(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6773316
(24)【登録日】2020年10月5日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】案内支援装置、案内支援方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20201012BHJP
G08G 1/005 20060101ALI20201012BHJP
G09B 29/10 20060101ALI20201012BHJP
G09B 29/00 20060101ALI20201012BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20201012BHJP
G06F 3/0481 20130101ALI20201012BHJP
【FI】
G01C21/26 P
G08G1/005
G09B29/10 A
G09B29/00 A
G06T19/00 300B
G06F3/0481
G06F3/0481 150
【請求項の数】18
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-159627(P2016-159627)
(22)【出願日】2016年8月16日
(65)【公開番号】特開2018-28455(P2018-28455A)
(43)【公開日】2018年2月22日
【審査請求日】2019年3月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002044
【氏名又は名称】特許業務法人ブライタス
(72)【発明者】
【氏名】山下 英志
(72)【発明者】
【氏名】伊原 康行
【審査官】
藤村 泰智
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−149190(JP,A)
【文献】
国際公開第2007/077613(WO,A1)
【文献】
特開2015−227869(JP,A)
【文献】
特開2006−337192(JP,A)
【文献】
特開2004−144602(JP,A)
【文献】
国際公開第2014/017200(WO,A1)
【文献】
特開2010−118019(JP,A)
【文献】
特開2001−033269(JP,A)
【文献】
特開平10−253377(JP,A)
【文献】
特開2003−076267(JP,A)
【文献】
特開2008−070705(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/26 〜 21/36
G08G 1/00 〜 1/16
G09B 29/00
G09B 29/10
G06F 3/0481
G06T 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
案内人によるユーザの目的地への案内を支援するための装置であって、
前記ユーザの目的地を特定する行先情報を取得する、情報取得部と、
取得された前記行先情報を前記案内人の端末装置に送信する、送信部と、
前記案内人が、前記案内人の端末装置によって前記目的地の座標を指定した場合に、指定された座標を用いて、仮想空間上で前記目的地の位置を前記ユーザに視認させるためのデータを生成する、データ処理部と、
を備え、
前記情報取得部が、更に、前記ユーザの端末装置から、前記ユーザの端末装置の位置を特定する位置情報と、前記ユーザの端末装置に備えられた撮像装置で撮影された画像の画像データとを取得し、
前記データ処理部が、取得された前記位置情報で特定された、前記仮想空間上での前記ユーザの位置を、前記画像データを用いて補正し、補正後の前記ユーザの位置を特定する仮想空間位置情報を生成し、
前記送信部が、前記案内人の端末装置に、前記仮想空間位置情報を送信する、
ことを特徴とする案内支援装置。
【請求項2】
前記案内人が、前記案内人の端末装置によって、2次元地図上で前記目的地の位置を指定することによって、前記目的地の2次元座標を指定した場合に、前記データ処理部が、指定された2次元座標から、前記ユーザの端末装置に構築される仮想空間上で前記目的地の位置を前記ユーザに視認させるためのデータを生成する、
請求項1に記載の案内支援装置。
【請求項3】
前記送信部が、更に、生成された前記データを前記ユーザの端末装置に送信して、前記ユーザの端末装置の画面上に、前記仮想空間と前記目的地の位置とを表示させる、
請求項1に記載の案内支援装置。
【請求項4】
前記情報取得部が、前記ユーザの端末装置から、更に、前記ユーザの端末装置の向きを特定する方位データを取得し、
前記データ処理部が、取得された前記方位データに基づいて、前記仮想空間内での前記ユーザの向きを特定し、更に、前記画像データを用いて、前記仮想空間上での前記ユーザの向きを補正し、補正後の前記ユーザの向きを前記仮想空間位置情報に付加する、
請求項1に記載の案内支援装置。
【請求項5】
ユーザの端末装置から、前記ユーザの端末装置の位置を特定する位置情報と、前記ユーザの端末装置に備えられた撮像装置で撮影された画像の画像データとを取得する、情報取得部と、
取得された前記位置情報で特定された、仮想空間上での前記ユーザの位置を、前記画像データを用いて補正し、補正後の前記ユーザの位置を特定する仮想空間位置情報を生成する、データ処理部と、
案内人の端末装置に、前記仮想空間位置情報を送信する、送信部と、
を備えていることを特徴とする案内支援装置。
【請求項6】
前記情報取得部が、前記ユーザの端末装置から、更に、前記ユーザの端末装置の向きを特定する方位データを取得し、
前記データ処理部が、取得された前記方位データに基づいて、前記仮想空間内での前記ユーザの向きを特定し、更に、前記画像データを用いて、前記仮想空間上での前記ユーザの向きを補正し、補正後の前記ユーザの向きを前記仮想空間位置情報に付加する、
