(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
2N本(Nは2以上の整数)の長さの等しい杆体を連結して平板状の2N角形をなすとともに、該2N角形の内側に該2N角形と略同サイズの2N角形の可撓性のシートを備え、該シートの各辺が前記杆体に懸架されるように展開される架台部と、該架台部を地面から浮かせて支持する支柱からなる下支持部と、前記架台部より上に延びて該架台部の上に空間を形成するための支柱となる上支持部とからなる折り畳み自在の架台構造であって、
前記2N角形の各頂点に配置され、該頂点において隣接する2本の前記杆体同士を、該杆体が該杆体の軸心回りに回転自在となる状態で連結するとともに、該隣接する2本の前記杆体同士を、連結した点において略平行となるまで折り畳まれた閉位置と、前記2N角形を形成する頂角まで広げられた開位置との間で開閉可能とする連結手段を設け、
前記上支持部を、前記連結手段の各々に、下端が該連結手段に連結され上端が前記2N角形の上方に位置して前記連結手段を支点にして前記2N角形の内方へ略90度まで、かつ外方へ多少折り曲げ可能に立設された上部杆体により構成し、
前記下支持部を、上端が該連結手段に連結され下端が前記2N角形の下方に位置して前記連結手段を支点にして前記2N角形の内方へ略90度まで、かつ外方へ多少折り曲げ可能に立設された下部杆体により構成し、
前記2N角形の外方へ多少折り曲げられた前記上部杆体の上端と前記下部杆体の下端とを結び前記2N角形の各頂点の外側に張架される前記上部杆体と前記下部杆体の長さを足した長さより長い第1の線材と、基端が前記連結手段、前記上部杆体の前記連結手段近傍および前記下部杆体の前記連結手段近傍のいずれかの外向部に前記2N角形の面に平行で、かつ前記2N角形の中心と前記外向部とを結ぶ線に垂直な軸に軸支され、自由端が前記第1の線材の中間部に摺動自在に係合されて、該基端の軸回りに回動することにより該第1の線材にテンションを付与するテンションレバーを設け、
前記各連結手段において、前記上部杆体の上端と前記下部杆体の下端にそれぞれ一端を連結され、他端を該連結手段に隣接する2本の杆体の一部に張架された2本の第2の線材を設け、
前記第1の線材のテンションを前記テンションレバーにより増大させることにより、該第1の線材の両端が接続された前記上部杆体の上端と前記下部杆体の下端が前記2N角形の外方にさらに引かれるとともに、前記第2の線材にテンションが付与されて、前記架台部と前記下支持部と前記上支持部が前記各線材のテンションにより全体として前記架台部を平板状の2N角形に維持した剛体となるようになされ、
前記杆体を前記軸心回りに回転させながら、隣接する2本の杆体を前記閉位置まで畳んで、全体として柱状体に折り畳み可能としたことを特徴とする架台構造。
2N本(Nは2以上の整数)の長さの等しい杆体を連結して平板状の2N角形をなすとともに、該2N角形の内側に該2N角形と略同サイズの2N角形の可撓性のシートを備え、該シートの各辺が前記杆体に懸架されるように展開される架台部と、該架台部を地面から浮かせて支持する支柱からなる下支持部と、前記架台部より上に延びて該架台部の上に空間を形成するための支柱となる上支持部とからなる折り畳み自在の架台構造であって、
前記杆体は長さ方向の一部において互いに相対的に軸回りに回転自在に分割され、
前記2N角形の各頂点に配置され、該頂点において隣接する2本の前記杆体同士を連結するとともに、該隣接する2本の前記杆体同士が連結した点において略平行となるまで折り畳まれた閉位置と、前記2N角形を形成する頂角まで広げられた開位置との間で開閉可能とする連結手段を設け、
前記上支持部を、前記連結手段の各々に、下端が該連結手段に連結され上端が前記2N角形の上方に位置して前記連結手段を支点にして前記2N角形の内方へ略90度まで、かつ外方へ多少折り曲げ可能に立設された上部杆体により構成し、
前記下支持部を、上端が該連結手段に連結され下端が前記2N角形の下方に位置して前記連結手段を支点にして前記2N角形の内方へ略90度まで、かつ外方へ多少折り曲げ可能に立設された下部杆体により構成し、
前記2N角形の外方へ多少折り曲げられた前記上部杆体の上端と前記下部杆体の下端とを結び前記2N角形の各頂点の外側に張架される前記上部杆体と前記下部杆体の長さを足した長さより長い第1の線材と、基端が前記連結手段、前記上部杆体の前記連結手段近傍および前記下部杆体の前記連結手段近傍のいずれかの外向部に前記2N角形の面に平行で、かつ前記2N角形の中心と前記外向部とを結ぶ線に垂直な軸に軸支され、自由端が前記第1の線材の中間部に線材の長さ方向に摺動自在に係合されて、該基端の軸回りに回動することにより該第1の線材にテンションを付与するテンションレバーを設け、
前記各連結手段において、前記上部杆体の上端と前記下部杆体の下端にそれぞれ一端を連結され、他端を該連結手段に隣接する2本の杆体の一部に張架された2本の第2の線材を設け、
前記第1の線材のテンションを前記テンションレバーにより増大させることにより該第1の線材の両端が接続された前記上部杆体の上端と前記下部杆体の下端が前記2N角形の外方にさらに引かれるとともに、前記第2の線材にテンションが付与されて、前記架台部と前記下支持部と前記上支持部が前記各線材のテンションにより全体として前記架台部を平板状の2N角形に維持した剛体となるようになされ、
前記杆体を該杆体の軸心回りに回転させながら、隣接する2本の杆体を前記閉位置まで畳んで、全体として柱状体に折り畳み可能としたことを特徴とする架台構造。
複数の前記下部杆体の各々が独立して伸縮可能に構成され、不整地に設置されるとき各前記下部杆体の長さを不整地の起伏に合わせて調整可能としたことを特徴とする請求項1たは2に記載の架台構造。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明に係る第1の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。本発明の一実施形態である架台構造100について説明する。
図1は架台構造100を正面側、左斜め上方から見た斜視図、
図2は架台構造100を正面側、右斜め下方から見た斜視図、
図3は架台構造100の正面図、
図4は架台構造100の背面図、
図5は架台構造100の右側面、
図6は架台構造100の左側面図、
図7は架台構造100の平面図、
図8は架台構造100の底面図である。
【0038】
架台構造100は、構造物、建築物、人、動物、物品等を載置できる上部構造200、上部構造200の下方で上部構造200を支持する中間構造300、中間構造300と連結し地上に設置される下部構造400とを備える。
【0039】
架台構造100は、
図9に示すように、上部構造200を直接地上に設置して、上部構造200のみを架台構造としてもよい。また、架台構造100は、
図10に示すように、宇宙空間や、水や油等の液体空間において、上部構造200と中間構造300とを架台構造としてもよい。
【0040】
図9は上部構造200を正面側、右斜め上方から見た斜視図、
図10は上部構造200と中間構造300とを正面側、右斜め上方から見た斜視図、
図11は上部構造200の正面図、
図12は上部構造200の背面図、
図13は上部構造200の右側面、
図14は上部構造200の左側面図、
図15は上部構造200の平面図、
図16は上部構造200の底面図である。
【0041】
主に
図9を参照して、上部構造200を説明する。上部構造200は、6本の上杆体210と、上杆体210の一端部211を連結保持する3個の第1連結手段220と、上杆体210の他端部212を連結保持する3個の第2連結手段230と、上杆体210を第1軸心AX1の回りに回転自在にさせる6個の回転手段240とを備える。
【0042】
第1軸心AX1は、上杆体210の中心を通る長尺方向に延びる上杆体210の中心軸である。上杆体210は長尺な柱状体であり、その長さは略等しい。上杆体210の長さ及び太さは、宇宙構造物、遊具、家具等の用途に応じて変更されるものであり、特に限定されない。
【0043】
第1軸心AX1と直交する断面において、上杆体210は円形状を有する。上杆体210の断面形状は、限定されるものではなく、たとえば楕円形や矩形でもよい。上杆体210は、中実でもよく、たとえばパイプのように中空でもよい。上杆体210の材質は、剛性を有するものであれば限定されるものではなく、たとえば金属でもよく、木材や樹脂等でもよい。
