(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記搬送方向において、前記1対の板部材から前記印字位置までの距離は、前記1対の抑えローラから前記印字位置までの距離よりも短い、請求項4に記載のプリンター。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、サーマルヘッドによるガラス板等のプレートに印字を行う際に、ヘッドダウンしたサーマルヘッドが、プレートに当接することで、プレートの搬送が不安定となり、そのため、印字品質に影響が出るという問題がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、プレートの搬送を安定して行うプリンターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
(1)
印字領域を設けたプレパラート用のガラス製のプレートを、搬送する搬送部であって、前記プレートの搬送方向に直交する幅方向の両方の側面に当接する少なくとも1対の搬送部材を備え、前記1対の搬送部材により前記プレートを挟持して搬送する搬送部と、
印字ヘッド、および、該印字ヘッドを印字位置と前記印字位置から離れた退避位置との間で揺動させる揺動部を備え、印字する際に前記揺動部により前記印字ヘッドを、前記印字位置に移動させるとともに、前記搬送部により搬送される前記プレートの表面の
前記印字領域に当接させ、該印字ヘッドにより前記印字領域に印字する印字部と、
前記搬送部により搬送される前記プレートの
表面において、前記プレートの前記幅方向の中央の観察領域に接触しないように前記側面の近傍領域
においてのみ、前記プレートに表面側から当接して、印字時の前記プレートの浮き上がりを規制する抑えガイド部と、
を備え、
前記搬送部は、前記搬送部材として、前記プレートの両方の前記側面に当接する1対のローラを複数含み、
前記1対のローラのそれぞれは、弾性部材により、内側に向けて付勢されるとともにそれぞれは駆動モータの駆動力により回転し、
前記内側への付勢力により、前記1対のローラは、前記プレートの側面に当接し、前記プレートを挟持しながら搬送方向に搬送し、前記プレートの搬送を複数の前記1対のローラのみで行う、
プリンター。
(2)
印字領域を設けたプレパラート用のガラス製のプレートを、搬送する搬送部であって、前記プレートの搬送方向に直交する幅方向の両方の側面に当接する少なくとも1対の搬送部材を備え、前記1対の搬送部材により前記プレートを挟持して搬送する搬送部と、
印字位置において、前記搬送部により搬送される前記プレートの表面の
前記印字領域に印字する印字部と、
印字された前記プレートを排出する排出口の外側に配置され、排出された前記プレートをスタックするスタッカと、
前記排出口と前記印字位置の間に配置され、前記搬送部により搬送される前記プレートの
表面において、前記プレートの前記幅方向の中央の観察領域に接触しないように前記側面の近傍領域におい
てのみ、前記プレートに表面側から当接して、排出時の前記プレートの浮き上がりを規制する抑えガイド部と、を備え、
前記搬送部は、前記搬送部材として、前記プレートの両方の前記側面に当接する1対のローラを複数含み、
前記1対のローラのそれぞれは、弾性部材により、内側に向けて付勢されるとともにそれぞれは駆動モータの駆動力により回転し、
前記内側への付勢力により、前記1対のローラは、前記プレートの側面に当接し、前記プレートを挟持しながら搬送方向に搬送し、前記プレートの搬送を複数の前記1対のローラのみで行う、
プリンター。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るプリンターは、印字する際に揺動部により印字ヘッドを、印字位置に移動させるとともに、搬送部により搬送されるプレートの表面の印字領域に当接させ、該印字ヘッドにより印字領域に印字する印字部と、搬送部により搬送されるプレートの側面の近傍領域において、プレートに表面側から当接して、印字時のプレートの浮き上がりを規制する抑えガイド部を備える。これにより、プレートの搬送を安定して行え、ひいては、高品質な印字が行える
また、本発明に係るプリンターは、排出口と印字位置の間に配置され、搬送部により搬送されるプレートの側面の近傍領域において、プレートに表面側から当接して、排出時のプレートの浮き上がりを規制する抑えガイド部を備える。これにより、プレートの搬送を安定して行え、ひいては、安定した排出が行える。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係るプリンター10の外観を示す図である。
