(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
対象車両に搭載された機器を識別可能な機器識別情報と、前記機器用の更新データを蓄積する蓄積装置を認識可能な蓄積装置識別情報との対応関係であって、複数の前記機器および複数の前記蓄積装置についての前記対応関係を示す対応情報を記憶する記憶部と、
前記対応情報に基づいて各前記蓄積装置との所定の第1の処理を実行する処理部と、
前記機器識別情報および前記更新データを取得する取得部とを備え、
前記処理部は、前記対応情報に基づいて、前記取得部によって取得された前記機器識別情報に対応する前記蓄積装置へ、前記取得部によって取得された前記更新データを送信する、管理装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
【0017】
(1)本発明の実施の形態に係る管理装置は、対象車両に搭載された機器を識別可能な機器識別情報と、前記機器用の更新データを蓄積する蓄積装置を認識可能な蓄積装置識別情報との対応関係であって、複数の前記機器および複数の前記蓄積装置についての前記対応関係を示す対応情報を記憶する記憶部と、前記対応情報に基づいて各前記蓄積装置との所定の第1の処理を実行する処理部とを備える。
【0018】
このように、機器識別情報が指定されると、対応情報に基づいて対象の蓄積装置を特定し、特定した対象の蓄積装置との所定の処理を実行する構成により、ユーザは、蓄積装置のアドレスを指定しなくても、機器識別情報を管理装置へ送信するだけで、当該蓄積装置に対する所定の処理、たとえば更新データの蓄積装置へのアップロードに関する処理を管理装置に実行させることができる。したがって、更新データを蓄積する蓄積装置を複数用いて複数の車載機器のデータ更新を行う構成において、ユーザの負担が重くなることを防ぐことができる。
【0019】
(2)好ましくは、前記管理装置は、さらに、前記機器識別情報および前記更新データを取得する取得部を備え、前記処理部は、前記対応情報に基づいて、前記取得部によって取得された前記機器識別情報に対応する前記蓄積装置へ、前記取得部によって取得された前記更新データを送信する。
【0020】
このような構成により、ユーザは、蓄積装置のアドレスを指定せずに機器識別情報および更新データを管理装置へ送信するだけで、更新データを対象の蓄積装置へ送信させることができる。
【0021】
(3)好ましくは、前記処理部は、前記対応情報に基づいて、複数の前記機器の前記更新データに関する更新情報を対応の1または複数の前記蓄積装置から取得する。
【0022】
このような構成により、ユーザは、管理装置によって取得された更新情報を参照することで、各蓄積装置のアドレスを用いて当該各蓄積装置から更新情報を取得することなく、複数の機器の更新状況を認識することができる。
【0023】
(4)より好ましくは、前記対応情報は、車両を識別可能な車両識別情報と前記機器識別情報と前記蓄積装置識別情報との対応関係を示し、前記処理部は、車両ごとの前記更新情報を取得する。
【0024】
このような構成により、ユーザは、管理装置によって取得された更新情報を参照することで、各蓄積装置のアドレスを用いて当該各蓄積装置から更新情報を取得することなく、複数の車両における複数の機器の更新状況を認識することができる。
【0025】
(5)好ましくは、前記管理装置は、さらに、前記機器のデータ更新に関する第2の処理の内容と前記機器を識別可能な情報とを含む入力情報を取得する取得部を備え、前記対応情報は、前記機器識別情報と、前記第2の処理を認識可能な情報と、前記蓄積装置識別情報と、前記蓄積装置に対する前記第1の処理の内容を認識可能な情報との対応関係を示し、前記対応情報は、同じ前記第1の処理を実行するために与えるべき情報が異なるか、または同じ前記第1の処理を実行するためのユーザインタフェースが異なる複数の前記蓄積装置の前記対応関係を示し、前記処理部は、前記対応情報に基づいて、前記入力情報の示す前記機器を識別可能な情報に対応する前記蓄積装置に対して前記入力情報の示す前記第2の処理に対応する前記第1の処理を実行する。
【0026】
ユーザが、管理装置を用いずに蓄積装置に対して第1の処理を実行させる場合、たとえば蓄積装置の別に応じてユーザに求められる操作内容が異なる。一方、ユーザが、管理装置を用いて蓄積装置に対して第1の処理を実行させる場合、いずれの蓄積装置に対して第1の処理を実行させる場合においても、対応情報に基づいて、第2の処理に対応する第1の処理が実行されるので、ユーザに求められる第2の処理の内容についての入力操作を共通化することができる。したがって、ユーザは、複数の蓄積装置から求められる操作内容を知らなくても、入力情報を管理装置へ送信するだけで、管理装置に第1の処理を実行させることができる。
【0027】
(6)好ましくは、前記機器識別情報は、前記機器の名称である。
【0028】
このように、機器に固有であり、かつたとえばユーザに分かり易い上記機器の名称を機器識別情報とする構成により、上記機器を確実かつ簡易に識別することができる。
【0029】
(7)好ましくは、前記蓄積装置識別情報は、前記蓄積装置のアドレスである。
【0030】
このように、蓄積装置に固有であり、かつたとえば第1の処理の内容の送信に標準的に用いることが可能な上記アドレスを蓄積装置識別情報とする構成により、第1の処理の内容の送信を確実かつ簡易に行うことができる。
【0031】
(8)本発明の実施の形態に係る管理方法は、記憶部を備える管理装置における管理方法であって、前記記憶部は、対象車両に搭載された機器を識別可能な機器識別情報と、前記機器用の更新データを蓄積する蓄積装置を認識可能な蓄積装置識別情報との対応関係であって、複数の前記機器および複数の前記蓄積装置についての前記対応関係を示す対応情報を記憶し、前記対応情報を前記記憶部から取得するステップと、取得した前記対応情報に基づいて各前記蓄積装置との所定の第1の処理を実行するステップとを含む。
【0032】
このように、機器識別情報が指定されると、対応情報に基づいて対象の蓄積装置を特定し、特定した対象の蓄積装置との所定の処理を実行する構成により、ユーザは、蓄積装置のアドレスを指定しなくても、機器識別情報を管理装置へ送信するだけで、当該蓄積装置に対する所定の処理、たとえば更新データの蓄積装置へのアップロードに関する処理を管理装置に実行させることができる。したがって、更新データを蓄積する蓄積装置を複数用いて複数の車載機器のデータ更新を行う構成において、ユーザの負担が重くなることを防ぐことができる。
【0033】
(9)本発明の実施の形態に係る管理プログラムは、記憶部を備える管理装置において用いられる管理プログラムであって、前記記憶部は、対象車両に搭載された機器を識別可能な機器識別情報と、前記機器用の更新データを蓄積する蓄積装置を認識可能な蓄積装置識別情報との対応関係であって、複数の前記機器および複数の前記蓄積装置についての前記対応関係を示す対応情報を記憶し、コンピュータを、前記対応情報に基づいて各前記蓄積装置との所定の第1の処理を実行する処理部、として機能させるためのプログラムである。
【0034】
このように、機器識別情報が指定されると、対応情報に基づいて対象の蓄積装置を特定し、特定した対象の蓄積装置との所定の処理を実行する構成により、ユーザは、蓄積装置のアドレスを指定しなくても、機器識別情報を管理装置へ送信するだけで、当該蓄積装置に対する所定の処理、たとえば更新データの蓄積装置へのアップロードに関する処理を管理装置に実行させることができる。したがって、更新データを蓄積する蓄積装置を複数用いて複数の車載機器のデータ更新を行う構成において、ユーザの負担が重くなることを防ぐことができる。
【0035】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0036】
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムの比較例の構成を示す図である。
【0037】
図1を参照して、比較例である管理システム300は、端末装置151と、ベンダサーバ(蓄積装置)181A,181B,181Cとを備える。以下、ベンダサーバ181A,181B,181Cの各々を、ベンダサーバ181とも称する。
【0038】
対象車両1は、外部からデータ更新可能な複数の機器を搭載する。具体的には、対象車両1は、たとえば、外部から更新可能なファームウェアに従って動作するECU(Electronic Control Unit)であるECU1〜ECU3を搭載する。
【0039】
端末装置151は、たとえば、画面を含むパーソナルコンピュータである。この例では、端末装置151のIPアドレスは、「10.1.1.x」である。
【0040】
端末装置151は、たとえば、対象車両1を製造したOEM(Original Equipment Manufacture)により管理される。
【0041】
OEMに属する担当者(以下、ユーザとも称する。)は、自己のOEMが製造した対象車両1に搭載されたECU1〜ECU3のファームウェア更新を管理する。ユーザは、たとえば、端末装置151を操作することにより、更新用のファームウェアFW1〜FW3をそれぞれベンダサーバ181A〜181Cへアップロードする。
【0042】
ベンダサーバ181は、たとえば、ファームウェアを配信するための仕組みを提供するOTA(On−The−Air)ベンダにより運営されるサーバであり、対象車両1の外部に設けられる。
【0043】
この例では、ベンダサーバ181A,181B,181Cは、それぞれOTAベンダA,OTAベンダB,OTAベンダCにより運営される。
【0044】
また、ベンダサーバ181は、自己を認識可能な蓄積装置認識情報の一例であるIPアドレスを有している。
【0045】
具体的には、ベンダサーバ181A,181B,181CのIPアドレスは、それぞれ「192.168.11.2」,「192.168.22.3」,「192.168.33.4」である。
【0046】
ベンダサーバ181は、対象車両1に搭載された機器用の更新データを蓄積する。具体的には、ベンダサーバ181は、たとえば、対象車両1に搭載されたECUに用いられるファームウェアを蓄積する。
【0047】
具体的には、ベンダサーバ181A〜181Cは、端末装置151によってアップロードされた更新用のファームウェアFW1〜FW3をそれぞれ蓄積する。
【0048】
ベンダサーバ181は、対象車両1と無線通信を行うことが可能であり、対象車両1に搭載されたECUに対して更新用のファームウェアをダウンロードさせることによりファームウェアを更新する。
【0049】
具体的には、ベンダサーバ181A〜181Cは、それぞれ対象車両1に搭載されたECU1〜ECU3に対して更新用のファームウェアFW1〜FW3をダウンロードさせることにより対応のファームウェアを更新する。
【0050】
なお、ベンダサーバ181は、対象車両1と有線通信を行うことによりECUのファームウェアを更新してもよい。
【0051】
図2〜
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムにおけるベンダサーバに対する第1の処理の一例を示す図である。
【0052】
図2〜
図4を参照して、複数のベンダサーバ181では、同じ第1の処理を実行するために与えるべき情報が異なるか、または同じ第1の処理を実行するためのユーザインタフェースが異なる。
【0053】
ここで、第1の処理は、たとえば、ログイン処理、アップロード処理、更新スケジュール登録処理、ECU登録処理、車両登録処理および更新状況取得処理等である。
【0054】
ログイン処理は、たとえばベンダサーバ181の認証を受けるための処理である。アップロード処理は、たとえばベンダサーバ181へファームウェアをアップロードするための処理である。更新スケジュール登録処理は、たとえば、ベンダサーバ181が対象車両1にファームウェアをダウンロードさせるスケジュールを登録するための処理である。ECU登録処理は、たとえば、ファームウェアの更新対象のECUの名称をベンダサーバ181に登録するための処理である。車両登録処理は、たとえば、車両IDとECU名と車種との対応関係をベンダサーバ181に登録するための処理である。更新状況取得処理は、たとえば、対象車両1に搭載されたECUにおけるファームウェアの更新状況をベンダサーバ181から取得するための処理である。
