さくなる。この結果、この出力電位Vsを用いて物の存否を判定する演算では、物の存否について誤判定を起こすようになる。
【0031】
したがって、リークがあるときでも出力電位Vsは、そのリークに影響されないことが好ましい。すなわち、リークがあるときの出力電位Vsと、リークのないときの出力電位Vsとが差は小さいことが望ましい。以下、リークの影響を小さくする例を説明する。
【0032】
図4及び図5を参照して、本実施形態に係る静電容量センサ1の回路について説明する。静電容量センサ1は、物を検出するセンサ回路30と、センサ回路30に接続されるCV変換回路40と、制御回路70と、第4スイッチ61と、第5スイッチ62と、第6スイッチ63とを備える。
【0033】
センサ回路30は、物の配置に基づいて変化する静電容量変化を検出する。CV変換回路40は、静電容量の変化を電圧に変換する。制御回路70は、センサ回路30とCV変換回路40とを制御する。
【0034】
図5に示されるように、センサ回路30は、物を検出するための第1コンデンサ31と、第2コンデンサ32とを備える。第1コンデンサ31と第2コンデンサ32とは配線(後述の第1配線51)を介して接続される。第1コンデンサ31は、物の存否により容量を変化し得る。第1コンデンサ31の配置及び電極構造は参考例と同様である。第2コンデンサ32は、所定容量を有する。第2コンデンサ32としては、物の存否に基づいてその容量が変化しないものが用いられる。
【0035】
第1コンデンサ31及び第2コンデンサ32への電圧入力構造は、参考例と同じである。すなわち、第1コンデンサ31の第1端部34は、第1スイッチ36を介して、第1電位V1の配線または第2電位V2の配線に接続される。第2コンデンサ32側の第2端部35は、第2スイッチ37を介して、第1電位V1の配線または第2電位V2の配線に接続される。
【0036】
第1スイッチ36は、所定周期で、第1端部34と第1電位V1の配線との接続(以下、この状態を「オン」という。)と、第1端部34と第2電位V2の配線との接続(以下、この状態を「オフ」という。)とを切り替える。これにより、第1コンデンサ31側の第1端部34には、第1電位V1と第2電位V2とが交互に切り替わる第1入力信号VAが入力される。
【0037】
第2スイッチ37は、所定周期で、第2端部35と第2電位V2の配線との接続(以下、この状態を「オフ」という。)と、第2端部35と第1電位V1の配線との接続(以下、この状態を「オン」という。)とを切り替える。この切り替えは、第1スイッチ36に連動する。すなわち、第1スイッチ36がオンのとき、第2スイッチ37はオフにされ、第1スイッチ36がオフのとき、第2スイッチ37はオンにされる。これにより、第2コンデンサ32側の第2端部35には、第1入力信号VAが反転した第2入力信号VBが入力される。
【0038】
第1入力信号VA及び第2入力信号VBの入力により、第1コンデンサ31及び第2コンデンサ32が周期的に充放電を繰り返すようになる。そして、第1入力信号VA及び第2入力信号VBの入力と後述のスイッチング制御により、センサ回路30の電荷がCV変換回路40に搬送される。
【0039】
CV変換回路40は、センサ回路30から搬送される電荷を電圧に変換する。例えば、CV変換回路40は、オペアンプ41(演算増幅器)と、オペアンプ41の反転入力端子44と出力端子46との間に接続される帰還コンデンサ42と、帰還コンデンサ42に並列接続される配線47の導通を遮断し得る第3スイッチ43とを備える。オペアンプ41の非反転入力端子45には、基準電位Vrが入力される。
【0040】
第3スイッチ43は、所定の周期(第1スイッチ36及び第2スイッチ37とは異なる周期)で、オン(接続状態)とオフ(遮断状態)とを切り替える。第3スイッチ43がオンのとき、帰還コンデンサ42は初期化(電荷を蓄積しない状態)される。
【0041】
第4スイッチ61、第5スイッチ62及び第6スイッチ63は、参考例に係る静電容量センサ1xにない構成である。ここで、静電容量センサ1の各配線及び各配線の接続点を定義する。
【0042】
