(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
図面を参照しながら、複数の実施形態を説明する。複数の実施形態において、機能的におよび/または構造的に対応する部分および/または関連付けられる部分には同一の参照符号、または百以上の位が異なる参照符号が付される場合がある。対応する部分および/または関連付けられる部分については、他の実施形態の説明を参照することができる。
【0024】
第1実施形態
図1は、内燃機関のための電力システム10を示す。電力システム10は、内燃機関用回転電機11(以下、単に回転電機という)を含む。回転電機11の断面が図示されている。回転電機11は、内燃機関12に組み付けられている。内燃機関12は、ボディ13と、ボディ13に回転可能に支持され、内燃機関12と連動して回転する回転軸14とを有する。回転電機11は、ボディ13と回転軸14とに組み付けられている。ボディ13は、内燃機関12のクランクケース、ミッションケースなどの構造体である。回転軸14は、内燃機関12のクランク軸、またはクランク軸と連動する回転軸である。回転軸14は、内燃機関12が運転されることによって回転し、回転電機11を発電機として機能させるように駆動する。回転軸14は、回転電機11が電動機として機能するときに、回転電機11によって回転駆動される。
【0025】
電力システム10は、回転電機11を発電機、および/または電動機として機能させるための電気回路(CNT)15を有する。電気回路15は、インバータ回路および制御装置を備える。回転電機11と電気回路15とは、電力線16によって接続されている。電力線16は、回転電機11が発電機として利用されるときに、発電電力を電気回路15に出力する。電力線16は、回転電機11が電動機として利用されるときに、電気回路15から電力を供給する。回転電機11と電気回路15とは、信号線17によって接続されている。信号線17は、回転電機11の基準位置信号、および/または回転電機11の回転位置信号を電気回路15に出力する。制御装置は、信号線17によって得られる信号を利用して、回転電機11を電動機として機能させるように、制御を実行する。
【0026】
回転電機11は、電気回路15を介して、電気的な負荷(LD)18と電気的に接続されている。負荷18は、電気回路と、バッテリとを含む。回転電機11の用途の一例は、車両用の内燃機関12によって駆動される発電機である。回転電機11は、例えば、鞍乗り型車両に利用することができる。回転電機11の用途の一例は、車両用の内燃機関12を支援する電動機である。
【0027】
回転電機11は、ロータ21と、ステータ31とを有する。ロータ21は、界磁子である。ステータ31は、電機子である。ロータ21は、全体がカップ状である。ロータ21は、その開口端をボディ13に向けて位置付けられる。ロータ21は、ステータ31の端面と径方向外側とに渡って延びる部材である。ロータ21は、回転軸14の端部に固定される。ロータ21と回転軸14とは、キー嵌合などの回転方向の位置決め機構を介して連結されている。ロータ21は、固定ボルトによって回転軸14に締め付けられることによって固定されている。ロータ21は、回転軸14とともに回転する。ロータ21は、後述するステータ31に設けられる複数の磁極に対向して回転可能に支持されている。
【0028】
ロータ21は、カップ状のロータコア22を有する。ロータコア22は、内燃機関12の回転軸14に連結される。ロータコア22は、後述する永久磁石23のためのヨークを提供する。ロータコア22は、磁性金属製である。
【0029】
ロータ21は、ロータコア22の内面に配置された永久磁石23を有する。ロータ21は、永久磁石23によって界磁を提供する。永久磁石23は、ロータコア22の筒の内側に固定されている。永久磁石23は、複数のセグメントを有する。それぞれのセグメントは、部分円筒状である。永久磁石23は、その内側に、複数のN極と複数のS極とを提供する。永久磁石23は、少なくとも界磁を提供する。永久磁石23は、12個のセグメントによって、6対のN極とS極、すなわち12極の界磁を提供する。磁極の数は、他の数でもよい。
【0030】
ステータ31は、環状の部材である。ステータ31は、ロータ21とボディ13との間に配置されている。ステータ31は、ロータ21の内面とギャップを介して対向する外周面を有する。外周面には、複数の磁極が配置されている。磁極は、ティースとも呼ばれる。ステータ31は、例えば、18個の磁極を有する。磁極の数は、他の数でもよい。これら磁極は、ロータ21の界磁と対向して配置されている。ステータ31は、電機子巻線を有する。ステータ31は、多相の電機子巻線を有する。ステータ31は、ボディ13に固定される。ステータ31は、複数の磁極と、複数の三相巻線とを有する三相多極ステータである。
【0031】
ステータ31は、ステータコア32を有する。ステータコア32は、内燃機関12のボディ13に固定されることによってロータ21の内側に配置される。ステータコア32は、永久磁石23の内面と対向する複数の磁極を径方向外側に形成する。ステータコア32は、複数の磁極を接続する環状部を有している。ステータコア32は、環状部においてボディ13に固定されている。ステータコア32は、複数の磁極を形成するように所定の形状に成形された電磁鋼板を積層することにより形成されている。
【0032】
ステータ31は、ステータコア32に巻回されたステータコイル33を有する。ステータコイル33は、電機子巻線を提供する。ステータコア32とステータコイル33との間には絶縁材料製のインシュレータが配置されている。インシュレータは、ボビンとも呼ばれる。インシュレータの一部は、磁極に隣接して位置づけられることによって、ボビンのフランジ部を提供する。インシュレータの一部は、磁極の軸方向における両側に配置されている。インシュレータは、ステータコア32の環状部にも露出している。
【0033】