【0055】
たとえばログイン処理を実行するためにベンダサーバ181A〜181Cに対して与えるべき情報は、互いに異なる。
【0056】
詳細には、ベンダサーバ181A〜181Cは、互いに異なるWebAPI(Web Application Programming Interface)を実装している。
【0057】
より詳細には、ベンダサーバ181は、第1の処理ごとにURL(Uniform Resource Locator)を用意しており、たとえばhttp(Hypertext Transfer Protocol)プロトコルに従うリクエスト、レスポンスおよびポスト等のコマンドを当該URLにおいて受け付ける。
【0058】
ベンダサーバ181は、コマンドを受け付けた場合、受け付けたコマンドに基づいて、当該コマンドを受け付けたURLに対応する第1の処理を実行する。
【0059】
具体的には、
図2に示すように、ベンダサーバ181Aは、ログイン処理に対しては、httpプロトコルに従うhttpメソッドMETaおよびhttpボディBODYa等を含むhttpポストCOMaをログイン処理用のURLaにおいて受け付けることが可能である。
【0060】
図3に示すように、ベンダサーバ181Bは、ログイン処理に対しては、httpプロトコルに従うhttpメソッドMETbおよびhttpボディBODYb等を含むhttpポストCOMbをログイン処理用のURLbにおいて受け付けることが可能である。
【0061】
図4に示すように、ベンダサーバ181Cは、ログイン処理に対しては、httpプロトコルに従うhttpメソッドMETcおよびhttpボディBODYc等を含むhttpポストCOMcをログイン処理用のURLcにおいて受け付けることが可能である。
【0062】
また、アップロード処理、更新スケジュール登録処理およびECU登録処理を実行するためにベンダサーバ181A〜181Cに対して与えるべき情報も互いに異なる。
【0063】
ベンダサーバ181は、第1の処理の内容に応じたGUIを提供することが可能である。ここで、GUIは、パラメータ入力用の欄、当該欄を説明するための説明文、およびボタン等をWebブラウザに描画するためのユーザインタフェースである。
【0064】
ベンダサーバ181A〜181Cが提供するログイン処理用のGUI(Graphical User Interface)は、互いに異なる。
【0065】
より詳細には、ベンダサーバ181Aが提供するログイン処理用のGUIには、「”name”」、「”password”」および「”domain”」をそれぞれ入力するための欄、当該欄に対応する説明文、ならびに送信ボタン等が含まれる。
【0066】
また、ベンダサーバ181Bが提供するログイン処理用のGUIには、「”id”」、「”passwd”」および「”location”」をそれぞれ入力するための欄、当該欄に対応する説明文、ならびに送信ボタン等が含まれる。
【0067】
また、ベンダサーバ181Cが提供するログイン処理用のGUIには、「”username”」、「”password”」、「”timezone”」および「”domain”」をそれぞれ入力するための欄、当該欄に対応する説明文、ならびに送信ボタン等が含まれる。
【0068】
ベンダサーバ181A〜181Cがそれぞれ提供するログイン処理用のGUIにおいて、欄および説明文は、互いに異なる。
【0069】
また、ベンダサーバ181A〜181Cがそれぞれ提供するアップロード処理用のGUIも互いに異なる。また、ベンダサーバ181A〜181Cがそれぞれ提供する更新スケジュール登録処理用のGUIも互いに異なる。また、ベンダサーバ181A〜181Cがそれぞれ提供するECU登録処理用のGUIも互いに異なる。また、ベンダサーバ181A〜181Cがそれぞれ提供する車両登録処理用のGUIも互いに異なる。また、ベンダサーバ181A〜181Cがそれぞれ提供する更新状況取得処理のGUIも互いに異なる。
【0070】
なお、ベンダサーバ181A〜181Cは、GUIの代わりにCUI(character user interface)を提供してもよい。
【0071】
再び
図1を参照して、たとえば、ユーザが端末装置151をベンダサーバ181Aにログインさせる場合における端末装置151およびベンダサーバ181Aの動作について説明する。なお、ベンダサーバ181B,181Cの動作についても、パラメータの内容等を除いてベンダサーバ181Aと同様である。
【0072】
端末装置151における画面には、Webブラウザが表示されている。ユーザは、ログイン処理用のGUIの要求を示すhttpリクエストをベンダサーバ181Aにおけるログイン処理用のURLへ送信する操作をWebブラウザに対して行う。
【0073】
端末装置151は、ユーザの操作に従って、httpリクエストをベンダサーバ181Aにおけるログイン処理用のURLへ送信する。
【0074】
ベンダサーバ181Aは、端末装置151からhttpリクエストを受信すると、httpリクエストを受信したURL、および受信したhttpリクエストに基づいて、ログイン処理用のGUIを示すhttpレスポンスを作成して端末装置151へ送信する。
【0075】
端末装置151は、ベンダサーバ181Aからhttpレスポンスを受信すると、受信したhttpレスポンスに基づいて、ログイン処理用のGUIをWebブラウザに描画する。
【0076】
ユーザは、「”name”」、「”password”」および「”domain”」をそれぞれ入力するための欄に、「”OEM1”」、「”aaaaaaaa”」および「”OEM1−DOMAIN”」をそれぞれ入力する操作をWebブラウザに対して行う。そして、ユーザは、送信ボタンを選択する操作をWebブラウザに対して行う。
【0077】
端末装置151は、ユーザの操作に従って、
図2に示すhttpポストCOMaをベンダサーバ181AにおけるURLaへ送信する。
【0078】
ベンダサーバ181Aは、端末装置151からのhttpポストCOMaをURLaにおいて受信し、受信したhttpポストCOMaに基づいてログイン処理を実行する。
【0079】
なお、ベンダサーバ181A〜181Cにおいて、同じ第1の処理を実行するために与えるべき情報がそれぞれ異なり、かつ当該同じ第1の処理を実行するためのユーザインタフェースがそれぞれ異なる構成であるとしたが、これに限定するものではない。
【0080】
同じ第1の処理を実行するために与えるべき情報、および当該同じ第1の処理を実行するためのユーザインタフェースのいずれか一方が、いずれか2つのベンダサーバ181間において異なる構成であってもよい。
【0081】
[課題]
1つのファームウェアに従って動作する装置たとえばスマートホンに対しては、OEM等のファームウェア提供者は、ファームウェアのアップロードおよび更新を管理する1つのベンダサーバ181を用いてスマートホンのファームウェアを管理する。
【0082】
一方、
図1に示す対象車両1のように複数のファームウェアにそれぞれ従って動作するECUを備える装置に対しては、スマートホンの場合と異なり、OEMが複数のベンダサーバ181を用いて1台の対象車両1における複数のECUのファームウェアを管理する構成が考えられる。
【0083】
また、たとえば、OEMが複数の車種を管理する場合には、OEMが、車種ごとにベンダサーバ181を用意することで、複数の車種についてスマートホンのように対応のベンダサーバ181を用いて管理する構成が考えられる。
【0084】
ここで、車両Aが搭載する複数のECUのセットと同じセットを車両Bが搭載する場合、車両Aの車種および車両Bの車種は同じである。一方、車両Aが搭載する複数のECUセットと異なるセットを車両Bが搭載する場合、車両Aの車種および車両Bの車種は異なる。具体的には、車種は、たとえば、車両の名称または型式等である。
【0085】
このため、各ファームウェアを更新するためのベンダサーバ181が世界各地に点在する状況となり、OEMとしては管理面で非常に煩雑な作業を強いられる。
【0086】
具体的には、ファームウェアをベンダサーバ181にアップロードする場合において、ファームウェアごとにアップロード先を指定する必要があるため、ユーザの負担が重くなってしまう。
【0087】
また、上述したように、複数のベンダサーバ181からそれぞれ提供されるGUIが互いに異なるため、ユーザは当該複数のベンダサーバ181から提供されるすべてのGUIに習熟することが求められるため、ユーザの負担が重くなってしまう。
【0088】
また、スマートホンの場合では、1つのベンダサーバ181が1つのファームウェアを更新するので、スマートホンのファームウェアの更新状況を管理することが容易である。
【0089】
一方、管理システム300のように、複数のベンダサーバ181が1台の対象車両1における複数のECUのファームウェアの更新を行う場合、各ベンダサーバ181が、自己が管理しているファームウェアの更新状況を管理している一方で、車両全体の更新状況を一元的に管理することが難しい。
【0090】
そこで、本発明の実施の形態に係る管理システムでは、以下のような構成および動作により、このような課題を解決する。
【0091】
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムの構成を示す図である。
【0092】
図5を参照して、管理システム301は、端末装置151と、管理装置101と、ベンダサーバ181A,181B,181Cとを備える。
【0093】
管理システム301における端末装置151およびベンダサーバ181の動作は、
図1に示す管理システム300における端末装置151およびベンダサーバ181とそれぞれ同様である。
【0094】
なお、管理システム301は、3つのベンダサーバ181を備える構成に限らず、2つのベンダサーバ181または4つ以上のベンダサーバ181を備える構成であってもよい。
【0095】
管理装置101は、対象車両1に搭載されたECUのデータ更新に関する第2の処理用のGUIを端末装置151に提供する。なお、管理装置101は、端末装置151に対して第2の処理用のCUIを提供してもよい。
【0096】
ここで、第2の処理は、第1の処理に相当する処理であり、具体的には、ログイン処理、アップロード処理、更新スケジュール登録処理、ECU登録処理、車両登録処理および更新状況取得処理等である。
【0097】
管理装置101が提供するECU登録処理用のGUIには、登録対象のECUの名称、当該ECUを搭載する対象車両1の車種、および契約している登録先のOTAベンダの名称をそれぞれ入力するための欄、当該欄に対応する説明文、ならびに送信ボタン等が含まれる。
【0098】
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムにおける管理装置の構成を示す図である。
【0099】
図6を参照して、管理装置101は、通信部21と、処理部22と、記憶部23とを備える。
【0100】
管理装置101における通信部21は、端末装置151およびベンダサーバ181と有線通信を行う。なお、通信部21は、端末装置151およびベンダサーバ181の少なくともいずれか一方と無線通信を行う構成であってもよい。
【0101】
記憶部23は、たとえば、対象車両1に搭載された機器を識別可能な機器識別情報と、当該機器用の更新データを蓄積するベンダサーバ181を認識可能な蓄積装置識別情報と、第1の処理を認識可能な情報(以下、テンプレート情報とも称する。)との対応関係であって、複数の機器および複数のベンダサーバ181についての対応関係を示す対応情報を記憶する。
【0102】
