(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記接続インタフェースが、前記外部機器と無線LAN(Local Area Network)通信を行うWLAN(Wireless LAN)通信手段を更に含み、
前記WLAN通信手段は、前記PCIe及び前記UARTを介して制御手段に接続される請求項1に記載の無線通信端末装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施の形態の説明に先立って、本開示の概要を説明する。
図1は、本開示の概略的な無線通信システムを示す。無線通信システム10は、無線通信端末装置20と外部機器30とを有する。無線通信端末装置20は、無線通信手段21、制御手段22、及び接続インタフェース23を有する。
【0016】
無線通信手段21は、無線通信ネットワークとの間でデータの送受信を行う。接続インタフェース23は、外部機器30が接続されるインタフェースであり、接続された外部機器30との間でデータの送受信を行う。接続インタフェース23は、相互に異なる複数の動作速度で動作可能に構成される。
【0017】
制御手段22は、無線通信手段21が無線通信ネットワークから受信したデータの外部機器30への送信、及び接続インタフェース23が外部機器30から受信したデータの無線通信ネットワークへの送信の少なくとも一方を制御する。また、制御手段22は、接続インタフェース23の動作速度を無線通信手段21における無線通信ネットワークの通信状況に応じて制御する。
【0018】
本開示では、制御手段22は、接続インタフェース23の動作速度を無線通信ネットワークの通信状況に応じて制御する。このようにすることで、外部機器30との接続インタフェース23を、無線通信端末装置20が実施する無線通信の通信状態に応じて制御することができる。例えば、無線通信ネットワークにおける受信電界強度が低い場合に、接続インタフェース23を低速で動作させることで、不要なノイズ放射を抑え、無線通信への干渉を抑えることができる。また、無線通信ネットワークにおける受信電界強度が高い場合は、接続インタフェース23を高速で動作させることで、外部機器30との間の高速なデータ転送を実現できる。
【0019】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施の形態を詳細に説明する。
図2は、本開示の第1実施形態に係る無線通信システムを示す。無線通信システム100は、無線通信端末装置101、及び外部機器102を有する。無線通信端末装置101は
図1の無線通信端末装置20に対応し、外部機器102は
図1の外部機器30に対応する。
【0020】
無線通信端末装置101は、例えばネットワーク側との通信機能として、LTE(Long Term Evolution)通信機能などの既存の通信機能を有する。また、無線通信端末装置101及び外部機器102は、無線LAN(Local Area Network)通信機能を有しており、無線LANを通じて相互に通信する。外部機器102は、例えばスマートフォンやパーソナルコンピュータなどの機器として構成される。無線通信端末装置101は、例えば外部機器102がLTE網などの無線通信ネットワークへアクセスすることを可能とするLTEルータなどの通信機器として構成される。
【0021】
無線通信端末装置101は、送信部111、受信部112、制御部113、記憶部114、及びWLAN部115を有する。外部機器102は、制御部121、及びWLAN部122を有する。無線通信端末装置101の送信部111は、アンテナ110を介して、WAN(Wide Area Network)などの無線通信ネットワークに、データなどを含む無線通信信号を送信する。受信部112は、アンテナをして、無線通信ネットワークからデータなどを含む無線通信信号を受信する。送信部111及び受信部112は、
図1の無線通信手段21に対応する。
【0022】
無線通信端末装置101のWLAN部(WLAN通信手段)115は、外部機器102と無線LAN(WLAN:Wireless LAN)通信を行う。外部機器102のWLAN部122は、無線通信端末装置101と無線LAN通信を行う。制御部121は、WLAN部122を制御し、WLAN部122を通じて無線通信端末装置101にデータを送信する。また、制御部121は、WLAN部122を通じて無線通信端末装置101からデータを受信する。
【0023】
無線通信端末装置101において、WLAN部115は、複数のインタフェースを通じて制御部113に接続される。
