特許第6773307号(P6773307)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6773307
(24)【登録日】2020年10月5日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】アンテナ取り付け部材
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/12 20060101AFI20201012BHJP
   H01Q 3/04 20060101ALI20201012BHJP
【FI】
   H01Q1/12 Z
   H01Q3/04
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-47983(P2016-47983)
(22)【出願日】2016年3月11日
(65)【公開番号】特開2017-163455(P2017-163455A)
(43)【公開日】2017年9月14日
【審査請求日】2019年2月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】園部 悟史
(72)【発明者】
【氏名】篠田 慶介
【審査官】 福田 正悟
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−326622(JP,A)
【文献】 特表2007−529743(JP,A)
【文献】 実開平06−074638(JP,U)
【文献】 特開平10−132919(JP,A)
【文献】 実開昭56−026409(JP,U)
【文献】 特開2012−124777(JP,A)
【文献】 特開2002−135017(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/109707(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0176608(US,A1)
【文献】 特開2004−297241(JP,A)
【文献】 特開2012−244505(JP,A)
【文献】 実開平04−020711(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0316132(US,A1)
【文献】 特開2004−072557(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/12
H01Q 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
P2P(Point to Point)無線通信装置のアンテナの本体を三脚の上部側の前方に設置するアンテナ取り付け部材であって、
前記三脚の上部に取り付けられる板状の本体部と、
前記本体部に接続される照準器取り付け部材と、
前記本体部に接続され、前記アンテナ取り付け部材に対する前記アンテナの方向を調整する調整機構と、を備え、
前記三脚は、前記上部において前記アンテナの方向を調整する方向調整機構を有し、
前記照準器取り付け部材は、アーム部を有し、
前記アーム部は、
一端が前記本体部の右または左側端部に接続され、他端が照準器に隣接し、
前記本体部の主面を基準として、前記三脚の前記方向調整機構側に突出して設けられ、
その長さを伸縮可能であり、且つ固定可能な構造を有する、
アンテナ取り付け部材。
【請求項2】
前記調整機構は、保持部を動かすことにより前記アンテナの方向を調整する、請求項1に記載のアンテナ取り付け部材。
【請求項3】
前記調整機構は、前記アンテナ取り付け部材に対する前記アンテナの水平方向又は垂直方向を調整するものである、請求項1又は2に記載のアンテナ取り付け部材。
【請求項4】
前記照準器取り付け部材の一部は、機械的な照準器である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアンテナ取り付け部材。
【請求項5】
前記照準器取り付け部材は、光学的照準器が取り付けられる構造を備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載のアンテナ取り付け部材。
【請求項6】
前記照準器取り付け部材の取り付け位置と、前記調整機構の取り付け位置とは、置換可能に構成される、請求項1〜5のいずれか一項に記載のアンテナ取り付け部材。
【請求項7】
着脱ガイドをさらに備え、
前記着脱ガイドは、一対のレールであり、
前記レールの一方と前記照準器取り付け部材とは、一体成形された構造である、
