(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複合型光ファイバーは、前記複合型光ファイバーと前記光学素子との間の距離が、前記光学素子の焦点距離と同じであるように配置されている、請求項1に記載のレーザー照射装置。
前記第1の領域は、前記複合型光ファイバーから前記光学素子に向かう方向に沿って外径が小さくなる形状を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のレーザー照射装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0020】
1.レーザー照射装置の構成
本発明は、撮像画像の焦点があった状態で、レーザー光の照射範囲を大きくすることが可能なレーザー照射装置を提案する。
【0021】
図1は、本発明の一実施例の形態に係るレーザー照射装置1の概略構成図である。
【0022】
図1に示すように、レーザー照射装置1は、レーザー光源10と、複合型光ファイバー20と、光伝送領域30と、光学素子40と、ミラー50と、波長フィルタ60と、照明光源70と、撮像手段80とを備え、レーザー照射装置1は、レーザー光および照明光を対象物に照射し、照明光の対象物からの反射光を撮像する。
【0023】
〔レーザー照射装置1による照射および撮像動作〕
レーザー照射装置1は、
図1の実線矢印に示すようなレーザー光の伝搬によってレーザー光を照射する照射動作、および点線矢印に示すような照明光の伝搬によって撮像動作を行う。
【0024】
レーザー照射装置1による照射動作では、レーザー光源10で生成されたレーザー光が、レーザー光源10から出射し、ミラー50および波長フィルタ60を透過し、複合型光ファイバー20のレーザー照射用光ファイバー21、光伝送領域30の第1の領域31、光学素子40の順に伝送されて対象物に照射される。
【0025】
レーザー照射装置1による撮像動作では、照明光源70で生成された照明光が、照明光源70から出射し、ミラー50で反射した後波長フィルタ60を透過し、複合型光ファイバー20の画像伝送用光ファイバー22、光伝送領域30の第2の領域34、光学素子40の順に伝送されて対象物に照射される。そして、照明光の対象物からの反射光が、光学素子40に入射し、光学素子40、光伝送領域30の第2の領域34、複合型光ファイバー20の画像伝送用光ファイバー22の順に伝送され、波長フィルタ60により反射され、撮像手段80により撮像され、対象物の画像が撮像される。
【0026】
〔レーザー光源10〕
レーザー光源10は、レーザー光を生成するように構成されている。レーザー光源10により生成されるレーザー光の波長、レーザー光源10の種類はいずれも、任意であるが、一実施形態では、治療用、加工用などの照射目的に応じて適宜選択したものを用いるのが好ましい。レーザー光源10により生成されるレーザー光の波長は、例えば、可視域から近赤外域までの波長範囲内の波長である。レーザー光源10は、連続的にレーザー光を発振するCWレーザー光源であってもよいし、疑似的に連続発振するQCWレーザー光源であってもよいし、断続的にレーザー光を発振するパルスレーザー光源であってもよい。レーザー照射装置1をPDT用に用いる場合には、例えばNd:YAGレーザーを用いてもよく、レーザー照射装置1を溶接などの加工用に用いる場合には、例えばYAGレーザーを用いてもよいが、本発明のレーザー光源10としては、アルゴンレーザー、色素レーザー、Ho:YAGレーザーなどの他の種類のレーザー光源を用いてもよい。
【0027】
〔複合型光ファイバー20〕
複合型光ファイバー20は、レーザー照射用光ファイバー21と画像伝送用光ファイバー22とを備えた複合型の光ファイバーである。
【0028】
レーザー照射用光ファイバー21は、レーザー光源10から出射されたレーザー光を複合型光ファイバー20の一端20aで受け取り、複合型光ファイバー20の他端20bから光伝送領域30に伝播するようにレーザー光を伝送するように構成されている。
図1に示す実施例では、レーザー光源10から出射されたレーザー光は、ミラー50および波長フィルタ60を透過して複合型光ファイバー20の一端20aに入射し、レーザー照射用光ファイバー21はその入射したレーザー光を受け取る。