請求項5に記載の案内支援装置。
【請求項7】
案内人によるユーザの目的地への案内を支援するための方法であって、
(a)前記ユーザの目的地を特定する行先情報を取得する、ステップと、
(b)取得された前記行先情報を前記案内人の端末装置に送信する、ステップと、
(c)前記案内人が、前記案内人の端末装置によって前記目的地の座標を指定した場合に、指定された座標を用いて、仮想空間上で前記目的地の位置を前記ユーザに視認させるためのデータを生成する、ステップと、
(e)前記ユーザの端末装置から、前記ユーザの端末装置の位置を特定する位置情報と、前記ユーザの端末装置に備えられた撮像装置で撮影された画像の画像データとを取得する、ステップと、
(f)前記(e)のステップで取得された前記位置情報で特定された、前記仮想空間上での前記ユーザの位置を、前記画像データを用いて補正し、補正後の前記ユーザの位置を特定する仮想空間位置情報を生成する、ステップと、
(g)前記案内人の端末装置に、前記(f)のステップで生成した前記仮想空間位置情報を送信する、ステップと、
を有することを特徴とする案内支援方法。
【請求項8】
前記案内人が、前記案内人の端末装置によって、2次元地図上で前記目的地の位置を指定することによって、前記目的地の2次元座標を指定した場合に、前記(c)のステップにおいて、指定された2次元座標から、前記ユーザの端末装置に構築される仮想空間上で前記目的地の位置を前記ユーザに視認させるためのデータを生成する、
請求項7に記載の案内支援方法。
【請求項9】
(d)前記ステップ(c)で生成された前記データを前記ユーザの端末装置に送信して、前記ユーザの端末装置の画面上に、前記仮想空間と前記目的地の位置とを表示させる、ステップを、
更に有している請求項7に記載の案内支援方法。
【請求項10】
前記(e)のステップで、前記ユーザの端末装置から、更に、前記ユーザの端末装置の向きを特定する方位データを取得し、
前記(f)のステップで、前記(e)のステップによって取得された前記方位データに基づいて、前記仮想空間内での前記ユーザの向きを特定し、更に、前記画像データを用いて、前記仮想空間上での前記ユーザの向きを補正し、補正後の前記ユーザの向きを前記仮想空間位置情報に付加する、
請求項7に記載の案内支援方法。
【請求項11】
(a)ユーザの端末装置から、前記ユーザの端末装置の位置を特定する位置情報と、前記ユーザの端末装置に備えられた撮像装置で撮影された画像の画像データとを取得する、ステップと、
(b)前記(a)のステップで取得された前記位置情報で特定された、仮想空間上での前記ユーザの位置を、前記画像データを用いて補正し、補正後の前記ユーザの位置を特定する仮想空間位置情報を生成する、ステップと、
(c)案内人の端末装置に、前記(b)のステップで生成された前記仮想空間位置情報を送信する、ステップと、
を有することを特徴とする案内支援方法。
【請求項12】
前記(a)のステップで、前記ユーザの端末装置から、更に、前記ユーザの端末装置の向きを特定する方位データを取得し、
前記(b)のステップで、(a)のステップによって取得された前記方位データに基づいて、前記仮想空間内での前記ユーザの向きを特定し、更に、前記画像データを用いて、前記仮想空間上での前記ユーザの向きを補正し、補正後の前記ユーザの向きを前記仮想空間位置情報に付加する、
請求項11に記載の案内支援方法。
【請求項13】
コンピュータによって、案内人によるユーザの目的地への案内を支援するためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
(a)前記ユーザの目的地を特定する行先情報を取得する、ステップと、
(b)取得された前記行先情報を前記案内人の端末装置に送信する、ステップと、
(c)前記案内人が、前記案内人の端末装置によって前記目的地の座標を指定した場合に、指定された座標を用いて、仮想空間上で前記目的地の位置を前記ユーザに視認させるためのデータを生成する、ステップと、
(e)前記ユーザの端末装置から、前記ユーザの端末装置の位置を特定する位置情報と、前記ユーザの端末装置に備えられた撮像装置で撮影された画像の画像データとを取得する、ステップと、
(f)前記(e)のステップで取得された前記位置情報で特定された、前記仮想空間上での前記ユーザの位置を、前記画像データを用いて補正し、補正後の前記ユーザの位置を特定する仮想空間位置情報を生成する、ステップと、
(g)前記案内人の端末装置に、前記(f)のステップで生成した前記仮想空間位置情報を送信する、ステップと、
を実行させる、プログラム。
【請求項14】
前記案内人が、前記案内人の端末装置によって、2次元地図上で前記目的地の位置を指定することによって、前記目的地の2次元座標を指定した場合に、前記(c)のステップにおいて、指定された2次元座標から、前記ユーザの端末装置に構築される仮想空間上で前記目的地の位置を前記ユーザに視認させるためのデータを生成する、
請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
前記コンピュータに、
(d)前記ステップ(c)で生成された前記データを前記ユーザの端末装置に送信して、前記ユーザの端末装置の画面上に、前記仮想空間と前記目的地の位置とを表示させる、ステップを、
更に実行させる、請求項13に記載のプログラム。
【請求項16】
前記(e)のステップで、前記ユーザの端末装置から、更に、前記ユーザの端末装置の向きを特定する方位データを取得し、
前記(f)のステップで、前記(e)のステップによって取得された前記方位データに基づいて、前記仮想空間内での前記ユーザの向きを特定し、更に、前記画像データを用いて、前記仮想空間上での前記ユーザの向きを補正し、補正後の前記ユーザの向きを前記仮想空間位置情報に付加する、
請求項13に記載のプログラム。
【請求項17】
コンピュータに、