図2の例では、WLAN部115は、第1のインタフェース116及び第2のインタフェース117を通じて制御部113に接続される。第1のインタフェース116は、例えばPCIe(Peripheral Component Interconnect Express)を含む。第2のインタフェース117は、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)を含む。第1のインタフェース116と第2のインタフェース117とは、動作速度が相互に異なる。第2のインタフェース117の動作速度は、第1のインタフェース116の動作速度よりも低速である。WLAN部115、第1のインタフェース116、及び第2のインタフェース117は、
図1の接続インタフェース23に対応する。
【0024】
制御部113は、無線通信端末装置101内の各部を制御する。制御部113は、送信部111及び受信部112を制御する。また、制御部113は、第1のインタフェース116又は第2のインタフェース117を通じてWLAN部115を制御する。記憶部114は、制御部113が実施する制御に使用される各種情報などを記憶する。記憶部114は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などの任意のストレージデバイスを含む。制御部113は、例えばCPUなどのプロセッサを用いて構成される。制御部113は、記憶部114からプログラムを読み出し、読み出したプログラムに従って各種処理を実施する。制御部113は、
図1の制御手段22に対応する。
【0025】
制御部113は、受信部112が無線通信ネットワークから受信したデータの外部機器102への送信、及びWLAN部115が外部機器102から受信したデータの無線通信ネットワークへの送信の少なくとも一方を制御する。より詳細には、制御部113は、受信部112が無線通信ネットワークから受信したデータを、受信部112から取得する。制御部113は、取得したデータを、第1のインタフェース116又は第2のインタフェース117を通じてWLAN部115に出力し、WLAN部115から外部機器102に向けて送信させる。また、制御部113は、WLAN部115が外部機器102から受信したデータを、第1のインタフェース116又は第2のインタフェース117を通じて取得する。制御部113は、取得したデータを送信部111に出力し、送信部111から無線通信ネットワークに送信させる。
【0026】
本実施形態において、制御部113は、第1のインタフェース116又は第2のインタフェース117を、送信部111及び受信部112における無線通信ネットワークの通信状況に応じて制御する。制御部113は、例えば、受信部112から、受信部112がアンテナ110から受信するLTE電波の受信電界レベルを取得する。制御部113は、取得した受信電界レベルを記憶部114に記憶する。制御部113は、受信電界レベルが所定のしきい値以上であるか否かを判断する。制御部113は、受信電界レベルがしきい値以上であると判断した場合は第1のインタフェース116を選択する。制御部113は、受信電界レベルがしきい値よりも低い場合は第2のインタフェース117を選択する。制御部113は、受信電界レベルを継続的に取得し、受信電界レベルとしきい値との比較結果に応じたインタフェースの選択(切替え)を繰り返し実施する。
【0027】
ここで、上記のしきい値は、第1のインタフェース116から第2のインタフェース117への切替えの場合と、第2のインタフェース117から第1のインタフェース116への切替えの場合とで、値が異なっていてもよい。例えば、制御部113は、現在第1のインタフェース116を選択している場合、受信電界レベルと第1のしきい値とを比較し、受信電界レベルが第1のしきい値より低い場合に、使用するインタフェースを第2のインタフェース117に切り替えてもよい。制御部113は、現在第2のインタフェース117を選択している場合は、受信電界レベルと第1のしきい値よりも値が大きい第2のしきい値とを比較してもよい。制御部113は、受信電界レベルが第2のしきい値以上の場合に、使用するインタフェースを第1のインタフェース116に切り替えてもよい。このようにヒステリシスを設けることで、ハンチングを防止できる。
【0028】
ユーザは、事前に、記憶部114に、通信状況に応じた第1のインタフェース116又は第2のインタフェース117の選択を実施するか否かを示す情報を記憶しておいてもよい。制御部113は、例えば、記憶部114に通信状況に応じた選択を実施する旨を示す情報が記憶されている場合は、第1のインタフェース116又は第2のインタフェース117を、受信電界レベルに応じて制御する。制御部113は、記憶部114に通信状況に応じた選択を実施しない旨を示す情報が記憶されている場合は、例えば第1のインタフェース116を固定的に選択してもよい。
