【文献】
リンチ ダニエル ほか,インターネットシステムハンドブック,日本,株式会社インプレス,1996年 8月11日,第1版,p.239, p.261
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記記憶制御部は、前記予め定められた記憶装置から前記アクセス要求に対する許可信号が送信されない場合、または、前記予め定められた記憶装置から前記アクセス要求に対する不許可信号を前記通信部が受信した場合、前記記憶部に前記処理部による加工後の前記データに加えて、前記処理部による加工前のデータを記憶させる、請求項1に記載の情報処理装置。
前記記憶制御部は、前記予め定められた記憶装置から前記アクセス要求に対する許可信号が送信されない場合の後に、または、前記予め定められた記憶装置から前記アクセス要求に対する不許可信号を前記通信部が受信した場合の後に、前記予め定められた記憶装置から前記アクセス要求に対する許可信号を前記通信部が受信した場合、前記記憶部に記憶された前記加工後のデータおよび前記加工前のデータのうち前記加工前のデータを前記記憶部に削除させて、前記予め定められた記憶装置へ前記加工後のデータを前記通信部に送信させる、請求項2に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態にかかる情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法について図面を参照して説明する。
【0012】
<実施形態1>
図1は、本発明の実施形態1にかかる情報処理システムの概略構成を示す図である。情報処理システム1は、本発明の実施形態1にかかる情報処理装置10と、当該情報処理装置10とLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などのネットワークNを介して接続された複数の記憶装置から構成される。
図1に示す例では、サーバー20A、サーバー20B、パーソナルコンピューター20C、スマートフォン20D、および携帯電話20EなどがネットワークNを介して情報処理装置10と接続されている。サーバー20A、サーバー20B、PC20C、スマートフォン20D、および携帯電話20Eは、いずれもHDDやフラッシュメモリなどの記憶部を備えた記憶装置の一例であり、以後特に区別して説明しない場合には、まとめて記憶装置20として説明する。
【0013】
図2は、情報処理装置10の内部構成を示すブロック図である。情報処理装置10は、PCなどのコンピューターであり、表示部110、操作部120、記憶部130、通信部140、および制御ユニット100などを備えている。
【0014】
表示部110は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(OLED:Organic Light-Emitting Diode)ディスプレイを含んで構成され、後述する表示制御部による表示制御のもと、各種の操作画面などが表示される。
【0015】
操作部120は、マウス、キーボード、および表示部110の前面に設けられたタッチパネルなどの入力装置である。情報処理装置10が実行可能な各種の動作および処理に対するユーザーからの指示は、上記のマウス、キーボード、およびタッチパネルなどの操作部120を用いて入力される。
【0016】
記憶部130は、HDDやフラッシュメモリなどの記憶装置である。記憶部130は、複数の記憶領域を備え、それぞれの記憶領域には各種のデータが記憶されている。本実施形態では、当該複数の記憶領域として、記憶部130がルートディレクトリや当該ルートディレクトリの下層のサブディレクトリなどの複数のディレクトリを備えている。
【0017】
通信部140は、LANチップなどの通信モジュールを備える通信インターフェイスである。当該通信部140により、情報処理装置10は、ネットワークNを介して接続された複数の記憶装置20と通信することができる。
【0018】
制御ユニット100は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、および専用のハードウェア回路を含んで構成される。プロセッサーは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などである。制御ユニット100は、記憶部130に記憶(インストール)されているOS(Operating System)や各種の制御プログラムなどのプログラムに従った上記プロセッサーによる動作により、制御部101、情報処理部102、受付部103、表示制御部104、および記憶制御部105として機能する。但し、上記の各構成は、制御ユニット100によるプログラムに従った動作によらず、それぞれハードウェア回路により構成してもよい。
【0019】
制御部101は、情報処理装置10の全体的な制御を司る。
【0020】
受付部103は、操作部120から出力される信号を受信して、操作部120を用いて入力されたユーザーからの指示を受け付ける機能を有する。
【0021】
情報処理部102は、受付部103が受け付けた指示に応じて、記憶部130に記憶された文書作成ソフトや表計算ソフトなどの各種のプログラムを実行して、文書データや表データを生成または変更(加工)する機能を有する。
【0022】
表示制御部104は、表示部110による表示動作を制御する機能を有し、情報処理部102による情報処理結果を示した操作画面などを表示部110に表示させる。
【0023】
記憶制御部105は、情報処理部102が生成または変更したデータの記憶制御を行う機能を有する。
【0024】
図3(A)および
図3(B)は、表示部110に表示される操作画面の一例を示す図である。
図3(A)は、記憶部130に記憶されたファイルブラウザソフトが情報処理部102により実行された際に表示部110に表示される操作画面を示している。本図に示す例では、デスクトップ画面D1中にファイルブラウザソフトの処理結果である操作画面D2が表示されている。操作画面D2には、記憶部130内のディレクトリの位置を示すパス、および、当該ディレクトリに含まれる各種のデータ(ファイル)に関連付けられた複数のアイコンが示されている。
【0025】
受付部103が操作画面D2に示されたアイコンの選択操作を受け付けると、情報処理部102は、当該選択されたアイコンに関連付けられたソフトウェアを実行する。例えば
図3(A)に示す例において「議事録.odt」のアイコンが選択された場合、情報処理部102は、当該アイコンに関連付けられた文書作成ソフトを実行する。表示部110には、表示制御部104による制御のもと「議事録.odt」に示されるデータを示す操作画面D3が表示される(
図3(B)を参照)。操作画面D3には、文章作成ソフトにより作成または変更された文書データの記憶(保存)指示を受け付けるためのボタンd1、d2が配置されている。ボタンd1は、作成または変更した文書データを別のファイル名を付けてかつ保存先を指定して記憶させる指示、いわゆる「名前を付けて保存」する指示を受け付けるためのボタンである。また、ボタンd2は、変更した文書データを同じファイル名かつ同じ保存先で記憶させる指示、いわゆる「上書き保存」する指示を受け付けるためのボタンである。これらのボタンd1、d2に対する選択操作に応じて、記憶制御部105は、情報処理部102が生成または変更した文書データの記憶制御を行う。
【0026】