【0044】
第1連結手段220は正6角形の各頂点に1つ置きに配置される。第1連結手段220は、連結保持する上杆体210が直交軸AX2回りに回転自在となるように、一端部211を連結保持する。直交軸AX2は、連結保持する上杆体210の第1軸心AX1の両方と直交する軸である。
【0045】
第2連結手段230は第1連結手段220が配置されていない頂点に1つ置きに配置される。第2連結手段230は、連結保持する上杆体210が対角軸AX3の回りに回転自在となるように、他端部212を連結保持する。対角軸AX3は、連結保持する上杆体210の第1軸心AX1の両方と30度の角度をなす対角線方向に延びる軸である。
【0046】
回転手段240は、一端部211の近傍で、上杆体210を第1軸心AX1の回りに回転自在にする。
【0047】
上部構造200は、
図17に示すように、展開状態より、第2連結手段230により、上杆体210を対角軸AX3回りに回転させ、上杆体210を正6角形の内側に折り畳む。
【0048】
そして、上部構造200は、第1連結手段220により、上杆体210を直交軸AX2回りに回転させ、上杆体210を互いに近接させつつ、回転手段240により、上杆体210を第1軸心AX1の回りに回転させながら折り畳むことにより、1本の柱状体に折り畳まれる。
【0049】
上杆体210の正6角形の内側への折り畳みと、上杆体210を互いに近接させつつ第1軸心AX1回りに回転させながらの折り畳みとは、同時に行ってもよい。上部構造200は、第1軸心AX1、直交軸AX2及び対角軸AX3の各軸回り以外の回転はしない。これにより、正6角形の展開形状、1本の柱状体である折り畳み形状、及びその途中形状以外の形状となることが制限される。
【0050】
第1の実施形態である架台構造100において、上部構造200の展開形状は正6角形に限定されるものではない。したがって、上部構造200の展開形状は、たとえば正8角形、正12角形でもよく、正2N角形(Nは3以上の整数)であればよい。
【0051】
そして、展開形状が正2N角形(Nは3以上の整数)である場合、第1の実施形態の上部構造200は、2N本の上杆体、N個の第1連結手段220、N個の第2連結手段230、2N個の回転手段240を備えればよい。
【0052】
また、架台構造100は、
図18に示すように、上部構造200を覆う、正6角形と略同形の柔軟なシート250を備えてもよい。シート250の素材は、可撓性を有するものであれば限定されるものではく、たとえば布地や、ナイロンやビニール等の樹脂でもよい。また、シート250はメッシュを有するものでもよい。
【0053】
シート250は、展開状態において、正6角形の内側を覆うように、上杆体210に取り付けられる。シート250の各辺は、正6角形の辺と一致するように、上杆体210に固定される。シート250の固定方法は、ロープ、紐材、面ファスナ等の公知な方法でよい。
【0054】
また、上部構造200の展開形状が正2N角形(Nは3以上の整数)である場合、シートの形状も正2N角形(Nは3以上の整数)とすればよい。上部構造200は、高重量の部材等を載置させる場合、シート250の代わりに、金属や木材等の高い剛性を有する平板を支持板としてもよい。
【0055】
上杆体210は、第1軸心方向AX1に伸縮自在であることが望ましい。展開中又は折り畳み中に、上杆体210を第1軸心方向AX1に収縮させることで、シート250の張力による各回転の抑制を低減できる。さらに、展開後に上杆体210を第1軸心方向AX1に伸展させることで、シート250に十分な張力を付与することもできる。具体的に、上杆体210は、第1軸心方向AX1に最大全長に対して3〜10パーセント程度伸縮自在であることが望ましい。
【0056】
再び
図1〜
図8を参照して、中間構造300について説明する。中間構造300は、第1連結手段220及び第2連結手段230に、一端部311が回転自在に連結保持される6本の中間杆体310と、中間杆体310の他端部312を集束させて回転自在に連結保持する第3連結手段320とを備える。
【0057】
中間構造300は、第3連結手段320を用いずに、他端部312同士を回転自在に直接的に連結保持してもよい。上部構造の展開形状が正2N角形(Nは3以上の整数)である場合、中間構造は、2N本の中間杆体310と、1個の第3連結手段320とを備えればよい。中間杆体310は、第1連結手段220に連結するN本のみ、又は第2連結手段230と連結するN本のみにしてもよい。
【0058】
中間杆体310は長尺な柱状体である。また、中間杆体310は略等しい長さを有する。中間杆体310の長さは、上杆体210と同様に、特に限定されるものではない。中間杆体310の軸心と直交する断面において、中間杆体310は円形状である。中間杆体310の軸心とは中間杆体310の長尺方向に延びる中心軸である。
【0059】
中間杆体310の断面形状は、上杆体210と同様に、特に限定されるものではなく、楕円形状や矩形形状でもよい。中間杆体310は、中実でもよく、パイプのような中空でもよい。中間杆体310の材質は、剛性を有するものであれば限定されるものではなく、たとえば金属でもよく、木材や樹脂等でもよい。
【0060】
中間杆体310は、上杆体210よりも長いことが望ましい。これにより、第3連結手段320は正6角形の中心を通る法線上に位置する。そして、架台構造100は、展開状態において正6角形の下方に、上杆体210及び中間杆体310からなる6つのトラス構造を構成できる。上部構造の展開形状が正2N角形(Nは3以上の整数)である場合、架台構造は2N個(Nは3以上の整数)のトラス構造を有し剛性を高められる。
【0061】
6本の中間杆体310のうち、3本の中間杆体310の一端部311は、第1連結手段220に着脱自在に連結保持される。残りの3本の中間杆体310の一端部311は、第2連結手段230に着脱自在に連結保持される。他端部312は、第3連結手段320に放射状に等角度で連結保持される。
【0062】
第1連結手段220及び第2連結手段230において、一端部311は中間杆体310の軸心と直交する回転軸の回りに回転自在である。また、第3連結手段320において、他端部312は中間杆体310の軸心と直交する回転軸の回りに回転自在である。
【0063】
中間構造300は、第1連結手段220から一端部311を着脱し、その後、上部構造200を折り畳むことにより、その折り畳みに追従して、第2連結手段230に連結した中間杆体310が正6角形の内側に向かって互いに近接するように折り畳まれる。
【0064】
そして、第1連結手段220より着脱された中間杆体310を正6角形の内側に向かって互いに近接するように折り畳むことにより、中間構造300も上部構造200と一緒に1本の柱状態に折り畳みできる。
【0065】
下部構造400について説明する。下部構造400は、6本の下杆体410と、下杆体410と第3連結手段320とを結合する線材420とを備える。下杆体410の一端部411は中間杆体310と回転自在に連結されている。また、下杆体410の他端部412は、線材420に結合され地上に設置される。
【0066】
下杆体410の本数は、特に限定されるものではないが、架台構造100を安定させるため、3本以上であることが望ましい。下杆体410は、地上に向けて斜め下方に延び、且つ等間隔に配置されていることが望ましい。線材420は、剛性を有するものであれば限定されず、たとえばワイヤやロープ等であってもよい。また、下杆体410は伸縮自在に調整可能である。これにより、起伏が激しい不整地であっても、架台構造100を安定して設置できる。
【0067】
折り畳み時において、下杆体410は、中間杆体310に近接するように折り畳まれ、線材420も追従して撓むため、下部構造400も、上部構造200及び中間構造300と一緒に1本の柱状態に折り畳みできる。
【0068】
第1連結手段220による、一端部211及び他端部312との連結構造について説明する。
図19Aは、架台構造100の第1連結手段220の付近を拡大した斜視図である。
【0069】
第1連結手段220は、同一部品である2つの第1本体220Aを螺子等の公知手段により組み合わせた構造である。