第1コンデンサ31と第2コンデンサ32とを接続する配線を「第1配線51」という。第1配線51とオペアンプ41の反転入力端子44とを接続する配線を「第2配線52」という。第1配線51において第2配線52が接続される部位を「第1接続点CP1」という。また、本実施形態では、第2配線52の電位を基準電位Vrにするための配線(以下、「第3配線53」)が設けられている。基準電位Vrの配線(以下、「第4配線54」)は、オペアンプ41の非反転入力端子45に接続される。第3配線53は、この第4配線54と第2配線52とを接続する。第2配線52において第3配線53が接続される部位を「第2接続点CP2」という。第2配線52において、第2接続点CP2と反転入力端子44との間には、帰還コンデンサ42から延びる配線が接続される。第2配線52において、帰還コンデンサ42から延びる配線が接続される部位を「第3接続点CP3」という。上述の第4配線54において第3配線53が接続される部位を「第4接続点CP4」という。
【0043】
第4スイッチ61は、センサ回路30とCV変換回路40との間の導通を遮断するためのスイッチである。具体的には、第4スイッチ61は、第2配線52において第2接続点CP2と第3接続点CP3との間に配置される。第4スイッチ61は、オン(第2配線52を導通可能にする状態)とオフ(第2配線52の導通を遮断する状態)との間で動作する。
【0044】
第5スイッチ62は、第1コンデンサ31の放電を制御するためのスイッチである。第5スイッチ62は、第1コンデンサ31とオペアンプ41との間の導通遮断が可能であり、かつ第5スイッチ62の動作により第2コンデンサ32とオペアンプ41とが維持されるところに、配置される。具体的には、第5スイッチ62は、第1配線51において第1接続点CP1と第1コンデンサ31との間に配置される。第5スイッチ62は、オン(第1配線51を導通可能にする状態)とオフ(第1配線51の導通を遮断する状態)との間で動作する。
【0045】
第6スイッチ63は、第2配線52の電位を基準電位Vrと等電位にするためのスイッチである。第6スイッチ63は、第3配線53において第2接続点CP2と第4接続点CP4との間に配置される。第6スイッチ63は、オン(第3配線53を導通可能にする状態)とオフ(第3配線53の導通を遮断する状態)との間で動作する。
【0046】
図6図10を参照して、静電容量センサ1を動作させるスイッチング制御の一例を説明する。図6図9は、各位相に対応する回路状態を模式的に示したものである。図6図9では、便宜的に、第3配線53と第4配線54とは切り離されて図視されている。
【0047】
センサ回路30とCV変換回路40とを含む回路の位相は、制御回路70のスイッチング制御により、第1位相PH1〜第4位相PH4の順に切り替わる。また、第1位相PH1〜第4位相PH4の切替制御は所定周期で実行される。
【0048】
図6に示されるように、第1位相PH1は、各スイッチの第1接続状態として構成される。
第1接続状態では、第1スイッチ36がオンにされ、第2スイッチ37がオフにされ、第3スイッチ43がオンにされ、第4スイッチ61がオフにされ、第5スイッチ62がオンにされ、第6スイッチ63がオンにされる。すなわち、第1位相PH1では、第1コンデンサ31と第2コンデンサ32とが接続され、第1コンデンサ31と第2コンデンサ32との間の第1接続点CP1の電位が基準電位Vr(規定電位)に設定される。また、センサ回路30とCV変換回路40との導通が遮断されている。このとき、第1コンデンサ31及び第2コンデンサ32が充電される。
【0049】
図7に示されるように、第2位相PH2は、各スイッチの第2接続状態として構成される。
第2接続状態は、第1接続状態から次のスイッチ変更が行われた状態である。すなわち、第1スイッチ36がオンからオフにされ、第2スイッチ37がオフからオンにされる。そして、第6スイッチ63がオンからオフにされ、第1コンデンサ31と第2コンデンサ32との間の第1接続点CP1の電位設定が解除される。これにより、第1コンデンサ31と第2コンデンサ32との間で電荷移動が生じる。このため、第1コンデンサ31と第2コンデンサ32との間の第1接続点CP1の電位VM1が変化する。第1接続点CP1の電位VM1は、第1コンデンサ31の容量に応じた値になる。
【0050】
図8に示されるように、第3位相PH3は、各スイッチの中間接続状態として構成される。