【0029】
画像伝送用光ファイバー22は、照明光の対象物からの反射光を、光学素子40および光伝送領域30を通った後に他端20bで受け取り、一端20aから波長フィルタ60に伝播するように光を伝送するように構成されている。
【0030】
複合型光ファイバー20は、レーザー照射用光ファイバー21が複合型光ファイバー20の中心に配置され、画像伝送用光ファイバー22がレーザー照射用光ファイバー21の周囲でかつレーザー照射用光ファイバー21と同軸に配置されている構成であってもよい。
【0031】
図2は、このような配置を有する複合型光ファイバー20の一例を示す断面図である。
図2に示すように、レーザー照射用光ファイバー21は、コア21aとクラッド21bとからなり、コア21aは、例えば純粋シリカから構成されており、クラッド21bは、例えば純粋シリカにフッ素および/またはボロンを添加したものから構成されている。画像伝送用光ファイバー22は、複数の光ファイバーを備えており、さらに
図2に示すように、それぞれの光ファイバーのコア22aと、クラッド22bとからなり、コア22aは、例えば純粋シリカから構成されており、クラッド22bは、例えば純粋シリカにフッ素および/またはボロンを添加したものから構成されている。この画像伝送用光ファイバー22は、例えば多数の小径の光ファイバーを集束したものであり、これらの多数の小径光ファイバーがクラッド22bにより一体化されて、多数の島状のコア22aと、これらの周囲に連続して形成された海状のクラッド22bとからなる海島構造をなしている。
【0032】
複合型光ファイバー20の外径、長さはいずれも、任意であるが、一実施形態では、治療用、加工用などの照射目的に応じて適宜選択したものを用いるのが好ましい。複合型光ファイバー20は、例えば、外径が0.4mm〜1.5mmであり、長さが1m〜数十mである。
【0033】
〔光伝送領域30〕
光伝送領域30は、レーザー照射用光ファイバー21を介して伝送されたレーザー光を受け取り、光学素子40に伝播するように、受け取った光を反射しながら伝送するように構成された第1の領域31と、画像伝送用光ファイバー22を介して伝送された照明光を受け取り、光学素子40へと光を透過により伝送するとともに、照明光の対象物からの反射光を、光学素子40を通った後に受け取り、画像伝送用光ファイバー22に伝播するように光を透過により伝送するように構成された第2の領域34とを有する。
【0034】
光伝送領域30は、
図2に示すような同軸の構成を有する複合型光ファイバー20に対応して第1の領域31が光伝送領域30の中心に配置され、第2の領域34が第1の領域31の周囲でかつ第1の領域31と同軸に配置されている構成であってもよい。
【0035】
図3は、このような配置を有する光伝送領域30の一例を示す断面図である。
図3に示すように、光伝送領域30は、中空部32と、中空部32の周囲の中実部34と、中空部32と中実部34との間の反射部33とを有し、
図3に示す実施例では、中空部32と反射部33とが第1の領域31を形成しており、中実部34が第2の領域34を形成している。
【0036】
中空部32は、レーザー光を伝送する部分であり、反射部33は、レーザー光を反射する部分である。反射部33の光の反射率は、任意であるが、一実施形態では、治療用、加工用などの照射目的に応じて適宜選択したものを用いるのが好ましい。さらなる実施形態では、反射部33は、レーザー光を全反射するものであることが好ましい。反射部33の材質は、レーザー光を反射することが可能でさえあれば任意であるが、一実施形態では、治療用、加工用などの照射目的に応じて適宜選択したものを用いるのが好ましく、例えば、アルミ、銅、金などの金属である。反射部33の厚さは、任意であるが、一実施形態では、治療用、加工用などの照射目的に応じて適宜選択したものを用いるのが好ましい。さらに、第1の領域31におけるレーザー光を伝送する領域(中空部32)の占める割合を高くすることが望ましいので、反射部33の厚さが可能な限り薄いことがさらに好ましく、一実施形態では、反射部33は、中実部34の内周に金属コーティングによりコーティングされた金属箔から構成される。