請求項1〜6のいずれか一項に記載のアンテナ取り付け部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ取り付け部材に関し、特に、P2P(Point to Point)無線通信装置のアンテナを設置場所に設置するアンテナ取り付け部材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線の大容量伝送に伴い、無線周波数として広帯域なミリ波(約30GHz〜300GHz)の利用が広がりつつある。また、P2Pの無線通信においてもミリ波の利用が広がりつつある。P2Pの無線通信では、対向する無線通信装置間にて、受信レベルが最大となるように、アンテナを適切な方向に調整することが重要である。しかし、周波数が高いミリ波の無線伝送では、アンテナの指向性が高く、高精度な方向調整が必要という課題があった。
【0003】
特許文献1には、ミリ波の無線伝送に用いられるオフセット型のパラボラアンテナ装置が開示されている。特許文献1のパラボラアンテナ装置では、アンテナに粗調整用の照準器が接続され、当該粗調整用の照準器を用いて、アンテナ本体の向きをおおむね調整する粗調整を行い、アンテナによる電波の受信感度を用いて、アンテナ本体の向きを精度よく微調整している。
【0004】
また、特許文献2には、衛星通信用のパラボナアンテナに照準器が接続された構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−124777号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2003/0107525号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に開示の構造では、アンテナに照準器が接続される構造であるため、当該照準器を、汎用のアンテナの方向調整に用いることはできない。また、特許文献1に開示の構造は、アンテナの上方に粗調整用の照準器が接続され、アンテナの送受信面の裏面に粗調整用の調整手段が配置されている。このため、照準器と粗調整用の調整手段との位置関係が遠く、照準器を覗きながら行う粗調整の操作性が悪いという問題があった。
【0007】
また、特許文献2に開示の構造も、アンテナに照準器が接続される構造であるため、当該照準器を、汎用のアンテナの方向調整に用いることはできない。また、特許文献2に開示の構造は、アンテナの左端に照準器が接続され、三脚の上部に方向調整用の機構が配置されている。このため、照準器と方向調整用の機構との位置関係が遠く、照準器を覗きながら行う調整の操作性が悪いという問題があった。
【0008】
さらに、三脚等のアンテナの設置場所の方向調整機能では、高精度な方向調整が困難であるという問題があった。
【0009】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、汎用のアンテナに用いることができ、照準器を覗きながら行う調整の操作性がよく、且つアンテナの設置場所の方向調整機能とは別に独立した方向調整機能を有するアンテナ取り付け部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様にかかるアンテナ取り付け部材は、P2P(Point to Point)無線通信装置のアンテナを設置場所に設置するアンテナ取り付け部材であって、照準器取り付け部材と、前記アンテナ取り付け部材に対する前記アンテナの方向を調整する調整機構と、を備えるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、汎用のアンテナに用いることができ、照準器を覗きながら行う調整の操作性がよく、且つアンテナの設置場所の方向調整機能とは別に独立した方向調整機能を有するアンテナ取り付け部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態1にかかるアンテナ取り付け部材を用いてアンテナを設置場所に設置した機構例を示す図である。
図2図1のアンテナとアンテナ取り付け部材と三脚とを切り離した状態を示す図である。
図3】本発明の実施の形態1にかかるアンテナ取り付け部材の機構の一例を示す図である。
図4図3の具体例を示す図である。
図5】本発明の実施の形態1にかかるアンテナ取り付け部材とアンテナとの接合部分の機構の一例を示す図である。
図6】本発明の実施の形態2にかかるアンテナ取り付け部材の機構の一例を示す図である。
図7】本発明の実施の形態2にかかるアンテナ取り付け部材の機構の他の例を示す図である。
図8】本発明の実施の形態3にかかるアンテナ取り付け部材の機構の一例を示す図である。