ステータ31は、中性点接続を提供するための複数の部品を含む中性点51を有する。ステータコイル33から延びる複数のコイル端33aは、中性点51に到達するように配置されている。ステータ31は、電力線16との接続を提供するための複数の部品を含む出力端61を有する。ステータコイル33から延びる複数のコイル端33aは、出力端61に到達するように配置されている。
【0034】
図2において、ステータコイル33は、多相巻線である。ステータコイル33は、三相巻線である。ステータコイル33は、複数の相コイル33u、33v、33wを有する。それぞれの相コイルが、並列接続された複数のコイルを有していてもよい。複数の相コイル33u、33v、33wのそれぞれは、両端にコイル端33a、33aを有する。なお、コイル端33aは、複数の相コイル33u、33v、33wのそれぞれの巻き始め、および巻き終わりの部分である。コイル端33aは、ステータコイル33を提供する素線の余線部分とも呼ばれる。
【0035】
ステータコイル33は、絶縁被覆によって被覆された単線導体によって形成されている。ステータコイル33を形成する導線は、アルミニウム製またはアルミニウム合金製である。ステータコイル33は、並列の複数の導線によって提供されてもよい。また、導線は、銅製または銅合金製でもよい。
【0036】
ステータコイル33は、スター結線されている。ステータコイル33はと、中性点51と、出力端61を有する。中性点51は、中性点電極52を有する。中性点電極52は、複数の端子54を有する。これら端子54のそれぞれは、コイル端33aと接続されている。
【0037】
出力端61は、3つの出力端電極62、63、64を有する。出力端電極62、63、64のそれぞれは、複数のコイル端33aのひとつと接続されている。ひとつの出力端電極は、ひとつの端子65を有する。図中には、出力端電極62の端子65が例示されている。ひとつの端子54に、少なくともひとつのコイル端33aが接続されている。
【0038】
図3は、ステータ31の平面図を示す。ステータコア32は、複数の磁極32aと、環状部32bとを有する。複数の磁極32aは、径方向に延びている。ステータコイル33は、複数の磁極32aに装着されている。ひとつの磁極32aには、ステータコイル33の一部分である単コイル33bが装着されている。図示の例では、18個の単コイル33bが設けられている。よって、ステータコイル33は、複数の単コイル33bの集合体でもある。
【0039】
複数の磁極32aは、環状部32bによって接続されている。環状部32bは、複数の固定部32cを有する。複数の固定部32cは、ボルト穴と、その周辺の座部とによって規定されている。図示の実施形態では、3つの固定部32cが設けられている。
【0040】
中性点51は、環状部32bに設けられている。中性点51は、周方向に隣接する2つの固定部32cの間に設けられている。中性点電極52は、スター結線のための中性点51を提供する。中性点電極52は、周方向に沿って延びる板状である。
【0041】
環状部32bの上には、インシュレータ34の一部が露出している。インシュレータ34は、中性点電極52を囲む容器の底面35を提供している。中性点電極52の周囲には、図示されない絶縁樹脂が設けられている。絶縁樹脂は、中性点電極52における電気的な露出部を覆い保護する保護部材である。インシュレータ34は、中性点電極52を収容する溝36を有している。
【0042】
出力端61は、環状部32bに設けられている。出力端61は、周方向に隣接する2つの固定部32cの間に設けられている。出力端61は、ステータコア32を貫通するように軸方向に沿って延びる板状である。
【0043】
環状部32bの上には、インシュレータ34の一部が露出している。インシュレータ34は、出力端電極62、63、64を囲む容器の底面を提供している。出力端電極62、63、64の周囲には、図示されない絶縁樹脂が設けられている。絶縁樹脂は、出力端電極62、63、64における電気的な露出部を覆い保護する保護部材である。インシュレータ34は、ステータコア32を貫通するように延びる貫通部を有する。出力端電極62、63、64は、貫通部の中に設けられている。これにより、出力端電極62、63、64は、ステータコア32から絶縁されている。
【0044】
複数のコイル端33aは、ステータコイル33から径方向内側に向けて延びて、中性点51または出力端61へ到達している。複数のコイル端33aは、ステータ31の端面上において、周方向の一方を指向するように傾斜しながら延びている。言い換えると、複数のコイル端33aは、渦巻を描くように延びている。複数のコイル端33aは、ステータコイル33の上において渦巻状に延びている。さらに、複数のコイル端33aは、環状部32bの上において渦巻状に延びている。複数のコイル端33aは、ステータコイル33から、環状部32bの上に向けて、周方向に関して同一方向へ傾き渦巻状に延びている。
【0045】
図示の例では、すべてのコイル端33aが、径方向外側から径方向内側に向けて、時計回り沿ってなびくように傾斜している。複数のコイル端33aの一部は、絶縁樹脂またはワニスや接着剤によって覆われる。ただし、複数のコイル端33aの傾斜は、その表面形状に表れる。複数のコイル端33aの渦巻状の傾斜は、回転電機11の回転方向に沿っている。図示される端面は、ロータ21に対向する端面である。言い換えると、図示される端面は、カップ状のロータ21の底面に対向している。よって、図示の例では、ロータ21に対向する端面において、複数のコイル端33aが渦巻状に配置される。なお、端面は、固定のボディ13に面していてもよい。
【0046】
図示において、例えば、下部右側のコイル端33aについて説明する。コイル端33aは、対応する単コイル33bから延び出している。コイル端33aは、ステータ31の反対端面上をステータコイル33の上に沿って周方向に延びている。コイル端33aは、ひとつのスロット32dの径方向内側部位を軸方向に沿って延びている。コイル端33aは、スロット32dを通して、図示される端面上に出現する。この端面は、中性点51および/または出力端61のための接続部が配置されている端面である。コイル端33aは、図示される端面において、出力端61に向けて、径方向内側へ向けて延びている。しかも、コイル端33aは、ステータ31の径方向に対して傾斜して延びている。