図2に戻って、記憶装置20の構成について説明する。記憶装置20は、制御ユニット200、表示部210、操作部220、記憶部230、および通信部240などを備えている。表示部210は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどから構成される。操作部220は、マウス、キーボード、および表示部210の前面に設けられたタッチパネルなどの入力装置である。記憶部230は、HDDやフラッシュメモリなどの記憶装置である。通信部240は、LANチップなどの通信モジュールを備える通信インターフェイスである。
【0027】
制御ユニット200は、プロセッサー、RAM、ROM、および専用のハードウェア回路を含んで構成される。制御ユニット200は、記憶部230に記憶されているプログラムに従った上記プロセッサーによる動作により、制御部201、表示制御部202、および記憶制御部203として機能する。但し、上記の各構成は、制御ユニット200によるプログラムに従った動作によらず、それぞれハードウェア回路により構成してもよい。
【0028】
制御部201は、記憶装置20の全体的な動作制御を司る。表示制御部202は、表示部210による表示動作を制御する機能を有する。記憶制御部203は、記憶部230による記憶動作を制御する機能を有する。
【0029】
以上が情報処理システム1の構成についての説明である。続いて、当該情報処理システム1における詳細な処理内容を
図4〜
図6を用いて説明する。
【0030】
図4は、情報処理装置10による動作の流れを示すフローチャートである。本フローチャートでは、文書作成ソフトにより作成または変更された文書データを記憶する際の処理を示す。
【0031】
受付部103が文章作成ソフトの起動指示を受け付けると(ステップS10においてYES)、情報処理部102は、文章作成ソフトを起動して(ステップS11)、受付部103がユーザーからの指示に応じて、文章データの生成または変更する処理を行う(ステップS12)。
【0032】
ステップS12の処理後、受付部103が
図3(B)に示された操作画面D3に配置されたボタンd1またはd2に対する選択指示、すなわち予め定められた記憶指示を受け付けると(ステップS13においてYES)、記憶制御部105は、記憶部130に記憶指示で指定されたディレクトリ(記憶領域)に文書データを記憶させる処理を行う(ステップS14)。
【0033】
ステップS14の処理後、記憶制御部105は、記憶指示で指定されたディレクトリ(記憶領域)が予め定められた記憶領域であるか否かを判定する(ステップS15)。
【0034】
ここで記憶部130には、記憶部130内の複数の記憶領域のうち、何れの記憶領域が当該予め定められた記憶領域であるかを示す情報が予め記憶されている。
図5は、記憶部130に記憶される情報の一例を示す図である。本図に示す例では、予め定められた記憶領域として「C:\User\document」および「C:\User\backup」のパスに位置する記憶領域が設定されている。記憶制御部105は、記憶部130に記憶されている当該情報を取得して、取得した当該情報に基づき記憶指示で指定された記憶領域が予め定められた記憶領域であるか否かを判定する。
【0035】
図4に戻って、記憶指示で指定された記憶領域が予め定められた記憶領域である場合(ステップS15においてYES)、記憶制御部105は、記憶部130に記憶させた文書データと同じ文書データを、予め定められた記憶装置20へ通信部140に送信させる(ステップS16)。情報処理装置10から送信された文書データを受信した記憶装置20は、記憶制御部203による制御のもと、記憶部230に当該文書データを記憶する。
【0036】
ここで記憶部130には、情報処理装置10とネットワークNを介して接続された複数の記憶装置20のうち、何れの記憶装置が予め定められた記憶装置であるかを示す情報が予め記憶されている。
図5に示す例では、予め定められた記憶領域毎に対応する予め定められた記憶装置が設定されている。具体的には、「C:\User\document」の記憶領域に対応する予め定められた記憶装置として、パソコンA、サーバーA、およびスマホAが設定され、「C:\User\backup」の記憶領域に対応する予め定められた記憶装置として、サーバーAおよびサーバーBが設定されている。記憶制御部105は、記憶部130に記憶されている当該情報を取得して、取得した当該情報に基づき文書データを送信する予め定められた記憶装置を特定する。
【0037】
また、
図5に示すように、記憶部130には、予め定められた記憶装置20のネットワークN上での位置を示す情報であるIPアドレス、および、送信された文書データの記憶装置20の記憶部230内での記憶場所を示すパスを示す情報が予め記憶されている。記憶制御部105は、記憶部130に記憶されている当該情報を取得して、取得した当該情報に基づきステップS16の処理において記憶装置20の記憶部230内での記憶場所を指定する情報を文書データとともに予め定められた記憶装置20へ送信する。
【0038】
図6は、上記の予め定められた記憶領域および予め定められた記憶装置の設定を受け付けるための受付画面の一例を示す図である。記憶制御部105は、
図6に示された受付画面D4において受付部103が受け付けた指示に基づいて、
図5に示す予め定められた記憶領域および予め定められた記憶装置を示す情報を生成し、当該生成した情報を記憶部130に記憶させる。
図6に示す例では、予め定められた記憶領域として「C:\User\document」が設定され、予め定められた記憶装置20として「パソコンA」が設定されている。
【0039】
以上のように、本発明の実施形態1にかかる情報処理装置10および情報処理システム1によれば、ユーザーが一度予め定められた記憶領域および予め定められた記憶装置を設定すれば、その後は特にユーザーが意識することなく、通常の文章作成ソフトや表計算ソフトによるデータの作成または変更といった作業を行うだけで、作成または変更をしたデータを外部の記憶装置20に送信してデータのバックアップや情報の共有などを行うことができる。
【0040】
<実施形態2>
図7は、実施形態2にかかる情報処理装置10による動作の流れを示すフローチャートである。なお、
図4に示したフローチャート
と同内容の処理については同符号を付して説明を略する。
【0041】
記憶指示で指定された記憶領域が予め定められた記憶領域である場合(ステップS15においてYES)、記憶制御部105は、通信部140に予め定められた記憶装置20と通信を行わせて、予め定められた記憶装置20の記憶容量の情報を取得させる(ステップS20)。そして、予め定められた記憶装置20の記憶容量が予め定められた閾値(例えば20GB)以下でない場合(ステップS21においてNO)、
図4に示したステップS16の処理と同様に、記憶部130に記憶させた文書データと同じ文書データを、予め定められた記憶装置20へ通信部140に送信させる(ステップS23)。一方、予め定められた記憶装置20の記憶容量が予め定められた閾値(例えば20GB)以下の場合(ステップS21においてYES)、記憶制御部105は、予め定められた記憶装置の記憶容量に応じて文書データの容量を削減したデータを生成する処理を行う(ステップS22)。この処理において、記憶制御部105は、予め定められた記憶装置の記憶容量が少ないほどデータ容量の削減量(削減率)を高くする。例えば、比例定数をA、記憶容量の閾値(例えば20GB)をB、予め定められた記憶装置の記憶容量をCとしたとき、データ容量の削減量Lは、「L=A×(B−C)」の算出式によって算出される。
【0042】