図9】本発明のその他の実施の形態にかかるアンテナ取り付け部材とアンテナとの接合部分の機構の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態1について説明する。まず、図1を用いて、本発明の実施の形態1にかかるアンテナ取り付け部材を用いてアンテナを設置場所に設置した機構例について説明する。図1の例では、設置場所は三脚3である。なお、設置場所は、三脚に限らず、ポール等でもよい。図1の例では、アンテナ1は、アンテナ取り付け部材2に取り付けられている。また、アンテナ取り付け部材2は、三脚3に取り付けられている。なお、アンテナ1とアンテナ取り付け部材2との取り付け構造、及びアンテナ取り付け部材2と三脚3との取り付け構造は、どのような構造であってもよい。
【0014】
図2は、図1のアンテナ1とアンテナ取り付け部材2と三脚3とを切り離した状態を示す図である。
【0015】
アンテナ1は、P2P無線通信装置のアンテナである。また、アンテナ1は、パラボラアンテナである。なお、アンテナ1は、オフセット型のパラボラアンテナでもセンターフィード型のパラボラアンテナでもよい。また、アンテナ1は、例えば、ミリ波にて無線通信を行うアンテナとして用いるものである。
【0016】
アンテナ1は、アンテナ本体11と、保持部12と、を備えている。アンテナ本体11は、保持部12に接続される。保持部12は、アンテナ取り付け部材2に取り付けられる。なお、保持部12は、アンテナ1の一部ではないこともある。すなわち、保持部12は、アンテナ1の一部、アンテナ取り付け部材2の一部、アンテナ1及びアンテナ取り付け部材2の一部ではない単体で存在するもの、のいずれの場合もあり得る。
【0017】
三脚3は、その上部に方向調整用の機構を備えている。当該方向調整用の機構とは、例えば、水平方向と垂直方向の2座標軸について調整が可能な機構である。この機構により、三脚3は、アンテナ1の方位角と仰角とを調整することができる。なお、三脚3の方向調整用の機構は、公知の機構であり、説明を省略する。
【0018】
続いて、図3を用いて、本実施の形態1にかかるアンテナ取り付け部材2について説明する。アンテナ取り付け部材2は、照準器取り付け部材21と、調整機構22と、を備えている。
【0019】
照準器取り付け部材21は、例えば金属により構成されるものである。なお、照準器取り付け部材21は、金属以外のもので構成されてもよい。
【0020】
上述したように、三脚3は、その上部に方向調整用の機構を備えている。また、照準器取り付け部材21は、三脚3の上部に近い位置に配置されている。このため、照準器取り付け部材21と、三脚3の方向調整用の機構との位置関係は、特許文献1及び2における照準器と方向調整用の機構との位置関係よりも近いものとなる。
【0021】
調整機構22は、アンテナ取り付け部材2に対するアンテナ1の方向を調整するための調整機構である。図3の例では、調整機構22は、アンテナ取り付け部材2に対するアンテナ1の水平方向を調整するための調整機構である。
【0022】
続いて、図4を用いて、図3のアンテナ取り付け部材2の具体例について説明する。アンテナ取り付け部材2は、照準器取り付け部材21と、調整機構22と、固設部23と、を備えている。
【0023】
図4の例では、照準器取り付け部材21は、その一部が機械的な照準器24を構成するものである。機械的な照準器24は、凸型の照星及び凹型の照門を有する機械的な照準器である。なお、後に実施の形態2にて説明するが、照準器取り付け部材は、その一部が機械的な照準器を構成するものに限らない。
【0024】
機械的な照準器24は、対向する無線通信装置を目視にて捕捉するための照準器である。アンテナ設置者は、機械的な照準器24を覗きながら三脚3の方向調整用の機構によりアンテナ1の方向を調整する。
【0025】
調整機構22は、支柱25と、ハンドル26と、を備える。調整機構22については、後に図5を用いて詳述する。
【0026】
固設部23は、後に図5を用いて説明するおねじ41〜44と螺合する4つのめねじにより構成される。
【0027】
続いて、図5を用いて、図4のアンテナ取り付け部材2の調整機構22について説明する。図5の例では、保持部12には、保持部12を貫通する孔13〜17が設けられている。孔14〜16は、円弧状の孔である。また、孔13は、円形の孔であり、孔17は、長方形の孔である。孔13、孔14、孔15、孔16、孔17は、それぞれおねじ41、おねじ42、おねじ43、おねじ44、めねじ45用の孔である。
【0028】
保持部12とアンテナ取り付け部材2とは、おねじ41〜44と固設部23のめねじにより接続される。おねじ41は、調整機構22によるアンテナ1の水平方向を調整する際に支点となるねじである。おねじ41〜44と固設部23のめねじとの螺合をゆるめた状態では、おねじ42〜44及びめねじ45の保持部12に対する位置は、それぞれ孔14〜17の形状に沿って動かすことができる。