具体的には、記憶部23は、対応情報の一例として、第2の処理を認識可能な情報と蓄積装置識別情報とテンプレート情報との対応関係を示すテンプレートテーブル、および機器識別情報と蓄積装置識別情報との対応関係を示すルーティングテーブルを保持する。これらのテーブルの詳細については後述する。
【0103】
テンプレートテーブルの内容は、たとえば、管理装置101の管理者により記憶部23に登録される。ルーティングテーブルの内容は、たとえば、管理装置101により登録される。
【0104】
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る管理装置における記憶部に登録されるテンプレートテーブルの一例を示す図である。
【0105】
図7を参照して、記憶部23は、第2の処理を認識可能な情報と、自己の管理装置101が管理可能なベンダサーバ181を運営するベンダの名称と、蓄積装置識別情報の一例である、当該ベンダサーバ181のIPアドレスすなわち宛先IPアドレスと、第2の処理に対応する第1の処理用のテンプレートとの対応関係を示すテンプレートテーブルTT1を保持する。
【0106】
第1の処理用のテンプレートは、第1の処理に応じたコマンドのテンプレートである。
【0107】
具体的には、第2の処理および宛先IPアドレスがそれぞれ「ログイン処理」および「192.168.11.2」である場合における第1の処理用テンプレートは、
図2に示すhttpポストCOMaのhttpボディBODYaにおいて「”OEM1”」、「”aaaaaaaa”」および「”OEM1−DOMAIN”」の領域を空欄にしたテンプレートTLaである。
【0108】
テンプレートテーブルTT1における他の第1の処理用テンプレートも、テンプレートTLaと同様である。
【0109】
なお、第2の処理を認識可能な情報は、ログイン処理等の処理の名称に限らず、処理に対応するURL等であってもよい。
【0110】
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る管理装置における記憶部が保持するルーティングテーブルの一例を示す図である。
【0111】
図8を参照して、記憶部23は、車種およびECU名を示す判定識別子と、宛先IPアドレスと、ベンダの名称との対応関係を示すルーティングテーブルRT1aを保持する。判定識別子の示すECU名は、機器識別情報の一例である。
【0112】
[動作の流れ]
管理システム301における各装置は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のシーケンス図またはフローチャートの各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリからそれぞれ読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
【0113】
[ECU登録処理]
図9は、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムにおいて、端末装置によってECUがベンダサーバに登録される際のシーケンスの一例を示す図である。
【0114】
図6および
図9を参照して、まず、ユーザは、ECU登録処理用のGUIの要求を示すhttpリクエストを管理装置101におけるECU登録処理用のURLへ送信する操作を、端末装置151の画面に表示されたWebブラウザに対して行う(ステップS102)。
【0115】
次に、端末装置151は、ユーザの操作に従って、ECU登録処理用のURL宛の上記httpリクエストを作成し、作成したhttpリクエストを管理装置101へ送信する(ステップS104)。
【0116】
より詳細には、端末装置151は、当該httpリクエストを含むIPパケットを作成し、作成したIPパケットを管理装置101へ送信する。
【0117】
当該IPパケットには、差出元IPアドレスおよび宛先IPアドレスとして、端末装置151のIPアドレス、および管理装置101のIPアドレスがそれぞれ含まれる。
【0118】
次に、管理装置101は、端末装置151からhttpリクエストを受信すると、受信したhttpリクエストに従って、ECU登録処理用のGUIを示すhttpレスポンスを作成し、作成したhttpレスポンスを端末装置151へ送信する(ステップS106)。
【0119】
より詳細には、通信部21は、端末装置151からIPパケットを受信すると、受信したIPパケットからhttpリクエストを取り出し、取り出したhttpリクエストを処理部22へ出力する。
【0120】
処理部22は、通信部21からhttpリクエストを受けると、受けたhttpリクエストの宛先URLに基づいてECU登録処理を認識し、ECU登録処理用のGUIの内容をhttpボディに含むhttpレスポンスを作成する。処理部22は、作成したhttpレスポンスを通信部21経由で端末装置151へ送信する。
【0121】
次に、端末装置151は、管理装置101からhttpレスポンスを受信すると、受信したhttpレスポンスに基づいて、ECU登録処理用のGUIをWebブラウザに描画する(ステップS108)。
【0122】
次に、ユーザは、たとえば、登録対象のECUの名称、当該ECUを搭載する対象車両1の車種を示す車種情報、契約している登録先のOTAベンダの名称、および当該OTAベンダが運営するベンダサーバ181のIPアドレスをECUごとに入力する操作をWebブラウザに対して行う。そして、ユーザは、送信ボタンを選択する操作をWebブラウザに対して行う(ステップS110)。
【0123】
より詳細には、ユーザは、「ECU1」、「車種α」、「OTAベンダA」および「192.168.11.2」と「ECU2」、「車種α」、「OTAベンダB」および「192.168.22.3」と「ECU3」、「車種α」、「OTAベンダC」および「192.168.33.4」とを入力する操作をWebブラウザに対して行う。
【0124】
次に、端末装置151は、ユーザの操作に従って、管理装置101におけるECU登録処理用のURL宛のhttpポストを作成し、作成したhttpポストを管理装置101へ送信する(ステップS112)。
【0125】
より詳細には、端末装置151は、ユーザの操作により入力された各情報をhttpボディに含むhttpポストを作成する。
【0126】
端末装置151は、当該httpポストを含むIPパケットを作成し、作成したIPパケットを管理装置101へ送信する。
【0127】
次に、管理装置101は、端末装置151からhttpポストを受信すると、受信したhttpポストに基づいて、ECU1用のファームウェアの送信先、ECU2用のファームウェアの送信先、およびECU3用のファームウェアの送信先をルーティングテーブルRT1a(
図8参照)に登録する(ステップS114)。
【0128】
より詳細には、管理装置101における通信部21は、たとえば、第2の処理の内容とECUを識別可能な情報(以下、機器指定情報とも称する。)とを含む入力情報を取得する。
【0129】
具体的には、通信部21は、httpポストを含むIPパケットを入力情報として受信する。ここで、httpポストに含まれるECU登録処理用のURL、ECUの名称および車種情報が、第2の処理の内容の一例である。また、当該httpポストに含まれるECUの名称が、機器指定情報の一例である。
【0130】
通信部21は、受信したIPパケットからhttpポストを取得し、取得したhttpポストを処理部22へ出力する。
【0131】
処理部22は、通信部21からhttpポストを受けると、受けたhttpポストからECUの名称、車種情報、登録先のOTAベンダの名称およびベンダサーバ181AのIPアドレスを取得し、取得した各情報をルーティングテーブルRT1aに登録する。
【0132】
次に、処理部22は、対応情報に基づいて各ベンダサーバ181との所定の処理を実行する(ステップS116)。
【0133】
詳細には、処理部22は、たとえば、対応情報に基づいて、通信部21によって取得された機器指定情報に対応するベンダサーバ181に対して入力情報の示す第2の処理に対応する第1の処理を実行する。
【0134】
より詳細には、処理部22は、端末装置151からのhttpポストに基づいて、ベンダサーバ181Aに適合したコマンド、ベンダサーバ181Bに適合したコマンドおよびベンダサーバ181Cに適合したコマンドを作成する。
【0135】
具体的には、処理部22は、httpポストの宛先URLに基づいて、第2の処理が「ECU登録処理」であることを認識する。
【0136】
処理部22は、テンプレートテーブルTT1(
図7参照)を参照し、「ECU登録処理」および「192.168.11.2」に対応するテンプレートTRa、「ECU登録処理」および「192.168.22.3」に対応するテンプレートTRb、ならびに「ECU登録処理」および「192.168.33.4」に対応するテンプレートTRcをテンプレートテーブルTT1から取得する。
【0137】
処理部22は、取得したテンプレートTRaに対してECUの名称および車種情報、ならびにその他必要な情報を書き込むことで、ベンダサーバ181Aに適合したhttpポスト(以下、適合後httpポストPtaとも称する。)を作成する。
【0138】
また、処理部22は、テンプレートTRb,TRcに基づいて、適合後httpポストPtaと同様の、ベンダサーバ181Bおよび181Cにそれぞれ適合した適合後httpポストPtbおよびPtcを作成する。
【0139】
処理部22は、ルーティングテーブルRT1aを参照し、「車種α」および「ECU1」に対応する「192.168.11.2」に宛先を指定して、作成した適合後httpポストPtaを通信部21へ出力する。
【0140】
同様に、処理部22は、ECU名「ECU2」および「ECU3」にそれぞれ対応する「192.168.22.3」および「192.168.33.4」に宛先を指定して、作成した適合後httpポストPtbおよびPtcを通信部21へ出力する。
【0141】
次に、管理装置101は、適合後httpポストPtaをベンダサーバ181Aへ送信する(ステップS118)。
【0142】
より詳細には、管理装置101における通信部21は、処理部22から適合後httpポストPtaを受けると、受けた適合後httpポストPtaを含み、かつ宛先IPアドレスが「192.168.11.2」であるIPパケットを作成し、作成したIPパケットをベンダサーバ181Aへ送信する。
【0143】
次に、ベンダサーバ181Aは、管理装置101から適合後httpポストPtaを受信すると、受信した適合後httpポストPtaに基づいて、ECUの名称および車種情報を登録する(ステップS120)。
【0144】
次に、ベンダサーバ181Aは、たとえば登録が成功したことを示す応答情報を管理装置101へ送信する(ステップS122)。
【0145】
次に、管理装置101は、ベンダサーバ181Aから応答情報を受信すると、受信した応答情報の内容を認識するとともに、適合後httpポストPtbをベンダサーバ181Bへ送信する(ステップS124)。
【0146】
次に、ベンダサーバ181Bは、管理装置101から適合後httpポストPtbを受信すると、受信した適合後httpポストPtbに基づいて、ECUの名称および車種情報を登録する(ステップS126)。
【0147】
次に、ベンダサーバ181Bは、たとえば登録が成功したことを示す応答情報を管理装置101へ送信する(ステップS128)。
【0148】
次に、管理装置101は、ベンダサーバ181Bから応答情報を受信すると、受信した応答情報の内容を認識するとともに、適合後httpポストPtcをベンダサーバ181Cへ送信する(ステップS130)。
【0149】
次に、ベンダサーバ181Cは、管理装置101から適合後httpポストPtcを受信すると、受信した適合後httpポストPtcに基づいて、ECUの名称および車種情報を登録する(ステップS132)。
【0150】
次に、ベンダサーバ181Cは、たとえば登録が成功したことを示す応答情報を管理装置101へ送信する(ステップS134)。
【0151】