【0047】
回転電機11の回転方向に沿って、空気または油などの冷却媒体の流れが生じることがある。複数のコイル端33aの渦巻状の傾斜は、冷却媒体をスムーズに流す。
【0048】
図4は、ステータ31の斜視図を示す。複数のコイル端33aは、中性点51および/または出力端61に向けて周方向の一方向を指向する渦巻状である。複数のコイル端33aに隆起として表れることもある。
【0049】
図5は、中性点51の近傍における拡大図を示す。インシュレータ34は、周方向に隣接する2つの固定部32c、32cの間に、台形状または扇型と呼びうる端子台を形成している。底面35の中には、溝36が開口している。溝36は、波型である。溝36は、5つの直線部を有する。溝36の5つの直線部は、鈍角の連結部によって一連の溝36として連接されている。
【0050】
中性点電極52は、共通部53と、複数の端子54とを有する。共通部53は、複数の端子54を連結している。共通部53の少なくとも一部は、溝36の中に収容されている。共通部53は、波型である。共通部53は、溝36の形状に対応した形状を有する。複数の端子54は、3つの端子54a、54b、54cを有する。以下の説明において、端子54a、54b、54cは、そのうちひとつを識別する場合に用いられる。
【0051】
ひとつのコイル端33aは、ひとつの端子54に接続されている。図示の例では、3つのコイル端33aが、3つの端子54に接続されている。インシュレータ34は、コイル端33aを案内するための案内部37、38を有する。案内部37、38は、コイル端33aを保持するための保持機能を有していてもよい。案内部37、38は、環状部32bの上に配置されている。案内部37、38は、複数のコイル端33aを受け入れることにより、複数のコイル端33aを規定の形状に沿って案内する。
【0052】
図6は、中性点電極52を示す斜視図である。中性点電極52は、ステータコイル33との接続に適した導電性の金属製である。中性点電極52は、板状である。中性点電極52は、金属製の板をプレス加工する工程を含む製造方法によって製造される。製造方法は、金属製の板を切断する切断工程を含んでいてもよい。製造方法は、金属製の板を所定の形状に加工する工程を含む。製造方法は、金属製の板に、後述の突条を形成する工程を含む。さらに、製造方法は、金属製の板を曲げて所定の形状を与える曲げ工程を含む。曲げ工程は、曲げの内側の角度が90度以上の複数の曲がり部を形成する。曲げ工程では、複数の曲がり部が形成される。複数の曲がり部は、複数の端子54を、互いに平行に位置付けることなく、ステータ31の径方向外側に向けて広がるように位置付ける。
【0053】
複数の端子54は、共通部53から延び出している。共通部53に対して複数の端子54は、歯状に突出している。複数の端子54は、ステータ31の軸方向に沿って、インシュレータ34から突出するように、共通部53から延び出している。中性点電極52は、固定部55を有する。固定部55は、共通部53から延び出している。固定部55は、ステータ31の軸方向に沿って、インシュレータ34とともにステータコア32内へ延び出している。固定部55は、インシュレータ34に固定されている。
【0054】
複数の端子54のそれぞれは、突条56を有する。突条56は、端子54に形成された半円筒状の突部である。突条56は、ステータ31の軸方向に沿って延びる稜線を有する。この稜線は、軸AX56を規定する。端子54aは、突条56aを有する。端子54bは、突条56bを有する。端子54cは、突条56cを有する。
【0055】
図7は、中性点電極52を示す平面図である。中性点電極52は、複数の曲がり部Bdを有する。複数の曲がり部Bdを識別する場合、曲がり部Bd1、Bd2、Bd3、Bd4を用いる。曲がり部Bdは、平板を曲げることによって形成されている。曲がり部Bdにおいて、曲がり形状の内側は、鈍角である。すなわち、曲がり部Bdの曲げ変形量は浅い。このような浅い曲げ加工は、製造方法の簡単化に貢献する。
【0056】
隣接する2つの端子54の間には、複数の曲がり部Bdが形成されている。隣接する2つの端子54の間には、図中の下へ谷状の少なくともひとつの曲がり部Bdと、図中の上へ山状の少なくともひとつの曲がり部Bdとがある。中性点電極52は、複数の谷折りと複数の山折りとを有する。谷折りと山折りとは、ステータ31の周方向に沿って交互に配置されている。例えば、端子54aと端子54bとの間には、2つの曲がり部Bd1、Bd2がある。隣接する2つの端子54の面は、平行ではない。隣接する2つの端子54の面は、互いに傾斜している。隣接する2つの端子54の面の間には、ステータ31の径方向外側に向けて広がっている隙間が区画形成されている。
【0057】
端子54を平面と見なすと、端子54を通る平面を想定することができる。例えば、端子54aの面PL54aを想定することができる。同様に、端子54bの面PL54bを想定することができる。端子54cの面PL54cを想定することができる。面PL54a、面PL54b、面PL54cは、平面である。以下の説明では、時計回りを正方向とする。
【0058】
面PL54aと、面PL54bとの間には、曲がり部Bd1と曲がり部Bd2とがある。曲がり部Bd1は、平板からの曲げ方向に関して内角Rb1を有する。曲がり部Bd2は、平板からの曲げ方向に関して内角Rb2を有する。2つの内角の差は、0度以上である(Rb1−Rb2≧0)。面PL54aと、面PL54bとの間は、広がり角Rw1を有する。2つの内角の差は、拡がり角に相当する。面PL54aと、面PL54bとの間の隙間は、ステータ31の径方向外側に向けて広がっている。内角Rb1は、90度以上である(Rb1≧90)。内角Rb2は、90度以上である(Rb2≧90)。内角Rb1および内角Rb2は、鈍角である。