図2は、プリンター10により印字されるプレートの具体例としてのプレパラート用のプレート90を示す図である。
図3は、本実施形態に係るプリンター10全体の斜視図である。以下、添付の図面においては、上下方向をZ方向、プリンター10の正面、背面方向をX方向、これらのX、Z方向に直交する方向をY方向とする。また、以下において特段の説明がない場合は、プレート90の搬送方向はX方向であり、幅方向はY方向である。また、
図3の矢印で示すように、特に搬送方向のうち挿入排出口に向う方を「第1の搬送方向」と称し、これと反対の方向を「第2の搬送方向」とも称す。
【0012】
(プリンター10の全体構成)
図1、
図3を参照するとプリンター10は、制御部20、抑えガイド部40、搬送部50、および印字部60を備える。制御部20は、CPU、RAM、ROM、補助記憶部等で構成され、プリンター10全体の制御を行う。プリンター10の外装15の装置正面側には、プレート90の挿入/排出を行う排出口19を設けている。プリンター10では、制御部20が各構成要素を制御することで、ユーザーにより排出口19から挿入されたプレート90に対して印字部60により、その表面に印字を行う。
【0013】
図1に示すように、プリンター10の正面側には、さらにモード状態や各種データの表示および設定の入力を行う表示部25を設けている。表示部25には、タッチパネルを重畳した液晶ディスプレイ、有機EL(Electro−Luminescence)等が採用される。
【0014】
図2に示すように、本実施形態で用いられる印刷媒体としてのプレート90は、剛体であり、例えば、プレパラート用のガラス板である。プレート90は、例えば1枚のサイズが幅25mm、全長75mm、厚み1.0mmである。プレート90の上に観察試料95が貼り付けられ、カバーガラス93で押さえつけられて顕微鏡などによって観察されるプレパラート900が作成される。プレート90には、一方の面の一部の領域に渡って、いわゆるフロスト部90aと称される観察試料95の情報(管理番号、日付、メモなどを示す文字、またはバーコード)を筆記具などで記録しやすいように処理した「印字領域」を設けたものがある。本実施形態ではプレート90のフロスト部90aが印字領域に対応し、この印字領域に印字部60で印字する。フロスト部90aのサイズ、位置は予め制御部20の記憶部に記憶させてもよく、または表示部25等を通じて、ユーザーが適宜入力するようにしてもよい。このフロスト部90aは、プレート90の一方の端部、または一方の端部の近傍に設けられている。例えば、設定に応じて、この印字領域側を前にしてユーザーは排出口19からプレート90を挿入する。
【0015】
(変形例)
次に
図4、
図5を参照し、変形例に係るプリンター10の構成を説明する。
図4は、カセット31を取り付けたプリンター全体の内部構成を示す斜視図であり、
図5は、スタッカ16を取り付けたプリンター10の外観を示す斜視図である。スタッカ16は、外装15の排出口19の下側に取り付けられる。カセット31は、カートリッジとも称され、例えば、金属製である。同図の変形例のプリンター10は、供給部30をさらに備える。供給部30は、複数のカセット31、および爪部材35を備える。爪部材35は、駆動モータM3により第1の搬送方向に駆動することで、カセット31内に収納された複数のプレート90のうち、最下段のプレート90を1枚ずつ、連続して供給する。プレート90を第1の搬送方向に押し出す際に、爪部材35は、プレート90の後端側の側面に接触する。最下段となったプレート90が送り出された後、上方にあるその次の最下段のプレート90はストッパー(図示せず)で規制される所定位置まで落下する。爪部材35は、第1の搬送方向の移動終端まで到達したところで、リンク機構(図示せず)によりZ方向においてわずかに下方にシフトする構成となっており、下方にシフトした状態で、逆方向の第2の搬送方向の移動終端(初期位置)まで戻る。下方にシフトすることで、戻る際にプレート90の表面(下面)と爪部材35とは非接触になり、爪部材35によりプレート90への異物付着等の汚染を防止する。
【0016】