次に、管理装置101は、ベンダサーバ181Cから応答情報を受信すると、受信した応答情報の内容を認識するとともに、ベンダサーバ181A〜181Cからそれぞれ受信した応答情報の内容をまとめた応答情報を端末装置151へ送信する(ステップS136)。
【0152】
なお、ルーティングテーブルRT1aの内容は、上述のシーケンスにより登録される構成に限らず、管理装置101の管理者が手動で登録してもよい。
【0153】
また、管理装置101は、ベンダサーバ181A〜181Cへのログイン処理が行われていない場合、上記ステップS114とS116との間、または上記ステップS116とS118との間において、認証処理が完了していない旨の応答情報を端末装置151へ送信することによりユーザに後述するログイン処理を行わせた後、適合後httpポストPtaをベンダサーバ181Aへ送信する(ステップS118)。
【0154】
また、上記シーケンスにおいて、ECU1〜ECU3が一括して登録されたが、これに限定するものではない。ECU1〜ECU3が1つずつ順番に登録されてもよい。
【0155】
[ログイン処理]
図10は、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムにおいて管理装置がベンダサーバにログインする際のシーケンスの一例を示す図である。
【0156】
図10を参照して、まず、ユーザは、ログイン処理用のGUIの要求を示すhttpリクエストを管理装置101におけるログイン処理用のURLへ送信する操作を、端末装置151の画面に表示されたWebブラウザに対して行う(ステップS202)。
【0157】
次に、端末装置151は、ユーザの操作に従って、ログイン処理用のURL宛の上記httpリクエストを作成し、作成したhttpリクエストを管理装置101へ送信する(ステップS204)。
【0158】
次に、管理装置101は、端末装置151からhttpリクエストを受信すると、受信したhttpリクエストに従って、ログイン処理用のGUIを示すhttpレスポンスを作成し、作成したhttpレスポンスを端末装置151へ送信する(ステップS206)。
【0159】
ログイン処理用のGUIは、たとえば、
図5に示すパラメータセットSet1、登録対象のECUの名称、および当該ECUを搭載する対象車両1の車種を入力するためのユーザインタフェースである。当該GUIには、「user」、「password」、「domain」および「location」をそれぞれ入力するための欄、当該欄に対応する説明文、ならびに送信ボタン等が含まれる。
【0160】
また、当該GUIには、さらに、ECUの名称および車種を入力するための複数の判定識別子入力欄、および判定識別子入力欄に対応する説明文が含まれる。
【0161】
次に、端末装置151は、管理装置101からhttpレスポンスを受信すると、受信したhttpレスポンスに基づいて、ログイン処理用のGUIをWebブラウザに描画する(ステップS208)。
【0162】
次に、ユーザは、Webブラウザに対して入力操作を行う(ステップS210)。より詳細には、ユーザは、「user」、「password」、「domain」および「location」をそれぞれ入力するための欄に、「OEM1」、「aaaaaaaa」、「OEM1−DOMAIN」および「Asia/Tokyo」をそれぞれ入力する操作をWebブラウザに対して行う。
【0163】
また、ユーザは、ログイン先を指定するために、3つの判定識別子入力欄に、「ECU1」および「車種α」、「ECU2」および「車種α」、ならびに「ECU3」および「車種α」をそれぞれ入力する操作をWebブラウザに対して行う。そして、ユーザは、送信ボタンを選択する操作をWebブラウザに対して行う。
【0164】
次に、端末装置151は、ユーザの操作に従って、管理装置101におけるログイン処理用のURL宛のhttpポストを作成し、作成したhttpポストを管理装置101へ送信する(ステップS212)。
【0165】
より詳細には、端末装置151は、ユーザの操作により入力された各情報をhttpボディに含むhttpポストを作成する。
【0166】
端末装置151は、当該httpポストを含むIPパケットを作成し、作成したIPパケットを管理装置101へ送信する。
【0167】
次に、管理装置101は、端末装置151からIPパケットを受信すると、受信したIPパケットに含まれるECUの名称および車種に対応するベンダサーバ181のIPアドレスを取得する(ステップS214)。
【0168】
より詳細には、管理装置101における通信部21は、端末装置151から受信したIPパケットからhttpポストを取得し、取得したhttpポストを処理部22へ出力する。
【0169】
処理部22は、通信部21からhttpポストを受けると、ルーティングテーブルRT1a(
図8参照)を参照し、当該httpポストに含まれるECUの名称および車種の各組に対応するベンダサーバ181のIPアドレスとして「192.168.11.2」、「192.168.22.3」および「192.168.33.4」を取得する。
【0170】
次に、管理装置101は、端末装置151からのhttpポストに基づいて、ベンダサーバ181Aに適合したコマンド、ベンダサーバ181Bに適合したコマンドおよびベンダサーバ181Cに適合したコマンドを作成する(ステップS216)。
【0171】
より詳細には、処理部22は、httpポストの宛先URLに基づいて、第2の処理が「ログイン処理」であることを認識する。
【0172】
処理部22は、テンプレートテーブルTT1(
図7参照)を参照し、「ログイン処理」および「192.168.11.2」に対応するテンプレートTLa、「ログイン処理」および「192.168.22.3」に対応するテンプレートTLb、ならびに「ログイン処理」および「192.168.33.4」に対応するテンプレートTLcをテンプレートテーブルTT1から取得する。
【0173】
処理部22は、取得したテンプレートTLaに対してユーザ名、パスワードおよびドメイン名を書き込むことで、ベンダサーバ181Aに適合した適合後httpポストPtaすなわちhttpポストCOMa(
図2参照)を作成する。
【0174】
また、処理部22は、テンプレートTLb,TLcに基づいて、適合後httpポストPtaと同様の、ベンダサーバ181Bおよび181Cにそれぞれ適合した適合後httpポストPtbおよびPtcを作成する。ここで、適合後httpポストPtbおよびPtcは、それぞれhttpポストCOMbおよびCOMcである(
図3および
図4参照)。
【0175】
処理部22は、ルーティングテーブルRT1aを参照し、「車種α」および「ECU1」に対応する「192.168.11.2」に宛先を指定して、作成した適合後httpポストPtaを通信部21へ出力する。
【0176】
次に、管理装置101は、適合後httpポストPtaをベンダサーバ181Aへ送信する(ステップS218)。
【0177】
より詳細には、管理装置101における通信部21は、処理部22から適合後httpポストPtaを受けると、受けた適合後httpポストPtaを含み、かつ宛先IPアドレスが「192.168.11.2」であるIPパケットを作成し、作成したIPパケットをベンダサーバ181Aへ送信する。
【0178】
次に、ベンダサーバ181Aは、管理装置101から適合後httpポストPtaを受信すると、受信した適合後httpポストPtaに基づいて、管理装置101を認証する(ステップS220)。
【0179】
次に、ベンダサーバ181Aは、たとえば認証が成功したことを示す応答情報を管理装置101へ送信する(ステップS222)。
【0180】
次に、管理装置101は、ベンダサーバ181Aから応答情報を受信すると、受信した応答情報の内容を認識するとともに、適合後httpポストPtbをベンダサーバ181Bへ送信する(ステップS224)。
【0181】
次に、ベンダサーバ181Bは、管理装置101から適合後httpポストPtbを受信すると、受信した適合後httpポストPtbに基づいて、管理装置101を認証する(ステップS226)。
【0182】
次に、ベンダサーバ181Bは、たとえば認証が成功したことを示す応答情報を管理装置101へ送信する(ステップS228)。
【0183】
次に、管理装置101は、ベンダサーバ181Bから応答情報を受信すると、受信した応答情報の内容を認識するとともに、適合後httpポストPtcをベンダサーバ181Cへ送信する(ステップS230)。
【0184】
次に、ベンダサーバ181Cは、管理装置101から適合後httpポストPtcを受信すると、受信した適合後httpポストPtcに基づいて、管理装置101を認証する(ステップS232)。
【0185】
次に、ベンダサーバ181Cは、たとえば認証が成功したことを示す応答情報を管理装置101へ送信する(ステップS234)。
【0186】
次に、管理装置101は、ベンダサーバ181Cから応答情報を受信すると、受信した応答情報の内容を認識するとともに、ベンダサーバ181A〜181Cからそれぞれ受信した応答情報の内容をまとめた応答情報を端末装置151へ送信する(ステップS236)。
【0187】
なお、上記シーケンスにおいて、端末装置151は、ベンダサーバ181A〜181Cに一括してログインする構成であるとしたが、これに限定するものではない。端末装置151は、ベンダサーバ181A〜181Cに1つずつ順番にログインする構成であってもよい。
【0188】
[アップロード処理]
図11は、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムにおいて、管理装置がベンダサーバにファームウェアをアップロードする際のシーケンスの一例を示す図である。
【0189】
図11を参照して、まず、ユーザは、アップロード処理用のGUIの要求を示すhttpリクエストを管理装置101におけるアップロード処理用のURLへ送信する操作を、端末装置151の画面に表示されたWebブラウザに対して行う(ステップS302)。
【0190】
次に、端末装置151は、ユーザの操作に従って、アップロード処理用のURL宛のhttpリクエストを作成し、作成したhttpリクエストを管理装置101へ送信する(ステップS304)。
【0191】
次に、管理装置101は、端末装置151からhttpリクエストを受信すると、受信したhttpリクエストに従って、アップロード処理用のGUIを示すhttpレスポンスを作成し、作成したhttpレスポンスを端末装置151へ送信する(ステップS306)。
【0192】
アップロード処理用のGUIには、たとえば、登録対象のECUの名称、および当該ECUを搭載する対象車両1の車種を入力するための複数の判定識別子入力欄、ファームウェアのファイルパスをそれぞれ入力するための欄であって判定識別子入力欄に対応して設けられるファイルパス入力欄、各欄に対応する説明文、ならびに送信ボタン等が含まれる。
【0193】
次に、端末装置151は、管理装置101からhttpレスポンスを受信すると、受信したhttpレスポンスに基づいて、アップロード処理用のGUIをWebブラウザに描画する(ステップS308)。
【0194】
次に、ユーザは、Webブラウザに対して入力操作を行う(ステップS310)。より詳細には、ユーザは、ファームウェアのアップロード先を指定するために、3つの判定識別子入力欄に、「ECU1」および「車種α」、「ECU2」および「車種α」、ならびに「ECU3」および「車種α」をそれぞれ入力する操作をWebブラウザに対して行う。
【0195】
また、ユーザは、ファームウェアファイルを指定するために、「ECU1」および「車種α」が入力された判定識別子入力欄に対応するファイルパス入力欄に、「c:¥firmware¥supplier−a−firm1.exe」を入力する操作をWebブラウザに対して行う。
【0196】
また、ユーザは、ファームウェアファイルを指定するために、「ECU2」および「車種β」が入力された判定識別子入力欄に対応するファイルパス入力欄に、「c:¥firmware¥supplier−b−FW.exe」を入力する操作をWebブラウザに対して行う。