図19Bは、第1本体220Aの片方のみを図示した分解斜視図である。
【0070】
第1本体220Aは一端部211を収容する第1切欠部221を左右両側に有する。第1切欠部221の底面には、直交軸AX2方向に延びる、円柱形状の凸部221Aが突設されている。
【0071】
一端部211は半円形の先端を有している。当該半円の中心には、凸部221Aと略同径の貫通孔211Aが形成されている。また、第1切欠部221は、一端部211の先端径と等しい曲率半径を有する曲側面221B、曲側面221Bの両側から連続する平坦な平側面221Cを有している。
【0072】
一端部211は、凸部221Aを貫通孔211Aに嵌め合せることにより、第1連結手段220に対して回転自在である。一端部211が摺動できる程度に、凸部221Aと貫通孔211Aとはクリアランスを有し、曲側面221Bと一端部211もクリアランスを有している。
【0073】
一端部211は、平側面221Cと当接することにより、折り畳み時の回転角度が制限される。一端部211は、外側の平側面221Cと当接することにより、展開時の回転角度が制限される。一端部211は直交軸AX2回りの回転角度は制限されている。
【0074】
平側面221Cは、折り畳み時に第1軸心AX1同士が互いに平行となるように形成されている。平側面221Cは、展開時に第1軸心AX1同士が互いに120度の角度をなすように形成されている。上部構造の展開形状が正2N角形(Nは3以上の整数)である場合、平側面221Cは、展開時に第1軸心AX1同士が互いに、(180−360/2N)度の角度をなすように形成すればよい。
【0075】
第1連結手段220は、一端部211の直交軸AX2の回りの回転をロックする第1ロック機構を有してもよい。第1ロック機構は、第1本体220Aと一端部211とをピン等で結合する公知な機構でよい。
【0076】
図19A及び
図19Bにおいて、中間杆体310の一端部311は図示を省略している。
図19A及び
図19Bにおいて、一端部311は第2軸心AX4のみを図示する。第2軸心AX4は、中間杆体310の長尺方向に延びる中心軸である。
【0077】
第1本体220Aには、左右の第1切欠部221の間に、不図示の一端部311を収容する第1中間切欠部222を有する。また、不図示の一端部311は、第2軸心AX4と直交する段付き円柱状である。
【0078】
第1中間切欠部222は、不図示の一端部311と略同径の曲率半径である内周面を有する。不図示の一端部311は第1中間切欠部222内で摺動可能である。これにより、不図示の一端部311は、第1連結手段220に対して、回転軸AX5の回りに回転自在である。回転軸AX5は第2軸心AX4と直交する軸である。
【0079】
第1の実施形態において、一端部211側を孔構造とし、第1本体220A側を突起構造としたが、一端部211を突起構造、第1本体220Aを孔構造としてもよい。同様に、第1本体220A側を孔構造、一端部311側を突起構造としたが、第1本体220A側を突起構造、一端部311側を孔構造としてもよい。
【0080】
第1の実施形態において、回転手段240は、一端部211を上杆体210の本体に対して第1軸心AX1の回りに回転可能とする機構である。回転手段240は、一端部211側に第1軸心AX1方向の突起あるいは窪み、本体側に第1軸心AX1方向の窪みあるいは突起からなる公知な機構でよい。なお、回転手段240は、第1切欠部221を有する部分を第1軸心AX1方向に回転できるように、第1本体220Aを分割して構成してもよい。
【0081】
第2連結手段230による、他端部212及び一端部311との連結構造について説明する。
図20Aは、架台構造100の第2連結手段230の付近を拡大した斜視図である。
【0082】
第2連結手段230は、同一部品である2つの第2本体230Aを螺子等の公知手段により組み合わせた構造である。
図20Aは、第2本体230Aの片方のみを図示した分解斜視図である。
【0083】
第2本体230Aは他端部212を収容する第2切欠部231を左右両側に有する。他端部212は第1軸心AX1と30度の角度をなす、段付きの円柱状である。そして、第2切欠部231も、展開状態において第1軸心AX1と30度の角度をなすように対角軸AX3方向に形成されている。
【0084】
他端部212は、第2連結手段230により、展開状態から上杆体210が正6角形の内側となるまで、対角軸AX3回りに180度回転できる。そして、他端部212は、展開した位置及び180度回転して位置で対角軸AX3回りの回転が制限されることが望ましい。他端部212は、他端部212の外周面上に凸部を設け、展開した位置及び180度回転して位置で凸部が第2本体230Aと当接することにより、対角軸AX3回りの角度が制限してもよい。
【0085】
第1連結手段220又は第2連結手段230の少なくともいずれかにおいて、展開位置及び折り畳み位置の、一端部211の直交軸AX2回りの回転角度又は他端部212の対角軸AX3回りの回転角度を制限することにより、上部構造200の展開及び折り畳みの各形状を正確に再現できる。
【0086】
上部構造の展開形状が正2N角形(Nは3以上の整数)である場合、他端部212は第1軸心AX1と(180/2N)度の角度をなせばよい。また、第2切欠部231も、第1軸心AX1と(180/2N)度の角度をなす対角軸AX3の方向に形成すればよい。
【0087】
第2切欠部231は、他端部212と略同径の曲率半径を有する内曲面を有している。他端部212ができる程度に、第2切欠部231と他端部212はクリアランスを有している。
【0088】
第2連結手段230は、他端部212の対角軸AX3の回りの回転をロックする第2ロック機構を有してもよい。第2ロック機構は、第2本体230Aと他端部212とをピン等で結合する公知な機構でよい。
【0089】
図20A及び
図20Bにおいて、中間杆体310の一端部311は図示を省略している。
図20A及び
図20Bにおいて、一端部311は第2軸心AX4のみを図示する。第2本体230Aには、左右の第2切欠部231の間に、不図示の一端部311を収容する第2中間切欠部232が形成されている。第2中間切欠部232は、第1中間切欠部222と同一形状であり、その説明は省略する。
【0090】
第1の実施形態において、他端部212側を突起構造とし、第2本体230A側を孔構造としたが、他端部212側を孔構造、第2本体230A側を孔構造としてもよい。また、第2中間切欠部232を有する部分を第1軸心AX1方向に回転できるように、第2本体220Aを分割して、回転手段240を構成してもよい。
【0091】
架台構造100の作用について説明する。
図21は架台構造100を底面側から見た模式図であり、
図22は正面側から見た模式図である。
図21及び
図22において下部構造400の図示は省略している。
【0092】
正6角形の展開状態より、第1連結手段220に連結されていた3本の中間杆体310を着脱する。第2連結手段230により、正6角形の内側へ上杆体210を対角軸AX3(
図9参照)回りに回転させて折り曲げる。
【0093】
次に、第1連結手段220により、上杆体210を直交軸AX2(
図9参照)回りに回転させ、上杆体210が互いに近接するように折り曲げ、上杆体210を第1軸心AX1(
図9参照)回りに回転させる。
【0094】
次に、着脱された中間杆体310を中央に集束させ、全体として1本の柱状態に折り畳む。なお、展開する手順は折り畳み状態より以上に説明したのと逆の手順を行えばよい。
【0095】
次に、展開形状が正8角形である架台構造500の作用について説明する。
図23は架台構造500を底面側から見た模式図である。架台構造500は上部構造600と中間構造700とから構成される。
【0096】
上部構造600は、8本の上杆体610、4個の第1連結手段620、4個の第2連結手段630、不図示の8個の回転手段、柔軟なシート650を備える。中間構造700は、8本の中間杆体710と不図示の第3連結手段とを備える。
【0097】
正8角形の展開状態より、第1連結手段620に連結されていた4本の中間杆体710を着脱する。次に、第2連結手段630により、正8角形の内側へ上杆体610を対角軸回りに回転させ、上杆体610が正8角形の内側へ折り曲げる。