【0059】
面PL54bと、面PL54cとの間には、曲がり部Bd3と曲がり部Bd4とがある。曲がり部Bd3は、平板からの曲げ方向に関して内角Rb3を有する。曲がり部Bd4は、平板からの曲げ方向に関して内角Rb4を有する。2つの内角の差は、0度以上である(Rb3−Rb4≧0)。面PL54bと、面PL54cとの間は、広がり角Rw2を有する。2つの内角の差は、拡がり角に相当する。面PL54bと、面PL54cとの間の隙間は、ステータ31の径方向外側に向けて広がっている。内角Rb3は、90度以上である(Rb3≧90)。内角Rb4は、90度以上である(Rb4≧90)。内角Rb3および内角Rb4は、鈍角である。
【0060】
端子54の平面と平行であって、突条56の頂点を通る平面を想定することができる。この平面は、突条56の接線でもある。面PL54aは、突条56aの頂点を通る面PL56aと平行である。突条56aが円形ではない場合も、突条56aの接線とも言える面を想定することができる。面PL54bは、突条56bの頂点を通る面PL56bと平行である。面PL56cは、突条56cの頂点を通る面PL56cと平行である。3つの面PL54a、PL54b、PL54cの間に成立する関係は、3つの面PL56a、PL56b、PL56cの間にも成立する。
【0061】
中性点電極52は、端子54aと端子54bとを接続する第1接続部57を有する。中性点電極52は、端子54bと端子54cとを接続する第2接続部58を有する。面PL54aまたは面PL56aに対する第1接続部57の軸がなす角度は、90度より大きい。面PL54aまたは面PL56aに対する第1接続部57の軸がなす角度は、180度を下回る。面PL54aまたは面PL56aに対する第2接続部58の軸がなす角度は、90度より大きい。面PL54aまたは面PL56aに対する第2接続部58の軸がなす角度は、180度を下回る。
【0062】
図8は、
図5に相当する平面図である。ステータ31上における中性点電極52の位置が示されている。中性点電極52は、環状部32bの上に周方向に沿って配置されている。中性点電極52は、周方向に関して複数の端子54を互いに離して有している。中性点電極52は、周方向に隣接する2つの端子54の間に、山折および谷折りを提供する複数の曲がり部Bdを有する。言い換えると、複数のコイル端33aと接続される複数の端子54、65は、環状部32bの上に配置されている。ひとつの端子54、65に対応するコイル端33aは、その端子54、65の面に沿って延びている。
【0063】
突条56aと、突条56bとは、中性点電極52の素材の同じ面から突出するように形成されている。曲がり部Bd1と曲がり部Bd2とは、逆方向の曲がり部である。すなわち、曲がり部Bd1は、径方向外側面を谷とし、径方向内側面を山とする。曲がり部Bd2は、径方向外側面を山とし、径方向内側面を谷とする。
【0064】
突条56bと、突条56cとは、中性点電極52の素材の同じ面から突出するように形成されている。曲がり部Bd3と曲がり部Bd4とは、逆方向の曲がり部である。すなわち、曲がり部Bd3は、径方向外側面を谷とし、径方向内側面を山とする。曲がり部Bd4は、径方向外側面を山とし、径方向内側面を谷とする。
【0065】
この結果、複数の突条56a、56b、56cは、やや径方向内側を指向するように突出している。言い換えると、複数の端子54a、54b、54cは、それらの突条56a、56b、56cが径方向内側を指向するように傾斜している。
【0066】
図中には、端子54と平行であって、突条56の頂点を通る平面PL56a、PL56b、PL56cが図示されている。ステータの製造方法は、ステータ31に中性点電極52を装着する工程を含む。中性点電極52は、インシュレータ34またはステータコア32に固定される。この工程の後に、複数のコイル端33aを敷設する工程を含む。複数のコイル端33aは、案内部37、38に装着され、同時に端子54の突条56の上に配置される。複数のコイル端33aは、径方向外側から、径方向内側へ向けて、しかも、時計回り方向へ傾斜しながら敷設される。コイル端33aは、端子54の突条56の上に軸AX56と交差するように配置される。この工程の後に、コイル端33aと、端子54とが接合される。この実施形態では、プロジェクション溶接が採用されている。プロジェクション溶接は、コイル端33aと端子54とを溶接電極の間に位置づけ、機械的に加圧しながら、電流を流して両者を溶接する。なお、ヒュージングまたは電気溶接と呼ばれる工程が採用されてもよい。
【0067】
案内部37は、コイル端33aを位置決めするための基準面を提供する。コイル端33aは、案内部37に接触することで、正規の位置に位置づけられる。案内部37は、ステータコイル33の上と、環状部32bの上との境界部分に設けられている。コイル端33aは、案内部37において、端子54に向かうように位置決めされている。案内部37は、コイル端33aを曲げるための基準面を提供する。コイル端33aは、案内部37において、僅かに曲げられる場合がある。インシュレータ34は、端子54aに接続されるコイル端33aのために、案内部37を有する。インシュレータ34は、端子54bに接続されるコイル端33aのために、案内部37を有する。インシュレータ34は、端子54cに接続されるコイル端33aのために、案内部37を有する。
【0068】
案内部38は、コイル端33aを位置決めするための基準面を提供する。案内部38は、環状部32bの上に配置されている。コイル端33aは、案内部38に接触することで、正規の位置に位置づけられる。コイル端33aは、案内部38に接触することで、端子54の突条56の上に接触するように位置づけられる。コイル端33aは、案内部38において曲げられない。インシュレータ34は、端子54aに接続されるコイル端33aのために、案内部38を備えない。案内部37と端子54aとが近いからである。インシュレータ34は、端子54bに接続されるコイル端33aのために、案内部38を有する。インシュレータ34は、端子54cに接続されるコイル端33aのために、案内部38を有する。