【0037】
中実部34の材質は、光を透過することが可能でさえあれば任意であるが、一実施形態では、治療用、加工用などの照射目的に応じて適宜選択したものを用いるのが好ましく、例えば、光の透過率が高い石英ガラスである。中実部34は、中実部34の軸方向のいずれか一方側の端面あるいは両側の端面を低反射膜でコーティングしてもよい。低反射膜があると、光が複合型光ファイバー20から光伝送領域30の内部へもしくはその逆または光伝送領域30の内部から光学素子40へもしくはその逆へ伝播される際の端面での反射による光の減衰を防止することが可能である。
【0038】
〔光学素子40〕
光学素子40は、第1の領域31を介して伝送されたレーザー光と第2の領域34を介して伝送された照明光とを対象物に照射するように構成されており、かつ、照明光の対象物からの反射光を受け取り、第2の領域34に伝播するように光を伝送するように構成されている。光学素子40は、一実施形態では、治療用、加工用などの照射目的に応じて適宜選択したものを用いるのが好ましく、例えば対物レンズである。光学素子40は、光伝送領域30から光学素子40に入射する際のレーザー光の断面積よりも光学素子40から出射する際のレーザー光の断面積が大きくなるような光学特性を有するものであってもよい。また、光学素子40は、1つの光学素子により構成されてもよいし、複数の光学素子により構成されてもよい。
【0039】
複合型光ファイバ(他端20b)と光学素子40との間の距離は、光学素子40の焦点距離と同じであるように配置されている。ここで、光学素子40の焦点距離とは、対象物のピントを合わせたときの、光学素子40から撮像手段80までの距離と定義する。本発明においては、対象物からの画像用の光は、光学素子40を通り、第2の領域34を透過して複合型光ファイバー20の画像伝送用光ファイバー22の他端20bに入射し、他端20bから一端20aまで画像伝送用光ファイバー22の内部を伝送されたのち、撮像装置60の受光面に結像されるものであるため、光学素子40の焦点距離は、複合型光ファイバー20(他端20b)と光学素子40との間の距離になる。
【0040】
〔ミラー50〕
ミラー50はレーザー光源10から出射されるレーザー光の波長の光は透過し、かつ照明光源70から出射される照明光の波長の光を反射するように構成されている。ミラー50は、さらに照明光源70から出射された照明光を反射し、その反射した照明光を波長フィルタ60を透過した後に複合型光ファイバー20の画像伝送用光ファイバー22に伝送するように、レーザー光源10と波長フィルタ60との間に配置されている。ミラー50は、例えば、誘電体多層膜を有するダイクロイックビームミラーを用いて構成することができる。
図1に示す例では、ミラー50を用いたが、本発明では、ミラー50に限定されず、レーザー光源10および照明光源70と複合型光ファイバー20とをそれぞれ光学的に接続することが可能な任意の手段を用いてもよい。
【0041】
〔波長フィルタ60〕
波長フィルタ60は、レーザー光源10から出射されるレーザー光の波長の光は透過し、かつ照明光源70から出射される照明光の波長の光を一部透過し、照明光の対象物からの反射光の一部を反射するように構成されている。波長フィルタ60は、さらに、照明光の対象物からの反射光を、光学素子40、光伝送領域30、画像用光ファイバー22を通った後に受け取り、その反射光を反射させて撮像手段80に伝播するように、レーザー光源10および照明光源70と複合型光ファイバー20との間に配置されている。波長フィルタ60は、例えば、誘電体多層膜を有するダイクロイックビームミラーを用いて構成することができる。
図1に示す例では、波長フィルタ60を用いたが、本発明では、波長フィルタ60に限定されず、レーザー光源10および照明光源70と複合型光ファイバー20とを、また複合型光ファイバー20と撮像手段80とを、それぞれ光学的に接続することが可能な任意の手段を用いてもよい。
【0042】
〔照明光源70〕