【0197】
また、ユーザは、ファームウェアファイルを指定するために、「ECU3」および「車種γ」が入力された判定識別子入力欄に対応するファイルパス入力欄に、「c:¥firmware¥supplier−c−firm−x.exe」を入力する操作をWebブラウザに対して行う。そして、ユーザは、送信ボタンを選択する操作をWebブラウザに対して行う。
【0198】
次に、端末装置151は、ユーザの操作に従って、管理装置101におけるアップロード処理用のURL宛のhttpポストを作成し、作成したhttpポストを管理装置101へ送信する(ステップS312)。
【0199】
より詳細には、端末装置151は、ユーザの操作に基づいて、ECUの名称、対象車両1の車種、およびファームウェアファイルをhttpボディに含むhttpポストを作成する。
【0200】
端末装置151は、当該httpポストを含むIPパケットを作成し、作成したIPパケットを管理装置101へ送信する。
【0201】
次に、管理装置101は、端末装置151からIPパケットを受信すると、受信したIPパケットに含まれるECUの名称および車種に対応するベンダサーバ181のIPアドレスを取得する(ステップS314)。
【0202】
より詳細には、管理装置101における通信部21は、たとえば機器識別情報および更新データを取得する。
【0203】
具体的には、通信部21は、端末装置151からIPパケットを受信すると、受信したIPパケットに含まれるhttpポストを処理部22へ出力する。
【0204】
処理部22は、通信部21からhttpポストを受けると、ルーティングテーブルRT1a(
図8参照)を参照し、当該httpポストに含まれるECUの名称および車種に対応するベンダサーバ181のIPアドレスとして「192.168.11.2」、「192.168.22.3」および「192.168.33.4」を取得する。
【0205】
次に、管理装置101は、端末装置151からのhttpポストに基づいて、ベンダサーバ181Aに適合したコマンド、ベンダサーバ181Bに適合したコマンドおよびベンダサーバ181Cに適合したコマンドを作成する(ステップS316)。
【0206】
詳細には、管理装置101における処理部22は、たとえば、対応情報に基づいて、通信部21によって取得された機器識別情報に対応するベンダサーバ181へ、通信部21によって取得された更新データを送信するための処理を行う。
【0207】
より詳細には、処理部22は、httpポストの宛先URLに基づいて、第2の処理が「アップロード処理」であることを認識する。
【0208】
処理部22は、テンプレートテーブルTT1(
図7参照)を参照し、「アップロード処理」および「192.168.11.2」に対応するテンプレートTUa、「アップロード処理」および「192.168.22.3」に対応するテンプレートTUb、ならびに「アップロード処理」および「192.168.33.4」に対応するテンプレートTUcをテンプレートテーブルTT1から取得する。
【0209】
処理部22は、取得したテンプレートTUaに対して、httpポストに基づく必要な情報を書き込むことで、ファームウェアファイルを含み、かつベンダサーバ181Aに適合した適合後httpポストPtaを作成する。
【0210】
また、処理部22は、テンプレートTUb,TUcに基づいて、適合後httpポストPtaと同様の、対応のファームウェアを含み、かつベンダサーバ181Bおよび181Cにそれぞれ適合した適合後httpポストPtbおよびPtcを作成する。
【0211】
処理部22は、ルーティングテーブルRT1aを参照し、「車種α」および「ECU1」に対応する「192.168.11.2」に宛先を指定して、作成した適合後httpポストPtaを通信部21へ出力する。
【0212】
次に、管理装置101は、適合後httpポストPtaをベンダサーバ181Aへ送信する(ステップS318)。
【0213】
より詳細には、管理装置101における通信部21は、処理部22から適合後httpポストPtaを受けると、受けた適合後httpポストPtaを含み、かつ宛先IPアドレスが「192.168.11.2」であるIPパケットを作成し、作成したIPパケットをベンダサーバ181Aへ送信する。
【0214】
次に、ベンダサーバ181Aは、管理装置101から適合後httpポストPtaを受信すると、受信した適合後httpポストPtaに基づいて、ファームウェアファイル、具体的には「supplier−a−firm1.exe」を蓄積すなわち登録する(ステップS320)。
【0215】
次に、ベンダサーバ181Aは、たとえば登録が成功したことを示す応答情報を管理装置101へ送信する(ステップS322)。
【0216】
次に、管理装置101は、ベンダサーバ181Aから応答情報を受信すると、受信した応答情報の内容を認識するとともに、適合後httpポストPtbをベンダサーバ181Bへ送信する(ステップS324)。
【0217】
次に、ベンダサーバ181Bは、管理装置101から適合後httpポストPtbを受信すると、受信した適合後httpポストPtbに基づいて、ファームウェアファイル、具体的には「supplier−b−FW.exe」を登録する(ステップS326)。
【0218】
次に、ベンダサーバ181Bは、たとえば登録が成功したことを示す応答情報を管理装置101へ送信する(ステップS328)。
【0219】
次に、管理装置101は、ベンダサーバ181Bから応答情報を受信すると、受信した応答情報の内容を認識するとともに、適合後httpポストPtcをベンダサーバ181Cへ送信する(ステップS330)。
【0220】
次に、ベンダサーバ181Cは、管理装置101から適合後httpポストPtcを受信すると、受信した適合後httpポストPtcに基づいて、ファームウェアファイル、具体的には「supplier−c−firm−x.exe」を登録する(ステップS332)。
【0221】
次に、ベンダサーバ181Cは、たとえば登録が成功したことを示す応答情報を管理装置101へ送信する(ステップS334)。
【0222】
次に、管理装置101は、ベンダサーバ181Cから応答情報を受信すると、受信した応答情報の内容を認識するとともに、ベンダサーバ181A〜181Cからそれぞれ受信した応答情報の内容をまとめた応答情報を端末装置151へ送信する(ステップS336)。
【0223】
なお、上記シーケンスにおいて、端末装置151は、ベンダサーバ181A〜181Cにファームウェアを一括して登録する構成であるとしたが、これに限定するものではない。端末装置151は、ベンダサーバ181A〜181Cに1つずつ順番にファームウェアを登録する構成であってもよい。
【0224】
[管理システム301の変形例]
図12は、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムの変形例の構成を示す図である。
【0225】
図12を参照して、管理システム301の変形例では、ベンダサーバ181は、対象車両1におけるECUのファームウェアの更新状況を示す更新情報を当該対象車両1から取得することが可能である。
【0226】
図13は、本発明の第1の実施の形態に係る管理装置における記憶部が保持する車両IDテーブルの一例を示す図である。
【0227】
図13を参照して、管理装置101における記憶部23は、たとえば、車両を識別可能な車両識別情報と機器識別情報と蓄積装置識別情報との対応関係を示す対応情報を記憶する。
【0228】
具体的には、記憶部23は、対応情報の一例として、車両の種類と車両のIDとの対応関係を示す車両IDテーブルIT1、テンプレートテーブルTT1(
図7参照)およびルーティングテーブルRT1a(
図8参照)を保持する。車両のIDは、車両識別情報の一例である。
【0229】
[車両登録処理]
図14は、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムにおいて、端末装置によって車両IDがベンダサーバに登録される際のシーケンスの一例を示す図である。
【0230】
図14を参照して、まず、ユーザは、車両登録処理用のGUIの要求を示すhttpリクエストを管理装置101における車両登録処理用のURLへ送信する操作を、端末装置151の画面に表示されたWebブラウザに対して行う(ステップS402)。
【0231】
次に、端末装置151は、ユーザの操作に従って、車両登録処理用のURL宛の上記httpリクエストを作成し、作成したhttpリクエストを管理装置101へ送信する(ステップS404)。
【0232】
次に、管理装置101は、端末装置151からhttpリクエストを受信すると、受信したhttpリクエストに従って、車両登録処理用のGUIを示すhttpレスポンスを作成し、作成したhttpレスポンスを端末装置151へ送信する(ステップS406)。
【0233】
次に、端末装置151は、管理装置101からhttpレスポンスを受信すると、受信したhttpレスポンスに基づいて、車両登録処理用のGUIをWebブラウザに描画する(ステップS408)。
【0234】
次に、ユーザは、たとえば、車両ID、当該車両IDを有する車両の種類、および当該車両に搭載されるECUの名称を車両IDごとに入力する操作をWebブラウザに対して行う。そして、ユーザは、入力した情報を送信するための操作をWebブラウザに対して行う(ステップS410)。
【0235】
次に、端末装置151は、ユーザの操作に従って、管理装置101における車両登録処理用のURL宛のhttpポストを作成し、作成したhttpポストを管理装置101へ送信する(ステップS412)。
【0236】
より詳細には、端末装置151は、ユーザの操作により入力された各情報をhttpボディに含むhttpポストを作成し、作成したhttpポストを管理装置101へ送信する。
【0237】
次に、管理装置101は、端末装置151からhttpポストを受信すると、受信したhttpポストに基づいて、車両の種類および車両のIDを記憶部23における車両IDテーブルIT1(
図13参照)に登録する(ステップS413)。
【0238】
次に、管理装置101は、ルーティングテーブルRT1a(
図8参照)を参照し、受信したhttpポストに含まれるECUの名称および車種に対応するベンダサーバ181のIPアドレスを取得する(ステップS414)。
【0239】
次に、管理装置101は、端末装置151からのhttpポストに基づいて、ベンダサーバ181Aに適合したコマンド、ベンダサーバ181Bに適合したコマンドおよびベンダサーバ181Cに適合したコマンドを作成する(ステップS416)。
【0240】
より詳細には、管理装置101における処理部22は、httpポストの宛先URLに基づいて、第2の処理が「車両登録処理」であることを認識する。
【0241】
処理部22は、テンプレートテーブルTT1(
図7参照)を参照し、「車両登録処理」および「192.168.11.2」に対応するテンプレートTCa、「車両登録処理」および「192.168.22.3」に対応するテンプレートTCb、ならびに「車両登録処理」および「192.168.33.4」に対応するテンプレートTCcをテンプレートテーブルTT1から取得する。
【0242】
処理部22は、取得したテンプレートTCaに対して、「ECU1」、「車種α」および対応の車両IDを書き込むことで、ベンダサーバ181Aに適合した適合後httpポストPtaを作成する。
【0243】
また、処理部22は、テンプレートTCb,TCcに基づいて、適合後httpポストPtaと同様の、ベンダサーバ181Bおよび181Cにそれぞれ適合した適合後httpポストPtbおよびPtcを作成する。
【0244】
次に、管理装置101は、適合後httpポストPtaをベンダサーバ181Aへ送信する(ステップS418)。
【0245】
次に、ベンダサーバ181Aは、管理装置101から適合後httpポストPtaを受信すると、受信した適合後httpポストPtaに基づいて、車両IDを「ECU1」および「車種α」に対応付けて登録する(ステップS420)。