【0069】
案内部37、38は、製造方法において、コイル端33aを固定する固定部を提供する場合がある。コイル端33aが端子54に溶接される前の段階、および溶接工程中の段階において、案内部37、38は、コイル端33aの位置を端子54の上に位置付ける。
【0070】
コイル端33aは、端子54の上では、平面PL56a、PL56b、PL56cと平行に延びている。例えば、端子54aに接続されるコイル端33aは、平面PL56aに沿って延びている。コイル端33aは、環状部32bの上では、平面PL56a、PL56b、PL56cに沿うように平行に延びている。コイル端33aは、案内部37から、真っ直ぐに延びている。
【0071】
複数のコイル端33aは、環状部32bの上では、ほぼ真っ直ぐである。これにより、製造方法において、コイル端33aの僅かな移動が許容される。また、真っ直ぐのコイル端33aは、90度に近い鈎型の加工を要しない。このため、太い導線をステータコイルに利用することができる。
【0072】
図中には、複数の磁極32aが提供する複数の軸AX32(n)、が図示されている。nは自然数である。軸AX32(n)は、ステータ31の径方向に対応している。複数の軸AX32(n)は、ステータ31に対して放射状である。中性点電極52は、5本の磁極32aの範囲内に設けられている。中性点電極52は、軸AX32(1)と、軸AX32(5)との間に渡って延びている。
【0073】
複数の端子54のすべては、それらの面が、径方向に対して傾斜するように位置づけられている。例えば、端子54aは、ステータ31と垂直な面を有する。端子54aは、平面PL56aと平行である。平面PL56aは、径方向外側から径方向内側に向けて、周方向の一方向である時計周り方向へ傾いている。よって、端子54aは、径方向外側から径方向内側に向けて、周方向の一方向である時計周り方向へ傾いている。端子54b、端子54cも、同様である。
【0074】
複数の端子54のすべては、コイル端33aに沿うように広がっている平面と、コイル端33aと接触し、かつ接続されている突条56とを有する。例えば、端子54aは、コイル端33aに沿うように広がっている平面の中の一部に突条56を有する。言い換えると、突条56の両側に、2つの平面部分が位置している。端子54b、端子54cも、同様である。
【0075】
平面PL56a、PL56b、PL56cが径方向外側へ広がる方向に関して、平面PL56a、PL56b、PL56cは、先行する軸AX32(n)と交差している。すなわち、端子54aは、軸AX32(1)と軸AX32(2)との間に設けられている。平面PL56aは、ステータ31の上の領域内において、軸AX(1)と交差している。端子54bは、軸AX32(3)の上に設けられている。平面PL56bは、ステータ31の上の領域内において、軸AX(2)と交差している。端子54bは、軸AX32(4)と軸AX32(5)との間に設けられている。平面PL56cは、ステータ31の上の領域内において、軸AX32(4)および軸AX32(3)と交差している。
【0076】
突条56の平面PL56a、PL56b、PL56cは、その径方向外側部分において、最も近い磁極32aの軸AX32(n)と交差している。その角度は、0度を上回り、90度を下回る。
【0077】
図9は、端子54およびコイル端33aに対する溶接電極81、82の位置を示す。中性点電極52を配置可能な範囲RGが扇型に図示されている。
【0078】
ステータの製造方法は、ひとつのコイル端33aをひとつの突条56の上に配置する配置工程を含む。ステータの製造方法は、配置工程の後に、溶接電極81、82の間に、コイル端33aと端子54とを位置づけて、溶接する溶接工程を含む。配置工程は、複数のコイル端33aに関する複数の配置工程を含む。溶接工程は、複数のコイル端33aに関する複数の溶接工程を含む。3つの配置工程の後に、3つの溶接工程が実行されてもよい。ひとつの配置工程の後に、ひとつの溶接工程を実行する3つの工程を繰り返してもよい。
【0079】
ステータの製造方法は、2・BR>ツの溶接電極81、82の間に、端子54とコイル端33aとを位置づける工程を含む。この工程は、2つの溶接電極81、82を移動させて実行される。2つの溶接電極81、82は、開位置から、軸方向に関してステータ31に接近しながら、端子54とコイル端33aとを挟むように位置づけられる。このとき、コイル端33aは、突条56の上に、突条56と交差するように位置づけられる。次に、端子54とコイル端33aとは、溶接電極81、82の間において押し付けられる。溶接電極81、82は、端子54とコイル端33aとを押し付けながら、それらに溶接電流を流す。これにより、端子54とコイル端33aとが、突条56の上において溶接される。
【0080】
例えば、溶接工程が、複数の端子54に関して周方向に沿って順に実行される場合、溶接電極81、82と、コイル端33aとの干渉が回避される。このとき、広がり角Rw1、Rw2は、溶接電極81、82と、溶接対象ではないコイル端33aとの干渉を回避するために貢献する。例えば、端子54bの上にコイル端33aが溶接されるとき、平面PL56bと平面PL56cとの間の広がり角Rw2は、溶接電極81と、端子54cのためのコイル端33aとの間の干渉を回避するための隙間を与える。
【0081】
以上に述べた実施形態によると、コイル端33aは、鈎型の深い曲げ加工なしで端子54に溶接される。このため、コイル端33aの加工が容易である。また、鈎型の深い曲げ加工がないので、コイル端33aは、溶接工程の中で移動しやすい。このため、コイル端33aに応力を残すことなく、コイル端33aの位置を調節することができる。複数のコイル端33aが、同様に形成されているため、ステータ31の全体で上記効果が得られる。ステータ31の上において、複数のコイル端33aが同一方向の渦巻状に傾斜している。このため、ロータ21の回転方向に沿って、空気またはオイルなどの冷却媒体を滑らかに流すことができる。