照明光源70は、照明光を生成するように構成されている。照明光源70の種類はいずれも、任意であるが、一実施形態では、治療用、加工用などの照射目的に応じて適宜選択したものを用いるのが好ましい。照明光源70は、例えば、青、緑、赤の各色を発光可能なLEDランプであってもよいし、キセノンランプであってもよいし、ハロゲンランプであってもよい。例えば、照明光源70として青、緑、赤の各色を発光可能なLEDランプを用いることによって、任意の色が発光可能となる。
【0043】
〔撮像手段80〕
撮像手段80は、照明光の対象物からの反射光を、光学素子40、光伝送領域30、画像伝送用光ファイバー22を通って波長フィルタ60により反射された光を受け取り、受け取った光を画像データに変換することにより対象物の画像を撮像するように構成されている。撮像手段80は、例えば、CCDなどの固体撮像素子を有する二次元カメラであってもよいし、三次元カメラであってもよい。このCCDは、カラーCCDでもよいし、白黒CCDであってもよい。
【0044】
このように構成されたレーザー照射装置1では、
図1に示すように、レーザー光源10で生成されたレーザー光が、レーザー光源10から出射し、ミラー50、波長フィルタ60を透過して複合型光ファイバー20のレーザー照射用光ファイバー21の一端20aに入射する。その入射したレーザー光は、レーザー照射用光ファイバー21によって伝送され、レーザー照射用光ファイバー21の他端20bから出射し、光伝送領域30の第1の領域31に入射する。その入射したレーザー光は、光伝送領域30の第1の領域31を介して反射しながら伝送され、第1の領域31から出射し、光学素子40に入射する。その入射したレーザー光は、光学素子40により対象物に照射される。この照射により、対象物に対して所望の治療または加工を施すことができる。
【0045】
また、このように構成されたレーザー照射装置1では、
図1に示すように、照明光の対象物からの反射光が、光学素子40に入射する。その入射した光は、光学素子40から第2の領域34を透過して、画像伝送用光ファイバー22の他端20bに集光され、画像伝送用光ファイバー22に入射する。その入射した光は、画像伝送用光ファイバー22によって伝送され、画像伝送用光ファイバー22の一端20aから出射し、波長フィルタ60に入射する。その入射した光は、波長フィルタ60により反射され、撮像手段80に入射し、撮像手段80の受光面に結像され、対象物の画像が撮像される。ここで撮像される画像は、対象物の照射対象領域およびその周辺の画像であり、テレビモニタ(図示せず)に表示される。画像用の光として、照明光の対象物からの反射光について説明したが、本発明はこれに限定されず、レーザー光が対象物に照射されることにより対象物が加熱されて発した光であってもよい。
【0046】
照明光の対象物への伝送を複合型光ファイバー20の画像伝送用光ファイバー22を用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、照明光を伝送するための照明光伝送用の光ファイバーを設けるようにしてもよい。
図4を参照して、本発明のレーザー照射装置の代替的な構造を説明する。
【0047】
図4は、本発明の他の一実施例の形態に係るレーザー照射装置1Aの概略構成図である。
図4に示されるレーザー照射装置1Aの構造は、照明光源から出射する照明光を伝送するための専用の照明光用光ファイバー23を設ける反面、照明光を複合型光ファイバーの画像伝送用光ファイバーに導くためのミラー50が設けられておらず、波長フィルタ61が変更されている点を除いて、
図1に示されるレーザー照射装置1の構成と同一である。従って、
図1に示される構成要素と同一の構成要素には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
【0048】
〔照明光用光ファイバー23〕
照明光用光ファイバー23は、照明光源70から出射される照明光をレーザー照射装置の先端まで伝送するように構成されている。
図4に示す実施例では、照明光用光ファイバー23は複合型光ファイバー20の外周を覆うように設けられ、先端側(
図4の右側)はレーザー照射装置1Aの先端と同じ位置であり、後端側(