【0029】
続いて、動作手順を説明する。
図3は、無線通信端末装置101におけるインタフェース選択の動作手順を示す。無線通信端末装置101は、例えば電源が投入されると、LTE通信を開始する(ステップS101)。制御部113は、記憶部114を参照し、LTE通信の通信状況に応じたインタフェースの選択(制御)を実施するか否かを判断する(ステップS102)。制御部113は、記憶部114にLTE通信の通信状況に応じたインタフェースの選択を実施する旨を示す情報が記憶されている場合、インタフェースの選択を実施すると判断する。制御部113は、記憶部114にLTE通信の通信状況に応じたインタフェースの選択を実施しない旨を示す情報が記憶されている場合、インタフェースの選択処理を終了する。
【0030】
制御部113は、ステップS102においてインタフェースの選択を実施すると判断した場合、記憶部114からしきい値を取得する(ステップS103)。記憶部114に事前にしきい値が記憶されていない場合、制御部113は、ステップS103においてユーザにしきい値の入力を促し、入力されたしきい値を記憶部114に記憶してもよい。
【0031】
制御部113は、アンテナ110を介して接続されるLTE通信における受信電界レベルを取得する。受信部112は、LTE接続時は常にLTE電波の状態である受信電界レベルを取得しており、制御部113は、受信部112からLTEの受信電界レベルを取得できる。制御部113は、取得した受信電界レベルとしきい値とを比較し、受信電界レベルがしきい値以上であるか否かを判断する(ステップS104)。別の言い方をすると、制御部113は、LTE電波の電波状況が良好であるか否かを判断する。
【0032】
制御部113は、ステップS104で受信電界レベルがしきい値以上であると判断した場合、制御部113とWLAN部115とを接続するインタフェースとして、高速インタフェースである第1のインタフェース116を選択する(ステップS105)。制御部113は、ステップS104で受信電界レベルがしきい値よりも低いと判断した場合は、制御部113とWLAN部115とを接続するインタフェースとして、低速インタフェースである第2のインタフェース117を選択する(ステップS106)。
【0033】
その後、処理はステップS104に戻り、次のサイクルで、受信電界レベルとしきい値とが比較される。ステップS105で第1のインタフェース116が選択されていた場合に、ステップS104で受信電界レベルがしきい値よりも低いと判断された場合、ステップS106において、使用されるインタフェースが第2のインタフェース117に切り替えられる。ステップS106で第2のインタフェース117が選択されていた場合に、ステップS104で受信電界レベルがしきい値以上と判断された場合は、ステップS105において、使用されるインタフェースが第1のインタフェース116に切り替えられる。
【0034】
図4は、受信電界レベルとLTE通信における通信速度との関係を示す。例えば受信電界レベルが高い場合、LTE通信において、下りリンク(DL:downlink)の通信速度は700Mbpsであり、上りリンク(UL:uplink)の通信速度は50Mbpsである。これに対し、受信電界レベルが低い場合は、下りリンク(DL:downlink)の通信速度は10Mbpsであり、上りリンク(UL:uplink)の通信速度は5Mbpsとなる。
【0035】
制御部113は、例えば受信部112が受信するLTE電波の受信電界レベルが低い状況では、第2のインタフェース117を選択する。受信電界レベルが低い場合、送信部111及び受信部112が実施する無線通信ネットワーク側との無線通信の通信速度は低速である。従って、制御部113はWLAN部115と高速通信を行う必要はない。低速な第2のインタフェース117を使用することで、制御部113とWLAN部115との間のインタフェースから放射される動作周波数、及びその高調波成分を抑制することができる。この場合、アンテナ110の受信感度の劣化を改善することができ、通信断を抑制することが可能となることから、通信可能エリアの縮小を防ぐことができる。
【0036】
例えば、第1のインタフェース116に使用され得るPCIeは、800MHz/5分周の高速クロックでデータ通信を行う。この動作周波数(分周クロックの周波数)は、LTE_Band26(800MHz帯)の受信周波数に近く、また、分周クロックの高調波はLTE_Band42(3.5GHz帯)の受信周波数となる。従って、PCIeは、LTE受信感度の劣化に影響する放射ノイズを発生している。LTE通信の通信状況が良好ではなく、受信電界レベルが低い場合に、高速なPCIeが使用されると、LTE受信感度が劣化して通信が維持できない可能性がある。受信電界レベルが低い場合は、高速なPCIeではなく低速インタフェースであるUARTへ切り替え、動作周波数を低周波数化することで、インタフェースから放射される動作周波数及びその高調波成分を低下させることができる。その結果として、LTE受信帯域への干渉を抑制することができる。