【0098】
次に、第1連結手段620により、上杆体610を直交軸回りに回転させ、上杆体610が互いに近接するように折り曲げつつ、上杆体610を軸心回りに回転させる。なお、直交軸は、正6角形の場合と同様に、上杆体610の両方の軸心と直交する軸である。
【0099】
着脱された中間杆体610を中心に集束させて全体として1本の柱状態に折り畳む。なお、展開する手順は折り畳み状態より以上に説明したのと逆の手順を行えばよい。
【0100】
なお、
図24Aは第2連結手段220の正面図、
図24Bは第2連結手段220の背面図、
図24Cは第2連結手段220の右側面図、
図24Dは第2連結手段220の左側面図、
図24Eは第2連結手段220の平面図、
図24Fは第2連結手段220の底面図である。
【0101】
以上に説明した通り、第1の実施形態によれば、上部構造200が6本の上杆体210により正6角形に展開されるため、支持対象を正6角形上に安定かつ高い剛性で支持できる。さらに、上杆体210を対角軸AX3回りに折り曲げ、且つ軸心AX1回りに回転させながら、AX2回りに折り曲げることで、全体として1本の柱状態に折り畳みでき、コンパクトな収納を実現できる。
【0102】
また、第1の実施形態によれば、6本の中間杆体310を備えることにより、正6角形の下方に、上杆体210及び中間杆体310からなる6つのトラス構造が構成されるため、展開状態の剛性をより高めることができる。
【0103】
また、第1の実施形態によれば、柔軟なシート250を備えることにより、展開状態において、正6角形上に支持板等を用意する必要もなく、ユーザの利便性も向上できる。
【0104】
次に本発明に係る第2の実施形態の架台構造101について以下図面を用いて詳細に説明する。
図25は、上部構造201からなる架台構造101の展開状態及び折り畳み状態をそれぞれ示す図、
図26は、
図25の架台構造の展開及び折り畳みの途中を示す図である。なお、
図26は、説明の便宜上、各部品の構成を簡略化している。
【0105】
架台構造101は、第1の実施形態の架台構造100と同様に、上部構造201、上部構造201の下方で上部構造201を支持する中間構造300、中間構造300と連結し地上に設置される下部構造400とを備えていてもよい。また、架台構造101は、
図25に示すように、上部構造201を直接地上に設置して、上部構造201のみを架台構造としてもよい。また、架台構造101は、第1の実施形態の
図10と同様に、宇宙空間や、水や油等の液体空間において、上部構造201と中間構造300とを架台構造としてもよい。
【0106】
主に
図25,
図26を参照して、上部構造201を説明する。なお
図25、
図26の上部構造201は、第1の実施形態の
図9の上部構造200の第2連結手段230を第1連結手段220に変更したものであり、同様の箇所について同じ符号を付与する。なお第1連結手段220は本発明の連結手段に相当する。
【0107】
上部構造201は、6本の上杆体を連結して平板状の正6角形をなすように展開されており、6本の上杆体210と、正6角形の各頂点に配置され、頂点において隣接する2本の上杆体210の一端部211同士を連結保持する6個の第1連結手段220と、上杆体210を第1軸心AX1の回りに回転自在にさせる6個の回転手段240とを備える。
【0108】
第1軸心AX1は、上杆体210の中心を通る長尺方向に延びる上杆体210の中心軸である。上杆体210は長尺な柱状体であり、その長さは略等しい。上杆体210の長さ及び太さは、宇宙構造物、遊具、家具等の用途に応じて変更されるものであり、特に限定されない。
【0109】
第1軸心AX1と直交する断面において、上杆体210は円形状を有する。上杆体210の断面形状は、限定されるものではなく、たとえば楕円形や矩形でもよい。上杆体210は、中実でもよく、たとえばパイプのように中空でもよい。上杆体210の材質は、剛性を有するものであれば限定されるものではなく、たとえば金属でもよく、木材や樹脂等でもよい。
【0110】
第1連結手段220は正6角形の各頂点に配置される。第1連結手段220は、連結保持する上杆体210が直交軸AX2回りに回転自在となるように、一端部211を連結保持する。直交軸AX2は、連結保持する上杆体210の第1軸心AX1の両方と直交する軸である。隣接する2本の上杆体210が直交軸AX2回りに回転自在となることにより、隣接する2本の上杆体210は、この2本の上杆体210がなす角度を最小(略0度)にする方向及び最大(略120度)にする方向に移動可能となる。
【0111】
回転手段240は、一端部211の近傍で、上杆体210の本体を第1軸心AX1の回りに回転自在にする。すなわち回転手段240は、第1連結手段220を上杆体210の本体に対して第1軸心AX1の回りに回転可能とする機構であり、第1の実施形態の回転手段240と同じものである。なお、第2の実施形態においては、第1の実施形態と同様に、各上杆体210の本体を、この上杆体210の両端部211を保持する2つの第1連結手段220の両方に対して第1軸心AX1回りに回転可能な構成、すなわち各上杆体210の両端部211の近傍に回転手段240を有する構成としたが、本発明においては、各上杆体210の本体を、この上杆体210の両端部211を保持する2つの第1連結手段220の少なくとも一方に対して第1軸心AX1回りに回転可能な構成であればよく、たとえば、上杆体210の一方の端部(一端部)211の近傍のみが回転手段240を有する構成としてもよい。
【0112】
上部構造201は、
図25の上図に示す展開状態から、回転手段240により、上杆体210を第1軸心AX1回りに回転させながら、第1連結手段220により、隣接する2本の上杆体210のなす角度が最小になるように、上杆体210を直交軸AX2回りに枢動すると、第1連結手段220が1つ置きに起こされた第26図に示す状態になる。
【0113】
そして、上部構造201は、
図26の状態より、上杆体210同士をさらに近づけ、最終的には、1つ置きの3つの第1連結手段220をそれぞれ近接させることにより、全体として1本の柱状体に折り畳まれ、
図25の下図に示す折り畳み状態になる。
【0114】
なお、上部構造201は、第1軸心AX1及び直交軸AX2の各軸回り以外に上杆体210を回転させる構造を有しない。これにより、正6角形の展開形状、1本の柱状体である折り畳み形状、及びその途中形状からなる所定形状以外の形状を有することが制限される。
【0115】
また、架台構造101は、
図27に示すように、上部構造201を覆う、正6角形と略同形の柔軟なシート250を備えてもよい。シート250の素材は、可撓性を有するものであれば限定されるものではく、たとえば布地や、ナイロンやビニール等の樹脂でもよい。また、シート250はメッシュを有するものでもよい。
【0116】
シート250は、展開状態において、正6角形の内側を覆うように、上杆体210に取り付けられる。シート250の各辺は、各上杆体210が、各々の軸心回りに回転可能であるように上杆体210に懸架される。各上杆体210が、各々の軸心回りに回転可能であれば、シート250の各辺が上杆体250に直接固定されていてもよいし、シート250の各辺が各々筒部を有し、この筒部に上杆体210を挿通させるようにしてもよいし、シート250の各辺と上杆体210とがたとえばロープ、紐材、面ファスナ等の別の部材によって結ばれていてもよいし、公知な方法でよい。なお、シート250は、可撓性を有しているので、上杆体210に取り付けられた状態で、上部構造201を折り畳んだり、展開させたりすることができる。そして、上部構造201が折り畳まれた状態(
図25の下図参照)及び折り畳み又は展開の途中の状態(
図26参照)のときには、シート250には張力が付与されず、上部構造201の展開動作に伴い、シート250に張力が徐々に付与され、展開状態(
図25の上図参照)になったときには、大きな荷重にも撓まず平面を維持するに十分な張力がシート250に付与される。
【0117】
また、上部構造の展開形状が2N角形(Nは2以上の整数)である場合、シートの形状も2N角形(Nは2以上の整数)とすればよい。上部構造200は、高重量の部材等を載置させる場合、シート250の代わりに、金属や木材等の高い剛性を有する平板を支持板としてもよい。