記憶制御部105は、データに画像が含まれる場合、当該画像の解像度を低下させることによりデータの容量を削減したデータを生成する。また、記憶制御部105は、データに画像が含まれる場合、当該画像をモノクロ化することによりデータの容量を削減したデータを生成してもよい。また、記憶制御部105は、データに含まれる情報のうちの一部の情報を抽出することによりデータの容量を削減したデータを生成してもよい。例えば、複数の段落から構成されたデータである場合、記憶制御部105は、その一部の段落を抽出することによりデータの容量を削減したデータを生成してもよい。また、テキストと画像とを含むデータである場合、記憶制御部105は、テキストまたは画像を抽出することによりデータの容量を削減したデータを生成してもよい。また、記憶制御部105は、データが文書データである場合、当該文書データに含まれるテキストを抽出したテキストデータを生成することによりデータの容量を削減したデータを生成してもよい。記憶制御部105は、画像の解像度を調整したり、モノクロ化する画像の個数を調整することにより、データ容量の削減量(削減率)を調整する。
【0043】
ステップS22の処理後、記憶制御部105は、通信部140を制御して、容量を削減したデータを予め定められた記憶装置20へ送信させる(ステップS23)。
【0044】
なお、予め定められた記憶装置20が複数ある場合には、上記のステップS20〜ステップS23の処理を予め定められた記憶装置20毎に行う。すなわち、記憶制御部105は、予め定められた複数の記憶装置20のそれぞれの記憶容量に応じた削減量でデータの容量を削減したデータを予め定められた複数の記憶装置20毎に生成して、当該生成した各データを通信部140を制御して当該各データに対応する予め定められた記憶装置20へそれぞれ送信させる。
【0045】
以上のように、本発明の実施形態2にかかる情報処理装置10および情報処理システム1によれば、記憶容量が少ない予め定められた記憶装置20については、容量を削減したデータを送信することで、その記憶容量を必要以上に圧迫しないようにすることができる。
【0046】
なお、上記のステップS22の処理において、記憶制御部105は、予め定められた記憶装置の記憶容量に加えて当該予め定められた記憶装置の空き容量に応じて、文書データの容量を削減したデータを生成してもよい。この場合、ステップS20の処理において、記憶制御部105は、通信部140に予め定められた記憶装置20と通信を行わせて、予め定められた記憶装置20の記憶容量の情報に加えて空き容量の情報を取得させる。
【0047】
上記のステップS22の処理において、記憶制御部105は、予め定められた記憶装置の記憶容量および空き容量が少ないほどデータ容量の削減量(削減率)を高くする。例えば、比例定数をA、記憶容量の閾値(例えば20GB)をB、予め定められた記憶装置の記憶容量をC、空き容量の閾値(例えば5GB)をD、予め定められた記憶装置の空き容量をEとしたとき、データ容量の削減量Lは、「L=A×(B−C)×(D−E)」の算出式によって算出される。
【0048】
また、予め定められた記憶装置20の記憶容量が予め定められた閾値(例えば20GB)以下でなく(ステップS21においてNO)、かつ、予め定められた記憶装置20の空き容量が予め定められた閾値(例えば5GB)以下でない場合に、記憶制御部105が、記憶部130に記憶させた文書データと同じ文書データを予め定められた記憶装置20へ通信部140に送信させてもよい。この場合、記憶制御部105は、予め定められた記憶装置20の記憶容量が予め定められた閾値(例えば20GB)以下の場合(ステップS21においてYES)、または、予め定められた記憶装置20の空き容量が予め定められた閾値(例えば5GB)以下の場合に、文書データの容量を削減したデータを生成する処理を行う。
【0049】
<実施形態3>
図8は、実施形態3にかかる情報処理装置10による動作の流れを示すフローチャートである。なお、
図4および
図7に示したフローチャート
と同内容の処理については同符号を付して説明を略する。
【0050】
ステップS22の処理後、すなわち、記憶制御部105が予め定められた記憶装置20の記憶容量に応じて文書データの容量を削減したデータを生成する処理を行った後、記憶制御部105は、予め定められた複数の記憶装置20のうちデータの容量を削減しなかった文書データを記憶させる記憶装置が存在するか否かを特定する(ステップS30)。当該ステップS30の処理では、予め定められた複数の記憶装置20のうち、一部の記憶装置についてはデータ容量を削減したデータを送信するが、一部の記憶装置についてはデータの容量を削減しなかった文書データを送信しているか否かを判定している。
【0051】
予め定められた複数の記憶装置20のうちデータの容量を削減しなかった文書データを記憶させる記憶装置が存在する場合(ステップS30においてYES)、記憶制御部105は、容量を削減しなかった文書データを記憶させる記憶装置20にアクセスすることが可能なリンク情報を生成する(ステップS31)。ここで、リンク情報とは、例えば、ショートカットや記憶装置20の位置を示したURL(Uniform Resource Locator)を含むハイパーリンクなどのネットワークN上での記憶装置20の位置を特定することができる情報である。
【0052】
ステップS31の処理後、記憶制御部105は、通信部140を制御して、当該生成したリンク情報および容量を削減した文書データを、容量を削減した文書データを記憶させる記憶装置20へ送信する(ステップS32およびステップS33)。容量を削減していないオリジナルの文書データを記憶した記憶装置20にアクセス可能なリンク情報を送信することで、容量が削減されたデータを記憶する記憶装置20上においてユーザーがオリジナルのデータに容易にアクセスすることができる。なお、容量を削減しなかった文書データを記憶させる記憶装置20については、記憶制御部105は、記憶部130に記憶させた文書データと同じ文書データを通信部140に送信させる(ステップS34)。
【0053】
一方、予め定められた複数の記憶装置20のうちデータの容量を削減しなかった文書データを記憶させる記憶装置が存在しない場合(ステップS30においてNO)、記憶制御部105は、通信部140を制御して、容量を削減した文書データのみを容量を削減した文書データを記憶させる記憶装置20へ送信する(ステップS33)。
【0054】
以上のように、本発明の実施形態3にかかる情報処理装置10および情報処理システム1によれば、記憶容量が少ない予め定められた記憶装置20については、容量を削減したデータを送信することでその記憶容量を必要以上に圧迫しないようにすることができるとともに、容量が削減されたデータを記憶する記憶装置20上においてユーザーがオリジナルのデータに容易にアクセスすることができる。
【0055】
<補足1>
なお、記憶制御部105は、記憶装置20においてデータの記憶が完了した場合に記憶装置20から送信される記憶完了を示す信号を、通信部140を介して受信してもよい。この場合、記憶制御部105は、容量を削減しなかったデータを記憶させた記憶装置20から送信された上記の信号を受信した後に、リンク情報を通信部140に送信させる。これにより、リンク先においてデータの記憶が完了していない状態において、ユーザーがリンク情報を用いてリンク先にアクセスしてしまうという事態を回避することができる。
【0056】
<補足2>
上記のステップS30の処理において容量を削減しなかったデータを記憶させた記憶装置20を特定できなかった場合、記憶制御部105は、予め定められた複数の記憶装置20のうちの複数の記憶装置に記憶された容量を削減したデータを組み合わせることで容量を削減しなかったデータになるか否かを判定してもよい。例えば、段落1〜段落40のテキストおよび画像から構成されるデータに対して、段落1〜段落20のテキストを記憶した記憶装置A、段落21〜段落40のテキストを記憶した記憶装置B、および画像を記憶した記憶装置Cが存在する場合、これらの記憶装置A〜Cに記憶されたデータを組み合わせることで容量を削減しなかったデータ(段落1〜段落40のテキストおよび画像から構成されるデータ)を構成することができる。この場合、記憶制御部105は、これらの記憶装置A〜Cを特定する。