【0246】
次に、ベンダサーバ181Aは、たとえば登録が成功したことを示す応答情報を管理装置101へ送信する(ステップS422)。
【0247】
次に、管理装置101は、ベンダサーバ181Aから応答情報を受信すると、受信した応答情報の内容を認識するとともに、適合後httpポストPtbをベンダサーバ181Bへ送信する(ステップS424)。
【0248】
次に、ベンダサーバ181Bは、管理装置101から適合後httpポストPtbを受信すると、受信した適合後httpポストPtbに基づいて、車両IDを「ECU2」および「車種α」に対応付けて登録する(ステップS426)。
【0249】
次に、ベンダサーバ181Bは、たとえば登録が成功したことを示す応答情報を管理装置101へ送信する(ステップS428)。
【0250】
次に、管理装置101は、ベンダサーバ181Bから応答情報を受信すると、受信した応答情報の内容を認識するとともに、適合後httpポストPtcをベンダサーバ181Cへ送信する(ステップS430)。
【0251】
次に、ベンダサーバ181Cは、管理装置101から適合後httpポストPtcを受信すると、受信した適合後httpポストPtcに基づいて、車両IDを「ECU3」および「車種α」に対応付けて登録する(ステップS432)。
【0252】
次に、ベンダサーバ181Cは、たとえば登録が成功したことを示す応答情報を管理装置101へ送信する(ステップS434)。
【0253】
次に、管理装置101は、ベンダサーバ181Cから応答情報を受信すると、受信した応答情報の内容を認識するとともに、ベンダサーバ181A〜181Cからそれぞれ受信した応答情報の内容をまとめた応答情報を端末装置151へ送信する(ステップS436)。
【0254】
なお、車両IDテーブルIT1の内容は、上述のシーケンスにより登録される構成に限らず、管理装置101の管理者が手動で登録してもよい。
【0255】
また、上記シーケンスにおいて、端末装置151は、ベンダサーバ181A〜181Cに車両IDを一括して登録する構成であるとしたが、これに限定するものではない。端末装置151は、ベンダサーバ181A〜181Cに1つずつ順番に車両IDを登録する構成であってもよい。
【0256】
[更新状況取得処理]
図15は、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムにおいて、管理装置が車両におけるファームウェアの更新状況をベンダサーバから取得する際のシーケンスの一例を示す図である。
【0257】
図15を参照して、まず、ユーザは、更新状況取得処理用のGUIの要求を示すhttpリクエストを管理装置101における更新状況取得処理用のURLへ送信する操作を、端末装置151の画面に表示されたWebブラウザに対して行う(ステップS502)。
【0258】
次に、端末装置151は、ユーザの操作に従って、更新状況取得処理用のURL宛のhttpリクエストを作成し、作成したhttpリクエストを管理装置101へ送信する(ステップS504)。
【0259】
次に、管理装置101は、端末装置151からhttpリクエストを受信すると、受信したhttpリクエストに従って、更新状況取得処理用のGUIを示すhttpレスポンスを作成し、作成したhttpレスポンスを端末装置151へ送信する(ステップS506)。
【0260】
更新状況取得処理用のGUIには、たとえば、車両IDを入力するための複数の欄、当該欄に対応する説明文、ならびに送信ボタン等が含まれる。
【0261】
次に、端末装置151は、管理装置101からhttpレスポンスを受信すると、受信したhttpレスポンスに基づいて、更新状況取得処理用のGUIをWebブラウザに描画する(ステップS508)。
【0262】
次に、ユーザは、Webブラウザに対して入力操作を行う(ステップS510)。より詳細には、ユーザは、対象車両1のIDを入力する操作をWebブラウザに対して行う。そして、ユーザは、送信ボタンを選択する操作をWebブラウザに対して行う。なお、ユーザは、複数の車両のIDを入力することも可能である。
【0263】
次に、端末装置151は、ユーザの操作に従って、管理装置101における更新状況取得処理用のURL宛のhttpポストを作成し、作成したhttpポストを管理装置101へ送信する(ステップS512)。
【0264】
より詳細には、端末装置151は、ユーザの操作に基づいて、対象車両1のIDをhttpボディに含むhttpポストを作成する。
【0265】
端末装置151は、当該httpポストを含むIPパケットを作成し、作成したIPパケットを管理装置101へ送信する。
【0266】
次に、管理装置101は、対象車両1のIDに対応する車種情報を取得する(ステップS513)。詳細には、管理装置101における処理部22は、たとえば、対応情報に基づいて、複数のECUの更新データに関する更新情報であって車両ごとの更新情報を対応の1または複数のベンダサーバ181から取得するための処理を行う。
【0267】
より詳細には、処理部22は、IPパケットを受信した通信部21から当該IPパケットに含まれるhttpポストを受けると、テンプレートテーブルTT1を参照し、当該httpポストに含まれる対象車両1のIDに対応する車種、具体的には「車種α」を取得する。
【0268】
次に、管理装置101は、取得した車種に対応するECU情報を取得する(ステップS514)。
【0269】
より詳細には、管理装置101における処理部22は、ルーティングテーブルRT1a(
図8参照)を参照し、「車種α」に対応する「ECU名」、具体的には「ECU1」、「ECU2」および「ECU3」を取得する。
【0270】
次に、管理装置101は、ECUの名称および車種に対応するベンダサーバ181のIPアドレスを取得する(ステップS515)。
【0271】
より詳細には、管理装置101における処理部22は、ルーティングテーブルRT1a(
図8参照)を参照し、取得したECUの名称および車種に対応するベンダサーバ181のIPアドレスとして「192.168.11.2」、「192.168.22.3」および「192.168.33.4」を取得する。
【0272】
次に、管理装置101は、端末装置151からのhttpポストに基づいて、ベンダサーバ181Aに適合したコマンド、ベンダサーバ181Bに適合したコマンドおよびベンダサーバ181Cに適合したコマンドを作成する(ステップS516)。
【0273】
詳細には、管理装置101における処理部22は、httpポストの宛先URLに基づいて、第2の処理が「更新状況取得処理」であることを認識する。
【0274】
処理部22は、テンプレートテーブルTT1(
図7参照)を参照し、「更新状況取得処理」および「192.168.11.2」に対応するテンプレートTGa、「更新状況取得処理」および「192.168.22.3」に対応するテンプレートTGb、ならびに「更新状況取得処理」および「192.168.33.4」に対応するテンプレートTGcをテンプレートテーブルTT1から取得する。
【0275】
処理部22は、取得したテンプレートTGaに対して、httpポストに基づく必要な情報、具体的には対象車両1のID、「車種α」および「ECU1」を書き込むことで、ベンダサーバ181Aに適合した適合後httpポストPtaを作成する。
【0276】
また、処理部22は、テンプレートTGb,TGcに基づいて、適合後httpポストPtaと同様の、ベンダサーバ181Bおよび181Cにそれぞれ適合した適合後httpポストPtbおよびPtcを作成する。
【0277】
処理部22は、ルーティングテーブルRT1aを参照し、「車種α」および「ECU1」に対応する「192.168.11.2」に宛先を指定して、作成した適合後httpポストPtaを通信部21へ出力する。
【0278】
次に、管理装置101は、適合後httpポストPtaをベンダサーバ181Aへ送信する(ステップS518)。
【0279】
より詳細には、管理装置101における通信部21は、処理部22から適合後httpポストPtaを受けると、受けた適合後httpポストPtaを含み、かつ宛先IPアドレスが「192.168.11.2」であるIPパケットを作成し、作成したIPパケットをベンダサーバ181Aへ送信する。
【0280】
次に、ベンダサーバ181Aは、管理装置101から適合後httpポストPtaを受信すると、受信した適合後httpポストPtaに基づいて、対象車両1における「ECU1」の名称を有するECUについての更新情報を当該対象車両1から取得する(ステップS520)。
【0281】
次に、ベンダサーバ181Aは、取得した更新情報を管理装置101へ送信する(ステップS522)。
【0282】
次に、管理装置101は、ベンダサーバ181Aから更新情報を受信すると、受信した更新情報の内容を認識するとともに、適合後httpポストPtbをベンダサーバ181Bへ送信する(ステップS524)。
【0283】
次に、ベンダサーバ181Bは、管理装置101から適合後httpポストPtbを受信すると、受信した適合後httpポストPtbに基づいて、対象車両1における「ECU2」の名称を有するECUについての更新情報を当該対象車両1から取得する(ステップS526)。
【0284】
次に、ベンダサーバ181Bは、取得した更新情報を管理装置101へ送信する(ステップS528)。
【0285】
次に、管理装置101は、ベンダサーバ181Bから更新情報を受信すると、受信した更新情報の内容を認識するとともに、適合後httpポストPtcをベンダサーバ181Cへ送信する(ステップS530)。
【0286】
次に、ベンダサーバ181Cは、管理装置101から適合後httpポストPtcを受信すると、受信した適合後httpポストPtcに基づいて、対象車両1における「ECU3」の名称を有するECUについての更新情報を当該対象車両1から取得する(ステップS532)。
【0287】
次に、ベンダサーバ181Cは、取得した更新情報を管理装置101へ送信する(ステップS534)。
【0288】
次に、管理装置101は、ベンダサーバ181Cから更新情報を受信すると、受信した更新情報の内容を認識するとともに、ベンダサーバ181A〜181Cからそれぞれ受信した更新情報の内容をまとめた更新情報を端末装置151へ送信する(ステップS536)。
【0289】
図16は、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムにおける端末装置がWebブラウザに表示する内容の一例を示す図である。
【0290】
図16を参照して、端末装置151は、管理装置101から更新情報を受信すると、受信した更新情報の内容をWebブラウザに表示する。
【0291】
なお、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置101における記憶部23は、テンプレートテーブルTT1およびルーティングテーブルRT1aを対応情報として記憶する構成であるとしたが、これに限定するものではない。記憶部23は、機器識別情報と、蓄積装置識別情報との対応関係を示す対応情報を記憶する構成であってもよい。具体的には、記憶部23は、「車種」および「ベンダの名称」の項目を除いたルーティングテーブルRT1aを記憶する構成であってもよい。
【0292】
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムの変形例では、管理装置101における記憶部23は、車両IDテーブルIT1、テンプレートテーブルTT1およびルーティングテーブルRT1aを対応情報として記憶する構成であるとしたが、これに限定するものではない。記憶部23は、車両識別情報と、機器識別情報と、蓄積装置識別情報との対応関係を示す対応情報を記憶する構成であってもよい。具体的には、記憶部23は、車両IDテーブルIT1、および「ベンダの名称」の項目を除いたルーティングテーブルRT1aを記憶する構成であってもよい。
【0293】