【0118】
上杆体210は、第1軸心方向AX1に伸縮自在であることが望ましい。展開中又は折り畳み中に、上杆体210を第1軸心方向AX1に収縮させることで、シート250の張力による各回転の抑制を低減できる。さらに、展開後に上杆体210を第1軸心方向AX1に伸展させることで、シート250に十分な張力を付与することもできる。具体的に、上杆体210は、第1軸心方向AX1に最大全長に対して3〜10パーセント程度伸縮自在であることが望ましい。
【0119】
なお、第2の実施形態の第1連結手段220は、上述したような構成としたが、直交軸AX2回りに上杆体210が回転自在となるように、隣接する2本の上杆体210の一端部211同士を保持することができれば、他の構成であってもよい。ここで
図28に第2の実施形態の第1連結手段220−2の付近を拡大した斜視図を示す。
【0120】
第1連結手段220−2は、
図28に示すように、同一部品である2つの第1本体220Bを組み合わせた構造である。第1本体220Bは上杆体210の一端部211が固定される角状部223と、この角状部223の略半分の厚さに形成され、角状部223から延びる円形部224とを備える。円形部224は略中央に孔225を有しており、この孔225の中心が直交軸AX2と略一致するように構成される。
【0121】
なお第2の実施形態の第1連結手段220−2を採用するときには、上杆体210の一端部211は上杆体210の本体と同じように、第1軸心AX1と直交する断面の形状が円形状の円柱体とする。なお一端部211の形状は、円柱体に限られるものではなく、円筒状であっても角柱状であってもよい。
【0122】
角状部223には、一端部211が固定される端面に一端部211が嵌合する凹部が形成されており、この凹部に一端部211が嵌合することにより第1本体220Bが一端部211を保持する。
【0123】
上記のように構成された第1本体220Bの円形部224を重ね合わせ、重ね合わせた2つの円形部224の孔225に不図示のピンを挿入する。なおピンの両端には、円形部224がピンから抜け出さないように抜け止めを取り付けておく。このとき抜け止めは、2つの第1本体220Bが互いに摺動できる程度にピンの軸方向にクリアランスを有しておく。また、同様にピンと孔225とも、2つの第1本体220Bが互いに摺動できる程度にクリアランスを有するように形成されている。
【0124】
第2の実施形態の変形例として、上述した構成の第1連結手段220−2を採用してよい。第1連結手段220−2を用いても、隣接する2つの上杆体210のなす角度を最小(略0度)にする方向及び最大(略120度)にする方向に移動可能とすることができる。
【0125】
また、第2の実施形態においては、上部構造201が回転手段240を備えるものとしたが、これに限定されない。ここで、本発明に係る第3の実施形態の架台構造102について以下図面を用いて詳細に説明する。
図29は、架台構造102の展開及び折り畳みの途中を示す図である。なお、本実施形態の架台構造102の展開状態及び折り畳み状態の形状については、上杆体の形状以外は
図25に図示して説明した形状と同じであるため、ここでの図示は省略する。また
図29は
図26と同様に、説明の便宜上、各部品の構成を簡略化している。
【0126】
また、架台構造102は、上記架台構造101と同様に、上部構造202に設けられる支柱構造800(後述する)や、上部構造202、上部構造202の下方で上部構造202を支持する中間構造300、中間構造300と連結し地上に設置される下部構造400とを備えていてもよいし、上部構造202を直接地上に設置して、上部構造202のみを架台構造としてもよい。また、架台構造102は、上述した実施形態の
図10と同様に、宇宙空間や、水や油等の液体空間において、上部構造202と中間構造300とを架台構造としてもよい。
【0127】
第3の実施形態においては、上杆体の第1軸心AX1と直交する断面の形状を円形状としたが、第3の実施形態の上杆体は4角形とする。第3の実施形態の上部構造202は、第2の実施形態の上部構造201と同様に、6本の上杆体210−2を連結して平板状の正6角形をなすように展開されており、6本の上杆体210−2と、正6角形の各頂点に配置され、頂点において隣接する2本の上杆体210−2の一端部211同士を連結保持する6個の第1連結手段220とを備える。上杆体210−2は長尺な柱状体であり、その長さは略等しい。なお上杆体210−2の長さ及び太さは、宇宙構造物、遊具、家具等の用途に応じて変更されるものであり、特に限定されない。第1の連結手段220は、第1及び第2の実施形態と同じものを使用することができる。
【0128】
第3の実施形態の上杆体210−2は、
図29に示すように、第1軸心AX1と直交する断面の形状が4角形であり、上杆体210−2の第1軸心AX1方向の略中央において第1上杆体210Aと第2上杆体210Bとに分割されている。第1上杆体210Aと第2上杆体210Bの第1連結手段220側に位置する端部がそれぞれ上述した一端部211に相当する。なお、第3の実施形態においては、第2の実施形態の回転手段240は備えていないので、一端部211と、第1上杆体210A又は第2上杆体210Bとは、たとえば一端部211側に第1軸心AX1方向の突起あるいは窪み、第1上杆体210A又は第2上杆体210Bの本体側に第1軸心AX1方向の窪みあるいは突起を設け、窪みに突起を嵌合して固定してもよいし、公知な機構によって固定することができる。なお一端部211と第1上杆体210A又は第2上杆体210Bは一体的に成形されていてもよい。
【0129】
また、第1上杆体210Aと第2上杆体210Bとは、互いに対向する端面に不図示の円筒状の突起あるいは円筒状の窪みを有し、突起を窪みに嵌め合わせることにより、第1上杆体210Aと第2上杆体210Bとを互いに対して相対的に第1軸心AX1周りに回転自在にしている。なお上記突起と窪みは、第1上杆体210Aと第2上杆体210Bとが摺動できる程度にクリアランスを有している。なお第1上杆体210Aと第2上杆体210Bとの接続方法については、これに限られず、たとえば第1上杆体210Aと第2上杆体210Bとが、互いに対向する端面に円筒状の窪みを有し、この両方の窪みに円柱状のピン(図示せず)を挿通することにより、第1上杆体210Aと第2上杆体210Bとを回転自在に接続してもよい。この場合、ピンと窪みとは、第1上杆体210Aと第2上杆体210Bとが摺動できる程度にクリアランスを有している。
【0130】
また、第3の実施形態においては、上杆体210−2を第1上杆体210Aと第2上杆体210Bとに分割する位置を、第1軸心AX1方向の略中央としたが、本発明はこれに限定されるものではく、第1上杆体210Aと第2上杆体210Bとが互いに対して相対的に回転可能であれば、いずれの箇所において分割してもよい。また、本実施形態においては、上杆体210−2を第1上杆体210Aと第2上杆体210Bの2つに分割したが、3つ以上の複数に分割することができる。
【0131】
上部構造202は、展開状態(
図25の上図を参照)から、第1上杆体210Aと第2上杆体210Bとを互いに対して相対的に第1軸心AX1回りに回転させながら、すなわち第1上杆体210Aと第2上杆体210Bとが対向する面において、互いの断面の矩形状が一致した状態から一致しない、ずれた状態になるように回転させながら、第1連結手段220により、隣接する2本の上杆体210−2のなす角度が最小になるように、上杆体210−2を直交軸AX2回りに枢動すると、第1連結手段220が1つ置きに起こされた
図29に示す状態になる。
【0132】
そして、上部構造202は、
図29の状態より、上杆体210−2同士をさらに近づけ、最終的には、1つ置きの3つの第1連結手段220をそれぞれ近接させることにより、全体として1本の柱状体に折り畳まれ、
図25の下図に示す折り畳み状態になる。
【0133】
なお上部構造202は、第1軸心AX1及び直交軸AX2の各軸回り以外に上杆体210−2を回転させる構造を有しない。これにより、正6角形の展開形状、1本の柱状体である折り畳み形状、及びその途中形状からなる所定形状以外の形状を有することが制限される。
【0134】