中間接続状態は、第2接続状態から次のスイッチの変更が行われた状態である。すなわち、第5スイッチ62がオンからオフにされ、第1コンデンサ31と第2コンデンサ32との間の導通が遮断される。これにより、第1コンデンサ31を含む回路と第2コンデンサ32を含む回路との導通が遮断されるようになる。このため、このタイミング以降、第1コンデンサ31を介するリークが、第2コンデンサ32を含む回路に電気的影響を及ぼすことが抑制されるようになる。
【0051】
図9に示されるように、第4位相PH4は、各スイッチの第3接続状態として構成される。
第3接続状態は、中間接続状態から次のスイッチの変更が行われた状態である。すなわち、第3スイッチ43がオンからオフに切り替えられ、かつ第4スイッチ61がオフからオンに切り替えられる。すなわち、第2コンデンサ32とCV変換回路40とが接続され、帰還コンデンサ42が充電可能状態にされる。これにより、第2コンデンサ32の電荷がCV変換回路40に搬送される。帰還コンデンサ42には、第2コンデンサ32の電荷に応じた電荷が蓄えられる。CV変換回路40は、帰還コンデンサ42の電荷に応じた出力電位Vsの信号を出力する。
【0052】
図10を参照して、静電容量センサ1の作用及び効果を説明する。図10には、オペアンプ41の反転入力端子44の電位VM2と、出力電位Vsとが示されている。
【0053】
第1位相PH1では、第1コンデンサ31及び第2コンデンサ32が充電される。
第2位相PH2では、第6スイッチ63のオフにより第1接続点CP1の電位設定が解除される。また、第1スイッチ36及び第2スイッチ37の切り替わりにより、第1コンデンサ31側の第1端部34の電位と第2コンデンサ32側の第2端部35の電位とが入れ替わる。このため、第1コンデンサ31と第2コンデンサ32との間で電荷移動が生じ、第1接続点CP1の電位VM1が変化する。
【0054】
第3位相PH3では、第5スイッチ62がオフになり、第1コンデンサ31が、第2コンデンサ32を含む回路から電気的に切り離される。
第4位相PH4では、第4スイッチ61がオンになり、第3スイッチ43がオフになる。このため、第2コンデンサ32から帰還コンデンサ42への電荷の搬送が実行される。図10に示される、反転入力端子44の電位VM2及び出力電位Vsから分かるように、電荷搬送は第4位相PH4において行われる。そして、上述のように第4位相PH4では、第2コンデンサ32及び帰還コンデンサ42を含む回路と、外部との接続によりリークを生じさせ得る第1コンデンサ31とは電気的に遮断されているため、第4位相PH4では、リークの影響が低減される。
【0055】
簡単に纏めると、第1位相PH1から第4位相PH4までの電荷の流れは次のようになる。(i)第1位相PH1では、第1コンデンサ31と第2コンデンサ32とが充電される。(ii)第2位相PH2では、第1コンデンサ31と第2コンデンサ32との間での電荷移動が生じる。(iii)第3位相PH3では、第1コンデンサ31と第2コンデンサ32との間の導通が遮断される。(iv)第4位相PH4では、第2コンデンサ32と帰還コンデンサ42との間での電荷移動が生じる。
【0056】
次に、静電容量センサ1の消費電力について説明する。
静電容量センサ1の効果は、第1コンデンサ31の容量変化の検出においてリークの影響を低減させることである。一方、次に示す技術により、リークの影響を低減させることが可能である。すなわち、上述の参考例に係る静電容量センサ1xにおいて第1位相PH1及び第2位相PH2の周期を短くすることで、リークの影響を低減させる(以下、この技術を「高周波化技術」という。)。しかし、アンプを含む回路において高周期で動作させると、アンプでの消費電力(以下、「アンプ消費電力」)が増大する。これに対して、本実施形態に係る静電容量センサ1では、高周期で動作させることなくすなわちアンプ消費電力を増大させることなく、リークの影響を低減させることが可能である。以下、この点について詳述する。
【0057】