プリンター10は、2つのカセット31を幅方向に移動させる駆動機構(図示せず)を備える。2つのカセット31のうち供給位置にセットされていた一方のカセット31のプレート90を使い切ると、カセット31は、駆動機構によりY方向にスライドし、他方のカセット31が供給位置にセットされる。
【0017】
その後、供給位置にセットされた他方のカセット31からプレート90の供給が再開される。また、連続して供給されたプレート90は、印字部60で印字領域(フロスト部90a)に印字され、排出口19から排出されて、スタッカ16内に落下し、スタック(載置)される。なお、変形例に係るプリンター10においては、供給部30、およびスタッカ16以外の構成は、
図1、
図3に示したプリンター10と同じ構成である。
【0018】
(搬送部50)
次に、
図6から
図9を参照し、抑えガイド部40、および搬送部50について説明する。最初に搬送部50について説明し、次に抑えガイド部40について説明する。
【0019】
図6は、搬送部周辺の構成を示す斜視図である。
図7Aは、搬送部50の駆動の構成を示す上面図であり、
図7Bは、同底面図である。
図8は、搬送部周辺の構成を示す上面図である。
【0020】
これらの図に示すように、搬送部50は、プレート90を幅方向の両脇から挟持する搬送ローラ51、52、53、プラテンローラ55、ガイド板56、駆動モータM5(
図3参照)、およびプーリーu1、およびギアg1〜g9、等を備える。プーリーu1とギアg2は回転軸を共通として、この回転軸には、プラテンローラ55が取り付けられている。プラテンローラ55は、印字部60(印字ヘッド)に対向して配置されており、搬送方向において、プラテンローラ55の中心が、印字位置p1と重なるように設計される。
【0021】
図7A、
図7Bに示すように、駆動モータM5の駆動力は、駆動ベルト(
図2、3参照)を介して、プーリーu1、ギアg1の順に伝達される。搬送ローラ51は、左右1対のローラ51(R)、51(L)から構成され、2つのローラ、すなわち1対のローラ51(R)、51(L)がプレート90の幅方向の両側面に当接し、このプレート90をガイド板56上面に沿って、挟持し、搬送する。これらの1対のローラ51(R)、51(L)は弾性部材(後述のバネs1、s2)により、互いに内側に向けて付勢され、付勢力によりプレート90の両側面を抑える。搬送ローラ52、53も同様に左右1対のローラから構成される。これらの搬送ローラ51、52、53は、変形例のようにカセット31からプレート90を供給する場合には、プレート90を第1の搬送方向に移動するように、駆動モータM5により一方向に回転する。また、
図1、
図3に示す実施形態のようにフロントローディングにより、排出口19からプレート90を供給し、排出する場合には、制御部20の制御下、駆動モータM5によりこれらの搬送ローラ51、52、53は正逆方向に回転する。
【0022】
図7A、
図7Bに示すように搬送ローラ51、52、53の左右のローラは、は複数のギアg2〜g9等を介して連結されている。駆動モータM5の駆動力は、プーリーu1と回転軸を共有する上流側のギアg2から複数のギアg3〜g9を介して各搬送ローラ51〜53に伝達される。1つの駆動モータM5により、上述のプラテンローラ55とともに、3対の搬送ローラ51〜53が同期して、駆動される。
【0023】
具体的には、搬送ローラ51、52では、ギアg2に伝達された駆動力は、下流側のギアg3、ギアg4を含む複数のギアで構成されるギア系列を介して、ローラ51(L)、52(L)に伝達される。またギアg4に伝達された駆動力は、さらにギアg4に連結する下流側のギアg5を介して、ローラ51(R)、52(R)に伝達される。
【0024】
同様に搬送ローラ53では、ギアg2に伝達された駆動力は、下流側のギアg6を含む複数のギアで構成されるギア系列を介して、ローラ53(L)に伝達される。またギアg6に伝達された駆動力は、さらに下流側のギアg7〜9を介して、ローラ53(R)に伝達される。
【0025】
また、搬送部50は、弾性部材としてバネs1〜s4を備える。搬送ローラ51〜53を構成する右側(R側)、または左側(L側)のローラの回転軸の少なくとも一方は所定範囲内で幅方向(Y方向)に可動するように構成されている。バネs1、s2は圧縮バネであり、その弾性力(直線矢印参照)は、アームを介して、各ローラ51(L)、51(R)、52(L)、52(R)に伝達され、幅方向の内側に向けた付勢力となる(円弧矢印参照)。また、バネs3、s4は引張バネであり、その弾性力(直線矢印参照)は、アームを介して、各ローラ53(L)、53(R)に伝達され、幅方向の内側に向けた付勢力となる(円弧矢印参照)。