なお、第3の実施形態では、第1軸心AX1と直交する断面において、第1上杆体210Aと第2上杆体210Bとは4角形状を有するものとしたが、第1上杆体210Aと第2上杆体210Bの断面形状は、限定されるものではなく、たとえば楕円形や円形でもよい。また第1上杆体210Aと第2上杆体210Bは、中実でもよく、たとえばパイプのように中空でもよい。第1上杆体210Aと第2上杆体210Bの材質は、剛性を有するものであれば限定されるものではなく、たとえば金属でもよく、木材や樹脂等でもよい。
【0135】
上述した架台構造101は、構造物、建築物、人、動物、物品等を載置できる上部構造201と、上部構造201に設けられる支柱構造800とを備えていてもよい。次に
図30〜
図34を参照して、支柱構造800について説明する。
【0136】
第3の実施形態の支柱構造800は、第3の実施形態の上部構造202に取り付けられるものとするが、第1及び第2の実施形態の上部構造200,201に取り付けることもできる。支柱構造800は、
図30に示すように、下端が第1連結手段220に回転自在に連結保持され、上端が正6角形の内方へ折り曲げ可能に立設された6本の上部杆体810と、上端が第1連結手段220に回転自在に連結保持され、下端が正6角形の内方へ折り曲げ可能に立設された6本の下部杆体820と、上部杆体810の上端と下部杆体820の下端との間を結ぶ1本の線材830を備えている。第1連結手段220と、上部杆体810の下端及び下部杆体820の上端とは、たとえばヒンジやピン等を用いた公知の機構を使用して連結することができる。
【0137】
上部杆体810及び下部杆体820は長尺な柱状体である。また、上部杆体810及び下部杆体820は略等しい長さを有する。上部杆体810及び下部杆体820の長さは、上杆体210と同様に、特に限定されるものではない。上部杆体810及び下部杆体820はそれぞれ、各々の軸心と直交する断面において、矩形状である。
【0138】
なお上部杆体810及び下部杆体820の断面形状は、上杆体210と同様に、特に限定されるものではなく、楕円形状や円形状でもよい。上部杆体810及び下部杆体820は、中実でもよく、パイプのような中空でもよい。上部杆体810及び下部杆体820の材質は、剛性を有するものであれば限定されるものではなく、たとえば金属でもよく、木材や樹脂等でもよい。線材830は、剛性を有するものであれば限定されず、たとえばワイヤやロープ等であってもよい。
【0139】
第1連結手段220において、上部杆体810の下端は上部杆体810の軸心と直交する回転軸の回りに回転自在であり、下部杆体820の上端は下部杆体820の軸心と直交する回転軸の回りに回転自在である。
【0140】
また、線材830には、線材830にテンションを付与するテンション付与手段として、テンションレバー840が設けられている。テンションレバー840は、
図30及び
図31Aに示すように、一端841が上部杆体810の下端部の外向部に、上部構造202の正6角形の面に平行で、かつ正6角形の中心と上部杆体810の上記下端部の外向部を結ぶ線に垂直な軸に軸支され、他端842が線材830の中心部に摺動自在に係合されている。すなわち、テンションレバー840は、他端842が上部構造202の正6角形の外方において上下方向に移動可能に構成されている。なお本実施形態では、テンションレバー840の一端841が、上部杆体810の下端部の外向面に設けられているが、本発明はこれに限定されず、第1連結手段220の外向部に回転自在に軸支されていてもよいし、下部杆体820の上端部の外向部に回転自在に軸支されていてもよい。また、テンションレバー840は、第1連結手段220の近傍に設けられることが好ましく、具体的には上部杆体810の下端部から下部杆体820の上端部の範囲は、上部杆体810の上端から2/3の位置から第1連結手段220を含めて下部杆体820の下端から2/3までの位置とすることが好ましい。
【0141】
テンションレバー840は、
図31Bに示すように、他端842が下方向に押し込まれていない状態、すなわちテンションレバー840が他端842を上方にして斜めに位置しているときには、線材830にはテンションが付与されず、線材830は撓んだ状態となっている。このとき、上部杆体810と下部杆体820は、第1連結手段220に対して回転自在な状態であり、上部構造202の正6角形の内側へ折り畳むことができる。
【0142】
そしてテンションレバー840は、
図31Aに示すように、テンションレバー840の他端842が下方向に押し込まれて、テンションレバー840が上部構造202の正6角形の面に略平行な位置、つまり略水平に位置したときに、他端842に係合された線材830にテンションが付与される。テンションレバー840によって線材830にテンションが付与された状態においては、線材830によって上部杆体810の上端と下部杆体820の下端は上部構造202の正6角形の外方に向けて引っ張られているので、上部杆体810と下部杆体820は、第1連結手段220に対して回転不可能な状態となり、位置が強固に固定される。
【0143】
上部杆体810は、
図31Aに示す、線材830にテンションが付与された状態においては、その上端を上部構造202の正6角形の外側に位置させて、上方へ移動するにしたがって6本の上部杆体810が開いた状態となる。これにより、上部構造202にシート250を設けたときに、シート250上の空間を広くできる。また、上部杆体810の上端を覆うように屋根用シート(
図33参照)を設けたときには、シート250上の空間に雨が吹き込み難くなる。下部杆体820は、地上に向けてまっすぐ下方に延びている。
【0144】
テンションレバー840によって線材830にテンションが付与された状態、すなわち
図31Aに示す状態においては、正6角形の各々の頂点において、上部杆体810、下部杆体820、テンションレバー及び線材830によって、2つのトラス構造を構成することができるので、上部杆体810と下部杆体820すなわち架台構造102の剛性を高められる。
【0145】
また、支柱構造800は、6本の上部杆体810の各々において、上部杆体810の上端とこの上部杆体810に隣接する2本の上杆体210−2すなわち左右の上杆体210−2の中間部をそれぞれ結ぶ上線材850Aと、6本の下部杆体820の各々において、下部杆体820の下端とこの下部杆体820に隣接する2本の上杆体210−2すなわち左右の上杆体210−2の中間部をそれぞれ結ぶ下線材850Bを備えている。上線材850Aと下線材850Aとが、本発明における第2の線材に相当する。
【0146】
上線材850Aと下線材850Bは、上部杆体810の上端、下部杆体820の下端及び上杆体210−2の中間部に、たとえば丸環等の部材を固設して結ぶことにより固定してもよいし、適宜公知の固定方法を使用できる。また、上線材850Aと下線材850Bは、
図30に示すように、テンションレバー840によって線材830にテンションが付与されている状態において、テンションが付与される長さに構成されている。つまり
図31Bに示す線材830にテンションが付与されていない状態すなわち上部杆体810や下部杆体820が完全に立ち上がっていない状態においては、上線材850Aと下線材850Bは、テンションが付与されておらず撓んだ状態になっている。上線材850Aと下線材850Bは、剛性を有するものであれば限定されず、たとえばワイヤやロープ等であってもよい。
【0147】
支柱構造800において、上線材850Aと下線材850Bとを設けることにより、テンションレバー840によって線材830にテンションが付与された状態、すなわち
図31Aに示す状態においては、正6角形の各々の頂点において、上部杆体810、下部杆体820、テンションレバー及び線材830による2つのトラス構造に加えてさらに4つのトラス構造を構成することができるので、上部杆体810と下部杆体820すなわち架台構造102の剛性をさらに高められる。
【0148】
なお第3の実施形態において、上線材850A及び下線材850Bは上杆体210−2の中間部に連結したが、特に限定されない。上線材850Aが連結されている上部杆体810が連結された第1連結手段220から隣の連結手段までの間の1/3の位置から隣の連結手段に至るまでの間であればいずれの箇所に連結してもよい。特に、上線材850Aは、上部構造202にシート250が設けられているとき等に、上線材850Aが人の出入りの邪魔になり難いので、出入り口を大きくとるために上記1/3の位置に連結することが好ましい。