【0037】
データ転送速度に関して、高速インタフェースであるPCIeでは、最大2.5Gbpsのデータ通信が可能である。一方、低速インタフェースであるUART(4本)では、通信速度は200Mbps程度となる。制御部113とWLAN部115との間の通信にUARTが用いられる場合、制御部113とWLAN部115との間のデータ転送が低速化することで、WLAN部115と外部機器102との間の無線LAN通信におけるデータ通信速度が低下することとなる。しかしながら、
図4に示されるように受信電界レベルが低い状況ではLTE通信速度が低下するため、UARTが使用される場合でも、LTE通信の速度帯域を確保可能である。
【0038】
本実施形態では、制御部113は、LTE通信の通信状況に応じて、WLAN部115との間のインタフェースを、高速な第1のインタフェース116と低速な第2のインタフェース117との間で切り替える。このようにすることで、外部機器102とのインタフェースを、無線通信の通信状態に応じて制御することができる。例えば、無線信号の電界強度に応じて通信速度が変化する無線通信システムを利用する場合であって、受信電界強度が低い場合、制御部113は、WLAN部115との間のインタフェースにUARTを使用する。この場合、WLAN部115との間のインタフェースの動作周波数を低周波数化することができ、インタフェースから放射される電磁波の無線通信への干渉を抑制できる。従って、本実施形態では、フィルタなどの回路対策や金属シールド実施などの構造対策を行うことなく、無線通信への干渉を抑制し通信可能エリアの縮小などを抑制できる。
【0039】
次いで、本開示の第2実施形態を説明する。
図5は、本開示の第2実施形態に係る無線通信システムを示す。無線通信システム100aは、無線通信端末装置101aと外部機器102aとを有する。本実施形態に係る無線通信システム100aは、無線通信端末装置101aと外部機器102aとが、有線ケーブルであるUSB(Universal Serial Bus)ケーブル103で接続される点で、
図2に示される第1実施形態に係る無線通信システム100と相違する。他の点は、実施形態1と同様でよい。
【0040】
本実施形態において、無線通信端末装置101aは、送信部111、受信部112、制御部113、記憶部114、及びUSBインタフェース118を有する。外部機器102aは、制御部121とUSBインタフェース123を有する。本実施形態において、USBインタフェース118及び123は、USBケーブル103を通じて、相互に異なる複数のデータ転送速度で互いに通信可能に構成されている。USBインタフェース118及び123は、例えばデータ転送速度が相互に異なる2つのUSB通信規格をサポートする。USBインタフェース118及び123は、
図1の接続インタフェース23に対応する。
【0041】
以下では、USBインタフェース118及び123は、USB2.0及びUSB3.0の通信規格をサポートするものとする。USBインタフェース118は、USBデータ通信機能であるUSB3.0通信の高速動作と、低速動作であるUBS2.0通信とが切替え可能に構成される。USB3.0通信は下位互換であり、低速なUSB2.0通信も実施できるため、データ通信ラインとしては同一のUSBケーブル103を用いつつ、USBインタフェース118の動作速度を変更可能である。
【0042】
本実施形態において、制御部113は、USBインタフェース118の動作速度を、送信部111及び受信部112における無線通信ネットワークの通信状況に応じて制御する。制御部113は、例えば、受信電界レベルがしきい値以上であると判断した場合は、USBインタフェース118を高速なUSB3.0通信で動作させる。制御部113は、受信電界レベルがしきい値よりも低い場合は、USBインタフェース118を低速なUSB2.0通信で動作させる。
【0043】
図6は、第2実施形態に係る無線通信端末装置101aにおけるインタフェース選択の動作手順を示す。無線通信端末装置101aは、例えば電源が投入されると、LTE通信を開始する(ステップS201)。制御部113は、記憶部114を参照し、LTE通信の通信状況に応じたインタフェースの選択(制御)を実施するか否かを判断する(ステップS202)。制御部113は、記憶部114にLTE通信の通信状況に応じたインタフェースの選択を実施する旨を示す情報が記憶されている場合、インタフェースの選択を実施すると判断する。制御部113は、記憶部114にLTE通信の通信状況に応じたインタフェースの選択を実施しない旨を示す情報が記憶されている場合、インタフェースの選択処理を終了する。