【0026】
搬送部50は、このような構成とすることで、バネs1〜s4の弾性力に抗って、プレート90が挿入されるに応じて、各ローラは、外側(同図の矢印方向)に退避する。このような構成を備えることで、1対のローラ51(L)、51(R)は、その間に挿入されたプレート90の幅に対応して幅方向の外側に退避するとともに、内側(両ローラの中心側)に向けて付勢しながら回転することで、プレート90を挟持しながら搬送方向に搬送する。ローラ52(L)、52(R)、およびローラ53(L)、53(R)も同様に、内側に向けて付勢しながら回転することで、プレート90を挟持しながら搬送方向に搬送する。このような構成とすることで、1つの駆動モータM5で3対のローラを駆動できるとともに、バネs1〜s4の付勢力により抑えながら安定してプレート90を搬送できる。
【0027】
(抑えガイド部40)
図6、
図7に示すように、搬送経路上に抑えガイド部40を配置している。抑えガイド部40は、抑えローラ41、および板部材42を含む。抑えガイド部40は、プレート90に表面側から当接して、プレートの浮き上がりを規制する機能を有する。抑えローラ41は、左右1対のローラ41(R)、41(L)から構成される。同様に板部材42も左右1対の板42(R)、42(L)から構成される。これらのローラ、および板はプレート90の側面(幅方向側面)の近傍領域において、プレート90に対して、表面側から当接する。
【0028】
図9は、抑えガイド部40の構成を説明するための模式図であり、
図9(a)は、
図8のA−A断面図であり、
図9(b)は、
図8のB−B断面図である。
【0029】
図9(a)に示すように、1対の抑えローラ41の2つのローラ41(R)、41(L)は、Y方向に延在する軸を回転中心として回転可能に支持され、ローラ41の外周面が浮き上がったプレート90の表面に当接することで、自由に回転する(連れ回りする)。ローラの材料は、例えばPOM(ポリアセタール)である。プレート90の表面における側面(幅方向側面)の近傍領域において、プレート90の表面側から当接する。幅方向においてプレート90と接触する範囲は、プレート90表面への抑えガイド部40の接触による汚染(付着物)が、観察試料95に影響しないように、カバーガラス93の貼り付け領域を避けるように設定することが好ましい。この接触する範囲、すなわち、搬送されるプレート90の側面から、抑えローラ41の中央側の端部までの距離w1は、例えば、プレート90の両端部からそれぞれ、全幅に対して6%分の領域であり、例えばプレート90の幅25mmであれば、距離w1は1.5mmに設定される。また、抑えローラ41の下面の高さ、すなわち、ガイド板56の上面から、抑えローラ41の下面までの高さh1(Z方向の距離)は、印字する際に許容可能なプレート90の傾き角度により適宜設定される。例えば高さh1は1.8mmである。
【0030】
同様に
図9(b)に示すように、1対の板部材42の2つの板42(R)、42(L)もプレート90の表面における側面(幅方向側面)の近傍領域において、プレート90の表面側から当接する。板部材42の下面S1は、XY平面に平行な面を有し、この下面が浮き上がったプレート90の表面に当接する。距離w2は、例えば1.5mmに設定され、高さh2は1.9mmに設定される。
【0031】
図8に示すように、搬送方向における、印字位置から抑えローラ41(中心)までの距離L1は例えば、60.7mmであり、印字位置から板部材42(中心)までの距離L2は、例えば17.5mmである。距離L1、L2は、使用するプレート90の全長、ならびに印字領域(フロスト部90a)の範囲およびプレート90の挿入方向を考慮して適宜設定される。例えば距離L1は、標準に使用するプレート90の全長L50(
図2参照)よりも短く、より好ましくは、印字領域の中心側の端部から、遠い側のプレート90の端面までの距離L51(
図2参照)よりも短い。距離L2は、標準に使用するプレート90の全長よりも短く、より好ましくは、印字領域の中心側の端部から、近い側のプレート90の端面までの距離L52(
図2参照)よりも短い。また、距離L2は、距離L1よりも短い。なお、印字位置に関しては、厳密には、後述する印字部60(印字ヘッド621)のプレート90への当接位置であるが、ここではX方向におけるプラテンローラ55の中心軸の位置を用いる。
【0032】