【0149】
上記のように構成された支柱構造800は、テンションレバー840によって線材830にテンションを付与しない状態、すなわち
図31Bに示す状態において、上部杆体810及び下部杆体820をそれぞれ上部構造820の正6角形の内側へ折り曲げた後で、上部構造202を折り畳むことにより、
図29に示す第1連結手段220に追従して、この第1連結手段220に連結された上部杆体810及び下部杆体820がこの第1連結手段220を支点にして回動することにより、上部杆体810及び下部杆体820が上杆体210−2全体に近接していき、上線材850A及び下線材850Bも、上部杆体810及び下部杆体820の回動に追従して撓むので、最終的には上部構造202と一緒に1本の柱状態に折り畳みできる。
【0150】
本発明においては、上記架台構造102にさらに上述した中間構造300を設けることができる。ここで本発明に係る第4の実施形態の架台構造103について図面を参照して説明する。
図32に、中間構造300を備えた架台構造103を右斜め上方から見た斜視図、
図33に中間構造300、シート250及び屋根用シート870を備えた架台構造103を右斜め上方から見た斜視図をそれぞれ示す。なお本実施形態において上部構造202はシート250が設けられたものとする。
【0151】
架台構造103は、
図32、
図33に示すように、上部構造202、支柱構造800、中間構造300、シート250、ポール860及び屋根用シート870とを備えている。架台構造103は、
図32に示すように、第1連結手段220に一端部311が回転自在に連結保持される6本の中間杆体310と、中間杆体310の他端部312を集束させて回転自在に連結保持する第3連結手段320とを備えてなる中間構造300を備えている。なお中間構造300については上述した実施形態の架台構造100に設けられるものと同様の構造であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0152】
中間構造300の第3連結手段320は円形状であり、円形の上面にポール860が取外し可能に取り付けられる。ポール860は、
図32に示すように、上部杆体810の長さよりも長く構成されており、
図33に示すように、ポール860の上端には、屋根用シート870が被される。ポール860は、シート250の略中央に設けられた不図示の孔を貫通して上方に延びており、この孔はポール860が倒れるのを防止している。なお孔とポール860との間は、ポール860が孔から抜け出すことが可能な程度のクリアランスを有している。
【0153】
屋根用シート870は、上部杆体810の上端で形成される正6角形よりも大きい正6角形で構成されており、
図33に示すように、屋根用シート870の中央部がポール860の上端に被さり、屋根用シート870の縁部は上部杆体810の上端に覆い被さっている。なお屋根用シート870の素材は、可撓性を有するものであれば限定されるものではく、たとえば布地や、ナイロンやビニール等の樹脂でもよいが、防水加工が施されていることが望ましい。また屋根用シート870は、ポール860や上部杆体810の上端に取外し可能に、たとえばロープ等を使用して固定されていてもよいし、単に被せておいてもよいし、用途によって適宜変更することができる。
【0154】
屋根用シート870は可撓性を有しているので、取り付けたままの状態で架台構造102を折り畳んだり展開したりすることができる。ポール860は、架台構造102を折り畳むときには、先に取り外される。また架台構造102を折り畳んだ状態から展開するときには、展開した状態になった後に、ポール860を取り付ける。なおポール860に、各種照明器具やテーブル等を取り付けて使用することができる。また、図示は省略するが、架台構造103の上部構造202の上方の側面、すなわち上部杆体810が構成する周面に、側面シートを設けることができる。側面シートは、上部杆体810に取外し可能に懸架されていることが好ましい。側面シートの素材は、特に限定されるものではなく、たとえば布地や、ナイロンやビニール等の樹脂でもよい。また側面シートは特に可撓性を有するものに限定されるものではなく、板状のもので構成してもよい。架台構造103を屋外で使用する場合には、防水加工が施されていることが望ましい。側面シートも取り付けたまま架台構造2を折り畳んだり展開したりすることが出来る。
【0155】
なお架台構造103は、6本の下杆体410と、下杆体410と第3連結手段330とを結合する線材420とを備えることができる。線材420は、上述した下部構造400で使用する線材420と同じ構成のものを使用することができ、剛性を有するものであれば限定されず、たとえばワイヤやロープ等であってもよい。なお折り畳み時において、下部杆体820は中間杆体310に近接するように折り畳まれ、線材420も追従して撓む。
【0156】
本発明において、上部杆体810及び下部杆体820の本数は、特に限定されるものではないが、架台構造102、103を安定させるため、3本以上であることが望ましい。上部杆体810は、天上に向けて斜め上方に延び、且つ等間隔に配置されていることが望ましい。また、下部杆体820は伸縮自在に調整可能とすることができる。ここで
図34に、伸縮調整機構を有する下部杆体900の斜視図を示す。
図34の左図は縮んだ状態、右図は伸びた状態をそれぞれ示す。
【0157】
下部杆体900は、上端が第1連結手段220に連結され、下端に矩形状の固定板821を有する下部杆体本体820−2と、上下端に矩形状の可動板910を有し、この2枚の可動板910に固設される2本の可動棒920を有する伸縮可動部930とを備えている。下部杆体本体820−2の固定板821には、後述するロープ940が挿通する挿通孔821aが設けられており、下部杆体本体820−2の上側には、ロープ940を係止するための係止部822が設けられている。係止部822は、ロープ940が挿通する挿通路823を有し、この挿通路823の内面には複数の凹凸が設けられており、この凹凸による摩擦力によってロープ940を係止している。なお係止部822の構造については、ロープ940を確実に係止できる構造であれば特に限定されるものではなく、公知の構造を使用することができる。
【0158】
ロープ940は、固定板821の挿通孔821aを挿通し、その先端は2つの可動板910のうち上方に位置する可動板910の固定されている。固定方法としては、たとえば可動板910に丸環等を固設して、ロープ940を結んでもよいし、公知の方法を使用できる。
【0159】
上記のように構成された下部杆体900は、
図34の左図に示す縮んだ状態で、ロープ940を矢印P1の方向に引っ張ることにより、ロープ940の先端に固定された上側の可動板910が矢印P2の方向すなわち下方向に引っ張られて移動することにより、伸縮可動部930全体が、
図34の右図に示すように下方向へ移動し、下部杆体900が伸びた状態となる。この状態でロープ940を係止部822で固定することにより、下部杆体900は伸びた状態に保持される。
【0160】
また下部杆体900を
図34の右図に示す伸びた状態から、縮んだ状態にするには、係止部822によるロープ940の係止を解除し、たとえば人の手によって下方の可動板910を上方へ押し込むことにより、
図34の左図に示す縮んだ状態になる。そして、縮んだ状態でロープ940を係止部822で固定することにより、下部杆体900は縮んだ状態に保持される。このように下部杆体900が伸縮機能を備えることにより、起伏が激しい不整地であっても、架台構造102を安定して設置できる。なお下部杆体の伸縮機能については、これに限定されず、公知の機構を使用することができる。
【0161】
次に本発明に係る第5の実施形態の架台構造104について以下図面を用いて詳細に説明する。
図35は、4角形の上部構造204からなる架台構造104の展開及び折り畳みを示す図である。なお上述した実施形態の架台構造101、102、103と同様の構成については同じ符号を使用して説明は省略する。
【0162】