図4の左側)は複合型光ファイバー20と分岐され、照明装置70に接続されている。照明光源70から出射された照明光は、照明光用光ファイバー23内部を伝送し、伝送された照明光はレーザー照射装置1Aの先端から対象物に向けて照射される。照明光用光ファイバー23は、一実施形態では、治療用、加工用などの照射目的に応じて適宜選択したものを用いるのが好ましく、例えば、多成分ガラス光ファイバーを用いることが好ましい。その他に石英ガラスファイバーやプラスチッククラッドファイバーを用いてもよい。
【0049】
〔波長フィルタ61〕
波長フィルタ61は、レーザー光源10から出射されるレーザー光の波長の光は透過し、照明光の対象物からの反射光を反射するように構成されている。波長フィルタ61は、さらに、照明光の対象物からの反射光を、光学素子40、光伝送領域30、画像用光ファイバー22を通った後に受け取り、その反射光を反射させて撮像手段80に伝播するように、レーザー光源10および照明光源70と複合型光ファイバー20との間に配置されている。波長フィルタ61は、例えば、誘電体多層膜を有するダイクロイックビームミラーを用いて構成することができる。
図4に示す例では、波長フィルタ61を用いたが、本発明では、波長フィルタ61に限定されず、レーザー光源10と複合型光ファイバー20とを、また複合型光ファイバー20と撮像手段80とを、それぞれ光学的に接続することが可能な任意の手段を用いてもよい。
【0050】
図4に示されるレーザー照射装置1Aによれば、照明光源70から出射される照明光は直接、照明光用光ファイバー23の内部を伝送し、レーザー照射装置1Aの先端から対象物に向けて照射できるため、
図1に示されるレーザー照射装置1のように、照明光源70から出射された照明光が波長フィルタ60により一部反射されることによる光量低下を防ぐことができる。また、
図4に示されるレーザー照射装置1Aによれば、光学素子40、第2の領域34および画像伝送用光ファイバー22を介して伝送された照明光の対象物からの反射光が波長フィルタ61で透過せずに反射されて撮像装置に伝送されるため、
図1に示されるレーザー照射装置1のように、照明光からの対象物の反射光が波長フィルタ60で一部透過してしまうことによる光量低下を防ぐことができる。
【0051】
図4に示す例では、照明光用光ファイバー23を複合型光ファイバー20の周囲を覆うように設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、複合型光ファイバー20とは離れた位置などに設けてもよい。
【0052】
2.レーザー照射装置によって達成される主な効果
次に、本発明のレーザー照射装置1(1A)による主な効果について説明する。
【0053】
図5は、撮像画像の焦点があった状態での本発明のレーザー照射装置1(1A)におけるレーザー光の照射範囲を示す図である。
図5に示すように、レーザー照射用光ファイバー21を伝送してきたレーザー光は、光伝送領域30のレーザー光を反射しながら伝送する第1の領域31(中空部32および反射部33)を通り、その後、光学素子40を通って対象物に照射される。光伝送領域30にレーザー光を反射しながら伝送する第1の領域31を設けたことにより、光学素子40に入射するレーザー光の入射角度はα1となり、それに伴い対象物へのレーザー光の照射範囲はβ1となる。
【0054】
図6は、撮像画像の焦点があった状態での光伝送領域30全体が中空部32で第1の領域31を有しない比較例のレーザー照射装置におけるレーザー光の照射範囲を示す図である。
図6に示すように、レーザー光を反射しながら伝送する第1の領域31を有しない比較例のレーザー照射装置においては、レーザー光が出射するレーザー照射用光ファイバー21の端面20bと光学素子40との距離が離れているため、レーザー照射用光ファイバー21を伝送してきたレーザー光の光学素子40に入射する入射角α2が、
図5に示す入射角α1に比べて小さい角度となる。それに伴い対象物へのレーザー光の照射範囲β2も、
図5に示す照射範囲β1に比べて小さい範囲になる。
【0055】
図7は、対象物におけるレーザー光の照射プロファイルを示すシミュレーション図である。縦軸は対象物におけるレーザー出力を示し、横軸は照射中心からの照射範囲を示す。