【0082】
第2実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、ステータ31の周方向に隣接する2つの端子54は、広がり角を規定するように傾斜している。これに代えて、周方向に隣接する2つの端子54は、平行に配置されてもよい。
【0083】
図10に図示されるように、中性点電極52は広がり角なしで形成されている。平面PL256aと平面PL256bとは平行である。平面PL256bと平面PL256cとは平行である。この実施形態では、端子54bと、端子54cのためのコイル端33aとが端子54bの裏面に接近して配置される。ただし、端子54bにおける溶接工程の後、端子54cのための配置工程を実行することで、溶接電極81、82とコイル端33aとの干渉が回避される。
【0084】
なお、周方向に隣接する2つの端子54を有する場合、ひとつの端子54の面と垂直な方向における投影範囲PRJの中には、他の端子54がないことが望ましい。例えば、図中に破線で示されるように、端子54bの投影範囲PRJの中に端子C54cを位置づけた場合、溶接電極81、82の配置が困難になる。ただし、周方向に関して傾斜した複数のコイル端33aに起因する効果が得られる。
【0085】
第3実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、中性点電極52は、波型である。これに代えて、中性点電極52は、多様な曲げ形状を有していてもよい。
【0086】
図11に図示されるように、中性点電極52は、曲がり部Bd301、Bd302、Bd303、Bd304を有している。曲がり部Bd301、Bd302、Bd303、Bd304は、90度、すなわち直角である。よって、平面PL356a、PL356b、およびPL356cは平行である。
【0087】
突条56aと、突条56bとは、中性点電極52の素材の同じ面から突出するように形成されている。曲がり部Bd301と曲がり部Bd302とは、逆方向の曲げ角を有している。すなわち、曲がり部Bd301は、径方向外側面を谷とし、径方向内側面を山とする。曲がり部Bd302は、径方向外側面を山とし、径方向内側面を谷とする。このため、突条56aと、突条56bとは、やや径方向内側を指向するように突出している。言い換えると、端子54aと、端子54bとは、それらの突条56a、56bが径方向内側を指向するように傾斜している。
【0088】
突条56bと、突条56cとは、中性点電極52の素材の同じ面から突出するように形成されている。曲がり部Bd304と、曲がり部Bd305とは、中性点電極52を同じ方向に曲げている。このため、ステータ31の上において、突条56bと突条56cとは、逆方向を指向している。
【0089】
曲がり部Bd303と、曲がり部Bd305とは、端子54bと端子54cとの間を引き離す。言い換えると、曲がり部Bd303、Bd304は、突条56bと突条56cとを裏表に位置付ける。この結果、突条56bのためのコイル端33aと、突条56cのためのコイル端33aとの間には隙間が形成される。
【0090】
この実施形態によると、複数のコイル端33aを複数の端子54の上に配置した後に、溶接工程を実行することができる。しかも溶接電極81、82とコイル端33aとの干渉を回避することができる。また、中性点電極52の素材の同じ面から突条56a、56b、56cを突出させながら、溶接電極81、82のための隙間が形成される。
【0091】
第4実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、複数の突条56は、中性点電極52の素材板の同一面から突出している。これに代えて、複数の突条56は、異なる方向へ向けて突出していてもよい。
【0092】
図12において、端子54cは、突条456cを有する。複数の突条56のうち、ひとつの突条456cは、他の突条56a、56bとは、反対の面から、反対の方向へ向けて突出している。端子54cは、平面PL456cを規定している。この平面PL456cは、端子54cに接続されるコイル端33aに沿うように拡がっている。平面PL456cは、平面PL356bと平行である。
【0093】
中性点電極52の一方の面(図中下側を指向する面)において端子54bとコイル端33aとが接続されている。端子54bに接続されるコイル端33aは、図中の一方向から、すなわち右から端子54bの上へ到達している。これに対して、中性点電極52の他方の面(図中上側を指向する面)において端子454cとコイル端33aとが接続されている。端子454cに接続されるコイル端33aは、図中の他方向から、すなわち左から端子454cの上へ到達している。
【0094】
この実施形態によると、隣接する2つの端子54b、54cに接続される2つのコイル端33aをステータコア32の上において離すことができる。隣接する2つの端子54b、54cの間には、平面PL356bと平面PL456cとが拡がり角を規定するように、曲がり部を設けてもよい。曲がり部は、ひとつまたは複数の山折り部および/または谷折り部を含むことができる。例えば、隣接する2つの端子54b、54cの間に、山折り部と谷折り部とを設けて、中性点電極52を階段状に形成し、2つの端子54b、54cの間に段差を形成してもよい。
【0095】
第5実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、中性点電極52、および複数の出力端電極62、63、64の周囲には、絶縁樹脂が設けられている。これら絶縁樹脂を適用するステータの製造方法は、流動性のある樹脂を塗布した後に硬化させる製造方法、または、容器内に流動性のある樹脂を溜めた後に硬化させる製造方法など、多様な製造方法により実現できる。この実施形態では、絶縁樹脂を溜めるための容器の形状を提案する。この実施形態は、先行する実施形態に適用可能である。