【0057】
そして、記憶制御部105は、容量を削減したデータを組み合わせることで容量を削減しなかったデータになると判定した場合に、当該容量を削減したデータを記憶した複数の記憶装置のそれぞれにアクセスすることが可能なリンク情報を生成する。その後、記憶制御部105は、通信部140を制御して、当該生成したリンク情報および容量を削減した文書データを、予め定められた記憶装置20へ送信する。上記の例の場合、記憶制御部105は、記憶装置A〜Cのそれぞれにアクセス可能な3つのリンク情報および容量を削減した文書データを、予め定められた記憶装置20へ送信する。
【0058】
なお、記憶装置20においてデータの記憶が完了した場合に記憶装置20から送信される記憶完了を示す信号を、記憶制御部105が通信部140を介して受信する場合、記憶制御部105は、以下の処理を行ってもよい。すなわち、記憶制御部105は、容量を削減したデータを記憶した複数の記憶装置20から送信された上記の信号を全て受信した後に、リンク情報を通信部140に送信させる。これにより、リンク先においてデータの記憶が完了していない状態において、ユーザーがリンク情報を用いてリンク先にアクセスしてしまうという事態を回避することができる。
【0059】
<実施形態4>
実施形態4にかかる情報処理装置10では、情報処理部102による処理対象となるデータが、表計算ソフトにより生成または変更した表データなどの複数のシートから構成されるデータとなる。
【0060】
図9は、記憶部130に記憶された表計算ソフトが情報処理部102により実行された際に表示部110に表示される操作画面を示している。本図に示す例では、デスクトップ画面D1中に表計算ソフトの処理結果である操作画面D5が表示されている。当該操作画面D5には、表計算ソフトにより作成または変更された表データの記憶(保存)指示を受け付けるためのボタンd3、d4が配置されている。これらのボタンd3、d4に対する選択操作に応じて、記憶制御部105は、情報処理部102が生成または変更した表データの記憶制御を行う。
【0061】
また
図9に示す例では、3枚のシートから構成された表データが示されている。表データを構成する各シートは、操作画面D5に配置されたタブd5、d6、d7の各タブに関連付けられている。
図9では、タブd5に関連付けられた1枚目のシートが表示されている。受付部103が各タブに対する選択操作を受け付けると、表示制御部104による制御のもと、操作画面D5内に表示されるデータが選択されたタブに関連付けられたシートのデータに変更される。
【0062】
図10は、記憶部130に予め記憶されたデータの一例を示す図である。実施形態4にかかる情報処理装置10では、表データを構成する各シートは予め定められた記憶装置20にそれぞれ対応付けられており、本図に示すように、記憶部130には複数のシートと予め定められた記憶装置20との対応関係を示す情報が予め記憶されている。
【0063】
図10に示す例では、「C:\User\document」の予め定められた記憶領域について、シート1に予め定められた記憶装置「パソコンA」が対応付けられ、シート2に予め定められた記憶装置「サーバーA」が対応付けられ、シート3に予め定められた記憶装置「スマホA」が対応付けられている。また、「C:\User\backup」の予め定められた記憶領域について、シート1およびシート3に予め定められた記憶装置「サーバーA」が対応付けられ、シート2にネットワークNに接続された記憶装置20の全ての装置が対応付けられている。
【0064】
図11は、上記の複数のシートと予め定められた記憶装置20との対応関係を示す情報の設定を受け付けるための受付画面の一例を示す図である。記憶制御部105は、
図11に示された受付画面D6において受付部103が受け付けた指示に基づいて、
図10に示す複数のシートと予め定められた記憶装置20との対応関係を示す情報を生成し、当該生成した情報を記憶部130に記憶させる。
図11に示す例では、シート1に予め定められた記憶装置「パソコンA」が対応付けられ、シート2に予め定められた記憶装置「サーバーA」が対応付けられ、シート3に予め定められた記憶装置「スマホA」が対応付けられている。
【0065】
実施形態4にかかる情報処理装置10では、上記の複数のシートと予め定められた記憶装置20との対応関係を示す情報に基づいて、データを外部の記憶装置20に記憶させる制御を行う。当該制御の流れを示すフローチャートを
図12に示す。
【0066】
受付部103が表計算ソフトの起動指示を受け付けると(ステップS40においてYES)、情報処理部102は、表計算ソフトを起動して(ステップS41)、受付部103がユーザーからの指示に応じて、表データの生成または変更する処理を行う(ステップS42)。
【0067】
ステップS42の処理後、受付部103が
図9に示された操作画面D5に配置されたボタンd3またはd4に対する選択指示、すなわち予め定められた記憶指示を受け付けると(ステップS43においてYES)、記憶制御部105は、記憶部130に記憶指示で指定されたディレクトリ(記憶領域)に表データを記憶させる処理を行う(ステップS44)。
【0068】
ステップS44の処理後、記憶制御部105は、記憶指示で指定されたディレクトリ(記憶領域)が記憶部130に記憶された予め定められた記憶領域であるか否かを判定する(ステップS45)。記憶指示で指定された記憶領域が予め定められた記憶領域である場合(ステップS45においてYES)、記憶部130に記憶された複数のシートと予め定められた記憶装置20との対応関係を示す情報を取得して、当該取得した情報に基づいて、表データに含まれる各シートに対応付けられた記憶装置20を特定する(ステップS46)。
【0069】
ステップS46の処理後、記憶制御部105は、表データに含まれる全てのシートを記憶させる記憶装置20が存在するか否かを判定する(ステップS47)。表データに含まれる全てのシートを記憶させる記憶装置20が存在しない場合(ステップS47においてNO)、記憶制御部105は、通信部140を制御して、表データに含まれる各シートを示すデータを、各シートに対応付けられた記憶装置20へ送信する処理を行う(ステップS50)。
図10に示す例では、記憶制御部105は、シート1を示すデータをパソコンAへ送信し、シート2を示すデータをサーバーAに送信し、シート3を示すデータをスマホAに送信する。
【0070】
一方、表データに含まれる全てのシートを記憶させる記憶装置20が存在する場合(ステップS47においてYES)、記憶制御部105は、ステップS48およびステップS49の処理を行う。ここで、表データに含まれる全てのシートを記憶させる記憶装置20が存在する場合とは、全てのシート(シート1〜シート3)に対応付けられた記憶装置20が存在する場合を意味する。
【0071】
ステップS48の処理では、記憶制御部105は、全てのシートに対応付けられた記憶装置20にアクセスすることが可能なリンク情報を生成する。そして、ステップS49の処理では、記憶制御部105は、通信部140を制御して、当該生成したリンク情報を表データに含まれる一部のシートのみを記憶させる記憶装置20へ送信させる(ステップS49)。ステップS49の処理後、既述のステップS50の処理を行う。ステップS49およびステップS50の処理により、表データに含まれる一部のシートのみに対応付けられた記憶装置20には、当該一部のシートを示す情報に加えて、上記のリンク情報が記憶される。これにより、表データに含まれる一部のシートのみを記憶する記憶装置20上においてユーザーがオリジナルの表データに容易にアクセスすることができる。