本実施形態の架台構造104は、上記架台構造101、102、103と同様に、上部構造204に設けられる支柱構造800や、上部構造204、上部構造204の下方で上部構造204を支持する中間構造300、中間構造300と連結し地上に設置される下部構造400とを備えていてもよいし、上部構造204を直接地上に設置して、上部構造204のみを架台構造としてもよい。また、架台構造104は、上述した実施形態の
図10と同様に、宇宙空間や、水や油等の液体空間において、上部構造204と中間構造300とを架台構造としてもよい。
【0163】
架台構造104の上部構造204は、4本の上杆体210−2を連結して平板状の正方形をなすように展開されており、4本の上杆体210−2と、正方形の各頂点に配置され、頂点において隣接する2本の上杆体210−2の一端部211同士を連結保持する4個の第1連結手段220を備える。
【0164】
上部構造204は、
図35の上図に示す展開状態から、第1上杆体210Aと第2上杆体210Bとを互いに対して相対的に第1軸心AX1回りに回転させながら、すなわち第1上杆体210Aと第2上杆体210Bとが対向する面において、互いの断面の矩形状が一致した状態から一致しない、ずれた状態になるように回転させながら、隣接する2本の上杆体210−2のなす角度が最小になるように、上杆体210−2を直交軸AX2回りに枢動すると、第1連結手段220が1つ置きに起こされた
図35の中図に示す状態になる。
【0165】
そして、上部構造202は、
図35の中図の状態より、上杆体210−2同士をさらに近づけ、最終的には、向かい合う2つの第1連結手段220をそれぞれ近接させることにより、全体として1本の柱状体に折り畳まれ、
図35の下図に示す折り畳み状態になる。
【0166】
なお、上部構造204は、第1軸心AX1及び直交軸AX2の各軸回り以外に上杆体210−2を回転させる構造を有しない。これにより、正方形の展開形状、1本の柱状体である折り畳み形状、及びその途中形状からなる所定形状以外の形状を有することが制限される。
【0167】
なお本発明の架台構造においては、上杆体210−2が等長であればよく、上部構造の展開形状は正方形に限定されるものではない。したがって、上部構造の展開形状は、たとえばひし形であってもよいし、2N角形(Nは2以上の整数)であればよい。
【0168】
そして、展開形状が2N角形(Nは2以上の整数)である場合、本発明の上部構造は、2N本の上杆体、2N個の第1連結手段220、2N個の回転手段240を備えればよい。なお上杆体が第1上杆体210Aと第2上杆体210Bとに分割された上杆体210−2を使用する場合には、上記回転手段240は必要ない。
【0169】
また、上部構造の展開形状が2N角形(Nは2以上の整数)である場合、シートの形状も2N角形(Nは2以上の整数)とすればよい。上部構造200は、高重量の部材等を載置させる場合、シート250の代わりに、金属や木材等の高い剛性を有する平板を支持板としてもよい。
【0170】
次に本発明の架台構造を2つ備えて構成された構造体1000について、以下図面を用いて詳細に説明する。
図36は、構造体1000の斜視図である。なお本実施形態の構造体1000は、上述した第2の架台構造101のシート250を備えた態様のものを使用したが、本発明はこれに限られるものではなく、架台構造100、第3の架台構造102、第4の架台構造103、第5の架台構造104を用いてもよいし、シート250を備えていない架台構造を使用することもできる。
【0171】
構造体1000は、
図36に示すように、上部構造201からなる架台構造101を、正6角形を含む平面に垂直な方向に間隔をおいて2つ、すなわち上下に2つ備えている。また、上下の架台構造101の正6角形の各頂点に取外し可能に連結固定する支柱1001を6本備えている。本実施形態においては、支柱1000は第1連結手段220に連結固定されている。
【0172】
支柱1001は、その両端をそれぞれ上下に位置する架台構造101の第1連結手段202に取外し可能に連結固定されており、
図36に示す組み立てた状態では、支柱1001によって2つの架台構造101の正6角形が強固に固定されているので、支柱1000により架台構造101を安定且つ高い剛性で支持することができる。また支柱1001の両端を2つの架台構造101の第1連結手段220からそれぞれ取外した後で、2つの架台構造101を上述したようにして1本の柱状に折り畳むことにより、コンパクトに収納した状態での持ち運びが可能となる。
【0173】
支柱1001は、長尺な柱状体であり、その断面は円形状である。なお支柱1001断面形状は、特に限定されるものではなく、楕円形状や矩形形状でもよい。また支柱1001は、中実でもよく、パイプのような中空でもよい。支柱1001の材質は、剛性を有するものであれば限定されるものではなく、たとえば金属でもよく、木材や樹脂等でもよい。支柱1001の長さや太さは特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜変更できる。また支柱は伸縮可能に構成されていてもよく、縮んだ状態において、上杆体210と同じ長さになるように構成しておけば、折り畳んだ状態の架台構造101と同じ長さにすることができるので、支柱1001も含めて1つの柱状にまとめることができるので、持ち運びの利便性を向上させることができる。
【0174】
なお、本実施形態の構造体1000は、正6角形の上部構造201からなる架台構造101を2つ備えるものとしたが、本発明の構造体はこれに限られるものではなく、正方形の上部構造204からなる架台構造104を2つ備えてもよいし、正8角形や正12角形の上部構造204からなる架台構造を2つ備えてもよいし、適宜変更することができる。また構造体は、大きさの異なる上部構造からなる架台構造を2つ備えてもよい。この場合、支柱は地面に垂直に設けられずに斜めに設けられることになる。また構造体は、異なる形状の上部構造からなる架台構造を2つ備えてもよい。たとえば、上方に位置する架台構造の上部構造が正方形であり、下方に位置する架台構造の上部構造が正6角形である場合には、正方形の2つの頂点では、2本の支柱が連結固定される。
【0175】
さらにまた、構造体は、2つのみならず、3つ以上の架台構造を備えることができる。たとえば、
図36の構造体1000において、上方の架台構造101の上方にもう一つ架台構造101を備えることができる。この場合、新たに加えた架台構造101の上部構造201の正6角形の各頂点と真ん中に位置する架台構造101の上部構造の正6角形の各頂点とを支柱1001で連結固定すればよい。連結固定の方法は、下方と真ん中の2つの架台構造101の上部構造201と同様にすることができる。
【0176】
また本発明の構造体は、2つの架台構造と支柱とで形成される各面に不図示の側面シートを設けてもよい。側面シートは、上杆体と支柱の少なくとも1つに取外し可能に懸架されていることが好ましい。側面シートの素材は、特に限定されるものではなく、たとえば布地や、ナイロンやビニール等の樹脂でもよい。また側面シートは特に可撓性を有するものに限定されるものではなく、板状のもので構成してもよい。構造体を屋外で使用する場合には、防水加工が施されていることが望ましい。
【0177】
本発明の構造体によれば、安定且つ高い剛性で支持された支持板又はシート等を、上杆体が形成する2N角形の平面に垂直な方向に複数備えることができる。これにより本発明の構造体は、テント等の様々な用途で利用することができ、たとえば使用する人の人数によって架台構造の数を変更することにより、利便性を向上できる。さらに、本発明の構造体によれば、支柱を架台構造から外すことにより、架台構造を各々全体として柱状に折り畳みできるため、構造体全体としてコンパクトな収納を実現ですることができ、運搬をし易くできる。
【0178】
本発明の架台構造は、以上に説明した実施形態に特に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜変更することもできる。また、本発明の架台構造は、建造物又は構造物の基礎、簡易的な仮設住宅の基礎や屋根、宇宙空間でのアンテナ、ソーラーパネルの架設台、テントやトランポリン等の遊具、テーブルや椅子等の家具等の様々な分野に適用できる。また、柔軟なシート250を備えることで、ハンモックや、災害時の応急ベッド、仮設住居の屋根としても利用可能である。