【0096】
図13において、インシュレータ34の上には、環状の側壁を有する容器539aが設けられている。容器539aは、底面および頂面が開口した筒状の部材である。
【0097】
容器539aの中には、中性点電極52、および複数の出力端電極62、63、64を覆うように絶縁樹脂539bが溜められ、硬化されている。容器539aと、絶縁樹脂539bとは、貯水池状の絶縁部材を提供している。絶縁樹脂539bは、容器539aの頂面に露出した硬化面を有している。
【0098】
容器539aは、径方向外側に面する外周面539cを有する。外周面539cは、階段状である。外周面539cは、鋸歯状とも呼ぶことができる。外周面539cは、複数のコイル端33aに対して交差する面を提供する。外周面539cは、複数のコイル端33aに対して鈍角をなす面を提供する。これらの面は、コイル端33aに対してほぼ直交している。外周面539cは、ひとつの面において、ひとつのコイル端33aを受け入れている。これらの面は、平面または曲面である。
【0099】
外周面539cは、複数のコイル端33aを受け入れるためのインシュレータ34または容器539aの角部が、薄くなりすぎること、および/または、鋭くなりすぎることを抑制する。言い換えると、複数のコイル端33aを受け入れるための受け入れ部を厚い樹脂部材で形成することを可能とする。言い換えると、インシュレータ34または容器539aの角部を緩やかな角度、望ましくは鈍角とする。これにより、インシュレータ34または容器539aを形成する樹脂材料の変形、座屈が抑制される。このため、ステータの製造方法が容易になる。また、ステータの形状を安定化することができる。
【0100】
第6実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態は、コイル端33aと端子54、65との接続のために、端子54、65より狭い幅を有する突条56を備える。これに代えて、端子54、65自身を、突条56に相当する幅を有する棒状としてもよい。この実施形態では、中性点電極52が例示されている。ただし、出力端電極62、63、64の端子65を棒状としてもよい。
【0101】
図14は、中性点電極52を示す。中性点電極52は、細長い共通部53を有する。中性点電極52は、共通部53から幅方向の一方へ延び出した複数の端子54を有する。中性点電極52は、3つの端子54a、54b、54cを有する。中性点電極52は、共通部53から延び出す複数の端子54を有するフォークのような形状である。複数の端子54は、高さHGを有する。複数の端子54は、インシュレータ34から突出するように配置されている。これら複数の端子54は、コイル端33aと接続された後に、絶縁樹脂によって覆われる。中性点電極52は、インシュレータ34およびステータコア32に挿入されることによって、中性点電極52を固定する固定部55を有する。固定部55は、共通部53から、複数の端子54とは反対方向へ延び出している。複数の端子54は、棒状である。端子54は、共通部53からの高さHGを有する。
【0102】
図15は、ステータ31の軸方向から見た中性点電極52の平面図である。複数の端子54は、長円状、または、4つの角を丸めた四辺形柱状である。端子54は、長軸方向に幅WDを有し、短軸方向に厚さTHを有する。厚さTHは、中性点電極52の母材の厚さに相当する。
【0103】
図16は、複数の端子54と、複数のコイル端33aとの接続状態、すなわち中性点接続を示している。ひとつの端子54は、複数のコイル端33aと接続されている。ひとつの端子54が提供する両面に、複数のコイル端33aが分散して接続されている。
【0104】
端子54は、コイル端33aに沿うように広がっている平面を有する。この実施形態では、ひとつの端子54の一方の平面にひとつのコイル端33aが接続されており、かつ、同じひとつの端子54の他方の平面に他のひとつのコイル端33aが接続されている。複数のコイル端33aの間に、ひとつの柱状の端子54が配置され、接続されている。言い換えると、ひとつの端子54の両面のそれぞれにひとつのコイル端33aとひとつのコイル端33aとが配置されている。2つのコイル端33aは、同じ高さに配置されている。この構成は、ひとつの端子に、複数のコイル端33aを接続することを容易にする。よって、この実施形態では、合計6本のコイル端33aを中性点接続することができる。
【0105】
端子54は、柱部657を有するといえる。3つの柱部657a、657b、657cは、相似形である。柱部657は、その外周面に、少なくともひとつの縦長の平面部分を有する。縦長の平面部分は、コイル端33aと交差して延びている。柱部657は、端子54の両面に平面部分を有する。これらの平面部分は、コイル端33aを位置づけるための部位である。柱部657は、ステータコア32の径方向に対して傾斜したコイル端33aと交差して延びている。柱部657は、突条56に相当する接続用の表面を提供している。例えば、柱部657の形状は、溶接工程においてコイル端33aにおける酸化絶縁皮膜を破るように、設定されることが望ましい。その一方で、柱部657の形状は、溶接工程の前後において容易に変形しないように設定されることが望ましい。
【0106】
溶接工程において、2つの溶接電極81、82の間に、溶接されるコイル端33aと、端子54とが挟まれ、プレスされる。ここでは、ひとつの端子54の一方の平面に沿ってひとつのコイル端33aが配置される。また、同じひとつの端子54の他方の平面に沿って他のひとつのコイル端33aが配置される。2つの溶接電極81、82は、コイル端33aと端子54とを挟むように近づけられる。よって、溶接電極81は、ひとつのコイル端33aと接触する。同時に、溶接電極82は、他のコイル端33aと接触する。この状態で、電気的な溶接のための溶接電圧が2つの溶接電極81、82の間に印加される。これにより、ひとつの電気的な接続が製造される。ひとつの端子54の反対面に2つのコイル端33aを接続する構造が提供される。複数のコイル端33aを、ひとつの端子の両面、または反対面に接続する構造は、端子65においても実現されている。