【0072】
以上のように、本発明の実施形態4にかかる情報処理装置10および情報処理システム1によれば、ユーザーが一度、表データに含まれる複数のシートと予め定められた記憶装置20との対応関係を設定すれば、その後は特にユーザーが意識することなく表計算ソフトによるデータの作成または変更といった作業を行うだけで、所望のシートのみを外部の記憶装置20に送信してデータのバックアップや情報の共有などを行うことができる。
【0073】
なお、上記の
図12に示すフローチャートでは、表データに含まれる全てのシートについてステップS46〜ステップS50の処理を実行する場合を説明した。しかしながら、本発明は必ずしもこの場合に限定されない。表データ全体が変更されたのではなく一部のシートのデータのみが変更された場合には、記憶制御部105が表データに含まれる全てのシートについてステップS46〜ステップS50の処理を実行するのではなく、当該変更されたシートについてのみステップS46〜ステップS50の処理を実行するようにしてもよい。すなわち、記憶制御部105は、情報処理部102が表データの一部のシートのみを変更した場合、当該変更したシートに対応付けられた記憶装置20のみへ当該変更したシートを示すデータを通信部140に送信させる処理を行う。
【0074】
<補足1>
表データを構成する複数のシートは、それぞれ複数のエリアから構成されている場合がある。そして、当該複数のエリアを定めるエリア情報は、記憶部130に予め記憶されている。例えば、10行10列のシートは、(1)1行目〜5行目、1列目〜5列目の第1エリア、(2)6行目〜10行目、1列目〜5列目の第2エリア、(3)1行目〜5行目、6列目〜10列目の第3エリア、(4)6行目〜10行目、6列目〜10列目の第4エリアの4つのエリアから構成することができる。
【0075】
ここで、シートを構成する複数のエリアを、複数の記憶装置20のうちの予め定められた記憶装置にそれぞれ対応付けて、当該複数のエリアと予め定められた記憶装置20との対応関係を示す情報を記憶部130に予め記憶させてもよい。
【0076】
このような構成のもと、記憶制御部105は、受付部103が表データに含まれる1つのシートに対する予め定められた記憶指示を受け付けた場合に、記憶部130に当該表データを記憶させるとともに、以下の処理を行う。すなわち、記憶制御部105は、1つのシートを構成する複数のエリアのそれぞれについて当該エリアに対応付けられた記憶装置20へ当該エリアを示すデータを通信部140に送信させる処理を行い、当該記憶装置20に送信させたデータを記憶させる。
【0077】
以上の構成によれば、ユーザーが一度、表データのシートについて、当該シートを構成する複数のエリアの位置(エリア情報)を設定し、かつ、複数のエリアと予め定められた記憶装置20との対応関係を設定すれば、その後は特にユーザーが意識することなく表計算ソフトによるシートの作成または変更といった作業を行うだけで、シート中の所望のエリアのみを外部の記憶装置20に送信してデータのバックアップや情報の共有などを行うことができる。
【0078】
<補足2>
なお、記憶制御部105は、記憶装置20においてデータの記憶が完了した場合に記憶装置20から送信される記憶完了を示す信号を、通信部140を介して受信してもよい。この場合、記憶制御部105は、全てのシートを示すデータを記憶させた記憶装置20から送信された上記の信号を受信した後に、リンク情報を通信部140に送信させる。これにより、リンク先においてデータの記憶が完了していない状態において、ユーザーがリンク情報を用いてリンク先にアクセスしてしまうという事態を回避することができる。
【0079】
<補足3>
上記のステップS47の処理において全てのシートを示すデータを記憶させた記憶装置20を特定できなかった場合、記憶制御部105は、予め定められた複数の記憶装置20のうちの複数の記憶装置に記憶されたシートを組み合わせることで全てのシートを示すデータになるか否かを判定してもよい。例えば、シート1〜シート3から構成されるデータに対して、シート1を記憶した記憶装置A、シート2を記憶した記憶装置B、およびシート3記憶した記憶装置Cが存在する場合、これらの記憶装置A〜Cに記憶されたデータを組み合わせることで全てのシートを示す表データを構成することができる。この場合、記憶制御部105は、これらの記憶装置A〜Cを特定する。
【0080】
そして、記憶制御部105は、シートを組み合わせることで全てのシートを示すデータになると判定した場合に、当該シートを示すデータを記憶した複数の記憶装置のそれぞれにアクセスすることが可能なリンク情報を生成する。その後、記憶制御部105は、通信部140を制御して、当該生成したリンク情報を予め定められた記憶装置20へ送信する。上記の例の場合、記憶制御部105は、記憶装置A〜Cのそれぞれにアクセス可能な3つのリンク情報を予め定められた記憶装置20へ送信する。
【0081】
なお、記憶装置20においてデータの記憶が完了した場合に記憶装置20から送信される記憶完了を示す信号を、記憶制御部105が通信部140を介して受信する場合、記憶制御部105は、以下の処理を行ってもよい。すなわち、記憶制御部105は、シートを示すデータを記憶した複数の記憶装置20から送信された上記の信号を全て受信した後に、リンク情報を通信部140に送信させる。これにより、リンク先においてデータの記憶が完了していない状態において、ユーザーがリンク情報を用いてリンク先にアクセスしてしまうという事態を回避することができる。
【0082】
<実施形態5>
実施形態5にかかる情報処理装置10では、記憶部130に、ネットワークNを介して情報処理装置10と接続された複数の記憶装置20のうちの複数の予め定められた記憶装置20を示す情報、および、当該複数の予め定められた記憶装置20の記憶先としての優先度を示す情報を記憶されている。
図13は、当該記憶部130に予め記憶されたデータの一例を示す図である。本図に示す例では、「C:\User\backup」の予め定められた記憶領域に対応する予め定められた記憶装置として、サーバーAおよびサーバーBが設定されている。そして、サーバーAの優先度として「5」が、サーバーBの優先度として「3」が設定されている。優先度の値が大きいほど、記憶装置20の記憶先としての優先度が高いことを意味する。
【0083】
図14は、上記の優先度の設定を受け付けるための受付画面の一例を示す図である。記憶制御部105は、
図14に示された受付画面D7において受付部103が受け付けた指示に基づいて、
図13に示す優先度を示す情報を生成し、当該生成した情報を記憶部130に記憶させる。
図14に示す例では、パソコンAの優先度として「3」が、サーバーAの優先度として「5」が、スマホAの優先度として「1」が設定されている。
【0084】
実施形態5にかかる情報処理装置10では、上記の優先度を示す情報に基づいてデータを外部の記憶装置20に記憶させる制御を行う。当該制御の流れを示すフローチャートを
図15に示す。なお、
図4に示したフローチャート
と同内容の処理については同符号を付して説明を略する。
【0085】
記憶指示で指定された記憶領域が予め定められた記憶領域である場合(ステップS15においてYES)、記憶制御部105は、記憶部130に予め記憶された情報を取得して、当該情報に基づき予め記憶領域に対応付けられた複数の記憶装置の優先度を特定する(ステップS60)。そして、記憶制御部105は、ステップS13の処理で受付部103が受け付けた記憶指示で指定された優先度以上の優先度が設定された記憶装置を特定する(ステップS61)。ここで、記憶制御部105は、受付部103が受け付けた記憶指示において表示部110の操作画面に配置された記憶指示を受け付けるためのボタンが選択された回数に基づき記憶指示で指定される優先度を決定する。