【0029】
支柱25は、めねじ45と螺合するおねじを備えている。ハンドル26を回転させると、支柱25のおねじとめねじ45との螺合位置が、支柱25の長手方向に変化する。これにより、保持部12は、おねじ41を支点として、アンテナ取り付け部材2に対して、孔14、孔15、孔16の円弧に沿って水平方向に回動する。また、この回動にともない、めねじ45は、孔17内で孔17の長手方向に動く。
【0030】
支柱25のおねじは、例えば外形が10mm、ピッチが1.5mmであるとする。この場合、ハンドル26を1周回すと、支柱25のおねじとめねじ45との螺合位置は、支柱25の長手方向に1.5mm変化する。この1.5mmの変化に応じて、保持部12と共にアンテナ本体11が、アンテナ取り付け部材2に対して、水平方向に回動するため、アンテナ1の水平方向を微調整することができる。なお、調整機構22による調整は、例えばアンテナ1による電波の受信レベルを用いて、受信レベルが最大となるように行う。
【0031】
なお、調整機構22による調整の際、おねじ41〜44と固設部23のめねじとの螺合はゆるめた状態である。しかし、このとき支柱25のおねじとめねじ45とは螺合されている。このため、調整機構22による調整の際、風等によりアンテナ1の方向が変更されることを防ぐことができる。
【0032】
なお、図3図5の例では、調整機構22が、アンテナ取り付け部材2に対するアンテナ1の水平方向を調整するものとして説明したが、これに限らない。調整機構22は、アンテナ取り付け部材2に対するアンテナ1の垂直方向を調整するための調整機構でもよいし、水平方向及び垂直方向を調整するための調整機構でもよい。
【0033】
以上のように、実施の形態1にかかるアンテナ取り付け部材2は、照準器取り付け部材21を備える構成としている。すなわち、実施の形態1にかかるアンテナ取り付け部材2では、照準器は、アンテナ1ではなく、アンテナ取り付け部材2に接続される構成である。また、三脚3等の設置場所の方向調整用の機構と照準器取り付け部材21との位置関係は近いものとなる。これにより、汎用のアンテナに用いることができ、照準器を覗きながら行う調整の操作性がよいアンテナ取り付け部材を提供することができる。
【0034】
また、実施の形態1にかかるアンテナ取り付け部材2は、アンテナ取り付け部材2に対するアンテナ1の方向を調整する調整機構22を備える構成としている。これにより、三脚3等のアンテナの設置場所の方向調整機能とは別に独立した方向調整機能を有するアンテナ取り付け部材を提供することができる。
【0035】
したがって、汎用のアンテナに用いることができ、照準器を覗きながら行う調整の操作性がよく、且つアンテナの設置場所の方向調整機能とは別に独立した方向調整機能を有するアンテナ取り付け部材を提供することができる。
【0036】
また、照準器取り付け部材21の照準器を用いて、設置場所の方向調整機能によりアンテナ1の向きをおおむね調整する粗調整を行い、アンテナ1による電波の受信レベルを用いて、調整機構22によりアンテナ1の向きを精度よく微調整することもできる。
【0037】
なお、照準器取り付け部材21は、その一部が機械的な照準器24を構成するような構造とすることもできる。これにより、アンテナ設置者は、照準器取り付け部材のみにより、対向する無線通信装置を目視にて捕捉することができる。
【0038】
実施の形態2
続いて、図6及び図7を用いて、本発明の実施の形態2にかかるアンテナ取り付け部材について説明する。
【0039】
まず、図6について説明する。図6のアンテナ取り付け部材5は、照準器取り付け部材51と、調整機構22と、固設部23と、を備えている。なお、調整機構22及び固設部23については、実施の形態1の調整機構22及び固設部23と同様であり、説明を省略する。
【0040】
照準器取り付け部材51は、その一部が機械的な照準器を構成するものではなく、光学的照準器が取り付けられる構造を備えるものである。図6の例では、照準器取り付け部材51は、ライフルスコープ52が取り付けられる構造を備えている。このため、照準器取り付け部材51では、光学的照準器を用いることにより、照準器取り付け部材21における機械的な照準器24に比べ、対向する無線通信装置の捕捉をさらに高精度に行うことができる。
【0041】
次に、図7について説明する。図7のアンテナ取り付け部材6は、照準器取り付け部材61と、調整機構22と、固設部23と、を備えている。なお、調整機構22及び固設部23については、実施の形態1の調整機構22及び固設部23と同様であり、説明を省略する。
【0042】