【0044】
制御部113は、ステップS202においてインタフェースの選択を実施すると判断した場合、記憶部114からしきい値を取得する(ステップS203)。制御部113は、アンテナ110を介して接続されるLTE通信における受信電界レベルを取得する。制御部113は、取得した受信電界レベルとしきい値とを比較し、受信電界レベルがしきい値以上であるか否かを判断する(ステップS204)。ステップS201〜S204は、
図3のステップS101〜S104と同様でよい。
【0045】
制御部113は、ステップS204で受信電界レベルがしきい値以上であると判断した場合、USBインタフェース118を高速なUSB3.0通信で動作させる(ステップS205)。この場合、制御部113は、外部機器102aとの間でUSB3.0通信を実施する。制御部113は、ステップS204で受信電界レベルがしきい値よりも低いと判断した場合は、USBインタフェース118を低速なUSB2.0通信で動作させる(ステップS206)。この場合、制御部113は、外部機器102aとの間でUSB2.0通信を実施する。
【0046】
その後、処理はステップS204に戻り、次のサイクルで、受信電界レベルとしきい値とが比較される。USBインタフェース118の動作がUSB3.0通信に制御されていた場合に、ステップS204で受信電界レベルがしきい値よりも低いと判断された場合、ステップS206において、USBインタフェース118の動作がUSB2.0通信に切り替えられる。USBインタフェース118の動作がUSB2.0通信に制御されていた場合に、ステップS204で受信電界レベルがしきい値以上と判断された場合は、ステップS205において、USBインタフェース118の動作がUSB3.0通信に切り替えられる。
【0047】
ここで、USB3.0通信では、最大5Gbpsのデータ転送速度で高速通信が可能である。一方、USB2.0通信では、理論値としては480Mbps、実測値としては80Mpbs程度のデータ転送速度でデータ通信が行われる。
図4を参照すると、受信電界レベルが低い場合のLTE通信速度は下りリンクが10Mbpsで上りリンクは5Mpbsである。このため、USBインタフェース118がUSB2.0通信で動作する場合でもLTE通信の速度帯域を確保可能である。
【0048】
本実施形態では、制御部113は、LTE通信の通信状況に応じて、USBインタフェース118の動作を、USB3.0通信とUSB2.0通信との間で切り替える。このようにすることで、外部機器102とのインタフェースを、無線通信の通信状態に応じて制御することができる。制御部113は、例えば受信電界強度が低い場合、USBインタフェース118をUSB2.0通信で動作させ、受信電界強度が高い場合は、USBインタフェース118をUSB3.0通信で動作させる。受信電界強度が低い場合にUSB2.0通信で動作させることで、USBインタフェース118の動作周波数を低周波数化することができ、USBインタフェース118から放射される電磁波の無線通信への干渉を抑制できる。従って、本実施形態において、第1実施形態と同様に、フィルタなどの回路対策や金属シールド実施などの構造対策を行うことなく、無線通信への干渉を抑制し通信可能エリアの縮小などを抑制できる。
【0049】
なお、上記各実施形態では、制御部113が、通信状況を示す指標として受信電界レベルを取得し、受信電界レベルとしきい値とを比較する例について説明したが、これには限定されない。上記各実施形態において、通信状況を示す指標として、受信電界レベルに代えてLTE通信の通信速度が用いられてもよい。制御部113は、LTE接続中は、LTE通信の受信電界レベルと同様に、LTE通信における通信速度を常に取得可能である。
【0050】
上記の場合、記憶部114には、受信電界レベルのしきい値に代えて、通信速度のしきい値が記憶される。制御部113は、取得した通信速度と、記憶部114に記憶されたしきい値とを比較する。第1実施形態において、制御部113は、通信速度がしきい値以上であれば、高速な第1のインタフェース116を選択し、通信速度がしきい値より低速であれば、低速な第2のインタフェース117を選択してもよい。また、制御部113は、第2実施形態において、通信速度がしきい値以上であれば、高速なUSB3.0通信を選択し、通信速度がしきい値より低速であれば、低速なUSB2.0通信を選択してもよい。このように、通信速度状況に応じてインタフェースの切替えを行う場合も、上記各実施形態において説明したものと同様な効果が得られる。