また、車両ごとの更新情報を取得しない場合は、管理装置101における記憶部23は、機器識別情報と、蓄積装置識別情報との対応関係を示す対応情報を記憶する構成であってもよい。具体的には、記憶部23は、「車種」および「ベンダの名称」の項目を除いたルーティングテーブルRT1aを記憶する構成であってもよい。
【0294】
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理装置は、通信部21を備える構成であるとしたが、これに限定するものではない。管理装置101は、通信部21を備えない構成であってもよい。具体的には、管理装置101は、たとえば、所定のスケジュールに従って、各ベンダサーバ181との所定の第1の処理を実行する構成であってもよい。
【0295】
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムでは、ベンダサーバ181A〜181Cから供給されるWebAPIが互いに異なる構成であるとしたが、これに限定するものではない。ベンダサーバ181A〜181Cから供給されるWebAPIが同じ構成であってもよい。この場合、管理装置101は、ベンダサーバ181A用のテンプレート情報、ベンダサーバ181B用のテンプレート情報、およびベンダサーバ181C用のテンプレート情報を統一して用いることができる。
【0296】
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムでは、蓄積装置識別情報が、ベンダサーバ181のIPアドレスであるとしたが、これに限定するものではない。蓄積装置識別情報が、OTAベンダの名称であってもよい。このような構成は、たとえば、ベンダサーバ181の名称を用いてコマンドを送信可能なシステムに適用することが可能である。
【0297】
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムでは、機器識別情報が、ECUの名称であるとしたが、これに限定するものではない。機器識別情報が、ECUに適用すべきファームウェアの名称等であってもよい。この場合、端末装置151は、ファームウェアの名称を含むIPパケットを管理装置101へ送信する。
【0298】
図17は、
図5に示す管理システムにおける管理パターンと異なる管理パターンの一例を示す図である。
【0299】
図18は、
図17に示す管理システムに用いられるルーティングテーブルの一例を示す図である。
【0300】
図19は、
図17に示す管理システムに用いられる車両IDテーブルの一例を示す図である。
【0301】
図17〜
図19を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムでは、複数のベンダサーバ181が1つの対象車両1における複数のECUのデータ更新を管理する構成であるとしたが、これに限定するものではない。管理システム301では、
図17に示すように、複数のベンダサーバ181が、それぞれ対応の対象車両1における複数のECUのデータ更新を管理する構成であってもよい。
【0302】
より詳細には、対象車両1である対象車両1A,1B,1Cの車種は、それぞれ車種α,β,γである。
【0303】
対象車両1Aには、ファームウェアFW1〜FW3にそれぞれ従って動作するECU1〜ECU3が搭載されている。対象車両1Bには、ファームウェアFW4〜FW6にそれぞれ従って動作するECU4〜ECU6が搭載されている。対象車両1Cには、ファームウェアFW7〜FW9にそれぞれ従って動作するECU7〜ECU9が搭載されている。
【0304】
管理装置101における記憶部23は、テンプレートテーブルTT1(
図7参照)、ルーティングテーブルRT2および車両IDテーブルIT2を記憶する。
【0305】
たとえば、ユーザがファームウェアFW1〜FW3,FW4〜FW6,FW7〜FW9を対象車両1A,1B,1Cへそれぞれダウンロードさせる状況において、管理システム301では、以下の動作が行われる。
【0306】
すなわち、管理装置101は、端末装置151によってアップロードされたファームウェアFW1〜FW3を受信すると、テンプレートテーブルTT1およびルーティングテーブルRT2に基づいて、受信したファームウェアFW1〜FW3をベンダサーバ181Aへ送信する。ベンダサーバ181Aは、管理装置101からファームウェアFW1〜FW3を受信して、受信したファームウェアFW1〜FW3を対象車両1AにダウンロードさせることによりECU1〜ECU3のファームウェアをそれぞれ更新する。
【0307】
同様に、管理装置101は、端末装置151によってアップロードされたファームウェアFW4〜FW6を受信すると、テンプレートテーブルTT1およびルーティングテーブルRT2に基づいて、受信したファームウェアFW4〜FW6をベンダサーバ181Bへ送信する。ベンダサーバ181Bは、管理装置101からファームウェアFW4〜FW6を受信して、受信したファームウェアFW4〜FW6を対象車両1BにダウンロードさせることによりECU4〜ECU6のファームウェアをそれぞれ更新する。
【0308】
同様に、管理装置101は、端末装置151によってアップロードされたファームウェアFW7〜FW9を受信すると、テンプレートテーブルTT1およびルーティングテーブルRT2に基づいて、受信したファームウェアFW7〜FW9をベンダサーバ181Cへ送信する。ベンダサーバ181Cは、管理装置101からファームウェアFW7〜FW9を受信して、受信したファームウェアFW7〜FW9を対象車両1CにダウンロードさせることによりECU7〜ECU9のファームウェアをそれぞれ更新する。
【0309】
また、たとえば、ユーザが「IDα1」の車両IDを有する対象車両1の更新状況を取得する状況においては、管理システム301では、以下の動作が行われる。
【0310】
すなわち、管理装置101は、「IDα1」をhttpボディに含むhttpポストを端末装置151から受信すると、テンプレートテーブルTT1、ルーティングテーブルRT2および車両IDテーブルIT2に基づいて適合後httpポストPtaを作成する。この適合後httpポストPtaには、「IDα1」、「車種α」および「ECU1」、「車種α」および「ECU2」、ならびに「車種α」および「ECU3」が書き込まれたテンプレートTGaが含まれる。
【0311】
管理装置101は、作成した適合後httpポストPtaをベンダサーバ181Aへ送信し、当該適合後httpポストPtaの応答として更新情報をベンダサーバ181Aから受信する。管理装置101は、受信した更新情報を端末装置151へ送信する。
【0312】
また、たとえば、ユーザが「IDβ1」または「IDγ1」の車両IDを有する対象車両1の更新状況を取得する状況においても、車両IDが「IDα1」の場合と同様の動作が行われる。
【0313】
ところで、特許文献1に記載の車両では、1つの車両制御コンピュータが設けられており、プログラム提供装置から受信した修正プログラムによって当該車両制御コンピュータのプログラムが書き換えられる。
【0314】
一方、特許文献1に記載の車両と異なり、エンジン制御、ブレーキ制御および空調制御等の制御をそれぞれ行う複数のECUが車両に設けらることがある。
【0315】
このような場合、各ECUの修正プログラムは、複数のプログラム提供装置に分散して保持され、当該複数のプログラム提供装置により配信される構成が考えられる。
【0316】
このような構成では、たとえば、修正プログラムのプログラム提供装置へのアップロードに関する処理を行う場合において、処理ごとに対象のプログラム提供装置が異なるため、ユーザは、処理に応じてプログラム提供装置のアドレス等を指定する必要がある。このため、ユーザの負担が重くなってしまう。
【0317】
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る管理装置では、記憶部23は、対象車両1に搭載された機器を識別可能な機器識別情報と、機器用の更新データを蓄積するベンダサーバ181を認識可能な蓄積装置識別情報との対応関係であって、複数の機器および複数のベンダサーバ181についての対応関係を示す対応情報を記憶する。そして、処理部22は、対応情報に基づいて各ベンダサーバ181との所定の第1の処理を実行する。
【0318】
このように、機器識別情報が指定されると、対応情報に基づいて対象のベンダサーバ181を特定し、特定した対象のベンダサーバ181との所定の処理を実行する構成により、ユーザは、ベンダサーバ181のアドレスを指定しなくても、機器識別情報を管理装置101へ送信するだけで、当該ベンダサーバ181に対する所定の処理、たとえば更新データのベンダサーバ181へのアップロードに関する処理を管理装置101に実行させることができる。したがって、更新データを蓄積する蓄積装置を複数用いて複数の車載機器のデータ更新を行う構成において、ユーザの負担が重くなることを防ぐことができる。
【0319】
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理装置では、通信部21は、機器識別情報および更新データを取得する。そして、処理部22は、対応情報に基づいて、通信部21によって取得された機器識別情報に対応するベンダサーバ181へ、通信部21によって取得された更新データを送信する。
【0320】
このような構成により、ユーザは、ベンダサーバ181のアドレスを指定せずに機器識別情報および更新データを管理装置101へ送信するだけで、更新データを対象のベンダサーバ181へ送信させることができる。
【0321】
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理装置では、処理部22は、対応情報に基づいて、複数の機器の更新データに関する更新情報を対応の1または複数のベンダサーバ181から取得する。
【0322】
このような構成により、ユーザは、管理装置101によって取得された更新情報を参照することで、各ベンダサーバ181のアドレスを用いて当該各ベンダサーバ181から更新情報を取得することなく、複数の機器の更新状況を認識することができる。
【0323】
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理装置では、対応情報は、車両を識別可能な車両識別情報と機器識別情報と蓄積装置識別情報との対応関係を示す。そして、処理部22は、車両ごとの更新情報を取得する。
【0324】
このような構成により、ユーザは、管理装置101によって取得された更新情報を参照することで、各ベンダサーバ181のアドレスを用いて当該各ベンダサーバ181から更新情報を取得することなく、複数の車両における複数の機器の更新状況を認識することができる。
【0325】
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理装置では、通信部21は、機器のデータ更新に関する第2の処理の内容と機器を識別可能な情報とを含む入力情報を取得する。対応情報は、機器識別情報と、第2の処理を認識可能な情報と、蓄積装置識別情報と、ベンダサーバ181に対する第1の処理の内容を認識可能な情報との対応関係を示す。対応情報は、同じ第1の処理を実行するために与えるべき情報が異なるか、または同じ第1の処理を実行するためのユーザインタフェースが異なる複数のベンダサーバ181の対応関係を示す。そして、処理部22は、対応情報に基づいて、入力情報の示す機器を識別可能な情報に対応するベンダサーバ181に対して入力情報の示す第2の処理に対応する第1の処理を実行する。
【0326】
ユーザが、管理装置101を用いずにベンダサーバ181に対して第1の処理を実行させる場合、たとえばベンダサーバ181の別に応じてユーザに求められる操作内容が異なる。一方、ユーザが、管理装置101を用いてベンダサーバ181に対して第1の処理を実行させる場合、いずれのベンダサーバ181に対して第1の処理を実行させる場合においても、対応情報に基づいて、第2の処理に対応する第1の処理が実行されるので、ユーザに求められる第2の処理の内容についての入力操作を共通化することができる。したがって、ユーザは、複数のベンダサーバ181から求められる操作内容を知らなくても、入力情報を管理装置101へ送信するだけで、管理装置101に第1の処理を実行させることができる。