照準器取り付け部材61は、照準器取り付け部材21及び照準器取り付け部材51の両方の特徴を備えている。すなわち、照準器取り付け部材61は、その一部が機械的な照準器24を構成するものであり、且つ光学的照準器が取り付けられる構造を備えるものである。このため、照準器取り付け部材61では、機械的な照準器による捕捉及び光学的照準器による捕捉の両方を行うことができる。
【0043】
以上のように、実施の形態2にかかるアンテナ取り付け部材は、光学的照準器が取り付けられる構造を備えている。これにより、機械的な照準器に比べ、対向する無線通信装置の捕捉をさらに高精度に行うことができる。また、実施の形態2にかかるアンテナ取り付け部材は、その一部が機械的な照準器を構成し、且つ光学的照準器が取り付けられる構造とすることもできる。これにより、機械的な照準器による捕捉及び光学的照準器による捕捉の両方を行うことができる。
【0044】
実施の形態3
続いて、図8を用いて、本発明の実施の形態3にかかるアンテナ取り付け部材について説明する。図8のアンテナ取り付け部材7は、照準器取り付け部材71と、調整機構22と、固設部23と、を備えている。なお、調整機構22及び固設部23については、実施の形態1の調整機構22及び固設部23と同様であり、説明を省略する。
【0045】
照準器取り付け部材71は、機械的な照準器24と、アーム部72と、を備えている。機械的な照準器24については、実施の形態1の機械的な照準器24と同様であり、説明を省略する。なお、図8の例では、機械的な照準器24を備える構成としているが、これに限らず、光学的照準器が取り付けられる構造、又は機械的な照準器24を備え、且つ光学的照準器が取り付けられる構造としてもよい。
【0046】
アーム部72は、伸縮可能であり、且つ固定可能な構造を有する。アーム部72は、例えば、スライド構造により伸縮可能とすることができる。また、図示しないストッパ機構により、アーム部72の長さを、アンテナ設置者の所望の長さに固定可能とすることができる。
【0047】
以上のように、実施の形態3にかかるアンテナ取り付け部材7は、伸縮可能であり、且つ固定可能な構造を有するアーム部72を備えている。これにより、アンテナ本体11の大きさによらず、アンテナ本体11を外れる最短の位置に照準器が配置されるようにアーム部72の長さを設定することができる。したがって、汎用のアンテナがどのような大きさであっても、照準器を覗きながら行う調整の操作性がよいアンテナ取り付け部材を提供することができる。
【0048】
その他の実施の形態
例えば、アンテナ取り付け部材において、照準器取り付け部材の取り付け位置と、調整機構の取り付け位置とが、置換可能な構造としてもよい。これにより、右目と左目のどちらで照準器を覗きたいか、右手と左手のどちらで調整機構のハンドルを操作したいかによって、照準器取り付け部材の取り付け位置及び調整機構の取り付け位置を設定することができる。
【0049】
また、図9に示すように、アンテナ取り付け部材8が、着脱ガイド82及び83を備えるようにしてもよい。着脱ガイド82及び83は、アンテナ取り付け部材8を三脚3等の設置場所へ取り付ける際及び取り外す際に使用される一対のレールである。当該一対のレールの形状と三脚3等におけるアンテナ取り付け部材8の取り付け箇所の形状とは、おすめすの関係とする。このため、おすめす形状を合わせることにより、アンテナ取り付け部材8の三脚3等に対する着脱を容易に行うことができる。
【0050】
また、図9に示すように、照準器取り付け部材81と着脱ガイド82とを一体成形した構造としてもよい。
【0051】
また、図9に示すように、アンテナ取り付け部材8が、アンテナ取り付けガイド84を備えるようにしてもよい。アンテナ取り付けガイド84は、アンテナ取り付け部材8に対する保持部12の取り付け位置を示すラインである。これにより、保持部12をアンテナ取り付け部材8に取り付ける際に、保持部12の位置決めが簡単にでき、組み立てを容易に行うことができる。なお、アンテナ取り付けガイド84は、アンテナ取り付け部材8において、掘り込みにより形成してもよい。
【0052】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施の形態によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0053】
1 アンテナ
2、5、6、7、8 アンテナ取り付け部材
3 三脚
12 保持部
21、51、61、71、81 照準器取り付け部材
22 調整機構
24 機械的な照準器
52 ライフルスコープ
72 アーム部
82、83 着脱ガイド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9