図7において、Aは、光伝送領域30に第1の領域31を有しない比較例のレーザー照射装置における照射プロファイルであり、Bは、光伝送領域30に第1の領域31を有する本発明のレーザー照射装置1(1A)による照射プロファイルである。
図7に示すように、光伝送領域30に第1の領域31を有しない比較例のレーザー照射装置は、照射範囲が狭く、また照射範囲内の位置によるレーザー出力のバラツキが大きい。それに比べて、光伝送領域30に第1の領域31を有する本発明のレーザー照射装置1(1A)は、照射範囲が広く、また照射範囲内の位置によるレーザー出力のバラツキが小さい。また、
図5に示すように、本発明のレーザー照射装置1(1A)の照射範囲β1は、レーザー照射用光ファイバー21の光を伝送する領域(例えば、コア21b)よりも大きくすることが可能である。
【0056】
そして、本発明のレーザー照射装置1(1A)は、光学素子40の定める焦点距離と同じ距離の位置に複合型光ファイバー20の画像伝送用光ファイバー22の他端20bが配置されている。また、対象物から反射された光を、光学素子40を介して、画像伝送用光ファイバー22の他端20bに伝送することを可能にする透過領域である中実部34(第2領域)を設けている。
【0057】
このようにして、本発明のレーザー照射装置1(1A)では、撮像画像の焦点があった状態で、レーザー光の照射範囲を大きくすることが可能である。それにより、効率的な作業が行うことが可能である。また、レーザー光の照射範囲内におけるレーザー出力のバラツキが少ないため、精度の高い治療や加工を行うことが可能である。
【0058】
また、本発明のレーザー照射装置1(1A)は、治療または加工を行うレーザー光を伝送するレーザー照射用光ファイバー21と、対象物から反射される画像用光を伝送する画像伝送用光ファイバー22とを一体化した細径のファイバー状の構成を用いる場合、治療位置が狭い部分や加工位置が狭い配管内などであっても、使用することが可能である。
【0059】
図8は、本発明の一実施例の形態に係る光伝送領域30の第1の領域31の変形例を示す図である。
図87の(a)は、
図4の実施例の光伝送領域30であり、(b)は
図5の実施例の光伝送領域30に対して、第1の領域31を変形した例である。(b)においては、第1の領域31が図中左側に存在する複合型光ファイバー20(図示せず)から図中右側に存在する光学素子40(図示せず)に向かう方向に沿って外径が小さくなる形状を有している。第1の領域31が複合型光ファイバー20から光学素子40に向かう方向に沿って外径が小さくなる形状とすることで、第1の領域31を伝送し光学素子40に入射するレーザー光の入射角を、(a)に示す場合よりも鈍角にすることができる。入射角を鈍角にすることにより入射角の範囲が大きくなるため、対象物におけるレーザー光の照射範囲をより大きくすることが可能である。
【0060】
図9は、本発明の他の一実施例の形態に係る光伝送領域30を示す図である。この実施形態においては、光伝送領域30の第1の領域31を複合型光ファイバー20のレーザー照射用光ファイバー21から延設された光ファイバー領域(
図9の点線から右側の部分)とした点が
図4に示す光伝送領域30と異なる。第2の領域34は中空でもよいし、石英ガラスなどの光を透過する部材から構成してもよい。
図9に示すような構成にすることによっても、
図5に示した光伝送領域30と同様に、撮像画像の焦点があった状態で、レーザー光の照射範囲を大きくするという効果を奏することが可能である。また、第1の領域31である複合型光ファイバー20のレーザー照射用光ファイバー21から延設された光ファイバー領域を
図8で説明した変形例と同様に、複合型光ファイバー20から光学素子40に向かう方向に沿って外径が小さくなる形状としてもよい。そうすることにより、
図8の(b)に示す変形例と同様の効果を奏することが可能である。
【0061】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみ、その範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。