(a)ユーザの端末装置から、前記ユーザの端末装置の位置を特定する位置情報と、前記ユーザの端末装置に備えられた撮像装置で撮影された画像の画像データとを取得する、ステップと、
(b)前記(a)のステップで取得された前記位置情報で特定された、仮想空間上での前記ユーザの位置を、前記画像データを用いて補正し、補正後の前記ユーザの位置を特定する仮想空間位置情報を生成する、ステップと、
(c)案内人の端末装置に、前記(b)のステップで生成された前記仮想空間位置情報を送信する、ステップと、
を実行させる、プログラム。
【請求項18】
前記(a)のステップで、前記ユーザの端末装置から、更に、前記ユーザの端末装置の向きを特定する方位データを取得し、
前記(b)のステップで、(a)のステップによって取得された前記方位データに基づいて、前記仮想空間内での前記ユーザの向きを特定し、更に、前記画像データを用いて、前記仮想空間上での前記ユーザの向きを補正し、補正後の前記ユーザの向きを前記仮想空間位置情報に付加する、
請求項17に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、案内人、特には、遠隔にいる案内人によって、ユーザの目的地への案内を支援するための、案内支援装置、及び案内支援方法に関し、更には、これらを実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの発達により、誰でも多くの情報を得ることができるようになっている。そのため、旅行者は、インターネットを介して、旅行先の地図をはじめ、多くの情報を得ることができ、案内ガイドの助けなしであっても、この情報を元にして観光を楽しむことができる。
【0003】
但し、旅行者が初めて訪れた地においては、地図から想像していた街の様子と実際の街の様子とは異なることがあるため、旅行者は、インターネットから地図を取得していたとしても、道に迷うことはある。このような場合、案内ガイドがいると安心であるが、案内ガイドの利用には、高額の費用がかかるという問題と、旅行者のスケジュールと案内ガイドのスケジュールとのマッチングが難しいという問題とがある。
【0004】
このような問題を解決するため、特許文献1は、案内ガイドが、遠隔からユーザに案内を行なえるようにする、システムを提案している。具体的には、特許文献1に開示されたシステムは、まず、ユーザの携帯端末から、携帯端末の位置を特定する位置データと、携帯端末の内蔵カメラで撮影された動画の動画データとを取得する。次に、当該システムは、位置データからユーザ周辺の地図データを作成し、作成した地図データと動画データとを、案内ガイドの端末装置に送る。その後、案内ガイドは、地図データと動画データとを確認しながら、ユーザに対して通話による案内を行なう。
【0005】
このように、特許文献1に開示されたシステムによれば、案内ガイドを個人的に雇うことなく、ユーザである旅行者は、案内サービスを受けることができ、初めて訪れた地であってもスムーズに目的地に到達することができる。また、特許文献1に開示されたシステムでは、案内ガイドは、案内が求められた場合にのみ、遠隔から案内できるため、上述した問題も解消される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−307430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に開示されたシステムでは、遠隔にいる案内ガイドは、音声によって、ユーザである旅行者を案内する必要があるため、案内ガイドが指示する方向及び場所がユーザに正確に伝わらない可能性がある。つまり、ユーザにおいては、不慣れな土地であるため、方向を把握できていない場合があり、更に、ランドマークを基準に説明されても、どれがランドマークかを理解できない場合がある。このような場合、音声による案内では、案内の内容はユーザに正確に伝わらない結果となる。
【0008】
また、ユーザが外国からの旅行者である場合は、案内ガイドが、ユーザの使用する言語を理解できない限り、案内は不可能である。外国からの旅行者に対応できるようにするためには、対応言語毎に、案内ガイドをスタンバイさせている必要がある。この場合、システムの運用にかかるコストが増大してしまう。
【0009】
本発明の目的の一例は、上記問題を解消し、ユーザの使用する言語に縛られることなく、ユーザが直感的に理解できるように目的地への案内を行ない得る、案内支援装置、案内支援方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の一側面における第1の案内支援装置は、
案内人によるユーザの目的地への案内を支援するための装置であって、
前記ユーザの目的地を特定する行先情報を取得する、情報取得部と、
取得された前記行先情報を前記案内人の端末装置に送信する、送信部と、
前記案内人が、前記案内人の端末装置によって前記目的地の座標を指定した場合に、指定された座標を用いて、仮想空間上で前記目的地の位置を前記ユーザに視認させるためのデータを生成する、データ処理部と、
を備えていることを特徴とする。
【0011】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面における第2の案内支援装置は、
ユーザの端末装置から、前記ユーザの端末装置の位置を特定する位置情報を取得する、情報取得部と、
取得された前記位置情報から、仮想空間上での前記ユーザの位置を特定する仮想空間位置情報を生成する、データ処理部と、
案内人の端末装置に、前記仮想空間位置情報を送信する、送信部と、
を備えていることを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の一側面における第1の案内支援方法は、案内人によるユーザの目的地への案内を支援するための方法であって、
(a)前記ユーザの目的地を特定する行先情報を取得する、ステップと、