【0327】
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理装置では、機器識別情報は、機器の名称である。
【0328】
このように、機器に固有であり、かつたとえばユーザに分かり易い上記機器の名称を機器識別情報とする構成により、上記機器を確実かつ簡易に識別することができる。
【0329】
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理装置では、蓄積装置識別情報は、ベンダサーバ181のアドレスである。
【0330】
このように、ベンダサーバ181に固有であり、かつたとえば第1の処理の内容の送信に標準的に用いることが可能な上記アドレスを蓄積装置識別情報とする構成により、第1の処理の内容の送信を確実かつ簡易に行うことができる。
【0331】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0332】
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る管理システムと比べて各ベンダサーバ181が提供するGUIが同じ管理システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る管理システムと同様である。
【0333】
図20は、本発明の第2の実施の形態に係る管理システムの構成を示す図である。
【0334】
図20を参照して、管理システム302は、端末装置151と、管理装置102と、ベンダサーバ181であるベンダサーバ181A,181D,181Eとを備える。
【0335】
管理システム302における端末装置151およびベンダサーバ181の動作は、
図1に示す管理システム300における端末装置151およびベンダサーバ181とそれぞれ同様である。
【0336】
なお、管理システム302は、3つのベンダサーバ181を備える構成に限らず、2つのベンダサーバ181または4つ以上のベンダサーバ181を備える構成であってもよい。
【0337】
この例では、ベンダサーバ181A,181D,181Eは、OTAベンダAにより運営される。
【0338】
また、ベンダサーバ181A,181D,181EのIPアドレスは、それぞれ「192.168.11.2」,「192.168.44.5」,「192.168.55.6」である。
【0339】
ベンダサーバ181A,181D,181Eでは、同じ第1の処理を実行するために与えるべき情報が同じであり、かつ同じ第1の処理を実行するためのユーザインタフェースが同じである。
【0340】
より詳細には、ベンダサーバ181D,181Eが提供するGUIは、ベンダサーバ181Aが供給するGUIと同じである。また、ベンダサーバ181D,181Eが処理可能なコマンドは、ベンダサーバ181Aが処理可能なコマンドと同じである。
【0341】
図21は、本発明の第2の実施の形態に係る管理システムにおける管理装置の構成を示す図である。
【0342】
図21を参照して、管理装置102は、通信部21と、処理部32と、記憶部23とを備える。
【0343】
管理装置102における通信部21および記憶部23の動作は、
図6に示す管理装置101における通信部21および記憶部23とそれぞれ同様である。
【0344】
図22は、本発明の第2の実施の形態に係る管理装置における記憶部が保持するルーティングテーブルの一例を示す図である。
【0345】
図22を参照して、記憶部23は、車種およびECU名を示す判定識別子と、宛先IPアドレスと、ベンダの名称との対応関係を示すルーティングテーブルRT3を保持する。
【0346】
[ログイン処理]
図23は、本発明の第2の実施の形態に係る管理システムにおいて管理装置がベンダサーバにログインする際のシーケンスの一例を示す図である。
【0347】
図23を参照して、まず、ユーザは、ログイン処理用のGUIの要求を示すhttpリクエストを管理装置102におけるログイン処理用のURLへ送信する操作を、端末装置151の画面に表示されたWebブラウザに対して行う(ステップS602)。
【0348】
次に、端末装置151は、ユーザの操作に従って、ログイン処理用のURL宛の上記httpリクエストを作成し、作成したhttpリクエストを管理装置102へ送信する(ステップS604)。
【0349】
次に、管理装置102は、端末装置151からhttpリクエストを受信すると、受信したhttpリクエストに従って、ログイン処理用のGUIを示すhttpレスポンスを作成し、作成したhttpレスポンスを端末装置151へ送信する(ステップS606)。
【0350】
ログイン処理用のGUIは、たとえば、
図2に示すhttpボディBODYaの内容、登録対象のECUの名称、および当該ECUを搭載する対象車両1の車種を入力するためのユーザインタフェースである。当該GUIには、「name」、「password」および「domain」をそれぞれ入力するための欄、当該欄に対応する説明文、ならびに送信ボタン等が含まれる。
【0351】
また、当該GUIには、さらに、ECUの名称および車種を入力するための複数の判定識別子入力欄、および判定識別子入力欄に対応する説明文が含まれる。
【0352】
次に、端末装置151は、管理装置102からhttpレスポンスを受信すると、受信したhttpレスポンスに基づいて、ログイン処理用のGUIをWebブラウザに描画する(ステップS608)。
【0353】
次に、ユーザは、Webブラウザに対して入力操作を行う(ステップS610)。より詳細には、ユーザは、「name」、「password」および「domain」をそれぞれ入力するための欄に、「OEM1」、「aaaaaaaa」および「OEM1−DOMAIN」をそれぞれ入力する操作をWebブラウザに対して行う。
【0354】
また、ユーザは、ログイン先を指定するために、3つの判定識別子入力欄に、「ECU1」および「車種α」、「ECU2」および「車種α」、ならびに「ECU3」および「車種α」をそれぞれ入力する操作をWebブラウザに対して行う。そして、ユーザは、送信ボタンを選択する操作をWebブラウザに対して行う。
【0355】
次に、端末装置151は、ユーザの操作に従って、管理装置102におけるログイン処理用のURL宛のhttpポストを作成し、作成したhttpポストを管理装置102へ送信する(ステップS612)。
【0356】
より詳細には、端末装置151は、ユーザの操作により入力された各情報をhttpボディに含むhttpポストを作成する。
【0357】
端末装置151は、当該httpポストを含むIPパケットを作成し、作成したIPパケットを管理装置102へ送信する。
【0358】
次に、管理装置102は、端末装置151からIPパケットを受信すると、受信したIPパケットに含まれるECUの名称および車種に対応するベンダサーバ181のIPアドレスを取得する(ステップS614)。
【0359】
より詳細には、管理装置102における通信部21は、端末装置151から受信したIPパケットからhttpポストを取得し、取得したhttpポストを処理部32へ出力する。
【0360】
処理部32は、通信部21からhttpポストを受けると、ルーティングテーブルRT3(
図22参照)を参照し、当該httpポストに含まれるECUの名称および車種の各組に対応するベンダサーバ181のIPアドレスとして「192.168.11.2」、「192.168.44.5」および「192.168.55.6」を取得する。
【0361】
処理部32は、ルーティングテーブルRT3を参照し、「車種α」および「ECU1」に対応する「192.168.11.2」に宛先を指定して、httpポストを通信部21へ出力する。
【0362】
次に、管理装置102は、httpポストをベンダサーバ181Aへ送信する(ステップS618)。
【0363】
より詳細には、管理装置102における通信部21は、処理部32からhttpポストを受けると、受けたhttpポストを含み、かつ宛先IPアドレスが「192.168.11.2」であるIPパケットを作成し、作成したIPパケットをベンダサーバ181Aへ送信する。
【0364】
次に、ベンダサーバ181Aは、管理装置102からhttpポストを受信すると、受信したhttpポストに基づいて、管理装置102を認証する(ステップS620)。
【0365】
次に、ベンダサーバ181Aは、たとえば認証が成功したことを示す応答情報を管理装置102へ送信する(ステップS622)。
【0366】
次に、管理装置102は、ベンダサーバ181Aから応答情報を受信すると、受信した応答情報の内容を認識するとともに、httpポストをベンダサーバ181Dへ送信する(ステップS624)。
【0367】
次に、ベンダサーバ181Dは、管理装置102からhttpポストを受信すると、受信したhttpポストに基づいて、管理装置102を認証する(ステップS626)。
【0368】
次に、ベンダサーバ181Dは、たとえば認証が成功したことを示す応答情報を管理装置102へ送信する(ステップS628)。
【0369】
次に、管理装置102は、ベンダサーバ181Dから応答情報を受信すると、受信した応答情報の内容を認識するとともに、httpポストをベンダサーバ181Eへ送信する(ステップS630)。
【0370】
次に、ベンダサーバ181Eは、管理装置102からhttpポストを受信すると、受信したhttpポストに基づいて、管理装置102を認証する(ステップS632)。
【0371】
次に、ベンダサーバ181Eは、たとえば認証が成功したことを示す応答情報を管理装置102へ送信する(ステップS634)。
【0372】
次に、管理装置102は、ベンダサーバ181Eから応答情報を受信すると、受信した応答情報の内容を認識するとともに、ベンダサーバ181A〜181Cからそれぞれ受信した応答情報の内容をまとめた応答情報を端末装置151へ送信する(ステップS636)。
【0373】
なお、上記シーケンスにおいて、端末装置151は、ベンダサーバ181A,181D,181Eに一括してログインする構成であるとしたが、これに限定するものではない。端末装置151は、ベンダサーバ181A,181D,181Eに1つずつ順番にログインする構成であってもよい。
【0374】
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る管理システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0375】
なお、本発明の第1の実施の形態および第2の実施の形態に係る各装置の構成要素および動作のうち、一部または全部を適宜組み合わせることも可能である。
【0376】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0377】
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
【0378】
[付記1]
対象車両に搭載された機器を識別可能な機器識別情報と、前記機器用の更新データを蓄積する蓄積装置を認識可能な蓄積装置識別情報との対応関係であって、複数の前記機器および複数の前記蓄積装置についての前記対応関係を示す対応情報を記憶する記憶部と、
前記対応情報に基づいて各前記蓄積装置との所定の第1の処理を実行する処理部とを備え、
前記機器は、ECU(Electronic Control Unit)であり、
前記機器識別情報は、前記機器の名称、または前記更新データの名称であり、
前記蓄積装置識別情報は、前記蓄積装置のIPアドレス、または前記蓄積装置の名称であり、
前記第1の処理は、ログイン処理、アップロード処理、更新スケジュール登録処理、ECU登録処理、車両登録処理または更新状況取得処理である、管理装置。