【0086】
例えば、
図3(B)に示す操作画面D3において、記憶指示を受け付けるためのボタンd1またはボタンd2が3回選択された場合、記憶制御部105は、記憶指示において「3」の優先度が指定されたことを特定する。また、操作画面において優先度を入力することが可能な入力欄が設けられている場合、記憶制御部105は、記憶指示が行われる際に当該入力欄に入力された数値に基づき、記憶指示で指定される優先度を決定する。
【0087】
図15に戻って、ステップS61の処理後、記憶制御部105は、通信部140を制御して、記憶指示で指定された優先度以上の優先度が設定された記憶装置20へ文書データを送信させる(ステップS62)。例えば、ステップS13の処理における記憶指示において「3」の優先度が設定された場合、ステップS62の処理では、当該「3」の優先度以上の優先度が設定されたパソコンAおよびサーバーAに文書データが送信される。
【0088】
ステップS62の処理後、記憶制御部105は、予め定められた記憶装置20のうち文書データを送信しない記憶装置20が存在するか否かを決定する(ステップS63)。当該ステップS63の処理では、すなわち、ステップS13の処理における記憶指示において設定された優先度未満の優先度が記憶部130に記憶されたデータにより設定されている記憶装置が存在するか否かが判定される。
【0089】
予め定められた記憶装置20のうち文書データを送信しない記憶装置20が存在する場合(ステップS63においてYES)、記憶制御部105は、文書データを送信した記憶装置20にアクセスすることが可能なリンク情報を生成し(ステップS64)、当該生成したリンク情報を文書データを送信しない記憶装置20へ送信させる(ステップS65)。例えば、ステップS13の処理における記憶指示において「3」の優先度が設定された場合、ステップS65の処理では、当該「3」の優先度未満の優先度が設定されたスマホAに、当該「3」の優先度以上の優先度が設定されたパソコンAおよびサーバーAにアクセスすることが可能なリンク情報が送信される。これにより、優先度が低く文書データが送信されない記憶装置20上においても、ユーザーが文書データが記憶された記憶装置20に容易にアクセスして文書データを閲覧することができる。
【0090】
以上のように、本発明の実施形態5にかかる情報処理装置10および情報処理システム1によれば、ユーザーが文書作成ソフトにより作成または変更した文書データを記憶させる指示を行う際に優先度を設定することにより、文書データを送信する外部の記憶装置20の数を変更することができる。これにより、作成または変更した文章データの重要度などにより、データのバックアップや情報の共有を行わせる記憶装置20の対象を異ならせることができる。
【0091】
<補足>
上記の実施形態では、情報処理部102が、受付部103が受け付けた指示に基づいて、複数の予め定められた記憶装置20の記憶先としての優先度を決定する処理を行う場合を説明したが、本発明は必ずしもこの場合に限定されない。
【0092】
補足にかかる情報処理装置10では、情報処理部102が、通信部140を制御して、予め定められた記憶装置20から当該予め定められた記憶装置20の空き容量を示す情報を取得する。そして、情報処理部102は、予め定められた記憶装置20の空き容量に応じて、複数の予め定められた記憶装置20の記憶先としての優先度を決定する。具体的には、情報処理部102は、記憶装置20の空き容量が大きいほど高い優先度を設定する。そして、情報処理部102は、上記の処理で決定された優先度を示す情報を記憶部130に記憶させる。
【0093】
<実施形態6>
図16は、実施形態6にかかる情報処理装置10において記憶部130に記憶されたファイルブラウザソフトが情報処理部102により実行された際に表示部110に表示される操作画面を示している。本図に示す例では、デスクトップ画面D1中にファイルブラウザソフトの処理結果である操作画面D8が表示されている。操作画面D8には、記憶部130内のディレクトリの位置を示すパス、および、当該ディレクトリに含まれる各種のデータ(ファイル)に関連付けられた複数のアイコンに加えて、ボタンd8が配置されている。当該ボタンd8は、操作画面D8に配置された複数のアイコンに関連付けられたデータを外部の記憶装置20に記憶させる処理のトリガーとなる記憶指示を受け付けるためのボタンである。ボタンd8に対する選択指示を受付部103が受け付けた場合、記憶制御部105は、操作画面D8に配置された複数のアイコンに関連付けられたデータを外部の記憶装置20に記憶させる処理を実行する。
【0094】
実施形態6にかかる情報処理装置10では、ファイルブラウザソフトの操作画面に配置された複数のアイコンは、複数の記憶装置20のうちの予め定められた記憶装置20にそれぞれ対応付けられている。そして、当該複数のアイコンと予め定められた記憶装置20との対応関係を示す情報が記憶部130に予め記憶されている。
図17(A)は、記憶部130に予め記憶されたデータの一例を示す図である。本図に示す例では、
図16に示した操作画面D8に配置された複数のアイコンのうち、「議事録.odt」のアイコンおよび「実績表.calc」のアイコンについて、対応する記憶装置20が示されている。例えば、「議事録.odt」のアイコンについては、パソコンA、サーバーA、およびスマホAの予め定められた記憶装置20が対応付けられている。
【0095】
また、
図17(B)は、記憶部130に予め記憶されたデータの別の一例を示す図である。本図に示す例は、
図17(A)に示した例とは異なり「議事録.odt」のアイコンや「実績表.calc」のアイコンといった具体的なアイコン名毎に対して記憶装置20が対応付けられているのではなく、アイコンの種別毎に記憶装置20が対応付けられている。本図に示す例では、拡張子がodtであるアイコン、すなわち、文書データに関連付けられたアイコンに対して、パソコンA、サーバーA、およびスマホAの予め定められた記憶装置20が対応付けられている。また、拡張子がcalcであるアイコン、すなわち、表データに関連付けられたアイコンに対して、サーバーAおよびサーバーBの予め定められた記憶装置20が対応付けられている。
【0096】
図18は、上記のアイコンと記憶装置20との対応関係の設定を受け付けるための受付画面の一例を示す図である。記憶制御部105は、
図18に示された受付画面D9において受付部103が受け付けた指示に基づいて、
図17(A)や
図17(B)に示すアイコンと記憶装置20との対応関係を示す情報を生成し、当該生成した情報を記憶部130に記憶させる。
図18に示す例では、例えば、張子がmp3であるアイコンに対して、サーバーAの予め定められた記憶装置20が対応付けられている。
【0097】
実施形態6にかかる情報処理装置は、記憶部130に記憶された上記のデータに基づき、アイコンに関連付けられたデータを外部の記憶装置20に記憶させる処理を実行する。
図19は、当該処理の流れを示すフローチャートである。
【0098】
図19に示すように、受付部103がファイルブラウザソフトの起動指示を受け付けると(ステップS70においてYES)、情報処理部102は、ファイルブラウザソフトを起動する(ステップS71)。そして、受付部103がファイルブラウザソフトの操作画面において予め定められた記憶指示を受け付けると(ステップS72においてYES)、記憶制御部105は、ステップS73およびステップS74の処理を実行する。
【0099】