【0107】
この実施形態によると、複数のコイル端33aは、ステータコア32の径方向に対して傾斜して配置される。このため、複数のコイル端に変形代を含む長さを与えることが可能になる。また、複数のコイル端33aのうち、多数派を形成する複数のコイル端33aは、渦巻状に延びている。このため、複数のコイル端に変形代を含む長さを与えることが可能になる。
【0108】
また、この実施形態では、先行する実施形態に比べて小さい柱部657によって端子54が提供される。このため、軽量な端子を提供することができる。また、端子54は、突条56を必要としないため、加工が容易となり、加工量および加工工程を減らすことができる。さらに、突条56を有する端子54と比べて、狭いスペースで溶接可能となる。
【0109】
この実施形態では、一度に2本のコイル端33aを溶接可能である。例えば、2組のスター(Y)結線のコイルを並列接続できる。また、2組のデルタ(Δ)結線のコイルを直列接続できる。なお、デルタ接続の場合は、中性点は不要となる。
【0110】
この実施形態では、溶接時のスパッタおよび爆飛を抑制することができる。突条56を有する端子54、65の場合、片側の溶接電極81または82と端子54、65とが直接に接触する。この場合、端子の材質が鉄または真鍮であって比較的硬いため、接触面が安定しない傾向にあった。また、突条56を形成するための加工に起因して、端子と溶接電極との当たり面の平面度が悪く、接触面が安定しなかった。これらの理由に起因して、端子と溶接電極との接触状態が安定せず、接触抵抗の不安定につながり、爆飛しやすい傾向にあった。爆飛は、端子およびコイル端33aの形状を損なうから、電気的な接続も損なう場合がある。
【0111】
これに対し、この実施形態によると、端子は板状であるから形状を安定させやすい。例えば、端子と溶接電極とが直接的に接触しても安定した接触が得られる。加えて、図示されるように端子の両面にコイル端33aが配置される場合、溶接電極と端子の直接的な接触がない。しかも、端子は比較的やわらかいアルミニウム製またはアルミニウム合金製のコイル端33aと接触するから、安定した接触抵抗が得られる。さらに、アルミニウム製またはアルミニウム合金製のコイル端33aは円形であり、コイル端33aは溶接電極との接触部においてつぶれやすいから、安定した接触が得られる。これらの理由に起因して、この実施形態によると爆飛が生じにくい。
【0112】
第7実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態は、端子54、65が平面を有する。これに代えて、端子54、65自身を、平面を備えない棒状としてもよい。
【0113】
図17において、端子54は、円柱状の柱部757によって提供されている。3つの柱部757a、757b、757cは、相似形である。柱部757は、中性点電極52の厚さTHと等しい直径を有している。柱部757の外周面は、全周にわたって曲面だけで構成されている。柱部757は、その全周においてコイル端33aと接続可能である。しかも、柱部757の全周において、柱部757とコイル端33aとの等しい接続状態を提供することができる。柱部757は、楕円柱状であってもよい。
【0114】
他の実施形態
この明細書における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、さらに請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
【0115】
上記実施形態では、ステータコア32は、複数の磁極32aと、これら磁極32aを連結する環状部32bとを有する。環状部32bは、周方向に連続した部材によって提供されてもよい。または、環状部32bは、ひとつまたは複数の連結部を有し、環状に連結された複数の部材によって提供されてもよい。
【0116】
上記実施形態では、6本のコイル端33aの全てを同じ方向に傾斜した渦巻状に配置している。これに代えて、一部のコイル端33aを逆方向に傾斜させてもよい。例えば、中性点電極52のための複数のコイル端33aを時計回りの渦巻状に配置し、出力端電極63のための複数のコイル端33aを反時計回りの渦巻状に配置してもよい。これに代えて、少数派の一部のコイル端33aを径方向と平行に配置してもよい。この場合も、渦巻状に傾斜した多数派の複数のコイル端33aは、有利な利点を提供する。また、中性点51のための複数のコイル端33aのみを渦巻状に配置してもよい。なお、コイル端33aの数は、6本に限られない。例えば、ひとつの相に複数のコイルが並列接続される場合、より多くのコイル端33aが敷設される。例えば、ひとつの相に2つのコイルが並列接続される場合、12本のコイル端33aを敷設してもよい。また、ひとつの端子54に複数の突条56を形成し、複数のコイル端33aを接続してもよい。
【0117】
上記実施形態では、ひとつの磁極32aにひとつの単コイル33bを装着している。ステータコイル33は、多様な巻構造によって提供することができる。例えば、いわゆる集中巻、分布巻き、分散巻などと呼ばれる巻線構造を採用することができる。上記実施形態では、ステータコイル33は、スター結線されている。これに代えて、ステータコイル33は、デルタ結線されていてもよい。この場合、例えば、複数のコイル端33aがひとつの出力端電極62において接続される。この構成においても、複数のコイル端33aが渦巻状に延びることで、上記実施形態と同じ利点が得られる。
【0118】
上記実施形態では、中性点電極52を用いている。これに代えて、複数のコイル端33aを直接的に接続して、中性点51を形成してもよい。また、複数のコイル端33aを導電部材で束ね、包み込んで、中性点51を形成してもよい。これらの場合、電気的な接続をえるために、溶接のほか、はんだのような接合材料を用いることができる。