図10に示されるように、第5スイッチ(図5の第5スイッチ62)時間は第4スイッチ(図5の第4スイッチ61)のオン時間(以下、「パルス幅」)よりも短い。このことによって、オペアンプ41のアンプ消費電力の低減を図ることができる。すなわち、本技術では、センサ回路30及びCV変換回路40の周期を、参考技術(図2及び図3)の回路における周期よりも短くする必要がない。上記のパルス幅を変えることで、すなわちセンサ回路30側の第5スイッチ62のパルス幅を第4スイッチ61のパルス幅よりも短くすることで、リーク量が増大する前にセンサ回路30への入力電荷をCV変換回路40に取り込むことを可能とする。更に、第5スイッチ62のオフ動作によって、オペアンプ41の反転入力端子44へのセンサ信号(センサ回路30からCV変換回路40に搬送される電荷)の伝達経路とリークパス(リーク回路100)とを切り離し、リークに起因するセンサ信号の経時低減を回避する。したがって、CV変換回路40の周期が従来のCV変換回路の周期と等しい場合であっても、リークによる影響が低減されるため、CV変換回路40は、劣化の少ないセンサ信号(リークの影響により経時低減が少ないセンサ信号)を取り込むことができるようになる。
【0058】
上記高周波化技術では、リーク回路100を介するリーク量を抑制するために回路を高周波で動作させて、センサ信号におけるリークの影響を低減させるが、この高周波駆動の結果、アンプ消費電力が増大する。また、参考技術の回路は第5スイッチ62のような構成を有するものではないため、周波数に比例して増大するアンプ消費電力を低減することは難しい。この点、第5スイッチ62を有している本技術(静電容量センサ1に係る技術)では、上記のようにアンプ消費電力を増大させることなく、リークの影響の回避が可能になる。
【0059】
次に、出力電位Vsと各コンデンサの容量との関係を説明する。出力電位Vsは、次のようにして導出される。
【0060】
第1コンデンサ31の容量をC1とし、第2コンデンサ32の容量をC2とし、帰還コンデンサ42の容量をCfとする。
第1位相PH1において、第1コンデンサ31に蓄えられる電荷をQ1とし、第2コンデンサ32に蓄えられる電荷をQ2とする。第1位相PH1では、第6スイッチ63がオンであり第2配線52が第4配線54に接続されているため、第1接続点CP1の電位VM1は、基準電位Vrである。
【0061】
第2位相PH2(または第3位相PH3)において、第1コンデンサ31に蓄えられる電荷をQ1xとし、第2コンデンサ32に蓄えられる電荷をQ2xとし、帰還コンデンサ42に蓄えられる電荷をQ3xとする。また、第2位相PH2における第1接続点CP1の電位VM1を電位Vmとする。
【0062】
第4位相PH4において、第2コンデンサ32に蓄えられる電荷をQ2yとし、帰還コンデンサ42に蓄えられる電荷をQ3yとする。第4位相PH4では、第4スイッチ61がオンになっており第2配線52はオペアンプ41に接続されているため、第1接続点CP1の電位VM1は、基準電位Vrとなる。
【0063】
第1位相PH1から第2位相PH2(または第3位相PH3)への遷移では、電荷保存則により、次の式が成立する。
Q1+Q2=Q1x+Q2x・・・・・(1)
【0064】
第1位相PH1では、コンデンサの容量と電圧との関係より次の式が成立する。
・Q1=C1×(Vr−V1)・・・・・(2)
・Q2=C2×Vr・・・・・・・・・・(3)
第2位相PH2では、コンデンサの容量と電圧との関係より次の式が成立する。
・Q1x=C1×Vm・・・・・・・・・(4)
・Q2x=C2×(Vm−V1)・・・・(5)
そうすると、上記(1)〜(5)式より、次の(6)式が成立する。
Vm=(C2−C1)×V1/(C1+C2)+Vr・・・(6)
【0065】
第3位相PH3から第4位相PH4への遷移では、電荷保存則により、次の式が成立する。
Q2x+Q3x=Q2y+Q3y・・・(7)
第3位相PH3では、コンデンサの容量と電圧との関係より次の式が成立する。
・Q2x=C2×(Vm−V1)・・・・(8)
・Q3x=0・・・・・・・・・・・・・(9)
第4位相PH4では、コンデンサの容量と電圧との関係より次の式が成立する。
・Q2y=C2×(Vr−V1)・・・・(10)
・Q3y=Cf×(Vr−Vs)・・・・(11)
【0066】
そうすると、上記(7)〜(11)式及び(6)式より、次の(12)式が成立する。
Vs=(C1−C2)×C2×V1/(Cf×(C1+C2))+Vr・・・(12)
【0067】
(12)式から、出力電位Vsは、第1コンデンサ31の容量変化に応じて変化することが分かる。すなわち、上述の回路構成において、第1位相PH1〜第4位相PH4の順に切り替える制御により、第1コンデンサ31の容量変化を検出することが可能である。