【0051】
上記各実施形態において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記憶媒体を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、又はハードディスクなどの磁気記録媒体、例えば光磁気ディスクなどの光磁気記録媒体、CD(compact disc)、又はDVD(digital versatile disk)などの光ディスク媒体、及び、マスクROM、PROM(programmable ROM)、EPROM(erasable PROM)、フラッシュROM、又はRAMなどの半導体メモリを含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体を用いてコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバなどの有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0052】
以上、本開示の実施形態を詳細に説明したが、本開示は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に対して変更や修正を加えたものも、本開示に含まれる。
【0053】
例えば、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0054】
[付記1]
無線通信ネットワークとの間でデータの送受信を行う無線通信手段と、
外部機器が接続され、前記外部機器との間でデータの送受信を行う接続インタフェースと、
前記無線通信手段が前記無線通信ネットワークから受信したデータの前記外部機器への送信、及び前記接続インタフェースが前記外部機器から受信したデータの前記無線通信ネットワークへの送信の少なくとも一方を制御する制御手段とを備え、
前記接続インタフェースは、相互に異なる複数の動作速度で動作可能に構成され、
前記制御手段は、更に、前記接続インタフェースの動作速度を前記無線通信手段の通信状況に応じて制御する無線通信端末装置。
【0055】
[付記2]
前記接続インタフェースは、第1のインタフェースと、動作速度が前記第1のインタフェースよりも低速な第2のインタフェースとを含み、
前記制御手段は、前記通信状況に応じて、前記第1のインタフェース又は前記第2のインタフェースを、前記外部機器との間のデータの送受信に使用されるインタフェースとして選択する付記1に記載の無線通信端末装置。
【0056】
[付記3]
前記制御手段は、前記無線通信手段が受信する受信無線信号の電界強度を取得し、該取得した電界強度がしきい値以上の場合は前記第1のインタフェースを選択し、前記取得した電界強度がしきい値よりも低い場合は前記第2のインタフェースを選択する付記2に記載の無線通信端末装置。
【0057】
[付記4]
前記制御手段は、前記無線通信ネットワークの通信速度を取得し、該取得した通信速度がしきい値以上の場合は前記第1のインタフェースを選択し、前記取得した電界強度がしきい値よりも低い場合は前記第2のインタフェースを選択する付記2に記載の無線通信端末装置。
【0058】
[付記5]
前記接続インタフェースが、前記外部機器と無線LAN(Local Area Network)通信を行うWLAN(Wireless LAN)通信手段を更に含み、
前記WLAN通信手段は、前記第1のインタフェース及び前記第2のインタフェースを介して制御手段に接続される付記2から4何れか1つに記載の無線通信端末装置。
【0059】
[付記6]
前記第1のインタフェースはPCIe(Peripheral Component Interconnect Express)を含み、前記第2のインタフェースはUART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)を含む付記2から5何れか1つに記載の無線通信端末装置。
【0060】
[付記7]
前記接続インタフェースは、相互に異なる複数のデータ転送速度で前記外部機器と通信が可能に構成されており、
前記制御手段は、前記通信状況に応じて、前記データ転送速度を制御する付記1に記載の無線通信端末装置。
【0061】
[付記8]
前記接続インタフェースは、データ転送速度が相互に異なる2つのUSB(Universal Serial Bus)通信規格に従って前記外部機器と通信するUSBインタフェースを含む付記7に記載の無線通信端末装置。
【0062】
[付記9]
前記制御手段は、前記通信状況に応じて、前記外部機器との間のデータの送受信に用いられるUSB通信規格を選択する付記8に記載の無線通信端末装置。