プレート90の傾き角度が同じでも、距離が長い方が浮き上がり量は大きくなる。押さえローラ41の距離L1の方が、板部材42の距離L2よりも長いため、同じ傾き角度における端部の浮き上がり量は大きくなる。そのため、抑えローラ41下面の高さh1は、板部材42下面の高さh2よりも高く設定することが好ましい。また、抑え部材として、遠い側ではローラ(抑えローラ41)を用い、近い側では板部材(板部材42)を用いる。遠い側でローラを用いるのは、搬送され、移動するプレート90のエッジが、衝突する場合があり、その際に部材の表面に傷が付いたり、プレート90のガラス繊維が表面に付着したりする(突き刺さる)ことを、回転部材を用いることで防止するためである。
【0033】
(印字部60)
次に、
図10を参照し、印字部60の構成について説明する。
図10は、搬送部50および印字部60の構成を示す側面図である。
図10に示すように印字部60は、インクリボン61のインクをプレート90上に転写する熱転写部62、ロール状のインクリボンの元巻きR0を装填し、インクリボン61の巻き出しを行うインクリボン供給部63、インクリボン61を巻き取るインクリボン巻取部64、およびこれらを駆動する駆動モータM6(
図3等参照)を備える。
【0034】
インクリボン61は、複数の支持ローラr1〜r5に架け渡された状態で、搬送される。インクリボン61は少なくとも、支持層と、この支持層上に塗布されたインク層を含む。インクリボン61は、元巻きR0から巻き出され、プラテンローラ55に対応した印字位置p1で熱転写部62により、印刷データに応じたインクをプレート90に転写する。なお、印字する際は、インクリボン61の搬送方向に合わせて、プレート90を第1の搬送方向(
図3参照)に移動させながら印字処理を行う。例えば、フロントローディングの場合には、第2の搬送方向に印字領域の全部が印字位置p1を越えるまで搬送し、その後、第1の搬送方向に反転させてから、ヘッドダウンを含む印字処理を開始する。
【0035】
熱転写部62は、印字ヘッド621と揺動部622を含む。この印字ヘッド621はサーマルヘッドとも称されるものであり、揺動部622により、退避位置(
図3、
図13等参照)と、印字位置p1(
図10参照)の間で揺動する。インクを転写する際は、印字ヘッド621は、退避位置からプレート90を介してプラテンローラ55に向けて圧接する印字位置p1に移動する。印字ヘッド621は、微小な複数の発熱体を備える。
図10の印字位置p1では、印字ヘッド621は、インクリボン61を介在して搬送するプレート90の表面に当接(圧接)する。当接位置は、印字位置p1となり、この印字位置p1は設計上では、標準厚のプレート90の表面において、プラテンローラ55の中心位置(X方向)に一致する。印字位置p1に印字ヘッド621、およびインクリボン61がある状態で、画像データに応じて印字ヘッド621の発熱体に選択的に電流を流し発熱させることにより、加熱したインクリボン61のインクの一部を局所的にプレート90の表面に転写させ、その表面に画像を形成する。
【0036】
(プレート90の搬送時の変動、および抑えガイド部40の機能)
次に、
図11から
図13を参照し、本実施形態におけるプレート90の搬送時の変動と、それに対する抑えガイド部40の機能について説明する。
【0037】
(印字時のプレート90の傾きについて)
図11、
図12は、印字時のプレート90に対する抑え機能を説明するための模式図である。上述のように、搬送方向(X方向)において、プラテンローラ55の中心が、印字ヘッド621による当接位置(印字位置p1)と一致するように設計しているが、設計ばらつきや、使用するプレート90の厚みの違いにより、わずかにずれる場合がある。
【0038】
図11は、印字位置p1が、プラテンローラ55の中心位置p2よりも搬送方向下流側(図において左側)にずれている場合の状態を示す図であり、この場合、中心位置p2を支点として、印字位置p1で印字ヘッド621によるヘッドダウン時に作用する押圧力により、プレート90の後端が、矢印a1方向に浮き上がろうとする。この場合、プレート90の後端側、すなわち、搬送方向の上流側にある抑えローラ41の下面がプレート90に当接することで、プレート90の位置を規制する。抑えローラ41により、プレート90の傾きが、所定以上変化することを防止することで、印字動作時に、プレート90の角度を安定させることで、高精度に印字を行える。
【0039】