(b)取得された前記行先情報を前記案内人の端末装置に送信する、ステップと、
(c)前記案内人が、前記案内人の端末装置によって前記目的地の座標を指定した場合に、指定された座標を用いて、仮想空間上で前記目的地の位置を前記ユーザに視認させるためのデータを生成する、ステップと、
を有することを特徴とする。
【0013】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面における第2の案内支援方法は、
(a)ユーザの端末装置から、前記ユーザの端末装置の位置を特定する位置情報を取得する、ステップと、
(b)前記(a)のステップで取得された前記位置情報から、仮想空間上での前記ユーザの位置を特定する仮想空間位置情報を生成する、ステップと、
(c)案内人の端末装置に、前記(b)のステップで生成された前記仮想空間位置情報を送信する、ステップと、
を有することを特徴とする。
【0014】
上記目的を達成するため、本発明の一側面における第1のプログラムは、コンピュータによって、案内人によるユーザの目的地への案内を支援するためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
(a)前記ユーザの目的地を特定する行先情報を取得する、ステップと、
(b)取得された前記行先情報を前記案内人の端末装置に送信する、ステップと、
(c)前記案内人が、前記案内人の端末装置によって前記目的地の座標を指定した場合に、指定された座標を用いて、仮想空間上で前記目的地の位置を前記ユーザに視認させるためのデータを生成する、ステップと、
を実行させることを特徴とする。
【0015】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面における第2のプログラムは、
コンピュータに、
(a)ユーザの端末装置から、前記ユーザの端末装置の位置を特定する位置情報を取得する、ステップと、
(b)前記(a)のステップで取得された前記位置情報から、仮想空間上での前記ユーザの位置を特定する仮想空間位置情報を生成する、ステップと、
(c)案内人の端末装置に、前記(b)のステップで生成された前記仮想空間位置情報を送信する、ステップと、
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明によれば、ユーザの使用する言語に縛られることなく、ユーザが直感的に理解できるように目的地への案内を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態1における案内支援装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施の形態1における案内支援装置の構成を具体的に示すブロック図である。
【
図3】
図3(a)は、案内人の端末装置の画面に表示される2次元地図の一例を示す図であり、
図3(b)は、ユーザの端末装置の画面に表示される仮想空間の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施の形態1における案内支援装置の動作を示すフロー図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施の形態1における案内支援装置の変形例を具体的に示すブロック図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施の形態2における案内支援装置の動作を示すフロー図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施の形態1及び2における案内支援装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における、案内支援装置、案内支援方法、及びプログラムについて、
図1〜
図5を参照しながら説明する。
【0019】
[装置構成]
最初に、
図1を用いて、本実施の形態1における案内支援装置の概略構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における案内支援装置の概略構成を示すブロック図である。
【0020】
図1に示す、本実施の形態1における案内支援装置10は、案内人によるユーザの目的地への案内を支援するための装置である。
図1に示すように、案内支援装置10は、情報取得部11と、送信部12と、データ処理部13とを備えている。
【0021】
情報取得部11は、ユーザの目的地を特定する行先情報を取得する。送信部12は、取得された行先情報を案内人の端末装置に送信する。データ処理部13は、案内人が、案内人の端末装置によって目的地の座標を特定した場合に、特定された座標を用いて、仮想空間上で目的地の位置をユーザに視認させるためのデータを生成する。
【0022】
このように、本実施の形態1では、案内支援装置10により、ユーザが指定した目的地は、街等を模した仮想空間上で、ユーザに対して示される。このため、案内支援装置10によれば、ユーザの使用する言語に縛られることなく、ユーザが直感的に理解できるように目的地への案内を行なうことができる。
【0023】
続いて、
図2を用いて、本実施の形態1における案内支援装置10の構成を更に具体的に説明する。
図2は、本発明の実施の形態1における案内支援装置の構成を具体的に示すブロック図である。
【0024】
図2に示すように、本実施の形態1における案内支援装置10は、情報取得部11、送信部12、及びデータ処理部13に加えて、地図データベース14を備えている。地図データベース14には、3次元の電子地図が格納されている。なお、地図データベース14は、案内支援装置10の外に構築されていても良い。
【0025】