【0063】
[付記10]
前記USBインタフェースは、USB2.0及びUSB3.0の通信規格に従って前記外部機器と通信が可能に構成される付記8又は9に記載の無線通信端末装置。
【0064】
[付記11]
前記無線通信ネットワークはLTE(Long Term Evolution)網である付記1から9何れか1つに記載の無線通信端末装置。
【0065】
[付記12]
無線通信端末装置と、
前記無線通信端末装置に接続される外部機器とを備え、
前記無線通信端末装置は、
無線通信ネットワークとの間でデータの送受信を行う無線通信手段と、
前記外部機器との間でデータの送受信を行う接続インタフェースと、
前記無線通信手段が前記無線通信ネットワークから受信したデータの前記外部機器への送信、及び前記接続インタフェースが前記外部機器から受信したデータの前記無線通信ネットワークへの送信の少なくとも一方を制御する制御手段とを有し、
前記接続インタフェースは、相互に異なる複数の動作速度で動作可能に構成され、
前記制御手段は、更に、前記接続インタフェースの動作速度を前記無線通信手段の通信状況に応じて制御する無線通信システム。
【0066】
[付記13]
前記接続インタフェースは、第1のインタフェースと、動作速度が前記第1のインタフェースよりも低速な第2のインタフェースとを含み、
前記制御手段は、前記通信状況に応じて、前記第1のインタフェース又は前記第2のインタフェースを、前記外部機器との間のデータの送受信に使用されるインタフェースとして選択する付記12に記載の無線通信システム。
【0067】
[付記14]
前記接続インタフェースは、相互に異なる複数のデータ転送速度で前記外部機器と通信が可能に構成されており、
前記制御手段は、前記通信状況に応じて、前記データ転送速度を制御する付記12に記載の無線通信システム。
【0068】
[付記15]
無線通信ネットワークとの間でデータの送受信を行う無線通信手段と、外部機器との間でデータの送受信を行う接続インタフェースとを有し、前記接続インタフェースは相互に異なる複数の動作速度で動作可能に構成されている無線通信端末装置の制御方法であって、
前記接続インタフェースの動作速度を前記無線通信手段の通信状況に応じて制御し、
前記無線通信手段が前記無線通信ネットワークから受信したデータの前記外部機器への送信、及び前記接続インタフェースが前記外部機器から受信したデータの前記無線通信ネットワークへの送信の少なくとも一方を実施する無線通信端末装置の制御方法。
【0069】
[付記16]
前記接続インタフェースは、第1のインタフェースと、動作速度が前記第1のインタフェースよりも低速な第2のインタフェースとを含み、
前記動作速度の制御では、前記通信状況に応じて、前記第1のインタフェース又は前記第2のインタフェースを、前記外部機器との間のデータの送受信に使用されるインタフェースとして選択する付記15記載の無線通信端末装置の制御方法。
【0070】
[付記17]
前記接続インタフェースは、相互に異なる複数のデータ転送速度で前記外部機器と通信が可能に構成されており、
前記動作速度の制御では、前記通信状況に応じて、前記データ転送速度を制御する付記15に記載の無線通信端末装置の制御方法。
【0071】
[付記18]
無線通信ネットワークとの間でデータの送受信を行う無線通信手段と、外部機器との間でデータの送受信を行う接続インタフェースとを有し、前記接続インタフェースは相互に異なる複数の動作速度で動作可能に構成されている無線通信端末装置を制御する処理をプロセッサに実行させるためのプログラムであって、前記プロセッサに、
前記接続インタフェースの動作速度を前記無線通信手段の通信状況に応じて制御し、
前記無線通信手段が前記無線通信ネットワークから受信したデータの前記外部機器への送信、及び前記接続インタフェースが前記外部機器から受信したデータの前記無線通信ネットワークへの送信の少なくとも一方を実施する処理を実行させるためのプログラム。
【0072】
[付記19]
前記接続インタフェースは、第1のインタフェースと、動作速度が前記第1のインタフェースよりも低速な第2のインタフェースとを含み、
前記動作速度の制御では、前記プロセッサに、前記通信状況に応じて、前記第1のインタフェース又は前記第2のインタフェースを、前記外部機器との間のデータの送受信に使用されるインタフェースとして選択させる付記18に記載のプログラム。
【0073】
[付記20]
前記接続インタフェースは、相互に異なる複数のデータ転送速度で前記外部機器と通信が可能に構成されており、
前記動作速度の制御では、前記プロセッサに、前記通信状況に応じて、前記データ転送速度を制御させる付記18に記載のプログラム。