ステップS73の処理では、記憶制御部105は、記憶部130に記憶されたアイコンと記憶装置20との対応関係を示すデータを取得して、当該取得したデータに基づいて、ファイルブラウザソフトの操作画面に配置された複数のアイコンについて当該アイコンに対応付けられた記憶装置20を特定する処理を行う。
【0100】
そしてステップS74の処理では、記憶制御部105は、通信部140を制御して、アイコンに関連付けられたデータを当該アイコンに対応付けられた記憶装置20へ送信させる。例えば、
図17(B)に示すデータが記憶部130に記憶されている場合、ステップS74の処理により、
図16に示す操作画面D8に配置された複数のアイコンのうち「議事録.odt」のアイコンおよび「テンプレート.odt」のアイコンが、パソコンA、サーバーA、およびスマホAの記憶装置20へ送信され、「実績表.calc」のアイコンが、サーバーAおよびサーバーBの記憶装置へ送信される。
【0101】
以上のように、本発明の実施形態6にかかる情報処理装置10および情報処理システム1によれば、特定の記憶領域内に含まれるデータに関連付けられたアイコンの一覧を示すファイルブラウザ画面において、当該アイコンに関連付けられたデータを所望の記憶装置20に記憶させることができる。
【0102】
図20は、実施形態6の変形例において情報処理装置10が実行する処理の流れを示すフローチャートである。なお、
図19に示したフローチャートと同様の処理については同符号を付して説明を略する。
【0103】
ステップS73の処理後、記憶制御部105は、通信部140に予め定められた記憶装置20と通信を行わせて、アイコンに対応付けられた記憶装置20の記憶容量の情報を取得させる(ステップS80)。そして、アイコンに対応付けられた記憶装置20の記憶容量が予め定められた閾値(例えば20GB)以下でない場合(ステップS81においてNO)、
図19に示したステップS74の処理と同様に、記憶制御部105は、通信部140を制御して、アイコンに関連付けられたデータを当該アイコンに対応付けられた記憶装置20へ送信させる(ステップS83)。一方、予め定められた記憶装置20の記憶容量が予め定められた閾値(例えば20GB)以下の場合(ステップS81においてYES)、記憶制御部105は、アイコンに対応付けられた記憶装置20の記憶容量に応じてデータの容量を削減したデータを生成する処理を行う(ステップS82)。この処理において、記憶制御部105は、記憶装置20の記憶容量が少ないほどデータ容量の削減量(削減率)を高くする。また、当該処理において、記憶制御部105は、予め定められた記憶装置の記憶容量に加えて当該予め定められた記憶装置の空き容量に応じて、データの容量を削減したデータを生成してもよい。
【0104】
ステップS82の処理後、記憶制御部105は、通信部140を制御して、容量を削減したデータをアイコンに対応付けられた記憶装置20へ送信させる(ステップS83)。
【0105】
以上のように、本発明の実施形態6の変形例にかかる情報処理装置10および情報処理システム1によれば、記憶容量が少ない予め定められた記憶装置20については、容量を削減したデータを送信することで、その記憶容量を必要以上に圧迫しないようにすることができる。
【0106】
また、上記の変形例において、記憶制御部105は、複数の記憶装置20のうち、容量を削減しなかったデータを記憶させた記憶装置20を特定するとともに、特定した記憶装置20にアクセスすることが可能なリンク情報を生成してもよい。そして、記憶制御部105は、上記の特定した記憶装置20以外の記憶装置、すなわち、容量を削減したデータを記憶させる記憶装置20に当該生成したリンク情報を記憶させる。これにより、容量が削減されたデータを記憶する記憶装置20上においてユーザーがオリジナルのデータに容易にアクセスすることができる。
【0107】
<実施形態7>
図21は、実施形態7にかかる情報処理装置10による動作の流れを示すフローチャートである。なお、
図4に示したフローチャート
と同内容の処理については同符号を付して説明を略する。
【0108】
記憶制御部105が記憶部130に記憶させた文書データと同じ文書データを、予め定められた記憶装置20へ通信部140に送信させる処理(ステップS16)を行った後、記憶制御部105は、ステップS16の処理後の予め定められた時間の間にデータの送信先である記憶装置20からデータの記憶に失敗した旨の信号を通信部140が受信したか否かを判定する(ステップS90)。
【0109】
ステップS16の処理後の予め定められた時間の間にデータの送信先である記憶装置20からデータの記憶に失敗した旨の信号を通信部140が受信しない場合(ステップS90においてNO)、記憶制御部105は処理を終える。なお、上記のステップS90においてNOの場合は、予め定められた時間の間にデータの送信先である記憶装置20からデータの記憶に成功した旨の信号を通信部140が受信した場合を含む。
【0110】
一方、ステップS16の処理後の予め定められた時間の間にデータの送信先である記憶装置20からデータの記憶に失敗した旨の信号を通信部140が受信した場合(ステップS90においてYES)、記憶制御部105は、ステップS91およびステップS92の処理を行う。
【0111】
図22は、記憶部130に予め記憶されたデータの一例を示す図である。本図に示すように、記憶部130には、情報処理装置10とネットワークNを介して接続された複数の記憶装置20のうちの予め定められた記憶装置20を示す情報と、当該予め定められた記憶装置に対応するメールアドレスを示す情報とが記憶されている。ステップS90の処理では、記憶制御部105は、記憶部130から予め定められた記憶装置に対応するメールアドレスを示す情報を取得する。そしてステップS91の処理では、記憶制御部105は、当該取得した情報に基づいて、文章データの記憶に失敗した記憶装置20に対応するメールアドレスに文書データを送信させる。
【0112】
このように、実施形態7にかかる情報処理装置10では、記憶制御部105が、上記のステップS92の処理で、ステップS16の処理で行ったデータ送信とは異なる方法で文書データの再送信を通信部140に行わせている。記憶装置20においてデータの記憶に失敗する要因には、(1)通信に関するエラーの発生、(2)記憶先の記憶装置20の空き容量不足、(3)記憶先の記憶装置20のアクセス権限がない、などが考えられるが、上記のようにステップS16の処理で行ったデータ送信とは異なる方法で文書データの再送信をすることにより、より確実に記憶装置20にデータを記憶させることが可能になる。
【0113】
なお、上記ではメールアドレスを用いてデータの再送信を行う場合を説明したが、本発明は必ずしもこの場合に限定されない。
図23(A)は、実施形態7の変形例にかかる情報処理装置10の処理の流れを示すフローチャートである。なお、
図21に示したフローチャートと同内容の処理については同符号を付して説明を略する。
【0114】
ステップS16の処理後の予め定められた時間の間にデータの送信先である記憶装置20からデータの記憶に失敗した旨の信号を通信部140が受信した場合(ステップS90においてYES)、記憶制御部105は、通信部140を制御して、文章データの記憶に失敗した記憶装置20の空き容量の情報を取得させる(ステップS93)。そして、記憶制御部105は、当該記憶装置20の空き容量に応じて文章データの容量を削減したデータを生成する(ステップS94)。具体的には、記憶制御部105は、文書データの容量が記憶装置20の空き容量以下となるように容量を削減する。そして、記憶制御部105は、通信部140を制御して、ステップS94の処理で生成した容量を削減したデータを文章データの記憶に失敗した記憶装置20に送信させる(ステップS95)。
【0115】
また、