また、案内支援装置10は、インターネット等のネットワークを介して、ユーザ21の端末装置20と、案内人31の端末装置30とに接続されている。ユーザ21が、端末装置20で実行されているアプリケーションプログラムを介して、目的地を入力すると、端末装置20は、入力された目的地を特定する行先情報を、案内支援装置10に送信する。
【0026】
情報取得部11は、本実施の形態1では、端末装置20から送信されてきた行先情報を受信して、これを取得する。また、送信部12は、情報取得部11から、受信された行先情報を受け取り、受け取った行先情報を、案内人31の端末装置30に送信する。
【0027】
端末装置30は、行先情報を受信すると、受信した行先情報からユーザ21の目的地を特定し、特定した目的地を画面上に表示する。そして、案内人31が、端末装置30で実行されているアプリケーションプログラムを用いて、提示された目的地の位置を指定すると、端末装置30は、指定された位置の座標を算出し、算出した座標を特定する座標情報を、案内支援装置10に送信する。
【0028】
また、この場合のアプリケーションプログラムとしては、画面上に、2次元地図を表示し、2次元地図上において案内人による任意の位置の指定を受け付けるプログラムが挙げられる。アプリケーションプログラムは、案内人が、画面の2次元地図上の任意の位置をクリック又はタッチ等すると、その位置の2次元座標を算出し、算出した2次元座標が目的地の座標として指定されたとみなす。そして、アプリケーションプログラムは、算出した2次元座標を特定する座標情報を、案内支援装置10に送信する。
【0029】
データ処理部13は、座標情報が送信されてくると、座標情報によって特定される2次元座標から、ユーザ21の端末装置20に構築される仮想空間上で目的地の位置をユーザに視認させるためのデータ(以下「目的地視認データ」と表記する。)を生成する。
【0030】
具体的には、データ処理部13は、座標情報によって特定される2次元座標に対して、2次元地図の座標系から地図データベース14に格納されている電子地図の座標系へのアフィン変換を行なって、2次元座標の電子地図上でのアフィン写像(3次元座標)を算出する。そして、データ処理部13は、算出したアフィン写像を特定するデータを、目的地視認データとする。
【0031】
その後、本実施の形態1では、送信部12は、更に、目的地視認データをユーザ21の端末装置20に送信する。これにより、ユーザ21の端末装置20は、目的地視認データで特定されるアフィン写像に対して、電子地図の座標系から、そこで構築される仮想立体空間の座標系へのアフィン変換を行なって、仮想空間上でのアフィン写像を算出する。算出されたアフィン写像は、ユーザ21の目的地の仮想空間での座標に相当する。
【0032】
そして、端末装置20は、算出したアフィン写像の仮想空間上での位置を特定し、仮想空間内における、特定した位置とその周辺とを表示する画像デーを作成し、作成した画像データを用いて、画面上に、仮想空間と目的地の位置とを表示させる。これにより、ユーザ21は、目的地の位置を仮想空間上で把握することができる。
【0033】
ここで、具体例について説明する。
図3(a)は、案内人の端末装置の画面に表示される2次元地図の一例を示す図であり、
図3(b)は、ユーザの端末装置の画面に表示される仮想空間の一例を示す図である。
【0034】
例えば、ユーザによって指定された目的地が、特定のビルの入口であったとする。この場合、
図3(a)に示すように、案内人は、2次元地図上の特定のビルの入口を指定する。
図3(a)において、指定された位置は丸印で示されている。
【0035】
そして、指定された位置に対応して、
図3(b)に示すように、ユーザの端末装置の画面には、仮想空間と指定された位置とが表示される。
図3(b)においても、指定された位置は丸印で示されている。
【0036】
[装置動作]
次に、本発明の実施の形態1における案内支援装置10の動作について
図4を用いて説明する。
図4は、本発明の実施の形態1における案内支援装置の動作を示すフロー図である。以下の説明においては、適宜
図1〜
図3を参酌する。また、本実施の形態1では、案内支援装置10を動作させることによって、案内支援方法が実施される。よって、本実施の形態1における案内支援方法の説明は、以下の案内支援装置10の動作説明に代える。
【0037】
まず、前提として、ユーザ21が、端末装置20で実行されているアプリケーションプログラムを介して、目的地を入力する。これにより、端末装置20が、入力された目的地を特定する行先情報を、案内支援装置10に送信する。
【0038】
図2に示すように、行先情報が送信されてくると、情報取得部11は、送信されてきた行先情報を取得する(ステップA1)。そして、情報取得部11は、取得した行先情報を送信部12に渡す。
【0039】
次に、送信部12は、ステップA1で取得された行先情報を、案内人31の端末装置30に送信する(ステップA2)。これにより、端末装置30は、行先情報を受信し、受信した行先情報からユーザ21の目的地を特定し、特定した目的地を画面上に表示すると共に、画面上に2次元地図も表示する(
図3(a)参照)。そして、案内人31が、2次元地図上で目的地の位置を指定すると、端末装置30は、目的地の2次元座標を算出し、算出した2次元座標を特定する座標情報を、案内支援装置10に送信する。
【0040】
次に、データ処理部13は、端末装置30から送信されてきた座標情報を受信(ステップA3)。続いて、データ処理部13は、ステップA3で受信した座標情報によって特定される2次元座標から、2次元座標の電子地図上でのアフィン写像を算出し、算出したアフィン写像を特定する目的地視認データを生成する(ステップA4)。
【0041】
次に、送信部12は、ステップA4で生成された目的地視認データを、ユーザ21の端末装置20に送信する(ステップA5)。ステップA5の実行により、案内支援装置10での処理は一旦終了する。
【0042】