【0068】
また、第3位相PH3から第4位相PH4への遷移では、第2コンデンサ32を含む回路から第1コンデンサ31が切り離されていることから、この遷移期間においてリークの影響はなく電荷は保存される。出力電位Vsにおけるリークの影響が小さくなる。
【0069】
次に、静電容量センサ1の作用及び効果について説明する。
(1)静電容量センサ1の制御回路70は、第1コンデンサ31と第2コンデンサ32とCV変換回路40との接続状態を、第1接続状態、第2接続状態、第3接続状態の順で切り替える。
【0070】
第1接続状態では、第1コンデンサ31と第2コンデンサ32とが接続され、両コンデンサ31,32間の電位(すなわち第1接続点CP1の電位VM1)が規定電位(基準電位Vr)に設定され、かつ両コンデンサ31,32とCV変換回路40との間の導通が遮断される。第2接続状態は、第1コンデンサ31と第2コンデンサ32が接続され、両コンデンサ31,32間の電位(すなわち第1接続点CP1の電位VM1)の設定が解除され、かつ両コンデンサ31,32とCV変換回路40との間の導通が遮断される。第3接続状態は、第1コンデンサ31と第2コンデンサ32との間の導通が遮断されて、かつ第2コンデンサ32とCV変換回路40とが接続される。
【0071】
この構成によれば、次の作用がある。すなわち、第1接続状態と第2接続状態との間で第1の電荷移動があり、第2接続状態と第3接続状態との間で第2の電荷移動がある。第2の電荷移動が行われる第2接続状態及び第3接続状態の回路は、第1コンデンサ31に接続されていないため、第2の電荷移動では、第1コンデンサ31を介するリークの影響を受けない。このため、センサ回路30からCV変換回路40への電荷搬送過程の全般において第1コンデンサ31を介してリークの影響を受け得る従来の回路に比べて、リークの影響を低減することができる。これにより、静電容量センサ1によれば、リークに起因する出力変化が抑制される。
【0072】
また、上述したように、上記構成によれば、第1接続状態、第2接続状態、及び第3接続状態が存在することで、リーク回路100とCV変換回路40とを切り離すことができることから、高周波駆動によってリークの影響を低減する技術に比べて、低消費電力でリークの影響を低減できる。
【0073】
(2)第1コンデンサ31と第2コンデンサ32とCV変換回路40との接続状態の一つとして、中間接続状態があることが好ましい。中間接続状態は、第2接続状態から第3接続状態への遷移の間に形成され得る。中間接続状態では、第1コンデンサ31と第2コンデンサ32との間の導通が遮断され、かつ第2コンデンサ32とCV変換回路40との間の導通が遮断される。
【0074】
第2接続状態は、第1コンデンサ31と第2コンデンサ32とが接続されている状態である。第3接続状態は、第2コンデンサ32とCV変換回路40とが接続されている状態である。すなわち、第2接続状態及び第3接続状態では、第2コンデンサ32は、第1コンデンサ31及びCV変換回路40のいずれか一方に接続されている。そうすると、第2接続状態から第3接続状態への遷移において、瞬間的に、第1コンデンサ31と第2コンデンサ32とCV変換回路40とが接続されるおそれがある。この点、上記構成によれば、第2接続状態から第3接続状態への遷移の途中において、第2コンデンサ32は、第1コンデンサ31とCV変換回路40とのいずれにも接続されていない状態すなわち中間接続状態になる。このため、第1コンデンサ31と第2コンデンサ32とCV変換回路40とが電気的に連通することがない。これにより、リークに起因する出力変化がさらに抑制される。
【0075】
(3)センサ回路30とCV変換回路40とを接続する第2配線52には、両回路を接続または両回路の導通を遮断する第1制御スイッチ(実施形態では、第4スイッチ61)が設けられる。第1コンデンサ31と第2コンデンサ32との間には、両コンデンサ31,32を接続しまたは両コンデンサ31,32の導通を遮断する第2制御スイッチ(実施形態では、第5スイッチ62)が設けられる。また、第1コンデンサ31と第2コンデンサ32との中間部には、この中間部(実施形態では、第1接続点CP1を含む部分、すなわち第2配線52)を規定電位に設定する電位設定手段(実施形態では、第6スイッチ63及び第4配線54)が接続される。この構成によれば、スイッチング制御及び電位設定制御により、第1接続状態、第2接続状態及び第3接続状態が形成される。