図23(B)は、実施形態7の別の変形例にかかる情報処理装置10の処理の流れを示すフローチャートである。なお、
図21に示したフローチャートと同内容の処理については同符号を付して説明を略する。
【0116】
ステップS16の処理後の予め定められた時間の間にデータの送信先である記憶装置20からデータの記憶に失敗した旨の信号を通信部140が受信した場合(ステップS90においてYES)、記憶制御部105は、通信部140を制御して、ステップS16の処理において記憶先として指定した記憶領域とは異なる記憶領域を指定するデータを予め定められた記憶装置20へ送信させる(ステップS96)。
【0117】
また、表示制御部104は、通信部140がデータの記憶に失敗した旨の信号を受信した場合、すなわちステップS90の処理においてYESの場合に、
図24に示す設定画面を表示部110に表示させてもよい。設定画面D10には、外部の記憶装置20においてデータの記憶に失敗した旨が示されている。また、設定画面D10には、複数のボタンd11、d12、d13が配置されている。当該設定画面D10において受付部103が選択を受け付けたボタンに応じて、記憶制御部105は実行する処理を決定する。例えば、受付部103がボタンd11の選択操作を受け付けた場合、記憶制御部105は、ステップS16の処理で行ったデータ送信と同じ方法で文書データの再送信を通信部140に行わせる。また、受付部103がボタンd12の選択操作を受け付けた場合、記憶制御部105は、ステップS16の処理で行ったデータ送信とは異なる電子メールの方法を用いて文書データの再送信を通信部140に行わせる。また、受付部103がボタンd13の選択操作を受け付けた場合、記憶制御部105は、文書データの再送信を行わない。上記のように処理を行うことにより、外部の記憶装置20においてデータの記憶に失敗した場合に、ユーザーが所望する処理で情報処理装置10にデータの再送信を行わせることができる。
【0118】
また、上記の変形例において、記憶制御部105は、複数の記憶装置20のうち、データの記憶に成功した記憶装置20を特定するとともに、当該特定した記憶装置20にアクセスすることが可能なリンク情報を生成してもよい。そして記憶制御部105は、上記の特定した記憶装置20以外の記憶装置、すなわち、データの記憶に失敗した記憶装置20に当該生成したリンク情報を記憶させる。空き容量不足でデータの記憶に失敗した場合、記憶装置20は、データが軽いリンク情報であれば記憶することができる。これにより、空き容量不足でデータの記憶に失敗した記憶装置20においても、当該記憶装置20上においてユーザーがオリジナルのデータにアクセスすることができる。
【0119】
<実施形態8>
図25は、実施形態8にかかる情報処理装置10による動作の流れを示すフローチャートである。なお、
図4に示したフローチャート
と同内容の処理については同符号を付して説明を略する。
【0120】
記憶指示で指定された記憶領域が予め定められた記憶領域である場合(ステップS15においてYES)、記憶制御部105は、通信部140を制御して、文書データを送信する前に、アクセス要求を予め定められた記憶装置20へ送信させる(ステップS100)。
【0121】
そして、ステップS100の処理後の予め定められた時間以内に、通信部140が記憶装置20からアクセス要求に対する許可信号を受信した場合(ステップS101においてYES)、通信部140を制御して、文書データを予め定められた記憶装置20へ送信させる(ステップS102)。
【0122】
一方、ステップS100の処理後の予め定められた時間以内に、通信部140が記憶装置20からアクセス要求に対する許可信号を受信しない場合(ステップS101においてNO)、記憶制御部105は、ステップS13における記憶指示で指定された記憶領域に、ステップS12の処理による加工後の文書データに加えて、ステップS12の処理による加工前のデータを記憶させる(ステップS103)。このとき、記憶制御部105は、ステップS12の処理による加工前のデータを、ステップS12の処理による加工後の文書データと異なる名称(ファイル名)にして、記憶指示で指定された記憶領域に記憶させる。なお、上記のステップS101においてNOにおける場合には、通信部140が予め定められた記憶装置20からアクセス要求に対する不許可信号を受信した場合も含まれる。
【0123】
ステップS103の処理後、記憶制御部105は、通信部140を制御して、再度、アクセス要求を予め定められた記憶装置20へ送信させる(ステップS104)。そして、ステップS104の処理後の予め定められた時間以内に、通信部140が記憶装置20からアクセス要求に対する許可信号を受信した場合(ステップS105においてYES)には、記憶制御部105は、記憶部130にステップS12の処理による加工前のデータを削除させ(ステップS106)、その後、通信部140を制御して、ステップS12の処理による加工後のデータを予め定められた記憶装置20へ送信させる(ステップS107)。
【0124】
以上のように、実施形態8にかかる情報処理装置10および情報処理システム1によれば、外部の予め定められた記憶装置20のアクセス許可を得てからデータを送信するため、より確実に記憶装置20にデータを記憶させることが可能になる。また、予め定められた記憶装置20のアクセス許可が得られなかった場合には、記憶部130に、ステップS12の処理による加工後のデータに加えて、ステップS12の処理による加工前のデータを記憶させることにより、ユーザーが所望する場合には変更前の状態の文章データを復元することが可能になる。
【0125】
なお、実施形態8にかかる変形例では、情報処理装置10の使用者と予め定められた記憶装置20の使用者とが異なる場合においてのみ上記のアクセス要求の送信処理を行い、情報処理装置10の使用者と予め定められた記憶装置20の使用者とが同じ場合においては上記のアクセス要求の送信処理を行わずに予め定められた記憶装置へデータを送信してもよい。この場合、記憶部130には、予め定められた記憶装置20の使用者を示す使用者情報が予め記憶されている。記憶制御部105は、当該使用者情報に基づき、情報処理装置10の使用者と予め定められた記憶装置20の使用者とが異なるか否かを判定する。
【0126】
また、実施形態8にかかる別の変形例では、予め定められた記憶装置20からアクセス要求に対する許可信号が送信されない場合、または、予め定められた記憶装置20からアクセス要求に対する不許可信号を通信部140が受信した場合に、記憶制御部105が電子メールを用いてデータを送信させてもよい。この場合、記憶部130には、予め定められた記憶装置20に対応するメールアドレスが予め記憶されている。記憶制御部105は、当該情報に基づいて、予め定められた記憶装置20に対応するメールアドレスを特定して、当該メールアドレスにデータをメール送信させる。
【0127】
なお、本発明は、上記の実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。
【0128】
上記の実施の形態および変形例で説明したプログラムをコンピューター読み取り可能な非一時的な記録媒体、例えば、ハードディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリーなどに記録したものとしてもよい。
【0129】
また、上記の実施の形態および変形例で示した構成を、部分的に組み合せてもよい。例えば、文章データを用いて説明した上記の実施形態を、表データの複数のシートや表データを構成する複数のエリアに対して適用することもできる。同様に、表データを用いて説明した上記の実施形態を、文章データや表データを構成する複数のエリアに対して適用することもできる。