また、ステップA5の実行後、端末装置20は、算出したアフィン写像の仮想空間上での位置を特定し、仮想空間内における、特定した位置とその周辺とを表示する画像データを作成する。そして、端末装置20は、作成した画像データを用いて、画面上に、仮想空間と目的地の位置とを表示させる(
図3(b)参照)。
【0043】
[実施の形態1における効果]
以上のように本実施の形態1によれば、ユーザ21は、自身の端末装置20上で目的地を入力するだけで、実際の街等を模した仮想空間上で、目的地を確認することができる。従って、ユーザ21は、自身の言語とは関係無く、直感的に理解できる案内を受けることができる。
【0044】
また、目的地の位置は、機械的に指定されるわけではなく、案内人31によって指定されるので、本実施の形態1では、「AAビルの入口」、「BBBビルに一番近い地下鉄C駅の出口」といった、ピンポイントでの指定も可能なる。
【0045】
[プログラム]
本実施の形態1におけるプログラムは、コンピュータに、
図4に示すステップA1〜A5を実行させるプログラムであれば良い。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、本実施の形態1における案内支援装置10と案内支援方法とを実現することができる。この場合、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)は、情報取得部11、送信部12、及びデータ処理部13として機能し、処理を行なう。また、本実施の形態1では、地図データベース14は、コンピュータに備えられたハードディスク等の記憶装置に、これらを構成するデータファイルを格納することによって実現されている。
【0046】
また、本実施の形態1におけるプログラムは、複数のコンピュータによって構築されたコンピュータシステムによって実行されても良い。この場合は、例えば、各コンピュータが、それぞれ、情報取得部11、送信部12、及びデータ処理部13のいずれかとして機能しても良い。また、地図データベース14は、本実施の形態1におけるプログラムを実行するコンピュータとは別のコンピュータ上に構築されていても良い。
【0047】
[変形例]
続いて、本実施の形態1における変形例について
図5を用いて説明する。
図5は、本発明の実施の形態1における案内支援装置の変形例を具体的に示すブロック図である。
【0048】
図5に示すように、本変形例では、案内人31の端末装置30に、案内人31が装着するVR(Virtual Reality)ゴーグル32が接続されている。また、VRゴーグル32には、
図5には図示していないが、案内人の手の座標を検出するデバイスが接続されている。このようなデバイスとしては、例えば、ユーザが手に持って使用するコントローラタイプのもの、ユーザの手の位置及び指の動きを赤外線センサ等によってトラッキングするタイプのものが挙げられる。
【0049】
また、端末装置30で実行されるアプリケーションプログラムとして、仮想空間を構築し、構築した仮想空間をVRゴーグル32の画面に表示するプログラムが用いられている。このアプリケーションプログラムは、仮想空間において、上記のデバイスを介して、案内人による指さしによる任意の位置の指定を受け付け、更に、VRゴーグル32を介して、案内人の向きを示す方向ベクトルを特定する。
【0050】
具体的には、アプリケーションプログラムは、上記のデバイスからの情報に基づいて、VRゴーグル32を基準とした座標系における、案内人が位置を指定した際の手の座標を特定する。更に、アプリケーションプログラムは、VRゴーグル32からの情報に基づいて、VRゴーグル32の向き(案内人の向き)を示す方向ベクトルを特定する。
【0051】
そして、アプリケーションプログラムは、特定した手の座標と方向ベクトルとに対して、VRゴーグル32を基準とした座標系から仮想空間の座標系へのアフィン変換を行なって、仮想空間上でのアフィン写像(3次元座標及び方向ベクトル)を特定する。更に、アプリケーションプログラムは、算出したアフィン写像を特定するデータを座標情報として、案内支援装置10に送信する。
【0052】
本変形例では、データ処理部13は、座標情報が送信されてくると、座標情報によって特定されるアフィン写像から、ユーザ21の端末装置20に構築される仮想空間上で目的地の位置をユーザに視認させるためのデータ(以下「目的地視認データ」と表記する。)を生成する。
【0053】
具体的には、データ処理部13は、座標情報によって特定されるアフィン写像(3次元座標及び方向ベクトル)に対して、端末装置30における仮想空間の座標系から地図データベース14に格納されている電子地図の座標系へのアフィン変換を行なって、電子地図上でのアフィン写像(3次元座標及び方向ベクトル)を算出する。そして、データ処理部13は、算出したアフィン写像を特定するデータを、目的地視認データとする。
【0054】
その後、送信部12は、更に、目的地視認データをユーザ21の端末装置20に送信する。これにより、ユーザ21の端末装置20は、目的地視認データで特定されるアフィン写像(3次元座標及び方向ベクトル)に対して、電子地図の座標系から、端末装置20に構築される仮想立体空間の座標系へのアフィン変換を行なって、この仮想空間上でのアフィン写像(3次元座標及び方向ベクトル)を算出する。
【0055】
そして、端末装置20は、算出したアフィン写像の三次元座標から、仮想空間上での位置を特定し、更に、算出したアフィン写像の方向ベクトルに沿って、仮想空間内に視点を設定する。
続いて、端末装置20は、設定された視点で仮想空間が画面上に表示されるように、特定した位置とその周辺とを表示する画像データを作成し、作成した画像データを用いて、画面上に、仮想空間と目的地の位置とを表示させる。この場合、ユーザ21は、案内人と同じ視点で、目的地の位置を仮想空間上で把握することができる。
【0056】