【0076】
(4)例えば、電位設定手段は、中間部(実施形態では、第2配線52)に接続される第4配線54と、当該中間部と第4配線54との間に介在する第3制御スイッチ(実施形態では、第6スイッチ63)とを備える。第4配線54は、規定電位(実施形態では、基準電位Vr)に設定されている。制御回路70は、第1接続状態のとき、第3制御スイッチ(第6スイッチ63)をオンにして中間部の電位VM1を規定電位(基準電位Vr)に設定する。第2接続状態のとき、第3制御スイッチ(第6スイッチ63)をオフにして中間部の電位VM1の設定を解除する。この構成によれば、スイッチング制御により、中間部の電位VM1が制御される。
【0077】
なお、電位設定手段は実施形態の例に限定されない。例えば、第3配線53は、第4配線54とは別に設けられる配線に接続され得る。ここでの配線の電位は、基準電位Vrと等しい電位に設定され得るし、また基準電位Vrとは異なる電位に設定され得る。すなわち、この変形例では、中間部(実施形態では、第2配線52)の電位を、基準電位Vrとは異なる規定電位に設定することが可能である。
【0078】
(5)CV変換回路40は、オペアンプ41と、帰還コンデンサ42と、帰還コンデンサ42に並列接続される第4制御スイッチ(実施形態では、第3スイッチ43)とを備える。制御回路70は、第3接続状態のとき、第4制御スイッチ(第3スイッチ43)の動作により帰還コンデンサ42に並列接続される配線47の導通を遮断する。この構成により、帰還コンデンサ42の充電が可能である。また、オペアンプ41を使用しないで構成する他のCV変換回路に比べて、CV変換回路40の構造が簡潔になる。
【0079】
<その他の実施形態>
・上記実施形態では、第1位相PH1〜第3位相PH3において、第3スイッチ43がオンになっているが、第3スイッチ43は、第4スイッチ61がオンになるまでに帰還コンデンサ42が初期化されるように制御されればよい。したがって、第3スイッチ43は、第3位相PH3の期間だけ第3スイッチ43がオンにしてもよい。
【0080】
・上記実施形態において、第3位相PH3は省略され得る。すなわち、静電容量センサ1の接続状態において、中間接続状態は省略され得る。具体的には、静電容量センサ1の回路状態は、第2位相PH2から直接、第4位相PH4に遷移され得る。中間接続状態は、上記(2)の効果を得るための構成であり、この中間接続状態が省略されたとしても、少なくとも上記(1)の効果が得られるからである。
【0081】
・上記実施形態では、上記第1入力信号及び第2入力信号は、第1スイッチ16及び第2スイッチ17のスイッチング制御により形成されているが、これら信号の形成はこれに限定されない。これら信号は信号形成回路により形成され得る。
【符号の説明】
【0082】
1…静電容量センサ、1x…静電容量センサ、10…センサ回路、11…第1コンデンサ、12…第2コンデンサ、13…中間部、14…第1端部、15…第2端部、16…第1スイッチ、17…第2スイッチ、20…CV変換回路、21…オペアンプ、22…帰還コンデンサ、23…第3スイッチ、24…反転入力端子、25…非反転入力端子、26…出力端子、27…配線、29…制御回路、30…センサ回路、31…第1コンデンサ、32…第2コンデンサ、34…第1端部、35…第2端部、36…第1スイッチ、37…第2スイッチ、40…CV変換回路、41…オペアンプ、42…帰還コンデンサ、43…第3スイッチ、44…反転入力端子、45…非反転入力端子、46…出力端子、47…配線、51…第1配線、52…第2配線、53…第3配線、54…第4配線、CP1…第1接続点、CP2…第2接続点、CP3…第3接続点、CP4…第4接続点、61…第4スイッチ、62…第5スイッチ、63…第6スイッチ、70…制御回路、100…リーク回路、PH1…第1位相、PH2…第2位相、PH3…第3位相、PH4…第4位相、V1…第1電位、V2…第2電位、VM1…電位、VM2…電位、Vmx…中間電位、Vr…基準電位、Vs…出力電位、VA…第1入力信号、VB…第2入力信号。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10