図12は、印字位置p1が、プラテンローラ55の中心位置p2よりも搬送方向上流側(図において右側)にずれている場合の状態を示す図であり、この場合、中心位置p2を支点として、印字位置p1で印字ヘッド621の押圧力により作用する力により、プレート90の先端が、矢印a2方向に浮き上がろうとする。この場合、プレート90の先端側、すなわち、搬送方向の下流側にある板部材42の下面がプレート90に当接することで、プレート90の位置を規制する。
図11と同様に、板部材42により、プレート90の傾きが、所定以上変化することを防止することで、印字動作時に、プレート90の角度を安定させることで、高精度に印字を行える。
【0040】
(排出時のプレート90の傾きについて)
図13は、排出時のプレート90に対する抑え機能を説明するための模式図である。排出時は、
図13に示すように印字ヘッド621は退避位置となり、プレート90は第1の搬送方向に搬送される。プレート90は、搬送ローラ52を抜けた後は、搬送ローラ53だけで挟持しながら搬送する。このとき、何ら抑え部材がなければ、プレート90は、搬送ローラ53による片持ち状態である、その後、プレート90の重心がガイド板56を越えたところで、自重により斜めに傾斜し、傾きが大きくなり(矢印a3方向)、そのまま落下する。本実施形態においては、排出口19と印字位置p1との間に、抑えガイド部40の板部材42を配置している。また、板部材42と排出口19との間に1対の搬送部材としての搬送ローラ53を配置している。これにより、排出時に自重によりプレート90が、矢印a3方向に傾斜しようとしても、板部材42により後端側の浮き上がりが規制される。結果、排出時のふれつきを抑えることができるので、安定して、プレート90を排出できる。特に、スタッカ16にプレート90を排出する場合には、複数のプレート90を揃えて、スタッカ16内にスタックできる。
【0041】
このように、本実施形態のプリンター10は、印字する際に揺動部622により印字ヘッド621を、印字位置p1に移動させるとともに、搬送部50により搬送されるプレート90の表面の印字領域に当接させ、該印字ヘッド621により印字領域に印字する印字部60と、搬送部50により搬送されるプレート90の側面の近傍領域において、プレートに表面側から当接して、印字時のプレート90の浮き上がりを規制する抑えガイド部40を備える。これにより、プレート90の搬送を安定して行え、ひいては、高品質な印字が行える。
【0042】
また、本発明に係るプリンターは、排出口19と印字位置p1の間に配置され、搬送部50により搬送されるプレートの側面の近傍領域において、プレート90に表面側から当接して、排出時のプレートの浮き上がりを規制する抑えガイド部40を備える。これにより、プレート90の搬送を安定して行え、ひいては、安定した排出が行える。
【0043】
以上に説明したプリンター10の構成は、上記の実施形態および変形例の特徴を説明するにあたって主要構成を説明したのであって、上記の構成に限られない。また、一般的なプリンターが備える構成を排除するものではない。また、上記実施形態は、本発明の要旨を例示することを意図し、本発明を限定するものではない。多くの代替物、修正、変形例は当業者にとって明らかである。
【0044】
例えば、搬送部50として3対の搬送ローラ51、52、53により、プレート90を挟持し、搬送する構成について説明したが、これに限られず、搬送ローラ対の数を少なくしてもよく、多くしてもよい。また、一部の構成をローラではなく、Y方向に揺動する1対の対向する板部材により行うようにしてもよい。この板部材は、プレート90の側面に当接し、バネ等の付勢部材による付勢力により、プレート90を挟持しながら、搬送方向(X方向)に移動することで、プレート90の搬送を行う。
【0045】
また、抑えガイド部40の抑え部材として、1対の抑えローラ41、板部材42の例を示したがこれに限られず、両方をローラ、または両方を板部材で構成するようにしてもよい。また、1対の抑え部材を用いずに、片側だけに抑え部材を配置する構成としてもよい。
【解決手段】プリンター10は、印字する際に揺動部622により印字ヘッド621を、印字位置p1に移動させるとともに、搬送部50により搬送されるプレート90の表面の印字領域に当接させ、該印字ヘッド621により印字領域に印字する印字部60と、搬送部50により搬送されるプレート90の表面における側面の近傍領域において、プレートに表面側から当接して、印字時のプレート90の浮き上がりを規制する抑えガイド部40を備える。