このように、本変形例によれば、ユーザ21は、仮想空間において、案内人31と同じ視点から目的地を視認することができるので、ユーザ21に対してより理解のしやすい案内を提供することができる。
【0057】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2における、案内支援装置、案内支援方法、及びプログラムについて、
図6を参照しながら説明する。
【0058】
[装置構成]
本実施の形態2における案内支援装置は、
図1及び
図2に示した実施の形態1における案内支援装置10と同様の構成を備えている。従って、以下の説明では、適宜
図1及び
図2を参酌する。また、以下においては、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0059】
まず、本実施の形態2においては、情報取得部11は、ユーザ21の端末装置20から、ユーザ21の端末装置20の位置を特定する位置情報を取得する。データ処理部13は、取得された位置情報から、仮想空間上でのユーザの位置を特定する仮想空間位置情報を生成する。送信部12は、案内人31の端末装置30に、仮想空間位置情報を送信する。
【0060】
また、端末装置30は、仮想空間位置情報を受信すると、受信した仮想空間位置情報から、仮想空間上でのユーザ21の位置を特定する。更に、端末装置30は、仮想空間内における、特定したユーザ21の位置とその周辺とを表示する画像データを作成し、作成した画像データを用いて、画面上に、仮想空間と特定したユーザ21の位置とを表示させる。
【0061】
これにより、案内人31は、ユーザ21の位置を仮想空間上で把握することができる。また、端末装置30の画面に表示される画像は、
図3(b)に示した画像と同様のものとなる。本実施の形態2では、丸印はユーザ21の位置を表すことになる。
【0062】
また、本実施の形態2においては、情報取得部11は、ユーザ21の端末装置20から、更に、端末装置20に備えられた撮像装置で撮影された画像の画像データを取得することもできる。この場合、データ処理部13は、位置情報で特定された仮想空間上でのユーザの位置を、画像データを用いて補正し、補正後のユーザ20の位置を特定する仮想空間位置情報を生成する。
【0063】
また、データ処理部13は、画像データに基づいて、仮想空間内でのユーザの向きを特定し、特定したユーザの向きを、仮想空間位置情報に付加することもできる。この場合、仮想空間位置情報から、仮想空間内でのユーザの位置及び向きが特定可能となる。
【0064】
具体的には、データ処理部13は、画像データで特定される画像を、地図データベース14に格納されている3次元の電子地図に照合し、照合結果に基づいて、電子地図における該当する位置及び向きを特定する。そして、データ処理部13は、特定した位置及び向きに対して、電子地図の座標系から仮想空間の座標系へのアフィン変換を行なって、仮想空間上の位置及び向きを算出する。
【0065】
そして、この態様では、端末装置30は、仮想空間上のユーザ21の位置及び向きに沿って、仮想空間内に視点を設定し、設定された視点で仮想空間が画面上に表示されるように、ユーザ21の位置とその周辺とを表示する画像データを作成する。このため、案内人は、ユーザ21がどちらを向いているかを把握でき、より適切な案内を提供できる。
【0066】
また、情報取得部11は、ユーザ21の端末装置20から、端末装置20の向きを特定する方位データを取得することもできる。この場合、データ処理部13は、方位データを用いて、画像データから特定されたユーザの向きを補正する。この結果、ユーザの向きはより正確なものとなる。
【0067】
[装置動作]
次に、本発明の実施の形態2における案内支援装置の動作について
図6を用いて説明する。
図6は、本発明の実施の形態2における案内支援装置の動作を示すフロー図である。以下の説明においては、適宜
図1〜
図3を参酌する。また、本実施の形態2では、案内支援装置を動作させることによって、案内支援方法が実施される。よって、本実施の形態2における案内支援方法の説明は、以下の案内支援装置の動作説明に代える。
【0068】
最初に、
図6に示すように、情報取得部11は、ユーザ21の端末装置20から、ユーザ21の端末装置20の位置を特定する位置情報、端末装置20の周辺の画像データ、方位データを取得する(ステップB1)。
【0069】
次に、データ処理部13は、ステップB1で取得された位置情報から、端末装置20に構築される仮想空間上でのユーザ21の位置を特定する(ステップB2)。
【0070】
次に、データ処理部13は、ステップB1で取得された画像データに基づいて、仮想空間上でのユーザの位置を算出し、算出したユーザの位置を用いて、ステップB2で特定されたユーザ21の位置を補正する(ステップB3)。
【0071】
次に、データ処理部13は、ステップB1で取得された方位データを用いて、ステップB4で特定されたユーザの向きを特定する(ステップB4)。
【0072】
次に、データ処理部13は、ステップB1で取得された画像データに基づいて、仮想空間上でのユーザの向きを補正する(ステップB5)。
【0073】
次に、データ処理部14は、ステップB3による補正後のユーザ21の位置と、ステップB5による補正後のユーザ21の向きとを特定する仮想空間位置情報を生成する(ステップB6)。
【0074】
その後、送信部12は、案内人31の端末装置30に、ステップB6で生成された仮想空間位置情報を送信する(ステップB7)。
【0075】
ステップB7の実行により、端末装置30は、ユーザ21の向きに沿って、仮想空間内に視点を設定し、設定された視点で仮想空間を画面上に表示し、更に、その上に、ユーザ21の位置も表示する。
【0076】
[実施の形態2における効果]
以上のように、本実施の形態2では、ユーザ21が、自身の端末装置20から位置情報を送信すれば、案内人31は、街等を模した仮想空間上で、ユーザ21の位置を把握することができる。従って、案内人31においては、ユーザ21に対する案内の提供が容易なものとなる。
【0077】
[プログラム]
本実施の形態2におけるプログラムは、コンピュータに、
図6に示すステップB1〜B7を実行させるプログラムであれば良い。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、本実施の形態2における案内支援装置と案内支援方法とを実現することができる。この場合、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)は、情報取得部11、送信部12、及びデータ処理部13として機能し、処理を行なう。また、本実施の形態2においも、地図データベース14は、コンピュータに備えられたハードディスク等の記憶装置に、これらを構成するデータファイルを格納することによって実現されている。
【0078】
また、本実施の形態2におけるプログラムも、複数のコンピュータによって構築されたコンピュータシステムによって実行されても良い。この場合は、例えば、各コンピュータが、それぞれ、情報取得部11、送信部12、及びデータ処理部13のいずれかとして機能しても良い。また、地図データベース14は、本実施の形態2におけるプログラムを実行するコンピュータとは別のコンピュータ上に構築されていても良い。
【0079】
[変形例]
本実施の形態2における案内支援装置は、実施の形態1における案内支援装置10の機能を備えていても良い。即ち、本実施の形態2においても、情報取得部11は、ユーザの目的地を特定する行先情報を取得しても良い。送信部12は、取得された行先情報を案内人の端末装置に送信しても良い。データ処理部13は、案内人が、案内人の端末装置によって目的地の座標を特定した場合に、特定された座標を用いて、仮想空間上で目的地の位置をユーザに視認させるためのデータを生成しても良い。この態様によれば、実施の形態1及び2における効果を全て得ることができる。
【0080】
(物理構成)
ここで、実施の形態1及び2におけるプログラムを実行することによって、案内支援装置を実現するコンピュータについて
図7を用いて説明する。
図7は、本発明の実施の形態1及び2における案内支援装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【0081】
図7に示すように、コンピュータ110は、CPU111と、メインメモリ112と、記憶装置113と、入力インターフェイス114と、表示コントローラ115と、データリーダ/ライタ116と、通信インターフェイス117とを備える。これらの各部は、バス121を介して、互いにデータ通信可能に接続される。
【0082】
CPU111は、記憶装置113に格納された、本実施の形態におけるプログラム(コード)をメインメモリ112に展開し、これらを所定順序で実行することにより、各種の演算を実施する。メインメモリ112は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性の記憶装置である。また、本実施の形態におけるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体120に格納された状態で提供される。なお、本実施の形態におけるプログラムは、通信インターフェイス117を介して接続されたインターネット上で流通するものであっても良い。
【0083】
また、記憶装置113の具体例としては、ハードディスクドライブの他、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置が挙げられる。入力インターフェイス114は、CPU111と、キーボード及びマウスといった入力機器118との間のデータ伝送を仲介する。表示コントローラ115は、ディスプレイ装置119と接続され、ディスプレイ装置119での表示を制御する。
【0084】
データリーダ/ライタ116は、CPU111と記録媒体120との間のデータ伝送を仲介し、記録媒体120からのプログラムの読み出し、及びコンピュータ110における処理結果の記録媒体120への書き込みを実行する。通信インターフェイス117は、CPU111と、他のコンピュータとの間のデータ伝送を仲介する。
【0085】
また、記録媒体120の具体例としては、CF(Compact Flash(登録商標))及びSD(Secure Digital)等の汎用的な半導体記憶デバイス、フレキシブルディスク(Flexible Disk)等の磁気記録媒体、又はCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記録媒体が挙げられる。
【0086】
また、本実施の形態1及び2における案内支援装置は、プログラムがインストールされたコンピュータではなく、各部に対応したハードウェアを用いることによっても実現可能である。更に、案内支援装置は、一部がプログラムで実現され、残りの部分がハードウェアで実現されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0087】
以上のように、本発明によれば、ユーザの使用する言語に縛られることなく、ユーザが直感的に理解できるように目的地への案内を行なうことができる。本発明は、特に外国人への案内が必要な分野に有用である。
【符号の説明】
【0088】
10 案内支援装置
11 情報取得部
12 送信部
13 データ処理部
14 地図データベース
20 ユーザの端末装置
21 ユーザ
30 案内人の端末装置
31 案内人
32 VRゴーグル
110 コンピュータ
111 CPU
112 メインメモリ
113 記憶装置
114 入力インターフェイス
115 表示コントローラ
116 データリーダ/ライタ
117 通信インターフェイス
118 入力機器
119 ディスプレイ装置
120 記録媒体
121 バス